JP6448972B2 - 医用画像処理装置及び医用画像処理方法 - Google Patents

医用画像処理装置及び医用画像処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6448972B2
JP6448972B2 JP2014203385A JP2014203385A JP6448972B2 JP 6448972 B2 JP6448972 B2 JP 6448972B2 JP 2014203385 A JP2014203385 A JP 2014203385A JP 2014203385 A JP2014203385 A JP 2014203385A JP 6448972 B2 JP6448972 B2 JP 6448972B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
image data
registration
processing apparatus
data set
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014203385A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015073901A (ja
Inventor
ラゼト マルコ
ラゼト マルコ
アキニェミ アキノーラ
アキニェミ アキノーラ
バッティ ハリス
バッティ ハリス
バーナビー ジル
バーナビー ジル
セバスチャン・メラー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Canon Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Medical Systems Corp filed Critical Canon Medical Systems Corp
Publication of JP2015073901A publication Critical patent/JP2015073901A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6448972B2 publication Critical patent/JP6448972B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/0002Inspection of images, e.g. flaw detection
    • G06T7/0012Biomedical image inspection
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T15/003D [Three Dimensional] image rendering
    • G06T15/08Volume rendering
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/30Determination of transform parameters for the alignment of images, i.e. image registration
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09GARRANGEMENTS OR CIRCUITS FOR CONTROL OF INDICATING DEVICES USING STATIC MEANS TO PRESENT VARIABLE INFORMATION
    • G09G5/00Control arrangements or circuits for visual indicators common to cathode-ray tube indicators and other visual indicators
    • G09G5/36Control arrangements or circuits for visual indicators common to cathode-ray tube indicators and other visual indicators characterised by the display of a graphic pattern, e.g. using an all-points-addressable [APA] memory
    • G09G5/37Details of the operation on graphic patterns
    • G09G5/377Details of the operation on graphic patterns for mixing or overlaying two or more graphic patterns
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/10Image acquisition modality
    • G06T2207/10072Tomographic images
    • G06T2207/10081Computed x-ray tomography [CT]
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/20Special algorithmic details
    • G06T2207/20016Hierarchical, coarse-to-fine, multiscale or multiresolution image processing; Pyramid transform
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/20Special algorithmic details
    • G06T2207/20212Image combination
    • G06T2207/20224Image subtraction
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30004Biomedical image processing
    • G06T2207/30048Heart; Cardiac
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30004Biomedical image processing
    • G06T2207/30101Blood vessel; Artery; Vein; Vascular
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09GARRANGEMENTS OR CIRCUITS FOR CONTROL OF INDICATING DEVICES USING STATIC MEANS TO PRESENT VARIABLE INFORMATION
    • G09G2320/00Control of display operating conditions
    • G09G2320/06Adjustment of display parameters
    • G09G2320/066Adjustment of display parameters for control of contrast
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09GARRANGEMENTS OR CIRCUITS FOR CONTROL OF INDICATING DEVICES USING STATIC MEANS TO PRESENT VARIABLE INFORMATION
    • G09G2380/00Specific applications
    • G09G2380/08Biomedical applications

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Computer Graphics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

本実施形態は、医用画像処理装置及び医用画像処理方法に関する。
冠動脈狭窄は冠動脈疾患の良い指標であり、また、狭窄部を含む部位の特定および視覚化を可能にするために様々な撮像技術および診断技術が開発されてきた。
カテーテル冠動脈血管造影は、伝統的に、冠動脈狭窄を評価するための最も正確な撮像技術であると見なされてきた。しかしながら、カテーテル冠動脈血管造影は、各冠動脈口に対するカテーテルの局在化を必要とする侵襲的プロセスであり、患者にとって不快であるとともに、何らかの危険をもたらす可能性がある。また、この技術は、患者を高い線量の放射線に晒すことを伴うX線透視を使用する。図1は、既知のカテーテル冠動脈造影技術を使用して得られる2D画像の一例を示す図である。
カテーテル冠動脈血管造影手順に加えて、カルシウムスコアリングおよび造影剤注入によるCT血管造影(CCTA)スキャンが依然として行なわれる場合がある。しかしながら、心臓内科医は、血管造影を使用して得られる2D画像を見ることに慣れており、2DのCTAスライスデータのみからCTAスキャンを評価しようとする可能性がある。CCTAスキャンから得られる2D画像を与えることが知られているが、そのような画像は、カテーテル冠動脈血管造影画像とは対照的に、通常は、かなりの石灰化特徴を、そのような特徴が患者に存在するときに含む。そのような石灰化特徴の存在は、狭窄もしくは他の状態の評価を困難にするまたは不可能にする可能性がある。図2は、既知のCCTAスキャンから得られ、石灰化部位を有する2D画像の一例を示す図である。この画像中にはかなりの石灰化特徴が見える。同様の問題は、ステント、または、血管と関連付けられる他の特徴、例えば、外科用クリップ、ペースメーカー、または、他の金属製アーチファクトと共に生じ得る。
目的は、石灰化領域またはステント領域を有する医用画像において、血管領域の視認性を向上可能な医用画像処理装置及び医用画像処理方法を提供すること。
一実施形態に係る医用画像処理装置は、血管領域と、少なくとも石灰化またはX線を吸収する医療機器に対応する領域を含むX線高吸収領域と他の領域とを含む撮影領域に対応する造影画像のデータ、および、撮影領域に対応する非造影画像のデータに基づいて、X線高吸収領域を除去した血管強調画像のデータを発生する血管強調画像発生処理ユニットと、造影画像のデータに基づいて、X線高吸収領域と血管領域とを少なくとも含む参照画像のデータを発生する参照画像発生処理ユニットと、血管強調画像のデータに対して参照画像のデータを適用することにより、X線高吸収領域の画像強度を抑制、または除去した組み合わせ画像を発生する組み合わせ画像発生処理ユニットと、を具備することを特徴とする。
図1は、既知のカテーテル冠動脈造影技術を使用して得られる2D画像の一例を示す図である。 図2は、既知のCCTAスキャンから得られ、石灰化部位を有する2D画像の一例を示す図である。 図3は、一実施形態に係る医用画像処理システムのブロック構成の一例を示す図である。 図4は、一実施形態に係り、第1の画像データセットよび第2の画像データセットから血管造影図を発生するまでの方法の一例を概略的に示すフローチャートである。 図5は、第1の画像データセットと第2の画像データセットとの間の位置合わせの手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、非造影画像、造影画像、大局的なレジストレーションプロセスおよびサブトラクションプロセスの後に生成される画像、および、局所精緻化後に生成される画像の一例を一覧に示す図である。 図7Aは、本実施形態に係る処理により発生された模擬血管造影図の第1例を示す図である。 図7Bは、図7Aの場合と同じCCTAデータセットから得られる石灰化領域が除去されない図である。 図7Cは、本実施形態に係る処理により発生された模擬血管造影図の第2例を示す図である。 図7Dは、図7Cの場合と同じCCTAデータセットから得られる石灰化領域が除去されない図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図3は、一実施形態に係る医用画像処理システムのブロック構成の一例を示す図である。図3に示すように、一実施形態に係る医用画像処理装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)またはワークステーション等である。医用画像処理装置2に対して、ディスプレイデバイス4、スキャナ6、および、ユーザ入力デバイス8等が接続される。ユーザ入力デバイス8は、1つであってもよいし複数であってもよい。この場合にはコンピュータキーボードおよびマウスに接続される。
スキャナ6は、患者または他の被検体に関して3次元CT測定を行なうことができる任意の適したタイプのCTスキャナである。図3の実施形態において、画像データは、CTスキャナ6により発生されたCTスキャンデータを例に説明しているが、別の実施形態では、任意の適したタイプの画像データであってもよい。任意の適したタイプの画像データは、例えば、任意の適した形式のMRIのデータである。この場合、スキャナ6は、任氏の適した形式のMRIのデータを生成可能な、MRIスキャナで代替される。
医用画像処理装置2は、画像データを自動的または半自動的に処理するための処理リソースを与える。医用画像処理装置2は、中央処理ユニット(CPU)10を備える。中央処理ユニット10は、図3を参照して詳しく説明する方法を行なうように構成される様々なユニットまたは他のコンポーネントをロードして実行する。
中央処理ユニット10は、レジストレーションユニット12と、画像処理ユニット14と、画像精緻化ユニット16と、レンダリングユニット18とを有する。
レジストレーションユニット12は、剛体レジストレーション手順および非剛体レジストレーション手順に沿って、画像に対するレジストレーションを実行する。
画像精緻化ユニット16は、レジストレーション画像を精緻化する。
レンダリングユニット18は、画像データを処理してレンダリング画像を生成する。また、レンダリングユニット18は、レンダリング画像のデータをディスプレイデバイス4に対して出力する。
ディスプレイデバイス4は、レンダリングユニット18から出力されたレンダリング画像のデータに基づいて、レンダリング画像を表示する。こうして、ユーザは、ディスプレイデバイス4に表示されたレンダリング画像を確認することができる。
本実施形態における剛体レジストレーションは、画像データを他の画像データに位置合わせするために行われる。剛体レジストレーションは、一方の画像データにおけるデータポイントの座標の回転、移動、スケーリング等のうち少なくとも1つを含む。なお、剛体レジストレーションには、アフィン変換を伴うレジストレーションが含まれる。
医用画像処理装置2は、PCのハードドライブ及び他のコンポーネントを含む。PCのハードドライブは、オペレーティングシステム及びハードウェアデバイスを含む。オペレーティングデバイスは、RAMROM及び様々なデバイスドライブを含む。ハードウェアドライブはグラフィックカードを含む。これらのコンポーネントは、図3に明示しない。いくつかの適したCPU及び他のコンポーネントが、医用画像処理装置に使用されてもよい。
図3の実施形態では、スキャナ6によるスキャンの実行後に、画像データセット7が、スキャナ6から医用画像処理装置2に出力される。スキャナ6から出力された画像データセット7は、医用画像処理装置によって記憶され、処理される。図3の実施形態に示されるスキャナ6はCTスキャナであるが、他の実施形態では、任意の他の適したタイプのスキャナを使用して画像データセットを取得してもよい。
図3の実施形態の変形において、医用画像処理装置2は、スキャナ6からではなく遠隔データストア(図示せず)から画像データセットを受ける。遠隔データストアは、所定の期間にわたって種類の異なる多くのスキャナから取得される種類の異なる複数のデータセット各々を、対応する患者データと共に記憶する。遠隔データストアは、大量の患者データを記憶するサーバであってもよい。また、遠隔データストアは、PACS(Picture Archiving and Communication System)システムの一部を形成してもよい。
図3のシステムは、図4のフローチャートに概略的に示されるような一連のステップを行なうように構成される。
図4は、一実施形態に係り、第1の画像データセットよび第2の画像データセットから血管造影図を発生するまでの方法の一例を概略的に示すフローチャートである。
(ステップ20)第1の画像データセットと第2の画像データセットとを取得
画像処理ユニット14は、スキャナ6またはデータストアのいずれかから第1の画像データセットおよび第2の画像データセットを取得する。この例において、第1の画像データセットがカルシウムスコアデータセットである。カルシウムスコアデータセットは、造影剤が心臓部位に実質的に存在しないときに取得される心臓部位に関するCTボリュームデータセットである。言い換えると、第1の画像データセットは、非造影画像データセットであり、X線高吸収領域が強調された画像データセットである。ここでのX線高吸収領域は、石灰化した領域およびステントが配置された領域等のX線の吸収が大きい領域を表す。また、第2の画像データセットは、造影剤が注入されて心臓部位の最も関心のある部分に到達した後に取得される被検体の心臓部位に関するCTボリュームデータセットである。言い換えると、第2の画像データセットは、造影画像データセット(CCTAデータ)であり、X線高吸収領域と血管領域と他の領域とを含む画像データセットである。ここでの血管領域とは、関心のある血管に対応する領域を表し、ここでの他の領域は、当該関心のある血管以外の部位に対応する領域を表す。例えば、血管領域には、冠動脈、大動脈、腕または脚の末梢血管、頸動脈、腎動脈、脾動脈、肝臓動脈、及び脳の血管のうちの少なくとも1つに対応する領域が含まれる。
通常、石灰化領域は、カルシウムスコアデータセットにおいてはっきりと示される。このとき、カルシウムスコアデータセットは、例えば、カルシウムスコアリングのために取得される非造影CTスキャンデータセット等である。また、非造影CTスキャンデータセットの撮影時において、被検体の関心領域には造影剤が存在しない。それは、非造影CTスキャンデータセットは、造影剤が注入される前に撮影された画像データセットであるためである。そのため、通常、石灰化領域は、非造影CTスキャンデータセットにおいて最も明るい領域に対応する。したがって、画像処理ユニット14は、カルシウムスコアデータセットを使用して、石灰化領域の範囲および位置を決定することができる。しかしながら、図3の実施形態において、カルシウムスコアデータセットは、最終結果として得られる画像中の石灰化領域を除去するあるいは石灰化領域の強度を減少させるために使用される。また、カルシウムスコアデータセットは、必要に応じて、レジストレーション、マスキング、および、サブトラクション手順において使用される。これらの手順等については、後に更に詳しく説明する。これらの手順を経て、本医用画像処理装置は、模擬カテーテルCT血管造影画像を発生する。こうして、ユーザは、模擬カテーテルCT血管造影画像を得ることができる。なお、ここでは、石灰化領域に関する説明をしているが、ステントが配置された領域に関しても同様である。ステントが金属で形成されているため、ステントが配置された領域は、非造影CTスキャンデータセット(ステントデータセット)において強調される。画像処理ユニット14は、ステントデータセットを用いることにより、最終結果として得られる画像中のステントに対応する領域を除去するあるいはステントに対応する領域の画像強度を減少させることができる。
(ステップ22)参照画像データセット(マスク画像データセット)を発生
画像処理ユニット14は、図示しない参照画像発生処理ユニットを有する。参照画像発生処理ユニットは、第2の画像データセット(造影画像データセット)に基づいて、参照画像データセット(マスク画像データセット)を発生する。参照画像データセットは、第2の画像データセットに対してセグメンテーション実行後に対応する画像データセットである。第2の画像データセットは、X線高吸収領域と血管領域と他の領域とを含む画像データセットである。マスク画像データセットは、少なくともX線高吸収領域と血管領域とを含む。しかしながら、マスク画像データセットは、X線高吸収領域と血管領域とを含み、かつ他の領域の一部分を含んだ画像であってもよい。言い換えると、マスク画像データセットは、第2の画像データセットの一部分が除去された画像でもある。この一部分とは、例えば、心臓、心腔、椎骨、肋骨、胸骨、隔膜、副冠動脈のうちの少なくとも1つを含む。具体的には、参照画像発生処理ユニットは、造影剤が注入された心腔を分割してそれらを第2の画像データセットから除去するためにセグメンテーション手順を行なう。この例では、セグメンテーションは、主対象が心腔ではなく血管構造である。画像処理ユニット14は、任意の適したセグメンテーション手順を使用して心腔を表すデータを第2の画像データセットから分割して除去する。任意の適したセグメンテーション手順は、例えば、アトラスに基づくセグメンテーション手順、または、Murphy等のInternational Journal of Computer Assisted Radiology and Surgery, Vol. 7, Issue 6, pp 829-836, November 2012に記載されるセグメンテーション手順等が適宜使用可能である。
この例において、セグメンテーションは、心臓と、13個の関連する構造(左心室心外膜、右心室心外膜、左心室心内膜、右心室心内膜、左心耳を有する左心房、右心室を有する右心房、上大静脈、左下肺静脈、左上肺静脈、右下肺静脈、右上肺静脈、肺動脈幹、および、大動脈基部)とを特定する。しかしながら、セグメンテーションは、任意の他の適したセグメンテーションを使用できる。
その後、参照画像発生処理ユニットは、残りの部位、この場合には大動脈および冠動脈を含む部位の位置を表わすマスク画像データセット(参照画像データセット)を発生する。マスク画像データセットは、任意の適した手順を使用して、例えば、この画像データセットに対して閾値化手順を適用することによって発生されてもよい。通常、マスク画像データセットは、造影剤が注入された血管、関連する石灰化特徴、および、閾値を上回る任意の他の部位またはアーチファクトを含む。閾値化手順は、最も簡単なケースでは、データと単一の閾値との比較を備える。言い換えると、最も簡単なケースにおいて、マスク画像データセットを構成する複数の画素各々が単一の閾値に対して比較される。なお、ここでは複数の画素各々が単一の閾値に対して比較されると記載しているが、マスク画像データセットを構成する他のデータ項目、例えば、複数の画素群各々の平均画素が単一の閾値に対して比較されてもよい。あるいは、別の動作モードでは、様々な形態学的動作、例えば拡張動作および/または閉塞動作の使用、1つ以上のサイズ依存フィルタの適用、および、1つ以上の閾値との比較を伴ってもよい。
第1の画像データセットがスキャナ6により取得された時間と、第2の画像データセットがスキャナ6により取得された時間とは、通常は異なる。第1の画像データセットと第2の画像データセットとの間には、差異が生じる。これは、第1の画像データセットと第2の画像データセットとが、同じスキャナ6を使用して得られる画像データセットであっても、また、患者が第1の画像データセットと第2の画像データセットを取得している期間でスキャナ6内にとどまる場合であっても、必然的に、患者には何らかの動きが存在するためである。また、第1の画像データセットの取得と第2の画像データセットの取得との間には、例えば自然な生理的プロセスに起因して、必然的に心臓部位の血管および他の解剖学的特徴には何らかの動きが存在する。これらの理由により、第1の画像データセットと第2の画像データセットとの間には差異が生じる。
(ステップ24)血管強調画像データセットを発生
第2の画像データセット内の造影剤により強調された血管を明確に見るためには、第1の画像データセットを第2の画像データセットから差し引くことが望ましい。画像処理ユニット14は、血管強調画像発生処理ユニットを有する。血管強調画像発生処理ユニットは、第1の画像データセットと第2の画像データセットとに基づいて、血管強調画像データセット(サブトラクションデータセット)を発生する。サブトラクションデータセットは、第1の画像データセットを第2の画像データセットから差し引いた画像、または第2の画像データセットを第1の画像データセットから差し引いた画像である。第1の画像は、X線高吸収領域が強調された画像であり、第2の画像は、X線高吸収領域と血管領域と他の領域とを含む画像である。すなわち、サブトラクションデータセットは、第2の画像からX線高吸収領域を除去した画像データセットである。血管強調画像発生処理ユニットは、サブトラクション手順に沿った処理を行うことで、サブトラクションデータセットを発生する。しかしながら、この場合、サブトラクション手順を行なう前に、最初に、第1の画像データセットおよび第2の画像データセットが正確にアライメント(位置合わせ)される必要がある。そのため、レジストレーションユニット12は、第1の画像データセットおよび第2の画像データセットの間の位置合わせを行うために、レジストレーション手順に沿った処理を実行する。
上述のサブトラクション手順とレジストレーション手順とには、それぞれ任意の適したサブトラクション手順およびレジストレーション手順が使用することができる。しかしながら、図3の実施形態では、複数のレジストレーション手順が使用される。このような場合、複数のレジストレーションのうち、第2のレジストレーションは、第1のレジストレーションを精緻化するために使用される。そのようなレジストレーション手順では、剛体レジストレーションと非剛体レジストレーションの両方が使用される。このレジストレーション手順は、図5に関連して更に詳しく説明される。適したレジストレーション手順は、例えば、Proc. SPIE, 8768, International Conference on Graphic and Image Processing (ICGIP 2012), 876834, March 2013にも記載される。
図5は、第1の画像データセットと第2の画像データセットとの間の位置合わせの手順の一例を示すフローチャートである。
(レジストレーションプロセスのステップ32)
レジストレーション手順のステップ32では、レジストレーションユニット12により第2の画像データセットが第1の画像データセットに位置合わせされる(または、その逆も同様)。この位置合わせには、非剛体レジストレーション手順が適用される。非剛体レジストレーション手順は、第1の画像データセットおよび第2の画像データセットにおける全てのデータに関してレジストレーションを実施する大局的な手順である。
大局的な非剛体レジストレーション手順を行なう前に、無関係なデータを第1の画像データセットおよび第2の画像データセットからそれぞれ排除するために、前処理ステップが使用されてもよい。排除される無関係なデータは、例えば、余白を表わすデータを含む。また、ある場合には、パディングデータ、患者テーブル、または他のアーチファクトを表わすデータを含んでもよい。パディングデータは、例えば、画像中のコンテンツ間の余白を表すデータである。前処理ステップは、必要に応じて省かれてもよい。
レジストレーションユニット12は、任意の適した非剛体レジストレーション手順をステップ32で使用することができる。図5の実施形態では、大局的な非剛体レジストレーション手順が類似性測度(類似尺度)として相互情報量を使用し、また、Crum-Hill-Hawkesスキーム(William R. Crum, Derek L. G. Hill, David J. Hawkes. Information Theoretic Similarity Measures in Non-rigid Registration, Proceedings of IPMI’2003, pp.378-387)を使用して、非剛体ワープフィールドが計算される。この特定の用途では、サブサンプリング処理係数4およびサブサンプリング処理係数2を用いるマルチスケール手法が使用される。サブサンプリング処理係数は、画像データセットから実際に処理の対象とするピクセルまたはボクセルの間引きする数を表している。このことは、ランタイムおよびメモリの観点から難しいと証明されているフルスケールでの大局的な非剛体レジストレーションがこの動作モードで行なわれないことを意味する。
第1の画像データセットおよび第2の画像データセット各々は、複数のボクセルのセットを備える。複数のボクセル各々は、強度値を備える。また、複数のボクセル各々は、1組の座標(例えば、x,y,z座標)を有する。その座標は、そのボクセルに関する強度値がスキャナ6により測定された空間位置を表わす選択座標系(例えば、デカルト座標系)内に含まれる。
レジストレーションユニット12は、非剛体レジストレーションにおいて、非剛体ワープフィールドを特定する。非剛体ワープフィールドは、複数のボクセル各々に関する空間座標のオフセット(オフセット量及びオフセット方向)を有する。非剛体レジストレーション手順から得られる非剛体ワープフィールドは、第2の画像データセットに対して適用される。こうして、非剛体ワープフィールドにより変換された第2の画像データセットが得られる。これにより、第2の画像データセットの複数のボクセル各々の空間座標が非剛体ワープフィールドに従って変換され、変換後の第2の画像データセット内の複数のボクセル各々は、同じ空間座標を有する第1の画像データセット内の複数のボクセル各々と実質的に同じ被検体の身体内の位置(実質的に同じ解剖学的位置)を示す。最も実用的な状況下では、時間的制約または処理的制約のため(ランタイムの短縮およびメモリの確保の観点)、マルチスケールレジストレーション手順が使用される場合がある。マルチスケールレジストレーションは、画像データセット(ピクセルまたはボクセル)が減少された画像データセットにおいて、複数のボクセル同士が互いに位置合わせされる。そのようなマルチスケールレジストレーション手順において、データセット全体のデータポイントの補間およびデータポイントからの選択が必要とされる。具体的には、レジストレーション実行前において、複数のデータポイントから、変換対象のポイントが選択される必要がある。そして、レジストレーション時において、変換対象のポイントが非剛体ワープフィールドにより変換される。変換後の第2の画像データセットにおいて、変換対象のポイント間のポイントが補間される。このような補間プロセスおよび選択プロセスは、必然的に、レジストレーションにおいて何らかのエラーをもたらす。エラーは、比較的少ないかもしれないが、石灰化およびステントなどの小さい高コントラスト部位のレジストレーションおよび観察に依然としてかなりの影響を及ぼし得る。
レジストレーション手順の後、第1の画像データデットが位置合わせされた第2の画像データセットから差し引かれ、結果として得られる差し引き画像データセットがディスプレイデバイス4上でユーザに対して表示される。レジストレーションが完全である場合、差し引き画像データセットは、造影剤が存在する血管、心腔、または、他の解剖学的特徴のみを示すはずである。実際には、大局的なレジストレーションは決して完全ではない。これは、マルチスケールレジストレーション手順には、その固有のレジストレーションエラーがあるためである。また、レジストレーションが第1の画像データセットの取得と第2の画像データセットの取得との間の解剖学的特徴の位置および方向の全ての変換を正確に補償できないからである。
図6は、非造影画像、造影画像、大局的なレジストレーションプロセスおよびサブトラクションプロセスの後に生成される画像、および、局所精緻化後に生成される画像の一例を一覧に示す図である。画像50は、第1の画像データセット(非造影画像)を表す。画像52は、大局的な非剛体レジストレーション手順の実行前における第2の画像データセット(造影画像)を示している。第2の画像データセットは、造影後に対応する。画像54は、差し引き画像データセット(サブトラクションデータ、血管強調画像)を示している。この差し引き画像データセットは、大局的な非剛体レジストレーション手順の実行後の変換された第2の画像データセットから第1の画像データセットを差し引くことにより得られる画像データセットである。画像56は、局所精緻化後に生成される画像である。
画像50及び画像52から分かるように、これらの画像には、石灰化領域が血管領域内に存在する。石灰化領域は画像50及び画像52中にそれぞれ白色領域58及び白色領域60として現れる。
石灰化領域の特徴は、それらが、硬質であり、一般に伸びずまたは歪まないという点である。一方、組織および血管の周囲領域は、時間に応じて伸びて煎断する(歪む)。大局的な非剛体レジストレーションのアルゴリズムは、そのように伸びて剪断するプロセスを効果的に補償するレジストレーションである。しかしながら、前述したように、幾つかのエラーは実際にはマルチスケールレジストレーションプロセス固有のものであり、既知のシステム(手順または方法)では、そのようなエラーは、石灰化やステントなどの高コントラスト特徴が血管などの対象領域に隣接して存在するときに重大になり得る。また、実際には、血管などの検討されるべき特徴のサイズおよび性質に対する第1の画像データセットおよび第2の画像データセットの位置ずれのサイズに起因して、既知の技術を使用すると、多くのエラーが発生する可能性がある。既知の技術を使用するレジストレーションでは、画像データセット間の位置ずれに起因して、必然的に幾つかのエラーが発生する。また、そのようなエラーは、差し引き画像データセットにおいて検討されるべき血管などの特徴が比較的小さいときに特に重大となる。
差し引き画像データセットに対応する画像54から分かるように、石灰化の存在は、差し引き画像54内でアーチファクトを発生させる。画像54では、アーチファクトが暗領域62として現れる。更なる問題は、通常、石灰化領域は血管の表面上で見出される。したがって、石灰化特徴が、差し引き画像の意図する(強調したい)対象となる特徴(血管)に隣接するという点である。差し引き画像中のアーチファクトの存在は、差し引き画像内の対象(血管)の特徴を覆い隠し、または、そのような特徴の観察または解析を著しく妨げる可能性がある。図3の実施形態の特徴は、ここに記載されるように、アーチファクトを除去するために更なる局所的なレジストレーション手順が行なわれるという点である。
一方、画像56では、画像54で発生していたアーチファクトが軽減されている。このように、大局的なレジストレーションが行われることで発生していたアーチファクトが、精緻化処理により軽減可能であることがわかる。
(レジストレーションプロセスのステップ34)局所的なレジストレーションの実行
レジストレーションプロセスの次にステップ34では、更なる局所的なレジストレーション手順が実行される。レジストレーションユニット12は、図示しない画像選択ユニットを有する。画像選択ユニットは、対象部位(ROI)を選択する。図3の実施形態において、ユーザは、画像内の1つの点でマウスポインタをクリックすることによって、対象部位の中心を選択できる。その後、マウスをドラッグすることにより、選択された点の周りで円形の境界線を広げて、対象部位を規定することができる。そのような円形境界線64が図6の差し引き画像54内に示される。円形境界線の半径を有し且つユーザが選択した点に中心付けられる球が、画像選択ユニットにより、ROIであるとして規定される。
別の実施形態では、ユーザによる対象部位の選択のために、任意の適した方法を使用できる。例えば、マウス操作または他のユーザ入力デバイス操作の任意の適したシーケンスを使用して、対象部位を選択できる。対象部位は球状であることに限定されず、また、任意の適した形状を使用できる。例えば、対象部位は、立方体または長方形となるように選択することができる。また、対象部位の輪郭は、ユーザにより選択される複数の点を結び付けて形成される。幾つかの実施形態では、ユーザに対して表示される差し引き画像は二次元の画像ではなく三次元の画像であってもよい。このとき、ユーザは、三次元画像から対象部位を選択できる。他の実施形態において、ユーザは、位置合わせされた差し引き画像からではなく、取得された第1の画像データセット及び第2の画像データセット画像の一方または両方から対象部位を選択できる。
更なる別の実施形態では、画像選択ユニットは、例えば、所定の閾値を上回る高コントラストを有する部位を自動的に検出し、検出した部位を対象部位として選択できる。
図3の実施形態において、ユーザにより選択されたROIは、画像精緻化ユニット16により行われる精緻化レジストレーションに全体を通して適用される部位である。精緻化レジストレーションは、後続のステップ36及びステップ38で行われる。ROIの周囲のバッファ領域(例えば、ROIの境界線で始まって所定の距離だけ径方向に延びる中空の球状シェル)が規定されてもよい。更なる精緻化レジストレーションは、ROIのための精緻化レジストレーションと大局的な非剛体レジストレーションとを融合させる融合手順の一環として、バッファ領域上の一部分にのみ適用される。その融合については、手順のステップ40に関連して以下で更に詳しく説明する。
図3の実施形態の特徴は、さらなるレジストレーション手順を行なう前に、最初の大局的なレジストレーション手順を使用してROIに関して得られる非剛体ワープフィールドの剛体近似がステップ36において決定されるという点である。剛体近似は、非剛体ワープフィールドと可能な限り厳密に一致する。剛体近似は、その後、ステップ38において、更なるレジストレーション手順のための開始点として使用される。
(レジストレーションプロセスのステップ36)
ステップ36では、非剛体フィールドに対する剛体近似が決定される。ステップ36における非剛体ワープフィールドに対する剛体近似の決定の背後にある理由は、造影前スキャンと造影後スキャン(この場合には、第1の画像データセットと第2の画像データセット)との間の動作がかなりの量(例えば、冠動脈のスケール)になり得ることによる。ここでの動作とは、例えば、被検体の動作等である。ある場合には、位置合わせされていない造影前データと造影後データ(第1の画像データセットと第2の画像データセット)との間の関連する構造の重なり合いがあまりにも小さすぎて、局所剛体レジストレーションアルゴリズムが想定し得る最終的な局所剛体レジストレーションにかなり近い開始点を有さない場合には、ROIについての局所剛体レジストレーション手順が十分に成功しない場合がある。このような場合、開始点は、非剛体ワープフィールドの剛体近似の決定により与えられる。別の実施形態では、ワープフィールドのアフィン近似を決定し、局所的なレジストレーションアルゴリズムのための開始点として使用できる。
局所的な剛体レジストレーションを適切に初期化するために、以下の方法を使用して、ステップ36において、ROIの内側のワープフィールドが剛体変換により近似される。
1.ROIの内側のボクセルの点座標(例えば20000個の点)をサンプリングする。
2.サンプル群内の各点ごとに、ワープフィールドを適用して、ワープ座標を記録する。
3.結果として得られる対応する座標対(当初のボクセル座標および対応するワープ座標)を使用して、多重線形最小二乗回帰手順を適用することにより、当初のボクセル座標を対応するワープ座標へマッピングするアフィン変換を決定する。このプロセスは、依然としてスケーリング要素および剪断要素を含んでもよいアフィン変換マトリクスを戻す。
スケーリング要素および剪断要素を除去するために、ステップ36における手順が以下のように続く。
4.極分解を使用して、既知の技術によってアフィン変換マトリクスの回転部分を抽出する。適した極分解技術の一例は、K.Shoemake and T. Duff, Matrix Animation and Polar Decomposition, Proceedings of Graphical Interface 1992, pp 258-264, 1992に記載される。
5.ステップ3で見出されるアフィン変換をROIの中心点(ROIの重心とも称される)に適用する。
6.ワープ重心と当初の重心との間の位置ずれを決定して、その位置ずれを、剛体変換の並進部分を表わすと見なす。
7.ステップ4,5,6の結果を組み合わせて、ROIに関するワープフィールドの剛体近似を得る。剛体近似は、ステップ4,6で決定される回転要素および並進要素を備える。この特定の用途では、スケーリングが意図的に1(倍)に固定され、そのため、スケーリングの抽出が不要である。しかしながら、必要に応じて、スケーリング要素を抽出することもできる。
ステップ36の終わりに、非剛体ワープフィールドの局所剛体近似がROIに関して得られる。局所剛体近似は、当初の非剛体レジストレーションと同等程度にしか良好となり得ず、このことは、低質の大局的なワープフィールドが潜在的に低質の局所剛体近似をもたらすことを意味する。そのような場合には、局所剛体レジストレーションが失敗することが想定される。しかしながら、実際には、そのような状況が起こらず、大局的なワープフィールドを一般に使用して、満足できる局所剛体レジストレーション近似を生み出せることが分かってきた。
(レジストレーションプロセスのステップ38)
ステップ38では、ROIに関するレジストレーションを精緻化するため、及びレジストレーションの質を高めるために、ROIに対応するデータのみを使用して、更なるレジストレーション手順が行なわれる。
具体的には、ROIに関する第1の画像データセットおよび第2の画像データセット(造影前データおよび造影後データのそれぞれ)からのデータを位置合わせするために局所剛体レジストレーション手順が行なわれる。図3の実施形態において、局所剛体レジストレーションアルゴリズムは、一般に、相互情報量類似性測度のパウエル型最適化の既知の原理に基づくが、任意の他の適したアルゴリズムが使用されてもよい。
ROIの範囲内に入る第2の画像データセットからのデータは、ROIの範囲内に入る第1のデータセットからのデータに対して位置合わせされる。局所剛体レジストレーション手順は、ステップ36で得られる局所剛体レジストレーション近似を開始点と見なし、その後、最適化された局所剛体レジストレーションが得られるまで、相互情報量類似性測度のパウエル型最適化を使用して、または、任意の他の適した最適化手順を使用して、レジストレーションを変える。
幾つかの動作モードでの局所剛体レジストレーション手順の実行前に、選択されたデータの何らかの前処理が存在してもよい。例えば、局所剛体レジストレーション手順が行なわれる前に、パディング、患者テーブル、他の機器及び空気等に対応するデータなどの無関係なデータを選択されたデータから既知の技術を使用して取り去ることができる。
局所剛体レジストレーション手順の前に行なわれてもよい他の前処理手順は、閾値化手順を備える。多くの場合、“造影前”データ(図3に関連する前述の説明における第1の画像データセット)と称されるものは、実際には、造影剤が被検体へ注入された後であるが造影剤が大動脈および冠動脈(または、意図されるスキャン対象である他の特徴(組織)に達する前に取得されるスキャンから得られるデータである。それにもかかわらず、造影前スキャンの時に、造影剤が例えば右心室に存在する場合がある。このことは、造影前スキャンにおいて心臓の予期しない部分に明るい材料の領域が存在する場合があることを意味する。左冠動脈枝が右心室に非常に近接して延びる際には、問題が生じる可能性があり、それにより、潜在的に、レジストレーションアルゴリズムが混乱させられる。
前述した実施形態の変形において、先の段落に記載される問題は、ステップ36とステップ38との間で更なるレジストレーション前手順を行なうことによって対処される。レジストレーション前手順によれば、予め決定された閾値を超える強度と予め決定されたサイズを上回るサイズとを有する造影前画像データの部位が画像精緻化ユニット16により自動的に特定されてレジストレーションの対象から除外される。したがって、造影前ボリュームデータ内の造影剤が注入された血管を特定してレジストレーションの対象から除外することができる。造影後画像データの対応する部位もレジストレーション対象から除外できる。1つの動作モードでは、閾値強度が約200HU(ハウンスフィールド単位)となるように選択され、また、閾値サイズは、典型的な大型ステントまたは石灰化よりも大きくなるように設定される(例えば、閾値サイズは、約12.5mm3または12.5mm3に実質的に等しくなるように設定されてもよい)。閾値化手順により選択される部位がマスキングで外されてもよい。
図3の実施形態の1つの動作モードでは、ステップ38において、第1の画像データセットおよび第2の画像データセットの画像強度データに関して剛体レジストレーション手順が行なわれる。しかしながら、比較的大量のデータにわたって計算される場合において、相互情報量(MI)が最も良く機能する。残念ながら、位置合わせすべくプロセスが使用される石灰化の多くは、非常に小さく、限られた数のボクセルから成る。このため、マッチング構造、とりわけ境界では、MIがあまり信頼できなくなる。また、石灰化は、しばしば、造影剤が注入された明るい血管によって部分的に取り囲まれ、それにより、ボクセル強度の不一致が増大する。
この効果を軽減するため、図3の実施形態の他の動作モードでは、画像強度データを位置合わせするのではなく、第1の画像データセットおよび第2の画像データセットから得られる勾配の大きさに関するデータを位置合わせすることにより、ステップ38で使用されるレジストレーションアルゴリズムに勾配情報が組み込まれる。
位置に応じた勾配の大きさは、造影前データと造影後データ(この場合には、第1の画像データセットと第2の画像データセット)の両方に関して、ROI内のボリュームに関してレジストレーションユニット12により計算される。その後、ステップ38において、第2の画像データセットから得られる勾配データを第1の画像データセットから得られる勾配データに対して位置合わせするために剛体レジストレーションプロセスが行なわれる。
特定の動作モードでは、対象の構造(造影剤が注入された血管および石灰化/ステント)だけに焦点を合わせるため、勾配の大きさを計算する前に画像クランプが適用される。クランプ限度は例えば50HUおよび600HUであってもよい。これは、50HUを下回る、および600HUを上回る強度値が50HUおよび600HUにそれぞれ制限されることを意味する。
クランプが行なわれた時点で、勾配の大きさが計算されて、ステップ38の剛体レジストレーション手順が行なわれる。クランプおよび大きさ計算の後に結果として得られる画像データは、非常に低い強度および非常に高い強度に対応する細部が失われるため、情報として低質である。しかし、全ての情報は、正確に位置合わせすることが最も重要な領域、例えば石灰化の縁部に集中される。通常は正確なレジストレーションを得るためだけにクランプされた勾配データが使用されることに留意することは重要である。その後、レジストレーションは、第1の画像データセットおよび第2の画像データセットを位置合わせするために当初の第2の画像データセットの強度データに対して適用される。
ステップ38の終わりには、ROIでの第1の画像データセットに対する第2の画像データセットの位置合わせを表わす局所剛体レジストレーションが得られる。第1の画像データセット全体に対する第2の画像データセット全体の位置合わせを表わす大局的な非剛体レジストレーションはステップ32において既に得られた。
(レジストレーションプロセスのステップ40)
ステップ40では、局所剛体レジストレーションが大局的な非剛体レジストレーションと融合されて、融合レジストレーションが得られる。
融合は、画像選択ユニットにより規定されるROIを取り囲むバッファ領域(例えば、ROIの境界線で始まって所定の距離だけ径方向に延びる中空の球状シェル)を使用して画像精緻化ユニット16によって行なわれる。バッファ領域は、フェザリングバッファと称されてもよく、固定のサイズであってもよい。
融合は、2つの連続するプロセスを使用して行なうことができる。第1に、局所剛体変換と大局的な非剛体レジストレーションから得られる大局的なワープフィールドとが、バッファ内のそれぞれの位置(各ボクセル)で2つの加重平均をとることにより混合される。
加重平均計算で使用される重み付けは、ROIからの距離の変化に伴って直線的に変化し、それにより、局所剛体レジストレーションだけがROIの内側で使用されるとともに、大局的な非剛体レジストレーションだけが混合バッファの外側で使用される。
混合バッファ内であるがROIとの境界に近い位置を有するボクセルの場合、融合レジストレーションに従って得られる当初の第2の画像データセット内のそのボクセルの座標に対するボクセル座標の位置ずれは、主に、加重された大局的な非剛体レジストレーションに起因する僅かな調整を伴って局所剛体レジストレーションによって決定される。同様に、混合バッファ内であるがROIから最も遠い境界に近い位置を有するボクセルの場合、融合レジストレーションに従って得られる当初の第2の画像データセット内のそのボクセルの座標に対するボクセル座標の位置ずれは、主に、局所剛体レジストレーションに起因する僅かな調整を伴って大局的な非剛体レジストレーションによって決定される。
別の実施形態では、任意の他の適した融合プロセスを使用できる。例えば、重み付けは、任意の適した方法で変化でき、ROIからの距離に伴って直線的に変化する必要はない。例えば、重み付けは、距離の任意の適した関数として、例えば、距離の二次関数または他の多項式関数、シグモイド関数、あるいは、双曲線関数として変化できる。重み付けが適用される部位と重み付けが適用されない部位との間の境界は、それらの位置における大局的なレジストレーションと局所剛体レジストレーションとの間の違いに応じて選択でき、例えば、そのような違いに応じてバッファ領域境界のサイズおよび位置を自動的に決定できる。
(レジストレーションプロセスのステップ42)
次のステップ42では、第1の画像データセットに対して位置合わせされる位置合わせされた第2の画像データセットを得るために、融合レジストレーションが第2の画像データセットに対して適用される。
ステップ42の終わりに、第1の画像データセット、この場合にはカルシウムスコアデータが、位置合わせされた第2の画像データセット、この場合にはCCTAデータから差し引かれて、石灰化、ステント、もしくは、他の無関係な特徴の突出を排除するまたは減少させるサブトラクションデータセットが生成される。
前述したように、別の実施形態では、図5に関連して説明されるレジストレーション手順およびサブトラクション手順の代わりに、任意の他の適したレジストレーション手順およびサブトラクション手順を使用することができる。
(ステップ26)組み合わせ画像の発生
図4のフローチャートに戻り、ステップ26において、ステップ22で得られたマスク画像データセットが、ステップ24で得られたサブトラクションデータに適用される。画像処理ユニット14は、組み合わせ画像発生処理ユニットを有する。組み合わせ画像発生処理ユニットは、血管強調画像のデータと参照画像のデータとに基づいて、組み合わせ画像を発生する。血管強調画像は、第2の画像からX線高吸収領域を除去した画像である。言い換えると、血管強調画像は、血管領域と他の領域とを含む。一方、参照画像は、少なくとも血管領域とX線高吸収領域とを含む。
例えば、参照画像が血管領域とX線高吸収領域とのみで構成される場合、組み合わせ画像は、血管領域を強調した画像である。このとき、組み合わせ画像発生処理ユニットは、血管強調画像のデータと参照画像のデータとの間で共通する(重なる)部分のみを抽出することにより、血管領域を強調した組み合わせ画像を発生する。言い換えると、この組み合わせ画像は、X線高吸収領域を除去した画像である。
また、組み合わせ画像発生処理ユニットは、X線高吸収領域と他の領域とを部分的にまたは全体が含まれる組み合わせ画像を発生してもよい。この組み合わせ画像は、血管領域以外が強調されない画像である。このとき、強調されない部分は、輝度、コントラスト、色、強度のうちの少なくとも1つが調整された画像である。血管領域以外とは、例えば、X線高吸収領域、心臓、心腔、椎骨、肋骨、胸骨、隔膜、及び副冠動脈のうちの少なくとも1つを含む。この組み合わせ画像は、例えば、X線高吸収領域の画像強度を抑制した画像である。
これにより、造影剤が注入された(強調された)心腔もしくは他の選択された解剖学的特徴を表わす画像データが排除されまたはフラグ付けされる。それにより、排除されまたはフラグ付けされた画像データを伴わない画像データのその後のレンダリングは、血管を表わすデータを含むが石灰化特徴および造影剤が注入された心腔または他の選択された解剖学的特徴を表わすデータを排除する残存差し引き画像(組み合わせ画像)を残すことができる。この例において、そのような残存差し引き画像は、大動脈と、冠動脈の全てとを含む。
(ステップ28)レンダリング画像の発生
次のステップ28において、レンダリングユニット18は、画像データをレンダリングして、ディスプレイデバイス4により表示するためのレンダリング画像を発生する。図3の実施形態の場合、レンダリングユニットは、逆最大強度投影(MIP)プロセスをレンダリングプロセスの一環として行なう。レンダリングユニット18は、残存差し引き画像(組み合わせ画像)データをレンダリングして、X線カテーテル冠動脈血管造影により生成される画像を模した2D血管造影図を生成する。シミュレーションは、画像からの石灰化特徴の除去のために、造影剤が注入された心腔または他の選択された解剖学的特徴の除去によって得られる。
実際のX線カテーテル冠動脈血管造影において、心腔および他の解剖学的特徴、例えばステップ22のマスク生成プロセスおよびセグメンテーションのマスキングプロセス中に特定されるような心腔および他の解剖学的特徴は、可視化されてもよいが、大動脈および冠動脈などの血管よりも小さい強度(彩度)を有する。したがって、別の実施形態において、レンダリングユニットは、ステップ28において心腔および他の選択された解剖学的特徴を完全に除去しない代わりに、心腔または他の選択された解剖学的特徴の外観を変えて、X線カテーテル冠動脈血管造影で一般に得られる外観に近い外観の2Dシミュレーション画像を出力するように構成される。
例えば、レンダリングユニット18は、心腔または他の解剖学的特徴に対応する画像部位の輝度、コントラスト、色、または、強度のうちの少なくとも1つを制御し、それにより、それらの特徴を非強調するまたは強調するとともに、それらの特徴を典型的なカテーテル冠動脈血管造影及びX線透視のうち少なくとも一方に対応する外観を有するレンダリング画像を発生してもよい。したがって、結果として得られる画像は、心臓の薄暗いまたはぼやけた図を含み得る。
心腔および他の解剖学的特徴の外観の変化は、例えば低強度マスクまたは不透明レベルを変えることができるマスクを設けることによってマスク自体で表わされてもよい。または、マスクを残存差し引き画像データに適用するときにレンダリングユニット18により画像の強度または不透明レベルが制御されてもよい。
前述したように心腔および他の解剖学的特徴の外観を変えることにより、ユーザに対して出力されるシミュレーション血管造影図中に、良く知られた基準点、例えば心臓の外形を表す点が含まれてもよい。オペレータ、例えば放射線科医または心臓内科医は、そのような基準点の存在が画像解析に有用であると見出すことができる。
図7Aは、本実施形態に係る処理により発生された模擬血管造影図の第1例を示す図である。模擬血管造影図は、CCTAデータ及びカルシウムスコアデータに基づいて得られる。この過程では、図4及び図5を参照して説明したプロセスが用いられる。
図7Bは、図7Aの場合と同じCCTAデータセットから得られる石灰化領域が除去されない図である。図7Bに示す図は、カルシウムスコアデータのレジストレーションおよびサブトラクションによって石灰化領域が除去されない図である。図7Bから分かるように、狭窄部において石灰化(円で囲まれる)を依然として見ることができる。図7Aの場合には石灰化が除去され、狭窄部位で狭くなる血管の真の内腔のみが見える。したがって、図7Aの画像は、X線カテーテル冠動脈血管造影から得られる画像に近い。
図7Cは、本実施形態に係る処理により発生された模擬血管造影図の第2例を示す図である。模擬血管造影図は、CCTAデータ及びカルシウムスコアデータに基づいて得られる。この過程では、図4及び図5を参照して説明したプロセスが用いられる。
図7Dは、図7Cの場合と同じCCTAデータセットから得られる石灰化領域が除去されない図である。図7Dに示す図は、カルシウムスコアデータのレジストレーションおよびサブトラクションによって石灰化領域が除去されない図である。図7Dから分かるように、石灰化(円で囲まれる)を依然として見ることができ、一方、図7Cでは、狭窄部位で狭くなる血管の内腔が確認できる。
任意の適した視野角をレンダリングユニット18により使用して、残存差し引き画像データをレンダリングすることができる。例えば、レンダリングユニット18は、画像データをレンダリングして、標準的な血管造影角度に応じたレンダリング画像を発生することができる。標準的な血管造影角度とは、例えばRAO20−Caud20、PA0−Caud30、LAO50−Caud30等である。また、これらに代えて、またはこれらに加えて、レンダリングユニット18は、視野を増大させてフラットパネル検出器からの出力をシミュレートするために透視レンダリング(perspective rendering)プロセスを使用してもよい。
ステップ22において行なわれるセグメンテーションおよびマスキングプロセスの適切な形態により、最終的な表示画像が必要に応じて全ての冠動脈を含むようにすることができる。図3の実施形態は、さもなければ暗い斑点として現れて狭窄動脈内の血流の観察を妨げるカルシウム特徴を排除することにより、狭窄部位における動脈の狭窄を明確に観察できるようにする。また、この実施形態は、逆セグメンテーションを使用して、小さい動脈でさえ含む図を表示することもできるとともに、従来の冠動脈血管造影出力に類似する出力画像を生成することもできる。
図3の実施形態は、CCTAデータおよびカルシウムスコアデータのレジストレーションおよびサブトラクションに関連して説明されてきた。実施形態の別の動作モードでは、カルシウム特徴が除去されまたはカルシウム特徴の強度が減少される画像データを生成する場合には、任意の他の適したタイプのデータを差し引きまたはさもなければ組み合わせることができる。例えば、データは、任意の適したタイプの造影画像データおよび非造影画像データを備えてもよく、または、組み合わせによって、例えば一方のセットのデータから他方のセットのデータを差し引くことによって、石灰化特徴を除去できるまたは石灰化特徴の強度を減少させることができる任意の他の適した画像データセットを備えてもよい。データは、例えば、スペクトルCTデータ、円錐ビームCTデータ、単一エネルギーCTデータ、または、MRデータを備えてもよい。スペクトルCTデータの場合、異なるデータセットは、異なる周波数で共通の座標系を使用して同時に得られるデータセットであってもよい。その場合および同様の場合、データセットのレジストレーションは、サブトラクションまたは他の手順を行なう前に必要とされなくてもよい。これは、データセットが既に互いに実質的に位置合わせされる場合があるからである。
実施形態は、スペクトルCTデータ、コーンビームCTデータ、単一エネルギーCTデータ、および、MRデータから成ってもよい複数の体積医用画像データセットから石灰化部位のない冠動脈血管造影をシミュレートするための方法を提供することができ、この方法では、腔の視覚化を妨げる構造を除去するために、入力データの一部または全部が組み合わされる。
非造影データは、カルシウムを除去するために、造影データに対して位置合わせされてそのデータから差し引かれてもよい。対象の動脈または他の特徴を含むマスクを生成するために、造影スキャンに関して逆セグメンテーションが行なわれてもよく、また、マスクがサブトラクションデータに適用されてもよい。サブトラクションデータのマスク部位は、最大強度投影3Dボリュームとして表示されてもよい。
図3の実施形態は、心臓付近の血管の撮像、および、結果として得られる画像中での心臓部位の強調または非強調に関連して説明されてきた。別の実施形態または動作モードでは、他の適した解剖学的特徴がレンダリング画像における基準点として使用されてもよく、および/または、例えば血管造影図をシミュレートするためにそれらの特徴の外観が強調されもしくは非強調されてもよい。そのような解剖学的特徴の例としては、例えば、椎骨、肋骨、胸骨、隔膜、冠動脈、または、副冠動脈が挙げられる。
実施形態を使用して、任意の適した血管、例えば、冠動脈、大動脈、腕または脚の末梢血管、頸動脈、腎動脈、脾動脈、肝臓動脈、または、脳の血管を見ることができる。
図3の実施形態において、X線高吸収領域として、石灰化領域の除去または石灰化領域の強度の減少に関連して説明してきた。しかしながら、X線高吸収領域として、血管と関連付けられる他の特徴、例えばステント、もしくは更には、外科用クリップ、ペースメーカー、人工弁、コイル、あるいは、他の金属製のアーチファクトなどの血管の観察を遮るまたは妨げる場合がある他の特徴に対しても本実施形態を適用することができる。すなわち、医用画像からこれら他の特徴を除去するまたはその特徴の強度を減少させてもよい。これに関連して、血管と関連付けられる特徴は、血管の撮像または観察を妨げ得る特徴、例えば通常の健康な血管またはその付近に存在し得ない無関係な特徴を含むと見なされてもよい。
図3の実施形態は、血管造影から得ることができる図、例えばX線カテーテル冠動脈血管造影手順から得られるデータから取得できる図を模する組み合わせ画像のレンダリングに関連して説明されてきた。別の実施形態または動作モードにおいて、レンダリング画像は、任意の適した別のモダリティまたは撮像手順を使用して得ることができる任意の他の模擬画像であってもよい。一実施形態に係る3D画像データの適した処理により、例えば、適切な2D医用測定、例えば任意の適した2DX線測定から得ることができる模擬画像が発生されてもよい。
当業者であれば良く分かるように、幾つかの実施形態は、その実施形態の方法を行なうために実行できるコンピュータ可読命令を有するコンピュータプログラムによって特定の機能を実施してもよいが、コンピュータプログラム機能は、ハードウェアにおいて(例えば、CPUによって、または、1つ以上のASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)、または、GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)によって)、あるいは、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実施され得る。
本明細書中では特定のユニットについて説明してきたが、別の実施形態において、これらのユニットのうちの1つ以上の機能は、単一ユニット、処理リソース、または、他のコンポーネントによって与えることができ、あるいは、単一ユニットにより与えられる機能は、2つ以上のユニットまたは他のコンポーネントの組み合わせによって与えることができる。単一ユニットへの言及は、そのユニットの機能を与える複数のコンポーネント、例えば複数のユニットを、そのようなコンポーネントが互いに遠く離れているか否かにかかわらず包含し、また、複数のユニットへの言及は、それらのユニットの機能を与える単一のコンポーネント、例えば単一のユニットを包含する。
特定の実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は、単なる一例として与えられており、本発明の範囲を限定しようとするものではない。確かに、本明細書中に記載される新規な方法およびシステムは様々な他の形態で具現化されてもよく、また、本発明の思想から逸脱することなく、本明細書中に記載される方法およびシステムの形態において様々な省略、置換、および、変更がなされてもよい。添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物は、そのような形態および改変を本発明の範囲内に入るように網羅しようとするものである。
2…医用画像処理装置、4…ディスプレイデバイス、6…スキャナ、7…画像データセット、8…ユーザ入力デバイス、10…中央処理ユニット、12…レジストレーションユニット、14…画像処理ユニット、16…画像精緻化ユニット、18…レンダリングユニット

Claims (22)

  1. 血管領域と、少なくとも石灰化またはX線を吸収する医療機器に対応する領域を含むX線高吸収領域と他の領域とを含む撮影領域に対応する造影画像のデータ、および、前記撮影領域に対応する非造影画像のデータに基づいて、前記X線高吸収領域を除去した血管強調画像のデータを発生する血管強調画像発生処理ユニットと、
    前記造影画像のデータに基づいて、前記X線高吸収領域と前記血管領域とを少なくとも含む参照画像のデータを発生する参照画像発生処理ユニットと、
    前記血管強調画像のデータに対して前記参照画像のデータを適用することにより、前記X線高吸収領域の画像強度を抑制、または除去した組み合わせ画像を発生する組み合わせ画像発生処理ユニットと、
    を具備することを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記医療機器は、ステント、外科用クリップ、ペースメーカー、人工弁およびコイルのうちの少なくとも一つである、請求項1に記載の医用画像処理装置
  3. 前記組み合わせ画像に対してレンダリング処理を実行することによって、レンダリング画像を発生するレンダリングユニットをさらに具備すること、
    を特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  4. 前記レンダリング画像は、血管造影画像であること、
    を特徴とする請求項3に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記血管造影画像は、冠動脈血管造影画像であること、
    を特徴とする請求項4記載の医用画像処理装置。
  6. 前記組み合わせ画像発生処理ユニットは、前記血管強調画像のデータ前記参照画像のデータとの間で共通する部分を抽出することにより、前記組み合わせ画像を発生すること、
    を特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  7. 前記参照画像は、前記造影画像の一部分が除去された画像であること、
    を特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  8. 前記組み合わせ画像発生処理ユニットは、前記参照画像のデータに含まれる少なくとも一部分を非強調した組み合わせ画像を発生すること、
    を特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  9. 前記組み合わせ画像の前記一部分は、輝度、コントラスト、色、強度のうちの少なくとも1つが調整されることにより非強調されること、
    を特徴とする請求項8記載の医用画像処理装置。
  10. 前記レンダリングユニットは、X線透視及びカテーテル冠動脈血管造影のうちの少なくとも一方に対応する外観を有するレンダリング画像を発生すること、
    を特徴とする請求項3に記載の医用画像処理装置。
  11. 前記一部分は、心臓、心腔、椎骨、肋骨、胸骨、隔膜、副冠動脈のうちの少なくとも1つを含むこと、
    を特徴とする請求項7に記載の装置。
  12. 前記造影画像のデータと前記非造影画像のデータとの間の位置合わせを実行するレジストレーションユニットをさらに具備すること、
    を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  13. 前記レジストレーションユニットは、前記造影画像のデータと前記非造影画像のデータとの間の位置合わせのために、位置合わせの対象範囲が異なる第1のレジストレーションと第2のレジストレーションとを実行すること、
    を特徴とする請求項12に記載の医用画像処理装置。
  14. 前記第1のレジストレーションと前記第2のレジストレーションは、非剛体レジストレーションと剛体レジストレーションとであること、
    を特徴とする請求項13に記載の医用画像処理装置。
  15. 前記レンダリングユニットは、標準的な血管造影角度に応じたレンダリング画像を発生すること、
    を特徴とする請求項3に記載の医用画像処理装置。
  16. 前記レンダリングユニットは、前記組み合わせ画像を逆最大強度投影することにより前記レンダリング画像を発生すること、
    を特徴とする請求項3記載の医用画像処理装置。
  17. 前記血管領域は、冠動脈、大動脈、腕または脚の末梢血管、頸動脈、腎動脈、脾動脈、肝臓動脈、及び脳の血管のうちの少なくとも1つに対応する領域であること、
    を特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  18. 前記造影画像のデータは、造影CT血管造影から得られること、
    を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  19. 前記血管強調画像のデータは、非造影CTスキャンから得られること、
    を特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  20. 前記血管強調画像のデータおよび前記非造影画像のデータは、スペクトルCTデータ、コーンビームCTデータ、シングルエネルギーCTデータ、および、MRデータのうちの少なくとも1つであること、
    を特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  21. 血管領域と、少なくとも石灰化またはX線を吸収する医療機器に対応する領域を含むX線高吸収領域と他の領域とを含む撮影領域に対応する造影画像のデータ、および、前記撮影領域に対応する非造影画像のデータに基づいて、前記X線高吸収領域を除去した血管強調画像のデータを発生し、
    前記造影画像のデータに基づいて、前記X線高吸収領域と前記血管領域とを少なくとも含む参照画像のデータを発生し、
    前記血管強調画像のデータに対して前記参照画像のデータを適用することにより、前記X線高吸収領域の画像強度を抑制、または除去した組み合わせ画像を発生すること、
    を特徴とする医用画像処理方法。
  22. 請求項21に記載の方法を行なうために実行可能なコンピュータ可読命令を記憶するメモリ。
JP2014203385A 2013-10-08 2014-10-01 医用画像処理装置及び医用画像処理方法 Active JP6448972B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14/048,170 2013-10-08
US14/048,170 US9547894B2 (en) 2013-10-08 2013-10-08 Apparatus for, and method of, processing volumetric medical image data

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015073901A JP2015073901A (ja) 2015-04-20
JP6448972B2 true JP6448972B2 (ja) 2019-01-09

Family

ID=52776576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014203385A Active JP6448972B2 (ja) 2013-10-08 2014-10-01 医用画像処理装置及び医用画像処理方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9547894B2 (ja)
JP (1) JP6448972B2 (ja)
CN (1) CN104517303B (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6211737B1 (ja) * 2014-09-12 2017-10-11 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 大動脈弁石灰化を分析すること
US10013779B2 (en) * 2015-06-22 2018-07-03 Toshiba Medical Systems Corporation Metal artifact reduction for 3D-digtial subtraction angiography
JP6670560B2 (ja) * 2015-07-14 2020-03-25 株式会社根本杏林堂 画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理装置及び画像処理システム
US10342502B2 (en) * 2015-11-18 2019-07-09 Lightlab Imaging, Inc. X-ray image feature detection and registration systems and methods
JP6905323B2 (ja) * 2016-01-15 2021-07-21 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
EP3444781B1 (en) 2016-01-15 2020-03-18 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus and image processing method
CN107590808B (zh) * 2016-07-06 2021-01-29 上海联影医疗科技股份有限公司 医学图像中的前列腺分割方法
US10489905B2 (en) 2017-07-21 2019-11-26 Canon Medical Systems Corporation Method and apparatus for presentation of medical images
CN110893108A (zh) * 2018-09-13 2020-03-20 佳能医疗系统株式会社 医用图像诊断装置、医用图像诊断方法及超声波诊断装置
CN109559303B (zh) * 2018-11-22 2020-12-01 广州达美智能科技有限公司 钙化点的识别方法、装置和计算机可读存储介质
WO2020172188A1 (en) 2019-02-19 2020-08-27 Cedars-Sinai Medical Center Systems and methods for calcium-free computed tomography angiography
EP3702802A1 (en) * 2019-03-01 2020-09-02 Aptiv Technologies Limited Method of multi-sensor data fusion
CN110910361A (zh) * 2019-11-15 2020-03-24 首都医科大学附属北京安贞医院 一种基于血管支架的检出方法及装置
CN111145160B (zh) * 2019-12-28 2023-06-30 上海联影医疗科技股份有限公司 钙化区域所处冠脉分支的确定方法、装置、服务器及介质
KR20210102102A (ko) * 2020-02-10 2021-08-19 주식회사 바디프랜드 질환을 예측하는 방법 및 이를 수행하는 장치
KR20210102101A (ko) * 2020-02-10 2021-08-19 주식회사 바디프랜드 질환을 예측하는 방법
CN113538419B (zh) * 2021-08-30 2023-04-21 上海联影医疗科技股份有限公司 一种图像处理方法和系统

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4769605A (en) 1986-11-26 1988-09-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Network to cancel coupling between channels of quadrature antenna coil assembly in a magnetic resonance imaging system
JP3244347B2 (ja) 1993-07-01 2002-01-07 ジーイー横河メディカルシステム株式会社 画像処理方法及び画像処理装置
US5647360A (en) * 1995-06-30 1997-07-15 Siemens Corporate Research, Inc. Digital subtraction angiography for 3D diagnostic imaging
JP4454055B2 (ja) 1998-05-13 2010-04-21 株式会社日立メディコ 画像表示装置
WO2001093745A2 (en) * 2000-06-06 2001-12-13 The Research Foundation Of State University Of New York Computer aided visualization, fusion and treatment planning
US8649843B2 (en) * 2001-11-24 2014-02-11 Ben A. Arnold Automated calcium scoring of the aorta
US7117026B2 (en) * 2002-06-12 2006-10-03 Koninklijke Philips Electronics N.V. Physiological model based non-rigid image registration
US7742629B2 (en) * 2003-09-25 2010-06-22 Paieon Inc. System and method for three-dimensional reconstruction of a tubular organ
FR2862786B1 (fr) * 2003-11-21 2006-01-06 Ge Med Sys Global Tech Co Llc Procede de recalage elastique d'une image applique a l'angiographie soustraite numerisee
US20060074285A1 (en) * 2004-09-24 2006-04-06 Paieon Inc. Apparatus and method for fusion and in-operating-room presentation of volumetric data and 3-D angiographic data
US8155416B2 (en) * 2008-02-04 2012-04-10 INTIO, Inc. Methods and apparatuses for planning, performing, monitoring and assessing thermal ablation
WO2008046197A1 (en) * 2006-10-13 2008-04-24 Calgary Scientific Inc. Visualization of volumetric medical imaging data
CN101303767B (zh) * 2007-11-15 2012-05-09 复旦大学 基于块图像内容自适应分类的数字剪影图像配准方法
JP2009225979A (ja) 2008-03-21 2009-10-08 Japan Health Science Foundation 医用画像作成装置及び方法
CN101822545B (zh) * 2010-05-11 2011-05-25 河南大学 一种数字减影血管造影运动伪影消除方法及其系统
JP2012176082A (ja) * 2011-02-25 2012-09-13 Shimadzu Corp X線診断装置およびx線診断用プログラム
JP2013017781A (ja) * 2011-07-14 2013-01-31 Aze Ltd 医用画像抽出装置および医用画像抽出プログラム
US8675944B2 (en) 2012-01-12 2014-03-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of registering image data

Also Published As

Publication number Publication date
CN104517303B (zh) 2018-05-29
CN104517303A (zh) 2015-04-15
JP2015073901A (ja) 2015-04-20
US20150097833A1 (en) 2015-04-09
US9547894B2 (en) 2017-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6448972B2 (ja) 医用画像処理装置及び医用画像処理方法
JP6042112B2 (ja) 医用画像処理装置、医用画像処理方法および医用画像処理プログラム
CN106682636B (zh) 血管提取方法及其系统
JP6367026B2 (ja) 医用画像処理装置および医用画像処理方法
Fagan et al. Multimodality 3-dimensional image integration for congenital cardiac catheterization
US8620050B2 (en) System and method for 2-D/3-D registration between 3-D volume and 2-D angiography
RU2711140C2 (ru) Редактирование медицинских изображений
Liu et al. An augmented reality system for image guidance of transcatheter procedures for structural heart disease
JP5060117B2 (ja) 3次元画像処理装置、3次元画像処理方法、記憶媒体及びプログラム
JP2014014673A (ja) 血管造影画像の取得方法
US8068665B2 (en) 3D-image processing apparatus, 3D-image processing method, storage medium, and program
CN112862833A (zh) 血管分段方法、电子装置和存储介质
CN109381205A (zh) 用于执行数字减影血管造影的方法、混合成像装置
JP2016041245A (ja) 医用画像処理装置及び医用画像処理方法
JP4991181B2 (ja) 3次元画像処理装置、3次元画像処理方法及び3次元画像処理装置で使用される制御プログラム
JP7167564B2 (ja) X線撮影装置およびx線撮影装置の作動方法
CN111862312B (zh) 一种脑部血管显示装置及方法
JP5232286B2 (ja) 3次元画像処理装置、3次元画像処理方法、記憶媒体及びプログラム
Bredno et al. Algorithmic solutions for live device-to-vessel match
WO2016131955A1 (en) Automatic 3d model based tracking of deformable medical devices with variable appearance
Hatt et al. Depth‐resolved registration of transesophageal echo to x‐ray fluoroscopy using an inverse geometry fluoroscopy system
Razeto et al. Accurate registration of coronary arteries for volumetric CT digital subtraction angiography
Razeto et al. Accurate, fully-automated registration of coronary arteries for volumetric CT digital subtraction angiography
US20230172571A1 (en) Providing a result data set
Du et al. Visual check and automatic compensation for patient movement during image-guided Abdominal Aortic Aneurysm (AAA) stenting

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160512

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6448972

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150