JP6436044B2 - 路盤材および路盤材の施工方法 - Google Patents

路盤材および路盤材の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、産業廃棄物または産業排水中に含まれる有害物質である6価クロムの捕集能を有する溶銑脱燐スラグを利用した、環境汚染を抑制する処理剤および処理方法に関するものである。更には、産業廃棄物であるコンクリート廃材および溶銑脱りんスラグを使用した路盤材およびその施工方法に関する。
自然発生要因または産業発生要因によって発生した有害元素による環境汚染を防止する目的で、環境基準値が設定されている。6価クロムの土壌や地下水の環境基準は0.05mg/リットル(以下、「L」と表記する)以下である。6価クロムによる環境汚染防止を目的に、発生量の多い鉄鋼スラグを利用した様々な方法が提案されている。
特許文献1には、製鋼スラグを利用した土壌改良材が提案されている。この方法は、製鋼スラグのFeがもつ還元能力に着目し、土壌に流入する6価クロムを3価クロムに還元することを狙いとしている。更には、未エージングの高炉徐冷スラグの還元能力を利用することにも言及している。
特許文献2には、路盤材用に破砕されたコンクリート廃材に、高炉から大量に排出される徐冷スラグを粉砕・混合し、路盤材(コンクリート廃材)からの6価クロムの溶出を抑制するようにした方法が提案されている。この方法は、安価な高炉徐冷スラグがもつ還元能力に着目し、その粉砕物をコンクリート廃材と混合することにより、コンクリート廃材中の6価クロムを3価クロムに還元することを狙いとしている。
特開2011−93946号公報 特開2008−127969号公報
コンクリート再生材からの6価クロムの溶出抑制に関する共同研究報告書 H23土木研究所共同研究報告書415号
しかし、本発明者らが検討したところによれば、上記従来技術では、製鋼スラグや高炉徐冷スラグの還元能力について評価されているが、実際に路盤材や土木用材料として施工した場合のクロム捕集能を正確に表している訳ではなかった。即ち、上記従来技術で使用している製鋼スラグや高炉徐冷スラグは6価クロムを3価に還元することによって無害化しているが、還元された3価クロムがイオンとして溶液中に存在している場合、強力な酸化剤と接触すると6価クロムに酸化される可能性が残り、より安定的に6価クロムを除去する方法が求められる。
また、路盤材として使用するにあたって、使用するスラグの種類によっては路盤が膨張して舗装面が突然隆起することがある。路盤膨張を生じる主たる原因については、転炉スラグなどに含まれるf-CaO(遊離CaO)が水和する際に体積膨張を生じるためであると考えられている。そこで、スラグの中でもf-CaO含有量の低いスラグを施工することによって、コンクリート廃材から溶出する6価クロムを捕集すると同時に、路盤膨張による舗装面の隆起を生じにくい路盤材として施工する必要がある。
本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、実際のスラグ使用条件下で環境基準以下に6価クロムをいかなる条件下でも安定して低減できる処理剤および処理方法を提供し、ひいては路盤材およびその施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]溶銑脱りんスラグを主体とする6価クロム処理剤。ここで、「溶銑脱りんスラグを主体とする」とは、6価クロム処理剤中に溶銑脱りんスラグが50質量%以上含まれていることであり、70質量%以上含まれていることが好ましい。
[2]6価クロム処理剤用溶銑脱りんスラグ。
[3]6価クロムを含有する産業廃棄物または産業排水を溶銑脱りんスラグと接触させ、前記産業廃棄物または前記産業排水中の6価クロムを還元させる6価クロム処理方法。
[4]産業廃棄物がコンクリート廃材である[3]に記載の6価クロム処理方法。
[5]破砕されたコンクリート廃材に溶銑脱りんスラグを主体とするスラグを混合した路盤材。
[6]上層路盤に破砕されたコンクリート廃材、下層路盤に溶銑脱りんスラグを主体とするスラグを配置した路盤材。
[7]前記コンクリート廃材の厚さに対する前記溶銑脱りんスラグの厚さの比が0.1以上である、[6]に記載の路盤材。
[8]コンクリート廃材を破砕して路盤材として施工する工程において、コンクリート廃材に溶銑脱りんスラグを主体とするスラグを混合する路盤材の施工方法。
[9]コンクリート廃材を破砕して路盤材として施工する工程において、上層路盤にコンクリート廃材、下層路盤に溶銑脱りんスラグを主体とするスラグを配置する路盤材の施工方法。
[10]前記コンクリート廃材の厚さに対する前記溶銑脱りんスラグの厚さの比を0.1以上とする、[9]に記載の路盤材の施工方法。
本発明によれば、溶銑脱りんスラグの6価クロム捕集能を利用して、環境汚染の原因である6価クロムの浄化処理ができるようになる。また、路盤材の一部として溶銑脱りんスラグを施工するようにした場合には、コンクリート廃材などの産業廃棄物または産業排水から溶出する6価クロムに対して、溶銑脱りんスラグによる6価クロムの捕集力が強化できるようになる。また、溶銑脱りんスラグに捕集された6価クロムは3価クロムに還元され、水酸化クロムまたは酸化クロム、鉄クロム酸化物、マンガンクロム酸化物、マグネシウムクロム酸化物などのクロム化合物としてスラグに安定的に捕集されるようにしたので、コンクリート廃材からの6価クロムの溶出が高度に抑制された路盤材や土工材として施工することができるようになる。
スラグとケイ砂に捕集されたクロムの化学状態を示す図 バッチ接触実験によるスラグとケイ砂のクロム捕集能力を示す図 カラム透水実験によるスラグとケイ砂のクロム捕集能力を示す図 カラム透水実験による、コンクリート再生材とスラグの配置方法によるクロム捕集能力を示す図
本発明者らは、高炉徐冷スラグの代替として、6価クロム捕集能力を最大限に発現させる鉄鋼スラグおよびそのスラグを用いた路盤材や土工材としての使用方法を見出すべく鋭意検討した。
6価クロム処理剤として溶銑脱りんスラグを主体とする6価クロム処理剤に着目し、以下のように検討を進めた。ここで「溶銑脱りんスラグを主体とする」とは、上記のように、6価クロム処理剤中に溶銑脱りんスラグが50質量%以上含まれていることである。ここで、その他の成分としては、6価クロムを含有しておらず6価クロムの処理に悪影響を与えなければ特に限定されるものではないが、転炉脱炭スラグや脱珪スラグ、高炉徐冷スラグ等が混合されていると6価クロム処理剤として好適である。
更に、路盤材としての使用を前提とする場合には、路盤膨張を引き起こさないスラグを使用する必要があり、本発明者らは溶銑脱りんスラグに着目した。溶銑脱りんスラグは溶銑中の燐(P)を脱燐するプロセスで発生したものであれば特に限定されないが、CaO/SiO(質量比)(以下、「塩基度」とも言う)で2.5以下であることが好ましく、2.0未満であることがより好ましい。塩基度が低いと、スラグが生成した時点でのf-CaOの含有量を低くできるので路盤膨張を引き起こすことがなく、路盤材に適している。ここで、溶銑脱りんスラグの塩基度は1.20以下であることが更に好ましい。
以上を基に、次に溶銑脱りんスラグの6価クロム捕集能について検討を進めた。
(XANESスペクトル測定)
XAFS(X−ray Absorption Fine Structure:X線吸収端微細構造法)でCr−K吸収端のスペクトルを測定し、各XANES(X−ray Absorption Near Edge Structure、X線吸収端近傍構造) スペクトルを対比し、0.3mg/Lに希釈した6価クロム標準液に装入し200rpmで6時間振とうした溶銑脱りんスラグ上に捕集されたCrの化学状態を評価した。また、比較の対象として、ケイ砂(SiO)および高炉徐冷スラグでも同様の評価を行なった。使用した溶銑脱りんスラグ、高炉徐冷スラグ、および転炉脱炭スラグの組成を表1に示す。なお、溶銑脱りんスラグ1はトーピードカー内に収納された溶銑を脱りんした際に発生したスラグであり、溶銑脱りんスラグ2は転炉内に収納された溶銑を脱りんした際に発生したスラグである。また、転炉脱炭スラグは、溶銑を転炉内で脱炭した際に発生したスラグである。転炉脱炭スラグは、後述するバッチ接触実験およびカラム透水実験で使用した。Cr6+標準物質としてはCrO試薬、Cr3+標準物質としてCr試薬、Cr(OH)試薬を供した。
図1に示すように、溶銑脱りんスラグ1に捕集されたCrのXANESスペクトルにはCr6+に特徴的な5990eV付近のピークは認められず、Cr(OH)またはCrに類似したXANESスペクトルであることから、Cr3+で存在していることがわかった。ここで、図1の縦軸は、入射X線強度I0(ゼロ)と透過X線強度Iの比である。この結果より、溶銑脱りんスラグ1表層のCrはCr3+に還元されていることがわかった。従って、コンクリート廃材などの産業廃棄物または産業排水から溶出した6価クロムが溶銑脱りんスラグ層を通過することによって、Cr3+に還元されると考えられる。溶銑脱りんスラグ2についても同様の傾向を示した。同様に、高炉徐冷スラグに捕集されたCrにもCr6+に特徴的な5990eV付近のピークは認められず、Cr(OH)またはCrに類似したXANESスペクトルであることから、Cr3+で存在していることがわかった。これに対して、ケイ砂に捕集されたCrにはCr6+に特徴的な5990eV付近のピークが明瞭に認められ、しかも6000〜6030eVにかけて、Cr(OH)またはCrではなくCrOに類似したXANESスペクトルであった。即ち、ケイ砂にはCrを還元する能力はなく、6価クロムがケイ砂の表面に付着しているのみであり、6価クロムを無害化することはできなかった。一方で、溶銑脱りんスラグおよび高炉徐冷スラグには6価クロムを3価のクロムに還元する能力を有することが明らかとなり、更にそのクロム捕集能について検討を進めた。
(バッチ接触実験)
次に、バッチ混合法で、ケイ砂(SiO)、高炉徐冷スラグ、および溶銑脱りんスラグの6価クロム捕集能力を評価した。また、さらに、溶銑脱りんスラグ2と転炉脱炭スラグとを6:4で混合したスラグ(以後、混合スラグという)についても併せて評価した。なお、混合スラグは、溶銑脱りんスラグを主体とするスラグの一例である。粒子径1mm以下に粉砕したケイ砂(SiO)、高炉徐冷スラグ、溶銑脱りんスラグ1、2および混合スラグを0.3mg/Lに希釈した6価クロム標準液(KCr・HNO(0.01mol/L)溶液)に一定の質量割合で装入し、200rpmで6時間振とうした後、0.45μmろ過し、ろ液中のCr6+をポナールキット(同仁化学、登録商標)を使用してジフェニルカルバジド吸光光度法で、Total−Cr(以下、「T−Cr」と記す)をICP−MSで定量した。バッチ接触実験の結果を図2(a)〜(e)に示す。図2(b)〜(e)に示すように、溶銑脱りんスラグ1および2、並びに混合スラグ、並びに高炉徐冷スラグにおいては、スラグの装入割合が高まるに従い、溶液中のCr6+濃度は初期濃度0.3mg/Lから低下し、スラグを1〜5質量%装入することにより環境基準0.05mg/L以下まで低減された。溶銑脱りんスラグ1、2および混合スラグではT−Cr濃度も同様に低減していることから、スラグにクロムが捕集されたことがわかる。一方、高炉徐冷スラグの場合は、T−Cr濃度は殆ど低減しなかった。即ち、高炉徐冷スラグは6価クロムを還元して無害化する能力はあるが、クロムを捕集して固定することはできないことがわかった。なお、図2(a)に示すように、ケイ砂についても同じ条件でバッチ接触実験を行なったが、クロムの還元および捕集は認められなかった。
(カラム透水実験)
クロム捕集能について、実使用形態を模擬したカラム透水実験で更に検討した。塩ビカラム(内径5.6cm、高さ約35cm)に粒子径1mm以下に粉砕した溶銑脱りんスラグまたは混合スラグを20cm高さに充填し、0.3mg/Lに希釈した6価クロム標準液を、流速2.3mL/分で透水した。溶銑脱りんスラグ1は730g充填され、溶銑脱りんスラグ2は520g充填され、混合スラグは980g充填された。
日本の平均降雨量1800mm/年が毎日平均して降ったと仮定すると、1日あたりの降雨量は1800mm÷365日≒5mm/日となる。実験に使用した内径5.6cmのカラムの断面積は2.8cm×2.8cm×3.14≒24.6cmであり、このカラム透水実験では24.6cm×0.5cm=12.3mLを1日あたり透水する。2日分の降雨量として12.3mL×2日≒25mLずつスラグ透過水を回収し、分析に供した。透過水のCr6+はジフェニルカルバジド吸光光度法で、T−CrをICP−MSで定量した。これを溶出するCr6+が環境基準値(0.05mg/L)を超過するまで繰り返した。比較例として、高炉徐冷スラグおよびケイ砂についても同一の条件でカラム透水実験を行った。
カラム透水実験の結果を図3(a)〜(e)に示す。溶銑脱りんスラグ1、2および混合スラグを透過した液のCr6+もT−Crも環境基準以下まで低減していた。この結果は、0.3mg/LのCr6+は、ただちに溶銑脱りんスラグ1、2および混合スラグに捕集されていることを示している。それぞれのスラグはその後もCr6+を捕集し続け、溶銑脱りんスラグ1は、128日分の降雨量(1600mL)を透水した時点で環境基準値を破過した。溶銑脱りんスラグ2は、785日分の降雨量(9813mL)を透水した時点で環境基準値を破過した。混合スラグは、1007日分の降雨量(12588mL)を透水した時点で環境基準値を破過した。環境基準値を破過するまでに溶銑脱りんスラグが捕集したCr6+量は、溶銑脱りんスラグ1は0.7μg/スラグ1gであり、溶銑脱りんスラグ2は5.7μg/スラグ1gであり、混合スラグは3.9μg/スラグ1gであった。一方、ケイ砂はクロムの還元および捕集は認められず、高炉徐冷スラグは6価クロムを還元して無害化する能力はあるがクロムを捕集して固定することはできないことが、カラム透水試験の結果からもわかった。
以上の結果より、高炉徐冷スラグにも溶銑脱りんスラグにも6価クロムを還元して無害化する能力があるが、還元したクロムをスラグに捕集して安定化させる点で溶銑脱りんスラグの方が優れていることがわかった。溶銑脱りんスラグに特徴的に含有される酸化鉄(FeO、Fe)、酸化マンガン(MnO)、マグネシア(MgO)がCr捕集能力に関与していると推定される。従って、6価クロムを含有する産業廃棄物または産業排水を溶銑脱りんスラグと接触させ、前記産業廃棄物または前記産業排水中の6価クロムを還元させて捕集することにより6価クロムを処理することができる。ここで、産業廃棄物としてはコンクリート廃材や、ばいじんや、汚泥などがあり、産業排水としてはメッキ工場排水などがある。
それを踏まえて、溶銑脱りんスラグを破砕されたコンクリート廃材に混合して路盤材として使用することを検討した。なお、コンクリート廃材には、そのリサイクル品も含むものとする。溶銑脱りんスラグの路盤膨張については上記の通り問題はないので、以下に6価クロムの無害化および安定化について検討した。
前記カラム透水実験の結果より、コンクリート廃材から溶出する6価クロムの捕集に必要なスラグ量を比較試算した。非特許文献1によれば、大きさ10mm以下、厚さ30cmのコンクリート再生材1,000cmから溶出する6価クロムは、60μg-Cr6+/1,000cm−再生材であった。また、カラム透水実験によれば、Cr6+捕集量がスラグの比表面積に比例すると仮定して、粒子径10mm以下の溶銑脱りんスラグ1(1,000cm)によって捕集できるCr6+は97μg、溶銑予備処理スラグ2(1,000cm)によって捕集できるCr6+は598μgであった。以上のバランスの試算の結果、30cm厚の再生コンクリートから降雨によって溶出してくる6価クロムは、19cmの厚みの溶銑脱りんスラグ1および3cmの厚みの溶銑脱りんスラグ2で捕集が可能であった。なお、溶銑脱りんスラグの必要量(厚さ)は、コンクリート再生材中の6価クロム含有量、スラグの組成、形状(ポーラス度合い)、粒子径などに依存するため、上記試算は一例である。
上記結果より、コンクリート廃材の厚さに対する前記溶銑脱りんスラグの厚さの比が0.1以上であることが好ましく、1.2を超えると効果が飽和するので1.2以下とすることが好ましい。0.1以上0.7以下であることが更に好ましい。非特許文献1によると、コンクリート廃材から溶出する6価クロムは、環境基準を超過するものの最大0.28mg/Lと低濃度である。溶銑脱りんスラグで6価クロムを捕集するためには、これらの低濃度の6価クロムの全量をスラグに接触させる必要がある。そのためには、コンクリート廃材と溶銑脱りんスラグを混合するよりは、コンクリート廃材と溶銑脱りんスラグを上下二層に施工した方が、少量の溶銑脱りんスラグで効率良く6価クロムを捕集できることがわかった。コンクリート廃材から溶出した6価クロムは、降雨によって下層に移行する。上層から溶出する6価クロムが低濃度の場合は、コンクリート廃材と溶銑脱りんスラグを全量混合するより、下層に施工して必ず6価クロムが溶銑脱りんスラグ層を通過する二層方法が6価クロムとの接触面を増やせるため、少量の溶銑脱りんスラグで効率良く6価クロムを捕集できる。
図4に、混合と上下二層のクロム捕集効率について、カラム透水実験で検討した結果を示す。塩ビカラム(内径15cm、高さ約50cm)に粒子径10mm以下に粉砕したコンクリート再生材8kgと溶銑脱りんスラグ0.8kgを、一方はソイルミキサで混合して充填し(実験2)、もう一方は溶銑脱りんスラグを充填した上層にコンクリート再生材を充填した(実験3)。比較実験としてはコンクリート再生材のみを充填した(実験1)。その後、水を流速2.3mL/分で透水した。2日分の降雨量として180mLずつスラグ透過水を回収し、分析に供した。図4に拠れば、コンクリート再生材のみを充填した実験1では、初期に0.28mg/Lの6価クロムが溶出し、コンクリート再生材中の6価クロム量が減少するに連れて6価クロムの溶出量も減少した。一方、溶銑脱りんスラグを充填した上層にコンクリート再生材を充填した実験3では、初期から6価クロムが溶出することはなかった。それに対して、コンクリート再生材と溶銑脱りんスラグをソイルミキサで混合して充填した実験2では、比較実験である実験1に対して6価クロム溶出抑制効果が認められたが、初期に0.12mg/Lの6価クロムが溶出しており完全な溶出抑制効果は得られなかった。このことから、コンクリート廃材と溶銑脱りんスラグを混合するよりは、コンクリート廃材と溶銑脱りんスラグを上下二層に施工した方が、少量の溶銑脱りんスラグで効率良く6価クロムを捕集できることが実証された。

Claims (4)

  1. 上層路盤に破砕された6価クロムを含有するコンクリート廃材、下層路盤に溶銑脱りんスラグを主体とするスラグを配置した路盤材。
  2. 前記コンクリート廃材の厚さに対する前記溶銑脱りんスラグの厚さの比が0.1以上である、請求項に記載の路盤材。
  3. 6価クロムを含有するコンクリート廃材を破砕して路盤材として施工する工程において、上層路盤にコンクリート廃材、下層路盤に溶銑脱りんスラグを主体とするスラグを配置する路盤材の施工方法。
  4. 前記コンクリート廃材の厚さに対する前記溶銑脱りんスラグの厚さの比を0.1以上とする、請求項に記載の路盤材の施工方法。
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