JP6445468B2 - リング共振器を備えた光ファイバ干渉計測装置、かかる装置を含むジャイロメータ及び慣性姿勢又は航法ユニット - Google Patents
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Description
本発明は、より詳細には、被計測物理パラメータを感知し得る計測手段を備えたサニャック(SAGNAC)干渉計を含む干渉計測装置に関する。
本発明は、かかる干渉計測装置を含むジャイロメータの製作、並びにかかるジャイロメータを用いた慣性姿勢又は航法ユニットの製作において、特に有利な用途を見いだす。
−光源信号1003Aを発する光源1003と、
−対向伝搬の第1の光波1001及び第2の光波1002が伝搬する光ファイバ型サニャック干渉計1010であって、
・順方向で入力光信号を受ける入力ポート1010Aと、
・一方が入力ポート1010Aに接続され、他方がサニャック干渉計1010の第1のアーム1011及び第2のアーム1012に接続されたスプリッタ1013と、
・被測定物理パラメータを感知し得る計測手段1014であって、該物理パラメータは、2つの対向伝搬光波1001、1002間に該物理パラメータの関数である非相反位相差Δφpを生成するものである、計測手段1014と、
・順方向と逆の戻り方向で、2つの対向伝搬光波間の全位相差Δφtの関数である出力光パワーを有する出力光信号を伝送する、入力ポート1010Aと共通の出力ポート1010Bと、
を備えたサニャック干渉計1010と、
−サニャック干渉計1010から出た出力光パワーを受けて、該出力光パワーを表す電気信号を送出する、光学的放射検出器1004と、
−順方向で光源1003をサニャック干渉計1010の入力ポート1010Aに結合し、戻り方向でサニャック干渉計1010の出力ポート1010Bを検出器1004に結合する、ソース結合器1005と、
を含む。
しかしながら、コイル式センサ1014Aの長さが長くなると、干渉計測装置1000は、より高価になるのみならず、シュッペ効果により熱変動に対してより敏感になる。
従って、サニャック干渉計のコイル式回転センサ1014Aの長さに関する妥協点に達する必要がある。
本従来技術によれば、図2に示すように、このようなリング共振器40は、第1のゲート41及び第2のゲート42を含む。
公知のように、光信号41Aは、第1のゲート41(入力ゲートと呼ばれる)に入射し、リング共振器40を通って進行し、リング共振器は、伝送された光信号42Aを第2のゲート(伝送出力ゲートと呼ばれる)に伝送する。
−連続する2つの共振ピーク43間の周波数における距離に対応する自由スペクトル領域ISL、及び
−リング共振器40の自由スペクトル領域ISLと、応答曲線TL(f)の共振ピーク43の周波数における半値全幅(FWHMR(f)で示される)との間の比である、フィネスF(従って、半値全幅はリング共振器40のフィネスFが大きいほど狭くなる(所定の自由スペクトル領域ISLにおいて))
を与えることによって特徴付けることができる。
換言すれば、光源は、その光源の半値全幅FWHMSがリング共振器40の半値全幅FWHMRよりも最大限でも10倍小さいとき、すなわちFWHMS<FWHMR/10のとき、狭帯域スペクトルとなる。
全長LR及びフィネスFのリング共振器と組み合わせて用いられる狭帯域スペクトル光源のこのコヒーレンス長Lcohは、全長LRとフィネスFとの積の10倍を上回ること、すなわちLcoh>10*F*LRであることが好ましい。
特に、このような光源を用いた共振ジャイロメータは、長期間にわたる計測の精度を妨げる長期ドリフトを有する。
−光源信号を発する広帯域スペクトル光源と、
−互いに対向伝搬する第1の光波及び第2の光波をその中で伝搬する光ファイバ型サニャック干渉計であって、
・順方向で入力光信号を受ける入力ポートと、
・一方で前記入力ポートに接続され、他方でサニャック干渉計の第1のアーム及び第2のアームに接続されたスプリッタと、
・被測定物理パラメータを感知し得る計測手段であって、該物理パラメータは、2つの対向伝搬光波間に該物理パラメータの関数である非相反位相差Δφpを生成するものである、計測手段と、
・順方向と逆の戻り方向で、2つの対向伝搬光波間の全位相差Δφtと被測定物理パラメータとの関数である出力光パワーPを有する出力光信号を伝送する、入力ポートと共通の出力ポートと、
を備えたサニャック干渉計と、
−サニャック干渉計から出た出力光パワーを受けて、出力光パワーを表す電気信号を送出する、光学的放射検出器と、
−順方向で光源をサニャック干渉計の入力ポートに結合し、戻り方向でサニャック干渉計の出力ポートを検出器に結合する、ソース結合器と、
を含む。
−長さF*LR/2(F及びLRは、それぞれ、本発明による干渉計測装置で用いられるリング共振器のフィネス及び全長である)のコイル式回転センサを用いた従来技術による干渉計測装置の性能と実質的に等しい性能、及び
−同じ長さのリング共振器を用いたR−FOGにおいて存在するシュッペ効果と実質的に等しい低減されたシュッペ効果
を有する。
実際には、光源のスペクトルは、リング共振器の自由スペクトル領域ISLの100万倍を上回る、すなわちFWHMS≧106*ISL>>ISLとなる、非常に高い半値全幅FWHMSを有する。
−リング共振器は、第1の結合器と第2の結合器との間に、リング共振器の第1の部分に位置する少なくとも1つの第1の光ファイバコイルを備える。
−リング共振器は、リング共振器の第2の部分に位置する、第1の光ファイバコイルと同じ長さLの第2の光ファイバコイルを備え、第1及び第2の光ファイバコイルは、第1の結合器及び第2の結合器によって分離されている。
−リング共振器は、光ファイバの2つの付加的部分を備え、これらの長さの和は、2L’に等しく、L’は、サニャック干渉計の、スプリッタとそれぞれ第1及び第2の結合器との間で定められる第1及び第2のアームの長さの和であり、2つの付加的部分は、第2の光ファイバコイルの両側に、第2の光ファイバコイルと第1及び第2の結合器の一方との間に配置される。
−干渉計測装置は、サニャック干渉計から出る出力光パワーPOUTを変調するように適合された変調チェインを含み、変調チェインは、スプリッタにおいてサニャック干渉計の第1及び第2のアームに配置された位相変調器を備え、順方向と戻り方向との間で、第1及び第2のアーム内を伝搬する第1及び第2の光波の各々に対して変調位相シフトφmを導入する。
−変調位相シフトφmは、第1の光ファイバコイルの長さLの関数である適正周波数fp(L)でバイアス位相シフト成分φbを有する。
−変調位相シフトφmは、長さL+L’の関数である適正周波数fp(L+L’)でバイアス位相シフト成分φbを有する。
−変調位相シフトφmは、第1の光ファイバコイルの長さLの関数である継続時間τg(L)の階段状変調である、逆応答(counter−reaction)位相シフト成分φrを有する。この継続時間τg(L)は、リング共振器の第1の光ファイバコイル内の通過(passage)後のサニャック干渉計内の対向伝搬光波の伝搬時間に実質的に対応する。
本発明はさらに、少なくとも1つのそのようなジャイロメータを含む慣性姿勢又は航法ユニットに関する。
本発明は最後に、本発明による干渉計測装置を含む電流又は磁場センサに関するものであり、位相差の変動は、ファラデー効果によって計測される物理パラメータによって生成される。
添付の説明は、種々の実施形態の利点を理解することを可能にする。
以下説明する干渉計測装置100;200;300は、各々、その中で互いに対向伝搬する第1の光波101及び第2の光波102を伝搬する光ファイバ型サニャック干渉計110;210;310を含み、すなわちこれら2つの光波101、102は、サニャック干渉計110;210;310内を逆の伝搬方向で循環する。このサニャック干渉計110;210;310の様々な要素並びにその動作を、以下、より詳細に説明する。
ジャイロメータの干渉計測装置100;200;300は、次に、この非相反位相差Δφpの決定に基づいてジャイロメータの回転速度の成分ΩRを計測する。
光源103は、本明細書において、広帯域スペクトル自然放出光源である。これは、例えば、光通信分野で用いられるような、例えばエルビウムなどの希土類でドープされた光ファイバASE(「増幅自然放出光」)である。
この光源信号103Aは、ベル形スペクトルを有し、これは、
−平均周波数f0を中心として、f0=193.5THz(1.55ミクロンの平均波長λ0に対応する)で光源103が発するパワーが極大かつS0に等しく、
−光パワーの半分S0/2となる半値全幅FWHMSにおいて、FWHMS=1THz(約8ナノメートルのソース波長における半値全幅に対応する)である。
以下、この光スペクトルを、本発明による広帯域スペクトルであるとみなすことができるものとする。
光源信号103Aは、光ファイバ・ソース結合器105のソースポート105Aまで伝搬する。
入力ポート110Aは、ソース結合器105の干渉計ポート105Bに接続される。
このように構成されると、ソース結合器105は、順方向で、光源103をサニャック干渉計110;210;310にその入力ポート110Aを介して結合する。
換言すれば、干渉計測装置100;200;300の光源103によって発せられた広帯域スペクトル光源信号103Aは、順方向で、サニャック干渉計110;210;310の入力に到達する入力光信号110INとして伝送される。
図3、図10及び図11に示す実施形態において、ソース結合器105は、「2行2列」(「2×2」)の光ファイバ結合器又は光サーキュレータである。
このスプリッタ113は、本明細書において、光集積回路におけるY接合結合器113Yであり、サニャック干渉計110;210;310の入力ポート110A、第1のアーム111及び第2のアーム112にそれぞれ接続された3つの結合ポート113A、113B、113Cを含む(例えば図3、図10及び図11参照)。
変形として、サニャック干渉計の第1のアーム及び第2のアームは、例えば、光集積回路における導波管によって製作することができる。
スプリッタ113の接合部113Yでの分離の後、入力光信号110INは、サニャック干渉計110;210;310のそれぞれ第1のアーム111及び第2のアーム112内を入力方向に伝搬する第1の光波101及び第2の光波102を生じる。
スプリッタ113は、本明細書において、いわゆる「50/50」平衡スプリッタ、すなわち、スプリッタ113の出力部における第1及び第2の光波101、102のそれぞれの振幅(モジュールでの)が等しいものであることが有利である。
図3、図10及び図11に示す異なる実施形態において、干渉計測装置100;200;300の計測手段1140;2140;3140は、光ファイバ・リング共振器1143を含む。
リング共振器1143は、本明細書においては円形であるが、他の任意のリングの幾何学的形状が可能である。リング共振器1143の直径はDRで表されるものとする。
第1の結合器1141及び第2の結合器1142は、本明細書においてはソース結合器105と類似しており、すなわち、これらは、4ポート2×2結合器1141A、1141B、1141C、1141D、1142A、1142B、1142C、1142Dである。
第1及び第2の結合器1141、1142のそれぞれの第4ポート1141D及び1142Dは、動作不能にされており、これらのポート1141D及び1142Dから出た光信号は、吸収され、反射されない。
限定はしないが、第1及び第2の結合器1141、1142は、本明細書において、リング共振器1143の円形リングに沿って直径方向で対向する位置に示されている。
以下、第1の結合器及び第2の結合器1142の間でそれぞれ第1及び第2の部分1143A、1143Bに沿って決定される第1及び第2の部分1143A、1143Bの長さは、LA及びLBで示されるものとする。
同様に、リング共振器の1143の全長は、それゆえ第1の部分1143Aの長さLAと第2の部分1143Bの長さLBとの和に等しく、LRで示され、すなわち、LR=LA+LBである。
−LA’及びLB’は、サニャック干渉計110;210;310の第1及び第2のアーム111、112のそれぞれの長さであり、スプリッタ113と、それぞれ第1及び第2の結合器1141、1142との間で定められる。
−L’は、サニャック干渉計110;210;310のアーム111、112の全長であり、この全長L’は、これら2つのアーム111、112のそれぞれの長さLA’、LB’の和に等しく、すなわち、L’=LA’+LB’である。
変形として、サニャック干渉計110;210;310の第1のアーム111及び第2のアーム112は、例えば直交偏波カップリング効果のコヒーレンスを最小化するために、異なる長さ(LA≠LB)とすることができる。
より正確には、サニャック干渉計110;210;310の第1のアーム111及び第2のアーム112は、それぞれ、第1の結合器1141の第1のポート1141A及び第2の結合器1142の第1のポート1142Aに接続される。
従って、第1の光波101は、リング共振器1143内を時計回りの循環方向1143Hで循環する(この伝搬方向を示す図3、図10及び図11の矢印1143Hを参照のこと)。
逆に、第2の光波102は、リング共振器1143内を反時計回りの循環方向1143AHで循環する(図3、図10及び図11を再度参照)。このように、リング共振器1143内の第1及び第2の光波101、102は、逆の伝搬方向で循環する。
リング共振器1143のリングのこの第1の部分1143Aを通って時計回りの循環方向1143Hで進行(これを、以後、リング共振器1143内の第1番目の通過(passage)と呼ぶ)した後、第1の光波101は、
−一方で、第2の結合器1142の第1の部分1142Aを介してサニャック干渉計110;210;310の第2のアーム112に結合され、この第2のアーム112に沿って出力方向で伝搬し、
−他方で、第2の結合器1142の第2のポート1142Bを介してリング共振器1143のリングの第2の部分1143B内に伝送され、依然として時計回りの循環方向1143Hで伝搬する。
換言すれば、第1及び第2の対向伝搬光波101、102は、サニャック干渉計110;210;310の計測手段1140;2140;3140のリング共振器1143内で、第1の光波101は時計回りの循環方向1143Hで、第2の光波102は反時計回りの循環方向1143AHで、多数回の通過を行う。
リング共振器1143内の通過毎に、第1の光波101及び第2の光波102は、各々が伝送光波を生じる。
同様に、サニャック干渉計110;210;310の第1のアーム111内で出力方向に伝搬する第2の光波102は、第1番目の通過時の第1の伝送光波102−1と、第2番目の通過時の第2の伝送光波102−2と、第3番目の通過時の第3の伝送光波102−3、等...の重ね合わせである。
繰返しにより、第3番目の通過時、光波101、102は、第1番目の通過に加えて、リング共振器1143の全体に沿って2回進行し、その後の通過についても同様であることが理解される。
従って、第1番目の通過後に進行した全長L1はそれゆえLA+L’に等しく、第2番目の通過後に進行した全長L2は、LA+LR+L’に等しく、又はL2=2*LA+LB+L’=L1+LRでもあり、第3番目の通過後に進行した全長L3は、LA+2*LR+*L’に等しく、又はL3=3*LA+2*LB+L’=L2+LR=L1+2LRでもある、等...。
変形として、第1の結合器及び第2の結合器は、例えば異なるものとすることができ、従って、異なる結合特性(C1≠C2)及び伝送特性(T1≠T2)を有するものとすることができる。
好ましくは、第1及び第2の光ファイバ結合器1141、1142は、低損失であり、そのため結合係数C及び伝送係数Tは次の関係C+T=100%で関連付けられるとみなすことが可能である。
従って、有利には、リング共振器1143の第1及び第2の結合器1141、1142の伝送係数Tは高く、好ましくは95%と70%との間に含まれる。
限定はしないが、以下の説明において、第1及び第2の結合器1141、1142のパワー結合係数C及びパワー伝送係数Tは、本明細書において、それぞれ10%及び90%に等しいとみなされる。
これらの2つの光波101、102は、次に、戻り方向で進行するスプリッタ113によって再結合される。
この全位相差Δφtは、被測定物理パラメータΩRの変動によって生成された非相反位相差Δφpに関する情報を含む。
以下の説明において、出力光信号110OUTの処理を容易にするように、全位相差Δφtをさらに変調することができることが分かる。
従って、ソース結合器105は、戻り方向で、サニャック干渉計110;210;310の出口ポート110Bを検出器104に結合する。
この目的で、図3、図10及び図11に示す3つの実施形態において、干渉計測装置100;200;300は、サニャック干渉計110;210;310から出る出力光パワーPOUT(Δφt)を変調するための変調チェインを含む。
変調チェインは、スプリッタ113においてサニャック干渉計110;210;310の第1及び第2のアーム111、112に配置された位相変調器122を備える。
サニャック干渉計110;210;310内に配置される位相変調器122は、本明細書において、それぞれサニャック干渉計110;210;310のアーム111、112の端部の各々に配置された、「プッシュプル」構成で取り付けられた一対の基本位相変調器を備えることが有利である。
第1の実施形態において、図3に示すように、干渉計測装置100は、サニャック干渉計110のリング共振器1143が、第1の結合器1141と第2の結合器1142との間に、リング共振器1143のリングの第1の部分1143A上に位置する第1のコイル1144を含むようになっている。
本明細書において第1のコイル1144用に用いられる光ファイバは、本明細書ではサニャック干渉計110のアーム111、112及びリング共振器1143用に用いられるものと同一である。
第1の光ファイバコイル1144は、対称巻き、例えば2重極巻き、4重極巻き又は8重極巻きを有することが好ましい。
さらに、第1のコイル1144を付加することは、リング共振器1143内を循環する異なる光波101、102の異なる通過の際の伝搬方向を変更しない。
それにもかかわらず、第1のコイル1144は、これら2つの光波101、102が進行する光路を長くする。
より詳細には、リング共振器1143の第1の部分1143Aに位置する第1のコイル1144は、この第1の部分1143Aの長さLAを変更し、従って、これは第1のコイル1144の長さLと相関関係がある。
従って、一般に、リング共振器1143の第1の部分1143Aの長さLAは、この第1の部分1143A上に位置する第1の光ファイバコイル1144の長さLとの差が非常に小さく(僅かに長い)、すなわちLA≒Lである。
さらに、この第1の実施形態において、第1の光ファイバコイル1144の長さLは、実際には、リング共振器1143の第2の部分1143Bの長さLBよりも非常に長い(LB<<L)ので、共振器の全長LR=LA+LBは、この第1の実施形態では、第1の光ファイバコイル1144の長さLに例えることができ、すなわちLR=LA+LB≒Lである。
換言すれば、リング共振器1143のフィネスFは、自由スペクトル領域ISLとリング共振器1143の共振ピーク43の半値全幅FWHMR(f)との間の比であるISL/FWHMR(f)に等しい。
このことは、第Np番目の通過を超えると、リング共振器1143によって伝送される光波(すなわち、k>Npの場合の全ての伝送光波101−k及び102−k)の、第1及び第2の光波101、102に対するその出力方向における寄与は、無視できることを意味する。
さらに、一般にこの応答関数は、
−サニャック干渉計110内を伝搬し、リング共振器1143内を時計回りの循環方向1143Hで循環する第1の光波101に関して、及び
−サニャック干渉計110内を伝搬し、リング共振器1143内を反時計回りの循環方向1143AHで循環する第2の光波102に関して、
同じであることに留意されたい。
−応答曲線TL(f)は、リング共振器1143の全長LRに依存し、従って、本明細書では、この第1の実施形態において、LRが実質的にLに等しい(LR≒L)限り、第1の光ファイバコイル1144の長さLに依存し、
−自由スペクトル領域ISLは、周波数において、c/(nopt*LR)≒c/(nopt*L)に等しく、
−フィネスFは、πm/2に等しい、すなわち、F=(π*T1/2)/(1−T)=(π*(1−C)1/2)/C(結合係数Cが30%未満のときには、≒3/C)でもある。従って、フィネスFは、第1及び第2の結合器1141、1142の伝送係数Tと共に増大する。
第1のコイル1144の長さLは、本明細書において200メートルであり、従って、自由スペクトル領域ISLは、周波数で約1MHzに等しい(nopt≒1.5)。
従って、光源103の光学周波数での半値全幅はFWHMS=1THzであり、自由スペクトル領域ISLの10倍よりも大きいので、上述のように、光源103は広帯域スペクトル源である。実際、比FWHMS/ISLは、ここでは1THz/1MHz=106である。
−1(伝送100%)に等しい極大値、
−ゼロには等しくないが1/(1+m2)に等しい極小値
を有する。
逆に、伝送曲線の極小値は、リング共振器1143内で1回、2回、3回、等..循環した光波がリング共振器によって逆位相で伝送され、結果的に光波が互いに弱め合うように干渉する場合に対応する。
従って、上記式に基づいて、リング共振器1143の結合器1141、1142の伝送係数Tが増大すると、コントラストが増大することが理解される。
慣例的に、図5の光スペクトルは、「チャネル化された(channelled)」スペクトルと呼ばれる。
ここで、図3に示す干渉計測装置100は、回転速度の成分ΩRがゼロのとき、静止時であり、サニャック干渉計110がその回転に起因する非相反効果を受けていないことを示していることが理解される。
対照的に、干渉計測装置100は、回転速度の成分ΩRが非ゼロ(正又は負)のとき、運動時であり、サニャック干渉計110がその回転に起因する非相反効果を受けていることを示していることが理解される。
運動時、自由スペクトル領域ISLは回転中にほとんど変化しないので、2つの光スペクトルS1(fopt)、S2(fopt)はほとんど同一である。
それにもかかわらず、2つの光スペクトルS1(fopt)、S2(fopt)は、サニャック効果により互いにオフセットされ、オフセットは、被測定物理パラメータΩRの関数である。
逆応答位相シフト成分φcrは、図9に示すような、継続時間τ及び高さφsの階段状の、時間tの関数としての変調であることが有利である。
このような逆応答位相シフト成分φcrは、サニャック干渉計110内を対向伝搬方式で伝搬する2つの光波の間に、図9に示すように逆応答位相差Δφcr(t)=φcr(t)−φcr(t−τ)を導入し、この逆応答位相差Δφcr(t)は、サニャック干渉計110の回転によってこれら2つの光波の間に導入される非相反位相差を補償する。各ステップの高さφsは、この非相反位相差をそのつど瞬時に補償するように、時間の関数として調整される。
一般に、リング共振器1143内を1回通過した後の、サニャック干渉計110内を通って逆方向に進行した2つの伝送光波101−1、102−1は、以下、第1番目の通過の伝搬時間と呼ばれる伝搬時間τg,1に関係付けられ、これはnopt*L1/cに等しい。
繰返しにより、第2番目の通過の伝搬時間τg,2はnopt*L2/cに等しいこと、第3番目の通過の伝搬時間τg,3はnopt*L3/cに等しいこと、等...が理解される。
従って、一般的な場合、第k番目の伝搬時間τg,kは、nopt*Lk/cに等しい。
階段状ステップの継続時間τは、第1番目の通過の伝搬時間τg,1となるように、すなわちτ=nopt*L1/cとなるように調整されることが好ましい。
従って、第1番目の通過の伝搬時間τg,1は、ここではτg,1≒nopt*L/cとなる。
この固有伝搬時間は、第1のコイル1144の長さLの関数であり、τg(L)=nopt*L/cと表される。
従って、この第1の実施形態において、逆応答位相シフト成分φcrは、第1の光ファイバコイル1144の長さLの関数である継続時間τg(L)の階段状変調である。
また、階段状ステップ(図9参照)の高さφsは、第1の通過の非相反位相差Δφp,1と等しく、すなわちφs=Δφp,1であることが好ましい。
換言すれば、この適正周波数は、これら2つの対向伝搬光波がサニャック干渉計を通って進行する間に進行する全長に関連付けられる。
繰返しにより、第2番目の通過の適正周波数fp,2はc/(nopt*L2)に等しいこと、第3番目の通過の適正周波数fp,3はc/(nopt*L3)に等しいこと、等...が理解される。
従って、一般的な場合、第k番目の通過の適正周波数fp,kは、この第1の実施形態に関して、c/(nopt*Lk)に等しい。
従って、伝送光波101−1、102−1は、第1番目の通過の適正周波数fp,1において効率的に変調される。
従って、第1番目の通過の適正周波数fp,1は、fp,1≒c/(nopt*L)となる。
この固有適正周波数は、第1のコイル1144の長さLの関数であり、fp(L)=c/(nopt*L)と表される。
従って、この第1の実施形態において、バイアス位相シフト成分φbは、第1の光ファイバコイル1144の長さLの関数である適正周波数fp(L)で周期的である。
このバイアス位相差成分Δφb,k(t)は、Δφb,k(t)=φb(t)−φb(t−1/fp,k)=φb(t)−φb(t−k*1/fp(L))であり、
−バイアス変調周波数fbが第k番目の通過の適正周波数fp,kと等しいか(fb=fp,k)又はその奇数倍の1つとなる(fb=3*fp,k,5*fp,k,等...)場合に、極大となり、
−バイアス変調周波数fbが適正周波数fp,kの偶数倍に等しい(fb=2*fp,k,4*fp,k,等...)場合に、ゼロとなる
ようになっている。
結果として、第1及び第2の光波101、102は、異なる伝送光波101−1、101−2、101−3、等...、102−1、102−2、102−3、等...の重ね合わせであるので、検出器104によって送出される電気信号の半分のみがバイアスされることになる。
第2のコイル2144に用いられる光ファイバは、第1のコイル1144に用いられるものと同一であることが有利である。
第2のコイル2144は、第1のコイル1144と同じ長さ、すなわち長さLであることが好ましい。
さらに、第2の光ファイバコイル2144は、第1の光ファイバコイル1144と同じ表面及び同じ対称巻きを有することが好ましい。
このように配置すると、第1のコイル1144及び第2のコイル2144は、第1の結合器1141及び第2の結合器1142によってそれぞれの側に分離される。
従って、一般に、リング共振器1143の第2の部分1143Bの長さLBは、この第2の実施形態において、この第2の部分1143Bに位置する第2の光ファイバコイル2144の長さLと非常に小さい差しかなく(僅かに長い)、すなわちLB≒Lである。
結果として、共振器の全長LR=LA+LBは、この第2の実施形態では、第1の光ファイバコイル1144の長さLの2倍に例えることができ、すなわちLR=LA+LB≒2*Lである。
Lk=LA+(k−1)*LR+L’≒L+(k−1)*(2*L)≒(2k−1)*L≒(2k−1)*L1
を満たす。
実際には、第k番目の通過後に進行した全長Lkの決定に際してサニャック干渉計210のアーム111、112の長さを考慮する必要がある。
さらに、干渉計測装置の性能をさらに向上させるために、リング共振器の全長LRを調整可能とし、サニャック干渉計のアームの全長L’を考慮する。
この第3の実施形態において、付加的部分3151、3152の長さの和は、2*L’に等しいことが好ましい。
LA≒L及びLB≒L+2L’なので、LR=LA+LB≒2*(L+L’)
Lk=LA+(k−1)*LR+L’≒L+2*(k−1)*(L+L’)=(2k−1)*(L+L’)
が示される。
被計測物理パラメータΩRの計測はより良好になり、この第3の実施形態における干渉計測装置300はさらに効率的になる。
101、1001:第1の光波
102、1002:第2の光波
103、1003:光源
103A、1003A:光源信号
104、1004:検出器
105、1005:ソース結合器
110、210、310、1010:サニャック干渉計
110A、1010A:入力ポート
110B、1010B:出力ポート
110IN:入力光信号
110OUT:出力光信号
111、1011:第1のアーム
112、1012:第2のアーム
113、1013:スプリッタ
121:処理及び制御ユニット
122:位相変調器
1140、2140、3140、1014:計測手段
1141:第1の結合器
1142:第2の結合器
1143、40:リング共振器
1143A:リング共振器の第1の部分
1143B:リング共振器の第2の部分
1143H、1143AH:循環方向
1144:第1の光ファイバコイル
2144:第2の光ファイバコイル
3151、3152:光ファイバの付加的部分
Claims (9)
- 物理パラメータ(ΩR)を計測することを意図した光ファイバ干渉計測装置(100;200;300)であって、
−光源信号(103A)を発する広帯域スペクトル光源(103)と、
−互いに対向伝搬する第1の光波(101)及び第2の光波(102)をその中で伝搬する光ファイバ型サニャック干渉計(110;210;310)であって、
・順方向で入力光信号(110IN)を受ける入力ポート(110A)と、
・一方で前記入力ポート(110A)に接続され、他方で前記サニャック干渉計(110;210;310)の第1のアーム(111)及び第2のアーム(112)に接続されたスプリッタ(113)と、
・被測定物理パラメータ(ΩR)を感知し得る計測手段(1140;2140;3140)であって、前記物理パラメータ(ΩR)は、2つの対向伝搬光波(101、102)間に前記物理パラメータ(ΩR)の関数である非相反位相差Δφpを生成するものである、計測手段(1140;2140;3140)と、
・前記順方向と逆の戻り方向で、前記2つの対向伝搬光波(101、102)間の全位相差Δφtの関数である出力光パワーPOUTを有する出力光信号(110OUT)を伝送する、前記入力ポート(110A)と共通の出力ポート(110B)と、
を備えたサニャック干渉計(110;210;310)と、
−前記サニャック干渉計(110;210;310)から出た前記出力光パワーPOUTを受けて、前記出力光パワーPOUTと前記被測定物理パラメータ(ΩR)を表す電気信号を送出する、光学的放射検出器(104)と、
−前記順方向で前記光源(103)を前記サニャック干渉計(110;210;310)の前記入力ポート(110A)に結合し、前記戻り方向で前記サニャック干渉計(110;210;310)の前記出力ポート(110B)を前記検出器(104)に結合する、ソース結合器(105)と、
を含み、
前記サニャック干渉計(110;210;310)の前記計測手段(1140;2140;3140)が伝送モード光ファイバ・リング共振器(1143)を含み、前記リング共振器(1143)が、前記サニャック干渉計(110;210;310)の前記第1のアーム(111)及び前記第2のアーム(112)をそれぞれ前記リング共振器(1143)に結合する第1の結合器(1141)及び第2の結合器(1142)を備え、前記リング共振器(1143)内の前記第1及び第2の光波(101、102)が逆の循環方向(1143H、1143AH)で循環するようになっており、
前記リング共振器(1143)が、前記第1の結合器(1141)と第2の結合器(1142)との間に、前記リング共振器(1143)の第1の部分(1143A)に位置する長さLの1つの第1の光ファイバコイル(1144)を備え、
前記リング共振器(1143)が、前記リング共振器(1143)の第2の部分(1143B)に位置する、前記第1の光ファイバコイル(1144)と同じ長さの第2の光ファイバコイル(2144)を備え、前記第1及び第2の光ファイバコイル(1144、2144)が、前記第1の結合器(1141)及び前記第2の結合器(1142)によって分離されている
ことを特徴とする、干渉計測装置(100;200;300)。 - 前記リング共振器(1143)が、光ファイバの2つの付加的部分(3151、3152)を備え、これらの長さの和は、2L’に等しく、L’は、前記サニャック干渉計(110;210;310)の、前記スプリッタ(113)とそれぞれ前記第1及び第2の結合器(1141、1142)との間で定められる前記第1及び第2のアーム(111、112)の長さの和であり、前記2つの付加的部分(3151、3152)は、前記第2の光ファイバコイル(2144)の両側に、前記第2の光ファイバコイル(2144)と前記第1及び第2の結合器(1141、1142)の一方との間に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の干渉計測装置(300)。
- 前記サニャック干渉計(110;210;310)から出る前記出力光パワーPOUTを変調するように適合された変調チェインを含み、前記変調チェインは、前記スプリッタ(113)内で前記サニャック干渉計(110;210;310)の前記第1及び第2のアーム(111、112)に配置された位相変調器(122)を備え、前記順方向と前記戻り方向との間で、前記第1及び第2のアーム(111、112)内を伝搬する前記第1及び第2の光波(101、102)の各々に対して変調位相シフトφmを導入することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の干渉計測装置(100;200;300)。
- 前記変調位相シフトφmが、前記第1の光ファイバコイル(1144)の長さLの関数である適正周波数fp(L)で周期的な、バイアス位相シフト成分φbを有することを特徴とする、請求項3に記載の干渉計測装置(100;200)。
- 前記サニャック干渉計(110;210;310)から出る前記出力光パワーPOUTを変調するように適合された変調チェインを含み、前記変調チェインは、前記スプリッタ(113)内で前記サニャック干渉計(110;210;310)の前記第1及び第2のアーム(111、112)に配置された位相変調器(122)を備え、前記順方向と前記戻り方向との間で、前記第1及び第2のアーム(111、112)内を伝搬する前記第1及び第2の光波(101、102)の各々に対して変調位相シフトφmを導入し、前記変調位相シフトφmが、長さL+L’の関数である適正周波数fp(L+L’)で周期的な、バイアス位相シフト成分φbを有することを特徴とする、請求項2に記載の干渉計測装置(300)。
- 前記変調位相シフトφmが、前記第1の光ファイバコイル(1144)の長さLの関数の継続時間τg(L)の階段状変調である、逆応答位相シフト成分φrを有することを特徴とする、請求項3〜請求項5のいずれかに記載の干渉計測装置(100)。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の干渉計測装置(100;200;300)を含むジャイロメータであって、前記被測定物理パラメータ(ΩR)が、回転軸の周りの前記ジャイロメータの回転速度の成分であり、前記非相反位相差Δφpの変動が、サニャック効果によって計測される物理パラメータ(ΩR)によって生成されることを特徴とする、ジャイロメータ。
- 請求項7に記載の少なくとも1つのジャイロメータを含むことを特徴とする慣性姿勢又は航法ユニット。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の干渉計測装置を含む電流又は磁場センサであって、前記非相反位相差Δφpの変動が、ファラデー効果によって計測される物理パラメータによって生成されることを特徴とする、電流又は磁場センサ。
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