JP6434341B2 - 管台検査装置 - Google Patents

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Description

本開示は管台検査装置に関する。
例えば原子炉は、圧力容器の上蓋に管台を有し、管台に制御棒駆動装置の一部が挿入されている。特許文献1は、管台を検査するための管内面検査装置を開示しており、該管内面検査装置は、管台に挿入される検査部を有している。検査部は圧縮ばねによって管台に押し付けられる。
特開2012−8039号公報
特許文献1の管内面検査装置により管台を検査するには、管台からその内部に配置された部材を取り外さなければならず、検査に労力と時間がかかるという問題がある。
一方、二重管構造における円筒形状の隙間に検査部を挿入しようとした場合、検査部の厚さを小さくしなければならないが、隙間の入口周辺のスペースが狭い場合には、単に検査部の厚さを薄くするだけでは検査部を隙間に挿入できないことがある。
上述した事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、円筒形状の隙間への検査ユニットの挿入性が改良された管台検査装置を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る管台検査装置は、
壁を貫通して延びる円筒形状の管台であって、外周側が前記壁に溶接され、内側に隙間を存して円筒形状の内部部材が配置される管台のための管台検査装置において、
前記隙間に挿入可能に構成された検査ユニットを備え、
前記検査ユニットは、
環形状の板材によって構成された環状部、及び、前記環状部から延びる板材によって構成されたアーム部を含むフレームと、
前記管台の状態に関する信号を取得可能な少なくとも1つのセンサ本体と、
前記少なくとも1つのセンサ本体が取り付けられたセンサホルダと、
前記フレームと前記センサホルダとの間に設けられ、前記環状部の内側に規定される開口に対する前記センサホルダの接近を許容しながら前記開口から離れた位置に前記センサホルダを弾性的に保持するように構成されたリーフスプリングと、
を含み、
前記フレームの環状部は可撓性を有する。
上記構成(1)の管台検査装置では、フレームの環状部が可撓性を有するので、円筒形状の隙間に検査ユニットを挿入するときに、環状部が湾曲可能である。このため、隙間の入口周辺のスペースが狭くても、検査ユニットを容易に隙間に挿入することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記リーフスプリングの長さ、幅及び厚さは、前記管台に対して前記内部部材が偏心しているときに前記隙間の一部に形成される最小隙間及び最大隙間の各々にて、前記リーフスプリングに作用する応力が上限値を超えることなく、前記センサホルダを前記管台の内周面に対し閾値以上の押し付け力で押し付け可能に設定されている。
管台に対して内部部材が偏心している場合、管台の周方向にて隙間の大きさが変化し、隙間の一部に最小隙間と最大隙間が形成される。このような場合、リーフスプリングのたわみ量が変化し、最小隙間では大きくなり、最大隙間では小さくなる。たわみ量が小さくなると管台の内周面に対するセンサホルダの押し付け力が小さくなり、検査を正確に行えなくなる虞がある。一方、最大隙間にて押し付け力を確保しようとすると、最小隙間にてリーフスプリングに作用する応力が過大になり、リーフスプリングの損傷を招く虞がある。
この点、上記構成(2)の管台検査装置では、最小隙間での応力が上限を超えず、且つ、最大隙間での押し付け力が閾値以上になるようにリーフスプリングの長さ、幅及び厚さが設定されているので、検査を正確に実行可能でありながら、リーフスプリングの損傷が防止される。
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(1)又は(2)において、
前記環状部の厚さは、前記リーフスプリングの厚さよりも小である。
上記構成(3)では、環状部の厚さがリーフスプリングの厚さよりも小であり、環状部が確実に湾曲可能である。一方、リーフスプリングの厚さが環状部の厚さよりも大きいことで、同一のたわみ量で発生する押し付け力を増大させることができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(3)において、
前記リーフスプリングは前記環状部に溶接されている。
上記構成(4)では、環状部とは別体のリーフスプリングを溶接することで、環状部の厚さをリーフスプリングの厚さよりも容易に小さくすることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(4)の何れか1つにおいて、
前記リーフスプリングは、
前記環状部から直線状に延びる基端部と、
前記基端部から分岐した2つの先端部とを有し、
前記2つの先端部に前記センサホルダが取り付けられ、
前記少なくとも1つのセンサ本体のうち少なくとも1つは、前記2つの先端部の離間方向にて前記2つの先端部の間に配置されている。
上記構成(5)では、2つの先端部にセンサホルダが取り付けられており、2つの先端部の間にセンサ本体を配置することで、センサ本体及びセンサホルダの全体厚さの増大を抑制することができる。この結果、管台に対する内部部材の偏心が大きく最小隙間がより狭くなっても、最小隙間に検査ユニットを挿入して検査を実行可能である。
(6)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(5)の何れか1つにおいて、
前記リーフスプリングは、
前記環状部から直線状に延びる基端部と、
前記基端部から分岐した2つの先端部とを有し、
前記2つの先端部に前記センサホルダが取り付けられ、
前記少なくとも1つのセンサ本体のうち少なくとも1つは、前記2つの先端部の軸線方向にて前記2つの先端部から離れている。
上記構成(6)では、2つの先端部にセンサホルダが取り付けられており、2つの先端部の軸線方向にて2つの先端部からセンサ本体が離れているので、センサ本体及びセンサホルダの全体厚さの増大を抑制することができる。この結果、管台に対する内部部材の偏心が大きく最小隙間がより狭くなっても、最小隙間に検査ユニットを挿入して検査を実行可能である。
(7)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(6)の何れか1つにおいて、
前記少なくとも1つのセンサ本体は、1対の第1超音波発信器及び第1超音波受信器を含み、
前記リーフスプリングは、前記フレームのアーム部の軸線方向に沿って延び、
前記1対の第1超音波発信器及び第1超音波受信器は、前記アーム部の軸線方向と交差する方向にて相互に離間して配置されている。
上記構成(7)では、少なくとも1対の第1超音波発信器及び第1超音波受信器がアーム部の軸線方向と交差する方向にて相互に離間して配置されている。この構成では、アーム部を管台の軸線方向に沿って配置することで、少なくとも1対の第1超音波発信器及び第1超音波受信器を管台の周方向に相互に離間して配置可能である。このため、少なくとも1対の第1超音波発信器及び第1超音波受信器によって、管台の軸線方向に沿って延びる傷を確実に検出することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(7)の何れか1つにおいて、
前記少なくとも1つのセンサ本体は、1対の第2超音波発信器及び第2超音波受信器を含み、
前記リーフスプリングは、前記フレームのアーム部の軸線方向に沿って延び、
前記1対の第2超音波発信器及び第2超音波受信器は、前記アーム部の軸線方向に沿う方向にて相互に離間して配置されている。
上記構成(8)では、少なくとも1対の第2超音波発信器及び第2超音波受信器がアーム部の軸線方向に沿う方向にて相互に離間して配置されている。この構成では、アーム部を管台の軸線方向に沿って配置することで、少なくとも1対の第2超音波発信器及び第2超音波受信器を管台の軸線方向に相互に離間して配置可能である。このため、少なくとも1対の第2超音波発信器及び第2超音波受信器によって、管台の周方向に沿って延びる傷を確実に検出することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(8)の何れか1つにおいて、
前記センサホルダは、前記管台の内周面と対向配置されるように構成された曲面を有し、
前記少なくとも1つのセンサ本体は、前記曲面の周方向に離間した1対の第1超音波発信器及び第1超音波受信器を含み、
前記曲面の径方向に対する前記第1超音波発信器の発信面の法線の傾斜角は、8°以上25°以下であり、
前記曲面の径方向に対する前記第1超音波受信器の受信面の法線の傾斜角は、8°以上25°以下であり、
前記検査ユニットは、前記発信面及び前記受信面の上に形成された屈折膜を更に含む。
上記構成(9)では、第1超音波発信器の発信面及び第1超音波受信器の受信面の法線の傾斜角は8°以上であるため、第1超音波発信器及び第1超音波受信器によって管台を確実に検査することができる。一方、第1超音波発信器の発信面及び第1超音波受信器の受信面の法線の傾斜角は25°以下であるため、センサ本体及びセンサホルダの全体厚さの増大を確実に抑制することができる。この結果として、より狭小な最小隙間に検査ユニットを挿入可能である。
(10)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(9)の何れか1つにおいて、
前記センサホルダは、前記管台の内周面と対向配置されるように構成された曲面を有し、
前記少なくとも1つのセンサ本体は、前記曲面の軸線方向に離間した1対の第2超音波発信器及び第2超音波受信器を含み、
前記曲面の径方向に対する前記第2超音波発信器の発信面の法線の傾斜角は、8°以上25°以下であり、
前記曲面の径方向に対する前記第2超音波受信器の受信面の法線の傾斜角は、8°以上25°以下であり、
前記検査ユニットは、前記発信面及び前記受信面の上に形成された屈折膜を更に含む。
上記構成(10)では、第2超音波発信器の発信面及び第2超音波受信器の受信面の法線の傾斜角は8°以上であるため、第2超音波発信器及び第2超音波受信器によって管台を確実に検査することができる。一方、第2超音波発信器の発信面及び第2超音波受信器の受信面の法線の傾斜角は25°以下であるため、センサ本体及びセンサホルダの全体厚さの増大を確実に抑制することができる。この結果として、より狭小な最小隙間に検査ユニットを挿入可能である。
(11)幾つかの実施形態では、上記構成(9)又は(10)において、
温度0℃の大気圧下にて前記屈折膜における縦波の音速が2500m/s以下である。
上記構成(11)では、屈折膜における縦波の音速が2500m/s以下であることによって、屈折膜での音速が遅い。このため、管台の内部を内周面に向かって進行する超音波の伝搬方向の径方向に対する傾斜角(屈折角)を所定の値に設定する場合、屈折膜での音速が速い場合に比べて、発信面の法線の傾斜角を小さくすることができる。この結果として、センサ本体及びセンサホルダの全体厚さの増大を確実に抑制することができ、より狭小な最小隙間に検査ユニットを挿入可能である。
(12)幾つかの実施形態では、上記構成(9)乃至(11)の何れか1つにおいて、
前記屈折膜はポリスチレンを含む。
上記構成(12)では、屈折膜がポリスチレンを含むことによって、屈折膜での音速を遅くすることができる。このため、管台の内部を内周面に向かって進行する超音波の伝搬方向の径方向に対する傾斜角(屈折角)を同じにする場合、発信面の法線の傾斜角を小さくすることができる。この結果としてセンサ本体及びセンサホルダの全体厚さの増大を確実に抑制することができ、より狭小な最小隙間に検査ユニットを挿入可能である。
(13)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(12)の何れか1つにおいて、
前記少なくとも1つのセンサ本体は、
渦電流探傷センサを構成する少なくとも2つの励磁用コイルと少なくとも2つの検出用コイルとを含み、
前記センサホルダは、前記管台の内周面と対向配置されるように構成された曲面を有し、
前記少なくとも2つの励磁用コイル及び前記少なくとも2つの検出用コイルは、それぞれ前記曲面に面して配置され、且つ、前記曲面に沿って前記少なくとも2つの励磁用コイル間を結ぶ仮想線が、前記曲面に沿って前記少なくとも2つの検出用コイル間を結ぶ仮想線と交差するように配置されている。
上記構成(13)では、渦電流探傷センサによって、管台の内周面近傍の傷を検出することができる。一方、2つの励磁用コイル及び2つの検出用コイルの各々が曲面に面するように配置されているので、励磁用コイル及び検出用コイルを曲面の径方向に沿って同軸上に配置する場合よりも、2つの励磁用コイル及び2つの検出用コイルの全体の高さを抑制することができる。この結果として、より狭小な最小隙間に検査ユニットを挿入可能である。
(14)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(13)の何れか1つにおいて、
前記センサホルダは、前記管台の内周面と対向配置されるように構成された曲面を有し、
前記少なくとも1つのセンサ本体は、前記曲面の径方向に沿って超音波を送受信可能な超音波送受信器を含む。
上記構成(14)では、超音波送受信器によって、壁と管台の間の溶接部を容易に検査することができる。
(15)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(14)の何れか1つにおいて、
前記少なくとも1つのセンサ本体から延びる配線が、前記フレームに粘着フィルムを用いて固定されている。
上記構成(15)では、配線を粘着フィルムで固定することで、フレームの厚さの増大を抑制しながら、配線を容易に固定することができる。
(16)幾つかの実施形態では、上記構成(1)乃至(15)の何れか1つにおいて、
前記検査ユニットは、前記フレームに固定された液体供給チューブを更に含む。
上記構成(16)では、フレームに固定された液体供給チューブを介して、例えば水等の液体を管台の内周面とセンサ本体の間に確実且つ容易に供給することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、円筒形状の隙間への検査ユニットの挿入性が改良された管台検査装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る管台検査装置を、検査対象の管台とともに概略的に示す断面図である。 一実施形態に係る管台検査装置の検査ユニットの概略的な平面図である。 図2中のIII−III線に沿う概略的な断面図である。 図2中のIV−IV線に沿う概略的な断面図である。 管台と内部部材の径方向の位置関係を説明するための図である。 リーフスプリングのたわみ量、押し付け力、長さL、幅W及び厚さTの間の関係を説明するための概略的なグラフである。 長さL、幅W又は厚さTと、たわみ量の許容範囲の大きさとの関係を概略的に示すグラフである。 図2中のVIII−VIII線に沿う概略的な断面図である。 図2中のIX−IX線に沿う概略的な断面図である。 励磁用コイル及び検出用コイルの配置を説明するための図である。 図2中のXI−XI線に沿う概略的な断面図である。 一実施形態に係る管台検査装置の検査ユニットの概略的な平面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る管台検査装置1を、検査対象の管台2とともに概略的に示す断面図である。
管台2は金属製であり円筒形状を有する。管台2は円筒形状の外周面2a及び内周面2bを有する。管台2は壁4を貫通して延在しており、壁4は例えば原子炉の圧力容器の上蓋である。管台2の外周側は全周に渡って壁4に溶接され、管台2と壁4の間に環状の溶接部6が形成されている。
管台2の内側には円筒形状の内部部材8が同軸に配置されている。内部部材8は円筒形状の外周面8aを有し、内部部材8と管台2との間には円筒形状の隙間10が形成されている。
管台検査装置1は、管台2の検査を行うための装置であり、隙間10に挿入可能な検査ユニット12を備えている。
図2及び図12は、検査ユニット12(12a,12b)を概略的に示す平面図である。なお、明細書中において複数の符号を括弧で括っている場合、図面には、括弧内の符号のみを付し、括弧の前の符号を付していない。括弧の前の符号は、括弧内の符号のうち1つ以上を指す場合に明細書中で用いるものとする。
検査ユニット12は、フレーム14と、少なくとも1つのセンサ本体16と、センサホルダ18と、リーフスプリング20とを有する。
フレーム14は、環状部22及びアーム部24を含む。環状部22は、環形状の板材によって構成されている。アーム部24は、環状部22から直線状に延びる板材によって構成されている。
少なくとも1つのセンサ本体16(16a,16b,16c,16d,16e,16f)は、管台2の状態に関する信号を取得可能な素子である。
センサホルダ18は、少なくとも1つのセンサ本体16を保持するものであり、センサホルダ18には少なくとも1つのセンサ本体16が取り付けられる。センサホルダ18は例えば樹脂によって構成され、少なくとも1つのセンサ本体16とともに一体成形可能である。
センサホルダ18は、縦及び横の長さよりも厚さが薄い扁平なブロック形状を有している。センサホルダ18は、少なくとも1つのセンサ本体16を保持可能な面積を有している。
リーフスプリング20は、フレーム14とセンサホルダ18との間に設けられており、センサホルダ18は、リーフスプリング20によって弾性的に支持される。
ここで図3は、図2中のIII−III線に沿う概略的な断面図であり、図4は、図2中のIV−IV線に沿う概略的な断面図である。図3及び図4に示したように、検査ユニット12が隙間に配置された状態では、フレーム14の環状部22が内部部材8の外周面8aに当接した状態で、センサホルダ18がリーフスプリング20の押し付け力(付勢力)によって管台2の内周面2bに押し付けられる。
センサホルダ18は、フレーム14に対し、管台2の径方向に沿って相対変位可能である。そして、センサホルダ18は、管台2の径方向にて、環状部22の中央に形成された開口26上に位置している。従って、図3に2点鎖線で示したように、リーフスプリング20は、環状部22の開口26に対して接近可能に、開口26から離れた位置にセンサホルダ18を弾性的に保持するように構成されている。
上述した検査ユニット12にあっては、環状部22、少なくとも1つのセンサ本体16、センサホルダ18、及び、リーフスプリング20は、隙間10に挿入されるセンサヘッド28を構成しており、隙間10におけるセンサヘッド28の位置はアーム部24を介して調整可能である。
そして上述した検査ユニット12にあっては、環状部22が可撓性を有しており、環状部22が湾曲可能である。
上記構成の管台検査装置1によれば、リーフスプリング20によってセンサホルダ18が管台2の内周面2bに押し付けられることで、センサホルダ18に取り付けられた少なくとも1つのセンサ本体16によって管台2を検査することができる。
一方、上記構成の管台検査装置1によれば、フレーム14の環状部22が可撓性を有するので、円筒形状の隙間10に検査ユニット12を挿入するときに、環状部22が湾曲可能である。このため、隙間10の入口周辺のスペースが狭くても、検査ユニット12を容易に隙間10に挿入することができる。
例えば図1に示したように、内部部材8の端部にラッパ形状の部材9が取り付けられていても、環状部22が湾曲することで部材9との干渉を回避することができ、検査ユニット12のセンサヘッド28を容易に隙間10に挿入することができる。
図5は、管台2と内部部材8の径方向の位置関係を説明するための図である。図6に示したように、管台2に対して内部部材8が偏心し、隙間10の一部に最小隙間Gmin及び最大隙間Gmaxがそれぞれ形成されることがある。
幾つかの実施形態では、リーフスプリング20の長さL、幅W及び厚さTは、最小隙間Gmin及び最大隙間Gmaxの各々にて、リーフスプリング20に作用する応力が上限値を超えることなく、センサホルダ18を管台2の内周面2bに対し閾値以上の押し付け力で押し付け可能に設定されている。つまり、リーフスプリング20の長さL、幅W及び厚さTは、最小隙間Gminから最大隙間Gmaxの範囲に渡って、リーフスプリング20に作用する応力が上限値を超えることなく、センサホルダ18を管台2の内周面2bに対し閾値以上の押し付け力で押し付け可能に設定されている。
隙間10の一部に最小隙間Gminと最大隙間Gmaxが形成されている場合、周方向位置に応じてリーフスプリング20のたわみ量が変化し、最小隙間Gminでは大きくなり、最大隙間Gmaxでは小さくなる。たわみ量が小さくなると管台2の内周面2bに対するセンサホルダ18の押し付け力が小さくなり、検査を正確に行えなくなる虞がある。一方、最大隙間Gmaxにて押し付け力を確保しようとすると、最小隙間Gminにてリーフスプリング20に作用する応力が過大になり、リーフスプリング20の損傷を招く虞がある。
この点、上記構成の管台検査装置1では、最小隙間Gminでの応力が上限を超えず、且つ、最大隙間Gmaxでの押し付け力が閾値以上になるようにリーフスプリング20の長さL、幅W及び厚さTが設定されているので、検査を正確に実行可能でありながら、リーフスプリング20の損傷が防止される。
ここで図6は、リーフスプリング20のたわみ量(変位量)、押し付け力、長さL、幅W及び厚さTの間の関係を説明するための概略的なグラフである。リーフスプリング20のたわみ量と押し付け力との間には比例関係があり、これらの間の関係は直線aで表すことができる。
一方、図6において、押し付け力の閾値Fthは直線bで表すことができる。また、図6において、リーフスプリング20の応力が上限値(使用最大応力)となるたわみ量と押し付け力の組み合わせは、直線cで近似的に表すことができる。ここで使用最大応力は、リーフスプリング20の材質や使用条件を考慮して、リーフスプリング20の耐久性を確保可能な応力の上限値である。
リーフスプリング20のたわみ量の許容範囲は、直線aと直線bの交点Xに対応するたわみ量δaから、直線aと直線cの交点Yに対応するたわみ量δbまでの範囲である。図6から明らかなように、たわみ量の許容範囲は、直線aの傾きや、直線cの位置によって変化する。例えば、直線aの傾きが小さくなると、直線aが直線bと直線cの交点Zに近付くことで交点Xと交点Yが近づき、たわみ量の許容範囲が小さくなる。また、直線aの傾きが大きくなると、交点Xと交点Yの間の横軸方向での距離が近くなり、たわみ量の許容範囲が小さくなる。
直線aの傾きは、長さL、幅W及び厚さTによって調整することができ、直線cの位置は厚さT及び長さLによって調整することができる。例えば、厚さTを大きくすれば、図6のグラフ中で直線cを上方に移動させることができ、長さLを大きくすれば、直線aの傾きを小さくすることができる。
図7は、長さL、幅W又は厚さTと、たわみ量の許容範囲の大きさとの関係を概略的に示しており、例えば、長さL、幅W及び厚さTのうち2つを固定し、1つを変化させたとき、その変化に応じて、たわみ量の許容範囲の大きさは最大値Rmaxをとる。幾つかの実施形態では、リーフスプリング20の長さL、幅W及び厚さTは、長さL、幅W及び厚さTのうち2つを固定し、1つを変化させたとき、たわみ量の許容範囲の大きさが、最大値Rmaxの80%の大きさの閾値Rth以上になるように設定される。
なお、図6及び図7から明らかなように、リーフスプリング20の長さL、幅W及び厚さTの各々の値が、たわみ量の許容範囲の大きさ(δb−δa)に与える影響は複雑であり、隙間10へのセンサヘッド28の挿入性を確保しながら、たわみ量の許容範囲の大きさも確保することは容易ではない。例えば、挿入性を考慮すれば、長さLは短い方が良いが、単に短くした場合、直線aの傾きが大きくなってたわみ量の許容範囲が狭くなってしまう。
幾つかの実施形態では、環状部22の厚さは、リーフスプリング20の厚さTよりも小である。
上記構成では、環状部22の厚さがリーフスプリング20の厚さTよりも小であり、環状部22が確実に湾曲可能である。一方、リーフスプリング20の厚さTが環状部22の厚さよりも大きいことで、同一のたわみ量で発生する押し付け力を増大させることができる。
幾つかの実施形態では、平面視にて、センサホルダ18は開口26内に配置されている。換言すれば、たわみ方向にて投影したときに、センサホルダ18の投影は開口26内に位置している。
この構成では、センサホルダ18が開口26内に進入可能であり、センサヘッド28の最小厚さがセンサホルダ18の厚さに等しくなる。このため、より狭小な隙間10にセンサヘッド28を挿入することができる。
例えば、センサヘッド28の厚さは1mm超2.0mm以下であり、2.0mmの隙間10にセンサヘッド28を挿入することができる。そして、2.0mmの隙間にあっても、閾値Fth以上の押し付け力でセンサホルダ18を管台2の内周面2bに押し付けることができる。
例えば、センサヘッド28の厚さは1mm超1.5mm以下であり、1.5mmの隙間10にセンサヘッド28を挿入することができる。そして、1.5mmの隙間にあっても、閾値Fth以上の押し付け力でセンサホルダ18を管台2の内周面2bに押し付けることができる。
幾つかの実施形態では、リーフスプリング20のたわみ量の許容範囲の大きさ(δb−δa)は、2mm以上6mm以下に設定される。
幾つかの実施形態では、リーフスプリング20のたわみ量の許容範囲の大きさ(δb−δa)は、3mm以上4mm以下に設定される。
幾つかの実施形態では、リーフスプリング20のたわみ量の上限値に対する許容範囲の大きさ(δb−δa)の比((δb−δa)/δb)は、0.7以上0.9以下に設定される。
この構成によれば、隙間10の大きさの変化に対するセンサヘッド28の押し付け力の変化が抑制され、測定を安定して行うことができる。
幾つかの実施形態では、リーフスプリング20のたわみ量の上限値に対する許容範囲の大きさ(δb−δa)の比((δb−δa)/δb)は、0.75以上0.85以下に設定される。
幾つかの実施形態では、環状部22の厚さは、アーム部24の厚さよりも大である。
上記構成では、環状部22の厚さがアーム部24の厚さよりも小であり、環状部22が確実に湾曲可能である。一方、アーム部24の厚さが環状部22の厚さよりも大きいことで、アーム部24の剛性が高くなり、アーム部24を介してセンサヘッド28の位置を正確に決定することができる。
幾つかの実施形態では、アーム部24は、図3に示したように、環状部22と一体の本体24aと、本体24aに溶接された補強板24bを含む。この構成によれば、容易にアーム部24の厚さを大きくすることができる。
幾つかの実施形態では、環状部22とは別体であって環状部22よりも厚いアーム部24が、環状部22に溶接により固定される。
幾つかの実施形態では、リーフスプリング20は、ばね用ステンレス鋼帯からなり、例えば、SUS304−CSPやSUS305L301−CSPからなる。
幾つかの実施形態では、リーフスプリング20の長さLは30mm以上50mm以下であり、幅Wは1mm以上5mm以下であり、そして、厚さTは0.1mm以上0.3mm以下である。
幾つかの実施形態では、リーフスプリング20は環状部22に溶接されている。
上記構成では、環状部22とは別体のリーフスプリング20を環状部22に溶接することで、環状部22の厚さをリーフスプリング20の厚さTよりも容易に小さくすることができる。
幾つかの実施形態では、図2及び図12に示したように、リーフスプリング20は、環状部22から直線状に延びる基端部20aと、基端部20aから分岐した2つの先端部20bとを有する。2つの先端部20bにセンサホルダ18が取り付けられ、少なくとも1つのセンサ本体16のうち少なくとも1つのセンサ本体16c,16d,16e,16fは、2つの先端部20bの離間方向にて2つの先端部20bの間に配置されている。
上記構成では、リーフスプリング20の2つの先端部20bにセンサホルダ18が取り付けられており、2つの先端部20bの間にセンサ本体16c,16d,16e,16fを配置することで、センサ本体16c,16d,16e,16f及びセンサホルダ18の全体厚さの増大を抑制することができる。この結果、管台2に対する内部部材8の偏心が大きく最小隙間Gminがより狭くなっても、最小隙間Gminに検査ユニット12を挿入して検査を実行可能である。
幾つかの実施形態では、図2及び図12に示したように、少なくとも1つのセンサ本体16のうち少なくとも1つのセンサ本体16a,16b,16cは、2つの先端部20bの軸線方向にて2つの先端部20bから離れている。
上記構成では、2つの先端部20bにセンサホルダ18が取り付けられており、2つの先端部20bの軸線方向にて2つの先端部20bからセンサ本体16が離れているので、センサ本体16a,16b,16c及びセンサホルダ18の全体厚さの増大を抑制することができる。この結果、管台2に対する内部部材8の偏心が大きく最小隙間Gminがより狭くなっても、最小隙間Gminに検査ユニット12を挿入して検査を実行可能である。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのセンサ本体16は、1対の第1超音波発信器16a及び第1超音波受信器16bを含み、リーフスプリング20は、フレーム14のアーム部24の軸線方向に沿って延びている。そして、1対の第1超音波発信器16a及び第1超音波受信器16bは、アーム部24の軸線方向と交差する方向にて相互に離間して配置されている。
上記構成では、少なくとも1対の第1超音波発信器16a及び第1超音波受信器16bがアーム部24の軸線方向と交差する方向にて相互に離間して配置されている。この構成では、アーム部24を管台2の軸線方向に沿って配置することで、図8に示したように、少なくとも1対の第1超音波発信器16a及び第1超音波受信器16bを管台2の周方向に相互に離間して配置可能である。このような配置によれば、少なくとも1対の第1超音波発信器16a及び第1超音波受信器16bによって、例えばTOFD(Time of Flight Diffraction)法により、管台2の軸線方向に沿って延びる傷を確実に検出することができる。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのセンサ本体16は、1対の第2超音波発信器16c及び第2超音波受信器16dを含み、リーフスプリング20は、フレーム14のアーム部24の軸線方向に沿って延びている。そして、1対の第2超音波発信器16c及び第2超音波受信器16dは、アーム部24の軸線方向に沿う方向にて相互に離間して配置されている。
上記構成では、少なくとも1対の第2超音波発信器16c及び第2超音波受信器16dがアーム部24の軸線方向に沿う方向にて相互に離間して配置されている。この構成では、アーム部24を管台2の軸線方向に沿って配置することで、図9に示したように、少なくとも1対の第2超音波発信器16c及び第2超音波受信器16dを管台2の軸線方向に相互に離間して配置可能である。このため、少なくとも1対の第2超音波発信器16c及び第2超音波受信器16dによって、例えばTOFD法により、管台2の周方向に沿って延びる傷を確実に検出することができる。
幾つかの実施形態では、図8に示したように、センサホルダ18は、管台2の内周面2bと対向配置されるように構成された曲面18aを有し、少なくとも1つのセンサ本体16は、曲面18aの周方向に離間した1対の第1超音波発信器16a及び第1超音波受信器16bを含む。そして、曲面18aの径方向に対する第1超音波発信器16aの発信面30aの法線の傾斜角θaは、8°以上25°以下であり、曲面18aの径方向に対する第1超音波受信器16bの受信面30bの法線の傾斜角θbは、8°以上25°以下である。そして更に、検査ユニット12は、発信面30a及び受信面30bの上に形成された屈折膜32(32a,32b)を更に含む。
上記構成では、第1超音波発信器16aの発信面30a及び第1超音波受信器16bの受信面30bの法線の傾斜角θa,θbは8°以上であるため、発信面30aから出射された超音波を受信面30bで確実に受信することができ、第1超音波発信器16a及び第1超音波受信器16bによって管台2を確実に検査することができる。一方、第1超音波発信器16aの発信面30a及び第1超音波受信器16bの受信面30bの法線の傾斜角θa,θbは25°以下であるため、センサ本体16a,16b及びセンサホルダ18の全体厚さの増大を確実に抑制することができる。この結果として、より狭小な最小隙間Gminに検査ユニット12を挿入可能である。
幾つかの実施形態では、傾斜角θa,θbは、10°以上21°以下である。
幾つかの実施形態では、図9に示したように、センサホルダ18は、管台2の内周面2bと対向配置されるように構成された曲面18aを有し、少なくとも1つのセンサ本体16は、曲面18aの軸線方向に離間した1対の第2超音波発信器16c及び第2超音波受信器16dを含む。そして、曲面18aの径方向に対する第2超音波発信器16cの発信面30cの法線の傾斜角θcは、8°以上25°以下であり、曲面18aの径方向に対する第2超音波受信器16dの受信面30dの法線の傾斜角θdは、8°以上25°以下である。そして更に、検査ユニット12は、発信面30c及び受信面30dの上に形成された屈折膜32(32c,32d)を更に含む。
上記構成では、第2超音波発信器16cの発信面30c及び第2超音波受信器16dの受信面30dの法線の傾斜角θc,θdは8°以上であるため、発信面30cから出射された超音波を受信面30dで確実に受信することができ、第2超音波発信器16c及び第2超音波受信器16dによって管台2を確実に検査することができる。一方、第2超音波発信器16cの発信面30c及び第2超音波発信器16cの受信面30dの法線の傾斜角θc,θdは25°以下であるため、センサ本体16c,16d及びセンサホルダ18の全体厚さの増大を確実に抑制することができる。この結果として、より狭小な最小隙間Gminに検査ユニット12を挿入可能である。
幾つかの実施形態では、傾斜角θc,θdは、10°以上21°以下である。
幾つかの実施形態では、温度0℃の大気圧下にて屈折膜32(32a,32b,32c,32d)における縦波の音速が2500m/s以下である。
上記構成では、屈折膜32における縦波の音速が2500m/s以下であることによって、屈折膜32での音速が遅い。このため、管台2の内部を内周面2bに向かって進行する超音波の伝搬方向の径方向に対する傾斜角(屈折角)θe,θgを所定の値に設定する場合、屈折膜での音速が速い場合に比べて、発信面30a,30cの法線の傾斜角θa,θcを小さくすることができる。この結果として、センサ本体16及びセンサホルダ18の全体厚さの増大を確実に抑制することができ、より狭小な最小隙間に検査ユニット12を挿入可能である。
一方、屈折膜32における縦波の音速は例えば2000m/s以上である。
幾つかの実施形態では、傾斜角θa,θc及び屈折膜32における縦波の音速は、管台2の内部を内周面2bに向かって進行する超音波の伝搬方向の径方向に対する傾斜角(屈折角)θe,θgが例えば25°以上65°以下になるように設定される。
幾つかの実施形態では、屈折膜32はポリスチレンを含む。
上記構成では、屈折膜32がポリスチレンを含むことによって、屈折膜32での音速が遅い。このため、管台2の内部を内周面2bに向かって進行する超音波の伝搬方向の径方向に対する傾斜角(屈折角)θe,θgを所定の値に設定する場合、屈折膜での音速が速い場合に比べて、発信面30a,30cの法線の傾斜角θa,θcを小さくすることができる。この結果として、センサ本体16及びセンサホルダ18の全体厚さの増大を確実に抑制することができ、より狭小な最小隙間に検査ユニット12を挿入可能である。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのセンサ本体16は、渦電流探傷センサのセンサ本体16eを構成する少なくとも2つの励磁用コイル36a,36aと少なくとも2つの検出用コイル36b,36bとを含み、センサホルダ18は、管台2の内周面2bと対向配置されるように構成された曲面18aを有する。そして、少なくとも2つの励磁用コイル36a,36a及び少なくとも2つの検出用コイル36b,36bは、それぞれ曲面18aに面して配置され、且つ、曲面18aに沿って少なくとも2つの励磁用コイル36a,36a間を結ぶ仮想線Laが、曲面18aに沿って少なくとも2つの検出用コイル36b,36b間を結ぶ仮想線Lbと交差するように配置されている。
上記構成では、渦電流探傷センサによって、管台2の内周面2b近傍の傷を検出することができる。一方、2つの励磁用コイル36a,36a及び2つの検出用コイル36b,36bの各々が曲面18aに面するように配置されているので、励磁用コイル及び検出用コイルを曲面18aの径方向に沿って同軸上に配置する場合よりも、2つの励磁用コイル36a,36a及び2つの検出用コイル36b,36bの全体の高さを抑制することができる。この結果として、より狭小な最小隙間Gminに検査ユニット12を挿入可能である。
幾つかの実施形態では、センサホルダ18は、管台2の内周面2bと対向配置されるように構成された曲面18aを有し、少なくとも1つのセンサ本体16は、曲面18aの径方向に沿って超音波を送受信可能な超音波送受信器16fを含む。
上記構成では、超音波送受信器16fによって、壁4と管台2の間の溶接部6を容易に検査することができる。
幾つかの実施形態では、図11に示したように、少なくとも1つのセンサ本体16から延びる配線38が、フレーム14に粘着フィルム40aを用いて固定されている。
上記構成では、配線38を粘着フィルム40aで固定することで、配線38及びフレーム14の全体厚さの増大を抑制しながら、配線38を容易に固定することができる。また、配線38を覆う粘着フィルム40aによって、配線38を保護することができる。
なお、センサ本体16は、図1に示したように、配線38を介して測定器44と電気的に接続され、測定器44が信号を処理することによって、管台2の状態を検査することができる。
幾つかの実施形態では、図11に示したように、フレーム14と配線38の間に、両面テープからなる粘着フィルム40bが設けられる。粘着フィルム40bによって、フレーム14に対する配線38の密着性を高めることができる。
幾つかの実施形態では、図2及び図12に示したように、検査ユニット12は、フレーム14に固定された液体供給チューブ42を更に含む。
上記構成では、フレーム14に固定された液体供給チューブ42を介して、例えば水等の液体を管台2の内周面2bとセンサ本体16の間に確実且つ容易に供給することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変更を加えた形態や、これらの形態を組み合わせた形態も含む。
例えば、管台検査装置1は、検査ユニット12を内部部材8の周りで回転させるとともに、検査ユニット12を内部部材8の軸線方向にて移動させる走査装置を更に備えていてもよい。
また、管台検査装置1は、原子炉の圧力容器の上蓋に設けられる管台2の検査に適しているが、他の管台2の検査にも適用可能である。
1 管台検査装置
2 管台
2a 外周面
2b 内周面
4 壁
6 溶接部
8 内部部材
9 部材
10 隙間
12(12a,12b) 検査ユニット
14 フレーム
16(16a,16b,16c,16d,16e,16f) センサ本体
16a 第1超音波発信器
16b 第1超音波受信器
16c 第2超音波発信器
16d 第2超音波受信器
16e 渦電流探傷センサのセンサ本体
16f 超音波送受信器
18 センサホルダ
20 リーフスプリング
22 環状部
24 アーム部
24a 本体
24b 補強板
26 開口
28 センサヘッド
30a,30c 発信面
30b,30d 受信面
32(32a,32b,32c,32d) 屈折膜
36a 励磁用コイル
36b 検出用コイル
38 配線
40a,40b 粘着フィルム
42 液体供給チューブ

Claims (16)

  1. 壁を貫通して延びる円筒形状の管台であって、外周側が前記壁に溶接され、内側に隙間を存して円筒形状の内部部材が配置される管台のための管台検査装置において、
    前記隙間に挿入可能に構成された検査ユニットを備え、
    前記検査ユニットは、
    環形状の板材によって構成された環状部、及び、前記環状部から延びる板材によって構成されたアーム部を含むフレームと、
    前記管台の状態に関する信号を取得可能な少なくとも1つのセンサ本体と、
    前記少なくとも1つのセンサ本体が取り付けられたセンサホルダと、
    前記フレームと前記センサホルダとの間に設けられ、前記環状部の内側に規定される開口に対する前記管台の径方向における前記センサホルダの接近を許容しながら、前記管台の径方向において前記開口から離れた位置に前記センサホルダを弾性的に保持するように構成されたリーフスプリングと、
    を含み、
    前記フレームの環状部は可撓性を有する
    ことを特徴とする管台検査装置。
  2. 前記リーフスプリングの長さ、幅及び厚さは、前記管台に対して前記内部部材が偏心しているときに前記隙間の一部に形成される最小隙間及び最大隙間の各々にて、前記リーフスプリングに作用する応力が上限値を超えることなく、前記センサホルダを前記管台の内周面に対し閾値以上の押し付け力で押し付け可能に設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の管台検査装置。
  3. 前記環状部の厚さは、前記リーフスプリングの厚さよりも小である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の管台検査装置。
  4. 前記リーフスプリングは前記環状部に溶接されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の管台検査装置。
  5. 前記リーフスプリングは、
    前記環状部から直線状に延びる基端部と、
    前記基端部から分岐した2つの先端部とを有し、
    前記2つの先端部に前記センサホルダが取り付けられ、
    前記少なくとも1つのセンサ本体のうち少なくとも1つは、前記2つの先端部の離間方向にて前記2つの先端部の間に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の管台検査装置。
  6. 前記リーフスプリングは、
    前記環状部から直線状に延びる基端部と、
    前記基端部から分岐した2つの先端部とを有し、
    前記2つの先端部に前記センサホルダが取り付けられ、
    前記少なくとも1つのセンサ本体のうち少なくとも1つは、前記2つの先端部の軸線方向にて前記2つの先端部から離れている
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の管台検査装置。
  7. 壁を貫通して延びる円筒形状の管台であって、外周側が前記壁に溶接され、内側に隙間を存して円筒形状の内部部材が配置される管台のための管台検査装置において、
    前記隙間に挿入可能に構成された検査ユニットを備え、
    前記検査ユニットは、
    環形状の板材によって構成された環状部、及び、前記環状部から延びる板材によって構成されたアーム部を含むフレームと、
    前記管台の状態に関する信号を取得可能な少なくとも1つのセンサ本体と、
    前記少なくとも1つのセンサ本体が取り付けられたセンサホルダと、
    前記フレームと前記センサホルダとの間に設けられ、前記環状部の内側に規定される開口に対する前記センサホルダの接近を許容しながら前記開口から離れた位置に前記センサホルダを弾性的に保持するように構成されたリーフスプリングと、
    を含み、
    前記フレームの環状部は可撓性を有するとともに、
    前記少なくとも1つのセンサ本体は、1対の第1超音波発信器及び第1超音波受信器を含み、
    前記リーフスプリングは、前記フレームのアーム部の軸線方向に沿って延び、
    前記1対の第1超音波発信器及び第1超音波受信器は、前記アーム部の軸線方向と交差する方向にて相互に離間して配置されている
    ことを特徴とする管台検査装置。
  8. 前記少なくとも1つのセンサ本体は、1対の第2超音波発信器及び第2超音波受信器を含み、
    前記リーフスプリングは、前記フレームのアーム部の軸線方向に沿って延び、
    前記1対の第2超音波発信器及び第2超音波受信器は、前記アーム部の軸線方向に沿う方向にて相互に離間して配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の管台検査装置。
  9. 壁を貫通して延びる円筒形状の管台であって、外周側が前記壁に溶接され、内側に隙間を存して円筒形状の内部部材が配置される管台のための管台検査装置において、
    前記隙間に挿入可能に構成された検査ユニットを備え、
    前記検査ユニットは、
    環形状の板材によって構成された環状部、及び、前記環状部から延びる板材によって構成されたアーム部を含むフレームと、
    前記管台の状態に関する信号を取得可能な少なくとも1つのセンサ本体と、
    前記少なくとも1つのセンサ本体が取り付けられたセンサホルダと、
    前記フレームと前記センサホルダとの間に設けられ、前記環状部の内側に規定される開口に対する前記センサホルダの接近を許容しながら前記開口から離れた位置に前記センサホルダを弾性的に保持するように構成されたリーフスプリングと、
    を含み、
    前記フレームの環状部は可撓性を有するとともに、
    前記センサホルダは、前記管台の内周面と対向配置されるように構成された曲面を有し、
    前記少なくとも1つのセンサ本体は、前記曲面の周方向に離間した1対の第1超音波発信器及び第1超音波受信器を含み、
    前記曲面の径方向に対する前記第1超音波発信器の発信面の法線の傾斜角は、8°以上25°以下であり、
    前記曲面の径方向に対する前記第1超音波受信器の受信面の法線の傾斜角は、8°以上25°以下であり、
    前記検査ユニットは、前記発信面及び前記受信面の上に形成された屈折膜を更に含む
    ことを特徴とする管台検査装置。
  10. 壁を貫通して延びる円筒形状の管台であって、外周側が前記壁に溶接され、内側に隙間を存して円筒形状の内部部材が配置される管台のための管台検査装置において、
    前記隙間に挿入可能に構成された検査ユニットを備え、
    前記検査ユニットは、
    環形状の板材によって構成された環状部、及び、前記環状部から延びる板材によって構成されたアーム部を含むフレームと、
    前記管台の状態に関する信号を取得可能な少なくとも1つのセンサ本体と、
    前記少なくとも1つのセンサ本体が取り付けられたセンサホルダと、
    前記フレームと前記センサホルダとの間に設けられ、前記環状部の内側に規定される開口に対する前記センサホルダの接近を許容しながら前記開口から離れた位置に前記センサホルダを弾性的に保持するように構成されたリーフスプリングと、
    を含み、
    前記フレームの環状部は可撓性を有するとともに、
    前記センサホルダは、前記管台の内周面と対向配置されるように構成された曲面を有し、
    前記少なくとも1つのセンサ本体は、前記曲面の軸線方向に離間した1対の第2超音波発信器及び第2超音波受信器を含み、
    前記曲面の径方向に対する前記第2超音波発信器の発信面の法線の傾斜角は、8°以上25°以下であり、
    前記曲面の径方向に対する前記第2超音波受信器の受信面の法線の傾斜角は、8°以上25°以下であり、
    前記検査ユニットは、前記発信面及び前記受信面の上に形成された屈折膜を更に含む
    ことを特徴とする管台検査装置。
  11. 温度0℃の大気圧下にて前記屈折膜における縦波の音速が2500m/s以下であることを特徴とする請求項9又は10に記載の管台検査装置。
  12. 前記屈折膜はポリスチレンを含むことを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の管台検査装置。
  13. 壁を貫通して延びる円筒形状の管台であって、外周側が前記壁に溶接され、内側に隙間を存して円筒形状の内部部材が配置される管台のための管台検査装置において、
    前記隙間に挿入可能に構成された検査ユニットを備え、
    前記検査ユニットは、
    環形状の板材によって構成された環状部、及び、前記環状部から延びる板材によって構成されたアーム部を含むフレームと、
    前記管台の状態に関する信号を取得可能な少なくとも1つのセンサ本体と、
    前記少なくとも1つのセンサ本体が取り付けられたセンサホルダと、
    前記フレームと前記センサホルダとの間に設けられ、前記環状部の内側に規定される開口に対する前記センサホルダの接近を許容しながら前記開口から離れた位置に前記センサホルダを弾性的に保持するように構成されたリーフスプリングと、
    を含み、
    前記フレームの環状部は可撓性を有するとともに、
    前記少なくとも1つのセンサ本体は、
    渦電流探傷センサを構成する少なくとも2つの励磁用コイルと少なくとも2つの検出用コイルとを含み、
    前記センサホルダは、前記管台の内周面と対向配置されるように構成された曲面を有し、
    前記少なくとも2つの励磁用コイル及び前記少なくとも2つの検出用コイルは、それぞれ前記曲面に面して配置され、且つ、前記曲面に沿って前記少なくとも2つの励磁用コイル間を結ぶ仮想線が、前記曲面に沿って前記少なくとも2つの検出用コイル間を結ぶ仮想線と交差するように配置されている
    ことを特徴とする管台検査装置。
  14. 壁を貫通して延びる円筒形状の管台であって、外周側が前記壁に溶接され、内側に隙間を存して円筒形状の内部部材が配置される管台のための管台検査装置において、
    前記隙間に挿入可能に構成された検査ユニットを備え、
    前記検査ユニットは、
    環形状の板材によって構成された環状部、及び、前記環状部から延びる板材によって構成されたアーム部を含むフレームと、
    前記管台の状態に関する信号を取得可能な少なくとも1つのセンサ本体と、
    前記少なくとも1つのセンサ本体が取り付けられたセンサホルダと、
    前記フレームと前記センサホルダとの間に設けられ、前記環状部の内側に規定される開口に対する前記センサホルダの接近を許容しながら前記開口から離れた位置に前記センサホルダを弾性的に保持するように構成されたリーフスプリングと、
    を含み、
    前記フレームの環状部は可撓性を有するとともに、
    前記センサホルダは、前記管台の内周面と対向配置されるように構成された曲面を有し、
    前記少なくとも1つのセンサ本体は、前記曲面の径方向に沿って超音波を送受信可能な超音波送受信器を含む
    ことを特徴とする管台検査装置。
  15. 前記少なくとも1つのセンサ本体から延びる配線が、前記フレームに粘着フィルムを用いて固定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の管台検査装置。
  16. 前記検査ユニットは、前記フレームに固定された液体供給チューブを更に含む
    ことを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の管台検査装置。
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