本願は、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2016年2月16日に出願した英国特許出願第1602739.3号に基づき、その優先権の利益を主張するものである。
一実施形態によれば、連続変数量子通信システムのための送信器であって、
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源がコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に第1の信号を適用するように構成された第1のコントローラと、
前記第1の信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、各摂動は、生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る、
光学強度変調を作るように構成された第1の光学構成要素と、前記コヒーレント光源は、前記光学構成要素に前記生成された光を供給するように構成される、
光パルスが、生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出され、光パルスが、生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記光学構成要素に第2の信号を適用するように構成された第2のコントローラと、
放出された光パルスの振幅を変調するように構成された強度制御要素と
を備え、位相制御要素および強度制御要素は、放出された光パルスの位相と振幅との値の連続体(continuum)内で情報を符号化するように構成される送信器が提供される。
第1の信号の第2の部分は、たとえば1つの摂動が適用された後の部分とされ得る、すなわち、第1の信号の第2の部分は、隣接する後続部分とされ得る。しかし、第1の信号の第2の部分は、複数の(several)さらなる摂動が適用された後の部分とされ得る、すなわち、第1の信号の第2の部分は、隣接する後続部分以外の部分とされ得る。第1の信号の諸部分は、適用される摂動の間の部分である。コヒーレント光の諸部分は、各適用される摂動の間に生成される部分である。したがって、適用される摂動は、生成されるコヒーレント光を諸部分にセグメント化し、各部分は、適用される摂動によって、以前に生成された部分と比較して位相においてシフトされている。コヒーレント光がパルス駆動される場合に、第1の部分は、コヒーレント光パルスの第1の部分とされ得、第2の部分は、同一のコヒーレント光パルスの第2の部分とされ得る。しかし、第2の部分は、別のコヒーレント光パルスの一部すなわち、適用される摂動の前の別のコヒーレント光パルスの一部または適用される摂動の後の部分とされ得る。
一実施形態では、位相制御要素および強度制御要素は、放出された光パルスの位相と振幅との両方の値の連続体内で情報を符号化するように構成される。位相制御要素および強度制御要素は、コヒーレント状態を作るために、放出された光パルスの位相と振幅とを変調するように構成される。一実施形態では、光パルスは、コヒーレント状態の同相成分または直角位相成分の値などの情報を担持(carry)する。
一実施形態では、生成される光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出された光パルスと生成される光の隣接する後続部分が受信される時間の期間中に放出された光パルスとの間の位相差は、0と上限との間の値の連続する範囲のうちの1つである。一実施形態では、上限は2πである。一実施形態では、基準光に対する放出される信号光パルスの相対位相は、区間[0,2π]内の一様分布からランダムに選択される値の連続体である。
一実施形態では、送信器は、
第1の乱数と第2の乱数とを生成し、
第1の乱数と第2の乱数とから第1の振幅を、第1の乱数と第2の乱数とから第1の位相を計算する
ように構成されたプロセッサ
をさらに備え、位相制御要素は、第1の位相に対応する位相シフトを作るために摂動を適用するように構成され、強度制御要素は、第1の振幅に対応する振幅変調を適用するように構成される。
一実施形態では、第1の乱数および第2の乱数は、それぞれ、0を中心とし、分散V=σ2を有する正規分布からランダムに選択される。一実施形態では、分散は10である。一実施形態では、分散は100である。一実施形態では、分散は150である。
代替案では、第1の振幅および第1の位相値が、直接に生成され得る。第1の振幅は、スケールパラメータσを有するレーリー分布を有する非負の値(non-negative values)の連続体からランダムに選択され得る。第1の位相は、区間[0,2π]内の一様分布を有する値の連続体からランダムに選択され得る。これは、分散σ2を有するガウス分布に従うXとPとを自動的に入手する。
一実施形態では、コヒーレント光源は、レーザである。コヒーレント光源は、半導体レーザまたはファイバレーザとされ得る。コヒーレント光源は、利得スイッチレーザとされ得る。
一実施形態では、光学構成要素は、レーザ、たとえば利得スイッチレーザである。光学構成要素は、半導体レーザまたはファイバレーザとされ得る。代替案では、光学構成要素は、強度変調器または光増幅器とされ得る。
一実施形態では、第1の信号は、周期的信号であり、コヒーレント光源は、コヒーレント光のパルスを生成する、ここにおいて、位相制御要素は、各期間中に1回、第1の信号に摂動を適用し、生成されたコヒーレント光パルスの第1の部分と生成されたコヒーレント光パルスの第2の部分との間の位相シフトを作るように構成される、ここにおいて、生成された光パルスの前記第1の部分が受信される時間の期間中に放出される光パルスは、基準光パルスであり、生成された光パルスの前記第2の部分が受信される時間の期間中に放出される光パルスは、信号光パルスである。
一実施形態では、第2のコントローラは、光パルスが、生成された光パルスの第1の部分が受信される時間の期間中に放出され、光パルスが、生成された光パルスの第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、第1の光学構成要素に時間変動する第2の信号を適用するように構成される。送信器は、1つおきのパルスに偏光変調を適用するように構成された偏光変調器をさらに備えることができる。
一実施形態では、送信器は、
光学強度変調を作るように構成された第2の光学構成要素と、ここにおいて、前記コヒーレント光源は、前記第2の光学構成要素に前記生成された光を供給するように構成される、
光パルスが、生成された光パルスの第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第2の光学構成要素に第3の信号を適用するように構成された第3のコントローラと
をさらに備え、ここにおいて、第2のコントローラは、光パルスが、生成された光パルスの第1の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に第2の信号を適用するように構成される。
送信器は、第2の光学構成要素から放出されるパルスに偏光を適用するように構成された偏光ビームスプリッタをさらに備えることができる。
一実施形態では、第1のコントローラは、前記コヒーレント光源が連続波コヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に第1の信号を適用するように構成される。
位相制御要素は、第1の信号に周期的に摂動を適用し、生成されるコヒーレント光パルスの各隣接する部分の間の位相シフトを作るように構成される。
一実施形態では、第2のコントローラは、光パルスが、生成された光パルスの部分が受信される時間の各期間中に放出されるように、前記光学構成要素に第2の信号を適用するように構成される。放出された光パルスは、信号光パルスである。
一実施形態では、送信器は、
光学強度変調を作るように構成された第2の光学構成要素と、ここにおいて、前記コヒーレント光源は、前記第2の光学構成要素に前記生成された光を供給するように構成される、
光パルスが、生成された光の交番する部分(alternate parts)が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第2の光学構成要素に第3の信号を適用するように構成された第3のコントローラと
をさらに備え、ここにおいて、第2のコントローラは、光パルスが、生成された光の他の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に第2の信号を適用するように構成される。
一実施形態では、位相制御要素は、交番する摂動が前の位相シフトを打ち消すように摂動を適用するように構成される。生成された光のうちで交番する摂動に対応する部分が受信される時間の期間中に放出された光パルスの間の位相差は、実質的に0である、ここにおいて、これらの光パルスは、基準光パルスであり、時間の残りの期間中に放出された光パルスは、信号光パルスである。
一実施形態では、位相制御要素は、信号パルスのランダム位相と基準パルスの一定の0位相とを作成するために、各偶数位相シフトが関連する奇数位相シフトを打ち消すように摂動を適用する。
一実施形態では、放出される信号光パルスの振幅は、スケールパラメータσを有するレーリー分布からランダムに選択される非負の値の連続体である。一実施形態では、σ2は150個の光子である。一実施形態では、σ2は100個の光子である。一実施形態では、σ2は10個の光子である。
強度制御要素は、生成されたコヒーレント光の振幅が変更されるように、第1の信号の振幅を変調するように構成され得る。代替案では、強度制御要素は、放出された光パルスの振幅が変更されるように、第2の信号の振幅を変調するように構成される。代替案では、強度制御要素は、強度変調器である。
一実施形態では、放出された光パルスは、10nsを超える持続時間を有する。これは、測定の電気的雑音を低減させる。一実施形態では、放出された光パルスは、100nsを超える持続時間を有する。
一実施形態では、各放出された光パルス内に1つを超える光子がある。これは、より多くの鍵ビットが単一の検出から測定されることを可能にする。一実施形態では、各放出された光パルス内に10個を超える光子がある。
一実施形態では、各放出された信号光パルスは、約1個から100個の光子を有する。一実施形態では、各放出された信号光パルスは、約1個から10個の光子を有する。
一実施形態では、各放出された基準光パルスは、約107個から109個の光子を有する。一実施形態では、各放出された基準光パルスは、約100個から108個の光子を有する。
一実施形態では、上で説明された請求項の記載における送信器(the transmitter of any preceding claim)と受信器とを備え、送信器は、放出された光パルスを受信器に送るように構成され、受信器は、信号光パルスと基準光とを光学的に結合するように構成される、連続変数量子通信システムが提供される。
一実施形態では、信号光パルスは、受信器で受信された放出された光パルスである。
基準光は、局所的に生成され得、または、受信器で受信されたさらなる放出された光パルスとされ得る。
一実施形態では、基準光は、送信器から放出され、受信器で受信された基準光パルスであり、信号光パルスは、送信器で放出され、受信器で受信された信号光パルスであり、受信器は
信号光パルスと基準光パルスとの間の遅延を打ち消すように構成された遅延要素と、
同相成分の測定値と直角位相成分の測定値との間で選択するように構成された変調要素と
を備える。
信号光パルスおよび基準光パルスは、ビームコンバイナ、たとえば50:50ビームスプリッタで光学的に結合される。変調要素は、信号光パルスと基準光パルスとが結合されるときに、基準光パルスと同相の信号光パルスの成分と基準光パルスと直角位相の信号光パルスの成分との測定の間で選択するように構成される。変調要素は、0の位相シフトとπ/2の位相シフトとの間で選択するように構成された位相変調器とされ得る。
受信器は、ビームコンバイナの出力を測定するように構成された第1の光検出器と第2の光検出器とをさらに備える。
基準光パルスに適用される0の位相シフトは、コンバイナでのXの測定に対応する、基準光パルスと同相の信号光パルスの成分の測定に対応する。π/2の位相シフトは、コンバイナでのPの測定に対応する、基準光パルスと直角位相の信号光パルスの成分の測定に対応する。
XまたはPの値は、光子検出器の出力から決定される。
一実施形態では、受信器は、
局所基準光を生成するように構成された光源と、
第1のビームコンバイナと第2のビームコンバイナとを備える結合する構成要素と、結合する構成要素は、
局所基準光を第1の部分と第2の部分とに分割し、受信された光パルスを第1の部分と第2の部分とに分割し、
受信された光パルスの第2の部分と局所基準光の第2の部分との間に第1の位相シフトを適用し、
受信された光パルスの第1の部分と局所基準光の第1の部分とを第1のビームコンバイナ上で結合し、
受信された光パルスの第2の部分と局所基準光の第2の部分とを第2のビームコンバイナ上で結合する
ように構成される、
第1のビームコンバイナの出力を検出するように構成された、第1の光検出器および第2の光検出器と、
第2のビームコンバイナの出力を検出するように構成された、第3の光検出器および第4の光検出器と、
第1のビームコンバイナの出力と第2のビームコンバイナの出力とに関する情報を受信し、
受信された基準光パルスに対する相対的な(relative to)局所基準光の位相を決定し、
受信された基準光パルスと直角位相の信号光パルスの成分と受信された基準光パルスと直角位相の信号光パルスの成分とを決定する
ように構成されたプロセッサと
を備える。
一実施形態では、受信器は、
信号光パルスを第1の光学経路に、基準光パルスを第2の光学経路に向けるように構成された第1の分割する要素と、
局所基準光を生成するように構成された光源と、
局所基準光を第1の部分と第2の部分とに分割するように構成された第2の分割する要素と、
第1のビームコンバイナと第2のビームコンバイナとを備える第1の結合する構成要素と、第1の結合する構成要素は、
局所基準光の第1の部分を第3の部分と第4の部分とに分割し、信号光パルスを第1の部分と第2の部分とに分割し、
信号光パルスの第2の部分と局所基準光の第4の部分との間に第1の位相シフトを適用し、
信号光パルスの第1の部分と局所基準光の第3の部分とを第1のビームコンバイナ上で結合し、
信号光パルスの第2の部分と局所基準光の第4の部分とを第2のビームコンバイナ上で結合する
ように構成される、
第1のビームコンバイナの出力を検出するように構成された第1の光検出器および第2の光検出器と、
第2のビームコンバイナの出力を検出するように構成された第3の光検出器および第4の光検出器と、
第3のビームコンバイナと第4のビームコンバイナとを備える第2の結合する構成要素と、第2の結合する構成要素は、
局所基準光の第2の部分を第5の部分と第6の部分とに分割し、受信された基準光パルスを第1の部分と第2の部分とに分割し、
受信された基準光パルスの第2の部分と局所基準光の第6の部分との間に第1の位相シフトを適用し、
受信された基準光パルスの第1の部分と局所基準光の第5の部分とを第1のビームコンバイナ上で結合し、
受信された基準光パルスの第2の部分と局所基準光の第6の部分とを第2のビームコンバイナ上で結合する
ように構成される、
第3のビームコンバイナの出力を検出するように構成された第5の光検出器および第6の光検出器と、
第4のビームコンバイナの出力を検出するように構成された第7の光検出器および第8の光検出器と、
第1のビームコンバイナの出力と第2のビームコンバイナの出力と第3のビームコンバイナの出力と第4のビームコンバイナの出力とに関する情報を受信し、
受信された基準光パルスに対する相対的な局所基準光の位相を決定し、
信号光パルスに対する相対的な局所基準光の位相を決定し、
受信された基準光パルスと直角位相の信号光パルスの成分と受信された基準光パルスと直角位相の信号光パルスの成分とを決定する
ように構成されたプロセッサと
を備える。
一実施形態では、
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源がコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に第1の信号を適用するように構成された第1のコントローラと、
前記第1の信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、各摂動は、生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る、
光学強度変調を作るように構成された第1の光学構成要素および光学強度変調を作るように構成された第2の光学構成要素と、ここにおいて、前記コヒーレント光源は、前記第1の光学構成要素と前記第2の光学構成要素とに前記生成された光パルスを供給するように構成される、
光パルスが、生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に第2の信号を適用するように構成された第2のコントローラと、
光パルスが、生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第2の光学構成要素に第3の信号を適用するように構成された第3のコントローラと
を備える光デバイスが提供される。
一実施形態では、第1の信号は、周期的信号であり、コヒーレント光源は、コヒーレント光のパルスを生成し、ここにおいて、位相制御要素は、各期間中に1回、第1の信号に摂動を適用し、生成されたコヒーレント光パルスの第1の部分と生成されたコヒーレント光パルスの第2の部分との間の位相シフトを作るように構成される、
第2のコントローラは、光パルスが、生成された光パルスの前記第1の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に第2の信号を適用するように構成され、
第3のコントローラは、光パルスが、生成された光パルスの前記第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第2の光学構成要素に第3の周期的信号を適用するように構成される。
一実施形態では、第1の光学構成要素は、第1の光学経路上に配置され、第2の光学構成要素は、第2の光学経路上に配置される。デバイスは、コヒーレント光を両方の光学経路に向けるためにビームスプリッタを備えることができる。
光学経路は、たとえば偏光ビームスプリッタとされ得るさらなるビームスプリッタで結合することができる。
さらなる構成要素、たとえば偏光回転子、強度変調器、減衰器、および遅延要素が、光学経路の一方または両方に含まれ得る。
一実施形態では、デバイスは、光学強度変調を作るように構成された1つまたは複数のさらなる光学構成要素を備え、前記コヒーレント光源は、たとえば1xNカプラ(coupler)を介して、前記さらなる光学構成要素に前記生成された光パルスを供給するように構成される。
一実施形態では、
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源が連続波コヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に第1の信号を適用するように構成された第1のコントローラと、
前記第1の信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、各摂動は、生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作り、交番する摂動は、前の位相シフトを打ち消す、
光学強度変調を作るように構成された第1の光学構成要素と、ここにおいて、前記コヒーレント光源は、前記第1の光学構成要素に前記生成された光を供給するように構成される、
光パルスが、生成された光の部分が受信される時間の各期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に時間変動する信号を適用するように構成された第2のコントローラと、ここにおいて、交番する摂動に対応する生成された光の部分が受信される時間の期間中に放出される光パルスの間の位相差は、実質的に0である
を備える光デバイスが提供される。
一実施形態では、位相制御要素は、信号パルスのランダム位相と基準パルスの一定の0位相とを作成するために、各偶数位相シフトが関連する奇数位相シフトを打ち消すように摂動を適用する。
一実施形態では、
第1の信号に摂動を適用することと、
コヒーレント光源がコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に第1の信号を適用することと、各摂動は、生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る、
光学増幅を作るように構成された光学構成要素にコヒーレント光を供給することと、
光パルスが、生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出され、光パルスが、生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記光学構成要素に第2の信号を適用することと、
振幅変調を適用することと、ここにおいて、情報は、放出される信号光パルスの位相と振幅との値の連続体内で符号化される、
放出された信号光パルスを受信するユニットに送ることと、
情報を復号するために、受信するユニットで信号光パルスと基準光とを光学的に結合することと
を備える、量子通信方法が提供される。
一実施形態では、第1の信号は、パルス駆動される信号(a pulsed signal)であり、摂動は、第1の信号の各パルスに1回適用される。
一実施形態では、この方法は、
第1の乱数Xと第2の乱数Pとを生成することと、
第1の乱数と第2の乱数とから第1の振幅を、第1の乱数と第2の乱数とから第1の位相を計算することと、
第1の位相に対応する位相シフトを作るために摂動を適用することと、
第1の振幅に対応する振幅変調を適用することと
を備える。
一実施形態では、第1の乱数および第2の乱数は、それぞれ、0を中心とし、分散V=σ2を有する正規分布からランダムに選択される。一実施形態では、分散は10個の光子である。一実施形態では、分散は100個の光子である。一実施形態では、分散は150個の光子である。
一実施形態では、放出される信号光パルスの振幅は、スケールパラメータσを有するレーリー分布からランダムに選択される非負の値の連続体である。一実施形態では、σ2は150個の光子である。一実施形態では、σ2は100個の光子である。一実施形態では、σ2は10個の光子である。
一実施形態では、基準信号光パルスからの放出された信号光パルスの相対位相は、区間[0,2π]内の一様分布からランダムに選択される値の連続体である。
一実施形態では、符号化中の情報割当は、位相空間X−P内のグリッドに基づくものとされ得る。
一実施形態では、第1の送信器と第2の送信器と受信器とを備える連続変数量子通信システムであって、第1の送信器は、
第1のコヒーレント光源と、
前記第1のコヒーレント光源がコヒーレント光を生成するように、前記第1のコヒーレント光源に第1の信号を適用するように構成された第1のコントローラと、
前記第1の信号に摂動を適用するように構成された第1の位相制御要素と、各摂動は、生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る、
光学強度変調を作るように構成された第1の光学構成要素と、前記第1のコヒーレント光源は、前記第1の光学構成要素に前記生成された光を供給するように構成される、
光パルスが、生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出され、光パルスが、生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に第2の信号を適用するように構成された第2のコントローラと、
放出された光パルスの振幅を変調するように構成された第1の強度制御要素と
を備え、ここにおいて、第1の位相制御要素および第1の強度制御要素は、放出された光パルスの位相と振幅との値の連続体内で情報を符号化するように構成され、
前記第2の送信器は、
第2のコヒーレント光源と、
前記第2のコヒーレント光源がコヒーレント光を生成するように、前記第2のコヒーレント光源に第3の信号を適用するように構成された第3のコントローラと、
前記第3の信号に摂動を適用するように構成された第2の位相制御要素と、各摂動は、生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る、
光学強度変調を作るように構成された第2の光学構成要素と、前記第2のコヒーレント光源は、前記第2の光学構成要素に前記生成された光を供給するように構成される、
光パルスが、生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出され、光パルスが、生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第2の光学構成要素に第4の信号を適用するように構成された第4のコントローラと、
放出された光パルスの振幅を変調するように構成された第2の強度制御要素と
を備え、ここにおいて、第2の位相制御要素および第2の強度制御要素は、放出された光パルスの位相と振幅との値の連続体内で情報を符号化するように構成され、
ここにおいて、第1の送信器および第2の送信器は、放出された光パルスを受信器に送るように構成され、受信器は、第1の送信器からの信号光パルスと第2の送信器からの信号光パルスと光学的に結合するように構成され、第1の送信器からの基準光パルスと第2の送信器からの基準光パルスとを光学的に結合するように構成される
連続変数量子通信システムが提供される。
一実施形態では、第1の送信器内の第1の信号は、周期的信号であり、第1のコヒーレント光源は、コヒーレント光のパルスを生成する、ここにおいて、第1の位相制御要素は、各期間中に1回、第1の信号に摂動を適用し、生成されたコヒーレント光パルスの第1の部分と生成されたコヒーレント光パルスの第2の部分との間の位相シフトを作るように構成される、ここにおいて、生成された光パルスの前記第1の部分が受信される時間の期間中に放出される光パルスは、基準光パルスであり、生成された光パルスの前記第2の部分が受信される時間の期間中に放出される光パルスは、信号光パルスである。
一実施形態では、第2の送信器内の第3の信号は、周期的信号であり、第2のコヒーレント光源は、コヒーレント光のパルスを生成する、ここにおいて、第2の位相制御要素は、各期間中に1回、第3の信号に摂動を適用し、生成されたコヒーレント光パルスの第1の部分と生成されたコヒーレント光パルスの第2の部分との間の位相シフトを作るように構成される、ここにおいて、生成された光パルスの前記第1の部分が受信される時間の期間中に放出される光パルスは、基準光パルスであり、生成された光パルスの前記第2の部分が受信される時間の期間中に放出される光パルスは、信号光パルスである。
一実施形態では、受信器は、
第1の送信器からの基準光パルスと第2の送信器からの基準光パルスとの間の位相差を受信し、
第1の送信器からの基準光パルスと同相の第1の送信器からの信号光パルスの成分と第2の送信器からの基準光パルスと同相の第2の送信器からの信号光パルスの成分との間の差を決定し、
第1の送信器からの基準光パルスと直角位相の第1の送信器からの信号光パルスの成分と第2の送信器からの基準光パルスと直角位相の第2の送信器からの信号光パルスの成分との和を決定する
ように構成されたプロセッサを備える。
一実施形態では、プロセッサは、第1の送信器からの基準光パルスと第2の送信器からの基準光パルスとの間の位相差を決定するように構成される。
図1(a)は、一実施形態による光デバイス35の概略図である。光デバイス35は、光パルスを出力するように構成される。
光デバイスは、光学構成要素24に光学的に結合されたコヒーレント光源20を備える。
光デバイス35は、導波管、たとえば光ファイバによって光学構成要素24の第1のアパーチャに接続されたコヒーレント光源20を備える。代替案では、光パルスは、自由空間を介して光デバイス35の構成要素の間で移動することができ、これは、導波管が、コヒーレント光源20および光学構成要素24などの構成要素を接続するために必要ではないことを意味する。
一実施形態では、光学構成要素24は、利得スイッチレーザである。一実施形態では、利得スイッチレーザ24は、半導体レーザである。代替実施形態では、利得スイッチレーザ24は、ファイバレーザである。代替案では、光学構成要素24は、強度変調器または光増幅器とされ得る。
コヒーレント光源は、コヒーレント光を生成する光源、言い換えれば一定の相対位相を有する光を生成する光源である。一実施形態では、コヒーレント光源20は、半導体レーザダイオードである。一実施形態では、コヒーレント光源20は、利得スイッチ半導体レーザダイオードである。コヒーレント光源のさらなる例は、ファイバレーザとソリッドステートレーザとを含む。実際には、レーザによって生成される光が完全にはコヒーレントでないことを理解されたい。しかし、生成される光が高いレベルのコヒーレンスを有するので、レーザはコヒーレント光源と考えられる。
いくつかの場合に、位相差は、たとえば環境温度変化またはコヒーレント光源20の駆動条件の変化に起因して、経時的にドリフトする可能性がある。これらのドリフトは、位相制御要素125によって補償され得る。
利得スイッチレーザの動作は、図2(a)から図2(c)に関連して下で説明される。
光デバイス35は、前記コヒーレント光源20がコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源20に第1の信号を適用するように構成された第1のコントローラ140を備える。
光デバイス35は、第1の信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素125をさらに備える。これは、後でより詳細に説明される。
光デバイス35は、光学構成要素24に第2の信号を適用するように構成された第2のコントローラ141をさらに備える。第2の信号は、第2の信号がしきい値の上にスイッチングするたびに光パルスを光学構成要素24から放出させる時間変動する信号である。その後、これらの光パルスは、光デバイス35から放出される。
第1のコントローラ140、位相制御要素125、および第2のコントローラ141は、たとえば単一の構成要素とされ得る。
動作中に、コヒーレント光源20は、コヒーレント光を生成する。コヒーレント光は、コヒーレント光源20から放出され、光学構成要素24に入る。コヒーレント光源20からのコヒーレント光は、光学構成要素24に入る。第2のコントローラ141は、複数の光パルスが放出されるように、時間変動する信号を光学構成要素24に適用する。
光学構成要素24が、しきい値の上にスイッチングされるたびに、放出された光パルスは、注入されたコヒーレント光に対する固定された位相関係を有する。
たとえば、コヒーレント光源20は、パルス駆動され得(be pulsed)、光学構成要素24は、各コヒーレント光パルスが入射(incident)する時間中に2回しきい値の上にスイッチングされ得、したがって、各パルスの放出時間(emission time)の間の同一の差を有する2つのコヒーレントな放出された光パルスが、コヒーレント光パルスが入射するたびに生成される。光パルスの第1の対(パルス1およびパルス2)は、第1の長いコヒーレント光パルスが入射する期間中に放出される。1つの長いコヒーレント光パルスが入射する期間中に生成されるパルスは、イントラ期間(intra−period)と呼ばれる。光パルスの第2の対(パルス3およびパルス4)は、第2の長いコヒーレント光パルスが入射するときに生成され、パルスの第3の対(パルス5およびパルス6)は、第3の長いコヒーレント光パルスが入射するときに生成される。パルス1の放出とパルス2の放出との間の時間は、パルス3の放出とパルス4の放出との間の時間と同一であり、パルス5の放出とパルス6の放出との間の時間と同一である。パルス1およびパルス2は、イントラ期間である。パルス3およびパルス4は、イントラ期間である。パルス5およびパルス6は、イントラ期間である。パルスの第1の対、パルスの第2の対、およびパルスの第3の対は、固定された位相関係を有する。
位相変調が位相制御要素125で適用されないときには、対の相対位相は、対ごとに同一である。パルス1とパルス2との間の位相差は、パルス3とパルス4との間の位相差ならびにパルス5とパルス6との間の位相差と同一である。任意の2つの連続するイントラ期間パルスの間の位相差は、すべての期間について同一である。異なるコヒーレント光パルスが入射する期間中に生成されるパルスは、インター期間(inter−period)と呼ばれる。たとえば、パルス1およびパルス3は、インター期間であり、パルス2およびパルス3は、インター期間であり、パルス4およびパルス5は、インター期間であり、パルス1およびパルス6は、インター期間である。2つのインター期間パルス(たとえば、パルス2およびパルス3)の間の位相差は、固定されておらず、ランダムである。たとえば、パルス2とパルス3との間の位相差は、パルス4とパルス5との間の位相差に対するランダム関係を有する。
連続波コヒーレント光が光学構成要素24に注入され、位相変調が位相制御要素125で適用されないときには、通常の放出時間を用いて放出されたパルスのすべてが、隣接するパルスの間の同一の位相差を有する。たとえば、3つの光パルス(パルス1、パルス2、およびパルス3)が、コヒーレント波光が入射する期間中に生成され、パルス1の放出とパルス2の放出との間の時間がパルス2の放出とパルス3の放出との間の時間と同一である場合に、パルス1とパルス2との間の位相差は、パルス2とパルス3との間の位相差と同一である。
2つの連続するインター期間パルスの間の位相差は、コヒーレント光源20によって生成される連続する長い光パルスの間に位相コヒーレンスがない場合に限って、真にランダムである。半導体利得スイッチレーザなどのコヒーレント光源20に関して、レーザ放出は、自然放出によって開始される。これは、ランダムプロセスであり、これは、生成されるコヒーレント光パルスの位相がランダムになることを意味する。自然放出のランダムプロセスが、すべてのコヒーレント光パルスのレーザ放出を開始させる責任を負うためには、各コヒーレント光パルスが生成される前に、レーザキャビティ(laser cavity)が完全に空になる必要がある。キャビティ内の光子の個数は、キャリア密度が発振しきい値未満になるや否や、指数関数的に減少する。光子のほとんどがキャビティを去り、その後に生成されるコヒーレント光パルスに関する位相コヒーレンスが存在しないことを保証するまでに、約100psを要する可能性がある。
光学構成要素24から放出されるパルスシーケンスの位相コヒーレンスを調整し、たとえば固定された位相関係を有するパルスの対と、これに続く、第1の対と比較してランダムな位相を有するがお互いとの同一の固定された位相関係を有するパルスの第2の対とを作ることが可能である。任意の個数のコヒーレントパルスに、第2の異なる個数のコヒーレントパルスが続き、光パルスの調整されたシーケンスを構築することが可能である。
一実施形態では、光学構成要素24は、利得スイッチ半導体レーザである。半導体レーザは、時間変動する電流の適用によって、発振しきい値の上と下とに周期的にスイッチングされ得る。第2のコントローラ141は、利得スイッチレーザ24に接続され、半導体利得スイッチレーザ24の場合に電気接続を介して電流を適用することによって、レーザの利得を変調する。
発振しきい値の上に利得スイッチレーザ24をスイッチングするために、第2のコントローラ141は、時間変動する電流とされ得る第2の信号を、利得スイッチレーザ24に接続されたバイアスT(bias-T)の交流入力に供給することができる。直流バイアス電流が、直流入力に供給され得る。一実施形態では、時間変動する電流は、矩形タイプの波形(a square type wave form)を有する。一実施形態では、第2の信号は、1GHz程度の周波数を有する。一実施形態では、第2の信号は、1MHz程度の周波数を有する。代替実施形態では、時間変動する電流は、周波数シンセサイザによって生成される電気正弦波である。時間変動する電流は、任意のパルス形状を有する信号を備えることができる。
利得スイッチレーザ24は、パルスが放出されるときの状態と「オフ」状態との間のよい消光比(extinction ratio)を有する。一実施形態では、放出された光パルスのそれぞれの持続時間は、200psを超える。一実施形態では、放出された光パルスのそれぞれの持続時間は、10nsを超える。一実施形態では、放出された光パルスのそれぞれの持続時間は、100ナノ秒程度である。
第2の信号の周期(The period)は、使用されるシステムの条件に依存して選択され得る。
コヒーレント光源20からのコヒーレント光は、利得スイッチレーザ24の光キャビティに入り、利得スイッチレーザ24のコヒーレンスシーディング(coherence seeding)を引き起こす。用語コヒーレンスシーディングは、レーザシーディング(laser seeding)またはレーザ以外のコヒーレント光源によるシーディングを指すことができる。
コヒーレント光源20からの光の注入がないすなわち、コヒーレンスシーディングなしの利得スイッチレーザ24の動作中に、利得スイッチレーザ24が、発振しきい値の上にスイッチングされるときには、光パルスが、自然放出によって開始され、生成される光パルスの間の位相差は、ランダムである。コヒーレント光源20からの光が、利得スイッチレーザ24に注入され、利得スイッチレーザ24が、発振しきい値の上にスイッチングされるときには、パルスは、注入されたコヒーレント光によって引き起こされた誘導放出(stimulated emission)によって開始される。これは、コヒーレンスシーディングと呼ばれる。
コヒーレンスシーディングが発生するためには、注入される光の周波数が、ある範囲内まで利得スイッチレーザ24の周波数と一致しなければならない。一実施形態では、コヒーレント光源20によって供給される光の周波数と利得スイッチレーザ24の周波数との差は、30GHz未満である。いくつかの実施形態では、利得スイッチレーザ24が、分布帰還(DFB:distributed feedback)レーザダイオードである場合に、周波数差は、100GHz未満である。シーディングされるレーザが、ファブリペローレーザダイオードである他の実施形態では、周波数差は、3テラヘルツ未満である。
コヒーレンスシーディングが発生するときに、利得スイッチレーザ24が発振しきい値の上にスイッチングされるたびに、生成される光パルスは、注入されたコヒーレント光に対する固定された位相関係を有する。
成功のコヒーレンスシーディングのためには、コヒーレント光23のうちでレーザの光キャビティに入る分画(fraction)は、使用される利得スイッチレーザのタイプに依存するある限度内にされなければならない。一実施形態では、注入されるコヒーレント光の光強度(the optical power)は、利得スイッチレーザ24の光出力強度(the optical output power)の1000分の1以下(at least 1000 times lower than)である。一実施形態では、注入されるコヒーレント光の光強度は、利得スイッチレーザ24の光出力強度の100分の1以下である。
コヒーレント光源20は、放出される長い光パルスの強度を低下させる固定された光減衰器を備えることができる。代替案では、コヒーレント光源20は、低速でのみ調整される調整可能な光減衰器を備えることができる。生成されるパルスの強度は、コヒーレント光の強度に依存する。正しい駆動条件を用いると、コヒーレント光が注入されない場合には、パルスは全く生成されない。したがって、コヒーレント光源は、生成される放出された光パルスの強度を変更するために、生成された長い光パルスが利得スイッチレーザ24に供給される前にその強度を変更する強度変調器を備えることができる。光デバイス35は、利得スイッチレーザ24によって生成される放出された光パルスの強度を低下させる第2の光減衰器または利得スイッチレーザ24によって生成された放出された光パルスの強度を変更する強度変調器を備えることができる。
図2(a)は、利得スイッチ半導体レーザの概略図を示す。利得スイッチレーザは、レーザが発振しきい値の上にスイッチングされるときには光を生成し、レーザが発振しきい値の下にスイッチングされるときには光をほとんど生成しない。レーザ140は、ポンプパワー(pump power)の変更によるレーザの利得の変調を可能にする第2のコントローラ141を有する。利得は、時間変動する形で変調され得る。この形でのレーザの駆動は、レーザ出力142での、持続時間において数ピコ秒程度の短いレーザパルスを生成することができる。
レーザ140が半導体レーザである場合には、レーザ140は、電流を適用することによって電気的にポンピングされ得る。半導体レーザの利得を変調するために、第2のコントローラ141は、レーザに適用される電流を変調する。
レーザ140がファイバレーザまたはソリッドステートレーザである場合には、レーザ140は、光学的にポンピングされ得る。ファイバレーザまたはソリッドステートレーザの利得を変調するために、第2のコントローラ141は、レーザに適用される光入力を変調する。
図2(b)は、半導体利得スイッチレーザの利得変調を示す3つのグラフを示す。上側のグラフは、垂直軸にレーザに適用される電流、水平軸に時間を示す。直流バイアスが、水平の点線によって示されている。レーザに適用される電流は、一連の電流変調パルスの形を有する。波は、矩形タイプの波形である。この場合では、電流は、電流変調パルスの間に0まで減少されることはなく、単に、点線によって示されるバイアス値まで減少されるにすぎない。
電流変調信号が、レーザに適用され、レーザの利得を発振しきい値の上と下とに周期的にスイッチングする。第2のグラフは、垂直軸にレーザのキャリア密度、水平軸に時間を示す。発振しきい値は、破線の水平線によって示される。電流変調パルスがレーザに適用されるときに、注入されるキャリアは、キャリア密度を増加させ、光子密度が増加する。
変調信号によって生成されるレーザ出力が、下側のグラフに示されている。垂直軸はレーザ強度を示し、水平軸は時間を示す。キャリア密度が発振しきい値を超えるときに、レーザが光を出力する。レーザキャビティの内部の自然放出によって生成された光子は、出力信号を生成するために誘導放出によって十分に増幅される。電流変調パルスの適用と出力光の生成との間の遅延の長さは、レーザタイプ、キャビティ長、およびポンピングパワー(pumping power)などの複数のパラメータに依存する。
光子密度のすばやい増加は、キャリア密度の減少を引き起こす。これが、光子密度を減少させ、これが、キャリア密度を増加させる。この点で、電流変調パルスは、直流バイアスレベルまで戻るようスイッチングするようにタイミングを定められ(timed to switch back down to)、レーザ放出は、すばやく終了する。したがって、レーザ出力は、下側のグラフに示されているように、短いレーザパルスのトレーン(train)からなる。
光学構成要素は、1GHzのクロックレートおよび1nsの周期で、50%のデューティサイクルで、駆動されて(driven)、そのようなパルスを作り得る。
他の光パルス強度プロファイルが可能である。たとえば、時間強度プロファイル(temporal intensity profile)内に少なくとも2つの極大(local maxima)を有する光パルスが生成され得る。光パルスは、スパイク様(spike-like)時間強度プロファイルとこれに続く台地様(plateau-like)時間強度プロファイルとを有することができる。光パルスの台地様部分は、光パルスのスパイク様部分より長い持続時間を有することができる。光パルスの台地様部分は、定常状態で(in a steady state)放出され、鋭い波長分布を有する。そのような強度プロファイルを有するパルスは、1μsの周期に対応し90%のデューティサイクルを有する約1MHzのクロックレートを用いて生成され得る。そのような強度プロファイルを伴って光学構成要素から放出されるパルスは、きれいな光パルス(clean optical pulses,)であり、よい干渉を生じる。
そのような光パルスを生成するために、直流バイアスは、図2(b)の光パルスを生成するのに使用されるものより高い。その結果、キャリア密度は、よりすばやく増加し、はるかに早い時刻に発振しきい値に達する。キャリア密度が発振しきい値を超えるときに、レーザ発振アクション(a lasing action)が、レーザキャビティの内部の自然に放出された光子によってトリガされ得る。自然放出の時間不確定性に起因して、キャリア密度は、レーザ発振が始まる前に発振しきい値よりはるかに高い値に達することができる。
初めに、光度(light intensity)は、オーバーシュートし、キャリア密度をすばやく減少させる。これは、光パルスのスパイク様部分を生成する。電圧変調パルスの適用と出力光の生成との間の遅延の長さは、レーザタイプ、キャビティ長、および交流駆動電流などの複数のパラメータに依存する。
キャリア密度の減少は、レーザキャビティ内の光子密度を減少させる。レーザ発振は、誘導放出プロセスなので、放出率は、キャビティ光子密度に比例する。したがって、光子放出率は、キャリア密度の再増大(re-build up)を可能にし、光度を増加させるために、減少される。この競合するプロセスが、光度の発振を引き起こす。これが、ピークからなる光パルスのスパイク様部分のプロファイルを引き起こす。したがって、光パルスのスパイク様部分は、光子密度の当初の増加とその後の減少とを備える。
光子密度が2回目に増加する点において、これは、台地様部分の始めである。光子密度の発振は、強く減衰され、したがって、この点において、強度が実質的に一定である定常状態放出(steady-state emission)がある。一実施形態では、強度は、最大値の20%を超えては変化しない。電圧パルスが終了し、電圧をバイアス値にもう一度スイッチングするときに、レーザパルスが終了する。
図2(c)は、半導体利得スイッチレーザの電気駆動回路の概略図を示す。半導体利得スイッチレーザは、レーザダイオード145である。レーザダイオード145のカソードは、インダクタ147と抵抗またはキャパシタ148とを備えるバイアスT 146に接続される。インダクタ147を介して、直流バイアス電流が、レーザダイオードを通って送られる。これは、図3(b)で点線によって示される電流の最小レベルである利得バイアスを提供する。抵抗またはキャパシタ148を介して、交流変調電流が、レーザダイオードを通って送られ、レーザを発振しきい値の上と下とに利得スイッチングするのに必要な利得変調を提供する。
利得スイッチレーザ24に関して、バイアスT 146への変調入力は、第2のコントローラ141によって提供される。コヒーレント光源20に関して、バイアスT 146への変調入力は、第2のコントローラ141によって提供される。
第2の導波管、たとえば光ファイバが、利得スイッチレーザ24の第2のアパーチャに接続され得る。したがって、コヒーレント光源20からのコヒーレント光は、第1のアパーチャを介して注入され、生成された光パルスは、利得スイッチレーザ24内の第2のアパーチャから放出される。利得スイッチレーザアパーチャは、鏡とされ得る。利得スイッチレーザ共振器は、1つの非常に強く反射する鏡とより低い反射率を有する1つの鏡とを備えることができる。これは、共振器の内部の光子のほとんどすべてが、より弱く反射する鏡を介して去ることになる(will leave)ことを意味する。したがって、コヒーレンスシーディングを引き起こすために、コヒーレント光は、強く反射する鏡を介して利得スイッチレーザ24に供給される。強く反射する鏡に入射する光の強度は、コヒーレンスシーディングが発生するのに十分な光がレーザキャビティに入るのに十分に高い(large enough)ものでなければならない。その後、利得スイッチレーザ24内で生成されたパルスは、より低い反射率を有する鏡を介して出る。したがって、より高い反射率を有する鏡は、第1のアパーチャ(それを介してコヒーレント光が供給される)であり、より低い反射率を有する鏡は、第2のアパーチャ(それを介して放出された光パルスが放出される)である。第1のアパーチャと第2のアパーチャとの両方が、アクセス可能である必要がある。これは、レーザ設計に対する変更を必要とする可能性がある。コヒーレント光が入射する鏡の反射率は、レーザシーディングを引き起こすのに十分な光がキャビティに入ることを可能にするために、減少され得る。
代替案では、光は、利得スイッチレーザ24の同一のアパーチャに注入され、これから放出され得る。光配送デバイス(light distribution device)が、生成された放出された光パルスをコヒーレント光パルスから分離するのに使用され得る。
図3(a)は、光配送デバイスが光サーキュレータ27である、一実施形態による光デバイスの概略図である。コヒーレント光源20は、光導波管、たとえば光ファイバによって光サーキュレータ27のポート1に接続される。前記サーキュレータのポート2は、光導波管によって利得スイッチレーザ24に接続される。光サーキュレータ27は、光サーキュレータ27のポート1に入る光がポート2を介して出、ポート2を介して光サーキュレータ27に入る光がポート3を介して出るように構成される。
コヒーレント光源20は、光導波管に沿って移動し、光サーキュレータ27のポート1に入る光21を生成する。光21は、主にサーキュレータのポート2を介して出るが、光の小さい分画が、吸収されまたはポート3を介して出る可能性がある。光21は、光サーキュレータ27のポート2を出、利得スイッチレーザ24に接続された光導波管に沿って移動する光23としてサーキュレータを出る。光23は、利得スイッチレーザ24に注入される。利得スイッチレーザ24は、コヒーレント光によってシーディングされ、位相コヒーレントなレーザパルスを生成する。
第2のコントローラ141は、コヒーレント光23が利得スイッチレーザ24に入射する時間中に利得スイッチレーザ24が複数回発振しきい値の上にスイッチングされるように、利得スイッチレーザ24に時間変動する信号を適用する。したがって、利得スイッチレーザ24は、利得スイッチレーザ24に接続された光導波管にパルス25を放出し、コヒーレント光23とは反対の方向に導波管に沿って移動する。パルス25は、光サーキュレータ27のポート2に入り、光サーキュレータ27のポート3から光導波管、たとえば光ファイバに出る。
図3(b)は、光配送デバイスが光ビームスプリッタ28である、一実施形態による光デバイスの概略図である。コヒーレント光源20は、光ファイバなどの光導波管によって光アイソレータ29のポートに接続される。光アイソレータ29の第2のポートは、光ファイバなどの第2の光導波管によってビームスプリッタ28のポートAに接続される。光アイソレータは、第1のポートを介して入る光が通過することを可能にするが、第2のポートを介して入る光が通過することを防ぐように構成される。光アイソレータを備えない代替実施形態では、コヒーレント光源の出力は、光ファイバなどの単一の光導波管によってビームスプリッタ28のポートAに直接に接続される。光ファイバなどの光導波管が、ビームスプリッタ28のポートCを利得スイッチレーザ24に接続する。
コヒーレント光源20は、コヒーレント光21を放出する。光のうちでポートAを介してビームスプリッタ28に入る第1の分画は、ビームスプリッタのポートCを介して出る。ポートAを介してビームスプリッタ28に入る第2の分画は、ビームスプリッタのポートDを介して出る。コヒーレント光23のうちでポートCを出る第1の分画は、光導波管に沿って移動し、利得スイッチレーザ24に注入される。第2のコントローラ141は、利得スイッチレーザ24に時間変動する電流を適用し、コヒーレンスシーディングが、前に説明したように発生する。利得スイッチレーザ24によって生成された光パルス25は、光導波管に戻って放出され(emitted back into)、コヒーレント光23とは反対の方向に導波管に沿って移動する。光パルス25は、ポートCを介してビームスプリッタ28に入る。光パルスの第1の分画は、ポートAを介してビームスプリッタ28を出、第2の分画はポートBを介して出る。ポートBからの出力は、図1で説明されたデバイスの出力26と同等である。
放出された光パルスのうちでポートAを介して前記ビームスプリッタを出る第1の分画は、光アイソレータ29で停止される。したがって、光アイソレータ29は、利得スイッチレーザ24から放出された光がコヒーレント光源20に入り、前記光源内で擾乱(disturbance)を引き起こすのを防ぐ。ビームスプリッタ28のポートDでの出力は、監視目的で使用され得る。
代替実施形態では、光学構成要素24が、光増幅器24である。一実施形態では、光増幅器24は、半導体光増幅器(SOA)である。光増幅器24は、第2のコントローラ141によって制御される。第2のコントローラ141は、光増幅器24からの光パルスの放出時間を制御する。コヒーレント光源20は、コヒーレント光を光増幅器24に供給する。コヒーレント光が供給される期間中に、第2のコントローラ141は、光デバイス35が光パルスを出力できるように、複数の期間の間に光増幅器24を「オン」状態にスイッチングする。
第2のコントローラ141は、時間変動する信号を適用することによって、光増幅器24を「オン」状態と「オフ」状態との間でスイッチングする。したがって、光増幅器24は、利得スイッチングされる。しきい値は、第2のコントローラ141によって適用される第2の信号が光増幅器を「オン」状態にスイッチングする点である。
SOA 24の利得を変調するために、第2のコントローラ141は、時間変動する信号、たとえば、一連の電流変調パルスの形を有することができる時間変動する電流を適用する。電流変調パルスがSOA 24に適用されるときに、注入される電流は、キャリア密度を増加させ、SOA 24に入力される光は、出力を生成するために誘導放出によって十分に増幅される。この点で、電流変調パルスは、直流バイアスレベルに戻るようにスイッチングするようにタイミングを定められ、出力は、すばやく終了する。したがって、出力は、放出される光パルスのトレーンからなる。
SOA 24が「オン」状態にスイッチングされるときに、入射するコヒーレント光は、増幅され、SOA 24から放出される。SOA 24が「オフ」状態にスイッチングされるときに、入ってくる光は、吸収される。第2の導波管、たとえば光ファイバが、光増幅器24の第2のアパーチャに接続される。
コヒーレント光源20は、SOA 24に入る光を生成する。第2のコントローラ141は、SOA 24が、複数の時間の期間の間に「オン」状態にスイッチングされ、それら「オン」期間と「オン」期間の間の期間の間に「オフ」状態にスイッチングされるように、時間変動する電流をSOA 24に適用する。SOA 24がその間に「オフ」状態である時間の期間の持続時間は、SOA 24がその間に「オン」状態である時間の期間の持続時間より長くされ得る。一実施形態では、放出された光パルスのそれぞれの持続時間は、200psより長い。一実施形態では、放出された光パルスのそれぞれの持続時間は、10nsより長い。
光学構成要素が半導体利得スイッチレーザである場合に関して、第1のコヒーレント光パルスが入射するときにSOA 24から放出されるパルスの第1の対と、第2のコヒーレント光パルスが放出時間の同一の差を伴って入射するときにSOA 24から放出されるパルスの第2の対とは、固定された位相関係を有する。パルスの第1の対の間の位相差は、パルスの第2の対の間の位相差と同一である。しかし、異なる長い光パルスが入射する期間中に放出される2つのパルスの間の位相差は、ランダムである。
SOA 24は、コヒーレント光が入射する期間中に複数回「オン」状態にスイッチングされ、コヒーレントレーザパルスのパルスシーケンスを生成することができる。同一のコヒーレント光が入射する期間中に放出されるパルスのすべてが、固定された位相関係を有する。
代替案では、光学構成要素24は、強度変調器24とされ得る。強度変調器は、入ってくる光パルスの強度を変調する。「オフ」状態では、強度変調器は、光の強度を低いレベルまで減少させる。「オン」状態では、強度変調器は、入ってくる光のより大きい分画が出ることを可能にする。強度変調器は、光パルスを生成するために、コヒーレント光源からの光が存在するときに、「オン」状態と「オフ」状態との間で複数回スイッチングされる。光学構成要素が半導体利得スイッチレーザである場合に関して、第1のコヒーレント光パルスが入射するときに強度変調器24から放出されるパルスの第1の対と、第2のコヒーレント光パルスが入射するときに強度変調器24から放出されるパルスの第2の対とは、固定された位相関係を有する。パルスの第1の対の間の位相差は、パルスの第2の対の間の位相差と同一である。しかし、異なる長い光パルスが入射する期間中に放出される2つのパルスの間の位相差は、ランダムである。
強度変調器は、変調器、たとえば電界吸収変調器内の材料の吸収係数を変更することによって、光の強度を変調することができる。電界吸収変調器は、デバイスに適用される電圧が吸収係数を変更し、したがってデバイスを通って移動する光の強度を変更する半導体デバイスである。別の実施形態では、強度変調器は、マッハツェンダー干渉計に基づく。マッハツェンダーベースの強度変調器は、出力強度を変調するために、干渉計の2つのアームの間の位相差を変更する。
位相変調は、コヒーレント光源20によって生成される光の位相を位相制御要素125を用いて制御することによって実行され得る。コヒーレント光源20は、光パルスを生成することができる。コヒーレント光源20によって生成される光パルス121の第2の部分の位相は、位相制御要素125によって、光パルスの第1の部分に関して変調され得る。代替案では、位相制御要素は、1つの光パルスが生成される期間中に位相変調を複数回適用することができる。代替案では、コヒーレント光源20は、CWコヒーレント光を生成することができる。この場合に、期間が定義され得、CW光のうちで各期間中に放出される部分の位相は、CW光のうちで前の期間中に放出された部分の位相に関して変調され得る。
位相制御要素125は、規則的なインターバルで(at regular intervals)コヒーレント光源20に摂動を適用することができる。コヒーレント光源20が、パルス駆動されたコヒーレント光を生成するように構成される場合に、摂動は、各光パルスの生成の実質的に中間点で発生するようにタイミングを定められ得る。摂動は、コヒーレント光の部分の間の位相を変更し、コヒーレント光の第1の部分とコヒーレント光の第2の部分との間に、ある位相差を作る。摂動は制御され、言い換えると、同一の摂動が、必ず同一の位相シフトを引き起こす。適用される摂動の振幅は、生成される位相シフトに影響する。
コヒーレント光源20は、それに関する位相変化がコヒーレント光が生成される時間中にコヒーレント光源20に短い電流パルスを適用することによって適用される、半導体レーザとされ得る。したがって、摂動は、電流パルスである。
半導体レーザ以外のコヒーレント光源は、長い光パルスの位相を変調するための他の手段を有する場合がある。したがって、他の実施形態では、適用される電流以外の手段が、コヒーレント光パルスの位相を変調するのに使用される。これらの手段は、長いパルス放出中の短い時間の間にポンピングパワーを増加させることを含む。ファイバレーザに関して、光ポンプ信号に追加される光パルス(an optical pulse)が、長い光パルスの位相を変調するのに使用され得る。
コヒーレント光の隣接する部分の間の位相変化が、突然の遷移(abrupt transition)ではなく、光の部分にわたって発生する場合がある。第2の信号は、光の遷移部分が光学構成要素24内に存在するときに光パルスが生成されないように制御される。
第1のコントローラ140は、コヒーレント光源がコヒーレント光を生成するようにするために、コヒーレント光源20に第1の信号を適用するように構成される。
位相制御要素125は、第1の信号に摂動を適用するように構成され、各摂動は、生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る。
生成されたコヒーレント光は、光学構成要素24に供給される。第2のコントローラ141は、光パルスが、生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出され、光パルスが、生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、光学24に第2の信号を適用するように構成される。
一実施形態では、第1のコントローラは、前記コヒーレント光源が連続波コヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に第1の信号を適用するように構成される。図4(a)は、連続波光を生成するために、第1のコントローラ140によってコヒーレント光源20に適用される第1の信号の形を示す。
第1の信号は、コヒーレント光源20が半導体レーザである場合に、コヒーレント光源20に適用される直流電流とされ得る。
図4(b)は、位相制御要素125によって変更(modified by)されたときの、コヒーレント光源20に適用される第1の信号を示す。摂動が、規則的なインターバルで信号に追加される。摂動の振幅は、生成される位相シフトを制御するために変更される。
摂動は、信号に追加されるより小さい電流パルスとされ得る。電流パルスは、それが規則的なインターバルで適用されるようにタイミングを定められる。位相制御要素は、図4(a)に示された直流電流信号にその後に結合されるより小さい電流パルスを生成する別々の要素とされ得る。
摂動ごとに、電流パルス内の電荷の流れの方向は、第1の信号の電荷の流れの方向と同一または反対とされ得る。したがって、各電流パルスは、変化する量だけ第1の信号の振幅を増加させまたは第1の信号の振幅を減少させることができる。これは、反対方向の位相シフトに対応し、たとえば、第1の信号の振幅を第1の量だけ増加させる電流パルスは、+θの位相シフトに対応し、第1の信号の振幅を第1の量だけ減少させる電流パルスは、−θの位相シフトに対応する。
コヒーレント光の第1の部分は、第1の信号の第1の部分に対応して生成される。コヒーレント光の第2の部分は、第1の信号の第2の部分に対応して生成される。第1の信号の第2の部分は、たとえば摂動が適用された後の部分とされ得る。第1の信号の第2の部分は、複数のさらなる摂動が適用された後の部分とされ得る。したがって、第1の部分および第2の部分は、隣接する部分である場合があり、あるいは、信号の任意の部分である場合がある。
第1の信号の「諸部分」は、摂動の間の部分である。コヒーレント光の諸部分は、各摂動の間に生成される部分である。したがって、適用される摂動は、生成されるコヒーレント光を諸部分にセグメント化し、各部分は、適用される摂動によって、以前に生成された部分と比較して位相においてシフトされている。
図4(c)は、第2のコントローラ141によって光学構成要素24に適用される第2の信号を示す。第2の信号は、たとえば電流とされ得る。この信号は、光学構成要素24がしきい値の上すなわち「オン」状態またはレーザ発振状態(lasing state)に周期的にスイッチングされるような振幅(magnitude)の矩形波(square wave)を備える。第1のパルスは、コヒーレント光の第1の部分が存在するときに適用される。第1のパルスは、コヒーレント光の各部分が光学構成要素24内に存在する時間のセクション中に光学構成要素24がしきい値の上にスイッチングされるようにタイミングを定められる。
第1の信号に適用される摂動および光学構成要素24に適用される信号は、光学構成要素での光パルスの生成のタイミングが、コヒーレント光の諸部分が存在するときに対応するようにするために、同期化され得る。
出力レーザパルスが、図4(d)に示されている。矩形パルスは、コヒーレント光の第1の部分が入射する時間中に1つの光パルスが放出され、コヒーレント光の第2の部分が入射する時間中に2つ目が放出され、以下同様になるようにタイミングを定められる。矩形パルスの必要な長さは、レーザタイプ、キャビティ長、およびポンピングパワーなどの複数のパラメータに依存する。
第1のパルスと第2のパルスとの間の位相差は、φ1であり、第2のパルスと第3のパルスとの間の位相差は、φ2であり、第3のパルスと第4のパルスとの間の位相差は、φ3であり、以下同様である。パルスの間の位相差は、位相制御要素125によって適用される位相変調によって決定される。
一実施形態では、第1の信号は、周期的信号であり、コヒーレント光源は、コヒーレント光のパルスを生成する。位相制御要素は、第1の信号に摂動を各周期に1回適用し、生成されるコヒーレント光パルスの第1の部分と生成されるコヒーレント光パルスの第2の部分との間の位相シフトを作るように構成される。
第2のコントローラ141は、周期的な第2の信号を光学構成要素24に適用する。周期的信号は、たとえば周期的電流とされ得る。第2の信号は、パルスが光学構成要素24から放出されるように、各コヒーレント光パルスの第1の部分が存在する期間中に1回、光学構成要素24をしきい値の上にスイッチングする。また、第2の信号は、第2のパルスが放出されるように、各コヒーレント光パルスの第2の部分が存在する期間中に1回、光学構成要素24をしきい値の上にスイッチングする。パルスの対の各パルスの間の位相差は、コヒーレント光パルスの第2の部分に適用される位相シフトによって決定される。図5に示されるように駆動される光学構成要素24から放出されるパルスの第1のセットに関して、パルスの間の位相差は、φ1である。パルスの第2のセットに関して、2つのパルスの間の位相差は、φ2であり、以下同様である。
図5(a)は、コヒーレント光源20に適用される第1の信号の形を示す。この信号は、一連の矩形タイプパルスの形を有し、パルスの間の期間の持続時間は、パルスの持続時間より短い。この信号は、たとえばバイアスTを介して交流電流を直流バイアス電流に結合することによって形成され得る。
図5(b)は、位相制御要素125によって変更されたときのコヒーレント光源20に適用される第1の信号を示す。摂動が、各信号パルスの中点付近で各周期に1回、第1の信号に適用され、生成されるコヒーレント光パルスの第1の部分と生成されるコヒーレント光パルスの第2の部分との間の位相シフトを作る。
摂動は、たとえばバイアスT(the bias tee)の交流入力を介して追加されるより小さい電流パルスを備えることができる。電流パルスは、矩形パルスのうちの1つの上側セクションの中点と一致するようにタイミングを定められる。位相制御要素は、図5(a)に示された矩形パルス交流信号とその後に結合されるより小さい電流パルスを生成する別々の要素とされ得る。その後、結合された信号は、バイアスT(bias tee)の交流入力に入力される。
やはり、摂動ごとに、電流パルス内の電荷の流れの方向は、第1の信号の電荷の流れの方向と同一または反対とされ得る。したがって、各電流パルスは、変化する量だけ第1の信号の振幅を増加させまたは第1の信号の振幅を減少させることができる。これは、反対方向の位相シフトに対応し、たとえば、第1の信号の振幅を第1の量だけ増加させる電流パルスは、+θの位相シフトに対応し、第1の信号の振幅を第1の量だけ減少させる電流パルスは、−θの位相シフトに対応する。
図5(c)は、第2のコントローラ141によって光学構成要素24に適用される第2の周期的信号を示す。この信号は、光学構成要素24がしきい値の上に周期的にスイッチングされるようになる振幅の矩形波を備える。第1のパルスは、コヒーレント光パルスの第1の部分が存在するときに適用される。第2の信号の第1のパルスは、コヒーレント光パルスの第1の部分が光学構成要素24内に存在する時間のセクション中に光学構成要素24がしきい値の上にスイッチングされるようにタイミングを定められる。第2の信号の第2のパルスは、コヒーレント光パルスの第2の部分が存在する時間のセクション中に光学構成要素24がしきい値の上にスイッチングされるようにタイミングを定められる。コヒーレント光源20に適用される第1の信号および光学構成要素24に適用される第2の信号は、放出されるパルスの生成のタイミングが、コヒーレント光パルスの正しいセクションが存在するときに対応するようにするために、同期化され得る。たとえば、両方の信号が、マスタクロック信号に同期化され得る。
放出されたレーザパルスが、図5(d)に示されている。第2の信号の矩形パルスは、コヒーレント光パルスの第1の部分が入射する時間中に1つの光パルスが放出され、コヒーレント光パルスの第2の半分が入射する時間中に2つ目が放出されるようにタイミングを定められる。第2の信号の矩形パルスの必要な長さは、レーザタイプ、キャビティ長、およびポンピングパワーなどの複数のパラメータに依存する。
コヒーレント光源20が、半導体利得スイッチレーザである場合に、駆動回路は、コヒーレント光源20が発振しきい値の上に周期的にスイッチングされ、光パルスを生成するように、時間変動する電流を適用する。コヒーレント光源20に適用される電流は、一連の電流変調パルスの形を有する。この電流は、電流変調パルスの間に0まで減少されることはなく、単に、バイアス値まで減少されるにすぎない可能がある。コヒーレント光源20は、キャリア密度が発振しきい値を超えるときに光を出力する。より長いパルスを生成するために、利得バイアスは、発振しきい値により近くなるように選択される。これは、キャリア密度が発振しきい値をより早く超え(crosses the lasing threshold earlier)、これが、光パルスに放出(evolve)するためのより長い時間を与えることを意味する。初めに、光度は、オーバーシュートし、キャリア密度をすばやく減少させる。これが、光子密度を減少させ、キャリア密度を増加させ、これが、光度を増加させる。この競合するプロセスが、強く減衰される、パルスの始めの光度の発振を引き起こし、すぐさま強度が一定である定常状態をもたらす。この発振(oscillations)は、緩和振動(relaxation oscillations)と呼ばれる。電流パルスが終了し、電流をもう一度バイアス値にスイッチングするときに、レーザパルスが終了する。
一実施形態では、長い光パルスのそれぞれの持続時間は、200ns以上である。一実施形態では、長い光パルスの間の期間は、100ns以上である。
光学構成要素24は、コヒーレント光パルスが入射する時間中に2回、しきい値の上にスイッチングされ、2つの光パルスを放出する。
光学構成要素24がしきい値の上にスイッチングされるたびに、放出された光パルスは、注入されたコヒーレント光に対する固定された位相関係を有する。光学構成要素24は、各コヒーレント光パルスが入射する時間中に2回、しきい値の上にスイッチングされ、したがって、各パルスの放出時間の間の同一の差を有する2つのコヒーレントな放出された光パルスが、コヒーレント光パルスが入射するたびに生成される。光パルスの第1の対(パルス1およびパルス2)は、第1のコヒーレント光パルスが入射する期間中に生成される。光パルスの第2の対(パルス3およびパルス4)は、第2のコヒーレント光パルスが入射するときに生成され、光パルスの第3の対(パルス5およびパルス6)は、第3のコヒーレント光パルスが入射するときに生成される。パルス1およびパルス2は、イントラ期間である。パルス3およびパルス4は、イントラ期間である。パルス5およびパルス6は、イントラ期間である。
パルスの第1の対の間の位相差は、φ1であり、パルスの第2の対の間の位相差は、φ2であり、パルスの第3の対の間の位相差は、φ3である。イントラ期間パルスの間の位相差は、位相制御要素125によって適用される位相変調によって決定される。
パルス1およびパルス3は、インター期間であり、パルス2およびパルス3は、インター期間であり、パルス4およびパルス5は、インター期間であり、パルス1およびパルス6は、インター期間である。2つのインター期間パルス(たとえば、パルス2およびパルス3)の間の位相差は、固定されておらず、ランダムである。たとえば、パルス2とパルス3との間の位相差は、パルス4とパルス5との間の位相差に対するランダム関係を有する。
各対の光パルスの一方は、信号光パルスとして指定され、他方の光パルスは、基準光パルスとして指定される。各対の第1のパルスは、基準パルスからの雑音が信号パルスに影響することを防ぐために、信号パルスとして指定され得る。
半導体利得スイッチレーザなどのコヒーレント光源に関して、生成されるコヒーレント光パルスは、変化するキャリア密度に関係するレーザキャビティの内部の屈折率(index of refraction)の変化に起因して、パルスの前面で周波数チャープを示す(exhibit a frequency chirp at the front of the pulse)。したがって、コヒーレンスシーディングに関して、レーザが定常状態で放出している、長いパルスの中央部分が使用され得る。したがって、光学構成要素24から放出された光パルスは、コヒーレント光パルスの始めが供給されるときには、放出されない。
一実施形態では、第1のコントローラは、前記コヒーレント光源20が連続波コヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源20に第1の信号を適用するように構成される。位相制御要素125は、交番する摂動が前の位相シフトを打ち消すように摂動を適用するように構成される。生成される光のうちで交番する摂動に対応する部分が受信される時間の期間中に放出された光パルスの間の位相差は、実質的に0である。
図6(a)は、連続波光を生成するために第1のコントローラ140によってコヒーレント光源20に適用される第1の信号の形を示す。
第1の信号は、コヒーレント光源20が半導体レーザである場合に、コヒーレント光源20に適用される直流電流とされ得る。
図6(b)は、位相制御要素125によって変更されたときの、コヒーレント光源20に適用される第1の信号を示す。摂動が、規則的なインターバルで信号に追加される。摂動の振幅は、生成される位相シフトを制御するために変更される。
摂動は、信号に追加される電流パルスとされ得る。電流パルスは、それが規則的なインターバルで適用されるようにタイミングを定められる。位相制御要素は、その後に図4(a)に示された直流電流信号と結合される電流パルスを生成する別々の要素とされ得る。
摂動は、対を形成する。摂動の各対は、等しく反対の大きさを有する(of equal and opposite magnitude)第1の摂動と第2の摂動とを備える。1つおきの摂動すなわち交番する摂動が、前に適用された位相シフトを打ち消す。
摂動が電流パルスである場合に、第1の摂動は、第1の大きさの正の電流パルスとされ得、第2の摂動は、第1の大きさの負の電流パルスとされ得、第3の摂動は、第2の大きさの正の電流パルスとされ得、第4の摂動は、第2の大きさの負の電流パルスとされ得、第5の摂動は、第3の大きさの負の電流パルスとされ得、第6の摂動は、第3の大きさの正の電流パルスとされ得、以下同様である。
したがって、摂動の対ごとに、電流パルス内の電荷の流れの方向は、反対であり、大きさは、同一である。したがって、電流パルスの各対は、第1の信号の振幅を増加させ、その後、第1の信号の振幅を同一の量だけ(by the same amount)減少させる。これは、反対方向の位相シフトに対応し、たとえば、第1の電流パルスは、+θの位相シフトに対応する第1の量だけ第1の信号の振幅を増加させ、その対の次の電流パルスは、−θの位相シフトに対応する第1の量だけ第1の信号の振幅を減少させる。
コヒーレント光の第1の部分は、第1の信号の第1の部分に対応して生成される。コヒーレント光の第2の部分は、第1の信号の第2の部分に対応して生成される。第1の信号の第2の部分は、たとえば摂動が適用された後の部分とされ得る。第1の信号の第2の部分は、複数のさらなる摂動が適用された後の部分とされ得る。第1の信号の諸部分は、摂動の間の部分である。コヒーレント光の諸部分は、各摂動の後に生成される部分である。したがって、適用される摂動は、生成されるコヒーレント光を諸部分にセグメント化し、各部分は、適用される摂動によって、以前に生成された部分と比較して位相においてシフトされている。各交番する部分に適用される位相シフトは、前の部分に適用された位相シフトを打ち消す。
図6(c)は、第2のコントローラ141によって光学構成要素24に適用される第2の信号を示す。第2の信号は、たとえば電流とされ得る。第2の信号は、光学構成要素24がしきい値の上すなわち「オン」状態またはレーザ発振状態に周期的にスイッチングされるような振幅の矩形波を備える。第1のパルスは、コヒーレント光の第1の部分が存在するときに適用される。第1のパルスは、コヒーレント光の第1の部分が光学構成要素24内に存在する時間のセクション中に光学構成要素24がしきい値の上にスイッチングされるようにタイミングを定められる。第2のパルスは、コヒーレント光の第2の部分が存在する時間のセクション中に光学構成要素が発振しきい値の上にスイッチングされるようにタイミングを定められ、以下同様である。
第1の信号および光学構成要素24に適用される信号に適用される摂動は、光学構成要素での光パルスの生成のタイミングが、コヒーレント光の諸部分が存在するときに対応するようにするために、同期化され得る。
出力レーザパルスが、図6(d)に示されている。矩形パルスは、コヒーレント光の第1の部分が入射する時間中に1つの光パルスが放出され、コヒーレント光の第2の部分が入射する時間中に2つ目が放出され、以下同様になるようにタイミングを定められる。矩形パルスの必要な長さは、レーザタイプ、キャビティ長、およびポンピングパワーなどの複数のパラメータに依存する。
交番する摂動に対応する生成された光の部分が受信される時間の期間中に放出された光パルスの間の位相差は、実質的に0である。
パルスの第1の対の位相差は、φ1であり、パルスの第2の対の間の位相差は、φ2であり、パルスの第3の対の間の位相差は、φ3である。イントラ期間パルスの間の位相差は、位相制御要素125によって適用される位相変調によって決定される。
第1のパルスと第3のパルスとの間の位相差は、実質的に0である。第3のパルスと第5のパルスとの間の位相差は、実質的に0である。交番するパルスは、実質的に0の位相差を有する。
一般に、放出されるパルスの長さは、コヒーレント光源20から来る光パルス(optical pulse)の長さに依存する。
図6(e)は、交番する摂動が前の位相シフトを打ち消す、コヒーレント光源に適用される第1の信号の別の例を示す。摂動によって分離された第1の信号の部分に対応するコヒーレント光の部分の間の位相差が示されている。第1の摂動は、+ψ1の位相シフトを適用し、第2の摂動は、−ψ1の位相シフトを適用し、第3の摂動は、−ψ2の位相シフトを適用し、第4の摂動は、+ψ2の位相シフトを適用し、第5の摂動は、−ψ3の位相シフトを適用し、第4の摂動は、+ψ3の位相シフトを適用し、以下同様である。
図7は、一実施形態による光デバイス75の概略図である。光デバイス75は、光パルスを出力するように構成される。
ビームスプリッタと、50:50ビームスプリッタと、偏光ビームスプリッタとを表すために図面全体を通じて全般的に使用される記号も、参照としてこの図に示されている。
光デバイス75は、第1の光学構成要素24aと第2の光学構成要素24bとに光学的に結合されたコヒーレント光源20を備える。
コヒーレント光源20は、ビームスプリッタ22を介して第1の光学構成要素24と第2の光学構成要素とに結合される。
図3(a)と図3(b)とに関連して説明された光サーキュレータまたはさらなるビームスプリッタなどのさらなる構成要素が、コヒーレント光源20を第1の構成要素24aに結合することができる。図3(a)と図3(b)とに関連して説明された光サーキュレータまたはさらなるビームスプリッタなどのさらなる構成要素が、コヒーレント光源20を第2の構成要素24bに結合することができる。
一実施形態では、第1の光学構成要素24aは、利得スイッチレーザである。一実施形態では、利得スイッチレーザ24aは、半導体レーザである。代替実施形態では、利得スイッチレーザ24aは、ファイバレーザである。代替案では、第1の光学構成要素24aは、強度変調器または光増幅器とされ得る。
一実施形態では、第2の光学構成要素24bは、利得スイッチレーザである。一実施形態では、利得スイッチレーザ24bは、半導体レーザである。代替実施形態では、利得スイッチレーザ24bは、ファイバレーザである。代替案では、第2の光学構成要素24bは、強度変調器または光増幅器とされ得る。
光デバイス75は、前記コヒーレント光源20がコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源20に第1の信号を適用するように構成された第1のコントローラ140を備える。
光デバイス75は、第1の信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素125をさらに備える。位相制御要素125は、第1の信号に摂動を適用するように構成され、各摂動は、生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る。
生成されたコヒーレント光は、第1の光学構成要素24aに供給される。第2のコントローラ141aは、光パルスが、生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、第1の光学構成要素24aに第2の信号を適用するように構成される。第2の信号は、第2の信号がしきい値の上にスイッチングするたびに光パルスを光学構成要素24aから放出させる時間変動する信号である。その後、これらの光パルスは、光デバイス75から放出される。
生成されたコヒーレント光は、第2の光学構成要素24bにも供給される。第3のコントローラ141bは、光パルスが、生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、第2の光学構成要素24bに第3の信号を適用するように構成される。第3の信号は、第2の信号がしきい値の上にスイッチングするたびに光パルスを第2の光学構成要素24bから放出させる時間変動する信号である。その後、これらの光パルスは、光デバイス75から放出される。
第1のコントローラ、第2のコントローラ、および第3のコントローラは、たとえばマスタクロック信号によって、同期化され得る。
動作中に、コヒーレント光源20は、コヒーレント光を生成する。コヒーレント光は、コヒーレント光源20から放出され、ビームスプリッタ22に入る。ビームスプリッタは、コヒーレント光を、第1の光学構成要素24aと第2の光学構成要素24bとに分割する。
コヒーレント光源20からのコヒーレント光は、第1の光学構成要素24aに入る。第2のコントローラ141aは、複数の光パルスが放出されるように、第1の光学構成要素24aに時間変動する信号を適用する。
第1の光学構成要素24aがしきい値の上にスイッチングされるたびに、放出された光パルスは、注入されたコヒーレント光に対する固定された位相関係を有する。
コヒーレント光源20からのコヒーレント光は、第2の光学構成要素24bにも入る。第3のコントローラ141bは、複数の光パルスが放出されるように、第2の光学構成要素24bに時間変動する信号を適用する。
第2の光学構成要素24bがしきい値の上にスイッチングされるたびに、放出された光パルスは、注入されたコヒーレント光に対する固定された位相関係を有する。
したがって、第1の光学構成要素24aから放出された光パルスと第2の光学構成要素24bから放出された光パルスとの間の位相差は、コヒーレント光のうちで光パルスが第1の光学構成要素24aから放出されたときに存在した部分とコヒーレント光のうちで光パルスが第2の光学構成要素24bから放出されたときに存在した部分との間の位相差と同一である。
第1の光学構成要素24aおよび第2の光学構成要素24bからの出力は、単一の導波管上へ結合され得る。光デバイスは、2つの出力を結合するビームスプリッタ26を備えることができる。したがって、光デバイス75は、ビームスプリッタ22とビームスプリッタ26とによって形成される2つの「アーム」を備える。第1のアームは、第1の光学構成要素24aを備え、第2のアームは、第2の光学構成要素24bを備える。
第1の光学構成要素24aから放出された光パルスおよび第2の光学構成要素24bから放出された光パルスは、コヒーレント光の異なる部分が存在する時間期間中に放出される。したがって、第1の光学構成要素24aからの出力は、単一の導波管上で結合されるときに、第2の光学構成要素24bの出力から時間的にずらされる(displaced in time)。代替案では、遅延構成要素が、光デバイスのアームの一方に含まれ得る。遅延構成要素は、第1の光学構成要素24aから放出された光パルスと第2の光学構成要素24bから放出された光パルスとの間の時間的なずれ(the displacement in time)を増加させまたは減少させることができる。遅延構成要素は、光パルスの期間の1倍以上(by one or more times)出力をシフトすることができる。したがって、コヒーレント光パルスの隣接する部分に対応する出力パルスの間の時間遅延は、0または非0とされ得る。さらに、コヒーレント光の部分が存在する期間中にパルスが放出される点は、パルスの間の時間遅延を調整するのに使用され得る。したがって、出力導波管内のパルスの間の時間遅延は、光学構成要素の前後の導波管内の伝搬時間によって決定され、これは、電気駆動信号をシフトすることによって微調整され得る。
ビームスプリッタ26は、偏光ビームスプリッタとされ得、90°偏光回転子が、一方のアームに含まれ得る。したがって、光学構成要素から放出されたパルスは、出力導波管内で直交する偏光(orthogonal polarisation)を有する。この場合、第1の光学構成要素24aからの出力と第2の光学構成要素24bからの出力とが結合されるとき、それらは、直交する偏光を有する。第1の光学構成要素24aからのパルスと第2の光学構成要素24bからのパルスとの間の時間遅延が、0にセットされ、2つのパルスの強度が同一である場合に、デバイスは、コヒーレント光源での位相摂動によってセットされ得る偏光を有する単一のパルスを放出する。結果の偏光(The resulting polarisation)は、ビームスプリッタ26に入る2つのパルスの間の位相差に依存する。ビームスプリッタ22、2つのアーム、およびビームスプリッタ26は、その出力が2つのアームの間の位相差に依存する、平衡マッハツェンダー干渉計(balanced Mach−Zehnder interferometer)を形成する。
一般に、偏光ビームスプリッタ26自体は、複数の入力のうちの1つの偏光を回転することができ、その場合には、別々の回転子が含まれる必要はない。代替案では、一方のアームの光ファイバが、90度の角度で偏光ビームスプリッタに接続され得、やはり、これは、別々の回転子が含まれる必要がないことを意味する。
このデバイス内では、コヒーレント光源20、たとえば「マスタレーザは、ビームスプリッタ22を介して2つの光学構成要素、たとえば「スレーブ」レーザに結合される。コヒーレント光源20は、たとえばコヒーレント光パルスの中央で摂動を適用することによって位相変調される光を生成する。これは、コヒーレント光の部分の間で位相シフトを生成するためである。光学構成要素は、光パルス(optical pulse)を生成するために、信号、たとえば周期的電気信号を用いてそれぞれ駆動される。第2のコントローラ141aは、第1の光学構成要素24aが、それがコヒーレント光の第1の部分を受信する時間中にパルスを生成することを保証し、第3のコントローラ141bは、第2の光学構成要素24bが、それがコヒーレント光の第2の部分を受信する時間中にパルスを生成することを保証する。第2のコントローラ141aおよび第3のコントローラ141bは、たとえば単一の構成要素とされ得る。第1のコントローラ140も、この構成要素に一体化され得る。
単一のコヒーレント光パルスが存在する期間中に2つの光学構成要素によって放出される2つのパルスは、コヒーレント光源に適用される位相摂動によって決定される位相差を有する固定された位相関係を有する。その後、第1の光学構成要素24aおよび第2の光学構成要素24bの出力は、ビームスプリッタ26を用いて単一の出力導波管に結合される。
強度変調器、たとえば、第1の光学構成要素24aと第2の光学構成要素24bとのそれぞれの前または後の、低速減衰器(slow attenuator)または高速変調器および/または偏光コントローラなどの追加の要素が、含められ得る。
光学構成要素から放出されるパルスは、異なる強度を有することができる。2つのパルスの強度は、たとえば第2の信号と第3の信号との振幅を制御することによって、またはアームの一方もしくは両方に強度変調器を含めることによって、別々にセットされ得る。代替案では、ビームスプリッタ22は、不等ビームスプリッタ(unequal beam splitter)とされ得、たとえばより多くのコヒーレント光を第2の光学構成要素24bに注入し、第1の光学構成要素24aの出力と第2の光学構成要素24bの出力との間に固定された強度差がセットされることを可能にすることができる。
光デバイス75は、さらなる光学構成要素を備えることができる。コヒーレント光源20は、たとえば1xNカプラを介して、さらなる光学構成要素に光を供給することができる。
一実施形態では、第1の信号は、周期的信号であり、コヒーレント光源は、コヒーレント光のパルスを生成する。位相制御要素は、各期間中に1回、第1の信号に摂動を適用し、生成されたコヒーレント光パルスの第1の部分と生成されたコヒーレント光パルスの第2の部分との間の位相シフトを作るように構成される。
第2のコントローラ141aは、周期的な第2の信号を第1の光学構成要素24aに適用する。周期的信号は、たとえば周期的電流とされ得る。第2の信号は、パルスが光学構成要素24から放出されるように、各コヒーレント光パルスの第1の部分が存在する期間中に1回、光学構成要素24aをしきい値の上にスイッチングする。
第3のコントローラ141bは、周期的な第3の信号を第2の光学構成要素24bに適用する。周期的信号は、たとえば周期的電流とされ得る。第3の信号は、第2のパルスが放出されるように、各コヒーレント光パルスの第2の部分が存在する期間中に1回、第2の光学構成要素24bをしきい値の上にスイッチングする。
パルスの対の各パルスの間の位相差は、コヒーレント光パルスの第2の部分に適用される位相シフトによって決定される。図8(a)に示された第1の光学構成要素24aと第2の光学構成要素24bとから放出されるパルスの第1のセットに関して、パルスの間の位相差は、φ1である。パルスの第2のセットに関して、2つのパルスの間の位相差は、φ1’であり、以下同様である。
図8(a)は、位相制御要素125によって変更されたときの、コヒーレント光源20に適用される第1の信号の形を示す。摂動が、各信号パルスの中点付近で各期間に1回、第1の信号に適用され、生成されるコヒーレント光パルスの第1の部分と生成されるコヒーレント光パルスの第2の部分との間の位相シフトを作る。信号は、図5(a)と図5(b)とに関連して説明されたものと同一の形を有する。
図8(a)は、第2のコントローラ141aによって第1の光学構成要素24aに適用される第2の周期的信号をも示す。この信号は、第1の光学構成要素24aがしきい値の上に周期的にスイッチングされるような振幅の矩形波を備える。パルスは、コヒーレント光パルスの第1の部分が存在するときに適用される。第2の信号の第1のパルスは、コヒーレント光パルスの第1の部分が第1の光学構成要素24a内に存在する時間のセクション中に第1の光学構成要素24aがしきい値の上にスイッチングされるようにタイミングを定められる。
図8(a)は、第3のコントローラ141bによって第2の光学構成要素24bに適用される第3の周期的信号をも示す。この信号は、光学構成要素24がしきい値の上に周期的にスイッチングされるような振幅の矩形波を備える。第2の信号のパルスは、コヒーレント光パルスの第2の部分が存在する時間のセクション中に第2の光学構成要素24bがしきい値の上にスイッチングされるようにタイミングを定められる。
コヒーレント光源20に適用される第1の信号、第1の光学構成要素24aに適用される第2の信号、および第2の光学構成要素24bに適用される第3の信号は、放出されるパルスの生成のタイミングがコヒーレント光パルスの正しいセクションが存在するときに対応するようにするために、同期化され得る。たとえば、両信号は、マスタクロック信号に同期化され得る。
光学構成要素24がしきい値の上にスイッチングされるたびに、放出された光パルスは、注入されたコヒーレント光に対する固定された位相関係を有する。第1の光学構成要素24aは、各コヒーレント光パルスが入射する時間中に1回、しきい値の上にスイッチングされ、第2の光学構成要素24bは、各コヒーレント光パルスが入射する時間中に1回、しきい値の上にスイッチングされる。第1の光学構成要素がしきい値の上にスイッチングされるときと第2の光学構成要素24bがしきい値の上にスイッチングされるときとの間には遅延がある。したがって、各パルスの放出時間の間の同一の差を有する2つのコヒーレントな放出された光パルスが、コヒーレント光パルスが2つの光学構成要素に入射するたびに生成される。光パルスの第1の対(パルス1およびパルス2)は、第1のコヒーレント光パルスが入射する期間中に生成される。光パルスの第2の対(パルス3およびパルス4)は、第2のコヒーレント光パルスが入射するときに生成され、パルスの第3の対(パルス5およびパルス6)は、第3のコヒーレント光パルスが入射するときに生成される。パルス1およびパルス2は、イントラ期間である。パルス3およびパルス4は、イントラ期間である。パルス5およびパルス6は、イントラ期間である。
パルスの第1の対の間の位相差は、φ1であり、パルスの第2の対の間の位相差は、φ1‘であり、パルスの第3の対の間の位相差は、φ1‘’である。イントラ期間パルスの間の位相差は、位相制御要素125によって適用される位相変調によって決定される。
パルス1およびパルス3は、インター期間であり、パルス2およびパルス3は、インター期間であり、パルス4およびパルス5は、インター期間であり、パルス1およびパルス6は、インター期間である。2つのインター期間パルス(たとえば、パルス2およびパルス3)の間の位相差は、固定されておらず、ランダムである。たとえば、パルス2とパルス3との間の位相差は、パルス4とパルス5との間の位相差に対するランダム関係を有する。
一実施形態では、第1のコントローラは、前記コヒーレント光源20が連続波コヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源20に第1の信号を適用するように構成される。図8(b)は、位相制御要素125によって変更されたときの、連続波光を生成するために第1のコントローラ140によってコヒーレント光源20に適用される第1の信号の形を示す。摂動が、規則的なインターバルで信号に追加される。摂動の振幅は、生成される位相シフトを制御するために変更される。第1の信号は、図4(a)と図4(b)とに示された第1の信号に対応する。
コヒーレント光の第1の部分は、第1の信号の第1の部分に対応して生成される。コヒーレント光の第2の部分は、第1の信号の第2の部分に対応して生成される。第1の信号の第2の部分は、たとえば摂動が適用された後の部分とされ得る。第1の信号の第2の部分は、複数のさらなる摂動が適用された後の部分とされ得る。
図8(b)は、第2のコントローラ141aによって第1の光学構成要素24aに適用される第2の信号をも示す。この信号は、第1の光学構成要素24aがしきい値の上すなわち「オン」状態またはレーザ発振状態に周期的にスイッチングされるような振幅の矩形波を備える。第1のパルスは、コヒーレント光の第1の部分が存在するときに適用される。第1のパルスは、コヒーレント光の第1の部分が光学構成要素24内に存在する時間のセクション中に光学構成要素24aがしきい値の上にスイッチングされるようにタイミングを定められる。パルスが、コヒーレント光の1つおきの部分が存在するときに対応して、第1の光学構成要素24aに適用される。
図8(b)は、第3のコントローラ141bによって第2の光学構成要素24bに適用される第3の信号をも示す。この信号は、第2の光学構成要素24bがしきい値の上すなわち「オン」状態またはレーザ発振状態に周期的にスイッチングされるような振幅の矩形波を備える。第1のパルスは、コヒーレント光の第2の部分が存在するときに適用される。第1のパルスは、コヒーレント光の第2の部分が第2の光学構成要素24b内に存在する時間のセクション中に第2の光学構成要素24bがしきい値の上にスイッチングされるようにタイミングを定められる。パルスが、コヒーレント光の1つおきの部分すなわち、第1の光学構成要素24aに適用されるパルスに対する交番する部分が存在するときに対応して、第2の光学構成要素24aに適用される。
第1の信号、第2の信号、および第3の信号に適用される摂動は、光学構成要素での光パルスの生成のタイミングが、コヒーレント光の正しい部分が存在するときに対応するようにするために、同期化され得る。
第1の光学構成要素24aから放出される第1のパルスと第2の光学構成要素24bから放出される第1のパルスすなわちデバイスから放出される第2のパルスとの間の位相差は、φ2である。第2のパルスと第3のパルスとの間の位相差は、φ3であり、第3のパルスと第4のパルスとの間の位相差は、φ4であり、以下同様である。パルスの間の位相差は、位相制御要素125によって適用される位相変調によって決定される。
位相変調パターンと2つ以上の光学構成要素からのパルス放出とのさらなる組合せが、可能である。
図9(a)は、一実施形態による連続変数量子通信システムのための送信器の概略図である。
送信器は、コヒーレント光源20を備える。第1のコントローラ140は、前に説明されたように、コヒーレント光源20がコヒーレント光を生成するように、コヒーレント光源20に第1の信号を適用するように構成される。第1の信号は、コヒーレント光源20がパルス駆動されたコヒーレント光または連続波コヒーレント光を放出するように、周期的信号または一定の信号とされ得る。位相制御要素125は、第1の信号に摂動を適用するように構成され、各摂動は、生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る。この場合に、位相変調は、上で図4に関連して説明されたものに対応するが、他の変調パターンが適用され得る。
送信器は、たとえば光源、光増幅器、または強度変調器とされ得る光学構成要素24をさらに備える。コヒーレント光源20は、コヒーレント光を前記光学構成要素24に供給する。やはりコヒーレント光源20によって供給される1つまたは複数のさらなる光学構成要素24があってもよい。コヒーレント光源20および光学構成要素24は、たとえばビームスプリッタまたは光サーキュレータを介して、前に説明されたように光学的に結合され得る。
第2のコントローラ141は、光パルスが、コヒーレント光の各部分が受信される時間の期間中に放出されるように、光学構成要素24に第2の信号を適用するように構成される。異なる放出パターンが可能であり、たとえば、光学構成要素24は、コヒーレント光の1つおきの部分中に1つの光パルスを、あるいは各部分中に2つ以上の光パルスを放出することができる。この場合に、光学構成要素24は、時間強度プロファイル内に少なくとも2つの極大を有し、スパイク様時間強度プロファイルとこれに続く台地様時間強度プロファイルとを有する長い光パルスを放出する。しかし、時間強度プロファイル内に単一の最大値を有するより短い光パルスが、放出され得る。
送信器は、放出された光パルスの振幅を変調するように構成された強度制御要素をさらに備える。この場合に、強度制御要素は、強度変調が光学構成要素24から放出された光パルスに直接に適用されるように、光学構成要素24の後に配置された強度変調器90であるが、下で説明されるように、他の強度制御要素が使用され得る。
位相制御要素125および強度制御要素90は、放出された光パルスの位相と振幅との値の連続体内で情報を符号化するように構成される。これは、下でより詳細に説明される。放出されるパルスのそれぞれは、信号パルスである。
前に説明されたように、第1のコントローラ140、第2のコントローラ141、および位相制御要素125は、単一の構成要素内に一体化され得る。
図9(b)は、一実施形態による連続変数量子通信システムのための送信器の概略図である。この場合に、第1のコントローラ140、第2のコントローラ141、および位相制御要素125は、単一の構成要素内に一体化されて図示されているが、その代わりに別々の構成要素とされ得る。
送信器は、図9(a)に関連して説明されたように、コヒーレント光源20と光学構成要素24と強度変調器90とを備える。
位相変調が、上で図5に関連して説明されたように適用される。したがって、光学構成要素24は、光パルスの対を放出し、対の第1の光パルスと対の第2の光パルスとの間の位相差は、第1の信号に適用される摂動によって作られる位相シフトによって制御される。
強度変調器90は、対の光パルスのうちの1つの強度が変調され得るように、光学構成要素24の後に配置される。
各対の光パルスの一方は、信号光パルスとして指定され、他方の光パルスは、基準光パルスとして指定される。
位相制御要素125および強度制御要素90は、信号光パルスの振幅および各対の信号光パルスと基準光パルスとの間の位相差の値の連続体内で情報を符号化するように構成される。これは、後でより詳細に説明される。
送信器は、信号光パルスの強度を基準光パルスの強度よりはるかに低い強度まで低下させるために、2つ以上の強度変調器90を備えることができる。たとえば、送信器は、信号光パルスの強度を一定の量だけ低下させるように構成された第1の強度変調器を備えることができる。一実施形態では、第1の強度変調器は、信号光パルスの強度を150個未満の光子まで一定の量だけ低下させる。一実施形態では、第1の強度変調器は、信号光パルスの強度を約100個の光子まで一定の量だけ低下させる。一実施形態では、第1の強度変調器は、信号光パルスの強度を約10個の光子まで一定の量だけ低下させる。一実施形態では、第1の強度変調器はまた、基準光パルスの強度を約108個の光子まで低下させる。
その後、第2の強度変調器が、強度を第1の強度変調器によってセットされた最大値よりさらに低く変調することによって、信号光パルスの振幅内で情報を符号化する。言い換えると、第1の強度変調器は、信号パルスの振幅の最大値を決定する。この最大値は、下で説明されるように、XとPとを選択するのに使用されるガウス分布の「分散」を表す。この最大値以内で、振幅は、第2の強度変調器によってさらに変調される。
送信器は、偏光制御要素をも備える。偏光制御要素は、一方のパルスの偏光が他方のパルスの偏光に直交するように、各対の一方のパルスの偏光を90度だけ反転(flip)するように構成された偏光変調器92とされ得る。偏光変調器92は、電圧を適用することによって光学媒体内の複屈折の変調を可能にするデバイスであり、言い換えると、第1の偏光モードの屈折率(refractive index)は、電圧を適用することによって第2の直交偏光モードの屈折率に関して変更され得る。この効果は、たとえばポッケルスセル内に存在するが、たとえばGaAsに基づく他のデバイスが存在する。複屈折の調整は、それが2つの偏光モードの間の相対位相を変更するので、入ってくる光の偏光の回転を可能にする。偏光制御要素は、偏光変調が、放出される1つおきの光パルスだけに適用されるように、コントローラによって制御され、光パルス放出時間に同期化される。
図9(c)は、第1の光学構成要素24aと第2の光学構成要素24bとを備える、一実施形態による連続変数量子通信システムのための送信器の概略図である。さらなる光学構成要素が、含められ得る。第1のコントローラ140、第2のコントローラ141a、第3のコントローラ141b、および位相制御要素125は、単一の構成要素内に一体化されて図示されているが、その代わりに、別々の構成要素とされ得る。
コヒーレント光源20、第1の光学構成要素24a、および第2の光学構成要素24bは、たとえばビームスプリッタを介して、前に説明されたように光学的に結合され得る。
位相変調が、上で図8(a)に関連して説明されたように適用される。したがって、第1の光学構成要素24aおよび第2の光学構成要素24bは、光パルスの対を放出し、対の一方の光パルスは第1の光学構成要素24aから放出され、他方の光パルスは第2の光学構成要素24bから放出される。対の第1の光パルスと対の第2の光パルスとの間の位相差は、第1の信号に適用される摂動によって作られる位相シフトによって制御される。
送信器は、第1のアーム上で第1の光学構成要素の後に配置された、図9(a)に関連して説明された強度変調器90を備える。強度変調器90は、対の光パルスのうちの1つの強度が変調され得るように構成される。
各対の光パルスの一方は、信号光パルスとして指定され、他方の光パルスは、基準光パルスとして指定される。この場合では、第2の光学構成要素24bから放出された光パルスが、基準光パルスとして指定されるが、第1の光学構成要素24aから放出された光パルスが、基準光パルスとされ得る。
位相制御要素125および強度制御要素90は、信号光パルスの振幅および各対の信号光パルスと基準光パルスとの間の位相差の値の連続体内で情報を符号化するように構成される。これは、後でより詳細に説明される。
送信器は、さらなる構成要素を備えることができる。たとえば、図9(c)に示された送信器は、第1のアーム上の第1の減衰器91aと第2のアーム上の第2の減衰器91bとを備える。一実施形態では、第1の減衰器91aは、光パルスの強度を約100個の光子まで低下させる。一実施形態では、第1の減衰器91aは、光パルスの強度を約10個の光子まで低下させる。一実施形態では、第2の減衰器91bは、光パルスの強度を約108個の光子まで低下させる。
送信器は、偏光回転子94をも備える。偏光回転子は、回転子を通過する光パルスの偏光を90度だけ反転する。偏光回転子94は、たとえば半波長板とされ得る。偏光回転子は、送信器のアームのうちの1つ、この場合では第2のアーム上に配置される。第2の光学構成要素24bから放出された光パルスは、偏光回転子94を通過し、したがって、第1の光学構成要素24から放出された光パルスに直交する偏光を有する。アームは、上で図7に関連して説明されたように、偏光ビームスプリッタ26によって接続される。
したがって、第1の信号に適用された摂動によって決定される位相差を有する光パルスの対と、強度変調器90によって適用された振幅変調によって決定される振幅を有し、直交する偏光を有する信号パルスとが、出力導波管上で送信器から放出される。放出されるパルスは、図9(b)から放出されるパルスと同一である。
図9(d)は、一実施形態による連続変数量子通信システムのための送信器の概略図である。この場合に、第1のコントローラ140、第2のコントローラ141、および位相制御要素125は、単一の構成要素内に一体化されて図示されているが、その代わりに、別々の構成要素とされ得る。
送信器は、図9(a)に関連して説明されたように、コヒーレント光源20と光学構成要素24と強度変調器90とを備える。
位相変調が、上で図6に関連して説明されたように適用される。したがって、光学構成要素24は、光パルスの対を放出し、対の第1の光パルスと対の第2の光パルスとの間の位相差は、第1の信号に適用される摂動によって作られる位相シフトによって制御される。交番する摂動に対応する生成された光の部分が受信される時間の期間中に放出された光パルスの間の位相差は、実質的に0である。したがって、各対の第1の光パルスの間の位相差は、実質的に0である。
強度変調器90は、対の光パルスのうちの1つの強度が変調され得るように、光学構成要素24の後に配置される。
各対の第1の光パルスが、信号光パルスとして指定され、他方の光パルスが、基準光パルスとして指定される。
位相制御要素125および強度制御要素90は、信号光パルスの振幅および各対の信号光パルスと基準光パルスとの間の位相差の値の連続体内で情報を符号化するように構成される。これは、後でより詳細に説明される。
送信器は、さらなる構成要素を備えることができる。
上記の送信器では、強度制御要素は、強度変調器である。強度変調器は、低速減衰器または高速変調器とされ得る。強度変調器は、入ってくる光パルスの強度を変調する。強度変調器は、値の連続する範囲のうちの1つに強度を変調することができ、情報が光パルスの強度の値の連続体内で符号化されることを可能にする。強度変調器は、変調器、たとえば電界吸収変調器内の材料の吸収係数を変更することによって、光の強度を変調することができる。電界吸収変調器は、デバイスに適用される電圧が吸収係数を変更し、したがってデバイスを通って移動する光の強度を変更する半導体デバイスである。別の実施形態では、強度変調器は、マッハツェンダー干渉計に基づく。マッハツェンダーベースの強度変調器は、出力強度を変調するために、干渉計の2つのアームの間の位相差を変更する。強度変調器は、位相ならびに強度を変調することができる。正しい位相と振幅とを符号化するために、強度変調器によって引き起こされるすべての望まれない追加の位相変化は、位相変調器を用いてより小さい/より大きい位相シフトを適用することによって補償される。
光パルスの振幅内に情報を符号化する代替の方法が可能である。
図10(a)は、振幅変調が第2の信号の変調によって実行される、一実施形態による連続変数量子通信システムのための送信器の概略図である。
この送信器は、前に説明されたように、コヒーレント光源20と、前記コヒーレント光源20がコヒーレント光を生成するように、コヒーレント光源20に第1の信号を適用するように構成された第1のコントローラ140とを備える。コヒーレント光源が、コヒーレント光のパルスを生成して図示されているが、代替案では、コヒーレント光源は、連続波コヒーレント光を生成することができる。位相制御要素125は、第1の信号に摂動を適用するように構成され、各摂動は、生成されたコヒーレント光の諸部分の間、この場合では各コヒーレント光パルスの第1の部分と第2の部分との間の位相シフトを作る。
コヒーレント光源20は、生成された光を光学構成要素24に供給するように構成される。コヒーレント光源20および光学構成要素24は、前に説明されたように様々な形で光学的に結合され得る。
第2のコントローラ141は、光パルスが、生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出され、光パルスが、生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記光学構成要素に第2の信号を適用するように構成される。この場合では、光パルスの対が、注入されたコヒーレント光パルスごとに放出され、対の間の位相差は、位相制御要素125によってコヒーレント光に適用された位相変調によってセットされる。
強度制御要素126は、放出された光パルスの振幅を変調するように構成され、位相制御要素125および強度制御要素126は、放出された光パルスの位相と振幅との値の連続体内で情報を符号化するように構成される。
強度制御要素は、放出された光パルスの振幅が変更されるように、第2の信号の振幅を変調するように構成される。
強度制御要素126は、光学構成要素24に適用される第2の信号を変更するように構成される。強度制御要素126は、別々の要素とされ得、あるいは、たとえば第2のコントローラ141、第1のコントローラ140、および位相制御要素125と共に一体化され得る。
強度制御要素126は、1つの可変電気減衰器または複数の可変電気減衰器とされ得る。減衰器は、変更された強度の光パルスを放出するために選択された電流パルスの強度を低下させることができる。代替案では、電流パルス源自体が、強度において変化するパルスの任意のパターンを提供することができる。たとえば、第2のコントローラ141が、パターンジェネレータとされ得る。
図10(b)(i)は、パルスごとに1回位相制御要素によって適用される摂動を有する、この場合では規則的な一連の矩形形状のパルスの形の時間変動する電流である第1の信号を示す。第1の信号は、コヒーレント光パルスを生成するために、第1のコントローラ140によってコヒーレント光源20に適用される。この信号は、バイアスTを介して交流電流を直流バイアス電流と結合することによって形成され得る。
図10(b)(ii)は、強度制御要素126による変更の後の第2の信号を示す。その後、変更された信号は、バイアスT(a bias tee)の交流入力に入力され、バイアスTの出力電流は、光学構成要素24に適用される。
この場合では、コヒーレント光源20は、コヒーレント光のパルスを生成する。光学構成要素24は、対の各パルスの間の位相差が位相制御要素125によってセットされた、各コヒーレント光パルスに対応する光パルスの対を放出する。対の第1のパルスは、信号パルスとして指定され、第2のパルスは、基準パルスとして指定される。
したがって、第2の信号内の複数のパルスの各対のうちの第1のパルスの振幅が、放出された光パルスの振幅内で情報を符号化するために変更される。
図示の場合では、各対の基準パルスは、同一の振幅を有する。基準パルスの振幅は、信号光パルスの振幅よりはるかに大きい。一実施形態では、第2の信号に適用される強度変調は、約108個の光子の基準光パルスの強度に対応する。第2の信号に適用される強度変調は、約10個から100個の光子の信号光パルスの強度に対応することができる。
他の振幅変調パターンが可能であり、たとえば、各パルスの振幅は、図4に示された位相変調に類似する形で変調され得る。
光学構成要素24に適用されるときに、第2の信号の振幅によってセットされた強度を有するパルスが生成される。図10(b)(iii)は、光学構成要素24から放出された光パルスを示す。
半導体レーザ以外のレーザが光学構成要素24として使用される場合には、適用される電流以外の手段が、光パルスの強度を変調するのに使用される。これらの手段は、たとえば光ファイバレーザのポンプパワーを変更することを含み、光ポンピング信号が、短いレーザパルスの強度を変調するために変更され得る。
光学構成要素24として使用される光増幅器に関して、強度変調は、説明されたように増幅器を「オン」状態と「オフ」状態との間でスイッチングする電気スイッチング信号を変調することによって実現され得る。代替案では、スイッチング信号源自体が、強度が変化するパルスの任意のパターンを提供することができる。強度変調器に適用される信号は、同様の形で、放出される光の強度を変調するのにも使用され得る。
図10(c)は、一実施形態による連続変数量子通信システムのための送信器の概略図である。この場合では、強度制御要素125は、生成されるコヒーレント光の振幅が変更されるように、第1の信号の振幅を変調するように構成される。
コヒーレント光の強度の変更は、光学構成要素24から放出された光パルスの強度を変更する。
やはり、強度制御要素126は、別々の要素とされ得、あるいは、たとえば第2のコントローラ141、第1のコントローラ140、および位相制御要素125と共に一体化され得る。
強度制御要素126は、1つの可変電気減衰器または複数の可変電気減衰器とされ得る。減衰器は、変更された強度の部分を有するコヒーレント光を生成するために第1の信号の選択された部分の強度を低下させることができる。代替案では、電流源自体が、振幅の任意のパターンを提供することができる。たとえば、第1のコントローラ140が、パターンジェネレータとされ得る。
図10(d)(i)は、強度制御要素126による変更の後の第1の信号を示す。
この場合では、コヒーレント光源20は、コヒーレント光のパルスを生成する。光学構成要素24は、対の各パルスの間の位相差が位相制御要素125によってセットされた、各コヒーレント光パルスに対応する光パルスの対を放出する。対の第1のパルスは、信号パルスとして指定され、第2のパルスは、基準パルスとして指定される。したがって、第1の信号内の各パルスの第1の部分は、振幅内で情報を符号化するために、振幅を変更される(is amplitude modified)。図示の場合では、第1の信号の各パルス内の第2の部分は、同一の振幅を有する。基準パルスの振幅は、信号光パルスの最大振幅よりはるかに大きい。一実施形態では、第1の信号に適用される強度変調は、約108個の光子の基準光パルスの強度に対応し得る。
他の振幅変調パターンが可能であり、たとえば、一定の第1の信号の各部分の振幅は、図4に示された位相変調に類似する形で変調され得る。
図10(d)(ii)は、この場合では、光パルスを放出するために第2のコントローラ141によって光学構成要素24に適用される規則的な一連の矩形形状のパルスの形である、第2の信号を示す。この信号は、バイアスTを介して交流電流を直流バイアス電流に結合することによって形成され得る。
図10(d)(iii)は、光学構成要素24から放出された光パルスを示す。このパターンは、図10(b)(iii)に関するパターンと同一である。
やはり、半導体レーザ以外のレーザがコヒーレント光源20として使用される場合には、適用される電流以外の手段が、光の強度を変調するのに使用される。これらの手段は、たとえば光ファイバレーザのポンプパワーを変更することを含み、光ポンピング信号が、短いレーザパルスの強度を変調するために変更され得る。
生成されるコヒーレント光の強度を変更するために、可変減衰器が、第1の信号の選択された部分の強度を低下させることができる。より低い強度のコヒーレント光が光学構成要素24に供給されるときには、より低い強度の光パルスが放出される。代替案では、コヒーレント光源20自体の駆動回路が、振幅の任意のパターンを提供し、減衰器の必要を除去することができる。たとえば、第1のコントローラ140が、パターンジェネレータを備えることができる。
代替案では、コヒーレント光源20は、生成されたコヒーレント光の強度を、それが光学構成要素24に供給される前に変更することができる光学強度変調器(an optical intensity modulator)を備えることができる。
送信器内の強度制御要素は、上で説明されたシステムのいずれかによって提供され得る。
図11は、一実施形態による連続変数量子通信システムの概略図である。
連続変数(CV)QKDプロトコルでは、光パルスが、光のコヒーレント状態の電界の成分などの物理量の値の連続体内で情報を担持する。
このシステムは、送信器と受信器とを備える。送信器はアリスと呼ばれ、受信器はボブと呼ばれる。この場合では、送信器は、図9(c)に関連して説明されたものなどの送信器である。送信器内の位相制御要素および強度制御要素は、放出された光パルスの位相と振幅との値の連続体内で情報を符号化するように構成される。位相制御要素および強度制御要素は、コヒーレント状態を作るために、放出された光パルスの位相と振幅とを変調するように構成される。
送信器は、制御要素を備える。制御要素は、第1のコントローラ141と位相制御要素125と第2のコントローラ140とプロセッサとを備える一体化された構成要素である。しかし、これらの要素は、別々に提供され得る。
送信器は、光パルスの対を放出する。各対の光パルスのうちの1つは信号光パルスであり、パルスのうちの1つは基準光パルスである。情報は、信号光パルスの振幅において、および対の光パルスの間の位相差の値の連続体において、符号化され、連続変数QKDプロトコルが実行されることを可能にする。
ガウス変調されたコヒーレント状態(GMCS:Gaussian-modulated coherent state)プロトコルCV−QKDプロトコルが、以下のようにこのシステムを用いて実施され得る。
光パルスの対ごとに、プロセッサは、第1の乱数Xと第2の乱数Pとを生成する。乱数XおよびPは、0を中心とし、分散V=σ2を有する正規分布から生成され得る。一実施形態では、分散は10個の光子である。一実施形態では、分散は100個の光子である。一実施形態では、分散は150個の光子である。XおよびPの正規分布が、図12に示されている。XおよびPの値の各対は、信号光パルス内で符号化され、ボブに送られる情報である。その後、ボブは、情報を復号し、アリスと共に秘密鍵を形成する。
XおよびPの入手された値は、パルスの対に対応する振幅値αを計算するのに使用される。XおよびPの入手された値は、パルスの対に対応する位相値θを計算するのにも使用される。振幅値および位相値は、次の関係から計算される。
これらの関係に起因して、θが[0,2π]内の一様分布からランダムに選択され、αがスケールパラメータσを有するレーリー分布からランダムに選択される場合に、分散σ2のガウス分布に従って分布する(distributed according to)XおよびPが入手され得る。代替実施形態では、振幅の値αおよび位相の値θは、XおよびPの値をまず生成することなく、直接に生成される。放出される信号光パルスの振幅αは、スケールパラメータσを有するレーリー分布を有する非負の値の連続体からランダムに選択される。一実施形態では、σ2は、150個の光子である。一実施形態では、σ2は、100個の光子である。一実施形態では、σ2は、10個の光子である。基準光パルスに対する相対的な放出される信号光パルスの位相θは、区間[0,2π]内の一様分布を有する値の連続体からランダムに選択される。この実施形態のように選択されるランダムな振幅および位相は、分散σ2を有するガウス分布に従うXおよびPの値に対応する。
位相制御要素は、信号光パルスと基準光パルスとの間のθの位相差に対応する位相シフトを作るために摂動を適用するように構成され、強度制御要素は、αの振幅に対応する振幅変調を信号光パルスに適用するように構成される。信号光パルスの振幅変調は、振幅の絶対値がαになるように信号光パルスを変調することに対応する。この形で、XとPとの値である情報が、信号光パルスの位相と振幅との値の連続体内で符号化される。
αの値は、光パルスの強度ではなく電界の振幅である。2倍だけ強度を変更することは、2の平方根倍だけ電界振幅を変更することと同等である。したがって、強度制御要素は、光パルスの強度をα2にセットする。
XおよびPは、値の連続する範囲からの任意の値とされ得る。
したがって、XおよびPの入手された値は、図13に示されているように、X−P平面内の半径1を有する円によって表される、位相空間内でのコヒーレント状態を準備するのに使用される。
コヒーレント状態を準備するために、強度制御要素が、信号光パルスの振幅をαにセットするのに使用され、位相制御要素が、信号光パルスと基準光パルスとの間の位相差をθにセットするのに使用される。
XおよびPの値すなわち光パルス上で符号化される情報は、関係
を使用して、基準光パルスに対する相対的な信号光パルスの位相と信号光パルスの振幅とから入手され得る。
符号化された光パルスは、受信器に送られる。光パルスは、光伝送路を介して送られ得る。したがって、送信器は、位相差を有し、直交偏光を有し、伝送路を移動する(travelling down)コヒーレントな二重パルスを生成する。
受信器は、信号光パルスと対応する基準光パルスすなわち、光パルスの各対の2つのパルスを光学的に結合するように構成される。
受信器は、信号光パルスと基準光パルスとの間のすべての時間遅延を打ち消すように構成された遅延要素と、基準光パルスと同相の信号光パルスの成分の測定値と基準光パルスと直角位相の信号光パルスの成分の測定値との間で選択するように構成された変調要素とを備える。基準光パルスと同相の信号光パルスの成分の測定値は、Xの測定値に対応し、基準光パルスと直角位相の信号光パルスの成分の測定値は、Pの測定値に対応する。
一実施形態では、受信器は、第1の偏光を有する光パルスを1つの光学経路に向け、第2の直交する偏光を有する光パルスを第2の光学経路に向ける偏光ビームスプリッタ102を備える。信号光パルスおよび基準光パルスは、直交する偏光を有するので、それらは偏光ビームスプリッタ104において異なる光学経路へ分離される。
受信器は、偏光コントローラ104を備えることができる。この場合では、受信器の入力で、パルスが偏光ビームスプリッタ102を通過する前に、二重パルスの偏光が、偏光コントローラ104を使用して回復される。光伝送路は、2つのモードの間の経路長の大きい変化を引き起こさずに2つの偏光モードの伝搬を可能にする単一モード光ファイバとされ得る。しかし、すべての単一モードファイバが、なんらかの複屈折特性を有する可能性があるので、2つのモードの偏光が、伝送路に沿って移動するときに回転することが可能である。偏光コントローラ104は、この回転を訂正し、偏光を訂正された二重パルスを出力する。
パルスのうちの1つの偏光は、偏光ビームスプリッタ104を出るときのそのパルスの偏光が対の他方のパルスの偏光と同一になるように、ビームスプリッタ102の1つの出力で偏光回転子106によって反転される。
偏光ビームスプリッタ102の出力は、干渉計の2つのアームを形成する。干渉計を出るときに光パルスが結合するすなわち、それらが同時に干渉計を出るように、干渉計内の2つの光学経路の間の長さの差によって引き起こされる遅延が、対の光パルスの放出時間の間の遅延と一致するように、アームの一方は、他方より長い光学経路長を有する。
対の第2のパルスが信号パルスであり、対の第1のパルスが基準パルスである場合に、信号パルスは、干渉計の短いアームを移動し、基準パルスは、干渉計の長いアームを移動する。対の第2のパルスが基準パルスであり、対の第1のパルスが信号パルスである場合に、信号パルスは、干渉計の長いアームを移動し、基準パルスは、干渉計の短いアームを移動する。
干渉計の長いアームは、位相変調器100を備える。位相変調器100は、変調要素の例であり、基準光パルスと同相の信号光パルスの成分の測定値と基準光パルスと直角位相の信号光パルスの成分の測定値との間で選択するのに使用される。選択は、基準光パルスに0またはπ/2の位相シフトを適用することによって行われる。
位相変調器100は、屈折率が電界強度(electric field strength)の関数である、LiNbO3結晶(a LiNbO3 crystal)などの結晶を備えることができる。代替案では、位相変調は、受動手段、たとえば、異なる固定された位相差を適用するようにそれぞれ構成された2つの固定された位相要素とその要素のそれぞれを選択するように構成されたスイッチとによって提供され得る。コントローラは、スイッチを制御することによって各パルスに適用される位相シフトを制御することができる。
位相変調器100は、基準光パルスに0の位相シフトまたはπ/2の位相シフトを適用することによって、2つの測定値の間で選択する。位相シフトが、その代わりに信号パルスに適用され得ることに留意されたい。
受信器は、信号光パルスと基準光パルスとを光学的に結合するように構成された第2のビームスプリッタ108を備える。干渉計の2つのアームは、第2のビームスプリッタ108で結合する。第2のビームスプリッタ108の出力は、第1の光子検出器112と第2の光子検出器110とに接続される。各光子検出器内で検出される光の強度は、送信器で適用される位相変調および強度変調と受信器で適用される位相変調とに依存する。
光子検出器110および112は、たとえばPINフォトダイオードとされ得る。
位相変調器100は、基準光パルスの位相に作用することによって(by acting on)、XまたはPの測定値の間で選択する。基準光パルスに適用される0の位相シフトは、基準光パルスと同相の信号光パルスの成分の測定値に対応し、それはXの測定値に対応する。π/2の位相シフトは、基準光パルスと直角位相の信号光パルスの成分の測定値に対応し、それはPの測定値に対応する。
光パルスの対ごとに、選択された測定値XまたはPの値は、次の関係から、2つの検出器で測定された電流から決定される。
この測定は、ホモダイン測定であり、XまたはPのいずれかが受信器で測定されることを可能にする。θLOが0にセットされる場合には、電流差はXに比例し、これがπ/2にセットされる場合には、電流差はPに比例する。XまたはPの値および電流の差I(t)に関する正確な係数が、決定される。その後、パルスごとのXまたはPの値が、I(t)から計算される。受信器は、出力電流からXまたはPの値を決定するように構成されたプロセッサをさらに備える。
鍵情報が送信された後に、受信器のボブは、送信器のアリスに、彼が光パルスごとに同相成分または直角位相成分のどちらを測定したのかを知らせ、アリスとボブとが鍵を形成することを可能にする。
さらなる後処理が、生成された鍵に対して実行され得る。たとえば、(i)ふるい分け(sifting)、(ii)誤り訂正、(iii)プライバシ増幅、および(iv)認証などの古典的な手順が、含まれ得る。
ふるい分けは、以下のプロセスを含むことができる。ボブが、特定の光パルスの同相成分を測定する場合に、アリスは、Pの値を破棄し、Xの値を保持する。ボブが、特定の光パルスの直角位相成分を測定する場合に、アリスは、Xの値を破棄し、Pの値を保持する。この形で、鍵が形成される。この場合では、「バキュームカウント(vacuum count)」は破棄されない。
一実施形態では、符号化中の情報割当は、誤りを低下させるために変更され得る。たとえば、情報値は、位相空間内のグリッド内のエリアに割り当てられ得る。その後、アリスは、XとPとのランダムに選択された値が含まれるグリッドエリアの中央点に対応する値を用いて位相と振幅とを変調する。多次元マルチエッジ低密度パリティ検査(LDPC)誤り訂正が、すべての残っている誤りを訂正するのに使用され得る。
特定の信号光パルスに関して、ボブがXを測定する場合は、彼は最小量の雑音によってのみ制限された、アリスによって符号化されたXの値を高い精度で知るが、Pを知らない。イブは、ボブが測定に使用する方向を前もって知らない。イブがPに沿って測定する場合、ボブは、アリスの符号化とは完全に無相関のXの結果を測定する。彼らの鍵のサンプルのセクションを比較することによって、アリスおよびボブは、誤り率(the error rate)からイブの存在を確かめる(ascertain)ことができる。
図11は、偏光多重化とホモダイン検出とを用いるCV−QKDセットアップを示す。後で説明されるπ/2光学ハイブリッド構成要素が、その代わりに受信器で測定を行うのに使用され得る。
図14は、一実施形態による連続変数量子通信システムの概略図である。
このシステムは、送信器と受信器とを備える。この場合では、送信器は、図9(a)に関連して説明されたものなどの送信器である。送信器内の位相制御要素および強度制御要素は、放出された光パルスの位相と振幅との値の連続体内で情報を符号化するように構成される。位相制御要素および強度制御要素は、コヒーレント状態を作るために、放出された光パルスの位相と振幅とを変調するように構成される。
送信器は、プロセッサを備える。プロセッサは、第1のコントローラ141と位相制御要素125と第2のコントローラ140と共に一体化され得、あるいは、これらの要素は、別々に提供され得る。
送信器は、光パルスのシーケンスを放出する。情報は、光パルスの振幅および光パルスの間の位相差の値の連続体内で符号化され、連続変数QKDプロトコルが実行されることを可能にする。
CV−QKDプロトコルは、以下のようにこのシステムを用いて実施され得る。
光パルスごとに、プロセッサは、第1の乱数Xと第2の乱数Pとを生成する。乱数XおよびPは、図11に示されたシステムに関して、0を中心とし、分散V=σ2を有する正規分布から生成され得る。
XおよびPの入手された値は、光パルスごとに振幅値αを計算するのに使用される。XおよびPの入手された値は、前と同様に光パルスごとに位相値θを計算するのにも使用される。代替案では、振幅値および位相値は、前に説明されたように直接に生成され得る。
位相制御要素は、光パルスと前に放出された光パルスとの間のθの位相差に対応する位相シフトを作るために摂動を適用するように構成され、強度制御要素は、αの振幅に対応する振幅変調を適用するように構成される。
符号化された光パルスは、受信器に送られる。光パルスは、光伝送路を介して送られ得る。したがって、送信器は、伝送路を移動するパルスのシーケンスを生成する。
受信器は、信号光パルスと、この図内でLOというラベルを付けられた局所的に生成された連続波局所基準光または局所基準光パルスとを光学的に結合するように構成される。局所基準光または局所基準光パルスは、受信器で光源を使用して生成され得る。一実施形態では、局所光パルスは、受信器でコヒーレント光源と光学構成要素とを使用して生成される。コヒーレント光源は、光学構成要素に光学的に結合される。コヒーレント光源からの光は、光学構成要素に注入される。光学構成要素は、コヒーレント光源からの光が光学構成要素内に存在するときに、光を生成する。代替案では、単一の光源が、局所基準光を生成することができる。
局所基準光は、受信された光パルスと同一の偏光とパルス形状とを伴い、同一の波長と時間的安定性(temporal stability)とを有して生成される。
受信器は、ビームスプリッタ108を備える。送信器から受信された光パルスおよび局所光は、ビームスプリッタ108で光学的に結合される。ビームスプリッタ108は、50:50ビームスプリッタである。ビームスプリッタ108の出力は、第1の光子検出器112と第2の光子検出器110とに接続される。各光子検出器内で検出される光の強度の差は、送信器で適用された位相変調および強度変調ならびに局所光の位相および強度に依存する。
信号光パルスごとに、XおよびPの値は、2つの検出器で測定された電流から決定される。出力電流は、局所基準光と同相と直角位相との両方の信号光パルスの成分の測定を可能にする、時間変動する項(a time-varying term)を含む。
この測定は、ヘテロダイン測定であり、XとPとの両方が信号光パルスごとに受信器で測定されることを可能にする。
受信器は、出力電流からXとPとの値を決定するように構成されたプロセッサ(図示せず)をさらに備え得る。
プロセッサは、ビームスプリッタ108の出力に関する情報、たとえば検出器110および112からの出力電流の値を受信するように構成され得る。プロセッサは、受信された光パルスに対する相対的な局所基準光の位相を決定し、局所光と直角位相の受信された信号光パルスの成分と局所光と直角位相の受信された信号光パルスの成分とを決定する。
前に説明されたように、さらなる後処理が実行され得る。
図15(a)は、一実施形態による連続変数量子通信システムの概略図である。
このシステムは、送信器と受信器とを備える。この場合では、送信器は、図9(d)に関連して説明されたものなどの送信器である。送信器内の位相制御要素および強度制御要素は、放出された光パルスの位相と振幅との値の連続体内で情報を符号化するように構成される。位相制御要素および強度制御要素は、コヒーレント状態を作るために、放出された光パルスの位相と振幅とを変調するように構成される。
送信器は、制御要素を備える。制御要素は、第1のコントローラ141と位相制御要素125と第2のコントローラ140とプロセッサとを備える一体化された構成要素である。しかし、これらの要素は、別々に提供され得る。
送信器は、光パルスの対を放出する。各対の光パルスのうちの1つは信号光パルスであり、パルスのうちの1つは基準光パルスである。情報は、信号光パルスの振幅および光パルスの間の位相差の値の連続体において符号化され、連続変数QKDプロトコルが実行されることを可能にする。
CV−QKDプロトコルは、以下のようにこのシステム内で実施され得る。
光パルスの対ごとに、プロセッサは、前に説明されたように振幅値αと位相値θとを計算するのに使用される第1の乱数Xと第2の乱数Pとを生成する。代替案では、振幅および位相の値は、前に説明されたように直接に生成され得る。
位相制御要素は、信号光パルスと基準光パルスとの間のθの位相差に対応する位相シフトを作るために摂動を適用するように構成され、強度制御要素は、αの振幅に対応する振幅変調を信号光パルスに適用するように構成される。図9(d)に関して説明されたように、基準光パルスの間の位相差は、実質的に0である。
符号化された光パルスは、受信器に送られる。光パルスは、光伝送路を介して送られ得る。したがって、送信器は、位相差を有し、直交偏光を有し、伝送路を移動するコヒーレントな二重パルスを生成する。
受信器は、受信された光パルスと、この図内でLOというラベルを付けられた局所的に生成された連続波局所基準光または局所基準光パルスとを光学的に結合するように構成される。局所光または局所光パルスは、受信器で光源を使用して生成され得る。一実施形態では、局所光パルスは、コヒーレント光源301と光学構成要素303とを使用して生成される。コヒーレント光源301は、光学構成要素303に光学的に結合される。コヒーレント光源301からの光は、光学構成要素303に注入される。光学構成要素303は、コヒーレント光源301からの光が光学構成要素303内に存在するときに、光を生成する。光学構成要素303は、レーザ、たとえば半導体レーザ、光増幅器、または強度変調器とされ得る。代替案では、単一の光源が、局所基準光を生成することができる。
受信器は、π/2光学ハイブリッド構成要素304を備える。送信器から受信された光パルスおよび局所光は、光学ハイブリッド構成要素304で光学的に結合される。送信器から受信された光パルスは、π/2光学ハイブリッド構成要素304の第1の入力に入力され、局所基準光は、π/2光学ハイブリッド構成要素304の第2の入力に入力される。
π/2光学ハイブリッド構成要素304は、結合する構成要素の例である。
一般に、結合する構成要素は、第1のビームコンバイナと第2のビームコンバイナとを備え、たとえばビームスプリッタにおいて、局所光を第1の部分と第2の部分とに分割し、受信された光パルスを第1の部分と第2の部分とに分割するように構成される。結合する構成要素は、第1の50:50ビームスプリッタと第2の50:50ビームスプリッタとを備えることができる。局所光は、第1の50:50ビームスプリッタに入力される。局所光の第1の部分は、第1の出力から出力され、局所光の第2の部分は、第2の出力から出力される。受信された光パルスは、第2の50:50ビームスプリッタに入力される。受信された光パルスの第1の部分は、第1の出力から出力され、第2の部分は、第2の出力から出力される。
位相シフトが、たとえば固定された位相要素によって、受信された光パルスの第2の部分と局所光の第2の部分との間で適用される。この位相シフトは、π/2の位相シフトである。結合する構成要素は、第1のビームスプリッタの第2の出力でπ/2の位相シフトを適用するように構成された固定された位相要素を備えることができる。
受信された光パルスの第1の部分および局所光の第1の部分は、第1のビームコンバイナ上で結合され、受信された光パルスの第2の部分および局所光の第2の部分は、第2のビームコンバイナ上で結合される。第1のビームコンバイナは、第3の50:50ビームスプリッタとされ得、第2のビームコンバイナは、第4の50:50ビームスプリッタとされ得る。第1のビームスプリッタの第1の出力は、第3のビームスプリッタの第1の入力に光学的に結合される。第2のビームスプリッタの第1の出力は、第3のビームスプリッタの第2の入力に光学的に結合される。第1のビームスプリッタの第1の出力と第1のビームコンバイナとの間の光学経路長は、第2のビームスプリッタの第1の出力と第1のコンバイナとの間の光学経路長と同一である。第1のビームスプリッタの第2の出力は、第4のビームスプリッタの第1の入力に光学的に結合される。第2のビームスプリッタの第2の出力は、固定された位相要素を介して第4のビームスプリッタの第2の入力に光学的に結合される。第1のビームスプリッタの第2の出力と第2のビームコンバイナとの間の光学経路長は、固定された位相要素を除いて、第2のビームスプリッタの第2の出力と第2のビームコンバイナとの間の光学経路長と同一である。
第1の光検出器112および第2の光検出器110は、第1のビームコンバイナの出力を検出するように構成される。第3の光検出器307および第4の光検出器308は、第2のビームコンバイナの出力を検出するように構成される。π/2光学ハイブリッド構成要素の場合に、π/2光学ハイブリッド構成要素304の出力は、第1の光子検出器112と第2の光子検出器110と第3の光子検出器307と第4の光子検出器308とに接続される。
各光子検出器内で検出される光の間の強度差は、送信器で適用される位相変調および強度変調ならびに局所光の位相および強度に依存する。
受信器は、第1のビームコンバイナの出力と第2のビームコンバイナの出力とに関する情報を受信し、送信器から受信された、受信された基準光パルスに対する相対的な局所基準光の位相を決定するように構成されたプロセッサ(図示せず)をさらに備える。この情報から、信号光パルスのうちで送信器から受信された基準光パルスと同相と直角位相との両方の成分が、決定され得る。局所基準光と受信された基準光パルスとの間の位相差が一旦知られると、位相空間内の回転が、実行され得る。
アリスによって送信された奇数パルスは、信号パルスであり、位相において変調され、鍵抽出に使用される。偶数パルスは、基準パルスであり、変調されず、位相推定に使用される。
ボブが、図14内と図15(a)内とのヘテロダイン検出または光学ハイブリッド検出を実行するときに、測定は、より雑音が多く、追加のフィルタが、スペクトルをきれいにするのに使用され得る。誤り訂正および他の後処理手順が、適用され得る。
イブによる測定は、ボブの測定の雑音を増加させる。したがって、イブの存在は、アリスとボブとの鍵のサンプルを比較することと、入手された鍵の誤り率(error ratio)を決定することとによって検出され得る。
XとPとの両方の情報が、鍵を形成するのに使用され得、したがって、蒸留速度(distilaltion rate)は、XとPとのうちの1つだけがパルスごとに測定され得る場合と比較して、2倍にされる。
一実施形態で図11、図14、または図15(a)の送信器と共に使用され得る代替の受信器が、図15(b)に示されている。この受信器は、イントラダイン受信器、位相ダイバーシティホモダイン受信器、または光学ハイブリッド受信器である。この受信器は、第1のビームスプリッタ502と、第2のビームスプリッタ501と、π/2固定された位相要素500と、第3のビームスプリッタ503と、第4のビームスプリッタ504とを備える結合する構成要素を備える。
信号光パルスと基準光との両方が、分割され、その後、2つのホモダイン測定が実行され、測定の一方は、π/2だけシフトされたアームを用いて実行され、その結果、基準光と同相の成分と基準光と直角位相の成分との両方が、測定され得るようになる。
信号光および基準光は、同一の光源または異なる光源から生じる(originate from)ことができる。
信号光パルスは、50:50ビームスプリッタとされ得る第1の分割する構成要素501で第1の部分と第2の部分とに分割される。基準光は、50:50ビームスプリッタとされ得る第2の分割する構成要素502で第1の部分と第2の部分とに分割される。
信号光の第1の部分および基準光の第1の部分は、第3のビームスプリッタ503で光学的に結合され、第3のビームスプリッタ503の出力は、第1の光子検出器112と第2の光子検出器110とで検出される。
π/2の位相シフトが、固定された位相要素500で基準光の第2の部分に適用される。信号光の第2の部分および基準光の第2の部分は、第4のビームスプリッタ504で光学的に結合され、第4のビームスプリッタ504の出力は、第3の光子検出器307と第4の光子検出器308とで検出される。
図15(c)は、一実施形態による連続変数量子通信システムの概略図である。このシステムは、図15(a)に示されたものと同一であるが、局所コヒーレント光源からの光ではなく、送信器内のコヒーレント光源20からの光が、局所基準光を放出する光学構成要素303に注入される。
これは、基準パルスがOC 303によって再生成されるので、よりよい可視性(visibility)を可能にし、コヒーレント光源20からの基準パルスのより弱いパワーが線に沿って送信される(transmitted along the line)ことを可能にする。たとえば、この方式を用いると、アリスによって送信される基準パルス強度は、1パルスあたり約104個の光子とされ得るが、図11のシステムでは、この強度が約108になる可能性がある。
ビームスプリッタが、コヒーレント光源からの光を第1の部分と第2の部分とに分割するために、送信器内に含められ得る。コヒーレント光の第1の部分は、信号光パルスを放出する光学構成要素24に注入される。コヒーレント光の第2の部分は、受信器に送信され、ここで、それは光学構成要素303に注入される。光学構成要素303は、レーザ、たとえば半導体レーザ、光増幅器、または強度変調器とされ得る。
フィルタが、コヒーレント光源20に適用される位相変調によって引き起こされるスプリアス周波数(the spurious frequencies)を除去するために含められる。偏光多重化が、同一チャネル上でコヒーレント光パルスと信号光パルスとを送信するのに使用され得る。
図16は、一実施形態による連続変数量子通信システムの概略図である。
このシステムは、送信器と受信器とを備える。この場合では、送信器は、図9(c)に関連して説明されたものなどの送信器である。送信器内の位相制御要素および強度制御要素は、放出された光パルスの位相と振幅との値の連続体内で情報を符号化するように構成される。位相制御要素および強度制御要素は、コヒーレント状態を作るために、放出された光パルスの位相と振幅とを変調するように構成される。
送信器は、制御要素を備える。制御要素は、第1のコントローラ141と位相制御要素125と第2のコントローラ140とプロセッサとを備える一体化された構成要素である。しかし、これらの要素は、別々に提供され得る。
送信器は、光パルスの対を放出する。各対の光パルスのうちの1つは信号光パルスであり、パルスのうちの1つは基準光パルスである。情報は、信号光パルスの振幅および光パルスの間の位相差の値の連続体内で符号化され、連続変数QKDプロトコルが実行されることを可能にする。
CV−QKDプロトコルが、以下のようにこのシステムを用いて実施され得る。
光パルスの対ごとに、プロセッサは、前に説明されたように振幅値αと位相値θとを計算するのに使用される第1の乱数Xと第2の乱数Pとを生成する。代替案では、振幅と位相との値は、前に説明されたように直接に生成され得る。
位相制御要素は、信号光パルスと基準光パルスとの間のθの位相差に対応する位相シフトを作るために摂動を適用するように構成され、強度制御要素は、αの振幅に対応する振幅変調を信号光パルスに適用するように構成される。
符号化された光パルスは、受信器に送られる。光パルスは、光伝送路を介して送られ得る。したがって、送信器は、位相差を有し、直交偏光を有し、伝送路を移動するコヒーレントな二重パルスを生成する。偏光コントローラが、前に説明されたように受信器内に含められ得る。
受信器は、受信された信号光パルスと、この図内でLOというラベルを付けられた局所的に生成された連続波局所基準光または局所基準光パルスとを光学的に結合するように構成される。局所光または局所光パルスは、受信器で光源を使用して生成され得る。一実施形態では、局所光パルスは、コヒーレント光源301と光学構成要素303とを使用して生成される。コヒーレント光源301は、光学構成要素303に光学的に結合される。コヒーレント光源301からの光は、光学構成要素303に注入される。光学構成要素303は、コヒーレント光源301からの光が光学構成要素303内に存在するときに、光パルスを生成する。代替案では、単一の光源が、局所基準光を生成することができる。
受信器は、受信された基準光パルスと、この図内でLOというラベルを付けられた局所的に生成された連続波局所基準光または局所基準光パルスとを光学的に結合するように構成される。
受信器は、信号光パルスを第1の光学経路に、基準光パルスを第2の光学経路に向けるように構成された第1の分割する要素を備える。第1の分割する要素は、偏光ビームスプリッタ102とされ得る。信号光パルスおよび基準光パルスは、直交する偏光を有するので、それらは偏光ビームスプリッタ102で異なる光学経路に分離される。
パルスのうちの1つの偏光は、偏光ビームスプリッタ104を出るときのそのパルスの偏光が対の他方のパルスの偏光と同一になるように、ビームスプリッタ102の1つの出力で偏光回転子106によって反転される。
受信器は、局所基準光を第1の部分と第2の部分とに分割するように構成された第2の分割する要素601をさらに備える。第2の分割する要素は、ビームスプリッタとされ得る。
受信器は、第1のπ/2光学ハイブリッド構成要素304を備える。送信器から受信された信号光パルスおよび局所基準光の第1の部分は、第1の光学ハイブリッド構成要素304で光学的に結合される。送信器から受信された信号光パルスは、π/2光学ハイブリッド構成要素304の第1の入力に入力され、局所基準光の第1の部分は、π/2光学ハイブリッド構成要素304の第2の入力に入力される。
π/2光学ハイブリッド構成要素304は、第1の結合する構成要素の例である。
受信器は、第2のπ/2光学ハイブリッド構成要素602を備える。送信器から受信された基準光パルスおよび局所基準光の第2の部分は、第2の光学ハイブリッド構成要素602で光学的に結合される。送信器から受信された基準光パルスは、第2のπ/2光学ハイブリッド構成要素602の第1の入力に入力され、局所基準光の第2の部分は、第2のπ/2光学ハイブリッド構成要素602の第2の入力に入力される。
π/2光学ハイブリッド構成要素602は、第2の結合する構成要素の例である。
一般に、第1の結合する構成要素は、第1のビームコンバイナと第2のビームコンバイナとを備える。第1の結合する構成要素は、たとえばビームスプリッタにおいて、局所基準光の第1の部分を第3の部分と第4の部分とに分割し、信号光パルスを第1の部分と第2の部分とに分割するように構成される。結合する構成要素は、第1の50:50ビームスプリッタと第2の50:50ビームスプリッタとを備えることができる。局所光の第1の部分は、第1の50:50ビームスプリッタに入力される。局所光の第3の部分は、第1の出力から出力され、局所光の第4の部分は、第2の出力から出力される。受信された信号光パルスは、第2の50:50ビームスプリッタに入力される。受信された信号光パルスの第1の部分は、第1の出力から出力され、第2の部分は、第2の出力から出力される。
π/2の位相シフトが、たとえば固定された位相要素によって、信号光パルスの第2の部分と局所光の第4の部分との間で適用される。
信号光パルスの第1の部分および局所基準光の第3の部分は、第1のビームコンバイナ上で結合され、信号光パルスの第2の部分および局所基準光の第4の部分は、第2のビームコンバイナ上で結合される。第1のビームコンバイナは、第3の50:50ビームスプリッタとされ得、第2のビームコンバイナは、第4の50:50ビームスプリッタとされ得る。第1のビームスプリッタの第1の出力は、第3のビームスプリッタの第1の入力に光学的に結合される。第2のビームスプリッタの第1の出力は、第3のビームスプリッタの第2の入力に光学的に結合される。第1のビームスプリッタの第1の出力と第1のビームコンバイナとの間の光学経路長は、第2のビームスプリッタの第1の出力と第1のコンバイナとの間の光学経路長と同一である。第1のビームスプリッタの第2の出力は、第4のビームスプリッタの第1の入力に光学的に結合される。第2のビームスプリッタの第2の出力は、固定された位相要素を介して第4のビームスプリッタの第2の入力に光学的に結合される。第1のビームスプリッタの第2の出力と第2のビームコンバイナとの間の光学経路長は、固定された位相要素を除いて、第2のビームスプリッタの第2の出力と第2のビームコンバイナとの間の光学経路長と同一である。
第1の光検出器110および第2の光検出器112は、第1のビームコンバイナの出力を検出するように構成される。第3の光検出器307および第4の光検出器308は、第2のビームコンバイナの出力を検出するように構成される。
第2の結合する構成要素は、第3のビームコンバイナと第4のビームコンバイナとを備える。
第2の結合する構成要素は、たとえばビームスプリッタを使用して、局所基準光の第2の部分を第5の部分と第6の部分とに分割し、基準光パルスを第1の部分と第2の部分とに分割するように構成される。結合する構成要素は、第1の50:50ビームスプリッタと第2の50:50ビームスプリッタとを備えることができる。局所光の第2の部分は、第1の50:50ビームスプリッタに入力される。局所光の第5の部分は、第1の出力から出力され、局所光の第6の部分は、第2の出力から出力される。受信された基準光パルスは、第2の50:50ビームスプリッタに入力される。受信された基準光パルスの第1の部分は、第1の出力から出力され、第2の部分は、第2の出力から出力される。
π/2の位相シフトが、たとえば固定された位相要素によって、基準光パルスの第2の部分と局所光の第6の部分との間で適用される。
基準光パルスの第1の部分および局所基準光の第5の部分は、第1のビームコンバイナ上で結合され、基準光パルスの第2の部分および局所基準光の第6の部分は、第2のビームコンバイナ上で結合される。第1のビームコンバイナは、第3の50:50ビームスプリッタとされ得、第2のビームコンバイナは、第4の50:50ビームスプリッタとされ得る。第1のビームスプリッタの第1の出力は、第3のビームスプリッタの第1の入力に光学的に結合される。第2のビームスプリッタの第1の出力は、第3のビームスプリッタの第2の入力に光学的に結合される。第1のビームスプリッタの第1の出力と第1のビームコンバイナとの間の光学経路長は、第2のビームスプリッタの第1の出力と第1のコンバイナとの間の光学経路長と同一である。第1のビームスプリッタの第2の出力は、第4のビームスプリッタの第1の入力に光学的に結合される。第2のビームスプリッタの第2の出力は、固定された位相要素を介して第4のビームスプリッタの第2の入力に光学的に結合される。第1のビームスプリッタの第2の出力と第2のビームコンバイナとの間の光学経路長は、固定された位相要素を除いて、第2のビームスプリッタの第2の出力と第2のビームコンバイナとの間の光学経路長と同一である。
第5の光検出器604および第6の光検出器605は、第3のビームコンバイナの出力を検出するように構成される。第7の光検出器606および第8の光検出器607は、第4のビームコンバイナの出力を検出するように構成される。
各光子検出器内で検出される光の強度の差は、送信器で適用された位相変調および強度変調ならびに局所光の位相および強度に依存する。
受信器は、第1のビームコンバイナと第2のビームコンバイナと第3のビームコンバイナと第4のビームコンバイナとの出力に関する情報を受信し、基準光パルスに対する相対的な局所基準光の位相と信号光パルスに対する相対的な局所基準光の位相とを決定するように構成されたプロセッサ(図示せず)をさらに備える。この情報から、送信器から受信された基準光パルスと同相と直角位相との両方の信号光パルスの成分が、決定され得る。
一実施形態では、光学ハイブリッド構成要素は、図15(b)に示されたものなど、2つの受信器に置き換えられ得る(be replaced with)。
図17は、一実施形態による連続変数量子通信システムの概略図である。測定デバイス独立QKDプロトコルが、このシステムを用いて実行され得る。
このシステムは、第1の送信器(アリス)と第2の送信器(ボブ)とを備える。アリスおよびボブは、前に説明されたように、彼らのそれぞれの2つの乱数{X,P}と{X’,P’}とによって指定される通りに彼らの放出される光パルスの振幅と位相とをセットする。アリスおよびボブは、前に説明されたように、ガウス変調されたコヒーレント状態において彼らの状態を準備する。代替案では、前に説明されたように、振幅および位相の値は、直接に生成され得る。
たとえば、アリスの送信器は、図9(c)の送信器とされ得、ボブの送信器は、図9(c)の送信器とされ得る。
放出された光パルスは、第3のデバイス(チャーリー)に送られる。第3のデバイスは、アリスからの信号光パルスを第1の光学経路に向け、信号光パルスに直交する偏光を有するアリスからの基準光パルスを第2の光学経路に向ける、第1の偏光ビームスプリッタ102aを備える。第3のデバイスは、ボブからの信号光パルスを第3の光学経路に向け、信号光パルスに直交する偏光を有するボブからの基準光パルスを第4の光学経路に向ける、第2の偏光ビームスプリッタ102bをさらに備える。偏光コントローラが、伝送路からの偏光のすべての変化を訂正するために、ビームスプリッタの前に含められ得る。
第3のデバイスは、第3のビームスプリッタ108aと第4のビームスプリッタ108bとをさらに備える。ボブからの基準光パルスおよびアリスからの基準光パルスは、第3のビームスプリッタ108aで光学的に結合される。ボブからの信号光パルスおよびアリスからの信号光パルスは、第4のビームスプリッタ108bで光学的に結合される。
第1の光検出器112および第2の光検出器110が、第3のビームスプリッタ108aからの出力を検出する。これは、アリスをチャーリーに接続する経路とボブをチャーリーに接続する経路との間の位相差Δφが計算されることを可能にする。この情報は、処理ユニットまたはプロセッサに送られる。
第3の光検出器307および第4の光検出器308が、第4のビームスプリッタ108bからの出力を検出する。検出の出力も、処理ユニットに送られる。
これが、前に受信された情報Δφと組み合わされて、値X−X’とP+P’との計算を可能にする。処理ユニットは、第3のビームコンバイナ108aの出力に関する情報から、第1の送信器からの基準光パルスと第2の送信器からの基準光パルスとの間の位相差Δφを決定するように構成されることができるか、あるいは、入力として位相差Δφを単純に受信することができる。位相差Δφと第4のビームスプリッタ108bからの出力に関する受信された情報とから、処理ユニットは、第1の送信器からの基準光パルスと同相の第1の送信器からの信号光パルスの成分と第2の送信器からの基準光パルスと同相の第2の送信器からの信号光パルスの成分との間の差(X−X’)を決定し、第1の送信器からの基準光パルスと直角位相の第1の送信器からの信号光パルスの成分と第2の送信器からの基準光パルスと直角位相の第2の送信器からの信号光パルスの成分との和(P+P’)を決定する。
これらの値は、チャーリーによって公共チャネル上でアナウンスされる。このアナウンスメントから、アリスおよびボブは、他方のユーザが何を符号化したのかを知る。たとえば、アリスは、彼女がXを符号化したのでXを知っている。アナウンスされた値X−X’から、彼女は、ボブの値X’を推論(infer)することができる。
チャーリー(または同等にイブ)が、X−X’とP+P’だけを知っており、情報が関連付けられた別々の値X、X’、P、P’を知らないので、セキュリティが保証される。
第1のビームスプリッタ102a、第2のビームスプリッタ102b、第3のビームスプリッタ108a、および第4のビームスプリッタ108bと、それらの間の接続とは、すべての経路の間の位相差が経時的に一定(constant in time)になるようにするために、環境変動(environmental fluctuations)に対して安定化される。これは、たとえばPLC(平面光波回路)設計を使用して達成され得る。追加のフィルタが、スペクトルをきれいにするために含められ得る。
CV技術のコヒーレント検出が、室温コンパクト高速検出器(room-temperature, compact, high-speed detectors)を用いて実行され得る。
上で説明された送信器は、位相変調器なしで実現され得る。
一実施形態では、よりよい干渉可視性(better interference visibility)を有するより高速の位相符号化が使用可能にされる。
さらに、直接位相変調が、低い駆動電圧を用いて実現される。
一実施形態では、このシステムは、1MHzクロックを使用して1Mb/sの鍵レートで走行する。
ある種の実施形態が説明されたが、これらの実施形態は、例としてのみ提示されたものであって、本発明の範囲を限定することは意図されていない。実際に、本明細書で説明される新規の方法および装置は、様々な他の形態で実施され得、さらに、本明細書で説明される方法および装置の形態における様々な省略、置換および変更が、本発明の趣旨から逸脱せずに行われ得る。添付の特許請求の範囲およびその同等物は、本発明の範囲および趣旨に含まれるものとして変更のそのような形態を包含することが意図されている。
以下、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
連続変数量子通信システムのための送信器であって、
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源がコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に第1の信号を適用するように構成された第1のコントローラと、
前記第1の信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、各摂動は、前記生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る、
光学強度変調を作るように構成された第1の光学構成要素と、前記コヒーレント光源は、前記光学構成要素に前記生成された光を供給するように構成される、
光パルスが、前記生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出され、光パルスが、前記生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記光学構成要素に第2の信号を適用するように構成された第2のコントローラと、
放出された光パルスの振幅を変調するように構成された強度制御要素と
を備え、前記位相制御要素および前記強度制御要素は、放出された光パルスの位相と振幅との値の連続体内で情報を符号化するように構成される、
送信器。
[C2]
前記位相制御要素および前記強度制御要素は、コヒーレント状態を作るために、放出された光パルスの前記位相と前記振幅とを変調するように構成される、[C1]に記載の送信器。
[C3]
第1の乱数と第2の乱数とを生成し、
前記第1の乱数と前記第2の乱数とから第1の振幅を、前記第1の乱数と前記第2の乱数とから第1の位相を計算する
ように構成されたプロセッサ
をさらに備え、前記位相制御要素は、前記第1の位相に対応する位相シフトを作るために前記摂動を適用するように構成され、前記強度制御要素は、前記第1の振幅に対応する振幅変調を適用するように構成される、
[C1]または[C2]に記載の送信器。
[C4]
前記第1の信号は、周期的信号であり、前記コヒーレント光源は、コヒーレント光のパルスを生成する、ここにおいて、前記位相制御要素は、各期間中に1回、前記第1の信号に摂動を適用し、前記生成されたコヒーレント光パルスの第1の部分と前記生成されたコヒーレント光パルスの第2の部分との間の位相シフトを作るように構成される、ここにおいて、前記生成された光パルスの前記第1の部分が受信される時間の前記期間中に放出される前記光パルスは、基準光パルスであり、前記生成された光パルスの前記第2の部分が受信される時間の前記期間中に放出される前記光パルスは、信号光パルスである、
[C3]に記載の送信器。
[C5]
前記第2のコントローラは、光パルスが、前記生成された光パルスの第1の部分が受信される時間の期間中に放出され、光パルスが、前記生成された光パルスの第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に前記第2の信号を適用するように構成される、[C4]に記載の送信器。
[C6]
前記送信器は、
光学強度変調を作るように構成された第2の光学構成要素と、ここにおいて、前記コヒーレント光源は、前記第2の光学構成要素に前記生成された光を供給するように構成される、
光パルスが、前記生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第2の光学構成要素に第3の信号を適用するように構成された第3のコントローラと
をさらに備え、ここにおいて、前記第2のコントローラは、光パルスが、前記生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に前記第2の信号を適用するように構成される、
先行する項のいずれかの送信器。
[C7]
前記第1のコントローラは、前記コヒーレント光源が連続波コヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に前記第1の信号を適用するように構成される、ここにおいて、前記位相制御要素は、交番する摂動が前の位相シフトを打ち消すように、摂動を適用するように構成される、[C3]に記載の送信器。
[C8]
前記生成された光のうちで前記交番する摂動に対応する部分が受信される時間の期間中に放出された光パルスの間の位相差は、実質的に0である、ここにおいて、これらの光パルスは、基準光パルスであり、時間の残りの期間中に放出された光パルスは、信号光パルスである、[C7]に記載の送信器。
[C9]
前記強度制御要素は、前記生成されたコヒーレント光の前記振幅が変更されるように、前記第1の信号の振幅を変調するように構成される、先行する項のいずれかに記載の送信器。
[C10]
前記強度制御要素は、前記放出された光パルスの前記振幅が変更されるように、前記第2の信号の振幅を変調するように構成される、先行する項のいずれかに記載の送信器。
[C11]
前記強度制御要素は、強度変調器である、先行する項のいずれかに記載の送信器。
[C12]
前記放出された光パルスの持続時間は、10nsを超える、先行する項のいずれかに記載の送信器。
[C13]
先行する項のいずれかに記載の送信器と受信器とを備え、前記送信器は、前記受信器に前記放出された光パルスを送るように構成され、前記受信器は、信号光パルスと基準光パルスとを光学的に結合するように構成される、連続変数量子通信システム。
[C14]
前記受信器は
前記信号光パルスと前記基準光パルスとの間の遅延を打ち消すように構成された遅延要素と、
同相成分の測定値と直角位相成分の測定値との間で選択するように構成された変調要素と
を備える、[C4]に依存するときの[C13]に記載のシステム。
[C15]
前記受信器は、
局所基準光を生成するように構成された光源と、
第1のビームコンバイナと第2のビームコンバイナとを備える結合する構成要素と、前記結合する構成要素は、
前記局所基準光を第1の部分と第2の部分とに分割し、前記受信された光パルスを第1の部分と第2の部分とに分割し、
前記受信された光パルスの前記第2の部分と前記局所基準光の前記第2の部分との間に第1の位相シフトを適用し、
前記受信された光パルスの前記第1の部分と前記局所基準光の前記第1の部分とを前記第1のビームコンバイナ上で結合し、
前記受信された光パルスの前記第2の部分と前記局所基準光の前記第2の部分とを前記第2のビームコンバイナ上で結合する
ように構成される、
前記第1のビームコンバイナの出力を検出するように構成された、第1の光検出器および第2の光検出器と、
前記第2のビームコンバイナの出力を検出するように構成された、第3の光検出器および第4の光検出器と、
前記第1のビームコンバイナの前記出力と前記第2のビームコンバイナの前記出力とに関する情報を受信し、
前記受信された基準光パルスに対する相対的な前記局所基準光の位相を決定し、
前記受信された基準光パルスと直角位相の前記信号光パルスの成分と前記受信された基準光パルスと直角位相の前記信号光パルスの成分とを決定する
ように構成されたプロセッサと
を備える、[C8]に依存するときの[C13]に記載のシステム。
[C16]
前記受信器は、
前記信号光パルスを第1の光学経路に、前記基準光パルスを第2の光学経路に向けるように構成された第1の分割する要素と、
局所基準光を生成するように構成された光源と、
前記局所基準光を第1の部分と第2の部分とに分割するように構成された第2の分割する要素と、
第1のビームコンバイナと第2のビームコンバイナとを備える第1の結合する構成要素と、前記第1の結合する構成要素は、
前記局所基準光の前記第1の部分を第3の部分と第4の部分とに分割し、前記信号光パルスを第1の部分と第2の部分とに分割し、
前記信号光パルスの前記第2の部分と前記局所基準光の前記第4の部分との間に第1の位相シフトを適用し、
前記信号光パルスの前記第1の部分と前記局所基準光の前記第3の部分とを前記第1のビームコンバイナ上で結合し、
前記信号光パルスの前記第2の部分と前記局所基準光の前記第4の部分とを前記第2のビームコンバイナ上で結合する
ように構成される、
前記第1のビームコンバイナの出力を検出するように構成された第1の光検出器および第2の光検出器と、
前記第2のビームコンバイナの出力を検出するように構成された第3の光検出器および第4の光検出器と、
第3のビームコンバイナと第4のビームコンバイナとを備える第2の結合する構成要素と、前記第2の結合する構成要素は、
前記局所基準光の前記第2の部分を第5の部分と第6の部分とに分割し、前記受信された基準光パルスを第1の部分と第2の部分とに分割し、
前記受信された基準光パルスの前記第2の部分と前記局所基準光の前記第6の部分との間に第1の位相シフトを適用し、
前記受信された基準光パルスの前記第1の部分と前記局所基準光の前記第5の部分とを前記第1のビームコンバイナ上で結合し、
前記受信された基準光パルスの前記第2の部分と前記局所基準光の前記第6の部分とを前記第2のビームコンバイナ上で結合する
ように構成される、
前記第3のビームコンバイナの出力を検出するように構成された第5の光検出器および第6の光検出器と、 前記第4のビームコンバイナの出力を検出するように構成された第7の光検出器および第8の光検出器と、
前記第1のビームコンバイナの前記出力と前記第2のビームコンバイナの前記出力と前記第3のビームコンバイナの前記出力と前記第4のビームコンバイナの前記出力とに関する情報を受信し、
前記受信された基準光パルスに対する相対的な前記局所基準光の位相を決定し、
前記信号光パルスに対する相対的な前記局所基準光の位相を決定し、
前記基準光パルスと直角位相の前記信号光パルスの成分と前記受信された基準光パルスと直角位相の前記信号光パルスの成分とを決定する
ように構成されたプロセッサと
を備える、[C4]に依存するときの[C13]に記載のシステム。
[C17]
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源がコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に第1の信号を適用するように構成された第1のコントローラと、
前記第1の信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、各摂動は、前記生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る、
光学強度変調を作るように構成された第1の光学構成要素および光学強度変調を作るように構成された第2の光学構成要素と、ここにおいて、前記コヒーレント光源は、前記第1の光学構成要素と前記第2の光学構成要素とに前記生成された光パルスを供給するように構成される、
光パルスが、前記生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に第2の信号を適用するように構成された第2のコントローラと、
光パルスが、前記生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記第2の光学構成要素に第3の信号を適用するように構成された第3のコントローラと
を備える光デバイス。
[C18]
前記第1の信号は、周期的信号であり、前記コヒーレント光源は、コヒーレント光のパルスを生成し、ここにおいて、前記位相制御要素は、各期間中に1回、前記第1の信号に摂動を適用し、前記生成されたコヒーレント光パルスの第1の部分と前記生成されたコヒーレント光パルスの第2の部分との間の位相シフトを作るように構成される、
前記第2のコントローラは、光パルスが、前記生成された光パルスの前記第1の部分が受信される時間の前記期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に前記第2の信号を適用するように構成され、
前記第3のコントローラは、光パルスが、前記生成された光パルスの前記第2の部分が受信される時間の前記期間中に放出されるように、前記第2の光学構成要素に前記第3の周期的信号を適用するように構成される、
[C17]に記載の光デバイス。
[C19]
コヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源が連続波コヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に第1の信号を適用するように構成された第1のコントローラと、
前記第1の信号に摂動を適用するように構成された位相制御要素と、各摂動は、前記生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作り、交番する摂動は、前の位相シフトを打ち消す、
光学強度変調を作るように構成された第1の光学構成要素と、ここにおいて、前記コヒーレント光源は、前記第1の光学構成要素に前記生成された光を供給するように構成される、 光パルスが、前記生成された光の部分が受信される時間の各期間中に放出されるように、前記第1の光学構成要素に時間変動する信号を適用するように構成された第2のコントローラと、ここにおいて、前記生成された光のうちで前記交番する摂動に対応する部分が受信される時間の期間中に放出された光パルスの間の位相差は、実質的に0である、
を備える光デバイス。
[C20]
第1の信号に摂動を適用することと、
コヒーレント光源がコヒーレント光を生成するように、前記コヒーレント光源に前記第1の信号を適用することと、各摂動は、前記生成されたコヒーレント光の諸部分の間の位相シフトを作る、
光学増幅を作るように構成された光学構成要素に前記コヒーレント光を供給することと、
光パルスが、前記生成された光の第1の部分が受信される時間の期間中に放出され、光パルスが、前記生成された光の第2の部分が受信される時間の期間中に放出されるように、前記光学構成要素に第2の信号を適用することと、
振幅変調を適用することと、ここにおいて、情報は、放出される信号光パルスの位相と振幅との値の連続体内で符号化される、
放出された信号光パルスを受信するユニットに送ることと、
前記情報を復号するために、前記受信するユニットで前記信号光パルスと基準光とを光学的に結合することと
を備える、量子通信方法。