JP6441512B2 - 無線端末及び方法 - Google Patents

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Description

本開示は、通信システムにおける無線端末及び基地局に関する。
近年、WWAN(Wireless Wide Area Network)通信及びWLAN(Wireless Local Area Network)通信の両通信方式に対応した無線端末の普及が進んでいる。
そのような無線端末に対して高速・大容量の通信サービスを提供するために、3GPP(Third Generation Partnership Project)において、WWANとWLANとの間の連携を強化させるための技術が検討されている。
一実施形態に係る無線端末は、自無線端末とコアネットワークとの間のトラフィックをWWANからWLANに移すトラフィックステアリングを行う制御部を備える。前記制御部は、前記WWANの基地局との通信を行う第1のエンティティと、前記第1のエンティティよりも上位層に位置付けられる第2のエンティティと、を含む。前記第1のエンティティは、前記トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドを含む設定情報を前記基地局から受信する第1の処理と、前記ステアリングコマンドの受信に応じて、前記WLANにトラフィックを移すべきことを示す第1の通知を前記第2のエンティティに提供する第2の処理と、前記ステアリングコマンドを受信した後、WLANへの接続が失敗したことに応じて、前記WLANへの接続が失敗したことを示す報告を前記基地局に送信する第3の処理と、前記WLANへの接続が失敗したことに応じて、前記設定情報を解放するとともに、前記WLANからトラフィックを戻すべきことを示す第2の通知を前記第2のエンティティに提供する第4の処理と、を実行する。
一実施形態に係る無線端末は、RCLWI(RAN Controlled LTE WLAN Interworking)の機能及びRALWI(RAN Assisted LTE WLAN Interworking)の機能を有する。前記無線端末は、前記RCLWIを設定するための第1の情報とRALWIを設定するための第2の情報とをネットワークから受信する受信部と、コネクティッドモードにおいて前記第1の情報及び前記第2の情報の両方を受信する場合、前記RCLWI及び前記RALWIのうち前記RCLWIのみを実行する制御部と、を備える。
一実施形態に係る無線端末は、トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドをWWANから受信し、前記トラフィックステアリングを試行する制御部を備える。前記トラフィックステアリングは、自無線端末とコアネットワークとの間のトラフィックをAPNの粒度で前記WWANからWLANに移す処理である。前記制御部は、前記ステアリングコマンドの受信に応じて、前記WWANから設定されたタイマを開始させる。前記タイマは、自無線端末が前記トラフィックステアリングを試行する期間及び/又は前記ステアリングコマンドが有効である期間を規定する。
一実施形態に係る基地局は、トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドを無線端末に送信する制御部を備える。前記トラフィックステアリングは、前記無線端末とコアネットワークとの間のトラフィックをAPNの粒度でWWANからWLANに移す処理である。前記制御部は、前記無線端末が前記トラフィックステアリングを試行する期間及び/又は前記ステアリングコマンドが有効である期間を規定するタイマを前記無線端末に設定する。
一実施形態に係る無線端末は、WWANとWLANとの間のトラフィックステアリングを自無線端末が判断するための補助パラメータと、前記WWANと前記WLANとの間の前記トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドと、を前記WWANから受信する制御部を備える。前記制御部は、前記補助パラメータ及び前記ステアリングコマンドの何れを適用するべきかの判断に用いる情報を前記WWANから受信し、前記情報に基づいて前記補助パラメータ及び前記ステアリングコマンドの何れか一方を適用する。
一実施形態に係る基地局は、WWANとWLANとの間のトラフィックステアリングを無線端末が判断するための補助パラメータと、前記WWANと前記WLANとの間の前記トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドと、を前記無線端末に送信する制御部を備える。前記制御部は、前記補助パラメータ及び前記ステアリングコマンドの何れを適用するべきかの判断に用いる情報を前記無線端末にさらに送信する。
実施形態に係る通信システムを示す図である。 LTEの無線インターフェイスのプロトコルスタックを示す図である。 LWIの概要を示す図である。 実施形態に係るUE(無線端末)の構成を示す図である。 実施形態に係るeNB(基地局)の構成を示す図である。 第1実施形態に係る動作シーケンス1を示す図である。 第1実施形態に係る動作シーケンス2を示す図である。 第1実施形態の変更例1に係る動作シーケンスを示す図である。 第2実施形態に係る動作シーケンスを示す図である。 第3実施形態に係る動作を示す図である。 その他の実施形態に係るステアリングコマンドを示す図である。 付記に係る、異なるメカニズムによって引き起こされる可能性のある制御不能を示す図である。 付記に係る、異なるダイナミックレンジを示す図である。 付記に係るLWA−Configurationを示す図である。 付記に係るWLAN−Statusを示す図である。
[実施形態の概要]
第1及び第2実施形態に係る無線端末は、トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドをWWANから受信し、前記トラフィックステアリングを試行する制御部を備える。前記トラフィックステアリングは、自無線端末とコアネットワークとの間のトラフィックをAPNの粒度で前記WWANからWLANに移す処理である。前記制御部は、前記ステアリングコマンドの受信に応じて、前記WWANから設定されたタイマを開始させる。前記タイマは、自無線端末が前記トラフィックステアリングを試行する期間及び/又は前記ステアリングコマンドが有効である期間を規定する。
第1実施形態において、前記制御部は、前記WWANの基地局との通信を行うASエンティティと、前記コアネットワークとの通信を行う上位エンティティと、を含む。前記ASエンティティは、前記タイマを管理する。前記ASエンティティは、前記ステアリングコマンドの受信に応じて、前記タイマを前記上位エンティティに通知してもよい。
第1実施形態において、前記制御部は、第1条件又は第2条件が満たされた際に、前記トラフィックステアリングが成功したと判断してもよい。前記第1条件は、少なくとも1つのAPNについて前記トラフィックステアリングが可能であるという条件である。前記第2条件は、少なくとも1つのAPNについて前記トラフィックステアリングが完了したという条件である。
第1実施形態において、前記制御部は、前記タイマが動作中である間に前記トラフィックステアリングが成功しない場合、前記トラフィックステアリングの失敗を示す報告を前記WWANに送信してもよい。
第1実施形態において、前記制御部は、前記WWANの基地局との通信を行うASエンティティと、前記コアネットワークとの通信を行う上位エンティティと、を含む。前記ASエンティティは、前記タイマを管理する。前記ASエンティティは、前記タイマが動作中である間に前記トラフィックステアリングが成功しない場合、前記ステアリングコマンドの適用停止及び/又は前記上位エンティティへの通知を行ってもよい。
第1実施形態において、前記制御部は、前記WLANから前記WWANへの第2トラフィックステアリングを指示する第2ステアリングコマンドを前記WWANから受信してもよい。前記制御部は、前記第2ステアリングコマンドの受信に応じて、前記WWANから設定された所定タイマを開始させてもよい。前記制御部は、前記所定タイマが動作中である間に前記第2トラフィックステアリングが成功しない場合、前記第2トラフィックステアリングの失敗を示す報告を前記WWANに送信してもよい。
第2実施形態において、前記制御部は、前記ステアリングコマンドとは異なる補助パラメータを前記WWANから受信する。前記補助パラメータは、前記WWANと前記WLANとの間のトラフィックステアリングを前記無線端末が判断するためのパラメータを含む。前記制御部は、前記タイマが動作中である間は、前記補助パラメータの適用を停止してもよい。
第2実施形態において、前記制御部は、前記タイマが満了した場合、前記補助パラメータの適用を再開してもよい。
第2実施形態において、前記制御部は、前記無線端末が前記WWANのアイドルモードである場合において、前記タイマが動作中である間は、前記補助パラメータの適用を停止してもよい。
第2実施形態において、前記ステアリングコマンドは、前記WLANを前記無線端末が評価するためのWLAN評価パラメータを含んでもよい。前記制御部は、前記トラフィックステアリングの後、前記WLAN評価パラメータを用いて前記WLANを評価する。
第1及び第2実施形態に係る基地局は、トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドを無線端末に送信する制御部を備える。前記トラフィックステアリングは、前記無線端末とコアネットワークとの間のトラフィックをAPNの粒度でWWANからWLANに移す処理である。前記制御部は、前記無線端末が前記トラフィックステアリングを試行する期間及び/又は前記ステアリングコマンドが有効である期間を規定するタイマを前記無線端末に設定する。
第1実施形態において、前記制御部は、隣接基地局に対して前記無線端末のハンドオーバを行う場合、前記ステアリングコマンド及び/又は前記タイマを前記隣接基地局に通知してもよい。
第3実施形態に係る無線端末は、WWANとWLANとの間のトラフィックステアリングを自無線端末が判断するための補助パラメータと、前記WWANと前記WLANとの間の前記トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドと、を前記WWANから受信する制御部を備える。前記制御部は、前記補助パラメータ及び前記ステアリングコマンドの何れを適用するべきかの判断に用いる情報を前記WWANから受信し、前記情報に基づいて前記補助パラメータ及び前記ステアリングコマンドの何れか一方を適用する。
第3実施形態において、前記情報は、前記補助パラメータの適用停止を示すブロードキャスト情報であってもよい。前記制御部は、前記ブロードキャスト情報の受信に応じて、前記補助パラメータの適用を停止してもよい。
第3実施形態において、前記情報は、WLAN測定を設定する測定設定情報であってもよい。前記制御部は、前記測定設定情報の受信に応じて、前記補助パラメータの適用を停止してもよい。
第3実施形態において、前記情報は、前記無線端末が前記WWANのアイドルモードに遷移した後の動作を設定する情報であってもよい。前記制御部は、前記アイドルモードに遷移した後、前記情報により設定された前記動作を行ってもよい。
第3実施形態に係る基地局は、WWANとWLANとの間のトラフィックステアリングを無線端末が判断するための補助パラメータと、前記WWANと前記WLANとの間の前記トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドと、を前記無線端末に送信する制御部を備える。前記制御部は、前記補助パラメータ及び前記ステアリングコマンドの何れを適用するべきかの判断に用いる情報を前記無線端末にさらに送信する。
[通信システムの構成]
実施形態に係る通信システムの構成について説明する。
図1は、実施形態に係る通信システム1を示す図である。図1に示すように、通信システム1は、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、EPC(Evolved Packet Core)20、WLAN30、及び外部パケットネットワーク40を備える。UE100は、無線端末に相当する。E−UTRAN10は、LTE(Long Term Evolution)のRAN(Radio Access Network)である。E−UTRAN10は、WWANに相当する。また、EPC20は、コアネットワークに相当する。
UE100は、LTE通信及びWLAN通信の両通信方式に対応した端末である。UE100は、eNB(evolved Node−B)200と無線通信を行う機能を有する。加えて、UE100は、WLAN AP(Access Point)500と無線通信を行う機能を有する。実施形態において、UE100は、LWI(LTE−WLAN Interworking)をサポートする。LWIの概要及びUE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、eNB200を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、1又は複数のセルを管理する。eNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても用いられる。
EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300、及びP−GW(Packet data network Gateway)400を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。S−GWは、データの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。P−GW400は、外部パケットネットワーク40との接続点としての機能を有する。P−GW400は、WLAN30との接続点としての機能とを有する。P−GW400は、UE100へのIPアドレスの割り当て、及びベアラ確立時の認証などを行う。P−GW400は、外部パケットネットワーク40からのユーザデータを中継する制御を行う。P−GW400は、外部パケットネットワーク40にユーザデータを中継する制御を行う。WLAN AP500とP−GW400との間にePDG(enhanced Packet DataGateway)が設けられてもよい。ePDGは、セキュリティ上信用できないWLANを収容するために、UE100とIPSecトンネルを張るためのEPC20側のエンドポイントである。
WLAN30は、WLAN AP500を含む。WLAN AP500は、例えばIEEE 802.11諸規格に準拠して構成される。WLAN AP500は、自APに接続したUE100とのWLAN通信を行う。なお、eNB200がAPの機能を有していてもよい。そのようなシナリオは、Collocatedシナリオと称される。WLAN30は、eNB200とのXwインターフェイスを終端するWT(WLAN Termination)を含んでもよい。WTは、Xwインターフェイスを介してeNB200と接続される。
外部パケットネットワーク40は、EPC20の外部に設けられる。外部パケットネットワーク40は、インターネット及び/又はオペレータサービスネットワークなどのパケットネットワークである。
図2は、LTEの無線インターフェイスのプロトコルスタックを示す図である。図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層〜第3層に区分されている。第1層は物理(PHY)層を含む。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、スケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのシグナリング(RRCシグナリング)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッドモード(コネクティッドモード)である。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がない場合、UE100はRRCアイドルモード(アイドルモード)である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNAS層は、EPC20(例えばMME300)との通信を行う。
物理層、MAC層、RLC層、PDCP層、及びRRC層は、eNB200との通信を行うAS(Access Stratum)エンティティ131を構成する。また、NAS層は、ASエンティティ131よりも上位層に位置付けられる上位エンティティ132を構成する。
[LWIの概要]
LWIの概要について説明する。図3は、LWIの概要を示す図である。
図3に示すように、LWIは、E−UTRAN10(WWAN)とWLAN30との間でAPN(Access Point Name)の粒度でトラフィックステアリングを行う技術である。APNは、PDN(Packet Data Network)接続と同様の意味である。トラフィックステアリングは、E−UTRAN10からWLAN30へのトラフィックステアリングとWLAN30からE−UTRAN10へのトラフィックステアリングとを含む。
LWIは、RALWI(RAN Assisted LTE WLAN Interworking)及びRCLWI(RAN Controlled LTE WLAN Interworking)を含む。RALWIは、UEベースのLWIである。UE100は、eNB200からの指示を必要とせずにトラフィックステアリングを行う。RCLWIは、eNBベースのLWIである。eNB200は、トラフィックステアリングをUE100に指示する。
LWIに類似した技術としてLWA(LTE−WLAN Aggression)がある。LWI及びLWAの相違点について説明する。第1に、LWIはトラフィックをAPN単位で扱うのに対し、LWAはトラフィックをベアラ単位で扱う。第2に、LWIはトラフィック切り換え及びその決定をEPC20が行うのに対し、LWAはトラフィック切り換え及びその決定をeNB200が行う。第3に、LWIは上りリンク及び下りリンクの両方に適用されるのに対し、LWAは下りリンクにのみ適用される。
(RALWI)
RALWIは、E−UTRAN10の補助により、RRCアイドルモードのUE100及びRRCコネクティッドモードのUE100が双方向のトラフィックステアリングを行う技術である。E−UTRAN10(eNB200)は、ブロードキャストRRCシグナリング又は個別(dedicated)RRCシグナリングによりRAN補助パラメータをUE100に提供する。
RAN補助パラメータは、E−UTRAN信号強度閾値、WLANチャネル利用率閾値、WLANバックホールデータレート閾値、WLAN信号強度閾値等を含む。eNB200は、ブロードキャストシグナリングによりWLAN識別子のリストをUE100に提供する。
UE100のASエンティティ131は、RAN補助パラメータに基づいて、事前定義されたルールが満たされたか否かを判断する。このようなルールは、RANルールと称される。RANルールが満たされた場合、ASエンティティ131は、その旨を上位エンティティ132に通知する。上位エンティティ132は、トラフィックステアリングの決定を行う。
(RCLWI)
RCLWIは、eNB200の制御により、RRCコネクティッドモードのUE100が双方向のトラフィックステアリングを行う技術である。eNB200は、WLAN測定をUE100に設定する。WLAN測定設定は、WLAN識別子、WLANチャネル番号、及びWLANバンドを測定対象(measurement object)とすることができる。UE100は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)を用いてWLAN測定報告処理をトリガする。WLAN測定報告は、RSSI、チャネル利用率、ステーション数、許容キャパシティ、バックホールレート、WLAN識別子等を含む。
eNB200は、WLAN測定報告に基づいて、トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドをUE100に送信する。ステアリングコマンドには、第1方式及び第2方式がある。
第1方式は、特別なRAN補助パラメータをステアリングコマンドとして用いる方式である。例えば、eNB200は、+/−無限大に設定した閾値(例えばE−UTRAN信号強度閾値及びWLAN信号強度閾値)を個別シグナリングによりUE100に送信する。
第2方式は、新たなステアリングコマンドを導入する方式である。eNB200は、WLAN30へのトラフィックステアリング又はeNB200へのトラフィックステアリングを示すステアリングコマンドをUE100に送信する。
UE100のASエンティティ131は、ステアリングコマンドの受信を上位エンティティ132に通知する。上位エンティティ132は、どのトラフィックをWLAN30にオフロード可能かを判断する。
WLAN30にトラフィックステアリング(オフロード)するよう設定されたUE100は、トラフィックステアリングを完了できない場合には、トラフィックステアリング失敗を示す情報(WLAN connection failure)を含む報告をeNB200に送信する。このような報告は、WLAN Connection Status Reportと称される。WLAN Connection Status Reportは、WLAN30の状況に関するフィードバックをeNB200に提供するものである。以下において、WLAN connection failureを含むWLAN Connection Status Reportを「WLAN failure report」と称する。
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
(無線端末)
図4は、第1実施形態に係るUE100(無線端末)の構成を示す図である。図4に示すように、UE100は、LTE通信部110、WLAN通信部120、及び制御部130を備える。
LTE通信部110は、制御部130の制御下でLTE通信を行う。LTE通信部110は、アンテナ、送信機、及び受信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)をLTE無線信号に変換する。送信機は、LTE無線信号をアンテナから送信する。受信機は、アンテナが受信するLTE無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換する。受信機は、ベースバンド信号を制御部130に出力する。
WLAN通信部120は、制御部130の制御下でWLAN通信を行う。WLAN通信部120は、アンテナ、送信機、及び受信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)をWLAN無線信号に変換する。送信機は、WLAN無線信号をアンテナから送信する。受信機は、アンテナが受信するWLAN無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換する。受信機は、ベースバンド信号を制御部130に出力する。
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPU(Central Processing Unit)と、を含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。プロセッサは、上述した各種の処理及び後述する各種の処理を実行する。
第1実施形態において、制御部130は、トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドをE−UTRAN10から受信し、トラフィックステアリングを試行する。トラフィックステアリングは、自UE100とEPC20との間のトラフィックをAPNの粒度でE−UTRAN10からWLAN30に移す処理である。
制御部130は、ステアリングコマンドの受信に応じて、E−UTRAN10から設定されたタイマを開始させる。タイマは、ステアリングコマンドにより設定されてもよい。タイマは、ステアリングコマンドとは別のシグナリング(個別RRCシグナリング又はブロードキャストRRCシグナリング)により設定されてもよい。タイマは、自UE100がトラフィックステアリングを試行する期間及び/又はステアリングコマンドが有効である期間を規定する。タイマは、自UE100がトラフィックステアリングを試行する期間を規定する第1タイマ及びステアリングコマンドが有効である期間を規定する第2タイマを含んでもよい。
第1タイマは、ステアリングコマンド受信したタイミングで開始される。第1タイマは、WLAN30へのトラフィックステアリングが成功したタイミングで停止される。第1タイマが満了すると、制御部130は、WLAN failure reportをE−UTRAN10に送信する。このように、第1タイマは、WLAN failure reportの送信条件(トリガ条件)を定めるタイマである。第1タイマが動作中(running)である間は、制御部130は、WLAN30へのトラフィックステアリングの試行を継続する。例えば、第1タイマが動作中である間は、制御部130は、WLAN30への接続に失敗してもWLAN30への接続を再試行(リトライ)しなければならない。
第2タイマは、ステアリングコマンド受信したタイミングで開始される。第2タイマは、WLAN30へのトラフィックステアリングが成功したタイミングで停止されてもよい。第2タイマが満了すると、制御部130(ASエンティティ131)は、ステアリングコマンドの適用停止及び/又は上位エンティティ132への通知(move−traffic−from−WLAN)を行う。ステアリングコマンドの適用停止は、ステアリングコマンドの設定を維持しつつ当該設定を用いないこと、すなわち、ステアリングコマンドが無効になったと認識することであってもよい。ステアリングコマンドの適用停止は、ステアリングコマンドの設定自体を解放することであってもよい。上位エンティティ132への通知は、例えば、タイマが満了した旨、ステアリングコマンドが無効になった旨、接続リトライの停止のうち少なくとも1つを通知することである。上位エンティティ132は、当該通知に応じて、トラフィックステアリングの試行を停止する。このように、第2タイマは、ステアリングコマンドの無効化条件を定めるタイマである。
第1タイマ及び第2タイマを共通化し、1つのタイマとしてもよい。当該1つのタイマが満了すると、制御部130は、WLAN failure reportをE−UTRAN10に送信するとともに、ステアリングコマンドの適用停止及び/又は上位エンティティ132への通知を行う。
制御部130は、eNB200との通信を行うASエンティティ131と、EPC20との通信を行う上位エンティティ132と、を含む。ASエンティティ131は、E−UTRAN10から設定されたタイマを管理する。ASエンティティ131は、ステアリングコマンドの受信に応じて、タイマを上位エンティティ132に通知してもよい。上位エンティティ132は、当該タイマが満了してもトラフィックステアリングが完了していない場合に、トラフィックステアリングが失敗したと判断する。上位エンティティ132は、ASエンティティ131にトラフィックステアリング失敗を通知してもよい。上位エンティティ132は、トラフィックステアリングの失敗原因として、「タイマ満了」を通知してもよい。また、上位エンティティ132は、NASシグナリングによりタイマをMME300に通知してもよい。
制御部130(上位エンティティ132)は、第1条件又は第2条件が満たされた際に、トラフィックステアリングが成功したと判断してもよい。第1条件は、少なくとも1つのAPNについてトラフィックステアリングが可能であるという条件である。上位エンティティ132は、少なくとも1つのトラフィックに関してトラフィックステアリングが可能(offloadable)であった場合に、トラフィックステアリングが成功したと判断する。トラフィックステアリングが全てのトラフィックに対して不可能であった場合、上位エンティティ132は、トラフィックステアリングが失敗したと判断する。第2条件は、少なくとも1つのAPNについてトラフィックステアリングが完了したという条件である。上位エンティティ132は、少なくとも1つのトラフィックに関してトラフィックステアリングが完了した場合に、トラフィックステアリングが成功したと判断する。トラフィックステアリングが全てのトラフィックに対して完了できなかった場合、上位エンティティ132は、トラフィックステアリングが失敗したと判断する。上位エンティティ132は、トラフィックステアリングが成功したか否かをASエンティティ131に通知する。トラフィックステアリング失敗の場合、上位エンティティ132は、失敗原因(cause)をASエンティティ131に通知してもよい。
ASエンティティ131は、タイマ(第1タイマ)が動作中である間にトラフィックステアリングが成功しない場合、WLAN failure reportをE−UTRAN10に送信する。ASエンティティ131は、トラフィックステアリングの失敗原因(cause)をWLAN failure reportに含めてもよい。ASエンティティ131は、タイマ(第2タイマ)が動作中である間にトラフィックステアリングが成功しない場合、ステアリングコマンドの適用停止及び/又は上位エンティティ132への通知を行う。
(基地局)
図5は、第1実施形態に係るeNB200(基地局)の構成を示す図である。図5に示すように、eNB200は、LTE通信部210、制御部230、及びネットワーク通信部240を備える。Collocatedシナリオの場合、eNB200は、WLAN通信部220を備えていてもよい。
LTE通信部210は、制御部230の制御下でLTE通信を行う。LTE通信部210は、アンテナ、送信機、及び受信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)をLTE無線信号に変換する。送信機は、LTE無線信号をアンテナから送信する。受信機は、アンテナが受信するLTE無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換する。受信機は、ベースバンド信号を制御部230に出力する。
WLAN通信部220は、制御部230の制御下でWLAN通信を行う。WLAN通信部220は、アンテナ、送信機、及び受信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)をWLAN無線信号に変換する。送信機は、WLAN無線信号をアンテナから送信する。受信機は、アンテナが受信するWLAN無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換する。受信機は、ベースバンド信号を制御部230に出力する。
制御部230は、eNB200における各種の制御を行う。制御部230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUと、を含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。プロセッサは、上述した各種の処理及び後述する各種の処理を実行する。
ネットワーク通信部240は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続される。ネットワーク通信部240は、S1インターフェイスを介してEPC20(MME/S−GW)と接続される。ネットワーク通信部240は、Xwインターフェイスを介してWTと接続されてもよい。ネットワーク通信部240は、各種のネットワークインターフェイスを介して行う通信に用いられる。
第1実施形態において、制御部230は、WLAN30へのトラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドをUE100に送信する。制御部230は、UE100がトラフィックステアリングを試行する期間及び/又はステアリングコマンドが有効である期間を規定するタイマをUE100に設定する。
制御部230は、UE100からWLAN failure reportを受信した場合、WLAN failure reportに含まれる失敗原因(cause)に基づいて、再度ステアリングコマンドをUE100に送信するか否かを判断してもよい。
制御部230は、隣接eNBに対してUE100のハンドオーバを行う場合、当該UE100に設定されているステアリングコマンド及び/又はタイマを隣接eNBに通知してもよい。このような通知は、X2インターフェイス上で送信されるハンドオーバ要求メッセージ中のUEコンテキストを用いて行われる。具体的には、UEコンテキスト中の「AS config.」中にステアリングコマンド及び/又はタイマの情報を含めることができる。例えば、制御部230は、対象UE100のステアリングコマンドの設定状況を隣接eNBに通知する。ステアリングコマンドの設定状況は、トラフィックステアリングの方向(WLAN30へのステアリング又はE−UTRAN10へのステアリング)を含む。制御部230は、対象UE100が現在どちらのネットワーク(E−UTRAN10/WLAN30)にトラフィックをステアリングしているかの情報を隣接eNBに通知してもよい。これにより、隣接eNB200は、対象UE100のトラフィックのルーティング状況を制御の初期値として把握することができる。例えば、隣接eNBは、WLAN30にステアリングされているUE100に対して、必要に応じてE−UTRAN10へのトラフィックステアリングを指示してもよい。
(動作シーケンス1)
図6は、第1実施形態に係る動作シーケンス1を示す図である。動作シーケンス1は、1つのタイマを用いる場合の動作シーケンスである。本シーケンスに先立ち、UE100は、WLAN測定報告をeNB200に送信してもよい。
図6に示すように、ステップS101において、eNB200は、E−UTRAN10からWLAN30へのトラフィックステアリングを指示するステアリングコマンド(Steering Command)をUE100に送信する。ステアリングコマンドには、上述した第1方式及び第2方式の何れが適用されてもよい。
eNB200は、タイマをUE100に設定する。タイマは、UE100がトラフィックステアリングを試行する期間及びステアリングコマンドが有効である期間を規定する。eNB200は、ステアリングコマンドによりタイマをUE100に設定してもよい。eNB200は、ステアリングコマンドとは異なるシグナリングによりタイマをUE100に設定してもよい。
ステップS102において、ステアリングコマンドを受信したUE100のASエンティティ131は、その旨の通知(Move−traffic−to−WLAN Indication)を上位エンティティ132に提供する。ASエンティティ131は、通知(Move−traffic−to−WLAN Indication)と共に、eNB200から設定されたタイマを上位エンティティ132に通知してもよい。
ステップS103において、ASエンティティ131は、タイマを開始させる。ステップS102及びステップS103は、順番が逆であってもよいし、同時に行われてもよい。
ステップS104において、ASエンティティ131は、トラフィックステアリングが成功したか否かを確認する。例えば、ASエンティティ131は、トラフィックステアリングが成功した旨を上位エンティティ132から通知されたか否かを確認する。トラフィックステアリングが成功した場合(ステップS104:YES)、ステップS105において、ASエンティティ131は、タイマを停止させる。
トラフィックステアリングが成功しない場合(ステップS104:NO)、ステップS106において、ASエンティティ131は、タイマが満了したか否かを確認する。タイマが満了していない場合(ステップS106:NO)、ASエンティティ131は、処理をステップS104に戻す。
タイマが満了した場合(ステップS106:YES)、ステップS107において、ASエンティティ131は、ステアリングコマンドの適用を停止(無効化)する。
ステップS108において、ASエンティティ131は、WLAN failure reportをeNB200に送信する。
ステップS109において、ASエンティティ131は、上位エンティティ132への通知(move−traffic−from−WLAN)を行う。ステップS107〜S109は、本シーケンスの順番とは異なる順番で行われてもよいし、同時に行われてもよい。
(動作シーケンス2)
図7は、第1実施形態に係る動作シーケンス2を示す図である。動作シーケンス2は、第1タイマ及び第2タイマを用いる場合の動作シーケンスである。ここでは、第1タイマよりも長い時間が第2タイマに設定される一例を説明する。なお、動作シーケンス1と同様の動作については説明を省略する。
図7に示すように、ステップS151において、eNB200は、E−UTRAN10からWLAN30へのトラフィックステアリングを指示するステアリングコマンド(Steering Command)をUE100に送信する。
eNB200は、第1タイマ及び第2タイマをUE100に設定する。eNB200は、ステアリングコマンドにより第1タイマ及び第2タイマをUE100に設定してもよい。eNB200は、ステアリングコマンドとは異なるシグナリングにより第1タイマ及び第2タイマをUE100に設定してもよい。
ステップS152において、ステアリングコマンドを受信したUE100のASエンティティ131は、その旨の通知(Move−traffic−to−WLAN Indication)を上位エンティティ132に提供する。ASエンティティ131は、通知(Move−traffic−to−WLAN Indication)と共に、eNB200から設定された第1タイマ及び第2タイマを上位エンティティ132に通知してもよい。
ステップS153において、ASエンティティ131は、第1タイマ及び第2タイマを開始させる。ステップS102及びステップS103は、順番が逆であってもよいし、同時に行われてもよい。
ステップS154において、ASエンティティ131は、トラフィックステアリングが成功したか否かを確認する。トラフィックステアリングが成功した場合(ステップS154:YES)、ステップS155において、ASエンティティ131は、第1タイマ及び第2タイマを停止させる。
トラフィックステアリングが成功しない場合(ステップS154:NO)、ステップS156において、ASエンティティ131は、第1タイマが満了したか否かを確認する。第1タイマが満了していない場合(ステップS156:NO)、ASエンティティ131は、処理をステップS154に戻す。
第1タイマのタイマが満了した場合(ステップS156:YES)、ステップS157において、ASエンティティ131は、WLAN failure reportをeNB200に送信する。但し、ASエンティティ131は、上位エンティティ132への通知(move−traffic−from−WLAN)を行わない。WLAN failure reportの送信後においても、上位エンティティ132は、トラフィックステアリングの試行を継続する。
ステップS158において、ASエンティティ131は、トラフィックステアリングが成功したか否かを確認する。トラフィックステアリングが成功した場合(ステップS158:YES)、ステップS159において、ASエンティティ131は、第2タイマを停止させる。この場合、ASエンティティ131は、トラフィックステアリングの成功を示す通知(WLAN Successful Report)をeNB200に送信してもよい。
トラフィックステアリングが成功しない場合(ステップS158:NO)、ステップS160において、ASエンティティ131は、第2タイマが満了したか否かを確認する。第2タイマが満了していない場合(ステップS160:NO)、ASエンティティ131は、処理をステップS158に戻す。
第2タイマのタイマが満了した場合(ステップS160:YES)、ステップS161において、ASエンティティ131は、ステアリングコマンドの適用を停止(無効化)する。
ステップS162において、ASエンティティ131は、上位エンティティ132への通知(move−traffic−from−WLAN)を行う。ステップS161及びステップS162は、順番が逆であってもよいし、同時に行われてもよい。
[第1実施形態の変更例1]
図8は、第1実施形態の変更例1に係る動作シーケンスを示す図である。図8は、第1実施形態に係る動作シーケンス1を一部変更したシーケンスである。第1実施形態に係る動作シーケンス1と同様の動作については説明を省略する。
図8に示すように、ステップS101〜S106、S108は、第1実施形態に係る動作シーケンス1と同様である。但し、ASエンティティ131は、タイマが満了した際に、ステアリングコマンドの無効化、例えば上位エンティティ132への通知(move−traffic−from−WLAN)を行わない。WLAN failure reportの送信後においても、上位エンティティ132は、トラフィックステアリングの試行を継続する。
ステップS121において、eNB200は、WLAN failure reportに基づいて、E−UTRAN10へのトラフィックステアリングを指示するステアリングコマンド(Steering back Command)をUE100に送信する。
ステップS122において、ステアリングコマンドを受信したUE100のASエンティティ131は、その旨の通知(Move−traffic−from−WLAN Indication)を上位エンティティ132に提供する。
ステップS123において、ASエンティティ131は、ステアリングコマンドの適用を停止(無効化)する。ステップS122及びステップS123は、順番が逆であってもよいし、同時に行われてもよい。
[第1実施形態の変更例2]
第1実施形態において、E−UTRAN10からWLAN30へのトラフィックステアリングについて主として説明した。本変更例においては、WLAN30からE−UTRAN10へのトラフィックステアリングについて説明する。
本変更例において、UE100は、WLAN30からE−UTRAN10への第2トラフィックステアリングを指示する第2ステアリングコマンドをE−UTRAN10(eNB200)から受信する。UE100は、第2ステアリングコマンドの受信に応じて、eNB200から設定された所定タイマを開始させる。所定タイマは、上述した第1実施形態に係るタイマと同じタイマであってもよい。所定タイマは、上述した第1実施形態に係るタイマと異なるタイマであってもよい。異なるタイマの場合、eNB200は、第2ステアリングコマンドにより所定タイマをUE100に設定してもよい。
UE100は、所定タイマが動作中である間に第2トラフィックステアリングが成功しない場合、第2トラフィックステアリングの失敗を示す報告(LTE failure report)をeNB200に送信する。UE100は、トラフィックをWLAN30で送受信しながらeNB200とのRRC接続を維持することが可能である。UE100は、第2トラフィックステアリングが成功しない場合でも、LTE failure reportをeNB200に送信することが可能である。
LTE failure reportは、失敗原因(cause)として、WLAN Connection Status Reportと同様な情報を含んでもよい。LTE failure reportは、LTE failure reportに特有の情報を含んでもよい。例えば、特有の情報は、E−UTRAN10へのステアリングに失敗したPDN接続(APN)の識別子等である。特有の情報は、「failure−still−in−WLAN」というような値であってもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。
第2実施形態において、UE100は、ステアリングコマンドとは異なる補助パラメータ(RAN補助パラメータ)をE−UTRAN10から受信する。RAN補助パラメータは、E−UTRAN10とWLAN30との間のトラフィックステアリングをUE100が判断するためのパラメータを含む。ステアリングコマンドはRCLWIに用いられるのに対し、RAN補助パラメータはRALWIに用いられる。
RAN補助パラメータがE−UTRAN10優先の設定であった場合、RAN補助パラメータは、WLAN30へのトラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドと競合する。よって、E−UTRAN10からWLAN30へのトラフィックステアリング直後にRAN補助パラメータを適用すると、WLAN30からE−UTRAN10へのトラフィックステアリング(すなわち、ピンポン現象)が生じ得る。
そこで、第2実施形態において、UE100は、タイマが動作中である間は、RAN補助パラメータの適用を停止(すなわち、RALWIを停止)する。UE100は、当該タイマが満了した場合、RAN補助パラメータの適用を再開(すなわち、RALWIを再開)してもよい。第2実施形態に係るタイマとしては、ステアリングコマンドの有効期間を規定する第2タイマを主として想定する。UE100は、ステアリングコマンドの有効期間内においては、RAN補助パラメータの適用を停止(すなわち、RALWIを停止)する。本変更例において、UE100は、トラフィックステアリングが成功しても第2タイマを停止させない。
図9は、第2実施形態に係る動作シーケンスを示す図である。E−UTRAN10からWLAN30へのトラフィックステアリングが成功するケースを想定する。
図9に示すように、ステップS200において、eNB200は、ブロードキャストRRCシグナリング又は個別RRCシグナリングによりRAN補助パラメータ(RAN assistance parameters)をUE100に送信する。RAN補助パラメータが個別RRCシグナリングにより送信されると仮定する。
UE100のASエンティティ131は、eNB200から受信したRAN補助パラメータを記憶し、RAN補助パラメータを適用する。具体的には、ASエンティティ131は、RAN補助パラメータに基づいてRANルールが満たされたか否かを判断する。
ステップS201において、eNB200は、E−UTRAN10からWLAN30へのトラフィックステアリングを指示するステアリングコマンド(Steering Command)をUE100に送信する。eNB200は、第2タイマをUE100に設定する。ステップS200及びステップS201は同時に行われてもよい。
第2実施形態において、ステアリングコマンドは、RAN補助パラメータよりも優先度が高い。ステアリングコマンドが第1の方式である場合、ASエンティティ131は、特別なRAN補助パラメータをステアリングコマンドと認識し、既に設定されているRAN補助パラメータを保存してもよい。ステアリングコマンドが第2方式である場合、ASエンティティ131は、既に設定されているRAN補助パラメータには従わないと判断してもよい。
ステップS202において、ASエンティティ131は、ステアリングコマンドの受信に応じて、第2タイマを開始させる。ASエンティティ131は、第2タイマを開始させるとともに、RAN補助パラメータの適用を停止(すなわち、RALWIを停止)する。ASエンティティ131は、RAN補助パラメータの適用を停止しても、RAN補助パラメータを破棄せずに保存してもよい。
ステップS203において、ASエンティティ131及び上位エンティティ132は、E−UTRAN10からWLAN30へのトラフィックステアリングを行う。第2実施形態において、第2タイマが動作中である間は、RALWI(RAN補助パラメータ)よりもRCLWI(ステアリングコマンド)が優先される。
ステップS204において、第2タイマが満了する。eNB200は、引き続きWLAN30接続をUE100に維持させたい場合は、第2タイマが動作中である期間(すなわち、ステアリングコマンドの有効期間)内に、再度ステアリングコマンドをUE100に送信してもよい。
ステップS205,S206において、ASエンティティ131は、RAN補助パラメータの適用を再開(すなわち、RALWIを再開)する。ASエンティティ131は、保存しておいたRAN補助パラメータを読み出し、RAN補助パラメータを再適用する。ASエンティティ131は、ブロードキャストRRCシグナリングにより送信されるRAN補助パラメータを受信し、受信したRAN補助パラメータを適用してもよい。
第2実施形態において、第2タイマが動作中である間は、UE100がRRCアイドルモードに遷移した場合でも、ASエンティティ131はRAN補助パラメータの適用を停止してもよい。換言すると、RRCアイドルモードのUE100は、第2タイマが動作中である間は、RALWI(RAN補助パラメータ)よりもRCLWI(ステアリングコマンド)を優先する。
RRCアイドルモードに用いられるタイマとして、個別(dedicated)RAN補助パラメータを適用する期間を規定するT350と称されるタイマがある。UE100は、RRCアイドルモードに遷移した際にT350を開始させ、T350が満了するまで個別RAN補助パラメータを保存する。よって、第2タイマが満了した際にT350が動作中である場合、UE100は、第2タイマが満了した際に、ステアリングコマンドから個別RAN補助パラメータに切り換えてもよい。T350が満了した場合、UE100は、個別RAN補助パラメータからブロードキャストRAN補助パラメータに切り換える。
UE100は、RRCアイドルモードに遷移した際に第2タイマが動作中である場合に、第2タイマが満了するまでT350の開始を遅らせてもよい。RRCアイドルモードのUE100は、第2タイマが満了した際に、T350を開始させる。
[第2実施形態の変更例]
第2実施形態において、RRCアイドルモードのUE100は、第2タイマが動作中である間は、RALWI(RAN補助パラメータ)よりもRCLWI(ステアリングコマンド)を優先していた。しかしながら、WLAN30へのトラフィックステアリングを行った後、WLAN30の状況が悪化することも想定される。WLAN30の状況悪化は、例えば、WLAN RSSIが弱くなったこと、WLAN負荷が高くなったこと等である。よって、RCLWI(ステアリングコマンド)を優先する結果、トラフィックをE−UTRAN10に戻せなくなることは好ましくない。
そこで、本変更例において、WLAN30をUE100が評価するためのWLAN評価パラメータをステアリングコマンドに含める。WLAN評価パラメータは、上述したWLANチャネル利用率閾値、WLANバックホールデータレート閾値、WLAN信号強度閾値のうち少なくとも1つを含んでもよい。RRCアイドルモードのUE100は、トラフィックステアリングの後、WLAN評価パラメータを用いてWLAN30を評価する。WLAN30の状況悪化により、トラフィックをE−UTRAN10に戻す条件が満たされた場合、UE100は、WLAN30からE−UTRAN10へのトラフィックステアリングを行う。
トラフィックをE−UTRAN10に戻した際に、UE100がステアリングコマンドを保存していると、UE100は、再びWLAN30へのトラフィックステアリングを行う虞がある。よって、UE100は、WLAN評価パラメータに基づいてトラフィックをE−UTRAN10に戻すと判断した際に、ステアリングコマンドを破棄してもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態について、第1及び第2実施形態との相違点を主として説明する。第3実施形態は、RALWI及びRCLWIの適切な共存を図る実施形態である。
第3実施形態に係るeNB200は、RAN補助パラメータと、ステアリングコマンドと、をUE100に送信する。RAN補助パラメータは、E−UTRAN10とWLAN30との間のトラフィックステアリングをUE100が判断するためパラメータである。ステアリングコマンドは、E−UTRAN10とWLAN30との間のトラフィックステアリングを指示するコマンドである。eNB200は、RAN補助パラメータ及びステアリングコマンドの何れを適用するべきかの判断に用いる情報(以下、「判断用情報」)をUE100にさらに送信する。
第3実施形態に係るUE100は、RAN補助パラメータと、ステアリングコマンドと、をeNB200から受信する。RAN補助パラメータは、E−UTRAN10とWLAN30との間のトラフィックステアリングを自UE100が判断するためのパラメータである。ステアリングコマンドは、E−UTRAN10とWLAN30との間のトラフィックステアリングを指示するコマンドである。UE100は、判断用情報をeNB200から受信し、判断用情報に基づいてRAN補助パラメータ及びステアリングコマンドの何れか一方を適用する。
判断用情報は、RAN補助パラメータの適用停止を示すブロードキャスト情報(ブロードキャストRRCシグナリング)であってもよい。UE100は、当該ブロードキャスト情報の受信に応じて、RAN補助パラメータの適用を停止する。
判断用情報は、WLAN測定を設定する測定設定情報であってもよい。UE100は、当該測定設定情報の受信に応じて、RAN補助パラメータの適用を停止する。
図10は、第3実施形態に係る動作を示す図である。図10に示すように、eNB200は、時刻t1においてRCLWIを適用すると判断する。eNB200は、時刻t2においてステアリングコマンドをUE100に送信する。UE100は、ステアリングコマンドを受信するまではRALWIに従って動作する。UE100は、ステアリングコマンドを受信すると、RCLWIに従って動作する。ここで、時刻t1〜t2の期間においてUE100はRALWIに従って動作するため、UE100の判断でトラフィックステアリングを行い得る。よって、RCLWIを適用するというeNB200の意図に反する動作をUE100が行い得る。
そこで、eNB200は、時刻t1において、RAN補助パラメータの適用停止を示すブロードキャスト情報を送信する。或いは、eNB200は、時刻t1において、WLAN測定を設定する測定設定情報をUE100に送信する。UE100は、当該ブロードキャスト情報又は測定設定情報の受信に応じて、RALWIに従った動作を停止する。すなわち、UE100は、RAN補助パラメータの適用を停止する。これにより、時刻t1〜t2の期間においてRALWIによるトラフィックステアリングをUE100が行わないようにすることができる。
第3実施形態において、判断用情報は、UE100がRRCアイドルモードに遷移した後の動作を設定する情報(以下、「動作設定情報」)であってもよい。eNB200は、個別RRCシグナリング又はブロードキャストRRCシグナリングにより動作設定情報をUE100に送信する。
UE100は、RRCアイドルモードに遷移した後、動作設定情報により設定された動作を行う。具体的には、UE100は、WLAN30へのトラフィックステアリングを行った後、RRCアイドルモードに遷移した場合に、動作設定情報により設定された動作を行う。UE100は、RRCアイドルモードに遷移した後、上述したタイマ(例えばT350)が満了した際に、動作設定情報により設定された動作を開始してもよい。
動作設定情報により設定されるRRCアイドルモード動作の例としては、以下の第1〜第6の動作が挙げられる。
第1の動作は、ブロードキャストRAN補助パラメータに従ったRALWIを行うという動作である。
第2の動作は、E−UTRAN10へトラフィック(利用可能なトラフィック)を移すという動作である。
第3の動作は、WLAN接続障害(connection failure)が発生するまでの間は、WLAN30にトラフィックを留めるという動作である。
第4の動作は、WLAN測定イベントがトリガされるまでの間は、WLAN30にトラフィックを留めるという動作である。WLAN測定イベントは、WLAN測定設定により設定することができる。eNB200は、判定に使用するイベントをUE100に設定してもよい。eNB200は、各イベントに対応付けて、UE100がどのように振る舞うか(例えば、E−UTRAN10にトラフィックを戻す、RRC Connection Establishmentを行ってeNB200の指示を待つ等)を指定してもよい。UE100は、eNB200から設定されたイベントが発生すると、当該イベントと対応付けられた動作を行う。
第5の動作は、RRC Connection Establishmentを行うという動作である。UE100は、eNB200とのRRC接続を確立した後、eNB200の指示(例えばステアリングコマンド)を待ってもよい。
第6の動作は、UE100が自身の動作を自由に決定するという動作である。
[その他の実施形態]
実施形態において、ステアリングコマンドの第2方式について詳しく説明しなかった。しかしながら、新たなステアリングコマンドは、次のように構成してもよい。図11は、その他の実施形態に係るステアリングコマンドを示す図である。図11に示すように、RAN補助パラメータは、eNB200からUE100に送信されるWLANオフロード設定情報(WLAN−OffloadConfig−r12)に含まれる。ステアリングコマンド(steeringCommand−r13)も、WLANオフロード設定情報の一部を構成する。ステアリングコマンドは、WLAN30へのトラフィックステアリングを示すtoWLAN及びE−UTRAN10(LTE)へのトラフィックステアリングを示すtoLTEの何れかが設定される。ステアリングコマンドには、特定の条件(woRAP)が設けられている。特定の条件は、WLANオフロード設定情報において個別RAN補助パラメータ(dedicated RAN assistance parameters)が提供されない場合に限り、ステアリングコマンドをWLANオフロード設定情報に含めることが認められるという条件である。言い換えると、WLANオフロード設定情報において個別RAN補助パラメータが提供される場合には、WLANオフロード設定情報においてステアリングコマンドは提供されない。このような条件を設けることにより、WLANオフロード設定情報内で個別RAN補助パラメータ及びステアリングコマンドの両方が提供されることを防止することができるため、予期せぬエラーの発生を防ぐことができる。
図11において、第2実施形態の変更例で説明したように、WLAN30をUE100が評価するためのWLAN評価パラメータをステアリングコマンドと共にUE100に提供してもよい。この場合、WLAN評価パラメータとして用いる個別RAN補助パラメータについては、ステアリングコマンドと共にWLANオフロード設定情報に含めることが認められる。言い換えると、WLANオフロード設定情報において、第2実施形態の変更例に係るWLAN評価パラメータ以外の個別RAN補助パラメータが提供される場合には、WLANオフロード設定情報においてステアリングコマンドは提供されない。
実施形態において、タイマの閾値を無限大としてもよい。言い換えると、ステアリングコマンドによってトラフィックステアリングを行った場合(RCLWI)と、UEベースの判断でトラフィックステアリングを行った場合(RALWI)で、状態を分ける事ができてもよい。この場合、例えば当該UEがアイドルモードに遷移した場合に、UEベースメカニズム(RALWI)動作を適用するか否かを、ネットワーク側から制御(もしくは予測)する事が可能となる。
第1〜第3実施形態は、別個独立して実施してもよい。第1〜第3実施形態は、2以上の実施形態を組み合わせて実施してもよい。
実施形態において、WWANシステムとしてLTEシステムを例示したが、LTEシステム以外のWWANシステムであってもよい。
[付記1]
(1.はじめに)
ステアリングコマンドの概要が以下のように合意された。
合意事項
インターワーキングについて
1 リリース12のように、上位層がオフロード可能なトラフィックを決定する。
4.3.23a RAN制御WLANインターワーキングに基づいたアクセスネットワーク選択及びトラフィックステアリング
E−UTRANがUEに「オフロード」コマンドを送信すると、UEは、WLANへの/WLANからのトラフィックステアリングが必要であることを示す指示子を上位層に渡す。[...]
一方、ステアリングコマンドによってトリガされたWLANへの接続失敗をサービングセルに通知するために、UEからの指示子に関する合意に達した。
合意事項
1:RCLWIでは、UEからeNBへの指示子が定義され、次のシナリオでトリガされる。
a)UEが、eNBコマンドを受信し、RCLWI動作を開始し、eNBによって提供されたWLANモビリティセット内の任意のAPへの接続に失敗した場合
b)UEが、eNBコマンドを受信し、別のWLANモビリティセットの移動手順を実行し、eNBによって提供されたWLANモビリティセット内の任意のAPへの接続に失敗した場合
2:RCLWIには成功指示子は導入されない。
この付記では、失敗事例におけるUEの挙動のさらなる詳細が議論される。
(2.検討)
(2.1.トラフィックステアリング失敗におけるUEの挙動)
現在の合意によれば、UEは、サービングセルからステアリングコマンドを受信すると、モビリティセット内のAPに接続しようと試みるべきである。UEは、WLAN接続が成功裏に確立されたときに、指示子を送信する必要はないが、UEがいずれのAPにも接続できない場合には、指示子(すなわち、失敗指示子)をサービングセルに送信すべきである。現行のCRでは、「WLAN接続の失敗を判断する基準はUE実装に委ねられる」と述べられているが、改善されたネットワーク制御性を達成するために、UEが失敗指示子をいつ/どのようにトリガするかを、このWIの主な目的である改善された全体的なUEスループットを提供するために検討すべきである。
考察1:失敗指示子をいつ/どのようにトリガするかについては、さらに明確にする必要がある。
AS層の観点からは、ステアリングコマンドによって開始されたトラフィックステアリングが失敗したかどうかをUEが判断した場合、2つのメカニズムが考慮され得る。
メカニズム1:AS固有のタイマの満了
新しいタイマを定義することができる場合、UEがサービングセルからステアリングコマンドを受信したときに開始し、対応するトラフィックステアリングが正常に完了したときに停止することができる。トラフィックステアリングが完了していない間にタイマが終了すると、UEは、モビリティセット内のWLANへの接続に失敗したと判断し、サービングセルへの失敗指示子をトリガする。これは、現在のCR及び対応するウェイフォワードにおけるT360タイマの概念に似ている。以下のメカニズム2と同様に、このタイマを停止するために、トラフィックステアリングが正常に完了した場合、上位層がAS層に通知することも必要である。
メカニズム2:上位層からの失敗通知
上位層は、UEからサービングセルへの一般的な失敗指示に加えて、上位層が最終的にトラフィックステアリングの責任を持つため、トラフィックステアリングの失敗の理由をAS層に通知しなければならない。次に、UEは、可能性のある原因値の1つ、例えばfailureRadioLink、failureInternal、failureOther、failureTimeout又はfailureConnRejectのうちの1つとして、WLAN−Status−r13においてeNBに失敗通知を通知しなければならない。
メカニズム1では、ステアリングコマンドの期待される結果は、サービングセルの観点からは適時に知られることである。さもなければ、サービングセルは、WLAN接続が失敗する前にどのくらい待つかを知らないことがあり、これは、例えば、UEへの適切なアクションの遅延をもたらす可能性がある。UEの観点からすれば、メカニズム1がサポートされていない場合、無線状態がもはや閾値よりも良くなくても、すなわち、測定報告のためのイベントW1又はW2が満たされなくても、UEはWLANへの接続を試みることができ、それはリリース12 RAN支援LTE−WLANインターワーキング(RALWI)と比較して異なる挙動の1つである。UEが移動することを考慮すると、ユーザエクスペリエンスがより悪くなる。一方、メカニズム2が利用可能でない場合、メカニズム2の大部分はUE実装で可能であるが、UEは失敗指示子をサービングセルに送信できない。したがって、これらのメカニズムは、RANによって制御されるLTE−WLANインターワーキング(RCLWI)においてサポート/想定されることが不可欠であるように思われる。
提案1:ステアリングコマンドの有効性を判断し、失敗指示子をトリガするために、AS固有のタイマを導入する必要がある。
提案1が合意可能である場合、RAN2は、AS固有のタイマを停止させるために、トラフィック制御が正常に完了した場合に、上位層によって通知されるべきかどうかを議論すべきである。
考察2:AS層は、失敗指示子を送信するために、ステアリングコマンドに対応するトラフィックステアリングが失敗したかどうかを上位層によって通知されることができる。
提案2:RAN2は、失敗指示子における原因値(すなわち、successfulAssociationを除くWLAN状態)がインターワーキング強化のために提供されるべきかどうかを議論すべきである。
(2.2.失敗指示子に応じたステアリングコマンドの暗黙的なキャンセル)
一方、失敗指示子を送信した、すなわち、トラフィックステアリングが失敗した後にUEがどのように挙動するかについての明確化も必要である。以下のような2つの仮定が考えられる。
仮定1:UEは、サービングセルからステアリング「バック」コマンドを待つ必要がある。UEは、持続時間(これは、上位層次第であり得る)において、WLANに接続しようと試みる(再接続する)ことを継続してもよいし、しなくてもよい。
仮定2:UEは、ステアリングコマンドを暗黙的に取り消すことができる。
仮定1は、ステアリングの「バック」コマンドを送信する(又はトラフィックステアリングを設定解除する)かどうかを決定するのはサービングセル次第であるため、ベースライン手順であると思われる。最初に受信したステアリングコマンドが依然として有効であることを意味すると思われるので、UEはWLANが何らかの理由で接続できなくても(すなわち失敗通知が既に宣言されている場合でも)、セルがトラフィックステアリングを設定解除しなければ、UEはWLAN取得を繰り返し再試行すべきである。WLANを再取得するためのUEバッテリ消費を考慮すると、このような無駄な取得は防止されるべきである。さらに、再試行も失敗したときに、UEが失敗指示子を再度送信すべきかどうかは依然として不明である。仮定2により、失敗指示子が送信されると、UE及びサービングセルの両方が、ステアリングコマンドがもはや有効ではないことを暗に知ることができ、したがって、UEは、WLANの取得を停止することができる。WLAN接続が既に一度失敗し、WLAN接続が回復しても「成功」指示子を送信できないため、仮定2は実用的な観点から見てより合理的である。もちろん、サービングセルが依然としてWLANへのトラフィックステアリングを好む場合、失敗指示子内の原因値(WLAN状態)を考慮して、いつでもステアリングコマンドを再送信することができる。
提案3:UEが失敗通知を送信した後、ステアリングコマンドがもはや有効ではないことを確認する。
提案3が合意可能である場合、ステアリングコマンドがもはや有効ではないことが上位層に知らされるべきか、すなわちWLAN「から」のトラフィックステアリングが上位層に示されるべきかどうかを検討する必要があり得る。
(3.結論)
本付記では、WLAN接続失敗に対するUEの動作の詳細について説明した。AS固有のタイマと上位層対話とを使用して、AS層の接続失敗を判別する可能なソリューションが提供される。ステアリングコマンドの暗黙のキャンセルは、接続失敗時のシグナリングオーバーヘッドを回避するために識別される。
[付記2]
(1.はじめに)
リリース13では、LTE−WLANインターワーキングの強化により、ネットワーク制御WLANオフロードによる全体的なユーザスループットの向上が図られている。このWIDのガイドラインの1つは、他の3GPP/WLANインターワーキングソリューションと共存するソリューションを開発することである。さらに、SA2は、LTE−WLAN無線レベル統合とインターワーキング強化と他のWLANオフロードソリューション(例えばANDSF)との共存について合意された解決策をRAN2に通知した。これは、上位層の共存問題の問題を解決する。
この付記では、既存のソリューションとの共存に関する問題が、UEのAS層の観点から検討される。
(2.討論)
UEのWLANインターワーキングをサポートすることは、リリース12のRAN補助LTE−WLANインターワーキング(RALWI)及びリリース13のRAN制御LTE−WLANインターワーキング(RCLWI)の両方をサポートする必要があると想定される。我々の理解に基づいて、新しいメカニズム(RCLWI)は、リリース12の研究の結果、すなわち「アイドルモード及びCELL_FACH、CELL_PCH及びURA_PCH状態のUEの場合、解決策1又は解決策2に類似している」に基づく。したがって、リリース13のソリューションは、リリース12のRALWIで既に規定されているメカニズムを再利用又は拡張することがある。特に、リリース12からの既存のSIB17がANDSFをサポートするため、及びアイドルUEのトラフィックステアリングのために必要であるため、AS層におけるリリース13におけるSIB17のUEの取り扱いについてさらに議論すべきである。
提案1:RAN2は、リリース12のANDSF及びアイドルUEをサポートするために必要なSIB17の存在下で、リリース13のUEのAS層動作を議論する必要がある。
(2.1.コネクティッドモードのUEの動作)
リリース12では、RALWIはNWが支援するUEベースのメカニズムを採用した。一方、リリース13のRCLWIは、完全なNW制御トラフィックステアリングをサポートする。したがって、提案1で提案されたようにSIB17がブロードキャストされる場合、サービングセルがUEをRCLWI、すなわちステアリングコマンドで制御しようとする場合でも、UEはRAN規則(RALWI)に従って任意にトラフィックステアリングを実行することができる。例えば、UEのAS層の挙動が明確に定義されていない場合、サービングセルがUEにLTE上でそのトラフィックを保持させたいが、UEが既にトラフィックをWLANに移動させることを決定した状況が存在する可能性がある。サービングセルの視点からはもはや完全に制御可能ではない。したがって、RALWI及びRCLWIの使用が、同じメカニズム(すなわち、SIB17の存在)を共有していても、独立して制御できることが望ましい。
考察1:リリース13に対するUEのAS層の動作が適切に規定されていない場合、サービングセルの意図とトラフィックステアリングのためのUEの動作との間に不一致が存在する可能性がある。
考察1で説明した問題は、既存のRAN補助パラメータの無限の閾値又は新しいメッセージ、つまりステアリングコマンドを定義する必要があるかどうかが議論された。両方のアプローチは、要求されるステアリングコマンドをサポートするように働くが、過度のUE複雑さなしにRALWI及びRCLWIを明白に選択するためのそれらの適用性をさらに検討する価値があるかもしれない。無限の閾値を使用することにより、サービングセルは、閾値が無限の値で設定されるとすぐにRCLWIを活性化することができ、これは既存のRALWIを停止させる働きをする。しかし、無限の閾値アプローチを採用しても、RALWIは、図12に示すように、UEがステアリングコマンドを受信するまで(UEが無限の閾値を持つ設定を受信するまで)実行されることがある。図12は、異なるメカニズムによって引き起こされる可能性のある制御不能を示す図である。
考察2:UEベースのトラフィックステアリング(RALWI)は、無限の閾値を受信するまで、例えばSIB17が無限の閾値で更新されるまで、継続することができる。
提案2:RAN2は、NWベースのメカニズムの一部として、SIB17の存在に起因する潜在的な制御不能状態を解決する必要があるかどうかについて議論すべきである。
提案2が合意可能である場合、以下の4つの選択肢が考えられる。
選択肢1:事前ステアリングコマンドがRALWIを停止する。
特に、トラフィックが実際にステアリングされた場所に関係なく、サービングセルがRCLWIを使用しようとしているときにステアリングコマンドを送信することは、無限の閾値アプローチでは可能かもしれない。
選択肢2:SIBがRALWIの停止を指示する。
RALWIが許容可能かどうかを示すためにSIBを使用することができる。リリース13のUEは、RALWIが禁止されている場合は常に、SIB17又は専用のRAN補助パラメータが提供されていても、常にRALWIよりRCLWIの優先順位を設定する必要がある。
選択肢3:WLAN測定対象がRALWIを停止する。
サービングセルが少なくとも1つのWLAN測定対象をUEに設定する場合、UEは、サービングセルがRCLWIを使用する予定であると仮定する。したがって、UEは、WLAN測定対象が設定されるときはいつでもRALWIの実行を停止すべきである。
選択肢4:コネクティッドのUEがRALWIを停止する。
UEは、一度それがコネクティッドに遷移すると、ブロードキャストされるRAN支援パラメータと共にRALWIに従わない。つまり、コネクティッドのリリース13のUEは常にSIB17を無視する。
すべての選択肢は単純な拡張でサポートできるが、選択肢2又は選択肢4は、NWの複雑さを回避するために有益であり、選択肢1又は選択肢3はUE単位の制御性の観点から有益である。選択肢1と選択肢3との間では、選択肢1自体が正しく機能するために追加の拡張が必要な場合があるが、選択肢3のRCLWIで必要とされる測定設定は暗黙的にRALWIプロセスを停止する。また、選択肢2と選択肢4との間では、選択肢2は明示的な指示子を必要とするが、RALWI及びRCLWIがコネクティッドのUEに対して共存しないと仮定する選択肢4は何の指示子も必要としない。シグナリングオーバーヘッド及びNWの複雑さの観点から、暗黙的なメカニズムの1つが好ましい。コネクティッドのUEでもLTE−WLANアグリゲーション(LWA)が実行され、UEがWLANによって提供されるリソースを追加/変更/解放するためにWLAN測定を行うように設定されていることを考慮すると、NWベースのメカニズムのために選択肢3又は4のみが考慮されるべきである。
提案3:RAN2は、UEにWLAN測定対象が設定されている又はUEがコネクティッド場合に、UEベースのトラフィックステアリング(RALWI)が許可されるべきかどうか、及び、NWベースソリューション(RCLWI)に選択肢3又は選択肢4が採用されるべきかどうかを決定すべきである。
上記の要件が明確であると仮定すると、サービングセルがRCLWI又はLWAのいずれかを実行しようとするときに、ステアリングされたトラフィックの初期状態をサービングセルが知るべきかどうかについて議論することも必要である。例えば、サービングセルがLWA設定をUEに設定するが、UEのトラフィックのいくつかのタイプがWLANに既にステアリングされている場合、ユーザスループットの改善が制限され得るか、又は設定のいくつかのエラーが生じる可能性がある。シンプルで安全な方法の1つは、UEがWLAN測定対象で設定されているときにすべてのトラフィックをLTEに移動させることであるが、ステアリングコマンドによるLTE又はピンポンの過負荷などのいくつかの悪影響を引き起こす可能性がある。別の可能性は、UEが、WLANモデム状況報告内の原因値などの様々な可能性及びオフロード可能なトラフィックの可用性などを含むトラフィック状態をサービングセルに通知することである。さらに、UEがRCLWI又はLWAのためのWLANモデムの自由度を持たない場合(例えば、ユーザ優先WLANに既に接続されている場合など)、UEがWLAN測定報告を送信する必要はないことが好ましい。その意味で、サービングセルは、測定設定に先立ってUEのトラフィック状態を知るであろう。
提案4:RAN2は、UEのトラフィックのいずれかが既にオペレータWLAN上でアクティブである場合、サービングセルが認識すべきかどうかを議論すべきである。
提案5:RAN2は、WLAN測定対象が設定される際に、又はWLAN測定対象が設定される前に、トラフィックの初期条件を与える必要があるかどうかを議論する必要がある。
提案4が望ましい場合、RAN2は、WLAN上の既存のトラフィックに関する情報が、WLAN測定設定の前又は後にサービングセルに提供されるべきかどうかを考慮しなければならない。
提案6:RAN2はまた、WLAN測定設定の前又は後に、WLAN上の既存のトラフィックに関する情報をサービングセルに提供する必要があるかどうかを決定しなければならない。
(2.2.アイドルモードUEの動作)
アイドルにおけるUEの行動は電子メールの議論で議論され、すでに提案されている4つの解決策、すなわち「提案A〜D」と「E」の要約及び評価を提供する。主な議論の1つは、リリース13のUEがアイドルに移行した後のT350、すなわち「提案A/B」又は「C/D」をサポートすることができる。いずれのタイマもサポートされていない場合、例えば、指摘されているようなPDN接続の頻繁な転送のために、UEバッテリ消費に悪影響をもたらす頻繁なピンポンを引き起こすこともある。たとえば、eNBの近くに位置するUEについて、サービングセルがすべてのUEのWLANへのトラフィックをステアリングすることに関心がないと仮定すると、より強いRSRPのため、UEのトラフィックはリリース12のRALWIの下でLTEに残る可能性が高い。しかしながら、図13に示すように、リリース13の場合、そのようなUEのためのトラフィックは、ステアリングコマンドを用いてWLANにステアリングされる可能性があるので、あるテアリングコマンドは、特定のUEに対して容易に直接的であり得る。図13は、異なるダイナミックレンジを示す。UEがアイドルに移行し、WLANに接続されたままである場合、UEは、提案1が満足できる場合、UEがアイドルのRANルール(RALWI)に従うと仮定すると、直ちにそのトラフィックをLTEに戻すことができる。よって、そのようなピンポンを避けるためにタイマを使うべきである。さらに、RRC Connection ReleaseでT350を再使用するか、ステアリングコマンドの受信時に新しいタイマを導入するかについても検討する必要がある。
提案7:UEがアイドルモードに移行した後のステアリングコマンドの有効タイマ、例えばT350を導入する必要がある。
提案7が合意可能である場合、別の問題は、タイマが終了した後にUEがどのように挙動するかである。4つのオプションが潜在的な候補である。
・オプション1:タイマ満了後、UEはSIB17でRALWIに従う。
・オプション2:アクティブなトラフィックが存在する場合、タイマが満了すると、UEはそのトラフィックをLTEに戻す。
・オプション3:WLAN接続の失敗が宣言されていない限り、UEはWLANにトラフィックを保持する。
・オプション4:WLAN測定イベントがトリガされない限り、UEはWLANにトラフィックを保持する。
オプション1は、既存のメカニズムのみを再使用する、すなわち標準化の努力が予見されていないため、ベースラインとすることができる。
オプション2は、NWの観点からデフォルト状態を与える簡単な方法を提供する。すなわち、アイドルモードのトラフィックは常にLTEにとどまるので、予測可能である。しかし、UEがSIB17に従う(リリース12のRALWIとして)か、SIB17に関係なくトラフィックをLTEに戻す(リリース13の新しい動作として)かどうかは不明である。
オプション3は、UEがWLANへの接続を維持することができる限り、アイドルに移行する前に受信したステアリングコマンドが永久に有効であると予想されることができ、その基準はWLANステータス報告のために再利用されるWLANへの「WLAN接続失敗」を判断するための正確な基準は規定されていない。このオプションは、実際にはUEの実装に委ねられている。また、オプション2と同じように、アイドルUEがリリース12のRALWI又はリリース13のメカニズムに従うべき動作が不明である。
オプション4は、潜在的にコネクティッドで指摘されているようにコネクティッドで同じ動作を提供する可能性がある。しかし、イベントがWLAN測定報告をトリガするだけなので(すなわち、どのリンクのUEのトラフィックを移動させるかはNW実装)、UEがイベントトリガ情報から何をすべきかを知るかどうかは明確でない。また、オプション2及び3と同様に、アイドルUEがリリース12のRALWI又はリリース13のメカニズムに従うべき動作が不明である。
リリース13のインターワーキング強化がNWの制御性を向上させることが期待されていることを考慮すると、オプション1は我々の好みであるが、少なくとも、例えばサービングセルからの指示子を用いて、SIB17を有するRALWIにUEが従うべきかをeNBが決定可能とすることが必要であり得る。あるいは、オプション2〜4に記載されたアイドルUEのための新しいメカニズムは、ネットワークの観点から、より決定的なUE動作を提供し、リリース13により適していると考えられるかもしれない。
提案8:RAN2は、アイドルUEに新しい動作を採用する必要があるかどうか、又はアイドルUEが既存のRANルール、すなわちリリース12と同じ挙動に従うことで十分であるかどうかを決定すべきである。
(3.結論)
本付記では、既存のメカニズムとの共存のためのAS層の観点から、アイドルモードとコネクティッドモードのUEで考えられる問題を特定した。ソリューションは、リリース13のインターワーキング強化機能とWLANアグリゲーション機能とを考慮して提供され、評価された。
[付記3]
(1.はじめに)
ステータスの変更時にWLANの状態を報告することに賛成するいくつかの企業が存在する。残りの問題は、このWIの完成に対するこの付記の主題である。
(2.討論)
承認された36.331 CRによると、UEは、WLAN接続が失敗したときに、WLAN接続状態報告手順を実行しなければならない。eNBの次の挙動に対して、UEは、失敗の適切な理由(すなわち、failureRadioLink、failureInternal、failureConnReject、failureOther又はfailureTimeout)を設定する。
この動作は合意事項に沿っている。2:報告は原因値(少なくとも「UE問題」又は「WLAN問題」などの定義されるべき値)を示す。報告がいつトリガされるかはさらなる検討が必要である(特定の原因値によって異なる場合がある)。
しかし、現在のCRにおいて失敗原因に関係なく、ステータスが共通に報告されるため、報告がいつトリガされるかは十分に議論されなかった。
考察1:RAN2は、報告がいつトリガされるかについてまだ議論していない。
失敗の原因値に応じて、失敗原因がネットワーク側にある場合はeNBによって予測可能であるが、失敗がUE内に存在する場合は予測不可能である可能性がある。例えば、UEが「failureInternal」でWLAN Connection Status Reportingを送信した場合、eNBは、「ユーザプリファレンスに基づく別のWLANへの接続」又は「WLAN接続をオフにするユーザ」のためにWLAN接続が失敗したと想定することがある。WLANに関連する内部UEの問題を知らせる別の手段が回復されない限り、WLANが利用可能になった場合でも(例えば、UEとユーザが選んだWiFiとの接続が切断されても)、適切なLWA設定(lwa−WT−Counter及びwlan−MobilitySet)でUEが再設定されない。
考察2:eNBは、WLAN接続状況報告のための現在のトリガを使用して、適切なLWA設定でUEを再設定する機会を逃し得る。
さらに、失敗原因が予測できない場合、eNBは、失敗が一時的であるか否かにかかわらず、UEのLWA設定を解放することを選択することもできる。しかしながら、UE側の問題が解決されたときにeNBが知るメカニズムがないので、LWA設定を解除することは望ましくない可能性がある(例えば、問題はユーザがUEのWLAN無線機をオフにしたことである)。したがって、UEからの追加のフィードバックなしに、eNBは、UEをLWAで再設定しようと試みる以外に、UEをいつ再設定するかを知ることは困難である。この不確実を解決するため、eNBにとって有益な3つのオプションを検討した。
オプション1:UEは、失敗が既に報告された後、「successfulAssociation」を含むWLAN Connection Status報告を送信するオプションが必要である。「successfulAssociation」の報告は、T360タイマがまだ実行中の場合にのみ送信できる。
オプション2:UEは、失敗が既に報告された後、「successfulAssociation」を含むWLAN Connection Status報告を送信するオプションを持つ必要がある。T360タイマがまだ動作しているかどうかにかかわらず、LWAがまだ設定されている限り、「successfulAssociation」の報告を送信できる。
オプション3:UEは、失敗が既に報告された後、新たな原因値「回復」を伴うWLAN接続状態報告を送信する選択肢を有するべきである。T360タイマがまだ動作しているかどうかにかかわらず、LWAがまだ設定されている限り、「回復」の報告を送信できる。
オプション1を用いると、UEは、UE側の失敗状態が解決されたことをeNBに通知するために、「successfulAssociation」状態報告を送信することが許可される(例えば、ユーザがUEのWLAN無線機を再びオンにした)。UEがこの状態報告を提供するためには、UEが失敗を報告した後にT360タイマを停止すべきではない。それ以外の場合は、報告された失敗が受信されるとただちにeNBがT360タイマを再設定する必要がある。また、UEが最初の失敗が報告された後、又はどの失敗原因値が報告されたかに依存している場合に、UEが「successfulAssociation」を送信するだけで、他の失敗原因値を送信できないようにする必要があるかについても議論すべきである。
オプション2では、UEは、失敗が報告された後に「successfulAssociation」を送信することも許可されるが、UEはT360タイマ満了の後でも「successfulAssociation」を送信することが許可される。
オプション3はオプション2と似ているが、新しいリカバリ手順の下で定義された新しい原因値「recovery」を「successfulAssociation」に送信する代わりに使用する。
これと比較して、オプション1は、ステータス報告と仕様の既存のメカニズムに与える影響が最も小さい可能性がある。しかし、lwa−AssociationTimerの値が最大240秒(4分)まで上昇するため、UEの内部問題が解決された後、UEが成功した関連付けのステータス報告を提供する十分な機会を提供しない。4分後にユーザがWLAN無線をオンに戻すことは間違いない。オプション1が採用される場合、eNBは、このUEのLWAがなお望ましい限り、新しいタイマでUEを再設定する必要があり得る。
オプション2が採用される場合、UEは、LWAがまだ設定されている限り、良好なアソシエーション指示子を提供する柔軟性を有することになる。これは、eNBが、UEのWLAN問題が解決されたかどうかをチェックするためだけに新しいタイマでUEを再設定する必要性を低減する。オプション2の欠点は、WLANとの関連付けが成功した場合(T360タイマ内)と、UE側の失敗状態が解決された場合の両方の場合のように、複数のシナリオで「successfulAssociation」が使用されることである。
上述したように、オプション3は、オプション2と本質的に同じであるが、オプション3は、UE内の失敗が解決されたことをeNBに示す新しい原因値「回復」を使用する。オプション3を使用すると、回復手順の使用をオプションでUEに設定できる。したがって、オペレータはオプションの「回復」メカニズムとは別に「successfulAssociation」の使用を設定することができる。特に、「successfulAssociation」を報告するための既存の手順は変更されません。
上記の長所と短所に基づいて、「成功したアソシエーション」の既存の機能を維持しながら、UEによって引き起こされた失敗の問題をより適切に解決するため、オプション3の採用を推奨する。
提案1:UEは、LWAがまだ設定されている限り、失敗が既に報告された後に、新しい原因値「回復」を伴うWLAN接続ステータス報告を送信する必要がある。
提案1が合意可能であると仮定すると、RAN2は、失敗回復報告内のすべての又は特定の原因値のみに「回復」メカニズムを適用すべきかどうかを検討すべきである。
上述の例のように、「failureInternal」の場合は厳密にUEの実装に基づいているため、「回復」メカニズムは少なくともこのタイプの失敗に適用可能でなければならない。「failureRadioLink」については、WLAN信号がUEによって一時的に失われたと仮定する。eNBは、「WTからのフィードバックをXWインターフェイス経由」又は「WLAN測定報告」を通じて失敗状態からの回復を知ることができる。たとえフィードバックがなくても、eNBはUEがすぐに回復する可能性があるというこの失敗報告からeNBが推測できるため、LWAの動作を再試行することがある。しかし、無線インターフェイスを介したUEからの回復報告は、より高速かつより正確である。「failureConnReject」の場合、ネットワーク側にのみ問題が存在するため、このタイプの失敗に対して回復メカニズムを適用する必要はない。「failureOther」はデフォルトの原因値とみなされる可能性がある。上位層がAS層に失敗理由を通知していない可能性が高いため、このタイプの失敗について回復メカニズムをトリガする明確な利点があることは明らかではない。
上記の考察により、RAN2は、UEの内部問題又は無線リンクの問題に起因する失敗からの回復時に、WLANステータス報告が「回復」とトリガされるというオプションに同意すべきである。
提案2:RAN2は、「failureInternal」又は「failureRadioLink」からの復旧時に「回復」を伴うWLANステータス報告がトリガされるというオプションに同意すべきである。
(3.結論)
WLANステータス報告に関する残りの問題についてこの付記で説明した。
[付記4]
付属書(R2−157095に基づく36.331のTP)
5.6.X.3.2 開始。
LTE−WLANアグリゲーション用に設定されたRRCコネクティッドのUEは、WLANに正常に接続するか、又はWLANへの接続が失敗した場合に、WLAN状態報告手順を開始する。
5.6.X.3.3 WLANConnectionStatusReportメッセージの送信に関連するアクション
UEは、WLANConnectionStatusReportメッセージの内容を次のように設定する。
1>VarWLAN−Statusでwlan−statusをstatusに設定する;
1>wlan−statusがsuccessfulAssociationと異なる場合:
2>wlan−Identifierを、VarWLAN−MobilityConfigに存在するwlan−IdentifiersAssociatedに設定する(存在する場合);
1)WLANConnectionStatusReportメッセージを送信のために下位層に渡す。
5.6.X.4 T360満了(WLAN接続タイムアウト)。
UEは、
1>T360が満了した場合:
2>VarWLAN−MobilityConfigに関連付けられたフィールドをfalseに設定し、VarWLAN−StatusのフィールドステータスをfailureTimeoutに設定する;
2>セクション5.6.X.3のWLAN接続ステータス報告手順を実行する。
5.6.X.5 WLANステータスモニタリング
UEは、
1>WLAN接続が成功した場合:
2>VarWLAN−StatusのステータスをsuccessfulAssociationに設定する;
2>VarWLAN−Statusにあるwlan−IdentifiersAssociatedを、正常に接続されたWLANに属するものに設定する;
2>タイマT360が動作している場合:
3>タイマT360を停止する。
3>セクション5.6.X.3のWLAN接続ステータス報告手順を実行する。
1>WLAN接続に失敗した場合:
2>失敗がWLAN無線リンクの問題によるものである場合:
3>VarWLAN−StatusのステータスをfailureRadioLinkに設定する;
2>WLANに関連する内部UEの問題(例えば、ユーザの好み又はユーザがWLAN接続をオフにすることに基づく別のWLANへの接続など)によるものである場合:
3>VarWLAN−StatusのステータスをfailureInternalに設定する;
2>WLANからの接続拒否による失敗の場合:
3>VarWLAN−StatusのステータスをfailureConnRejectに設定する;
2>else:
3>VarWLAN−StatusのステータスをfailureOtherに設定する;
2>セクション5.6.X.3のWLAN接続ステータス報告手順を実行する;
2>WLAN接続の失敗がfailureRadioLink又はfailureInternalによるものである場合:
3>WLANステータス回復監視手順を実行するように設定されている場合:
4>セクション5.6.X.7のWLANステータス回復監視手順を実行する。
5.6.X.7 WLANステータスの回復監視。
UEは、
1>WLAN無線リンクの問題が回復した場合:
2>VarWLAN−Statusのステータスをrecoveryに設定する;
1>内部UEの問題がWLANに関連する場合(例えば、ユーザの好み又はユーザがWLAN接続をオフにすることに基づく別のWLANへの接続):
2>VarWLAN−Statusのステータスをrecoveryに設定する;
1>セクション5.6.X.3のWLAN Connection Status Reporting手順を実行する。
図14は、LWA−Configurationを示す。LWA−Configurationは、LTE−WLANアグリゲーションを確立/変更/解放するために用いられる。
表1は、図14中のIEを示す。
Figure 0006441512
図15は、WLAN−Statusを示す。WLAN−Statusは、LWAのためのWLAN接続の現在の状態を示す。その値は、セクション5.6.X.3及び5.6.X.5に記述されるように設定される。
[相互参照]
本願は米国仮出願第62/290645号(2016年2月3日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。

Claims (4)

  1. 自無線端末とコアネットワークとの間のトラフィックをWWANからWLANに移すトラフィックステアリングを行う制御部を備え、
    前記制御部は、前記WWANの基地局との通信を行う第1のエンティティと、前記第1のエンティティよりも上位層に位置付けられる第2のエンティティと、を含み、
    前記第1のエンティティは、
    前記トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドを含む設定情報を前記基地局から受信する第1の処理と、
    前記ステアリングコマンドの受信に応じて、前記WLANにトラフィックを移すべきことを示す第1の通知を前記第2のエンティティに提供する第2の処理と、
    前記ステアリングコマンドを受信した後、WLANへの接続が失敗したことに応じて、前記WLANへの接続が失敗したことを示す報告を前記基地局に送信する第3の処理と、
    前記WLANへの接続が失敗したことに応じて、前記設定情報を解放するとともに、前記WLANからトラフィックを戻すべきことを示す第2の通知を前記第2のエンティティに提供する第4の処理と、を実行する無線端末。
  2. 前記第1のエンティティは、ASエンティティである、請求項1に記載の無線端末。
  3. 前記ASエンティティは、RRC層のエンティティを含む、請求項2に記載の無線端末。
  4. 自無線端末とコアネットワークとの間のトラフィックをWWANからWLANに移すトラフィックステアリングを行う無線端末において実行される方法であって、
    前記WWANの基地局との通信を行う第1のエンティティにおいて、
    前記トラフィックステアリングを指示するステアリングコマンドを含む設定情報を前記基地局から受信するステップと、
    前記ステアリングコマンドの受信に応じて、前記WLANにトラフィックを移すべきことを示す第1の通知を、前記第1のエンティティよりも上位層に位置付けられる第2のエンティティに提供するステップと、
    前記ステアリングコマンドを受信した後、WLANへの接続が失敗したことに応じて、前記WLANへの接続が失敗したことを示す報告を前記基地局に送信するステップと、
    前記WLANへの接続が失敗したことに応じて、前記設定情報を解放するとともに、前記WLANからトラフィックを戻すべきことを示す第2の通知を前記第2のエンティティに提供するステップと、を備える方法。
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