JP6438843B2 - 回転トルク測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転トルク測定装置に関する。
鋼管杭の施工方法として、杭打機によって鋼管杭の下端付近を振れ止めしながら、杭回転装置(オーガー)で当該鋼管杭を回転させて地盤に埋設するというものがある。
このように鋼管杭を施工する際、該鋼管杭の先端が杭の支持層まで到達したかを確認するため等の手法として、回転トルクを測定して判断することが行われている(例えば、特許文献1参照)。回転トルクは、一般的にはオーガーモーターの油圧から換算して求められている。
上記のように回転トルクをパラメータとして利用する場合、トルクを校正して精度を保つことが重要となる。従来、回転トルクを校正するにあたっては、固定した鋼管にひずみゲージを取り付け、この鋼管にトルク(ねじりモーメント)をかけ、施工機械側での油圧から換算したトルクの表示値とひずみゲージから求められたトルクの差を読み取り、適宜修正をするということが実施されている。このようにして校正された回転トルクの精度は例えば5%程度である。
さて、実際の施工の場面では、鋼管杭の回転埋設中に回転トルクを測定することから、本来ならば、校正を行うにあたっても回転中のトルクを測定しての校正(動的トルク校正)をすることが望ましい。ところが、従来、回転中のトルクを測定するための手法が提案されてはいるものの、そのためのシステムが複雑で高価なものであった。また、上述のごとき従来手法により校正された回転トルクの精度は例えば5%程度であり、向上の余地があった。
こういった課題の解決を図りうるものとして、鋼管ヤットコに磁歪式トルクセンサーとセンサー専用の治具を設置することで、鋼管杭の回転中の連続的な回転トルクを精度よく測定できるようにした回転トルク測定装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。トルク校正は、実際の施工と同様の条件、すなわち鋼管杭の回転中のトルクを測定して行うのが望ましいはずであるが、それを実現するためのシステムが複雑になってしまうため、一般的には、鋼管杭を回転させず静止させた状態で回転トルクを測定している実情がある。このような実情を鑑み、特許文献2に記載の回転トルク測定装置は、簡易な構成により、杭等の回転中におけるトルクを測定してのトルク校正(動的トルク校正)を行うこと、さらには、既存のシャフト(鋼管杭など)に簡易的な加工で設置することを実現するもので、回転トルク測定装置を構成する鋼管(例えばヤットコシャフト)の表面に、例えば金属ガラスを溶射することによって金属ガラス被膜(金属アモルファス)を形成している。
国際公開第2012/173261号 特開2014−219259号公報
鋼管杭に作用する大きなトルクを測定するには、相応の大きさの回転トルク測定装置が必要になる。ところが、従来、大径の鋼管の表面にアモルファスを溶射することは、それに適した設備がないといった事情から困難なことであった。
そこで、本発明は、大型の鋼管杭が埋設されるとき当該杭に作用する回転トルクを測定することが可能であり、尚かつ、中小型の鋼管杭にも適用可能で、コスト削減にも適した回転トルク測定装置を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するべく検討した本発明者は、大径の鋼管の表面にアモルファス溶射することが難しいのであれば、アモルファス溶射された従来の中小型の磁歪センサーを利用することに着目し、新たな知見を得るに至った。本発明はかかる知見に基づくものであり、地盤に施工される杭に作用する回転トルクを測定する回転トルク測定装置であって、
前記杭に着脱可能であり、該杭と一体的に回転するトルク伝達用鋼管と、
該トルク伝達用鋼管の内部に配置される磁歪センサー軸と、
前記トルク伝達用鋼管と前記磁歪センサー軸とを締結し、前記回転トルクによって前記トルク伝達用鋼管に作用するトルクを伝達して当該磁歪センサー軸にトルクを作用させる締結部材と、
前記磁歪センサー軸の外周に設けられ、当該磁歪センサー軸に作用したトルクの大きさを測定する磁歪センサーと、
を備えることを特徴とする。
杭にトルク伝達用鋼管を取り付けた状態で回転トルクを作用させ、これらを一体的に回転させると、杭およびトルク伝達用鋼管がねじり変形する。トルク伝達用鋼管がねじり変形すると、その変形が締結部材を介して伝えられ、トルク伝達用鋼管の内部に配置された磁歪センサー軸もまたねじり変形し、磁歪センサーにおける金属ガラス被膜の形成された磁歪部の透磁率に変化を生じさせるので、この変化をコイルで検出することにより、杭の回転中におけるトルクを測定し、該測定結果に基づくトルク校正(動的トルク校正)を行うことができる。
また、この回転トルク測定装置におけるトルク伝達用鋼管は杭に着脱可能であり、既存の鋼管杭などに簡易的な加工で設置することを可能とするものである。
前記磁歪センサーは、
前記磁歪センサー軸の外周面に周回するように設けられた磁歪部と、
該磁歪部と所定の間隔を維持しながら前記磁歪センサー軸に対して相対回転可能に設けられたコイル部と、
を備えることが好ましい。
この回転トルク測定装置においては、センサー軸がねじり変形すると、磁歪センサーの磁歪部に歪みが生じる。歪んだ磁歪部は、該歪みに対する透磁率の変化を生じさせるので、この変化をコイル部で検出することにより、杭の回転中におけるトルクを測定し、該測定結果に基づくトルク校正(動的トルク校正)を行うことができる。しかも、磁歪部における歪み(透磁率変化)を、磁歪センサー軸に対して相対回転可能なコイル部で検出することから、磁歪部のある一箇所のみを検出対象とする場合に比べ、回転トルクの測定データの精度が向上する。
前記磁歪センサー軸は、前記締結部材により前記トルク伝達用鋼管に対して着脱可能に取り付けられることが好ましい。こうした場合、トルク伝達用鋼管から磁歪センサー軸を取り外して磁歪センサーのメンテナスを実施しやすい構造となる。
また、回転トルク測定装置が、当該回転トルク測定装置に内蔵され、前記磁歪センサーに電力供給するバッテリーを備えることが好ましい。
前記磁歪センサーによる測定信号を無線信号にて送信する無線送信器をさらに備えることも好ましい。
本発明によれば、大型の鋼管杭が埋設されるとき当該杭に作用する回転トルクを測定することが可能であり、尚かつ、中小型の鋼管杭にも適用可能で、コスト削減にも適した回転トルク測定装置を提供することができる。
杭施工時における鋼管杭、杭打機などの一例を示す概略図である。 本発明に係る回転トルク測定装置の一実施形態におけるトルク伝達用鋼管等の構造例を示す半裁断面図である。 図2のIII-III線における回転トルク測定装置の横断面図である。 図3のIV-IV線における回転トルク測定装置の部分断面図である。 トルク伝達用鋼管を軸方向に分割した状態の回転トルク測定装置の概略構成を、ハッチングを省略して示す図である。 実施例1において得られた回転トルク値などのデータに基づくグラフである。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5に本発明にかかる回転トルク測定装置1の一実施形態を示す。この回転トルク測定装置1は、地盤G中に鋼管杭100を施工する際、当該鋼管杭100に作用する回転トルクを測定する装置である。以下では、杭施工に利用される一般的な杭打機101の構成をまず簡単に説明し(図1参照)、その後、回転トルク測定装置1の構成を説明する。
杭打機101は、リーダー102、オーガー103、振れ止め装置104などを備えており、杭(例えば鋼管杭100)を立設させながら回転させ、地盤Gに埋設させる機械である(図1参照)。なお、図1において、鋼管杭100の基端(上端)に着脱可能な回転トルク測定装置1を想像線で示している。
オーガー(杭回転装置)103は、杭打時において鉛直方向に立設するリーダー102に沿って移動可能に設けられており、当該リーダー102の長手方向に沿って昇降する(図1参照)。オーガー103には、鋼管杭100を直接接続することができるし、あるいはヤットコシャフト2を介して連結することもでき、該オーガー103を回転駆動させることによって鋼管杭100を回転させることができる。
鋼管杭100の具体的な形状等は特に限定されないが、例えば、図1に示す鋼管杭100はその先端に掘削用の螺旋状羽根100aが設けられているもので、回転時、螺旋状羽根100aが生じさせる地中への推進力およびオーガー103による垂直方向の押込み力を利用して当該鋼管杭100を未掘削の地盤Gに食い込ませながら掘進させることができるようになっている。地盤Gに対して鋼管杭100が掘進する際、オーガー103もリーダー102に沿って降下する。
振れ止め装置104は、杭打される鋼管杭100をガイドして当該鋼管杭100の横振れ(水平方向への振れ)を抑える装置で、例えばリーダー102の下部に設けられている(図1参照)。また、振れ止め装置104は、鋼管杭100の軸線回りに鋼管杭100を取り囲んで案内するガイド部(図示省略)を備えている。
続いて、回転トルク測定装置1の構成例を具体的に説明する(図2等参照)。本実施形態の回転トルク測定装置1は、ヤットコシャフト(トルク伝達用鋼管)2、磁歪センサー軸3、締結部材4、磁歪センサー5、バッテリー6、無線送信器7などによって構成されている。
ヤットコシャフト2は、鋼管杭100とオーガー103の間に着脱可能なもので、該オーガー103の回転トルクを鋼管杭100に伝達しながら該鋼管杭100と一体的に回転するトルク伝達部材として機能する。また、ヤットコシャフト2は、鋼管杭100と一体的に回転する際、回転時に作用する回転トルク(ねじりモーメント)に対応した応力を生じ、ねじられて歪みを生じる。本実施形態のヤットコシャフト2は、外フランジ部21,22においてボルト及びナットからなる締結具23,24を利用して締結されており、これら締結具23,24を外して軸方向に分割可能となっている(図2、図5参照)。なお、図5では、図3および図4に示したものとは一部異なる構成の回転トルク測定装置1について分解した場合の概略を示している。ヤットコシャフト2の内部には、磁歪センサー軸3、締結部材4、磁歪センサー5が設置される。なお、このようなヤットコシャフト2として、既製のヤットコ(鋼管製の仮杭)をそのままあるいは改良して利用することが可能である。
磁歪センサー軸3は、ヤットコシャフト2の内部に配置されたトルク計測用のシャフトである。この磁歪センサー軸3は、中空ないしは中実の均一径の断面円形軸で構成されており、ヤットコシャフト2のねじりが締結部材4を介して伝えられて同じ方向にねじられる。磁歪センサー軸3の材質は、アモルファスが形成される材質でない限りは、とくに限定されない。磁歪センサー軸3は、その中心軸が、鋼管杭100およびヤットコシャフト2の中心軸に一致するように配置される(図2、図5参照)。
締結部材4は、ヤットコシャフト2と磁歪センサー軸3とを締結し、回転トルクによってヤットコシャフト2に作用するトルク(ねじりモーメント)を磁歪センサー軸3に伝達し、該磁歪センサー軸にもトルクを作用させる。このようにトルクを伝達する機能を有するものであればその形状、構造等はとくに限定されることがなく、例えば、磁歪センサー軸3の一端部近傍と他端部近傍をそれぞれヤットコシャフト2の内周面2bに直接または間接的に締結する一対の締結器具で構成することができる。本実施形態では、ヤットコシャフト2の内周面2bに形成された一対の内フランジ部25,26に対して磁歪センサー軸3の一端部近傍と他端部近傍をそれぞれ締結部材4で固着するようにしている(図2参照)。なお、内フランジ部25には、磁歪センサー5の配線を引き出すための引出孔27が形成されている(図2参照)。
また、締結部材4は、ヤットコシャフト2に対して磁歪センサー軸3を着脱可能に締結するものであることが好ましい。こうした場合、ヤットコシャフト2から磁歪センサー軸3を適時取り外すことができるので、磁歪センサー5のメンテナンスを実施する場合などに便宜である。例えば、軸とボスの締結に適した摩擦式締結要素である株式会社椿本チエイン製の「パワーロック」(登録商標)はこのような着脱式の締結部材4として好適である。本実施形態の回転トルク測定装置1においては、図2中で向かって右側の締結部材4側から磁歪センサー軸3を軸方向にずらして取り外すことが可能となっている。
磁歪センサー5は、磁歪センサー軸3に作用したねじれ角の大きさを測定する装置であり、磁歪センサー軸3の外周に設けられている。本実施形態の磁歪センサー5は、磁歪部51と、コイル部52とを含み、さらにケーシング53等を含む。
磁歪センサー5の磁歪部51は、歪み量に応じて透磁率の変化を生じさせる部材により、磁歪センサー軸3の外周面3aに形成されている(図2参照)。磁歪部51が歪むことによって透磁率の変化が生じた場合、この変化をコイル部52で検出することにより、磁歪センサー軸3に作用している回転トルクの大きさを測定することが可能である。
本実施形態の磁歪部51は、磁歪センサー軸3の外周面3aに金属ガラスを溶射して複層とし、該外周面3aを周回するように帯状に形成したものである。このような磁歪部51の具体的な形成の仕方は特に限定されないが、例示すれば以下のようなものがある。
すなわち、まず、磁歪センサー軸3の溶射部の表面(溶射成膜部)をブラスト処理し、それ以外の表面にはマスキングをする。ちなみに、溶射成膜部の被膜への密着性をよりよくする(金属ガラスをより密着させる)には、例えばブラスター装置によって研磨粒子を溶射成膜部に直接投射するなど、あらかじめショットブラストにより表面を粗く施し表面積を大きくしておくことが好適である。その後、予熱し(一例として400℃程度)、金属ガラスを溶射して金属ガラス被膜(金属アモルファス)を形成する。次に、マスクブラストによるパターニングを行う。具体的には、溶射膜の形成後、パターンマスクを巻き付け装着し、ショットブラストを行うことによってパターニングする。以上により、磁歪センサー軸3の外周面3aに金属ガラスからなる磁歪部51が形成される。このように溶射被膜を形成する本実施形態においては、磁歪部51を高透磁率化することが可能である。
また、特に図示していないが、平行な2列の帯状溶射皮膜(周回部)によって磁歪部51を形成するとともに、これら2列の周回部においてはパターニング時に形成されるアモルファスの向き(バイアスの傾き)を互いに異なる45°の左右対称パターニングとしてもよい。このような磁歪部51においては、磁歪センサー軸3に一方向(時計回りあるいは反時計回り)への回転トルクが作用している場合に、一方の帯状溶射皮膜には引っ張り応力、他方の帯状溶射皮膜には圧縮応力が作用することになる。
磁歪センサー5のコイル部52は、磁歪部51と所定の間隔を維持するように配置され、磁歪部51における透磁率の変化を検出するための励磁コイルと、検出コイルによって構成されている。上述のように平行な2列の帯状溶射皮膜によって磁歪部51が形成されている場合は、これら帯状溶射被膜のそれぞれに対して1つずつ計2つのコイルが配置される。特に図示していないが、各コイルは、ヤットコシャフト2内に配置されるコイルボビンと、該コイルボビンを芯として形成されたコイルとからなり、磁歪センサー軸3に対して相対回転可能となっている。励磁コイルにはセンサーケーブル55を通じてセンサーアンプ56の励磁回路が接続され、検出コイルによって検出された信号は、センサーケーブル55を通じてセンサーアンプ56に送られ、増幅、整流、演算処理の後、無線送信器7へと送信される(図3、図4参照)。
磁歪センサー5のケーシング53は、コイル部52を支持しつつ、磁歪センサー軸3に対して相対回転可能に設けられる部材である。本実施形態のケーシング53は磁歪センサー軸3よりも大径の筒状に形成されており、該磁歪センサー軸3の外周側に配置される。このケーシング53の内周面には、コイルを構成するコイルボビン、ボールベアリング54等が設けられている(図2参照)。
ボールベアリング54は、磁歪センサー軸3とケーシング53との間に配置される軸受であり、磁歪センサー軸3に対してケーシング53を回転自由な状態で支持する。このようなボールベアリング54等の軸受を使用することで、ヤットコシャフト2に対して5を相対回転する際、磁歪部51(の表面)とコイルとの隙間の変動を極力抑えて一定にすることが可能となる。
バッテリー6は、磁歪センサー5に電力供給する内部給電装置として回転トルク測定装置1に併設されている(図2参照)。仮に、回転する回転トルク測定装置1の磁歪センサー5にバッテリーを利用せず外部から電力供給するとすれば長い給電ケーブルやその途中のスリップリングといった構成が必要だが、バッテリー6を内蔵する本実施形態の回転トルク測定装置1においてはこのような構成が不要であり、ケーブルレスとして構成を簡素化することが可能である。本実施形態のバッテリー6は、内フランジ部25に固定されている(図3参照)。
また、本実施形態のバッテリー6には充電用コネクター61が併設されており、この充電用コネクター61に充電用ケーブルを接続して充電することが可能となっている。充電用コネクター61は充電が行いやすい箇所、例えばヤットコシャフト2の外周面2aにコネクター端が位置するように設けられている(図2参照)。また、本実施形態の回転トルク測定装置1には、磁歪センサー5、バッテリー6等の回路をオン・オフするメインキースイッチ62や、充電回路基板63が併設されている(図2参照)。
無線送信器7は、磁歪センサー5による測定信号を無線信号にて外部に送信する装置である。このような装置としては、各種通信機器に置いて従来利用されている各規格に準じたものを用いることができる。無線送信器7によって測定信号を送信することとすれば、外部との間で送受信するためのケーブルが不要であるから、構成を簡素化することができる。本実施形態の無線送信器7は、アンテナケーブル71によってアンテナ72と接続されている。アンテナ72は、信号を送受信するのに適した位置、例えばヤットコシャフト2の外周面2aの付近に配置されている(図2参照)。ヤットコシャフト2の回転時に信号を送信する点からすれば、ヤットコシャフト2による電波妨害の少ないダイバーシティアンテナを採用することは好適なことである。
ここで、回転トルク測定装置1におけるトルクの検出原理について簡単に説明しておく。ヤットコシャフト2に回転トルクが加わると、締結部材4を介してこの回転トルクが伝えられ、磁歪センサー軸3にも回転トルクが加わる。このとき、アモルファスの向き(バイアスの傾き)が互いに異なる2列の磁歪部51の一方には引張応力、他方には圧縮応力が作用する。そうすると、磁歪部51の一方では透磁率が増加し、他方では減少する。このように透磁率が変化すると、コイル部52のコイルには、励磁コイルと検出コイルの間の誘導結合率が変化するので、これを検出コイルで検出し、直流変換、差動増幅、直線化補正することによって回転トルクの大きさに比例した電圧出力が得られる。
なお、ヤットコシャフト2のねじれ角と磁歪センサー軸3のねじれ角が同一となるようにあらかじめ調整されていれば、磁歪センサー軸3のねじれ角からヤットコシャフト2のねじれ角を得ることができる。また、ヤットコシャフト2のねじれ角と磁歪センサー軸3のねじれ角が同調しない場合には、両者の関連度をあらかじめ把握しておき、計測した磁歪センサー軸3のねじれ角に所定の係数を乗じるなど、相関関係の検量線を利用してヤットコシャフト2のねじれ角を得ることができる。
以上のごとき構成の回転トルク測定装置1を用いる場合、まず、回転トルク測定装置1を鋼管杭100とオーガー103との間に配置し(図1参照)、オーガー103を駆動して回転させる。回転時、回転トルク測定装置1のヤットコシャフト2は、回転トルクを受けるとともに、締結部材4を介して該回転トルクを磁歪センサー軸3に伝達しつつ鋼管杭100と一体的に回転する。また、このとき、回転トルクの作用によって磁歪センサー軸3の磁歪センサー5の磁歪部51に歪みが生じ、該歪みに応じて透磁率が変化するので、この変化をコイル部(コイル)52で検出することにより、鋼管杭100の回転中におけるトルクを測定することができる。いうまでもないが、トルクを校正するには、ひずみゲージなどの比較対象が必要である。
しかも、本実施形態の回転トルク測定装置1においては、磁歪部51における歪み(透磁率変化)を、磁歪センサー軸3に対して相対回転可能に設けられたコイル部(コイル)52で検出することができる。このように相対回転可能なコイルを使って周回する磁歪部51の全体を検出対象とすれば、磁歪部51のある一箇所のみを検出対象とした場合に比べ、より精度の高い回転トルクの測定データを得ることが可能となる。すなわち、上述のように金属ガラス等を何層も溶射成膜して磁歪部51を形成する場合、周方向の厚みが常に一定だとは限らず、微細な誤差が生じうることは避けがたいが、そうだとしても磁歪部51の全体を検出対象とすれば、局部的な誤差を極力排除して安定した測定データ(平均に近い測定データ)を入手することが可能となる。
以上、ここまで説明した本実施形態の回転トルク測定装置1によれば、ヤットコシャフト2に作用した回転トルクを中小型の磁歪センサー軸3に伝達し、相関関係を求めて測定するので、大きなトルクが作用する大径の鋼管杭100をも測定対象とすることができる。また、鋼管杭100や大径ヤットコシャフト2の表面にアモルファス薄膜(磁歪部51)を直接形成することなくトルク測定が可能であることから、コストダウンを図ることができる。
しかも、上述したようにケーブルレスの構造(外部からの給電ケーブル、データ送信ケーブルがない構造)でトルク測定が可能であり、尚かつ、ケーブルレスのため施工機械の変更時においても付替えが簡単であり迅速に対応することが可能である。また、磁歪センサー軸3や磁歪センサー5で汎用的な検出装置を構成し、これらをヤットコシャフト2の内部に配置した構成によれば、従来よりも大きなトルク(一例として、100t程度のトルク)が作用する場合も測定を実施することが可能である。加えて、磁歪センサー5の小型化、共通化による量産効果によってコストダウンを図りうるという利点もある。
加えて、上述したように、本実施形態の回転トルク測定装置1におけるヤットコシャフト2は鋼管杭100に着脱可能なものである。このため、既存の鋼管杭100などにおいて回転トルクを測定する際、簡易に設置することを可能とする。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した実施形態では鋼管杭100を施工対象とした場合について説明したが、鋼管杭以外の杭を施工対象とした場合も本発明の適用が妨げられないことはいうまでもない。例えば、コンクリートパイルの施工時や、掘削装置・治具のトルクを測定する場合にも本発明は有用である。
上述のごとき構成の回転トルク測定装置1を用いて回転トルク値のデータを得た。データの結果を表1に示す。ここでは、50、60、・・・、140という10刻みの各回転トルク「設定値」における、「ロードセル方式で計測した回転トルク値」および本回転トルク測定装置1で計測した電圧値が表されている。
Figure 0006438843
図6に、上記データから得られたグラフを示す。ここでは、横軸に「ロードセル方式で計測した回転トルク値」、縦軸に本回転トルク測定装置1で計測した電圧値の各値をプロットした。この結果、これら「ロードセル方式で計測した回転トルク値」と、本回転トルク測定装置1で計測した電圧値との間に一定の関係があり、相関関係を表す検量線が存在することが確認された(図6参照)。
本発明は、地盤に施工される杭に作用する回転トルクを測定する装置に適用して好適である。
1…回転トルク測定装置
2…ヤットコシャフト(トルク伝達用鋼管)
2a…外周面
3…磁歪センサー軸
3a…(磁歪センサー軸の)外周面
4…締結部材
5…磁歪センサー
6…バッテリー
7…無線送信器
51…磁歪部
52…コイル部
100…鋼管杭
G…地盤

Claims (5)

  1. 地盤に施工される杭に作用する回転トルクを測定する回転トルク測定装置であって、
    前記杭に着脱可能であり、該杭と一体的に回転するトルク伝達用鋼管と、
    該トルク伝達用鋼管の内部に配置される磁歪センサー軸と、
    前記トルク伝達用鋼管と前記磁歪センサー軸とを締結し、前記回転トルクによって前記トルク伝達用鋼管に作用するトルクを伝達して当該磁歪センサー軸にトルクを作用させる締結部材と、
    前記磁歪センサー軸の外周に設けられ、当該磁歪センサー軸に作用したトルクの大きさを測定する磁歪センサーと、
    を備えることを特徴とする回転トルク測定装置。
  2. 前記磁歪センサーは、
    前記磁歪センサー軸の外周面に周回するように設けられた磁歪部と、
    該磁歪部と所定の間隔を維持しながら前記磁歪センサー軸に対して相対回転可能に設けられたコイル部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の回転トルク測定装置。
  3. 前記磁歪センサー軸は、前記締結部材により前記トルク伝達用鋼管に対して着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の回転トルク測定装置。
  4. 当該回転トルク測定装置に内蔵され、前記磁歪センサーに電力供給するバッテリーを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転トルク測定装置。
  5. 前記磁歪センサーによる測定信号を無線信号にて送信する無線送信器をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の回転トルク測定装置。
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