JP6435198B2 - 粒子状物質検出センサ - Google Patents
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Description
特許文献1の粒子状物質検出センサは、電極層と絶縁層とを交互に積層し、電極層の端面を露出させた被堆積部を有している。被堆積部に露出した電極層の端面によって、互いに平行に配設された複数の検出電極を形成している。被堆積部に粒子状物質を堆積させることにより、検出電極間に導通パスを形成し、検出電極間において電気的特性が変化することを利用して、粒子状物質の量を検出することができる。
特許文献1の粒子状物質検出センサは、電極層と絶縁層とを交互に積層した後、被堆積部の表面を平滑に研磨することによって、被堆積部上に電極層の端面を露出させる。排ガスは、平滑に研磨された被堆積部上に一定の流れを形成するため、安定して粒子状物質が供給され、ばらつきの少ない、優れた検出精度を備えた粒子状物質検出センサが得られる。その一方で、粒子状物質の大半は、排ガスと共に流動することから、被堆積部における粒子状物質の捕集に時間がかかり、粒子状物質検出センサにおける検出感度が低下しやすい。
該被堆積部は、電気絶縁性を備えた絶縁部材と、該絶縁部材に配置された少なくとも一対の検出電極とを有しており、
上記被堆積部における上記絶縁部材の表面の法線方向において、上記検出電極の先端部は、上記絶縁部材の表面から外側へ向かって突出して該表面と離れた位置に配置されており、
上記先端部は、上記絶縁部材の長手方向に直交する断面において、略半円形状に突出しており、
上記検出電極の上記先端部における、上記絶縁部材の上記表面からの最大突出量H1は、0.1μm≦H1≦2μmであることを特徴とする粒子状物質検出センサにある。
本発明の他の態様は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の一部を堆積させる被堆積部を備えており、
該被堆積部は、電気絶縁性を備えた絶縁部材と、該絶縁部材に配置された少なくとも一対の検出電極とを有しており、
上記被堆積部における上記絶縁部材の表面の法線方向において、上記検出電極の先端部は、上記絶縁部材の表面から該絶縁部材の内部側へ窪んで該表面と離れた位置に配置されており、
上記先端部は、上記絶縁部材の長手方向に直交する断面において、略半円形状又は略台形形状に窪んでおり、
上記検出電極の上記先端部の端部における、上記絶縁部材の上記表面からの最小窪み量H2は、0.1μm≦H2≦2μmであることを特徴とする粒子状物質検出センサにある。
上記最小窪み量H2が2μmを超えた場合、上記検出電極の周囲において排ガスが滞留しやすく、上記粒子状物質を安定して捕集することができなくなるおそれがある。また、上記最小窪み量H2が0.1μm以下の場合、上記粒子状物質を効率よく捕集することができなくなるおそれがある。
上記粒子状物質検出センサにかかる実施例について、図1〜図3を参照して説明する。
図1及び図2に示すごとく、粒子状物質検出センサ1は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の一部を堆積させる被堆積部10を備えている。被堆積部10は、電気絶縁性を備えた絶縁部材12と、絶縁部材12に配置された複数の検出電極13とを有している。被堆積部10における絶縁部材12の表面121の法線方向Nにおいて、絶縁部材12の外部側に向かって配置された検出電極13の先端部131は、絶縁部材12の表面121と離れた位置に配置されている。
本例の粒子状物質検出センサ1は、自動車に搭載された内燃機関から、排気管を通じて排出される排ガスに含まれる粒子状物質を検出するためのものである。粒子状物質検出センサ1によって得られた情報を基に、排ガス浄化装置の故障検知を行う。
粒子状物質検出センサ1において、検出電極13の先端部131及び絶縁部材12の表面121は、法線方向Nにおいて、互いに離れた位置に配置されている。そのため、検出電極13と絶縁部材12とによって、被堆積部10上に凹凸が形成される。この凹凸により、排ガスの流れが乱されることにより、粒子状物質が被堆積部10に向かって移動しやすくなる。これにより、被堆積部10上において粒子状物質を安定して効率よく捕集することができる。また、粒子状物質の捕集量の増大に伴って、粒子状物質検出センサ1における検出感度を向上することができる。
本試験においては、粒子状物質検出センサにおける検出電極の突出量H1を変化させた際の検出感度及び検出精度への影響を確認した。
本試験には、上述の実施例1に示した粒子状物質検出センサ1と、検出電極13の突出量H1を変化させた粒子状物質検出センサ101〜106とを用いて、検出感度及び検出精度の比較を行った。
また、その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
図4(b)は、縦軸を標準偏差(mg)とし、横軸を突出量H1とした粒子状物質検出センサにおける検出精度と突出量H1との関係を示すグラフである。
また、図4(b)に示すごとく、突出量H1が0μm〜2.0μmの場合、標準偏差の低減効果が確認された。
したがって、突出量H1が0.1μm〜2.0μmの範囲内にある場合、検出感度及び検出精度を両立した粒子状物質検出センサが得られることが確認された。
本例は、図5及び図6に示すごとく、実施例1の粒子状物質検出センサ1における検出電極13の形状を変更したものである。
図5に示す粒子状物質検出センサ1は、絶縁部材12の長手方向及び積層方向の両方と平行な断面において、検出電極13の先端部131が略半円形状をなしている。
また、図6に示す粒子状物質検出センサ1は、断面において、検出電極13の先端部131が略台形形状をなしている。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
また、本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本例は、図7に示すごとく、実施例1の粒子状物質検出センサにおける構造を一部変更したものである。
本例の粒子状物質検出センサ2は、被堆積部10における絶縁部材12の表面121の法線方向Nにおいて、検出電極13の先端部131が、絶縁部材12の表面121から絶縁部材12の内部側へ窪んだ位置に配設されている。また、検出電極13の先端部131における、絶縁部材12の表面121からの窪み量H2は2μmである。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
また、本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本試験においては、粒子状物質検出センサにおける検出電極の窪み量H2を変化させた際の検出感度及び検出精度への影響を確認した。
本試験には、上述の実施例3に示した粒子状物質検出センサ2と、検出電極13の窪み量H2を変化させた粒子状物質検出センサ201〜205とを用いて、検出感度及び検出精度の比較を行った。
また、その他の構成は実施例3と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例3において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例3と同様の構成要素等を表す。
図8(b)は、縦軸を標準偏差(mg)とし、横軸を窪み量H2とした粒子状物質検出センサにおける検出精度と窪み量H2との関係を示すグラフである。
また、図8(b)に示すごとく、窪み量H2が0μm〜2.0μmの場合、標準偏差の低減効果が確認された。
したがって、窪み量H2が0.1μm〜2.0μmの範囲内にある場合、検出感度及び検出精度を両立した粒子状物質検出センサが得られることが確認された。
本例は、図9及び図10に示すごとく、実施例3の粒子状物質検出センサにおける検出電極の形状を変更したものである。
図9に示す粒子状物質検出センサ1は、絶縁部材12の長手方向及び積層方向の両方と平行な断面において、検出電極13の先端部131が、絶縁部材12の内側に向かって窪んだ略半円形状をなしている。
また、図10に示す粒子状物質検出センサ1は、断面において、検出電極13の先端部131が絶縁部材12の内側に向かって窪んだ略台形形状をなしている。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
また、本例においても実施例3と同様の作用効果を得ることができる。
本例は、図11及び図12に示すごとく、実施例1〜実施例4と構造の異なる粒子状物質検出センサ100を示すものである。
本例の粒子状物質検出センサ100は、絶縁性材料を略長方形の板状に形成した絶縁部材12と、絶縁部材12の表面121にスクリーン印刷によって平膜状に形成された一対の検出電極13とを有している。粒子状物質検出センサ100において、絶縁部材12における一対の検出電極13が形成された面が粒子状物質を堆積させるための被堆積部10である。
本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本例は、図13に示すごとく、実施例5の粒子状物質検出センサ100における構造を一部変更したものである。
本例の粒子状物質検出センサ200において、絶縁部材12の表面121には、法線方向Nから見たとき、検出電極13と同形状の溝部が形成されており、溝部の底面に検出電極13が形成されている。溝部の深さは、検出電極13の厚さよりも大きく、検出電極13の絶縁部材12の外側に向かって配置された先端部131における、絶縁部材12の表面121に対する窪み量H2は、1μmである。
したがって、本例の粒子状物質検出センサ200は、法線方向Nにおいて、検出電極13の先端部131が絶縁部材12の表面121から絶縁部材12の内部側へ窪んだ位置に配設されている。
その他の構成は実施例3と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例3において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例3と同様の構成要素等を表す。
また、本例においても実施例3及び実施例6と同様の作用効果を得ることができる。
10 被堆積部
11 積層部
12 絶縁部材
121 表面
13 検出電極
131 先端部
Claims (3)
- 内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の一部を堆積させる被堆積部(10)を備えており、
該被堆積部(10)は、電気絶縁性を備えた絶縁部材(12)と、該絶縁部材(12)に配置された少なくとも一対の検出電極(13)とを有しており、
上記被堆積部(10)における上記絶縁部材(12)の表面(121)の法線方向において、上記検出電極(13)の先端部(131)は、上記絶縁部材(12)の表面(121)から外側へ向かって突出して該表面(121)と離れた位置に配置されており、
上記先端部(131)は、上記絶縁部材(12)の長手方向に直交する断面において、略半円形状に突出しており、
上記検出電極(13)の上記先端部(131)における、上記絶縁部材(12)の上記表面(121)からの最大突出量H1は、0.1μm≦H1≦2μmであることを特徴とする粒子状物質検出センサ(1)。 - 内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の一部を堆積させる被堆積部(10)を備えており、
該被堆積部(10)は、電気絶縁性を備えた絶縁部材(12)と、該絶縁部材(12)に配置された少なくとも一対の検出電極(13)とを有しており、
上記被堆積部(10)における上記絶縁部材(12)の表面(121)の法線方向において、上記検出電極(13)の先端部(131)は、上記絶縁部材(12)の表面(121)から該絶縁部材(12)の内部側へ窪んで該表面(121)と離れた位置に配置されており、
上記先端部(131)は、上記絶縁部材(12)の長手方向に直交する断面において、略半円形状又は略台形形状に窪んでおり、
上記検出電極(13)の上記先端部(131)の端部における、上記絶縁部材(12)の上記表面(121)からの最小窪み量H2は、0.1μm≦H2≦2μmであることを特徴とする粒子状物質検出センサ(2)。 - 複数の上記検出電極(13)と複数の上記絶縁部材(12)とを交互に積層した積層部(11)を有しており、上記検出電極(13)と上記絶縁部材(12)との積層方向と直交する方向において、上記検出電極(13)の少なくとも一部を上記絶縁部材(12)から露出させて上記被堆積部(10)を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒子状物質検出センサ(1、2)。
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