JP6429837B2 - 多軸スライサー - Google Patents

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Description

本発明は、シート部材を紙管に巻回したロール状の被切断対象物を輪切りに複数切断するための多軸スライサーに関するものである。
一般に、粘着テープ、ビニールフィルム等のシート部材を紙管に巻回してなる巻物製品を製造する場合、まず、巻取り装置によって幅広の状態のシート部材を紙管に巻回して、長尺の被切断対象物(原反)を形成する。そして、被切断対象物をスライサーによって所定の幅で輪切りに切断することにより巻物製品を複数得る。従来、このようなスライサーでは、被切断対象物の紙管の一端を固定手段によって固定し、駆動手段により、被切断対象物を固定手段ごと回転させる。そして、被切断対象物を回転させた状態で、切断手段によって、被切断対象物を所定の幅で切断する(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−62755号公報
しかしながら、上述の固定手段で被切断対象物の紙管の一端を固定するスライサーでは、次のような問題がある。サイズが大きい巻物製品を製造する場合、大きさに比例して、被切断対象物(原反)の重量が重くなる。このため、固定手段で被切断対象物の紙管を固定し、被切断対象物を回転させると、紙管の固定手段による固定箇所が被切断対象物の重み及び回転による負荷に耐えきれずに千切れることがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的にするところは、被切断対象物が回転する際の紙管の千切れを防止し、高精度に被切断対象物を切断する多軸スライサーを提供することにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の態様を例示するものであり、本発明の多様な構成要素の理解を容易にするために、項分けして説明するものである。以下の各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明を実施する最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、または、さらに他の構成要素を付加した態様についても、本発明の一態様になり得るものである。
(1)シート部材を紙管に巻回してなるロール状の複数の被切断対象物を、同時に所望の幅で切断する多軸スライサーであって、
前記被切断対象物の一端を着脱可能に保持する第1保持手段と、
前記被切断対象物の他端を着脱可能に保持する第2保持手段と、
前記第1保持手段を介して、前記被切断対象物を回転させる第1駆動手段と、
前記第2保持手段を介して、前記被切断対象物を回転させる第2駆動手段とを含む、複数の回転駆動軸と、
前記複数の被切断対象物を同時に切断可能な切断手段と、
前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段の回転速度を同期させて、前記複数の回転駆動軸を回転駆動させると共に、前記切断手段を作動させる制御手段と、を備える多軸スライサー(請求項1)。
本項に係る多軸スライサーは、第1保持手段が被切断対象物の一端を保持し、第2保持手段が被切断対象物の他端を保持することで、被切断対象物の両端を保持する構造となるため、重量の大きな被切断対象物を多軸スライサーにセットしても、被切断対象物の重量が両端に均等に掛かり、第1保持手段及び第2保持手段に掛かる重量を軽減するものとなる。更に、被切断対象物が回転した際の回転負荷を分担し、被切断対象物の千切れを防止するものとなる。
また、多軸スライサーは、第1駆動手段が第1保持手段を介して被切断対象物の一端側から回転させ、第2駆動手段が第2保持手段を介して被切断対象物の他端側から回転させることにより、被切断対象物の回転ぶれを防止するものとなる。
更に、多軸スライサーは、制御手段によって、第1駆動手段及び第2駆動手段の回転速度の同期制御、及び、切断手段の作動制御を行うことにより、適切に作動させるものとなる。また、多軸スライサーは、切断手段が複数の被切断対象物を同時に切断することにより、生産効率を上げるものとなる。
(2)上記(1)項において、前記第1保持手段は、前記被切断対象物の前記紙管の内周部に挿入され、前記被切断対象物を固定する固定機構と、
前記固定機構及び前記第1駆動手段を軸方向に移動させる移動手段と、を備え、
前記固定機構は、軸方向の一端側にテーパ部を備え、軸方向に移動可能な拡張テーパ軸と、該拡張テーパ軸を軸方向に移動させる移動部と、前記テーパ部と相補的なテーパ面を有して前記テーパ部に摺接し、前記拡張テーパ軸の軸方向の移動に伴って径方向外側に移動する、周方向に並ぶ複数の拡張ピンと、該複数の拡張ピンを径方向外側から覆い、前記被切断対象物の前記紙管の内周壁を固定するスリーブ体と、前記拡張テーパ軸、前記複数の拡張ピン及びスリーブ体を保持する保持部材と、を有する多軸スライサー(請求項2)。
本項に係る多軸スライサーにおいて、固定機構は、テーパ面を有した複数の拡張ピンを拡張テーパ軸のテーパ部に摺接するように配置し、この複数の拡張ピンを径方向外側から覆うようにスリーブ体を配置している。この複数の拡張ピンは、移動部による拡張テーパ軸の軸方向の移動に伴って径方向外側に移動し、スリーブ体を押圧して、スリーブ体を拡径させる。これにより、固定機構を被切断対象物の紙管の内周部に挿入しているとき、拡張ピンの押圧によって、拡径されたスリーブ体が紙管の内周壁に接触して、紙管の内周壁を固定するものとなる。
(3)上記(2)項において、更に、前記第1保持手段は、切断された前記被切断対象物を前記第1保持手段から取外す切断対象物取外し部を有し、
前記切断対象物取外し部は、前記固定機構の軸方向の一端側に配置され、前記固定機構を挿入する挿入孔を設けた接触板と、該接触板に連結され、前記接触板を前記固定機構の軸方向に移動させるスライド部材と、該スライド部材を駆動するモータと、を備えている多軸スライサー。
本項に係る多軸スライサーにおいて、第1保持手段は、切断対象物取外し部を設けることにより、切断対象物取外し部の接触板(調整板)が第1保持手段の軸方向一端側(第2保持手段と対向する二対の固定機構の先端側)に隣接するようにして配置される。これにより、特に切断された被切断対象物(巻物製品)の幅が、被切断対象物の直径との対比で小さい場合であれば、モータ(サーボモータ)の駆動によってスライド部材を移動させて、被切断対象物の切断後、第1保持手段が第2保持手段と離間する軸方向に移動すると、切断された被切断対象物が切断対象物取外し部の接触板(調整板)に直ちに接触して、第1保持手段から切断された被切断対象物をそぎ落として、第1保持手段から外れる時間を短縮するものとなる。よって、被切断対象物の切断後、次の被切断対象物の切断を開始するタイミングが早められ、巻物製品の生産効率を上げるものとなる。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれか1項において、前記第1駆動手段は、出力軸と、
前記固定機構のそれぞれに取付けられた複数の第1プーリ、該第1プーリの少なくとも一つと直列に配置されるように前記固定機構の少なくとも一つに取付けられた第2プーリ及び前記出力軸に取付けれた第3プーリと、
前記第1プーリのそれぞれに巻装された第1ベルト及び前記第2プーリと前記第3プーリとに巻装された第2ベルトと、
前記第1プーリと前記第1プーリとの間に設置され、前記第1ベルトの張力を調整する張力調整プーリと、を有する多軸スライサー(請求項3)。
本項に係る多軸スライサーにおいて、第1駆動手段は、第1プーリを固定機構のそれぞれに取付け、第2プーリを第1プーリの少なくとも一つと直列に配置されるように固定機構の少なくとも1つに取付け、第3プーリを出力軸に取付けている。更に、第1ベルトが第1プーリのそれぞれに巻装され、第2ベルトが第2プーリと第3プーリとに巻装されている。このような構成にすることにより、第1駆動手段を駆動させると、出力軸を介して第3プーリが回転し、第3プーリに巻装された第2ベルトも回転して、この第2ベルトの回転により第2プーリが回転する。そして、第2プーリの回転により、この第2プーリが取付けられた固定機構と第2プーリと直列に並んだ第1プーリとが回転し、この回転により第1プーリに巻装された第1ベルトが回転する。そして、第1ベルトの回転より、他方の第1プーリが回転し、他の固定機構が回転する。このように、第1駆動手段の回転を固定機構のそれぞれに適切に伝達するものとなる。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれか1項において、前記第2持手段は、前記被切断対象物の前記紙管の内周部に挿入される軸部材と、
前記軸部材の周方向外側に、前記軸部材と対向して前記軸部材と共に回動可能に軸着され、前記紙管の外周部を掴んで固定するチャック機構と、を有し、
前記チャック機構は、前記軸部材との軸着部に対して、軸方向一端側に前記紙管を掴むクランプを設け、軸方向他端側にコロを設けた複数のクランプレバーと、該クランプレバーの前記コロと軸方向に対向し、前記コロが転動案内される複数のテーパ部を有したエキスパンションと、該エキスパンションを前記軸部材の軸方向に移動させるエアアクチュエータと、を有する多軸スライサー(請求項4)。
本項に係る多軸スライサーにおいて、エアアクチュエータによってエキスパッションを軸部材の軸方向に移動させることで、クランプレバーのコロがエキスパンションのテーパ部に転動案内されて、クランプレバーの軸方向他端部を軸部材の径方向外側へと押し出す。その結果、チャック機構のクランプレバーが軸部材の軸着部を支点に回動して、クランプレバーの軸方向一端部のクランプにより、被切断対象物の紙管を掴み固定する。これにより、第2持手段は、被切断対象物の他端を堅固に保持するものとなる。また、エキスパンションのテーパ部とクランプレバーの他端部とがコロを介して案内されることで、クランプバーの軸方向の移動を円滑にするものとなる。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれか1項において、前記制御手段には、前記第2保持手段で前記被切断対象物の他端を保持し、前記第2駆動手段により前記被切断対象物を回転させた状態で、前記第1駆動手段を駆動し、該第1駆動手段の回転速度を前記第2駆動手段の回転速度と同期させ、
前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段の回転速度を同期させた後、前記第1保持手段を前記被切断対象物の一端に挿入して、前記被切断対象物を回転させながら保持し、
前記切断手段を作動させ、前記被切断対象物を所望の幅で切断する制御ロジックを含む多軸スライサー(請求項5)。
本項に係る多軸スライサーにおいて、制御手段は、第2保持手段で被切断対象物の紙管の他端を保持して、第2駆動手段で所定の回転速度へと回転させた後、第1駆動手段を駆動させ、第2駆動手段の回転速度と同期させる。そして、第1保持手段を回転させながら被切断対象物の紙管の一端に挿入し、保持して、被切断対象物の両端から回転させる制御ロジックを含む。これにより、第1駆動手段及び第2駆動手段の回転速度を同期させた状態で、第1保持手段が被切断対象物の一端を保持することで、被切断対象物を回転させても、回転による負荷を第1保持手段と第2保持手段とで分担させるものとなる。また、第1駆動手段と第2駆動手段との回転速度を同期させるロジックを含むことにより、主駆動手段(第2駆動手段)の出力より小さい出力の補助駆動手段(第1駆動手段)を使用したとしても、回転速度を同期させられるので、被切断対象物の回転に影響を及ぼさないものとなる。また、被切断対象物の両端からの回転により、両端の負荷を軽減した状態で、切断手段を作動させる制御ロジックを含むことにより、適切なタイミングで切断を行い、紙管の千切れを防ぐものとなる。更に、制御手段は、被切断対象物の切断後、第1保持手段による被切断対象物の一端の固定を解除し、第1保持手段を移動させて、製品を取り出す制御ロジックを含むことにより、第1保持手段と共に、切断した被切断対象物(製品)が移動され、製品の取り出しが容易になる。
本発明は、以上のように構成したことにより、被切断対象物が回転する際の紙管の千切れを防止し、高精度に被切断対象物を切断する多軸スライサーを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る多軸スライサーの概略側面図である。 図1に示す多軸スライサーの概略正面図である。 図2に示す多軸スライサーの第1保持手段及び第1駆動手段を示す正面図である。 図2に示す多軸スライサーの第1保持手段及び第1駆動手段を示す平面図である。 図4に示す多軸スライサーの第1保持手段の固定機構の部分断面図である。 図1に示す多軸スライサーの第2保持手段の軸部材及びチャック機構の部分断面図である。 第1保持手段及び第2保持手段で被切断対象物を保持した状態の部分断面図である。 図1に示す多軸スライサーの動作フローチャート図である。
以下、本発明の一実施形態に係る多軸スライサーの構成を図1〜図7に基づいて詳細に説明する。
本発明の多軸スライサー1は、シート部材3aを紙管3b(図7参照)に巻回したロール状の複数の被切断対象物3(原反)を輪切りに切断し、複数の巻物製品を得る装置である。ここで、本実施形態では、一例として、シート部材3aは、粘着テープであり、幅広の粘着テープが紙管3bに巻回されている。
図1及び図2に示すように、多軸スライサー1は、第1保持手段11と、第1駆動手段13と、第2保持手段15と、第2駆動手段17と、切断手段19と、制御手段21と、被切断対象物搬入台23と、被切断対象物供給部25と、製品排出コンベア27と、を備えている。制御手段21は、図1及び図2にのみ模式的に示されており、専用又は汎用のコンピュータ、PLC(programmable logic controller)、リレー回路等が適切に選択されて用いられるものである。そして、制御手段21は、後述する第1駆動手段13の電動機55、第2駆動手段17の電動機、切断部83の駆動部85、切断刃昇降部86、切断対象物取外し部33のサーボモータ49,49、移動部32,32のサーボモータ50,50、移動機構35のサーボモータ53及びエアアクチュエータ78との適切な通信手段を介して、制御信号を授受を行うものである。
第1保持手段11は、図3〜図5を参照して、第1駆動手段13と接続されており、固定機構31と、切断対象物取外し部33と、ハウジング34と、移動機構35(移動手段)と、を備えている。図示の例では、固定機構31は、並列に配置された多軸構造であり、本実施形態では、2軸で一対の固定機構31が、さらに二対からなる4軸構造である(図4参照)。この二対の固定機構31,31のそれぞれは、軸方向の一端が被切断対象物3の一端を保持する機構(後述参照)を有し、軸方向の他端が移動部32に取付けられている。二対の固定機構31は、後述する第1駆動手段13の電動機55(図3及び図4参照)によって回転駆動され、また、移動機構35によって軸方向に移動可能である。二対の固定機構31,31は、図5に示すように、拡張テーパ軸36と、拡張ピン37と、保持部材38と、スリーブ体39と、蓋部40と、移動部32(図4参照)と、からなる。
拡張テーパ軸36は、後述する保持部材38の第1保持孔44内において、軸方向に移動可能に配置されている。この拡張テーパ軸36は、軸方向一端側(被切断対象物3を固定する側)にテーパ部42が形成され、軸方向他端側が後述する移動部32,32のボールネジ部52,52と連結されている。拡張ピン37は、拡張テーパ軸36のテーパ部42と摺接するテーパ面43が形成され、図示の例では、拡張テーパ軸36のテーパ部42に対して、周方向に90°間隔を置いて、4つ設けられている。また、拡張ピン37は、後述する保持部材38の第2保持孔45内に、径方向へと移動可能に配置されている。
保持部材38は、略円筒状の部材であり、拡張テーパ軸36を保持する第1保持孔44と、拡張ピン37を保持する第2保持孔45と、スリーブ体39を配置する段部46と、が形成されている。第2保持孔45は、拡張ピン37の数に対応して、保持部材38の軸方向一端側の周方向に90°間隔を置いて4つ形成されている。段部46は、保持部材36の軸方向一端側の外周に形成されている。
スリーブ体39は、図5及び図7を参照して、二重構造で構成され、第1スリーブ39a及び第2スリーブ39bからなる。第1スリーブ39aは、剛性や耐久性を持たせるために、金属材料から形成された断面視C状のリングであり、拡張ピン37を覆うように、保持部材38の段部46に配置されている。第2スリーブ39bは、紙管3bに対する当たりを穏やかにするために、ポリエチレン部材から形成された断面視C状のリングであり、第1スリーブ39aの外周を覆って、保持部材38の段部46に配置されている。蓋部40は、保持部材38の一端側の開口を塞ぐように、取付けられている。
移動部32は、図4を参照して、平面視で左右一対をなし、各移動部32,32に二対の固定機構31,31が取付けられている。また、移動部32,32は、駆動源であるサーボモータ50,50と、このサーボモータ50,50の回転を減速する減速機51,51と、ボールネジ部52,52と、を備えている。すなわち、移動部32,32は、制御手段21によって制御されたサーボモータ50,50の駆動によって、ボールネジ部52,52を軸方向に移動させ、拡張テーパ軸36の軸方向の移動を適宜行うためのリニアアクチュエータを構成している。サーボモータ50,50は、制御手段21によって駆動制御され、減速機51,51に接続されている。減速機51,51は、ボールネジ部52,52と接続されている。ボールネジ部52,52は、サーボモータ50,50からの回転を軸方向への往復運動に変換させ、二対の固定機構31,31の拡張テーパ軸36を軸方向に移動させる。
切断対象物取外し部33,33は、切断された被切断対象物3を二対の固定機構32,32から取外すものであり、ハウジング34の両側に設置され(図3参照)、調整板47(接触板)と、スライド部材48,48と、サーボモータ49,49と、を備えている。この切断対象物取外し部33,33は、切断された被切断対象物3の切断幅の設定に応じて、制御手段21によって制御されたサーボモータ49,49の駆動によって、スライド部材48,48を軸方向に移動させ、ハウジング34に対する調整板47の位置を適宜変更するためのものである。調整板47は、略矩形状の平板であり、二対の固定機構31,31の軸方向一端側寄り(第2保持手段15に対向する二対の固定機構31,31の先端側)に位置し、二対の固定機構31,31のそれぞれを挿通するための挿通孔47aが形成されている。スライド部材48,48は、ハウジング34に固定され、調整版47の両側に取付けれ(図4の紙面左右)、サーボモータ49,49と接続されている。サーボモータ49,49は、制御手段21によって駆動制御されている。
移動機構35は、図4を参照して、第1保持手段11及び第1駆動手段13を移動させるスライド手段であり、駆動源であるサーボモータ53と、ボールネジ部54と、を有している。サーボモータ53は、制御手段21によって駆動制御され、ボールネジ部54と接続されている。ボールネジ部54は、二対の固定機構31,31、第1駆動手段13等を支持する支持台41に連結されており(図2及び図3参照)、サーボモータ53からの回転を軸方向への往復運動に変換させ、支持台41を軸方向に移動させる。この支持台41は、第1保持手段11及び第2駆動手段13を支持している(図2及び図3参照)。
第1駆動手段13は、被切断対象物3の一端を回転させる補助駆動手段であり、図3及び図4を参照して、電動機55と、複数(二対)の第1プーリ56と、一対の第2プーリ57と、第3プーリ58と、張力調整プーリ59と、一対の第1ベルト60と、第2ベルト61と、回転速度センサ(図示せず)と、を備えている。電動機55の駆動軸62(回転駆動軸)には、第3プーリ58が取付けられている。複数の第1プーリ56は、二対の固定機構31,31の他端(移動部32側)に取付けている。第2プーリ57は、各一対の固定機構31に係る第1プーリ56の少なくとも一つと直列に配置されるように、二対の固定機構31,31の一つ(中心寄りの2つ)に取付けられている。張力調整プーリ59は、一対の第1プーリ56,56との間に配置されている。また、一対の第1プーリ56,56と張力調整プーリ59との各軸が並列に配置され、第2プーリ57と第3プーリ58との各軸が並列に配置されている。第1ベルト60は、第1プーリ56及び張力調整プーリ59に巻装されている。第2ベルト61は、第2プーリ57と第3プーリ58とに巻装されている。回転速度センサは、電動機55の回転速度を検知し、検知した回転速度を制御手段21に出力する。
図1及び図6を参照して、第2保持手段15は、第2駆動手段17と接続されており、軸部材65と、プッシャバー66と、チャック機構67と、スリーブ68と、チャック機構カバー69と、被切断対象物受け部70と、を備えている。軸部材65は、回転可能にスリーブ68内に配置され、軸方向一端側にチャック機構67を取付けている。また、軸部材65は、プッシャバー66を挿入するための挿入孔71と、一端側(被切断対象物の保持側)に後述するチャック機構67のクランプレバー73を取付ける軸着部72が設けられている。プッシャバー66は、第2駆動手段17のエアシリンダ(図示せず)の押圧によって、被切断対象物3のスクラップ(廃棄する紙管)を排出するためのものである。
チャック機構67は、被切断対象物3の紙管3bを掴み固定するものであり(図7参照)、クランプレバー73と、エキスパンション74と、エアアクチュエータ78(リニアアクチュエータ)と、を有している。クランプレバー73は、略中間部が軸部材65の軸着部72に回動可能に取付けられ、本実施形態では、軸部材65の周方向に4つ(図6では、便宜上2つのみ示す)設けられている。また、クランプレバー73は、軸方向一端側にクランプ75を、軸方向他端側にコロ76を有している。
エキスパンション74は、略リング状の部材であり、後述するスリーブ68と後述するエアアクチュエータ78のシリンダスリーブ80との間に配置されている。このエキスパンション74は、クランプレバー73のコロ76と軸方向に対向するように、コロ76を案内するテーパ部77が形成されている。このテーパ部77は、周方向に90°間隔で4つ設けられている。
エアアクチュエータ78は、図6を参照して、エキスパンション74を軸部材の軸方向に移動させるものであり、ピストン79と、シリンダスリーブ80と、空気供給口81と、を有している。このエアアクチュエータ78は、制御手段21によって作動制御され、空気供給口81からのエア供給により、ピストン79が軸部材65の軸方向に移動して、エキスパンション74を往復移動させる構造となっている。シリンダスリーブ80は、スリーブ68と同心上、かつ、径方向外側に取付けられている。ピストン79は、シリンダスリーブ80とスリーブ68との間に配置されている。空気供給口81は、シリンダスリーブ80に形成されている。
スリーブ68は、略円筒状の部材であり、内周部に軸部材65を収容し、外周部にエアアクチュエータ78が取付けられている。チャック機構カバー69は、略円筒状の部材であり、一端側外周部に被切断対象物受け部70が取付けられ、他端側がシリンダスリーブ80に取付けられている。被切断対象物受け部70には、被切断対象物3の紙管3bを挿通するための開口82が形成されている。
第2駆動手段17は、被切断対象物3の他端を回転させる主駆動手段であり、図示しない電動機、プーリ、ベルト、回転速度センサ及びエアシリンダを備えている。第2駆動手段17の電動機は、制御手段21によって制御され、電動機の駆動によって、駆動軸(回転駆動軸、図示せず)を回転させ、軸部材65を介して被切断対象物3を回転させる。回転速度センサは、電動機の回転速度を検知し、検知した回転速度を制御手段21に出力する。第2駆動手段17のエアシリンダは、被切断対象物3のスクラップを排出する際、プッシャバー66を押圧するためのものである。また、図示の例では、第2駆動手段17の電動機は、第1駆動手段13の電動機55の出力より大きい出力を備えている。
切断手段19は、図1及び図2を参照して、被切断対象物3の第1保持手段11の側端部の近傍に位置し、回転可能に保持された円板状の切断刃84と、駆動部85とを有した切断部83と、切断刃昇降部86とからなる。切断部83は、第1保持手段11の固定機構31の数に応じた数の切断刃84を備え、本実施形態では、切断刃84は、4つ設けられている。切断刃84のそれぞれは、水平方向に並列に配置されている(図2参照)。駆動部85は、制御手段によって制御されるモータを備えている。切断刃昇降部86は、切断刃84を昇降させ、制御手段21によって駆動が制御されている。
制御手段21は、前述のごとく、専用又は汎用のコンピュータ、PLC、リレー回路等が適切に選択されて用いられるものである。この制御手段21は、第1駆動手段13の電動機55、第2駆動手段17の電動機、切断部83の駆動部85、切断刃昇降部86、切断対象物取外し部33のサーボモータ49,49、移動部32,32のサーボモータ50,50、移動機構35のサーボモータ53及びエアアクチュエータ78の作動を制御する制御ロジックを含む。また、制御手段21は、第1駆動手段13の回転速度を検知するセンサ(図示せず)及び第2駆動手段17の回転速度を検知するセンサ(図示せず)からの信号が入力され、各センサからの信号に基づいて演算して、第1駆動手段13及び第2駆動手段17の回転速度を同期制御する。
被切断対象物搬入台23は、図2を参照して、被切断対象物3を多軸スライサー1に搬入するものであり、図示の例では、多軸スライサー1の左側に設置されている。被切断対象物供給部25は、被切断対象物搬入台23に載置された被切断対象物3を第1保持手段11と第2保持手段15との間に運ぶものであり、制御手段21によって上下左右方向(図2の紙面上下左右方向)への移動及び被切断対象物3の保持開放動作が制御されている。また、被切断対象物供給部25は、多軸スライサー1の軸数に応じた複数基設けられたキャリア89、本実施形態では、4基のキャリア89を備えている。この4基のキャリア89は、並列に配置されている。
製品排出コンベア27は、図1及び図2を参照して、コンベヤ91と、切断された被切断対象物をコンベヤ91に運ぶシュート92と、を備えている。この製品排出コンベア27は、第1保持手段11の下部に配置されている。
次に、一実施形態に係る多軸スライサー1の動作について、図8も参照しながら以下に説明する。
まず、長尺の被切断対象物3を被切断対象物搬入台23(図2参照)に複数載置して、長尺の被切断対象物3を被切断対象物供給部25のキャリア89で順次吊持する(図1では4つ)。そして、キャリア89で吊持された被切断対象物3を第1保持手段11と第2保持手段15との間にセットする(ステップS1)。
そして、第2保持手段15で被切断対象物3を保持する(ステップS2)。具体的には、図6及び図7を参照して、第2保持手段15の被切断対象物受け部70が被切断対象物3のシート部材3aの軸方向の端面に接触するまで、第2保持手段15を被切断対象物3に向かって移動させる。被切断対象物受け部70とシート部材3aの端部とが接触したとき、被切断対象物3の紙管3bは、被切断対象物受け部70の開口部82を通過し、チャック機構カバー69内に挿入され、軸部材65の紙管受けヘッド65aが挿入される。また、第2保持手段15の移動に伴って、制御手段21によってエアアクチュエータ78を作動させ、空気供給口81からのエアによってピストン79を軸部材65の軸方向に移動させることで、エキスパッション74も軸方向に移動する。このエキスパッション74の移動に伴い、クランプレバー73のコロ76がエキスパンション74のテーパ部77に接触して転動案内されて、クランプレバー73が軸部材65の軸着部72を支点に回動して、クランプレバー73の軸方向他端部が軸部材65の径方向外側へと押し出される。この結果、クランプレバー73のクランプ75が紙管3bを掴み、紙管3bの内周部が軸部材65の紙管受けヘッド65aの外周部と嵌合し、被切断対象物3が第2保持手段15に固定される(図7参照)。
そして、第2保持手段17で被切断対象物3を保持した状態で、制御手段21によって第2駆動手段17を駆動制御して、第2保持手段17を介して被切断対象物3を所定の回転速度で回転させる(ステップS3)。
そして、被切断対象物3を切断位置まで移動させる(ステップS4a)と同時に、制御手段21によって第1駆動手段13を駆動して、第1保持手段11の二対の固定機構31,31を回転させる(ステップS4b)。なお、切断対象物取外し部33の調整板47については、被切断対象物3の切断幅の設定に応じて、制御手段21によってサーボモータ49を駆動し、スライド部材48を移動させて、切断対象物取外し部33の調整板47(図4参照)の位置を予め調整しておく。
ここで、第1駆動手段13による二対の固定機構31,31の回転動作について説明する。
まず、制御手段21(図1及び図2参照)によって、第1駆動手段13の電動機55を駆動させ、駆動軸62を介して第3プーリ58を回転させる。第3プーリ58が回転すると、第3プーリ58に巻装された第2ベルト61も回転して、この第2ベルト62の回転により一対の第2プーリ57(中心寄りの2つ)が回転する。そして、この一対の第2プーリ57の回転により、中心寄りの2つの第2プーリ57が取付けられた固定機構31及び第2プーリ57と直列に並んだ第1プーリ56が回転する。これと同時に、第1プーリ56に巻装された一対の第1ベルト60が回転し、第1ベルト60の回転より、他方の第1プーリ56が回転し、外側の他の固定機構31も回転する。
そして、第1保持手段11の二対の固定機構31,31を回転させた状態で、二対の固定機構31,31を被切断対象物3に向けて移動させる(ステップS5)。具体的には、制御手段21によって、移動機構35のサーボモータ53を駆動させ、移動機構35のボールネジ部54を移動させ、この移動によって、第1保持手段11及び第1駆動手段を支持する支持台41が移動する。このとき、二対の固定機構31,31が被切断対象物3の紙管3b内に挿入されるまで(図7参照)、二対の固定機構31,31を移動させる。
そして、二対の固定機構31,31が移動している間に(ステップS5)、制御手段21によって第1駆動手段13と第2駆動手段17との回転速度を同期させる(ステップS6)。具体的には、制御手段21は、第1駆動手段13の回転速度を検知するセンサ及び第2駆動手段17の回転速度を検知するセンサからの信号が入力され、各センサからの信号に基づいて演算して、第1駆動手段13及び第2駆動手段17の回転速度を同期させる。なお、第1駆動手段13及び第2駆動手段17の回転速度が異なっているとき、制御手段21によって、第1駆動手段13の電動機55の出力を調整し、第2駆動手段17との回転速度と同期させる。
そして、第1駆動手段13と第2駆動手段17との回転速度が同期した状態で、第1保持手段11の二対の固定機構31,31で被切断対象物3を保持して固定する(ステップS7)。具体的には、制御手段21によって、移動部32,32のサーボモータ50,50を駆動させ、移動部32,32のボールネジ部52,52の移動させ、この移動によって、二対の固定機構31,31の拡張テーパ軸36が軸方向に移動する。この拡張テーパ軸36の移動に伴って、拡張テーパ軸36のテーパ部42と摺接された拡張ピン37が径方向外側に移動し、第1スリーブ39aの内周壁を押圧して、第1スリーブ39aを拡径させる(図7参照)。これにより、拡径された第1スリーブ39aが第2スリーブ39bを押圧し、拡径した第2スリーブ39bの外周面が紙管3bの内周壁に接触して、紙管3bを固定する。
そして、制御手段21によって切断手段19の駆動部85を駆動し、切断刃84を回転させ、更に、切断刃昇降部86によって、切断部83の切断刃84を所定の切断位置まで下降させ、被切断対象物3を切断し、巻物製品(切断された被切断対象物)を複数得る(ステップS8)。このとき、制御手段21によって、切断刃昇降部86の切断刃84の下降距離が制御される。
そして、切断刃84が切断位置に達したとき、切断刃84を上昇させる(ステップS9a)と同時に、第1保持手段11の二対の固定機構31,31と被切断対象物3の紙管3bとの固定を解除する(ステップS9b)。具体的には、ステップ9bでは、制御手段21によって制御された切断刃昇降部86により、切断刃84を上昇させると同時に、制御手段21によって制御されたサーボモータ50,50の駆動によって、ボールネジ部52,52が移動し、この移動と共に拡張テーパ軸36も軸方向他端側に移動する。拡張テーパ軸36の移動によって、拡張ピン37を押圧する力が弱まり、第2スリーブ39bの弾性力によって拡張ピン37が径方向内側に移動して、スリーブ体39と紙管3bの内周壁との接触を解いて、固定を解除する。
そして、制御手段21によって、移動機構35のサーボモータ53を駆動させ、二対の固定機構31,31に取り付いた巻物製品と共に、二対の固定機構31,31を軸方向他端側に移動させる(ステップS10)。その後、二対の固定機構31,31に取付けられた巻物製品が切断対象物取外し部33の調整板47に接触し、この接触によって、二対の固定機構31,31から外れ、製品排出コンベア27のシュート92(図1参照)に落下して、コンベヤ91(図1参照)によって巻物製品が搬送される(ステップS11)。
上記構成を有する一実施形態の多軸スライサー1によると、第1保持手段11が被切断対象物3の一端を保持し、第2保持手段15が被切断対象物3の他端を保持することで、被切断対象物3の両端を保持する構造となるため、重量の大きな被切断対象物3をセットしても、被切断対象物3の重量が両端に均等に掛かり、第1保持手段11及び第2保持手段15に掛かる重量を軽減することが可能となる。更に、第1駆動手段13及び第2駆動手段17によって被切断対象物3が回転した際、紙管3bの両端にかかる回転負荷を分担し、被切断対象物3の紙管3bの千切れを防止することが可能となる。
また、多軸スライサー1は、第1駆動手段13が第1保持手段11を介して被切断対象物3をその一端側から回転させ、第2駆動手段17が第2保持手段15を介して被切断対象物3をその他端側から回転させることにより、被切断対象物3の回転ぶれを防止することが可能となる。更に、制御手段21によって、第1駆動手段13及び第2駆動手段17の回転速度の同期制御、及び、切断手段19の駆動部85の作動制御を行うことにより、各部を適切に作動させることが可能となる。また、多軸スライサー1は、切断手段19が複数の被切断対象物3を同時に切断することにより、生産効率を上げることが可能となる。
更に、一実施形態の多軸スライサー1によると、第1保持手段11によって被切断対象物3を固定する場合、移動機構35によって第1保持手段11及び第1駆動手段13を軸方向に移動させた後、移動部32,32のサーボモータ50,50の駆動によって、ボールネジ部52,52が移動し、この移動によって、拡張テーパ軸36が軸方向に移動する。これにより、二対の固定機構31,31の各々が備える4つの拡張ピン37が径方向外側に移動し、スリーブ体39の第1スリーブ39aを押圧して、第1スリーブ39aを拡径させ、この拡径により、第2スリーブ39bが押圧され、拡径される。この結果、二対の固定機構31,31を被切断対象物3の紙管3bの内周部に挿入しているとき、拡張ピン37の押圧によって、拡径されたスリーブ体39が紙管3bの内周壁に接触して、紙管3bの内周壁を堅固に固定することが可能となる。
また、一実施形態の多軸スライサー1によると、スリーブ体39は、金属製の第1スリーブ39aの外周面にポリエチレン製の第2スリーブ39bを配置することで、拡張ピン37によって拡径された第1スリーブ39aが第2スリーブ39bの内周面と均一に接触するものとなる。この結果、スリーブ体39の拡径によって、第2スリーブ39bの外周面と紙管3bの内周壁とが面接触するので、第1駆動手段13からの回転駆動を被切断対象物3に適切に伝達され、二対の固定機構31,31の空回りを防ぐことが可能となる。
また、一実施形態の多軸スライサー1によると、移動部32及び移動機構35の駆動源としてサーボモータ50,50及び53を用いることにより、制御手段21からの制御指令に対するレスポンスがよくなるので、移動部32及び移動機構35のボールネジ部52,52及び54を迅速に作動でき、二対の固定機構31,31と被切断対象物3との固定、及び、被切断対象物3に対する二対の固定機構31,31の出し入れを円滑にすることが可能となる。
また、一実施形態の多軸スライサー1によると、切断対象物取外し部33は、制御手段21によって制御された切断対象物取外し部33のサーボモータ49,49を駆動させ、スライド部材48,48によって切断対象物取外し部33の調整板47を二対の固定機構31,31の軸方向一端側(第2保持手段と対向する二対の固定機構の先端側)に移動させて、ハウジング34に対する調整板47の位置を決めている。これにより、切断された被切断対象物3の幅が被切断対象物の直径との対比で小さい場合であれば、調整板47を二対の固定機構31,31の先端側寄りに配置することで、被切断対象物3の切断後、二対の固定機構31,31が第2保持手段と離間する軸方向に移動すると、切断された被切断対象物3が調整板47に直ちに接触して、二対の固定機構31,31から切断された被切断対象物をそぎ落として、二対の固定機構31,31から外れる時間を短縮することが可能となる。この結果、被切断対象物3の切断後、次の被切断対象物3の切断を開始するタイミングが早められ、巻物製品の生産効率を上げることが可能となる。
また、一実施形態の多軸スライサー1によると、第1駆動手段13は、第1プーリ56を二対の固定機構31,31のそれぞれに取付け、第2プーリ57を各一対の固定機構31,31に係る第1プーリ56の少なくとも一つと直列に配置されるように二対の固定機構31,31の少なくとも1つに取付け、第3プーリ57を駆動軸62に取付ける。更に、第1ベルト60が第1プーリ56のそれぞれに巻装され、第2ベルト61が第2プーリ57と第3プーリ58とに巻装される。このような構成にすることにより、第1駆動手段13の回転を二対の固定機構31,31のそれぞれに適切に伝達することが可能となる。
また、一実施形態の多軸スライサー1によると、制御手段21によってエアアクチュエータ78を作動させて、ピストン79を軸部材65の軸方向に移動させることで、エキスパッション74が軸部材65の軸方向に移動する。このピストン79の移動により、チャック機構67のクランプレバー73のコロ76がエキスパンション74のテーパ部77に転動案内されて、クランプレバー73の軸方向他端部を軸部材65の径方向外側へと押し出される。これにより、クランプレバー73が軸部材65の軸着部72を支点に回動して、クランプレバー73の軸方向一端部のクランプ75により、被切断対象物3の紙管3bを掴み固定することが可能となり、被切断対象物3の他端を堅固に保持することが可能となる。また、エキスパンション74のテーパ部77とクランプレバー73の他端部とがコロ76を介して案内されることで、クランプバー73の軸方向の移動を円滑にすることが可能となる。
また、一実施形態の多軸スライサー1によると、制御手段21は、第1駆動手段13及び第2駆動手段17の回転速度を制御した状態で、第1保持手段11が被切断対象物3の一端を保持することで、被切断対象物3を回転させても、回転による負荷を第1保持手段11と第2保持手段15とで分担させることが可能となる。また、図示の例では、第2駆動手段17(主駆動手段)の出力より小さい出力の第1駆動手段13(補助駆動手段)を使用しているが、各駆動手段が受け持つ回転マスの大きさは、第2駆動手段17の電動機の方が大きいことから回転速度を同期させる上では、特に、影響を及ぼさない。また、当然に同じ出力であってもよい。
また、一実施形態の多軸スライサー1によると、制御手段21は、切断手段19の切断部83の駆動部85及び切断刃昇降部86を制御することにより、適切なタイミングで切断を行い、紙管3bの千切れを防ぐことが可能となる。具体的には、第1保持手段11及び第2保持手段15で被切断対象物3の紙管3bの両端を保持しながら、第1駆動手段13及び第2駆動手段17の回転速度を同期しているときに、切断刃84を下降させる。この状態では、被切断刃対象物3が切断刃84との切断時の負荷がかかっても、第1保持手段11及び第2保持手段15によって紙管3bの両端にかかる負荷が分担されているので、紙管3bを千切れ難くすることが可能となる。
なお、一実施形態に係る多軸スライサー1は、被切断対象物3を保持する第1保持手段11及び第2保持手段15が4軸構造からなっているが、軸数は、適宜変更することができる。
1…多軸スライサー、3…被切断対象物、3a…シート部材、3b…紙管、11…第1保持部材、13…第1駆動手段、15…第2保持手段、17…第2駆動手段、19…切断手段、21…制御手段、62…駆動軸(回転駆動軸)

Claims (5)

  1. シート部材を紙管に巻回してなるロール状の複数の被切断対象物を、同時に所望の幅で切断する多軸スライサーであって、
    前記被切断対象物の一端を着脱可能に保持する第1保持手段と、
    前記被切断対象物の他端を着脱可能に保持する第2保持手段と、
    前記第1保持手段を介して、前記被切断対象物を回転させる第1駆動手段と、
    前記第2保持手段を介して、前記被切断対象物を回転させる第2駆動手段とを含む、複数の回転駆動軸と、
    前記複数の被切断対象物を同時に切断可能な切断手段と、
    前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段の回転速度を同期させて、前記複数の回転駆動軸を回転駆動させると共に、前記切断手段を作動させる制御手段と、を備えることを特徴とする多軸スライサー。
  2. 前記第1保持手段は、前記被切断対象物の前記紙管の内周部に挿入され、前記被切断対象物を固定する固定機構と、
    前記固定機構及び前記第1駆動手段を軸方向に移動させる移動手段と、を備え、
    前記固定機構は、軸方向の一端側にテーパ部を備え、軸方向に移動可能な拡張テーパ軸と、該拡張テーパ軸を軸方向に移動させる移動部と、前記テーパ部と相補的なテーパ面を有して前記テーパ部に摺接し、前記拡張テーパ軸の軸方向の移動に伴って径方向外側に移動する、周方向に並ぶ複数の拡張ピンと、該複数の拡張ピンを径方向外側から覆い、前記被切断対象物の前記紙管の内周壁を固定するスリーブ体と、前記拡張テーパ軸、前記複数の拡張ピン及びスリーブ体を保持する保持部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の多軸スライサー。
  3. 前記第1駆動手段は、出力軸と、
    前記固定機構のそれぞれに取付けられた複数の第1プーリ、該第1プーリの少なくとも一つと直列に配置されるように前記固定機構の少なくとも一つに取付けられた第2プーリ及び前記出力軸に取付けれた第3プーリと、
    前記第1プーリのそれぞれに巻装された第1ベルト及び前記第2プーリと前記第3プーリとに巻装された第2ベルトと、
    前記第1プーリと前記第1プーリとの間に設置され、前記第1ベルトの張力を調整する張力調整プーリと、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の多軸スライサー。
  4. 前記第2持手段は、前記被切断対象物の前記紙管の内周部に挿入される軸部材と、
    前記軸部材の周方向外側に、前記軸部材と対向して前記軸部材と共に回動可能に軸着され、前記紙管の外周部を掴んで固定するチャック機構と、を有し、
    前記チャック機構は、前記軸部材との軸着部に対して、軸方向一端側に前記紙管を掴むクランプを設け、軸方向他端側にコロを設けた複数のクランプレバーと、該クランプレバーの前記コロと軸方向に対向し、前記コロが転動案内される複数のテーパ部を有したエキスパンションと、該エキスパンションを前記軸部材の軸方向に移動させるエアアクチュエータと、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多軸スライサー。
  5. 前記制御手段には、前記第2保持手段で前記被切断対象物の他端を保持し、前記第2駆動手段により前記被切断対象物を回転させた状態で、前記第1駆動手段を駆動し、該第1駆動手段の回転速度を前記第2駆動手段の回転速度と同期させ、
    前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段の回転速度を同期させた後、前記第1保持手段を前記被切断対象物の一端に挿入して、前記被切断対象物を回転させながら保持し、
    前記切断手段を作動させ、前記被切断対象物を所望の幅で切断する制御ロジックを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の多軸スライサー。
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