JP6446044B2 - 結合分子の存在下で被検体の総量および/または総濃度を決定するための方法、ならびにそれに関係するキット、組成物および使用 - Google Patents

結合分子の存在下で被検体の総量および/または総濃度を決定するための方法、ならびにそれに関係するキット、組成物および使用 Download PDF

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Description

本発明は、結合分子の存在下で被検体の総量および/または総濃度を決定するための方法、ならびにそれに関係するキット、組成物および使用に関する。
結合分子を使用する多くの適用に関して、たとえば動物またはヒトにおけるターゲットを指向する療法活性抗体について、そのようなターゲットを結合分子の存在下で、ターゲットの量または濃度を決定する前に結合分子を除去する必要なしに決定できる方法が求められている。特に、たとえば療法活性抗体または療法活性受容体もしくは受容体フラグメントについて、試料から療法活性抗体または療法活性受容体または融合タンパク質を除去することなく、療法活性抗体または療法活性受容体もしくは受容体フラグメントが指向するターゲットの総量または総濃度を身体試料において決定できる in vitro 方法が求められている。それに関して、総量は、結合していない遊離ターゲットと療法活性抗体または療法活性受容体もしくは受容体フラグメントに結合しているターゲットの両方を含む。
本発明によれば、そのような方法、および本発明方法に使用できるキットを得ることができる。
図1:本発明の好ましい方法の模式図を表わす。A)この図は、キャプチャー分子を介して固定化された被検体に結合分子が結合している状況を示す。検出分子は被検体に結合できない。B)この状況では、トラッピング分子が結合分子に結合し、それにより結合分子は被検体から解放される。この時点で検出分子は被検体に結合できる。これにより、結合分子は試料中に存在するけれども、本質的に当該被検体の総量または総濃度の検出が可能になる。 図2:実施例4(総TWEAKの検出)による結果を示す。人工マトリックス(EKM);5ng/mlの組換えTWEAK(5ng/mlのAG);5ng/mlの組換えTWEAKに515μg/mlの療法用抗体をスパイクしたもの(5ng/mlのAG+515μg/mlの薬物)。抗イディオタイプ抗体を含まない試料(w/o)および大過剰の抗イディオタイプ抗体を含む試料(+ M−2.38.37)について結果を示す。 図3:実施例4(総TWEAKの検出)による結果を示す。人工マトリックス(EKM);血清試料(それぞれ、試料7および試料8);療法用抗体を含む血清試料(それぞれ、試料7+515μg/mlの薬物、および試料8+515μg/mlの薬物);抗イディオタイプ抗体を含まない試料(w/o)および大過剰の抗イディオタイプ抗体を含む試料(+ M−2.38.37)について結果を示す。
1態様において、本発明は、それの結合部位で被検体に結合できる結合分子の存在下で被検体の総量および/または総濃度を決定するための in vitro 方法であって、下記の工程を含む方法に関する:
(i)被検体および結合分子を含む試料を
−結合分子の結合部位を指向するトラッピング分子、および
−被検体との複合体を形成できる検出分子
と接触させる;そして
(ii)検出分子−被検体複合体を検出し、それにより被検体の総量および/または総濃度を決定する;
その際、検出分子は結合分子とは異なり、かつ
その際、被検体はトラッピング分子とは異なり、かつ
その際、検出分子は被検体が結合分子により結合されていない場合にのみ被検体との複合体を形成できる。
第1工程として、被検体および結合分子を含む試料を、結合分子の結合部位を指向するトラッピング分子、および被検体との複合体を形成できる検出分子と接触させる。
測定すべき被検体はいずれかの化学物質である可能性がある。一般に、そのような被検体は生体試料中に、特にヒトまたは動物からの体液中に存在する被検体である可能性がある。特に、被検体はバイオマーカー、ペプチドおよび/またはタンパク質である可能性がある。
被検体を含む試料は、液体、ゲルまたは液化性組成物、好ましくは液体であってもよい。そのような液体は、溶液、懸濁液またはエマルジョンであってもよい。特に、試料は生体試料、特にヒトまたは動物から得た身体試料、またはその混合物である。そのような身体試料は、対象から取得した後にそのまま使用でき、あるいは意図した時点で本発明方法を実施するために、適切な条件下で、たとえば凍結により保存できる。特に、対象を比較するために、または療法をモニタリングするために、多様な対象および/または種々の時点からの試料を測定することができる。身体試料の取得は、当業者が試料に応じて実施できる。好ましい態様において、身体試料は血液または血清である。そのような場合、血液を対象から採取する。血清は血液から、当技術分野で既知の方法により得ることができる。同様に、たとえば尿の採集により、または生検材料の採取により、および必要であれば試料のさらなる処理により、他の身体試料を得ることができる。
前記のように、試料は、被検体、およびそれの結合部位で被検体に結合できる結合分子を含む。そのような結合分子は、被検体に結合できるいかなるタイプの分子であってもよい。そのような結合は、好ましくは可逆的な非共有結合である。好ましくは、そのような結合分子はタンパク質またはペプチドであるか、あるいはそれを含む。より好ましくは、結合分子は抗体、抗体の機能活性部分、受容体または受容体フラグメント、特に療法活性および/または診断活性抗体、あるいは抗体の療法活性および/または診断活性−機能活性部分、あるいは療法活性および/または診断活性受容体、あるいは療法活性および/または診断活性受容体フラグメントを含む。したがって、好ましい態様において、結合分子は療法薬および/または診断薬である。一例として、結合分子はその必要があるヒト対象に投与された療法薬である。対象の身体内で、結合分子は、そのようなシナリオにおいて療法薬のターゲットである被検体を結合する。対象から試料を取得した際、試料は一般に被検体と療法薬の両方を含むであろう。療法薬は被検体に結合できるので、被検体の一部または全部が療法薬に結合しているであろう。
結合分子はそれの結合部位で被検体に結合できる。結合部位は、分子、特にタンパク質、DNAまたはRNA、より好ましくはタンパク質上の領域であって、少なくとも1つの特異的な他の分子がそれに非共有結合により可逆的に結合できる領域である。結合分子と抗原の好ましい対として、抗原を認識する抗体の場合、結合部位はしばしば抗原結合部位と呼ばれ、この結合部位が結合する部位はしばしばエピトープと呼ばれる。より詳細に後記に説明するように、結合部位は、抗原をそれらの構造に基づいて結合する特異的にコードされた領域として、抗体上に存在する。
本発明方法における第1工程として、被検体および結合分子を含む試料を、結合分子の結合部位を指向するトラッピング分子および被検体との複合体を形成できる検出分子と接触させる。トラッピング分子はいかなる化学物質であってもよく、好ましくはそれはタンパク質、より好ましくは抗体もしくは抗体の機能活性部分、または受容体もしくは受容体フラグメントである。トラッピング分子は結合分子の結合部位を指向し、それはトラッピング分子が結合分子の結合部位に共有結合または非共有結合により、好ましくは非共有結合により結合できることを意味する。同様に好ましい態様において、トラッピング分子は抗体または機能活性部分である。さらなる好ましい態様において、トラッピング分子は抗イディオタイプ抗体である。抗イディオタイプ抗体またはその機能活性部分は、抗体の抗原特異的部分を指向する抗体または機能活性部分であり、よって他の抗体の結合部位を認識する。そのような態様においては、結合分子も抗体または機能活性部分である。
被検体との複合体を形成できる検出分子はいかなる種類の化学物質であってもよく、好ましくはそれはタンパク質、DNAまたはRNA、より好ましくはタンパク質、よりさらに好ましくは抗体またはその機能活性部分であり、ただし検出分子は結合分子とは異なる。同様に好ましい態様において、検出分子は抗体または機能活性部分である。検出分子は、検出可能な標識で検出可能な状態に標識化するための手段、特に直接検出または間接検出のための手段を保有する。そのような手段および標識をより詳細に後記に述べる。検出分子が結合分子とは異なるということは、検出可能な状態に標識化するための手段を無視したとしても両分子が異なる分子である、より好ましくは被検体を結合できるそれらの結合部位が異なると解釈すべきである。結合分子および検出分子が両方とも抗体またはその機能活性部分を含むかあるいはそれらである場合、好ましくは抗原結合部位が異なり、より好ましくは対応するCD配列(HCDR1、2、3、およびLCDR1、2、3)のうち1、2、3、4、5または6つが異なる。
検出分子は被検体との複合体を形成できる。これは、検出分子が被検体に共有結合または非共有結合により結合できることを意味する。抗体−抗原結合の場合のように非共有結合の場合、検出分子は好ましくはこの被検体に対して複合体形成に十分なほど高い親和性を示す。したがって、さらなる好ましい態様において、被検体に結合するための検出分子の親和性は、少なくとも10(mol/l)−1、より好ましくは少なくとも10(mol/l)−1、よりさらに好ましくは少なくとも1010(mol/l)−1である。親和性は当技術分野で既知の方法により、特に表面プラズモン共鳴測定により、特にBiaCore(登録商標)システムを用いて決定できる。さらに、検出分子は、被検体が結合分子により結合されていない場合にのみ被検体との複合体を形成できる。図1Bに示すように、そのような検出分子は、結合分子がトラッピング分子への結合分子の結合により被検体から解放された場合にのみ被検体との複合体を形成するであろう。
本発明によれば、被検体および結合分子を含む試料を、結合分子の結合部位を指向するトラッピング分子および被検体との複合体を形成できる検出分子と接触させる。接触は当技術分野で既知の方法により実施できる。特に、試料を適切な容器に入れて供給し、トラッピング分子および検出分子を個別に、または一緒に、たとえばトラッピング分子および/または検出分子を含む溶液のピペッティングにより添加することができる;ただし、それらの成分を接触させる順序は決定的ではない。適切な条件には、たとえば化合物の望ましくない化学修飾、それぞれの結合能の損失、関連タンパク質の変性を避けるのに適切な、または生細胞が存在すればそれらを維持するのに適切な、温度および溶液が含まれる。
トラッピング分子が被検体とは異なるということは、両方の分子が異なる分子であると解釈すべきである。好ましい態様において、結合分子を結合できるそれらの結合部位が異なる。トラッピング分子および被検体が両方とも抗体またはその機能活性部分を含むか、あるいはそれらである場合、好ましくは抗原結合部位が異なり、より好ましくは対応するCD配列(HCDR1、2、3、およびLCDR1、2、3)のうち1、2、3、4、5または6つが異なる。
本発明の方法を実施するのに適した条件は、個々のアッセイデザインおよび選択した成分に依存し、当業者は自身の一般的知識に基づいてそれらを選択できるであろう。インキュベーション工程は約5秒から数時間まで、好ましくは約5分から約24時間までの範囲であってもよい。ただし、インキュベーション時間はアッセイ様式、標識、溶液の体積、濃度などに依存するであろう。通常は、アッセイは周囲温度で実施されるであろうが、それらはある温度範囲、たとえば10℃〜95℃または15℃〜40℃にわたって実施できる。用いる容器も、アッセイ様式、標識、溶液の体積、濃度などに依存するであろう。
本発明方法により、そのような被検体の総量および/または総濃度を決定することができる。試料中に、被検体と結合分子の両方が存在する。結合分子はしばしば被検体上の適切な結合部位を占有し、および/または立体的理由のため検出分子の結合を妨げるので、試料中の被検体の総量の決定は困難である。被検体の総量とは、特定の試料中のすべての被検体分子、すなわち結合分子と結合していない遊離の被検体分子および結合分子に結合している被検体分子の両方の数を意味する。同様な方法で、特定の試料中の総濃度を決定でき、それは特定の試料中のすべての被検体分子、すなわち結合分子と結合していない遊離の被検体分子および結合分子に結合している被検体分子の両方の濃度を意味する。濃度は一般にモル濃度または(w/v)濃度として示される。
本発明方法の第2工程として、検出分子−被検体複合体を検出する。前記に説明したように、そのような複合体は共有結合体または非共有結合体であってよい。本発明の第1工程を実施することにより、図1Bに示すように結合分子はトラッピング分子によりトラップされるので、検出分子はその時点で試料中に存在するすべての被検体分子と複合体を形成できる。したがって、その検出分子−被検体複合体を検出することにより、それらが最初に結合分子に結合していたかどうかに関係なく、被検体分子全体の量および/または濃度を決定することができる。複合体の検出は、より詳細に後記に説明するアッセイ様式および/または標識に応じて、多様な方法で実施できる。好ましいアッセイは、非競合アッセイ、特にサンドイッチアッセイである。
したがって、本発明の好ましい態様において、検出分子−被検体複合体の検出を非競合アッセイ、特にサンドイッチアッセイで実施し、殊にサンドイッチアッセイは被検体に結合できるキャプチャー分子を使用し、その際、
−キャプチャー分子は固定化のための手段を保有し、
−検出分子とキャプチャー分子は被検体上のオーバーラップしない異なるエピトープに結合する。
そのような好ましい態様による本発明を図1に示す。この態様において、被検体はキャプチャー分子を介して支持体にキャプチャーされ、それにより固定化されている。この試料において、被検体の少なくとも一部は結合分子により結合されている。検出分子は被検体が結合分子により結合されていない場合にのみ被検体との複合体を形成できるので、この状況では検出分子は結合分子により結合されている被検体に結合できない(図1A)。したがって、結合されている被検体はこの状況では検出できない。トラッピング分子を添加すると、結合分子は被検体から解放され、検出被検体は被検体分子に結合できる(図1B)。この状況では、検出分子は試料中に存在する本質的にすべての被検体分子に結合でき、被検体の総量または総濃度を決定できる。
そのような好ましい態様において、キャプチャー分子は固定化のための手段を保有し、固定化のために使用できる。固定化のための手段は、支持体、好ましくは固体支持体への、共有結合または非共有結合による結合を可能にすることができる。
用語“固体支持体”は、不均一反応により液相中の試薬と相互作用する固相の材料を表わす。固体支持体の使用は化学、生化学、薬学および分子生物学の分野で周知である。解決すべき技術的問題に応じて多くのタイプの固体支持体が開発されている。これらのうちいずれかを本発明に関して使用できる。たとえば、本発明の方法に使用する固体支持体は、シリカ、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、もしくはポリフッ化ビニリデン、またはその組合わせの成分を含むことができる。さらなる適切な固体支持体には、コントロールドポアガラス(controlled pore glass)、ガラスプレートまたはスライドガラス、ポリスチレン、および活性デキストランが含まれるが、これらに限定されない。他の観点において、合成有機ポリマー、たとえばポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、およびポリスチレンも具体的な支持体表面である。さらに、多糖類、たとえばセルロースおよびデキストランは、支持体表面のさらなる具体例である。他の支持体表面、たとえば繊維も作動可能である。
たとえばコンビナトリアルケミストリーまたはプロテインケミストリーに用いられる一般的な樹脂支持体には、ポリスチレン樹脂、たとえばジビニルベンゼンと架橋したもの;ヒドロキシメチルポリスチレン;アミノメチルポリスチレン;TentaGel樹脂(TG)およびArgoGel(AG):ポリスチレン/DVB ポリ(エチレングリコール)グラフトコポリマー(PS−PEG) − Bayer;Crowns/Pins(CP)(放射線グラフトしたポリエチレン/ポリプロピレン支持体);けいそう土/ポリアクリルアミドをベースとする樹脂(Kieselguhr / polyacrylamide based resin(KPA);コントロールドポアガラス;PEGA − ポリ(エチレングリコール)/ジメチルアクリルアミドコポリマー(poly(ethylene glycol)/dimethylacrylamide copolymer)が含まれる。
固体支持体への固定化は、その物体または支持体をキャプチャー分子、たとえばタンパク質に共有結合させることができる官能基を含むように修飾または活性化された固体支持体を用いて達成できる。一般に、脂肪族リンカーアームが用いられる。キャプチャー分子、特にタンパク質を、たとえばイオン性または疎水性の機序で表面に非共有結合させ、そしてこれらの機序を局所的に阻害するリリーサー(releaser)により離脱させることもできる。さらに、表面、たとえばガラスまたは金属酸化物の表面へのキャプチャー分子、たとえばタンパク質の共有結合は、まず表面をアミノシランで活性化することにより達成できる。アミン反応性官能基で誘導体化されたキャプチャー分子を、次いで表面に結合させることができる。支持体、特に固体支持体を、1以上の結合部位による共有結合または非共有結合によって、タンパク質、たとえば酵素、ペプチド、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドで誘導体化し、それによって同じ酸を固体支持体に結合させることができる。
(固体)支持体は容器に収容することができ、その際、容器はチューブ、たとえば遠心チューブもしくはスピンチューブ、注射器、カートリッジ、チャンバー、マルチウェルプレート、または試験管、あるいはその組合わせである。リンカー仲介によりキャプチャー分子を結合できるようにするために、(固体)支持体を前処理または官能化することができる。1態様において、固体支持体は通常は適切な接触が可能になるように繊維状または粒状であってもよい。本発明の方法に使用するのに適した(固体)支持体のサイズは、選択する方法に従って異なる可能性がある。キャプチャー分子を1つの(固体)支持体のみ(たとえば、1つの容器またはマルチウェルプレート)に結合させることができ、あるいは多数の(固体)支持体(たとえば、ビーズ)に結合させることができる。本発明方法に使用するのに適した(固体)支持体の形状は、たとえばシート、プレカットディスク(precut disk)、シリンダー、単繊維、または粒状物から構成された固体支持体であってもよい。1態様において、(固体)支持体は最適接触を可能にするために繊維状または粒状であってもよい。(固体)支持体のサイズは実施すべき方法に応じて異なる可能性があり、それに応じて選択できる。
ある態様において、固相は試験片、チップ、特にマイクロアレイもしくはナノアレイチップ、マイクロタイタープレートまたはマイクロ粒子である。
トラッピング分子を添加した際に結合分子からの被検体の本質的に完全な解放が達成されれば有利である;図1Bに示すように、これによって試料中の被検体の総量の正確な決定が容易になるからである。したがって、本発明の好ましい態様において、トラッピング分子は結合分子からの被検体の本質的に完全な解放を容易にする。
本発明による“本質的に完全な解放”は、本発明の工程(i)の後に結合分子に結合している被検体分子が試料中の10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満であることと解釈される。
本発明によれば、K(トラッピング分子)は結合分子に対するトラッピング分子の親和性であり、K(結合分子)は被検体に対する結合分子の親和性である。
“親和性”は、2つの種間の相互作用の強さを規定し、好ましくは表面プラズモン共鳴により、特にBiaCore(登録商標)システムを用いて決定される。抗体または抗体フラグメントの場合、親和性は、好ましくは表面プラズモン共鳴により、特にBiaCore(登録商標)システムを用いて決定された、K値として決定される。親和性の決定は、“Surface plasmon resonance for detection and measurement of antibody-antigen affinity and kinetics”, Current Opinion in Immunology, Volume 5, Issue 2, 1993, Pages 282-286の記載に従って実施できる。
さらに、本発明によれば、Conc(トラッピング分子)およびConc(結合分子)は、それぞれ前記の本発明方法の工程i)におけるトラッピング分子および結合分子のモル濃度である。
さらに、本発明によれば、MR(トラッピング分子)は結合分子への結合についてのトラッピング分子の結合原子価であり、MR(結合分子)は被検体への結合についての結合分子の結合原子価である。
本発明による“結合原子価”は、特定の結合パートナー対について実験により決定された結合部位の数であると解釈される。抗体またその機能活性部分の場合、理論的結合原子価は一般に1または2であるが、実験により決定された結合原子価は立体効果のため非整数値(たとえば、1.4)である可能性がある。好ましいトラッピング分子としての抗イディオタイプ抗体の場合、理論的結合原子価は一般に1である。この場合も、実験により決定された結合原子価は立体効果のため非整数(たとえば、0.9)である可能性がある。結合原子価の決定は、Schraeml M. et al. (2012) Methods in Molecular Biology Vol. 901, 171-181の記載に従って実施できる。
被検体からの結合分子の本質的に完全な解放を達成するために、結合分子に対するラッピング分子の親和性が被検体に対する結合分子の親和性より少なくとも3倍高ければ有利である。したがって、さらなる好ましい態様において、K(トラッピング分子)/K(結合分子)は少なくとも3、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10である。
被検体からの結合分子の本質的に完全な解放を達成するためには、トラッピング分子の濃度が結合分子の濃度より少なくとも3倍高ければさらに有利である。したがって、よりさらなる好ましい態様において、Conc(トラッピング分子)/Conc(結合分子)は少なくとも3、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10であり、特にその際、Conc(結合分子)は1〜5μmol/lの範囲であり、および/またはConc(トラッピング分子)は3(1〜5)μmol/lの範囲である。
被検体からの結合分子の本質的に完全な解放を達成するためには、上記で考察したそれぞれの親和性および濃度を両方とも考慮に入れればよりいっそう有利である;特に、結合分子に対するトラッピング分子の親和性×トラッピング分子のモル濃度が、被検体に対する結合分子の親和性×結合分子のモル濃度より少なくとも3倍高いことが好ましい。したがって、同様に好ましい態様において、(K(トラッピング分子)/K(結合分子))×(Conc(トラッピング分子)/Conc(結合分子))は少なくとも3、好ましくは少なくとも5、さらに好ましくは少なくとも10である。
他の重要な観点は、特に結合分子および/またはトラッピング分子が抗体またはその機能活性部分である場合、本発明方法に用いる結合分子およびトラッピング分子の結合原子価である。小さな被検体に結合する際、抗体である結合分子は一般にMR=2の結合原子価を示し、それに対し立体的理由で、抗イディオタイプ抗体であるトラッピング分子は一般にMR=1以下の結合原子価を示す。この場合、関数モル濃度指数(functional molarity quotient)を考慮することが好ましい。
したがって、よりさらなる好ましい態様において、(K(トラッピング分子)/K(結合分子))×(Conc(トラッピング分子)/Conc(結合分子))×(MR(トラッピング分子)/MR(結合分子))は少なくとも3、好ましくは少なくとも5、同様に好ましくは少なくとも10である。
被検体の総量を決定するためには、被検体を結合するための検出分子がこの被検体に対して十分に高い親和性を示すならば、さらに有利である。したがって、さらなる好ましい態様において、被検体への結合のための検出分子の親和性は少なくとも10(mol/l)−1、より好ましくは少なくとも10(mol/l)−1、よりいっそう好ましくは少なくとも1010(mol/l)−1である。
被検体の総量を決定するためには、被検体からの結合分子の本質的に完全な解放を達成するために、結合分子への結合についてのトラッピング分子の親和性が十分に高ければさらに有利である。したがって、よりさらなる好ましい態様において、結合分子への結合についてのトラッピング分子の親和性は少なくとも5×10(mol/l)−1、より好ましくは少なくとも1010(mol/l)−1である。
被検体の偽陽性検出を最小限に抑えるために、検出分子が被検体に対する特異性を示すならば、さらに有利である。したがって、好ましい態様において、検出分子は被検体を特異的に結合し、特に被検体とは異なるターゲットへの検出分子の結合は最大でも被検体への検出分子の結合の5%である。
さらに、特にトラッピング分子の損失を最小限に抑えるために、かつ結合分子への結合を最大限にするために、トラッピング分子が結合分子に対する特異性を示すならば有利である。したがって、好ましくはトラッピング分子は結合分子を特異的に結合し、特に結合分子とは異なるターゲットへのトラッピング分子の結合は最大でも結合分子へのトラッピング分子の結合の5%である。
ある分子の他の分子への結合、たとえば結合分子へのトラッピング分子の結合に関して“特異的”または“特異性”とは、識別子とターゲット対象物の間の認識、接触、および安定複合体形成を意味し、それと共に、実質的に識別子とターゲット対象物以外の対象物(他の対象物とも言う)の間の認識、接触、または複合体形成がより低いことを意味する。1観点において、ターゲット対象物への識別子の結合に関して“特異的”とは、識別子がターゲット対象物を認識してそれとの複合体を形成することに限れば、それは他の対象物と比較してターゲット対象物と最大数の複合体を形成することを意味する。1観点において、この最大数は識別子とターゲット対象物により形成されるそのような複合体の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは最大80%または90%、さらにより好ましくは最大95%、96%、97%、98%または99%である。一般に、特異的結合事象に関与する分子はそれらの表面上またはキャビティー内に、互いに結合する分子間での特異的認識をもたらす領域をもつ。特異的結合の例には、抗体−抗原相互作用、酵素−基質相互作用、ポリヌクレオチドおよび/またはオリゴヌクレオチド間でのデュプレックスまたはトリプレックスの形成、受容体−リガンド相互作用などが含まれる。
さらに、比較的少量の検出分子が必要であれば有利である。したがって、さらなる好ましい態様において、検出分子のモル濃度は、最大で試料中の結合分子のモル濃度の5%、好ましくは最大で3%、より好ましくは最大で1%、よりいっそう好ましくは最大で0.5%、最も好ましくは最大で0.1%である。
よりさらなる好ましい態様において、トラッピング分子の濃度は、実施例2Bにより示されるように3(1〜5)μmol/l〜5(1〜5)μmol/l、たとえば3(1、2、3、4または5)μmol/l〜5(1、2、3、4または5)μmol/l、特に3〜5μmol/l、3〜10μmol/l、3〜15μmol/l、3〜20μmol/l、3〜25μmol/l、5〜25μmol/l、10〜25μmol/l、15〜25μmol/lの範囲である。
前記のように、本発明の方法は特に、特定のターゲット(たとえば、被検体)の総量を、体液または組織においてこの被検体に結合している抗体またはその機能活性部分、たとえば療法活性抗体である結合分子の存在下で決定するために有用である。
そのような療法活性抗体は、それに療法薬部分および/または診断薬部分が共有結合または非共有結合により結合している抗体またはその機能活性部分を含むことができる。たとえば、放射性核種、毒素、サイトカインまたは細胞毒に、抗体またはその機能活性部分が共有結合または非共有結合により結合していてもよい。療法薬部分および/または診断薬部分がタンパク質またはペプチドである場合、結合分子は抗体またはその機能活性部分を含む融合タンパク質であってもよい。あるいは、たとえば中和抗体のように結合分子が療法活性であってもよい。したがって、よりさらなる好ましい態様において、結合分子は抗体またはその機能活性部分であるか、あるいはそれを含む。
トラッピング分子としては、結合分子(たとえば、療法活性抗体または療法活性受容体)に対する抗イディオタイプ抗体またはその機能活性部分を使用できる。抗イディオタイプ抗体またはその機能活性部分は結合分子の結合部位に結合し、結合すると、被検体への結合分子の結合を阻止する。次いで検出分子がこの遊離被検体に結合することができる。この場合も、抗イディオタイプ抗体またはその機能活性部分は、たとえば診断部分または固定化のための手段として、抗体に共有結合または非共有結合したさらなる部分を含むことができる。
したがって、よりさらなる好ましい態様において、トラッピング分子は、結合分子の抗原結合部位を指向する抗イディオタイプ抗体またはその機能活性部分であるか、あるいはそれを含む。抗イディオタイプ抗体またはそのその機能活性部分の作製は当業者に周知であり、たとえばSege K et al, PNAS (1978) Vol. 75 No. 5: 2443-2447、およびPan Y. et al, FASEB J. (1995) Vol. 9 No. 1:43-49に記載されている。
同様に、検出分子として、被検体に結合できる抗体またはその機能活性部分を使用できる。抗体またはその機能活性部分の作製は、より詳細に後記に述べるように周知である。したがって、よりさらなる好ましい態様において、検出分子は抗体またはその機能活性部分であるか、あるいはそれを含む。
本発明の好ましい方法において、固定化のための手段を保有し、かつ被検体に結合できる、キャプチャー分子を使用する(図1を参照)。この場合も、抗体およびその機能活性部分ならびにそれらの作製は、後記のように周知である。したがって、よりさらなる好ましい態様において、キャプチャー分子は抗体またはその機能活性部分であるか、あるいはそれを含み、より好ましくはキャプチャー分子は抗体またはその機能活性部分および固定化のための手段を含む。
同様に好ましい態様において、トラッピング分子、結合分子、検出分子およびキャプチャー分子はそれぞれ、抗体またはその機能活性部分であるか、あるいはそれを含む。
よりさらなる好ましい態様において、結合分子は抗体、抗体の機能活性部分、受容体または受容体フラグメント、特に療法活性および/または診断活性抗体、あるいは抗体の療法活性および/または診断活性−機能活性部分、あるいは療法活性および/または診断活性受容体、あるいは療法活性および/または診断活性受容体フラグメントであるか、あるいはそれを含む。したがって、好ましい態様において、結合分子は療法薬および/または診断薬である。
したがって、さらなる好ましい態様において、トラッピング分子、検出分子およびキャプチャー分子はそれぞれ、抗体またはその機能活性部分であるか、あるいはそれを含み、結合分子は抗体、抗体の機能活性部分、受容体もしくは受容体フラグメント、特に療法活性抗体、または抗体の療法活性−機能活性部分、または療法活性受容体もしくは療法活性受容体フラグメントであるか、あるいはそれを含む。
療法活性受容体フラグメントを含む結合分子の例は、アフリベルセプト(aflibercept) (VEGFトラップとも呼ばれる; Moroney et al. (Future Oncol. (2009); 5(5):591-600)である。VEGFトラップは、可溶性VEGF受容体の結合ドメインがIgGのFcフラグメントと結合した組換え融合タンパク質である。VEGFトラップはVEGFのすべてのアイソタイプに結合する。VEGFトラップは滲出型黄斑変性(wet macula degeneration)の治療および癌治療に有用であると記載されている。
天然抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球形の血漿タンパク質である(約150kDa(http://en.wikipedia.org/wiki/Dalton_unit))。それらはアミノ酸残基に付加した糖鎖をもつので、それらは糖タンパク質である。それぞれの抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)モノマー(1つのIg単位のみを含む)である;分泌された抗体は、IgAの場合ように2つのIg単位を含むダイマー型、硬骨魚類(teleost fish)IgMのように4つのIg単位を含むテトラマー型、または哺乳動物IgMのように5つのIg単位を含むペンタマー型である可能性もある。本発明において、適切なフォーマットの例には、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMとして知られる抗体アイソタイプを含む天然抗体のフォーマットが含まれる。
Igモノマーは、4つのポリペプチド鎖からなる“Y”形分子である;システイン残基間のジスルフィド結合により連結した2つの同一重鎖および2つの同一軽鎖。それぞれの重鎖は約440アミノ酸の長さであり;それぞれの軽鎖は約220アミノ酸の長さである。重鎖および軽鎖はそれぞれ、それらのフォールディングを安定化する鎖間ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖はIgドメインと呼ばれる構造ドメインで構成されている。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、それらのサイズおよび機能に従って異なるカテゴリー(たとえば、可変またはV、および定常またはC)に分類される。それらは、2つのベータシートが“サンドイッチ”形を形成し、保存されたシステイン類および他の荷電アミノ酸間の相互作用により互いに保持された、特徴的な免疫グロブリンフォールドをもつ。
α、δ、ε、γおよびμにより表記される5タイプの哺乳動物Ig重鎖がある。存在する重鎖のタイプが抗体のアイソタイプを規定する;これらの鎖はそれぞれIgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中にみられる。
別個の重鎖はサイズおよび組成が異なる;αおよびγはおおよそ450個のアミノ酸、δはおおよそ500個のアミノ酸を含み、一方、μおよびεはおおよそ550個のアミノ酸をもつ。それぞれの重鎖は2つの領域、すなわち定常領域(CH)および可変領域(VH)をもつ。1つの種では、定常領域は同じアイソタイプのすべての抗体において同一であるが、異なるアイソタイプの抗体においては異なる。重鎖γ、αおよびδは、3つのタンデムIgドメイン、およびフレキシビリティーを付加するヒンジ領域から構成される、定常領域をもつ;重鎖μおよびεは4つの免疫グロブリンドメインから構成される定常領域をもつ。重鎖の可変領域は、異なるB細胞により産生された抗体においては異なるが、単一のB細胞またはB細胞クローンにより産生されたすべての抗体について同じである。それぞれの重鎖の可変領域はおおよそ110アミノ酸の長さであり、単一Igドメインから構成される。
哺乳動物にはλおよびκにより表記される2タイプの免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続ドメインをもつ:1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)。軽鎖のおおよその長さは211〜217アミノ酸である。それぞれの抗体が2つの軽鎖を含み、それらは常に同一である;哺乳動物の抗体につき1タイプの軽鎖、κまたはλのみが存在する。軟骨魚類(Chondrichthyes)および硬骨魚類(Teleostei)のような下等脊椎動物には他のタイプの軽鎖、たとえばι鎖がみられる。
天然抗体のほかに、抗体フラグメントを含めた人工抗体フォーマットが開発された。それらのうちのあるものを後記に述べる。
すべての抗体の全般的構造はきわめて類似するが、その抗体の固有の特性は前記に詳述したように可変(V)領域により決定される。より具体的には、それぞれ軽鎖(VL)上に3つおよび重鎖(VH)上に3つある可変ループが、抗原への結合、すなわちそれの抗原特異性に関与する。これらのループは相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインとVLドメインの両方に由来するCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合わせであって、いずれか一方だけではない。
したがって、本明細書中で用いる用語“抗体”は、天然抗体に対して構造類似性をもちかつ各ターゲットに特異的に結合できるいずれかのペプチドを意味し、その際、結合特異性はCDRにより決定される。よって、“抗体”は各ターゲットに結合する免疫グロブリン由来の構造体に関するものとし、それには下記のものが含まれるがそれらに限定されない:全長抗体もしくは全抗体(whole antibody)、抗原結合性フラグメント(物理的または概念的に抗体構造体に由来するフラグメント)、以上のいずれかの誘導体、キメラ分子、以上のいずれかと他のポリペプチドとの融合体、または各ターゲットに選択的に結合する代替構造体/組成物。抗体またはその機能活性部分は少なくとも1つの抗原結合性フラグメントを含むいずれかのポリペプチドであってもよい。抗原結合性フラグメントは少なくとも重鎖の可変ドメインおよび軽鎖の可変ドメインからなり、これらは両ドメインが一緒になって特定の抗原に結合できるように配置されている。“各ターゲット”は、キャプチャー分子、結合分子および検出分子の場合は被検体であり、好ましいトラッピング分子としての抗イディオタイプ抗体の場合は結合分子である。
“全長”または“完全(complete)”抗体は、ジスルフィド結合により相互連結された2つの重鎖(H)および2つの軽鎖(L)を含むタンパク質を表わし、それらは下記のものを含む:(1)重鎖に関しては、可変領域、ならびに3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む重鎖定常領域;ならびに(2)軽鎖に関しては、軽鎖可変領域、および1つのドメイン、CLを含む軽鎖定常領域。用語“完全抗体”に関して、天然抗体の典型的な全体的ドメイン構造(すなわち、重鎖の3または4つの定常ドメイン、および軽鎖の1つの定常ドメイン、ならびにそれぞれの可変ドメインを含む)をもついずれかの抗体を意味する;ただし、各ドメインは、全体的ドメイン構造を変化させないさらなる修飾、たとえば変異、欠失または挿入を含んでもよい。
“抗体の機能活性部分”または“抗体フラグメント”も、前記に定めた少なくとも1つの抗原結合性フラグメントを含み、その機能活性部分(またはフラグメント)が由来する完全抗体と本質的に同じ機能および結合特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質分解消化により、Ig基本型は3つのフラグメントに開裂する。それぞれ1つの全L鎖および約半分のH鎖を含む2つの同一のアミノ末端側フラグメントは、抗原結合性フラグメント(Fab)である。サイズは類似するけれども両方の重鎖のカルボキシル末端側の半分を鎖間ジスルフィド結合と共に含む第3フラグメントは、結晶性フラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、補体結合部位およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、両方のFab片およびヒンジ領域(H−H鎖間ジスルフィド結合を含む)を含む、1つのF(ab’)フラグメントが得られる。F(ab’)は抗原結合について二価である。Fab’を得るためにF(ab’)のジスルフィド結合を開裂することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域を互いに融合させて、一本鎖可変フラグメント(scFv)を形成することができる。
第1世代の全長抗体は幾つかの問題を提起したので、多くの第2世代抗体は抗体のフラグメントのみで構成されている。可変ドメイン(Fv)は、1つのVLおよび1つのVHからなる無傷の抗原結合ドメインを備えた最小フラグメントである。結合ドメインのみをもつそのようなフラグメントは、酵素法、またはたとえば細菌および真核細胞における関連遺伝子フラグメントの発現により作製できる。種々のアプローチを採用できる;たとえば、Fvフラグメント単独、または“Y”のアッパーアーム(Fvプラス第1定常ドメインを含む)の1つを含む‘Fab’−フラグメント。これらのフラグメントは、通常は2つの鎖間にポリペプチドリンクを導入することによって安定化され、その結果、一本鎖Fv(scFv)が生成する。あるいは、ジスルフィド連結したFv(dsFv)フラグメントを使用できる。全長抗体を作製するために結合ドメインのフラグメントをいずれかの定常ドメインと結合させることができ、あるいは他のタンパク質およびポリペプチドと融合させることができる。
組換え抗体フラグメントは一本鎖Fv(scFv)フラグメントであり、それは本発明による抗体の好ましい機能活性部分である。一般に、それはそれの抗原に対して高い親和性をもち、多様な宿主において発現させることができる。これらおよび他の特性により、scFvフラグメントは医薬に適用できるだけでなく、バイオテクノロジーに適用できる可能性もある。前記に詳述したように、scFvフラグメントにおいてはVHドメインとVLドメインが親水性のフレキシブルペプチドリンカーで連結され、これにより発現およびフォールディングの効率が向上する。通常は約15アミノ酸のリンカーが用いられ、それらのうち(GlySer)リンカーが最も頻繁に用いられている。scFv分子は、用いたリンカーによっては容易にタンパク質分解により分解される可能性がある。遺伝子工学技術の発展に伴なって、機能および安定性の改善に注目した研究によりこれらの制限は実際に克服できた。一例はジスルフィド安定化した(またはジスルフィド連結した)Fvフラグメントの作製であり、それらにおいてはVH−VLダイマーが鎖間ジスルフィド結合によって安定化されている。VLドメインとVHドメインの境界にシステインを導入してジスルフィド橋を形成し、それが2つのドメインを互いに保持する。
scFvが解離するとモノマーscFvが生成し、それらは複合体形成してダイマー(ディアボディ(diabody))、トリマー(トリアボディ(triabody))、またはより大型の凝集体、たとえばTandAbおよびフレキシボディ(Flexibody)になる可能性があり、それらも本発明による抗体の機能活性部分である。
2つの結合ドメインをもつ抗体は、2つのscFvを単純なポリペプチドリンクで結合させることにより((scFv))、または2つのモノマーの二量体化により(ディアボディ)作製できる。最も簡単なデザインは、同一もしくは類似のいずれであってもよい2つの機能性抗原結合ドメインをもつディアボディ(二価ディアボディ)、または別個の抗原に対する特異性をもつディアボディ(二重特異性ディアボディ)である。これらの二重特異性抗体は、たとえば新たなエフェクター機能体(たとえば、細胞傷害性T細胞)をターゲット細胞へ動員することができ、それによりそれらは医薬に適用するのにきわめて有用になる。
4つの重鎖可変ドメインおよび4つの軽鎖可変ドメインを含む抗体フォーマットも開発された。これらの例には、四価二重特異性抗体(TandAbおよびフレキシボディ、Affimed Therapeutics AG,ドイツ、ハイデルベルク)が含まれる。二重特異性ディアボディと対照的に、二重特異性TandAbは1つのポリペプチドのみからなるホモダイマーである。ディアボディは2つの異なる鎖があるため3つの異なるダイマーを形成する可能性があり、それらのうち1つが機能性であるにすぎない。したがって、この均質な製品を作製および精製するのはより簡単であり、より安価である。さらに、TandAbは通常はより良好な結合特性(2倍の数の結合部位をもつ)および増大した in vivo 安定性を示す。フレキシボディはscFvとディアボディマルチマーモチーフの組合わせが、細胞表面にある互いにかなり離れた2つの分子の連結について高度のフレキシビリティーを備えた多価分子になったものである。2より多い機能性抗原結合ドメインが存在し、それらが別個の抗原に対する特異性をもつならば、その抗体は多重特異性である。
まとめると、抗体またはその機能活性部分である特異的免疫グロブリンタイプには下記の抗体が含まれるが、それらに限定されない:Fab(可変軽鎖(VL)、可変重鎖(VH)、定常軽鎖(CL)および定常重鎖1(CHl)ドメインを含む一価フラグメント)、F(ab’)(ヒンジ領域においてジスルフィド橋その他により連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメント)、Fv(VLおよびVHドメイン)、scFv(VLとVHが、リンカー、たとえばペプチドリンカーにより連結した一本鎖Fv)、二重特異性抗体分子(本明細書に記載する特異性を備えた抗体分子がその抗体とは異なる結合特異性をもつ第2の機能性部分−これには限定ではなく他のペプチドまたはタンパク質、たとえば抗体または受容体リガンドが含まれる−に連結したもの)、二重特異性一本鎖Fvダイマー、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ(CH3に連結したscFv)。
Fv、scFv、ディアボディ分子またはドメイン抗体(Domantis)を含めた(これらに限定されない)特定の抗体分子またはその機能活性部分は、VHドメインとVLドメインを連結するジスルフィド橋を取り込ませることによって安定化できる。二重特異性抗体は常法により作製でき、その具体的方法には化学的作製、またはハイブリッドハイブリドーマからの作製、ならびにBiTE(商標)技術(特異性が異なる抗原結合領域をもち、ペプチドリンカーを含む分子)およびノブ・インツゥー・ホール(knobs-into-holes)エンジニアリングを含めた他の技術が含まれるが、これらに限定されない。
したがって、抗体分子またはその機能活性部分は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、(scFv)、二価抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディまたはミニボディであってもよい。
他の好ましい態様において、抗体はモノクローナル抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体である。モノクローナル抗体は単一特異性抗体であり、それらはすべてが単一親細胞のクローンである1タイプの免疫細胞により産生されるので同一である。キメラ抗体は、1つの種の免疫グロブリンの少なくとも1つの領域を、それの免疫原性を低減するために遺伝子工学により他の種の免疫グロブリンの他の領域に融合させた抗体である。たとえば、ネズミのVLおよびVH領域をヒト免疫グロブリンの残りの部分に融合させることができる。具体的なタイプのキメラ抗体はヒト化抗体である。ヒト化抗体は、非ヒト抗体のCDRをコードするDNAとヒト抗体産生DNAを癒合させること(merging)により作製される。次いで、得られたDNA構築体を用いて抗体を発現および産生させることができ、それらはCDRが非ヒトであるにすぎないので、通常は非ヒト親抗体ほど、またはキメラ抗体ほど免疫原性ではない。
本発明の好ましい態様において、本発明の方法に用いる抗体分子またはその機能活性部分は、下記のものからなる群から選択される重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む:ヒトIgM定常ドメイン、ヒトIgGl定常ドメイン、ヒトIgG2定常ドメイン、ヒトIgG3定常ドメイン、ヒトIgG4定常ドメイン、ヒトIgE定常ドメイン、およびヒトIgA定常ドメイン。
本発明の抗体に関して前記に詳述したように、天然抗体の重鎖はそれぞれ2つの領域、定常領域および可変領域をもつ。5タイプの哺乳動物免疫グロブリン重鎖:γ、δ、α、μおよびεがあり、それらがそれぞれ免疫グロブリンのクラスIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEを規定する。
この場合、ヒトには4つのIgGサブクラス(IgG1、2、3および4)があり、血清中におけるそれらの存在量の順に命名されている(IgG1が最も多量に存在する)。IgGサブクラスのそれらのFc領域間には約95%の類似性があるけれども、ヒンジ領域の構造は比較的異なる。両方の重鎖のFabアーム(抗原結合性フラグメント)と2つのカルボキシ末端側ドメインCH2およびCH3との間にあるこの領域は、その分子のフレキシビリティーを決定する。アッパーヒンジ(upper hinge)(アミノ末端側)セグメントはFabアーム間の角度の可変性(Fab−Fabフレキシビリティー)およびそれぞれ個々のFabの回転フレキシビリティーを可能にする。ローワーヒンジ(lower hinge)領域(カルボキシ末端側)のフレキシビリティーは、Fc領域に対するFabアームの位置(Fab−Fcフレキシビリティー)を直接決定する。ヒンジ依存性のFab−FabおよびFab−Fcフレキシビリティーは、さらなるエフェクター機能、たとえば補体活性化およびFc受容体結合を始動する際に重要である可能性がある。したがって、ヒンジ領域の構造は4つのIgGクラスそれぞれにそれらの固有の生物学的プロファイルを与える。
ヒンジ領域の長さおよびフレキシビリティーはIgGサブクラス間で異なる。IgG1のヒンジ領域はアミノ酸216−231を含み、それは易フレキシブルであるので、Fabフラグメントはそれらの対称軸の周りを回転し、2つのうち最初の重鎖間ジスルフィド橋を中心とする球内で運動できる。IgG2はIgG1より短いヒンジをもち、12個のアミノ酸残基および4つのジスルフィド橋を含む。IgG2のヒンジ領域はグリシン残基を欠如し、比較的短く、余分な重鎖間ジスルフィド橋によって安定化された剛直なポリ−プロリン二重らせんを含む。これらの特性はIgG2分子のフレキシビリティーを制限する。IgG3は、それの固有の長いヒンジ領域(IgG1ヒンジの約4倍の長さ)によって他のサブクラスと異なり、62個のアミノ酸(21個のプロリンおよび11個のシステインを含む)を含み、非フレキシブルなポリ−プロリン二重らせんを形成している。IgG3において、FabフラグメントはFcフラグメントから比較的離れており、より大きなフレキシビリティーをその分子に与えている。IgG3における長いヒンジは、他のサブクラスと比較してより高いそれの分子量にも関与する。IgG4のヒンジ領域はIgG1のものより短く、それのフレキシビリティーはIgG1のものとIgG2のものとの中間である。
本発明の方法を用いて、広範な被検体の総量および/または総濃度を検出できる。たとえば、被検体はいかなる化学物質であってもよい。前記に説明したように、本発明の方法は特に療法活性である抗体もしくは抗体の機能活性部分または受容体もしくは受容体フラグメントのターゲットである被検体を検出するために有用であり、その際、そのような療法活性である抗体もしくは抗体の機能活性部分または受容体もしくは受容体フラグメントは本発明の結合分子である。そのようなターゲットは、ホルモン、ペプチドもしくはタンパク質、動物もしくはヒトの血中を循環している分子、またはバイオマーカー、特に腫瘍マーカーであってもよい。したがって、さらなる好ましい態様において、被検体は化学物質、好ましくはホルモン、ペプチドもしくはタンパク質、動物もしくはヒトの血中を循環している分子、またはバイオマーカー、特に腫瘍マーカーである。
同様に好ましい1態様において、被検体はタンパク質である。
前記に開示したように、本発明の好ましい態様において、検出分子−被検体複合体の検出は非競合アッセイで、特にサンドイッチアッセイで実施され、殊にサンドイッチアッセイは被検体に結合できるキャプチャー分子を使用し、その際、
−キャプチャー分子は固定化のための手段を保有し、
−検出分子とキャプチャー分子は被検体上のオーバーラップしない異なるエピトープに結合する。
よりさらなる好ましい態様において、検出分子は、検出可能な標識で検出可能な状態に標識化するための手段、特に直接検出または間接検出のための手段を保有する。
本明細書中で用いる用語“検出可能な標識”は、直接検出または間接検出のための信号を発生できるいずれかの物質を表わす。よって、検出可能な標識は直接または間接的に検出できる。本発明に使用するのに適した直接検出標識は、いずれか既知の検出可能なマーカーグループ、たとえば下記のものから選択できる:色原体、蛍光性グループ、化学発光性グループ(たとえば、アクリジニウムエステル類またはジオキセタン類)、電気化学発光性化合物、触媒、酵素、酵素基質、色素、蛍光性色素(たとえば、フルオレセイン、クマリン、ローダミン、オキサジン、レゾルフィン、シアニン、およびその誘導体)、コロイド状の金属粒子および非金属粒子、ならびに有機ポリマーラテックス粒子。検出可能な標識の他の例は、発光性金属錯体、たとえばルテニウムまたはユーロピウム錯体、たとえばECLIAに用いられるもの、酵素、たとえばELISAに用いられるもの、および放射性同位体、たとえばRIAに用いられるものである。
間接検出システムは、たとえば検出分子、たとえば抗体またはその機能活性フラグメントが、生体親和性(bioaffine)結合対の第1パートナーで標識されていることを含む。適切な結合対の例は、ハプテンまたは抗原/抗体、ビオチンまたはビオチンアナログ、たとえばアミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン/アビジンまたはストレプトアビジン、糖/レクチン、核酸または核酸アナログ/相補的核酸、および受容体/リガンド、たとえばステロイドホルモン受容体/ステロイドホルモンである。好ましい第1結合対メンバーは、ハプテン、抗原およびホルモンを含む。同様に好ましいのは、ハプテン、たとえばジゴキシンおよびビオチンならびにそのアナログである。そのような結合対の第2パートナー、たとえば抗体、ストレプトアビジンなどは、通常は直接検出できるように、たとえば前記のような検出可能な標識により標識される。
非競合アッセイまたはサンドイッチアッセイには、同一抗原に結合し、かつ抗原に結合した際に互いに障害を及ぼさない、2つの異なる抗体またはその機能活性フラグメントが必要である。非競合アッセイまたはサンドイッチアッセイは、それらのより高い感度のため競合アッセイより有利である。サンドイッチアッセイの場合、抗体のうちの1つ(この場合はキャプチャー分子)を支持体に固定化することができる。プローブ溶液を添加すると、それに含まれる抗原(すなわち、本発明による被検体)がキャプチャー分子に結合し、検出分子が被検体の異なる結合部位に結合することができる(図1Bを参照)。検出分子−被検体複合体を検出するために、前記に詳細に説明したように検出分子を使用する。本発明のこの態様においては検出分子とキャプチャー分子の両方が被検体に結合しなければならないので、この態様において両分子は被検体上のオーバーラップしないエピトープに結合する。エピトープ(抗原決定基としても知られる)は、抗原の一部であって、結合分子、特に抗体またはその機能活性部分により認識される部分である。エピトープを認識する抗体部分はパラトープとも呼ばれる。タンパク質抗原のエピトープは、それらの構造およびパラトープとの相互作用に基づいて2つのカテゴリー、コンホメーショナルエピトープと線状エピトープに分類される。エピトープを決定する方法は当技術分野で既知であり、たとえばエピトープマッピング、たとえばタンパク質マイクロアレイを用いるもの、およびELISPOTまたはELISA法によるものを含む。タンパク質のエピトープは、一般に数個のアミノ酸を含み、線状エピトープの場合は一般に5〜15アミノ酸の長さである。したがって、立体障害を避けるために、キャプチャー分子と検出分子のエピトープがオーバーラップしないこと、すなわち線状エピトープの場合は一次構造に関して完全に離れていることが好ましい。
好ましい態様において、サンドイッチアッセイはサンドイッチイムノアッセイ、特に酵素結合イムノアッセイ(ELISA)である。イムノアッセイは、抗体またはその機能活性フラグメントを用いて溶液中の高分子の存在または濃度を測定する生化学的試験である。イムノアッセイにより検出される分子は、しばしば“被検体”と呼ばれ、多くの場合タンパク質である。イムノアッセイは多数の異なる様式およびバリエーションで得られる。イムノアッセイは多工程で実施でき、アッセイの種々の時点で試薬を添加し、そして洗浄除去または分離する。多工程アッセイはしばしば分離型イムノアッセイまたは不均一イムノアッセイと呼ばれる。あるイムノアッセイは、試薬および試料を混合し、そして物理的測定を行なうことによって、簡単に実施できる。そのようなアッセイは均一イムノアッセイと呼ばれる。
キャリブレーターの使用がイムノアッセイにおいてしばしば採用される。キャリブレーターは当該被検体を含有することが分かっている溶液であり、その被検体の濃度は一般に既知である。実際の試料に対するアッセイの応答をキャリブレーターにより生じたアッセイの応答と比較することにより、信号強度を試料中の被検体の存在または濃度により解釈することができる。
ELISA以外の適切なサンドイッチアッセイは、(電気)化学発光イムノアッセイ((electro-) chemo luminescence immunoassay)(ECLIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、マイクロ粒子キャプチャー酵素イムノアッセイ(Microparticle capture enzyme immunoassay)(MEIA)、固相蛍光イムノアッセイ(Solid-phase fluorescence immunoassay)(SPFIA)、粒子濃縮蛍光イムノアッセイ(Particle concentration fluorescence immunoassay)(PCFIA)、ラテックス粒子増強型または非増強型のネフェロメトリーおよびタービディメトリーアッセイ(LPIA)である。アッセイは試験片の形態であってもよい。
検出可能な標識、および適用できる場合にはキャプチャー分子が、選択される非競合アッセイ、特にサンドイッチアッセイに従って選択されること、またその逆も成立することは、当業者に知られている。
さらなる好ましい態様において、試料中のタンパク質は本発明方法の前または途中で変性されることはない。これにより、本発明方法に用いられる種々の結合分子の結合特性および被検体の三次元構造が確実に維持される。さらなる好ましい態様において、試料中のタンパク質が本発明方法の前または途中で不可逆的に変性されることはない。本発明方法の第1工程の前に可逆的変性工程を用いた場合、結合事象が適正に起きうることを確実にするために本方法の前に変性を反転させるべきである。さらなる好ましい態様において、被検体はタンパク質であり、本発明方法の前または途中で変性されることはない。さらなる好ましい態様において、被検体はタンパク質であり、本発明方法の前または途中で不可逆的に変性されることはない。さらなる好ましい態様において、検出分子、および/またはトラッピング分子、および/または結合分子、および/または適用できる場合にはキャプチャー分子はタンパク質であり、本発明方法の前または途中で変性されることはない。
本発明方法の利点は、被検体の総量を、被検体に結合できる結合分子の存在下で決定できることである。したがって、特に結合分子を除去するための洗浄工程を実施する必要がない。したがって、好ましい態様において、本発明の工程(i)の後に洗浄工程を実施しない。
あるいは、洗浄工程を実施してもよい。そのような洗浄工程は、たとえば図1に示す好ましい態様において実施でき、その際、被検体はキャプチャー分子への結合により固定化されている。そのような態様において、結合分子とトラッピング分子の複合体を、検出分子−被検体複合体の検出前に洗浄除去することができる。しかし、そのような態様において事前の洗浄工程なしに検出分子−被検体複合体を検出するのも可能であると解釈される。そのような洗浄工程を実施する場合、当業者に知られているように、特に、好ましくは本発明方法に際して形成された複合体の結合を妨げない緩衝液を用いて実施できる。
よって、さらなる態様において、本発明の工程(i)の後に洗浄工程を実施する。好ましくは、本発明の工程(i)の後に洗浄工程を実施しない。
本発明の方法は、多様なタイプの試料について使用でき、好ましくは試料は液体、特に体液である。よって、本発明のさらなる態様において、試料は液体、特に水性液体、血液または血清である。
さらなる好ましい態様において、試料、特に血液または血清中の被検体の濃度は、1pg/ml〜20μg/ml、好ましくは1ng/ml〜10μg/mlである。
前記に開示したように、結合分子は、好ましい態様において、療法薬および/または診断薬、特に療法薬である。そのような療法薬および/または診断薬はしばしば高価であり、さらにそのような療法薬および/または診断薬の有効性および薬物動態は対象毎にかなり異なる可能性がある。したがって、対象からの試料中の被検体を決定し、それにより患者の療法の成功および/または疾患の進行、ならびに疾患の非存在、存在および/または重症度を判定することは有益であろう。
したがって、さらなる好ましい態様において、結合分子、特に療法薬または診断薬は、試料を入手した対象に投与されていた。結合分子の投与は結合分子の性質に依存し、医師がそれに従って投与の様式、投与計画および用量を適合させるであろう。一般に、療法活性結合分子の場合は療法有効量が投与されるであろう。よって、本方法は対象における療法薬または診断薬の量または濃度を決定またはモニタリングするために使用できる。
あるいは、結合分子は療法薬ではなく、たとえば診断薬または天然の被検体結合パートナーである。好ましくは、被検体バイオマーカーである。同様にこの状況で、被検体の総量および/または総濃度の決定により、疾患を、および処置に対する疾患の応答性を、モニタリングすることができる。
さらに、被検体の総量を決定するだけでなく、さらに遊離被検体の量、結合被検体の量、および/または結合被検体−対−遊離および/または総被検体の比、あるいは遊離被検体−対−結合および/または総被検体の比を決定することもしばしば有利である。これは、疾患を、および処置に対する疾患の応答性を、モニタリングするためにさらに有用である。
特に、結合分子に結合した被検体の量を決定すること、および/または結合分子に結合した被検体の量(または、それぞれ濃度)−対−総被検体または遊離被検体の量(または、それぞれ濃度)の比を決定することもしばしば重要である。そのような量または比は、疾患の療法、特に結合分子が療法薬である疾患の療法をモニタリングするために重要である。
したがって、よりさらなる好ましい態様において、本発明の方法は下記を含む:
i)工程(i)を前記に従って実施する;
ii)工程(ii)を前記に従って実施する;そして
iii)さらに、−トラッピング分子の非存在下で−試料中の結合分子に結合していない遊離被検体の量および/または濃度を決定し、場合により、試料中の結合分子に結合している被検体の量および/または濃度および/または比率を決定する。
結合分子が療法薬である場合、被検体は好ましくは結合分子による処置のターゲットである;あるいは、被検体は特定の疾患についてのバイオマーカーである。被検体の量および/または濃度の低減は、したがってその疾患がもはや存在しないことまたは重症度がより低いことの指標となることができる。同様に、被検体の量および/または濃度の増大は、したがってその疾患が存在することまたは重症度がより大きいことの指標となることができる。特に、患者の疾患の存在または非存在は、被検体の総量および/または総濃度が特定の疾患における特定の被検体についての特定のカットオフ値より高いか低いかを決定することにより判定できる。したがって、本発明の好ましい態様において、被検体の総量および/または総濃度は患者の疾患の存在、非存在および/または重症度の指標となることができる。したがって、本発明のさらなる好ましい態様において、被検体の総量および/または総濃度は、特に患者が結合分子で処置されていた場合、処置に対する患者の療法応答の指標となる。
本発明のさらにさらなる好ましい態様において、試料中の結合分子に結合した被検体の量および/または濃度および/または比は、患者の疾患の存在、非存在および/または重症度、ならびに/あるいは、特に患者が結合分子で処置されていた場合、処置に対する患者の療法応答の指標となることができる。
本発明方法を用いて、療法薬である結合分子による療法をモニタリングし、それにより必要であれば療法を適合させることができる。これは癌などの疾患において特に有益である。したがって、本発明のさらなる好ましい態様において、本方法は、特に癌療法において、療法をモニタリングするために用いられる。1態様において、療法、特に癌療法は、療法薬としての結合分子を用いて、および/または当技術分野で既知の療法を用いて実施される。癌の場合、既知の療法は化学療法処置、特にタキサン類のような細胞毒性化合物および/または放射線療法による処置を含む。
他の観点において、本発明は、被検体に結合できる結合分子をさらに含む試料中の被検体の総量および/または総濃度を決定するのに適した、下記のものを含むキットまたは組成物に関する:
a)被検体との複合体を形成できる検出分子;および
b)結合分子の結合部位を指向するトラッピング分子;および
c)場合により被検体;および
d)場合により、被検体に結合できる結合分子;および
e)場合により、被検体の固定化のための手段を保有するキャプチャー分子;
その際、検出分子は結合分子とは異なり、かつ
その際、被検体はトラッピング分子とは異なり、かつ
その際、検出分子は被検体が結合分子により結合されていない場合にのみ被検体との複合体を形成できる。
そのようなキットは前記の本発明方法に使用できる。好ましい態様において、本発明のキットまたは組成物はいずれかの本発明方法に使用するのに適している。同様に、本発明方法の好ましい態様として開示したすべての態様も本発明のキットに適用される。
よって、さらに他の観点において、本発明はいずれかの本発明方法における本発明のキットまたは組成物の使用に関する。特に、被検体の総量を前記に従って決定できる。好ましい態様において、被検体はトラッピング分子とは異なる。さらなる好ましい態様において、検出分子は被検体が結合分子により結合されていない場合にのみ被検体との複合体を形成できる。したがって、さらに他の観点において、本発明は試料中の被検体の総量および/または総濃度を決定するための、本発明のキットまたは組成物の使用に関する;好ましくは、その際、被検体はトラッピング分子とは異なり、および/または検出分子は被検体が結合分子により結合されていない場合にのみ被検体との複合体を形成できる。好ましくは、被検体はバイオマーカーであり、および/または試料は血液または血清である。
同様に、特に患者が結合分子で処置される場合、処置に対する患者の療法応答を本発明のキットにより、それらを本発明方法に使用することによって決定できる。したがって、さらに他の観点において本発明は、特に患者が結合分子で処置される場合、処置に対する患者の療法応答を決定するための、本発明のキットまたは組成物の使用に関する。
実施例1:結合分子が療法活性抗体であり、トラッピング分子が抗イディオタイプ抗体(anti−id Ab)である本発明方法
粘性被験配合物中の一般的な抗体(IgG,150kDa)最大濃度は150mg/ml=1mMの抗体である。たとえば、各週ハーセプチン(Herceptin)投与量がハーセプチン500mgである患者血清中の安定ハーセプチン(療法活性抗体としての)濃度は、ハーセプチン377μg/ml=2.6μMであり、ペルツヅマブ(Pertuzumab)200μg/ml=1.4μMである(両抗体とも、本発明による被検体であるHER2/neuに結合する)。最大投与量と一般的血清濃度値の濃度差を、in vitro で試料中の総被検体を決定するためのanti−id Ab適用濃度についてのウインドウとみなすことができる(この例では被検体はHER2である)。1mMのanti−id Abはきわめて高い適用可能濃度であるが、コスト効果のため、これよりはるかに低い抗イディオタイプ抗体濃度が好ましい。さらに、anti−id Ab濃度は、特にElecsys(登録商標)(Roche)を用いる電気化学発光測定における典型的なインキュベーション時間中に反応を平衡状態にシフトさせるのに十分なほど高くなければならない。
平衡に達するまでの時間(T)の推定:T=3.5/(kac)+kd
Elecsys(登録商標)システムにおける9分のインキュベーション時間を、1.3nMの親和性、一般的な動力学的速度プロファイルおよび1μMの濃度での抗イディオタイプ抗体結合についての無制限因子(no limiting factor)とみなす。
動力学的競合アッセイ、好ましくは特にBiacore(登録商標)システムを用いる表面プラズモン共鳴によるものは、通常はターゲットより3倍〜5倍過剰のそれぞれの競合体を用いて駆動される。抗イディオタイプ抗体は、[療法活性抗体]3=[Anti−id−Ab]の濃度未満で適用すべきではない。血清ハーセプチンを抗イディオタイプ抗体でブロッキングする場合、anti−id Ab濃度は52.6μM=13μM(2mg/ml)のanti−id Abとすべきであり、これは実行可能であり、平衡に達する時間の要件を満たす。
実施例2:親和性がきわめて高い結合分子にも有用な適用
トラッピング分子の適用濃度についての堅固なアルゴリズムを下記の親和性指数により補足することができた:
例A:
(KD(トラッピング分子)/KD(結合分子)5μM=[Anti−id−Ab]
(KD抗ハーセプチン 1nM/KDハーセプチン 0.1nM)5μM=50μM=7mg/ml Anti−id−Ab
例B,血清中の結合分子濃度を追加:
(KD(トラッピング分子)/KD(結合分子)[血清中の結合分子]3=[Anti−id−Ab]
(KD抗ハーセプチン 1nM/KDハーセプチン 0.1nM)2.6μM血清ハーセプチン 3=78μM=11mg/ml Anti−id−Ab
Anti−id−Ab濃度は親和性指数との掛け算によって増大するので、3倍モル濃度過剰ファクターのAnti−id−Ab−対−結合分子で十分である。
例C:
(KDanti−AbxY 1nM/KDAbxY 0.01nM)2.6μM血清Abxy 3=780μM=111mg/ml
例Cは実行可能であるが、コスト効果をもたない。より高い親和性をもつトラッピング分子が好ましい。
他のきわめて重要な観点は、結合分子、特に抗体の結合原子価である。小さなターゲットに結合する場合、抗体である結合分子は一般にMR=2の結合原子価を示し、それに対し、立体的理由で、抗イディオタイプ抗体であるトラッピング分子は大部分の場合MR=1以下の結合原子価を示す。この場合、好ましくは計算内で関数モル濃度指数を考慮する必要がある。
例D:
(MR(結合分子))/MR(トラッピング分子)(KD(Anti−id−Ab)/KD(結合分子) [血清中の結合分子]3=[Anti−id−Ab]
(MR(結合分子) 2/MR(Anti−id−Ab) 1)(KD(Anti−id−Ab) 1nM/KD(結合分子) 0.1nM)[2.6μM]3=156μM
抗イディオタイプ抗体であるトラッピング分子22mg/mlが要求される。
例Dは本発明による好ましい態様である。
実施例3A:モノクローナル抗体の作製
TWEAKに対する抗体を作製するために、Balb/C、NMRIおよびSJLマウスを組換え大腸菌(E. coli)由来TWEAKタンパク質で免疫化した。すべてのマウスに免疫化キャンペーンの開始後0、6および10週の時点で3回の免疫化を施した。各時点で、100μlのPBSに溶解した100μgの免疫原で各マウスを免疫化した。1回目の免疫化のために、免疫原を100μlのCFAと混合した。2回目および3回目の免疫化のために、免疫原を100μlのIFAと混合した。1回目および3回目の免疫化を腹腔内経路で適用し、2回目の免疫化を皮下適用した。ハイブリドーマ技術を用いる抗体発現のための脾細胞を調製する2および3日前に、マウスに100μlのPBS中における12.5μgの免疫原でアジュバントを用いずに静脈内追加免疫化を施した。
それぞれの免疫原に対する血清抗体価を決定するために、免疫化の開始後11週目に各マウスの少量の血清を採集した。ELISAのために、組換えTWEAKをプレート表面に固定化した。固定化について、この免疫原を0.25μg/mlの濃度で用いた。各マウスからの血清を1% BSAでPBS中に希釈し、希釈液をプレートに添加した。血清を希釈度1:300、1:900、1:2700、1:8100、1:24300、1:72900、1:218700および1:656100で試験した。結合した抗体を、HRP標識F(ab’)ヤギ抗−マウスFcγ(Dianova)、および基質としてのABTS(Roche)で検出した。
表1に、免疫化マウスの血清抗体価を示す。被検体である大腸菌由来の組換えヒトTWEAKを250ng/mlの濃度で固定化した。血清抗体価を96ウェルプレート上で個々のマウス血清の系列希釈液により測定した。
Figure 0006446044
初代B細胞をP3X63Ag8.653骨髄腫細胞と融合させることによるハイブリドーマ技術で抗体を発現させた。最終追加免疫化の2日後に、免疫化したマウスをと殺し、脾細胞集団を調製した。これらの脾細胞をPEG融合によりP3X63Ag8.653と融合させた。融合からの細胞バッチ培養物を37℃で5% CO下に一夜、インキュベートした。翌日、融合細胞を含有する細胞バッチを400gで10分間、遠心した。その後、0.1×アザセリン−ヒポキサンチン(Sigma)を補充したハイブリドーマ選択培地に細胞を懸濁し、ウェル当たり細胞2.5×10個の濃度で96ウェルプレートに播種した。プレートを37℃で5% CO下に少なくとも1週間、培養した。ELISA分析の3日前に選択培地を交換した。
初代培養上清を、プレート表面に固定化した組換えTWEAK抗原に対してELISAで試験した。組換えTWEAKを0.25μg/mlの濃度で固定化した。ハイブリドーマ上清をプレートに添加し、室温で1時間、インキュベートした。結合した抗体をHRP標識F(ab’)ヤギ抗−マウスFcγ(Dianova)で検出し、ABTS(Roche)をHRP基質として用いた。
表2は、ELISAによる選択クローンの評価を示す。組換えヒトTWEAKに対する選択クローンの結合をELISAで試験した。被検体をプレート表面に0.25μg/mlの濃度で固定化した。すべてのクローンがヒトTWEAKへの結合を示す。
Figure 0006446044
実施例3B:モノクローナル抗イディオタイプ抗体の作製
a)マウスの免疫化
NMRIマウスを、CFA(完全フロイントアジュバント(Complete Freund’s Adjuvant))を配合したヒト化モノクローナル抗TWEAK抗体のF(ab’) 100μgで腹腔内初回免疫化した。6および10週後にさらに2回の腹腔内免疫化工程を、IFA(不完全フロイントアジュバント(Incomplete Freund’s Adjuvant))と混合したマウス当たり100μgの上記F(ab’)の適用により行なった。その後、動物をと殺する3日前に25μgのF(ab’)(PBS中)の静脈内投与によりマウスを追加免疫化し、脾細胞を単離して融合に用いた。
b)融合およびクローニング
脾細胞と骨髄腫細胞の融合を、標準法によりポリエチレングリコールを用いて実施した。簡単に述べると、おおよそ1×10個の脾細胞とおおよそ2×10個の骨髄腫細胞(P3x63−Ag8.653,ATCC CRL1580)をRPMI−1640中で混合し、遠心した(510×gおよび4℃で10分間)。細胞をRPMI−1640で1回洗浄し、再び遠心した。その後、1mlのPEG(ポリエチレングリコール,分子量4,000g/mol)を添加し、ピペッティングにより混合を行なった。1分後、37℃の水浴内で5mlのRPMI−1640を滴加し、この懸濁液を混合し、30mlになるまでRPMI−1640を充填し、遠心した。細胞を選択培地(RPMI−1640に、10%のFCS、100U/mlのIL−6、2mMのL−グルタミン、100μMのNEAA、1mMのピルビン酸ナトリウム、24μMの2−メルカプトエタノール、100μMのヒポキサンチン、および1μg/mlのアザセリンを補充したもの)に再懸濁し、その後、96ウェル細胞培養プレートに接種した。おおよそ10日後、初代培養物を特異的抗体の産生についてアッセイした(後記)。前記のヒト化F(ab’)への結合を示しかつノーマル−ヒトIgGとの交差反応性を示さない初代培養物を、フローサイトメーター(FACSAria,BD Biosciences)を用いる単一細胞ソーティングによりクローニングした。10%のFCS、50U/mlのIL−6、2mMのL−グルタミン、100μMのNEAA、1mMのピルビン酸ナトリウム、および24μM 2−メルカプトエタノールを補充したRPMI−1640中で、細胞クローンを増殖させた。樹立したモノクローナルハイブリドーマ細胞系を後記に従って特異性につき再試験した。
保存のために、ハイブリドーマ細胞系を−80℃の凍結媒体(92.5% FCS,7.5% DMSO)中で凍結容器を用いて凍結させ(冷却速度−1℃/分)(Mr.Frosty,Nalgene)、その後、液体窒素中に保存した。
実施例4:抗イディオタイプ抗体の検出のためのスクリーニングアッセイ
a)ヒト化−抗TWEAK mAbに優先的に結合する抗体の一次スクリーニング
ハイブリドーマ細胞の培養上清中の抗体の特異性を決定するために、組換えストレプトアビジンでプレコートしたMTP(マイクロタイタープレート(microtiter plate))(MicroCoat,ドイツ、ベルンリード)を、100μl/ウェルの、ヒト化−抗TWEAK mAbのビオチニル化F(ab’)フラグメント(250ng/ml)、またはビオチニル化ポリクローナルヒトIgG(2μg/ml)でコートした。抗体をPBS/1.0% BSA II(Roche)中に希釈した。効率的にコートするために、プレートを室温で1時間、それぞれの抗体溶液と共にインキュベートした。その後、プレートを0.9% NaCl/0.05% Tween−20(登録商標)で洗浄した。次の工程で、100μl/ウェルのアッセイすべき抗体溶液(培養上清)を添加し、室温で1時間インキュベートした。0.9% NaCl/0.05% Tween−20(登録商標)で洗浄した後、結合した試料抗体の検出のために、100μl/ウェルの西洋わさびペルオキシダーゼ標識したポリクローナルヒツジ抗マウスFcγ抗体のF(ab’)フラグメント(100ng/ml)を添加した。室温で1時間インキュベートした後、プレートを前記に従って洗浄した。最後に、100μl/ウェルのABTS(登録商標)(Roche)を添加した。室温で30分間のインキュベーション後、吸光度(OD)を405nmおよび492nm[405/492]で測定した。
このスクリーニングにより、ヒト化−抗TWEAK mAbに結合し、かつヒトIgGに対して低い交差反応性を示すにすぎないかまたは示さない抗体が選択された。この選択した抗体にさらにアッセイb)を施した。
b)ヒトIgGに対して最低の交差反応性をもつ抗体の選択
スクリーニングb)の候補からヒトIgGに対して最低の交差反応性をもつものを同定するために、下記のアッセイを実施した。組換えストレプトアビジンでプレコートしたマイクロタイタープレート(MicroCoat)を、前記に従って100μl/ウェルのヒト化−抗TWEAK mAbのビオチニル化F(ab’)フラグメント(250ng/ml,PBS/1.0% BSA II中)でコートした。その後、コートしたプレートを0.9% NaCl/0.05% Tween−20(登録商標)で洗浄した。次の工程で、50μlのそれぞれの候補抗体(培養上清)および50μlのポリクローナルヒトIgG(40mg/mlの最終濃度で)の混合物をウェルに添加した。対照実験において、50μlの候補抗体(培養上清)および50μlの緩衝液の混合物をウェルに添加した。プレートを室温で1時間インキュベートした。0.9% NaCl/0.05% Tween−20(登録商標)で洗浄した後、結合した試料抗体の検出のために、100μl/ウェルの西洋わさびペルオキシダーゼ標識したポリクローナルヒツジ抗マウスFcγ抗体のF(ab’)フラグメント(100ng/ml)を添加した。室温で1時間インキュベートした後、プレートを前記に従って洗浄した。最後に、100μl/ウェルのABTS(登録商標)(Roche Diagnostics GmbH)を添加した。室温で30分間のインキュベーション後、吸光度(OD)を405nmおよび492nm[405/492]で測定した。
ポリクローナルヒトIgGの存在下で最小のアッセイ信号喪失を示す抗体は最低の交差反応性を示し、さらなる評価のために選択された。
c)相互作用分析
種々のネズミ抗イディオタイプmAbとヒト化−抗TWEAK抗体の相互作用の動態および親和性ならびにノーマル−ポリクローナルヒトIgGとの交差反応性を、Biacore分析により評価した。簡単に述べると、抗マウスFcγ抗体でコートしたCM5センサーチップ(GE Healthcare)を用いてネズミ抗イディオタイプmAbをキャプチャーした。ヒト化−抗TWEAK抗体のFabフラグメントを、被検体として下記の濃度で用いた:0.04nM、0.12nM、0.37nM、1.11nM、3.33nMおよび10nM。抗イディオタイプmAbとノーマル−ヒトIgGとの交差反応性を評価するために、1000nMのポリクローナルヒトIgG溶液を被検体として用いた。すべての実験を37℃でBiacore A100システム(GE Healthcare)を用いて実施した;会合および解離を、それぞれ180秒間または300秒間記録した。最高の親和性をもちかつノーマル−ヒトIgGとの検出可能な交差反応性をもたない抗体を、さらに使用するために選択した。
Figure 0006446044
表3は、種々のネズミ抗イディオタイプmAb(クローンNo. anti−Id mAb)とヒト化−抗TWEAK抗体との相互作用の動態および親和性ならびにノーマル−ポリクローナルヒトIgGとの交差反応性(交差反応性 ヒトIgG)を示す。
実施例5:可溶性TWEAK(10.180.003−IgG−Bi/11.226.001−IgG−Ru)の検出
ヒト血清または血漿試料中のTWEAKを特異的に測定するための電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)を、cobas(登録商標) 分析計e411を用いて開発した。
cobas(登録商標) TWEAKイムノアッセイは、サンドイッチ原理により機能する電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)である。このアッセイには2種類の抗体−ビオチニル化モノクローナル抗体10.180.003−IgG−Bi(キャプチャー抗体)およびルテニウム化モノクローナル抗TWEAK抗体11.226.001−IgG−Ru(検出抗体)−が含まれ、それらが試料中のTWEAKとサンドイッチイムノアッセイ複合体を形成する。これらの複合体を、次いで固相ストレプトアビジンコートしたマイクロ粒子に結合させる。マイクロ粒子は電極の表面に磁気キャプチャーされ、電極に電圧を印加すると化学発光が誘発され、それを読出しのための光電子増倍管により測定する。結果を計器特異的検量曲線により判定する。総TWEAKの検出のために、抗イディオタイプモノクローナル抗体(MAK<ID<<TWEAK>5.38.37−IgG)を用いる。この抗体を試料と共にcobas(登録商標) 分析計e411上でインキュベートした後、サンドイッチモノクローナル抗体(10.180.003−IgG−Bi−11.226.001−IgG−Ru)を添加する。
cobas(登録商標) 分析計e411操作マニュアルの記載に従ってアッセイを適用し、総TWEAKの検出のために35μlの試料を、反応緩衝液中35mg/mlのMAK<ID<<TWEAK>5.38.37−IgGを含有する35μlの試薬1(R1)と共に36分間インキュベートする。遊離TWEAKの検出のためには、抗IDモノクローナル抗体MAK<ID<<TWEAK>5.38.37−IgGを含まない同じ緩衝液R1を用いる。混合物を次いで、同じ緩衝液中に0.68μg/mlのビオチニル化10.180.003−IgG−Biおよび0.68g/mlのルテニウム化11.226.001−IgG−Ruを含有する95μlの試薬2(R2)ならびに35μlのマイクロ粒子懸濁液と共に、9分間インキュベートする。インキュベーション中に、マイクロ粒子に結合した抗体−被検体−抗体サンドイッチが形成される。最後に、信号の発生および読出しのためにマイクロ粒子をcobas(登録商標) 分析計e411の検出チャンバーへ移す。検量のために、種々の濃度の組換えTWEAK(PeproTech)(0ng/ml、0.037ng/ml、0.111ng/ml、0.333ng/ml、1ng/mlおよび3ng/ml)を含む一連のキャリブレーターを、検量マトリックス(50mM Tris/HCl;25mM L−Asn;pH7.5)中に調製する。検量曲線の方程式を非線形最小二乗曲線フィッティング(RCM−Rodbard)により計算して、信号読出しを対応する濃度値に換算するために用いた。
実施例6:総TWEAKの検出
薬物の存在の影響を評価するために、5ng/mlの組換え(rec.)TWEAK(結果を図2に示す)および2つの天然試料(結果を図3に示す)を含む人工マトリックス(EKM)それぞれに、515μg/mlの薬物をスパイクした。抗イディオタイプ抗体を含まない(w/o)試料と大過剰の抗イディオタイプ抗体(M−2.38.37)を含む試料を比較した。
療法抗体を含有する試料には検出可能な信号はないが、抗イディオタイプ抗体の添加により、療法抗体を含まない試料のレベルまで信号を回復させることができる。これは、スパイクしたバッファーおよびスパイクした血清試料について当てはまる。これは、単一の試料チューブから1回の試験で遊離および総ターゲットを決定するのが可能である(療法抗体の事前結合とは無関係に)ことを意味する。

Claims (14)

  1. それの結合部位で被検体に結合できる結合分子の存在下で被検体の総量および/または総濃度を決定するための in vitro 方法であって、下記の工程を含む方法:
    (i)被検体および結合分子を含む試料を
    −結合分子の結合部位を指向するトラッピング分子、および
    −被検体との複合体を形成できる検出分子
    と接触させる;そして
    (ii)検出分子−被検体複合体を検出し、それにより被検体の総量および/または総濃度を決定する;
    その際、検出分子は結合分子とは異なり、かつ
    その際、被検体はトラッピング分子とは異なり、かつ
    その際、検出分子は被検体が結合分子により結合されていない場合にのみ被検体との複合体を形成でき、
    前記トラッピング分子が、抗体もしくは抗体の機能活性部分、または受容体もしくは受容体フラグメントである。
  2. トラッピング分子が結合分子からの被検体の本質的に完全な解放を容易にし、ここで、本質的に完全な解放は、請求項1の工程(i)の後に結合分子に結合している被検体分子が試料中の10%未満であることを意味する、請求項1に記載の方法。
  3. − K(トラッピング分子)/K(結合分子)は、少なくとも3、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10である;および/または
    − Conc(トラッピング分子)/Conc(結合分子)は、少なくとも3、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10である;および/または
    − (K(トラッピング分子)/K(結合分子))×(Conc(トラッピング分子)/Conc(結合分子))は、少なくとも3、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10である;および/または
    − (K(トラッピング分子)/K(結合分子))×(Conc(トラッピング分子)/Conc(結合分子))×(MR(トラッピング分子)/MR(結合分子))は、少なくとも3、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10である;
    その際、K(トラッピング分子)は結合分子に対するトラッピング分子の親和性であり、K(結合分子)は被検体に対する結合分子の親和性であり、かつ
    その際、Conc(トラッピング分子)およびConc(結合分子)はそれぞれ、工程i)におけるトラッピング分子および結合分子のモル濃度であり、特にConc(結合分子)は1〜5μmol/lの範囲であり、および/またはConc(トラッピング分子)は3(1〜5)μmol/lの範囲であり、かつ
    その際、MR(トラッピング分子)は結合分子への結合についてのトラッピング分子の結合原子価であり、MR(結合分子)は被検体への結合についての結合分子の結合原子価である、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. −被検体への結合についての検出分子の親和性は、少なくとも10(mol/l)−1、より好ましくは少なくとも10(mol/l)−1、よりさらに好ましくは少なくとも1010(mol/l)−1である;および/または
    −結合分子への結合についてのトラッピング分子の親和性は、少なくとも5×10(mol/l)−1、より好ましくは少なくとも1010(mol/l)−1である;および/または
    −検出分子のモル濃度は、試料中の結合分子のモル濃度の最大で5%、好ましくは最大で3%、より好ましくは最大で1%、よりさらに好ましくは最大で0.5%、最も好ましくは最大で0.1%である;
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 検出分子−被検体複合体の検出を非競合アッセイ、特にサンドイッチアッセイで実施し、殊にサンドイッチアッセイは被検体に結合できるキャプチャー分子を使用し、
    その際、
    −キャプチャー分子は固定化のための手段を保有し、
    −検出分子とキャプチャー分子は被検体上のオーバーラップしない異なるエピトープに結合する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. −結合分子は、抗体もしくはその機能活性部分であるか、もしくはそれを含む;および/または
    −トラッピング分子は、結合分子の抗原結合部位を指向する抗イディオタイプ抗体もしくはその機能活性部分であるか、もしくはそれを含む;および/または
    −検出分子は、抗体もしくはその機能活性部分であるか、もしくはそれを含む;および/または
    −キャプチャー分子は、抗体もしくはその機能活性部分であるか、もしくはそれを含む;
    特に、その際、トラッピング分子、結合分子、検出分子およびキャプチャー分子はそれぞれ抗体もしくはその機能活性部分であるか、もしくはそれを含む、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. −結合分子は、抗体、抗体の機能活性部分、受容体もしくは受容体フラグメント、特に療法活性抗体、抗体の療法活性−機能活性部分、または療法活性受容体、もしくは療法活性受容体フラグメントであるか、またはそれを含む;ならびに/あるいは
    −被検体は、化学物質、好ましくはホルモン、ペプチドもしくはタンパク質、動物もしくはヒトの血中を循環している分子、またはバイオマーカー、特に腫瘍マーカーである;ならびに/あるいは
    −検出分子は、検出可能な標識化のための手段、特に直接検出もしくは間接検出のための手段を保有する;
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 被検体がタンパク質であり、および/または試料中のタンパク質が変性もしくは不可逆的変性していない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. −工程(i)の後に洗浄工程を実施するか、または
    −工程(i)の後に洗浄工程を実施しない、
    好ましくは、工程(i)の後に洗浄工程を実施しない、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. −試料が液体、特に水性液体、血液もしくは血清である;および/または
    −試料、特に血液もしくは血清中の被検体の濃度が、1pg/ml〜20μg/ml、好ましくは1ng/ml〜10μg/mlの範囲である;および/または
    −結合分子、特に療法薬もしくは診断薬が、その試料を入手した対象に投与されたものである;
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. i)工程(i)を請求項1〜10のいずれか1項の記載に従って実施する;
    ii)工程(ii)を請求項1〜10のいずれか1項の記載に従って実施する;
    iii)さらに、−トラッピング分子の非存在下で−試料中の結合分子に結合していない遊離被検体の量および/または濃度を決定し、場合により、試料中の結合分子に結合している被検体の量および/または濃度および/または比率を決定する;
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. −被検体の総量および/または総濃度は、患者の疾患の非存在、存在および/または重症度の指標となる、ならびに/あるいは
    −特に患者が結合分子で処置されていた場合、総量および/または総濃度は処置に対する患者の療法応答の指標となる、ならびに/あるいは
    −試料中の結合分子に結合した被検体の量および/または濃度および/または比率は、患者の疾患の非存在、存在および/または重症度の指標となり、ならびに/あるいは特に患者がその結合分子で処置されていた場合、処置に対する患者の療法応答の指標となる、ならびに/あるいは
    −その方法を、特に癌療法において、療法をモニタリングするために使用する、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 被検体に結合できる結合分子をさらに含む試料中の被検体の総量および/または総濃度を決定するのに適した、下記のものを含むキットまたは組成物:
    a)被検体との複合体を形成できる検出分子;および
    b)結合分子の結合部位を指向するトラッピング分子;および
    c)被検体;および
    d)被検体に結合できる結合分子;および
    e)場合により、被検体の固定化のための手段を保有するキャプチャー分子;
    その際、検出分子は結合分子とは異なり、かつ
    その際、被検体はトラッピング分子とは異なり、かつ
    その際、検出分子は被検体が結合分子により結合されていない場合にのみ被検体との複合体を形成でき、
    前記トラッピング分子が、抗体もしくは抗体の機能活性部分、または受容体もしくは受容体フラグメントであり、
    特にその際、キットまたは組成物は請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法に使用するのに適している。
  14. 被検体に結合できる結合分子をさらに含む試料中の被検体の総量および/または総濃度を決定するのに適した、下記のものを含むキットまたは組成物の使用であって、
    −請求項1〜12のいずれか1項に記載のいずれかの方法における使用;ならびに/あるいは
    −試料中の被検体の総量および/または総濃度を決定するための使用;好ましくは、その際、被検体はバイオマーカーであり、および/または試料は血液もしくは血清である;ならびに/あるいは
    −処置に対する患者の療法応答を決定するための使用;特にその際、患者は結合分子で処置され、
    前記キットまたは組成物が、
    a)被検体との複合体を形成できる検出分子;および
    b)結合分子の結合部位を指向するトラッピング分子;および
    c)場合により、被検体;および
    d)場合により、被検体に結合できる結合分子;および
    e)場合により、被検体の固定化のための手段を保有するキャプチャー分子;
    を含み、
    その際、検出分子は結合分子とは異なり、かつ
    その際、被検体はトラッピング分子とは異なり、かつ
    その際、検出分子は被検体が結合分子により結合されていない場合にのみ被検体との複
    合体を形成でき、
    前記トラッピング分子が、抗体もしくは抗体の機能活性部分、または受容体もしくは受容体フラグメントである、
    前記使用。
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