JP6440976B2 - 構造用部材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐座屈機能を有する構造用部材に関する。
従来より、建築物や橋梁等の構造物では、圧縮方向の力が作用する部材に、座屈拘束材が用いられている。座屈拘束材としては、従来、帯板状の芯材の両側面を、溝形鋼で形成した拘束材で挟んで構成し、芯材で荷重を支持する一方、拘束材で芯材の座屈を拘束するように形成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。上記芯材は、長手方向の中央部に、他の部分よりも幅の狭い絞り部が形成されると共に、この絞り部に、長手方向に延在するスリットが形成されている。この芯材の絞り部とスリットにより、芯材の座屈時の座屈モードを分散させ、拘束材が備えるべき補剛力を低減するようにしている。
また、従来の座屈拘束材として、鋼管で形成されたブレースの一部に孔を設け、この孔からセメント系材料を注入して鋼管の内部に充填し、このセメント系材料が固化してなるセメント系固化物により鋼管の局部座屈の補剛を行うように形成された鋼管ブレースがある(例えば、特許文献2)。
特開2012−229572号公報 特開2009−174173号公報
構造物の所定の対象を吊り下げる用途や、所定の対象に張力を導入する用途等に用いられる引張材は、通常は引張力のみを受けるので、圧縮方向の耐力を実質的に有しない部材を使用するのが一般的である。したがって、引張材は、地震や風等により対象が振動する場合、圧縮力を受けて容易に座屈や撓みが生じることがある。そこで、引張材の座屈を防止するために、従来の座屈拘束材を適用することが考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載の座屈拘束材は、絞り部とスリットとを有する帯状の芯材と、この芯材を挟持する拘束材とで形成されるので、部品の形状が複雑であり、かつ、部品点数が比較的多いので、寸法と質量が大きくなりやすく、また、製造に手間がかかる問題がある。また、特許文献2に記載の座屈拘束材は、セメント系固化物を用いるので、質量が過大となり、引張材には適用が困難であるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、寸法と質量が比較的小さく、また、簡易な構造で座屈防止機能を実現できて、静止時に引張力を支持する用途に好適な構造用部材を提案することにある。
上記課題を解決するため、本発明の構造用部材は、
線状の芯材と、
上記芯材の外側を取り囲む中空の三角形断面を有する耐座屈材と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、線状の芯材により引張力が支持される一方、上記芯材の外側を取り囲む中空の三角形断面を有する耐座屈材により圧縮力が支持される。また、上記芯材の外側を取り囲む耐座屈材により、上記芯材の座屈が拘束される。したがって、芯材と耐座屈材とを用いた比較的簡易な構成により、静止時には引張力を支持する一方、地震や風や活荷重等が作用した時には圧縮力を支持できる構造用部材を、比較的小さい寸法と質量で構成することができる。その結果、引張力のみを支持する構造用部材のように、圧縮力が作用したときに、構造用部材で支持する対象に過大な変位が生じる不都合を防止できる。また、中空の三角形断面を有する耐座屈材を用いるので、質量と寸法を抑えながら圧縮力を支持でき、座屈に対する耐久性を高めることができる。また、この構造用部材は、芯材の外側を耐座屈材で取り囲んで形成されるので、主に静止時に引張材として機能する芯材を耐座屈材で保護して耐久性を高めることができる。ここで、上記芯材は、鋼等の引張強度が比較的高い金属で形成するのが好ましい。また、上記耐座屈材としては、軽量化のため、アルミニウムやチタンやジュラルミン等のような比重が5以下の軽金属や、樹脂等で形成するのが好ましい。
一実施形態の構造用部材は、複数の上記耐座屈材と、
上記複数の耐座屈材の外周を取り囲んで一体化する外装材と
を備える。
上記実施形態によれば、芯材を取り囲む複数の耐座屈材が、最外周面が外装材で取り囲まれて一体化するので、耐座屈材の耐座屈性能が効果的に向上する。また、外装材により、構造用部材の美観を向上することができる。また、外装材により、芯材や耐座屈材の防錆を行うことができる。ここで、外装材としては、金属、樹脂、炭素繊維又はこれらの複合材で形成されたシートや型材を用いることができる。
一実施形態の構造用部材は、上記複数の耐座屈材は、隣り合う耐座屈材の側面が互いに接すると共に、これらの接する側面が、軸直角断面において上記芯材を中心とする放射状をなすように配置されている。
上記実施形態によれば、複数の耐座屈材は、隣り合う耐座屈材の互いに接する側面が芯材を中心として放射状に配列されるので、高い耐座屈性能を発揮できる。なお、軸直角断面とは、対象を、中心軸に対して直角方向に延びる平面で切断したときに表れる断面である。
一実施形態の構造用部材は、上記複数の耐座屈材は、軸直角断面において外周側に位置する角が同一円周上に位置している。
上記実施形態によれば、複数の耐座屈材は、軸直角断面において外周側の角が同一円周上に位置するように配列されるので、芯材回りのいずれの位置においても、略均一の耐座屈性能を発揮できる。また、上記複数の耐座屈材を取り囲む外装材として、円形断面を有する既製の型材を用いることができるので、構造用部材の製造コストを効果的に削減できる。また、上記複数の耐座屈材を、互いに同じ断面形状のものを用いることができるので、構造用部材を安価に製造できる。
一実施形態の構造用部材は、上記複数の耐座屈材は、軸直角断面において直角二等辺三角形状を有し、
隣り合う上記耐座屈材が、軸直角断面において互いに同じ長さの辺を接するように配置されて、上記複数の耐座屈材の軸直角断面が正方形の輪郭を成すように形成されている。
上記実施形態によれば、直角二等辺三角形状断面を有する複数の耐座屈材を、全体として正方形の輪郭の断面を成すように芯材の回りに配列することにより、汎用性の高い正方形断面の構造用部材が得られる。また、上記複数の耐座屈材を取り囲む外装材として、正方形断面を有する既製の型材を用いることができるので、構造用部材の製造コストを効果的に削減できる。
一実施形態の構造用部材は、上記耐座屈材の内側に、充填材が充填されている。
上記実施形態によれば、耐座屈材の内側に充填材が充填されることにより、耐座屈材の耐座屈性能を向上できる。ここで、充填材としては、液体又は固体のいずれでもよい。液体の充填材としては、水、油又は流動性樹脂等を採用できる。また、固体の充填材としては、金属又は樹脂等で形成されたものを採用できる。特に、固体の充填材としては、例えば固形化樹脂及び発泡性樹脂等のように、充填材の設置時に流動性を有し、設置後に固形化するものを用いることにより、充填作業を容易に行うことができる。また、固体の充填材として、金属又は樹脂等で形成されたハニカム等の中空立体構造体を用いてもよい。
一実施形態の構造用部材は、上記耐座屈材の内側に形成され、上記芯材が軸方向に駆動可能に貫通したシリンダと、
上記芯材に固定され、上記シリンダ内を作動流体としての上記充填材で満たされた2つの室に区画するピストンとを備え、
上記芯材の一端と上記シリンダの他端とが、引張力又は圧縮力を受けて軸方向に相対変位可能に形成されており、上記芯材の他端側が、最大変位を成したときに上記シリンダの他端側に係合する一方、上記シリンダの一端側が、最小変位を成したときに上記芯材の一端側に係止するように形成されていることを特徴とする構造用部材。
上記実施形態によれば、芯材の一端と上記シリンダの他端の間に引張力又は圧縮力を作用すると、芯材に固定されたピストンが、シリンダ内の作動流体から抵抗力を受けながらシリンダ内を移動する。芯材の一端と上記シリンダの他端の間が最大相対変位を成すと、芯材の他端側がシリンダの他端側に係合して、芯材とシリンダを通して引張力が伝達される。一方、芯材の一端と上記シリンダの他端の間が最小相対変位を成すと、シリンダの一端側が芯材の一端側に係止して、芯材とシリンダを通して圧縮力が伝達される。このように、芯材の一端と上記シリンダの他端との間で引張力と圧縮力を伝達すると共に、芯材の一端と上記シリンダの他端との間が相対変位をするときに、作動流体から受ける抵抗力により緩衝作用を奏することができる。したがって、この構造用部材が適用された対象を、例えば地震や風や活荷重等に起因する衝撃や振動を抑制しながら支持することができる。なお、上記シリンダは、上記耐座屈材の中空部分に形成されてもよく、或いは、上記耐座屈材の中空部分に配置された例えば円筒形部材等の他の部材で形成されてもよい。
一実施形態の構造用部材は、上記ピストンに、上記作動流体を上記2つの室の間で流通させる流体通路が設けられている。
上記実施形態によれば、ピストンが駆動される際に流体通路に作動流体が流通することにより、この流体通路の寸法や形状等に応じた抵抗力をピストンに与えて所定の緩衝作用を奏することができる。
一実施形態の構造用部材は、上記ピストンの流体通路は、上記作動流体の流れる方向に応じて異なる抵抗力が生じるように形成されている。
上記実施形態によれば、ピストンの駆動方向に応じて、作動流体が流体通路を流れる方向が異なることにより、異なる抵抗力が生じる。これにより、芯材の一端と上記シリンダの他端とが接近方向の相対変位をするときと、離間方向の相対変位をするときとで、ピストンに作用する抵抗力を異ならせて、緩衝作用を異ならせることができる。したがって、対象に作用する荷重状態や対象の形状等に応じて、適切な緩衝作用を対象に与えることができる。
本発明の第1実施形態の構造用部材を示す斜視図である。 第1実施形態の構造用部材を用いたタイロッドを示す縦断面図である。 構造物にタイロッドを使用した様子を示す図である。 第2実施形態の構造用部材を示す斜視図である。 第2実施形態の構造用部材を用いたタイロッドを示す縦断面図である。 第3実施形態の構造用部材を示す斜視図である。 第3実施形態の構造用部材を用いたタイロッドを示す縦断面図である。 第4実施形態の構造用部材及びこれを用いたタイロッドを示す縦断面図である。 第4実施形態のタイロッドの作動状態を示す縦断面図である。 第4実施形態のタイロッドのピストンを示す縦断面図である。 図10のピストンの作動状況を示す縦断面図である。 図10のピストンの作動状況を示す縦断面図である。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の構造用部材を示す斜視図である。この構造用部材1は、主に引張力を支持する一方、圧縮力に対しても一定の耐力が必要な箇所に使用するのが好適であり、例えば構造物の所定の対象を吊り下げる用途や、所定の対象に張力を導入する用途等に用いることができる。この構造用部材1は、線状の芯材2と、この芯材2を取り囲む耐座屈材としての三角管3で形成されている。
芯材2は、普通鋼で作製された鋼線であり、支持する引張力の大きさに応じた太さ及び材質のもので作製される。なお、普通鋼以外の高張力鋼等で作製した鋼線でもよく、また、ピアノ線や撚線で芯材2を形成してもよい。撚線は、鋼等の金属繊維や、アラミド等の樹脂繊維や、炭素繊維等で作製されたものを用いることができる。
三角管3は、正三角形断面を有する中空の鋼管であり、圧縮力の大きさに応じた寸法及び材質のもので作製される。三角管3の材質には、鋼のほか、アルミニウム、チタン及びジュラルミン等の金属や、PPS(ポリフェニレンスルファイド)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂を採用することができる。鋼としては、合金鋼、ステンレス鋼及び炭素鋼等の種々の材質を採用できる。ここで、三角管3は、軽量化のため、樹脂や、アルミニウムやチタンやジュラルミン等のような比重が5以下の軽金属で形成するのが好ましい。
上記三角管3の内側は、中空のままでもよく、上記芯材2と三角管3との間に充填材を充填してもよい。三角管3の内側に充填材を充填することにより、三角管3の耐座屈性能を向上できる。充填材としては、液体又は固体のいずれを採用してもよい。液体の充填材としては、水、油又は流動性樹脂を採用できる。固体の充填材としては、金属又は樹脂等で形成されたものを採用できる。また、例えば固形化樹脂及び発泡性樹脂等のように、充填材の設置時に流動性を有し、設置後に固形化するものを用いることにより、充填作業を容易に行うことができる。また、固体の充填材として、金属又は樹脂等で形成されたハニカム等の中空立体構造体を用いてもよい。
図2は、第1実施形態の構造用部材1を用いたタイロッド10を示す縦断面図である。このタイロッド10は、主に引張力を支持する一方、圧縮力に対しても一定の耐力を有する。すなわち、このタイロッド10は、静止時には張力のみを支持する一方、地震や風や活荷重等に起因して振動や衝撃を受けたときに、一定の圧縮力に耐えるように形成されている。
このタイロッド10は、第1実施形態の構造用部材1と、この構造用部材1の両端に固定されたクレビス4とで構成されている。
クレビス4は、構造用部材1の芯材2に引張力を伝達する一方、三角管3に圧縮力を伝達するように形成されている。このクレビス4は、耐座屈材としての三角管3の端部に嵌合すると共に芯材2が中央に固定される口金部5と、この口金部5の芯材2及び三角管3が固定される側と反対側に設けられたプレート部6とを備える。
クレビス4の口金部5は、三角管3の先端が当接する端面5aに、この端面5aの中央に形成されて芯材2の端部2aが螺合する螺旋孔5bと、端面5aの縁から軸方向に延出する壁部5cを有する。口金部5の螺旋孔5aに螺合する芯材2の両方の端部2aには、互いに反対巻きの雄螺子が設けられている。口金部5の螺旋孔5bには、芯材2の雄螺子に対応して、2つのクレビス4の間で互いに反対巻の雌螺子が設けられている。芯材2を取り囲むように三角管3を配置し、この芯材2の両方の端部2aの雄螺子に、2つの口金部5の螺旋孔5aを夫々螺合させて芯材2を回転することにより、これらの口金部5,5に互いに近接する方向の押圧力を印加している。この押圧力により、クレビス4の口金部5を三角管3の両端に押圧して、クレビス4を構造用部材1に固定している。クレビス4が構造用部材1に固定されると、クレビス4の口金部5の壁部5cが、三角管3の端部を取り囲むように嵌合する。
なお、クレビス4の口金部5と芯材2との固定は、口金部5に芯材2の貫通孔を形成し、この貫通孔に挿通した芯材2の先端部に螺合したナットで行ってもよい。すなわち、クレビス4の口金部5の中央に貫通孔を設け、この貫通孔に芯材2の先端部を挿通させて、口金部5のプレート部6側に突出させる。この芯材2の先端部の雄螺子にナットを螺合させ、このナットで口金部5のプレート部6側の端面を押圧することにより、芯材2にクレビス4を固定してもよい。また、芯材2の両方の端部2aの雄螺子と、2つのクレビス4の口金部5の螺旋孔5bの雌螺子とを、いずれも順方向巻きに形成し、芯材2に対してクレビス4の口金部5を夫々同一方向に回転させて、芯材2の雄螺子と口金部5の雌螺子とを螺合してもよい。
クレビス4のプレート部6は、口金部5の端面の中央に、芯材2の延長性上に延在する板状体で形成されている。プレート部6の先端側には、タイロッド10を対象にピン接続するためのピンが挿通される挿通孔6aが設けられている。なお、プレート部は、口金部5の端面に径方向に間隔をおいて形成され、ガセットプレート等を挟む2枚の板状体で形成されてもよい。
第1実施形態の構造用部材1を用いたタイロッド10は、図3に示すように、構造物の対象としての庇11を吊り下げるために用いることができる。庇11は、構造物の壁体12に、この壁体12の表面と直角を成して水平方向に張り出すように設置されている。壁体12の表面に設けられた吊プレート14と、庇11の先端部分に設けられた支持プレート13との間に、タイロッド10が架け渡されている。上記壁体12の壁面と、庇11と、タイロッド10とで略直角三角形を成している。タイロッド10の両端のクレビス4は、吊プレート14と支持プレート13とに各々ピン接続されている。
第1実施形態の構造用部材1を用いたタイロッド10は、庇11が静止しているとき、庇11に作用する重力に抗するための引張力を、芯材2によって支持する。一方、地震や風により庇11に上向きの力が作用すると、タイロッド10に圧縮力が作用する。ここで、タイロッド10の芯材2は殆ど圧縮力を支持しないが、三角管3により圧縮力を支持することができる。したがって、庇11が上向きの力によって過大に変位する不都合や、振動が発生する不都合を、効果的に防止することができる。また、本実施形態によれば、芯材2と三角管3とを用いた比較的簡易な構成により、静止時には引張力を支持する一方、地震や風や活荷重等が作用した時には圧縮力を支持できる構造用部材1を、比較的小さい寸法と質量で構成することができる。
図4は、第2実施形態の構造用部材を示す斜視図である。この構造用部材21は、耐座屈材の数及び配置形態と、外装材を備える点が、第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態と同一の部分には同一の参照番号を引用して詳細な説明を省略する。
第2実施形態の構造用部材21は、芯材2の周りに、複数の耐座屈材としての6個の三角管3を配置し、これらの6個の三角管3を外装材7で取り囲んで一体化している。6個の三角管3は、互いに同じ寸法と形状を有する。6個の三角管3は、軸直角断面において、芯材2に頂点を接すると共に、この芯材2回りの回転対称位置に配置されている。複数の三角管3の互いに接する側面は、軸直角断面において芯材2を中心とする放射状をなしている。これにより、6個の三角管3の外周側に位置する側面が、軸直角断面において正六角形の輪郭を成している。
外装材7は、円形断面を有する鋼管で形成され、内側面が6個の三角管3の外周側の縁に接するように、これらの6個の三角管3に外嵌している。なお、外装材7の材質は、鋼のほか、アルミニウム、チタン及びジュラルミン等の金属や、PPSやPEEK等の樹脂を採用することができる。鋼としては、合金鋼、ステンレス鋼及び炭素鋼等の種々の材質を採用できる。ここで、外装材7は、軽量化のため、樹脂や、アルミニウムやチタンやジュラルミン等のような比重が5以下の軽金属で形成するのが好ましい。また、外装材7の形状は、6個の三角管3に実質的に密着する正六角形でもよい。また、外装材7は、金属、樹脂又は炭素繊維のシートを、6個の三角管3の外周面に巻回して形成してもよい。
図5は、第2実施形態の構造用部材21を用いて形成したタイロッド210の縦断面である。このタイロッド210は、構造用部材21の両端に固定されたクレビス24,24が、芯材2に引張力を伝達し、三角管3に圧縮力を伝達する一方、外装材7には実質的に引張力及び圧縮力を伝達しないように形成されている。
クレビス24の口金部25は、6個の三角管3の先端が当接する端面25aに、この端面25aの中央に形成された螺旋孔25bと、端面25aの縁から軸方向に延出する壁部25cを有する。口金部25には、中央の螺旋孔25bに芯材2の端部2aが螺合すると共に、端面25aの螺旋孔25bを取り囲む部分に、6個の三角管3,3,・・・の端面が当接している。これらの6個の三角管3,3,・・・の端部を、壁部25cが取り囲んで嵌合している。口金部25の螺旋孔25bに螺合する芯材2の両方の端部2aには、いずれも順方向巻きの雄螺子が設けられている。6個の三角管3,3,・・・を配置した状態で、芯材2の両方の端部2aに口金部25の螺旋孔25bを螺合させ、クレビス24を回転させて芯材2に螺着することにより、この芯材2と三角管3,3,・・・の両端に、クレビス24を固定することができる。この場合、口金部25の端面25aが三角管3の端面に接するまでクレビス24を回動可能とするため、口金部25の壁部25cは、軸直角断面において6個の三角管3,3,・・・の外周側の角に内接する円形を成すように形成する。
なお、クレビス24の口金部25と芯材2の固定は、口金部25に貫通孔を形成し、この貫通孔に挿通した芯材2の先端部に螺合したナットで行ってもよい。すなわち、クレビス24の口金部25の中央に貫通孔を設け、この貫通孔に芯材2の先端部を挿通させて、口金部25のプレート部6側に突出させる。この芯材2の先端部の雄螺子にナットを螺合させ、このナットで口金部25のプレート部6側の端面を押圧することにより、芯材2にクレビス24を固定してもよい。この場合、クレビス24を回動する必要が無いため、口金部25の壁部25cは、軸直角断面において6個の三角管3,3,・・・の外周縁に内接する六角形に形成することができる。
クレビス24の壁部25cは、壁部25cの端面が外装材7の端面に対して隙間を置く軸方向長さを有するように設定され、これにより、外装材7が引張力及び圧縮力を受けないように形成されている。外装材7は、6個の三角管3,3,・・・に圧縮力が作用したとき、引張力及び圧縮力を受けないで周方向の耐力を確保することにより、三角管3,3,・・・の軸直角方向の移動を拘束して座屈耐性能力を発揮するようになっている。
第2実施形態の構造用部材21を用いて形成したタイロッド210によれば、複数の耐座屈材としての三角管3と、これらの三角管3を取り囲む外装材7を備えるので、高い圧縮強度と座屈耐性能力を有する。したがって、このタイロッド210は、引張力が主に作用すると共に、圧縮力が作用する機会も多い箇所に使用することができる。また、このタイロッド210は、6つの三角管3が、軸直角断面において外周側の角が同一円周上に位置するように配列されるので、芯材2回りのいずれの位置においても、略均一の耐座屈性能を発揮できる。また、外装材7として、円形断面を有する既製の型材を用いることができるので、構造用部材21やタイロッド210の製造コストを効果的に削減できる。また、外装材7により、構造用部材21の美観を向上することができる。また、外装材7により、芯材2や三角管3の防錆を行うことができる。
図6は、第3実施形態の構造用部材を示す斜視図である。この構造用部材31は、耐座屈材の形状と数と配置形態と、外装材の形状が、第2実施形態と異なる。第3実施形態において、第2実施形態と同一の部分には同一の参照番号を引用して詳細な説明を省略する。
第3実施形態の構造用部材31は、芯材2の周りに、複数の耐座屈材としての8個の直角三角形断面を有する三角管33を配置し、これらの三角管33を、正方形断面の外装材37で取り囲んで一体化している。8個の三角管33は、互いに同じ寸法と形状を有する。8個の三角管33は、軸直角断面において、芯材2に頂点を接すると共に、隣接する三角管33が互いに同じ長さの辺を接するように、芯材2の回りに配列されている。これにより、8個の三角管33の外周側に位置する側面が、軸直角断面において正方形の輪郭を成している。
外装材7は、正方形断面を有する鋼管で形成され、内側面が8個の三角管33の外周側の側面に接するように、これらの8個の三角管33に外嵌している。なお、外装材7の材質は、鋼のほか、アルミニウム、チタン及びジュラルミン等の金属や、PPSやPEEK等の樹脂を採用してもよく、鋼としては、合金鋼、ステンレス鋼及び炭素鋼等の種々の材質を採用できる。ここで、外装材7は、軽量化のため、樹脂や、アルミニウムやチタンやジュラルミン等のような比重が5以下の軽金属で形成するのが好ましい。また、外装材7は、金属、樹脂又は炭素繊維のシートを、8個の三角管33の外周面に巻回して形成してもよい。
上記三角管33の内側は、中空のままでもよく、或いは、充填材を充填してもよい。三角管33の内側に配置した充填材により、三角管33の耐座屈性能を向上することがきる。充填材は、例えば水、油又は流動性樹脂等で形成された液体のものや、金属又は樹脂等で形成された固体のものを採用できる。特に、固形化樹脂及び発泡性樹脂等のように、充填材の設置時に流動性を有し、設置後に固形化するものが、充填作業の容易化の点で好ましい。また、固体の充填材として、金属又は樹脂等で形成されたハニカム等の中空立体構造体を用いてもよい。
図7は、第3実施形態の構造用部材31を用いて形成したタイロッド310の縦断面である。このタイロッド310は、構造用部材31の両端に固定されたクレビス34,34が、芯材2に引張力を伝達し、三角管33に圧縮力を伝達する一方、外装材37には実質的に引張力及び圧縮力を伝達しないように形成されている。
クレビス34の口金部35は、8個の三角管33の先端が当接する端面35aに、この端面35aの中央に形成された螺旋孔35bと、端面35aの縁から軸方向に延出する壁部35cを有する。口金部35には、中央の螺旋孔35bに芯材2の端部2aが螺合すると共に、端面35aの螺旋孔35bを取り囲む部分に、8個の三角管33,33,・・・の端面が当接している。これらの8個の三角管33,33,・・・の端部を、壁部35cが取り囲んで嵌合している。口金部35の螺旋孔35bに螺合する芯材2の両方の端部2aには、いずれも順方向巻きの雄螺子が設けられている。8個の三角管33,33,・・・を配置した状態で、芯材2の両方の端部2aに口金部35の螺旋孔35bを螺合させ、クレビス34を回転させて芯材2に螺着することにより、この芯材2と三角管33,33,・・・の両端に、クレビス34を固定することができる。この場合、口金部35の端面35aが三角管33の端面に接するまでクレビス34を回動可能とするため、口金部35の壁部35cは、軸直角断面において8個の三角管33,33,・・・の外周側の角に内接する円形を成すように形成する。
なお、クレビス34の口金部35と芯材2の固定は、口金部35に貫通孔を形成し、この貫通孔に挿通した芯材2の先端部に螺合したナットで行ってもよい。すなわち、クレビス34の口金部35の中央に貫通孔を設け、この貫通孔に芯材2の先端部を挿通させて、口金部35のプレート部6側に突出させる。この芯材2の先端部の雄螺子にナットを螺合させ、このナットで口金部35のプレート部6側の端面を押圧することにより、芯材2にクレビス34を固定してもよい。この場合、クレビス34を回動する必要が無いため、口金部35の壁部35cは、軸直角断面において8個の三角管33,33,・・・の外周縁に内接する八角形に形成することができる。
クレビス34の壁部35cは、壁部35cの端面が外装材37の端面に対して隙間を置く軸方向長さを有するように設定され、これにより、外装材37が引張力及び圧縮力を受けないように形成されている。外装材37は、8個の三角管33,33,・・・に圧縮力が作用したとき、引張力及び圧縮力を受けないで周方向の耐力を確保することにより、三角管33,33,・・・の軸直角方向の移動を拘束して座屈耐性能力を発揮するようになっている。
第3実施形態の構造用部材31を用いて形成したタイロッド310によれば、複数の耐座屈材としての三角管33と、これらの三角管33を取り囲む外装材37を備えるので、高い圧縮強度と座屈耐性能力を有する。したがって、このタイロッド310は、引張力が主に作用すると共に、圧縮力が作用する機会も多い箇所に使用することができる。また、このタイロッド310は、正方形断面を有するので、構造物に対する適用が容易であり、高い汎用性を有する。また、外装材37として、正方形断面を有する既製の型材を用いることができるので、構造用部材31やタイロッド310の製造コストを効果的に削減できる。
図8は、第4実施形態の構造用部材と、この構造部材を用いたタイロッドを示す縦断面図である。第4実施形態の構造用部材41は、主に引張力を支持する一方、圧縮力に対しても一定の耐力を有すると共に、引張力及び圧縮力のいずれが作用したときにも緩衝機能を奏するものである。第4実施形態において、第1実施形態と同一の部分には同一の参照番号を引用して詳細な説明を省略する。
第4実施形態の構造用部材41は、正三角形断面を有する耐座屈材としての三角管43と、この三角管43の中心に配置された芯材42と、芯材42の途中に固定されたピストン45を備える。構造用部材41の一端に第1クレビス51を連結し、構造用部材41の他端に第2クレビス52を連結して、図8に示すような緩衝機能付きタイロッド410を構成している。なお、図8は、タイロッド410が第1クレビス51と第2クレビス52の間で引張力を伝達する際の様子を示しており、図9は、タイロッド410が第1クレビス51と第2クレビス52の間で圧縮力を伝達する際の様子を示している。
耐座屈材としての三角管43は、軸方向の両端が閉鎖されてシリンダを形成しており、このシリンダ内に、充填材であって作動流体としてのダンパー油を密封すると共に、芯材42に固定されたピストン45を軸方向に駆動可能に収容している。三角管43の一端は閉鎖壁44で閉鎖され、第1クレビス51の内側に、軸方向に移動可能に収容されている。閉鎖壁44の中央には、芯材42が軸方向に移動可能に挿通される挿通孔44aが形成されている。挿通孔44aには、芯材42との隙間をシールするため、図示しないOリング等のシール部材が設けられている。三角管43の他端は、第2クレビス52に移動不可に固定されて閉鎖されている。三角管43の他端の閉鎖面であって、第2クレビス52の端面54aには、芯材42の先端部が移動可能に挿通される挿通孔54bが形成されている。挿通孔54aには、芯材42との隙間をシールするため、図示しないOリング等のシール部材が設けられている。なお、三角管43の他端を閉鎖壁で閉鎖したうえ、第2クレビス52に移動不可に固定してもよい。この場合、閉鎖壁に挿通孔を形成し、芯材42を移動可能に挿通する。本実施形態の三角管43は、第1実施形態と同様に、金属や樹脂等の種々の材質のもので作製することができる。
芯材42は、三角管43で形成されたシリンダを貫通し、この三角管43に対して軸方向に相対変位可能に形成されている。芯材42の一端側は、三角管43の一端を閉鎖する閉鎖壁44の挿通孔44aから突出し、先端が第1クレビス51に固定されている。詳しくは、芯材42の一端部42aに形成された雄螺旋が、第1クレビス51の口金部53の螺旋孔53bに螺合することにより、芯材42の一端が第1クレビス51に固定されている。一方、芯材42の他端側は、三角管43の他端を閉鎖する第2クレビス52の端面の挿通孔54bに挿入されている。この第2クレビス52の挿通孔54bは、第2クレビス52内に形成されて挿通孔54bよりも径の大きい中空の係合室54cに連なっており、この係合室54c内を移動する係合具42bに、上記芯材42の他端が連結されている。芯材42に連結された係合具42bは、第1クレビス51に固定された芯材42と、第2クレビス52に固定された三角管43とが相対移動するに伴い、係合室54c内を軸方向に移動する。芯材42の軸方向の所定位置には、三角管43内のシリンダ内に配置されたピストン45が固定されている。本実施形態の芯材42は、金属や樹脂等の種々の材質のもので作製できるが、ピストン45を往復駆動可能なように、一定の剛性を奏する材質や寸法により作製するのが好ましい。
ピストン45は、三角柱形状を有し、芯材42に固定されると共に三角管43の内側に嵌合して、芯材42と共に軸方向に駆動可能に形成されている。ピストン45により、三角管43の内側が、ダンパー油で満たされる一端側の第1室46aと、ダンパー油で満たされる他端側の第2室46bとに区画されている。ピストン45には、図10に示すように、第1室46aと第2室46bとの間でダンパー油を流通させる大径の第1オリフィス451と、小径の第2オリフィス452とが形成されている。ピストン45の第1室46a側の端面には、第1オリフィス451の出口を開閉する第1弁体453が設けられている。この第1弁体453は、板バネで形成され、第1オリフィス451を流れるダンパー油の流速に応じて開度が変化するように形成されている。ピストン45の第2室46b側の端面には、第2オリフィス452の出口を開閉する第2弁体454が設けられている。この第2弁体454は、板バネで形成され、第2オリフィス452を流れるダンパー油の流速に応じて開度が変化するように形成されている。
上記構成の構造用部材41の一端は、第1クレビス51に対して、芯材42の一端が固定される一方、三角管43の一端部が軸方向に移動可能に収容されている。第1クレビス51は、芯材42が中央に固定されると共に三角管43の一端部を軸方向に移動可能に嵌合する口金部53と、この口金部53の芯材42が固定される側と反対側に設けられたプレート部6とを備える。
第1クレビス51の口金部53は、三角管43の一端面が接離する端面53aと、この端面53aの中央に設けられて芯材42の一端部42aの雄螺子が螺合する雌螺旋が形成された螺旋孔53bと、端面53aの縁から軸方向に延出する壁部53cを有する。口金部53の壁部53cは、この第1クレビス51に対して軸方向に移動する三角管43の一端部を、三角管43の移動過程において常に内側に収容するように形成されている。すなわち、壁部53cの軸方向の長さが、第1クレビス51と三角管43とが成す最大相対変位よりも大きい長さに形成されている。
上記構成の構造用部材41の他端は、第2クレビス52に対して、三角管43の他端が固定される一方、芯材42の他端が軸方向に移動かつ係合可能に収容されている。第2クレビス52は、芯材42を挿通する挿通孔54bが中央に形成されていると共に三角管43の他端を固定する口金部54と、この口金部54の三角管43が固定される側と反対側に設けられたプレート部6とを備える。
第2クレビス52の口金部54は、三角管43の他端の壁面を形成すると共に芯材42の他端が挿通される挿通孔54bが中央に設けられた端面54aと、上記挿通孔54bに連通して挿通孔54bよりも径の大きい係合室54cと、端面54aの縁から軸方向に延出する壁部54dを有する。口金部54の壁部54dは、三角管43の他端部を取り囲んで液密に固定している。係合室54cは、第1クレビス51に固定された芯材42と、第2クレビス52に固定された三角管43とが相対移動をする過程において、芯材42の他端に連結された係合具42bを軸方向に移動可能に収容している。
上記構成のタイロッド410は、第1クレビス51と第2クレビス52の間に引張力が作用すると、芯材42の一端と三角管43の他端とが互いに離隔して最大相対変位を成して、図8に示すように、芯材42の他端の係合具42bが、第2クレビス52の係合室54cの一端側の壁面に係合する。すなわち、芯材42の他端が、シリンダの他端側に係合する。これにより、第1クレビス51と第2クレビス52の間に、芯材42と係合具42bと係合室54とを介して引張力が伝達される。
一方、第1クレビス51と第2クレビス52の間に圧縮力が作用すると、芯材42の一端と三角管43の他端とが互いに近接して最小相対変位を成して、図9に示すように、三角管43の一端面が第1クレビス51の口金部53の端面53aに当接する。すなわち、シリンダの一端側が、芯材42の一端側に係止する。これにより、第1クレビス51と第2クレビス52の間に、三角管43と端面53aとを介して圧縮力が伝達される。
上記第1クレビス51と第2クレビス52の間に引張力を伝達する過程において、芯材42の一端と三角管43の他端とが互いに離隔するに伴い、芯材42に固定されたピストン45が、図11の矢印Aで示すように、三角管43の一端に近づく方向に相対移動する。これにより、ピストン45で区画される第1室46aが縮小すると共に第2室46bが拡大し、第1室46aのダンパー油が第2オリフィス452を通って第2室46bに流入する。この第2オリフィス452を流れるダンパー油の流体力により、ピストン45に移動方向と反対向きの抵抗力が作用し、ピストン45及び芯材42と三角管43との間の動きが緩衝される。その結果、第1クレビス51と第2クレビス52とが離隔する動作が緩衝される。このとき、第2オリフィス452の第2弁体454の開度が、流速に応じた開度となり、第1クレビス51と第2クレビス52に作用する引張力の衝撃の程度に応じて、ピストン45に作用する抵抗力が調整される。
一方、上記第1クレビス51と第2クレビス52の間に圧縮力を伝達する過程において、芯材42の一端と三角管43の他端とが互いに接近するに伴い、芯材42に固定されたピストン45が、図12の矢印Bで示すように、三角管43の他端に近づく方向に相対移動する。これにより、ピストン45で区画される第1室46aが拡大すると共に第2室46bが縮小し、第2室46bのダンパー油が第1オリフィス451を通って第1室46aに流入する。この第1オリフィス451を流れるダンパー油の流体力により、ピストン45に移動方向と反対向きの抵抗力が作用し、ピストン45及び芯材42と三角管43との間の動きが緩衝される。その結果、第1クレビス51と第2クレビス52とが接近する動作が緩衝される。このとき、第1オリフィス451の第1弁体453の開度が、流速に応じた開度となり、第1クレビス51と第2クレビス52に作用する圧縮力の衝撃の程度に応じて、ピストン45に作用する抵抗力が調整される。
上記第2オリフィス452の径が、上記第1オリフィス451の径よりも小さく形成されているので、ピストン45の抵抗力は、第1クレビス51と第2クレビス52に引張力を作用するときのほうが、圧縮力を作用するときよりも大きい。こうして、引張力に対する緩衝作用を、圧縮力に対する緩衝作用よりも大きく設定している。このようにして、対象に作用する荷重状態や、対象の設置状況等に対応した緩衝機能を得ることができる。なお、第1オリフィス451の径を第2オリフィス452の径よりも小さく形成し、第1クレビス51と第2クレビス52に圧縮力を作用するときの緩衝作用を、引張力を作用するときの緩衝作用よりも大きく設定してもよい。また、第1オリフィス451の径を第2オリフィス452の径と同じに形成して、圧縮力に対する緩衝作用と引張力に対する緩衝作用とを同じに設定してもよい。
本実施形態の緩衝機能付きタイロッド410によれば、このタイロッド410で支持する対象が、地震や風や活荷重を受けたときに、対象に加わる衝撃や振動を効果的に抑制することができる。また、第1クレビス51と第2クレビス52の間に圧縮力が作用するとき、耐座屈材である三角管43に作用する圧縮力を効果的に緩衝し、座屈防止を行うことができる。
上記実施形態において、耐座屈材としての三角管43の両端を閉鎖してシリンダを形成し、このシリンダ内に三角柱形状のピストン45を収容して緩衝機能付きタイロッド410を構成したが、耐座屈材の内側に円筒形状のシリンダを設け、このシリンダ内に円筒形状のピストンを収容して緩衝機能付きタイロッドを構成してもよい。円筒形状のシリンダは、耐座屈材の内側面を円筒形状に成形して設けてもよく、あるいは、耐座屈材の内側に円筒形部材を収容して設けてもよい。
上記各実施形態において、構造用部材1,21,31,41の両端にクレビス4,24,34,51,52を固定してタイロッド10,210,310,410を構成したが、構造用部材1,21,31,41の両端に、口金とリベットの挿通孔を有するフランジとを有する接続具を固定して、リベットで対象に固定されるタイロッドを構成してもよい。
1,21,31,41 構造用部材
2,42 芯材
3,33,43 三角管
4,24,34,51,52 クレビス
5,25,35,53,54 クレビスの口金部
6 クレビスのプレート部
7,37 外装材
10,210,310,410 タイロッド
45 ピストン
451 ピストンの第1オリフィス
452 ピストンの第2オリフィス
453 ピストンの第1弁体
454 ピストンの第2弁体

Claims (6)

  1. 線状の芯材と、
    上記芯材を取り囲む中空の三角形断面を有する複数の耐座屈材と
    上記複数の耐座屈材の外周を取り囲んで一体化する外装材とを備え、
    上記複数の耐座屈材は、隣り合う耐座屈材の側面が互いに接すると共に、これらの接する側面が、軸直角断面において上記芯材を中心とする放射状をなすように配置されており、
    上記複数の耐座屈材は、軸直角断面において直角二等辺三角形状を有し、
    隣り合う上記耐座屈材が、軸直角断面において互いに同じ長さの辺を接するように配置されて、上記複数の耐座屈材の軸直角断面が正方形の輪郭を成すように形成されていることを特徴とする構造用部材。
  2. 請求項1に記載の構造用部材において、
    上記耐座屈材の内側に、充填材が充填されていることを特徴とする構造用部材。
  3. 請求項に記載の構造用部材において、
    上記耐座屈材の内側に形成され、上記芯材が軸方向に駆動可能に貫通したシリンダと、
    上記芯材に固定され、上記シリンダ内を作動流体としての上記充填材で満たされた2つの室に区画するピストンとを備え、
    上記芯材の一端と上記シリンダの他端とが、引張力又は圧縮力を受けて軸方向に相対変位可能に形成されており、上記芯材の他端側が、最大変位を成したときに上記シリンダの他端側に係合する一方、上記シリンダの一端側が、最小変位を成したときに上記芯材の一端側に係止するように形成されていることを特徴とする構造用部材。
  4. 線状の芯材と、
    上記芯材を取り囲む中空の三角形断面を有する耐座屈材と
    を備え、
    上記耐座屈材の内側に、充填材が充填されており、
    上記耐座屈材の内側に形成され、上記芯材が軸方向に駆動可能に貫通したシリンダと、
    上記芯材に固定され、上記シリンダ内を作動流体としての上記充填材で満たされた2つの室に区画するピストンとを備え、
    上記芯材の一端と上記シリンダの他端とが、引張力又は圧縮力を受けて軸方向に相対変位可能に形成されており、上記芯材の他端側が、最大変位を成したときに上記シリンダの他端側に係合する一方、上記シリンダの一端側が、最小変位を成したときに上記芯材の一端側に係止するように形成されていることを特徴とする構造用部材。
  5. 請求項3又は4に記載の構造用部材において、
    上記ピストンに、上記作動流体を上記2つの室の間で流通させる流体通路が設けられていることを特徴とする構造用部材。
  6. 請求項3又は4に記載の構造用部材において、
    上記ピストンの流体通路は、上記作動流体の流れる方向に応じて異なる抵抗力が生じるように形成されていることを特徴とする構造用部材。
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