JP6436015B2 - 脱塩素設備およびその制御方法 - Google Patents
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Description
Ni2+ + 2e = Ni ・・・(1)
2Cl- = Cl2 + 2e ・・・(2)
第2発明の脱塩素設備は、第1発明において、前記電解廃液は塩化ニッケル溶液であり、前記目標凝縮水発生量として、目標ニッケル濃度の凝縮水が得られる凝縮水発生量を設定することを特徴とする。
第3発明の脱塩素設備の制御方法は、電解廃液に溶存する塩素を負圧下で気化させて、水蒸気を含む塩素ガスを排出する脱塩素塔と、前記脱塩素塔から排出された水蒸気を含む塩素ガスを冷却して、凝縮水を生成する熱交換器とを備える脱塩素設備の制御方法であって、塔内圧力から電解廃液の蒸気圧を減算した値である圧力差であって、目標凝縮水発生量が得られる圧力差を求め、前記脱塩素塔に供給される電解廃液の蒸気圧を求め、前記蒸気圧と前記圧力差とを加算して目標塔内圧力を求め、前記脱塩素塔の塔内圧力を前記目標塔内圧力に調整することを特徴とする。
第4発明の脱塩素設備の制御方法は、第3発明において、前記電解廃液は塩化ニッケル溶液であり、前記目標凝縮水発生量として、目標ニッケル濃度の凝縮水が得られる凝縮水発生量を設定することを特徴とする。
第2発明によれば、目標凝縮水発生量として、目標ニッケル濃度の凝縮水が得られる凝縮水発生量を設定するので、凝縮水のニッケル濃度を調整できる。
第3発明によれば、目標凝縮水発生量が得られる塔内圧力を電解廃液の蒸気圧からの圧力差として求めるので、電解廃液の温度の変動に影響されずに、塔内圧力を適した圧力に設定できる。その結果、凝縮水の発生量を調整できる。
第4発明によれば、目標凝縮水発生量として、目標ニッケル濃度の凝縮水が得られる凝縮水発生量を設定するので、凝縮水のニッケル濃度を調整できる。
前記湿式製錬プロセスのニッケル電解工程では、アノードがアノードボックスに収納されており、アノードボックスから塩素ガスと、電解液(アノライト)とが回収される。回収された電解液(以下、「電解廃液」と称する。)は脱塩素設備に供給される。脱塩素設備では、電解廃液に溶存する塩素を塩素ガスとして回収する。塩素ガスは塩素浸出工程などで再利用される。本発明の一実施形態に係る脱塩素設備Aは、上記のように電解廃液に溶存する塩素を回収するのに用いられる。
図3に示すグラフは、横軸が脱塩素塔12の内部の圧力(以下、「塔内圧力」と称する。)をゲージ圧で表したものであり、縦軸が凝縮水の発生量(以下、「凝縮水発生量」と称する。)である。図3から分かるように、塔内圧力と凝縮水発生量との間には相関がない。すなわち、脱塩素塔12の塔内圧力を調整しても、凝縮水発生量を調整できないと思われる。
制御装置33には、目標とする凝縮水発生量(以下、「目標凝縮水発生量」と称する。)が設定される(ステップS1)。例えば、制御装置33に接続された入力装置を介して、作業員が目標凝縮水発生量を設定する。
すなわち、前記ステップS1において、制御装置33には、目標とする凝縮水のニッケル濃度(以下、「目標ニッケル濃度」と称する。)が設定される。制御装置33は、凝縮水発生量と凝縮水ニッケル濃度との関係にもとづいて、目標ニッケル濃度の凝縮水が得られる凝縮水発生量を求め、それを目標凝縮水発生量として設定する。例えば、目標ニッケル濃度を1.0g/Lに設定した場合、図6に示すグラフからは、凝縮水発生量が30L/分と求められる。
(共通の条件)
図1に示す脱塩素設備Aを用いて操業を行った。廃液貯槽11への電解廃液の供給量は10,000L/分である。電解廃液の組成は大気圧、60℃でニッケル濃度が75g/L、塩素濃度が0.2g/Lである。脱塩素塔12に供給される電解廃液の温度は55〜65℃の範囲で変動していた。熱交換器の能力は供給ガスの温度が60℃の場合、排出ガスの温度が30℃となる能力である。
脱塩素塔12に供給される電解廃液の温度に基づき、電解廃液の蒸気圧からの圧力差に換算した塔内圧力が-20mmHgとなるように制御して、30日間操業した。
その結果、凝縮水発生量は30L/分でほぼ一定に維持された、操業期間中の凝縮水の総量は129.6m3であった。また、凝縮水のニッケル濃度は1g/Lでほぼ一定に維持された。
塔内圧力を-615.0mmHgに設定して、30日間操業した。
その結果、凝縮水発生量は、13〜40L/分の範囲で変動した。また、凝縮水のニッケル濃度は0.05〜7g/Lの範囲で変動した。
11 廃液貯槽
12 脱塩素塔
13 熱交換器
14 凝縮水貯槽
15 真空ポンプ
31 温度計
32 圧力計
33 制御装置
Claims (4)
- 電解廃液に溶存する塩素を負圧下で気化させて、水蒸気を含む塩素ガスを排出する脱塩素塔と、
前記脱塩素塔から排出された水蒸気を含む塩素ガスを冷却して、凝縮水を生成する熱交換器と、
前記脱塩素塔に供給される電解廃液の温度を測定する温度計と、
前記脱塩素塔の塔内圧力を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
塔内圧力から電解廃液の蒸気圧を減算した値である圧力差であって、目標凝縮水発生量が得られる圧力差を求め、
前記温度計で測定された温度の電解廃液の蒸気圧を求め、
前記蒸気圧と前記圧力差とを加算して目標塔内圧力を求め、
前記脱塩素塔の塔内圧力が前記目標塔内圧力になるように制御する
ことを特徴とする脱塩素設備。 - 前記電解廃液は塩化ニッケル溶液であり、
前記目標凝縮水発生量として、目標ニッケル濃度の凝縮水が得られる凝縮水発生量を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の脱塩素設備。 - 電解廃液に溶存する塩素を負圧下で気化させて、水蒸気を含む塩素ガスを排出する脱塩素塔と、前記脱塩素塔から排出された水蒸気を含む塩素ガスを冷却して、凝縮水を生成する熱交換器とを備える脱塩素設備の制御方法であって、
塔内圧力から電解廃液の蒸気圧を減算した値である圧力差であって、目標凝縮水発生量が得られる圧力差を求め、
前記脱塩素塔に供給される電解廃液の蒸気圧を求め、
前記蒸気圧と前記圧力差とを加算して目標塔内圧力を求め、
前記脱塩素塔の塔内圧力を前記目標塔内圧力に調整する
ことを特徴とする脱塩素設備の制御方法。 - 前記電解廃液は塩化ニッケル溶液であり、
前記目標凝縮水発生量として、目標ニッケル濃度の凝縮水が得られる凝縮水発生量を設定する
ことを特徴とする請求項3記載の脱塩素設備の制御方法。
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