JP6443266B2 - 車両の制御方法および車両用制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制御方法に関する。
従来、左右駆動輪を互いに独立して駆動する車両において、一方の駆動系における失陥の発生を判定する方法が知られている。例えば、特許文献1には、一方の駆動系において、駆動源側の回転数と車輪側の回転数との差が閾値以上になると、失陥が発生したと判定する方法が記載されている。
特開2013−176204号公報
しかし、一方の駆動系においてスリップ抑制制御を行う場合、上記差が閾値以上にならず、失陥発生の判定が困難になるおそれがある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、失陥の発生をより確実に判定できる車両の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態に係る車両の制御方法は、左右いずれかの動力伝達装置について、上記差が第1閾値以上になると、駆動源からこの動力伝達装置へ入力されるトルクが小さくなるよう、トルクを制限する工程と、上記差が第1閾値より大きい第2閾値以上になると、この動力伝達装置の失陥が発生していると判定する工程とを備え、前者の工程では、上記差が第2閾値以上になるよう、トルクを制限することとした。
よって、上記差が第2閾値以上になるようトルクを制限することで、失陥の発生をより確実に判定できる。
第1実施形態の車両における駆動システムの構成を示す。 第1実施形態の車両における後輪の模式図である。 第1実施形態における失陥許容時間とモータトルクと車体速度との関係を示す。 第1実施形態におけるモータ回転数とモータトルクのタイムチャートである。 第1実施形態における、モータトルクの指令から出力までのタイムラグと、モータトルク制限値との関係を示す。 第1実施形態における下り坂走行中のモータ回転数のタイムチャートである。 第1実施形態における上り坂走行中のモータ回転数のタイムチャートである。
[第1実施形態]
〔構成〕
まず、構成を説明する。図1は、第1実施形態の車両における駆動システムの構成を示す。車両は、後輪駆動方式の電動車両である。車両の各車輪4(左前輪4FL,右前輪4FR,左後輪4RL,右後輪4RR)のうち、左右後輪4RL,4RRが駆動輪である。左右電動モータ3L,3Rは三相交流モータであり、左右後輪4RL,4RRを互いに独立に駆動する駆動源である。本実施例では、左右電動モータ3L,3Rをばね下側(車輪4の側)に配置した、いわゆるインホイールモータ(IWM)方式を採用している。図2は、左後輪4RLの概略構成を示す模式図である。左電動モータ3Lの出力軸には左減速ギヤ40Lが接続されている。左減速ギヤ40Lは、遊星歯車組を有している。左減速ギヤ40Lの出力軸にはホイールハブ41RLが接続されている。ホイールハブ41RLにはタイヤ42RLが装着されている。左減速ギヤ40Lは、左電動モータ3Lの出力軸の回転(左減速ギヤ40Lへ入力される回転数)を変速(減速)してホイールハブ41RLへ出力する。左減速ギヤ40Lは、左電動モータ3Lからトルクが入力され、このトルクを左後輪4RLへ伝達可能な動力伝達装置として機能する。右後輪4RRも同様の構成である。
図1に示すように、左右電動モータ3L,3Rには左右インバータ(INV)2L,2Rが接続されている。左右インバータ2L,2Rは三相出力インバータである。左右インバータ2L,2Rには、図外の高電圧バッテリが接続されている。各車輪4には、その車輪速度Vx(添字xはFL〜RRを表す。)を検出する車輪速センサ56が設けられている。左右後輪(駆動輪)4RL,4RRの車輪速センサ56RL,56RRはそれぞれホイールハブ41RL,41RRに設けられている。左右電動モータ3L,3Rには、その出力軸の回転角を検出するレゾルバ(モータ回転角センサ)50L,50Rがそれぞれ設けられている。左右インバータ2L,2Rには、その電流を検出する左右電流センサ51L,51Rが設けられている。
車両の駆動力制御装置1は、上位コントローラである車両制御コントローラVCMと、下位コントローラであるモータコントローラMCを有しており、左右後輪4RL,4RRの駆動力を互いに独立して制御可能である。MCは、左モータコントローラMCLと右モータコントローラMCRを有している。MCLは左電動モータ3Lに対応して設けられ、MCRは右電動モータ3Rに対応して設けられている。VCMとMCL,MCRは、通信線であるCAN(Controller Area Network)6により互いに接続されており、相互に通信を行うことが可能である。なお、図1において、CAN6を介した接続を二重線による矢印で表し、ハード線を介した接続や演算値の入力を、二重線以外の線による矢印で表す。CAN6には、アクセルペダルの開度APOを検出するアクセル開度センサ52と、ブレーキペダルのストロークBSTを検出するブレーキペダルストロークセンサ53と、操舵角δfを検出する操舵角センサ54と、車両のヨーレイトγを検出するヨーレイトセンサ55と、車輪速センサ56からの信号が入力される。
MCLは左モータ制御部10Lを有し、MCRは右モータ制御部10Rを有している。左モータ制御部10Lは、左電動モータ3Lのレゾルバ50Lと電流センサ51Lとからの入力を受ける。左モータ制御部10Lは、レゾルバ50Lが検出したモータ回転角から、左電動モータ3Lの回転数(左モータ回転数NLr)を演算する。左モータ制御部10Lは、CAN6を介して受信したVCMからの左モータトルク指令値TL*を実現すべく、左電動モータ3Lを制御する。左モータ制御部10Lは、VCMからのTL*に対しNLrを乗じて、左電動モータ3Lに供給すべき目標電力を算出する。左モータ制御部10Lは、左電動モータ3Lに供給されている実電力(例えば、実電圧と実電流とから求まる。)と対応する目標電力との差分をゼロとする信号を生成し、左インバータ2Lを駆動する。左インバータ2Lは、左モータ制御部10Lからの信号に応じて動作し、左電動モータ3Lを力行または回生運転させる。右モータ制御部10Rについても左モータ制御部10Lと同様である。
VCMは、加減速制御部7と、左右駆動力差制御部8と、左モータトルク指令値演算部9Lと、右モータトルク指令値演算部9Rと、スリップ量演算部11と、スリップ抑制制御部12と、フェールセーフ制御部13とを有している。加減速制御部7は、車両の走行状態や運転者の加減速操作状態に基づいて左右電動モータ3L,3RのモータトルクTL,TRを制御することで、車両の制駆動力を制御する。加減速制御部7は、アクセル開度センサ52とブレーキペダルストロークセンサ53からの入力を受ける。APOは運転者の加速操作を反映する加速操作状態量であり、BSTは運転者の制動操作を反映する制動操作状態量である。加減速制御部7は、車輪速センサ56FL,56FRにより検出された左右前輪(従動輪)4FL,4FRの回転数から、車体速度Vを演算する。具体的には、左右前輪4FL,4FRの回転数を加算平均し、これを車体速度Vとする。加減速制御部7は、APOとVに基づき、例えば予め設定されたトルクマップを参照して、運転者の加速要求に応じた目標駆動トルク(正値)を演算する。また、BSTに基づき、例えば予め設定されたトルクマップを参照して、運転者の減速要求に応じた目標駆動トルク(負値)を演算する。加減速制御部7は、これらの目標駆動トルクの和値を演算し、その半分の値を左右電動モータ3L,3Rの基本モータトルクTbaseとする。
左右駆動力差制御部8は、車両の走行状態や運転者の操舵状態に基づいて左後輪4RLと右後輪4RRとの間で駆動力差を発生させることで、車両に所望のヨーモーメントを付与する、いわゆる直接ヨーモーメント制御(DYC)を実行する。左右駆動力差制御部8は、CAN6を介して受信した左右モータ回転数NLr,NRrから、車体速度Vを演算する。なお、車輪速センサ56からの車輪速度Vxに基づいて(δfや各Vxの差や各車輪4のスリップ状態等を考慮しつつ)車体速度Vを演算することとしてもよい。左右駆動力差制御部8は、演算されたVと、CAN6を介して受信したδfとに基づき、例えば運転者の旋回要求に応じた目標ヨーレイトγ*を演算する。左右駆動力差制御部8は、Vとδfとに基づき、実ヨーレイトγを推定する。左右駆動力差制御部8は、推定された実ヨーレイトγがγ*に追従するように、車両に加えるヨーモーメント(制御ヨーモーメント)を演算する。左右駆動力差制御部8は、このヨーモーメントを発生するための左右後輪4RL,4RRの駆動力の差(目標駆動トルク差)として、左右電動モータ3L,3Rのモータトルク差ΔTを演算する。
左右モータトルク指令値演算部9L,9Rは、TbaseにΔTの半分の値ΔT×1/2を加減算することで、左右後輪4RL,4RRのモータトルク指令値TL*,TR*を演算する。例えば左操舵(左旋回)時には、左モータトルク指令値演算部9Lは、TbaseからΔT×1/2を減算した値を左後輪4RLのモータトルク指令値(左モータトルク指令値TL*)とする一方、右モータトルク指令値演算部9Rは、TbaseにΔT×1/2を加算した値を右後輪4RRのモータトルク指令値(右モータトルク指令値TR*)とする。これにより、全体としてのトルクを変えることなく、左旋回方向にヨーモーメントを付与できる。
以下、左後輪4RLを例にとって説明する。右後輪4RRについても同様である。スリップ量演算部11は、加減速制御部7と同様、左右前輪4FL,4FRの回転数から車体速度Vを演算する。スリップ量演算部11は、上記演算した車体速度Vに左減速ギヤ40Lのギヤ比を乗算することで、Vを左電動モータ3Lの回転数(左電動モータ3Lから左減速ギヤ40Lへ入力される回転数)NLtに換算する。また、スリップ量演算部11は、(レゾルバ50Lの検出信号に基づき)左モータ制御部10Lにより演算された左電動モータ3Lの回転数NLrを受信する。なお、スリップ量演算部11は、レゾルバ50Lにより検出されたモータ回転角を受信し、これに基づき左電動モータ3Lの回転数NLrを演算してもよい。スリップ量演算部11は、上記回転数NLrから上記回転数NLtを減算することで、両回転数の差(左後輪4RLのスリップ量)ΔNLを演算する。
スリップ抑制制御部12は、左後輪4RLについて、ΔNLが所定の第1閾値ΔN1以上になると、ΔNLがΔN1未満のときよりも、左電動モータ3Lから左減速ギヤ40Lへ入力される左モータトルクTLの大きさが小さくなるよう、左モータトルク指令値TL*を制限する。車両の加速時にはTL*(正値)を小さくし、車両の減速時にはTL*(負値)を大きくする(より0に近づける)。
フェールセーフ制御部13は、ΔNLが、ΔN1より大きい所定の第2閾値ΔN2以上になると、左後輪4RLの動力伝達装置の失陥が発生していると判定する。この失陥には、左減速ギヤ40Lの摩耗や破損、左電動モータ3Lの出力軸や左減速ギヤ40Lの出力軸(ホイールハブ41Lと一体に回転する車軸)の破断等が含まれる。以下、これらをまとめて単に左減速ギヤ40Lの失陥と呼ぶ。この失陥により、左電動モータ3Lから左後輪4RLへトルクが伝達されにくくなる。左減速ギヤ40Lの失陥が発生していると判定されると、左右電動モータ3L,3Rが発生するトルク(左右モータトルク指令値TL*,TR*)を低下させる。
車両挙動安定化の観点から上記失陥の継続が許容される最大の時間を失陥許容時間Δtlimとする。図3は、Δtlimと、失陥発生中のモータトルクT(TLまたはTR)および車体速度(車速)Vとの関係を示す。Tが大きい領域では、Tが小さい領域でよりも、Δtlimが短い。Tが所定値以上の領域では、Vが高いときはVが低いときよりもΔtlimが長い。スリップ抑制制御部12は、図3の特性を有するマップに基づきΔtlimを設定する。図3の失陥発生中のTとして、例えばΔNがΔN1以上になったときのT(指令値または検出値)であるT0を用いる。図3に基づき、例えばT0が大きいときは小さいときよりもΔtlimを短く設定する。スリップ抑制制御部12は、ΔNLがΔN1以上になると、制限後の左モータトルク指令値TL*をTLs*(<TL0)に設定し、M/CLへ出力する。TLs*は、少なくとも、左電動モータ3Lのフリクションに打ち勝って左電動モータ3Lの回転数NLrを上昇させることができる値に設定する。また、ΔNLが発生してからΔtlimが経過する前にΔNLがΔN2以上になるよう、TLs*を設定する。
図4は、失陥発生中における左電動モータ3Lの回転数NLと、時間tおよび左モータトルクTLとの関係を示す。時刻t0で失陥発生後、時間tが経過するのに応じて、トルクTLにより回転数NLrは上昇する。TLが大きいときはTLが小さいときよりも、tに対するNLrの上昇率dNLr/dtが高い(上昇勾配dNLr/dtが急である)。時刻t1で、ΔNLがΔN1以上になり、制限後の左モータトルク指令値TLs*をM/CLへ出力する。時刻t1の後、実際に左電動モータ3LがモータトルクTLsを出力するようになる時刻t11までには、タイムラグΔts0がある。Δts0は、センサの応答遅れ、通信による遅れ、演算による遅れ等に起因する遅延時間である。Δts0中、TLがTL0のままであるとすると、図4に従い、dNLr/dtはTL0に応じた値[dNLr/dt]0となる。Δts0中の回転数NLrの増加分は、Δts0×[dNLr/dt]0となる。よって、時刻t11でのΔNL(=NLr−NLt)であるΔNLs0は、NLtが一定であるとき、ΔN1+Δts0×[dNLr/dt]0となり、ΔNLs0とΔN2との差は、ΔN2−(ΔN1+Δts0×[dNLr/dt]0)となる。時刻t11後、TLがTLsのままであるとすると、図4に従い、dNLr/dtはTLsに応じた値[dNLr/dt]sとなる。時刻t11後、時刻tlimの前にΔNLがΔN2以上になればよく、[dNLr/dt]sは、時刻tlimの前にΔNLs0とΔN2との差が0になるようなdNLr/dtであればよい。スリップ抑制制御部12は、このようなdNLr/dtが実現されるよう、Δtlimと例えば時刻t1でのTL0とを用いて、図4の関係特性に基づき、制限後のTLs*を設定する。
図5は、時刻t1後の時刻t11と、制限後のモータトルクTLsとの関係を示す。図5の斜線部分が、時刻tlimの前にΔNLがΔN2以上になるようなTLs(=TLs*)の範囲を示す。Δts0の大きさは、通信タイミングのずれ等に応じて変化し、定まっていない。時刻tlimの前であってΔts0の経過前(実際に左電動モータ3LがTLsを出力する前)にΔNLがΔN2以上になる場合(図5のαの領域)は、TLsをTL0未満の範囲内でどのように設定してもよい。Δts0の経過後(実際に左電動モータ3LがTLsを出力し始めたとき)にΔNLがΔN2未満である場合(図5のβの領域)は、Δts0が短ければ、時刻t11でのΔNLs0とΔN2との差が大きいため、最低限必要な[dNLr/dt]sが大きい。言換えるとTLsの最小値TLs_minを大きく設定する必要がある。逆に、Δts0が長ければ、時刻t11でのΔNLs0とΔN2との差が小さいため、最低限必要な[dNLr/dt]sが小さい。言換えるとTLs_minを小さく設定することができる。本実施形態では、TLs_minを(Δts0が最短Δts_minであるときの)最大値TL1に設定する。言換えると、TLsをTL1≦TLs<TL0の範囲内に設定する。Δts_minは実験等により予め求めることができる。
スリップ抑制制御部12は、車両が左右電動モータ3L,3Rを力行運転させつつ下り坂を走行中のときは、平坦路を走行中のときよりも、制限後のモータトルク指令値Ts*(=Ts)を大きくする。
〔作用〕
次に、上記制御処理に基づく作用効果について、左後輪4RLを例にとって説明する。右後輪4RRについても同様である。スリップ抑制制御部12は、ΔNLが第1閾値ΔN1以上になると、左モータトルク指令値TL*を制限する。TL*を制限することで、左後輪4RLのスリップ量ΔNLの増大が抑制される。これにより、左右後輪4RL,4RRのスリップ量の差が小さくなるため、車両の挙動の早期安定化が図られる。例えば、部分的に氷結している等のスプリットμ路で、左後輪4RLのみがスリップした状態からグリップした状態へ切り替わることによるショックの発生が回避される。フェールセーフ制御部13は、ΔNLが第2閾値ΔN2以上になると、左減速ギヤ40Lの失陥が発生していると判定し、左右モータトルク指令値TL*,TR*を低下させる。これにより、左右後輪4RL,4RRの回転数が小さくなるため、車両の挙動の早期安定化が図られる。
図4において、時刻t11以降、一点鎖線で示すように、TLs*が比較的小さい値TL2に設定されると、回転数NLrの上昇が抑制されるため、ΔNLがΔN2以上にならない。よって、フェールセーフ制御部13が左減速ギヤ40Lの失陥の発生を判定できず、この状態で失陥許容時間Δtlimが経過すると車両挙動が不安定化するおそれがある。これに対し、スリップ抑制制御部12は、時刻t11以降、実線で示すように、TLs*をTL2よりも大きい値TL1に設定する。TL1は、ΔNLが発生する時刻t1以後、Δtlimが経過する時刻tlim以前に、ΔNLがΔN2以上になるようなTLs*である。よって、失陥許容時間Δtlimが経過する前にフェールセーフ制御部13が左減速ギヤ40Lの失陥の発生を判定できるため、車両挙動の安定化を図ることができる。
図3に示すように、モータトルクTが大きいときは失陥許容時間Δtlimが短いという関係がある。スリップ抑制制御部12は、例えばΔNLがΔN1以上になったときのTLであるTL0が大きいときは小さいときよりも、Δtlimを短く設定する。このように、TLとΔtlimとの関係に基づき、TLに応じてΔtlimを設定することで、より確実に、Δtlimが経過する前にフェールセーフ制御部13が失陥の発生を判定できるようになる。また、図5に示すように、制限後のモータトルクTLsの最小値TLs_minをTL1に設定することで、タイムラグΔts0が最短Δts_minとなった場合でも、時刻tlimの前にΔNLがΔN2以上になるため、より確実に、フェールセーフ制御部13が失陥の発生を判定できるようになる。なお、TLsをTL1に設定することが望ましい。TLsをTL1≦TLs<TL0の範囲内でTL1まで小さくすることで、スリップ抑制制御時においてスリップ抑制効果を向上できる。
図6及び図7は、車両が左右電動モータ3L,3Rを力行運転させた状態で左減速ギヤ40Lの失陥が発生したときの左電動モータ3Lの回転数NLr,NLtの時間変化を示す。図6は車両が下り坂を走行中のとき、図7は車両が上り坂を走行中のときの時間変化を示す。NLrは路面勾配に関わらずモータトルクTに応じて上昇する。NLtは、上り坂では時間tの経過に応じて低下する。下り坂では、NLtは時間tの経過に応じて上昇し、平坦路を走行中のときよりも、時間tに対するNLtの上昇率dNLt/dtが高い。下り坂では、ΔNL(=NLr−NLt)は、NLtが増大する分だけ、平坦路を走行中のときよりも小さくなる。ΔNLの時間当り変化量は、上り坂では平坦路よりも大きい一方、下り坂では平坦路よりも小さい。スリップ抑制制御部12は、車両が下り坂を走行中のときは平坦路を走行中のときよりも、制限後の左モータトルク指令値TLs*(=TLs)を大きくする。これにより、ΔNLが、路面勾配に起因するΔNLの上記減少分を埋め合わせる(例えば平坦路のときと同じΔNLになる)ように増大するため、時刻tlimの前に、ΔNLs0とΔN2との差が0になりやすくなる。よって、より確実に、フェールセーフ制御部13が失陥の発生を判定できるようになる。
〔効果〕
以下、本実施形態の効果を列挙する。
(1) 左右電動モータ3L,3R(駆動源)からの左右モータトルクTL,TRを左右の減速ギヤ40L,40R(動力伝達装置)を介してそれぞれ左右の後輪4RL,4RR(駆動輪)へ伝達可能な車両の制御方法であって、各減速ギヤ40について、電動モータ3からこの減速ギヤ40へ入力される回転数Nr(第1回転数)と、左右前輪4FL,4FR(所定車輪)の回転数を電動モータ3からこの減速ギヤ40へ入力される回転数に換算した回転数Nt(第2回転数)との差ΔNを検出する第1工程と、左右いずれかの減速ギヤ40について、差ΔNが第1閾値ΔN1以上になると、差ΔNが第1閾値ΔN1未満のときよりも電動モータ3からこの減速ギヤ40へ入力されるトルクTが小さくなるよう、モータトルク指令値T*(トルク)を制限する第2工程と、左右いずれかの減速ギヤ40について、差ΔNが第1閾値ΔN1より大きい第2閾値ΔN2以上になると、この減速ギヤ40の失陥が発生していると判定する第3工程とを備え、第2工程では、差ΔNが発生してから失陥許容時間Δtlim(所定時間)が経過する前に差ΔNが第2閾値ΔN2以上になるよう、T*を制限する。
よって、Δtlimが経過する前に減速ギヤ40の失陥の発生を判定できるため、車両挙動の安定化を図ることができる。
(2) 車両制御コントローラVCM(車両用制御装置)であって、車両は、左右電動モータ3L,3R(駆動源)と、左右電動モータ3L,3Rから左右モータトルクTL,TRが入力され、このトルクTL,TRを左右の後輪4RL,4RR(駆動輪)へそれぞれ伝達可能な左右の減速ギヤ40L,40R(動力伝達装置)と、左右前輪4FL,4FR(所定車輪)の回転数を検出する車輪速センサ56FL,56FR(第1センサ)と、左右電動モータ3L,3Rから左右の減速ギヤ40L,40Rへそれぞれ入力される回転数NLr,NRrを検出する左右のレゾルバ50L,50R(第2センサ)とを備え、車両制御コントローラVCMは、左右いずれかの後輪4について、車輪速センサ56により検出された左右前輪4FL,4FRの回転数を、電動モータ3からこの後輪4の減速ギヤ40へ入力される回転数に換算した回転数Nt(第1回転数)と、レゾルバ50により検出された、この後輪4の減速ギヤ40へ入力される回転数Nr(第2回転数)との差ΔNが、第1閾値ΔN1以上になると、差ΔNが第1閾値ΔN1未満のときよりも、電動モータ3からこの後輪4の減速ギヤ40へ入力されるトルクTが小さくなるよう、モータトルク指令値T*(トルク)を制限するスリップ抑制制御部12(第1制御部)と、左右いずれかの後輪4について、差ΔNが第1閾値ΔN1より大きい第2閾値ΔN2以上になると、この後輪4の減速ギヤ40の失陥が発生していると判定するフェールセーフ制御部13(第2制御部)とを備え、スリップ抑制制御部12は、差ΔNが発生してから失陥許容時間Δtlim(所定時間)が経過する前に差ΔNが第2閾値ΔN2以上になるよう、T*を制限する。
よって、Δtlimが経過する前にフェールセーフ制御部13が減速ギヤ40の失陥の発生を判定できるため、車両挙動の安定化を図ることができる。
(3) スリップ抑制制御部12は、車両が下り坂を走行中のときは平坦路を走行中のときよりも、制限後のT*を大きくする。
よって、より確実に、フェールセーフ制御部13が失陥の発生を判定できる。
(4) スリップ抑制制御部12は、差ΔNが第1閾値ΔN1以上になったときのトルクT0が大きいときは小さいときよりも、Δtlimを短く設定する。
よって、より確実に、フェールセーフ制御部13が失陥の発生を判定できる。
〔他の実施形態〕
以上、本願発明を第1実施形態に基づいて説明してきたが、これに限らず、他の構成であっても本発明に含まれる。
3 電動モータ(駆動源)
4 後輪(駆動輪)
40 減速ギヤ(動力伝達装置)
50 レゾルバ(第2センサ)
56 車輪速センサ(第1センサ)
12 スリップ抑制制御部(第1制御部)
13 フェールセーフ制御部(第2制御部)
VCM 車両制御コントローラ(車両用制御装置)

Claims (4)

  1. 駆動源からのトルクを左右の動力伝達装置を介してそれぞれ左右の駆動輪へ伝達可能な車両の制御方法であって、
    前記各動力伝達装置について、前記駆動源からこの動力伝達装置へ入力される第1回転数と、所定車輪の回転数を前記駆動源からこの動力伝達装置へ入力される回転数に換算した第2回転数との差を検出する第1工程と、
    左右いずれかの前記動力伝達装置について、前記差が第1閾値以上になると、前記差が前記第1閾値未満のときよりも前記駆動源からこの動力伝達装置へ入力されるトルクが小さくなるよう、前記トルクを制限する第2工程と、
    左右いずれかの前記動力伝達装置について、前記差が前記第1閾値より大きい第2閾値以上になると、この動力伝達装置の失陥が発生していると判定する第3工程とを備え、
    前記第2工程では、前記差が発生してから所定時間が経過する前に前記差が前記第2閾値以上になるよう、前記トルクを制限する
    車両の制御方法。
  2. 車両用制御装置であって、
    前記車両は、
    駆動源と、
    前記駆動源からトルクが入力され、このトルクを左右の駆動輪へそれぞれ伝達可能な左右の動力伝達装置と、
    所定車輪の回転数を検出する第1センサと、
    前記駆動源から左右の前記動力伝達装置へそれぞれ入力される回転数を検出する左右の第2センサとを備え、
    前記車両用制御装置は、
    左右いずれかの前記駆動輪について、前記第1センサにより検出された前記所定車輪の回転数を、前記駆動源からこの駆動輪の前記動力伝達装置へ入力される回転数に換算した第1回転数と、前記第2センサにより検出された、この駆動輪の前記動力伝達装置へ入力される第2回転数との差が、第1閾値以上になると、前記差が前記第1閾値未満のときよりも、前記駆動源からこの駆動輪の前記動力伝達装置へ入力されるトルクが小さくなるよう、前記トルクを制限する第1制御部と、
    左右いずれかの前記駆動輪について、前記差が前記第1閾値より大きい第2閾値以上になると、この駆動輪の前記動力伝達装置の失陥が発生していると判定する第2制御部とを備え、
    前記第1制御部は、前記差が発生してから所定時間が経過する前に前記差が前記第2閾値以上になるよう、前記トルクを制限する
    車両用制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両用制御装置において、
    前記第1制御部は、車両が下り坂を走行中のときは平坦路を走行中のときよりも、前記制限後のトルクを大きくすることを特徴とする車両用制御装置。
  4. 請求項2または3に記載の車両用制御装置において、
    前記第1制御部は、前記差が前記第1閾値以上になったときの前記トルクが大きいときは小さいときよりも、前記所定時間を短く設定することを特徴とする車両用制御装置。
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