JP6450513B2 - ヘリコプター作業訓練装置及びヘリコプター作業訓練システム - Google Patents

ヘリコプター作業訓練装置及びヘリコプター作業訓練システム Download PDF

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Description

本発明は、ヘリコプター作業、すなわち、ヘリコプターからの人員や物資の降下作業、地上側でのヘリコプターとの連携作業、ヘリコプターへの人員や物資の引き上げ(ホイスト)などの作業を訓練するためのヘリコプター作業訓練装置及びシステムに関する。
近年、ヘリコプターが、災害時や救急時の人命救助、物資の輸送、火災の消火活動などに幅広く利用されている。
そこで、そのような作業に従事する、ヘリコプター操縦士、降下して作業にあたる要員、及び、地上側で対応する作業を行う要員、例えば、消防士、救急救命士、警察官などに対する訓練の重要性は非常に高まっている。
これらの問題に関して、例えば、特許文献1には、基体の上部に救助隊員が降下するホイスト装置を備えたヘリコプターシミュレータと、ヘリコプターシミュレータの下方に位置して基体に設けられ底部に格納された海難用揺動デッキ及び基体底部に出入り自在に設けられた海難以外の災害用訓練デッキと、基体に設けられ海難用揺動デッキ又は訓練デッキの気象条件を訓練に応じて変化させるための模擬効果設備とを備える災害救助訓練装置の技術思想が開示されている。
これにより、ヘリコプターを利用した災害救助活動、遭難現場の救助活動及びヘリコプターと遭難現場との連携作業の訓練ができる。
しかしながら、この災害救助訓練装置は、屋内(基体の内部)に収容されており、映像などのシミュレータは用意されているものの、自然の環境下での訓練ができないこと、海難用揺動デッキと海難以外の災害用訓練デッキとを訓練の目的に応じて差し替える必要があることなどから、短時間で効果的な訓練を実施することが難しいという問題点があった。
特開2001−134168号公報
解決しようとする問題点は、ヘリコプター作業の訓練を短時間で効率的に実施させることができるヘリコプター作業訓練装置を提供することが難しい点である。
本発明は、上記課題を解決するために、ヘリコプター作業訓練装置であって、
上方に起立する支柱と、
前記支柱に保持される腕部と、
前記腕部を水平方向に旋回させる旋回機構と、
前記腕部に保持された模擬機体と、
前記模擬機体近傍に設けられた巻き上げ機と
を有することを特徴とする。
このようにすると、地表面に種々の異なる環境条件を準備しておけば、旋回機構によって模擬機体を旋回することで、簡便に、環境条件を変えて訓練することが可能となる。
また、本発明は、ヘリコプター作業訓練装置であって、更に、前記模擬機体を前記腕部に沿って直線移動させる直線移動機構を有することを特徴としてもよい。
このようにしても、支柱からの距離の遠近によって環境条件を変えることができるため、適切な訓練を行うことができる。
また、本発明は、ヘリコプター作業訓練装置であって、更に、前記模擬機体を昇降させる昇降機構を有することを特徴としてもよい。
このようにすると、訓練参加者を地上で乗り込ませて、訓練を実施する高さまで上昇させることができ、訓練参加者の負担軽減となる。
また、本発明は、ヘリコプター作業訓練装置であって、更に、下方または側方に送風する回転翼または送風機を有することを特徴としてもよい。
このようにすると、ダウンウォッシュや横風などを模擬的に体験させることができ、効果的な訓練が実施できる。
また、本発明は、ヘリコプター作業訓練装置であって、更に、前記模擬機体を前後左右またはその組み合わせの方向に傾斜させる機構を有することを特徴としてもよい。
このようにすると、厳しい環境での訓練かでき、訓練効果が高まる。
また、本発明は、ヘリコプター作業訓練装置であって、更に、前記模擬機体を揺動させる揺動機構を有することを特徴としてもよい。
このようにすると、実際の作業時に体感される揺動に対応する訓練ができるため、訓練効果が高くなる。
なお、この装置は屋外に設置されることを特徴としてもよい。このようにすると、屋外に設置されることで、自然の気象条件などを体験することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、ヘリコプター作業訓練システムであって、
先に述べたヘリコプター作業訓練装置と、複数に分割した訓練区域からなる地表面とを有することを特徴としてもよい。
すなわち、例えば、ヘリコプター作業訓練装置の支柱の周囲の地表面(地面に限らず、水面や建物の屋上などを含むものとする)を複数に分割した区域として、平坦で舗装された整地区域のほかに、アルミデッキヘリポート区域、砂地なとの不整地区域、プールなどを設けた水面区域、険しい斜面などを設けた山岳区域などを準備しておき、腕部を旋回することで、訓練地域を選択できるようにする。このようにすると、複数の訓練区域を単純に腕部の旋回のみで選択することができるため、短時間で効率的に訓練を行うことができる。
本発明のヘリコプター作業訓練装置及びシステムは、ヘリコプター作業の訓練を短時間で効率的に実施させることができるなどの効果を有する。
本発明のヘリコプター作業訓練装置の第1の実施形態の斜視図である。 本発明のヘリコプター作業訓練装置の第2の実施形態の正面図である。 本発明のヘリコプター作業訓練装置の第2の実施形態の正面拡大図である。 本発明のヘリコプター作業訓練装置の第2の実施形態の右側面図である。 本発明のヘリコプター作業訓練システムの一実施形態の斜視図である。
本発明の第1の実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明のヘリコプター作業訓練装置の第1の実施形態の斜視図である。
本発明のヘリコプター作業訓練装置1の第1の実施形態は、上方に起立する支柱10と、支柱10に保持される腕部20と、腕部20を水平方向に旋回させる旋回機構30と、腕部20の先端近傍に設けられた模擬機体40と、模擬機体40近傍に設けられた巻き上げ機50と、模擬機体40の上方に設けられた回転翼60とを有する。
このヘリコプター作業訓練装置は、自然の環境下で訓練が実施できるよう、屋外に設置されることが望ましい。但し、悪天候でも訓練を実施できる点から、屋内設置を排除するものではない。
支柱10(マストと呼んでもよい)は、地表面のコンクリート製の土台11に固定されて、上方に延びる鉄鋼製のフレーム構造で、その内部に、訓練参加者が昇降できる階段12を備えている。なお、支柱10の固定には、土台11は必ずしも必要ではなく、直接、支柱10を地面に固定するようにしてもよく、また、地表面ではなく建造物などに固定して上方に延伸させてもよい。
腕部20(ジブと呼んでもよい)は、支柱10に保持されて、水平方向に延伸している。但し、完全に水平でなくても、略水平、すなわち、角度にしてプラスマイナス10度程度までは傾斜していてもよい。また、腕部20は、支柱10の階段12と連通する、模擬機体40に向けての床及び手すり付きの通路21を有している。
旋回機構30は、支柱10と腕部20との連結点近傍に設けられ、腕部20を、支柱10の周囲の水平方向に360度回転可能としている。この旋回機構30は、モータなどにより駆動される周知の機構を用いればよく、必ずしも360度旋回できなくても、例えば180度の回転などであってもよい。また、水平方向だけでなく、斜め方向などの旋回ができてもよい。
これらの支柱10及び腕部20の構成は、つち型クレーンなどと称されて、広く実用化されている。
模擬機体40は、腕部20に保持され、腕部20の先端近傍に設けられる。模擬機体40は、ヘリコプターの機体(操縦室及び/または訓練参加者が作業を行うキャビン)を模したものであり、ヘリコプターでの作業を模擬的に行うことができる。
模擬機体40には、外部での作業を行うため、あるいは外部から内部に出入りするための第1開口部41、第1開口部41の反対側にある第2開口部(図示せず)を有し、また、両方の開口部の外側には、下方に向けて第1スキッド42、第2スキッド43を有している。
巻き上げ機50(ホイストと呼んでもよい)は、模擬機体40に保持されて、模擬機体40の外側で第1開口部41の上方に設けられる。
なお、巻き上げ機50は、模擬機体40に保持されていなくとも、模擬機体40の近傍の、例えば腕部20に保持されていてもよい。
巻き上げ機50は、先端にフック51を有するロープ52を格納しており、必要に応じて、ロープ52を垂下させ、あるいは巻き上げることができる。なお、これ以降、ロープとあるものは、紐状のものであれば、ケーブル、ワイヤ、ベルトなどと称するものも含まれるものとする。
回転翼60(ロータと呼んでもよい)は、模擬機体40の上方で、回転翼用腕部22に保持されており、図示しないモータの駆動により、垂直下方の風(ダウンウォッシュ)を発生させることができる。なお、回転翼用腕部22も、旋回機構30により、腕部20と一緒に旋回する。ここで、回転翼用腕部22と腕部20を別構成としたが、一体構成とし、腕部20に回転翼60を保持させるようにしてもよく、あるいは模擬機体40に回転翼60を保持させるようにしてもよい。
更に、本発明のヘリコプター作業訓練装置の第1の実施形態は、模擬機体40を揺動させる揺動機構を有していてもよい。
揺動装置は、図示しないが、模擬機体40と腕部20との連結部分に設けられ、周知の揺動機構により、模擬機体40に揺れを加える。
次に、本発明の第1の実施形態の動作について説明する。
ヘリコプター作業訓練を行う訓練参加者は、支柱10に設けられた階段12を昇り、更に腕部20の通路21を経由して、模擬機体40に到達し、第2開口部から模擬機体40内に入る。
なお、更に、訓練参加者の利便のためには、階段12に代えて、支柱に沿ってエレベータ(図示せず)を設けてもよい。
模擬機体40内には、ヘリコプター作業を模擬的に行わせるための、図示しない電源スイッチ、操作部、表示部などが設けられている。
訓練に際しては、回転翼60を回転させ、実地と同様のダウンウォッシュを発生させる。また、必要に応じて、搖動機構を作動させ、模擬機体40に揺れを生じさせる。
地表面での作業が必要な場合は、模擬機体40内の訓練参加者の操作により巻き上げ機50を作動させ、別の訓練参加者を、第1開口部41からロープ52に固定して、地表面に降下させることができる。
このようにして降下した訓練参加者、更には、予め地表面で作業を行っている別の訓練参加者との連動により、遭難救助、救急救命、物資輸送、火災消火などの種々の場面を想定しての訓練が可能である。
この際にも、回転翼60によるダウンウォッシュ、更には揺動機構による模擬機体40の揺れなどの影響による模擬機体40内の訓練参加者と地上の訓練参加者との連携した作業などが、実地に近い状態で訓練できる。
また、必要な場合は、腕部20を旋回させることによって、模擬機体40が旋回するような状況での訓練を行うことも可能である。
なお、これまでの説明で、模擬機体40はヘリコプターの機体(操縦室及び/またはキャビン)を模したものとしたが、ヘリコプターの機体そのものを用いてもよい。その場合、回転翼60についても実物を用いることでもよい。臨場感が増す効果が得られる。
逆に、ヘリコプターの機体の形状に似せずに、機能のみを模したものであってもよい。コスト的に低廉で済む効果がある。
なお、これまでの説明で、模擬機体40内にヘリコプター作業を模擬的に行わせるための操作部が設けられているとしたが、それに代えて、遠隔で地上に操作部を設けてもよい。模擬機体40内では、訓練作業のみに集中できる利点がある。
次に、本発明の第2の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分は、同じ番号を付したり、説明を省略したりする場合がある。
図2は本発明のヘリコプター作業訓練装置の第2の実施形態の正面図であり、図3はその部分拡大図であり、図4は本発明のヘリコプター作業訓練装置の第2の実施形態の右側面図(巻き上げ機部分を省略)である。
本発明のヘリコプター作業訓練装置1の第2の実施形態は、上方に起立する支柱10と、支柱10に保持される腕部20と、腕部20を水平方向に旋回させる旋回機構30と、腕部20の先端近傍に保持された模擬機体40と、模擬機体40を腕部20に沿って直線状に移動させる直線移動機構70と、模擬機体40を地表面から腕部20まで上昇及び下降させる昇降機構80と、模擬機体40近傍に設けられた巻き上げ機50と、腕部20の先端近傍に設けられる送風機90と、地上に置かれこの装置の各部を操作するための操作部100とを有する。
このヘリコプター作業訓練装置は、第1の実施形態と同じく、自然の環境下で訓練が実施できるよう、屋外に設置されることが望ましい。但し、悪天候でも訓練を実施できる点から、屋内設置を排除するものではない。
支柱10(マストと呼んでもよい)は、上方に延びる鉄鋼製のフレーム構造で、最下部に上面から見てX字状に形成したベースを有し、それが周知の方法で基礎に対して固定される。
腕部20(ジブと呼んでもよい)は、支柱10に保持されて、水平方向に延伸している。但し、完全に水平でなくても、略水平、すなわち、角度にしてプラスマイナス10度程度までは傾斜していてもよい。
昇降機構80は、腕部20の先端部で、下向きの荷重を保持できる保持部81、保持部81の下方に固定された基板82、基板82上に固定される複数のローラ83、ローラ83に巻き掛けられた末端が4本に分割されているロープ84、ロープ84の先端に設けられた模擬機体40を保持するための4本のフック85を有する。
更に、ロープ84は、腕部20に設けられた多数のローラ群を介して、モータ86の駆動力による正逆2方向の直線動作が可能であり、この動作により、模擬機体40を保持するフック85が上昇または下降し、これによって、模擬機体40の上昇下降が可能となっている。
なお、昇降機構80は、この例に限定されず、腕部20の下方に保持される状態で模擬機体40を上昇下降させることができれば、一般のクレーンなどで用いられるような機構であってもよい。
ここで、ロープ84は、模擬機体40を略水平に保持できるように構成されており、そのままの状態で昇降できるようになっている。
模擬機体40は、ヘリコプターの機体(特に、訓練参加者が作業を行うキャビン)を模したものであり、ヘリコプターでの作業を模擬的に行うことができるもので、昇降機構80のロープ84の先端のフック85によって腕部20に対して横向き(腕部20の旋回方向に機首を向ける向き)に保持される。
模擬機体40には、外部での作業を行うため、あるいは外部から内部に出入りするための第1開口部41、第1開口部41の反対側にある第2開口部44を有し、また、両方の開口部の外側には、下方に向けて第1スキッド42、第2スキッド43を有している。
巻き上げ機50(ホイストと呼んでもよい)は、模擬機体40に保持されて、模擬機体40の外側で第1開口部41の上方に設けられる。
巻き上げ機50は、先端にフック51を有するロープ52を格納しており、必要に応じて、ロープ52を垂下させ、あるいは巻き上げることができる。
なお、巻き上げ機50は、模擬機体40に保持されていなくとも、模擬機体40の近傍の例えば基板81に保持されていてもよい。
旋回機構30は、支柱10と腕部20との連結点近傍に設けられ、腕部20を、支柱10の周囲の水平方向に360度回転可能としている。この旋回機構30は、モータなどにより駆動される周知の機構を用いればよく、必ずしも360度旋回できなくても、例えば180度の回転などであってもよい。また、水平方向だけでなく、斜め方向などの旋回ができてもよい。
直線移動機構70は、先に述べた保持部81が、腕部20に対してベアリングなどを介して直線移動可能になっており、図示しない電動シリンダによって腕部20に沿って直線方向の移動を行うようになっている。ここで模擬機体40が横向きの状態で移動するので横行機構と呼んでもよい。
なお、直線移動機構70は、電動シリンダを用いた構造に限定されず、ワイヤードラムを用いる構造など、直線移動が可能であればどのような構造であってもよい。
更に、直線移動機構70は、昇降機構80と同様のモータとロープの組み合わせによるものであってもよく、直線移動と昇降とが並行動作しない場合には、昇降機構80とモータを共用してもよい。
送風機90は、腕部20の先端の近傍、ここでは昇降機構80の基板82に固定され、下向きの風を生成して吹出すことができる。例えば、大型の扇風機のようなものであってもよく、風速や風量を調整できるようになっている。
このような構成であると、模擬機体40を直線移動(横行)させた場合も、常に同じ強さの送風が可能である。
なお、図示しないが送風機90は支柱10に固定してもよい。例えば、地表面に近い位置に送風機90を設けると、地表での作業について、強風の場合の対応などを訓練することができる。
あるいは、図示しないが送風機90は模擬機体40の上部などに取付部を設け、そこに固定するようにしてもよい。そのようにすると、模擬機体40と一緒に昇降できるため、模擬機体40がどの高さに位置していても常に同じ強さの送風が可能である。
操作部100は、地上に設けられ、模擬機体40及び各機構の駆動部と電気的に接続され、昇降機構80による模擬機体40の上昇下降、旋回機構30による模擬機体40の旋回、直線移動機構70による模擬機体40の移動、巻き上げ機50による訓練参加者または物資の上昇下降などの操作、送風機90による送風のオンオフ及び風速風量調節、及び、必要な表示、音声による指示・案内などが可能なようになっている。
これらの操作を行うために、キーボード、マウスなどの入力機器のほか、ジョイスティックなど、実作業に近い作業形態の入力機器を有してもよい。
なお、これらの操作の一部または全部を模擬機体40の内部に設けた操作部(図示せず)によって行わせるようにしてもよい。
更に、本発明のヘリコプター作業訓練装置の第2の実施形態においても、模擬機体40を揺動させる揺動機構を有していてもよい。
揺動装置は、図示しないが、模擬機体40と腕部20との連結部分に設けられ、周知の揺動機構により、模擬機体40に揺れを加える。
次に、本発明の第2の実施形態の動作について説明する。
まず、操作部100の操作によって、模擬機体40を、昇降機構80を用いて地表面に降下させ、そこでヘリコプター作業訓練を行う訓練参加者を第1開口部41または第2開口部44から模擬機体40内部へと搭乗させる。
次に、模擬機体40を、昇降機構80を用いて腕部20の直下に到るまで上昇させる。
次に、模擬機体40を、旋回機構30を用いて支柱10の回りで回転させる。地表面に種々の訓練区域が設けられている場合は、旋回によって、所望の訓練区域の上方に模擬機体40を位置させることができる。
また、支柱10からの距離についても、直線移動機構70を用いて、その距離を変更することができ、適切な訓練区域の上方に模擬機体40を位置させることができる。
訓練に際しては、送風機90を作動させ、実地と同様のダウンウォッシュを発生させる。また、必要に応じて、搖動機構を作動させ、模擬機体40に揺れを生じさせる。
地表面での作業が必要な場合は、操作部100の操作により巻き上げ機50を作動させ、訓練参加者を、第1開口部41からロープ52に固定して、地表面に降下させることができる。
このようにして降下した訓練参加者、更には、予め地表面で作業を行っている別の訓練参加者との連動により、遭難救助、救急救命、物資輸送、火災消火などの種々の場面を想定しての訓練が可能である。
この際にも、送風機90によるダウンウォッシュ、更には揺動機構による模擬機体40の揺れなどの影響による模擬機体40内の訓練参加者と地上の訓練参加者との連携した作業などが、実地に近い状態で訓練できる。
また、必要な場合は、訓練中にも、操作部100の操作により、昇降機構80による模擬機体40の上昇下降、旋回機構30による模擬機体40の旋回、直線移動機構70による模擬機体40の移動など、模擬機体40に生ずる可能性のある動きを実現することができ効果的な訓練が可能となる。
なお、本発明の第2の実施形態のこれまでの説明で、模擬機体40はヘリコプターの操縦室及び/またはキャビンを模したものとしたが、ヘリコプターの機体の一部をそのまま用いてもよい。臨場感が増す効果がある。
逆に、操縦室及び/またはキャビンの形状に似せずに、機能のみを模したものであってもよい。コスト的に低廉で済む効果がある。
なお、本発明の第2の実施形態のこれまでの説明では、昇降機構80のロープ84は、模擬機体40を略水平に保持できるように構成されているとしたが、ロープ84の末端の4本のフック85の位置を異なる高さとするように構成することも可能である。このようにすると、模擬機体40を、前方、後方、左方、右方、あるいはそれらの複合した方向に傾斜させることができ、訓練のためのより厳しい環境の再現が可能である。
なお、本発明の第2の実施形態には、更に、支柱を中心とした円の接線方向への接線方向移動機構を設けてもよい。これは、腕部20と昇降機構80の基板81との間で、基板81が腕部と直角方向に短い距離を滑動できるようにするものであり、周知のスライド機構を用いればよい。これにより、旋回機構30を用いずに、微妙な位置調整を可能とすることで、高度な訓練を実施することができるという効果を奏する。
次に、本発明の別の態様であるヘリコプター作業訓練システムの一実施形態を説明する。 図5は、本発明のヘリコプター作業訓練システムの一実施形態の斜視図である。
ヘリコプター作業訓練システム2の一実施形態は、先に述べたヘリコプター作業訓練装置1と、複数に分割した訓練区域200からなる地表面とを有する。なお、図5では、本発明の第1の実施形態のヘリコプター作業訓練装置1を例として示しているが、これに代えて、本発明の第2の実施形態のヘリコプター作業訓練装置1であってもよい。
ヘリコプター作業訓練装置1は、先に述べた通り、腕部20に保持された模擬機体40が旋回できるようになっている。実施形態によっては、ヘリコプター作業訓練装置1は、腕部20に沿って直線移動も可能となっている。
地表面(地面に限らず、水面や建物の屋上などを含むものとする)は、複数に分割した区域200として、例えば、平坦で舗装された整地区域201、岩石などの不整地区域202、プールなどを設けた水面区域203、険しい斜面などを設けた山岳区域204を設ける。
このようなヘリコプター作業訓練システム2の一実施形態の作用について説明する。ヘリコプター作業の訓練を行う訓練参加者は、模擬機体40に搭乗し、その後に腕部20を旋回させ、必要な場合は、腕部20に沿って直線移動させることで、これらの訓練区域201−204(代表して200で表す)を選択できる。
なお、訓練区域200としては、先に述べたものに限定されず、建物屋上のアルミデッキヘリポート区域、火災発生時の煙幕区域など、訓練の必要に応じて、種々の区域を設けることができる。
また、訓練区域200の形状としては、支柱10を中心とした扇形としたが、これに限定されず、矩形やそれ以外の形状であってもよい。訓練区域200の数も、4としたがこれに限定されず、2以上であればよい。
このようにすると、複数の訓練区域201−204を単純に腕部20の旋回のみで選択することができるため、短時間で効率的に訓練を行うことができる。
1 ヘリコプター作業訓練装置
2 ヘリコプター作業訓練システム
10 支柱
20 腕部
30 旋回機構
40 模擬機体
50 巻き上げ機
60 回転翼
70 直線移動機構
80 昇降機構
90 送風機
100 操作部
200 訓練区域

Claims (7)

  1. 上方に起立する支柱と、
    前記支柱に保持される腕部と、
    前記腕部に保持された模擬機体と、
    地表面の複数に分割された訓練区域を選択する訓練区域選択手段と、
    前記模擬機体近傍に設けられた巻き上げ機と
    を有するヘリコプター作業訓練装置であって、前記訓練区域選択手段が、前記腕部を水平方向に旋回する旋回機構と前記模擬機体を前記腕部に沿って直線移動させる直線移動機構とを含むことを特徴とするヘリコプター作業訓練装置。
  2. 更に、前記模擬機体を昇降させる昇降機構を有することを特徴とする請求項1に記載のヘリコプター作業訓練装置。
  3. 更に、下方または側方に送風する回転翼または送風機を有することを特徴とする請求項1に記載のヘリコプター作業訓練装置。
  4. 更に、前記模擬機体を前後左右またはその組み合わせの方向に傾斜させる機構を有することを特徴とする請求項1に記載のヘリコプター作業訓練装置。
  5. 更に、模擬機体を揺動させる揺動機構を有することを特徴とする請求項1に記載のヘリコプター作業訓練装置。
  6. 屋外に設置されることを特徴とする請求項1に記載のヘリコプター作業訓練装置。
  7. 請求項1に記載のヘリコプター作業訓練装置と、
    前記複数に分割した訓練区域からなる地表面と
    を有するヘリコプター作業訓練システム。
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