JP6433209B2 - 対話用通信システム及び対話用通信方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、対話者が対話を終了した時点で対話者が居る空間内に居続ける者や同空間内で発生した雑音等を認識することにより対話用通信を誤って続行させてしまう事態を防止することである。
(1)前記記憶部に前記顔画像が記憶された前記対話者が、前記距離検出部が前記距離を検出不可能な位置に居ること。
(2)前記向き検出部が検出した前記向きが、予め設定された時間以上、前記機器に対して前記所定の向きとは異なる向きに維持されていること。
すなわち、本発明の対話用通信システムでは、対話者の顔又は視線の向き、並びに対話者の位置(厳密には、基準位置に対する相対位置)を対話用通信の終了を判断する際のパラメータとして用いる。これにより、いずれか一方のパラメータのみで対話用通信の終了を判断する場合に生じる不具合、例えば顔又は視線を一瞬だけ変えたときに対話用通信が終了してしまう事態を回避することが可能となる。また、あらゆる対話シチュエーションを想定して、対話終了用の合図とする言葉や身振りを数多く登録しておく必要もない。
以上の作用により、本発明の対話用通信システムによれば、対話者にとって対話用通信を終了すべき時点で適切に終了させることが可能となる。
上記の構成では、対話に際して対話者の顔画像を登録することとし、具体的には、基準位置に配置された機器に対して顔又は視線の向きが所定の向きとなった者を、対話者として登録する。そして、判定部は、対話者として登録された者の顔又は視線の向き、並びにその者の位置をパラメータとして対話用通信の終了の可否を判定する。これにより、対話終了時点で対話者が居る空間内に居続ける者や同空間内で発生する雑音等を認識して対話用通信を誤って続行してしまうという事態を、回避することが可能となる。
(3)前記向き検出部によって検出される顔又は視線の向きが前記機器に対して前記所定の向きとなった時点から所定時間が経過するまでの期間中に、前記距離検出部によって検出される前記基準位置との間の距離が増加していないこと。
上記の構成では、顔又は視線の向きが所定の向きとなってから所定時間が経過するまでの間に基準位置から遠ざかっていないことを登録条件とし、かかる条件を満たした者を対話者として登録する。これにより、対話者の誤登録を防止し、真に対話者として登録すべき者だけを対話者として登録することが可能となる。
上記の構成では、顔又は視線の向きがディスプレイの表示画面を正面視する向きとなることを登録条件としている。ここで、表示画面を正面視する行為は、対話しようとする意思の表れである。したがって、上記の内容を登録条件として採用することにより、対話者として登録すべきではない者(すなわち、対話の意思がないのにディスプレイ廻りに居る者)を誤登録してしまうのを、効果的に防止することが可能となる。
上記の構成では、対話者がセンサの検知エリアの外に出ることを、対話用通信の終了条件の一つとしている。ここで、センサの検知エリアの外に出る行為は、対話している場所から離れること、すなわち対話を終了しようとする意志の表れである。したがって、上記の内容を対話終了条件として採用することにより、対話者の意思を反映して終了するのが妥当と考えられるタイミングにて対話用通信を終了することが可能となる。
(1)前記記憶部に前記顔画像が記憶された前記対話者が、前記距離検出部が前記距離を検出不可能な位置に居ること。
(2)前記向き検出部が検出した前記向きが、予め設定された時間以上、前記機器に対して前記所定の向きとは異なる向きに維持されていること。
上記の方法によれば、対話者の顔又は視線の向き、並びに対話者の位置(厳密には、基準位置に対する相対位置)をパラメータとして対話用通信の終了を判断するので、これらのパラメータのうちのいずれか一つのみを採用して対話用通信の終了を判断する場合と比較して、より適切なタイミングにて対話用通信を終了することが可能となる。
さらに、対話者は登録されることになっており、対話者として登録された者の顔又は視線の向き及びその者の位置に基づいて対話用通信の終了の可否を判定する。これにより、対話終了時点で対話者が居た空間内に居続ける者や同空間内で発生する雑音等を認識して対話用通信を誤って続行してしまう事態を回避することが可能となる。
本実施形態に係る対話用通信システム(以下、本システムS)は、互いに離れた複数の空間の各々に居る対話者間の対話を実現するためのものである。より具体的に説明すると、本システムSを利用することにより、各空間に居る対話者は、互いの姿(映像)を見ながら対話することが可能である。なお、本システムSは、各対話者が各自の自宅にて対話相手と対話するために用いられるものである。ただし、これに限定されるものではなく、自宅以外の場所(例えば、集会所や商業施設等)に居る者と対話するために本システムSを用いてもよい。また、同じ建物内で互いに離れている部屋にいる者同士が対話するために本システムSを用いることとしてもよい。
通信ユニット1Aは、撮像装置としてのカメラ2と、集音装置としてのマイク3と、映像表示装置としてのディスプレイ5と、音声再生装置としてのスピーカ6と、通信装置としてのホームサーバ10と、を有する。ホームサーバ10同士は、インターネット等の外部通信ネットワークGNを介して通信可能に接続されている。そして、ホームサーバ10間の通信を通じて、Aさんの映像や音声を示すデータがBさん側に送信され、同様に、Bさんの映像や音声を示すデータがAさん側に送信される。
データ取得部11は、I/Oポートを介してカメラ2及びマイク3からの出力信号、具体的には映像信号と音声信号を受信し、それぞれをデジタル化してからエンコードすることで映像データ及び音声データを取得する。なお、本システムSでは、同システムの起動中、カメラ2及びマイク3が常時作動し、これに伴って、データ取得部11もシステム起動中、常時、映像データ及び音声データを取得することになっている。ただし、これに限定されるものではなく、例えばAさんが部屋Raに入室したときに、不図示の人感センサがAさんを検知し、かかる入室検知に連動してカメラ2、マイク3及びデータ取得部11が作動することとしてもよい。
データ送信部12は、データ取得部11が取得した映像データ及び音声データを結合(具体的には、多重化)して一つの動画データを生成し、かかる動画データをBさん側のホームサーバ10に向けて随時送信する。
データ受信部13は、Bさん側のホームサーバ10から送信されてくる動画データを、外部ネットワークGNを通じて受信する。なお、受信した動画データは、Aさん側のホームサーバ10のメモリの所定領域、若しくはハードディスクドライブに保存される。
映像表示部14は、データ受信部13が受信した動画データをその保存領域から読み出し、当該動画データから映像データを抽出する。そして、映像表示部14は、抽出された映像データをデコードして展開した上で、ディスプレイ5に対して表示命令を出力する。かかる表示命令を受け付けたディスプレイ5は、その表示画面にBさんの全身画像及び周辺空間の映像を表示するようになる。
音声再生部15は、データ受信部13が受信した動画データをその保存領域から読み出し、当該動画データから音声データを抽出する。そして、音声再生部15は、抽出された音声データをデコードして展開した上で、スピーカ6に対して再生命令を出力する。かかる再生命令を受け付けたスピーカ6は、Bさんの音声の再生音を発するようになる。
登録部16は、対話用通信の開始に際して対話者を登録するものであり、ホームサーバ10のCPUがメモリに記憶された対話者登録プログラムを実行することによって実現されるものである。この登録部16による登録処理では、対話者の顔画像を登録することになっている。具体的に説明すると、部屋Ra内に居る者が所定の登録条件を満たしたとき、登録部16は、その時点の映像を示す映像信号をカメラ2から取得し、かかる映像信号から上記登録条件を満たした者の顔画像を認識する。そして、登録部16は、認識した顔画像を対話者の顔画像として登録する。
記憶部17は、登録部16により登録された対話者の顔画像を記憶するものであり、ホームサーバ10のメモリ若しくはハードディスクドライブにより構成される。この記憶部17への顔画像の記憶は、前述したように対話用通信毎に行われ、また、対話用通信が終了する都度、記憶部17に記憶された顔画像が削除される。
距離検出部18は、記憶部17に顔画像が記憶された対話者(すなわち、対話者として登録された者)とディスプレイ5との間の距離dを検出するものであり、ホームサーバ10が上述の距離センサ4と協働することにより実現される。具体的に説明すると、ホームサーバ10のCPUが、メモリに記憶された距離検出プログラムを実行し、当該距離検出プログラムによるデータ処理において、距離センサ4からの出力信号が示す値を入力として上記の距離dを割り出す。なお、距離検出部18が距離dを検出することが可能な範囲は、距離センサ4の検知エリアであり、本システムSでは、ディスプレイ5の前方に位置する数メートルの範囲内に設定されている。したがって、対話者が距離センサ4の検知エリアの外に位置するとき(例えば、部屋Raを退室したとき)には、距離検出部18は、距離dを検出することが不可能となる。
向き検出部19は、記憶部17に顔画像が記憶された対話者(すなわち、対話者として登録された者)の顔の向き、より厳密にはディスプレイ5の表示画面を正面視した状態からの顔のずれ量を検出するものである。この向き検出部19は、ホームサーバ10がカメラ2と協働することにより実現される。具体的に説明すると、ホームサーバ10のCPUが、メモリに記憶された向き検出プログラムを実行し、当該向き検出プログラムによるデータ処理において、カメラ2から出力される映像信号から対話者の顔画像を認識し、認識した顔画像から対話者の顔の向きを特定する。なお、顔画像から顔の向きを特定する方法としては、公知の画像解析技術が利用可能である。
判定部20は、対話用通信の実行中、距離検出部18が検出した距離d、及び向き検出部19が検出した対話者の顔の向きに応じて対話用通信を続行するか否かを判定するものである。この判定部20は、ホームサーバ10のCPUがメモリに記憶された判定プログラムを実行することにより実現される。
次に、本システムSにおいて通信ユニット1A、1B間で行われる通信、すなわち、対話用通信の流れ、特にその開始フロー(対話開始フロー)及び終了フロー(対話終了フロー)について図5及び6を参照しながら説明する。図5は、対話開始フローの流れを示した図である。図6は、対話終了フローの流れを示した図である。
対話開始フローは、Aさんが部屋Raに入室しディスプレイ5の前方正面に立った状態(つまり、距離センサ4の検知エリア内に入った状態)で開始される。対話開始フローは、図5に図示の手順に従って進行する。具体的に説明すると、対話開始フローでは、先ず、ディスプレイ5の前方位置に立ったAさんの映像をカメラ2が撮像し、その映像信号をホームサーバ10が取得(受信)する(S001)。その後、ホームサーバ10は、前述した向き検出部19の機能により、カメラ2から取得した映像信号からAさんの映像を認識し、さらに、Aさんの顔の向きを検出する(S002)。そして、ホームサーバ10は、検出した顔の向きがディスプレイ5の表示画面を正面視している向きであるかどうかを判別する(S003)。
(R1)ホームサーバ10によって検出された顔の向きがディスプレイ5の表示画面を正面視した向きとなっていること。
(R2)顔の向きがディスプレイ5の表示画面を正面視した向きとなった時点から所定時間が経過するまでの期間中に、ホームサーバ10によって検出されたディスプレイ5との間の距離dが増加していないこと(ディスプレイ5から離れていないこと)。
対話終了フローは、対話用通信の実行期間中に開始されて、図6に図示の手順に従って進行する。より厳密に説明すると、対話終了フローは、対話用通信の実行期間中に常時繰り返される第1ステージと、第1ステージにおいて所定の条件を満たした場合に実行される第2ステージと、第2ステージにおいて所定の条件を満たした場合に実行される第3ステージと、対話用通信を実際に終了する第4ステージに分かれている。
(S1)対話者の顔の向きがディスプレイ5の表示画面を正面視した向きとは異なっていること。
(S2)対話者とディスプレイ5との間の距離dが増加したこと(対話者がディスプレイ5から離れたこと)。
(S3)下記2つの要件(S3−1)、(S3−2)のうちのいずれかを満たすこと。
(S3−1)対話者が距離センサ4の検知エリアの外に居ること。
(S3−2)対話者の顔の向きが所定時間以上、ディスプレイ5の表示画面を正面視した向きとは異なる向きに維持されていること。
上記の実施形態では、本発明の対話用通信システム及び対話用通信方法について一例を挙げて説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
2 カメラ
3 集音装置
4 距離センサ
5 ディスプレイ
6 スピーカ
10 ホームサーバ
11 データ取得部
12 データ送信部
13 データ受信部
14 映像表示部
15 音声再生部
16 登録部
17 記憶部
18 距離検出部
19 向き検出部
20 判定部
GN 外部ネットワーク
Ra 部屋
S 本システム
Claims (6)
- 互いに離れた複数の空間の各々に対して設けられた通信ユニット同士が通信することで、前記複数の空間の各々に居る対話者間の対話を実現する対話用通信システムであって、
前記通信ユニットは、
前記複数の空間のうち、一方の空間内に居る前記対話者の顔画像を記憶する記憶部と、
該記憶部に前記顔画像が記憶された前記対話者と前記一方の空間内に設定された基準位置との間の距離を検出する距離検出部と、
前記記憶部に前記顔画像が記憶された前記対話者の顔又は視線の向きを検出する向き検出部と、
前記距離検出部が検出した前記距離及び前記向き検出部が検出した前記向きに応じて、前記通信ユニット同士間の通信を続行するか否かを判定する判定部と、を有し、
前記向き検出部が検出した前記向きが前記基準位置に設置された機器に対して所定の向きとなっている間、前記判定部は、前記通信ユニット同士間の通信を続行すると判定し、
前記向き検出部が検出した前記向きが前記機器に対して前記所定の向きとは異なる向きとなった後に、前記距離検出部が検出した前記距離が増加したとき、前記判定部は、下記の条件(1)及び(2)のうちのいずれかが満たされると、前記通信ユニット同士間の通信を終了すると判定することを特徴とする対話用通信システム。
(1)前記記憶部に前記顔画像が記憶された前記対話者が、前記距離検出部が前記距離を検出不可能な位置に居ること。
(2)前記向き検出部が検出した前記向きが、予め設定された時間以上、前記機器に対して前記所定の向きとは異なる向きに維持されていること。 - 前記通信ユニットは、
前記対話者を登録する登録部を更に有し、
前記記憶部は、前記登録部により登録された前記対話者の前記顔画像を記憶し、
前記登録部は、前記一方の空間内に居る者であって、前記向き検出部によって検出される顔又は視線の向きが前記機器に対して前記所定の向きとなった者を前記対話者として登録することを特徴とする請求項1に記載の対話用通信システム。 - 前記登録部は、前記一方の空間内に居る者であって、前記向き検出部によって検出される顔又は視線の向きが前記機器に対して前記所定の向きとなった者のうち、下記の条件(3)を満たす者を前記対話者として登録することを特徴とする請求項2に記載の対話用通信システム。
(3)前記向き検出部によって検出される顔又は視線の向きが前記機器に対して前記所定の向きとなった時点から所定時間が経過するまでの期間中に、前記距離検出部によって検出される前記基準位置との間の距離が増加していないこと。 - 前記通信ユニットは、前記複数の空間のうち、他方の空間内に居る前記対話者の映像を表示する表示画面を形成するディスプレイを前記機器として有し、
前記基準位置は、前記空間内における前記ディスプレイの設置位置であり、
前記所定の向きは、前記表示画面を正面視している向きであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の対話用通信システム。 - 前記距離検出部は、前記一方の空間内に設置され、前記対話者が前記一方の空間内に居るときには前記距離に応じた信号を出力するセンサを有し、
前記距離検出部が前記距離を検出不可能な位置は、前記センサが前記対話者を検知することが可能なエリアの外であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の対話用通信システム。 - 互いに離れた複数の空間の各々に対して設けられた通信ユニット同士が通信することで、前記複数の空間の各々に居る対話者間の対話を実現する対話用通信方法であって、
前記通信ユニットが有する記憶部が、前記複数の空間のうち、対応する空間内に居る前記対話者の顔画像を記憶することと、
前記通信ユニットが有する距離検出部が、前記記憶部に前記顔画像が記憶されたた前記対話者と前記対応する空間内に設定された基準位置との間の距離を検出することと、
前記通信ユニットが有する向き検出部が、前記記憶部に前記顔画像が記憶された前記対話者の顔又は視線の向きを検出することと、
前記通信ユニットが有する判定部が、前記距離検出部が検出した前記距離及び前記向き検出部が検出した前記向きに応じて、前記通信ユニット同士間の通信を続行するか否かを判定することと、を有し、
前記向き検出部が検出した前記向きが前記基準位置に設置された機器に対して所定の向きとなっている間、前記判定部は、前記通信ユニット同士間の通信を続行すると判定し、
前記向き検出部が検出した前記向きが前記機器に対して前記所定の向きとは異なる向きとなった後に、前記距離検出部が検出した前記距離が増加したとき、前記判定部は、下記の条件(1)及び(2)のうちのいずれかが満たされると、前記通信ユニット同士間の通信を終了すると判定することを特徴とする対話用通信方法。
(1)前記記憶部に前記顔画像が記憶された前記対話者が、前記距離検出部が前記距離を検出不可能な位置に居ること。
(2)前記向き検出部が検出した前記向きが、予め設定された時間以上、前記機器に対して前記所定の向きとは異なる向きに維持されていること。
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