JP6433383B2 - 投光装置 - Google Patents
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そこで、例えば上記特許文献1では、車速およびエンジン回転数等の計測値を指示する指針等をメータ画像として表示する液晶表示装置のバックライトに近赤外光源を埋め込み、バックライトからの近赤外光を導光板で拡散し、近赤外光を通過させる特殊なカラーフィルタを介して出射することが提案されている。この構成の場合、特殊なカラーフィルタを用いるために価格が高くなるという課題があった。
図1は、この発明の実施の形態1に係る投光装置10を用いたドライバセンシングシステムの概要を示す図である。図2は、このドライバセンシングシステムの構成例を示すブロック図である。
ドライバセンシングシステムは、車室内1において運転席前方のダッシュボード3側から運転者2へ向けてIR光を照射する投光装置10と、運転者2に反射したIR光を撮像するIRカメラ5と、IRカメラ5が撮像した画像を処理して運転者2の顔の向きまたは瞬きなどを認識し、脇見または居眠りといった運転者2の状態を推定する画像処理装置6とを備えている。
図2に示すように、投光装置10は、保護板11、IR光源部12、および発光制御部13を備えている。
保護板11は、メータディスプレイ4の表示面を保護する樹脂またはガラスの板である。
発光制御部13は、IR光源部12の発光のオンとオフの切り替え、およびIR光の強さの制御などを行う発光制御信号を、IR光源部12へ出力する。
IR光源部12は、発光制御部13からの発光制御信号に基づき、IR光を発する。IR光源部12は、保護板11の上下左右のどの方向の縁に設置されてもよい。このIR光源部12は、例えばIR光を発するLED、EL(Electroluminescence)、またはハロゲンランプなど、IR光を発する光源であれば何でもよい。
このIRカメラ5は、レンズ51、IR透過フィルタ52、および撮像素子53を備えている。
IR透過フィルタ52は、日光等の外乱を減らすために可視光波長をカットし、投光装置10から照射されるIR光の波長のみを通すバンドパスフィルタである。IR透過フィルタ52はレンズ型を用いてもよいし、フィルム型を用いてもよい。また、レンズ51、IR透過フィルタ52、撮像素子53の順に配置してもよいし、IR透過フィルタ52、レンズ51、撮像素子53の順に配置してもよい。
撮像素子53は、入射する光を電気信号に変換する素子であり、CMOS(Complementary Metal−Oxide−Semiconductor)またはCCD(Charge Coupled Device)等が一般的である。
また、画像処理装置6は、IRカメラ5が撮像した画像の明るさを検出し、明るさ情報として発光制御部13に送信する。発光制御部13は、画像処理装置6からの明るさ情報に基づいてIR光の強さを調整するなどして、より適切な発光制御を行う。
図3は、保護板11の構成例を示すブロック図である。図4は、投光装置10のうち、保護板11とIR光源部12からなる構造部分の概要を示す断面図である。IR光源部12は、保護板11の縁からIR光を入射するように、設置される。保護板11は、IR光源部12からのIR光を散乱して照射するIR光照射部11aと、メータディスプレイ4からの可視光を透過させる可視光透過部11bとを有している。
IR光照射部11aの加工とは、縁から入射したIR光が散乱するように、表面の反射傾向を変える加工であり、例えば表面が粗面なドット11cを印刷する方式、レーザ波で表面を傷つける方式、または型材にアクリル樹脂を流し込んで保護板11を成形する際に表面に凹凸を形成する方式などがある。保護板11においてドット11cのパターン等を形成する面は、メータディスプレイ4側のみでもよいし、運転者2側のみでもよいし、両方でもよい。
IR光照射部11aは、IR光を散乱するための加工により半透明となることから、メータディスプレイ4の表示物41〜45がない領域に配置することが望ましい。図4の例では、メータディスプレイ4のうちの表示物41〜45がない上半分を、広くIR光照射部11aとして使用している。これにより、IR光を広範囲に照射することができる。また、図4の例では、IR光照射部11aが連続した1つの領域になっているが、複数の領域に分かれていてもよい。
投光装置10における発光制御部13の機能は、処理回路100により実現される。即ち、発光制御部13は、IR光源部12の発光を制御するための処理回路100を備える。処理回路100は、図6(a)に示すように専用のハードウエアであってもよいし、図6(b)に示すようにメモリ102に格納されているプログラムを実行するプロセッサ101であってもよい。
IR光源部12は、1個以上のIR−LED12aと、このIR−LED12aを駆動するための駆動回路12bとを備えている。駆動回路12bは、処理回路100またはプロセッサ101から送信される発光制御信号に基づき、IR−LED12aに印加する電圧およびIR−LED12aを発光するタイミングを制御する。
メモリ102は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリであってもよいし、ハードディスク、フレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、ミニディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクであってもよい。
ドライバセンシングシステムが起動すると、投光装置10、IRカメラ5および画像処理装置6が起動し、投光装置10の発光制御部13からIR光源部12へ発光制御信号を出力する(ステップST1)。
なお、ドライバセンシングシステムの起動のタイミングは、車両のイグニッションキーがオンになったタイミングでもよいし、変速機のギアがD(ドライブ)レンジに変更されたタイミングでもよい。
このときの発光制御信号は、IR光源部12の発光をオフからオンへ切り替える指示、およびIR光の強さに対応する電圧値またはパラメータ等を含む。発光制御部13は、起動した直後は、IR光の強さとして初期設定値を用いればよい。
さらに、画像処理装置6は、運転者2だけでなく、助手席または後部座席に座る乗員について、上記のような物理情報を検出して状態を推定してもよい。また、画像処理装置6は、撮像画像から助手席または後部座席に座る乗員が大人か子供かを推定して、例えば起動するエアバックを大人用と子供用とで切り替える際にその推定結果を使用するといったことも可能である。
ドライバセンシングシステムは、以上のステップST1〜ST7の処理を繰り返し行い、車両のイグニッションキーがオフになると、または変速機のギアがP(パーキング)レンジ等に変更されると、起動を停止する。
図8は、この発明の実施の形態2に係る投光装置10の保護板11の構成例を示すブロック図である。保護板11は、IR光照射部11aと可視光透過部11bとを有しており、IR光照射部11aは、さらに第1のIR光照射部11a−1と第2のIR光照射部11a−2とに分かれる。
なお、実施の形態2に係る投光装置10およびドライバセンシングシステムの構成は、保護板11以外、上記実施の形態1と同じ構成であるため、説明を省略し、図1および図2を援用する。
例えば、図9(a)に示すように、保護板11の表面の形状加工により指向性を強めてもよい。図9(a)では、表面が鏡面のドット11dを保護板11の表面に印刷し、IR光の反射方向を調整することで指向性を実現している。
あるいは、図9(b)に示すように、保護板11とIR光源部12との間にプリズム11eを設置して、プリズム11eからの出射方向を調整することで指向性を実現してもよい。図9(b)の構成例では、プリズム11eが第2のIR光照射部11a−2になる。
角膜反射法を用いる場合、角膜反射像の輪郭を明確にすると、角膜反射像の検出率および検出精度が上がるため、無指向性のIR光よりも指向性を持つIR光を用いるのが望ましい。
発光制御部13がLEDグループ12−2のIR−LEDを発光させ、残りのLEDグループ12−1,12−3のIR−LEDを消すと、第2のIR光照射部11a−2Lのみが指向性を持つIR光を照射する。
発光制御部13がLEDグループ12−3のIR−LEDを発光させ、残りのLEDグループ12−1,12−2のIR−LEDを消すと、第2のIR光照射部11a−2Rのみが指向性を持つIR光を照射する。
そこで、画像処理装置6においてIR光源部12のIR光によりできた角膜反射像と外乱光との違いを判別できなかった場合などに、発光制御部13がIR光を照射する第2のIR光照射部11a−2L,11a−2Rを切り替えることにより、角膜反射像の位置を変更することができる。これにより、IR光源部12のIR光によりできた角膜反射像と外乱光とを判別可能となり、日光などの外乱に強い視線検出が可能である。
あるいは、発光制御部13が第2のIR光照射部11a−2の発光のオンとオフを切り替えることにより、角膜反射像を出現させたり消失させたりすることができる。これによっても、IR光源部12のIR光によりできた角膜反射像と外乱光とを判別可能となる。
その後、発光制御部13は、図7で示したステップST7と同様に、画像処理装置6からの明るさ情報を受信し、この明るさ情報に応じてIR光源部12から発するIR光の強さの調整量を算出し、調整量に応じて発光制御信号に含まれる電圧値またはパラメータ等を変更する(ステップST7−1)。
画像処理装置6において運転者2の顔が検出されなかった場合(ステップST7−2“NO”)、発光制御部13は、LEDグループ12−1のIR−LEDを発光させる発光制御信号を生成する(ステップST7−3)。これにより、第1のIR光照射部11a−1から、無指向性のIR光が広範囲に照射される。従って、画像処理装置6において、運転者2の顔の位置を検出して、状態推定が可能となる。また、検出した顔の位置から、角膜反射像ができる位置を予測することができる。
なお、ステップST7−3において、発光制御部13は、LEDグループ12−1,12−2,12−3のIR−LEDすべてを発光させて、角膜反射法による視線検出を可能にしてもよい。
例えば、画像処理装置6が認識結果情報として、運転者2の顔を検出できたか否かだけでなく、IR光源部12のIR光によりできた角膜反射像と外乱光との違いを判別できたか否かも示す情報を生成して、投光装置10の発光制御部13へ送信する。
投光装置10の発光制御部13が、今回のステップST7−4において第2のIR光照射部11a−2Lから指向性を持つIR光を照射させるようにしたと仮定する。そして、画像処理装置6が、第2のIR光照射部11a−2Lから照射されたIR光による角膜反射像と外乱光との違いを判別できなかった場合、次回のステップST7−4において、発光制御部13は第2のIR光照射部11a−2Lからの照射をやめ、第2のIR光照射部11a−2Rから照射させるようにする。運転者2の目に映る外乱光の位置は変化しないが、第2のIR光照射部11a−2Lから第2のIR光照射部11a−2Rへ切り替えたことによりIR光による角膜反射像の位置は変化するため、画像処理装置6は正しい角膜反射像の位置を判別することができる。
また、実施の形態1,2では、表示装置としてダッシュボード3に設置されたメータディスプレイ4を例示したが、センタコンソールに設置されたディスプレイなど、保護板に保護されている表示装置であれば何でもよい。
また、実施の形態1,2では、運転者2の撮像用の照明として、800nm〜950nmのIR光を発するIR光源部12を用いたが、IR光を含む赤外光を発する光源部を用いてもよい。
Claims (10)
- 車室内に設置された表示装置の表示面を保護する保護板と、
前記保護板に赤外光を入射する光源部と、
前記光源部の発光を制御し、前記光源部からの赤外光を前記保護板で導光させ運転者へ照射させる発光制御部とを備える投光装置。 - 前記保護板は、前記光源部からの赤外光を散乱して照射する赤外光照射部と、前記表示装置からの可視光を透過させる可視光透過部とを有することを特徴とする請求項1記載の投光装置。
- 前記赤外光照射部の面積に比べ、前記可視光透過部の面積が大きいことを特徴とする請求項2記載の投光装置。
- 前記赤外光照射部は、第1の赤外光照射部と、前記第1の赤外光照射部より指向性が強い第2の赤外光照射部とを有することを特徴とする請求項2または請求項3記載の投光装置。
- 前記光源部は、前記第1の赤外光照射部へ赤外光を入射する第1の光源部と、前記第2の赤外光照射部へ赤外光を入射する第2の光源部とを有し、
前記発光制御部は、予め定められた発光パターンに従って前記第1の光源部および前記第2の光源部の発光を制御することを特徴とする請求項4記載の投光装置。 - 前記発光制御部は、予め定められた発光パターンに従って、前記第1の光源部を発光させて前記第1の赤外光照射部から赤外光を照射させた後、前記第2の光源部を発光させて前記第2の赤外光照射部から赤外光を照射させることを特徴とする請求項5記載の投光装置。
- 前記保護板は、前記第2の赤外光照射部を複数有し、
前記光源部は、複数の前記第2の赤外光照射部へ赤外光を入射する複数の前記第2の光源部を有し、
前記発光制御部は、予め定められた発光パターンに従って、複数の前記第2の光源部の発光を切り替えることにより、赤外光を照射する前記第2の赤外光照射部を切り替えることを特徴とする請求項5記載の投光装置。 - 前記第2の赤外光照射部は、前記保護板の表面の形状加工により指向性が強められていることを特徴とする請求項4から請求項7のうちのいずれか1項記載の投光装置。
- 前記第2の赤外光照射部は、前記保護板に設置されたプリズムであることを特徴とする請求項4から請求項7のうちのいずれか1項記載の投光装置。
- 前記表示装置は、運転席の前方に設置されたメータディスプレイであることを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の投光装置。
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