JP6436555B2 - シューズのアッパー構造 - Google Patents

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Description

本発明は、シューズのアッパー(甲被)構造に関し、詳細には、足の個体差に応じて静的フィット性およびホールド性を容易に向上できるようにするための構造の改良に関する。
シューズのアッパー構造として、たとえば特許第3780296号公報に示すようなものが提案されている。当該公報には、アッパーの内側面において足のリスフラン関節の一部を覆う位置に内側伸縮部を設けるとともに、アッパーの外側面において足の第5中足骨骨頭を覆う位置に外側伸縮部を設けることにより、走行時におけるアッパーのフィット性を向上できるようになると記載されている(当該公報の段落[0036]、[0037]および[0056]、ならびに図1および図5参照)。
上記公報に記載のものでは、走行時におけるアッパーのフィット性(言わば動的フィット性)を向上させることを主眼としており、静止時におけるアッパーのフィット性(言わば静的フィット性)については言及されていない。
静的フィット性に関しては、足長が同じであっても足囲や足形状には個体差があるため、たとえば伸縮性素材からアッパーを構成することでアッパー全体を伸縮自在にすることにより、アッパーを様々な足囲や足形状に適合させるようにすることも考えられるが、この場合、足に対するホールド性は低下する。その一方、異なる足囲や足形状に対応できるように、異なるラストを用いたり、アッパーに対する補強材の配置を変更したりして、足の個体差に応じたアッパーを用意することは、非常に煩雑であり、シューズのコストもアップする。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、足の個体差に応じて静的フィット性およびホールド性を容易に向上できるシューズ用アッパー構造を提供することにある。
本発明に係るシューズ用アッパー構造は、足の中足趾節関節またはその近傍から前方側領域を覆う第1のアッパー部と、第1のアッパー部の後方側領域を覆う第2のアッパー部とを備え、第1のアッパー部の後端縁部の上下端と第2のアッパー部の前端縁部の上下端とがそれぞれ直接固着されるとともに、各上下端の間の領域において第1のアッパー部の後端縁部および第2のアッパー部の前端縁部が互いに分離している(請求項1参照)。
本発明においては、第1のアッパー部の後端縁部および第2のアッパー部の前端縁部の各上下端の間の領域においてこれら後端縁部および前端縁部が互いに分離しているため、各上下端の間の領域において第1のアッパー部の後端縁部および第2のアッパー部の前端縁部の間隔が変化し得る。これにより、足囲や足形状等の足の個体差に応じて第1のアッパー部の後端縁部および第2のアッパー部の前端縁部が互いの間隔が変化するように変形する(つまり前後方向にずれたり、外側に膨らんだりする)ので、静的フィット性を向上できる。
しかも、本発明では、第1のアッパー部の後端縁部の上端および第2のアッパー部の前端縁部の上端、ならびに第1のアッパー部の後端縁部の下端および第2のアッパー部の前端縁部の下端がそれぞれ直接固着されているので、足の個体差に応じてまた運動時に第1のアッパー部の後端縁部および第2のアッパー部の前端縁部の前後方向の間隔が変化する場合でも、各上端同士および各下端同士が相対移動することはなく、これにより、足に対するホールド性(静止時のみならず動作時においても)を向上できる。
このように、本発明によるアッパー構造によれば、足の個体差に応じて様々なアッパーを用意することなく、一種類のアッパーで様々な足囲や足形状に適合させることができるので、足の個体差に応じた静的フィット性および静的・動的ホールド性の向上を容易に実現できる。
本発明では、第1のアッパー部の後端縁部または第2のアッパー部の前端縁部が、たとえば縫製等によって補強されている(請求項2参照)。これにより、運動時に第1のアッパー部の後端縁部および第2のアッパー部の前端縁部の前後方向の間隔が変化するように変形する際にその変形による伸びを抑制できるので、動的フィット性をさらに向上できる。
本発明では、各上下端の間で第1のアッパー部の後端縁部および第2のアッパー部の前端縁部が互いに分離している領域が、シューズの内部空間に連通している(請求項3参照)。これにより、当該領域を介してシューズ内部にエアを導入でき、シューズ内部の湿気を低減できる。
本発明では、第1のアッパー部の後端縁部と第2のアッパー部の前端縁部が各上下端の間の領域において互いにオーバラップしている(請求項4参照)。これにより、シューズ内部に砂や小石等の異物が入り込むのを防止できる。
本発明では、第1のアッパー部の後端縁部が中足趾節関節に沿って足囲方向に延びており(請求項5参照)、これにより、足の個体差のうちとくに足囲の個体差を容易に吸収できる。
本発明では、第1のアッパー部の後端縁部が少なくとも第1趾ないし第5趾基節骨骨底部の位置まで延設されている(請求項6参照)。
本発明では、第1または第2のアッパー部の内部には、第1のアッパー部の後端縁部および第2のアッパー部の前端縁部を連結するとともにこれら後端縁部および前端縁部の前後方向のずれ変形を許容し得る部材が収容されている(請求項7参照)。これにより、第1のアッパー部の後端縁部および第2のアッパー部の前端縁部の前後方向のずれ変形が当該部材によって阻害されることなく、シューズ内部に砂や小石等の異物が入り込むのを当該部材によって防止できる。
本発明に係るシューズのアッパー構造は、足のリスフラン関節またはその近傍から前方側領域を覆う第3のアッパー部と、第3のアッパー部の後方側領域を覆う第4のアッパー部とを備え、第3のアッパー部の後端縁部の上下端と第4のアッパー部の前端縁部の上下端とがそれぞれ直接固着されるとともに、各上下端の間の領域において第3のアッパー部の後端縁部および第4のアッパー部の前端縁部が互いに分離している(請求項8参照)。
本発明においては、第3のアッパー部の後端縁部および第4のアッパー部の前端縁部の各上下端の間の領域においてこれら後端縁部および前端縁部が互いに分離しているため、各上下端の間の領域において第3のアッパー部の後端縁部および第4のアッパー部の前端縁部の間隔が変化し得る。これにより、足甲周りの寸法や足形状等の足の個体差に応じて第3のアッパー部の後端縁部および第4のアッパー部の前端縁部が互いの間隔が変化するように変形する(つまり前後方向にずれたり、外側に膨らんだりする)ので、静的フィット性を向上できる。
しかも、本発明では、第3のアッパー部の後端縁部の上端および第4のアッパー部の前端縁部の上端、ならびに第3のアッパー部の後端縁部の下端および第4のアッパー部の前端縁部の下端がそれぞれ直接固着されているので、足の個体差に応じてまた運動時に第3のアッパー部の後端縁部および第4のアッパー部の前端縁部の前後方向の間隔が変化する場合でも、各上端同士および各下端同士が相対移動することはなく、これにより、足に対する静的・動的ホールド性を向上できる。
このように、本発明によるアッパー構造によれば、足の個体差に応じて様々なアッパーを用意することなく、一種類のアッパーで様々な足形状に適合させることができるので、足の個体差に応じた静的フィット性および静的・動的ホールド性の向上を容易に実現できる。
本発明に係るシューズのアッパー構造は、足のつま先部を覆うとともにその後端縁部が内甲側では第1趾基節骨と交差する方向に延びかつ外甲側では第4趾基節骨と交差する方向に延びる第5のアッパー部と、第5のアッパー部の後方側領域を覆う第6のアッパー部とを備え、第5のアッパー部の後端縁部の上下端と第6のアッパー部の前端縁部の上下端とがそれぞれ直接固着されるとともに、各上下端の間の領域において第5のアッパー部の後端縁部および第6のアッパー部の前端縁部が互いに分離している(請求項9参照)。
本発明においては、第5のアッパー部の後端縁部および第6のアッパー部の前端縁部の各上下端の間の領域においてこれら後端縁部および前端縁部が互いに分離しているため、各上下端の間の領域において第5のアッパー部の後端縁部および第6のアッパー部の前端縁部の間隔が変化し得る。これにより、足のつま先部周りの寸法や足形状等の足の個体差に応じて第5のアッパー部の後端縁部および第6のアッパー部の前端縁部が互いの間隔が変化するように変形する(つまり前後方向にずれたり、外側に膨らんだりする)ので、静的フィット性を向上できる。
しかも、本発明では、第5のアッパー部の後端縁部の上端および第6のアッパー部の前端縁部の上端、ならびに第5のアッパー部の後端縁部の下端および第6のアッパー部の前端縁部の下端がそれぞれ直接固着されているので、足の個体差に応じてまた運動時に第5のアッパー部の後端縁部および第6のアッパー部の前端縁部の前後方向の間隔が変化する場合でも、各上端同士および各下端同士が相対移動することはなく、これにより、足に対する静的・動的ホールド性を向上できる。
このように、本発明によるアッパー構造によれば、足の個体差に応じて様々なアッパーを用意することなく、一種類のアッパーで様々な足形状に適合させることができるので、足の個体差に応じた静的フィット性および静的・動的ホールド性の向上を容易に実現できる。
以上のように、本発明によれば、第1(または第3/第5)のアッパー部の後端縁部および第2(または第4/第6)のアッパー部の前端縁部の各上下端の間の領域においてこれら後端縁部および前端縁部が互いに分離しているため、各上下端の間の領域において第1(または第3/第5)のアッパー部の後端縁部および第2(または第4/第6)のアッパー部の前端縁部の前後方向の間隔が変化し得る。これにより、足囲や足形状等の足の個体差に応じて第1(または第3/第5)のアッパー部の後端縁部および第2のアッパー部(または第4/第6)の前端縁部の前後方向の間隔が変化するように変形する(つまり前後方向にずれたり、外側に膨らんだりする)ので、静的フィット性を向上できる。
しかも、本発明では、第1(または第3/第5)のアッパー部の後端縁部の上端および第2(または第4/第6)のアッパー部の前端縁部の上端、ならびに第1(または第3/第5)のアッパー部の後端縁部の下端および第2(または第4/第6)のアッパー部の前端縁部の下端がそれぞれ固定されているので、足の個体差に応じてまた運動時に第1(または第3/第5)のアッパー部の後端縁部および第2(または第4/第6)のアッパー部の前端縁部の前後方向の間隔が変化する場合でも、各上端同士および各下端同士が相対移動することはなく、これにより、足に対する静的・動的ホールド性を向上できる。
このように、本発明によるアッパー構造によれば、足の個体差に応じて様々なアッパーを用意することなく、一種類のアッパーで様々な足囲や足形状に適合させることができるので、足の個体差に応じた静的フィット性および静的・動的ホールド性の向上を容易に実現できる。
本発明の一実施例によるアッパー構造を備えたシューズの全体斜視図である。 前記シューズ(図1)の平面図である。 前記シューズ(図1)の内甲側側面図である。 前記シューズ(図1)の外甲側側面図である。 前記アッパー構造(図1)と足の骨格構造との位置関係を示す平面図である。 前記アッパー構造(図1)と足の骨格構造との位置関係を示す内甲側側面図である。 前記アッパー構造(図1)と足の骨格構造との位置関係を示す外甲側側面図である。 図3から当該アッパー構造のみを取り出して示す内甲側側面図である。 図4から当該アッパー構造のみを取り出して示す外甲側側面図である。 本発明の第1の変形例によるアッパー構造を示す内甲側側面図である。 本発明の第2の変形例によるアッパー構造を示す内甲側側面図である。 本発明の第3の変形例によるアッパー構造を示す内甲側側面図である。 本発明の第4の変形例によるアッパー構造を示す内甲側側面図である。 本発明の第5の変形例によるアッパー構造を示す内甲側側面図である。 本発明の第6の変形例によるアッパー構造を示す内甲側側面図である。 本発明の第7の変形例によるアッパー構造を示す内甲側側面図である。 本発明の第8の変形例によるアッパー構造を示す図であって、図14のXVII-XVII線断面に相当する図である。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図4は本発明の一実施例によるアッパー構造が採用されたシューズを示している。ここでは、ランニングシューズを例にとって説明する。なお、以下の説明文中、前方(前側/前)および後方(後側/後)とは、シューズにおける前後方向の位置関係を表し、上方(上側/上)および下方(下側/下)とは、シューズにおける上下方向の位置関係を表すものとする。
図1ないし図4に示すように、シューズ1は、着用者の足を覆うように足のつま先部から踵部まで配設されたアッパー構造体2を有している。アッパー構造体2は、複数のアッパー部材から構成されており、足の主につま先部を覆うアッパー部20と、足の主に踵部を覆うアッパー部21と、足の内外甲側においてこれらアッパー部20および21の間の領域を覆うアッパー部22、23とを有している。各図中、符号21a、22a、23aは、それぞれアッパー部21、22、23の前端縁部を示している。
各アッパー部20〜23の素材としては、たとえば、通気性・軽量性・クッション性に優れたダブルラッセルメッシュ地等が用いられるが、これに限定されるものではなく、その他のメッシュ素材でもよく、また、合成皮革、人工皮革、天然皮革等でもよい。
シューズ1のつま先部先端には、当該つま先部に沿って孤状に延びる補強部25が設けられている。補強部25は、アッパー部20の下部外周面およびアッパー部22の下部外周面の一部に縫製等で固着されている。
シューズ1には、履き口10に連通して前後方向に延びる開口部11が形成されており、開口部11の縁部には、当該縁部に沿って前後方向に間隔を隔てて配設されたハトメ飾り12、13が縫製等で固着されている。各ハトメ飾り12、13は、幅狭のハトメ飾り14を介して連結されている。各ハトメ飾り12、13、14からなるハトメ飾りは、アッパー部20、21の上部外周面の一部、およびアッパー部22、23の上部外周面に縫製等で固着されている。ハトメ飾りおよびこれが固着された各アッパー部20〜23には、複数のハトメ孔15が貫通形成されており、ハトメ孔15には靴紐16が挿通している。また、シューズ1の開口部11には、舌革部17が設けられている。
アッパー構造体2の下部には、シューズ1のつま先部から踵部まで延設された軟質弾性部材製の上部ミッドソール3が接着等で固着されている。シューズ1の前足部において上部ミッドソール3の下面には、硬質弾性部材製のアウトソール4が接着等で固着されている。シューズ1の踵部において上部ミッドソール3の下面には、硬質弾性部材製の波形プレート5を介して軟質弾性部材製の下部ミッドソール6が接着等で固着されており、下部ミッドソール6の下面には、硬質弾性部材製のアウトソール7が接着等で固着されている。波形プレート5は、実質的に前後方向に進む波形状を有しており、着地時に踵部の横振れを防止する等の目的で設けられている。上下部ミッドソール3、6には、着地時のクッション性を向上させるために、幅方向に延びるクッション孔3a、6aが形成されている。
次に、アッパー構造体2の詳細について、図5ないし図9を用いて説明する。
図5ないし図7に示す足の骨格図において、符号F、M、Hはそれぞれ足の前足部、中足部、踵部を示している。また、図5ないし図9に示すアッパー構造体2において、符号20b、22b、23bは、それぞれアッパー部20、22、23の後端縁部を示している。すなわち、アッパー部20の後端縁部20bには、アッパー部22の前端縁部22aが上からオーバラップしており、アッパー部22の後端縁部22bには、アッパー部23の前端縁部23aが上からオーバラップしており、アッパー部23の後端縁部23bには、アッパー部21の前端縁部21aが上からオーバラップしている。そのため、アッパー部20、22、23の各後端縁部20b、22b、23bは、アッパー構造体2の外側からは見えないようになっている(図1ないし図4参照)。
アッパー構造体2の外面側に配置されるアッパー部21〜23の各前端縁部21a、22a、23aは、アッパー素材の裁断端面がそのまま表側に露出しないように裏側に折り返されて縫製されたり、裁断端面が融着されたり、摩擦係数の低い可撓性部材が縫製や接着、融着等で裁断端面に固着されたりすることで、当該裁断端面が補強されている(本実施例では、縫製により補強された状態を図示)。なお、アッパー構造体2の内面側に配置されるアッパー部20、22、23の各後端縁部20b、22b、23bの各裁断端面についても、同様の補強がなされていてもよい。
図8および図9に示すように、アッパー部20の後端縁部20bおよびアッパー部22の前端縁部22aのオーバラップ量はΔで、アッパー部22の後端縁部22bおよびアッパー部23の前端縁部23aのオーバラップ量はΔで、アッパー部23の後端縁部23bおよびアッパー部21の前端縁部21aのオーバラップ量はΔになっている。これらのオーバラップ量Δ、Δ、Δは、たとえば3mm〜30mmが好ましく、ここでは、いずれも約5mmに設定されている。なお、オーバラップ量Δ、Δ、Δは異なる値に設定するようにしてもよい。
前後方向に隣り合う各アッパー部20〜23は、それぞれの上下端が縫製、接着、融着等により互いに固着されている(図8、図9中の斜線領域参照)。すなわち、アッパー部22の前端縁部22aの上下端はアッパー部20の後端縁部20bの上下端に固着されており、アッパー部23の前端縁部23aの上下端はアッパー部22の後端縁部22bの上下端に固着されており、アッパー部21の前端縁部21aの上下端はアッパー部23の後端縁部23bの上下端に固着されている。
また、前後方向に隣り合う各アッパー部20〜23は、それぞれの上下端の間の領域においては固着されずに、互いに分離している。すなわち、アッパー部22の前端縁部22aはアッパー部20の後端縁部20bに対して上下端を除いた領域で固着されることなく互いに分離しており、アッパー部23の前端縁部23aはアッパー部22の後端縁部22bに対して上下端を除いた領域で固着されることなく互いに分離しており、アッパー部21の前端縁部21aはアッパー部23の後端縁部23bに対して上下端を除いた領域で固着されることなく互いに分離している。前後方向に隣り合う各アッパー部20〜23の各上下端の間における互いに分離した領域は、シューズ1の内部空間に連通している。
図5ないし図7に示すように、アッパー部23の前端縁部23aおよびアッパー部22の後端縁部22bは、内甲側および外甲側において足の中足趾節関節MPの位置またはその近傍位置に配置されている。より詳細には、アッパー部23の前端縁部23aは実質的に中足趾節関節MPに沿って足囲方向に延びており、同様に、アッパー部22の後端縁部22bは実質的に中足趾節関節MPに沿って足囲方向に延びている。ここで、「中足趾節関節MP」とは、足の第1ないし第5趾にかけて各足指の基節骨PPの骨底および中足骨MTの骨頭間の関節を指しており、「実質的に」という文言を入れたのは、アッパー部23の前端縁部23aおよびアッパー部22の後端縁部22bが、中足趾節関節MPの位置に配設される場合のみならず、中足趾節関節MPの近傍位置において中足趾節関節MPに概ね沿って配設される場合であってもよいからである。「足囲方向」とは、第1趾(親指)の付根と第5趾(小指)の付根を取り巻く足の周囲方向つまりボール・ガース部の方向を指している。
別の言い方をすれば、アッパー部23の前端縁部23aは、少なくとも第1趾ないし第5趾中足骨MT〜MTの各骨頭部の位置まで延設されており、アッパー部22の後端縁部22bは、少なくとも第1趾ないし第5趾基節骨PP〜PPの骨底部の位置まで延設されている。アッパー部22(およびアッパー部20)は中足趾節関節MPまたはその近傍から前方側領域を覆っており、アッパー部23(およびアッパー部21)は中足趾節関節MPまたはその近傍から後方側領域を覆っている。
アッパー部21の前端縁部21aおよびアッパー部23の後端縁部23bは、内甲側および外甲側において足のリスフラン関節(足根中足関節)LFの位置またはその近傍位置に配置されている。より詳細には、アッパー部21の前端縁部21aおよびアッパー部23の後端縁部23bは、実質的にリスフラン関節LFに沿って足の周囲方向に延びている。したがって、アッパー部23(およびアッパー部22、20)はリスフラン関節LFまたはその近傍から前方側領域を覆っており、アッパー部21はリスフラン関節LFまたはその近傍から後方側領域を覆っている。なお、各図中、符号NAは舟状骨を、符号CUは立方骨を、符号TTはショパール関節(横足根関節)をそれぞれ示している。
アッパー部22の前端縁部22aおよびアッパー部20の後端縁部20bは、内甲側では第1趾基節骨PPと交差する方向に延びかつ外甲側では第4趾基節骨PPと交差する方向に延びており、したがって、アッパー部20は足のつま先部を覆っており、アッパー部22(およびアッパー部23、21)はアッパー部20の後方側領域を覆っている。なお、この例では、アッパー部22の前端縁部22aの上端は、最前列のハトメ孔15の位置に配置されている。
次に、本実施例の作用効果について説明する。
上述したアッパー構造においては、アッパー部23の前端縁部23aおよびアッパー部22の後端縁部22bが各上下端の間の領域において固着されることなく互いに分離しているため、各上下端の間の領域においてアッパー部23の前端縁部23aおよびアッパー部22の後端縁部22bの間隔が変化し得る。これにより、足囲や足形状等の足の個体差に応じてアッパー部23の前端縁部23aおよびアッパー部22の後端縁部22bが互いの間隔が変化するように変形する(つまり前後方向にずれたり、外側に膨らんだりする)ので、静的フィット性を向上できる。また、運動時の足の屈曲動作時においても、アッパー部23の前端縁部23aおよびアッパー部22の後端縁部22bの前後方向の間隔が変化するように前後方向にずれるので、動的フィット性をも向上できる。
足寸法のうちのとくに足囲(つまり第1趾の付根と第5趾の付根を取り巻く周囲の長さ)は個体差が出やすい足の部位であるが、本実施例では、実質的に足囲方向に配設されたアッパー部23の前端縁部23aおよびアッパー部22の後端縁部22bのオーバラップ領域によって、このような個体差を吸収できる。
しかも、アッパー部23の前端縁部23aの上端およびアッパー部22の後端縁部22bの上端、ならびにアッパー部23の前端縁部23aの下端およびアッパー部22の後端縁部22bの下端がそれぞれ固定されているので、足の個体差に応じてまた運動時にアッパー部23の前端縁部23aおよびアッパー部22の後端縁部22bの前後方向の間隔が変化する場合でも、各上端同士および各下端同士が相対移動することはなく、これにより、足に対するホールド性(静止時のみならず動作時においても)を向上できる。
また、上記アッパー構造においては、アッパー部21の前端縁部21aおよびアッパー部23の後端縁部23bが各上下端の間の領域において固着されることなく互いに分離しているため、各上下端の間の領域においてアッパー部21の前端縁部21aおよびアッパー部23の後端縁部23bの間隔が変化し得る。これにより、足甲周りの寸法や足形状等の足の個体差に応じてアッパー部21の前端縁部21aおよびアッパー部23の後端縁部23bが互いの間隔が変化するように変形する(つまり前後方向にずれたり、外側に膨らんだりする)ので、静的フィット性を向上できる。
しかも、アッパー部21の前端縁部21aの上端およびアッパー部23の後端縁部23bの上端、ならびにアッパー部21の前端縁部21aの下端およびアッパー部23の後端縁部23bの下端がそれぞれ固定されているので、足の個体差に応じてまた運動時にアッパー部21の前端縁部21aおよびアッパー部23の後端縁部23bの前後方向の間隔が変化する場合でも、各上端同士および各下端同士が相対移動することはなく、これにより、足に対する静的・動的ホールド性を向上できる。
さらに、上記アッパー構造においては、アッパー部22の前端縁部22aおよびアッパー部20の後端縁部20bが各上下端の間の領域において固着されることなく互いに分離しているため、各上下端の間の領域においてアッパー部22の前端縁部22aおよびアッパー部20の後端縁部20bの前後方向の間隔が変化し得る。これにより、足のつま先部周りの寸法や足形状等の足の個体差に応じてアッパー部22の前端縁部22aおよびアッパー部20の後端縁部20bが互いの間隔が変化するように変形する(つまり前後方向にずれたり、外側に膨らんだりする)ので、静的フィット性を向上できる。
しかも、アッパー部22の前端縁部22aの上端およびアッパー部20の後端縁部20bの上端、ならびにアッパー部22の前端縁部22aの下端およびアッパー部20の後端縁部20bの下端がそれぞれ固定されているので、足の個体差に応じてまた運動時にアッパー部22の前端縁部22aおよびアッパー部20の後端縁部20bの前後方向の間隔が変化する場合でも、各上端同士および各下端同士が相対移動することはなく、これにより、足に対する静的・動的ホールド性を向上できる。
このように、上記アッパー構造によれば、足の個体差に応じて様々なアッパーを用意することなく、一種類のアッパーで様々な足囲や足形状に適合させることができるので、足の個体差に応じた静的フィット性および静的・動的ホールド性の向上を容易に実現できる。
また、上記アッパー構造においては、前後方向に隣り合う各アッパー部20、22;22、23;23、21が各上下端の間の領域において互いにオーバラップしているので、当該オーバラップ部分によってシューズ内部に砂や小石等の異物が入り込むのを防止できる。
上記アッパー構造においては、前後方向に隣り合う各アッパー部20、22;22、23;23、21の各上下端の間の分離領域が、シューズの内部空間に連通しているので、当該分離領域を介してシューズ内部にエアを導入でき、これにより、シューズ内部の湿気を低減できる。
以上、本発明に好適な実施例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明には種々の変形例が含まれる。以下に変形例のいくつかの例を挙げておく。なお、各変形例を示す図面において、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
<第1の変形例>
前記実施例では、アッパーが、足の中足趾節関節MPの位置(またはその近傍位置)、足のリスフラン関節LFの位置(またはその近傍位置)、ならびに第1趾基節骨PPと交差しかつ第4趾基節骨PPと交差する位置という3個所の位置でいずれも分離された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。これらのいずれか一つまたは二つの位置で分離されるようにしてもよい。
図10ないし図12は、アッパーが上記3個所のうちのいずれか一つの位置で分離された例を示している。ここでは、アッパーの内甲側のみを示しているが、外甲側においても同様の構造を採用するようにしてもよい。
図10に示すものでは、アッパーが中足趾節関節MPの位置またはその近傍位置で分離しており、(第1の)アッパー部U1が中足趾節関節MPまたはその近傍から前方側領域を覆い、(第2の)アッパー部U2が中足趾節関節MPまたはその近傍から後方側領域を覆っている。アッパー部U2の前端縁部U2aはアッパー部U1の後端縁部U1bの上にオーバラップしており、アッパー部U2の前端縁部U2aの上下端とアッパー部U1の後端縁部U1bの上下端とが縫製、接着、融着等によってそれぞれ固着されるとともに(斜線領域参照)、各上下端の間の領域において、アッパー部U2の前端縁部U2aおよびアッパー部U1の後端縁部U1bが互いに分離している。
なお、アッパー部U2の前端縁部U2aおよびアッパー部U1の後端縁部U1bは、各上下端においてオーバラップしないように構成することも可能である。この場合、アッパー部U2の前端縁部U2aの上端およびアッパー部U1の後端縁部U1bの上端は、ハトメ飾り12(図1ないし図4)を介して互いに連結して固着することができ、アッパー部U2の前端縁部U2aの下端およびアッパー部U1の後端縁部U1bの下端は、上部ミッドソール3(図2ないし図4)を介して互いに連結して固着することができる。
図11に示すものでは、アッパーがリスフラン関節LFの位置またはその近傍位置で分離しており、(第3の)アッパー部U3がリスフラン関節LFまたはその近傍から前方側領域を覆い、(第4の)アッパー部U4がリスフラン関節LFまたはその近傍から後方側領域を覆っている。アッパー部U4の前端縁部U4aはアッパー部U3の後端縁部U3bの上にオーバラップしており、アッパー部U4の前端縁部U4aの上下端とアッパー部U3の後端縁部U4bの上下端とが縫製、接着、融着等によってそれぞれ固着されるとともに(斜線領域参照)、各上下端の間の領域において、アッパー部U4の前端縁部U4aおよびアッパー部U3の後端縁部U3bが互いに分離している。
これらアッパー部U4の前端縁部U4aおよびアッパー部U3の後端縁部U3bについても、アッパー部U2の前端縁部U2aおよびアッパー部U1の後端縁部U1bと同様に、各上下端でオーバラップしないように構成することが可能である。
図12に示すものでは、アッパーが第1趾基節骨PPと交差する位置で分離しており、(第5の)アッパー部U5が第1趾基節骨PPと交差する位置から前方側領域を覆い、(第6の)アッパー部U6が第1趾基節骨PPと交差する位置から後方側領域を覆っている。アッパー部U6の前端縁部U6aはアッパー部U5の後端縁部U5bの上にオーバラップしており、アッパー部U6の前端縁部U6aの上下端とアッパー部U5の後端縁部U5bの上下端とが縫製、接着、融着等によってそれぞれ固着されるとともに(斜線領域参照)、各上下端の間の領域において、アッパー部U6の前端縁部U6aおよびアッパー部U5の後端縁部U5bが互いに分離している。
これらアッパー部U6の前端縁部U6aおよびアッパー部U5の後端縁部U5bについても、アッパー部U2の前端縁部U2aおよびアッパー部U1の後端縁部U1bと同様に、各上下端でオーバラップしないように構成することが可能である。
<第2の変形例>
前記実施例および前記第1の変形例では、後側に配置されたアッパー部の前端縁部が前側のアッパー部の後端縁部の上にオーバラップした例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。これとは逆に、前側に配置されたアッパー部の後端縁部が後側のアッパー部の前端縁部の上にオーバラップするようにしてもよい。
<第3の変形例>
前記実施例および前記第1、第2の変形例では、各アッパー部が上下端の間の領域でオーバラップした例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。本発明は、各アッパー部が上下端の間の領域でオーバラップしていないものにも同様に適用できる。
図13ないし図16は、前後方向に隣り合う各アッパー部がオーバラップすることなく、各アッパー部の端面が前後方向に隙間なく突き合わせられた例を示している。図13は前記実施例の図8に対応し、図14ないし図16は前記第1の変形例の図10ないし図12にそれぞれ対応している。
図13に示すものでは、アッパー部20の後端縁部20bとアッパー部22の前端縁部22aがこれらの上下端の間の領域において前後方向に隙間なく突き合わせられ(つまり図8中のオーバラップ量Δ=0)、アッパー部22の後端縁部22bとアッパー部23の前端縁部23aがこれらの上下端の間の領域において前後方向に隙間なく突き合わせられ(つまり同図中のオーバラップ量Δ=0)、アッパー部23の後端縁部23bとアッパー部21の前端縁部21aがこれらの上下端の間の領域において前後方向に隙間なく突き合わせられている(つまり同図中のオーバラップ量Δ=0)。そのため、アッパー部20、22、23の各後端縁部20b、22b、23bが、これらの上下端の間の領域においてアッパー構造体2の外側に露出している。このような構造を採用することで、当該アッパー構造を構成するアッパー材を減らすことができ、シューズ全体の重量も軽減できる。
なお、図13に示す例では、アッパー部20の後端縁部20bの上下端、アッパー部22の後端縁部22bの上下端、およびアッパー部23の後端縁部23bの上下端に、これらのアッパー部20、22、23とそれぞれ隣り合う各アッパー部22、23、21の各上下端との固着のための縫い代(または接着代/融着代)20c、22c、23cが設けられているが、これらは省略してもよい。その場合、アッパー部20、22、23の各後端縁部20b、22b、23bの上端、およびアッパー部21、22、23の各前端縁部21a、22a、23aの上端は、ハトメ飾り12、13(図1ないし図4)を介して互いに連結して固着することができ、アッパー部20、22、23の各後端縁部20b、22b、23bの下端、およびアッパー部21、22、23の各前端縁部21a、22a、23aの下端は、上部ミッドソール3(図2ないし図4)を介して互いに連結して固着することができる。
図14に示すものでは、アッパー部U1の後端縁部U1bとアッパー部U2の前端縁部U2aがこれらの上下端の間の領域において前後方向に隙間なく突き合わせられている(つまり図10中のオーバラップ量Δ=0)。また、アッパー部U1の後端縁部U1bの上下端に設けられた縫い代(または接着代/融着代)U1cを介して、アッパー部U1の後端縁部U1bの上下端がアッパー部U2の前端縁部U2aの上下端に固着されている。上述したように、縫い代U1cを省略した構成にしてもよい。
図15に示すものでは、アッパー部U3の後端縁部U3bとアッパー部U4の前端縁部U4aがこれらの上下端の間の領域において前後方向に隙間なく突き合わせられている(つまり図11中のオーバラップ量Δ=0)。また、アッパー部U3の後端縁部U3bの上下端に設けられた縫い代(または接着代/融着代)U3cを介して、アッパー部U3の後端縁部U3bの上下端がアッパー部U4の前端縁部U4aの上下端に固着されている。上述したように、縫い代U3cを省略した構成にしてもよい。
図16に示すものでは、アッパー部U5の後端縁部U5bとアッパー部U6の前端縁部U6aがこれらの上下端の間の領域において前後方向に隙間なく突き合わせられている(つまり図12中のオーバラップ量Δ=0)。また、アッパー部U5の後端縁部U5bの上下端に設けられた縫い代(または接着代/融着代)U5cを介して、アッパー部U5の後端縁部U5bの上下端がアッパー部U6の前端縁部U6aの上下端に固着されている。上述したように、縫い代U5cを省略した構成にしてもよい。
<第4の変形例>
前記実施例および前記第1ないし第3の変形例では、前後方向に隣り合う各アッパー部の前端縁部および後端縁部の間に何ら部材が介在していない例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
図17は、本発明の第4の変形例を示している。ここでは、図14中のXVII-XVII線断面を例にとる。図17に示すように、第1のアッパー部U1および第2のアッパー部U2の内部には、扁平なU字状(またはV字状/W字状)に折り畳まれた袋状の部材8が設けられており、部材8の一端は第1のアッパー部U1の後端縁部U1bの内面U1dに固着され、部材8の他端は第2のアッパー部U2の前端縁部U2aの内面U2dに固着されている。すなわち、第1のアッパー部U1の後端縁部U1bおよび第2のアッパー部U2の前端縁部U2aは、前後方向の弛みを有する部材8によって連結されている。なお、図17では、図示の便宜上、第1のアッパー部U1の後端縁部U1bおよび第2のアッパー部U2の前端縁部U2aの間隔を拡げた状態が示されている。
このような構造においては、足囲や足形状等の足の個体差に応じてまた運動時の足の屈曲動作時において、第1のアッパー部U1の後端縁部U1bおよび第2のアッパー部U2の前端縁部U2aが互いの間隔が変化するように変形する(つまり前後方向にずれたり、外側に膨らんだりする)際に、このような変形が部材8によって阻害されることなく、シューズ内部に砂や小石等の異物が入り込むのを部材8により防止できる。
なお、部材8は、第3のアッパー部U3の後端縁部U3bと第4のアッパー部U4の前端縁部U4aとの間に設けるようにしてもよく(図15参照)、あるいは、第5のアッパー部U5の後端縁部U5bと第6のアッパー部U6の前端縁部U6aとの間に設けるようにしてもよい(図16参照)。
<第5の変形例>
前記実施例および前記各変形例では、アッパー構造が、足の中足趾節関節MPに対応する位置、リスフラン関節LFに対応する位置、または第1趾基節骨PPおよび第4趾基節骨PPと交差する位置を挟んで2つのアッパー部から構成された例を示したが、本発明は、これらの位置を挟んで単一のアッパー部から構成されたアッパー構造にも同様に適用できる。この場合には、アッパー構造の所望の分離位置(たとえば中足趾節関節の位置)で、実質的に上下方向に延びる切込み(つまり、一端が足甲側に向かいかつ他端がソール側に向かうように延びる切込み)を単一のアッパー部に入れるようにすればよく、このとき、切込みが当該アッパー部の上端縁部および下端縁部まで通じないように上端縁部および下端縁部の内側に切込みを配置するようにする。このとき、切込みの上端とアッパー部の上端縁部との間の領域は一体に連設されて固定され、切込みの下端とアッパー部の下端縁部との間の領域は一体に連設されて固定されており、単一のアッパー部は、切込みの形成個所で前後に分離されることになる。
このような構造においても、足囲や足形状等の足の個体差に応じて切込みが開閉するように変形するので、静的フィット性を向上できる。また、運動時の足の屈曲動作時においても切込みが開閉するので、動的フィット性をも向上できる。しかも、切込み上端とアッパー部の上端縁部との間の領域、および切込み下端とアッパー部の下端縁部との間の領域が分離されずに固定されているので、足の個体差に応じてまた運動時に切込みが開閉する場合でも、切込みの前後のアッパー領域が相対移動することはなく、これにより、足に対する静的・動的ホールド性を向上できる。なお、当該構造によれば、足のつま先部から踵部に至るアッパー全体を単一のアッパー部から構成することもでき、この場合には、構造をさらに簡略化でき、コストを一層低減できる。
<その他の変形例>
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
<他の適用例>
前記実施例では、本発明によるアッパー構造がランニングシューズに適用された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明はウォーキングシューズ等の他のスポーツシューズにも同様に適用可能である。
以上のように、本発明は、シューズ用アッパー構造に有用であり、とくに、足の個体差に応じて静的フィット性および静的・動的ホールド性の向上を要求されるスポーツシューズに適している。
1: シューズ

2: アッパー構造体

U1: 第1のアッパー部
U2: 第2のアッパー部
U3: 第3のアッパー部
U4: 第4のアッパー部
U5: 第5のアッパー部
U6: 第6のアッパー部

U1b: 後端縁部
U2a: 前端縁部
U3b: 後端縁部
U4a: 前端縁部
U5b: 後端縁部
U6a: 前端縁部

MP: 中足趾節関節

PP: 第1趾基節骨
PP: 第4趾基節骨
PP: 第5趾基節骨
MT: 第1趾中足骨
MT: 第5趾中足骨

LF: リスフラン関節

F: 前足部
M: 中足部
H: 踵部
特許第3780296号公報(段落[0036]、[0037]および[0056]、ならびに図1および図5参照)

Claims (9)

  1. シューズのアッパー構造であって、
    足の中足趾節関節またはその近傍から前方側領域を覆う第1のアッパー部と、
    前記第1のアッパー部の後方側領域を覆う第2のアッパー部とを備え、
    前記第1のアッパー部の後端縁部の上端と前記第2のアッパー部の前端縁部の上端とが直接固着されるとともに、前記第1のアッパー部の前記後端縁部の下端と前記第2のアッパー部の前記前端縁部の下端とが直接固着されており、前記各上下端の間の領域において前記第1のアッパー部の前記後端縁部および前記第2のアッパー部の前記前端縁部が互いに分離している、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  2. 請求項1において、
    前記第1のアッパー部の前記後端縁部または前記第2のアッパー部の前記前端縁部が補強されている、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  3. 請求項1において、
    前記各上下端の間で前記第1のアッパー部の前記後端縁部および前記第2のアッパー部の前記前端縁部が互いに分離している前記領域は、当該シューズの内部空間に連通している、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  4. 請求項1において、
    前記第1のアッパー部の前記後端縁部と前記第2のアッパー部の前記前端縁部が前記各上下端の間の前記領域において互いにオーバラップしている、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  5. 請求項1において、
    前記第1のアッパー部の前記後端縁部が中足趾節関節に沿って足囲方向に延びている、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  6. 請求項1において、
    前記第1のアッパー部の前記後端縁部が少なくとも第1趾ないし第5趾基節骨骨底部の位置まで延設されている、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  7. 請求項1において、
    前記第1または第2のアッパー部の内部には、前記第1のアッパー部の前記後端縁部および前記第2のアッパー部の前記前端縁部を連結するとともにこれら後端縁部および前端縁部の前後方向のずれ変形を許容し得る部材が収容されている、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  8. シューズのアッパー構造であって、
    足のリスフラン関節またはその近傍から前方側領域を覆う第3のアッパー部と、
    前記第3のアッパー部の後方側領域を覆う第4のアッパー部とを備え、
    前記第3のアッパー部の後端縁部の上端と前記第4のアッパー部の前端縁部の上端とが直接固着されるとともに、前記第3のアッパー部の前記後端縁部の下端と前記第4のアッパー部の前記前端縁部の下端とが直接固着されており、前記各上下端の間の領域において前記第3のアッパー部の前記後端縁部および前記第4のアッパー部の前記前端縁部が互いに分離している、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
  9. シューズのアッパー構造であって、
    足のつま先部を覆うとともに、その後端縁部が内甲側では第1趾基節骨と交差する方向に延びかつ外甲側では第4趾基節骨と交差する方向に延びる第5のアッパー部と、
    前記第5のアッパー部の後方側領域を覆う第6のアッパー部とを備え、
    前記第5のアッパー部の前記後端縁部の上端と前記第6のアッパー部の前端縁部の上端とが直接固着されるとともに、前記第5のアッパー部の前記後端縁部の下端と前記第6のアッパー部の前記前端縁部の下端とが直接固着されており、前記各上下端の間の領域において前記第5のアッパー部の前記後端縁部および前記第6のアッパー部の前記前端縁部が互いに分離している、
    ことを特徴とするシューズのアッパー構造。
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