JP2022530151A - 周期的な動きを利用した陽子線治療を提供する方法 - Google Patents

周期的な動きを利用した陽子線治療を提供する方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、決定された患者状態に応じて、連続的に回転するガントリからターゲットに向けて粒子ビームを照射する技術について説明されている。決定された患者状態と識別されたガントリの角度とは、ビームレットのセット(例えば、放射線量のパターン)をターゲットに照射するために使用される。粒子線は、ガントリ角度の範囲にわたって回転する。ガントリが回転している間は、ビームレットのセットが連続して送出される。【選択図】図9

Description

[0001]
放射線治療(radiation therapy)、すなわち「放射線療法(radiotherapy)」は、ほ乳類(例えば、ヒトや動物)の組織の癌やその他の病気を治療するために使用される。「ガンマナイフ(gamma knife)」と呼ばれる放射線治療では、低強度のガンマ線を複数回照射し、それらのガンマ線を腫瘍などの標的部位に高強度かつ高精度に集束させて照射する。別の例では、線形加速器(「リニアック(linac)」)を使用して、高エネルギー粒子(例えば、電子、高エネルギー光子など)を標的領域に照射する放射線治療が提供される。別の例では、重荷電粒子加速器(例えば、陽子、炭素イオンなど)を用いて放射線治療を行い、放射線ビームの配置と線量を正確に制御して、標的領域に所定の線量の放射線を照射する。また、一般的には、周囲の健康な組織(OARs:Organ(s) at risk)と呼ばれる)へのダメージを軽減または最小化するように放射線ビームを制御する。放射線は「処方された(prescribed)」と呼ばれることがあるが、これは一般的に医師が腫瘍などの標的部位に照射するために予め定義された量の放射線を指示するためである。
[0002]
一般的には、コリメートされたビーム状の電離放射線が、外部放射線源から患者に向けて照射される。放射線ビームの変調は、1つまたはそれ以上のアッテネータまたはコリメータ(例えば、マルチリーフコリメータ)によって提供することができる。放射線ビームの強度と形状は、投影されたビームを標的組織のプロファイルに適合させることにより、標的組織に隣接する健康な組織(例えば、OARs)を損傷しないようにコリメーションによって調整することができる。
[0003]
治療計画の手順には、患者の3次元画像を使用して、標的領域(例えば、腫瘍)を特定し、腫瘍の近くの重要な器官を特定することが含まれる。治療計画の作成は、プランナーが、臨床的に受け入れられる治療計画を作成するために、様々な治療目的や制約(例えば、DVH(Dose Volume Histogram)の目的やその他の制約)を、それぞれの制約の重要性(例えば、重み付け)を考慮しながら遵守しようとする、時間のかかるプロセスである。この作業は、時間のかかる試行錯誤的なプロセスであり、様々な危険臓器(OAR)があるため、OARの数が増えると(例えば、頭と首の治療では約13個)、プロセスが複雑になる。腫瘍から遠く離れたOARは放射線を免れやすいが、標的腫瘍に近い、あるいは重なるOARは、治療中の放射線被ばくを免れることが難しい場合がある。
[0004]
一般的に、各患者に対して、初期治療計画が「オフライン」で生成されることがある。治療計画は、1つまたはそれ以上の医療用画像処理技術を使用するなど、放射線治療が送達される(delivered)前に十分に検討することができる。画像情報には、例えば、X線、コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)、核磁気共鳴(MR:nuclear magnetic resonance)、PET(Positron Emission Tomography)、SPECT(Single-Photo Emission Computed Tomography)、超音波(ultrasound)の画像がある。医師などの医療従事者は、患者の解剖学的特徴を示す3次元画像情報を用いて、1つまたはそれ以上の標的腫瘍を、腫瘍の近くにある危険な器官とともに特定することができる。医療従事者は、手技を用いて、所定の放射線量を受ける標的腫瘍を描出することができ、医療従事者は、同様に、放射線治療によって損傷を受ける可能性のある臓器などの周辺組織を描出することができる。
[0005]
代替的または追加的に、自動化されたツール(例えば、スウェーデンのElekta AB社により提供されるABAS(登録商標)を使用して、ターゲットとなる腫瘍やリスク臓器を特定または明確にすることができる。次に、臨床的および線量的な目的と制約(例えば、腫瘍および重要な器官に対する放射線の最大、最小、および平均線量)に基づく最適化技術を用いて、放射線治療の治療計画(「治療計画」)を作成することができる。
[0006]
治療計画の手順には、患者の3次元画像を使用して、ターゲット領域(例えば、腫瘍)を特定し、腫瘍の近くの重要な器官を特定することが含まれる。画像の取得(acquisition)は、指定した放射線治療のフラクションの送達(delivery)を開始する直前に行うことができる。このような撮像(イメージング)は、ターゲット領域の位置を特定したり、ターゲット領域の動きを特定したりするのに役立つ情報を提供することができる。このような同時期の撮像(イメージング)は、一般的に「リアルタイム」と呼ばれることがあるが、一般的には、画像の取得(acquisition)と放射線治療の送達(delivery)の間には、待ち時間や時間的な遅れが存在する。
[0007]
そのとき、治療計画は、患者を配置し、所定の放射線治療を行うことで実行される。放射線治療計画には、「フラクショニング(fractioning)」が含まれる場合があり、それにより、例えば、各治療の送達(delivery)には、所定の総線量のうちの特定のフラクションが含まれるように、一連の放射線治療の送達が、所定の期間(例えば、45フラクション、またはいくつかの他のフラクションの総計)にわたって提供される。治療時には、治療ビームに対する患者の位置や対象部位の位置が、対象部位と健康な組織のどちらに照射されるかを決定する要素となるため、重要である。
[0008]
あるアプローチでは、電子の代わりに陽子などの粒子を用いて放射線治療を行うことができる。これは通常、陽子線治療と呼ばれる。陽子線治療の利点は、X線治療などの他の放射線治療と比較して、最小の射出線量(exit dose)で優れた線量分布が得られることである。最小の射出線量であるので、危険臓器(OAR)への線量を大幅に低減することができる。さらに、治療当たりの線量が少ないため、副作用のリスクが低く、陽子線治療中や治療後のQOL(生活の質)の向上にもつながると考えられる。
[0009]
陽子線治療のひとつの方法は、複数のエネルギーを持つ均一なビームを提供する広がったブラッグピーク(Bragg peak)のような、ブロードプロトンビーム(broad proton beam)を使用することである。回転治療を使って患者を治療する場合、ブロードビーム(broad beam)では実現できないことがある。例えば、ブロードビームの場合、患者ごとにカスタマイズされた治療分野ごとにイオンビーム補償装置(compensator)が必要になる。つまり、すべての角度に対して1つの補償装置が必要となるため、1人の患者を治療するためには複数の補償装置を使用しなければならないのである。例えば、少なくとも4度ごとに異なる補償装置を使用しなければならない。360度回転する陽子線治療を行うためには、90種類のイオン補償装置(ion compensator)を使って治療を中断したり開始したりしなければならない。また、広いビームを使用した場合、ターゲットとなる腫瘍の近位縁(proximal edge)で線量が望ましくない形状になるという問題もある。(定義の説明)
[0010]
スポット(spot)とは、そのロケーション(location)に送達される(delivered)ビームレットの直径に合わせて構成されたロケーション(location)のことである。
[0011]
ビームレット(beamlet)とは、所定の速度で始点と終点で送達される(delivered)公称直径(nominal diameter)を有する粒子の流れ(stream)のことである。
[0012]
ラインセグメント(line segment)とは、開始位置と終了位置の間で複数の粒子を均一に送達する(deliver)ように構成されるものである。(概要)
[0013]
ひとつのアプローチでは、連続回転するガントリからターゲットに向けて粒子ビームを送達する方法であって、粒子ビームが複数のビームレットで構成され、ターゲットが周期的なサイクルに従って動いている。このような方法の例としては、周期的なサイクルを決定し、対応する放射線治療の治療計画を特定し、ガントリの回転角に対応する周期的なサイクルのためのビームレットのセットを選択し、任意に粒子ビームを回転パターンで任意に送出する方法がある。
[0014]
この概要は、本特許出願の主題の概要を示すことを目的としている。これは、本発明の排他的、網羅的な説明を意図したものではない。詳細な説明は、本特許出願についてのさらなる情報を提供するために含まれている。
[0015]
図1は、一実施形態による、粒子線治療システムコントローラを含むようなシステムの一般的な実施例を示す。
[0016]
図2は、一実施形態による、粒子線治療システムおよび画像取得装置を含むような、放射線治療システムの一般的な実施例を示す。
[0017]
図3は、一実施形態による、陽子治療ビームを提供するように構成された放射線治療出力を含む粒子治療システムの概要を示す。
[0018]
図4は、一実施形態による、様々なタイプの粒子に対するヒト組織における一般的な放射線量の深さを示す。
[0019]
図5は、一実施形態による、広がったブラッグピーク(Bragg Peak)の概要を示す。
[0020]
図6は、一実施形態による、アクティブスキャニング陽子ビーム送出システムの概要を示す。
[0021]
図7A乃至図7Bは、一実施形態による、グリッド上のスパイラルな送出経路の概要を示す。
[0022]
図7Cは、一実施形態による、異なるスポットサイズでのスパイラルなスポット送出経路を示す。
[0023]
図8は、一実施形態による、患者の周期的位相の例を示す図である。
[0024]
図9は、呼吸サイクルとガントリ角度に応じた放射線量の選択を示す図である。
[0025]
図10Aは、一実施形態による、様々な角度の円弧角のターゲットロケーション強度とブラッグピーク(Bragg Peak)を示す。
[0026]
図10Bは、一実施形態による、複合ターゲットロケーション強度を示す。
[0027]
図11乃至図13は、一実施形態による、周期的なサイクルに基づいてターゲットに粒子ビームを送出する手法を示すフローチャートである。
[0028]
図面は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、同様な数字は、異なる図において同様の構成要素を表す。異なる文字の接尾辞を持つ同様の数字は、類似したコンポーネントの異なる例を表す。図面は、本明細書で議論されている様々な実施形態を、限定するものではなく、一般的な例示として示している。
[0029]
本明細書に記載されたシステムおよび方法は、患者に放射線治療を提供する。放射線治療は、回転するガントリを用いて行われ、例えば、ガントリに取り付けられた粒子線によって行われる。ガントリは、粒子線が複数のビームレットを照射している間、連続的に回転することができる。ビームレットは、ターゲット(例えば、腫瘍や、腫瘍の一部、その他のスポット)にスパイラルパターンで照射することができる。一実施例では、粒子ビームを送達しながらガントリを回転させることは、非効率的な場合(例えば、1度ごと、または1/2度ごとに投与量および透過率の情報が計画されている場合)がある。他の実施例では、ガントリを回転させると、誤差が生じる場合(例えば、5度ごと、または10度ごとなどの数度ごとに計画されている場合)がある。回転式の陽子線治療を行うことには多くの利点がある。第1に、少数の角度で望ましくない入射線量を送達させる代わりに、多くの角度から線量を送達させることができる。
[0030]
本明細書に記載されたシステムと方法は、ビームレットの送達にスパイラルパターンを導入することで、これらの問題の両方を考慮している。スパイラルパターンは、5度、10度、15度など、様々な角度で計画して使用することができる。一実施例では、スパイラルパターンは、誤差が最も大きいときにターゲットの中央部分に粒子ビームを送達すること、および、誤差が最も小さいときにターゲットの外側部分に粒子ビームを送達すること、を行うことができる。誤差の大きさは、実際のガントリの角度と計画された角度との差に依存し、例えば、角度の差が大きいほど誤差が大きく、角度の差が小さいほど誤差が小さい。
[0031]
一実施例では、粒子線をターゲットに照射するためのスパイラルパターンは、放射線治療の完了に必要な時間を短縮することができる。例えば、治療中に送達されるビームレットのサイズが異なる場合がある。ビームレットのサイズを変更することは、例えば、時間やエネルギーを要するなど、治療に支障をきたす可能性がある。ラスタタイプのパターンを使用する場合、ビームレットサイズを何度も変更する必要がある。スパイラルパターンを使用することで、ビームレットのサイズを1回だけ変更のようなことが許される。例えば、小さいビームレットはターゲットの外縁部に、大きいビームレットはターゲットの内側に使用することができる。
[0032]
ひとつの課題は、患者が動いているときに、ターゲットやOARや他のオブジェクトを正確に追跡することである。動きは、周期的なもの(例えば、呼吸や心拍)と非周期的なものとのいずれかに分類される。周期的な呼吸は、患者の動きによって治療のターゲットが影響を受ける場合、固有な問題を引き起こす。例えば、周期的なサイクル内に8個または16個の固有の位相を定義することができる。他の位相のセット、例えば、2個から20個の範囲の位相を用いることができる。これら位相は、それぞれがサイクルで繰り返すごとに繰り返される位置を、周期的なサイクルをとおして表す。
[0033]
周期的なサイクルの位相を用いて、それぞれの位相でターゲットの治療のための放射線量を生成することができる。動いているターゲットを治療することは、ターゲットの正しい範囲をカバーする位相を用いることであるが、そのようにすることは、結果的に、正常な健康組織やリスク臓器にある線量を与えることになる。回転しないデバイスは、通常、ターゲットに粒子を届けるための角度が固定されている。動いているターゲットに確実に線量を照射するための1つの方法は、ターゲットがその公称位置(通常、呼気または吸気のいずれかの終わりに近い「静止状態(at rest)」)の近くにいないときに、ビームの照射を一時停止する(例えば、ビームを「ゲート(gate)」する)ことである。このように、サイクルの1つの位相のみがターゲットされ(targeted)、その位相でのみ照射が行われる。
[0034]
しかしながら、回転しない粒子線治療装置を使用する場合は、固定角度からの複数のレイヤが集合してターゲット全体を覆うことになる。その結果、健康な組織やリスク臓器、特に侵入口(entry point)周辺の皮膚への投与量が増加する可能性がある。そのため、ビームエミッター(beam emitter)とターゲットとの間のデリバリライン(delivery line)にある皮膚やその他の組織への線量の増加を避けるために、回転ガントリを使用することが可能である。回転するガントリを使用して粒子を回転送出する場合、ガントリの回転を止めるか、回転でカバーする角度の範囲を外さないと、通常、ビームの送出を一時停止することはできない。ビームを止めることに頼った回転しないガントリの解決策は、回転するガントリでは通用しない。
[0035]
本明細書に記載されているシステムおよび方法は、患者の現在の位相とガントリ角度(またはガントリ角度の範囲)に基づいてスパイラル送出技術を使用することにより、ガントリが連続的に回転している間、ガントリを停止することなく、周期的なサイクルの位相変化の間に、投与量を送出する。
[0036]
腫瘍のすべてのレイヤを各角度から照射するかわりに、ターゲットの中央を過ぎた、またはターゲットの中央より前の1つまたは2つのレイヤを使用することができる。レイヤは、ターゲット内で狙うべき深さの位置を含む。ガントリを連続的に回転させるなどして、複数の角度から粒子をターゲットに照射することができる。ターゲットは周期的なサイクル運動をしており、患者の周期的な呼吸に合わせて周期的な運動をしているので、ターゲットの意図した部分に線量を届けるために、所定の呼吸位相と粒子の送出角度に対応するパラメータのセットを使用する。
[0037]
パラメータのセットを保存するのにデータベースや他のストレージを用いることができ、パラメータの各セットには、特定の呼吸の位相(breath phase:呼吸フェーズ)、特定のガントリ角度、特定の粒子線量が含まれる。一実施例では、特定のガントリ角度には、角度の範囲を含み得る。例えば、パラメータのセットは、5度または10度の角度ごと(例えば、72個または36個の角度)に対応している。複数の角度のそれぞれは、1つのサイクルの複数の位相のそれぞれに対応している。例えば、1つの呼吸サイクルに8個の位相があり(例えば、10度の範囲で)36個の角度がある場合、合計288個の放射線量またはビームレットのセットが生成され保存される。線量やビームレットの生成は、治療前に行われる。他の実施例では、16個の位相と(5度の範囲)72個の角度で、1152個の放射線量またはビームレットのセットが生成され保存される。治療時には、現在の位相とガントリ角度を確認し、対応する放射線量またはビームレットのセットを選択する。
[0038]
回転ガントリを使用したターゲットへの累積線量は、各角度での呼吸の位相を考慮して、各角度からの粒子の全線量を加重加算したものに等しい。
[0039]
図1は、一実施形態による、粒子線治療システムコントローラを含むようなシステム100の一般的な一実施例を示す。システム100は、データベースまたは病院データベースを含むことができる。粒子線治療システムコントローラは、プロセッサ、通信インターフェース、またはメモリを含むことができる。メモリには、治療計画ソフトウェア、オペレーティングシステム、または配信コントローラを含むことができる。送達コントローラは、スポット送達(例えば、スポット送達モジュールを使用)またはラインセグメント送達(例えば、ラインセグメント送達モジュールを使用)を決定または計画するためのビームレットモジュールを含むことができる。
[0040]
一実施例では、スポット送達モジュールまたはビームレットモジュールは、ビームレットのサイズ、ターゲットまたはスポットの位置などを計画するように構成することができる。ビームレットモジュールは、例えば、本明細書に記載されているようなスパイラルパターンでのビームレットの送達の順序付けを決定するために使用することができる。送達順序付けモジュールは、ビームレットの送達を計画するための治療計画ソフトウェアと通信することができる。例えば、治療計画ソフトウェアを使用して、ガントリ角度、ガントリ速度、ビームレットサイズ、スパイラルパターン(例えば、時計回りまたは反時計回りの)、特定のスパイラルパターンの角度範囲(例えば、ガントリ回転の10度ごと)などを決定または計画することができる。
[0041]
プロセッサは、通信インターフェースなどを介して、プランを実行するために使用されるコンポーネント(例えば、図3を参照して後述するような制御装置またはコンポーネント)に通信するなどして、プランを実行することができる。一実施例では、通信インターフェースは、データベースまたは病院データベースから保存された情報(例えば、患者情報、患者または他の患者の過去の処置情報、処置の指示、特定のデバイスまたはコンポーネントに関する情報など)を取得するために使用することができる。
[0042]
図2は、一実施形態による、粒子線治療システムおよび画像取得装置を含むような、放射線治療システムの一般的な実施例を示す。粒子線治療装置は、イオン源、加速器、走査磁石を含み、それぞれの詳細については図3を参照して後述する。粒子線治療システムは、ガントリとテーブルを含み、ガントリは、テーブルに取り付けられてもよく、テーブルに貼り付けられてもよく、テーブルに対して安定している。テーブルには患者を乗せることができる。ガントリは、回転ガントリであり、テーブルに対して(例えば、テーブルの周りを)回転することができ、患者に対して回転することができる(また、テーブルまたはテーブルの一部がガントリと一緒に回転することができる)。
[0043]
粒子治療システムは、処理制御システムと通信することができ、これは粒子治療システムの動作を制御するために使用される。治療制御システムは、画像取得装置(例えば、画像取得装置によって撮影された画像または画像データベースの画像を受信するため)と通信することができ、またはオンコロジー情報システムと通信することができる。オンコロジー情報システムは、治療計画システムから受け取ったような治療計画の詳細を治療制御システムに提供することができる。治療制御システムは、治療計画を使用して、粒子治療システムを制御する(例えば、ガントリ、イオン源、加速器、走査型磁石、粒子ビームなどを作動させる)ことができる。治療制御システムは、例えば、ビームレット強度制御、ビームレットエネルギー制御、走査磁石制御、テーブル制御、ガントリ制御などを含むことができる。一実施例では、ビームレット強度制御およびビームレットエネルギー制御は、特定のサイズのビームレットを活性化するため、または特定の場所をターゲットにするために使用することができる。走査磁石制御は、例えばスパイラルパターンのように、治療計画に従ってビームレットを送達するために使用することができる。ガントリの回転には、ガントリ制御やテーブル制御を使用することができる。
[0044]
治療計画ソフトウェアは、例えば、スポットまたはラインセグメントに対するビームレットを、例えば、個別制御する、ビームレット送達および順序付けモジュールのようなコンポーネントを含むことができる。治療計画ソフトウェアは、図1により上記においてより詳細に説明されている。治療計画ソフトウェアは、画像データベースにアクセスして、画像を取得したり、情報を保存したりすることができる。治療計画が完了すると、治療計画ソフトウェアは、治療制御システムとの通信のために、治療計画をオンコロジー情報システムに送信する。
[0045]
図3は、陽子治療ビームを提供するように構成された放射線治療出力を含む粒子治療システム300の一実施形態を示す。粒子治療システム300は、イオン源301、インジェクタ303、加速器305、エネルギー選択器307、複数の偏向磁石309、複数の走査磁石311、およびスナウト313を含む。
[0046]
シンクロトロン(図示せず)のようなイオン源301は、陽子などの粒子の流れを提供するように構成されている。粒子の流れは、クーロン力を利用して荷電粒子に初期加速を与えるインジェクタ303に運ばれる。この粒子は、加速器305によってさらに光速の約10%まで加速される。加速することで粒子にエネルギーが与えられ、粒子が組織内を移動する深さが決まる。エネルギー選択器307(例えば、範囲散乱)は、患者に送達されるプロトンのエネルギーを選択するために使用される。受動的散乱と呼ばれる一実施形態では、オプションのレンジモジュレータ308(例えば、リッジフィルターまたはレンジモジュレーションホイールとも呼ばれる)を利用して、腫瘍に合わせてビームを広げることができる。エネルギーを選択した後、一組の偏向磁石309を利用して、陽子の流れを病院の放射線治療の治療室に運ぶことができる。さらに、走査磁石311(例えば、x-y磁石)を使用して、陽子ビームを腫瘍の形状の正確なイメージに合わせて広げたり、トレースしたりする。スナウト313またはスナウト313の構成要素(例えば、コリメーションデバイス(collimation device)は、陽子ビームをさらに成形するために用いられる。様々な実施形態において、粒子の流れは、炭素イオン、パイオン、または正電荷イオンで構成され得る。
[0047]
図4は、ヒト組織における様々な種類の粒子の放射線量の深さを比較の説明を示す。図示するように、光子(例えば、X線(X=RAYS))と陽子(PROTONS)と炭素イオン(CARBON IONS)の人体組織への相対的な浸透深度が示されている(例えば、表面下の距離で提供される、二次放射線や散乱を含む、あらゆる放射線量を含む。各放射線量は、100%に設定された単一のエネルギーを持つ陽子ビームのピーク線量と比較して示されている。
[0048]
単色エネルギー(例えば、単一エネルギー)の陽子ビームは、約25%から始まるプラトー領域(plateau region)を示し、組織の深さ約10cmまで徐々に増加し、15cmでブラッグピーク(Bragg Peak)まで急速に増加し、その後、有利なことに短い距離でゼロになる。ブラッグピークの終わりで追加の線量は送達されない。
[0049]
光子ビーム(例えば、X線と表示されている)は、電子散乱による初期蓄積を示している(例えば、X線が組織に線量を送達する主な手段は、組織内の電子へのエネルギー移動である)。この後、指数関数的に落ちていき、ターゲットの遠位端(図では約15cmの深さ)を過ぎても続く。X線ビームは、陽子ビームと同じように入口(皮膚)線量が設定されている。深さ15cmで正規化(例えばスケーリング)すると、X線による線量は陽子線による線量の40%になるが、X線は深さ約3cmで95%以上(100%に近い)のピーク線量になる。15cmで100%の線量を得るためにX線データを再正規化すると、深さ約3cmでのピーク線量は約240%となり、線量が望まれない場所(例えば、ターゲットの前の場所)になる。そのため、X線では、かなりの量の線量がターゲットの前の場所に送達され、かなりの量の線量がターゲットを過ぎてから送達される。
[0050]
単一エネルギーの炭素ビームは、陽子ビームよりも低い入射線量でプラトー領域を示す。炭素ビームは、陽子ビームよりもシャープなブラッグピークを有し、より急激に落下するが、炭素ビームにはテール(例えば、炭素原子核の一部がヘリウムイオンに砕け散る「核破砕テール(spallation tail)」)があり、目的のターゲットを数センチ過ぎた時点で、約10%以下の追加線量となる。炭素イオンビームは、陽子ビームに比べて入射線量と皮膚線量が望ましくないが、炭素イオンビームはターゲットを通過しても問題のない線量が送達される。
[0051]
図5は、SOBP(Spread-Out Bragg Peak)の説明を提供する。SOBPは、様々な初期エネルギーの陽子ビームを組み合わせた場合の相対的な深さ方向の線量曲線を示し、それぞれの陽子ビームは、エネルギーのある広がり(例えば、組織におけるエネルギーの吸収の変化)を有する。特定の厚さのターゲットに均一な線量を与えるという望ましい結果が得られる。図示するように、ターゲットは、近位の深さが約10cm、遠位の深さが約13cm、ターゲットの厚さが約3cmとなっている。ターゲット内では、線量は(100%で正規化された平均値を有し)完全に均一である。この図は深さ0cmから始まっておらず、入口(皮膚)線量を明示していないが、陽子線の入口領域の性質は、比較的平坦な深さ線量曲線である。一般的に、入口(皮膚)線量は目標線量(例えば、X軸の右端に表示)の約70%となるであろう。SOBPは、散乱した陽子ビームを様々な装置(静的リッジフィルターやダイナミックレンジモジュレーションホイールなど)を用いてエネルギーを変調(可変吸収)して使用する方法や、散乱しない単一のエネルギーの陽子ビームを選択して使用する方法のように、様々な方法で得ることができる。
[0052]
図6は、典型的なアクティブスキャニング陽子ビーム送達システムを図式化した説明図を示す。図示するように、シングルレイヤのペンシルビームスキャンが送達され、粒子が送達される断面の輪郭と連動して、患者の上に格子状のスポットが描かれる。入射した単一エネルギーの陽子ビームレットは、レンジシフター(Range Shifter)(例えば、図6ではレンジシフタープレート(Range Shifter plate))によってそのエネルギーの所定の量が吸収され、その結果、所定のレイヤを治療するために患者のブラッグピーク(Bragg Peak)に対して所定の深さを達成するための所望のエネルギーを有するビームレットとなる。粒子を垂直方向と水平方向の両方に偏向させる機能を有する磁気スキャナがある。磁場の強さを調整することで、磁場と入射ビームレットに垂直な方向の偏向を制御することができる。磁場の強さを調整する速度は、スキャンを行う速度を決定するように調整される。例えば、陽子ビームレットの強度と走査速度の組み合わせにより、特定の領域(例えば、図6では「スポット」)に特定の時間でどれだけの線量(例えば、単位領域当たりの粒子)を照射できるかが決定する。理論的には、磁場の強さは互いに独立して調整することができる(カナダのトロントにあるSpin MasterTM社が提供している子供用玩具「Etch a Sketch(登録商標)」に似ているが、鉛筆のビームレットの強さは子供用玩具にはない変数である)。最も一般的なスキャン方式は、初期のテレビ(例えば、陽子の代わりに電子を使うCRT(Cathode Ray Tube))の制御方法と同じように、一方向に素早く走査し、垂直方向にはゆっくりと走査するラスター方式であるが、(前述の玩具と同様に)任意のパターンを走査することもできる。走査磁界の強さを変化させ、その間にペンシルビームの強度を調整することで、明確なスポットを送達することができる。
[0053]
図7A乃至図7Bは、一実施形態による、グリッド上のスパイラルな送達経路の概要を示す。図7A乃至図7Bに示すスパイラルパターンは、ガントリの回転による誤差を最小限に抑えることができる。図示されているスパイラルパターンは、ガントリが回転している間、リニアラスターパターンと比較して、ターゲットへの精度を向上させ、ターゲット外への放射を減少させる。
[0054]
本明細書に記載されているシステムと方法は、陽子アーク療法を使用して、特定のスポットに陽子を送達する際の放射線量を最適化する。特定のスポットに送達する場合、本明細書で説明されるスパイラルパターンスキャンを使用することで、計画されたものと実際に送達されたものとの相違を最小限に抑えることができる。ガントリが現在の計画角度に最も近い状態で、アイソセントリック軸(isocentric axis)から離れたスポットが送達されなければ、結果的に実際のスポット位置が意図したスポット位置から離れてしまい、ビームレットの全体的な軌道が期待した軌道と大きく異なってしまう可能性がある。スパイラルスキャンを使用することで、実際のスポット位置の誤差を最小限に抑え、ビームレットの予想軌道と実際の軌道の不一致を最小限に抑えることができる。
[0055]
図7Cは、一実施形態による、スポットサイズが異なるスパイラルなスポット送達経路を示す。
[0056]
小さなスポットと大きなスポットとのトレードオフは、小さなスポットに小さなビームレットだけ送達するだけだと、放射線治療に膨大な時間がかかってしまうことである。そのため、時間を短縮するためには、小さなビームレットを腫瘍の外縁/前方に送達し、大きなスポットを腫瘍の内部に送達するのが良いとされている。送達中にスポットサイズを変更するのは時間のかかる作業である。図7Cに示すスパイラル送達パターンを使用することにより、腫瘍の外縁部を処理する小さいスポットのセットから、腫瘍の内側領域を処理する大きいスポットのセットに移行する際に、スポットサイズの遷移が1回程度で済ませることができる。同様に、逆方向に進むときのスポットサイズの変化は1回程度で、結果的にビーム全体では2回しか変化しないようにできる。一実施例では、スパイラルパターンは2次元のスパイラルパターンで、ターゲットの各レイヤにドーズ量を送達することができる。
[0057]
一実施例では、スパイラルがターゲットの中心にあるときに、ビームレットがアークレンジの端に送達される。例えば、0度から10度までの円弧において、ガントリが5度で静止しているかのようにターゲットを計画することができる。この実施例では、ガントリが5度に近づき離れると、スパイラルの外側が発生し、ガントリが0度に近づき離れると、スパイラルの中心が発生する。例えば、0度からスタートして、ターゲットの中心から外側に向かってスパイラルを描き、5度付近で(スパイラルの外側の点で)終了する 。次に、一実施例では、ガントリが5度から10度に移動するのに合わせて、ターゲットの中心に戻る途中でスパイラルを反転させる(例えば、0度から5度まで時計回りに移動した後、5度から10度まで反時計回りに移動する、またはその逆に移動する)。このプロセスは、線量が完了するまで、例えば10度から20度などの別の角度で、ターゲットの別のレイヤで繰り返し行うことができる。
[0058]
図8は、一実施形態による、患者の周期的位相の例を示す。周期的な呼吸サイクル800は、8相(しかし、他の数(例えば、16相)を含み得る)で示されている。一実施例として、他の患者の状態情報を本明細書に記載された技術で使用することができる。例えば、患者の状態は、呼吸位相、呼吸位相の近似値、振幅、変形ベクトルフィールド(DVF)、DVFの低次元表現、撮像装置で取得した画像の低次元表現、表面情報、目標位置などによる表現することができる。
[0059]
周期的な呼吸サイクル800は、時間経過に伴う位置と、肺、喉、横隔膜、筋肉、および呼吸器系の他の面の動きい基づいて変化する位置とにより表される。
[0060]
また、ガントリ角度801には、ガントリの角運動の方向とともに、現在の角度が描かれている。ガントリ角度801は、ガントリの時間的な動きを表しており、周期的な呼吸サイクルと合わせて、患者に所定の放射線量を照射するために使用される。
[0061]
周期的な呼吸サイクル800は、周期的であり、位相や状態が時間の経過とともに繰り返される。サイクルの各位相または状態に対する計画は、サイクル内の動きに近いまたは影響を受けるターゲットに治療線量を提供するために開発されるている。例えば、各位相または状態について、本明細書に記載されているように、異なるガントリ角度(例えば、10度ごと)で放射線量またはビームレットのセットが生成される。
[0062]
サイクル800の位相や状態の検出と割り当ては、イメージングを用いて行うことができる。例えば、4D CTやMRIを使って、患者に対するサイクルの各位相を特定することができる。識別した後、特定の患者のため(例えば、ターゲットのサイズ、各位相におけるターゲットの位置、他の組織の位置などに基づいて)位相または状態に対する計画を作成することができる。
[0063]
図9は、呼吸サイクルとガントリ角度に応じた放射線量の選択を示す図である。放射線量の選択は、呼吸サイクルの現在の位相または状態を決定すること、および現在のガントリ角度を特定することを含む。これらの2つの変数に対応する放射線量は、例えば、固有の位相とガントリ角度のペアごとの放射線量と共にシステムのデータベースに保存することができる。一実施例では、(例えば、直近の1度、5度、10度などに丸められる)直近のガントリ角度を使用することができる。放射線量は、位相とガントリ角度(または範囲)に対して患者のターゲット、またはターゲットのレイヤに特異的なものであり得る。特定の線量をコントローラに送信し、ガントリを使って線量を提供する。
[0064]
線量は、連続的に回転するガントリによって提供することができる。ガントリの回転に伴い、患者の位相やガントリの角度が変化することがあり、例えば、1度ごとや1度の範囲で他の放射線量を使用することができる。一実施例では、放射線量が、10度の回転ごとに特定される。例えば、その放射線量が、0度から10度の範囲で使用され、(例えば、範囲の中央の度数が)5度のガントリの位置に応じて計画を生成することができる。表示される線量は、ガントリが0度から10度まで回転している間に照射されるか、位相の変化に応じて変更される(ただし、この範囲の間、5度のガントリ角度を用いる)。放射線量はデータベースに保存され、位相とガントリ角度の変数を含むルックアップを使って、対応するガントリ角度と患者の状態を照会することができる。
[0065]
図10Aは、一実施形態による、様々な角度の円弧角のターゲットロケーション強度とブラッグピーク(Bragg Peak)を示す。これら角度は、ガントリの角度によって、粒子線の透過性が異なる強度と距離を有することを示している。
[0066]
標的とする腫瘍に複数の線量を与える角度を増やすことは、標的とする腫瘍ではない身体の領域に、より少ない線量を与えることになる。多くの角度を使用することで、停止力(stopping power)の統計的な誤差や、患者の位置決めの誤差が、重複する線量の平均化によって相殺され、低減される。このように、位置決めや停止力に誤差があっても、良好な線量分布が得られることで、陽子線治療はより強固なものとなる。
[0067]
回転ガントリは、ターゲットの中心でのドーズ量の増加を、スパイラルを「終了」させ、その平面上のターゲットの中心以外の場所で再スタートするように計画するような技術を用いて補正することができる。図10Aに示すように、角度によって浸透深さが異なり、ターゲットの中心ではないところで終わるようにすることで、患者への過剰投与を避けることができる。アイソセントリックライン(isocentric line)に垂直な線に沿って、ガントリの進行方向に沿って、中心に近いビームレットの強度を下げることで、同様の、より正確な補正が可能になる。
[0068]
図10Bは、一実施形態による、複合ターゲットロケーション強度を示す。合成画像では、異なる角度の間で重なりが生じるが、すべての角度がターゲットの同じ深さまで貫通しないことにより、重なりが最小限に抑えられる。
[0069]
ペンシルビームスキャンを用いた陽子線治療では、1秒以内にエネルギーが変化するような異なるエネルギーを送達することができる。ペンシルビームスキャンは、強度変調陽子線治療(IMPT:Intensity Modulated Proton Therapy)を可能にする。エネルギーの選択が放射線治療の深さをコントロールするため、エネルギーの選択は非常に重要である。粒子線治療は本来、特定のエネルギーに対して一定の深さで停止する。これにより、組織の一部分への治療の深さが層状(レイヤ状)になる。各レイヤでは、治療のアウトラインが組織の特定の領域に適合しており、これにより、アウトラインがレイヤごとに異なる腫瘍に対応することができ、危険な器官の近くにある不規則な形状の腫瘍に最適である。回転するガントリから照射する場合、複数のエネルギーを異なるレイヤに送達する時間は限られている。ある角度でのエネルギーの選択は、線量の大部分が腫瘍に送達される深さをコントロールするために重要である。このシステムでは、各角度に対して非常に限られた数のエネルギーを賢明に選択することで、腫瘍に対する所望の総線量を達成し、それをタイムリーに行うことができる。このシステムでは、一定の角度から腫瘍の正中線を越えて送達するエネルギーを選択することで、腫瘍に確実に照射することができる。臨床的に重要なのは、あらゆる角度からの腫瘍への総線量である。
[0070]
アダプティブセラピー(adaptive therapy)には、実際に投与された線量の蓄積が重要である。一実施例では、パラメータは、ターゲットへの所望の線量を達成し、ターゲットへの実際の線量とターゲットへの所定の線量との差を最小化するように最適化される。この差は動きによるもので、正常組織への実際の線量は計算された線量とは異なる(例えば、より大きい)可能性がある。現在のセッションの実際の線量分布を知ることは、線量の提供が中断されたときに重要である。治療の中断時には、投与量は、セッションが中断される前に投与された量に基づいて再計算される。一実施例では、セッションは、本明細書に記載されている技術を用いて(例えば、現在の呼吸位相と現在のガントリ角度を特定することで)、中断後に再開される。
[0071]
線量分布は、パラメータのセットと以前に投与された線量とに基づいて再計算される。線量を決定するために、再計算では、粒子の送出のための各ガントリ角度を使用し、各ガントリ角度に関連する呼吸の位相のアイデンティティ(identity)を使用し、特定の呼吸の位相の画像(例えば、4D CT、MRI)のサブセットを使用する。これらの重み付けされた項(term)を使用して送出されたすべての線量の合計は、全体の実際の送出された線量を決定するために生成される。実際の線量は推定値であり得る。
[0072]
呼吸の位相を考慮する場合、呼吸の位相とガントリ角度の対に対応する投与線量を含むパラメータのセットに基づいて投与線量を決定することができる。一実施例では、ガントリ角度と呼吸の位相のセットが使用され、治療前に最初に実行された線量計算にインデックスバック(index back)することができる。特定の角度と呼吸の位相の組み合わせによる個々の線量を合計することで、迅速に近似した線量を得ることができる。
[0073]
呼吸の位相の投与量の再構成は、非回転式の送出の投与量の再構成とは異なる。回転させないで送出する場合は、複数のレイヤが集合してターゲット全体をカバーする。回転させて送出する場合は、複数のレイヤは、ターゲットの真ん中を過ぎたばかり、またはターゲットの真ん中の直前にある1つまたは2つのレイヤ(例えば、それぞれに1つのレイヤ)である。したがって、図10Bに示す複数のレイヤは、ターゲットの真ん中を過ぎたあたりに向けられたレイヤの組み合わせを示す。他の実施例は、ターゲットの真ん中の直前まで向けられたレイヤを含み得る。
[0074]
一実施例では、各角度と呼吸の位相で選択された実際のパラメータに基づいて、線量が再計算される。連続的に回転するガントリを使用し、呼吸の位相に基づいていると、治療は、正常な組織(およびリスク臓器)への線量が、(所定の呼吸の位相の)パラメータのセットのいずれか1つとも、すべての呼吸の位相の線量の重み付け総和とも同じではない結果となることがある。実際に送出された線量の蓄積は、適応的療法にとって重要であり、現在のセッションの線量分布は、送出が中断された場合(例えば、送出が中断された角度から送出を継続したり、後の時間や日付で送出を再開したりすることは、角度や位相、実際に送出された送出量を知らないと難しい)に重要となる。
[0075]
一実施例では、投与量は、呼吸の位相の識別を組み込んだ実際のパラメータに基づいて、その呼吸の位相の4D CT画像のサブセットを使用して計算する。例えば、実際のパラメータを用いた線量の迅速な近似値は、治療前に最初に行われた線量計算にインデックスバックするためのガントリ角度と呼吸の位相のセットとを用いて生成され、特定の角度と呼吸の位相の組み合わせで与えられた個々の線量を合計する。総投与量の情報は、患者の体重変化や腫瘍の縮小(または成長)に伴い、治療計画の修正やさらなる治療計画に役立つ。
[0076]
図11乃至図13は、一実施形態による、周期的なサイクルに基づいてターゲットに向けて粒子ビームを送出する手法を示すフローチャートである。
[0077]
図11は、周期的なサイクルに基づいてターゲットに向けて粒子ビームを送出するための手法1100を示し、それは周期的なサイクルに基づいて呼吸の位相を決定するオペレーション1102を含む。周期的なサイクルは、例えば、8個または16個の呼吸の位相を有する呼吸サイクルを含む。手法1100は、粒子ビームの現在のガントリ角度を特定するオペレーション1104を含む。
[0078]
手法1100は、呼吸の位相と現在のガントリ角度に基づいて、スポットのパターンを動的に選択するオペレーション1108を含む。手法1100は、スポットのパターンに基づいて、呼吸の位相のエネルギー(例えば、ビームレット)のセットを決定するオペレーション1110を含む。
[0079]
手法1100は、粒子ビームを用いてエネルギーのセットを連続的に供給するオペレーション1112を含む。ビームレットのセットは、回転するガントリ(例えば、連続的に回転するガントリ)からターゲットに向かって送出される。手法1100は、特定のガントリ位置に対する選択されたパラメータのセットに基づいて放射線量を決定することを含み、少なくとも1つのパラメータは、角度および呼吸の位相である。
[0080]
一実施例では、エネルギーは、目的とするターゲットのレイヤまでの放射線経路の長さに類似するものに基づいて決定され、個々のビームレットの強度は、個々のスポットにどれだけの線量を提供するかに基づいて決定される。エネルギーの選択は、放射線の経路長(の同等のもの)が変化する場合のように、呼吸の位相に応じて異なるが、スポットパターンは実質的に同様であり、実質的に同様の強度を持つ。または、中心のビーム軸に対する腫瘍の横方向の動きによるように、エレルギーは同じままでスポットパターンが変化する。ビームレットのセットは、ターゲットに照射されている間のエネルギー変化やスポットパターンの変化を含む。
[0081]
図12は、移動するターゲットに向けて特定のガントリ角度で粒子ビームを送出するための手法1200を示し、粒子ビームは、制御点のセットに基づいて送出される。手法1200は、ターゲット内の特定の位置を有するターゲットに対するレイヤを特定するオペレーション1202を含む。一実施例では、パラメータのセットはビームエネルギーを含み、ビームエネルギーはレイヤに対するターゲット内の所定の深さまで移動する。一実施例では、パラメータのセットはスポットサイズを含む。
[0082]
一実施例では、パラメータのセットは複数のビームレットを含み、各ビームレットは異なる強度を有する。強度は、送出される粒子の数を含む。この実施例では、各ビームレットは特定の座標位置を有する。手法1200は、複数のビームレットの第1のビームレットが、周期的サイクルの第1の位相のレイヤに対する第1の強度を有すること、複数のビームレットの第2のビームレットが、周期的サイクルの第2の位相のレイヤに対する第2の強度を有すること、複数のビームレットの第3のビームレットが、周期的サイクルの第1の位相の第2のレイヤに対する第3の強度を有すること、をさらに含む。
[0083]
手法1200は、x方向、y方向、およびz方向のターゲットの動きを追跡する(track)オペレーション1204を含む。手法1200は、周期的なサイクルの特定の位相におけるレイヤの物理的な位置を特定するオペレーション1206を含む。一実施例では、特定の位相は、呼吸器の呼吸サイクルの呼吸の位相である。
[0084]
手法1200は、特定の位相の間に所定の放射線量をレイヤに送出するためのパラメータのセットを選択するオペレーション1208を含む。一実施例では、選択されたパラメータのセットは、特定のガントリ角度または特定のガントリ角度範囲を含む。手法1200は、パラメータのセットを用いて、特定の位相の間に所定の放射線量をレイヤに送出するオペレーション1210を含む。所定の放射線量は、特定のガントリ角度で送出する。
[0085]
手法1200は、各ターゲットレイヤがそれぞれの所定の線量を受けるまで、それぞれの呼吸の位相およびガントリ角度で複数のターゲットレイヤにわたり繰り返し行うことを含んでもよい。手法1200は、指定されたターゲットレイヤのそれぞれへの、またはターゲット全体への放射線量の送出を検証することを含んでもよい。放射線量の送出を検証することは、正しいメーターセット(meterset)が送出されたことを判断することを含んでもよい。別の実施例では、送出を検証することは、ターゲットが受けた実際の意図された線量の推定値を所定の線量と比較して判断することを含んでもよい。実際の意図された線量の推定値は、外部の測定(例えば、4D CTスキャン)を用いて決定されてもよい。手法1200は、周期的なサイクルの異なる位相の間に、レイヤの物理的な位置で異なる放射線量を提供することを含んでもよい。
[0086]
図13は、患者の現在の患者状態を決定するオペレーション1302を含む、周期的なサイクルに基づいてターゲットに向かって粒子ビームを送出するための手法1300を示す。現在の患者の状態は、周期的なサイクルの位相である。一実施例では、位相は呼吸の位相であり、周期的なサイクルは、8個または16個の呼吸の位相を有する呼吸サイクルである。一実施例では、患者の状態は、呼吸の位相、呼吸の位相の近似値、振幅、変形ベクトルフィールド(DVF)、DVFの低次元表現、撮像装置で取得した画像の低次元表現、表面情報、目標位置などの少なくとも1つを含む。
[0087]
手法1300は、現在のガントリ角度を特定するオペレーション1304を含む。
[0088]
手法1300は、現在の患者状態と現在のガントリ角度に対応する放射線量を決定するオペレーション1306を含む。
[0089]
手法1300は、現在の患者の状態から始まり、現在のガントリ角度を含むガントリ角度の範囲にわたって、ターゲットに放射線量を送出するオペレーション1308を含む。例えば、ガントリ角度の範囲は、中心の角度が現在のガントリ角度である10度の角度範囲である。
[0090]
手法1300は、ターゲットがその所定の線量を受けるまで、それぞれの患者状態におけるガントリ角度の複数の範囲にわたって繰り返して行うことを含んでもよい。一実施例では、このオペレーションは、複数のガントリ角度の範囲のそれぞれについて与えられた線量を再構成することにより、ターゲットが受ける実際の意図された線量の推定値を決定することを含む。このオペレーションは、複数のガントリ角度の範囲のそれぞれについて与えられた線量の加重和を用いて推定値を決定することをさらに含んでもよい。
[0091]
手法1300は、現在のガントリ角度に対して、ターゲット内の、スパイラルパターンで構成される複数の予め定義されたスポットを決定するオペレーションをさらに含む。このオペレーションは、スパイラルパターン内の複数の予め定義されたスポットを、それぞれのガントリ角度の等心軸に最も近いものから、等心軸から最も遠いものへと順番に並べることを含む。所定の放射線量を送出することは、複数の所定のスポットのスパイラルパターンに従って、複数のビームレットを送出することを含んでもよい。
[0092]
手法1300は、送出が特定のガントリ角度で中断された場合に、特定のガントリ角度で所定の放射線量の送出を再開することをさらに含んでもよい。特定のガントリ角度と新たな患者の状態に対応した放射線量を用いて、照射を再開することができる。
[0093]
本明細書に記載の放射線量は、複数のビームレットを含む。複数のビームレットは、周期的サイクルの第1の患者状態におけるターゲットに対する第1の強度を有する第1のビームレットと、周期的サイクルの第2の患者状態におけるターゲットに対する第2の強度を有する第2のビームレットとを含む。一実施例では、患者状態は、呼吸サイクルから算出された呼吸の位相である。
[0094]
本明細書に記載されている非限定的な各実施例は、それぞれ独立していてもよいし、他の実施例の1つまたは複数と様々な順列または組み合わせで組み合わせてもよい。
[0095]
実施例1は、周期的なサイクルに基づいてターゲットに向けて粒子ビームを送出する方法であって、前記方法は、前記周期的なサイクルに基づいて呼吸位相を決定するステップと、前記粒子ビームの現在のガントリ角度を特定するステップと、前記呼吸位相と前記現在のガントリ角度に基づいて、スポットのパターンを動的に選択するステップと、前記スポットのパターンに基づいてビームレットのセットを決定するステップと、前記粒子ビームを用いて前記ビームレットのセットを連続的に送出するステップとを有する。
[0096]
実施例2では、実施例1の主題が、前記ビームレットのセットを送出するステップは、前記ターゲットに向けて回転ガントリから前記ビームレットのセットを送出することを含む。
[0097]
実施例3では、実施例2の主題が、前記現在のガントリ角度に対する選択されたパラメータのセットに基づいて、放射線量を決定するステップであって、少なくとも1つのパラメータは、角度と呼吸フレーズであるステップを含む。
[0098]
実施例4は、移動するターゲットに向けて特定のガントリ角度で、制御ポイントのセットに基づいて送出される粒子ビームを送出する方法であって、前記方法は、前記ターゲット内の特定の位置を有する前記ターゲットのレイヤを特定するステップと、前記ターゲットのX方向、Y方向、Z方向の動きを追跡するステップと、周期的なサイクルの特定の位相における前記レイヤの物理的な位置を特定するステップと、前記特定の位相と特定のガントリ角度における予め決定された放射線量を前記レイヤに送出するためのパラメータのセットを選択するステップと、前記パラメータのセットを用いて、前記特定の位相と前記特定のガントリ角度で、前記予め決定された放射線量を前記レイヤに送出するステップとを有する。
[0099]
実施例5では、実施例4の主題が、各ターゲットレイヤがそれぞれの所定の線量を受けるまで、それぞれの呼吸の位相とガントリ角度で複数のターゲットレイヤにおいて繰り返し行うステップを含む。
[0100]
実施例6では、実施例4乃至5の主題が、周期的サイクルの異なる位相において前記レイヤの前記物理的位置で、照射される放射線量が異なることを含む。
[0101]
実施例7では、実施例4乃至6の主題が、前記パラメータのセットは、ビームエネルギーを含み、前記ビームエネルギーは、前記レイヤに対する前記ターゲット内の所定の深さまで到達することを含む。
[0102]
実施例8では、実施例4乃至7の主題が、前記パラメータのセットは、スポットサイズを含むことを含む。
[0103]
実施例9では、実施例4乃至8の主題が、前記パラメータのセットは、複数のビームレットを含み、各ビームレットは異なる強度を有し、前記強度は送出される粒子の数であり、各ビームレットは特定の座標位置を有することを含む。
[0104]
実施例10では、実施例9の主題が、前記複数のビームレットの第1のビームレットは、前記周期的サイクルの第1の位相における前記レイヤに対する第1の強度を有し、前記複数のビームレットの第2のビームレットは、前記周期的サイクルの第2の位相における前記レイヤに対する第2の強度を有し、前記複数のビームレットの第3のビームレットは、前記周期的サイクルの前記第1の位相における第2のレイヤに対する第3の強度を有することを含む。
[0105]
実施例11では、実施例4乃至10の主題が、前記周期的なサイクルは、呼吸器系の呼吸サイクルであることを含む。
[0106]
実施例12は、ターゲットに向けて粒子ビームを送出する方法であって、前記方法は、ある患者の現在の患者状態を決定するステップと、現在のガントリ角度を特定するステップと、前記現在の患者状態と前記現在のガントリ角度に対応する放射線量を決定するステップと、前記現在の患者状態から始まり、前記現在のガントリ角度を含むガントリ角度の範囲にわたって、前記ターゲットに前記放射線量を送出するステップとを有する。
[0107]
実施例13では、実施例12の主題が、前記ターゲットがその所定の線量を受けるまで、それぞれの患者状態でガントリ角度の複数の範囲にわたって繰り返すステップを含む。
[0108]
実施例14では、実施例13の主題が、前記ガントリ角度の複数の範囲のそれぞれに対して与えられた線量を再構成することにより、前記ターゲットが受ける実際の意図された線量の推定値を決定するステップを含む。
[0109]
実施例15では、実施例14の主題が、前記ガントリ角度の複数の範囲のそれぞれに対して与えられた線量の加重和を用いて、前記推定値を決定するステップを含む。
[0110]
実施例16では、実施例12乃至15の主題が、前記現在のガントリ角度は、前記ガントリ角度の範囲の中央の角度であることを含む。
[0111]
実施例17では、実施例12乃至16の主題が、前記現在のガントリ角度に対して、前記ターゲット内の複数の予め定義されたスポットを決定するステップであって、前記複数の予め定義されたスポットは、スパイラルパターンに構成されているステップと、前記スパイラルパターン内の前記複数の予め定義されたスポットを、それぞれのガントリ角度の等心軸に最も近いものから、前記等心軸から最も遠いものへと順序付けするステップとを含み、前記放射線量を送出するステップは、前記複数の予め定義されたスポットの前記スパイラルパターンに従って、複数のビームレットを送出することを含む。
[0112]
実施例18では、実施例12乃至17の主題が、前記放射線量は複数のビームレットを含むこと、前記複数のビームレットの第1のビームレットは、前記周期的サイクルの第1の患者状態における前記ターゲットに対する第1の強度を有し、前記複数のビームレットの第2のビームレットは、前記周期的サイクルの第2の患者状態における前記ターゲットに対する第2の強度を有すること、を含む。
[0113]
実施例19では、実施例12乃至18の主題が、前記患者状態は、呼吸位相、呼吸位相の近似値、振幅、変形ベクトルフィールド(DVF)、DVFの低次元表現、撮像装置で取得された画像の低次元表現、表面情報、ターゲット位置のうち少なくとも1つを含むこと、を含む。
[0114]
実施例20では、実施例12乃至19の主題が、前記患者状態は、呼吸サイクルから算出された呼吸位相であることを含む。
[0115]
実施例21は、周期的なサイクルに基づいてターゲットに向けて粒子ビームを送出するシステムであって、前記システムは、メモリ装置に結合された1つまたはそれ以上のプロセッサと、前記1つまたはそれ以上のプロセッサにより実行されたとき、前記システムに以下の方法を行わせる命令を含むメモリ装置とを有し、前記方法は、前記周期的なサイクルに基づいて呼吸位相を決定するステップと、前記粒子ビームの現在のガントリ角度を特定するステップと、前記呼吸位相と前記現在のガントリ角度に基づいて、スポットのパターンを動的に選択するステップと、前記スポットのパターンに基づいてビームレットのセットを決定するステップと、前記粒子ビームに前記ビームレットのセットを連続的に送出させるステップとを有する。
[0116]
実施例22では、実施例21の主題が、前記ビームレットのセットを送出するステップは、前記ターゲットに向けて回転ガントリから前記ビームレットのセットを送出することを含む。
[0117]
実施例23では、実施例22の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記現在のガントリ角度に対する選択されたパラメータのセットに基づいて、放射線量を決定するステップであって、少なくとも1つのパラメータは、角度と呼吸フレーズであるステップをさらに行わせることを含む。
[0118]
実施例24は、移動するターゲットに向けて特定のガントリ角度で、制御ポイントのセットに基づいて送出される粒子ビームを送出するシステムであって、前記システムは、メモリ装置に結合された1つまたはそれ以上のプロセッサと、前記1つまたはそれ以上のプロセッサにより実行されたとき、前記システムに以下の方法を行わせる命令を含むメモリ装置とを有し、前記方法は、前記ターゲット内の特定の位置を有する前記ターゲットのレイヤを特定するステップと、前記ターゲットのX方向、Y方向、Z方向の動きを追跡するステップと、周期的なサイクルの特定の位相における前記レイヤの物理的な位置を特定するステップと、前記特定の位相と特定のガントリ角度における予め決定された放射線量を前記レイヤに送出するためのパラメータのセットを選択するステップと、前記パラメータのセットを用いて、前記特定の位相と前記特定のガントリ角度で、前記予め決定された放射線量を前記レイヤに送出させるステップとを有する。
[0119]
実施例25では、実施例24の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、各ターゲットレイヤがそれぞれの所定の線量を受けるまで、それぞれの呼吸の位相とガントリ角度で複数のターゲットレイヤにおいて繰り返し行うステップをさらに行わせることを含む。
[0120]
実施例26では、実施例24乃至25の主題が、周期的サイクルの異なる位相において前記レイヤの前記物理的位置で、照射される放射線量が異なることを含む。
[0121]
実施例27では、実施例24乃至26の主題が、前記パラメータのセットは、ビームエネルギーを含み、前記ビームエネルギーは、前記レイヤに対する前記ターゲット内の所定の深さまで到達することを含む。
[0122]
実施例28では、実施例24乃至27の主題が、前記パラメータのセットは、スポットサイズを含むことを含む。
[0123]
実施例29では、実施例24乃至28の主題が、前記パラメータのセットは、複数のビームレットを含み、各ビームレットは異なる強度を有し、前記強度は送出される粒子の数であり、各ビームレットは特定の座標位置を有することを含む。
[0124]
実施例30では、実施例29の主題が、前記複数のビームレットの第1のビームレットは、前記周期的サイクルの第1の位相における前記レイヤに対する第1の強度を有し、前記複数のビームレットの第2のビームレットは、前記周期的サイクルの第2の位相における前記レイヤに対する第2の強度を有し、前記複数のビームレットの第3のビームレットは、前記周期的サイクルの前記第1の位相における第2のレイヤに対する第3の強度を有することを含む。
[0125]
実施例31では、実施例24乃至30の主題が、前記周期的なサイクルは、呼吸器系の呼吸サイクルであることを含む。
[0126]
実施例32は、ターゲットに向けて粒子ビームを送出するシステムであって、前記システムは、メモリ装置に結合された1つまたはそれ以上のプロセッサと、前記1つまたはそれ以上のプロセッサにより実行されたとき、前記システムに以下の方法を行わせる命令を含むメモリ装置とを有し、前記方法は、ある患者の現在の患者状態を決定するステップと、現在のガントリ角度を特定するステップと、前記現在の患者状態と前記現在のガントリ角度に対応する放射線量を決定するステップと、前記現在の患者状態から始まり、前記現在のガントリ角度を含むガントリ角度の範囲にわたって、前記ターゲットに前記放射線量を送出するステップとを有する。
[0127]
実施例33では、実施例32の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記ターゲットがその所定の線量を受けるまで、それぞれの患者状態でガントリ角度の複数の範囲にわたって繰り返すステップをさらに行わせることを含む。
[0128]
実施例34では、実施例33の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記ガントリ角度の複数の範囲のそれぞれに対して与えられた線量を再構成することにより、前記ターゲットが受ける実際の意図された線量の推定値を決定するステップをさらに行わせることを含む。
[0129]
実施例35では、実施例34の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記ガントリ角度の複数の範囲のそれぞれに対して与えられた線量の加重和を用いて、前記推定値を決定するステップをさらに行わせることを含む。
[0130]
実施例36では、実施例32乃至35の主題が、前記現在のガントリ角度は、前記ガントリ角度の範囲の中央の角度であることを含む。
[0131]
実施例37では、実施例32乃至36の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記現在のガントリ角度に対して、前記ターゲット内の複数の予め定義されたスポットを決定するステップであって、前記複数の予め定義されたスポットは、スパイラルパターンに構成されているステップと、前記スパイラルパターン内の前記複数の予め定義されたスポットを、それぞれのガントリ角度の等心軸に最も近いものから、前記等心軸から最も遠いものへと順序付けするステップとをさらに行わせることと、前記放射線量を送出するステップは、前記複数の予め定義されたスポットの前記スパイラルパターンに従って、複数のビームレットを送出することを含む。
[0132]
実施例38では、実施例32乃至37の主題が、前記放射線量は複数のビームレットを含むこと、前記複数のビームレットの第1のビームレットは、前記周期的サイクルの第1の患者状態における前記ターゲットに対する第1の強度を有し、前記複数のビームレットの第2のビームレットは、前記周期的サイクルの第2の患者状態における前記ターゲットに対する第2の強度を有すること、を含む。
[0133]
実施例39では、実施例32乃至38の主題が、前記患者状態は、呼吸位相、呼吸位相の近似値、振幅、変形ベクトルフィールド(DVF)、DVFの低次元表現、撮像装置で取得された画像の低次元表現、表面情報、ターゲット位置のうち少なくとも1つを含むこと、を含む。
[0134]
実施例40では、実施例32乃至39の主題が、前記患者状態は、呼吸サイクルから算出された呼吸位相であることを含む。
[0135]
実施例41は、周期的なサイクルに基づいてターゲットに向けて粒子ビームを送出するための命令を含む機械可読媒体であって、前記命令は、1つまたはそれ以上のプロセッサにより実行されたとき、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記周期的なサイクルに基づいて呼吸位相を決定するステップと、前記粒子ビームの現在のガントリ角度を特定するステップと、前記呼吸位相と前記現在のガントリ角度に基づいて、スポットのパターンを動的に選択するステップと、前記スポットのパターンに基づいてビームレットのセットを決定するステップと、前記粒子ビームに前記ビームレットのセットを連続的に送出させるステップとを有するオペレーションを行わせる。
[0136]
実施例42では、実施例41の主題が、前記ビームレットのセットを送出するステップは、前記ターゲットに向けて回転ガントリから前記ビームレットのセットを送出することを含む。
[0137]
実施例43では、実施例42の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記現在のガントリ角度に対する選択されたパラメータのセットに基づいて、放射線量を決定するステップであって、少なくとも1つのパラメータは、角度と呼吸フレーズであるステップをさらに行わせることを含む。
[0138]
実施例44は、移動するターゲットに向けて特定のガントリ角度で、制御ポイントのセットに基づいて送出される粒子ビームを送出するための命令を含む機械可読媒体であって、前記命令は、1つまたはそれ以上のプロセッサにより実行されたとき、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記ターゲット内の特定の位置を有する前記ターゲットのレイヤを特定するステップと、前記ターゲットのX方向、Y方向、Z方向の動きを追跡するステップと、周期的なサイクルの特定の位相における前記レイヤの物理的な位置を特定するステップと、前記特定の位相と特定のガントリ角度における予め決定された放射線量を前記レイヤに送出するためのパラメータのセットを選択するステップと、前記パラメータのセットを用いて、前記特定の位相と前記特定のガントリ角度で、前記予め決定された放射線量を前記レイヤに送出させるステップとを有するオペレーションを行わせる。
[0139]
実施例45では、実施例44の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、各ターゲットレイヤがそれぞれの所定の線量を受けるまで、それぞれの呼吸の位相とガントリ角度で複数のターゲットレイヤにおいて繰り返し行うステップをさらに行わせることを含む。
[0140]
実施例46では、実施例44乃至45の主題が、周期的サイクルの異なる位相において前記レイヤの前記物理的位置で、照射される放射線量が異なることを含む。
[0141]
実施例47では、実施例44乃至46の主題が、前記パラメータのセットは、ビームエネルギーを含み、前記ビームエネルギーは、前記レイヤに対する前記ターゲット内の所定の深さまで到達することを含む。
[0142]
実施例48では、実施例44乃至47の主題が、前記パラメータのセットは、スポットサイズを含むことを含む。
[0143]
実施例49では、実施例44乃至48の主題が、前記パラメータのセットは、複数のビームレットを含み、各ビームレットは異なる強度を有し、前記強度は送出される粒子の数であり、各ビームレットは特定の座標位置を有することを含む。
[0144]
実施例50では、実施例49の主題が、前記複数のビームレットの第1のビームレットは、前記周期的サイクルの第1の位相における前記レイヤに対する第1の強度を有し、前記複数のビームレットの第2のビームレットは、前記周期的サイクルの第2の位相における前記レイヤに対する第2の強度を有し、前記複数のビームレットの第3のビームレットは、前記周期的サイクルの前記第1の位相における第2のレイヤに対する第3の強度を有することを含む。
[0145]
実施例51では、実施例44乃至50の主題が、前記周期的なサイクルは、呼吸器系の呼吸サイクルであることを含む。
[0146]
実施例52は、ターゲットに向けて粒子ビームを送出するための命令を含む機械可読媒体であって、前記命令は、1つまたはそれ以上のプロセッサにより実行されたとき、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、ある患者の現在の患者状態を決定するステップと、現在のガントリ角度を特定するステップと、前記現在の患者状態と前記現在のガントリ角度に対応する放射線量を決定するステップと、前記現在の患者状態から始まり、前記現在のガントリ角度を含むガントリ角度の範囲にわたって、前記ターゲットに前記放射線量を送出するステップとを有するオペレーションを行わせる。
[0147]
実施例53では、実施例52の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記ターゲットがその所定の線量を受けるまで、それぞれの患者状態でガントリ角度の複数の範囲にわたって繰り返すステップをさらに行わせることを含む。
[0148]
実施例54では、実施例53の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記ガントリ角度の複数の範囲のそれぞれに対して与えられた線量を再構成することにより、前記ターゲットが受ける実際の意図された線量の推定値を決定するステップをさらに行わせることを含む。
[0149]
実施例55では、実施例54の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記ガントリ角度の複数の範囲のそれぞれに対して与えられた線量の加重和を用いて、前記推定値を決定するステップをさらに行わせることを含む。
[0150]
実施例56では、実施例52乃至55の主題が、前記現在のガントリ角度は、前記ガントリ角度の範囲の中央の角度であることを含む。
[0151]
実施例57では、実施例52乃至56の主題が、前記命令が、前記1つまたはそれ以上のプロセッサに、前記現在のガントリ角度に対して、前記ターゲット内の複数の予め定義されたスポットを決定するステップであって、前記複数の予め定義されたスポットは、スパイラルパターンに構成されているステップと、前記スパイラルパターン内の前記複数の予め定義されたスポットを、それぞれのガントリ角度の等心軸に最も近いものから、前記等心軸から最も遠いものへと順序付けするステップとをさらに行わせることと、前記放射線量を送出するステップは、前記複数の予め定義されたスポットの前記スパイラルパターンに従って、複数のビームレットを送出することを含む。
[0152]
実施例58では、実施例52乃至57の主題が、前記放射線量は複数のビームレットを含むこと、前記複数のビームレットの第1のビームレットは、前記周期的サイクルの第1の患者状態における前記ターゲットに対する第1の強度を有し、前記複数のビームレットの第2のビームレットは、前記周期的サイクルの第2の患者状態における前記ターゲットに対する第2の強度を有すること、を含む。
[0153]
実施例59では、実施例52乃至58の主題が、前記患者状態は、呼吸位相、呼吸位相の近似値、振幅、変形ベクトルフィールド(DVF)、DVFの低次元表現、撮像装置で取得された画像の低次元表現、表面情報、ターゲット位置のうち少なくとも1つを含むこと、を含む。
[0154]
実施例60では、実施例52乃至59の主題が、前記患者状態は、呼吸サイクルから算出された呼吸位相であることを含む。
[0155]
実施例61は、処理回路によって実行されると、前記処理回路に実施例1乃至60のいずれかを実施するためのオペレーションを行わせる命令を含む、少なくとも1つの機械可読媒体である。
[0156]
実施例62は、実施例1乃至60のいずれかを実施する手段を備えた装置である。
[0157]
実施例63は、実施例1乃至60のいずれかを実施するシステムである。
[0158]
実施例64は、実施例1乃至60のいずれかを実施する方法である。
[0159]
上記の詳細な説明には、詳細な説明の一部を構成する添付の図面への参照が含まれる。図面は、説明のために示したものであり、本開示を実施することができる特定の実施形態を示している。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。このような実施例は、図示または説明されたものに加えて、要素(element)を含むことができる。しかし、本発明者は、図示または説明された要素のみが提供される実施例も考慮している。さらに、本発明者は、特定の実施例(または、その1つまたはそれ以上の態様)に関して、または本明細書に図示または説明されている他の実施例(または、その1つまたはそれ以上の態様)に関して、図示または説明されているそれらの要素(またはその1つまたはそれ以上の側面)の任意の組み合わせまたは順列を使用する実施例も考慮している。
[0160]
本明細書と参照することにより組み込まれる文書との間で方法が一致しない場合、本明細書の使用方法が優先される。
[0161]
本明細書において、「a」または「an」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の他の例や用法とは無関係に、1つまたはそれ以上の要素を含むように使用される。本明細書において、「または」という用語は、「AまたはB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、「AおよびB」を含むように、非排他的な「または」を指すために使用されるが、別段の記載がない限り、「AまたはB」は「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、「AおよびB」を含む。本明細書において、「including」および「in which」という用語は、「complising」および「wherein」というそれぞれの用語の平易な英語の等価物として使用されている。また、以下の特許請求の範囲において、「including」および「comprising」という用語はオープンエンドであり、すなわち、ある特許請求の範囲でこのような用語の後に記載されている要素に加えて、ある要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、プロセスは、その特許請求の範囲に含まれるものとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして使用されており、その対象物に数値的な要求を課すことを意図したものではない。
[0162]
本明細書に記載されている方法の実施例は、少なくとも部分的には機械またはコンピュータで実施することができる。いくつかの実施例は、上記の実施例で説明した方法を実行するように電子デバイスを構成するように動作可能な命令でコード化されたコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含むことができる。このような方法の実装には、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高レベル言語コードなどのコードが含まれ得る。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含み得る。このコードは、コンピュータプログラム製品の一部を構成し得る。さらに、一実施例では、コードは、実行中または他の時に、1つまたはそれ以上の揮発性、非一過性、または不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に目に見える方法で(tangibly)格納され得る。これらの有形コンピュータ可読媒体の実施例としては、これらに限定されるものではないが、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード、メモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)などが挙げられる。
[0163]
上記の説明は、例示を目的としたものであり、制限的なものではない。例えば、上述した実施例(または、その1つまたはそれ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。当業者であれば、上記の説明を確認した上で、他の実施形態を使用することができる。要約は、37 C.F.R.§1.72(b)に準拠し、読者が技術開示の性質を迅速に把握できるように提供されている。それは、特許請求の範囲の解釈や意味を限定するために使用されるものではないことを理解した上で提出されている。また、上記の発明の詳細な説明では、本開示を効率化するために様々な特徴をまとめている場合がある。これは、請求されていない開示された特徴が、いかなる請求にも必須であることを意図していると解釈すべきではない。むしろ、発明の主題は、開示された特定の実施形態のすべての特徴ではないところにあり得る。したがって、以下の請求項は、実施例または実施形態として発明の詳細な説明に組み込まれており、各請求項は独立した実施形態として自立しており、そのような実施形態は、様々な組み合わせまたは順列で互いに組み合わせることができることが企図されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきであり、また、そのような特許請求の範囲に含まれる完全な均等物の範囲も参照する必要がある。

Claims (20)

  1. 周期的なサイクルに基づいてターゲットに向けて粒子ビームを送出する方法であって、
    前記方法は、
    前記周期的なサイクルに基づいて呼吸位相を決定するステップと、
    前記粒子ビームの現在のガントリ角度を特定するステップと、
    前記呼吸位相と前記現在のガントリ角度に基づいて、スポットのパターンを動的に選択するステップと、
    前記スポットのパターンに基づいてビームレットのセットを決定するステップと、
    前記粒子ビームを用いて前記ビームレットのセットを連続的に送出するステップと
    を有する
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    前記ビームレットのセットを送出するステップは、前記ターゲットに向けて回転ガントリから前記ビームレットのセットを送出することを更に含む
    ことを特徴とする方法。
  3. 請求項1記載の方法において、
    前記方法は、
    前記現在のガントリ角度に対する選択されたパラメータのセットに基づいて、放射線量を決定するステップであって、少なくとも1つのパラメータは、角度と呼吸フレーズであるステップ
    を更に有する
    ことを特徴とする方法。
  4. 移動するターゲットに向けて特定のガントリ角度で、制御ポイントのセットに基づいて送出される粒子ビームを送出する方法であって、
    前記方法は、
    前記ターゲット内の特定の位置を有する前記ターゲットのレイヤを特定するステップと、
    前記ターゲットのX方向、Y方向、Z方向の動きを追跡するステップと、
    周期的なサイクルの特定の位相における前記レイヤの物理的な位置を特定するステップと、
    前記特定の位相と特定のガントリ角度における予め決定された放射線量を前記レイヤに送出するためのパラメータのセットを選択するステップと、
    前記パラメータのセットを用いて、前記特定の位相と前記特定のガントリ角度で、前記予め決定された放射線量を前記レイヤに送出するステップと
    を有する
    ことを特徴とする方法。
  5. 請求項4記載の方法において、
    前記方法は、
    各ターゲットレイヤがそれぞれの所定の線量を受けるまで、それぞれの呼吸の位相とガントリ角度で複数のターゲットレイヤにおいて繰り返し行うステップ
    を更に有する
    ことを特徴とする方法。
  6. 請求項4記載の方法において、
    周期的サイクルの異なる位相において前記レイヤの前記物理的位置で、照射される放射線量が異なる
    ことを特徴とする方法。
  7. 請求項4記載の方法において、
    前記パラメータのセットは、ビームエネルギーを含み、前記ビームエネルギーは、前記レイヤに対する前記ターゲット内の所定の深さまで到達する
    ことを特徴とする方法。
  8. 請求項4記載の方法において、
    前記パラメータのセットは、スポットサイズを含む
    ことを特徴とする方法。
  9. 請求項4記載の方法において、
    前記パラメータのセットは、複数のビームレットを含み、各ビームレットは異なる強度を有し、前記強度は送出される粒子の数であり、各ビームレットは特定の座標位置を有する
    ことを特徴とする方法。
  10. 請求項9記載の方法において、
    前記複数のビームレットの第1のビームレットは、前記周期的サイクルの第1の位相における前記レイヤに対する第1の強度を有し、前記複数のビームレットの第2のビームレットは、前記周期的サイクルの第2の位相における前記レイヤに対する第2の強度を有し、前記複数のビームレットの第3のビームレットは、前記周期的サイクルの前記第1の位相における第2のレイヤに対する第3の強度を有する
    ことを特徴とする方法。
  11. 請求項4記載の方法において、
    前記周期的なサイクルは、呼吸器系の呼吸サイクルである
    ことを特徴とする方法。
  12. ターゲットに向けて粒子ビームを送出する方法であって、
    前記方法は、
    ある患者の現在の患者状態を決定するステップと、
    現在のガントリ角度を特定するステップと、
    前記現在の患者状態と前記現在のガントリ角度に対応する放射線量を決定するステップと、
    前記現在の患者状態から始まり、前記現在のガントリ角度を含むガントリ角度の範囲にわたって、前記ターゲットに前記放射線量を送出するステップと
    を有する
    ことを特徴とする方法。
  13. 請求項12記載の方法において、
    前記方法は、
    前記ターゲットがその所定の線量を受けるまで、それぞれの患者状態でガントリ角度の複数の範囲にわたって繰り返すステップを
    更に有する
    ことを特徴とする方法。
  14. 請求項13記載の方法において、
    前記方法は、
    前記ガントリ角度の複数の範囲のそれぞれに対して与えられた線量を再構成することにより、前記ターゲットが受ける実際の意図された線量の推定値を決定するステップを
    更に有する
    ことを特徴とする方法。
  15. 請求項14記載の方法において、
    前記方法は、
    前記ガントリ角度の複数の範囲のそれぞれに対して与えられた線量の加重和を用いて、前記推定値を決定するステップを
    更に有する
    ことを特徴とする方法。
  16. 請求項12記載の方法において、
    前記現在のガントリ角度は、前記ガントリ角度の範囲の中央の角度である
    ことを特徴とする方法。
  17. 請求項12記載の方法において、
    前記方法は、
    前記現在のガントリ角度に対して、
    前記ターゲット内の複数の予め定義されたスポットを決定するステップであって、前記複数の予め定義されたスポットは、スパイラルパターンに構成されているステップと、
    前記スパイラルパターン内の前記複数の予め定義されたスポットを、それぞれのガントリ角度の等心軸に最も近いものから、前記等心軸から最も遠いものへと順序付けするステップと
    を更に有し、
    前記放射線量を送出するステップは、前記複数の予め定義されたスポットの前記スパイラルパターンに従って、複数のビームレットを送出することを含む
    ことを特徴とする方法。
  18. 請求項12記載の方法において、
    前記放射線量は複数のビームレットを含み、
    前記複数のビームレットの第1のビームレットは、前記周期的サイクルの第1の患者状態における前記ターゲットに対する第1の強度を有し、前記複数のビームレットの第2のビームレットは、前記周期的サイクルの第2の患者状態における前記ターゲットに対する第2の強度を有する
    ことを特徴とする方法。
  19. 請求項12記載の方法において、
    前記患者状態は、呼吸位相、呼吸位相の近似値、振幅、変形ベクトルフィールド(DVF)、DVFの低次元表現、撮像装置で取得された画像の低次元表現、表面情報、ターゲット位置のうち少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする方法。
  20. 請求項12記載の方法において、
    前記患者状態は、呼吸サイクルから算出された呼吸位相である
    ことを特徴とする方法。
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