JP6444203B2 - 粒子線治療計画装置、および粒子線照射のシミュレーション方法 - Google Patents

粒子線治療計画装置、および粒子線照射のシミュレーション方法 Download PDF

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Description

この発明は、粒子線を患部に照射して、がんなどを治療する粒子線治療装置における照射パラメータを決定する粒子線治療計画装置に関するものである。
粒子線治療は、加速器等の機器を用いて陽子や炭素イオンなどの荷電粒子を核子数百メガ電子ボルト程度まで加速し、加速された荷電粒子の束である粒子線を患者に照射することで体内の腫瘍に線量を付与し、腫瘍を治療する方法である。実際の照射においては、腫瘍に対して医師により指示される線量分布に出来るだけ近い線量分布を形成することが重要である。医師により指示される線量分布を目標線量分布と呼ぶ。多くの場合目標線量分布は、腫瘍内において線量が均一であり、かつ腫瘍外において腫瘍内よりも線量が出来るだけ低くなるような分布である。
一般的に、加速器で加速された粒子線を物体(人体含む)に照射した場合、物体内での3次元線量分布はある一点で線量最大ピークを持つという特性がある。この線量最大ピークをブラッグピークと呼ぶ。また、3次元空間において一点の線量最大ピークを持つ場合、そのピーク位置をその粒子線の「照射位置」として定義する。このようなピーク構造を持つ粒子線を用いて、3次元の目標線量分布を形成するためには何らかの工夫が必要である。
目標線量分布を形成するための方法のひとつに、スキャニング照射法がある。この方法を実施するためには、電磁石等を用いて、粒子線の照射方向を、粒子線の進行方向であるZ方向に対して垂直な方向であるXYの2次元方向に任意に偏向する機能、および、粒子エネルギーの調整によりブラッグピークが形成される位置、すなわち照射位置をZ方向に任意に調整する機能が必要である。一般的に、粒子線発生装置である加速器はエネルギー調整機能も備えている。そして腫瘍内に複数の照射位置(照射スポットとも呼ぶ)を設定し、上記2つの機能を用いて、それぞれの照射位置に対して粒子線を順に照射していく。スキャニング照射法では、各照射位置に照射する粒子線の照射量のバランスをあらかじめ決めておき、各照射位置に照射したときに形成されるそれぞれの線量分布を合算することで、結果的に目標線量分布を形成する。
そこで、腫瘍を治療するために、合算した3次元線量分布が腫瘍範囲をカバーする分布になるように、各照射位置に対して照射すべき粒子線の量(粒子の個数)を決定するには、粒子線を各照射位置に照射したときに形成される線量分布をシミュレーションにより求める必要がある。
従来の線量分布を計算するシミュレーション装置においては、ビームをパルス関数やビームを単に分割しただけのビームレットに分けて、各ビームレットの照射を重ね合わせることにより患者体内における線量分布を計算するようにしているものがある(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
特開2011−217880号公報(図4、図5など) 国際公開WO00/015299号
ビームレットに分割して線量分布を計算する計算方法では、1個のビームスポットを照射することにより患者体内に形成される3次元線量分布を正確に計算するためには、多くのビームレットを発生させる必要がある。このため、ビームレットに分割する計算方法を、複数の照射スポットを照射することにより患部全体を照射するスキャニング照射法に適用する場合、計算時間が膨大になるという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、粒子線を患部に走査しながら順次照射スポットを照射することにより患者体内に形成される3次元線量分布を効率的に精度よく計算できる粒子線治療計画装置を得ることを目的とする。
本発明の粒子線治療計画装置は、粒子線の進行方向に垂直な2方向であるXY方向に前記粒子線を偏向して走査する走査装置により、粒子線を移動と停留を繰り返すように走査して、粒子線の停留ごとに照射対象の粒子線のエネルギーに対応した深さの位置を各照射位置としてそれぞれ照射スポットを形成するとともに、粒子線のエネルギーを変更して照射スポットの深さ方向の位置を変更することで、照射対象に3次元の線量分布を形成する粒子線治療装置における、各照射位置に照射する粒子線のそれぞれの照射量を求める演算ユニットを備えた粒子線治療計画装置において、演算ユニットは、走査装置より下流に設けられた遮蔽部材と走査装置との間に設定したサブビーム発生位置において、粒子線を、隣り合うサブビーム同士において、それぞれのサブビームの分布の一部が重なり合う複数のサブビームの集合で近似するサブビーム近似部と、サブビーム発生位置と走査装置との間に設定した仮想焦点から複数のサブビームのそれぞれのサブビームが発散すると仮定して、それぞれのサブビームをサブビーム発生位置から輸送させることによりそれぞれのサブビームが照射対象に形成するサブビーム線量分布を演算して、演算したサブビーム線量分布を積算することにより、各照射位置を照射する粒子線が照射対象に形成するそれぞれの線量分布を求めるサブビーム線量分布演算部と、各照射位置を照射する粒子線が照射対象に形成するそれぞれの線量分布を積算して求めた照射対象に形成される全線量分布が治療計画で設定された目標線量分布となるように、各照射位置に照射する粒子線のそれぞれの照射量を求める照射量最適化部とを備えるようにしたものである。
また、本発明の粒子線照射のシミュレーション方法は、粒子線の進行方向に垂直な2方向であるXY方向に粒子線を偏向して走査する走査装置により、粒子線を移動と停留を繰り返すように走査して、粒子線の停留ごとに照射対象の粒子線のエネルギーに対応した深さの位置を各照射位置としてそれぞれ照射スポットを形成するとともに、粒子線のエネルギーを変更して照射スポットの深さ方向の位置を変更することで、照射対象に3次元の線量分布を形成する粒子線治療装置における照射対象の線量分布をシミュレーションにより求める粒子線照射のシミュレーション方法において、走査装置より下流に設けられた遮蔽部材と走査装置との間に設定したサブビーム発生位置において、粒子線を、隣り合うサブビーム同士において、それぞれのサブビームの分布の一部が重なり合う複数のサブビームの集合で近似するサブビーム近似ステップと、サブビーム発生位置と走査装置との間に設定した仮想焦点から複数のサブビームのそれぞれのサブビームが発散すると仮定して、それぞれのサブビームをサブビーム発生位置から輸送させることによりそれぞれのサブビームが照射対象に形成するサブビーム線量分布を演算して、演算したサブビーム線量分布を積算することにより、各照射位置を照射する粒子線が照射対象に形成するそれぞれの線量分布を求めるサブビーム線量分布演算ステップとを備えるようにしたものである。
この発明によれば、粒子線をスキャニング照射法により照射するときに患者体内に形成される3次元線量分布を効率的に精度よく計算できる粒子線治療計画装置が得られる。
本発明の実施の形態1による粒子線治療計画装置の要部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による粒子線治療計画装置のシミュレーションにおけるサブビームの断面の概念を説明する模式図である。 本発明の実施の形態1による粒子線治療計画装置のシミュレーションにおけるサブビームによる近似の例を示す模式図である。 本発明の実施の形態1による粒子線治療計画装置のシミュレーションの手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1による粒子線治療計画装置のシミュレーションの概念を説明する模式図である。 粒子線を患部にスキャニング照射法により照射する方法の概念を示す模式図である。 スキャニング照射法により照射したときの、粒子線の進行方向である深さ方向(Z方向)に形成される線量分布を説明するための線図である。 スキャニング照射法により照射したときの、粒子線の進行方向に垂直な一方向(X方向)に形成される線量分布を説明するための線図である。 粒子線を患部に照射する場合の状態の概念を示す模式図である。
実施の形態1.
まず図6〜9を参照して、スキャニング照射法により、照射対象である腫瘍などの患者の患部に粒子線を照射して患者体内に粒子線の線量分布を形成する方法について説明する。スキャニング照射法を用いた粒子線治療装置100では、図6に示すように、粒子線発生装置1から発生された粒子線を、走査装置2によって進行方向と直行する横方向XY2次元に偏向して走査する。偏向される粒子線は細いペンシルビーム状になっている。図6では、走査された粒子線を、粒子線B1、B2、B3で示している。各粒子線は患者の体表面6から入射し、患部(照射対象)7の所定深さ位置で停止する。患部7の全領域をカバーするように、粒子線の照射位置が配置され、各照射位置に照射したとにき形成される各線量分布(体内で吸収される線量の分布)の合計が、患者体内に形成される線量分布となる。治療計画において、この合計の線量分布が患部7の領域とほぼ一致するように計画される。治療計画においては、患部には治療に必要な高い線量を与え、患部以外の正常組織にはなるべく低い線量が照射されるように、各照射位置に照射する粒子線の照射量が最適化される。
図7と図8は照射対象である患部を走査する粒子線によって3次元線量分布が形成される様子を一次元ずつ示している。図7は粒子線の進行方向である深さ方向(Z方向)の線量分布の例を示している。a〜fで示す曲線は、それぞれ粒子線のエネルギーが異なる場合の深さ方向の線量分布の例を示している。図7に示すように、粒子線のエネルギーが異なることにより吸収線量のピーク位置、すなわちブラッグピークの位置が異なり、粒子線のエネルギーを変えることで深さ方向の照射位置を変えることができる。エネルギーが異なるa〜fの粒子線を照射した場合、各照射位置に照射したときの線量分布の合計、すなわちa〜fの曲線で示される線量を積算して形成される線量分布が患者に照射される線量分布となる。図7では患者に照射される線量分布を破線で示している。図7に示すように、通常、合計の線量分布が患者の患部の領域でフラットな分布となるよう照射する。
一方、図8は、粒子線の進行方向と直交する一方向の、ある深さ、例えばブラッグピーク位置での線量分布の例を示している。ここではスキャニング照射法のうち、照射位置をステップ状に移動させて照射するスポットスキャニング照射法の例を示している。スポットスキャニング照射法では、ある照射位置に粒子線を停留させて照射を行い、照射線量が目標線量に達した後、粒子線を隣の照射位置に移動させて停留させ照射する。この工程を繰り返して、粒子線を患部の横方向の全領域に移動することにより患部の横方向の全領域に線量分布を形成する。図8のg〜lの曲線が、それぞれ各照射位置に停留して照射される粒子線により形成される線量分布を示し、破線が各照射位置に停留して照射される粒子線により形成される線量分布を合成して得られる合計線量分布を示している。図8ではX方向の分布を示しているが、Y方向も同様である。
以上のように、深さ方向は粒子線のエネルギーを変えて、横方向は走査装置2によって粒子線を移動させて、患部の各照射位置を照射することにより、3次元の患部に線量分布を形成する。粒子線治療においては、治療計画装置により、この線量分布が目標の線量分布になるように、照射する粒子線の各種パラメータを決定する。治療計画装置により各種パラメータを決定するためには、患部に吸収される吸収線量を演算により求める、すなわちシミュレーションする必要がある。シミュレーションはできるだけ精度よく行う必要がある。本発明は、このシミュレーションをできるだけ精度良く、かつ効率的に行うことができる治療計画装置を提供するために考案された。
図9は、患部7に粒子線を実際に照射する場合の状態を概念的に示す図である。図9では、走査された粒子線3の断面サイズが照射位置8に向かって、A、B、C、Dと変化していく様子を示している。図9では、粒子線3の一部は患部7に到達するまでに密度の高い組織22の付近を通過している。また、照射領域を制限するためにマルチリーフコリメータ(MLC)41や患者コリメータ42といった、粒子線を遮蔽する遮蔽部材を用いることがある。粒子線を1本のビームとして扱う場合、粒子線の一部が遮蔽部材で遮蔽されたり、異なる組織を通過する状態を精度よくシミュレーションできない。
そこで、ペンシルビームである粒子線を、複数のサブビームの集合で近似する。図1は、本発明の実施の形態1による粒子線治療計画装置の要部の構成を示すブロック図である。図2〜図4は、本発明の実施の形態1による粒子線治療計画装置によるシミュレーションの概念を示す模式図である。図2は粒子線の断面を示す模式図であり、実線がペンシルビームである粒子線(以後実ビームと称する)の断面の輪郭を示す。このような実ビームを、破線で示す複数のサブビームの集合で近似する。図2で示す、X軸上に配置したサブビーム#1〜#5の強度分布を図3に示す。図3において、実線で示す実ビームの強度分布を、断面サイズが実ビームの断面サイズより小さく、例えばそれぞれガウス分布の強度分布を有するサブビーム#1〜#5の集合に分解して近似することができる。
実ビームの分布F(x、y)をN個のサブビームfi(x-xi、y-yi)(i=1〜N)で近似する。fi(a、b)を例えばガウス分布の関数とすると、fi(x-xi、y-yi)は位置(xi、yi)を中心とするガウス分布の関数となる。fi(x-xi、y-yi)はi番目のサブビーム#iの分布を表すことになる。図3に示されるように、ピーク強度が異なるサブビームを合成して実ビームの分布を近似する。サブビーム#iに重みWiを付けて全てのサブビームを合成して、
F(x、y)≒ΣWi*fi(x−xi、y−yi) (1)
となるように、サブビームの集合を決定する。
本発明のサブビームは、それぞれの分布関数はガウス分布の関数に限らないが、図3に示すように、少なくとも隣り合うサブビーム同士で、それぞれのサブビームの分布の一部が重なっていることを特徴とする。すなわち、i番目のサブビームとi+1番目のサブビームが隣り合っているとすると、fi(x−xi、y−yi)とfi+1(x−xi+1、y−yi+1)は、有限の(x、y)領域で両方が値を有することを特徴とする。これに対して、特許文献1や特許文献2など、従来行われていたビームの分割では、サブビームに相当する各ビームレットでは、それぞれのビームレットは重なり部分が無く、単にビームの分布を分割しただけである。この点が、本願発明のサブビームと、従来のビームレットとの間の大きく異なる点である。
また、通常実ビームは2次元分布の形状が円形に近い形状であるため、サブビームはこの実ビームの径よりも小さい径の円形に分布するビームとするのが良い。さらに、図2に示すように、実ビームの中央に一つのサブビーム(第一サブビームとする)を配置し、第一サブビームの周りに、中心がリング状に並ぶように他のサブビームを配置するのが良い。すなわち、第一サブビームの中心位置(x1、y1)が実ビームの中心の位置、(xi、yi)が(x1、y1)を中心とするリングの上に配置される。サブビームの数にもよるが、例えば、図2に示すように、このリングが2重となるよう配置するとサブビームの合成により実ビームを良く近似できることがわかった。
本発明による粒子線治療計画装置では、各照射位置に照射される粒子線により形成される患者体内の各線量分布を、式(1)の右辺のそれぞれのサブビームを用いてシミュレーションする。3次元線量分布を計算する際は、図4に示すようなフローでシミュレーションする。まず治療計画で必要な患者3次元CT画像と、照射方向などその他の照射に必要な照射パラメータ、すなわち治療計画用データを準備する(ステップST1)。次に、走査ピッチ、最適化計算用条件、等の計算条件を設定する(ステップST2)。そして、実ビームを、断面において、より小さい断面サイズの強度分布を有するN個のサブビームを用いて近似する。ここで、サブビームで近似する位置、すなわちサブビームを発生させる位置であるサブビーム発生位置30は、図5に示すように、マルチリーフコリメータ41や患者コリメータ42といった、粒子線を遮蔽する遮蔽部材と走査装置2との間に設定する。それぞれのサブビームの中心位置(xi、yi)、及びその重み係数Wi(i=1、2、3……N)を最適化計算にて求め、その合成した分布形状が実ビーム3の分布形状を近似的に再現するように、すなわち式(1)を満足するようにサブビームの集合を決定する(ステップST3)。この近似は、後述するサブビームの線量分布計算に基づく実ビームの3次元線量分布の精度を保障するものであり、本発明の重要特徴である。特に、図3に示すように、少なくとも隣り合うサブビーム同士で、それぞれの分布の一部が重なっていることが重要である。
そして、それぞれのサブビームを輸送させて演算を行う。このとき、図5に示すように、走査装置2により偏向される粒子線の偏向中心をみなし線源位置31とし、実ビーム3がこの点で偏向されるとする。さらに、サブビーム発生位置30とみなし線源位置31、すなわち走査装置2との間に仮想焦点32を設けて、それぞれのサブビームがこの仮想焦点32を中心に発散するとして、それぞれのサブビームをサブビーム発生位置30から輸送させて演算を行う。輸送中に、例えば、サブビームの中心がマルチリーフコリメータ41あるいは患者コリメータ42などの遮蔽部材に当たる場合は、そのサブビームは患者体内には輸送させないように無効とする、すなわち演算対象とはしない処理を行う(ステップST4)。
次に無効ではないサブビームを用いて、走査された粒子線3の患者体内における3次元線量分布の計算を行う。患者体内における3次元線量分布は、それぞれのサブビームが体内に形成する3次元線量分布のそれぞれの計算結果に、それぞれの重み係数Wi(i=1、2、3……N)を乗算し、合計して(重みつきたたき込み計算)算出することで求めることができる。例えば、図5に示すように、走査された粒子線3の5番目のサブビーム#5は患者コリメータ42で遮蔽されるため、無効として演算対象とはしない。一方、サブビーム#3は密度の高い組織22を通過し、照射位置8に停止するまで、その軌跡において3次元線量分布を形成する。そして、サブビーム#1は、密度の高い組織22を通過せずに、照射位置8に停止するまで、その軌跡において3次元線量分布を形成する。
全ての無効以外のサブビームについて、それぞれの3次元線量分布を計算し、その結果に各々の重み係数Wiを乗算して、その合計を実ビームの3次元線量分布とする(ステップST5)。ステップST5では、各照射スポットを照射する実ビームの、それぞれの実ビームについてこの計算を実施する。ステップST5では、例えば各照射スポットを単位照射量で照射した場合のそれぞれの3次元線量分布が計算される。各照射スポットを単位照射量で照射した場合のそれぞれの3次元線量分布を用いて、各照射スポットに照射する粒子線の照射量をMUj(j=1、2、3……M:Mはスポットスキャニング照射におけるスポットの個数)として、各照射スポットに照射した場合の3次元線量分布を積算することにより患部全体の3次元線量分布を算出することができる。ここで、最適化計算により各MUjを決定する。最適化計算は、ステップST1とステップST2で他のパラメータと一緒に入力した最適化アルゴリズムを用いて、患部全体の線量分布が目標線量分布に近い線量分布となるように各MUjを決定することで実行する(ステップST6)。決定した照射量MUj(j=1、2、3……M)のリストと、患者体内の線量分布などを出力する(ステップST7)。実際の粒子線治療では、ここで出力された各スポットにおける粒子線の照射量MUj(j=1、2、3……M)に基づいて、粒子線が患者に照射される。
以上のフローは、図1のブロック図に示すように、粒子線治療計画装置10における演算ユニット20において実行される。ステップST1において準備した照射パラメータや、ステップST2で設定した計算条件などは、治療計画データ記憶部に記憶される。ステップST3はサブビーム近似部11において、ステップST4、ST5はサブビーム線量分布演算部12において、ステップST6は照射量最適化部13において、それぞれ実行される。
このように、粒子線を照射対象である患部領域にスキャニング照射法により照射して、3次元の所定線量分布を形成するため、粒子線を、隣り合うサブビーム同士で、それぞれの強度分布の一部が重なっている複数のサブビームの集合により近似する。また、サブビームを発生させる位置は、マルチリーフコリメータ41や患者コリメータ42といった、粒子線を遮蔽する遮蔽部材と走査装置2の間に設定されたサブビーム発生位置30である。この複数のサブビームのそれぞれのサブビームが走査装置2により偏向されて進行する状態を、サブビーム発生位置30と走査装置2との間の仮想焦点32から発散すると仮定してシミュレーションすることにより、患者体内に形成される3次元線量分布を計算するようにした。そのため、遮蔽部材により遮蔽されたり、患者体内に存在する密度の高い組織22などの付近を通過した際、遮蔽部材や密度の高い組織の影響を詳細に考慮して、粒子線の3次元線量分布を計算することが可能である。また、それぞれのサブビームの位置(xi、yi)、及びその重み係数Wi(i=1、2、3……N)を最適化計算にて求め、その合成した分布が実ビームの分布を近似的に再現するようにした。このため、実ビームの近似として、精度を保障し、高い精度にて、走査された実ビームによる3次元線量分布を計算できる効果がある。
本発明では、複数のサブビームのそれぞれのサブビームが走査装置により偏向されて進行する状態をシミュレーションする。すなわち、サブビームの軌跡をそれぞれ別々に演算することにより、それぞれのサブビームが異なる位置を進むようシミュレーションできるため、実ビームが進行方向に沿って進むと共にビームサイズが大きくなっていく現象を精度よく再現できる効果がある。特にビームが通過する媒質が不均一であった場合に、ビームの進行とともにビームサイズが大きくなっていく過程において、位置により異なる現象を精度よく再現できる。このように、走査された粒子線により患者体内に形成される3次元線量分布をより高い精度で計算できる。この点からも精度の高い粒子線治療計画装置を得ることが可能である。
2 走査装置、3 実ビーム、7 患部(照射対象)、10 粒子線治療計画装置、11 サブビーム近似部、12 サブビーム線量分布演算部、13 照射量最適化部、20 演算ユニット、30 サブビーム発生位置、31 みなし線源位置、32 仮想焦点、41 マルチリーフコリメータ(遮蔽部材)、42 患者コリメータ(遮蔽部材)、100 粒子線治療装置

Claims (7)

  1. 粒子線の進行方向に垂直な2方向であるXY方向に前記粒子線を偏向する走査装置により、前記粒子線を移動と停留を繰り返すように照射対象に走査して、前記粒子線の停留ごとに前記照射対象の前記粒子線のエネルギーに対応した深さの位置を各照射位置としてそれぞれ照射スポットを形成するとともに、前記粒子線のエネルギーを変更して前記照射スポットの深さ方向の位置を変更することで、前記照射対象に3次元の線量分布を形成する粒子線治療装置における、前記各照射位置に照射する前記粒子線のそれぞれの照射量を求める演算ユニットを備えた粒子線治療計画装置において、
    前記演算ユニットは、
    前記走査装置より下流に設けられた遮蔽部材と前記走査装置との間に設定したサブビーム発生位置において、前記粒子線を、隣り合うサブビーム同士において、それぞれのサブビームの強度分布の一部が重なり合う複数のサブビームの集合で近似するサブビーム近似部と、
    前記サブビーム発生位置と前記走査装置との間に設定した仮想焦点から前記複数のサブビームのそれぞれのサブビームが発散すると仮定して、前記それぞれのサブビームを前記サブビーム発生位置から輸送させることにより前記それぞれのサブビームが前記照射対象に形成するサブビーム線量分布を演算して、演算した前記サブビーム線量分布を積算することにより、前記各照射位置を照射する前記粒子線が前記照射対象に形成するそれぞれの線量分布を求めるサブビーム線量分布演算部と、
    前記各照射位置を照射する粒子線が前記照射対象に形成するそれぞれの線量分布を積算して求めた前記照射対象に形成される全線量分布が治療計画で設定された目標線量分布となるように、前記各照射位置に照射する前記粒子線のそれぞれの照射量を求める照射量最適化部と
    を備えたことを特徴とする粒子線治療計画装置。
  2. 前記サブビーム線量分布演算部は、前記複数のサブビームのうち、輸送中に前記遮蔽部材に中心が当たるサブビームは演算対象とはしない処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療計画装置。
  3. 前記サブビーム発生位置における前記複数のサブビームとして、前記粒子線の中心に第一サブビームを配置し、この第一サブビームの周囲に、中心がリング状に配置されるように他のサブビームを配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の粒子線治療計画装置。
  4. 粒子線の進行方向に垂直な2方向であるXY方向に前記粒子線を偏向して走査する走査装置により、前記粒子線を移動と停留を繰り返すように走査して、前記粒子線の停留ごとに照射対象の前記粒子線のエネルギーに対応した深さの位置を各照射位置としてそれぞれ照射スポットを形成するとともに、前記粒子線のエネルギーを変更して前記照射スポットの深さ方向の位置を変更することで、前記照射対象に3次元の線量分布を形成する粒子線治療装置における前記照射対象の線量分布をシミュレーションにより求める粒子線照射のシミュレーション方法において、
    前記走査装置より下流に設けられた遮蔽部材と前記走査装置との間に設定したサブビーム発生位置において、前記粒子線を、隣り合うサブビーム同士において、それぞれのサブビームの分布の一部が重なり合う複数のサブビームの集合で近似するサブビーム近似ステップと、
    前記サブビーム発生位置と前記走査装置との間に設定した仮想焦点から前記複数のサブビームのそれぞれのサブビームが発散すると仮定して、前記それぞれのサブビームを前記サブビーム発生位置から輸送させることにより前記それぞれのサブビームが前記照射対象に形成するサブビーム線量分布を演算して、演算した前記サブビーム線量分布を積算するこ
    とにより、前記各照射位置を照射する前記粒子線が前記照射対象に形成するそれぞれの線量分布を求めるサブビーム線量分布演算ステップと、
    を備えたことを特徴とする粒子線照射のシミュレーション方法。
  5. 前記サブビーム線量分布演算ステップにおいて求めた前記それぞれの線量分布を積算して得られる、前記照射対象に形成される全線量分布が治療計画で設定された目標線量分布となるように、前記各照射位置に照射する前記粒子線のそれぞれの照射量を最適化計算により求める照射量最適化ステップを備えたことを特徴とする請求項4に記載の粒子線照射のシミュレーション方法。
  6. 前記サブビーム線量分布演算ステップにおいて、前記複数のサブビームのうち、輸送中に前記遮蔽部材に中心が当たるサブビームは演算対象とはしない処理を行うことを特徴とする請求項4または5に記載の粒子線照射のシミュレーション方法。
  7. 前記サブビーム近似ステップにおいて、前記サブビーム発生位置における前記複数のサブビームとして、前記粒子線の中心に第一サブビームを配置し、この第一サブビームの周囲に、中心がリング状に配置されるように他のサブビームを配置することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の粒子線照射のシミュレーション方法。
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