JP6452258B2 - ペディオコッカス(Pediococcus)とラクトバチルス(Lactobacillus)とを含む細菌の混合物を含む組成物、ならびにアルコールの影響を軽減するための方法 - Google Patents

ペディオコッカス(Pediococcus)とラクトバチルス(Lactobacillus)とを含む細菌の混合物を含む組成物、ならびにアルコールの影響を軽減するための方法 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、その内容の全体が参照により本明細書に組み入れられる、2013年5月10日に出願された米国特許仮出願USSN 61/821,974の優先権および恩典を主張する。
発明の分野
本発明は、プロバイオティクス細菌を含む組成物およびアルコール毒性に関連している1つまたは複数の有害作用を軽減する際のそれらの使用に関する。
発明の背景
プロバイオティクスは、健康への有益な影響に関連しており、疾患の予防および治療に使用され得る微生物である。外部から投与された場合、プロバイオティクスは、腸の微生物代謝に影響を及ぼすのに十分な数で生き残ることができる。
アルコールは主に消化管で吸収され、吸収されたアルコールの90%は肝臓で代謝され、残りの10%は、呼気、尿、および汗を介して排出される。アルコールは、血液と共に輸送された後、アルコールデヒドロゲナーゼ、ミクロソームのエタノール酸化系、カタラーゼなどの様々な肝臓酵素によって酸化されてアセトアルデヒドとなり、さらに酵素によって酸化されて、身体に無害である酢酸となる。同時に、アルコールは、腸内微生物によって容易に代謝されてアセトアルデヒドとなる。最近、腸内の乳酸菌が、エタノールをアセトアルデヒドに、およびさらに酢酸に変換し、それによってアルコールおよびアセトアルデヒドの吸収を抑制し、同時に肝保護活性を有することが報告されている。しかし、すべての腸内細菌がこのような機能を有するわけではない。したがって、アルコールおよびアセトアルデヒドの吸収を妨げ、肝臓を保護するように機能する細菌組成物を開発する必要がある。
様々な局面において、本発明は、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)と、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)と、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)とを含む細菌の混合物を含む組成物を提供する。混合物中の各細菌は、個別に嫌気的に発酵培養され(fermented)、採取され、乾燥され、そして295マイクロメートルの平均粒径を有する粉末を生じるように粉砕され、混合物の60%が、175〜840マイクロメートルのサイズ範囲内にある。この混合物の含水率は約5%未満であり、かつ最終細菌濃度は、組成物1グラム当たり約105〜1011コロニー形成単位(CFU)である。
いくつかの局面において、細菌は、炭水化物の存在下で嫌気的に発酵培養される。炭水化物には、例えば、イヌリン、フラクトオリゴ糖、およびグルコオリゴ糖が含まれる。細菌は、ろ過または遠心分離など当技術分野において公知である任意の方法によって採取される。細菌は、公知の方法によって乾燥される。例えば、細菌は、液体窒素とそれに続く凍結乾燥によって乾燥される。細菌は、4℃未満の温度でコニカル粉砕(conical grinding)によって粉砕される。
また、本発明の細菌組成物およびビタミン、ミネラル、または糖を含む製剤も、本発明に含まれる。ビタミンには、例えば、ビタミンD、ビタミンB12、ビタミンC、またはビタミンEが含まれる。糖には、例えば、イヌリン、デキストロース、またはフルクトースが含まれる。ミネラルには、例えば、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、銅、またはモリブデンが含まれる。
いくつかの局面において、製剤中の細菌の混合物は、約60.0%(w/w)未満の濃度で存在する。
また、本発明による細菌混合物を含む錠剤、カプセル剤、および散剤、ならびに本発明による製剤も、本発明に含まれる。錠剤は、約687mgの細菌組成物を含む。錠剤の総重量は1200mgである。カプセル剤または散剤は、少なくとも約300mgの細菌組成物を含む。
本発明はさらに、本発明の組成物または製剤を対象に投与することによって、対象におけるアルコール代謝の速度を増加させる方法を提供する。組成物または製剤は、経口投与される。組成物または製剤は、錠剤、カプセル剤、または散剤として投与される。錠剤、カプセル剤、または散剤のそれぞれは、約100〜800ミリグラムの細菌混合物を含む。いくつかの局面において、2個の錠剤またはカプセル剤が、アルコール摂取前に投与される。他の態様において、2個および20個の錠剤またはカプセル剤が、アルコール摂取後24時間以内に投与される。
本発明はさらに、各生物を個別に嫌気的に発酵培養する段階;各生物を採取する段階;採取した生物を液体窒素で凍結し、凍結した生物を乾燥させる段階;および、295マイクロメートルの平均粒径を有する粉末を生じるように、乾燥させた生物を粉砕する段階であって、混合物の60%が、175〜840マイクロメートルのサイズ範囲内にある、段階によって、ペディオコッカス・アシディラクティシと、ペディオコッカス・ペントサセウスと、ラクトバチルス・プランタルムとを含む細菌の混合物を含んだ組成物を製造する方法を含む。いくつかの局面において、これらの方法は、個別に発酵培養された各細菌を一つにまとめて細菌の混合物を作製する段階をさらに含み、該混合物の含水率は約5%未満であり、かつ最終細菌濃度は、組成物1グラム当たり約105〜1011コロニー形成単位(CFU)である。
いくつかの局面において、細菌は、炭水化物の存在下で嫌気的に発酵培養される。炭水化物には、例えば、イヌリン、フラクトオリゴ糖、およびグルコオリゴ糖が含まれる。
細菌は、ろ過または遠心分離など当技術分野において公知である任意の方法によって採取される。細菌は、公知の方法によって乾燥される。例えば、細菌は、液体窒素とそれに続く凍結乾燥によって乾燥される。細菌は、4℃未満の温度でコニカル粉砕によって粉砕される。
いくつかの局面において、粉末は、錠剤化する前に顆粒にされる。この顆粒は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、水、水酸化大豆レシチン、ゲラムゴム(gellum gum)、トウモロコシデンプン、デキストロース、米ぬか抽出物、シリカ、またはアラビアゴムを含む。顆粒の平均粒径の範囲は、100〜300マイクロメートルである。
他に規定されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語はすべて、本発明が関連する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において説明されるものと同様または等価な方法および材料を、本発明の実践において使用することができるが、適切な方法および材料を後述する。本明細書において言及する刊行物、特許出願、特許、および他の参照文献はすべて、その全体が参照により明確に組み入れられる。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が優先される。さらに、本明細書において説明される材料、方法、および例は、例示にすぎず、限定することを意図しない。
[本発明1001]
ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)と、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)と、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)とを含む細菌の混合物を含む組成物であって、該混合物中の各細菌が、個別に嫌気的に発酵培養され(fermented)、採取され、乾燥され、そして295マイクロメートルの平均粒径を有する粉末を生じるように粉砕され、該混合物の60%が、175〜840マイクロメートルのサイズ範囲内にあり、かつ、該混合物が、以下の特徴を有する、組成物:
(a)約5%未満の含水率;および
(b)該組成物1グラム当たり約10 5 〜10 11 コロニー形成単位(CFU)の最終細菌濃度。
[本発明1002]
前記細菌が、炭水化物の存在下で嫌気的に発酵培養される、本発明1001の組成物。
[本発明1003]
前記炭水化物が、イヌリン、フラクトオリゴ糖、およびグルコオリゴ糖からなる群より選択される、本発明1002の組成物。
[本発明1004]
前記細菌がろ過または遠心分離によって採取される、本発明1001の組成物。
[本発明1005]
前記細菌が、液体窒素とそれに続く凍結乾燥によって乾燥される、本発明1001の組成物。
[本発明1006]
前記細菌が、4℃未満の温度でコニカル粉砕(conical grinding)によって粉砕される、本発明1001の組成物。
[本発明1007]
本発明1001の組成物を含み、ビタミン、ミネラル、または糖を含む、製剤。
[本発明1008]
前記ビタミンが、ビタミンD、ビタミンB12、ビタミンC、またはビタミンEである、本発明1007の製剤。
[本発明1009]
前記糖が、イヌリン、デキストロース、またはフルクトースである、本発明1007の製剤。
[本発明1010]
前記ミネラルが、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、銅、またはモリブデンである、本発明1007の製剤。
[本発明1011]
前記細菌の混合物が、約60.0%(w/w)未満の濃度で存在する、本発明1007の製剤。
[本発明1012]
本発明1007の製剤を含む、錠剤。
[本発明1013]
687mgの細菌組成物を含む、本発明1012の錠剤。
[本発明1014]
前記錠剤の総重量が1200mgである、本発明1013の錠剤。
[本発明1015]
本発明1007の製剤を含む、カプセル剤。
[本発明1016]
少なくとも300mgの細菌組成物を含む、本発明1015のカプセル剤。
[本発明1017]
本発明1007の製剤を含む、散剤。
[本発明1018]
少なくとも300mgの細菌組成物を含む、本発明1017の散剤。
[本発明1019]
本発明の組成物を対象に投与する段階を含む、該対象におけるアルコール代謝の速度を増加させる方法。
[本発明1020]
前記組成物を経口投与する、本発明1019の方法。
[本発明1021]
前記組成物を錠剤、カプセル剤、または散剤として投与する、本発明1020の方法。
[本発明1022]
錠剤、カプセル剤、または散剤のそれぞれが、約100〜800ミリグラムの前記細菌混合物を含む、本発明1019の方法。
[本発明1023]
アルコール摂取前に2個の錠剤またはカプセル剤を投与する、本発明1021の方法。
[本発明1024]
アルコール摂取後24時間以内に、2〜20個の錠剤またはカプセル剤を投与する段階をさらに含む、本発明1023の方法。
[本発明1025]
以下の段階を含む、ペディオコッカス・アシディラクティシとペディオコッカス・ペントサセウスとラクトバチルス・プランタルムとを含む細菌の混合物を含む組成物を製造する方法:
(a)各生物を個別に嫌気的に発酵培養する段階;
(b)各生物を採取する段階;
(c)採取した該生物を液体窒素で凍結する段階;
(d)凍結した該生物を乾燥させる段階;および
(e)295マイクロメートルの平均粒径を有する粉末を生じるように、乾燥させた該生物を粉砕する段階であって、該混合物の60%が、175〜840マイクロメートルのサイズ範囲内にある、段階。
[本発明1026]
個別に発酵培養された各細菌を一つにまとめて細菌の混合物を作製する段階をさらに含み、該混合物が、以下の特徴を有する、本発明1023の方法:
(a)約5%未満の含水率;および
(b)前記組成物1グラム当たり約10 5 〜10 11 コロニー形成単位(CFU)の最終細菌濃度。
[本発明1027]
炭水化物の存在下で嫌気的に前記細菌を発酵培養する、本発明1025の方法。
[本発明1028]
前記炭水化物が、イヌリン、フラクトオリゴ糖、およびグルコオリゴ糖からなる群より選択される、本発明1025の方法。
[本発明1029]
ろ過または遠心分離によって前記細菌を採取する、本発明1025の方法。
[本発明1030]
液体窒素とそれに続く凍結乾燥によって前記細菌を乾燥させる、本発明1025の方法。
[本発明1031]
4℃未満の温度でコニカル粉砕によって前記細菌を粉砕する、本発明1025の方法。
[本発明1032]
錠剤化する前に前記粉末を顆粒にする、本発明1025の方法。
[本発明1033]
前記顆粒が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、水、水酸化大豆レシチン、ゲラムゴム(gellum gum)、トウモロコシデンプン、デキストロース、米ぬか抽出物、シリカ、またはアラビアゴムを含む、本発明1032の方法。
[本発明1034]
前記顆粒の平均粒径の範囲が100〜300マイクロメートルである、本発明1033の方法。
本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになり、それらに包含される。
試験の治療群の男性10名および女性10名の参加者の平均BAC値を示す折れ線グラフである。平均BACをy軸に示し、時間(分)をx軸に示している。 微生物組成物およびアルコールを摂取した後のBAC応答を示す棒グラフである。
発明の詳細な説明
本発明は、血液アルコールレベルを低下させるのに有用であるプロバイオティクス組成物を提供する。この組成物は、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサセウス、およびラクトバチルス・プランタルムの混合物を含む。
本明細書において使用される「プロバイオティクス細菌」または「プロバイオティクス」という用語は、適切な量で投与された場合に消費者に健康上の利益を与える微生物を意味する。本発明によるプロバイオティクスは、生存可能または生存不可能であってよい。プロバイオティクスが生存不可能である場合、それらは実質的に構造が完全でなければならない。つまり、これらの生存不可能な微生物は、遠位の腸管中での分解を回避するかまたは遅延させるのに十分なほど完全なままであり、それによって、生存不可能な微生物(の保存された構造)と免疫系、特に粘膜免疫系との相互作用が可能になる。生存不可能なプロバイオティクスは、代謝的に活性である。「代謝的に活性」とは、そのタイプのプロバイオティクスに特徴的な少なくとも何らかの残存する酵素活性をそれらが示すことを意味する。
本明細書において使用される「生存不可能な」という用語は、任意の公知の条件下で複製することができない細菌の集団を意味する。しかし、集団における通常の生物学的変異が原因で、集団のごく一部(すなわち5%またはそれ未満)が依然として生存可能であり、したがって、他の点では生存不可能と定義される集団において、適切な増殖条件下で複製することができる場合があることを理解すべきである。
本明細書において使用される「生存可能な細菌」という用語は、複製が可能である適切な条件下で複製することができる細菌の集団を意味する。(上記に与えた)「生存不可能な」の定義を満たさない細菌の集団は、「生存可能」であるとみなされる。
本明細書において使用される「生物活性構成要素」という用語は、適切な量で摂取された場合に身体に対して生理学的作用を有する構成要素を意味する。
別段の記載が無い限り、本文書で言及する百分率はすべて、組成物の総重量に基づく重量を単位とする。
本発明による製造物中で使用されるプロバイオティクス細菌は、任意の従来のプロバイオティクス細菌であってよい。プロバイオティクス細菌は食品グレードである。プロバイオティクス細菌はラクトバチルス(Lactobacillacea)科より選択されることが好ましい。
使用され得る適切なタイプのプロバイオティクス細菌には、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサセウス、およびラクトバチルス・プランタルムが含まれる。
好ましい組成物中には、プロバイオティクス細菌のペディオコッカス・アシディラクティシ、ペドコッカス・ペントサセウス(Pedococcus pentosaceus)、およびラクトバチルス・プランタルムが、等しい比率で存在する。
本発明に従って使用されるプロバイオティクス細菌のレベルは、そのタイプに応じて変わる。本発明の製造物が1グラム当たり105〜1011コロニー形成単位の量のプロバイオティクス細菌を含むことが好ましい。
本発明のいくつかの態様において、使用されるプロバイオティクス細菌は、生存可能なプロバイオティクス細菌である。生存可能なプロバイオティクス細菌の使用により、これらのプロバイオティクス細菌が腸内ミクロフローラの一部分となり、それによって、さらなる健康上の利益をもたらし得るという利点が与えられる。
本発明によるプロバイオティクス細菌は、当技術分野において公知の任意の標準的な発酵培養(fermentation)プロセスを用いて生産され得る。例えば、固体基質発酵培養または液中発酵培養(submerged liquid fermentation)。発酵培養物は、混合された培養物または単独の単離物であることができる。プロバイオティクス細菌は、嫌気的に発酵培養される。
いくつかの態様において、プロバイオティクス細菌は、炭水化物の存在下で嫌気的に発酵培養される。適切な炭水化物には、イヌリン、フラクトオリゴ糖、およびグルコオリゴ糖が含まれる。
発酵培養後、細菌は、当技術分野の任意の公知の方法によって採取される。例えば、細菌は、ろ過または遠心分離によって採取される。
細菌は、当技術分野において公知である任意の方法によって乾燥される。例えば、細菌は、液体窒素とそれに続く凍結乾燥によって乾燥される。
本発明による組成物は、20%、15%、10% 9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%未満の含水率まで凍結乾燥された。好ましくは、本発明による組成物は、5%未満の含水率まで凍結乾燥された。
いくつかの態様において、凍結乾燥された粉末は、粒径を小さくするために粉砕される。細菌は、10℃、9℃、8℃、7℃、6℃、5℃、4℃、3℃、1℃、0℃未満、またはそれを下回る温度で、コニカル粉砕によって粉砕される。好ましくは、温度は、4℃未満である。
例えば、粒径は、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、または500マイクロメートル未満である。好ましくは、凍結乾燥された粉末は、粒径が800マイクロメートル未満となるように粒径を小さくするために粉砕される。約400マイクロメートル未満の粒径が最も好ましい。最も好ましい態様において、凍結乾燥された粉末は、平均粒径が295マイクロメートルであり、混合物の60%が、175〜840マイクロメートルのサイズ範囲内にある。様々な態様において、凍結乾燥された粉末は均質化される。
当然、本発明の組成物は、健康に好都合な影響を与える成分を含む、別の成分も含んでよい。本発明の組成物に適切に組み込まれ得る付加的な成分の非限定的な例は、ビタミン、ミネラル、プレバイオティクス、植物ステロール、ポリフェノール、タンパク質、食物繊維、ハーブ、およびサポニンである。
本発明の組成物は、噛み砕ける食品、飲料、液剤、錠剤、カプセル剤、散剤、および顆粒剤(granulate)を含めて、経口投与用に製剤化される。好ましい態様において、プロバイオティクス組成物は、錠剤に製剤化された。別の好ましい態様において、プロバイオティクス組成物は、カプセル剤に製剤化された。さらに別の好ましい態様において、プロバイオティクス組成物は、顆粒剤または水溶性散剤に製剤化された。
製剤化される場合、組成物は、味または錠剤化に好都合な影響を与える成分を含む、別の成分も含んでよい。本発明の組成物に適切に組み込まれ得る付加的な成分の非限定的な例は、乳酸カルシウム、糖、錠剤化助剤、および矯味剤である。
経口投与用に製剤化される場合、組成物は、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55重量%、またはそれ以上のプロバイオティクス細菌の混合物を含む。好ましくは、組成物は、約50〜60重量%のプロバイオティクス細菌を含む。
好ましい態様において、本発明のプロバイオティクス組成物は錠剤に製剤化され、ミネラル、ビタミン、糖、錠剤化助剤、および矯味剤を含む。
ミネラルには、例えば、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、塩化ナトリウム、クエン酸カリウム一水和物、硫酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、酸化マグネシウム、炭酸マンガン、グルカン酸(glucanate)マンガン、クエン酸第二鉄、炭酸亜鉛、グルカン酸(glucanate)亜鉛、炭酸第二銅、ヨウ素酸カリウム、亜セレン酸ナトリウム・五水和物、硫酸クロミウムカリウム・十二水和物、パラモリブデン酸アンモニウム・四水和物、メタ珪酸ナトリウム・九水和物、塩化リチウム、ホウ酸、フッ化ナトリウム、水酸化炭酸ニッケル・四水和物、またはメタバナジン酸アンモニウムが含まれる。ミネラルは、約0.1〜10重量%、0.1〜5.0重量%、または前記範囲内の任意の特定値の濃度で配合される。特定の態様において、ミネラルは、約5重量%、4%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、またはそれ未満の濃度で配合される。
ビタミンには、例えば、ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12、ビタミンC、ビタミンD、またはビタミンEが含まれる。好ましいビタミンは、ビタミンB1、B3、B6 B12、ビタミンC、ビタミンD3、またはビタミンEアセタートである。ビタミンは、約0.01〜10重量%、0.1重量%、および5重量%、または前記範囲内の任意の特定値の濃度で配合される。特に、ビタミンは、約5重量%、4%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、またはそれ未満の濃度で配合される。
糖には、例えば、デキストロース、スクロース、フルクトース、イヌリン、トレハロース、またはグルコン酸の塩が含まれる。好ましい糖には、デキストロース、フルクトース、フラクトオリゴ糖、グルコオリゴ糖、またはスクラロースが含まれる。糖は、約10〜50重量%、20〜40重量%、または前記範囲内の任意の特定値の濃度で配合される。特に、ビタミンは、約50重量%、45重量%、40%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、またはそれ未満の濃度で配合される。
錠剤化助剤には、例えば、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、イソクエン酸、およびコハク酸などのポリカルボン酸ならびにそれらの塩、SiO2、アロエベラ、飽和および不飽和の直鎖状脂肪酸および分枝状脂肪酸ならびにそれらの塩、または脂肪族アルコールが含まれる。好ましい錠剤化助剤は、リンゴ酸、クエン酸、ステアリン酸、またはステアリン酸マグネシウムである。錠剤化助剤は、約1〜10重量%、2.5重量%、および7.5重量%、または前記範囲内の任意の特定値の濃度で配合される。特に、ビタミンは、約10重量%、7.5%、5重量%、4%、3重量%、2重量%、1重量%、またはそれ未満の濃度で配合される。
バナナ、シナモン、ブドウ、オレンジ、モモ、ナシ、パイナップル、リンゴ、液果、ココナツ、チョコレート、バニラ、イチゴ、ウィンターグリーン油、スペアミント、ペパーミント、またはショウガを含む、任意の天然または人工の食品グレード矯味剤が使用され得る。好ましい矯味剤は、ショウガまたは天然液果の矯味剤である。矯味剤は、約0.1〜10重量%、0.5重量%、および5重量%、または前記範囲内の任意の特定値の濃度で配合される。特に、矯味物質は、約5重量%、4%、3重量%、2重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、またはそれ未満の濃度で配合される。
特に好ましい態様において、本発明のプロバイオティクス組成物は錠剤に製剤化され、58.0重量%の混合プロバイオティクス細菌;0.58重量%の乳酸カルシウム、2.95重量%のビタミン、2.11重量%のミネラル、31.70重量%の糖、2.66重量%の錠剤化助剤、および2.00%の矯味剤を含む。
本発明はまた、本発明による細菌組成物を含む錠剤、カプセル剤、または散剤も含む。
錠剤は、約1000mg、900mg、800mg、700mg、600mg、500mgまたはそれ未満の細菌組成物を含む。1つの態様において、錠剤は、687 mgの細菌組成物を含む。錠剤の総重量は、1500mg、1400mg、1300mg、1200mg、1100mg、1000mg、750mg、または500mgである。
カプセル剤は、1000mg、900mg、800mg、700mg、600mg、500mg、400mg、300mg、または200mgの細菌組成物を含む。
散剤は、1000mg、900mg、800mg、700mg、600mg、500mg、400mg、300mg、または200mgの細菌組成物を含む。
さらなる局面において、本発明は、本発明によるプロバイオティクス細菌組成物を対象に経口投与することによって、アルコール代謝の速度を増加させるか、血液アルコールレベルを低下させるか、またはアルコール毒性に関連している1つもしくは複数の有害作用を軽減する方法を提供する。好ましくは、組成物は、アルコール摂取の前、間、または後に投与される。あるいは、組成物は、アルコール摂取の前、および対象がアルコール摂取を中止するまで、その後1時間毎に投与される。いくつかの態様において、2〜20個の錠剤またはカプセル剤が、アルコール摂取後24時間以内に投与される。
初回用量は、約0.5〜5グラムのプロバイオティクス細菌を含む。好ましくは、初回用量は、約1.5〜3.5グラムのプロバイオティクス細菌を含む。最も好ましくは、初回用量は、約2.75グラムのプロバイオティクス細菌を含む。いくつかの局面において、後続の用量は、初回用量の半分を含む。
また、ペディオコッカス・アシディラクティシと、ペディオコッカス・ペントサセウスと、ラクトバチルス・プランタルムとを含む細菌の混合物を含んだ組成物を製造する方法も、本発明に含まれる。この方法は、各生物を個別に嫌気的に発酵培養する段階;各生物を採取する段階;採取した生物を液体窒素で凍結する段階;凍結した生物を乾燥させる段階;および、295マイクロメートルの平均粒径を有する粉末を生じるように、乾燥させた生物を粉砕する段階であって、混合物の60%が、175〜840マイクロメートルのサイズ範囲内にある、段階を含む。
いくつかの態様において、この方法は、個別に発酵培養された各細菌を一つにまとめて細菌の混合物を作製する段階をさらに含み、該混合物の含水率は約5%未満であり、かつ最終細菌濃度は、組成物1グラム当たり約105〜1011コロニー形成単位(CFU)である。
本発明を例示するために説明されるが、本発明を限定すると解釈されるべきではない以下の実施例を用いて、本発明をさらに良く理解することができる。
実施例1:微生物種の調製
本発明の微生物混合物は、当技術分野において公知の標準的な発酵培養プロセスのいずれかを用いて作製することができる。以下の実施例において、固体発酵培養プロセスおよび液中発酵培養プロセスの両方が説明される。
A.固体発酵培養
ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサセウス、およびラクトバチルス・プランタルムの個別の精製された単離物を、標準的な嫌気的液中発酵培養プロトコールを用いて別々の発酵槽中で増殖させた。個々の生物を遠心分離によって発酵槽から回収し、重量に基づいて等比率で一緒に混合し、次いで、以下の混合物に添加した:1部のイヌリン、2.2部の単離された大豆タンパク質、8部の米粉、ならびに0.25重量%の塩化ナトリウム、0.045重量%の炭酸カルシウム、0.025重量%の硫酸マグネシウム、0.025重量%のリン酸ナトリウム、0.012重量%の硫酸鉄、および29.6%の水。この混合物を最長で5日間、30℃で発酵培養した。発酵培養の完了時に、混合物全体は、含水率5%未満まで凍結乾燥され、生成物の60%が175〜840マイクロメートルのサイズ範囲内にある、295マイクロメートルの平均粒径まで粉砕され、かつ均質化された。粉末化された生成物の最終微生物濃度は、109〜1011CFU/gである。
B.液中発酵培養
ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサセウス、およびラクトバチルス・プランタルムの個別の精製された単離物を、標準的な嫌気的液中発酵培養プロトコールを用いて別々の発酵槽中で増殖させた。発酵培養後、個々の培養物は、ろ過され、遠心分離され、水分レベル約5%未満まで凍結乾燥され、次いで、295マイクロメートルの平均粒径まで粉砕され、生成物の60%が175〜840マイクロメートルのサイズ範囲内にあった。次いで、個々の乾燥させた微生物培養物を等しい重量比率で混合して、本発明の微生物組成物を得た。混合した粉末化生成物の最終微生物濃度は、109〜1011CFU/gである。
実施例2:錠剤への製剤化
実施例1の乾燥させた微生物混合物を、臨床試験のための錠剤に製剤化した。錠剤は以下の組成を有していた。
Figure 0006452258
最終的な錠剤の特徴:
Figure 0006452258
実施例3:アルコールの影響を緩和する際の錠剤化製造物のパフォーマンス
小規模(small-base)(20名)の臨床試験を行って、実施例2の錠剤組成物がアルコール代謝を促進する能力を評価した。募集したヒト対象は、21〜40歳であり、肥満度指数は18.5〜24.9であった。使用されるアルコールを含む、試験における成分のいずれか(例えばサルファイト)にアレルギーまたは不耐性である対象は除外した。
試験は、健常な男性および女性の非喫煙ボランティア20名を対象として2日間実施した。対象を性別にグループ分けした(試験1回当たり10名)。対象は、初期経口投与量である実施例2の組成物4.8グラムを服用し、次いで、グラス1杯のワイン(100ml)を飲んだ。1時間後、およびその後、試験期間中1時間毎に、対象は実施例2の組成物をさらに2.4グラム摂取した。試験の期間中(合計240分)、30分毎に、アルコールを飲んだ。酒気検知器による試験(BAC)を基準時(初回投与または最初のグラス1杯のアルコールの前)、および各分量のアルコールの摂取後20分毎に実施した。
試験プロトコール
Figure 0006452258
実施例2の組成物の摂取により得る有害作用はなかった。ほぼすべての場合において、参加者は、アルコール毒性に通常関連している有害作用の著しい減少を報告した。実施例2の組成物を摂取した参加者において、対照群と比べてBAC応答の著しい低下が認められた(図1)。
実施例4:競合製造物との比較
上記の実施例3と計画が類似している繰り返し臨床試験を行って、実施例2の組成物のパフォーマンスを競合製造物(Cheers, Juventa Technologies)と比較した。結果を図2に示す。これらの結果から、本発明の微生物組成物の方が、アルコール摂取の影響を小さくするのに好ましいことが裏付けられる。

Claims (26)

  1. ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)と、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)と、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)とを含む細菌の混合物を含む、血液アルコールレベルを低下させるための組成物。
  2. 該混合物中の各細菌が、295マイクロメートルの平均粒径を有する粉末の形態であり、該混合物の60%が、175〜840マイクロメートルのサイズ範囲内にあり、かつ、該混合物が、以下の特徴を有する、請求項1記載の組成物:
    (a)約5%未満の含水率;および
    (b)該組成物1グラム当たり約10 5 〜10 11 コロニー形成単位(CFU)の最終細菌濃度。
  3. 経口投与に適した形態である、請求項1または2記載の組成物。
  4. 錠剤、カプセル剤、または散剤として製剤化された、請求項3記載の組成物。
  5. それぞれ約100〜800ミリグラムの細菌混合物を含む、錠剤、カプセル剤、または散剤として製剤化された、請求項4記載の組成物。
  6. アルコール摂取前に2個の錠剤またはカプセル剤を投与する、請求項4記載の組成物。
  7. アルコール摂取後24時間以内に、2〜20個の錠剤またはカプセル剤を投与する、請求項4記載の組成物。
  8. 請求項1に記載の組成物を含み、ビタミン、ミネラル、または糖を含む、血液アルコールレベルを低下させるための製剤。
  9. 前記ビタミンが、ビタミンD、ビタミンB12、ビタミンC、またはビタミンEである、請求項8に記載の製剤。
  10. 前記糖が、イヌリン、デキストロース、またはフルクトースである、請求項8に記載の製剤。
  11. 前記ミネラルが、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、銅、またはモリブデンである、請求項8に記載の製剤。
  12. 前記細菌の混合物が、約60.0%(w/w)未満の濃度で存在する、請求項8に記載の製剤。
  13. 請求項8に記載の製剤を含む、血液アルコールレベルを低下させるための錠剤。
  14. 687mgの細菌組成物を含む、請求項13に記載の錠剤。
  15. 前記錠剤の総重量が1200mgである、請求項14に記載の錠剤。
  16. 請求項8に記載の製剤を含む、血液アルコールレベルを低下させるためのカプセル剤。
  17. 少なくとも300mgの細菌組成物を含む、請求項16に記載のカプセル剤。
  18. 請求項8に記載の製剤を含む、血液アルコールレベルを低下させるための散剤。
  19. 少なくとも300mgの細菌組成物を含む、請求項18に記載の散剤。
  20. ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)と、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)と、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)とを含む細菌の混合物を含む、対象におけるアルコール代謝の速度を増加させるための組成物。
  21. 該混合物中の各細菌が、295マイクロメートルの平均粒径を有する粉末の形態であり、該混合物の60%が、175〜840マイクロメートルのサイズ範囲内にあり、かつ、該混合物が、以下の特徴を有する、請求項20記載の組成物:
    (a)約5%未満の含水率;および
    (b)該組成物1グラム当たり約10 5 〜10 11 コロニー形成単位(CFU)の最終細菌濃度。
  22. 経口投与に適した形態である、請求項20または21に記載の組成物。
  23. 錠剤、カプセル剤、または散剤として製剤化された、請求項22に記載の組成物。
  24. 錠剤、カプセル剤、または散剤のそれぞれが、約100〜800ミリグラムの前記細菌混合物を含む、請求項23に記載の組成物。
  25. アルコール摂取前に2個の錠剤またはカプセル剤を投与する、請求項23に記載の組成物。
  26. アルコール摂取後24時間以内に、2〜20個の錠剤またはカプセル剤を投与する、請求項23に記載の組成物。
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