JP7482048B2 - 治療計画装置、治療計画方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

治療計画装置、治療計画方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、治療計画装置、治療計画方法及びコンピュータプログラムに関する。
粒子線治療システムでは、ボーラス、コリメータといった患者固有器具が製作不要である点や、腫瘍形状に合致した線量分布が形成可能な点から、ビームの照射方法としてスキャニング照射法が広く採用されている。スキャニング照射法では、患者体内、特に腫瘍などの高線量を付与すべき標的領域の内部及び周辺に対し3次元的に無数の点(スポット)を配置し、各スポットを狙って順に細径ビームを照射していくことで、標的領域に一様な線量分布を形成する。
粒子線治療システムの照射計画(以下、治療計画)とは、患者のCT画像等から得られる情報に基づいて患者体内の線量分布を計算し、標的領域内へ均一な線量が付与されるように、また、標的近傍に位置するリスク臓器(OAR:Organ At Risk)への被ばくを可能な限り避けるように、各スポットへの処方線量を最適化していく手順である。最適化では、標的領域およびOARの内部に対し3次元的に無数の計算点を配置する。ここで、計算点とスポットの位置は必ずしも同一ではないことに注意されたい。各計算点に対して線量の目標値を設定し、各スポットへの処方線量を変更しながら各計算点での線量を繰り返し計算する事で、目標値を達成するスポット毎の処方線量を得る。
従って、治療計画には高い線量計算精度が求められる。しかしながら、正しく計算された計画であっても、計画通りの照射が行われない可能性は常に存在する。その要因は、内的要因と外的要因に分けられる。内的要因は、腫瘍を含む臓器の変形、移動に加えて、呼吸や心拍等による移動がある。外的要因には、患者設置時の誤差や、ビーム照射時のずれがある。
計画通りの照射がなされない場合、線量不足による腫瘍の再発が起こる可能性がある。また、OARの高線量被ばくが引き起こされる可能性がある。そのため、照射の精度を向上させることと同時に、上述の不確定性の影響をできる限り排除するための対策が必要となる。
その一つに、標的領域にマージンを加える方法がある。標的となる腫瘍部分を覆う領域よりもわずかに広い範囲に照射を行うことで、腫瘍位置や照射位置に小さな変動が生じたとしても、高線量を付与したい腫瘍の部分が確実に照射されることを補償するものである。マージンは、不確定性の要因に応じて適切な方向や量が選択される。言い換えると、想定される要因ごとにマージンは付与される。
マージン自体の考え方はX線を含む放射線治療に共通のものであるが、粒子線に特有な課題として、飛程に対応したマージンがある。X線と異なり、粒子線は入射エネルギーに依存して特定の位置、つまり飛程で停止する。このため、腫瘍よりも深い位置への影響を低く抑えることができる反面、様々な不確定性のある条件下ではビームが腫瘍の途中で停止してしまい、その先の領域に十分な線量が付与できない可能性がある。この課題に対処するため、深さ方向にマージンを付与し、このマージン分だけ深い位置までビームを照射する。これが飛程に対応したマージンの基本的な考え方である。
飛程位置の変動の要因には、照射装置から発生するビームのエネルギー変動、線量計算におけるCT値-水等価厚変換の不確定性、照射位置の変動などがある。飛程の変動は、腫瘍領域自体の位置だけでなく、そこに到達するまでにビームが通過する経路上の構造にも大きく左右される。例えば、骨や空気層といった密度の大きく変化する領域がビーム経路上に含まれる場合、ビームの飛程が大きく変化する可能性がある。
特許文献1では、ビームが各スポットに向けて直進する性質を利用して水等価厚空間を定義し、水等価厚空間上の標的領域に対して準等方的にマージンを設定することで、飛程の変動を適切に補償するマージンの設定手段が開示されている。
特開2013-132489号公報
近年、核磁気共鳴画像法(MRI)を用いた放射線治療の画像誘導が注目されている。この画像誘導は、体内の臓器位置・形状の変化を治療前に観測して上述の治療計画を修正したり、臓器位置・形状の変化を治療中リアルタイムにモニタし、治療計画で想定した状態と合致した場合にのみ放射線照射をおこなう手法である。標的領域周辺への不要な被ばくが低減可能なため、膵臓がんといったOARに囲まれた腫瘍に対し、高い治療効果を発揮している。
しかしながら、MRIによる画像誘導を粒子線治療と併用すると、特許文献1に示すような公知技術では、飛程の変動に対応したマージンを適切に設定できない課題があった。これは、磁場によってビームの軌道が偏向し、且つその偏向量はビームのエネルギーによって異なるために、水等価厚空間を定義できないためである。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、粒子線治療システムをMRIを用いた画像誘導と併用した場合においても、飛程の変動に対して適切なマージンを設定することが可能な治療計画装置、治療計画生成方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従う治療計画装置は、標的に粒子線を照射する治療計画を生成する治療計画装置であって、標的内の少なくとも1つ以上の計算点に対し、近傍にブラッグピークを形成するビームのエネルギーを探索し、ビームの飛程と、ビームの進行方向とに基づき、計算点に対してマージンを設定し、各計算点に設定したマージンの和集合から 標的全体のマージンを算出する制御装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、粒子線治療システムをMRIを用いた画像誘導と併用した場合においても、飛程の変動に対して適切なマージンを設定することが可能となる。
実施例に係る治療計画装置を有する粒子線治療システムを示す概略構成図である。 実施例に係る粒子線治療システムに用いられる照射野形成装置の構成を示す図である。 実施例に係る治療計画装置を示す図である。 実施例に係る治療計画装置による治療計画立案の手順を示すフロー図である。 実施例に係る治療計画装置における、計算点、スポット、実効スポットの位置関係を示す概要図である。 実施例に係る治療計画装置における、各計算点に対するマージンの設定方法を示す概要図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
なお、実施形態を説明する図において、同一の機能を有する箇所には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
実施例の放射線治療計画装置(以下、単に「治療計画装置」と称する)を、図1~6を参照して説明する。本実施例では、放射線治療の一種であるスキャニング照射法による陽子線治療の治療計画を立案する治療計画装置について説明するが、散乱体照射法による陽子線治療や、炭素線等を用いる重粒子線治療の治療計画を立案する治療計画装置にも適用可能である。
図1は、実施例に係る治療計画装置が適用される粒子線治療システムを示す概略構成図である。
図1において、実施例に係る粒子線治療システムSは、陽子線照射装置101、中央制御装置112、メモリ113、照射制御システム114、表示装置115、及び治療計画装置120を有する。
なお、本実施例では陽子線照射装置を例に説明するが、本発明は陽子より質量の重い粒子(炭素線など)を用いた重粒子線照射装置にも適用することができる。
陽子線照射装置101は、図1に示すように、陽子線発生装置102、陽子線輸送装置103および回転式照射装置104を有する。なお、本実施形態では回転ガントリーを備える回転式照射装置104を例に説明するが、照射装置は固定式を採用することもできる。
図1において、陽子線発生装置102は、イオン源105、前段加速器106(例えば、直線加速器)およびシンクロトロン107を有する。イオン源105で発生した陽子イオンは、まず、前段加速器106で加速される。前段加速器106から出射した陽子線(以下、ビーム)は、シンクロトロン107で所定のエネルギーまで加速された後、出射デフレクタ108から陽子線輸送装置103に出射される。最終的に、ビームは、回転式照射装置104を経て被照射体に照射される。
なお、本実施形態では陽子線の加速装置としてシンクロトロンを採用したが、サイクロトロンや直線加速器を採用することができる。
回転式照射装置104は、回転ガントリー(図示せず)および照射野形成装置109を有する。回転ガントリーに設置された照射野形成装置109は、回転ガントリーと共に回転する。陽子線輸送装置103の一部は、回転ガントリーに取り付けられている。
次に、照射野形成装置109の詳細について図2を参照して説明する。本実施例の照射野形成装置109は、スキャニング照射法を採用する。スキャニング照射法では、患者201の体内、特に腫瘍などの高線量を付与すべき標的領域202の内部及び周辺に対し3次元的に無数の点(スポット)203を配置し、各スポットを狙って順に細径ビームを照射していくことで、標的領域202に一様な線量分布を形成する。あるスポット203に所定の線量が付与されると、照射を停止して次の所定スポット203に向けてビームが走査される。計画通りの位置に計画通りの量のビームが照射されていることは、照射制御システム114が管理する。
横方向(図2におけるX方向およびY方向)へのビーム走査には照射野形成装置109に搭載した走査電磁石204を用いる。ビームの偏向量と電流量との関係は、あらかじめテーブルとして中央制御装置112の中のメモリ113に保持されており、それを参照する。ある深さについてすべてのスポット203に所定線量を付与すると、照射野形成装置109は深さ方向にビームを走査する。深さ方向へのビームの走査は、シンクロトロン107での加速条件を変更する、もしくは、ビームを照射野形成装置109等に搭載したレンジシフタ(図示せず)を通過させる等の方法によりビームのエネルギーを変更することによって行う。通過したビームの飛程をガウス分布状に分散させ、ブラッグピークの幅を拡大するために、照射野形成装置109にはリッジフィルタ(図示せず)が設置されている場合もある。
なお、スキャニング照射には、ディスクリート方式とラスター方式があり、本実施例ではディスクリート方式で説明したが、どちらの方式でも同様に効果が得られる。ディスクリート方式はスポットの切替時に一旦ビームを停止する方式、ラスター方式は照射位置の移動中にもビームを停止しない方式である。
画像誘導、即ち体内の臓器位置・形状の変化を治療前に観測して治療計画を修正したり、臓器位置・形状の変化を治療中リアルタイムにモニタするために、照射野形成装置109にはMRIシステム205が設置される。従って、図2に示すように、ビームはMRIシステム205が形成する磁場によって偏向し、狙ったスポット203に対して異なる場所にブラッグピークを形成する。
スキャニング照射法では、上述のような手順を繰り返すことで、最終的に標的202全体に一様な線量分布が形成される。スポット203毎のビームの横方向線量分布は、XY面において1σ=2mm~20mmのガウス分布状に広がっている。
図3は、実施例1に係る治療計画装置120を示す概略構成図である。
治療計画装置120は、図3に示すように、粒子線を照射するためのパラメータを入力するための入力装置121、治療計画を表示する表示装置122、メモリ(記憶媒体)123、データベース(記憶媒体)124、線量分布計算を実施する演算処理装置125(演算素子である制御装置)、通信装置126を有する。
治療計画装置120は、各種情報処理が可能な装置、一例としてコンピュータ等の情報処理装置から構成される。
演算素子は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等である。記憶媒体は、例えばHDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶媒体、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などの半導体記憶媒体等を有する。また、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスク及び光ディスクドライブの組み合わせも記憶媒体として用いられる。その他、磁気テープメディアなどの公知の記憶媒体も記憶媒体として用いられる。
記憶媒体には、ファームウェアなどのプログラムが格納されている。治療計画装置120の動作開始時(例えば電源投入時)にファームウェア等のプログラムをこの記憶媒体から読み出して実行し、治療計画装置120の全体制御を行う。また、記憶媒体には、プログラム以外にも、治療計画装置120の各処理に必要なデータ等が格納されている。
あるいは、治療計画装置120を構成する構成要素の一部がLAN(Local Area Network)を介して相互に接続されていてもよいし、インターネット等のWAN(Wide Area Network)を介して相互に接続されていてもよい。
次に、本実施例の治療計画装置120における治療計画立案の流れを、図4を参照して説明する。
粒子線治療システムSの照射計画(以下、治療計画)とは、患者のCT画像等から得られる情報に基づいて患者体内の線量分布を計算し、標的領域内へ均一な線量が付与されるように、また、標的近傍に位置するリスク臓器(OAR)への被ばくを可能な限り避けるように、各スポットへの処方線量を最適化していく手順である。
まず、操作者は、表示装置122の領域入力画面で、入力装置121であるマウス等の機器を用いて、被照射体のCT画像のスライスごとに指定すべき領域を入力する(手順301)。即ち、放射線を照射すべき標的領域202と、放射線の照射を極力避けるべき重要臓器(OAR)の領域である。各スライスで入力が終わると、操作者が入力した領域は、3次元の位置情報として記録装置であるデータベース124に保存される。
次に、図5に示すように、標的領域202やOAR領域401の内外に合計M個の計算点402を3次元的に配置し、さらに標的領域202の内外にN個のスポット203を3次元的に配置する(手順302)。
さらに、各スポット203に向けて照射されるビームのエネルギーを決定する(手順303)。ビームのエネルギーは、走査点403から各スポット203に対してビームが直進すると仮定し、走査点403からスポット203までの水等価厚がビームの飛程と一致するように決定される。これは、ゼロ磁場の状況下ではブラッグピーク位置とスポット位置が合致することに相当する。決定したビームのエネルギー及び飛程R(i)はデータベース124に保存される。ここで、i(0≦i≦N)はスポットの番号である。なお、走査点403の位置は、おおよそ走査電磁石の中心位置で近似できる。
次に、画像誘導用に設置されたMRIシステム205が生成する磁場を考慮して、各スポット203に向けて照射されたビームがM個の計算点402に与える線量を計算し、M×Nの線量行列Aとして記録装置に保存する(手順304)。ここで、各計算点402への全スポット分の合計付与線量を要素とするM次元のベクトルをdとすると、dと各スポット203への照射量を要素とするN次元のベクトルxとの関係は、次式で表せる。
Figure 0007482048000001
手順304においては、線量行列Aの計算過程で得た実効スポット404の3次元位置reff(i)を記録装置に保存する。また、実効スポット404に対するビームの入射角度dr(i)を計算し、データベース124に保存する(手順305)。
ここで、実効スポット位置とは、MRI磁場による偏向を考慮した線量計算で得られるブラッグピーク位置である。前述のように、手順303ではブラッグピーク位置とスポット位置が合致するようにビームエネルギーを決定しているが、MRIシステム205の形成する磁場が存在する状況下では、ビーム軌道は偏向し、線量計算で得られたブラッグピーク位置とスポット位置との間にはズレが生じる。入射角度dr(i)はブラッグピーク近傍のビームの中心軌道を直線近似することで算出しても良いし、ビームエネルギーを微小変化させた際の実効スポット位置の変化から求めても良い。
次に、図6に示すように、標的領域内部(輪郭上を含む)のM(target)個の計算点402に対し、飛程変動に対する個別マージン501を設定する(手順306)。計算点j(0≦j≦M(target))の個別マージン501の方向及び大きさは、計算点jに対し最も近接する場所に実効スポットを形成するビームの入射角度と飛程から計算される。即ち、計算点jの3次元位置をrcal(j)とすると、手順303、手順305においてデータベース124に保存された情報より、マージンの方向dm(j)、大きさm(j)は以下の式に基づき決定される。
Figure 0007482048000002
ここで、該当するスポット番号iは、反復計算によって探索される。γは飛程に対する変動量の割合を示し、一般的に約3%である。本実施例では、マージン方向、即ち入射角に対して垂直な方向にも個別マージン501を設定している。これはビームや患者の位置ズレに対応するものであり、操作者によって任意の値を設定することができる。
ここで、本実施例では、計算点jに対し最も近接する場所に実効スポットを形成するビームに基づいてマージンを設定したが、計算点jに対し線量寄与が最大となるビームに基づいてマージンを設定する方法でも本実施例の効果は得られる。一般的に、体表から深い位置のスポットほど処方線量は大きくなる。従って、浅い位置の計算点に間しては、計算点近傍に実効スポットを形成するビームは必ずしも線量寄与が最大になるとは限らない。線量寄与最大のビームに基づいてマージン量を設定する場合は、計算点j通過時の同ビームの進行方向をマージンの方向dm(j)に設定しても良い。また、マージンの大きさm(j)に関しては、線量寄与最大となるビームの飛程を用いても良いし、計算点近接に実効スポットを形成する、別のビームの飛程に基づいてもよい。
次に、M(target)個の計算点の個別マージン501の和集合をとることで、標的全体のマージン502を設定する(手順307)。本実施例では計算点402を輪郭上を含む標的領域202内部で設定したが、反復計算の計算量を削減するために、輪郭上などに限定しても良い。
次に、スポット203毎の処方線量を最適化する。手順302と同様に、マージン502を含む標的領域202とOAR領域401の内外に合計M個の計算点402を3次元的に再配置し、さらに標的領域202の内外にN個のスポット203を3次元的に再配置する(手順308)。さらにまた、手順304と同様に、画像誘導用に設置されたMRIシステム205が生成する磁場を考慮して、各スポット203に向けて照射されたビームがM個の計算点に与える線量を計算し、M×Nの線量行列Aとしてデータベース124に保存する(手順309)。
次に、標的領域202に含まれるM(target)個の計算点402に対し、目標とする照射線量Dを設定する。さらに、OAR領域401に含まれるM(OAR)個の点に対し、許容線量値Dlimitを設定する。さらにまた、本実施例の治療計画装置120では、目的関数F(x)を次式のように定める(手順310)。
Figure 0007482048000003
第1項は標的領域202に相当する部分となり、M(target)個の計算点402での線量値dj (target)が目標とする照射線量Dに近いほど目的関数F(x)は小さくなる。第2項はOARの線量制約に関する項であり、M(OAR)個の計算点での線量値dj (OAR)が許容線量Dlimitを超えない線量であればよい。θ(d(OAR) j-Dlimit)は階段関数であり、d(OAR) j<Dlimitの場合は0、それ以外の場合は1となる。ここで、w(k),w(OAR)は、それぞれの目的関数に対応する重みであって、操作者によって入力される値である。重みは、計算点毎に異なる数値を設定することもできる。
本実施例の治療計画手順では、上記の目的関数F(x)を生成後、終了条件を満たすまで反復計算を繰り返すことで、目的関数F(x)が最も小さくなるxを探索する(手順311)。終了条件に達すると、反復計算を終了する。終了条件には、計算時間や計算回数、目的関数の変化量などの指標が設定される。
従って、本実施例の治療計画装置120によれば、粒子線治療システムをMRIを用いた画像誘導と併用した場合においても、飛程の変動に対して適切なマージンを設定することが可能となる。
なお、本実施例ではスキャニング照射法を例に説明したが、散乱体照射法でも同様の効果が得られる。ただし、散乱体照射法は、散乱体によって横方向に一様に広がったビームを利用するため、スポットの概念を持たない。手順305において、各計算点に対し実効スポットを形成するビームは、スポット単位ではなくエネルギー単位で探索され、データベース124に保存される。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
101…陽子線照射装置 102…陽子線発生装置 103…陽子線輸送装置 104…回転式照射装置 105…イオン源 106…前段加速器 107…シンクロトロン 108…出射デフレクタ 109…照射野形成装置 120…治療計画装置 201…患者、被照射体 202…標的領域 203…スポット 204…走査電磁石 205…MRIシステム 401…リスク臓器 402…計算点 403…走査点 404…実効スポット 501…計算点に対する個別マージン 502…全体マージン

Claims (15)

  1. 標的に粒子線を照射する治療計画を生成する治療計画装置であって、
    前記標的内の少なくとも1つ以上の計算点に対し、近傍にブラッグピークを形成するビームを探索し、
    前記ビームの飛程と、前記ビームの進行方向とに基づき、前記計算点に対してマージンを設定し、
    各前記計算点に設定した前記マージンの和集合から前記標的全体の前記マージンを算出する
    制御装置を有することを特徴とする治療計画装置。
  2. 標的に粒子線を照射する治療計画を生成する治療計画装置であって、
    前記標的内の少なくとも1つ以上の計算点に対し、線量寄与が最大となるビームを探索し、
    前記ビームの飛程と、前記ビームの進行方向とに基づき、前記計算点に対してマージンを設定し、
    各前記計算点に設定した前記マージンの和集合から前記標的全体の前記マージンを算出する
    制御装置を有することを特徴とする治療計画装置。
  3. 標的に粒子線を照射する治療計画を生成する治療計画装置であって、
    前記標的内の少なくとも1つ以上の計算点に対し、線量寄与が最大となるビームを探索し、
    前記ビームの進行方向と、前記計算点の近接にブラッグピークを形成する別のビームの飛程に基づき、前記計算点に対してマージンを設定し、
    各前記計算点に設定した前記マージンの和集合から前記標的全体の前記マージンを算出する
    制御装置を有することを特徴とする治療計画装置。
  4. 前記制御装置は、
    探索された前記ビームの飛程、及び、前記ビームのブラッグピーク位置に対する前記ビームの入射角度に基づき、前記計算点に対して前記マージンを設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の治療計画装置。
  5. 前記制御装置は、前記ビームの進行方向に基づいて決定した前記マージンの方向に対し、垂直方向に前記マージンを設定することを特徴とする請求項1に記載の治療計画装置。
  6. 標的に粒子線を照射する治療計画を生成する治療計画装置による治療計画方法であって、
    前記標的内の少なくとも1つ以上の計算点に対し、近傍にブラッグピークを形成するビームを探索し、
    前記ビームの飛程と、前記ビームの進行方向とに基づき、前記計算点に対してマージンを設定し、
    各前記計算点に設定した前記マージンの和集合から前記標的全体の前記マージンを算出する
    ことを特徴とする治療計画方法。
  7. 標的に粒子線を照射する治療計画を生成する治療計画装置による治療計画方法であって、
    前記標的内の少なくとも1つ以上の計算点に対し、線量寄与が最大となるビームを探索し、
    前記ビームの飛程と、前記ビームの進行方向とに基づき、前記計算点に対してマージンを設定し、
    各前記計算点に設定した前記マージンの和集合から前記標的全体の前記マージンを算出する
    ことを特徴とする治療計画方法。
  8. 標的に粒子線を照射する治療計画を生成する治療計画装置による治療計画方法であって、
    前記標的内の少なくとも1つ以上の計算点に対し、線量寄与が最大となるビームを探索し、
    前記ビームの進行方向と、前記計算点の近接にブラッグピークを形成する別のビームの飛程に基づき、前記計算点に対してマージンを設定し、
    各前記計算点に設定した前記マージンの和集合から前記標的全体の前記マージンを算出する
    ことを特徴とする治療計画方法。
  9. 探索された前記ビームの飛程、及び、前記ビームのブラッグピーク位置に対する前記ビームの入射角度に基づき、前記計算点に対して前記マージンを設定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の治療計画方法。
  10. 前記ビームの進行方向に基づいて決定した前記マージンの方向に対し、垂直方向に前記マージンを設定することを特徴とする請求項6に記載の治療計画方法。
  11. 標的に粒子線を照射する治療計画を生成するコンピュータにより実行されるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記標的内の少なくとも1つ以上の計算点に対し、近傍にブラッグピークを形成するビームを探索する機能と、
    前記ビームの飛程と、前記ビームの進行方向とに基づき、前記計算点に対してマージンを設定する機能と、
    各前記計算点に設定した前記マージンの和集合から前記標的全体の前記マージンを算出する機能と
    を実現させるためのコンピュータプログラム。
  12. 標的に粒子線を照射する治療計画を生成するコンピュータにより実行されるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記標的内の少なくとも1つ以上の計算点に対し、線量寄与が最大となるビームを探索する機能と、
    前記ビームの飛程と、前記ビームの進行方向とに基づき、前記計算点に対してマージンを設定する機能と、
    各前記計算点に設定した前記マージンの和集合から前記標的全体の前記マージンを算出する機能と
    を実現させるためのコンピュータプログラム。
  13. 標的に粒子線を照射する治療計画を生成するコンピュータにより実行されるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記標的内の少なくとも1つ以上の計算点に対し、線量寄与が最大となるビームを探索する機能と、
    前記ビームの進行方向と、前記計算点の近接にブラッグピークを形成する別のビームの飛程に基づき、前記計算点に対してマージンを設定する機能と、
    各前記計算点に設定した前記マージンの和集合から前記標的全体の前記マージンを算出する機能と
    を実現させるためのコンピュータプログラム。
  14. 前記コンピュータに、更に、
    探索された前記ビームの飛程、及び、前記ビームのブラッグピーク位置に対する前記ビームの入射角度に基づき、前記計算点に対して前記マージンを設定する機能
    を実現させるためのものである請求項11に記載のコンピュータプログラム。
  15. 前記マージンを設定する機能は、前記ビームの進行方向に基づいて決定した前記マージンの方向に対し、垂直方向に前記マージンを設定することを特徴とする請求項11に記載のコンピュータプログラム。
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