JP6445639B2 - 空調制御システムおよび空調制御装置 - Google Patents

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本発明の実施形態は、ビルなどの建物に設けられる空調設備を制御する技術に関する。
次世代のインテリジェントビルなどでは、センサを活用して把握した現況(人間の分布、在/不在、活動量など)に基づいて空調を制御することが行われている。例えば、人間の在/不在、人間の存在頻度、生活区分に基づいて、隣接エリアへの熱の流出を加味した空調制御を行う技術が知られている。あるいは、暑がり/寒がりといった各人の好みと在/不在の情報とを活用し、人物の好みに合わせて空調を制御する技術が知られている。
特開2009−186136号公報 特開2004−101048号公報 特許第4852159号公報
既存の技術では、ビル全体を単一の制御モードで制御することしかできず、選択の余地が極めて少ない。特に、省エネと快適性とのバランスを調整することが非常に困難であり、近年の社会的ニーズを満たすことが難しい。また、制御が大雑把なので対象エリア内における温度分布が意図したものにならないことが多い。さらに、空調制御に活用し得る情報が限られているので、ビルの利用状況、あるいは壁や窓の位置などの環境状況に対応して空調を制御することが困難である。
目的は、空調をきめ細かに制御することができ、省エネと快適性とのバランスをとり易くした空調制御システムおよび空調制御装置を提供することにある。
実施形態によれば、ビル内の複数の制御対象エリアの空調制御を行なう空調制御システムにおいて、前記複数の制御対象エリアをセンシングしてセンシングデータを取得するセンサ部と、前記センサ部により取得されたセンシングデータ及び指定された制御モードに基づいて、前記複数の制御対象エリアの制御レベルを出力する空調制御装置と、前記制御レベルは、前記複数の制御対象エリアの各々の空調の強さを示し、前記空調制御装置からの制御レベルに基づいて、前記複数の制御対象エリアの空調制御を行なう制御装置とを具備し、前記空調制御装置は、前記センサ部により取得された前記センシングデータに基づいて前記ビル内の複数の制御対象エリアの各々の人間の動態情報を検知する動態検知部と、複数の制御モードを記憶する制御モード記憶部と、前記複数の制御モードの各々は、前記複数の制御対象エリアの動態情報に基づく前記複数の制御対象エリアの制御条件と、前記複数の制御対象エリアの制御条件に対応する前記複数の制御対象エリアの制御レベルとを有し、前記制御条件は、前記複数の制御対象エリアの各々の動態情報を示し、前記検知された前記複数の制御対象エリアの動態情報と、前記指定された前記制御モードとに基づいて、前記制御モード記憶部に記憶された制御レベルを決定する制御レベル決定部と、前記決定された制御レベルを出力する出力部とを具備し、前記制御モードは、前記ビル内の複数の制御対象エリア毎に設定され、前記複数の制御対象エリアの制御レベルは時間的に変化する、空調制御システム、である。
図1は、実施形態に係る空調制御システムの一例を示すブロック図である。 図2は、空調制御装置1により制御されるエリアの一例を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係わる空調制御装置1の一例を示す機能ブロック図である。 図4は、パーソナル空調を備えるフロア環境の一例を示す図である。 図5は、全体空調を備えるフロア環境の一例を示す図である。 図6は、制御モードについて説明するための図である。 図7は、制御レベル算出部30により算出された制御レベルの一例を示す図である。 図8は、制御条件の一例を示す図である。 図9は、制御レベルの算出に係わる処理手順の一例を示すフローチャートである。 図10は、制御条件に対する制御レベルのパタンの一例を示す図である。 図11は、制御条件に対する制御レベルのパタンの他の例を示す図である。 図12は、制御モードを視覚的に表示するユーザインタフェースの一例を示す図である。 図13は、制御モードを設定するためのGUIの一例を示す図である。 図14は、制御モードを自動的に作成する手順の一例を示すフローチャートである。 図15は、第2の実施形態に係わる空調制御装置1の一例を示す機能ブロック図である。 図16は、場所ごとの制御モードを表示するためのGUIの一例を示す図である。 図17は、第3の実施形態に係わる空調制御装置1の一例を示す機能ブロック図である。 図18は、シミュレータ110による空調シミュレーションの結果を示すGUIウインドウの一例を示す図である。
図1は、実施形態に係る空調制御システムの一例を示すブロック図である。このシステムは空調制御装置1を備える。空調制御装置1は、入力制御部2、プロセッサ3、記憶装置4、および出力制御部5を具備する。プロセッサ3は、記憶装置4に記憶されるプログラム6を実行することで実施形態に係わる機能を実現する。
空調制御装置1は、画像センサ9、赤外線センサ8、レーザセンサ11、計測用の機器121〜12n、ビルディングオートメーションシステム(BAS:ビル監視システム)13、および環境マネジメントシステム(EMS)14に接続される。さらに、空調制御装置1は、出力装置15、および制御対象の機器(ファシリティ)251〜25mと接続される。
画像センサ9は、例えば、カメラ、撮影装置、可視カメラなどである。赤外線センサ8は、例えば、赤外線カメラなどである。レーザセンサ11は、レーザ光を計測する。レーザセンサ11は、例えば、レーザカメラである。
機器121〜12nは、例えば、温度計、湿度計、照度計、電力計などのような物理的なセンサ、あるいはその他の機器である。機器121〜12nは、温度、湿度、照度、電力情報、天候情報、スケジュール情報などを取得する。ビルディングオートメーションシステム13は、建築物内の空調、熱源、照明、受変電、防災、セキュリティなどを制御、監視、管理する。環境マネジメントシステム14は、空調制御エリア(以下、エリアと称する)の環境を管理する。機器251〜25mは、例えば空調機器、照明機器、ブラインド駆動機器、カーテン駆動機器などの、エリアに設置される制御対象の機器である。
入力制御部2は、画像センサ9、赤外線センサ8、レーザセンサ11(以下、センサ部Sと総称する)によりそれぞれ取得された画像データ16、赤外画像データ(赤外計測データ)17、レーザ画像データ(レーザ計測データ)18を記憶装置4に記憶させる。これらのデータはセンシングデータと総称される。
また、入力制御部2は、機器121〜12nにより取得された機器データ191〜19nを記憶装置4に記憶させる。さらに、入力制御部2は、ビルディングオートメーションシステム13のBASデータ22、環境マネジメントシステム14のEMSデータ21を取得し、記憶装置4に記憶させる。
なお、画像センサ9、赤外線センサ8、レーザセンサ11により取得された全てのデータを用いて画像解析を行っても良いし、一部のセンサで取得されたデータを用いても良い。またセンサ部Sは、必要とされるデータの種別に応じて画像センサ9、赤外線センサ10、レーザセンサ11のうちのいずれか1つ以上のセンサを備えれば良い。また、画像センサ9、赤外線センサ8、レーザセンサ11のうちのいずれか一以上の種類について2台以上のセンサが設置されるとしてもよい。また、サーモセンサなどの他のセンサによって取得されたデータを画像解析に使用してもよい。
出力制御部5は、記憶装置4に記憶される各種データを出力装置15に出力する。また、出力制御部5は、記憶装置4に記憶される制御データを機器251〜25mに出力する。出力装置15は、例えば、表示装置、音出力装置、通信装置などであり、各種データを表示し、音出力し、送信したりする。機器251〜25mは、制御データに基づいて動作する。機器251〜25mは、例えば、空調機器、照明機器、ブラインド駆動機器などである。
図2は、空調制御装置1により制御されるエリアの一例を示す図である。画像センサ91はエリア281に設置され、画像センサ92はエリア282に設置される。画像センサ91,92は例えばオフィスの天井や屋外に設置され、オフィス内を撮影する。画像センサ91,92は、可視カメラ、赤外カメラなどでもよい。画像センサ91,92により取得された画像データ16は、入力制御部2を介して空調制御装置1に取り込まれる。
空調制御装置1は、画像データ16を画像処理して人間情報、あるいは環境情報を算出する。人間情報は、例えば、エリアにおける人間の有無、人間の人数、人間の分布・密度、人間の活動量(単位METs)、人間の着衣量、人間の属性(氏名、性別、体格、身長、年齢など)、人間の姿勢(立位、座位など)、人間の行動状態(事務作業中、移動中、会話中など)、エリアに滞在している人間個人の特定情報などを含む。
環境情報は、例えば、照度、日射量、ブラインド開閉量、太陽光の入射状態などの光情報、オフィス機器の有無、位置、個数、オフィスの出入口、窓の位置及び数、通路の位置などのレイアウト情報、熱源及び電力消費機器の位置及び数、天候情報などを含む。
空調制御装置1は、例えば人間情報に基づいて、エリア281,282に滞在する個人を特定する。また空調制御装置1は、人間情報に基づいて個人の状態(暑がっている、寒がっているなど)、行動(デスク作業中、立ち話中、歩行中など)を特定する。空調制御装置1は、特定されたこれらの情報、および、記憶装置4に予め記憶される制御設定データなどに基づいて、各個人の属性、状態、行動、好みに応じて機器251〜25mを制御するための制御データ27を作成する。
ここで、制御設定データは、人間の個人に対するユーザ情報、個人の属性データ、個人の快適状態情報を含む。また、制御設定データは、人間の行動状態(暑がっている動作、寒がっている動作、デスク作業中、立ち話中、歩行中)に対して、対応する制御値を含む。そして、作成された制御データ27は、出力制御部5を介して制御対象の機器251〜25mに送信される。次に、上記構成を基礎として複数の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図3は、第1の実施形態に係わる空調制御装置1の一例を示す機能ブロック図である。第1の実施形態において、空調制御装置1のプロセッサ3は動態検知部10、制御モード設定部70、個人認証部80、制御レベル算出部30、出力部40、および制御モード表示部60を備える。また、記憶装置4は図1に示されるデータに加え、制御モード20、およびビル情報50をメモリ領域に記憶する。
プロセッサ3は、記憶装置4に記憶されるプログラム6を実行することで動態検知部10、制御モード設定部70、個人認証部80、制御レベル算出部30、出力部40、および制御モード表示部60として機能する。なお、動態検知部10、制御モード設定部70、個人認証部80、制御レベル算出部30、出力部40、および制御モード表示部60はハードウェアにより空調制御装置1に実装されることも可能である。
図3において、動態検知部10は、例えばセンサ部Sの画像センサや可視光カメラにより取得された画像データ(センシングデータ)を解析し、対象空間における人間の動態(動態情報)を検知する。動態(dynamic state)情報は、例えばビル内の場所(エリア)ごとの人間の在/不在、人数、活動量などを示す情報である。このほか、個人の好みなどの情報も動態情報の一つとして利用可能である。
制御レベル算出部30は、動態検知部10により検知された動態情報、記憶装置4に記憶される制御モード20、およびビル情報50に基づいて、エリアごとの空調の制御レベルを算出する。算出された制御レベルは出力部40に渡される。出力部40は、制御レベル算出部30により算出された空調の制御レベルを制御モード表示部60、およびモニタなどのディスプレイデバイス(図示せず)、あるいはBEMS(Building Energy Management System)などの外部システムにも制御レベルを出力する。
制御モード表示部60は、出力部40から取得した制御レベルに基づいて、時刻ごと、部屋ごと、エリアごと、あるいは席ごとなどの制御モードを視覚的に表示する。制御モードは、例えば『省エネ重視』あるいは『快適性重視』といった言葉で表示され、これにより判りやすい表現でユーザに提示されることができる。あるいは省エネ指標値や、快適性指標値などを表示することでも、判りやすい表現でユーザに提示することが可能である。
出力部40から制御レベルを取得したBEMSは、この取得した空調の制御レベルを具体的な設定値(数値)に変換する。例えば夏季においては、BEMSは制御レベルの“強”を設定温度を26°Cとし、“中”を27°Cとし、“弱”を28°Cとする。
制御モード設定部70は、ユーザが制御モードを選択するためのGUI(Graphical User Interface)環境を提供する。個人認証部80は、ビル内に居る個々の人間が誰であるかを、ID、あるいは従業員番号などに基づいて認識する。その結果は制御レベル算出部30に与えられる。
個人を認識する方法としては、可視光カメラで撮影された人間の顔画像を活用する方法や、人間に持たせたRFIDタグを活用する方法、あるいは、入退室管理装置を活用する方法など、いずれも既知の技術を用いることができる。
次に、上記構成における作用を詳しく説明する。先ず、動態検知部10による動態情報の検出ついて図4および図5を参照して説明する。以下では、ビルのフロア環境に応じて異なる動態情報が検出されることが示される。
図4は、パーソナル空調を備えるフロア環境の一例を示す図である。パーソナル空調は、例えば座席ごとに個別のタスク空調の吹出口を備える空調方式である。例えば図4(a)に示されるように、図中破線で区切られたエリアごとに設けられる空調機吹出口を個別に稼動させて、パーソナル空調が実現される。図4(b)は、エリアごとの在/不在の検知結果を示す。図4(c)はエリアごとの活動量の検知結果を示す。
動態検知部10は、例えば、予め撮影された人間不在の画像と、検知のタイミングで撮影した画像とを比較し、画像上に変化があれば人間の在を判断するという、既知の方法により人間の在/不在を検知することができる。この方法では1つの可視光カメラに対して複数の検知領域を設定できるので、在/不在を座席ごとに検知することもできる。
活動量についても、可視光カメラを用いた既知の方法により求めることができる。このほか赤外線人感センサや赤外線アレイセンサを用いた方法でも活動量を求めることができる。
上述したように、動態情報に、人物の好みを示す情報を含めることもできる。例えば、記憶装置4に予め記憶した座席ごとの人物の好み情報(暑がり、寒がりなど)と、座席ごとの在/不在とを照合して、動態検知部10は、エリアごとの暑がりの人数、寒がりの人数などを算出することができる。
図5は、全体空調を備えるフロア環境の一例を示す図である。全体空調は、例えば複数の座席を含むエリアごとの空調を制御する方式である。この方式においても、動態検知部10は、エリアごとの在/不在、活動量などを検知することができる。
1つのエリア内に複数の人間が存在する場合には、その人数を検知して動態情報に加えても良い。人数は様々な手法により検知できる。例えばエリアを座席ごとに設定し、既知の方法で人間が在のエリアの数をカウントすれば、カウント値を人数として置き換えることができる。図5(b)は、エリアごとの在/不在の検知結果を示す。図5(c)はエリアごとの人数の検知結果を示す。図5(d)はエリアごとの活動量の検知結果を示す。
次に、制御モードについて説明する。
図6は、制御モードについて説明するための図である。制御モードは、動態検知部10により得られる人間の動態情報に対して空調の強さを示す制御レベルの算出パタンを表現するデータである。
図6は、制御モード1および制御モード2の、2つの制御モードを示す。説明を簡潔にするためこの例では、9つ(3×3)のエリアにおける人間の分布を制御条件として考える。各エリアが在/不在のいずれかとなる組み合わせの総数は2=512通りである。
つまり図6の例では、人間の動態パタンは512通り存在する。
制御モードは、それぞれの動態情報に対する空調の制御レベルのパタンを示す。そして、複数の制御モードが記憶装置4(図3)に制御モード20として記憶される。実施形態においては制御レベルを、例えば強、中、弱で表現される空調の強さで表現する。もちろん、具体的な数値で制御レベルを表現することもできる。さらに、空間の分割の仕方も3×3エリアに限らず、例えば5×5エリアや、3×5エリアなども可能である。
例えば、左上のエリアだけが在である制御条件に対して、制御モード1の制御レベルパタンによればそのエリアの制御レベルだけが“強”になる(図6(a))。一方、同じ制御条件に対して制御モード2の制御レベルパタンによれば、左上のエリアの制御レベルが“強”、その縦および横に隣接するエリアの制御レベルが“弱”になる(図6(b))。
このほかありとあらゆる制御レベルパタンを定義することが可能であり、異なる制御パタンの集合が、制御モード20として記憶装置4に記憶される。
次に、制御レベルについて説明する。
図7は、制御レベル算出部30により算出された制御レベルの一例を示す図である。動態検知部10により、例えば図7(a)に示される動態情報が検知されたとする。図7(a)の空調ゾーンを図7(b)の太線に示されるように区分けし、例えば制御モード2(図6(b))を適用することにより、図7(c)に示される制御レベルのパタンが算出される。
次にビル情報50について説明する。記憶装置4(図3)に記憶されるビル情報50は、例えば、ビルにおける壁の位置、窓の位置、エリアの用途などが記録されるデータベースである。要するにビル情報50は、ビルの構造的情報を示す情報である。ビル情報50は、例えばビルの設計情報を参照して、オペレータのマニュアルでの入力操作により作成されてもよい。あるいは、ビル情報50は、センシングデータに基づく自動認識処理により作成されても良い。
例えば既知の技術により、可視光カメラで撮影された画像を画像処理して壁や窓を認識することができ、この種の技術を用いてビル情報50を自動的に作成することができる。
ビル情報50として、空調制御システム1の稼動開始時のデータが継続的に使用されても良い。あるいは、ビル情報50は、空調制御システム1の稼動中に実施される自動認識処理の結果に基づいて、例えば定期的に更新されても良い。例えば、床から天井までの高さのパーティション(部屋の区切りとして使用される)のレイアウトが変わったときや、事務所の一部が会議スペースに変更されたときなどに自動認識処理を実施し、ビル情報50を更新しても良い。
自動認識処理は、例えば動態検知部10の機能としてインプリメントされることができる。すなわち、可視光カメラからの画像データに基づいて人間の動態を検知する機能により、壁や窓を認識することも可能である。もちろん、他のセンサにより得られた画像データを利用しても良いし、複数の認識機能を組み合わせてもよい。
次に、図6などに示される制御条件について詳しく説明する。実施形態では、空調の制御パタンを算出するために使用可能な情報の組み合わせを、制御条件と称することにする。制御条件は、制御パタンを算出するための前提条件である。また、制御条件が同じであっても異なる制御モードのもとでは異なる制御パタンが算出される。
簡単のために、図6、図7では在/不在で示される動態情報だけを考慮して説明した。しかし制御条件は、動態情報だけでなく他の情報との組み合わせであってもよい。例えば人間の動態情報と、ビル情報50との組み合わせを制御条件とすることもできる。
動態情報の一例を以下に示す。
・ 在/不在
・ 人数 :1人、2人、…、1人〜5人、6人〜10人、10人〜、など
・ 活動量 :大・中・小、座位・立位、など
・ 好み :暑がりの人数、寒がりの人数、暑がりの人数−寒がりの人数、など
ビル情報の一例を以下に示す。
・ 壁の位置
・ 窓の位置
・ エリアの用途
以上のような情報の組み合わせを制御条件とすることができる。例えば3×3エリアにおける制御条件の一例が図8に示される。
図8は、制御条件の一例を示す図である。図8(a)に示されるパーソナル空調では、それぞれの座席における人間の在/不在、活動量、好み、および壁、窓の位置情報が制御条件に含まれる。図8(b)に示される全体空調では、図8(a)の3×3エリアを1つの大エリアにまとめた例が示され、人数の情報が加わっている。
次に、制御レベルの算出に係わる処理手順について説明する。
図9は、制御レベルの算出に係わる処理手順の一例を示すフローチャートである。図9において、動態検知部10は、センサ部Sなどで取得された画像データを解析して人間の動態情報を取得する(ステップ200)。制御レベル算出部30は、この動態情報を取得し、また、必要に応じてビル情報50からビル情報を取得する(ステップ210)。次に制御レベル算出部30は、取得した情報を組み合わせて制御条件を作成する(ステップ220)。
制御条件が作成されると、制御レベル算出部30は制御モード20を参照し、制御条件に対応する制御レベルを算出する(ステップ230)。算出された制御レベルは、出力部40により、モニタなどの表示装置やBEMSに出力される(ステップ240)。
次に、制御モードについて詳しく説明する。
図10は、制御条件に対する制御レベルのパタンの一例を示す図である。図10(a)に示される制御条件に対し、例えば図10(b)〜(f)に示されるようなパタンの制御レベルを考えることができる。(b)に示されるように、在エリアに対する強、中、弱の制御レベルのバリエーションが考えられる。(b)に示されるような単純なパタンによればビル利用者にとって理解し易い制御を実現することができる。このような単純なパタンのほか、制御レベルを場所によって変えたり(ゾーニング)、制御レベルの時間変化、あるいはそれらの組み合わせなどがあり得る。
(d)に示されるパタンは制御レベルが時間的に(サイクリックに)変化することを示す。例えば制御レベルを強から弱に変化させると、電力消費量を少なくして省エネ効果を得ることができる。また、例えば10分程度の間隔で制御レベル変化させても人物には気付かれにくい。つまり快適性は下がりにくい。そこで、制御レベルを周期的に変化させることで快適性をできるだけ保持しつつ省エネできる可能性がある。
(c)および(e)に示されるパタンはゾーニングを考慮したものである。単純に人物の居るエリア(在エリア)の空調だけを動作させると、そのエリアの空調だけが過剰に作用する(熱が隣接エリアに逃げる分、常に強く動作する)ので不快感のもたらされるケースが多い。そこで(c)および(e)に示されるようにゾーニングを考慮することで、このような不具合を解決することができる。さらに(f)に示されるパタンは、ゾーニングおよび時間変化の両方の特徴を兼ね備える。図11は制御条件に対する制御レベルのパタンの他の例を示し、図10と同様に、1つの制御条件(a)に対して多様な制御レベルのパタンのあることが示される。
このように、複数の制御条件ごとに様々な制御レベルのパタンがあり得る。様々な制御条件に対する制御レベルのパタンの組み合わせを、実施形態では制御モードと称する。
省エネに有利な制御モード、あるいは、快適性に有利な制御モードなど、各制御モードは固有の特徴を有する。これらの特徴を『省エネ重視』、あるいは『快適性重視』などのように言葉で表現することでユーザにとって判りやすいインタフェースを実現できる。もちろん、省エネ指標値や快適指標値により、各制御モードの特徴を数値で示しても良い。
なお、図10、図11には制御条件として人間の在/不在のみが示される。このほか人間の活動量、好み、人数、壁の位置、窓の位置、あるいはエリアの用途などの他の制御条件に対しても様々な制御レベルのパタンがあり得る。以下に詳しく説明する。
(活動量)
活動量が高いほど人間の発熱量は高くなる。活動量の高いエリアの空調レベルを活動量の低いエリアよりも強くすることで、快適性を向上させることができる。ただし活動量の高さに反比例して省エネの指標は低下する。なお、エリア内に活動量が異なる人間が混在するケースでは、エリアの活動量として例えば個々の活動量の平均、最大値、あるいは最小値などが用いられる。
(好み)
夏場では暑がりの人が多いほど、冬場では寒がりの人が多いほど、快適性を高めるには空調レベルを強くしなくてはならず、省エネの指標は低下する。一方、夏場では寒がりの人が多いほど、冬場では暑がりの人が多いほど、空調レベルを弱くしても快適性を保つことができ、省エネの指標も向上する。
なお、エリア内に暑がりの人と寒がりの人とが混在するケースでは、例えば(暑がりの人数−寒がりの人数)を計算し、その値を、エリアとしての暑がりの度合いとして用いてもよい。あるいは、例えば省エネの観点から、夏場は寒がり優先、冬場は暑がり優先、などのようにルールを決めても良い。
(人数)
エリアの人数が多いほどエリア内の発熱量が高くなり、快適性の損なわれる可能性が高くなる。人数の少ないエリアよりも人数の多いエリアの空調レベルを強くすることで、快適性を向上させることができる。ただし、人数に反比例して省エネの指標は低下する。
(壁の位置)
熱の流動は壁の位置に依存する。例えば、或るエリアを囲む4辺のうち2辺が壁であれば、壁がなく隣接する2つのエリアに熱が大きく流出する。このことを考慮し、例えば全ての4辺が壁無しのエリアの制御レベルを強とし、隣接エリアの制御レベルを中とすると良い。また、2辺が壁のエリアについてはその隣接エリアの制御レベルを弱とすると良い
。このような制御により、より正確な快適性を求めることができ、さらに省エネ指標も向上する可能性がある。このように、特にゾーニングを行う場合に、壁の位置を考慮することは有用である。
(窓の位置)
屋外との境に窓があると、この窓から日光が差し込むことで熱も流入してくる。窓に隣接するエリアにおいては、夏場には空調レベルを高め、冬場には空調レベルを低めにすることで、快適性を向上できる可能性がある。また、窓に隣接するエリアにおいて、人間が不在でも空調を動作させることにより屋外から流入する熱を拡散し、近辺エリアの快適性を向上させられる可能性がある。
(エリアの用途)
オフィスビルにおいて、エリアの用途に応じて制御モードを変えることは有用である。例えば一般従業員の事務エリアを省エネ重視とし、重役の事務エリアを快適性重視とし、ゲストの入る会議室を快適性重視とするなど、きめ細かい空調制御を行うことができる。
図12は、制御モードを視覚的に表示するユーザインタフェースの一例を示す図である。図12(a)は省エネ重視の制御モードの例を示し、図12(b)は快適性重視の制御モードの例を示す。制御条件に対する制御レベルパタンが、制御モードごとに例えばリスト状に表示される。それぞれの制御モードには、省エネ指標値、および快適指標値が例えば付記される。
図13は、制御モードを設定するためのGUIの一例を示す図である。制御モード設定部70は例えば図13に示されるウインドウをモニタ画面に表示する。ユーザはこのウインドウを用いて、時刻ごと、部屋ごと、エリアごと、あるいは席ごとなどの条件を指定し、指定した対象に当てはめたい制御モードを選択することができる。
GUIウインドウの左カラムには例えばオフィス平面図が表示され、ユーザは四角い枠(太線)を移動させて制御モードの設定範囲を指定する。また上部のバーに時刻範囲が示され、ユーザはこの部分をクリックして設定時刻を指定する。このようにして指定された設定対象に対し、右カラムに表示される制御モード一覧から任意の制御モードを設定することができる。
特に、設定の対象になる制御モードは1、2、…のように通し番号で区別され、例えば番号の小さいものから順に快適性の度合いが高くなる。番号が増えるほどに、制御モードの特徴は快適性から例えば省エネの度合いが高くなる。図13のウインドウに表示されるオフィス平面図を参照すると、書庫やエレベータなどの共用部は省エネ重視(制御モード10)、執務エリアは快適性重視(制御モード1)の設定がそれぞれなされていることがわかる。
次に、制御モードの作成について説明する。制御モードは経験値などに基づいて、人間による手入力操作により作成することができる。また、マシンパワーを利用して制御モードの作成を自動化することも可能である。以下に、空調制御装置1のプロセッサ3により制御モードを作成する例について説明する。
図14は、制御モードを自動的に作成する手順の一例を示すフローチャートである。空調制御装置1は、先ず、1つの制御条件を指定し(ステップS10)、この制御条件に対する制御レベルパタンを例えば図10に示されるように網羅的に作成する(ステップS20)。
次に空調制御装置1は、作成された制御レベルパタンごとに省エネ度を算出する(ステップS30)。省エネ度は、エリア毎の制御レベル(強、中、弱)に基づいて例えば次式(1)により算出することができる。
省エネ度=(エリア数−制御レベル弱のエリア数×0.2−制御レベル中のエリア数×0.5−制御レベル強のエリア数×1.0)/エリア数 ・・・ (1)
時間的に変化する制御レベルパタンについては、時間ごとのパタンについて個別に省エネ度を算出し、各パタンの継続する期間で加重平均して同様に省エネ度を算出することができる。
式(1)により算出された省エネ度は、全てのエリアで制御レベルがOFFの状態で1.0になり、制御レベルの強いエリアが多いほど0に近づく。そして、全てのエリアで制御レベルが強の状態において、省エネ度は0.0になる。
ステップS20、およびS30の手順は制御条件ごとに、全ての制御レベルパタンについて完了するまで繰り返される。全ての制御レベルパタンについて省エネ度の算出が完了すると(ステップS40でYes)、空調制御装置1は、省エネ度の高い順に制御レベルパタンをソート(並び替え)する(ステップS50)。この手順は、制御レベルパタンを省エネの観点で順位付けする手順である。
次に、空調制御装置1は、別の制御条件に対する制御レベルパタンを例えば図11に示されるように網羅的に作成し、それぞれの制御レベルパタンについて省エネ度を算出し、ソーティングを行う。つまりステップS10〜S50の手順は、全ての制御条件を可能な限り網羅すべく繰り返される。
全ての制御条件について制御レベルパタンの順位付けが完了すると(ステップS60でYes)、それぞれの制御条件に対して、順位付けされた制御レベルパタンが作成されることとなる。次に空調制御装置1は、制御条件毎に、同じ順位の制御レベルパタンをグループ化する(ステップS70)。つまり、制御条件毎に同じ順位の制御レベルパタンの集合が、1つの制御モードとなる。
制御モードに付随する省エネ指標値は、例えば省エネ度そのものであってもよいし、省エネ度の順位であってもよい。最後に空調制御装置1は、各グループに通し番号のようなIDを付してそれぞれの制御モードを定義し(ステップS80)、処理を完了する。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、人間の動態情報やビル情報などに基づく複数の制御モードが定義され、空調制御装置1の記憶装置4に保持される。異なる多数の制御モードをビル内のエリアごとに当てはめることで、ユーザが望む省エネと快適性のバランスを実現した空調制御を行うことができる。
また、人間の動態情報や、ビル情報などの多数の情報に基づいて空調を制御できるので、個々のビルにおける人間の活動の特性だけでなく、ビルの構造に合った空調制御を実現できる。さらに、制御モードはビル内の局所領域(エリア)ごとにそれぞれ設定できるので、ユーザの要望に沿ったきめ細かな空調制御を実現することができる。
また、「省エネ重視」といった言葉や省エネ・快適性指標値といった数値を用いて省エネと快適性とのバランスを調整することができるので、多数のパラメータの調整といったエキスパート性を必要とせず、ユーザにとって判り易いインタフェースを実現することができる。
また第1の実施形態では、個人認証部80により、ビル内に居る人間について、それが誰かを認識するようにしている。この個人認識の結果に基づいて、その人物の好み(暑がり/寒がり)の情報を参照した空調制御を実施することで、座席と個人とが対応付けられていない場所(会議室など)においても個人ごとに最適な空調環境を実現できる。また、座席のリレイアウトを行う場合であっても、座席と個人の対応付けをやり直す必要がなくなり、使い勝手の良いシステムを実現できる。
さらに、好みの情報を動的に更新してもよい。例えば、PCやタブレットなどのネットワーク端末から、個人が好みの情報を入力してもよいし、可視光カメラで撮影された人間のジェスチャ認識や、人間が提示するマーカの認識により好みの情報を補正してもよい。このような機能を取り入れることで、日によって人間の体調が異なる場合(暑がりであるがカゼ気味のために一時的に寒がり)などに対応することができる。
以上をまとめると第1の実施形態によれば、人間の動態情報として人間の在/不在、活動量などの情報や、パーソナル空調(座席ごとに個別のタスク空調の吹出口を持つ空調方式)における個人の好みなどの情報、あるいは、ビル情報として壁や窓の位置情報なども活用し、個々のビルに合わせて、省エネと快適性のバランスをユーザが任意に調整、もしくは自動で調整することが可能になる。これらのことから、空調をきめ細かに制御することができ、省エネと快適性とのバランスをとり易くした空調制御システムおよび空調制御装置を提供することが可能になる。
[第2の実施形態]
図15は、第2の実施形態に係わる空調制御装置1の一例を示す機能ブロック図である。図15において図3と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
図15に示される空調制御装置1は、プロセッサ3の処理機能として動態検知部10、制御レベル算出部30および出力部40に加えて、環境検知部90および制御状態表示部100を備える。
環境検知部90は、例えば可視光カメラによって撮影された画像データを解析してビル内の環境情報を取得する。環境情報は、例えば外光の明るさ、ブラインドの開量(スラット角)などである。
外光の明るさは、画像データの各画素の輝度値を活用するなど、既知の方法によって求めることができる。ブラインドの開量は、ブラインドが全閉の状態の画像データと、検出時の画像データとを比較し、画素値が一致する面積の割合を算出するといった方法を用いることができる。なお、動態検知部10に環境検知部90の機能を併せ持たせてもよく、例えば1台の可視光カメラにより人間の動態と環境の両方を検知してもよい。
第2の実施形態において、制御レベル算出部30は、動態情報の変化に応じて制御モードを動的に切り替える。制御レベル算出部30は、例えば、ビル内の部屋Aの中に居る人数が規定値TH(例えば30人)以下であれば部屋Aの制御モードを快適性重視とし、人数が規定値THを超えると制御モードを省エネ重視に切り替える。
制御レベル算出部30にこのような機能を持たせることで、人数の少ない時間帯(朝方、昼休み、残業時間など)には空調の消費エネルギーが少なくなるので快適性を重視し、人数が増え空調の消費エネルギーが増加する時間帯には省エネを重視するといった制御を、人手に頼らずに実現することができる。
このほか、例えば、人間が不在で長期間にわたり空調がOFFされていた会議室Bに人間が入ってきたとき、制御モードを一定時間だけ快適性重視とし、その後、省エネ重視に切り替えるといった制御を自動化できる。これにより、空調OFFのために不快な状態となっていた会議室Bを、素早く、快適にすることができる。
さらに、制御レベル算出部30は、環境検知部90により取得された環境情報の変化に応じて制御モードを切り替える。制御レベル算出部30は、例えば、部屋Cにおける外光の明るさが規定値TH(例えば、300lux)以下であれば部屋Cの制御モードを省エネ重視とし、明るさが規定値THを超えると制御モードを快適性重視に切り替える。
制御レベル算出部30にこのような機能を持たせることで、外光が明るい場合(晴天時の昼間など)にはビル内への熱の流入量が多くなるので快適性を重視するといった制御を、人手に頼らずに実現することができる。
制御状態表示部100は、制御モードをビル内の場所ごとに表示する。つまり、例えば部屋ごと、エリアごと、あるいは席ごとなどの単位で、各々の単位において稼働中の制御モードがGUIウインドウに示される。
図16は、場所ごとの制御モードを表示するGUIウインドウの一例を示す図である。このウインドウを参照すると、共用エリアにおいては省エネ重視、執務エリアにおいては快適性重視のポリシーで、各場所の制御モードが選択されていることがわかる。このウインドウの上部には時刻を示すバー(タイムスケールバー)が表示され、シンボルマーカの位置で現在時刻がわかるようになっている。このマーカを左右にスライドすれば、その時刻に対応する制御モードの状態が表示される。
第2の実施形態によれば、センサ部Sにより取得される動態情報の変化に応じて、ビル内の空調の制御モードを動的に切り替えるようにしている。また、環境検知部90により環境情報を取得し、この環境情報の変化に応じて制御モードを動的に切り替えるようにしている。これにより、制御モードを現状に即してダイナミックに変更することができ、快適性や省エネ性をさらに追求することが可能になる。
さらに、制御状態表示部100を設け、図16に示されるGUIウインドウを表示するようにしている。これにより制御モードの現状を一目で把握することが容易になり、また、制御モードを調整するための情報収集なども極めて簡便に実施できるようになる。
[第3の実施形態]
図17は、第3の実施形態に係わる空調制御装置1の一例を示す機能ブロック図である。図17において図3と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
図17に示される空調制御装置1は、プロセッサ3の処理機能として動態検知部10、制御レベル算出部30および出力部40に加えて、シミュレータ110および金額算定部130を備える。
シミュレータ110は、ビルの空調に関するシミュレーションを実施する。シミュレータ110は、例えば、現状の制御モードのもとで消費される電力を動態情報やビル情報に基づいて算出したり、別の制御モードもとで消費される電力を同じ条件で算出して比較したりといった計算を行う。
また第3の実施形態では、人間の動態の履歴を示す履歴情報120を記憶装置4に記憶させる。履歴情報120はシミュレータ110によるシミュレーションに活用されることができる。
消費電力は、例えば、制御レベルに対応する消費電力を記録したテーブルを参照するといった方法でシミュレートされることができる。このテーブルは予め作成されて記憶装置4に記憶させておくとよい。あるいは、消費電力は、制御レベルに対応する消費電力の実測値を記憶装置4などに保持し、参照することでシミュレートされてもよい。さらには、クラウドコンピューティングシステムなどに設けられるビル空調シミュレータなどを活用してもよい。
図18は、シミュレータ110による空調シミュレーションの結果を示すGUIウインドウの一例を示す図である。図18のウインドウは、タイムスケールバーとオフィス平面図(図16)との間に、電力消費量(消費電力)のシミュレート結果を示すものである。現在時刻を示すマーカが時間の経過とともに右方向にスライドするにつれ、シミュレーション結果の表示も追従して表示される。このように、シミュレーションを活用することでオペレータは制御モードを試行錯誤することできるようになり、ユーザの希望に沿う空調制御の実現をサポートすることができる。
また第3の実施形態では、プロセッサ3の機能として金額算定部130を備える。
テナントビルにおいては、ビルのオーナの要求する省エネ・快適性と、テナントビルが要求する省エネ・快適性とが異なる場合がある。例えば、ビルのオーナが省エネ重視を要求し、商用テナントが快適性重視を要求したケースでは、設定を快適性重視とする代わりに、商用テナントが通常の電気使用料金に特別料金を追加した金額をビルオーナに支払うことが考えられる。逆に、設定を省エネ重視にする代わりに商用テナントの電気使用料金を値引きすることが考えられる。このように、オーナとテナントの要求が相反するケースでは、互いの不利益を金銭の授受により相殺することができる。
金額算定部130は、その金額(相殺金額)を算定する。金額算定部130は、例えば、ビルオーナとテナントのそれぞれが望む省エネ・快適性に基づく空調制御に要する消費電力量を算出し、消費電力量の差分を電気料金に換算して相殺金額を算出する。
以上述べたように第3の実施形態によれば、シミュレータ110を設けたことでそれぞれの制御モードによる電力消費量をシミュレートすることができる。これによりユーザの希望に沿う空調制御の実現をサポートすることができる。
また第3の実施形態では、金額算定部130を設けたことで、ビルのオーナとテナントとの間で生じた要求の違いを相殺するための金額を算出し、オーナとテナントとの双方にとって公平性を高めることが可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…空調制御装置、2…入力制御部、3…プロセッサ、4…記憶装置、5…出力制御部、6…プログラム、9,91,92…画像センサ、8…赤外線センサ、11…レーザセンサ、121〜12n…機器、13…ビルディングオートメーションシステム、14…環境マネジメントシステム、15…出力装置、251〜25m…機器、16…画像データ、17…赤外画像データ、18…レーザ画像データ、191〜19n…機器データ、22…BASデータ、21…EMSデータ、281,281…エリア、27…制御データ、10…動態検知部、70…制御モード設定部、80…個人認証部、30…制御レベル算出部、40…出力部、60…制御モード表示部、20…制御モード、50…ビル情報、90…環境検知部、100…制御状態表示部、110…シミュレータ、120…履歴情報、130…金額算定部

Claims (22)

  1. ビル内の複数の制御対象エリアの空調制御を行なう空調制御システムにおいて、
    前記複数の制御対象エリアをセンシングしてセンシングデータを取得するセンサ部と、
    前記センサ部により取得されたセンシングデータ及び指定された制御モードに基づいて、前記複数の制御対象エリアの制御レベルを出力する空調制御装置と、前記制御レベルは、前記複数の制御対象エリアの各々の空調の強さを示し、
    前記空調制御装置からの制御レベルに基づいて、前記複数の制御対象エリアの空調制御を行なう制御装置とを具備し、
    前記空調制御装置は、
    前記センサ部により取得された前記センシングデータに基づいて前記ビル内の複数の制御対象エリアの各々の人間の動態情報を検知する動態検知部と、
    複数の制御モードを記憶する制御モード記憶部と、前記複数の制御モードの各々は、前記複数の制御対象エリアの動態情報に基づく前記複数の制御対象エリアの制御条件と、前記複数の制御対象エリアの制御条件に対応する前記複数の制御対象エリアの制御レベルとを有し、前記制御条件は、前記複数の制御対象エリアの各々の動態情報を示し、
    前記検知された前記複数の制御対象エリアの動態情報と、前記指定された前記制御モードとに基づいて、前記制御モード記憶部に記憶された制御レベルを決定する制御レベル決定部と、
    前記決定された制御レベルを出力する出力部とを具備し、
    前記制御モードは、前記ビル内の複数の制御対象エリア毎に設定され、
    前記複数の制御対象エリアの制御レベルは時間的に変化する、
    空調制御システム。
  2. さらに、前記ビルの構造的情報を示すビル情報を記憶するビル情報記憶部を具備し、
    前記制御レベル、前記動態情報と前記ビル情報との組み合わせである制御条件と、前記指定された前記制御モードとに基づいて算出される、請求項1に記載の空調制御システム。
  3. 前記ビル情報は、前記センシングデータに基づいて作成される、請求項2に記載の空調制御システム。
  4. 前記ビル情報は、前記ビルの設計情報に基づいて作成される、請求項2に記載の空調制御システム。
  5. さらに、前記制御モードを視覚的に表示する制御モード表示部を具備する、請求項1に記載の空調制御システム。
  6. さらに、ユーザが前記制御モードを選択するためのインタフェース環境を提供する、制御モード設定部を具備する、請求項1に記載の空調制御システム。
  7. 前記制御レベル決定部は、前記動態情報の変化に応じて前記制御モードを動的に切り替える、請求項1に記載の空調制御システム。
  8. さらに、前記ビル内における人間を識別する個人認証部を具備し、
    前記制御レベル、前記人間の識別結果に基づいて、当該識別された人間の空調の好みに応じて算出される、請求項1に記載の空調制御システム。
  9. さらに、前記制御モードを前記ビル内の場所ごとに表示する制御状態表示部を具備する、請求項1に記載の空調制御システム。
  10. さらに、前記ビルの空調に関するシミュレーションを実施するシミュレータを具備し、
    前記出力部は、前記シミュレーションの結果を視覚的に表示する、請求項1に記載の空調制御システム。
  11. さらに、前記ビルのオーナと当該ビルのテナントとの間での前記空調に係わる要求の差異を相殺するための金額を算定する算定部を具備する、請求項1に記載の空調制御システム。
  12. ビル内の複数の制御対象エリアのセンシングデータを取得するセンサ部を備えるビルの前記複数の制御対象エリアの空調を制御する空調制御装置において、
    前記センシングデータに基づいて前記ビル内の複数の制御対象エリアの各々の人間の動態情報を検知する動態検知部と、
    複数の制御モードを記憶する制御モード記憶部と、前記複数の制御モードの各々は、前記複数の制御対象エリアの動態情報に基づく前記複数の制御対象エリアの制御条件と、前記複数の制御対象エリアの制御条件に対応する前記複数の制御対象エリアの制御レベルとを有し、前記制御条件は、前記複数の制御対象エリアの各々の動態情報を示し、前記制御レベルは、前記複数の制御対象エリアの各々の空調の強さを示し、
    前記検知された前記複数の制御対象エリアの動態情報と、指定された制御モードとに基づいて、前記制御モード記憶部に記憶された制御レベルを決定する制御レベル決定部と、
    前記決定された制御レベルを出力する出力部とを具備し、
    前記制御モードは、前記ビル内の複数の制御対象エリア毎に設定され、
    前記複数の制御対象エリアの制御レベルは時間的に変化する、
    空調制御装置。
  13. さらに、前記ビルの構造的情報を示すビル情報を記憶するビル情報記憶部を具備し、
    前記制御レベル、前記動態情報と前記ビル情報との組み合わせである制御条件と、前記指定された前記制御モードとに基づいて算出される、請求項12に記載の空調制御装置。
  14. 前記ビル情報は、前記センシングデータに基づいて作成される、請求項13に記載の空調制御装置。
  15. 前記ビル情報は、前記ビルの設計情報に基づいて作成される、請求項13に記載の空調制御装置。
  16. さらに、前記制御モードを視覚的に表示する制御モード表示部を具備する、請求項12に記載の空調制御装置。
  17. さらに、ユーザが前記制御モードを選択するためのインタフェース環境を提供する、制御モード設定部を具備する、請求項12に記載の空調制御装置。
  18. 前記制御レベル決定部は、前記動態情報の変化に応じて前記制御モードを動的に切り替える、請求項12に記載の空調制御装置。
  19. さらに、前記ビル内における人間を識別する個人認証部を具備し、
    前記制御レベルは、前記人間の識別結果に基づいて、当該識別された人間の空調
    の好みに応じて算出される、請求項12に記載の空調制御装置。
  20. さらに、前記制御モードを前記ビル内の場所ごとに表示する制御状態表示部を具備する、請求項12に記載の空調制御装置。
  21. さらに、前記ビルの空調に関するシミュレーションを実施するシミュレータを具備し、
    前記出力部は、前記シミュレーションの結果を視覚的に表示する、請求項12に記載の空調制御装置。
  22. さらに、前記ビルのオーナと当該ビルのテナントとの間での前記空調に係わる要求の差異を相殺するための金額を算定する算定部を具備する、請求項12に記載の空調制御装置。
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