以下に図面を参照して、本発明にかかる無線通信システム、無線装置および処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(実施の形態にかかる無線通信システム)
図1は、実施の形態にかかる無線通信システムの一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかる通信システム100は、端末101〜106と、基地局110,130と、中央制御装置150と、を含む。基地局110,130は、端末101〜106との間で無線通信が可能な第1無線装置である。端末101〜106は、基地局110,130との間で無線通信が可能な第2無線装置である。
基地局110は、それぞれ異なる位置に設けられた送信点111〜127を有する。送信点111〜127のそれぞれは、セルを形成し、基地局110が無線信号を送信するための送信点である。送信点111〜127の中の複数の送信点が協調して一つのセルを形成してもよい。また、送信点111〜127のそれぞれは、基地局110が無線信号を受信するための受信ポイントとしても用いられてもよい。基地局110と送信点111〜127の間は、たとえば、CPRI(Common Public Radio Interface)と呼ばれるインタフェースに準じて接続されてもよい。
基地局130は、それぞれ異なる位置に設けられた送信点131〜146を有する。送信点131〜146のそれぞれは、セルを形成し、基地局130が無線信号を送信するための送信点である。送信点131〜146の中の複数の送信点が協調して一つのセルを形成してもよい。また、送信点131〜146のそれぞれは、基地局130が無線信号を受信するための受信ポイントとしても用いられてもよい。基地局130と送信点131〜146の間は、たとえば、CPRI(Common Public Radio Interface)と呼ばれるインタフェースに準じて接続されてもよい。
基地局110,130のそれぞれには、一例としては、3GPPに規定されたeNB(evolved Node B)を用いることができる。ただし、基地局110,130のそれぞれには、eNBに限らず各種の基地局を用いることができる。
端末101〜106のそれぞれは、送信点111〜127,131〜146のうちの少なくともいずれかを用いて、基地局110,130のうちの少なくともいずれかとの間で無線信号の送受信を行う。端末101〜106のそれぞれには、たとえば3GPPに規定されたUE(User Equipment)を用いることができる。ただし、端末101〜106のそれぞれには、UEに限らず各種の端末を用いることができる。
中央制御装置150は、基地局110,130による端末101〜106との間の無線通信を制御する。中央制御装置150には、たとえば3GPPに規定されたMME(Mobility Management Entity:移動性管理エンティティ)を用いることができる。ただし、中央制御装置150には、MMEに限らず各種の制御装置を用いることができる。
基地局110,130は、送信点111〜127,131〜146によって送信点間の相互距離を適切に設定することにより小サイズのセルを高密度で配置することができる。これにより、単位面積あたりの無線トラフィック収容可能量を増やすことができる。送信点の数を増やすことにより、更に、単位面積あたりの無線トラフィック収容可能量を増やすことができる。また、基地局110,130は、複数の送信点を用いることにより、高密度で配置したセル間で発生する無線信号の干渉を利用して伝送レートを高めるCoMP送信を行うことが可能である。
基地局110,130によるCoMP送信には、DPS(Dynamic Point Selection)方式、CS/CB(Coordinated Scheduling/Coordinated Beam forming)方式、JT(Joint Transmission:ジョイントトランスミッション)方式などの各種の方式のCoMP送信を用いることができる。以下、主に、基地局110,130によるCoMP送信にDPS方式のCoMP送信を用いる場合について説明する。
通信システム100においては、たとえば、基地局110が、送信点111〜127に含まれる複数の送信点を用いて端末101に対して同一のデータ信号を同時に送信するCoMP送信を行う。この場合は、基地局110または中央制御装置150が、端末101へのCoMP送信の制御を行う。
または、通信システム100においては、基地局110,130が、送信点111〜127,131〜146に含まれる複数の送信点を用いて端末101に対して同一のデータ信号を同時に送信するCoMP送信を行ってもよい。この場合は、中央制御装置150が、端末101へのCoMP送信の制御を行う。
以下、基地局110が送信点111〜127に含まれる複数の送信点を用いて端末101に対して同一のデータ信号を同時に送信するCoMP送信を行い、基地局110が該CoMP送信の制御を行う場合について説明する。
端末101は、複数の送信点から送信され空間上で合成された無線データ信号を受信する。基地局110は、端末101が受信するデータ信号の受信特性が最良になるように、それぞれの送信点から送信するデータ信号に対して位相演算処理を行う。位相演算処理は、送信に使用される送信点ごとに独立して行っても、あるいは、送信に使用される送信点の間にまたがるように行ってもよい。
また、端末101の周辺の環境変化、端末101の移動、基地局110の各送信点の負荷状態の変化に伴い、端末101に対してデータ信号を送信する際に使用される送信点、使用される送信点の数等が変化する。
基地局110は、端末101へのデータ信号の送信に用いる候補の送信点のうちのいずれの送信点を用いて端末101へデータ信号を送信するかを、端末101から基地局110へ送信する報告信号に基づいて決定する。この報告信号には、端末101による後述の無線測定結果が含まれる。送信点111〜127のうちの端末101へのデータ信号の送信に用いる候補となる送信点は、端末101の移動等にともなって変化する。
(実施の形態にかかる送信点の選択)
図2は、実施の形態にかかる送信点の選択の一例を示す図である。図2においては、基地局110が端末101へデータ信号を送信するために使用する送信点の選択について説明する。図2に示す送信点201〜218は、たとえば図1に示した送信点111〜127に含まれる送信点である。
範囲251に含まれる送信点201〜211は、端末101の周辺における各送信点であって、端末101における受信電力(無線品質)の測定対象の送信点である。測定対象の送信点の数をP+L個とする。図2に示す例では、送信点201〜211の11個であり、P+L=11である。P+LのうちのPは、後述の報告対象の送信点の数である。P+LのうちのLは、後述の非報告対象の送信点の数である。端末101は、測定対象の送信点201〜211からの無線信号についての受信電力の測定を行う。
ここで、受信電力は、たとえば測定対象の送信点201〜211からの参照信号の端末101におけるRSRP(Reference Signal Received Power:基準信号受信電力)やRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)等である。RSRPやRSSIは、たとえば、3GPPの仕様書のひとつであるTS36.214の中で定義されているものであってもよい。測定対象となる参照信号はセル固有のものであっても、端末固有のものであってもよい。なお、参照信号は、受信した無線信号を復調する目的だけで使用する参照信号ではなく、無線信号を送信する無線装置とその無線信号を受信する無線装置の間の無線空間の品質や特性を評価する目的で送信される参照信号(たとえばCSI RS:Channel State Information Reference Signal)、あるいは、無線装置が他の無線装置の存在を検出することを目的として送信される参照信号(たとえばDRS:Discovery Reference Signal)とすることができる。
範囲251に含まれない送信点212〜218は、たとえば送信点201〜211よりも端末101から離れた送信点であって、端末101における受信電力の測定対象ではない送信点である。なお、測定対象の送信点201〜211は、基地局110が端末101に対して指示した送信点であってもよい。端末101が移動した場合、送信点212〜218の中の全て、あるいは、一部が、新たな測定対象候補になることもある。
範囲252に含まれる送信点201〜206は、端末101による受信電力の測定結果の基地局110への報告対象の送信点である。端末101は、送信点201〜206から送信される参照信号に対し、事前に決められた時間周期、あるいは、基地局から指示された時間周期で、受信電力の測定を行う。この際、干渉信号電力の測定を行ってもよい。端末101は、測定対象の送信点201〜211についての受信電力の測定結果に基づいて、測定対象の送信点201〜211の中から報告対象の送信点201〜206を選択する。報告対象の送信点の数をP個とする。図2に示す例では、送信点201〜206の6個であり、P=6である。
また、端末101は、選択したP個の報告対象の送信点201〜206を示す情報(後述のビット列)を含む報告信号を基地局110へ送信する。また、端末101は、選択したP個の報告対象の送信点201〜206から送信される参照信号に対する測定の結果を、事前に決められた時間周期、あるいは、基地局から指示された時間周期で、基地局110へ送信する。この周期的送信に加え、基地局110から要求された時に、端末101は測定結果を基地局110へ送信してもよい。
P個の報告対象の送信点201〜206は、たとえば測定対象の送信点201〜211のうちの受信電力が所定値以上の送信点とすることができる。この場合は、Pは可変の値となる。この所定値は、後述のように、測定対象の送信点201〜211の各受信電力のうちの最大の受信電力に基づいて設定される値であってもよい。または、P個の報告対象の送信点201〜206は、測定対象の送信点201〜211の中から受信電力が大きい順に選択したP個の送信点であってもよい。この場合は、Pは予め設定された値となる。
範囲251に含まれるが範囲252に含まれない送信点207〜211は、測定対象の送信点201〜211のうちの報告対象ではない非報告対象の送信点である。非報告対象の送信点の数をL個とする。図2に示す例では、送信点207〜211の5個であり、L=5である。端末101は、送信点207〜211が送信する参照信号を認識しているが、それらの参照信号に対する測定を連続して測定することは要求されてはいない。
ただし、たとえば、送信点201〜206から送信される参照信号の受信電力が低下した際、端末は自主的に送信点207〜211から送信される参照信号に対する連続測定を開始してもよいし、あるいは、送信点201〜206から送信される参照信号の受信電力が事前に決められた値あるいは基地局から指示された値以下になった場合、送信点207〜211から送信される参照信号に対する連続測定を開始してもよい。
送信点201,202は、ある送信タイミングで端末101へデータ信号を送信する使用対象の送信点である。基地局110は、端末101から送信された報告信号に含まれるビット列が示す報告対象の送信点201〜206の中から、使用対象の送信点201,202を選択する。そして、基地局110は、使用対象の送信点201,202から同一のデータ信号を端末101へ同時に送信するCoMP送信を行う。使用対象の送信点の数をN個とする。図2に示す例では、送信点201,202の2個であり、N=2である。
3GPPのLTEシステムにおいては、送信タイミングの発生周期は1[ms]であり、端末101に対し、ある送信タイミングで単発的に1[ms]長の時間区間を利用して無線データ信号の送信を行ってもいいし、たとえば2つの連続する送信タイミング(すなわち2[ms]長の連続した時間区間を利用)で無線データ信号の送信を行ってもいい。
基地局110は、報告対象の送信点201〜206からの使用対象の送信点201,202の選択を、たとえば、端末101から周期的に送信される、報告対象の送信点201〜206についての受信電力の測定結果に基づいて行う。
一例としては、基地局110は、報告対象の送信点201〜206のうちの端末101におけるこれらの送信点から送信される参照信号の受信電力が所定値以上である送信点を使用対象の送信点として選択する。この場合は、Nは可変の値となる。または、基地局110は、報告対象の送信点201〜206の中から端末101における受信電力が大きい順に選択したN個の送信点を使用対象の送信点として選択してもよい。この場合は、Pは予め設定された値となる。
また、基地局110は、選択した使用対象の送信点の中から主送信点を決定してもよい。主送信点は、たとえば基地局110から端末101への下りの制御情報の送信に用いられる送信点である。たとえば、基地局110は、選択した使用対象の送信点のうちの端末101における受信電力が最も大きい送信点を主送信点に決定する。基地局110によって選択された使用対象の送信点のうちの主送信点と異なる送信点は、主送信点と協調して端末101へデータを送信する協調送信点となる。ここでの制御情報とは、端末101に対し送信される無線データ信号に適用されている変調方式や符号化率、HARQ関連の情報などが含まれる。
送信点203〜206は、報告対象の送信点201〜206のうち、ある送信タイミングにおいて使用対象の送信点として選択されなかった非使用対象の送信点である。次の送信タイミングでは、送信点201,202のいずれかまたは両方が送信に使用されず、送信点203〜206の中のいずれかが送信に使用される可能性がある。非使用対象の送信点の数をM個とする。図2に示す例では、送信点203〜206の4個であり、M=4である。また、Mの値は可変であり、次の送信タイミングでは、たとえば、3あるいは5という値をとることもありうる。すなわち、各送信タイミングにおいて、端末101に対する無線データ信号の送信に使用される送信点の数は可変である。
(実施の形態にかかる基地局)
図3は、実施の形態にかかる基地局の一例を示す図である。図3においては基地局110の構成について説明するが、基地局130の構成も基地局110の構成と同様である。図3に示すように、実施の形態にかかる基地局110は、制御部301と、制御信号生成部302と、データ信号生成部303と、参照信号生成部304と、信号多重部305と、変調部306と、RF送信部307と、送信アンテナ群308と、を備える。また、基地局110は、受信アンテナ309と、RF受信部310と、復調部311と、信号分離部312と、報告信号抽出部313と、を備える。
制御部301は、基地局110における通信の制御を行う。たとえば、制御部301は、基地局110が送信する参照信号のシーケンス(パターン)を決定し、決定したシーケンスの参照信号を生成するように参照信号生成部304を制御する。また、制御部301は、決定した参照信号のシーケンス等を示す、参照信号に関する情報を含む制御信号を生成するように制御信号生成部302を制御する。また、制御部301は、データ信号生成部303によるデータ信号の生成を制御する。
制御信号生成部302は、制御部301からの制御により、基地局110が端末(たとえば端末101)へ送信する制御信号の生成を行う。そして、制御信号生成部302は、生成した制御信号を信号多重部305へ出力する。制御信号生成部302が生成する制御信号には、たとえば、基地局110が各送信点から送信する参照信号に関する情報や、端末についての使用対象の送信点に関する情報が含まれる。対象の端末についての使用対象の送信点に関する情報には、たとえば対象の端末についての使用対象の送信点のうちの主送信点を示す情報が含まれていてもよい。
データ信号生成部303は、制御部301からの制御により、基地局110が端末へ送信するデータ信号の生成を行う。そして、データ信号生成部303は、生成したデータ信号を信号多重部305へ出力する。参照信号生成部304は、制御部301からの制御により、基地局110が送信する参照信号の生成を行う。そして、参照信号生成部304は、生成した参照信号を信号多重部305へ出力する。
信号多重部305は、制御信号生成部302からの制御信号と、データ信号生成部303からのデータ信号と、参照信号生成部304からの参照信号と、を多重化する。そして、信号多重部305は、多重化により得られた信号を変調部306へ出力する。信号多重部305における多重化には、たとえば、周波数方向および時間方向の少なくともいずれかによる多重化を用いることができる。複数の種類の参照信号、あるいは、同一種類ではあるが信号構成符号を定義するパラメータの値が異なる複数の参照信号を同一時間同一周波数上において符号多重してもよい。
変調部306は、信号多重部305から出力された信号に基づく変調を行う。そして、変調部306は、変調により得られた信号をRF送信部307へ出力する。変調部306における変調方式には、たとえばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying:四位相偏移変調)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直角位相振幅変調)、64QAMなどの各種の変調方式を用いることができる。
RF送信部307は、変調部306から出力された信号のRF送信処理を行う。そして、RF送信部307は、RF送信処理を行った信号を、送信アンテナ群308を介して無線送信する。RF送信部307におけるRF送信処理には、たとえば、ベースバンド周波数帯からRF(Radio Frequency:高周波)帯へのデジタル/アナログ信号変換や周波数変換や信号電力増幅などが含まれる。
送信アンテナ群308は、たとえば図1に示した送信点111〜127を形成する。すなわち、送信アンテナ群308に含まれる各送信アンテナは、たとえば光ファイバー回線等の有線で基地局110の本体部に接続され、それぞれ異なる地点に配置される。基地局110内の一部の機能を、基地局から離れた場所に配置される送信アンテナ群308の中に含め基地局110の中に入れないようにしてもよい。この場合、そのような機能として、RF送信部、光/電気信号変換部、デジタル/アナログ信号変換部等がある。
受信アンテナ309は、基地局110の外部(たとえば端末101)から無線送信された信号を受信する。受信アンテナ309は、たとえば送信アンテナ群308と共通のアンテナであってもよい。RF受信部310は、受信アンテナ309によって受信された信号のRF受信処理を行う。そして、RF受信部310は、RF受信処理を行った信号を復調部311へ出力する。RF受信部310におけるRF受信処理には、たとえば、増幅や、RF帯からベースバンド周波数帯への周波数変換や、アナログ/デジタル信号変換などが含まれる。
復調部311は、RF受信部310から出力された信号の復調を行う。そして、復調部311は、復調により得られた信号を信号分離部312へ出力する。信号分離部312は、復調部311から出力された信号を多重分離する。そして、信号分離部312は、多重分離により得られた各信号を報告信号抽出部313へ出力する。報告信号抽出部313は、信号分離部312から出力された各信号のうちの端末からの報告信号を抽出する。そして、報告信号抽出部313は、抽出した報告信号を制御部301へ出力する。
制御部301は、報告信号抽出部313から出力された報告信号に基づいて、端末についての使用対象の送信点を選択する。そして、制御部301は、選択した送信点を示す情報を含む制御信号を生成するように制御信号生成部302を制御する。また、制御部301は、選択した送信点によって送信されるデータ信号を生成するようにデータ信号生成部303を制御する。制御部301による使用対象の送信点の選択には、報告信号抽出部313から出力された報告信号に加えて、信号分離部312から出力された各信号に含まれる、端末からの受信電力の測定結果を用いてもよい。
基地局110において、複数の送信点からそれぞれ参照信号を送信する送信部は、たとえば参照信号生成部304、信号多重部305、変調部306、RF送信部307および送信アンテナ群308により実現することができる。また、基地局110において、端末101からのビット列を受信する受信部は、たとえば受信アンテナ309、RF受信部310、復調部311、信号分離部312および報告信号抽出部313により実現することができる。
(実施の形態にかかる基地局のハードウェア構成)
図4は、実施の形態にかかる基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示した基地局110は、たとえば図4に示す通信装置400により実現することができる。通信装置400は、CPU401と、メモリ402と、無線通信インタフェース403と、有線通信インタフェース404と、を備える。CPU401、メモリ402、無線通信インタフェース403および有線通信インタフェース404は、バス409により接続される。
CPU(Central Processing Unit)401は、通信装置400の全体の制御を司る。メモリ402には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、CPU401のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置400を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU401によって実行される。
無線通信インタフェース403は、無線によって通信装置400の外部(たとえば端末101などの端末)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース403は、CPU401によって制御される。
有線通信インタフェース404は、有線によって通信装置400の外部(たとえば中央制御装置150)との間で通信を行う通信インタフェースである。有線通信インタフェース404は、CPU401によって制御される。
図3に示した制御部301、制御信号生成部302、データ信号生成部303、参照信号生成部304、信号多重部305、信号分離部312および報告信号抽出部313は、たとえばCPU401により実現することができる。図3に示した変調部306、RF送信部307、送信アンテナ群308、受信アンテナ309、RF受信部310および復調部311は、たとえば無線通信インタフェース403により実現することができる。
(実施の形態にかかる端末)
図5は、実施の形態にかかる端末の一例を示す図である。図5においては端末101の構成について説明するが、端末102〜106の構成も端末101の構成と同様である。図5に示すように、実施の形態にかかる端末101は、制御部501と、制御信号生成部502と、データ信号生成部503と、報告信号生成部504と、信号多重部505と、変調部506と、RF送信部507と、送信アンテナ508と、を備える。また、端末101は、受信アンテナ509と、RF受信部510と、信号分離部511と、参照信号検出・測定部512と、参照信号測定結果評価部513と、を備える。また、端末101は、復調部514と、信号分離部515と、制御信号抽出部516と、データ信号抽出部517と、を備える。
制御部501は、端末101における通信の制御を行う。たとえば、制御部501は、制御信号生成部502による制御信号の生成を制御する。また、制御部501は、データ信号生成部503によるデータ信号の生成を制御する。また、制御部501は、報告信号生成部504による報告信号の生成を制御する。また、制御部501は、参照信号測定結果評価部513による測定対象の送信点の評価を制御する。また、制御部501は、参照信号検出・測定部512による参照信号の検出を制御する。
制御信号生成部502は、制御部501からの制御により、端末101が基地局(たとえば基地局110)へ送信する制御信号の生成を行う。そして、制御信号生成部502は、生成した制御信号を信号多重部505へ出力する。
データ信号生成部503は、制御部501からの制御により、端末101が基地局へ送信するデータ信号の生成を行う。そして、データ信号生成部503は、生成したデータ信号を信号多重部505へ出力する。
報告信号生成部504は、制御部501からの制御により、端末101が基地局へ送信する報告信号の生成を行う。そして、報告信号生成部504は、生成した報告信号を信号多重部505へ出力する。報告信号生成部504が生成する報告信号は、たとえば、参照信号測定結果評価部513から通知された報告対象の送信点を基地局110へ報告する情報である。
また、報告信号生成部504が生成する報告信号は、さらに、参照信号測定結果評価部513から通知された、報告対象の送信点のうちの受信電力が最も大きい送信点を基地局110へ報告する報告信号であってもよい。また、報告信号生成部504が生成する報告信号は、さらに、参照信号測定結果評価部513から通知された、受信電力が最も大きい送信点の受信電力を基地局110へ報告する報告信号であってもよい。
信号多重部505は、制御信号生成部502からの制御信号と、データ信号生成部503からのデータ信号と、報告信号生成部504からの報告信号と、を多重化する。そして、信号多重部505は、多重化により得られた信号を変調部506へ出力する。信号多重部505における多重化には、たとえば、周波数方向および時間方向の少なくともいずれかによる多重化を用いることができる。なお、報告信号の中に入れて送信される報告する情報を報告信号の中ではなくデータ信号の中に入れて送信してもよい。この場合、報告する情報が入れられたデータ信号は報告信号と多重されずに送信されるか、あるいは他の情報が入れられた報告信号と多重して送信される。
変調部506は、信号多重部505から出力された信号に基づく変調を行う。そして、変調部506は、変調により得られた信号をRF送信部507へ出力する。変調部506における変調方式には、一例としては、QPSK、16QAM、64QAMなど各種の変調方式を用いることができる。
RF送信部507は、変調部506から出力された信号のRF送信処理を行う。そして、RF送信部507は、RF送信処理を行った信号を、送信アンテナ508を介して無線送信する。RF送信部507におけるRF送信処理には、たとえば、ベースバンド周波数帯からRF帯へのデジタル/アナログ信号変換、周波数変換や増幅などが含まれる。
受信アンテナ509は、端末101の外部(たとえば基地局110)から無線送信された信号を受信する。受信アンテナ509は、たとえば送信アンテナ508と共通のアンテナであってもよい。RF受信部510は、受信アンテナ509によって受信された信号のRF受信処理を行う。そして、RF受信部510は、RF受信処理を行った信号を信号分離部511へ出力する。RF受信部510におけるRF受信処理には、たとえば、増幅や、RF帯からベースバンド周波数帯への周波数変換、アナログ/デジタル信号変換などが含まれる。
信号分離部511は、RF受信部510から出力された信号を多重分離する。そして、信号分離部511は、多重分離により得られた参照信号を参照信号検出・測定部512へ出力し、多重分離により得られた他の信号を復調部514へ出力する。
参照信号検出・測定部512は、制御部501からの制御により、信号分離部511から出力された各信号に含まれる参照信号の検出と、検出した参照信号に基づく受信電力の測定と、を行う。たとえば、端末101についての測定対象の各送信点は、それぞれ異なる無線リソース(たとえばサブフレーム)と対応付けられている。この対応付けは、たとえば基地局110から通知される。このため、参照信号検出・測定部512は、測定対象の各送信点と対応付けられた各無線リソースによって送信された参照信号の受信電力を測定することにより、測定対象の各送信点からの参照信号の受信電力をそれぞれ測定することができる。また、参照信号検出・測定部512は、受信電力の測定結果を参照信号測定結果評価部513へ出力する。
参照信号測定結果評価部513は、制御部501からの制御により、参照信号検出・測定部512から出力された受信電力の測定結果に基づいて、端末101における測定対象の送信点の評価を行う。そして、参照信号測定結果評価部513は、評価結果に基づいて、測定対象の送信点の中から報告対象の送信点を選択する。
また、参照信号測定結果評価部513は、選択した報告対象の送信点を報告信号生成部504へ通知する。また、参照信号測定結果評価部513は、さらに、選択した報告対象の送信点のうちの受信電力が最も大きい送信点や、該受信電力が最も大きい送信点の受信電力を報告信号生成部504へ通知してもよい。
復調部514は、信号分離部511から出力された信号の復調を行う。そして、復調部514は、復調により得られた信号を信号分離部515へ出力する。信号分離部515は、復調部514から出力された信号の多重分離を行う。そして、信号分離部515は、多重分離により得られた各信号を制御信号抽出部516およびデータ信号抽出部517へ出力する。
制御信号抽出部516は、制御部501からの制御により、信号分離部515から出力された各信号のうちの、基地局からの制御信号を抽出する。そして、制御信号抽出部516は、抽出した制御信号を制御部501へ出力する。制御信号抽出部516が抽出する制御信号には、たとえば、上述した参照信号に関する情報や、使用対象の送信点に関する情報などが含まれる。
データ信号抽出部517は、制御部501からの制御により、信号分離部515から出力された各信号のうちの、基地局からのデータ信号を抽出する。そして、データ信号抽出部517は、抽出したデータ信号を制御部501へ出力する。
たとえば、制御部501は、制御信号抽出部516から出力された参照信号に関する情報に基づいて、参照信号検出・測定部512による参照信号の検出を制御する。また、制御部501は、制御信号抽出部516から出力された参照信号に関する情報に基づいて、参照信号測定結果評価部513における送信点の評価を制御する。
また、制御部501は、制御信号抽出部516から出力された送信点に関する情報に基づいて、制御信号抽出部516による制御信号の抽出を制御する。また、制御部501は、制御信号抽出部516から出力された送信点に関する情報に基づいて、データ信号抽出部517によるデータ信号の抽出を制御する。
端末101において、基地局110により複数の送信点からそれぞれ送信された参照信号の受信電力を測定する測定部は、たとえば受信アンテナ509、RF受信部510、信号分離部511および参照信号検出・測定部512により実現することができる。また、端末101において、ビット列を基地局110へ送信する送信部は、報告信号生成部504、信号多重部505、変調部506、RF送信部507および送信アンテナ508により実現することができる。
(実施の形態にかかる端末のハードウェア構成)
図6は、実施の形態にかかる端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示した端末101は、たとえば図6に示す通信装置600により実現することができる。通信装置600は、CPU601と、メモリ602と、ユーザインタフェース603と、無線通信インタフェース604と、を備える。CPU601、メモリ602、ユーザインタフェース603および無線通信インタフェース604は、バス609により接続される。
CPU601は、通信装置600の全体の制御を司る。メモリ602には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAMである。メインメモリは、CPU601のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置600を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU601によって実行される。
ユーザインタフェース603は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどにより実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース603は、CPU601によって制御される。
無線通信インタフェース604は、無線によって通信装置600の外部(たとえば基地局110などの基地局)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース604は、CPU601によって制御される。
図5に示した制御部501、制御信号生成部502、データ信号生成部503、報告信号生成部504および信号多重部505は、たとえばCPU601により実現することができる。図5に示した参照信号測定結果評価部513、信号分離部515、制御信号抽出部516およびデータ信号抽出部517は、たとえばCPU601により実現することができる。図5に示した変調部506、RF送信部507、送信アンテナ508、受信アンテナ509、RF受信部510、信号分離部511、参照信号検出・測定部512および復調部514は、たとえば無線通信インタフェース604により実現することができる。
(実施の形態にかかる各送信点からの参照信号の送信)
図7は、実施の形態にかかる各送信点からの参照信号の送信の一例を示す図である。図7においては、端末101における測定対象の送信点がm個の送信点#1〜#mである場合について説明する。mは2以上の自然数であり、任意に設定可能である(たとえばm={16,32,64})。図7に示す例ではm=16とする。測定対象の送信点#1〜#mは、たとえば図2に示したP+L個の送信点201〜211に対応する。
図7は、基地局110における下り無線リンクのサブフレームを示し、横軸方向は時間軸を示す。1個のサブフレームの時間軸上での長さは、たとえば、1[ms]である。送信タイミング710,720,730,740は、それぞれ送信点#1〜#4による参照信号の送信タイミングを示している。
また、図7に示す例では、基地局110は、送信点#1〜#mのそれぞれにおいて、mサブフレームごとに参照信号を送信する。そして、基地局110は、送信点#1〜#mのそれぞれにおいて、参照信号を送信するサブフレームが異なるように制御する。以下、k=0,1,2,…とする。
たとえば、送信タイミング710に示すように、基地局110は、送信点#1により、第(k*16+1)サブフレームにおいて、参照信号をマッピングしたOFDMシンボルを送信する。すなわち、基地局110は、送信点#1により、第1サブフレーム、第17サブフレーム、…において、参照信号をマッピングしたOFDMシンボル711,712,…を送信する。
また、送信タイミング720に示すように、基地局110は、送信点#2により、第(k*16+2)サブフレームにおいて、参照信号をマッピングしたOFDMシンボルを送信する。すなわち、基地局110は、送信点#2により、第2サブフレーム、第18サブフレーム、…において、参照信号をマッピングしたOFDMシンボル721,722,…を送信する。
また、送信タイミング730に示すように、基地局110は、送信点#3により、第(k*16+3)サブフレームにおいて、参照信号をマッピングしたOFDMシンボルを送信する。すなわち、基地局110は、送信点#3により、第3サブフレーム、第19サブフレーム、…において、参照信号をマッピングしたOFDMシンボル731,732,…を送信する。
また、送信タイミング740に示すように、基地局110は、送信点#4により、第(k*16+4)サブフレームにおいて、参照信号をマッピングしたOFDMシンボルを送信する。すなわち、基地局110は、送信点#4により、第4サブフレーム、第20サブフレーム、…において、参照信号をマッピングしたOFDMシンボル741,742,…を送信する。
また、基地局110は、送信点#5〜#mについても同様に、それぞれ第(k*16+5)〜(k*16+m)サブフレームにおいて、それぞれ参照信号をマッピングしたOFDMシンボルを送信する。これにより、基地局110は、送信点#1〜#mからの各参照信号を、送信点によって異なるサブフレーム(タイミング)にマッピングして送信することができる。
また、基地局110が送信点#1〜#mから送信する各参照信号には、送信点#1〜#mの間で共通のシーケンス(パターン)の参照信号を用いることができる。このように、基地局110は、ある一定エリア内の送信点間で共通のシーケンスを用いる参照信号を、隣接する送信点間で異なるサブフレーム上で周期的(mサブフレームごと)に送信する。各送信点の参照信号に共通のシーケンスを用いることにより、基地局110から端末101への参照信号のシーケンスの通知に要する無線リソースを少なくすることができる。また、送信点#1〜#mの間で共通のシーケンスの参照信号を用いる際、送信点間で異なる長さの巡回シフトを各送信点から送信される参照信号に対し施してもよい。端末は、巡回シフト量を検出することにより、受信した参照信号が送信点#1〜#mの中のどの送信点から送信されたのかを知ることが可能になる。
基地局110が各送信点において参照信号を送信する周期mは、たとえば送信点の配置密度に応じて設定することができる。たとえば、送信点の配置密度が大きくなるにつれ、mの値を大きくしてセル繰り返し数を大きくすることで、基地局110が各送信点において参照信号を適切に設定することができる。
また、各サブフレームにおける参照信号がマッピングされる位置は、たとえばサブフレーム内の第n番目のOFDMシンボル上のx番目からy番目のサブキャリアなど、予め設定しておくことができる。また、送信点#1〜#mのそれぞれにおいて、参照信号がマッピングされたOFDMシンボルが一つのサブフレーム内で複数個送信されてもよい。また、参照信号がマッピングされた一つのOFDMシンボル上に、無線データ信号の一部が参照信号に対し周波数多重あるいは符号多重されるようにマッピングされてもよい。
端末101は、たとえば基地局110から送信される同期信号に基づいて各サブフレームのタイミングを認識することができる。ここでいうタイミングとは、時間領域における各サブフレームの先頭位置ということができる。そして、端末101は、時間方向に参照信号に対してスキャン測定を行い、送信点#1〜#mのうちの受信電力が最大となる送信点を特定する。この最大の受信電力をA[dBm]とする。
また、端末101は、送信点#1〜#mのうちの受信電力がA[dBm]以下、かつA−B[dBm]以上となる送信点を特定する。これにより、最も大きい受信電力Aとの差が所定値(B)以下である送信点を報告対象の送信点として特定することができる。Bは、固定値としてもよいし、基地局110が端末101へ通知するパラメータとしてもよい。
端末101は、受信電力がA[dBm]以下、かつA−B[dBm]以上となる送信点を示すmビットのビット列と、受信電力が最大の送信点を示す識別情報(たとえばセルID)と、を含む報告信号を基地局110へ送信する。
ビット列は、各ビット位置が各サブフレームに対応付けられたビットマップ(ビット配列)である。たとえば、ビット列は、MSB(Most Significant Bit:最上位ビット)がサブフレーム#0に対応し、LSB(Least Significant Bit:最下位ビット)がサブフレーム#m−1に対応付けられる。そして、送信点#1〜#mはそれぞれ異なるサブフレームに対応しているため、ビット列の各ビット位置が各サブフレームに対応付けられることにより、ビット列の各ビット位置がそれぞれ送信点#1〜#mに対応付けられる。
端末101が受信したサブフレームのサブフレーム番号と送信点番号(#1から#m)の関係を端末101が把握できるようにするために、たとえば、フレーム番号とmの関係を事前に式で定義することが可能である。たとえば、3GPPで仕様が作成されるLTEシステムにおいては、1フレームは10サブフレームで構成され、特定のサブフレーム上で送信されるPBCH(Primary Broadcast Channel:プライマリー報知チャネル)を通じて端末はフレーム番号とサブフレーム番号を把握できるので、フレーム番号とサブフレーム番号と送信点番号の関係が一意に決まる式を事前に定義しておくことが可能である。
図7に示す例では、送信点#1によって送信されたOFDMシンボル711,712,…にマッピングされた参照信号の端末101における受信電力が−12[dBm]であったとする。また、送信点#2によって送信されたOFDMシンボル721,722,…にマッピングされた参照信号の端末101における受信電力が−8[dBm]であったとする。
また、送信点#3によって送信されたOFDMシンボル731,732,…にマッピングされた参照信号の端末101における受信電力が−17[dBm]であったとする。また、送信点#4によって送信されたOFDMシンボル741,742,…にマッピングされた参照信号の端末101における受信電力が−11[dBm]であったとする。
そして、送信点#1〜#mのうちの、参照信号の受信電力が最大であった送信点が送信点#2(受信電力=−8[dBm])であったとする。また、B=5であるとする。この場合は、上述したA−Bは、A−B=−8−5=−13となる。
送信点#1〜#mのうちの、参照信号の受信電力が−13[dBm]以上である送信点は、送信点#1,#2,#4(それぞれ受信電力が−12[dBm]、−8[dBm]、−11[dBm])のみであったとする。
この場合は、端末101は、報告対象の送信点として送信点#1,#2,#4を選択し、送信点#1,#2,#4を示すビット列を含む報告信号を基地局110へ送信する。送信点#1,#2,#4を示すビット列は、たとえば、“1101000000000000”とすることができる。このビット列は、測定対象の送信点#1〜#mの数に対応するmビットのビット列である。そして、このビット列の第1〜第mビットは、それぞれ送信点#1〜#mが報告対象の送信点であるか、すなわち受信電力がA−B以上であるか否かを示している。
上述したように送信点#1,#2,#4のみが報告対象の送信点である場合は、第1,第2,第4ビットのみが“1”であり、残りのビットが“0”である上述したビット列“1101000000000000”が生成される。なお、ビットの値の意味は任意に設計可能であり、たとえば送信点に対応するビットが“0”であり、他のビットが“1”であってもよい。
端末101は、このビット列“1101000000000000”を含む報告信号を基地局110へ送信する。これにより、送信点#1〜#mのうちの送信点#1,#2,#4が報告対象の送信点であることを基地局110に通知することができる。
また、上述のように、送信点#1〜#mの中から、最大の受信電力Aを基準(A−B[dBm]以上)として報告対象の送信点を選択することで、基地局110は事前にBを端末101へ通知しておけばよい。Bは、最大の受信電力Aに基づく相対的な基準を決定するパラメータであるため、Bのとり得る値の範囲は狭くすることができる。このため、端末101が報告対象の送信点を選択するために基地局110が端末101へ送信する制御信号の情報量を少なくすることができる。
また、たとえば基地局110がJT方式のCoMP送信を行う場合は、端末101における受信電力の差が小さくなる送信点を組み合わせることにより伝送特性がよくなる。たとえば受信電力差が1[dB]となる各送信点をJT方式のCoMP送信における送信点と組み合わせる場合は、B=1と設定することにより、いずれの送信点が好ましいかを、ビット列により基地局110に通知することが可能になる。
また、端末101は、送信点#1〜#mのうちの受信電力がC以上の送信点を報告対象の送信点として選択してもよい。Cは、最大の受信電力Aに基づく相対基準である上述したA−Bと異なり、絶対的な基準である。Cは、たとえば基地局110によって決定され、基地局110から端末101へ通知される。
また、端末101は、ビット列に加えて、受信電力が最大の送信点#2の識別情報(たとえばセルID)を含む報告信号を基地局110へ送信してもよい。これにより、基地局110に対して、報告対象の送信点#1,#2,#4のうちの送信点#2の受信電力が最大であることを通知することができる。
これに対して、基地局110は、たとえば、報告対象の送信点#1,#2,#4のうちの受信電力が最大の送信点#2を端末101についての主送信点とし、他の送信点#1,#4を協調送信点に設定することができる。
または、端末101は、受信電力が最大の送信点#2の識別情報(たとえばセルID)に代えて、受信電力が最大の送信点#2に対応するビット列上のビット位置を示す情報を含む報告信号を基地局110へ送信してもよい。これにより、基地局110に対して、報告対象の送信点#1,#2,#4のうちの送信点#2の受信電力が最大であることを通知することができる。また、送信点#2の識別情報(たとえば9ビットのセルID)を含む報告信号を送信する場合に比べて、報告信号の情報量を少なくすることができる。たとえば、ビット列が上述のように16ビットである場合は、送信点#2に対応するビット列上のビット位置を示す情報は、16通りのビット位置のいずれかを示す4ビットの情報によって実現することができる。
また、端末101は、ビット列および送信点#2の識別情報に加えて、送信点#2について測定した受信電力を示す測定結果を含む報告信号を基地局110へ送信してもよい。これにより、基地局110に対して、送信点#2について測定した受信電力を通知することができる。
これに対して、基地局110は、たとえば、送信点#2について測定した受信電力が所定値を下回っている場合は、基地局110による端末101へのデータ信号の送信が困難であると判断することができる。たとえば、基地局110がフェムトセル等のスモールセルである場合に、基地局110は、基地局110による端末101へのデータ信号の送信が困難であると判断すると、端末101をマクロ基地局や近接のスモールセル基地局へハンドオーバさせるなどの処理を行うことができる。
(実施の形態にかかる通信システムにおける処理)
図8は、実施の形態にかかる通信システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。実施の形態にかかる通信システム100においては、たとえば、基地局110と端末101との間において、図8に示す各ステップが実行される。図8に示す各ステップは、たとえば、基地局110と端末101との間における通信の開始時に行われる。また、図8に示す各ステップは、基地局110と端末101との間において通信が行われている間に周期的に行われてもよい。特に端末101が移動し、端末101に対し無線データ信号を送信可能な潜在的送信点候補が変化する時、参照信号に関する情報(たとえばステップS801)の内容が大きく変わりうる。
まず、基地局110は、基地局110が各送信点から送信する参照信号に関する情報を端末101へ送信する(ステップS801)。参照信号に関する情報には、上述したmの値や参照信号のシーケンス(パターン)を示すパラメータなどが含まれる。
また、基地局110が、Bの値を端末101へ送信する(ステップS802)。Bは、上述した最大の受信電力Aを基準として報告対象の送信点を選択するためのパラメータである。ステップS801,S802における送信には、たとえばPDSCH(Physical Downlink Shared Channel:物理下りリンク共有チャネル)などの下りリンクのチャネルを用いることができる。
また、基地局110は、参照信号に関する情報およびBの値をまとめて端末101へ送信してもよい。
つぎに、端末101が、ステップS801によって送信された参照信号に関する情報に基づいて、基地局110が各送信点から送信する参照信号の検出を行い、検出した参照信号の受信電力の測定を行う(ステップS803)。
つぎに、端末101が、ステップS802によって送信されたBの値と、ステップS803による受信電力の測定結果と、に基づいて、上述した報告対象の送信点を選択する。そして、端末101は、選択した報告対象の送信点を示すビット列を含む報告信号を生成する(ステップS804)。ステップS804によって生成される報告信号には、ビット列に加えて、参照信号の受信電力が最大の送信点のIDや、該送信点からの参照信号の受信電力が含まれていてもよい。端末101によるビット列の生成方法については後述する(たとえば図9参照)。
つぎに、端末101が、ステップS804によって生成した報告信号を基地局110へ送信する(ステップS805)。ステップS805による送信には、たとえば、PUCCH(Physical Uplink Control Channel:物理上りリンク制御チャネル)やPUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理上りリンク共有チャネル)などの上りリンクのチャネルを用いることができる。
つぎに、基地局110が、端末101へのデータ信号の送信に使用する使用対象の送信点の設定を行う(ステップS806)。使用対象の送信点は、たとえば図2に示した送信点201,202に対応する送信点である。ステップS806において、基地局110は、たとえば、端末101についての使用対象の送信点のうちの主送信点および協調送信点の少なくともいずれかの変更を要するか否かを判断する。
基地局110は、主送信点および協調送信点の少なくともいずれかの変更を要すると判断した場合は、端末101に対して主送信点および協調送信点の少なくともいずれかの変更を行い、該変更を示す制御信号を端末101へ送信する。ただし、主送信点の変更は無いが協調送信点の変更だけが生じた場合、基本的には、協調送信点の変更を端末101に通知しなくてもよい。また、基地局110は、主送信点および協調送信点のいずれの変更も要しないと判断した場合は、現状の主送信点および協調送信点を維持する。
つぎに、基地局110が、ステップS806によって設定された使用対象の送信点(主送信点および協調送信点)を用いて端末101へデータ信号を送信する(ステップS807)。
(実施の形態にかかる端末によるビット列の生成処理)
図9は、実施の形態にかかる端末によるビット列の生成処理の一例を示すフローチャートである。端末101は、図8に示したステップS804において、図9に示す各ステップを実行することにより、報告信号に含めるビット列を生成する。図9において、iは、m個のサブフレームに対応するインデクスである(i={1,2,…,m})。
まず、端末101は、m個のサブフレームiのそれぞれについて、サブフレームiにおける参照信号の受信電力Pi[dBm]を測定する(ステップS901)。つぎに、端末101は、ステップS901によって測定した受信電力Piの中の最大値をAとして設定する(ステップS902)。
つぎに、端末101は、インデクスiを初期化(i=1)する(ステップS903)。つぎに、端末101は、受信電力PiがA−B以上であるか否かを判断する(ステップS904)。Aは、ステップS902によって設定された受信電力Piの中の最大値である。Bは、図8に示したステップS802によって基地局110から端末101へ送信された値である。
ステップS904において、受信電力PiがA−B以上である場合(ステップS904:Yes)は、サブフレームiにおいて参照信号を送信した送信点iが基準を満たすと判断することができる。この場合は、端末101は、ビットBiを“1”に設定し(ステップS905)、ステップS907へ移行する。ビットBiは、上述したビット列におけるi番目のビットの値であり、サブフレームiにおいて参照信号を送信した送信点iが基準を満たすか否かを示す情報である。
ステップS904において、受信電力PiがA−B以上でない場合(ステップS904:No)は、サブフレームiにおいて参照信号を送信した送信点iが基準を満たさないと判断することができる。この場合は、端末101は、ビットBiを“0”に設定する(ステップS906)。
つぎに、端末101は、iをインクリメント(i=i+1)する(ステップS907)。つぎに、端末101は、iがmより大きいか否かを判断する(ステップS908)。iがmより大きくない場合(ステップS908:No)は、端末101は、ステップS904へ戻る。iがmより大きい場合(ステップS908:Yes)は、端末101は、一連の処理を終了する。この時点で、ステップS905またはステップS906により設定したBiをiの順に並べたものが、図8に示したステップS804によって生成される報告信号に含まれるビット列となる。
(実施の形態にかかる基地局による処理)
図10は、実施の形態にかかる基地局による処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態にかかる基地局110は、たとえば図10に示す各ステップを実行する。まず、基地局110は、基地局110が各送信点から送信する参照信号に関する情報を端末101へ送信する(ステップS1001)。
つぎに、基地局110は、各送信点から参照信号を送信する(ステップS1002)。つぎに、基地局110は、端末101からの報告信号を受信する(ステップS1003)。つぎに、基地局110は、ステップS1003によって受信した報告信号に含まれるビット列の値が全てゼロであるか否かを判断する(ステップS1004)。
ステップS1004において、ビット列の値が全てゼロである場合(ステップS1004:Yes)は、端末101についての現在の測定対象の送信点の全てが基準を満たさなかったと判断することができる。この場合は、基地局110は、端末101についての測定対象の送信点の候補を再設定する(ステップS1005)。
また、基地局110は、新たな参照信号を生成する(ステップS1006)。新たな参照信号は、たとえばシーケンスを変更した参照信号である。つぎに、基地局110は、ステップS1006によって生成した参照信号に関する情報の生成および端末101への送信を行い(ステップS1007)、ステップS1002へ戻る。
ステップS1004において、ビット列の値が全てゼロでない場合(ステップS1004:No)は、端末101についての現在の測定対象の送信点の少なくともいずれかが基準を満たしたと判断することができる。この場合は、基地局110は、ステップS1003によって受信した報告信号に基づいて、端末101についての現在の測定対象の送信点のうちの受信電力が最大の送信点を特定する(ステップS1008)。
つぎに、基地局110は、ステップS1008によって特定した受信電力が最大の送信点が、端末101についての現在の主送信点と同一であるか否かを判断する(ステップS1009)。受信電力が最大の送信点が主送信点と同一である場合(ステップS1009:Yes)は、基地局110は、ステップS1012へ移行する。受信電力が最大の送信点が主送信点と同一でない場合(ステップS1009:No)は、基地局110は、ステップS1008によって特定した受信電力が最大の送信点を主送信点とするように主送信点の変更を行う(ステップS1010)。つぎに、基地局110は、主送信点の変更を示す制御信号を端末101へ送信する(ステップS1011)。
つぎに、基地局110は、端末101についての協調送信点の変更を要するか否かを判断する(ステップS1012)。ステップS1012の判断は、たとえば、報告信号に含まれるビット列が示すP個の送信点のうちの端末101の主送信点を除く送信点が、端末101についての現在の協調送信点と同一であるか否かによって判断することができる。
ステップS1012において、変更を要しないと判断した場合(ステップS1012:No)は、基地局110は、ステップS1014へ移行する。変更を要すると判断した場合(ステップS1012:Yes)は、基地局110は、端末101についての協調送信点の変更を行う(ステップS1013)。このとき、たとえば、基地局110は、協調送信点の変更を示す制御情報を端末101へ送信してもよい。
つぎに、基地局110は、端末101へ送信するデータがあるか否かを判断する(ステップS1014)。端末101へ送信するデータがない場合(ステップS1014:No)は、基地局110は、ステップS1002へ戻る。端末101へ送信するデータがある場合(ステップS1014:Yes)は、基地局110は、該データ信号を端末101に送信し(ステップS1015)、ステップS1002へ戻る。
(実施の形態にかかる各送信点からの参照信号の送信の他の例)
図11は、実施の形態にかかる各送信点からの参照信号の送信の他の例を示す図である。図11において、図7に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図7においては各サブフレームにおいて送信点#1〜#mの参照信号を送信する場合について説明したが、いずれの送信点の参照信号を送信しないサブフレームを設けてもよい。
図11に示す例では、m=20とする。図11に示す送信タイミング1110は、送信点#11による参照信号の送信タイミングを示している。OFDMシンボル1111,1112は、基地局110が送信点#11により送信する、参照信号がマッピングされたOFDMシンボルである。
たとえば、図11に示すように、基地局110は、10240サブフレーム周期のそれぞれにおける先頭のmサブフレームのみを用いて送信点#1〜#mの参照信号を送信する。すなわち、基地局110は、第1〜第mサブフレームを用いて送信点#1〜#mの各参照信号を送信すると、その後、第10240サブフレームまでは参照信号を送信しない。そして、基地局110は、第10241〜第m+10240サブフレームを用いて送信点#1〜#mの各参照信号を送信する。
LTEにおいては、フレームの番号は0から1023までの1024個であり、1024個のフレームごとに0から1023までの1024個のフレーム番号を繰り返す。端末101は、特定のサブフレーム上で送信されるPBCHを通じて、現在受信中のフレームの番号とそのフレームの中のサブフレームの番号を知ることができる。フレーム番号と参照信号が送信されるフレームの番号の関係を示す式を事前に決めておくことにより、端末はどのフレームのどのサブフレームから参照信号が送信されるかを把握できる。
また、図11においては送信点#1〜#mの各参照信号を時間的に連続して送信する場合を示しているが、基地局110は、送信点#1〜#mの各参照信号を互いに時間間隔を空けて送信するようにしてもよい。
図12は、実施の形態にかかる各送信点からの参照信号の送信のさらに他の例を示す図である。図7,図11においては、送信点#1〜#mからの各参照信号をそれぞれ異なるサブフレーム(時間リソース)に割り当てて送信する場合について説明したが、各参照信号を割り当てる無線リソースは時間リソースのみに限らない。図12においては、送信点#1〜#mからの各参照信号をそれぞれ異なる時間リソースおよび周波数リソースに割り当てて送信する場合について説明する。
図12において、横軸は周波数軸を示し、縦軸は時間軸を示す。また、図12においては、端末101についての測定対象の送信点が16個の送信点#1〜#16であるとする。参照信号1201〜1216は、それぞれ送信点#1〜#16により送信される参照信号である。図12に示すように、送信点#1〜#16からの参照信号1201〜1216は、それぞれ時間および周波数が異なるように送信される。
たとえば、端末101は、時間T1において、それぞれ異なる周波数(たとえば、単数または複数のサブキャリア)によって送信点#1から送信される複数の参照信号1201を受信し、受信した複数の参照信号1201の各受信電力の平均値を算出する。これにより、送信点#1からの参照信号1201の端末101における受信電力を算出する。
また、端末101は、送信点#2〜#16についても同様に、それぞれ時間T2〜T16によって送信される各参照信号の受信電力の平均値を算出することにより受信電力を算出する。また、時間T16のつぎの時間T17より、再度、送信点#1〜#16からの参照信号1201〜1216が送信される。
図12においては、基地局110が送信点#1〜#mからの各参照信号をそれぞれ異なる時間リソースおよび周波数リソースに割り当てて送信する場合について説明した。また、基地局110は、送信点#1〜#mからの各参照信号をそれぞれ異なる周波数リソースに割り当てて送信してもよい。この場合は、基地局110は、送信点#1〜#mからの各参照信号を同一の時間リソースに割り当てて送信する。
(報告対象の送信点をビット列により通知することによる情報量の低減)
図13は、報告対象の送信点をビット列により通知することによる情報量の低減の一例を示す図である。図13に示すテーブル1300は、報告対象の送信点の通知を、従来のように報告対象の送信点の各IDにより行う場合と、通信システム100のようにビット列により行う場合と、における通知に要する情報量(ビット数)を示している。ここで、送信点を示すID(たとえばセルID)のサイズを9ビットとする。
測定対象の送信点#1〜#mの数に相当するm=16とし、端末101が基地局110へ報告するIDの数、すなわち報告対象の送信点の数が5である場合について説明する。この場合に、従来のように報告対象の送信点の各IDによる通知を行うと、5個×9ビット=45ビットを要する。一方、通信システム100のようにビット列による通知を行うと、ビット列長m=16ビットと、受信電力が最大の送信点のIDを1個=9ビットと、の合計の25ビットで済む。また、受信電力が最大の送信点のIDを通知しない場合は16ビットで済む。
また、従来のように報告対象の送信点の各IDによる通知を行う場合は、報告対象の送信点の数が多くなるほど通知に要する情報量が多くなる。一方、通信システム100のようにビット列による通知を行う場合は、報告対象の送信点の数が多くなっても情報量は増加しない。
また、ビット列はビット長が固定であるため、端末101は、ビット列を送信するための無線リソースのサイズを基地局110に通知しなくてもビット列を送信することができる。このため、端末101と基地局110との間の制御信号の情報量を低減することができる。
このように、実施の形態にかかる通信システム100において、端末101は、測定対象の送信点からそれぞれ送信された参照信号の受信電力を測定する。そして、端末101は、各ビット位置がそれぞれ測定対象の送信点と対応付けられたビット列であって、測定対象の送信点のそれぞれについて受信電力が所定条件を満たすか否かを示すビット列を基地局110へ送信する。
これにより、たとえば測定対象の送信点のうちの受信電力が所定条件を満たす報告対象の送信点が多くても、少ない情報量によって報告対象の送信点を基地局110へ通知することができる。このため、報告対象の送信点候補の情報の通知に要する無線リソースの量の増大を抑制することができる。
また、このビット列による送信点の通知は、端末101から基地局110への報告対象の送信点の通知に限らず、たとえば基地局110から端末101への送信点の通知に用いることも可能である。
たとえば、基地局110が、測定対象の送信点(たとえば図2に示した送信点201〜211)を、ビット列を用いて端末101に通知するようにしてもよい。この場合に、たとえば、基地局110は、各ビット位置がそれぞれ測定対象の送信点を含む送信点群の各送信点(たとえば図2に示した送信点201〜218)に対応付けられたビット列を端末101へ送信する。このビット列は、該送信点群の各送信点について、測定対象の送信点に含まれるか否かを示すビット列である。
端末101は、基地局110によって送信されたビット列に基づいて測定対象の送信点を特定し、基地局110によって測定対象の送信点からそれぞれ送信された参照信号の受信電力を測定する。これにより、たとえば測定対象の送信点が多くても、少ない情報量によって測定対象の送信点を端末101へ通知することができる。このため、測定対象の送信点候補の情報の通知に要する無線リソースの量の増大を抑制することができる。
以上説明したように、無線通信システム、無線装置および処理方法によれば、送信点候補の情報の通知に要する無線リソースの量の増大を抑制することができる。
たとえば、今後の無線システムでは、急増する無線データトラフィックに対応できるようにするために、送信点数を増やし、一つの無線ポイントが形成する無線セルを小さくすることが考えられる。無線セルが小さくなるにつれ、見通し内通信が可能となる可能性が高くなり、一つの端末に無線データ信号を送信する候補となる送信点数が増加する。
しかしながら、より多くの送信点の特定IDを無線ネットワーク側に報告するのは、アップリンク無線リソースの量に限りがあるので制限される。このため、無線セルの小サイズ化(すなわち送信点の配置密度増加)によって期待できる特性の向上を十分実現できなくなることが考えられる。
これに対して、上述した実施の形態によれば、報告の目的で使用されるアップリンク無線リソースの量の増加を抑え、多くの送信点を特定できる情報を端末が無線ネットワーク側へ報告することが可能になる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)複数の送信点の中から選択した各送信点を協調させてデータ信号を送信する第1無線装置であって、前記複数の送信点からそれぞれ参照信号を送信する第1無線装置と、
前記第1無線装置によって前記複数の送信点からそれぞれ送信された参照信号の受信電力を測定し、各ビット位置がそれぞれ前記複数の送信点と対応付けられたビット列であって、前記複数の送信点のそれぞれについて前記受信電力が所定条件を満たすか否かを示すビット列を前記第1無線装置へ送信する第2無線装置と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
(付記2)前記第2無線装置は、前記ビット列と、前記受信電力が前記所定条件を満たす各送信点のうちの前記受信電力が最も大きい送信点の識別情報と、を前記第1無線装置へ送信することを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)前記第2無線装置は、前記ビット列と、前記受信電力が最も大きい送信点の識別情報と、前記受信電力が最も大きい送信点についての前記受信電力と、を前記第1無線装置へ送信することを特徴とする付記2に記載の無線通信システム。
(付記4)前記第2無線装置は、前記ビット列と、前記受信電力が前記所定条件を満たす各送信点のうちの前記受信電力が最も大きい送信点に対応する前記ビット列におけるビット位置を示す情報と、を前記第1無線装置へ送信することを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
(付記5)前記第2無線装置は、測定した前記受信電力のうちの最も大きい受信電力を特定し、前記複数の送信点のそれぞれについて前記受信電力と前記最も大きい受信電力との差が所定値以下であるか否かを示す前記ビット列を前記第1無線装置へ送信する、
ことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記6)前記第1無線装置は、前記第2無線装置によって送信された前記ビット列に基づいて前記複数の送信点の中から選択した前記各送信点を協調させて前記データ信号を前記第2無線装置へ送信することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記7)前記第1無線装置は、前記複数の送信点の間で異なる各無線リソースによって前記複数の送信点からそれぞれ参照信号を送信することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記8)前記第1無線装置は、前記複数の送信点の間で共通の参照信号を前記複数の送信点から送信することを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記9)前記第1無線装置は、各ビット位置がそれぞれ前記複数の送信点を含む送信点群の各送信点に対応付けられたビット列であって、前記送信点群の各送信点について前記複数の送信点に含まれるか否かを示すビット列を前記第2無線装置へ送信し、
前記第2無線装置は、前記第1無線装置によって送信された前記ビット列に基づいて、前記第1無線装置によって前記複数の送信点からそれぞれ送信された参照信号の受信電力を測定する、
ことを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記10)複数の送信点に含まれる各送信点を協調させてデータ信号を送信する無線装置であって、
前記複数の送信点からそれぞれ参照信号を送信する送信部と、
前記送信部によって前記複数の送信点からそれぞれ送信された参照信号の受信電力を測定する他の無線装置から、各ビット位置がそれぞれ前記複数の送信点と対応付けられたビット列であって、前記複数の送信点のそれぞれについて前記受信電力が所定条件を満たすか否かを示すビット列を受信する受信部と、
を備えることを特徴とする無線装置。
(付記11)複数の送信点に含まれる各送信点を協調させてデータ信号を送信する他の無線装置によって前記複数の送信点からそれぞれ送信された参照信号の受信電力を測定する測定部と、
前記測定部による測定結果に基づいて、各ビット位置がそれぞれ前記複数の送信点と対応付けられたビット列であって、前記複数の送信点のそれぞれについて前記受信電力が所定条件を満たすか否かを示すビット列を前記他の無線装置へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とする無線装置。
(付記12)複数の送信点に含まれる各送信点を協調させてデータ信号を送信する無線装置における処理方法であって、
前記複数の送信点からそれぞれ参照信号を送信し、
前記複数の送信点からそれぞれ送信した参照信号の受信電力を測定する他の無線装置から、各ビット位置がそれぞれ前記複数の送信点と対応付けられたビット列であって、前記複数の送信点のそれぞれについて前記受信電力が所定条件を満たすか否かを示すビット列を受信する、
ことを特徴とする処理方法。
(付記13)複数の送信点に含まれる各送信点を協調させてデータ信号を送信する他の無線装置によって前記複数の送信点からそれぞれ送信された参照信号の受信電力を測定し、
前記受信電力の測定結果に基づいて、各ビット位置がそれぞれ前記複数の送信点と対応付けられたビット列であって、前記複数の送信点のそれぞれについて前記受信電力が所定条件を満たすか否かを示すビット列を前記他の無線装置へ送信する、
ことを特徴とする処理方法。