JP6431386B2 - 屋内屋外判定装置、屋内屋外判定方法、無線通信端末 - Google Patents
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Description
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態である屋内屋外判定装置800の構成について説明する。屋内屋外判定装置800は、屋内屋外判定装置800の現在位置(正確には、後述するように、航法衛星システムにおける航法衛星の衛星情報を取得した位置である)が屋内と屋外のいずれであるかを判定する装置であり、判定部100、衛星情報取得部200、センサ300を含む。
まず、図2を参照して、屋内屋外判定処理の初回処理を説明する。
衛星情報取得部200は、A-GPSにおける航法衛星の衛星情報を取得する(ステップS1)。A-GPSは全地球航法衛星システムであるGPSに依拠しているから、ここでの航法衛星は無線通信端末900において時刻信号を受信可能な可視衛星である。通常、複数(4以上)の可視衛星が捕捉されるので、衛星情報は可視衛星ごとに取得される。現在運用されている航法衛星システムを利用する場合、衛星情報から、少なくとも航法衛星(可視衛星)の仰角と航法衛星(可視衛星)からの信号の信号雑音比(SNR; signal-noise ratio)のいずれかを含む情報を得ることができる。この第1実施形態では、得られた仰角とSNRの両方を用いる。衛星情報取得部200は、例えば周知のGPSチップ或いはGPSモジュールとGPSアンテナなどを用いたGPS受信機として実現でき、実際に、このようなGPS受信機を含む無線通信端末900は多く流通しているので、衛星情報取得部200のハードウェア構成や機能などの説明を省略する。各可視衛星の衛星情報は図示しないメモリに保存される。
判定部100は、衛星情報取得部200によって実行されたA-GPSによる測位結果の推定誤差が予め定められた範囲内であるか否かを検査する(ステップS11)。判定部100は、推定誤差が予め定められた範囲内である場合は、衛星情報を取得した場所が「屋外」であると判定する(ステップS16)。推定誤差が予め定められた範囲内でない場合または測位結果が得られなかった場合は、図示しない制御部の制御によってステップS12の処理が実行される。なお、A-GPSによる測位は、周知技術によって実現できるので、A-GPS測位処理の説明を省略する。また、ここでの推定誤差として、周知のA-GPS測位処理で得られる推定誤差を利用できる。
判定部100は、現時点で得られたSNRが、現時点までに記録されたSNRの最大値に対して定められるレベルを上回らず、かつ、前回に取得された衛星情報から得られたSNRを上回らないという条件2を満たす場合に、衛星情報を取得した場所が「屋内」であると判定する。この第1実施形態では、具体的には、次のような処理が行われる。
ステップS23の処理にて、判定部100が、ステップS21の処理で捕捉された各可視衛星のうち、予め定められた値α3を下回らない仰角を持ち、且つ、衛星情報を取得した場所が予め設定されたナビゲーションルート上で階段やエスカレータなどの昇降手段の前である場合にこの昇降手段から見て電波障害の少ない向きに位置する可視衛星を特定するようにしてもよい。ステップS23以降の処理にて、電波障害の少ない向きに位置する可視衛星のSNRが参照されるため、判定精度の向上が期待できる。なお、ナビゲーションルートは、無線通信端末900が有するナビゲーション機能によって設定されたものである。ナビゲーションルートの情報は、図示しない制御部の制御によって判定部100に提供される。また、ナビゲーションルート上における無線通信端末900の「向き」は、例えば無線通信端末900が備える磁気センサなどを利用して決定することができるが、この決定は周知技術によって実現できるので当該決定方法の説明を省略する。
ステップS27の処理にて、判定部100が、当該条件2が続けて満たされ、且つ、地表から離れる方向への変化を計測可能なセンサ300(例えば、圧力センサや加速度センサ)から得られた情報に基づいて高度変化が有ると認められる場合に、衛星情報を取得した場所が「屋内」であると判定するようにしてもよい。センサ300を用いて高度変化も考慮するため、判定精度の向上が期待できる。
次に、図5〜図17を参照して、無線通信端末900による第2実施形態の処理を叙述する。なお、第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を附して説明を省略する。
ステップS100の処理で捕捉された各可視衛星のうち、予め定められた値θ1を下回らない仰角を持つ可視衛星を特定する(ステップS201)。以下、θ1を下回らない仰角を持つ可視衛星を高仰角衛星と呼称する。続いて、第1GPS測位判定処理(ステップS202)と第1SNR値判定処理(ステップS203)を実行する。そして、ステップS202の処理で得られた「GPS測位判定」結果とステップS203の処理で得られた「SNR値判定」結果に基づいて、衛星情報を取得した場所について「屋外」「屋内」「未決」のいずれかを特定する(ステップS299)。ステップS299の処理では、図7に示すルックアップテーブルが使われる。このルックアップテーブルによると、例えば、「GPS測位判定」結果が「屋内」であり「SNR値判定」結果が「屋外」である場合、衛星情報を取得した場所は「屋外」であると特定される。これは、屋内ではSNR値が高くなることはないとの考慮に基づくものである。また、このルックアップテーブルによると、例えば、「GPS測位判定」結果が「屋外」であり「SNR値判定」結果が「屋内」である場合、衛星情報を取得した場所は「屋内」であると特定される。これは、建物の窓際、吹き抜け、出入り口付近であるとの推定に基づくものである。
「GPS測位判定」が「未決」であるか否かを検査する(ステップS202a)。なお、「GPS測位判定」の初期値は「未決」に設定されている。「未決」でなければ、ステップS299の処理を実行する。「未決」であれば、ステップS202bの処理を実行する。
「SNR値判定」が「未決」であるか否かを検査する(ステップS203a)。なお、「SNR値判定」の初期値は「未決」に設定されている。「未決」でなければ、ステップS299の処理を実行する。「未決」であれば、ステップS203bの処理を実行する。
ステップS100の処理で捕捉された各可視衛星のうち、予め定められた値θ2を下回らない仰角を持つ可視衛星を特定する(ステップS201)。以下、θ2を下回らない仰角を持つ可視衛星を改めて高仰角衛星と呼称する。θ2の値は、θ1と同じでも異なっていてもよい。続いて、第2GPS測位判定処理(ステップS302)と第2SNR値判定処理(ステップS303)を実行する。そして、ステップS302の処理で得られた「GPS測位判定」結果とステップS303の処理で得られた「SNR値判定」結果が両方とも「屋外」であるか否かを検査する(ステップS399)。共に「屋外」である場合は、判定結果を「屋外」に設定し(ステップS399a)、ステップS105の処理を実行する。ステップS302の処理で得られた「GPS測位判定」結果とステップS303の処理で得られた「SNR値判定」結果の少なくともいずれかが「屋外」でない場合は、判定結果を「屋内」に設定し(ステップS399b)、ステップS105の処理を実行する。
GPS測位が完了したか否かを検査する(ステップS302a)。GPS測位が完了していれば、「GPS測位判定」を「屋外」に設定すると共に、GPS測位の未成功状態が継続している時間を表すGPS測位未成功継続時間を0に設定し(ステップS302b)、ステップS399の処理を実行する。GPS測位が完了していなければ、現在のGPS測位未成功継続時間に、前回のGPS測位と今回のGPS測位との間隔時間を加算した値を新たなGPS測位未成功継続時間とする(ステップS302c)。そして、GPS測位未成功継続時間が予め定められた未成功継続時間判定閾値を下回るか否かを検査する(ステップS302d)。下回らない場合は、「GPS測位判定」を「屋内」に設定し(ステップS302e)、ステップS399の処理を実行する。下回る場合は、「GPS測位判定」を現状のままとして(ステップS302f)、ステップS399の処理を実行する。
全ての高仰角衛星のSNR値のそれぞれについて、予め定められているSNR判定閾値Ts2との比較が完了したか否かを検査する(ステップS303a)。このSNR判定閾値Ts2は、ステップS203bの処理で用いられたSNR判定閾値Ts1と同じでも異なっていてもよい。完了している場合には、ステップS303gの処理を実行する。完了していない場合には、ステップS303bの処理を実行する。
捕捉された各可視衛星のSNRのうちの最大値Smax,pと、メモリに保持されている過去の予め定められた期間に記録されたSNRの最大値Smaxとを比較し、Smax,p>Smaxであれば、Smax,pの値を現時点までに記録されたSNRの最大値Smaxとして記録し、Smax,p>Smaxでなければ、過去の予め定められた期間に記録されたSNRの最大値Smaxをそのまま現時点までに記録されたSNRの最大値Smaxとして維持する(ステップS401)。
無線通信端末900では、任意のアプリケーションソフトウェアによって衛星情報が取得されることがあるので、衛星情報がGPS位置情報の取得に際して得られたものか否かを検査する(ステップS451)。衛星情報がGPS位置情報の取得に際して得られたものでない場合には、ステップS457の処理を実行する。衛星情報がGPS位置情報の取得に際して得られたものである場合には、今回のGPS位置情報と前回のGPS位置情報との誤差が予め定められた距離閾値L1を超えないか否かを検査する(ステップS452)。超える場合は、同じ位置に居る時間を表す同位置継続時間を0に設定し、「屋内」である判定結果を解除し(ステップS453)、ステップS103bの処理を実行する。超えない場合は、現在の同位置継続時間に、前回のGPS測位と今回のGPS測位との間隔時間を加算した値を新たな同位置継続時間とする(ステップS454)。そして、同位置継続時間が予め定められた継続時間判定閾値T4を下回らないか否かを検査する(ステップS455)。継続時間判定閾値T4は、継続時間判定閾値T1、T2、T3のいずれかと同じでも、いずれとも異なっていてもよい。下回る場合は、ステップS103bの処理を実行する。下回らない場合は、判定結果を「屋内」に設定し(ステップS456)、ステップS105の処理を実行する。ステップS451の処理にて衛星情報がGPS位置情報の取得に際して得られたものでない場合、今回の測位完了時間と前回の測位完了時間との差が予め定められた判定閾値Dを下回るか否かを検査する(ステップS457)。下回る場合は、ステップS103bの処理を実行し、下回らない場合は、判定結果を「屋内」に設定し(ステップS456)、ステップS105の処理を実行する。
無線通信端末900では、任意のアプリケーションソフトウェアによって衛星情報が取得されることがあるので、衛星情報がGPS位置情報の取得に際して得られたものか否かを検査する(ステップS471)。衛星情報がGPS位置情報の取得に際して得られたものでない場合には、ステップS103bの処理を実行する。衛星情報がGPS位置情報の取得に際して得られたものである場合には、今回のGPS測位の測位誤差と前回のGPS測位の測位誤差とを比較する(ステップS472)。今回の測位誤差と前回の測位誤差が同じである場合にはステップS103bの処理を実行する。今回の測位誤差が前回の測位誤差よりも大きい場合には、今回の測位誤差と前回の測位誤差との差が予め定められた判定閾値E1を下回らないか否かを検査し(ステップS473)、下回る場合はステップS103bの処理を実行し、下まわらない場合は、判定結果を「屋内」に設定して(ステップS475)、ステップS105の処理を実行する。また、今回の測位誤差が前回の測位誤差よりも小さい場合には、今回の測位誤差と前回の測位誤差との差が予め定められた判定閾値E2を下回らないか否かを検査し(ステップS474)、下回る場合はステップS103bの処理を実行し、下まわらない場合は、判定結果の「屋内」を解除して(ステップS476)、ステップS105の処理を実行する。判定閾値E2は、判定閾値E1と同じでも異なっていてもよい。
次に、図18を参照して、第3実施形態における無線通信端末900による処理を叙述する。なお、第2実施形態と同じ構成要素或いは同じ処理には同じ参照符号を附して説明を省略する。
Claims (8)
- 航法衛星システムにおける航法衛星の衛星情報を取得する衛星情報取得部と、
衛星情報から得られる、少なくとも航法衛星の仰角と航法衛星からの信号の信号雑音比のいずれかを含む情報に基づいて、上記衛星情報を取得した場所が屋内或いは屋外であることを判定する判定部と
を含み、
上記判定部は、
現時点で得られた信号雑音比が、現時点までに記録された最大信号雑音比に対して定められるレベルを上回らず、かつ、前回に取得された衛星情報から得られた信号雑音比を上回らないという条件を満たす場合に、上記衛星情報を取得した場所が屋内であると判定する
ことを特徴とする屋内屋外判定装置。 - 請求項1に記載の屋内屋外判定装置であって、
上記判定部は、
所定の時間よりも短くなく、または、所定の回数よりも少なくなく、上記条件が続けて満たされた場合に、上記衛星情報を取得した場所が屋内であると判定する
ことを特徴とする屋内屋外判定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の屋内屋外判定装置であって、
上記現時点で得られた信号雑音比は、所定の値よりも小さくない仰角を示す衛星情報から得られた信号雑音比である
ことを特徴とする屋内屋外判定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の屋内屋外判定装置であって、
上記現時点で得られた信号雑音比は、
上記衛星情報を取得した場所が予め設定されたナビゲーションルート上で昇降手段の前である場合に当該昇降手段から見て電波障害の少ない向きに位置する航法衛星からの衛星情報であって、所定の値よりも小さくない仰角を示す衛星情報、から得られた信号雑音比である
ことを特徴とする屋内屋外判定装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の屋内屋外判定装置であって、
上記判定部は、
さらに、地表から離れる方向への変化を計測可能なセンサから得られた情報に基づいて高度変化が有ると認められる場合に、上記衛星情報を取得した場所が屋内であると判定する
ことを特徴とする屋内屋外判定装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の屋内屋外判定装置であって、
上記判定部は、
所定値αを下回らない仰角および所定値βを下回らない信号雑音比を持つ可視衛星の数の、可視衛星の数、当該所定値αを下回らない仰角を持つ可視衛星の数、当該所定値βを下回らない信号雑音比を持つ可視衛星の数のいずれかに対する割合が所定値を下回らない場合に、上記衛星情報を取得した場所が屋外であると判定する
ことを特徴とする屋内屋外判定装置。 - 航法衛星システムにおける航法衛星の衛星情報を取得する衛星情報取得ステップと、
衛星情報から得られる、少なくとも航法衛星の仰角と航法衛星からの信号の信号雑音比のいずれかを含む情報に基づいて、上記衛星情報を取得した場所が屋内或いは屋外であることを判定する判定ステップと
を有し、
上記判定ステップでは、
現時点で得られた信号雑音比が、現時点までに記録された最大信号雑音比に対して定められるレベルを上回らず、かつ、前回に取得された衛星情報から得られた信号雑音比を上回らないという条件を満たす場合に、上記衛星情報を取得した場所が屋内であると判定する
ことを特徴とする屋内屋外判定方法。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の屋内屋外判定装置を備えた無線通信端末。
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