JP6440062B2 - マグネシウム系合金 - Google Patents
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Description
ここで、鋳造で製造される合金部素材では、「引け巣」と呼ばれる鋳造欠陥が生じることがある。この引け巣には鋳造部素材の表面に生じる「外引け巣」と内部に生じる「内引け巣」があり、これらの引け巣が生じると、合金における強度分布にばらつきが生じてしまうことになる。
全体に対して、8質量%〜11質量%のカルシウムと、
残部のマグネシウムおよび不可避混合物とからなるマグネシウム合金であって、
マグネシウム合金の鋳造時における液相線温度と固相線温度との範囲である凝固温度範囲は、30℃以下であり、
液相線温度は、545℃以上555℃以下である。
全体に対して、8質量%〜11質量%のカルシウムと、
残部のマグネシウムおよび不可避混合物とからなる。
従来技術において説明したように、特許文献1などで示される従来技術でのマグネシウム合金は、カルシウムを添加することで、発火温度を上昇させて難燃性を向上させる。難燃性の高いマグネシウム合金は、当然ながら従来別の主原料による合金と比較して軽量性が求められる機器への応用が図られやすくなる。
実施の形態におけるマグネシウム合金は、全体に対して、12.15質量%〜16.5質量%のアルミニウムと、全体に対して、8質量%〜11質量%のカルシウムと、残部のマグネシウムおよび不可避混合物とからなる。すなわち、実施の形態におけるマグネシウム合金は、マグネシウム、アルミニウムおよびカルシウムの3元系合金であり、マグネシウムを基礎としつつアルミニウムおよびカルシウムを原料とする。
測定範囲:400℃〜650℃
昇温速度:10℃/分
ガス流量:17ml/分(アルゴンガス)
組成比率について説明する。図2は、本発明の実施の形態におけるマグネシウム合金の組成比率を示す説明図である。発明者は、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムの組成比率をそれぞれ変化させながら、凝固温度範囲がどの程度となるかを測定した。
全体に対してアルミニウムが9質量%、亜鉛が1質量%、残部がマグネシウムであるマグネシウム合金。
全体に対して、アルミニウムが9質量%、亜鉛が1質量%、カルシウムが2質量%、残部がマグネシウムであるマグネシウム合金。
全体に対してアルミニウムが6質量%、マンガンが0.4質量%、カルシウムが2質量%、残部がマグネシウムであるマグネシウム合金。
第1グループにおいては、第5列から第9列目までのマグネシウム合金の凝固温度範囲は30以下である。第1グループは、カルシウムを10質量%に固定した状態でアルミニウムを増加させていったものであるが、この第5列〜第9列以外の組成比率においては、図3の表から明らかなとおり、凝固温度範囲が30℃以上であり、最大のものでは48.9℃である。このような凝固温度範囲が大きいものは従来技術のマグネシウム合金の凝固温度範囲に比較して十分に小さいとは言えない。このため、これらの組成比率では、目標とする成形性、硬度、強度、難燃性のすべてを実現できるマグネシウム合金は得られない。
第2グループにおいても、アルミニウムが13.5質量%であり、カルシウムが10質量%であり、残部がマグネシウムであるマグネシウム合金である、第17列の結果が実施例1である。これは、図2の点Aに対応している。
第3グループでは、図3の表の第30列の結果のマグネシウム合金が、実施例1である。第29列〜第31列のマグネシウム合金は、凝固温度範囲が30℃以下である。比較例1〜3に比較して、凝固温度範囲は十分に小さい。この第29列〜第31列のマグネシウム合金が、実施の形態におけるマグネシウム合金として適切である。
実施の形態におけるマグネシウム合金の成形性を、湯流れ性に基づいて実験した結果を説明する。ここで、実施の形態におけるマグネシウム合金とは、全体に対して12.15質量%〜16.5質量%のアルミニウムと、8質量%〜11質量%のカルシウムと、残部のマグネシウムと不可避混合物とからなるマグネシウム合金である。また、実施例1は、全体に対して13.5質量%のアルミニウムと、全体に対して10質量%のカルシウムと残部のマグネシウムおよび不可避混合物からなるマグネシウム合金である。
実施例1においては、溶融金属が650℃の場合には、湯流れ長さは1430mmである。少なくとも1400mm以上である。
実施例2においては、溶融金属が650℃の場合には、湯流れ長さは1242mmである。少なくとも1200mm以上である。
次に、難燃性向上の確認結果を説明する。図7は、本発明の実施の形態における難燃性向上確認実験結果を示す表である。図7の実験結果をもとに図2で説明された本発明の実施の形態の原料および組成比率を示すものに発火温度を図示したものが図8である。
次に、硬度向上の確認実験結果について説明する。
測定装置:ビッカース硬度計(FV−300:フォーチュアテック製)
測定荷重:500g
保持時間:15秒
発明者は、実験に合わせて、作製したマグネシウム合金の組織を観察した。
Claims (9)
- 全体に対して、12.15質量%〜16.5質量%のアルミニウムと、
全体に対して、8質量%〜11質量%のカルシウムと、
残部のマグネシウムおよび不可避混合物とからなるマグネシウム合金であって、
前記マグネシウム合金の鋳造時における液相線温度と固相線温度との範囲である凝固温度範囲は、30℃以下であり、
前記液相線温度は、545℃以上555℃以下である、マグネシウム合金。 - 前記アルミニウムが、全体に対して13.5質量%であり、
前記カルシウムが、全体に対して10質量%である、請求項1記載のマグネシウム合金。 - 前記固相線温度は、518℃以上530℃以下である、請求項1または2記載のマグネシウム合金。
- 前記マグネシウム合金の鋳造時において製造される溶融合金の湯流れ長さは、前記溶融合金が650℃の場合に、1200mm以上である、請求項1から3のいずれか記載のマグネシウム合金。
- 前記マグネシウム合金の鋳造時において製造される溶融合金の湯流れ長さは、前記溶融合金が700℃の場合に、1500mm以上である、請求項1から3のいずれか記載のマグネシウム合金。
- 前記マグネシウム合金での、外部からの加熱による発火温度は、1000℃以上である、請求項1から5のいずれか記載のマグネシウム合金。
- 前記マグネシウム合金のビッカーズ硬度は、90Hv以上である、請求項1から6のいずれか記載のマグネシウム合金。
- 前記マグネシウム合金のビッカーズ硬度は、115Hv以下である、請求項7記載のマグネシウム合金。
- 前記マグネシウム合金の引張強度は、140MPa以上である、請求項1から8のいずれか記載のマグネシウム合金。
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