JP6453686B2 - コンベア式食品加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、食品をコンベアベルトで搬送しながら加熱するコンベア式食品加熱装置に係り、特に、食品の下面の加熱度合を均一にできるようにしたコンベア式食品加熱装置に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示されているように、食品を加熱する加熱室と、水平方向に延設されて加熱室を貫通し、水平方向に移動して上面部に載置された食品を搬送するコンベアベルトと、加熱室内にてコンベアベルトの上面部の上方及び下方にそれぞれ配設された上側ヒータ及び下側ヒータとを備えたコンベア式食品加熱装置は知られている。コンベアベルトとしては、ステンレス等の金属製ネット、ガラス繊維にフッ素コーティングしたネットなどが用いられている。また、上側ヒータ及び下側ヒータとしては、遠赤外線効果を有するシーズヒータ、ランプヒータなどが用いられている。このように構成したコンベア式食品加熱装置においては、移動中のコンベアベルトの上面部上に食品を載置すると、食品は搬入口から加熱室に搬入され、加熱室内にて上側ヒータ及び下側ヒータによって食品の上面と下面が同時に加熱されて、加熱処理された食品が搬出口から搬出される。
特開2010−41995号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のコンベア式食品加熱装置においては、下側ヒータで食品を加熱する際には、食品の下面において、コンベアベルトであるネットの影になる部分の加熱度合が他の部分よりも低く、食品の下面を均一に加熱することができないという問題があることを本願発明者は発見した。この問題を解決するために、本願発明者は、食品の下面を均一に加熱することができない理由について探求するとともに、食品の下面を均一に加熱するための改良を考察した。
遠赤外線は、電磁波であり、波長領域の境界は厳密に定義されているわけではないが、4〜1000μmの波長領域の電磁波が遠赤外線と言われていることもあり、本明細書では、この波長領域の電磁波を遠赤外線とする。遠赤外線は、電気極性をもつ分子に運動エネルギーを与えることにより、分子に振動エネルギーを与えて分子の運動を活発化させる。このような遠赤外線が食品に照射されると、食品表面の分子は振動して他の分子と衝突して発熱し、この熱が食品内部に伝搬して食品が加熱される。すなわち、遠赤外線は熱そのものではなく、食品の分子に自己発熱を起こさせる電磁波である。
また、遠赤外線は、光でもあり、直進性を持っている。そのため、遠赤外線源と食品との間に障害物があると、遠赤外線はこの障害物に吸収されて障害物の発熱を促すことになる。したがって、食品表面では、障害物によって光(遠赤外線)が当たらない影の部分の加熱が進行しないことになる。この部分は、障害物からの伝導熱又は輻射熱で加熱されるが、遠赤外線が照射された部分との間に温度差が生じ、食品に焼きむらが発生する。食品を遠赤外線で加熱する場合、食品に遠赤外線を照射するヒータの温度は食品よりも高い温度に維持されているので、ヒータから遠赤外線が照射される部分に対する熱流をあまり変化させずにほぼ一定に維持でき、遠赤外線が照射される部分には熱を多く流入させることができる。このため、食品において遠赤外線が照射される部分を短時間で加熱することができる。一方、障害物の影となる食品の部分では、伝導熱又は輻射熱の熱源温度と、食品の表面温度との差に比例した熱流が発生する。したがって、この影になる食品の部分の表面温度は伝導熱又は輻射熱による温度に近づいてしまい、両者の温度差が少なくなることからこの部分に対する熱流が少ししか発生しなくなる。このため、障害物の影となる食品の部分を短時間で加熱することは難しくなる。
コンベアベルトの上面部の上方及び下方から遠赤外線を照射するコンベア式食品加熱装置においては、コンベアベルトが前述した障害物に相当する。コンベアベルトは、網目状(ネット状)に構成されている。例えば、コンベアベルトは、複数の金属線を連結した網目状に形成されている。各金属線は、所定間隔を隔てて平行に延設した部分と、絡み合った部分(連結部分)とを有する。
このようなコンベアベルトの上面部に食品を載置し、下方から遠赤外線を食品に照射すると、コンベアベルトの網目(金属線)と同じ模様で、金属線の直径よりも幅が広い(すなわち太い)模様が食品の下面に現れる。各金属線間で遠赤外線が常に照射される部分は加熱が進行して焦げ目(褐変)が付くが、影になった部分は加熱が遅れるので、加熱度合(焼成度合)が進行せずに加熱前の状態に近いままとなる。具体的には、白色の食材では、黄色又は褐色になった部分と白色の部分とが帯状の模様となって食品の下面に現れる。つまり、食品の下面側には焼きむらが発生するという問題がある。また、全体的に見ると、食品の上面側よりも下面側の焼成が遅れてしまうという問題もある。この傾向は、コンベアベルトの各金属線間のピッチが狭くなるほど顕著である。
この点について、具体的に説明する。図10は、コンベアベルト(網)を構成する金属線NL及び下側ヒータLHを実線で表し、食品Fを2点鎖線で示している。金属線NLは円柱状であり、その断面の直径はL5である。なお、従来の装置では、食品が熱せられる部分の長さをある程度大きくしたいために、遠赤外線を放射する複数の下側ヒータLHが存在しても、複数の下側ヒータLH間の距離は比較的大きく、食品の加熱下におかれる部分は複数の下側ヒータLHで同時に加熱されることはなく、一つのみの下側ヒータLHのみによって加熱される。下側ヒータLHから上方に向かって扇状に放射された遠赤外線は食品Fの下面に照射されるが、金属線NLにも照射される。食品F及び金属線NLが矢印で示すように右方向から左方向に移動する場合、金属線NLが下側ヒータLHの右側に位置しているときには、遠赤外線の直進性により、食品Fの下面において金属線NLの直径よりも大きな移動方向の幅L6の部分が影となり、金属線NLの右端から影の右端までの幅はL6’となる。金属線NLが下側ヒータLHの真上に位置しているときには、食品Fの下面において金属線NLの直径L5にほぼ等しい移動方向の幅L5’(≒L5)の部分が影となる。金属線NLが下側ヒータLHの左側に位置しているときには、食品Fの下面において金属線NLの直径L5よりも大きな移動方向の幅L7の部分が影となり、金属線NLの左端から影の左端までの幅はL7’となる。したがって、金属線NL及び食品Fの移動中において、食品Fの下面において影となる移動方向の幅L8はL5+L6’+L7’となり、金属線NLの直径L5よりも大きくなる。
特に、食品Fはコンベアベルトの上面部に載置され、下側ヒータLHは上面部の両端に接続されたコンベアベルトの下面部よりも上方、すなわち上面部から近い位置に配設されるので、この影となる幅L8は大きくなる。
そして、この幅L8の影の部分は、遠赤外線による熱流が届き難いので、加熱が遅れる。幅L8の影の部分において、金属線NLに接触している下面部分に関しては熱伝導で加熱され、また金属線NLと接触していない下面部分に関しては輻射熱で加熱される。しかし、前述のように、前記熱伝導及び輻射熱に関する熱流は少なく、この幅L8の影の部分を短時間で加熱することはできない。一方、金属線NL間の中央部分(影以外の部分)は、常に遠赤外線が照射されているので、加熱が促進される。したがって、下側ヒータLHの本数を増やしたり、容量を大きくしたりしても、影の部分の幅L8は変わらず、遠赤外線が常に照射されている部分は焦げ、影の部分は加熱前と近い状態のままとなる。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、コンベアベルトの上面部に食品を載置し、コンベアベルトの上面部の上方及び下方に配置した上側及び下側ヒータから遠赤外線を食品に照射するコンベア式食品加熱装置において、食品の下面側の加熱むらを抑制するようにしたコンベア式食品加熱装置を提供することにある。なお、下記本発明の構成において、実施形態の対応する部分の符号を括弧内に例示的に示すが、これは本発明の構成を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は、食品(F)を加熱する加熱室(11)と、耐熱性線材(26,27)で網目状に構成されているとともに、加熱室を貫通していて、加熱室内を移動して上面部(20a)に載置された食品を搬送するためのコンベアベルト(20)と、加熱室内にてコンベアベルトの上面部の上方に配設されて、コンベアベルトによって搬送される食品を上方から加熱するための上側ヒータ(H1,H2)と、加熱室内にてコンベアベルトの上面部の下方に配設されて、コンベアベルトによって搬送される食品を下方から加熱するための下側ヒータ(H3〜H6)とを備えたコンベア式食品加熱装置において、下側ヒータを、同一に構成されて遠赤外線をそれぞれ放射する長尺状の少なくとも第1及び第2遠赤外線ヒータ(H3,H4)で構成し、第1及び第2遠赤外線ヒータを、コンベアベルトの上面部から下方に同一距離だけ離れた位置にて、コンベアベルトの上面部に平行かつコンベアベルトの上面部の移動方向と直交する方向にそれぞれ延設させて配置し、第1遠赤外線ヒータ(H3)の軸線方向の所定位置を基準位置(P31)とし、前記基準位置からコンベアベルトの上面部に直交する方向に延設された基準直線(CL31)とコンベアベルトの上面部とが交差する直交位置(P32)からコンベアベルトの移動方向に延設した前記基準直線と直交する直交直線(20a)上において、第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度が前記直交位置における第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度の30%となる位置と前記基準位置とを結ぶ直線(DL31)の前記基準直線に対する傾斜角度を許容角度(α1)とし、前記直交直線上における第1遠赤外線ヒータと第2遠赤外線ヒータとの中央位置(CP1)が、前記基準位置を通りかつ前記基準直線に対して第2遠赤外線ヒータ側に前記許容角度だけ傾いた方向の直線(DL31)と前記直交直線との交点よりも前記直交位置側に位置するように、第1遠赤外線ヒータと第2遠赤外線ヒータとの間の距離と、コンベアベルトの上面部から第1及び第2遠赤外線ヒータまでの距離を設定したことにある。
この場合、前記コンベアベルトは、例えば、上面部の両端から連続した下面部(20b)を有する無端のコンベアベルトであり、第1及び第2遠赤外線ヒータは、コンベアベルトの下面部の上方に配設される。
前記のように構成した本発明に係るコンベア式食品加熱装置においては、前記直交直線上における遠赤外線の照射状態は次のようになる。すなわち、前記直交直線上の前記中央位置と第1遠赤外線ヒータの真上位置(すなわち、前記直交位置)との間においては、第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度は、第1遠赤外線ヒータの真上位置の第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度の30%以上となる。また、前記直交直線上の前記中央位置と第2遠赤外線ヒータの真上位置との間においては、第2遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度は、第2遠赤外線ヒータの真上位置の第2遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度の30%以上となる。なお、前記直交直線上の前記中央位置と第1遠赤外線ヒータの真上位置との間においては、第2遠赤外線ヒータによる遠赤外線も照射されるとともに、前記直交直線上の前記中央位置と第2遠赤外線ヒータの真上位置との間においては、第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線も照射される。ただし、この遠赤外線による照度は小さい。この場合、第1遠赤外線ヒータと第2遠赤外線ヒータは同一構成であるので、第1遠赤外線ヒータの真上位置の第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度と、第2遠赤外線ヒータの真上位置の第2遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度は同じである。そして、第1及び第2遠赤外線ヒータの真上における第1及び第2遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度の30%の照度とは、食品を遠赤外線によって加熱焼成するために必要な最小限の食品表面における遠赤外線の照度であり、この30%に対応した前記許容角度は食品を遠赤外線によって加熱焼成するために必要な食品表面への最大入射角度である。
したがって、第1遠赤外線ヒータによる食品への遠赤外線の照射において、コンベアベルトを構成する耐熱性線材によって第2遠赤外線ヒータ側の影となる多くの部分には、第2遠赤外線ヒータからの加熱焼成のために有効な遠赤外線が照射される。また、第2遠赤外線ヒータによる食品への遠赤外線の照射において、コンベアベルトを構成する耐熱性線材によって第1遠赤外線ヒータ側の影になる多くの部分には、第1遠赤外線ヒータからの加熱焼成のために有効な遠赤外線が照射される。すなわち、第1及び第2遠赤外線ヒータによる食品への遠赤外線の照射において、コンベアベルトを構成する耐熱性線材によって影になる多くの部分は、第2及び第1遠赤外線ヒータによる加熱焼成のために有効な遠赤外線の照射によりそれぞれ補われる。したがって、第1及び第2遠赤外線ヒータが上面部の近くに配置されていても、食品の移動方向における耐熱性線材による実質的な影の部分は極めて小さくなる。また、食品における前記実質的な影の部分に関しては、コンベアベルトの上面部の耐熱性線材と直接接触しているので、耐熱性線材からの直接の熱伝導により加熱されるとともに、温度上昇している前記実質的な影の部分の周囲の食品の表面からの熱伝導により加熱され、温度上昇を促進させることができる。その結果、前記構成のコンベア式食品加熱装置においては、食品の下面全体の焼成度合をほぼ均一にすることができて、食品の下面の焼きむらを抑えることができる。
また、前記本発明における許容角度に代えて、前記直交直線(20a)上において、第1遠赤外線ヒータ(H3)による遠赤外線の照度が前記直交位置(P32)における第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度の40%となる位置と前記基準位置(P31)とを結ぶ直線(DL31)の前記基準直線に対する傾斜角度を許容角度(α2)とすることが好ましい。
この場合、第1及び第2遠赤外線ヒータの真上における第1及び第2遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度の40%の照度とは、食品を遠赤外線によって加熱焼成するために前記場合よりもさらに有効な食品表面における遠赤外線の照度である。したがって、第1及び第2遠赤外線ヒータによる食品への遠赤外線の照射において、コンベアベルトを構成する耐熱性線材によって影になる多くの部分は、第2及び第1遠赤外線ヒータによる加熱焼成のために前記場合よりもさらに有効な遠赤外線の照射によりそれぞれ補われ、食品の下面全体の焼成度合をより均一にすることができる。また、この場合、コンベアベルトを構成する耐熱性線材による影の部分を考慮しないとすると、前記直交直線上における第1遠赤外線ヒータと第2遠赤外線ヒータとの中央位置においては、第1及び第2遠赤外線ヒータによる両照度の合計は第1遠赤外線ヒータの真上における第1遠赤外線ヒータのみによる遠赤外線の照度(及び第2遠赤外線ヒータの真上における第2遠赤外線ヒータのみによる遠赤外線の照度)の80%以上となる。したがって、前記直交直線上における第1遠赤外線ヒータと第2遠赤外線ヒータとの中央位置における食品の加熱焼成が、前記直交直線上における他の位置における加熱焼成と均等に近い状態で行われ、前記影を除く部分における食品の加熱焼成が常に均等に近い状態で行われるようになり、食品の加熱焼成がより良好に行われる。
なお、前述した許容角度を異ならせた2つの本発明においては、第1及び第2遠赤外線ヒータの中央位置は、前記基準位置を通りかつ前記基準直線に対して第2遠赤外線ヒータ側に前記許容角度だけ傾いた方向の直線と前記直交直線との交点に近い位置にあるとよい。これによれば、第1遠赤外線ヒータと第2遠赤外線ヒータとの距離を大きくすることができ、広い範囲に渡って食品を加熱焼成できるともに、遠赤外線ヒータの数を減らすことができて製品コストを下げることができる。ただし、食品の下面の加熱度合、コンベア食品加熱装置の構造等の理由により、前記中央位置を前記交点からある程度離して位置させてもよい。
また、本発明の他の特徴は、上側ヒータを、遠赤外線を放射する長尺状の複数の遠赤外線ヒータ(H1,H2)で構成して、前記複数の遠赤外線ヒータをコンベアベルトの上面部に平行かつコンベアベルトの上面部の移動方向と直交する方向にそれぞれ延設させて配置し、かつ下側ヒータを、前記第1及び第2遠赤外線ヒータを含み、遠赤外線をそれぞれ放射する長尺状の複数の遠赤外線ヒータであって、上側ヒータを構成する複数の遠赤外線ヒータの数の2倍の数の遠赤外線ヒータ(H3〜H6)で構成して、前記複数の遠赤外線ヒータをコンベアベルトの上面部に平行かつコンベアベルトの上面部の移動方向と直交する方向にそれぞれ延設させて配置し、上側ヒータ及び下側ヒータを構成する全ての遠赤外線ヒータの容量を同一とし、かつ上側ヒータを構成する複数の遠赤外線ヒータのうちの1つの遠赤外線ヒータと、下側ヒータを構成する複数の遠赤外線ヒータのうちの2つの遠赤外線ヒータとをそれぞれ1つの組とする複数の配線組とし、さらに、複数の配線組の全ての配線組に属する遠赤外線ヒータを動作させるか又は複数の配線組の一部の配線組に属する遠赤外線ヒータを動作させるかを切替える切替えスイッチ(42)を設けたことにある。
これによれば、切替えスイッチの操作による遠赤外線ヒータの作動の切替えにより、食品を高い又は低い加熱度合で焼成することを簡単に選択することができる。したがって、センサを用いて食品の加熱状態を自動的に判別したり、調整ダイアルを用いて電流を手動で調整したりするコンベア式食品加熱装置に比べて、本発明に係るコンベア式加熱装置は、安価に製造されるとともに、食品に応じた最適な加熱が素人でも簡単にできるようになる。この場合、上側ヒータ及び下側ヒータを構成する複数の遠赤外線ヒータのコンベアベルトの上面部からの距離を適当に設定すれば、複数の配線組の全ての配線組に属する遠赤外線ヒータを動作させる場合でも、複数の配線組の一部の配線組に属する遠赤外線ヒータを動作させる場合でも、食品の上面と下面との加熱度合を同じにでき、食品の上面と下面とを均一に焼成できる。
また、本発明の他の特徴は、上側ヒータを構成する1つの遠赤外線ヒータと、下側ヒータを構成する2つの遠赤外線ヒータを1つの組とする配線組として、前記1つの組を構成する3つの遠赤外線ヒータをデルタ接続又はY接続するようにしたことにある。この場合、前述のように、全ての遠赤外線ヒータの容量は同一である。
前記のように構成した本発明の他の特徴によれば、全ての遠赤外線ヒータの容量は同一であり、3つの遠赤外線ヒータを1つの組とする配線組として、1つの組を構成する3つの遠赤外線ヒータをデルタ接続又はY接続するようにしたので、3相電源による印加電圧を平衡に保つことができるとともに回路構成を簡単化でき、製造コストを安価にできるとともに、メンテナンス性も良好に保つことができる。また、前述のように、3つずつの遠赤外線ヒータで複数の配線組を構成し、複数の配線組の全ての配線組に属する遠赤外線ヒータを動作させるか又は複数の配線組の一部の配線組に属する遠赤外線ヒータを動作させるかを切換える切替えスイッチを設ける場合には、特に、回路構成が簡単となる。
本発明の一実施形態に係るコンベア式食品加熱装置の全体概略正面図である。 図1の2−2線に沿って見たコンベア式食品加熱装置の側断面図である。 図2の3−3線に沿って見たコンベア式食品加熱装置の平断面図である。 下側の遠赤外線ヒータとコンベアベルトの上面部との配置関係を説明するための説明図である。 コンベアベルトの一部を拡大して示す上面図である。 前記コンベア式食品加熱装置の電気回路のブロック図である。 遠赤外線ヒータの配光特性を示すグラフである。 遠赤外線ヒータの配光特性を説明するための説明図である。 前記コンベア式食品加熱装置における食品に対する遠赤外線の照射状態を説明するための説明図である。 従来のコンベア式食品加熱装置における食品に対する遠赤外線の照射状態を説明するための説明図である。
以下、本発明に係るコンベア式食品加熱装置の一実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、本発明の一実施形態に係るコンベア式食品加熱装置の全体概略正面図である。図2は、図1の2−2線に沿って見たコンベア式食品加熱装置の側断面図である。図3は、図2の3−3線に沿って見たコンベア式食品加熱装置の平断面図である。
このコンベア式食品加熱装置は、食品Fを加熱するための加熱室11を有するコンベアオーブン本体10と、上面部20aを水平方向に延設させるとともに加熱室11を貫通し、上面部20aを水平方向に移動させて上面部20aに載置された食品Fを搬送するための網目状のコンベアベルト20とを備えている。コンベアオーブン本体10は、正面から見て加熱室11に対し、右側に制御ボックス12、左側に駆動ボックス13、下側に下ボックス14及び上側に上ボックス15を備えている。これらの制御ボックス12、駆動ボックス13、下ボックス14及び上ボックス15は、それぞれステンレスなどの金属板材により形成され、外壁面の位置を合わせてそれぞれ一体的に連結固着されている。そして、これらの制御ボックス12と、駆動ボックス13と、下ボックス14と、上ボックス15とで囲まれた内側の空間が、加熱室11である。
加熱室11には、その前側にてコンベアベルト20の上面部20aに載置された食品Fを加熱室11内に搬入するための搬入口11aが設けられ、その後側にて加熱室11において加熱調理された調理済み食品Fを搬出するための搬出口11bが設けられている。加熱室11内には、食品Fを加熱調理するための遠赤外線ヒータH1〜H6が設けられている。遠赤外線ヒータH1〜H6は、カーボンフィラメントを不活性ガス(例えば、アルゴンガス)と共に石英ガラス管内に封入した長尺状かつ円筒状のガラス管ヒータであって、カーボンフィラメントに通電することにより遠赤外線を放射する遠赤外線ヒータである。そして、遠赤外線ヒータH1〜H6は、全て同一に構成されており、それらの軸線方向の長さは、コンベアベルト20の幅方向の長さとほぼ同一である。なお、遠赤外線ヒータH1〜H6として、ニクロム線を石英管に組み込んだ遠赤外線ヒータ、遠赤外線ランプを石英管に組み込んだ遠赤外線ヒータなどを用いることもできる。
ここで、遠赤外線ヒータの配光特性について図7に示すグラフを用いて説明する。図8に示すように、遠赤外線ヒータHの軸線方向と平行な平面PLを想定する。そして、遠赤外線ヒータHの軸線方向の所定位置P1(以下、基準位置P1という)を通り平面PLに直交する直線を基準直線Lyとし、基準直線Lyが平面PLに交差する位置を直交位置P2とし、平面PL内において直交位置P2を通り赤外線ヒータHの軸線と平行な直線と直交する直線を直交直線Lxとする。直交直線Lx上における照度は、遠赤外線の直進性のために、理論的には、直交位置P2で最大となり、直交位置P2から離れるに従って小さくなる。すなわち、直交直線Lx上の照度においては、基準直線Lyと直交直線Lxとの交点(直交位置P2)の照度が最大となり、基準位置P1を通り基準直線Lyから外側に傾斜した放射方向と直交直線Lxとの交点の照度は傾斜角が大きくなるに従って徐々に小さくなる。図7の実線は、市販されている遠赤外線ヒータHと平面PLとの距離を1mにした状態での傾斜角に対する直交直線Lx上における照度(ルクス)の変化を示すグラフである。また、図7の破線は、前記遠赤外線ヒータHに対して平面PLと反対側に断面半円状の反射板を設けた場合における、遠赤外線ヒータHと平面PLとの距離を1mにした状態での傾斜角に対する直交直線Lx上における照度の変化を示す。図7の点線は、遠赤外線ヒータHの円筒状の石英ガラスの外周面であって平面PLと反対側の外周面に白色の塗料を塗った場合における、遠赤外線ヒータHと平面PLとの距離を1mにした状態での傾斜角に対する直交直線Lx上における照度の変化を示す。
遠赤外線ヒータH1,H2は、加熱室11内におけるコンベアベルト20の上面部20aから上方に同一距離だけ離れた位置にて、コンベアベルト20の上面部20aの移動方向(図2及び図3の左右方向)と直交する方向にそれぞれ延設され、コンベアベルト20の上面部20aに対して平行すなわち水平に所定の間隔でコンベアベルト20の上面部20aの移動方向に沿って並べて配置されている。遠赤外線ヒータH3〜H6は、加熱室11内におけるコンベアベルト20の上面部20aから下方に同一距離だけ離れた位置にて、コンベアベルト20の上面部20aの移動方向(図2及び図3の左右方向)と直交する方向にそれぞれ延設され、コンベアベルト20の上面部20aに対して平行すなわち水平に所定の等間隔でコンベアベルト20の上面部20aの移動方向に沿って並べて配置されている。なお、遠赤外線ヒータH1,H2が本発明の上側ヒータを構成し、遠赤外線ヒータH3〜H6が本発明の下側ヒータを構成する。
さらに、遠赤外線ヒータH1〜H6の固定位置について、図4を用いて詳しく説明しておく。図4は、コンベアベルト20の上面部20aと直交し、かつコンベアベルト20の上面部20aの移動方向(図示矢印方向)に平行な平面内における、遠赤外線ヒータH1〜H6の配置を示す図である。図4においては、遠赤外線ヒータH1〜H6の中心位置P11〜P61を通りかつコンベアベルト20の上面部20aに直交する直線をCL11〜CL61でそれぞれ表すとともに、遠赤外線ヒータH1〜H6の中心位置P11〜P61を通りかつコンベアベルト20の上面部20aに平行な直線(直線CL11〜CL61と直交する直線)をCL12〜CL62でそれぞれ表す。また、直線CL31〜CL61と上面部20aの交点をP32〜P62で表す。この場合、直線CL31〜CL61が図8の基準直線Lyに対応し、上面部20aが図8の平面PL及び直交直線Lxに対応し、中心位置P31〜P61が図8の基準位置P1に対応し、かつ交点P32〜P62が図8の直交位置P2に対応する。なお、図4の符号26及び符号27は、詳しくは後述するコンベアベルト20を構成する金属線26及び連結線27をそれぞれ示す。
また、遠赤外線ヒータH1〜H6からコンベアベルト20に向かう方向(遠赤外線の放射方向)において、遠赤外線ヒータH1〜H6の中心位置P11〜P61を通りかつ直線CL11〜CL61に対して図示左側に角度αだけ傾いた方向を直線DL11〜DL61とする。遠赤外線ヒータH1〜H6からコンベアベルト20に向かう方向(遠赤外線の放射方向)において、遠赤外線ヒータH1〜H6の中心位置P11〜P61を通りかつ直線CL11〜CL61に対して図示右側に角度αだけ傾いた方向を直線DL12〜DL62とする。そして、直線DL31,DL42、直線DL41,DL52及び直線DL51,DL62はそれぞれ上面部20a上で交差するようになっており、これらの交差する交点をCP1,CP2,CP3でそれぞれ表す。この場合、交点CP1は上面部20aの移動方向において遠赤外線ヒータH3,H4間の中央位置となり、交点CP2は上面部20aの移動方向において遠赤外線ヒータH4,H5間の中央位置となり、交点CP3は上面部20aの移動方向において遠赤外線ヒータH3,H4間の中央位置となる。言い換えれば、直線DL31,DL42、直線DL41,DL52及び直線DL41,DL52が、それぞれ前記中央位置である交点CP1〜CP3で交差するように、遠赤外線ヒータH3〜H6間の各距離L1及び遠赤外線ヒータH3〜H6からコンベアベルト20の上面部20aまでの距離L2が設定されている。
本実施形態においては、角度αは約60度である。この角度60度は、図8を用いて前述した直交直線Lxにおいて、直交位置P2の照度に対して約50%の照度となる遠赤外線の放射角度である。したがって、遠赤外線ヒータH3による交点CP1の照度は、遠赤外線ヒータH3による交点P32の照度の約50%である。遠赤外線ヒータH4による交点CP1,CP2の各照度は、遠赤外線ヒータH4による交点P42の照度のそれぞれ約50%である。遠赤外線ヒータH5による交点CP2,CP3の各照度は、遠赤外線ヒータH5による交点P52の照度のそれぞれ約50%である。遠赤外線ヒータH6による交点CP3の照度は、遠赤外線ヒータH6による交点P62の照度の約50%である。
コンベアベルト20の上面部20aの移動方向において、遠赤外線ヒータH1は遠赤外線ヒータH3,H4の中央に位置し、遠赤外線ヒータH2は遠赤外線ヒータH5,H6の中央に位置する。また、本実施形態では、遠赤外線ヒータH1,H2からコンベアベルト20の上面部20aまでの距離L3は、距離L2の約3倍である。ただし、距離L3を距離L2の2〜4倍程度に設定してもよい。これらの距離L2,L3は、食品Fの上面及び下面の焼成度合を均一にするためのもので、後述する反射板16の遠赤外線の反射の影響を考慮するとともに、上側の遠赤外線ヒータH1,H2の数と下側の遠赤外線ヒータH3〜H6の数の比とを考慮して適宜設定される。
遠赤外線ヒータH1,H2の上方には、上方に向かって放射される遠赤外線を下方に反射するための反射板16が配設されている。コンベアベルト20の上面部20aよりも下方であって、遠赤外線ヒータH3〜H6の上方には、保護カバー17−1〜17−4が、それぞれ遠赤外線ヒータH3〜H6の上部を覆うように、遠赤外線ヒータH3〜H6に沿って近接して配設されている。保護カバー17−1〜17−4は、石英ガラスなどの高耐熱性及び高透光性の材料で断面半円形の長尺状に形成されている。これにより、コンベアベルト20の上面部20aに載置された食品Fの小片(カス)、食品Fに塗布された調味液などが落下しても、遠赤外線ヒータH3〜H6の管表面に付着することが防止される。
また、加熱室11内には、コンベアベルト20の上面部20aに載置された食品Fの小片(カス)、食品Fに塗布された調味液などの落下物を収容する受け皿18が設けられている。
制御ボックス12内には、このコンベア式食品加熱装置の運転条件を制御するための後述する電気制御装置30及び制御ボックス12内を冷却するための冷却ファンFMが収容されている。駆動ボックス13内には、コンベアベルト20を回動させるための伝動チェーンを含むコンベアベルト20の駆動機構(図示せず)が収納されている。下ボックス14内には、駆動モータGMが収納されており、駆動モータGMの回転は前記伝動チェーンを介してコンベアベルト20に伝達されるようになっている。上ボックス15には、外部に連通した排気口15aが設けられている。制御ボックス12と下ボックス14の接合部、下ボックス14と駆動ボックス13の接合部、及び駆動ボックス13と上ボックス15との接合部には、それぞれに通気口(図示せず)が設けられており、制御ボックス12、下ボックス14、駆動ボックス13及び上ボックス15は連通している。したがって、冷却ファンFMを作動させると、外気が制御ボックス12内に吸引されて、制御ボックス12内の電気制御装置30を冷却し、その後に下ボックス14に流入して駆動モータGMを冷却し、その後に駆動ボックス13内に流入して伝動チェーンを冷却し、最後に上ボックス15の排気口15aから外部に排出される。
制御ボックス12及び駆動ボックス13の加熱室11側の壁面には、上ボックス15と下ボックス14の間にて加熱室11を貫通するように、水平かつ互いに平行に延設された支持枠21,22が固定されている。なお、支持枠21,22は、それらの長さが同一であると同時に、コンベアオーブン本体10の正面側及び裏面側(図2及び図3の左右方向)から張り出して、それらの両端部を互いに対向させている。支持枠21,22の前端部(図2及び図3の右側端部)には、円柱状の回転ロッド23がその両端部にて回転可能に支持されている。支持枠21,22の後端部(図2及び図3の左側端部)には、円柱状の回転ロッド24がその両端部にて回転可能に支持されている。回転ロッド23,24の外周面上には、それぞれ複数の従動ローラ23a,24aが固定されている.また、加熱室11の下部における前後方向(図2及び図3の左右方向)の中央位置近傍には、駆動モータGMに伝動チェーンを介して動力伝達可能に接続された駆動ローラ25が回転可能に設けられている。
コンベアベルト20は、図5に示すように、複数の弾性を有する金属線26を連結して網目状に構成されている。具体的には、複数の金属線26は、弾性を有する金属線をそれぞれ曲げ加工して構成されており、各金属線26は、互いに平行であって前後方向に所定距離だけ隔てて左右方向に所定距離ずつ交互に延設された部分を有する。そして、互いに隣合う金属線26間に関して、図5の上側に位置する金属線26の上側部分を図5の下側に位置する金属線26の上側部分を潜らせるように金属線間を絡ませる。そして、各金属線の両端部に図5にて上側に延長するとともにU字状に折り返した引っ掛け部26aを設けて、下側の金属線26の引っ掛け部26aを上側に位置する金属線26に引っ掛けるようにする。これにより、金属線26を編んで構成した長尺状のコンベアベルト20が構成される。
そして、この長尺状のコンベアベルト20を、図3に示すように、支持枠21,22、回転ロッド23,24及び駆動ローラ25に掛け渡して、コンベアベルト20の両端(図5のA部)を複数の連結線(本実施形態では3本の連結線)27で連結して無端ベルトとする。この状態では、上側の遠赤外線ヒータH1,H2は、コンベアベルト20の上面部20aの上方に位置する。下側の遠赤外線ヒータH3〜H6は、コンベアベルト20の上面部20aと、上面部20aの両端から連続して無端ベルトを構成する下面部20bとの間に位置する。連結線27も、金属線26と同質の弾性を有する金属線で構成されており、両端部を上側に延長するとともにU字状に折り返した引っ掛け部27aを有する。このように、コンベアベルト20を連結線27を用いて連結するようにする理由は、コンベアベルト20を取り外して洗浄可能とするためであるが、この点については本発明に直接関係しないので、詳しい説明を省略する。なお、本実施形態では、金属線26及び連結線27として金属材料の耐熱性線材を用いるようにしたが、耐熱性を有する線材であれば、金属材料以外の材料の線材を用いるようにしてもよい。例えば、ガラス繊維にフッ素コーティングした線材を用いて、コンベアベルト20を網目状に構成してもよい。
次に、制御ボックス12内に収容された電気制御装置30について説明する。電気制御装置30は、図6に示すように、商用3相交流電源線に接続された3本の電力供給線PW1,PW2,PW3を備えるとともに、商用3相交流電源線と電力供給線PW1,PW2,PW3との開閉を行う主電源スイッチ(漏電遮断器)31を備えている。主電源スイッチ31の出力である電力供給線PW1,PW2,PW3には電磁開閉器32が介装されている。
電磁開閉器32は、励磁コイル32a及びリレースイッチ32b〜32eを有しており、励磁コイル32aの非通電状態ではリレースイッチ32b〜32eはオフしており、励磁コイル32aへの通電によりリレースイッチ32b〜32eはオンする。励磁コイル32aは、運転スイッチ33、停止スイッチ34、ヒューズ35及びサーモスタット36からなる直列回路に一端にて直列に接続されている。前記直列回路の一端である運転スイッチ33の一端は電磁開閉器32の入力側の電力供給線PW2に接続されており、励磁コイル32aの他端は電磁開閉器32の入力側の電力供給線PW3に接続されている。リレースイッチ32b〜32dは、電力供給線PW1,PW2,PW3にそれぞれ介装されている。リレースイッチ32eは、一端にて電磁開閉器32の入力側の電力供給線PW2に接続され、他端にて運転スイッチ33と停止スイッチ34との接続点に接続されている。
運転スイッチ33は、常時オフしており、このコンベア式食品加熱装置の作動を開始させる際にオン操作される。停止スイッチ34は、常時オンしており、このコンベア式食品加熱装置の作動を停止させる際にオフ操作される。ヒューズ35は、制御ボックス12内の温度が極端に高くなると切断されて、励磁コイル32aへの通電を禁止する。サーモスタット36は、制御ボックス12内の温度が所定温度以上になったとき、励磁コイル32aへの通電を禁止し、制御ボックス12内の温度が所定温度未満になれば励磁コイル32aへの通電の禁止を解除する。この所定温度は前記ヒューズ35が切断される温度よりも低く、サーモスタット36は電気制御装置30の作動の不安定及び電気制御装置30の故障を回避するためのものである。
電力供給線PW1,PW2,PW3は、電磁開閉器32の出力側を、遠赤外線ヒータH1,H3,H4に電力を供するための電力供給線PW1a,PW2a,PW3aと、遠赤外線ヒータH2,H5,H6に電力を供するための電力供給線PW1b,PW2b,PW3bとに分岐させている。遠赤外線ヒータH1,H3,H4は、3相の電力供給線PW1a,PW2a,PW3aにデルタ接続されている。遠赤外線ヒータH2,H5,H6は、3相の電力供給線PW1b,PW2b,PW3bにデルタ接続されている。
電力供給線PW1a,PW2a,PW3aには、電磁開閉器37が介装されている。 電磁開閉器37は、励磁コイル37a及びリレースイッチ37b〜37dを有しており、励磁コイル37aの非通電状態ではリレースイッチ37b〜37dはオフしており、励磁コイル37aへの通電によりリレースイッチ37b〜37dはオンする。励磁コイル37aの一端は電力供給線PW3aに接続されており、励磁コイル37aの他端はヒータスイッチ38を介して電力供給線PW2a(PW2)に接続されている。リレースイッチ37b〜37dは電力供給線PW1a,PW2a,PW3aにそれぞれ介装されている。ヒータスイッチ38は、遠赤外線ヒータH1,H3,H4及び遠赤外線ヒータH2,H5,H6の作動及び非作動を切替えるためにオン状態及びオフ状態に切替えられる。
電力供給線PW1b,PW2b,PW3bには、電磁開閉器41が介装されている。 電磁開閉器41は、励磁コイル41a及びリレースイッチ41b〜41dを有しており、励磁コイル41aの非通電状態ではリレースイッチ41b〜41dはオフしており、励磁コイル41aへの通電によりリレースイッチ41b〜41dはオンする。励磁コイル41aの一端は電力供給線PW3bに接続されており、励磁コイル41aの他端は強弱切替えスイッチ42を介して励磁コイル37aとヒータスイッチ38との接続点に接続されている。リレースイッチ41b〜41dは電力供給線PW1b,PW2b,PW3bにそれぞれ介装されている。強弱切替えスイッチ42は、ヒータスイッチ38がオン状態にある状態で、遠赤外線ヒータH2,H5,H6の作動及び非作動を切替えるためにオン状態及びオフ状態に切替えられる。
また、電力供給線PW1,PW2間には、電磁開閉器32よりも出力側にて、冷却ファンFMが接続されている。電力供給線PW1,PW3間には、電磁開閉器32よりも出力側にて、駆動モータGM及び速度コントローラ回路SCが接続されている。速度コントローラ回路SCは、ボリュームVRの操作に応じて、駆動モータGMの回転速度を可変制御、すなわちコンベアベルト20の移動速度を可変制御する。なお、このボリュームVRの操作により、駆動モータGMの回転速度は停止から高速まで無段階に制御される。
次に、上記のように構成したコンベア式食品加熱装置の動作について説明する。作業者は、コンベア式食品加熱装置の使用開始時には、まず、主電源スイッチ31をオン操作する。この主電源スイッチ31のオン操作により、電力供給線PW1,PW2,PW3は給電される。その後、作業者は、運転スイッチ33をオン操作する。この運転スイッチ33のオン操作により、常時オン状態にある停止スイッチ34、ヒューズ35及びサーモスタット36を介して、電磁開閉器32の励磁コイル32aが通電される。この励磁コイル32aの通電により、リレースイッチ32b〜32eはオンし、励磁コイル32aには常時オン状態にある停止スイッチ34、ヒューズ35及びサーモスタット36を介して電流が流れ続ける。したがって、運転スイッチ33を前記オン操作後にオフしても、リレースイッチ32b〜32eはオン状態に保たれるとともに、ヒューズ35及びサーモスタット36には電流が流れ続ける。なお、本発明は、制御ボックス12内の電気制御装置30を含むコンベア式食品加熱装置の異常に直接関係しないので、以下の説明では、ヒューズ35及びサーモスタット36は常に導通状態にあるものとする。
前記リレースイッチ32b〜32dのオンにより、冷却ファンFM、速度コントローラ回路SC及び駆動モータGMにも電力が供給され始めて、冷却ファンFM、速度コントローラ回路SC及び駆動モータGMは作動し始める。冷却ファンFMの作動により、外気が制御ボックス12内に吸引され、この吸引された外気は、制御ボックス12、下ボックス14、駆動ボックス13及び上ボックス15に流れ、上ボックス15の排気口15aから外部に排出される。これにより、制御ボックス12内の電気制御装置30、下ボックス14内の駆動モータGM、駆動ボックス13内の伝動チェーンなどが冷却され始める。駆動モータGMは、速度コントローラ回路SCによって制御され、ボリュームVRによって設定された速度で回転し始める。この駆動モータGMの回転は伝動チェーンを介して駆動ローラ25に伝達され、この駆動ローラ25の回転により、コンベアベルト20も回転し、コンベアベルト20の上面部20a側がこのコンベア式食品加熱装置の正面側から裏面側(図2及び図3の右から左方向)へ移動し始める。この場合、作業者は、食品Fの種類や大きさ、焼成仕上がり具合などを考慮してボリュームVRを調節して、コンベアベルト20の移動速度を適当な速度に調整する。
次に、作業者は、食品Fの種類に応じて、ヒータスイッチ38及び強弱切替えスイッチ42を選択的にオン・オフ操作して、遠赤外線ヒータH1〜H6を強モード又は弱モードに選択的に切替えて食品を加熱処理する。
まず、強モードについて説明する。パンのトースト調理、ピザ、焼鳥、魚の丸焼き、焼肉、ナスの丸焼きなどの食品Fの加熱調理においては、食品Fの上面と下面が均一に加熱度合を高くして焼成されるのが一般的である。この場合、作業者は、ヒータスイッチ38及び強弱切替えスイッチ42を共にオン状態にする。この状態では、電磁開閉器37の励磁コイル37a及び電磁開閉器41の励磁コイル41aが共に通電され、リレースイッチ37b〜37d及びリレースイッチ41b〜41dがそれぞれオンする。これにより、遠赤外線ヒータH1,H3,H4は電力供給線PW1a,PW2a,PW3aを介して給電されるとともに、遠赤外線ヒータH2,H5,H6は電力供給線PW1b,PW2b,PW3bを介して給電される。そして、全ての遠赤外線ヒータH1〜H6は遠赤外線を放射し始める。
次に、作業者は、搬入口11aの手前にて、パン、ピザ、鳥肉、魚、牛肉、豚肉、ナスなどの食品Fをコンベアベルト20上に次々に載置する。この場合、コンベアベルト20の上面部20a側は、正面側から裏面側に、すなわち図2及び図3の右側から左側に移動しているので、コンベアベルト20の上面部20aに載置された食品Fの上面は遠赤外線ヒータH1,H2によって加熱され、前記食品Fの下面は遠赤外線ヒータH3〜H6によって加熱されて、搬出口11bから次々に搬出される。その後、作業者は、搬出口11bから搬出された前記食品Fをコンベアベルト20の上面部20aから次々に取上げる。
この強モードにおける食品Fの下面の加熱について、図9に示す遠赤外線ヒータH3,H4を例にして詳しく説明する。なお、図9においては、金属線26(又は連結線27)の直径を誇張して示している。この場合、遠赤外線ヒータH3から放射される遠赤外線の一部は、実線で示すように、コンベアベルト20の上面部20aにおける金属線26(又は連結線27)に遮られて、金属線26(又は連結線27)上の食品Fの下面の両側に影が生じる。ただし、食品Fの下面の図示右側の影は小さく、食品Fの下面の図示左側の影が大きい。そして、この影の図示左側部分が、金属線26(又は連結線27)が図示左側に位置するほど大きくなる。しかし、この左側の影の多くの部分には、図示破線で示す遠赤外線ヒータH4からの遠赤外線が直接入射する。そして、遠赤外線ヒータH4から放射される遠赤外線の食品Fの下面の照度は金属線26(又は連結線27)が図示左側に位置するほど大きくなる。一方、遠赤外線ヒータH4から放射される遠赤外線の一部も、破線で示すように、コンベアベルト20の上面部20aにおける金属線26(又は連結線27)に遮られて、金属線26(又は連結線27)上の食品Fの下面の両側に影が生じる。ただし、食品Fの下面の図示左側の影は小さく、食品Fの下面の図示右側の影が大きい。そして、この影の図示右側部分が、金属線26(又は連結線27)が図示右側に位置するほど大きくなる。しかし、この右側の影の部分には、図示実線で示す遠赤外線ヒータH3からの遠赤外線が直接入射する。そして、遠赤外線ヒータH3から放射される遠赤外線の食品Fの下面の照度は金属線26(又は連結線27)が図示右側に位置するほど大きくなる。
本実施形態では、前述のように、遠赤外線ヒータH3,H4の中央位置CP1における遠赤外線ヒータH3による食品Fの下面の照度は、遠赤外線ヒータH3の真上位置P32における遠赤外線ヒータH3による食品Fの下面の照度の50%程度に設定されている。また、前記中央位置CP1における遠赤外線ヒータH4による食品Fの下面の照度は、遠赤外線ヒータH4の真上位置P42における遠赤外線ヒータH4による食品Fの下面の照度の50%程度に設定されている。したがって、遠赤外線ヒータH3,H4の一方から放射される遠赤外線の影の部分は、遠赤外線ヒータH3,H4の他方から放射される遠赤外線によって充分に補充される。なお、遠赤外線ヒータH4,H5及び遠赤外線ヒータH5,H6による食品Fへの遠赤外線の照射についても、前記遠赤外線ヒータH3,H4の場合と同様である。すなわち、2つの遠赤外線ヒータによる食品Fへの遠赤外線の照射において、金属線26(連結線27)によって一方の遠赤外線ヒータによる遠赤外線の影になる多くの部分には、他方の遠赤外線ヒータによる遠赤外線が照射される。したがって、遠赤外線ヒータH3〜H6による食品Fへの遠赤外線の照射において、金属線26(連結線27)によって影になる多くの部分は、隣りの遠赤外線ヒータH3〜H6による遠赤外線の照射により補われる。そして、最も左に図示した金属線26(又は連結線27)のように、その直径をL5とすると、食品Fの移動方向における金属線26(又は連結線27)による実質的な影の幅L4は、金属線26(又は連結線27)の直径L5よりも極めて小さくなる。
さらに、食品Fにおける幅L4の影の部分の大部分は、コンベアベルト20の上面部20aの金属線26(又は連結線27)と直接接触しているので、金属線26(又は連結線27)からの直接の熱伝導により加熱されるとともに、温度上昇している影の部分の周囲の食品Fの表面からの熱伝導により加熱され、温度上昇を促進させることができる。その結果、この強モードでは、食品Fの下面全体の焼成度合をほぼ均一にできて、焼きむらの発生を防止することができる。
また、前述のように、遠赤外線ヒータH3〜H6の各中央位置CP1,CP2,CP3における遠赤外線ヒータH3〜H6の一つによる食品Fの下面の照度が、各遠赤外線ヒータH3〜H6の各真上位置P32,P42,P52,P62における各遠赤外線ヒータH3〜H6のみによる食品Fの下面の照度の50%程度に設定されている。金属線26(又は連結線27)による影の部分を考慮しないとすると、前記各中央位置CP1,CP2,CP3においては、隣合う2つの遠赤外線ヒータによる両照度の合計は、一方の遠赤外線ヒータの真上位置における一方の遠赤外線ヒータのみによる遠赤外線の照度とほぼ同じになる。したがって、前記各中央位置CP1,CP2,CP3における食品Fの加熱焼成が、他の位置における加熱焼成と均等に近い状態で行われ、前記影を除く部分における食品の加熱焼成が常に均等に近い状態で行われるようになり、食品の加熱焼成がより良好に行われる。
また、遠赤外線ヒータH1,H2からコンベアベルト20の上面部20aまでの距離L3と、遠赤外線ヒータH3〜H6からコンベアベルト20の上面部20aまでの距離L2が、反射板16の機能も考慮して適切に調整されているので、この強モードでは、食品Fの上面及び下面の焼成度合も均一にすることができる。
次に、弱モードについて説明する。冷凍食品の解凍、肉厚な食材の焼成などのときは、食品Fの表面から内部への熱伝導に時間を要するから、食品Fの表面が焦げることを防止するために、加熱度合を低くして食品Fを加熱処理することが一般的である。また、焙煎を行う健康茶などの負荷の軽い食材を加熱するときには、加熱度合を高くして加熱すると、焦げたり燃えたりするので、加熱度合を低くして食品Fを加熱処理することも一般的である。この場合、作業者は、ヒータスイッチ38をオン状態にするとともに、強弱切替えスイッチ42をオフ状態にして、コンベア式食品加熱装置を弱モードに切替える。この状態では、電磁開閉器37の励磁コイル37aのみが通電され、リレースイッチ37b〜37dはオンするが、電磁開閉器41のリレースイッチ41b〜41dはオフ状態に保たれる。これにより、遠赤外線ヒータH1,H3,H4は電力供給線PW1a,PW2a,PW3aを介して給電されるが、遠赤外線ヒータH2,H5,H6は電力供給線PW1b,PW2b,PW3bを介して給電されない。その結果、遠赤外線ヒータH1,H3,H4のみが遠赤外線を放射し始める。
次に、作業者は、搬入口11aの手前にて、前記冷凍食品、肉厚な食材、健康茶などの食品Fをコンベアベルト20の上面部20aに次々に載置する。この場合も、コンベアベルト20の上面部20a側は、正面側から裏面側に、すなわち図2及び図3の右側から左側に移動しているので、コンベアベルト20の上面部20aに載置された食品Fの上面は遠赤外線ヒータH1によって加熱され、前記食品Fの下面は遠赤外線ヒータH3,H4によって加熱されて、搬出口11bから次々に搬出される。その後、作業者は、搬出口11bから搬出された前記食品Fをコンベアベルト20の上面部20aから次々に取上げる。
この弱モードにおいては、食品Fは遠赤外線ヒータH1,H3,H4のみによって加熱されるので、前記冷凍食品、肉厚な食材、健康茶などの食品Fが適切な度合で加熱される。また、この弱モードにおいては、加熱度合が前記強モードの場合に比べて小さいが、前記強モードの場合と同様に食品Fが加熱されるので、前記強モードの場合と同様に、食品Fの下面全体の焼成度合をほぼ均一にできるとともに、食品Fの上面及び下面からの加熱度合を均一にすることができる。さらに、強モードと弱モードにおける遠赤外線ヒータH1〜H6の切替え制御は、強弱切替えスイッチ42をオン・オフ操作するだけで簡単に選択できる。したがって、センサを用いて食品Fの加熱状態を自動的に判別したり、調整ダイアルを用いて電流を手動で調整したりするコンベア式食品加熱装置に比べて、本実施形態の係るコンベア式食品加熱装置は安価に製造されるとともに、食品Fに応じた最適な加熱を素人でも簡単にできるようになる。
そして、このコンベア式食品加熱装置の作動を停止させるためには、作業者は、オン状態にある停止スイッチ34をオフ操作する。このオフ操作により、励磁コイル32aに流れていた電流は一旦遮断されるので、リレースイッチ32b〜32eがオフする。以降、電力供給線PW1〜PW3が遮断されるとともに、励磁コイル32aへの通電も遮断されるので、停止スイッチ34のオフ操作を解除しても、コンベア式食品加熱装置は、運転スイッチ33が再度オン操作されない限り、作動を開始しない。
このように構成されかつ動作するコンベア式食品加熱装置においては、2つの遠赤外線ヒータH1,H2をコンベアベルト20の上面部20aの上方に配置し、4つの遠赤外線ヒータH3〜H6をコンベアベルト20の上面部20aの下方かつ下面部20bの上方に配置するようにした。また、全ての遠赤外線ヒータH1〜H6を同一の容量にするとともに、遠赤外線ヒータH1,H2及び遠赤外線ヒータH3〜H6からコンベアベルト20の上面部20aの各距離L2,L3を適切に設定することにより、強モードにおいても、弱モードにおいても、食品Fの下面と上面とが同一に加熱されるようにした。その結果、上記実施形態に係る食品加熱装置においては、食品Fを適切に加熱できる。また、遠赤外線ヒータH1,H3,H4及び遠赤外線ヒータH2,H5,H6をそれぞれデルタ接続して、遠赤外線ヒータH1,H3,H4及び遠赤外線ヒータH2,H5,H6がそれぞれ3相電源から電力供給を受けることにした。これによれば、3相電源による印加電圧を平衡に保つことができるとともに回路構成を簡単化にでき、上記実施形態に係る食品加熱装置の製造コストを安価にできるとともに、メンテナンス性も良好に保つことができる。
上記実施形態では、遠赤外線ヒータH3〜H6間の各距離L1及び遠赤外線ヒータH3〜H6からコンベアベルト20の上面部20aまでの距離L2を次のように設定した。すなわち、直線DL31〜DL61及び直線DL32〜DL62の直線CL31〜CL61に対する傾斜角度を角度α(約60度)として、直線DL31,DL42、直線DL41,DL52及び直線DL51,DL62がそれぞれ上面部20a上で交差するようにした。言い換えれば、直線DL31,DL42、直線DL41,DL52及び直線DL51,DL62が、それぞれ遠赤外線ヒータH3〜H6の各中央位置CP1,CP2,CP3にて上面部20aに交差するようにした。そして、コンベアベルト20の上面部20aの遠赤外線ヒータH3〜H6の各中央位置CP1,CP2,CP3における遠赤外線ヒータH3〜H6のそれぞれ一つによる食品Fの下面の照度が、各遠赤外線ヒータH3〜H6の各真上位置P32,P42,P52,P62における各遠赤外線ヒータH3〜H6のみによる食品Fの下面の照度の50%程度に設定されるようにした。しかし、食品Fの焼きむらをある程度防止できるようにするためには、前記50%の照度をより小さくして角度αをさらに大きくするようにしてもよい。
本発明者らの実験及び考察によれば、コンベアベルト20の上面部20aの遠赤外線ヒータH3〜H6の各中央位置CP1,CP2,CP3における遠赤外線ヒータH3〜H6のそれぞれ一つによる食品Fの下面の照度が、各遠赤外線ヒータH3〜H6の各真上位置P32,P42,P52,P62における各遠赤外線ヒータH3〜H6のみによる食品Fの下面の照度の30%以上であれば、食品Fの焼きむらをある程度抑えることができることが分かった。すなわち、直線DL31〜DL61及び直線DL32〜DL62の直線CL31〜CL61に対する傾斜角度α1を前記角度αより大きくして(α1>α)、直線DL31,DL42、直線DL41,DL52及び直線DL51,DL62がそれぞれ上面部20a上で交差するようにしてもよい。この30%の照度は、食品Fの下面の金属線26(連結線27)の影による焼きむらを抑えて、食品Fを遠赤外線によって加熱焼成するために必要な最低限の照度であり、前記角度α1は前記最低限の照度に対応した最大入射角度(最大許容角度)であって、例えば前記図7の特性グラフによれば約75度である。
したがって、遠赤外線ヒータH3〜H6間の各距離L1及び遠赤外線ヒータH3〜H6からコンベアベルト20の上面部20aまでの距離L2を次のように設定してもよい。すなわち、直線CL31〜CL61に対する直線DL31〜DL61及び直線DL32〜DL62の傾斜角度を角度α1以下にした状態で、直線DL31,DL42、直線DL41,DL52及び直線DL51,DL62が、それぞれ遠赤外線ヒータH3〜H6の各中央位置CP1,CP2,CP3にて上面部20aに交差するようにする。言い換えれば、前記図4において、遠赤外線ヒータH3による遠赤外線の照度が交点P32(遠赤外線ヒータH3の真上の位置)における遠赤外線ヒータH3による遠赤外線の照度の30%となる位置と、遠赤外線ヒータH3の中心位置P31とを結ぶ直線の直線CL31に対する傾斜角度を許容角度α1とする。そして、コンベアベルト20の上面部20aにおける遠赤外線ヒータH3,H4間の中央位置CP1が、前記中心位置P31を通りかつ前記直線CL31に対して遠赤外線ヒータH4側に前記許容角度α1だけ傾いた方向の直線DL31と前記上面部20aとの交点よりも前記交点P32側に位置するようにする。これらの中心位置P31、交点P32、中央位置CP1及び直線CL31,DL31の関係は、遠赤外線ヒータH4,H5及び遠赤外線ヒータH5,H6においても同様である。これによっても、食品Fの下面の焼きむらを許容できる程度に抑えることができる。
また、好ましくは、コンベアベルト20の上面部20aの遠赤外線ヒータH3〜H6の各中央位置CP1,CP2,CP3における遠赤外線ヒータH3〜H6のそれぞれ一つによる食品Fの下面の照度が、各遠赤外線ヒータH3〜H6の各真上位置P32,P42,P52,P62における各遠赤外線ヒータH3〜H6のみによる食品Fの下面の照度の40%以上にするとよい。直線DL31〜DL61及び直線DL32〜DL62の直線CL31〜CL61に対する傾斜角度α2を前記角度αよりも大きくかつ前記角度α1よりも小さくして(α<α2<α1)、直線DL31,DL42、直線DL41,DL52及び直線DL51,DL62がそれぞれ上面部20a上で交差するようにしてもよい。この40%の照度は、食品Fの下面の金属線26(連結線27)の影による焼きむらをなくして、食品Fを遠赤外線によって良好に加熱焼成できる下限側の適当な照度であり、前記角度α2は前記下限側の適当な照度に対応した入射角度(許容角度)であって、例えば前記図7の特性グラフによれば約70度である。
したがって、遠赤外線ヒータH3〜H6間の各距離L1及び遠赤外線ヒータH3〜H6からコンベアベルト20の上面部20aまでの距離L2を次のように設定すると、食品Fの焼きむらをさらに抑えることができる。すなわち、直線CL31〜CL61に対する直線DL31〜DL61及び直線DL32〜DL62の傾斜角度を角度α2以下にした状態で、直線DL31,DL42、直線DL41,DL52及び直線DL51,DL62が、それぞれ遠赤外線ヒータH3〜H6の各中央位置CP1,CP2,CP3にて上面部20aにて交差するようにする。言い換えれば、前記図4において、遠赤外線ヒータH3による遠赤外線の照度が交点P32(遠赤外線ヒータH3の真上の位置)における遠赤外線ヒータH3による遠赤外線の照度の40%となる位置と、遠赤外線ヒータH3の中心位置P31とを結ぶ直線の直線CL31に対する傾斜角度を許容角度α2とする。そして、コンベアベルト20の上面部20aにおける遠赤外線ヒータH3,H4間の中央位置CP1が、前記中心位置P31を通りかつ前記直線CL31に対して遠赤外線ヒータH4側に前記許容角度α2だけ傾いた方向の直線と前記上面部20aとの交点よりも前記交点P32側に位置するようにする。これらの中心位置P31、交点P32、中央位置CP1及び直線CL31,DL31の関係は、遠赤外線ヒータH4,H5及び遠赤外線ヒータH5,H6においても同様である。これによれば、食品Fの下面の焼きむらをより良好に抑えることができる。
また、この場合、コンベアベルト20の金属線26(連結線27)による影の部分を考慮しないとすると、前記中央位置CP1においては、遠赤外線ヒータH3,H4による両照度の合計は、前記交点P32(遠赤外線ヒータH3の真上位置)における遠赤外線ヒータH3のみによる遠赤外線の照度(及び遠赤外線ヒータH4の真上位置における遠赤外線ヒータH4のみによる遠赤外線の照度)の80%以上となる。なお、遠赤外線ヒータH4,H5及び遠赤外線ヒータH5,H6による食品Fの下面への遠赤外線の照射についても、前記遠赤外線ヒータH3,H4の場合と同じである。したがって、前記中央位置CP1,CP2,CP3における食品Fの加熱焼成が、上記実施形態の場合とほぼ同様に、他の位置における加熱焼成と均等に近い状態で行われ、前記影を除く部分における食品Fの加熱焼成が常に均等に近い状態で行われるようになり、食品Fの加熱焼成がより良好に行われる。
また、これらの許容角度α1,α2の場合、遠赤外線ヒータH3,H4の中央位置CP1は、遠赤外線ヒータH3の中心P31を通りかつ直線CL31に対して遠赤外線ヒータH4側に前記許容角度α1、α2だけ傾いた方向の直線と、コンベアベルト20の上面部20aとの交点に近い位置にあるとよい。遠赤外線ヒータH4,H5及び遠赤外線ヒータH5,H6の場合も、前記遠赤外線ヒータH3,H4の場合と同じである。これによれば、遠赤外線ヒータH3〜H6間の各距離L1を大きくすることができ、広い範囲に渡って食品を加熱焼成できるともに、遠赤外線ヒータの数を減らすことができて製品コストを下げることができる。ただし、食品Fの下面の加熱度合、この装置の構造などの理由により、前記中央位置CP1,CP2,CP3を前記交点からある程度離して位置させてもよい。
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態及びその変形例においては、強モードでは遠赤外線ヒータH1,H3,H4及び遠赤外線ヒータH2,H5,H6で食品Fを加熱し、弱モードでは遠赤外線ヒータH1,H3,H4のみにより食品Fを加熱するようにした。しかし、これに代えて、弱モードでは、遠赤外線ヒータH2,H5,H6のみにより食品Fを加熱するようにしてもよい。この場合、図6の電気回路において、遠赤外線ヒータH1,H3,H4と遠赤外線ヒータH2,H5,H6との配線を入れ替えればよい。
また、上記実施形態及びその変形例においては、コンベアベルト20の上面部20aの下方かつ下面部20bの上方に4つの遠赤外線ヒータH3〜H6を配置するようにした。しかし、コンベアベルト20の上面部20aの下方かつ下面部20bの上方に配置される遠赤外線ヒータの数に関しては、少なくとも第1及び第2遠赤外線ヒータからなる2つの遠赤外線ヒータを配置すれば、上記遠赤外線ヒータH3,H4の組合せによる食品Fの下面の加熱で説明したように、金属線26(又は連結線27)の影になる食品Fの下面の加熱度合の不均一を是正できる。この場合、第1及び第2遠赤外線ヒータを、上記実施形態及びその変形例の遠赤外線ヒータH3,H4(図4参照)と同様に配置すればよい。さらに、コンベアベルト20の上面部20aの下方かつ下面部20bの上方に位置する遠赤外線ヒータの数は、「3」又は「5」以上であってもよい。
また、上記実施形態及びその変形例においては、コンベアベルト20の上面部20aの上方に2つの遠赤外線ヒータH1,H2を設けるとともに、コンベアベルト20の上面部20aの下方に4つの遠赤外線ヒータH3〜H6を設け、遠赤外線ヒータH1,H2からコンベアベルト20の上面部20aまでの距離L3と、遠赤外線ヒータH3〜H6からコンベアベルト20の上面部20aまでの距離L2とを反射板16の機能を考慮して適切に設定して、食品Fの上面と下面の加熱度合を均等にした。しかし、食品Fの下面の加熱度合のみの均等を問題にする場合には、コンベアベルト20の上面部20aの上方に設ける遠赤外線ヒータの数は、2つ以外、すなわちコンベアベルト20の上面部20aの下方に設ける遠赤外線ヒータの数の半分以外の数であってもよい。また、コンベアベルト20の上面部20aの上方に設ける遠赤外線ヒータの種類、形状なども問題にならない。
また、上記実施形態及びその変形例においては、遠赤外線ヒータH1,H3,H4をデルタ接続するとともに、遠赤外線ヒータH2,H5,H6をデルタ接続して、遠赤外線ヒータH1,H3,H4及び遠赤外線ヒータH2,H5,H6の各組に3相交流電力を供給するようにした。しかし、これに代えて、遠赤外線ヒータH1,H3,H4及び遠赤外線ヒータH2,H5,H6の少なくとも一方の組をY接続して、遠赤外線ヒータH1,H3,H4及び遠赤外線ヒータH2,H5,H6の各組に3相交流電力を供給するようにしてもよい。これによっても、3相電源による印加電圧を平衡に保つことができるとともに、回路構成を簡単化できる。また、強モードと弱モードの切替えがなく、強モードの使用のみであれば、遠赤外線ヒータH1〜H6の2つの配線組への振分けに関しては、遠赤外線ヒータH1〜H6のうちのどの3つずつの遠赤外線ヒータを2つの配線組に振り分けてもよい。
また、上記実施形態及びその変形例においては、6つの遠赤外線ヒータH1〜H6を用いたが、6つよりも少ない数の遠赤外線ヒータを用いてもよいし、7つ以上の遠赤外線ヒータを用いてもよい。この場合、遠赤外線ヒータの総数を「3」の倍数にすれば、3つずつの遠赤外線ヒータをデルタ接続又はY接続することができて、3相電源による印加電圧を平衡に保つことができるとともに回路構成を簡単化できる。
遠赤外線ヒータの総数を「3」にする場合には、1つの遠赤外線ヒータをコンベアベルト20の上面部20aの上方に設けるとともに、2つの遠赤外線ヒータをコンベアベルト20の上面部20aの下方かつ下面部20bの上方に設ける。そして、コンベアベルト20の上面部20aの上方に設ける遠赤外線ヒータ及びコンベアベルト20の上面部20aの下方かつ下面部20bの上方に設ける遠赤外線ヒータの位置関係を上記実施形態と同じにすれば、食品Fの下面全体における加熱度合を均一にできるとともに、食品Fの上面及び下面の加熱度合も同じにすることができる。
また、遠赤外線ヒータの総数を「9」にする場合には、3つの遠赤外線ヒータをコンベアベルト20の上面部20aの上方に設けるとともに、6つの遠赤外線ヒータをコンベアベルト20の上面部20aの下方かつ下面部20bの上方に設けるようにする。さらに、遠赤外線ヒータの総数を「12」、「15」などにしてもよい。このように遠赤外線ヒータの総数を「9」以上にする場合でも、コンベアベルト20の上面部20aの上方に設ける遠赤外線ヒータの数を、コンベアベルト20の上面部20aの下方かつ下面部20bの上方に設ける遠赤外線ヒータの数の半分とする。そして、この場合も、コンベアベルト20の上面部20aの上方に設ける遠赤外線ヒータ及びコンベアベルト20の上面部20aの下方かつ下面部20bの上方に設ける遠赤外線ヒータの位置関係を上記実施形態及びその変形例と同じにすれば、食品Fの下面全体における加熱度合をほぼ均一にできるとともに、食品Fの上面及び下面の加熱度合も同じにすることができる。
また、遠赤外線ヒータの総数を「9」以上にする場合にも、コンベアベルト20の上面部20aの上方に設けた複数の遠赤外線ヒータのうちの1つの遠赤外線ヒータと、コンベアベルト20の上面部20aの下方かつ下面部20bの上方に設けた遠赤外線ヒータのうちの2つの遠赤外線ヒータとをそれぞれ1つの組とする複数の配線組とする。そして、前記複数の配線組の全ての配線組に属する遠赤外線ヒータを動作させるか又は前記複数の配線組の一部の配線組に属する遠赤外線ヒータを動作させるかを切替えスイッチ42で切替えるようにする。これにより、遠赤外線ヒータの総数を「9」以上にする場合にも、食品Fの加熱度合を強モード又は弱モードに切替えることができる。
また、上記実施形態及びその変形例においては、3相交流電力を利用するようにしたが、単相交流電力を利用することもできる。この場合、遠赤外線ヒータH1〜H6を単相電力供給線にそれぞれ並列に接続して、遠赤外線ヒータH1,H3,H4及び遠赤外線ヒータH2,H5,H6に電力を選択的に供給するようにすればよい。また、ヒューズ35、サーモスタット36、冷却ファンFM、駆動モータGM及び速度コントローラ回路SCも単相電力供給線にそれぞれ接続される。
また、上記実施形態及びその変形例においては、金属線26及び連結線27を絡ませることにより、コンベアベルト20をその移動方向に直交する方向に長尺状の方形状の網目になるように構成した。しかし、このコンベアベルト20の網目の形状は、上面部20aに載置した食品Fに遠赤外線ヒータH3〜H6からの遠赤外線が放射される形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、コンベアベルト20の網目形状を正方形、ひし形、楕円形などの形状にしてもよい。
また、上記実施形態及びその変形例においては、コンベアベルト20の上面部20aを水平方向に延設するようにした。しかし、上面部20aに載置した食品Fが自然落下しない程度に、上面部20aを水平に対して傾斜させるようにしてもよい。さらに、上面部20aに載置した食品Fの自然落下を防止するための防止策を施せば、例えばコンベアベルト20の上面部20aに食品Fの自然落下を防止するストッパ部材、固定部材などを設けるようにすれば、上面部20aを水平に対して更に大きく傾斜させるようにしてもよい。
さらに、本発明は、食品Fの加熱調理に限定されず、食品Fを加熱処理するものであれば、食品の加熱乾燥などを行う装置にも適用できるものである。例えば、農産物の野菜、キノコ、果物及び水産物の海藻類、丸魚などの食品(食材)を、上記実施形態のように、食品の上面側と下面側とでほぼ均一に加熱すると、ほぼ均一な乾燥食品ができる。また、穀物の粉砕物、水性スラリー液などを、金属製の容器に入れてコンベアベルト20の上面部20a上に載置し、上記実施形態の弱モードで、容器の温度上昇を抑制しながら加熱すると、焦げることなくほぼ均一な乾燥食品ができる。
10…コンベアオーブン本体、11…加熱室、11a…搬入口、11b…搬出口、17…保護カバー、18…受け皿、20…コンベアベルト、20a…上面部、25…駆動ローラ、26…金属線、27…連結線、30…電気制御装置、31…主電源スイッチ、32,37,41…電磁開閉器、38…ヒータスイッチ、42…強弱切替えスイッチ、F…食品、H1〜H6…遠赤外線ヒータ

Claims (5)

  1. 食品を加熱する加熱室と、
    耐熱性線材で網目状に構成されているとともに、前記加熱室を貫通していて、前記加熱室内を移動して上面部に載置された食品を搬送するためのコンベアベルトと、
    前記加熱室内にて前記コンベアベルトの上面部の上方に配設されて、前記コンベアベルトによって搬送される食品を上方から加熱するための上側ヒータと、
    前記加熱室内にて前記コンベアベルトの上面部の下方に配設されて、前記コンベアベルトによって搬送される食品を下方から加熱するための下側ヒータとを備えたコンベア式食品加熱装置において、
    前記下側ヒータを、同一に構成されて遠赤外線をそれぞれ放射する長尺状の少なくとも第1及び第2遠赤外線ヒータで構成し、
    前記第1及び第2遠赤外線ヒータを、前記コンベアベルトの上面部から下方に同一距離だけ離れた位置にて、前記コンベアベルトの上面部に平行かつ前記コンベアベルトの上面部の移動方向と直交する方向にそれぞれ延設させて配置し、
    前記第1遠赤外線ヒータの軸線方向の所定位置を基準位置とし、前記基準位置から前記コンベアベルトの上面部に直交する方向に延設された基準直線と前記コンベアベルトの上面部とが交差する直交位置から前記コンベアベルトの移動方向に延設した前記基準直線と直交する直交直線上において、前記第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度が前記直交位置における前記第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度の30%となる位置と前記基準位置とを結ぶ直線の前記基準直線に対する傾斜角度を許容角度とし、
    前記直交直線上における前記第1遠赤外線ヒータと前記第2遠赤外線ヒータとの中央位置が、前記基準位置を通りかつ前記基準直線に対して前記第2遠赤外線ヒータ側に前記許容角度だけ傾いた方向の直線と前記直交直線との交点よりも前記直交位置側に位置するように、前記第1遠赤外線ヒータと前記第2遠赤外線ヒータとの間の距離と、前記コンベアベルトの上面部から前記第1及び第2遠赤外線ヒータまでの距離を設定したことを特徴とするコンベア式食品加熱装置。
  2. 食品を加熱する加熱室と、
    耐熱性線材で網目状に構成されているとともに、前記加熱室を貫通していて、前記加熱室内を移動して上面部に載置された食品を搬送するためのコンベアベルトと、
    前記加熱室内にて前記コンベアベルトの上面部の上方に配設されて、前記コンベアベルトによって搬送される食品を上方から加熱するための上側ヒータと、
    前記加熱室内にて前記コンベアベルトの上面部の下方に配設されて、前記コンベアベルトによって搬送される食品を下方から加熱するための下側ヒータとを備えたコンベア式食品加熱装置において、
    前記下側ヒータを、同一に構成されて遠赤外線をそれぞれ放射する長尺状の少なくとも第1及び第2遠赤外線ヒータで構成し、
    前記第1及び第2遠赤外線ヒータを、前記コンベアベルトの上面部から下方に同一距離だけ離れた位置にて、前記コンベアベルトの上面部に平行かつ前記コンベアベルトの上面部の移動方向と直交する方向にそれぞれ延設させて配置し、
    前記第1遠赤外線ヒータの軸線方向の所定位置を基準位置とし、前記基準位置から前記コンベアベルトの上面部に直交する方向に延設された基準直線と前記コンベアベルトの上面部とが交差する直交位置から前記コンベアベルトの移動方向に延設した前記基準直線と直交する直交直線上において、前記第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度が前記直交位置における前記第1遠赤外線ヒータによる遠赤外線の照度の40%となる位置と前記基準位置とを結ぶ直線の前記基準直線に対する傾斜角度を許容角度とし、
    前記直交直線上における前記第1遠赤外線ヒータと前記第2遠赤外線ヒータとの中央位置が、前記基準位置を通りかつ前記基準直線に対して前記第2遠赤外線ヒータ側に前記許容角度だけ傾いた方向の直線と前記直交直線との交点よりも前記直交位置側に位置するように、前記第1遠赤外線ヒータと前記第2遠赤外線ヒータとの間の距離と、前記コンベアベルトの上面部から前記第1及び第2遠赤外線ヒータまでの距離を設定したことを特徴とするコンベア式食品加熱装置。
  3. 前記コンベアベルトは、前記上面部の両端から連続した下面部を有する無端のコンベアベルトであり、
    前記第1及び第2遠赤外線ヒータは、前記コンベアベルトの下面部の上方に配設されている請求項1又は2に記載したコンベア式食品加熱装置。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載したコンベア式食品加熱装置において、
    前記上側ヒータを、遠赤外線を放射する長尺状の複数の遠赤外線ヒータで構成して、前記複数の遠赤外線ヒータを前記コンベアベルトの上面部に平行かつ前記コンベアベルトの上面部の移動方向と直交する方向にそれぞれ延設させて配置し、
    前記下側ヒータを、前記第1及び第2遠赤外線ヒータを含み、遠赤外線をそれぞれ放射する長尺状の複数の遠赤外線ヒータであって、前記上側ヒータを構成する複数の遠赤外線ヒータの数の2倍の数の遠赤外線ヒータで構成して、前記複数の遠赤外線ヒータを前記コンベアベルトの上面部に平行かつ前記コンベアベルトの上面部の移動方向と直交する方向にそれぞれ延設させて配置し、
    前記上側ヒータ及び下側ヒータを構成する全ての遠赤外線ヒータの容量を同一とし、かつ
    上側ヒータを構成する複数の遠赤外線ヒータのうちの1つの遠赤外線ヒータと、下側ヒータを構成する複数の遠赤外線ヒータのうちの2つの遠赤外線ヒータとをそれぞれ1つの組とする複数の配線組とし、さらに、複数の配線組の全ての配線組に属する遠赤外線ヒータを動作させるか又は複数の配線組の一部の配線組に属する遠赤外線ヒータを動作させるかを切替える切替えスイッチを設けたことを特徴とするコンベア式食品加熱装置。
  5. 請求項4に記載したコンベア式食品加熱装置において、
    前記上側ヒータを構成する1つの遠赤外線ヒータと、前記下側ヒータを構成する2つの遠赤外線ヒータを1つの組とする配線組として、前記1つの組を構成する3つの遠赤外線ヒータをデルタ接続又はY接続するようにしたことを特徴とするコンベア式食品加熱装置。
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