JP6435699B2 - コイル部品およびコイル部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コイル部品およびコイル部品の製造方法に関する。
信号電波を送受信することによって、自動車や家屋等のドアに直接触れることなく施錠したり、開錠したりすることが可能なキーレスエントリシステムが実用化されている。そして、キーレスエントリシステムを実現するために、信号電波を送受信できるコイルアンテナが多く採用されている。また、無線電波によって正確な時間調整を行おうとする、いわゆる電波時計においてもコイルアンテナが多く採用されている。
なお、磁性体コアと、巻線コイルとから構成されるコイル部品は、コイルアンテナに好適に適用されるものである。そして、コイルアンテナを構成要素として含むシステムを、コイルアンテナシステムとも称する。
近年、広い周波数帯域において安定した無線信号を送受信することが可能なコイルアンテナの需要が高まっている(以下の説明では、コイルアンテナの広帯域化とも称する)。
コイルアンテナを広帯域化するためには、コイルアンテナに特定周波数の強い交流電流を印加して、強い磁界を発生させ、無線信号を送信できることが必要となる。このため、無線信号を送受信するために許容される許容特性範囲を広く設定する。こうすることで、個々のコイルアンテナ製品の特性がバラついたとしても許容範囲内に収まるため、コイルアンテナの製造に係る設計の簡素化と自由度を向上させることができる。この結果、コイルアンテナ製品のコスト低減等を図ることができる。
この種のコイルアンテナに関連する技術として、下記の特許文献1を例示する。
特許文献1には、キーレスエントリシステムに用いる通信装置に関する技術が開示されている。当該通信装置は、使用環境における雑音状況に応じて、スペクトル拡散に用いる拡散符号の符号長を変化させると共にアンテナのQ値を変動させて、狭帯域での長距離通信と広帯域での短距離通信を同一のアンテナで実現している。
特開2008−258817号公報
特許文献1において、アンテナのQ値の変動はアンテナ共振回路の抵抗値を変えることによって実現している(特許文献の図1等参照)。
ここで図示されているアンテナ共振回路のように、コイルアンテナに抵抗素子を直列接続させる構成では、所望のQ値を満足させるために抵抗値を大きくすると、印加される交流電流が大きくなる場合にコイルアンテナが高熱となり、問題になることがあった。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、抵抗値の変動に代わる方式によって所望のQ値を容易に実現することができ、製造安定性に優れているコイル部品、および、当該コイル部品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、一対の端子部と、第一の線材によって形成され、端部がそれぞれ異なる前記端子部に導通し、一の前記端部と他の前記端部との間の少なくとも一部の区間において所定の中心軸を中心として巻回されている本体コイル部と、第二の線材によって形成され、前記第二の線材に含まれる二点間が短絡されており、前記二点間の少なくとも一部の区間において巻回されており、前記本体コイル部に生成される磁束が偏って交差するように配置されている短絡コイル部と、前記第一の線材と前記第二の線材とが共通して絡げられている絡げ部と、を備え、前記本体コイル部は、前記第一の線材が前記中心軸を中心として巻回されて形成されている第一巻回部を含んでおり、前記短絡コイル部は、前記第二の線材が巻回されて形成されている第二巻回部を含んでおり、前記第一巻回部と前記第二巻回部とが、前記絡げ部から離間しており、かつ、前記絡げ部において導通しているコイル部品が提供される。
本発明によれば、一対の端子部を備えるコイル部品の製造方法であって、一の前記端子部に第一の線材の一端を導通させ、所定の中心軸を中心として前記第一の線材を巻回して第一巻回部を形成し、前記第一の線材の他端を他の前記端子部に導通させる本体コイル形成工程と、前記第一巻回部に生成される磁束が偏って交差するように、第二の線材に含まれる二点間の少なくとも一部の区間を巻回して第二巻回部を形成し、前記二点間を短絡する短絡コイル形成工程と、を含み、前記本体コイル形成工程において、前記第一巻回部から離間している絡げ部まで前記第一の線材を引き回して絡げ、前記短絡コイル形成工程において、前記第二巻回部から離間している前記絡げ部まで前記第二の線材を引き回して絡げ、前記本体コイル形成工程および前記短絡コイル形成工程の実行によって、前記第一巻回部と前記第二巻回部とを導通させるコイル部品の製造方法が提供される。
上記発明によれば、コイル部品を通電したときに本体コイル部に生じる磁場を短絡コイル部が打ち消すので、コイル部品全体としてQ値の低減を図ることができる。また、短絡コイル部の巻数を変えれば、Q値の変動効果の大小も変わるので、コイル部品のQ値を好適に調整することができる。
本発明によれば、抵抗値の変動に代わる方式によって所望のQ値を容易に実現することができ、製造安定性に優れているコイル部品、および、当該コイル部品の製造方法が提供される。
本実施形態におけるコイル部品の斜視図である。 コイル部品に搭載されているコンデンサ部品の近傍を拡大して示す図である。 本体コイル部および短絡コイル部の絡げ部を拡大して示す図である。 コイル部品の電気回路図である。 コイル部品において構成されている直列共振回路の通過特性を示す図である。 第一の変形例のコイル部品の斜視図である。 第一巻回部の近傍におけるコイル部品の断面模式図である。 第二の変形例のコイル部品におけるコンデンサ部品の近傍を拡大して示す図である。 第二の変形例のコイル部品における本体コイル部および短絡コイル部の絡げ部を拡大して示す図である。 第三の変形例のコイル部品におけるコンデンサ部品の近傍を拡大して示す図である。 第三の変形例のコイル部品における本体コイル部および短絡コイル部の絡げ部を拡大して示す図である。 参考形態のコイル部品の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
<コイル部品100の概要>
まず、コイル部品100の概要について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態におけるコイル部品100の斜視図である。
図1に示すとおりコイル部品100は、一対の端子部110(111、113)と、本体コイル部130と、短絡コイル部140と、を備える。
本体コイル部130は、第一の線材によって形成され、端部がそれぞれ異なる端子部111、113に導通し、一の端部と他の端部との間の少なくとも一部の区間において所定の中心軸を中心として巻回されている。
短絡コイル部140は、第二の線材によって形成され、第二の線材に含まれる二点間が短絡されており、二点間の少なくとも一部の区間において巻回されており、本体コイル部130に生成される磁束が偏って交差するように配置されている。
ここで所定の中心軸とは、本実施形態においてはベース部150の中心軸である。本実施形態においては、本体コイル部130および短絡コイル部140はベース部150の周囲に巻回されて形成されている。
なお、本実施形態においては、磁性体コア160を挿入したベース部150の周囲に本体コイル部130および短絡コイル部140を形成する態様で説明したが、本発明は、この態様に限られない。例えば、本体コイル部130および短絡コイル部140は空心コイルであってもよいし、磁性体コア160に直巻きのコイルであってもよい。従って、ベース部150および磁性体コア160はコイル部品100から省かれてもよい。
ここで短絡とは、第二の線材によって構成される電気回路に含まれる二点が低インピーダンスで接続されていることをいう。また、ここで低インピーダンスとは、一対の端子部110からみたコイル部品100全体のインピーダンスと比べて十分に小さいインピーダンスをいう。
ここで「短絡コイル部140は、本体コイル部130に生成される磁束が偏って交差する」とは、短絡コイル部140によって区画される領域を通過する磁束の方向について、一の方向の磁束が他の方向の磁束より多いことをいう。
コイル部品100は、上記のように構成されているので、本体コイル部130に通電して磁場が生じるとき、相互誘導によって短絡コイル部140に当該磁場を打ち消す方向の磁場が生じる。従って、コイル部品100の全体としてはQ値が低減される。また、短絡コイル部140の巻数を変更することによって、Q値の低減効果の大小が変動するので、容易にコイル部品100の所望のQ値を実現することができる。
また、コイル部品100は、抵抗を用いてQ値を変動させる方式と比べて、抵抗素子を付加する必要がないので部品点数の削減および工数の削減を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。
また、コイル部品100は、本体コイル部130の内側と短絡コイル部140の内側とを挿通している磁性体コア160を備えている。すなわち、本体コイル部130と短絡コイル部140とに共通の磁性体コア160が挿通されている。従って、前段で説明したQ値の低減効果が好適に発揮される。
<コイル部品100の広帯域化について>
次に、コイル部品100の広帯域化について、図4および図5を用いて説明する。
図4は、コイル部品100の電気構成を図示している。一の端子部111と他の端子部113との間において、コンデンサ部品120と短絡コイル部140と本体コイル部130とが直列に接続されて、直列共振回路が構成されている。また、本体コイル部130と短絡コイル部140とにわたって磁性体コア160が作用している。
ここで、コイル部品100において構成されている直列共振回路の通過特性について、図5を参照して説明する。図5は、縦軸にコイルアンテナの通過特性:Tを示し、横軸にコイル部品100に印加する交流電流の周波数:fを示している。
図5に示す実線Lは、本実施形態のコイル部品100の通過特性を表す。太線Lで表す通過特性のピーク:T10における周波数は、コイル部品100の共振周波数:fに一致する。また、太破線Lは、本来得るべき共振周波数:fに対してわずかにずれた周波数fで交流電流をコイル部品100に印加した場合の通過特性を表す。
図5に示す細線Lは、本実施形態のコイル部品100から短絡コイル部140を除いたコイル部品(図示せず)の通過特性を表す。すなわち、細線Lは、コンデンサ部品120と本体コイル部130とベース部150と同等の構成要素によって構成されているコイル部品(図示せず)の通過特性に相当する。ここで、細線Lで表す通過特性のピークTにおける周波数は、共振周波数:fに一致する。また、細破線Lは、本来得るべき共振周波数:fに対してわずかにずれた周波数fで交流電流を当該コイル部品(図示せず)に印加した場合の通過特性を表す。
図5に示すとおり、実線LのピークのQ値:T10と、破線LのQ値:T11との差:ΔTは、ΔT=T10−T11と表すことができる。
また、実線LのピークのQ値:T20と、破線LのQ値:T21との差:ΔTは、ΔT=T20−T21と表すことができる
ここで、図5に示すとおり、T20>T10であり、かつ、ΔT>ΔTである。つまり、短絡コイル部140を備えているコイル部品100は、短絡コイル部140に相当する要素を持たない同等のコイル部品(図示せず)と比較したとき、Q値が低くなっている。また、コイル部品100は、共振周波数のずれによる通過特性の低下幅が小さくなっている。このように、Q値を低下させ、共振周波数における通過特性の変化幅を小さくすることを「なまらせる」という。
通過特性を「なまらせる」と、要求される共振周波数に対してずれた周波数の交流電流をコイル部品100に印加した場合であっても通過特性の低下が小さく留まる。従って、コイル部品100は広帯域の送受信を許容することができる。
<コイル部品100の各構成要素について>
まず、コイル部品100の各構成要素について、図1から図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態におけるコイル部品100の斜視図である。図2は、コイル部品100に搭載されているコンデンサ部品120の近傍を拡大して示す図である。図3は、本体コイル部130および短絡コイル部140の絡げ部の近傍を拡大して示す図である。
一対の端子部110は、端子部111と端子部113とを含んでいる。端子部111と端子部113とは、外部機器(図示せず)に電気的に接続される導電性の部材である。
端子部111と端子部113とは、中途で略直角に屈曲しており、それぞれの端部112と端部114とがベース部150の側方から突出している。この端部112および端部114に本体コイル部130(第一の線材)の端部が絡げられ金属ろう材で固着されることによって、端子部111と端子部113とが本体コイル部130に導通している。ここで金属ろう材とは代表的には半田であるが、他の金属を用いてもよい。
なお、図1、図2および図3において、各線材が絡げられている様子を図示するため、金属ろう材の塗布状態は図示省略している。
本体コイル部130は、コイル部品100の直列共振回路におけるインダクタンス要素の主要部分となる要素であり、第一巻回部131と第一経路部132、133を含んでいる。
第一巻回部131は、本体コイル部130におけるインダクタンス要素である。
第一経路部132は、第一巻回部131から端子部113までの引き回し経路を形成している。より詳細には、第一経路部132は、第一巻回部131の先端側から引き出され、掛合部152の下方や支柱156の周囲を経由し、端部114に絡げられている。
第一経路部133は、第一巻回部131から絡げ部までの引き回し経路を形成し、当該絡げ部およびコンデンサ部品120を介して端子部111に導通している。より詳細には、第一経路部133は、第一巻回部131の後端側から引き出され、支柱157の周囲を経由し、当該絡げ部に絡げられて端子部111に導通している。なお、本実施形態において、当該絡げ部は、コンデンサ部品120のリード部123と、ベース部150の側方から突出している突起部153と、によって構成されている。
なお、第一経路部132、133は、本体コイル部130(第一巻回部131)の中心軸の軸方向に概ね沿う方向に引き回されている。従って、第一経路部132、133の周囲に生じる磁場は、本体コイル部130全体に生じる磁場と比べて無視できる程度に小さい。
本体コイル部130を形成している第一の線材は、後述の短絡コイル部140を形成している第二の線材や、リード部122および端部112に絡げられている第三の線材170と、同種の線材である。各線材は、内部に導電性の導線が含まれており、導線の周囲を絶縁性部材によって被覆している。
これにより、自動巻線機によって各線材を引き回す際に、線材の交換を行うことなく同一工程で行うことができるので、コイル部品100の生産性が向上する。
短絡コイル部140は、本体コイル部130に生じる磁場を相互誘導によって打ち消し、コイル部品100のQ値を低下させる目的で設けられている要素であり、第二巻回部141と第二経路部142、143とを含んでいる。
第二巻回部141は、短絡コイル部140におけるインダクタンス要素である。
第二経路部142、143は、第二巻回部141から絡げ部(リード部123と突起部153)までの引き回し経路を形成している。より詳細には、第二経路部142は、第二巻回部141から引き出され、支柱154の端部に接触して経路を変えて、リード部123および突起部153に絡げられている。第二経路部143は、第二巻回部141から引き出され、支柱155の端部に接触して経路を変えて、リード部123および突起部153に絡げられている。
第二巻回部141を形成している第二の線材が、本体コイル部130(第一巻回部131)の中心軸の軸方向に対して略垂直になるように、第二巻回部141が形成されている。すなわち、第二巻回部141で内包している領域を本体コイル部130の中心軸の軸方向に対して略垂直に設けている。これにより、本体コイル部130に生じる磁束線をより多く当該領域を介して通過させることになるので、好適にQ値の低減効果を発揮させることができる。
短絡コイル部140の巻数が多くなるほどQ値の低減効果は小さくなり、コイル部品100のQ値は大きくなる。また、短絡コイル部140の巻数が少なくなるほどQ値の低減効果は大きくなり、コイル部品100のQ値は小さくなる。
コイル部品100は、本体コイル部130(第一の線材)と短絡コイル部140(第二の線材)とが共通して絡げられている絡げ部を備えている。上述のように、本実施形態において当該絡げ部は、リード部123と突起部153とによって構成されている。
本体コイル部130は、第一の線材が中心軸を中心として巻回されて形成されている第一巻回部131を含んでいる。また、短絡コイル部140は、第二の線材が巻回されて形成されている第二巻回部141を含んでいる。
第一巻回部131と第二巻回部141とが、当該絡げ部から離間しており、かつ、当該絡げ部において導通している。
前段で説明した絡げ部(リード部123および突起部153)に絡げられている各線材は螺旋状に形成されているため、通電するとインダクタンス要素として作用し磁場が生じる。ここで生じる磁場がコイル部品100のノイズ要因となりうる。
しかし、本実施形態のコイル部品100においては、主要な構成要素である第一巻回部131および第二巻回部141が絡げ部から離間して設けられているため、当該ノイズ要因の影響が低減する。
一方で、第二巻回部141は第一巻回部131の中心軸の周囲に巻回されており、第一巻回部131と第二巻回部141とは、中心軸の軸方向(ベース部150の長尺方向)に離間している。すなわち、本体コイル部130と短絡コイル部140とにおいて相互誘導を生じるインダクタンス要素どうしが離間している。これによって、Q値の低減効果が適切な範囲に収まる。
なお、キーレスエントリシステムにおけるコイルアンテナとしてコイル部品100を用いる場合、コイル部品100のQ値は10以上40以下に収めることが好ましい。
本体コイル部130の巻数(第一巻回部131の巻回数)は、コイル部品100に求められる所望の共振周波数によって決定される。
また、短絡コイル部140の巻数(第二巻回部141の巻回数)は、コイル部品100に求められる所望の通過特性、すなわち、どの程度Q値を低減させて通過特性を「なまらせる」必要があるかによって決定される。
発明者らが行った検証により、本体コイル部130の巻数を100から200程度としたとき、短絡コイル部140の巻数(第二巻回部141の巻回数)が3以下である場合に上記範囲にQ値が収まることがわかっている。また、図1等に示すように、第二巻回部141の巻回角度が360度にも満たず、第二巻回部141と第二経路部142とを含めて短絡コイル部140の巻数が1とみなせる構成であっても、十分にQ値の低減効果が発揮されることがわかっている。
なお、前段落で述べた短絡コイル部140の巻数は、本実施形態で説明するコイル部品100の構成において好適とされるものであり、本体コイル部130の巻数や短絡コイル部140の配置によっては異なる数値を採りうる。
ベース部150は、一対の端子部110が装着されており、第一巻回部131および第二巻回部141が周囲に巻回されている。
また、ベース部150は中心軸の周囲を周回するように形成されている溝部151を含んでおり、第二巻回部141は溝部151に沿って巻回されている。
溝部151を備えていることにより、第二巻回部141が所望の位置から逸脱することを抑制し、短絡コイル部140が本体コイル部130や端子部110に不測に接触することを防止できる。
ベース部150は、樹脂等の絶縁素材によって形成されており、周囲に巻回されている第一の線材や第二の線材と磁性体コア160とを絶縁している。これにより、本体コイル部130や短絡コイル部140が磁性体コア160と導通することを防止している。
上述のように本体コイル部130は、第一巻回部131から端子部110までの引き回し経路を形成している第一経路部132、133を含んでいる。
また、第二巻回部141は、第一巻回部131から端子部110までの間に位置しており、かつ、第一経路部132、133と径方向に離間している。すなわち、本体コイル部130を形成している第一の線材は、溝部151の底面から離間した位置で引き回されている。
これにより、本体コイル部130(第一経路部132、133)と第二巻回部141とが不測に接触することを防止できる。
また、ベース部150は、一対の端子部110、第一巻回部131および第二巻回部141を備えると共に、リード部122、123を有しているコンデンサ部品120(電子部品)が搭載されている。
既述のとおり、リード部123の一部が絡げ部になっており、リード部123に第一の線材と第二の線材とが絡げられている。
より詳細には、ベース部150は、リード部123と隣接している突起部153を有している。そして、リード部123と突起部153とが絡げ部として第一の線材と第二の線材とに絡げられており、かつ、金属ろう材で固着されている。
本体コイル部130(第一の線材)および短絡コイル部140(第二の線材)を絡げている共通の絡げ部について、リード部123および突起部153で構成することにより、絡げ部を設けるための部品を別途ベース部150に装着させる必要がなく、部品点数が少なくなる。従って、コイル部品100の生産性が向上する。
また、形状的に破損しやすいリード部123が、突起部153と共に各線材に絡げられ、さらに金属ろう材で固着されているので、リード部123が破損しにくくなる。
さらに、周囲を各線材で絡げることによってリード部123と突起部153とに金属ろう材が十分に行きわたり、当該絡げ部における固着の安定性が増す。
コンデンサ部品120は、主としてコンデンサとして作用する電子部品である。コンデンサ部品120は、素子部121とリード部122とリード部123とを含んでいる。
素子部121は、当該電子部品の目標とする機能を実現するために設けられている主要な要素である。また、ここでリード部122、123は、素子部121を他の部材と電気的に接続させるために設けられている要素である。
本実施形態においては、素子部121は、リード部122を介して端子部111に導通しており、リード部123を介して本体コイル部130および短絡コイル部140に導通している。
ベース部150は、素子部121を掛合して固定している掛合部152を有している。さらにいえば、本体コイル部130は第一巻回部131から端子部113までの引き回し経路を形成している第一経路部132を含んでおり、第一経路部132の少なくとも一部が、掛合部152と素子部121とに挟まれて保持されている。
素子部121(コンデンサ部品120)および第一経路部132を掛合部152で固定することによって、リード部122、123と各線材の接続工程(絡げ処理および金属ろう材の塗布処理)を安定的に行うことができる。
より詳細には、掛合部152は爪部を有しており、爪部が素子部121に掛合することでコンデンサ部品120の抜け防止を図っている。
掛合部152は爪部が設けられている先端側に斜面が設けられており、当該斜面に当接するようにコンデンサ部品120を押し込むことによって、所望の位置にコンデンサ部品120を挿入することができる。
コンデンサ部品120は、以下のような構成によって端子部110、本体コイル部130および短絡コイル部140に接続されている。
まず、コンデンサ部品120(電子部品)は、第一の線材および第二の線材に接続されているリード部123(一のリード部)と、端子部111(一の端子部)に接続されているリード部122(他のリード部)と、を有している。
リード部123とリード部122とは、突起部153が設けられているベース部150の一面から、突起部153の突出方向と同方向に突出している。
端子部111の一部(端部112)は、リード部122と隣接しており、一面から当該突出方向と同方向に突出しており、かつ、リード部122と共に第三の線材170によって絡げられて金属ろう材で固着されている。
端子部113(他の端子部)の一部は、一面から当該突出方向と同方向に突出しており、かつ、第一の線材によって絡げられて金属ろう材で固着されている。
前段落の構成により、(i)リード部123、第一の線材、第二の線材および突起部153への金属ろう材塗布、(ii)リード部122、第三の線材170および端子部111への金属ろう材塗布、および、(iii)第一の線材および端子部113への金属ろう材塗布が、同一工程で可能となる。具体的には、(i)(ii)(iii)に挙げた各部位をベース部150の側面から同程度の長さ突出させ、これらの部位を金属ろう材の溶解槽に浸すことによって、一度で金属ろう材を塗布することができる。
これにより、コイル部品100の製造工程が短縮され、コイル部品100の生産性が向上する。
なお、前段落で挙げたベース部150の側面から突出している各部位に着目すれば、コイル部品100は以下の特徴を有している電子回路であるともいえる。
すなわち、コイル部品100は、リード部122、123を有しているコンデンサ部品120(電子部品)と、コンデンサ部品120が搭載されており、かつ、リード部122、123の近傍に設けられている突出部を有しているベース部150と、を備えている。リード部123と突出部とが巻線で絡げられており、さらに、リード部122、123と突起部と巻線とが金属ろう材で固着されている。
ここで突出部とは、具体的にはリード部122に対しては端子部111の端部112のことであり、リード部123に対しては突起部153のことである。
前段で述べたようにリード部122、123に対して端部112および突起部153を添えるように配置して、巻線で絡げて金属ろう材で固着しているので、リード部122、123が破損しにくくなる。また、互いの隙間に金属ろう材が十分に行きわたり、固着の安定性が増す。
磁性体コア160は、ベース部150の内側に挿通されており、本体コイル部130および短絡コイル部140に生じる磁場を増幅させる。
磁性体コア160の材料としては、酸化鉄を主成分とするセラミックスからなるもの(フェライトコア)、非晶質合金からなるもの(アルモファスコア)、金属粉末を圧縮成形したもの(ダストコア)、複数の電磁鋼板を電気的に絶縁して積層構造にしたもの(積層コア)等が挙げられる。
<コイル部品100の製造方法について>
本実施形態のコイル部品100は、以下のような製造方法によって製造される。
まず、一対の端子部110を備えるベース部150を用意する。
一の端子部(例えば端子部111)に第一の線材の一端を接続し、所定の中心軸(本実施形態においてはベース部150)を中心として第一の線材を巻回して第一巻回部131を形成し、第一の線材の他端を他の端子部(例えば端子部113)に接続する(本体コイル形成工程)。
そして、第一巻回部131に生成される磁束が偏って交差するように、第二の線材に含まれる二点間の少なくとも一部の区間を巻回して第二巻回部141を形成し、二点間を短絡する(短絡コイル形成工程)。
より詳しくは、本体コイル形成工程において、第一巻回部131から離間している絡げ部(リード部123および突起部153)まで第一の線材を引き回して絡げる。
短絡コイル形成工程において、第二巻回部141から離間している当該絡げ部まで第二の線材を引き回して絡げる。
本体コイル形成工程および短絡コイル形成工程の実行によって、第一巻回部131と第二巻回部141とを接続する。
なお、本体コイル形成工程において、第一の線材の他端を端子部113に接続する場合、本実施形態ではコンデンサ部品120を介して接続する。従って、第一の線材の他端をリード部123および突起部153に絡げて接続すると共に、第三の線材170でリード部122と端部112とを絡げて接続する。
巻回された第一の線材、第二の線材および第三の線材170を絡げた部分(本実施形態においては(i)端子部113の端部114、(ii)端子部111の端部112およびコンデンサ部品120のリード部122、(iii)コンデンサ部品120のリード部123および突起部153)に金属ろう材を塗布する(金属ろう材塗布工程)。
塗布された金属ろう材が固定した後に、ベース部150の内部に磁性体コア160を挿入して完成する(磁性体コア挿入工程)。
コイル部品100の製造方法を説明するにあたり、順番に記載された複数の工程を用いて説明した場合が、その記載の順番は複数の工程を実行する順番やタイミングを限定するものではない。このため、本発明の製造方法を実施するときには、その複数の工程の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の工程の実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
ここまで実施形態を示して本発明を説明したが、これらは一例である。また、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が単一の構成要素として構成されていること、一つの構成要素が複数の構成要素に分割されて形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
また、上述した各種の構成要素は、必ずしも必須の構成要素ではなく、本発明の効果を阻害しない程度に省いても構わないし、同等に機能又は作用する他の構成要素に代えてもよい。
以下、本発明の変形例を具体的に挙げて説明する。
<第一の変形例>
図6は、第一の変形例のコイル部品100の斜視図である。本変形例は、板状部材180を、第一巻回部131とベース部150との間に備えている点において、上記の実施形態と異なっている。より詳細には、板状部材180はベース部150におけるコンデンサ部品120が搭載されている側の面上に搭載されている。さらに、板状部材180は、第一巻回部131によって巻回されて、かつ支柱157および支柱158に設けられている爪部に係止されて固定されている。
図7は、第一巻回部131の近傍におけるコイル部品100の断面模式図である。なお、図7で図示される断面は模式図であり、各構成要素の寸法比を定義するものではない。従って、各構成要素の寸法は、適宜変更可能なものとする。
本変形例における板状部材180は四つの層を含んでいる。具体的には、板状部材180は、絶縁性基板183と、絶縁性基板183の両面を金属で鍍金する等して形成される導電層182および導電層184と、導電層182の片面を樹脂でコーティングして形成される絶縁層181と、を含んでいる。
なお、絶縁性基板183を形成している絶縁性樹脂としては、ポロ塩化ベニフィル(Poly Chlorinated Biphenyl)やポリイミド(Polyimide)等が挙げられる。また、絶縁層181を形成している樹脂としては、具体的にはエポキシ樹脂等が挙げられる。
導電層182および導電層184を形成する材料としては、本体コイル部130に磁場が生じる際に渦電流が生じる物質であればいずれを採用してもよい。なお、好ましくは、導電層182および導電層184は非磁性金属である銅やアルミ等で形成されるとよく、特に銅で形成されるとよい。なぜならば、非磁性金属で形成された導電層182および導電層184は、本体コイル部130に生じる磁場を強化しないので、磁性体コア160と共に用いられてもコイル部品100の磁気特性に影響を与えないからである。また、非磁性金属で形成された導電層182および導電層184は、コイル部品100が繰り返し通電されても磁化しないので、コイル部品100の磁気特性に経時的にも影響を与えないからである。
また、絶縁性基板183は、導電層182や導電層184よりも厚み寸法が大きくなっており、導電層182や導電層184よりも曲げ剛性が強くなっている。
図6や図7に示すとおり、磁性体コア160は、本体コイル部130(第一巻回部131)の内側を挿通している。また、導電層182および導電層184は、磁性体コア160と本体コイル部130との間に設けられている。
また、磁性体コア160と本体コイル部130との間に複数の導電層182、184が設けられており、さらに、一の導電層182と他の導電層184との間に絶縁性基板183が設けられている。
また、導電層184と磁性体コア160との間には、絶縁素材によって形成されたベース部150が設けられている。
上述のように、ベース部150は、爪部を有している複数の支柱157、158を含んでいる。そして、複数の支柱157、158は、板状部材180の幅方向に対向して並んでおり、爪部の一面が内向き方向に傾斜している。さらに、板状部材180が爪部の返しの下方面とベース部150の上方面との間に収容されている。
より詳細には、板状部材180を挿入する際に、板状部材180による挿入圧力が支柱157、158をベース部150の外側に働くように、板状部材180に当接する爪部の一面が傾斜している。この外側に働く力によって、一定の弾性を有している支柱157と支柱158とは破損せずに外側に傾いて開く。これによって生じた隙間に板状部材180は押し込まれて、爪部の返しの下方面とベース部150の上方面との間に収まり、爪部によって係止される。
なお、本変形例では上述の爪部による係止と、第一巻回部131による巻き付け力と、によって板状部材180を保持する態様で説明するが、さらに板状部材180とベース部150との間に接着剤を塗布して互いに接着する態様であってもよい。
前段で、板状部材180を支柱157、158の間に押し込むことによって爪部に嵌合させて保持する旨を説明したが、これ実現するために板状部材180は支柱157、158より高い曲げ剛性を有していることが好ましい。
先に述べたように絶縁性基板183は導電層182、184より高い曲げ剛性を有しており、絶縁性基板183を基板として板状部材180を構成しているので、上述のような嵌合方式を採ることができる。
端子部111および端子部113が通電されて、本体コイル部130(第一巻回部131)に磁場が生じた場合、導電層182および導電層184に渦電流が生じ、渦電流による損失によってコイル部品100のQ値が低減される。
すなわち、短絡コイル部140によるQ値の低減効果と、導電層182および導電層184によるQ値の低減効果と、が相まって、コイル部品100全体としてより大きな低減効果を奏することができる。
また、導電層182および導電層184を絶縁性基板183の両面に設けているので、絶縁性基板183のいずれか一面に導電層182または導電層184を形成するより大きな低減効果を奏する。
なお、本変形例における板状部材180は複数の導電層を備える態様で説明したが、単一の導電層であってもよい。このとき、板状部材180の導電層を設けている側をベース部150(磁性体コア160)の側に近づけた方が、本体コイル部130(第一巻回部131)の側に近づけるよりQ値の低減効果が高くなる。すなわち、コイル部品100全体のQ値が小さくなる。
前段で述べた事象を利用することにより、コイル部品100の製造方法における本体コイル形成工程では、(i)絶縁性基板183を形成するプリント基板の両面に導電層182、184を設けた板状部材180、(ii)絶縁性基板183を形成するプリント基板のうちベース部150の側のみに導電層184を設けた板状部材180、(iii)絶縁性基板183を形成するプリント基板のうち本体コイル部130の側のみに導電層182を設けた板状部材180、の三パターンのいずれかを選択して、本体コイル部130とベース部150の間に挟み込むことにより、コイル部品100のQ値の調整を図ることができる。
このとき、コイル部品100のQ値は、(i)<(ii)<(iii)の順となる。
前段においては、三パターンの板状部材180のいずれかを選択してQ値の調整を行う製造方法について言及したが、導電層182や導電層184の厚さを変動させることによって板状部材180に生じる渦電流の大きさが変わるので、コイル部品100のQ値を変動させることができる。
なお、導電層182、184の厚さが大きいほど、コイル部品100のQ値は小さくなる。
さらに、本体コイル部130を形成する第一の線材と板状部材180の接触面には絶縁層181が設けられているので、本体コイル部130と導電層182との導通を防止することができる。
なお、本変形例の絶縁層181は樹脂によるコーティング形成の事例で説明したが、絶縁テープの貼り付け等の手法によって形成することも可能である。
以上説明したことを整理すると、本変形例における板状部材180の採りうる態様は以下のようになる。
例えば、板状部材180は単一の導電層であってもよい。すなわち、絶縁性基板183は必ずしも必須の構成要素ではない。このとき、導電層の片面または両面を絶縁性樹脂でコーティングすることよって形成される一または複数の絶縁層を板状部材180は含んでもよい。
または、絶縁性基板183の片面または両面を金属で鍍金することによって形成される一または複数の導電層を板状部材180は含んでもよい。このとき、一方または双方の導電層の外側の面(絶縁性基板183と接する反対側の面)を絶縁性樹脂でコーティングすることよって形成される一または複数の絶縁層を板状部材180は含んでもよい。
すなわち、本変形例の板状部材180は単層から五層の構成のいずれかを採ることができる。
<第二の変形例>
図8は、第二の変形例のコイル部品100におけるコンデンサ部品120の近傍を拡大して示す図である。図9は、第二の変形例のコイル部品100における本体コイル部130および短絡コイル部140の絡げ部を拡大して示す図である。
本変形例のコイル部品100は、短絡コイル部140が第一巻回部131の中心軸に対して略平行になっている点について、上記の実施形態とは異なる。また、短絡コイル部140を形成している第二の線材の引き回し経路となる溝部151aと溝部151bとが、ベース部150から出っ張って形成されているフランジ部191、192にそれぞれ設けられている点について、上記の実施形態とは異なる。
なお、フランジ部191は、ベース部150の先端部に設けられている庇状の部位である。また、フランジ部192は、ベース部150のコンデンサ部品120の搭載位置と第一巻回部131の巻回位置の間に設けられている庇状の部位である。
本変形例においては、第二の線材の引き回し経路を所定の位置に定めるために溝部151aと溝部151bとを設ける事例で説明したが、これに限られない。例えば、第二の線材を引き回すために支柱(図示せず)を設け、これらに第二の線材を巻回することによって短絡コイル部140(第二巻回部141)を構成してもよい。
本変形例において短絡コイル部140は、コンデンサ部品120の周囲を囲うように略矩形状に形成されている。ここで示す短絡コイル部140の配置および形状は一例であって、他の態様を採りうる。
例えば、短絡コイル部140の形状としては、円形、C形、渦巻き、螺旋、多角形等、電磁コイルとして機能する形状の全てを採りうる。すなわち、第二巻回部141の巻回数は一であってもよいし、複数であってもよい。また、第二巻回部141の巻回角度は360度に満たなくてもよい。
また、短絡コイル部140の配置としては以下のような態様を採りうる。すなわち、第二巻回部141によって区画されている領域が、本体コイル部130の内側に挿通されている磁性体コア160または第一巻回部131の少なくとも一方と重なっていてもよい。
また、第二巻回部141によって区画されている領域の一部が、磁性体コア160の幅方向または長手方向の少なくとも一方について磁性体コア160から外れてもよい。
あるいは、第二巻回部141によって区画されている領域の全体が、磁性体コア160と重複していてもよい。
なお、本変形例における第二巻回部141は、磁性体コア160に対して一部が重なっており、磁性体コア160よりも幅方向に広くて一部が外れている。
ここで磁性体コア160に重なっている(重複している)とは、第二巻回部141によって区画されている領域から視て磁性体コア160の少なくとも一部が対向していることをいう。
また、磁性体コア160から外れているとは、第二巻回部141によって区画されている領域の少なくとも一部から視て磁性体コア160に対向していないことをいう。
ただし、第二巻回部141によって区画されている領域は、第一巻回部131の中心軸の中央を基準として一方に偏っていることを要する。すなわち、第二巻回部141は第一巻回部131の中央を基準として非対称となるように配置されている。
仮に、第二巻回部141を第一巻回部131の長手方向の中央を基準として対称に配置した場合、第二巻回部141によって区画されている領域に通過する磁束方向が当該基準を境に逆方向となる。従って、異なる方向どうしの磁束に起因する相互誘導は打ち消し合うように働き、第二巻回部141に生じる磁場が小さくなり、コイル部品100のQ値を低減する効果も小さくなる。
従って、本変形例のように第二巻回部141を当該基準に対して非対称に配置することによって、好適にQ値の低減効果を図ることができる。
前段で述べたことを整理すると、以下のようになる。すなわち、第二巻回部141を形成している第二の線材が、本体コイル部130(第一巻回部131)の中心軸の軸方向に対して略平行となるように巻回されている。また、第二巻回部141によって区画されている領域が、第一巻回部131の中心軸の中央を基準として軸方向の一方に偏っている。
短絡コイル部140が、上記で述べた配置に形成されることでも、コイル部品100のQ値の低減を図ることができる。ただし、上記で述べた実施形態における第二巻回部141の配置の方が、第一巻回部131に生じる磁束がより多く通過するので、より好適にQ値の低減効果を奏することができる。
また、上述した短絡コイル部140の配置の如何なる態様においても、第一巻回部131と第二巻回部141とが、第一巻回部131の径方向に離間していることが好ましい。第一巻回部131と第二巻回部141との不測の接触を防止するためである。
なお、本変形例における第一巻回部131と第二巻回部141とは、第一巻回部131の径方向にも、第一巻回部131の軸方向にも離間している。
また、第二巻回部141を形成している第二の線材は、他の線材や各絡げ部、すなわち本体コイル部130を形成している第一の線材、第三の線材170、端部114、端部112およびリード部122、突起部153およびリード部123と非接触であることが好ましい。接触することによって第二の線材の被膜が破損し、不測にショートすることを防止するためである。
なお、本変形例では突起部153およびリード部123を、短絡コイル部140と本体コイル部130との共通の絡げ部として用いる例で説明したが、これに限られない。すなわち、短絡コイル部140と本体コイル部130の絡げ部を個別に設けてもよい。
<第三の変形例>
図10は、第三の変形例のコイル部品100におけるコンデンサ部品120の近傍を拡大して示す図である。図11は、第三の変形例のコイル部品100における本体コイル部130および短絡コイル部140の絡げ部を拡大して示す図である。
本変形例のコイル部品100は、第二巻回部141を形成している第二の線材が、第一巻回部131の中心軸の軸方向に対して略平行となるように巻回されており、第二巻回部141の巻回中心の位置が、第一巻回部131の中心軸の中央より軸方向の一方に偏っている点について第二の変形例と共通している。
しかし、第二の変形例では短絡コイル部140はベース部150のコンデンサ部品120が搭載されている面に対して略平行であるのに対して、第三の変形例では短絡コイル部140は各絡げ部が設けられているベース部150の側面に対して略平行である点について、互いの変形例は異なる。
また、フランジ部191に複数の溝部151bおよび溝部151dが設けられており、フランジ部192に複数の溝部151aおよび溝部151cが設けられている点について、第二の変形例とは異なる。なお、溝部151a、溝部151b、溝部151c、溝部151dはいずれも短絡コイル部140を形成している第二の線材の引き回し経路を定めるために設けられている。
本変形例では、本体コイル部130および短絡コイル部140を絡げているリード部123と突起部153との近傍に第二巻回部141が巻回されているため、第二経路部142や第二経路部143が省略されている点について、他の実施形態や変形例とは異なる。
また、本変形例では、第二経路部142や第二経路部143が省かれているため、その経路を変更するために設けられている支柱154や支柱155も省かれている。
本変形例のように短絡コイル部140を形成しても、コイル部品100のQ値を低減させることができる。ただし、上記の実施形態における短絡コイル部140の配置よりQ値の低減効果が小さくなる。
<参考形態>
図12は、参考形態のコイル部品100の斜視図である。本変形例は、短絡コイル部140を備えていない点について、第一の変形例のコイル部品100とは異なる。また、短絡コイル部140が省かれているため、その経路を変更するために設けられている支柱154や支柱155も省かれている。
さらに、リード部123および突起部153は、本体コイル部130の一端が絡げられているのみである。
前段で述べた構成を整理すると、以下のようになる。すなわち、コイル部品100は、一対の端子部110(111、113)と、磁性体コア160と、本体コイル部130と、導電層182、184と、を備えている。本体コイル部130は、第一の線材によって形成され、端部がそれぞれ異なる端子部111、113に導通し、一の端部111と他の端部113との間の少なくとも一部の区間において磁性体コア160の周囲に巻回されている。導電層182、184は、磁性体コア160と本体コイル部130との間に設けられている。
本参考形態のコイル部品100のように短絡コイル部140が省かれている構成でも、板状部材180が備えられているので、コイル部品100のQ値の低減効果を図ることができる。
上述の構成を除いては、本参考形態は第一の変形例と同様の構成を備えている。
例えば、本参考形態のコイル部品100は、導電層182、184と、導電層182、184が表面に形成された絶縁性基板183と、を含んでいる板状部材180を備えている。そして、板状部材180が磁性体コア160と本体コイル部130との間に設けられている。
絶縁性基板183の表面に導電層182、184が形成されているので、所望の厚み寸法を容易かつ均一に実現することができる。
また、コイル部品100は、本体コイル部130が周囲に巻回され、内部に磁性体コア160が挿通されているベース部150を備えており、板状部材180がベース部150と本体コイル部130との間に設けられている。
磁性体コア160が挿入される側(ベース部150の内側)ではなく、ベース部150の外側に板状部材180が配置されるので、ベース部150と磁性体コア160との嵌合の精度がよくなる。また、ベース部150の外側に板状部材180を設けているので、渦電流損失によって生じる熱量を放熱しやすい。
また、ベース部150は、爪部を有している複数の支柱157、158を含んでいる。そして、複数の支柱157、158は、板状部材180の幅方向に対向して並んでおり、爪部の一面が内向き方向に傾斜している。さらに、板状部材180が爪部の返しの下方面とベース部150の上方面との間に収容されている。
このような方式を採用することにより、容易な操作で板状部材180をベース部150に装着させて保持させることができる。
板状部材180は、絶縁性基板183の両面のそれぞれに形成されている複数の導電層182、184を含んでいる。渦電流は金属平板を通過する磁束が変化することによって生じる現象であるため、複数の導電層182、184を含むことによって、コイル部品100はより大きなQ値の低減効果を奏することができる。
導電層182、184と本体コイル部130または磁性体コア160の少なくとも一方との間に絶縁層181が形成されている。なお、ここでは、導電層182と本体コイル部130との間に絶縁層181が形成されている。これにより、本体コイル部130と導電層182との導通を防止することができる。
ここでは図示しないが、導電層184と磁性体コア160との間に他の絶縁層(図示せず)が設けられてもよい。このとき、導電層184と磁性体コア160との導通を防止することができる。
なお、図面を用いての説明は省くが、例えば、上記の実施形態において、ベース部150は単一の溝部151を備える態様で説明したが、複数の溝部151を備えてもよい。すなわち、ベース部150は中心軸の軸方向に互いに離間している複数の溝部151を含んでおり、第二巻回部141は複数の溝部151のいずれかに巻回されている態様を採ってもよい。
これにより、第二巻回部141を巻回させる溝部151を選択することによって、コイル部品100のQ値を調整することができる。より詳細には、第一巻回部131に近い側の溝部151に第二の線材を巻回して第二巻回部141を形成した場合には、コイル部品100のQ値の低減効果が大きくなる。一方、第一巻回部131に遠い側の溝部151に第二の線材を巻回して第二巻回部141を形成した場合には、コイル部品100のQ値の低減効果が小さくなる。
また、第一の変形例および参考形態では、板状部材180をベース部150と第一巻回部131の間に挟み込むように設ける態様で説明したが、板状部材180は第一巻回部131と磁性体コア160の間に設けられていればよく、板状部材180の配置はこれに限られない。
例えば、ベース部150の内周面において板状部材180を収容できる収容部(図示せず)を設け、当該収容部に板状部材180を収容してもよい。この場合、ベース部150の端部に設けられた開口から挿入可能となっていることが好ましい。
上記の実施形態および変形例は以下の技術思想を包含する。
(1)一対の端子部と、第一の線材によって形成され、端部がそれぞれ異なる前記端子部に導通し、一の前記端部と他の前記端部との間の少なくとも一部の区間において所定の中心軸を中心として巻回されている本体コイル部と、第二の線材によって形成され、前記第二の線材に含まれる二点間が短絡されており、前記二点間の少なくとも一部の区間において巻回されており、前記本体コイル部に生成される磁束が偏って交差するように配置されている短絡コイル部と、を備えるコイル部品。
(2)前記第一の線材と前記第二の線材とが共通して絡げられている絡げ部を備え、前記本体コイル部は、前記第一の線材が前記中心軸を中心として巻回されて形成されている第一巻回部を含んでおり、前記短絡コイル部は、前記第二の線材が巻回されて形成されている第二巻回部を含んでおり、前記第一巻回部と前記第二巻回部とが、前記絡げ部から離間しており、かつ、前記絡げ部において導通している(1)に記載のコイル部品。
(3)前記第二巻回部が前記中心軸の周囲に巻回されており、前記第一巻回部と前記第二巻回部とが、前記中心軸の軸方向に離間している(2)に記載のコイル部品。
(4)前記一対の端子部が装着されており、前記第一巻回部および前記第二巻回部が周囲に巻回されているベース部を備え、さらに、前記ベース部は、前記中心軸の周囲を周回するように形成されている溝部を含んでおり、前記第二巻回部は、前記溝部に沿って巻回されている(3)に記載のコイル部品。
(5)前記ベース部は、前記中心軸の軸方向に互いに離間している複数の前記溝部を含んでおり、前記第二巻回部は、複数の前記溝部のいずれかに巻回されている(4)に記載のコイル部品。
(6)前記本体コイル部は、前記第一巻回部から前記端子部までの引き回し経路を形成している第一経路部を含んでおり、前記第二巻回部は、前記第一巻回部から前記端子部までの間に位置しており、かつ、前記第一経路部と径方向に離間している(3)から(5)のいずれか一つに記載のコイル部品。
(7)前記第二巻回部を形成している前記第二の線材が、前記中心軸の軸方向に対して略平行となるように巻回されており、前記第二巻回部によって区画されている領域が、前記第一巻回部の前記中心軸の中央を基準として前記軸方向の一方に偏っている(2)に記載のコイル部品。
(8)前記第一巻回部と前記第二巻回部とが、前記第一巻回部の径方向に離間している(7)に記載のコイル部品。
(9)前記第二巻回部の巻回数が3以下である(2)から(8)のいずれか一つに記載のコイル部品。
(10)前記第二巻回部の巻回角度が360度に満たない(9)に記載のコイル部品。
(11)前記一対の端子部が装着されており、前記第一巻回部が周囲に巻回されており、リード部を有している電子部品が搭載されているベース部を備え、前記リード部の一部が前記絡げ部になっており、前記リード部に前記第一の線材と前記第二の線材とが絡げられている(2)から(10)のいずれか一つに記載のコイル部品。
(12)前記ベース部は、前記リード部と隣接している突起部を有しており、前記リード部と前記突起部とが前記絡げ部として前記第一の線材と前記第二の線材とに絡げられており、かつ、金属ろう材で固着されている(11)に記載のコイル部品。
(13)前記電子部品は、前記第一の線材および前記第二の線材に接続されている一の前記リード部と、前記一の端子部に接続されている他の前記リード部と、を有しており、前記一のリード部と前記他のリード部とは、前記突起部が設けられている前記ベース部の一面から、前記突起部の突出方向と同方向に突出しており、前記一の端子部の一部は、前記他のリード部と隣接しており、前記一面から前記突出方向と同方向に突出しており、かつ、前記他のリード部と共に第三の線材によって絡げられて前記金属ろう材で固着されており、前記他の端子部の一部は、前記一面から前記突出方向と同方向に突出しており、かつ、前記第一の線材によって絡げられて前記金属ろう材で固着されている(12)に記載のコイル部品。
(14)前記電子部品は、前記リード部が接続されている素子部を有しており、前記ベース部は、前記素子部を掛合して固定している掛合部を有している(11)から(13)のいずれか一つに記載のコイル部品。
(15)前記本体コイル部は、前記第一巻回部から前記端子部までの引き回し経路を形成している第一経路部を含んでおり、前記第一経路部の少なくとも一部が、前記掛合部と前記素子部とに挟まれて保持されている(14)に記載のコイル部品。
(16)前記第一の線材と前記第二の線材とが同種の線材である(1)から(15)のいずれか一つに記載のコイル部品。
(17)前記本体コイル部の内側に挿通されている磁性体コアと、前記磁性体コアと前記本体コイル部との間に設けられている導電層と、を備えている(1)から(16)のいずれか一つに記載のコイル部品。
(18)複数の前記導電層が、互いの間に絶縁層を介して積層している板状部材を備え、前記磁性体コアと前記本体コイル部との間に前記板状部材が設けられている(17)に記載のコイル部品。
(19)一対の端子部を備えるコイル部品の製造方法であって、一の前記端子部に第一の線材の一端を導通させ、所定の中心軸を中心として前記第一の線材を巻回して第一巻回部を形成し、前記第一の線材の他端を他の前記端子部に導通させる本体コイル形成工程と、前記第一巻回部に生成される磁束が偏って交差するように、第二の線材に含まれる二点間の少なくとも一部の区間を巻回して第二巻回部を形成し、前記二点間を短絡する短絡コイル形成工程と、を含むコイル部品の製造方法。
(20)前記本体コイル形成工程において、前記第一巻回部から離間している絡げ部まで前記第一の線材を引き回して絡げ、前記短絡コイル形成工程において、前記第二巻回部から離間している前記絡げ部まで前記第二の線材を引き回して絡げ、前記本体コイル形成工程および前記短絡コイル形成工程の実行によって、前記第一巻回部と前記第二巻回部とを導通させる(19)に記載のコイル部品の製造方法。
さらに、上記の実施形態および変形例は以下の技術思想を包含する。
(a)リード部を有している電子部品と、前記電子部品が搭載されており、かつ、前記リード部の近傍に設けられている突出部を有しているベース部と、を備え、前記リード部と前記突出部とが巻線で絡げられており、さらに、前記リード部と前記突出部と前記巻線とが金属ろう材で固着されている電子回路。
(b)前記第二巻回部を形成している前記第二の線材が、前記本体コイル部の中心軸の軸方向に対して略垂直になっている(2)に記載のコイル部品。
(c)一対の端子部と、磁性体コアと、第一の線材によって形成され、端部がそれぞれ異なる前記端子部に導通し、一の前記端部と他の前記端部との間の少なくとも一部の区間において前記磁性体コアの周囲に巻回されている本体コイル部と、前記磁性体コアと前記本体コイル部との間に設けられている導電層と、を備えているコイル部品。
(d)前記導電層と、前記導電層が表面に形成された絶縁性基板と、を含んでいる板状部材を備え、前記板状部材が前記磁性体コアと前記本体コイル部との間に設けられている(c)に記載のコイル部品。
(e)前記本体コイル部が周囲に巻回され、内部に前記磁性体コアが挿通されているベース部を備え、前記板状部材が前記ベース部と前記本体コイル部との間に設けられている(d)に記載のコイル部品。
(f)前記ベース部は爪部を有している複数の支柱を含んでおり、前記複数の支柱は、前記板状部材の幅方向に対向して並んでおり、前記爪部の一面が内向き方向に傾斜しており、さらに、前記板状部材が前記爪部の返しの下方面と前記ベース部の上方面との間に収容されている(e)に記載のコイル部品。
(g)前記板状部材は、前記絶縁性基板の両面のそれぞれに形成されている複数の前記導電層を含んでいる(d)から(f)のいずれか一つに記載のコイル部品。
(h)前記導電層と前記本体コイル部または前記磁性体コアの少なくとも一方との間に絶縁層が形成されている(c)から(g)のいずれか一つに記載のコイル部品。
(i)前記本体コイル部の内側に挿通されている磁性体コアを備えており、前記第二巻回部によって区画されている前記領域が、前記磁性体コアまたは前記第一巻回部の少なくとも一方と重なっている(7)または(8)に記載のコイル部品。
(j)前記領域の一部が、前記磁性体コアの幅方向または長手方向の少なくとも一方について前記磁性体コアから外れている(i)に記載のコイル部品。
(k)前記領域の全体が、前記磁性体コアと重複している(i)に記載のコイル部品。
100 コイル部品
110、111、113 端子部
112、114 端部
120 コンデンサ部品
121 素子部
122、123 リード部
130 本体コイル部
131 第一巻回部
132、133 第一経路部
140 短絡コイル部
141 第二巻回部
142、143 第二経路部
150 ベース部
151、151a、151b、151c、151d 溝部
152 掛合部
153 突起部
154、155、156、157、158 支柱
160 磁性体コア
170 第三の線材
180 板状部材
181 絶縁層
183 絶縁性基板
182、184 導電層
191、192 フランジ部

Claims (15)

  1. 一対の端子部と、
    第一の線材によって形成され、端部がそれぞれ異なる前記端子部に導通し、一の前記端部と他の前記端部との間の少なくとも一部の区間において所定の中心軸を中心として巻回されている本体コイル部と、
    第二の線材によって形成され、前記第二の線材に含まれる二点間が短絡されており、前記二点間の少なくとも一部の区間において巻回されており、前記本体コイル部に生成される磁束が偏って交差するように配置されている短絡コイル部と、
    前記第一の線材と前記第二の線材とが共通して絡げられている絡げ部と、を備え、
    前記本体コイル部は、前記第一の線材が前記中心軸を中心として巻回されて形成されている第一巻回部を含んでおり、
    前記短絡コイル部は、前記第二の線材が巻回されて形成されている第二巻回部を含んでおり、
    前記第一巻回部と前記第二巻回部とが、前記絡げ部から離間しており、かつ、前記絡げ部において導通しているコイル部品。
  2. 前記第二巻回部が前記中心軸の周囲に巻回されており、
    前記第一巻回部と前記第二巻回部とが、前記中心軸の軸方向に離間している請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記一対の端子部が装着されており、前記第一巻回部および前記第二巻回部が周囲に巻回されているベース部を備え、さらに、
    前記ベース部は、前記中心軸の周囲を周回するように形成されている溝部を含んでおり、
    前記第二巻回部は、前記溝部に沿って巻回されている請求項2に記載のコイル部品。
  4. 前記ベース部は、前記中心軸の軸方向に互いに離間している複数の前記溝部を含んでおり、
    前記第二巻回部は、複数の前記溝部のいずれかに巻回されている請求項3に記載のコイル部品。
  5. 前記本体コイル部は、前記第一巻回部から前記端子部までの引き回し経路を形成している第一経路部を含んでおり、
    前記第二巻回部は、前記第一巻回部から前記端子部までの間に位置しており、かつ、前記第一経路部と径方向に離間している請求項2から4のいずれか一項に記載のコイル部品。
  6. 前記第二巻回部を形成している前記第二の線材が、前記中心軸の軸方向に対して略平行となるように巻回されており、
    前記第二巻回部によって区画されている領域が、前記第一巻回部の前記中心軸の中央を基準として前記軸方向の一方に偏っている請求項1に記載のコイル部品。
  7. 前記第一巻回部と前記第二巻回部とが、前記第一巻回部の径方向に離間している請求項6に記載のコイル部品。
  8. 前記第二巻回部の巻回数が3以下である請求項1から7のいずれか一項に記載のコイル部品。
  9. 前記第二巻回部の巻回角度が360度に満たない請求項8に記載のコイル部品。
  10. 前記一対の端子部が装着されており、前記第一巻回部が周囲に巻回されており、リード部を有している電子部品が搭載されているベース部を備え、
    前記リード部の一部が前記絡げ部になっており、前記リード部に前記第一の線材と前記第二の線材とが絡げられている請求項1から9のいずれか一項に記載のコイル部品。
  11. 前記ベース部は、前記リード部と隣接している突起部を有しており、
    前記リード部と前記突起部とが前記絡げ部として前記第一の線材と前記第二の線材とに絡げられており、かつ、金属ろう材で固着されている請求項10に記載のコイル部品。
  12. 前記電子部品は、前記第一の線材および前記第二の線材に接続されている一の前記リード部と、前記一の端子部に接続されている他の前記リード部と、を有しており、
    前記一のリード部と前記他のリード部とは、前記突起部が設けられている前記ベース部の一面から、前記突起部の突出方向と同方向に突出しており、
    前記一の端子部の一部は、前記他のリード部と隣接しており、前記一面から前記突出方向と同方向に突出しており、かつ、前記他のリード部と共に第三の線材によって絡げられて前記金属ろう材で固着されており、
    前記他の端子部の一部は、前記一面から前記突出方向と同方向に突出しており、かつ、前記第一の線材によって絡げられて前記金属ろう材で固着されている請求項11に記載のコイル部品。
  13. 前記電子部品は、前記リード部が接続されている素子部を有しており、
    前記ベース部は、前記素子部を掛合して固定している掛合部を有している請求項10から12のいずれか一項に記載のコイル部品。
  14. 前記本体コイル部は、前記第一巻回部から前記端子部までの引き回し経路を形成している第一経路部を含んでおり、
    前記第一経路部の少なくとも一部が、前記掛合部と前記素子部とに挟まれて保持されている請求項13に記載のコイル部品。
  15. 一対の端子部を備えるコイル部品の製造方法であって、
    一の前記端子部に第一の線材の一端を導通させ、所定の中心軸を中心として前記第一の線材を巻回して第一巻回部を形成し、前記第一の線材の他端を他の前記端子部に導通させる本体コイル形成工程と、
    前記第一巻回部に生成される磁束が偏って交差するように、第二の線材に含まれる二点間の少なくとも一部の区間を巻回して第二巻回部を形成し、前記二点間を短絡する短絡コイル形成工程と、を含み、
    前記本体コイル形成工程において、前記第一巻回部から離間している絡げ部まで前記第一の線材を引き回して絡げ、
    前記短絡コイル形成工程において、前記第二巻回部から離間している前記絡げ部まで前記第二の線材を引き回して絡げ、
    前記本体コイル形成工程および前記短絡コイル形成工程の実行によって、前記第一巻回部と前記第二巻回部とを導通させるコイル部品の製造方法。
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