本発明の実施の形態について図を参照して説明する。全図を通じて同一の要素には同一の参照符号を付す。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る機器制御装置100は、図1に示すように、住宅に設置された電気機器101a〜fと、ユーザとしての住宅の住人が携帯する移動端末102とともに、機器制御システム103aを構成する。
機器制御装置100は、同図に示すように、電気機器101a〜f(詳細後述)と通信ネットワークN1を介して通信する。また、機器制御装置100は、通信ネットワークN2を介して移動端末102と通信する。移動端末102は、例えばスマートフォン、タブレット端末、防犯ブザー装置などであって、GPS衛星104と通信することによって、現在位置を示す現在位置情報を取得する。
通信ネットワークN1は、典型的には、無線の宅内ネットワークであるが、有線の宅内ネットワーク、無線と有線とを組み合わせた宅内ネットワークなど、任意に構成される通信ネットワークであってよい。通信ネットワークN2は、例えばインターネットなどであり、典型的には、無線と有線とを組み合わせて構成される。
電気機器101a〜fは、例えば図2に示すように、照明101a〜c、空調機101d〜e、冷蔵庫101fである。同図は、照明101a〜cは、キッチン、リビング、寝室のそれぞれに設置され、空調機101d〜eは、リビング、寝室のそれぞれに設置され、冷蔵庫101fは、キッチンに設置される例を示す。以下では、電気機器101a〜fの各々を特に区別しない場合、「電気機器101」と表記する。
なお、住宅は、機器制御装置100が電気機器101を制御可能な領域である制御領域の一例である。住宅には、1種以上の電気機器101が1つ以上設置されていればよい。電気機器101の種類は、照明101a〜c、空調機101d〜e、冷蔵庫101fに限られず、例えばIH(Induction Heating)調理器、電気給湯器、テレビ受像器などであってもよい。また、キッチン、リビング、寝室は、制御領域たる住宅を区分した区画の例である。区画は、2つ以上あればよく、例えば子供部屋、書斎、応接室、浴室などであってもよい。
機器制御装置100は、電気機器101と通信することによって、電気機器101を制御する。機器制御装置100は、機能的には、図3に示すように、各種データ105〜107を記憶する記憶部108と、ユーザの現在位置に応じて機器制御スケジュールを更新して、更新した機器制御スケジュールに従って電気機器101を制御するための処理・制御部109〜114とを備える。
ここで、機器制御スケジュールとは、電気機器101のうち、特定の電気機器(制御対象機器)101を制御するスケジュールである。「更新」とは、「新たに追加すること」と「既存のものを変更すること」と「既存のものを削除すること」とを含む。
このような機器制御装置100は、例えば、予めプログラムが組み込まれたマイコン、半導体メモリ、通信インタフェースなどから構成される。なお、機器制御装置100は、電気機器101に組み込まれてもよい。また、詳細後述する機器制御装置100の機能及び機器制御装置100が実行する処理は、汎用のコンピュータがソフトウェア・プログラムを実行することによって実現されてもよい。機器制御装置100の機能及び機器制御装置100が実行する処理は、例えばスマートフォン、タブレット端末などの端末装置がソフトウェア・プログラムを実行することによって実現されてもよい。
基準位置データ105は、基準位置を示すデータである。基準位置は、住宅の位置であって、例えばユーザによって、住宅を代表する位置として住宅内で適宜選択されるとよい。本実施の形態に係る基準位置データ105は、図4に示すように、基準位置の緯度と経度との組を示す。
機器制御スケジュールデータ106は、制御対象機器101の機器制御スケジュールを示すデータである。本実施の形態に係る機器制御スケジュールデータ106は、図5に示すように、ユーザ動作に関連付けられた機器制御スケジュール(制御時刻、制御対象機器101、制御内容)を示す。
ユーザ動作は、ユーザの動作を示す情報である。機器制御スケジュールでは、ユーザ動作は、機器制御スケジュールがユーザのどのような動作との関連で設定されたのかを示しており、例えば予め定められたリストから選択される。
同図に例示する機器制御スケジュールデータ106は、例えば、「外出」及び「帰宅」というユーザ動作との関連で設定された機器制御スケジュールを含む。同図の「外出」に対応するための機器制御スケジュールにより、機器制御装置100は、「2014年3月3日午前8時00分」に、「冷蔵庫101fを除くすべての電気機器101a〜e」を「OFF」にする。同図の「帰宅」に対応するための機器制御スケジュールデータ106により、機器制御装置100は、「2014年3月3日午前19時00分」に、「リビングの空調機101d」を「ON」にする。
ここで、「OFF」とは、制御対象機器101の動作を停止させることである。「動作を停止させる」とは、制御対象機器101の本来の機能を発揮するための動作を停止させることである。すなわち、動作を停止した場合であっても、電気機器101は、機器制御装置100などからの制御を受け付ける。「ON」とは、制御対象機器101の動作を開始させることである。
機器制御スケジュールデータ106は、例えば、タッチパネルなどの入力部(不図示)へのユーザの入力に応じて作成されて記憶部108に格納される。機器制御スケジュールデータ106は、ユーザの予定などに連動して機器制御装置100が自動的に作成されて記憶部108に格納されてもよい。
端末データ107は、ユーザが携帯する移動端末102への通知のあて先を示すデータである。本実施の形態に係る端末データ107は、図6に示すように、移動端末102に割り当てられたメールアドレスを示す。
図3を参照する。基準位置設定部109は、基準位置データ105を取得して記憶部108に記憶させる。例えば、基準位置設定部109は、移動端末102が住宅内で取得した現在位置情報を基準位置データ105として移動端末102から取得して記憶部108に記憶させる。
現在位置取得部110は、ユーザが携帯する移動端末102が取得する現在位置情報を、その移動端末102から予め定められたタイミングで取得する。
算出部111は、ユーザの現在位置から基準位置までの距離DPを算出する。本実施の形態に係る算出部111は、現在位置から基準位置までの直線距離DPを算出する。
更新部112は、算出部111によって算出された距離DPと閾値DT1とを比較し、比較した結果に応じて、機器制御スケジュールデータ106を更新する。
詳細には、本実施の形態に係る更新部112は、距離DPを示すデータを算出部111から取得し、距離DPと閾値DT1とを比較する。
ここで、閾値DT1には、典型的には、制御時刻より予め定められた時間(例えば、15分)前におけるユーザの位置に基づいて予め設定されるよい。すなわち、本実施の形態では、閾値DT1は、例えば、基準位置と制御時刻におけるユーザの位置との距離として適切であると想定される値が設定されるとよい。
閾値DT1は、例えば入力部(不図示)へのユーザの入力によって予め設定されるとよい。また例えば、閾値DT1は、ユーザの移動とユーザが実際に電気機器101を操作した時刻との履歴に基づいて、機器制御装置100により設定されてもよい。設定された閾値DT1を示すデータは、例えば更新部112により保持されるとよい。
更新部112は、距離DPと閾値DT1とを比較した結果と、機器制御スケジュールデータ106に含まれるユーザ動作とに応じて、機器制御スケジュールデータ106を変更する。
機器制御スケジュールデータ106を変更する例として、次の場合がある。帰宅に関連する機器制御スケジュールの制御時刻において、更新部112は、距離DPが閾値DT1より大きい場合にはその制御時刻を遅らせ、距離DPが閾値DT1より小さい場合にはその制御時刻を早める。外出に関連する機器制御スケジュールの制御時刻において、更新部112は、距離DPが閾値DT1より小さい場合にはその制御時刻を遅らせる。
機器制御スケジュールデータ106を変更した場合、更新部112は、変更内容を通知部113に通知する。機器制御スケジュールデータ106を変更しなかった場合、その旨を機器制御部114に通知する。
通知部113は、更新部112が機器制御スケジュールデータ106を更新した場合に、その旨を移動端末102へ通知する。
詳細には、通知部113は、更新部112から通知を受けると、記憶部108が記憶する端末データ107を取得する。通知部113は、更新部112からの通知に含まれる変更内容を含む電子メールを作成する。通知部113は、取得した端末データ107が示すメールアドレスへ、作成した電子メールを送信する。
機器制御部114は、記憶部108に記憶されている機器制御スケジュールデータ106が示す機器制御スケジュールに従って、電気機器101を制御する。
詳細には、機器制御部114は、更新部112から通知を受けると、その通知の対象となった機器制御スケジュールデータ106を記憶部108から取得する。機器制御部114は、取得した機器制御スケジュールデータ106に応じて制御対象機器101を制御する。すなわち、機器制御部114は、機器制御スケジュールデータ106に含まれる制御対象機器101に対して、機器制御スケジュールデータ106に含まれる制御内容に応じた指示を、通信ネットワークN1を介して送信する。このような機器制御部114を備えることによって、電気機器101は、更新部112により更新された機器制御スケジュールに従って、実際に制御される。従って、ユーザの行動に応じて電気機器101を適切に動作させることが可能になる。
なお、機器制御部114は、例えば、図示しない計時部が計測する現在時刻を取得しつつ、記憶部108に記憶されている機器制御スケジュールデータ106を監視してもよい。そして、機器制御部114は、機器制御スケジュールデータ106に含まれる制御時刻が到来したことを検知した後に、更新部112からの通知を受けて、上述のように制御対象機器101を制御してもよい。
これまで、本実施の形態に係る機器制御装置100の構成について説明した。ここから、機器制御装置100が実行する処理について説明する。
図7は、本実施の形態に係る基準位置設定処理の流れを示す。基準位置設定処理は、基準位置を設定するための処理である。基準位置設定処理は、初期設定として実行され、その後、適宜実行されるとよい。
基準位置設定部109は、例えば機器制御装置100が入力部(不図示)へのユーザの入力に応じて基準位置設定モードで動作すると、現在位置情報を移動端末102に要求する(ステップS101)。
ここでは、機器制御装置100と移動端末102とは、例えば、通信ネットワークN1を介して通信してもよく、通信ネットワークN2を介して通信してもよい。利用する通信ネットワークに応じて必要なアドレスは、端末データ107にさらに含まれるとよい。
ステップS101での要求を受信した移動端末102は、ユーザからの指示を待ってGPS衛星104と通信して現在位置情報を取得する。移動端末102は、取得した現在位置情報を機器制御装置100へ送信する。基準位置設定部109は、移動端末102から、基準位置データ105として取得する(ステップS102)。
基準位置設定部109は、ステップS102にて取得した現在位置情報を、基準位置データ105として記憶部108に記憶させる(ステップS013)。これにより、基準位置設定部109は、基準位置設定処理を終了する。
なお、図2に示すように、ユーザが宅内に設置された機器制御装置100を操作して入力する時には、移動端末102は通常、ユーザに携帯されて宅内にある。そのため、移動端末102がユーザの機器制御装置100への入力操作に対する応答として取得する現在位置情報は、基準位置とみなすことができる。従って、移動端末102は、ステップS101での要求を受信すると、ユーザの指示を待つことなく直ちに、GPS衛星104と通信して現在位置情報を取得して機器制御装置100へ送信してもよい。これによれば、簡易な方法で基準位置情報を機器制御装置100に設定することができる。
ただ、移動端末102が、上述のように、ユーザの指示を待ってGPS衛星104と通信して現在位置情報を取得することで、ユーザが、宅内のどこを基準位置とするかを任意に選択することができる。従って、ユーザにとって快適な制御が行われる位置を基準位置に選択することができるので、ユーザの生活の快適性の向上を図ることが可能になる。
図8は、本実施の形態に係る現在位置取得処理の流れを示す図である。現在位置取得処理は、現在位置情報を取得するための処理である。
同図に示すように、移動端末102は、一定の時間間隔ΔTで現在位置情報をGPS衛星104と通信して機器制御装置100へ送信する。これにより、機器制御装置100の現在位置取得部110は、移動端末102から現在位置情報を定期的に取得する。
図9は、本実施の形態に係る機器制御スケジュール変更処理の流れを示す。機器制御スケジュール変更処理は、ユーザの現在の位置及び動作に応じて、機器制御スケジュールデータ106を変更するための処理である。機器制御スケジュール変更処理は、例えば、現在位置取得部110が現在位置情報を移動端末102から取得する度に実行される。
算出部111は、現在位置取得部110により取得された現在位置情報を取得すると、更新の対象の有無を判定する(ステップS111)。
ここで、更新の対象とは、記憶部108に記憶された機器制御スケジュールデータ106のうち、更新の対象を抽出するための条件(更新対象抽出条件)を満たすものである。更新対象抽出条件は、予め適宜定められればよい。本実施の形態に係る更新対象抽出条件は、制御時刻が現在時刻から予め定められた時間(例えば、15分)内に到来することである。
詳細には、算出部111は、計時部(不図示)が計測する現在時刻を取得する。算出部111は、現在時刻から予め定められた時間(例えば、15分)内に到来する制御時刻を含む機器制御スケジュールデータ106を、更新の対象として記憶部108から抽出する。
算出部111は、更新の対象となる機器制御スケジュールデータ106が抽出されない場合、更新の対象がないと判定して(ステップS111;No)、帰宅に関連する変更処理を終了する。
更新の対象となる機器制御スケジュールデータ106が抽出された場合、算出部111は、更新の対象があると判定し(ステップS111;Yes)、距離DPを算出する(ステップS112)。
詳細には、算出部111は、基準位置データ105を記憶部108から取得する。算出部111は、取得した基準位置データ105が示す基準位置と、現在位置取得部110により取得された現在位置情報が示す現在位置との距離DPを算出する。本実施の形態に係る距離DPは、現在位置と基準位置との直線距離である。なお、距離DPは、地図情報などを基に算出される道のりであってもよい。地図情報は、記憶部108により予め記憶されてもよく、インターネットなどを介して取得されてもよい。
更新部112は、算出部111により算出された距離DPと閾値DT1とを比較し、距離DPが閾値DT1より大きいか否かを判定する(ステップS113)。
距離DPが閾値DT1より大きいと判定した場合(ステップS113;Yes)、更新部112は、ステップS111で抽出された機器制御スケジュールデータ106の制御時刻を、ユーザ動作に応じて変更する(ステップS114)。
詳細には、ユーザ動作として「帰宅」が関連付けられた機器制御スケジュールデータ106である場合、更新部112は、制御時刻を遅らせる。ユーザ動作として「外出」が関連付けられた機器制御スケジュールデータ106である場合、更新部112は、制御時刻を早める。ステップS114での遅らせる時間と早める時間とのそれぞれは、例えば5分、1時間など適宜定められてよい。遅らせる時間と早める時間とで異なる時間が定められてもよい。
ここで、ステップS113でYesと判定される場合、距離DPは閾値DT1より大きい。このことは、ユーザが、機器制御スケジュールをその制御時刻に実行するのに適した位置よりも遠くに居ることを意味する。
このようなユーザの現在位置から、ユーザ動作が帰宅であれば、帰宅が予定よりも遅れると予測される。ユーザ動作が外出であれば、外出が予定よりも早かったと予測される。そのため、更新部112は、ユーザ動作が「帰宅」の場合、制御時刻を遅らせ、ユーザ動作が「外出」の場合、制御時刻を早める。これにより、ユーザの予定の変更に応じて、電気機器101を制御することが可能になる。
距離DPが閾値DT1より大きくないと判定した場合(ステップS113;No)、更新部112は、算出部111から取得したデータが示す距離DPと閾値DT1とを比較する。これにより、更新部112は、距離DPが閾値DT1より小さいか否かを判定する(ステップS115)。
距離DPが閾値DT1より小さくないと判定した場合(ステップS115;No)、更新部112は、機器制御スケジュール変更処理を終了する。
ここで、ステップS115でNoと判定される場合、距離DPは閾値DT1と等しい。このことは、ユーザが、機器制御スケジュールをその制御時刻に実行するのに適した位置に居ることを意味する。そのため、更新部112は、機器制御スケジュールデータ106を元のまま更新せずに、機器制御スケジュール変更処理を終了する。
距離DPが閾値DT1より小さいと判定した場合(ステップS115;Yes)、更新部112は、ステップS112で抽出された機器制御スケジュールデータ106の制御時刻を、ユーザ動作に応じて変更する(ステップS116)。
詳細には、ユーザ動作として「帰宅」が関連付けられた機器制御スケジュールデータ106である場合、更新部112は、制御時刻を早める。ユーザ動作として「外出」が関連付けられた機器制御スケジュールデータ106である場合、更新部112は、制御時刻を遅らせる。ステップS116での遅らせる時間と早める時間とのそれぞれは、例えば5分、1時間など適宜定められてよい。遅らせる時間と早める時間とで異なる時間が定められてもよい。
ここで、ステップS115でYesと判定される場合、距離DPは閾値DT1より小さい。このことは、機器制御スケジュールをその制御時刻に実行するのに適した位置よりも近くに居ることを意味する。
このようなユーザの現在位置から、ユーザ動作が帰宅であれば、帰宅が予定よりも早くなると予測される。ユーザ動作が外出であれば、外出が予定よりも遅かったと予測される。そのため、更新部112は、ユーザ動作が「帰宅」の場合、制御時刻を早め、ユーザ動作が「外出」の場合、制御時刻を遅らせる。これにより、ユーザの予定の変更に応じて、電気機器101を制御することが可能になる。
更新部112は、テップS114又はステップS116で算出した制御時刻に応じて、ステップS112で抽出した機器制御スケジュールデータ106を変更する(ステップS117)。
詳細には、更新部112は、ステップS112で抽出した機器制御スケジュールデータ106の制御時刻を、ステップS114又はステップS116で算出した制御時刻に置き換えた機器制御スケジュールデータ106を記憶部108に記憶させる。更新部112は、機器制御スケジュールデータ106を変更すると、その旨を変更内容とともに通知部113へ通知する。
通知部113は、変更した旨の通知を更新部112から受けると、ユーザが携帯する移動端末102へ変更の内容を通知する(ステップS118)。
詳細には、通知部113は、更新部112からの通知に基づいて、変更内容を示す電子メールを作成する。通知部113は、記憶部108に記憶された端末データ107が示すメールアドレスへ、作成した電子メールを送信する。
これにより、通知部113は、帰宅に関連する変更処理を終了する。
機器制御スケジュール変更処理を実行することによって、ユーザの予定に変更が生じる又は生じたと予測される場合、ユーザが操作しなくても、機器制御スケジュールを適切に調整することができる。従って、ユーザの行動に応じて機器を制御することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態1について説明した。
本実施の形態によれば、ユーザの予定に変更が生じた場合に、ユーザが操作しなくても、予定の変更を予測して機器制御スケジュールを適切に調整することができる。従って、ユーザの行動に応じて電気機器101を制御することが可能になる。
本実施の形態によれば、現在位置取得部110は、ユーザが携帯する移動端末102から現在位置情報を定期的に取得する。これにより、機器制御装置100は、時間的に遅れの少ないユーザの現在位置を逐次取得することができる。従って、ユーザの予定に変更が生じたか否かを正確に予測することが可能になる。
本実施の形態によれば、更新部112が機器制御スケジュールデータ106を更新した場合に、通知部113は、機器制御スケジュールデータ106が更新されたことを、前記ユーザが携帯する移動端末102へ通知する。これによって、ユーザは、機器制御スケジュールデータ106が更新されたことを知ることができる。そのため、もしもユーザの実際の行動に適さない更新がなされていた場合には、ユーザは移動端末102などを利用して、機器制御スケジュールを適切に修正することができる。従って、ユーザの行動に応じて機器を適切に制御することが可能になる。
本実施の形態によれば、制御領域としての住宅にある移動端末102から現在位置情報を基準位置データ105として取得して基準位置を記憶部108に記憶させる。これにより、移動端末102を利用して基準位置を機器制御装置100に容易に設定することができる。
なお、基準位置設定部109が基準位置を設定する方法は、これに限られない。例えば、基準位置は、ユーザが入力部(不図示)に入力する住宅の住所を示す情報を利用して設定されてもよい。基準位置は、インターネットなどを通じて提供される地図情報を利用して設定されてもよい。基準位置は、その地図情報で提供される緯度及び経度を示す情報などを利用して設定されてもよい。これらによっても、基準位置を機器制御装置100に容易に設定することができる。
なお、本実施の形態は、以下のように変形されてもよい。
変形例1.
実施の形態1では、機器制御スケジュールデータ106は、現在位置から基準位置までの距離DPと閾値DT1とを比較した結果に応じて、変更される例を説明した。しかし、機器制御スケジュールデータ106は、現在位置から基準位置までの移動に要する時間(移動時間TP)と、それに応じて予め設定された閾値TTとを比較した結果に応じて、変更されてもよい。
本変形例では、算出部111は、現在位置取得部110によって取得された現在位置情報が示す現在位置から記憶部108に記憶された基準位置データ105が示す基準位置までの移動時間TPを算出する。
移動時間TPは、例えば、予め組み込まれたソフトウェア、インターネットなどを通じて提供されるサービスなどを利用して算出されるとよい。
更新部112は、実施の形態1で説明した機器制御スケジュール変更処理と同様の処理によって、機器制御スケジュールデータ106を変更するとよい。詳細には、例えば、ステップS113及びステップS115において、距離DPと閾値DT1との比較を、移動時間TPと閾値TTとの比較に置き換えればよい。
本変形例によっても、実施の形態1と同様の効果を奏する。
変形例2.
実施の形態1では、ステップS113とステップS115とで共通の閾値DT1が採用される例を説明した。しかし、ステップS113とステップS115とで異なる閾値が採用されもよい。詳細には例えば、ステップS115では、ステップS113にて採用される閾値DT1_1よりも小さい閾値DT1_2が採用されるとよい。
実施の形態1のように、ステップS113とステップS115とで共通の閾値DT1が採用されると、距離DPが閾値DT1と等しいと判定される場合以外には、機器制御スケジュールデータ106が変更される。すなわち、距離DPと閾値DT1(ユーザの実際の行動に適した距離)との違いが僅かである場合であっても機器制御スケジュールデータ106が変更される。その結果、ユーザの行動に概ね適していた制御時刻が、変更されることによって、ユーザの行動に適さなくなるおそれがある。
本変形例では、ステップS113とステップS115とのそれぞれで異なる閾値DT1_1と閾値DT1_2とを採用する。これにより、距離DPと閾値DT1_1(ユーザの実際の行動に適した距離)との違いが僅かである(閾値DT1_1と閾値DT1_2との差より小さい)場合には、機器制御スケジュールデータ106は変更されない。従って、ユーザの行動に応じて機器を適切に制御することが可能になる。
変形例3.
実施の形態1では、ステップS113及びステップS115において、異なるユーザ動作であっても、共通の閾値DT1を採用する例を説明した。しかし、例えば、帰宅時の快適性を重視するならば、帰宅時にはより確実に制御対象機器が制御されているように閾値DT1が例えば遠くに設定されることが望ましい。また、外出時における電気機器101の消し忘れを防止して、エネルギ消費の無駄の低減のためには、閾値DT1が例えば近くに設定されることが望ましい。そのため、ユーザ動作ごとに異なる閾値が設定されてもよい。
本変形例では、「帰宅」に応じた閾値として閾値DT1が設定され、「外出」に応じた閾値として閾値DT2が設定される例により説明する。閾値DT1及び閾値DT2のそれぞれを示すデータは、例えば更新部112により保持される。
更新部112は、閾値DT1及び閾値DT2のうち、機器制御スケジュールデータ106に含まれる機器制御スケジュールに関連付けられたユーザ動作に対応する閾値を特定する。更新部112は、特定した閾値(閾値DT1又は閾値DT2)と、算出部111によって算出された距離DPとを比較する。更新部112は、比較した結果に応じて、ユーザ動作に関連付けられた機器制御スケジュールデータ106を更新する。ここで、ユーザ動作に関連付けられた機器制御スケジュールデータ106とは、ユーザ動作に関連付けられた機器制御スケジュールを含む機器制御スケジュールデータ106である。
本変形例に係る機器制御スケジュール変更処理の一例を図10に示す。同図に示すように、本変形例に係る機器制御スケジュール変更処理では、実施の形態1に係る機器制御スケジュール変更処理のステップS113及びステップS115のそれぞれに代えて、ステップS123及びステップS125が実行される。
ステップS123において、更新部112は、閾値DT1及び閾値DT2のうち、ステップS111で抽出された機器制御スケジュールデータ106に含まれる機器制御スケジュールに関連付けられたユーザ動作に対応する閾値を特定する。
詳細には、ステップS111で抽出された機器制御スケジュールデータ106に含まれる機器制御スケジュールに関連付けられたユーザ動作が「帰宅」である場合、更新部112は、比較に採用する閾値として、閾値DT1を特定する。また、ステップS111で抽出された機器制御スケジュールデータ106に含まれる機器制御スケジュールに関連付けられたユーザ動作が「帰宅」である場合、更新部112は、比較に採用する閾値として、閾値DT2を特定する。
ステップS123において、更新部112は、特定した閾値(閾値DT1又は閾値DT2)と、算出部111によって算出された距離DPとを比較し、距離DPが特定した閾値(閾値DT1又は閾値DT2)より大きいか否かを判定する。
距離DPが特定した閾値(閾値DT1又は閾値DT2)より大きいと判定した場合(ステップS123;Yes)、更新部112は、ステップS114を実行する。距離DPが特定した閾値(閾値DT1又は閾値DT2)より大きくないと判定した場合(ステップS123;No)、更新部112は、ステップS125を実行する。
ステップS125において、ステップS123と同様に、比較に採用する閾値を特定する。詳細には、更新部112は、閾値DT1及び閾値DT2のうち、ステップS111で抽出された機器制御スケジュールデータ106に含まれる機器制御スケジュールに関連付けられたユーザ動作に対応する閾値を特定する。
ステップS125において、更新部112は、特定した閾値(閾値DT1又は閾値DT2)と、算出部111によって算出された距離DPとを比較し、距離DPが特定した閾値(閾値DT1又は閾値DT2)より小さいか否かを判定する(ステップS125)。
距離DPが特定した閾値(閾値DT1又は閾値DT2)より小さいと判定した場合(ステップS125;Yes)、更新部112は、ステップS116を実行する。距離DPが特定した閾値(閾値DT1又は閾値DT2)より小さくないと判定した場合(ステップS125;No)、更新部112は、機器制御スケジュール変更処理を終了する。
なお、ステップS117では、更新部112は、ステップS123又はステップS125で特定した閾値に対応するユーザ動作が関連付けられた機器制御スケジュールデータ106を変更することになる。
本変形例によれば、ユーザ動作に応じた閾値により機器制御スケジュールデータ106を変更する。そのため、ユーザの予定に変更が生じた場合に、ユーザが操作しなくても、予定の変更を予測して機器制御スケジュールをより適切に調整することができる。従って、ユーザの行動に応じて電気機器101を制御することが可能になる。
変形例4.
実施の形態1では、移動端末102が定期的に現在位置情報を機器制御装置100へ送信する例を説明した。しかし、現在位置情報は、予め定められた条件(送信決定条件)を満たしたときに、移動端末102から機器制御装置100へ送信されるとよい。
本変形例に係る送信決定条件は、現在位置と基準位置との関係で定められた条件を含む。詳細には、ユーザが携帯する移動端末102が、現在位置と基準位置との関係が送信決定条件を満たすと判定した場合に、定期的に現在位置情報を送信する。現在位置取得部110は、移動端末102によって現在位置と基準位置との関係が送信決定条件を満たすと判定された場合に、移動端末から定期的に現在位置情報を取得する。
本変形例にて移動端末102が、現在位置情報の送信のタイミングを決定するために実行する送信決定処理について、図11を参照して説明する。同図では、送信決定条件に含まれる現在位置と基準位置との関係として、現在位置と基準位置との距離DPが、予め定められた閾値DT3より大きいことが採用される例を示す。送信決定処理は、例えば定期的に実行される。
なお、条件とされる現在位置と基準位置との関係は、現在位置と基準位置との距離DPが、予め定められた閾値DT3より小さいことであってもよい。また、送信決定条件は、ユーザ動作に応じて異なるものが採用されてもよい。
図11に示すように、移動端末102は、GPS衛星104と通信して現在位置情報を取得する(ステップS131)。
移動端末102は、ステップS131にて取得した現在位置情報が示す現在位置と、基準位置データ105が示す基準位置との距離DPを算出する(ステップS132)。ここで移動端末102が参照する基準位置データ105は、移動端末102に予め設定されているとよい。
移動端末102は、ステップS132にて算出した距離DPと、予め設定された閾値DT3とを比較し、距離DPが閾値DT3より大きいか否かを判定する(ステップS133)。
距離DPが閾値DT3より大きくないと判定した場合(ステップS133;No)、移動端末102は、送信決定処理を終了する。
距離DPが閾値DT3より大きいと判定した場合(ステップS133;Yes)、移動端末102は、ステップS131で取得した現在位置情報を機器制御装置100へ送信する(ステップS134)。これにより、移動端末102は、送信決定処理を終了する。そして、機器制御装置100の現在位置取得部110が、ステップS134にて送信された現在位置情報を取得する。
本変形例に係る移動端末102の機能及び移動端末102が実行する処理は、例えば移動端末102にプログラムをインストールして実行させることによって実現されるとよい。
本変形例によれば、ユーザが住宅から閾値DT3より離れた位置にいる場合、現在位置情報が機器制御装置100へ送信されないことになる。
ユーザが住宅から閾値DT3より離れた位置にいる場合は、帰宅までは相当の時間を要すると予測されるので、帰宅に関連付けられた機器制御スケジュールを実行する必要性は乏しい可能性が高い。
また、ユーザが住宅から閾値DT3より離れた位置にいる場合は、外出してからある程度の長い時間が経過したと予測できる。外出に関連付けられた機器制御スケジュールを実行する必要性は乏しい可能性が高い。
そのため、制御時刻の予め定められた時間(例えば、15分)前に、現在位置取得部110が現在位置情報を移動端末102から取得できない場合、その制御時刻を機器制御スケジュールに含む機器制御スケジュールデータ106は、更新部112により削除されればよい。このような場合に、現在位置情報を送受信しないことによって、移動端末102の電池の消耗、機器制御装置100の電力消費を抑制することが可能になる。
変形例5.
実施の形態1では、移動端末102と機器制御装置100とが、通信ネットワークN2を介して直接に通信する例を説明した。しかし、機器制御システム103bは、図12に示すように、移動端末102と機器制御装置100とに加えて、サーバ装置115を備えてもよい。サーバ装置115は、移動端末102と機器制御装置100とのそれぞれと通信ネットワークN2を介して通信する。従って、移動端末102と機器制御装置100とは、サーバ装置115を介して通信する。
本変形例によれば、実施の形態1と同様の効果を奏する。
また例えばユーザの勤務先のパーソナルコンピュータ(不図示)からサーバ装置115にアクセスした場合、ユーザの現在位置が勤務先であることをサーバ装置115が機器制御装置100に通知してもよい。この情報を現在位置情報として、現在位置取得部110が取得することで、ユーザの現在位置が勤務先であることを特定することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、算出部111が距離DPを算出する例を説明した。本実施の形態では、距離DPに代えて、移動時間が算出される例を説明する。
本実施の形態に係る機器制御装置200は、図13に示すように、実施の形態1に係る機器制御装置100と概ね同様に構成される。機器制御装置200は、実施の形態1に係る記憶部108、算出部111及び更新部112に代わる記憶部208、算出部211及び更新部212を備え、さらに、天候情報取得部216を備える。
記憶部208は、同図に示すように、実施の形態1に係る機器制御スケジュールデータ106に代わる機器制御スケジュールデータ206を記憶し、さらに、移動手段データ217を記憶する。
機器制御スケジュールデータ206は、図14に示すように、実施の形態1に係る機器制御スケジュールデータ106に含まれる情報に加えて、予定内容を含む。
予定内容は、ユーザの予定の内容であり、例えば、会社、買い物、旅行、来客などである。ここに例示した予定内容の中では、会社、買い物、旅行は宅外へ出るというユーザ行動である「外出」と、住宅へ戻るというユーザ行動である「帰宅」とを伴う。
機器制御スケジュールデータ206に含まれる予定内容は、実施の形態1と同様に、ユーザが入力してもよく、ユーザの予定に連動して設定されてもよい。
移動手段データ217は、図15に示すように、ユーザの予定内容と、予定内容に応じた移動手段とを含むデータである。
同図に示す移動手段データ217は、予定内容としての「会社」と、「会社」に応じた移動手段を示す。移動手段は、移動の出発地点と目的地点と分割した「区間」ごとに定められており、同図に示す移動手段データ217は、3つの区間の移動手段を含む。移動手段は、さらに天候に応じて定められてもよく、同図に示す移動手段データ217は、一部の区間(「B社〜自宅」)については天候に応じた移動手段を含む。同図に示す移動手段データ217は、各区間の移動手段に加えて、各区間の移動時間を含む。
詳細には、同図に示す移動手段データ217は、「会社〜A駅」という区間について、移動手段が「徒歩」であり、その移動時間が「10分」であることを示す。同図に示す移動手段データ217は、「A社〜B駅」という区間について、移動手段が「電車」であり、その移動時間が「20分」であることを示す。
同図に示す移動手段データ217は、「B社〜自宅」という区間について、天候に応じた移動手段が定められている。より詳細には、同図に示す移動手段データ217では、通常(雨天の場合以外)の移動手段が「自転車」であり、その移動時間が「5分」である。雨天の移動手段が「徒歩」であり、その移動時間が「10分」である。
このような移動手段データ217は、例えば、ユーザの入力により設定されてもよく、インターネットなどを通じて提供される情報を利用して設定されてもよい。移動手段データ217が、これらを組み合わせて設定されてもよいのは、もちろんである。
天候情報取得部216は、現在の天候を示す天候情報を取得する。詳細には、天候情報取得部216は、例えばインターネットなどを通じて一般に提供される天候情報を取得する。
算出部211は、変形例1に係る算出部111と同様に、現在位置取得部110によって取得された現在位置情報が示す現在位置から記憶部208に記憶された基準位置データ105が示す基準位置までの移動時間TPを算出する。
詳細には、算出部211は、予定内容によって機器制御スケジュールデータ206と関連付けられる移動手段データ217を参照して、現在位置から基準位置までの移動時間TPを算出する。
また、予定内容によって機器制御スケジュールデータ206と関連付けられる移動手段データ217が天候に応じた移動手段を含む場合、算出部211は、その移動手段データ217から、天候情報取得部216によって取得された天候情報に応じた移動手段を特定する。そして、算出部211は、特定した移動手段に応じて前記移動時間を算出する。
更新部212は、実施の形態1に係る更新部112と概ね同様の処理を実行する。更新部212は、実施の形態1に係る更新部112が距離DPと閾値DT1とを比較していたことに代えて、移動時間TPと閾値TTとを比較することが異なる。
これまで、本実施の形態に係る機器制御装置200の構成について説明した。ここから、機器制御装置200が実行する処理について説明する。
機器制御装置200は、実施の形態1に係る機器制御装置100と概ね同様の処理を実行する。本実施の形態では、機器制御スケジュール変更処理の一部が、実施の形態に係る機器制御スケジュール変更処理と異なる。
図16は、本実施の形態に係る機器制御スケジュール変更処理の流れを示す。同図に示すように、本実施の形態に係る機器制御スケジュール変更処理では、実施の形態1に係る機器制御スケジュール変更処理のステップS112、ステップS113及びステップS115のそれぞれに代えて、ステップS212、ステップS213及びステップS215が実行される。
ステップS212において、算出部211は、移動時間TPを算出する(ステップS212)。
詳細には、算出部211は、更新の対象となる機器制御スケジュールデータ206に含まれる予定内容をキーとして、記憶部208から移動手段データ217を取得する。
例えば、更新の対象となる機器制御スケジュールデータ206は、図14に示すもののうち、予定内容が「会社」、かつ、ユーザ動作が「帰宅」である方とする。算出部211は、予定内容が「会社」である移動手段データ217、すなわち図15に示すものを取得する。
算出部211は、現在位置取得部110により取得された基準位置データ105が示す基準位置に基づいて、移動手段データ217に含まれるいずれの区間のどこにユーザが居るかを特定する。例えば、ユーザの現在位置は、「A駅〜B駅」の真ん中であるとする。
算出部211は、基準位置データ105を記憶部208から取得する。算出部211は、特定した区間における現在の位置と、取得した基準位置データ105が示す基準位置とに基づいて、現在位置から基準位置(自宅)までの移動時間TPを算出する。
例えば、算出部211は、図15の移動手段データ217に含まれる「A駅〜B駅」の移動時間「20分」を按分計算することによって、現在位置からB駅までの移動時間を算出する。この方法によれば、ユーザの現在位置が「A駅〜B駅」の真ん中である場合、現在位置からB駅までの移動時間は、「20分」の半分、すなわち「10分」であると算出される。
なお、例えば、電車の移動時間の場合、例えば予め組み込まれたプログラム、インターネットなどを通じ提供されるサービスなどが利用されてもよい。例えば、現在位置の最寄り駅からB駅までの所要時間が、現在位置からB駅までの移動時間とされてもよい。さらに、電車の遅延情報などが考慮されもよい。
次に、算出部211は、「B駅〜自宅」の移動時間を算出する。図15の移動手段データ217の場合、「B駅〜自宅」については天候に応じた移動手段が設定されている。そのため、算出部211は、天候情報取得部216が取得する天候情報に基づいて、「B駅〜自宅」の移動時間を算出する。
例えば、天候が雨である場合、算出部211は、図15に示す移動手段データ217に基づいて、「B駅〜自宅」の移動時間を「10分」とする。なお、移動手段データ217に移動時間が設定されていない場合、移動手段に応じて予め定められた速さ(例えば、「徒歩」の場合、時速4km)と、その移動手段を利用する残区間の道のりとに基づいて、移動時間が算出されてもよい。
算出部211は、現在位置からB駅までの移動時間である「10分」と、B駅から自宅までの移動時間である「10分」とを足し合わせることによって、移動時間TPが「20分」であると算出する。
ステップS213において、更新部212は、算出部211により算出された移動時間TPと閾値TTとを比較し、移動時間TPが閾値TTより大きいか否かを判定する。
移動時間TPが閾値TTより大きいと判定した場合(ステップS213;Yes)、更新部212は、ステップS114を実行する。移動時間TPが閾値TTより大きくないと判定した場合(ステップS213;No)、更新部212は、ステップS215を実行する。
ステップS215において、更新部212は、算出部211により算出された移動時間TPと閾値TTとを比較し、移動時間TPが閾値TTより小さいか否かを判定する。
移動時間TPが閾値TTより小さいと判定した場合(ステップS215;Yes)、更新部212は、ステップS116を実行する。移動時間TPが閾値TTより小さくないと判定した場合(ステップS215;No)、更新部212は、機器制御スケジュール変更処理を終了する。
本変形例によれば、移動時間TPが移動手段を考慮して算出される。これにより、現在位置から基準位置までの正確な移動時間TPを算出し、その移動時間TPに基づいて機器制御スケジュールデータ206を変更することができる。従って、ユーザの行動に応じて電気機器101を適切に制御することが可能になる。
本変形例によれば、天候に応じた移動手段を考慮して、移動時間TPが算出される。これにより、現在位置から基準位置までのより正確な移動時間TPを算出し、その移動時間TPに基づいて機器制御スケジュールデータ206を変更することができる。従って、ユーザの行動に応じて電気機器101をより適切に制御することが可能になる。
実施の形態3.
実施の形態1では、機器制御スケジュールデータ106が、ユーザの入力に基づいて設定されるか、ユーザの予定に連動して設定されることとした。ユーザの予定は、通常、ユーザにより入力されるので、機器制御スケジュールデータ106の設定には、何らかのユーザの入力が必要である。
本実施の形態では、ユーザが入力しなくても、ユーザの行動に応じた適切な機器制御スケジュールデータ106が設定される例を説明する。
本実施の形態に係る機器制御装置300は、図17に示すように、実施の形態1に係る機器制御装置100と概ね同様に構成される。機器制御装置300は、実施の形態1に係る記憶部108、現在位置取得部110及び更新部112に代わる記憶部308、現在位置取得部310及び更新部312を備え、さらに、ユーザ動作特定部318を備える。
記憶部308は、同図に示すように、実施の形態1に係る記憶部108が記憶するデータ105〜107に加えて、位置履歴データ319と連動規則データ320とを記憶する。
位置履歴データ319は、ユーザの位置の履歴を示すデータである。位置履歴データ319は、図18に示すように、時刻とその時刻におけるユーザの位置とを含む。
連動規則データ320は、ユーザ動作と、ユーザ動作に連動して制御スケジュールを作成するための規則(連動規則)とを含む。図19に示す連動規則データ320は、「外出」というユーザ動作について、「外出検知時から5分後」に「冷蔵庫を除くすべて」の電気機器101を「OFF」にするという連動規則を含む。また、同図に示す連動規則データ320は、「帰宅」というユーザ動作について、「自宅に到着する10分前」に「リビングの空調機」101dを「ON」にするという連動規則を含む。
なお、連動規則データ320の例は、これらに限られず、例えば「走る」というユーザ動作について、「給湯器」を制御対象機器として「自宅に到着する時」に「浴槽の湯を貯めておく」という連動規則を含んでもよい。
現在位置取得部310は、実施の形態1に係る現在位置取得部110と同様に、現在位置情報を取得する。本実施の形態に係る現在位置取得部310は、現在位置情報を取得すると、取得した現在位置情報と計時部(不図示)から取得した現在時刻とを関連付けて、位置履歴データ319として記憶部308に記憶させる。
ユーザ動作特定部318は、記憶部308が記憶する位置履歴データ319を監視し、ユーザの位置の履歴に基づいて、ユーザの動作を特定する。ユーザの位置の履歴は、現在位置取得部310が逐次取得する現在位置情報に相当する。
更新部312は、実施の形態1に係る更新部112が実行する処理に加えて、ユーザ動作と連動規則とに従って、機器スケジュールを作成する。更新部312は、作成した機器スケジュールを示す機器制御スケジュールデータ106を記憶部308に記憶させる。
詳細には、更新部312は、動作特定部によってユーザ動作が特定されると、特定されたユーザ動作を含む連動規則データ320が記憶部308に記憶されている場合に、その連動規則データ320を記憶部308から取得する。更新部312は、取得した連動規則データ320に含まれる連動規則に従って、機器スケジュールを作成する。
これまで、本実施の形態に係る機器制御装置300の構成について説明した。ここから、機器制御装置300が実行する処理について説明する。
機器制御装置300は、実施の形態1に係る機器制御装置100が実行する処理に加えて、図20に示すユーザ動作連動処理を実行する。ユーザ動作連動処理は、ユーザの位置の履歴に基づいて特定されたユーザ動作に連動して機器制御スケジュールデータ106を記憶部308に追加するための処理である。ユーザ動作連動処理は、例えば定期的に実行される。
ユーザ動作特定部318は、直近の予め定められた数(例えば、5個)の位置履歴データ319を記憶部308から取得する(ステップS301)。
ユーザ動作特定部318は、基準位置から現在位置までの距離DPを算出する(ステップS302)。ここでの距離DPは、直線距離とする。なお、距離DPが道のりであってもよい。
ステップS302での算出の結果の例を図21に示す。同図の実線321と点線322とは、直近が異なる時点での例であるとする。
ユーザ動作特定部318は、ユーザの現在位置が基準位置から次第に離れているか否かを判定する(ステップS303)。
基準位置から次第に離れていると判定した場合(ステップS303;Yes)、ユーザ動作特定部318は、ユーザの動作を「外出」と特定する(ステップS304)。図21の実線321で表す例では、ユーザは、基準位置から次第に離れている。従って、この場合、ユーザ動作は、「外出」と特定される。
更新部312は、ユーザ動作特定部318から「外出」と特定されたことの通知を受けると、ユーザ動作が「外出」である連動規則データ320に基づいて機器制御スケジュールを作成する(ステップS305)。
図19に示す連動規則データ320の例では、更新部312は、ステップS304が実行された時刻の5分後を制御時刻とし、冷蔵庫101fを除くすべての電気機器101a〜eを制御対象機器とし、「OFF」を制御内容とする機器制御スケジュールを作成する。
基準位置から次第に離れていないと判定した場合(ステップS303;No)、ユーザ動作特定部318は、ユーザの現在位置が基準位置へ次第に近づいているか否かを判定する(ステップS306)。基準位置へ次第に近づいていないと判定した場合(ステップS306;No)、ユーザ動作特定部318は、ユーザ動作連動処理を終了する。
基準位置へ次第に近づいていると判定した場合(ステップS306;Yes)、ユーザ動作特定部318は、ユーザの動作を「帰宅」と特定する(ステップS307)。図21の点線322で表す例では、ユーザは、基準位置へ次第に近づいている。従って、この場合、ユーザ動作は、「帰宅」と特定される。
更新部312は、ユーザ動作特定部318から「帰宅」と特定されたことの通知を受けると、ユーザ動作が「帰宅」である連動規則データ320に基づいて機器制御スケジュールを作成する(ステップS308)。
図19に示す連動規則データ320の例では、更新部312は、予測される自宅に到着する時刻の10分前を制御時刻とし、リビングの空調機101dを制御対象機器とし、「ON」を制御内容とする機器制御スケジュールを作成する。ここで、自宅に到着する時刻は、ユーザの位置の履歴から算出されるとよい。例えば、位置の履歴から算出されるユーザの平均速度と、直近の距離DPと、現在時刻とに基づいて算出されるとよい。
更新部312は、ステップS305又はステップS308で作成された機器制御スケジュールと、それに対応するユーザ動作とを関連付けた機器制御スケジュールデータ106を記憶部308に追加する(ステップS309)。ここで「機器制御スケジュールに対応するユーザ動作」とは、その機器制御スケジュールを作成する際に参照した連動規則データ320に含まれる「ユーザ動作」である。
これにより、更新部312は、ユーザ動作連動処理を終了する。
本実施の形態によれば、ユーザが入力しなくても、ユーザの位置の履歴に基づいて、機器制御スケジュールが自動的に設定される。従って、ユーザの行動に応じて電気機器を適切に制御することが可能になる。
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、ユーザが1人の例を説明した。ユーザは複数であってもよい。本実施の形態では、ユーザが3人家族(父、母、子)である場合を例に説明する。
本実施の形態に係る機器制御装置400aは、図22に示すように、住宅に設置された電気機器101a〜hと、ユーザとしての住宅の住人(父、母、子)の各々が携帯する移動端末402a〜cとともに、機器制御システム403を構成する。
機器制御装置400aは、同図に示すように、電気機器101a〜h(詳細後述)と通信ネットワークN1を介して通信する。また、機器制御装置400aは、通信ネットワークN2を介して、父が携帯する移動端末402a、母が携帯する移動端末402b及び子が携帯する移動端末402cの各々と通信する。移動端末402a〜cは、実施の形態1に係る移動端末102と同様に構成されるとよい。
本実施の形態では、図23に示すように、住宅は、実施の形態1に係る住宅と同様の電気機器101a〜fが設置される区画(キッチン、リビング、寝室)に加えて、子供部屋を有する。そして、子供部屋には、照明101gと空調機101hとが設置されている。
本実施の形態に係る機器制御装置400aは、機能的には、図24に示すように、実施の形態1に係る機器制御装置100と同様の基準位置設定部109及び機器制御部114を備える。機器制御装置400aは、実施の形態1に係る記憶部108、現在位置取得部110、算出部111及び通知部113に代わる、記憶部408a、現在位置取得部410、算出部411a及び通知部413aを備える。
記憶部408aは、実施の形態1と同様の基準位置データ105を記憶する。記憶部408aは、実施の形態1に係る記憶部108が記憶する機器制御スケジュールデータ106及び端末データ107に代わる、機器制御スケジュールデータ406及び端末データ407を記憶する。
機器制御スケジュールデータ406は、図25に示すように、実施の形態1と同様のユーザ動作及び機器制御スケジュールに加えて、ユーザを特定するためのユーザをさらに含む。機器制御スケジュールデータ406に含まれるユーザ情報は、そのユーザ情報に関連付けられたユーザ動作の主体、換言すれば、そのユーザ情報に関連付けられた機器制御スケジュールが誰のユーザ動作に関連して設定されたものであるかを示す。
端末データ407は、図26に示すように、ユーザ情報と、移動端末402a〜cのそれぞれに割り当てられたメールアドレスと、他の通知先とを含む。
端末データ407に含まれるユーザ情報は、そのユーザ情報に関連付けられたメールアドレスが割り当てられた移動端末402a〜cを携帯する主体を示す。他の通知先は、それが関連付けられたユーザ情報に示されるユーザへ通知する場合に、同時に通知すべきユーザを特定するための情報である。同図に示すユーザ情報は、子へ通知する場合には、同時に母へも通知することを示す。
現在位置取得部410は、実施の形態1に係る現在位置取得部110と同様に現在位置情報を取得するとともに、取得元となる移動端末402a〜cを携帯するユーザを特定するための情報を取得する。例えば、本実施の形態では、メールアドレスを取得すれば、端末データ407を参照することによって、移動端末402a〜cを携帯するユーザを特定することができる。
算出部411aは、実施の形態1に係る算出部111と同様に、更新の対象となる機器制御スケジュールデータ406がある場合に、現在位置から基準位置までの距離DPを算出する。
本実施の形態に係る算出部411は、実施の形態1に係る算出部111と異なり、現在位置取得部410が取得した現在位置情報から、更新の対象となる機器制御スケジュールデータ406に関連するユーザのものを特定する。そして、算出部411aは、特定した現在位置情報が示す現在位置から基準位置データ105が示す基準位置までの距離DPを算出する。
通知部413aは、実施の形態1に係る通知部113と同様に、更新部112が機器制御スケジュールデータ406を更新した場合に、その旨を移動端末402a〜cのいずれかへ通知する。
本実施の形態に係る通知部413aは、実施の形態1に係る通知部113と異なり、更新された機器制御スケジュールデータ406に関連するユーザを特定し、特定したユーザが携帯する移動端末402a〜cへ、更新した旨を通知する。
これまで、本実施の形態に係る機器制御装置400aの構成について説明した。ここから、機器制御装置400aが実行する処理について説明する。
本実施の形態に係る機器制御装置400aは、実施の形態1に係る機器制御装置100と概ね同様の処理を実行する。本実施の形態では、機器制御スケジュール変更処理の一部が、実施の形態に係る機器制御スケジュール変更処理と異なる。
図27は、本実施の形態に係る機器制御スケジュール変更処理の流れを示す。同図に示すように、本実施の形態に係る機器制御スケジュール変更処理では、実施の形態1に係る機器制御スケジュール変更処理のステップS112及びステップS118のそれぞれに代えて、ステップS412及びステップS418が実行される。
ステップS412において、算出部411aは、距離DPを算出する。
詳細には、算出部411aは、現在位置取得部410が取得した現在位置情報のうち、更新の対象となる機器制御スケジュールデータ406に含まれるユーザ情報とともに取得されたものを特定する。算出部411aは、基準位置データ105を記憶部408aから取得する。算出部411aは、取得した基準位置データ105が示す基準位置と、特定した現在位置情報が示す現在位置との距離DPを算出する。
更新部112は、実施の形態1と同様のステップS113〜ステップS117を実行する。本実施の形態では、算出部411aが、ステップS111にて更新の対象となる機器制御スケジュールデータ406を抽出した後、上述のように、特定した現在位置情報を用いて、距離DPを算出する。そのため、更新部112は、実施の形態1と同様のステップS113〜ステップS117を実行することによって、現在位置取得部410によって現在位置情報とともに取得されるユーザ情報により関連付けられる機器制御スケジュールデータ406を更新することになる。
ステップS418において、通知部413aは、変更した旨の通知を更新部112から受けると、ユーザが携帯する移動端末402a〜cのいずれかへ変更の内容を通知する。
詳細には、通知部413aは、更新部112からの通知によって、更新された機器制御スケジュールデータ406に含まれるユーザ情報を取得する。通知部413aは、取得したユーザ情報を含む端末データ407を抽出する。
通知部413aは、抽出した端末データ407のメールアドレスを保持する。また、抽出した端末データ407に他の通知先が設定されている場合、他の通知先に対応するメールアドレスも保持する。
通知部413aは、更新部112からの通知に基づいて、変更内容を示す電子メールを作成する。通知部413aは、保持したメールアドレスへ、作成した電子メールを送信する。
例えば、「子」に関連する機器制御スケジュールデータ406が更新されたとする。この場合、通知部413aは、更新部112からの通知と端末データ407とに基づいて、「母」が携帯する移動端末402bと「子」が携帯する移動端末402cとへ、変更内容を示す電子メールを送信する。
本実施の形態によれば、特定のユーザの現在位置情報に基づいて、そのユーザが関連する機器制御スケジュールデータ406を変更する。そのため、ユーザが複数であっても、各ユーザの行動に応じて機器を制御することが可能になる。
本実施の形態によれば、端末データ407が、各ユーザの移動端末402a〜cのメールアドレス(通知先)に加えて、同時に通知するユーザ(他の通知先)を含む。これにより、特定のユーザが関連する機器制御スケジュールデータ406が更新された場合に、そのユーザ以外のユーザにも更新内容を通知することができる。
例えば、もしもユーザの実際の行動に適さない更新がなされていた場合に、子供がその通知を受けても、十分に対応できない可能性がある。他のユーザにも通知をすることによって、更新された機器制御スケジュールデータ406を修正するなど、適切に対応できる可能性が高まる。従って、ユーザの行動に応じて機器を適切に制御することが可能になる。
変形例6.
実施の形態4では、機器制御スケジュールデータ406がユーザ情報を含み、それによって、更新の際に参照する現在位置情報が特定された。しかし、ユーザと機器制御スケジュールとを関連付ける方法は、これに限られず、機器制御スケジュールデータ406がユーザ情報を含まなくてもよい。例えば、ユーザ情報と電気機器101とを関連付けるデータによって、ユーザと制御対象機器とを関連付け、それによって、ユーザと機器制御スケジュールとが関連付けられてもよい。ユーザ情報と電気機器101とを関連付けるデータは、2つのデータ(ユーザと部屋とを関連付けるデータ、部屋と電気機器101とを関連付けるデータ)で構成されてもよい。
本変形例に係る機器制御装置400bは、図28に示すように、実施の形態4に係る機器制御装置400aと概ね同様の構成を備える。機器制御装置400bは、実施の形態4に係る記憶部408a、算出部411a及び通知部413aに代わる、記憶部408b、算出部411b及び通知部413bを備える。
記憶部408bは、実施の形態1に係る記憶部108が記憶する機器制御スケジュールデータ106と、実施の形態4に係る記憶部408aが記憶するデータ406,407とに加えて、ユーザ情報と電気機器101とを関連付けるユーザ−機器データ423を記憶する。ユーザ−機器データ423は、部屋とユーザとを関連付ける区画データ424と、部屋と電気機器101とを関連付ける機器設置データ425とを含む。
区画データ424は、図29に示すように、部屋を特定するための情報と、ユーザ情報とを含む。部屋を特定するための情報は、例えば各部屋に対して予め設定される名称などである。同図に示す例では、例えば「リビング」には、「父、母、子」(すなわち、家族全員)が関連付けられている。
機器設置データ425は、図30に示すように、部屋を特定するための情報と、電気機器101と含む。機器設置データ425は、図23と図30とを参照すると分かるように、各部屋に設置される電気機器101を示す。
算出部411bは、更新の対象となる機器制御スケジュールデータ406の制御対象機器を特定する。算出部411bは、特定した制御対象機器101が設置された部屋を、機器設置データ425から抽出する。算出部411bは、抽出した部屋に関連付けられたユーザ情報を区画データ424から抽出する。算出部411bは、現在位置取得部410が取得した現在位置情報のうち、抽出したユーザ情報とともに取得されたものを特定する。そして、算出部411bは、特定した現在位置情報が示す現在位置から基準位置データ105が示す基準位置までの距離DPを算出する。
通知部413bは、実施の形態4と同様に、更新された機器制御スケジュールデータ406に関連するユーザを特定し、特定したユーザが携帯する移動端末402a〜cへ、更新した旨を通知する。本変形例に係る通知部413bは、更新された機器制御スケジュールデータ406に含まれる制御対象機器101が設置される部屋のユーザが携帯する移動端末402a〜cへも、更新した旨を通知する。
本変形例によれば、ユーザ−機器データ423によって、ユーザと機器制御スケジュールとが関連付けられる。これによっても、実施の形態4と同様の効果を奏する。
本変形例によれば、ユーザ−機器データ423が、区画データ424と、機器設置データ425とで構成される。これらのデータ424,425は、機器制御装置400が電気機器101を制御するために記憶していることが多い。そのため、本変形例であれば、新たなデータを追加しなくてよいので、ユーザの手間を省くことができる。また、同じ部屋のユーザに更新の通知をすることができる。これにより、同じ部屋のユーザの各々が、自身の行動に応じて機器制御スケジュールを修正することができる。従って、ユーザの行動に応じて機器を適切に制御することが可能になる。
実施の形態5.
実施の形態5では、ユーザが各部屋に居るか否かに応じて、制御時刻の直前(例えば、10〜60秒前など予め定められた時間前)に機器制御スケジュールデータを更新し、又は、機器制御部が制御内容を変更する例を説明する。
本実施の形態に係る機器制御装置500は、図31に示すように、実施の形態4に係る機器制御装置400と同様の、基準位置設定部109、現在位置取得部410、算出部411a及び通知部413aを備える。機器制御装置500は、実施の形態4に係る機器制御装置400が備える記憶部408a、更新部112及び機器制御部114に代わる、記憶部508、更新部512及び機器制御部514を備え、さらに、区画存否判定部526と、区画位置設定部527とを備える。
記憶部508は、実施の形態4と同様の基準位置データ105及び端末データ407と、変形例6と同様の機器設置データ425と、機器制御スケジュールデータ506と、区画位置データ528とを記憶する。
機器制御スケジュールデータ506は、実施の形態4に係る機器制御スケジュールデータ406に含まれる各情報に加えて、区画内フラグを含む。区画内フラグは、その区画内フラグが関連付けられた機器制御スケジュールについて、制御対象機器が設置される部屋にユーザが居ることを前提とするものであるか否かを示す。
本実施の形態に係る機器制御スケジュールデータ506は、図32に示すように、「0」又は「1」が設定される区画内フラグを含む。「1」は、関連付けられた機器制御スケジュールが、制御対象機器の設置される部屋に制御時刻にユーザが居ることを前提とするものであることを表す。「0」は、関連付けられた機器制御スケジュールが、制御対象機器の設置される部屋に制御時刻にユーザが居ることを前提としないものであることを表す。すなわち、図32に示す例では、「就寝」というユーザ動作が関連付けられた機器制御スケジュールは、区画内フラグが「1」であるので、「2014年3月3日22:00」に「母」が「寝室」に居ることが前提となるものである。
区画位置データ528は、各部屋の位置を示すデータである。本実施の形態に係る区画位置データ528では、図33に示すように、各部屋を特定するための情報と、緯度及び経度とが関連付けられている。
区画存否判定部526は、各部屋にユーザが居るか否かを判定し、判定した結果を更新部512へ出力する。
詳細には例えば、区画存否判定部526は、移動端末402a〜cの各々からの現在位置情報とユーザ情報とを現在位置取得部410から取得する。区画存否判定部526は、取得した現在位置情報により示される現在位置が、区画位置データ528が示す各部屋の位置に対して予め定められた範囲内にあるか否かを判定する。区画存否判定部526は、現在位置が予め定められた範囲内にあると判定した部屋に、その現在位置を示す現在位置情報を送信した移動端末402を携帯するユーザが居ると判定する。
更新部512は、区画存否判定部526による判定の結果と機器制御スケジュールデータ506に含まれる区画内フラグとに基づいて、機器制御スケジュールデータ506を更新する。
詳細には、更新部512は、区画内フラグが「1」である機器制御スケジュールデータ506に含まれる制御対象機器101を特定する。更新部512は、特定した制御対象機器101が設置される部屋を、機器設置データ425に基づいて特定する。更新部512は、特定した部屋にユーザが居るか否かを、区画存否判定部526による判定の結果に基づいて判定する。特定した部屋にユーザが居ない場合に、更新部512は、区画内フラグが「1」である機器制御スケジュールデータ506を記憶部508から削除する。
機器制御部514は、電気機器101の動作を制御する。本実施の形態に係る機器制御部514は、図34に示すように、電気機器101が動作しているか否かを判定する機器動作判定部529と、制御対象機器101が設置された部屋の隣室での電気機器101の動作状況と連動して制御対象機器101を制御する隣室連動部530とを備える。
詳細には、機器動作判定部529は、制御時刻が到来した機器制御スケジュールデータ506の制御対象機器101が設置されている部屋を特定する。機器動作判定部529は、特定した部屋の隣室に設置された電気機器101のうち、制御対象機器101と同じ種類の電気機器101を特定する。機器動作判定部529は、特定した電気機器101と通信することによって、特定した電気機器101が動作しているか否かを判定する。
隣室連動部530は、機器動作判定部529によって電気機器101が動作していると判定された場合に、機器制御スケジュールデータ506に含まれる制御内容よりも消費電力を抑制する態様で制御対象機器101を動作させる。
区画位置設定部527は、ユーザの移動端末402a〜cのいずれかが、各部屋で取得した現在位置情報を取得する。このとき、移動端末402a〜cは、現在位置情報とともに部屋を特定するための情報を送信する。部屋を特定するための情報は、例えば各部屋に対して予め設定される名称などであって、ユーザが移動端末402a〜cに入力することによって設定されるとよい。
これまで、本実施の形態に係る機器制御装置500の構成について説明した。ここから、機器制御装置500が実行する処理について説明する。
本実施の形態に係る機器制御装置500は、実施の形態4に係る機器制御装置400aが実行する処理に加えて、区画存否連動処理と、隣室連動処理とを実行する。
図35は、本実施の形態に係る区画存否連動処理の流れを示す。区画存否連動処理は、制御対象機器101が設置された部屋にユーザが制御時刻に居ない場合に、機器制御スケジュールデータ506を削除するための処理である。区画存否連動処理は、例えば、現在時刻から予め定めた範囲内である制御時刻を含む機器制御スケジュールデータ506が記憶部508に記憶されている場合に、その機器制御スケジュールデータ506を削除の対象として実行される。
区画存否判定部526は、移動端末402a〜cの各々からの現在位置情報とユーザ情報とを現在位置取得部410から取得する(ステップS501)。
ここで、現在位置取得部410は、ユーザが宅外に居るか宅内にあるかで、現在位置情報を異なる方法で取得してもよい。例えば、ユーザが宅外である場合、移動端末402a〜cは、ユーザが携帯する移動端末402a〜cのGPS機能により算出された位置情報を、現在位置情報として取得してもよい。ユーザが宅内である場合、移動端末402a〜cは、ユーザが携帯する移動端末402a〜cが住宅における無線通信ネットワークを利用して取得する位置情報を現在位置情報として取得してもよい。これにより、宅内ネットワークであれば、受信状態が良好であることが多いので、宅内での位置を確実に取得することが可能になる。
区画存否判定部526は、各部屋にユーザが居るか否かを判定する(ステップS502)。
詳細には、区画存否判定部526は、区画位置データ528を記憶部508から取得し、各部屋の位置を特定する。区画存否判定部526は、取得した現在位置情報により示される現在位置が、各部屋の中にあるか否かを判定する。区画存否判定部526は、現在位置が内部である部屋がある場合に、その現在位置を示す現在位置情報とともに移動端末402から取得したユーザ情報により示されるユーザが、その部屋に居ると判定する。現在位置が内部である部屋がない場合に、区画存否判定部526は、ユーザがいずれの部屋にもいないと判定する。
更新部512は、削除の対象である機器制御スケジュールデータ506に含まれる区画内フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS503)。区画内フラグが「1」でないと判定した場合(ステップS503;No)、更新部512は、区画存否連動処理を終了する。
区画内フラグが「1」であると判定した場合(ステップS503;Yes)、更新部512は、削除の対象である機器制御スケジュールデータ506に含まれる制御対象機器101が設置された部屋を、機器設置データ425を参照することによって特定する。更新部512は、区画存否判定部526による判定の結果を参照することによって、特定した部屋にユーザが居るか否かを判定する(ステップS504)。
特定した部屋にユーザが居ると判定した場合(ステップS504;Yes)、ユーザの予定通りに行動していると予測されるので、更新部512は、削除の対象である機器制御スケジュールデータ506を削除せずに、区画存否連動処理を終了する。
特定した部屋にユーザが居ないと判定した場合(ステップS504;No)、ユーザの予定に変更が生じたと予測されるので、更新部512は、削除の対象である機器制御スケジュールデータ506を記憶部508から削除する(ステップS505)。
図36は、本実施の形態に係る隣室連動処理の流れを示す。隣室連動処理は、例えば、制御時刻が到来した機器制御スケジュールデータ506に含まれる機器制御スケジュールを実行する際に実行される。以下、制御時刻が到来した機器制御スケジュールデータ506を、実行の対象の機器制御スケジュールデータ506という。
機器動作判定部529は、実行の対象の機器制御スケジュールデータ506に含まれる制御対象機器101が設置されている部屋を、機器設置データ425に基づいて特定する(ステップS511)。
機器動作判定部529は、ステップS511にて特定した部屋の隣室に、制御対象機器101と同種の電気機器101が設置されているか否かを判定する(ステップS512)。設置されていないと判定した場合(ステップS512;No)、機器動作判定部529は、隣室連動処理を終了する。
設置されていると判定した場合(ステップS512;Yes)、機器動作判定部529は、隣室に設置された電気機器101が動作中であるか否かを、その電気機器101と通信することによって、判定する(ステップS513)。動作中でないと判定した場合(ステップS513;No)、機器動作判定部529は、隣室連動処理を終了する。
動作中であると判定した場合(ステップS513;Yes)、隣室連動部530は、実行の対象である機器制御スケジュールデータ506に含まれる制御対象機器101を省電力化させるように制御する(ステップS514)。
詳細には、隣室連動部530は、実行の対象である機器制御スケジュールデータ506に含まれる制御内容よりも、消費電力が少ない態様で制御対象機器101を動作させる。
例えば、寝室の空調機101eが暖房モードで動作中であって、子供部屋の空調機101hが、制御対象機器であるとする。そして、実行の対象である機器制御スケジュールデータ506に含まれる制御内容によれば、制御対象機器101hは、24度の暖房モードで動作するように制御されるとする。
この場合、機器動作判定部529は、例えば22度の暖房モードで制御対象機器101hを動作させるとよい。或いは、寝室と子供部屋とが換気扇を備えたダクトで接続される場合、機器動作判定部529は、制御対象機器101hを動作させずに、換気扇により暖気を循環させてもよい。これらによって、隣室の温度差が小さくなるので、空調機101eの省電力化と生活の快適性の向上とを図ることが可能になる。
本実施の形態によれば、制御対象機器101が設置される部屋に制御時刻にユーザが居ることを前提とする制御を実行する際に、ユーザがその部屋に居ない場合、対応する機器制御スケジュールデータ506が削除される。これにより、ユーザの予定が変更されて部屋に居ないにもかかわらず、制御対象機器101が制御されてしまうことを防ぐことができる。従って、ユーザの行動に応じて電気機器101を適切に制御することが可能となる。
本実施の形態によれば、ある部屋の制御対象機器101を制御する際に、同種の電気機器101が隣室で動作している場合、消費電力が少ない態様で制御対象機器101を動作させる。例えば、空調機101d,101e,101hのいずれかが制御対象機器101である場合、隣室で空調機101d,101e,101hが動作していれば、制御対象機器101d,101e,101hを消費電力が少ない態様で動作させても、ユーザの快適性はあまり低下しない。従って、ユーザの行動に応じて電気機器101を適切に制御することが可能となる。
実施の形態6.
実施の形態1〜5では、ユーザの位置は、移動端末102から取得された。しかし、ユーザが宅内に居るか否かは、センサなどによって取得されてもよい。
実施の形態6に係る機器制御装置600は、図37に示すように、概ね実施の形態4に係る機器制御装置400aと同様の構成を備える。機器制御装置600は、実施の形態4に係る機器制御装置400aが備える記憶部408a及び更新部112に代わる、記憶部608及び更新部612を備える。機器制御装置600は、さらに、領域内外判定部としての宅内外判定部631を備える。
記憶部608は、実施の形態4と同様の基準位置データ105と端末データ407とを記憶しており、さらに、実施の形態4に係る記憶部408が備える機器制御スケジュールデータ406に代わる機器制御スケジュールデータ606を記憶する。
機器制御スケジュールデータ606は、図38に示すように、実施の形態4に係る機器制御スケジュールデータ406に含まれるユーザ情報に代えて、領域内フラグを含む。領域内フラグは、その領域内フラグが関連付けられた機器制御スケジュールについて、住宅にユーザが居ることを前提とするものであるか否かを示す。
本実施の形態に係る機器制御スケジュールデータ606は、同図に示すように、「0」又は「1」が設定される。「1」は、関連付けられた機器制御スケジュールについて、制御時刻にユーザが住宅に居ることを前提とするものであることを表す。「0」は、関連付けられた機器制御スケジュールが、制御時刻にユーザが住宅に居ることを前提としないものであることを表す。すなわち、図38に示す例では、「就寝」というユーザ動作が関連付けられた機器制御スケジュールは、領域内フラグが「1」であるので、「2014年3月3日22:00」に「母」が住宅に居ることが前提となるものである。
宅内外判定部631は、住宅にユーザが居るか否かを判定し、判定した結果を更新部612へ出力する。
詳細には例えば、宅内外判定部631は、宅内にユーザが居るか否かを示すセンサからの信号を取得する。このセンサは、図示しないが、例えば冷蔵庫101fの扉の開閉を検知するもの、空調機101d,101e,101hに取り付けられた人感センサ、玄関などの電子錠でドアの開閉を検知するもの、EV(Electric Vehicle)に充電器が接続されたことを検知するもの、電気機器101とは別に設けられた人感センサなどである。
宅内外判定部631は、センサの少なくとも1つから予め定められた時間(例えば、1時間)内に、ユーザが宅内に居ることを示す信号を受信したか否かにより、宅内にユーザが居るか否かを判定する。信号を受信していない場合に、宅内外判定部631は、宅内にユーザが居ないと判定する。少なくとも1つの信号を受信した場合に、宅内外判定部631は、住宅にユーザが居ると判定する。
更新部612は、実施の形態4に係る更新部112が実行する処理に加えて、宅内外判定部631による判定の結果と機器制御スケジュールデータ606に含まれる領域内フラグとに基づいて、機器制御スケジュールデータ606を更新する。
詳細には、更新部612は、予め定められた時間(例えば、10秒〜60秒)内に到来する制御時刻を含む機器制御スケジュールデータ606の領域内フラグが「1」であり、かつ、宅内外判定部631によって宅内にユーザが居ないと判定された場合に、その機器制御スケジュールデータ606を記憶部608から削除する。
これまで、本実施の形態に係る機器制御装置600の構成について説明した。ここから、機器制御装置600が実行する処理について説明する。
本実施の形態に係る機器制御装置600は、実施の形態4に係る機器制御装置400aと概ね同様の処理を実行する。機器制御装置600は、さらに、領域存否連動処理を実行する。
図39は、本実施の形態に係る領域存否連動処理の流れを示す。領域存否連動処理は、住宅にユーザが制御時刻に居ない場合に、機器制御スケジュールデータ606を削除するための処理である。領域存否連動処理は、例えば、現在時刻から予め定めた範囲(例えば、10秒〜60秒)内である制御時刻を含む機器制御スケジュールデータ606が記憶部608に記憶されている場合に、その機器制御スケジュールデータ606を削除の対象として実行される。
宅内外判定部631は、上述のようにセンサからの信号に基づいて、住宅にユーザが居るか否かを判定し(ステップS601)、判定した結果を更新部612へ出力する。
更新部612は、削除の対象である機器制御スケジュールデータ606に含まれる領域内フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS502)。領域内フラグが「1」でないと判定した場合(ステップS602;No)、更新部612は、領域存否連動処理を終了する。
領域内フラグが「1」であると判定した場合(ステップS602;Yes)、更新部612は、ステップS601での判定の結果に基づいて、宅内にユーザが居るか否かを判定する(ステップS603)。宅内にユーザが居ると判定した場合(ステップS603;Yes)、更新部612は、領域存否連動処理を終了する。
宅内にユーザが居ないと判定した場合(ステップS603;No)、更新部612は、削除の対象である機器制御スケジュールデータ606を記憶部608から削除する(ステップS604)。
本実施の形態によれば、住宅に制御時刻にユーザが居ることを前提とする制御を実行する際に、ユーザが住宅に居ない場合、対応する機器制御スケジュールデータ606が削除される。これにより、ユーザの予定が変更されて住宅に居ないにもかかわらず、制御対象機器101が制御されてしまうことを防ぐことができる。従って、ユーザの行動に応じて電気機器101を適切に制御することが可能となる。
本発明は、コンピュータが実行するプログラムとして実現されてもよく、そのプログラムが記録された、コンピュータに読取可能な記憶媒体として実現されてもよい。
以上、本発明の実施の形態及び変形例明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態及び変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。