JP6426923B2 - 摩擦ダンパー - Google Patents

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Description

本発明は、主として橋梁をはじめとした屋外構造物に用いる摩擦ダンパーに関する。
摩擦ダンパーは、2つの部位の間に生じる相対変位によって摩擦力を発生させるとともに、該摩擦力を熱に変えることで運動エネルギーを吸収するように構成されたものであり、建築土木分野においては、ビル、橋梁等の構造物に生じる地震時の振動を低減する制震機器として広く用いられている。
かかる摩擦ダンパーは、摺動材が取り付けられた摺動板と該摺動材の表面を摺動面としてその上を摺動する摩擦材が設けられた摩擦板とからなるとともに、摩擦材が摺動材に押し付けられるように高力ボルト等を用いて摺動板と摩擦板とを締め付けてある。
ここで、摩擦ダンパーを屋外に設置する場合、風雨に曝されたり鳥の糞害に遭遇したりすることで不測の機能低下を招くことがないよう、状況に応じてカバーで覆うなどの措置が必要となる。
特開2003−269531号公報
一方、上述した摺動材は、一般的には耐腐食性能に優れたステンレスを用いて構成されるが、設置環境によっては腐食が進行するおそれもあるところ、滑り支承について開示されている特許文献1のように、全体をカバーで覆う構成とした場合、通気が悪くなって高湿度環境となるため、頻繁に保守点検を行って発錆状況を確認しなければならないという問題を生じていた。
また、摩擦ダンパーの場合においては、摺動板に対する摩擦板の残留変位あるいは摺動の痕跡を観察することによって、その作動状況を確認することが重要となるが、全体をカバーで覆う上述のような構成においては、保守点検のたびにカバーを取り外さねばならず、煩雑であるという問題も生じていた。
加えて、摩擦ダンパーが例えば橋桁と橋台あるいは橋脚との間に設置されている場合、カバーの着脱が高所作業となってより高い安全性が求められるため、保守点検におけるコスト増加を招く原因ともなる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、保守点検時の作業性を低下させることなく、摺動材を風雨や糞害から保護することが可能な摩擦ダンパーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る摩擦ダンパーは請求項1に記載したように、相対変位を生じる2つの部位のうち、一方の部位に連結され又は該一方の部位に形成される摺動板と、他方の部位に連結される摩擦板とを備えるとともに、前記摺動板と前記摩擦板とが相対移動することによって、前記摩擦板に設けられた摩擦材が前記摺動板に取り付けられた摺動材の摺動面上を摺動するようになっているとともに、前記相対移動が拘束されないように前記摩擦材が前記摺動材に押圧されるようになっている摩擦ダンパーにおいて、
前記摩擦板の端部に一方の縁部を、前記摺動板のうち、前記摺動材の端部近傍に他方の縁部をそれぞれ取り付けることで、前記摺動材のうち、前記摩擦板が定位置にあるときに露出する領域を覆うことが可能なシート材を備えてなり、該シート材は、前記摺動板に対する前記摩擦板の動きに追従して変形し、該摩擦板の動きによって破断し、又は該摩擦板の動きによって前記一方の縁部若しくは前記他方の縁部がそれらの取付け箇所から離脱するようになっているものである。
また、本発明に係る摩擦ダンパーは、前記摩擦板の端部表面に位置決めされる第1の押さえ部と該摩擦板の端面に位置決めされるように該第1の押さえ部からそれにほぼ直交する方向に延設された第2の押さえ部とを有する断面ほぼL字状の押さえ部材を備えるとともに、該押さえ部材を、前記シート材の一方の縁部が前記第1の押さえ部と前記摩擦板の端部表面との間に挟み込まれた状態で該第1の押さえ部が前記摩擦板の端部表面に連結自在となるように構成したものである。
また、本発明に係る摩擦ダンパーは、前記第2の押さえ部をその長さが前記摩擦板の板厚とほぼ等しくなるように形成するとともに、該第2の押さえ部から直交方向に延びる第3の押さえ部を設けることで前記押さえ部材を断面ほぼクランク状に構成したものである。
また、本発明に係る摩擦ダンパーは、前記摺動板から突出し前記摺動材に挿通された摺動材取付けボルトに摺動材取付けナットが螺着された状態で該摺動材取付けナットが進入可能なナット開口を前記シート材の他方の縁部に形成するとともに、前記摺動材取付けナットを収容可能な空間が内側に形成され前記ナット開口の開口周縁に当接される当接部が一端に、前記摺動材取付けボルトが挿通されるボルト孔が他端にそれぞれ形成されたスリーブ状狭着部材を備え、該スリーブ状狭着部材を、前記ナット開口の開口周縁に前記当接部を当接させかつ前記ボルト孔に前記摺動材取付けボルトを挿通させた状態で該摺動材取付けボルトの先端に狭着部材取付けナットを螺着することにより、前記摺動材との間に前記シート材を狭着できるように構成したものである。
また、本発明に係る摩擦ダンパーは、前記シート材が伸張する方向に沿った前記摩擦板の動きに対し、前記シート材が前記ナット開口近傍で破断するように該シート材を構成したものである。
また、本発明に係る摩擦ダンパーは請求項6に記載したように、相対変位を生じる2つの部位のうち、一方の部位に連結され又は該一方の部位に形成される摺動板と、他方の部位に連結される摩擦板とを備えるとともに、前記摺動板と前記摩擦板とが相対移動することによって、前記摩擦板に設けられた摩擦材が前記摺動板に取り付けられた摺動材の摺動面上を摺動するようになっているとともに、前記相対移動が拘束されないように前記摩擦材が前記摺動材に押圧されるようになっている摩擦ダンパーにおいて、
前記摺動板のうち、前記摩擦板の端面近傍に一方の縁部が、前記摺動材の端部近傍に他方の縁部がそれぞれ延びるように構成することで、前記摺動材のうち、前記摩擦板が定位置にあるときに露出する領域を覆うことが可能なシート材と、前記摩擦板の端部表面に位置決めされる第1の押さえ部と該摩擦板の端面に位置決めされるように該第1の押さえ部からそれにほぼ直交する方向に延設され前記摩擦板の板厚と長さがほぼ等しくなるように形成された第2の押さえ部と該第2の押さえ部から直交方向に延びる第3の押さえ部とで構成された断面ほぼクランク状の押さえ部材とを備え、前記シート材は、その他方の縁部を前記摺動材の端部近傍に取り付けることができるようになっているとともに、該シート材の一方の縁部を、前記第1の押さえ部を前記摩擦板の端部表面に連結することで前記第3の押さえ部と前記摺動材との間に狭着できるようになっており、前記シート材は、前記摩擦板の動きによって前記一方の縁部がその取付け箇所から離脱するようになっているものである。
また、本発明に係る摩擦ダンパーは請求項7に記載したように、相対変位を生じる2つの部位のうち、一方の部位に連結される形でかつ該一方の部位を挟んで対称となるように配置された一対の摺動板と、他方の部位に連結され該各摺動板に取り付けられた摺動材の摺動面上を摺動する摩擦材がそれぞれ設けられた一対の摩擦板とを備え、前記他方の部位の両面に摩擦材をそれぞれ設けるとともに該摩擦材が摺動する摺動面を有する摺動材を前記各摺動板の反対面にそれぞれ取り付け、前記一対の摺動板と前記一対の摩擦板との相対移動が拘束されないように前記各摩擦材がそれぞれに対応する前記各摺動材の摺動面に押圧されるようになっている摩擦ダンパーにおいて、
前記一対の摺動板に一体に巻き付けられかつ該各摺動板のうち、前記各摩擦板の端面近傍に一方の縁部が、前記各摺動材の端部近傍に他方の縁部がそれぞれ延びるように構成することで、前記各摺動材のうち、前記各摩擦板が定位置にあるときに露出する領域をそれぞれ覆うことが可能な環状のシート材と、前記各摩擦板の端部表面に位置決めされる第1の押さえ部と該摩擦板の端面に位置決めされるように該第1の押さえ部からそれにほぼ直交する方向に延設され該摩擦板の板厚と長さがほぼ等しくなるように形成された第2の押さえ部と該第2の押さえ部から直交方向に延びる第3の押さえ部とで構成された断面ほぼクランク状の一対の押さえ部材とを備え、前記シート材の他方の縁部を前記各摺動材の端部近傍にそれぞれ取り付けるとともに、前記各第1の押さえ部を前記各摩擦板の端部表面にそれぞれ連結することにより、前記シート材の一方の縁部を前記各第3の押さえ部と前記各摺動材との間に狭着してなり、前記シート材は、前記各摩擦板の動きによって前記一方の縁部がその取付け箇所から離脱するようになっているものである。
また、本発明に係る摩擦ダンパーは、前記摺動板から突出し前記摺動材に挿通された摺動材取付けボルトに摺動材取付けナットが螺着された状態で該摺動材取付けナットが進入可能なナット開口を前記シート材の他方の縁部に形成するとともに、前記摺動材取付けナットを収容可能な空間が内側に形成され前記ナット開口の開口周縁に当接される当接部が一端に、前記摺動材取付けボルトが挿通されるボルト孔が他端にそれぞれ形成されたスリーブ状狭着部材を備え、該スリーブ状狭着部材を、前記ナット開口の開口周縁に前記当接部を当接させかつ前記ボルト孔に前記摺動材取付けボルトを挿通させた状態で該摺動材取付けボルトの先端に狭着部材取付けナットを螺着することにより、前記摺動材との間に前記シート材を狭着できるように構成したものである。
また、本発明に係る摩擦ダンパーは、前記第3の押さえ部を、前記シート材の両側方縁部に当接される各側方部位がそれらの間に拡がる中央部位よりも長くなるように構成したものである。
第1の発明に係る摩擦ダンパーにおいては、摩擦板の端部に一方の縁部を、摺動板のうち、摺動材の端部近傍に他方の縁部をそれぞれ取り付けることで、摺動材のうち、摩擦板が定位置にあるときに露出する領域を覆うことが可能なシート材を備えており、該シート材は、摺動板に対する摩擦板の動きに追従して変形し、該摩擦板の動きによって破断し、又は該摩擦板の動きによって一方の縁部若しくは他方の縁部がそれらの取付け箇所から離脱するようになっている。
このようにすると、摺動板に対する摩擦板の動きがシート材によって制限されるのを防止しつつ、該シート材によって、摩擦板が定位置にあるときに露出する摺動材の領域に空気中の塵や埃あるいは鳥の糞といった摺動阻害物質が付着するのを未然に防止することができる。
すなわち、摩擦ダンパー全体を覆わずともかつ摩擦ダンパーの機能を何ら損なうことなく、摺動面を健全に維持することが可能となり、かくして摩擦ダンパー全体を覆うことによる高湿度環境を回避して通気性を確保し、それによって腐食の発生を抑制して発錆状況の確認頻度を減らすことができるとともに、保守点検時の視認性を高めることも可能となる。
シート材は上述したように、
(a)摺動板に対する摩擦板の動きに追従して変形するように構成する
(b)摺動板に対する摩擦板の動きによって破断するように構成する
(c)摺動板に対する摩擦板の動きによって一方の縁部若しくは他方の縁部がそれらの取付け箇所から離脱するように構成する
のいずかを採用するものとする。
ここで、(a)〜(c)はいずれも、摩擦ダンパーが最初に作動するまでの間、シート材による摺動面の被覆機能が維持される点で共通するが、(a)は、摩擦ダンパーが作動した後も、シート材による摺動面の被覆機能が引き続き維持可能な構成であるのに対し、(b)、(c)は、保守点検時の観察によって摩擦ダンパーが作動したことを確認可能な構成であって、最初に作動した後のシート材による摺動面の被覆機能は、シート材の交換や取付け箇所への再取付けによって維持される。なお、(b)、(c)は、往復動作のいずれかで破断若しくは離脱すれば足りるものであって、収縮動作では摩擦板の動きに追従して面外方向に変形するが、伸張動作(引張動作)では破断し、あるいは離脱するような場合も包摂される。
それぞれどのように構成するかは任意であるが、(a)では、例えばシート材をゴム系材料で構成することが可能であり、(b)では、シート材にスリット、開口などの先行破断部位を予め設けておき、引張動作の際に該先行破断部位で引張破断するように構成することが可能であり、(c)では、同じく引張動作の際、シート材の一方の縁部若しくは他方の縁部がそれぞれの取付け箇所から抜け出すように構成しておくことが可能である。(b)、(c)のシート材は、ポリエステルフィルムなどで構成することが可能であるが、耐候性や耐久性の観点では、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)等のフッ素樹脂で構成するのが望ましい。
シート材の一方の縁部を摩擦板の端部に取り付ける構成は任意であり、該摩擦板の端部にボルト接合等で適宜連結するようにしてもかまわないが、摩擦板の端部表面に位置決めされる第1の押さえ部と該摩擦板の端面に位置決めされるように該第1の押さえ部からそれにほぼ直交する方向に延設された第2の押さえ部とを有する断面ほぼL字状の押さえ部材を備えるとともに、該押さえ部材を、シート材の一方の縁部が第1の押さえ部と摩擦板の端部表面との間に挟み込まれた状態で該第1の押さえ部が摩擦板の端部表面に連結自在となるように構成することが可能である。
このようにすると、シート材は、摩擦板の端部における出隅部において、その表面から端面に沿って直交方向に延びるように案内されるため、露出領域からのシート材の浮き上がりを防止することが可能となり、摺動阻害物質が摺動材に付着することによる摺動阻害を確実に防止することができる。
シート材の一方の縁部が第1の押さえ部と摩擦板の端部表面との間に挟み込まれた状態で該第1の押さえ部が摩擦板の端部表面に連結自在となる構成は、例えば摩擦板の端部表面に押さえ部材取付けボルトを突設し、該押さえ部材取付けボルトをシート材の一方の縁部に貫通させるとともに、押さえ部材取付けボルトが第1の押さえ部に設けられたボルト孔に挿通されるようにシート材の上から押さえ部材を装着した上、該押さえ部材取付けボルトに押さえ部材取付けナットを螺着する構成とすればよい。
ここで、第2の押さえ部をその長さが摩擦板の板厚とほぼ等しくなるように形成するとともに、該第2の押さえ部から直交方向に延びる第3の押さえ部を設けることで上述の押さえ部材を断面ほぼクランク状に構成したならば、摩擦板の端部において摺動材との間で形成される入隅部でも、摩擦板の端面から摺動材に沿って直交方向に延びるように案内されるため、露出領域からのシート材の浮き上がり、ひいては摺動阻害物質の付着による摺動阻害をより確実に防止することができる。
シート材の他方の縁部を摺動板に取り付ける構成も任意であり、ボルト接合等で摺動板に適宜連結するようにしてもかまわないが、摺動板から突出する摺動材取付けボルトを用いて摺動材を摺動板に取り付けるようになっている場合には、かかる摺動材取付けボルトを利用してシート材を取り付けることが可能である。
具体的には、摺動板から突出し摺動材に挿通された摺動材取付けボルトに摺動材取付けナットが螺着された状態で該摺動材取付けナットが進入可能なナット開口をシート材の他方の縁部に形成するとともに、摺動材取付けナットを収容可能な空間が内側に形成されナット開口の開口周縁に当接される当接部が一端に、摺動材取付けボルトが挿通されるボルト孔が他端にそれぞれ形成されたスリーブ状狭着部材を備え、該スリーブ状狭着部材を、ナット開口の開口周縁に当接部を当接させかつボルト孔に摺動材取付けボルトを挿通させた状態で該摺動材取付けボルトの先端に狭着部材取付けナットを螺着することにより、摺動材との間にシート材を狭着できるように構成すればよい。
このようにすれば、摺動材取付けボルトを、摺動材を取り付けるためのボルトとしてだけでなく、シート材の他方の縁部を取り付けるためのボルトとして兼用することができる。
ここで、シート材が伸張する方向に沿った摩擦板の動きに対し、例えばナット開口をシート材の他方の縁部近傍に形成することで、シート材がナット開口近傍で破断するように該シート材を構成することが可能である。なお、かかる構成は、上述した(b)に該当する。
第2の発明に係る摩擦ダンパーにおいては、摺動板のうち、摩擦板の端面近傍に一方の縁部が、摺動材の端部近傍に他方の縁部がそれぞれ延びるように構成することで、摺動材の露出領域を覆うことが可能なシート材と、断面ほぼクランク状の押さえ部材とを備え、シート材の他方の縁部を摺動材の端部近傍に取り付けるとともに、押さえ部材を構成する第1の押さえ部を摩擦板の端部表面に連結することにより、シート材の一方の縁部を押さえ部材を構成する第3の押さえ部と摺動材との間に狭着してあり、該シート材は、摩擦板の動きによって一方の縁部がその取付け箇所から離脱する、すなわち、引張動作の際、シート材の一方の縁部が、第1の押さえ部と摺動材との間から抜け出すようになっている。
このようにすると、摺動板に対する摩擦板の動きがシート材によって制限されるのを防止しつつ、該シート材によって、摩擦板が定位置にあるときに露出する摺動材の領域に上述した摺動阻害物質が付着するのを未然に防止することができる。
すなわち、摩擦ダンパー全体を覆わずともかつ摩擦ダンパーの機能を何ら損なうことなく、摺動面を健全に維持することが可能となり、かくして摩擦ダンパー全体を覆うことによる高湿度環境を回避して通気性を確保し、それによって腐食の発生を抑制して発錆状況の確認頻度を減らすことができるとともに、保守点検時の視認性を高めることも可能となる。
また、第2の発明においては、シート材の一方の縁部が、第3の押さえ部と摺動材との間に狭着されるため、シート材が露出領域から浮き上がるおそれはなく、上述したシート材による被覆機能が確実に発揮される。
第2の発明においては、最初に作動した後のシート材による摺動面の被覆機能は、シート材の一方の縁部を取付け箇所に再取付けすることによって維持される。
第3の発明に係る摩擦ダンパーにおいては、一対の摺動板に一体に巻き付けられる環状のシート材を用いるため、シート材と摺動材との間に隙間が生じるおそれがなくなり、摺動阻害物質の付着による摺動阻害をより確実に防止することができる。
第2の発明及び第3の発明においても第1の発明と同様、シート材の他方の縁部を摺動板に取り付ける構成は任意であり、ボルト接合等で摺動板に適宜連結するようにしてもかまわないが、摺動板から突出する摺動材取付けボルトを用いて摺動材を摺動板に取り付けるようになっている場合には、かかる摺動材取付けボルトを利用してシート材を取り付けることが可能である。
具体的には、摺動板から突出し摺動材に挿通された摺動材取付けボルトに摺動材取付けナットが螺着された状態で該摺動材取付けナットが進入可能なナット開口をシート材の他方の縁部に形成するとともに、摺動材取付けナットを収容可能な空間が内側に形成されナット開口の開口周縁に当接される当接部が一端に、摺動材取付けボルトが挿通されるボルト孔が他端にそれぞれ形成されたスリーブ状狭着部材を備え、該スリーブ状狭着部材を、ナット開口の開口周縁に当接部を当接させかつボルト孔に摺動材取付けボルトを挿通させた状態で該摺動材取付けボルトの先端に狭着部材取付けナットを螺着することにより、摺動材との間にシート材を狭着できるように構成すればよい。
このようにすれば、摺動材取付けボルトを、摺動材を取り付けるためのボルトとしてだけでなく、シート材の他方の縁部を取り付けるためのボルトとして兼用することができる。
上述した各発明において、第3の押さえ部を、シート材の両側方縁部に当接される各側方部位がそれらの間に拡がる中央部位よりも長くなるように構成したならば、比較的浮き上がりやすいシート材の側方縁部、環状のシート材の場合は、摺動板の側方縁部に相当する部位を確実に押さえ込むことが可能となる。
第1実施形態に係る摩擦ダンパー1の全体分解斜視図。 摩擦ダンパー1を構成するシート部材15の配置状況を示した斜視図。 シート部材15の取付け状況を示した断面図。 シート部材15の破断性状を示した説明図。 変形例に係るシート部材15bの斜視図。 変形例に係る押さえ部材16b,16cの斜視図。 変形例に係る摩擦ダンパー71の全体分解斜視図。 第2実施形態に係る摩擦ダンパー1の全体分解斜視図。 シート部材85の取付け状況を示した図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図。 変形例に係る押さえ部材86cの斜視図。 変形例に係る摩擦ダンパー101の全体分解斜視図。 摩擦ダンパー101の全体斜視図。
以下、本発明に係る摩擦ダンパーの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る摩擦ダンパーを示した図である。本実施形態に係る摩擦ダンパー1は、ラーメン高架橋下部構造(図示せず)に配置されたH形鋼からなるブレース材に設置される場合を例としたものであって、図示しない柱梁接合部から延びる一方の部位としてのブレース材2aと、該柱梁接合部の対角に位置する別の柱梁接合部から延びる他方の部位としてのブレース材2bとの間に介装してあり、ブレース材2aに形成された摺動板3と、ブレース材2bに連結された摩擦板4とを備える。
摺動板3は、ブレース材2aの一部である上下フランジの左右でそれぞれ構成してあり(同図では下フランジの摺動板は省略)、その表面と裏面にはステンレス板で構成された摺動材5をそれぞれ取り付けてある。
摩擦板4は、その基端側でブレース2bにボルト接合により連結してあるとともに、先端側には、ブレース材2a,2bに材軸方向相対変位が生じたときに、該相対変位に応じて摺動材5の摺動面上を摺動する摩擦材6を取り付けてある。
摩擦材6は、例えばステンレス基板にフェノール樹脂を積層して構成することができる。
摺動材5及び摩擦材6は、フランジの表側と裏側にそれぞれ対称配置されたいわゆる2面摩擦タイプであり、上下フランジの左右に計4組設置してある。
摩擦板4には、摩擦材6の中央近傍を貫通するようにボルト孔7を形成してあるとともに、摺動材5にはスリット8を、摺動板3にはスリット9をそれぞれ設けてあり、台座11が嵌め込まれた高力ボルト10を、フランジ裏側から摩擦板4のボルト孔7と摺動材5のスリット8に順次挿通し、さらに摺動板3のスリット9に挿通した後、フランジ表側に配置された摺動材5のスリット8と摩擦板4のボルト孔7に順次挿通し、該高力ボルトの先端に皿バネ12及び台座13を嵌め込んだ上、その上からナット14を螺合して締め付けることにより、摺動板3と摩擦板4との相対移動が拘束されることなく、各摩擦材6がそれに対応する摺動材5にそれぞれ押圧されるようになっている。
本実施形態に係る摩擦ダンパー1は、シート材15と該シート材を案内しつつこれを押さえて浮き上がりを防止する押さえ部材16とをさらに備えており、シート材15は、摩擦板4の端部に一方の縁部を、摺動板3のうち、摺動材5の端部近傍に他方の縁部をそれぞれ取り付けることで、摺動材5のうち、摩擦板4が定位置にあるときに露出する領域を覆うことができるようになっている。
シート材15は、耐候性や耐久性の観点で例えばポリテトラフルオロエチレン (PTFE)等のフッ素樹脂で構成するのが望ましい。
押さえ部材16は図2でよくわかるように全体横断面がほぼクランク状であって、摩擦板4の端部表面21に位置決めされる第1の押さえ部23と、該摩擦板の端面22に位置決めされるように該第1の押さえ部からそれにほぼ直交する方向に延設され摩擦板4の板厚とほぼ等しくなるように長さが形成された第2の押さえ部24と、該第2の押さえ部から直交方向に延びる第3の押さえ部25とで構成してある。
ここで、第1の押さえ部23には、摩擦板4の端部表面21から突出する押さえ部材取付けボルト26が挿通されるボルト孔28を形成してあり、シート材15の一方の縁部に同様に形成されたボルト孔27に押さえ部材取付けボルト26を挿通した上、該押さえ部材取付けボルトをボルト孔28に挿通し、その先端にナット29をねじ込んで締め付けることにより、シート材15の一方の縁部が第1の押さえ部23と摩擦板4の端部表面21との間に挟み込まれた状態で該第1の押さえ部を摩擦板4の端部表面21に連結するとともに、それによってシート材15の一方の縁部を摩擦板4の端部に取り付けることができるようになっている。
また、第2の押さえ部24は図3(a)に示すように、摩擦板4の端部における出隅部において、シート材15を摩擦板4の端部表面21から端面22に沿って直交方向に延びるように案内するとともに、第3の押さえ部25は、摩擦板4と摺動材5との間で形成される入隅部において、シート材15を摺動材5の摺動面に沿って直交方向に延びるように案内するため、摺動材5の露出領域からのシート材15の浮き上がりが確実に防止される。
一方、シート材15の他方縁部にはナット開口30を形成してあり、該ナット開口は、図3(b)でよくわかるように摺動材5を取り付けるために摺動板3に突設された摺動材取付けボルト31に摺動材取付けナット32が螺着された状態で該摺動材取付けナットが進入できるように形成してある。
また、本実施形態の摩擦ダンパー1は、シート材15の他方縁部を摺動板3に取り付けるためのスリーブ状狭着部材33を備えており、摺動材取付けナット32を収容可能な空間が内側に形成してあるとともに、ナット開口30の開口周縁に当接される当接部35が一端に、摺動材取付けボルト31が挿通されるボルト孔36が他端にそれぞれ形成してあり、ナット開口30の開口周縁に当接部35を当接させかつボルト孔36に摺動材取付けボルト31を挿通させた状態で該摺動材取付けボルトの先端に狭着部材取付けナット34を螺着することにより、摺動材5との間にシート材15を狭着できるようになっている。
ここで、シート材15は、その伸張方向に沿った摩擦板4の動きに対し、該シート材がナット開口30近傍で破断するように構成してある。
破断性状としては、スリーブ状狭着部材33による狭着力が比較的弱い場合には、図4(a)に示すように同図矢印の方向にシート材15に作用する引張力によって、摺動材取付けボルト31あるいは摺動材取付けナット32とシート材15の他方縁部との間に破断面41が形成されるケースや、スリーブ状狭着部材33による狭着力が比較的強い場合には、同図(b)に示すようにスリーブ状狭着部材33の当接箇所周囲に破断面42が形成されるケースが例として想定されるが、どのような破断性状となるかは任意である。
本実施形態に係る摩擦ダンパー1においては、シート材15の一方の縁部が摩擦板4の端部に、他方の縁部が摺動板3であって摺動材5の端部近傍位置にそれぞれ取り付けてあるため、摩擦板4が定位置にあるときに露出する摺動材5の露出領域は、シート材15で覆われ、該露出領域に空気中の塵や埃あるいは鳥の糞が付着することはない。
そのため、摺動材5は、摩擦ダンパー1が作動する程度の規模の地震が到来するまで、その摺動面が健全に維持され、所定規模以上の地震が生じたとき、摩擦ダンパー1は、設計で想定された通りの機能が発揮される形で作動する。
一方、シート材15は、摩擦ダンパー1が作動したとき、すなわち摺動板3に対して摩擦板4が相対移動したとき、その摩擦板4の動きに応答して、他方の縁部に設けられたナット開口30近傍で破断する。
そのため、保守点検時にシート材15の取付け状況を見れば、摩擦ダンパー1が作動したかどうかを即座に確認することができる。
保守点検は、例えば近くに設置された地震計をリアルタイムで遠隔監視し、一定規模以上の地震が検出された場合に現地に出向いて作業を行えばよい。
保守点検時にシート材15の破断が確認された場合には、破断したシート材15を取り外し、代わりに新しいシート材15を取り付ければよい。
このようにすれば、シート材15による摺動面の保護作用が引き続き維持される。
以上説明したように、本実施形態に係る摩擦ダンパー1によれば、摺動板3に対する摩擦板4の動きがシート材15によって制限されるのを防止しつつ、該シート材によって、摩擦板4が定位置にあるときに露出する摺動材5の領域に空気中の塵や埃あるいは鳥の糞といった摺動阻害物質が付着するのを未然に防止することができる。
すなわち、摩擦ダンパー全体を覆わずともかつ摩擦ダンパーの機能を何ら損なうことなく、摺動面を健全に維持することが可能となり、かくして摩擦ダンパー全体を覆うことによる高湿度環境を回避して通気性を確保し、それによって腐食の発生を抑制して発錆状況の確認頻度を減らすことができるとともに、保守点検時の視認性を高めることも可能となる。
また、本実施形態に係る摩擦ダンパー1によれば、シート材15が伸張する方向に沿った摩擦板4の動きに対し、ナット開口30近傍でシート材15が破断するように構成したので、保守点検時の観察によって摩擦ダンパー1が作動したことを容易に確認することができるとともに、シート材15を交換することによって、シート材15による摺動面の被覆機能を引き続き維持することが可能となる。
また、本実施形態に係る摩擦ダンパー1によれば、第1の押さえ部23、第2の押さえ部24及び第3の押さえ部24を全体横断面がクランク状になるように構成されてなる押さえ部材16を備えるとともに、シート材15の一方の縁部が第1の押さえ部23と摩擦板4の端部表面21との間に挟み込まれた状態で該第1の押さえ部を摩擦板4の端部表面21に連結できるように構成したので、摩擦板4の端部における出隅部においては、シート材15が摩擦板4の端部表面21から端面22に沿って直交方向に延びるように該シート材が案内されるとともに、摩擦板4と摺動材5との間で形成される入隅部においては、シート材15が摺動材5の摺動面に沿って直交方向に延びるように該シート材が案内されることとなり、かくして摺動材5の露出領域からのシート材15の浮き上がり、ひいては摺動阻害物質の付着による摺動阻害が確実に防止される。
また、本実施形態に係る摩擦ダンパー1によれば、摺動材取付けナット32を収容可能な空間が内側に形成され、ナット開口30の開口周縁に当接される当接部35が一端に、摺動材取付けボルト31が挿通されるボルト孔36が他端にそれぞれ形成されてなるスリーブ状狭着部材33を備えるとともに、ナット開口30の開口周縁に当接部35を当接させかつボルト孔36に摺動材取付けボルト31を挿通させた状態で該摺動材取付けボルトの先端に狭着部材取付けナット34を螺着することにより、摺動材5との間にシート材15を狭着できるように構成したので、摺動材取付けボルト31を、摺動材5を取り付けるためのボルトとしてだけでなく、シート材15の他方の縁部を取り付けるためのボルトとして兼用することができる。
本実施形態では、本発明に係る摩擦ダンパーをラーメン高架橋の下部構造に適用した場合を例として説明したが、例えば橋桁と橋台あるいは橋脚との間など、屋外構造物に広く適用することが可能であるとともに、煤煙その他の空気浮遊物質が発生する建物内であって、その空気浮遊物質が摺動面に付着する懸念があるのであれば、屋外に限定されるものでもない。
また、本実施形態では、本発明のシート材を、摩擦ダンパーが作動したことを速やかに確認できるよう、他方の縁部、本実施形態では摺動板3側の縁部で破断させるようにしたが、これに代えて、一方の縁部、本実施形態では摩擦板4側の縁部で破断させるようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、シート材15にナット開口30を設けて該ナット開口近傍でシート材15を破断させるようにしたが、シート材のどの箇所でどのように破断させるかは任意であって、例えば図5に示すように他方の縁部に近い適当な位置に先行破断部位としてのスリット52が予め形成されたシート材15bで本発明のシート材を構成し、引張動作の際にスリット52で引張破断させてもよい。
また、本実施形態では、シート材を、摩擦板4の動きによって破断させるように構成したが、これに代えて、摩擦板の動きに追従して変形させるようにしてもよいし、摩擦板の動きによって一方の縁部若しくは他方の縁部がそれらの取付け箇所から離脱するように構成してもよい。
前者は、例えばゴム系材料からなるシート材を用いて構成することが可能であり、同構成では、摩擦ダンパーの作動状況を保守点検時に確認することができないものの、地震遭遇後も、シート材で被覆することによる摺動面の保護作用を引き続き維持することが可能となる。
また、本実施形態では、摺動材取付けボルト31をシート材15の取付けにも用いるため、シート材15にナット開口30を設けるとともに、該ナット開口の開口縁部に当接される当接部が形成されたスリーブ状狭着部材33を介してシート材15の他方の縁部を摺動材5との間に狭着するようにしたが、シート材を、摺動材取付けボルト31とは別に摺動板3から突設した別のボルトを用いて摺動板3に取り付けるようにしてもよいし、その場合にはナット開口30及びスリーブ状狭着部材33を省略することが可能である。なお、かかる構成においては、図5に示したような先行破断部位を設けてシート材を破断させるようにすればよい。
また、本実施形態では、押さえ部材16を用いることで、シート材15が摺動材5の摺動面から浮き上がらないように構成したが、摩擦板4と摺動材5との間で形成される入隅部において、シート材15を摺動材5の摺動面に沿って直交方向に延びるようにするには、第3の押さえ部25を設ける構成や、第2の押さえ部24の長さを摩擦板4の板厚に揃える構成は必ずしも必要ではなく、図6(a)に示したように、第3の押さえ部25を省略するとともに、第2の押さえ部24よりも長さを短くした押さえ部24bで構成された断面ほぼL字状の押さえ部材16bで本発明の押さえ部材を構成してもかまわない。
かかる構成においても、上述した入隅部に押し込むようにシート材15を配置するとともに、その状態でスリーブ状狭着部材33で他方の縁部を狭着するようにすれば、摺動材5の露出領域からのシート材15の浮き上がりを防止することができる。
なお、かかる変形例では、摩擦板4の板厚に制約されることがなくなるため、押さえ部材16bの汎用性を高めることができる。
また、本実施形態では、押さえ部材16を用いてシート材15の一方の縁部を摩擦板4の端部に取り付けるようにしたが、押さえ部材16を用いて実現されるシート材15の配置形態、すなわち、摩擦板4の端部上面21からそれに直交する端面22を経て、摺動材5の摺動面に延びる段差状の形状となるように成形されてなるシート材を用いるのであれば、押さえ部材を省略することが可能である。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、図6(b)に示すように、第3の押さえ部25に代えて、シート材15の両側方縁部に当接される各側方部位がそれらの間に拡がる中央部位よりも長くなるように構成してなる第3の押さえ部25cを用いた押さえ部材16cとしたならば、比較的浮き上がりやすいシート材15の側方縁部を確実に押さえ込むことが可能となる。
また、本実施形態では、本発明を2面タイプの摩擦ダンパーに適用した例として説明したが、図7に示したように4面タイプの摩擦ダンパーに適用することはもちろん可能である。
同図に示した摩擦ダンパー71は、上述した実施形態と同様、図示しない柱梁接合部から延びる一方の部位としてのブレース材2aと、該柱梁接合部の対角に位置する別の柱梁接合部から延びる他方の部位としてのブレース材2bとの間に介装してあるが、本変形例ではフランジではなくウェブに適用してあり、ブレース材2aのウェブに該ウェブが挟み込まれるように基端側が連結された一対の摺動板72,72と、基端側がブレース材2bのウェブに連結され先端側に摺動板72の表面に取り付けられた摺動材5の摺動面上を摺動する摩擦材6がそれぞれ設けられた一対の摩擦板4,4とを備えるとともに、摺動板72の裏側に取り付けられた摺動材5の摺動面上を摺動する摩擦材6をブレース材2bのウェブにそれぞれ設け、台座11が嵌め込まれた高力ボルト10を、ウェブの一方の側から摩擦板4のボルト孔7と摺動板72のスリット9及びその両側に取り付けられた摺動材5,5のスリット8,8に挿通した後、ウェブの各面にそれぞれ取り付けられた摩擦材6の中央近傍を貫通するボルト孔73に挿通し、ウェブの他方の側で、摺動板72のスリット9及びその両側に取り付けられた摺動材5,5のスリット8,8と摩擦板4のボルト孔7に順次挿通し、該高力ボルトの先端に皿バネ12及び台座13を嵌め込んだ上、その上からナット14を螺合して締め付けることにより、一対の摺動板72,72と一対の摩擦板4,4との相対移動が拘束されることなく、各摩擦材6がそれぞれに対応する各摺動材5の摺動面に押圧されるようになっている。
ここで、上記変形例においても、シート材15の一方の縁部を、押さえ部材16を介して摩擦板4の端部に取り付けるとともに、該シート材の他方の縁部を、摺動板72のうち、摺動材5の端部近傍にスリーブ状狭着部材33を用いて取り付けることで、摺動材5のうち、摩擦板4が定位置にあるときに露出する領域を覆うことができるようになっており、詳細な構成やその作用効果については上述した実施形態とほぼ同様であるので、ここではその説明を省略する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る摩擦ダンパーを示した図である。本実施形態に係る摩擦ダンパー81は第1実施形態と同様、図示しない柱梁接合部から延びる一方の部位としてのブレース材2aと、該柱梁接合部の対角に位置する別の柱梁接合部から延びる他方の部位としてのブレース材2bとの間に介装してあり、ブレース材2aに形成された摺動板3と、ブレース材2bに連結された摩擦板4とを備える。
本実施形態に係る摩擦ダンパー81は、シート材85と該シート材を押さえてその浮き上がりを防止する押さえ部材86とをさらに備えており、シート材85は、摺動板3のうち、摩擦板4の端面近傍に一方の縁部が、摺動材5の端部近傍に他方の縁部がそれぞれ延びるように構成することで、摺動材5のうち、摩擦板4が定位置にあるときに露出する領域を覆うことができるようになっている。
シート材85はシート材15と同様、耐候性や耐久性の観点で例えばポリテトラフルオロエチレン (PTFE)等のフッ素樹脂で構成するのが望ましい。
押さえ部材86は図9でよくわかるように全体横断面がほぼクランク状であって、押さえ部材16と同様、摩擦板4の端部表面21に位置決めされる第1の押さえ部23と、該摩擦板の端面22に位置決めされるように該第1の押さえ部からそれにほぼ直交する方向に延設され摩擦板4の板厚とほぼ等しくなるように長さが形成された第2の押さえ部24と、該第2の押さえ部から直交方向に延びる第3の押さえ部25とで構成してあるとともに、第1の押さえ部23には摩擦板4の端部表面21から突出する押さえ部材取付けボルト26が挿通されるボルト孔28を形成してあるが、本実施形態では、第1の押さえ部23を摩擦板4の端部表面21に当接させた状態で押さえ部材取付けボルト26をボルト孔28に挿通し、その先端にナット29をねじ込んで締め付けることにより、第3の押さえ部25と摺動材5との間にシート材85の一方の縁部を狭着できるようになっている。
なお、シート材85の他方の縁部にはナット開口30を形成してあり、スリーブ状狭着部材33を用いて該他方の縁部を摺動材取付けボルト31に取り付けることができるようになっているが、その構成は第1実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
シート材85は、その伸張方向に沿った摩擦板4の動きに対し、該シート材の一方の縁部が、その取付け箇所から離脱する、すなわち第3の押さえ部25と摺動材5との間から抜け出すようになっている。
本実施形態に係る摩擦ダンパー81においては、シート材85の一方の縁部を、押さえ部材86を構成する第3の押さえ部25と摺動材5との間に狭着してあるとともに、他方の縁部を摺動板3であって摺動材5の端部近傍位置にそれぞれ取り付けてあるため、摩擦板4が定位置にあるときに露出する摺動材5の露出領域は、シート材85で覆われ、該露出領域に空気中の塵や埃あるいは鳥の糞が付着することはない。
そのため、摺動材5は、摩擦ダンパー81が作動する程度の規模の地震が到来するまで、その摺動面が健全に維持され、所定規模以上の地震が生じたとき、摩擦ダンパー81は、設計で想定された通りの機能が発揮される形で作動する。
一方、シート材85は、摩擦ダンパー1が作動したとき、すなわち摺動板3に対して摩擦板4が相対移動したとき、その摩擦板4の動きに応答して、一方の縁部が、第3の押さえ部25と摺動材5との間から抜け出す形でその取付け箇所から離脱する。
そのため、保守点検時にシート材85の取付け状況を見れば、摩擦ダンパー81が作動したかどうかを即座に確認することができる。
保守点検は、例えば近くに設置された地震計をリアルタイムで遠隔監視し、一定規模以上の地震が検出された場合に現地に出向いて作業を行えばよい。
保守点検時にシート材85の離脱が確認された場合には、必要に応じて押さえ部材86を固定しているナット29を緩めた上、その一方の縁部を第3の押さえ部25と摺動材5との間にあらためて狭着すればよい。
このようにすれば、シート材85による摺動面の保護作用が引き続き維持される。
以上説明したように、本実施形態に係る摩擦ダンパー81によれば、摺動板3に対する摩擦板4の動きがシート材85によって制限されるのを防止しつつ、該シート材によって、摩擦板4が定位置にあるときに露出する摺動材5の領域に空気中の塵や埃あるいは鳥の糞といった摺動阻害物質が付着するのを未然に防止することができる。
すなわち、摩擦ダンパー全体を覆わずともかつ摩擦ダンパーの機能を何ら損なうことなく、摺動面を健全に維持することが可能となり、かくして摩擦ダンパー全体を覆うことによる高湿度環境を回避して通気性を確保し、それによって腐食の発生を抑制して発錆状況の確認頻度を減らすことができるとともに、保守点検時の視認性を高めることも可能となる。
また、本実施形態に係る摩擦ダンパー81によれば、シート材85が伸張する方向に沿った摩擦板4の動きに対し、該シート材の一方の縁部が、押さえ部材86を構成する第3の押さえ部25と摺動材5との間から抜け出すように構成したので、保守点検時の観察によって摩擦ダンパー81が作動したことを容易に確認することができるとともに、シート材85の一方の縁部をあらためて第3の押さえ部25と摺動材5との間に狭着することによって、シート材85による摺動面の被覆機能を引き続き維持することが可能となる。
また、本実施形態に係る摩擦ダンパー81によれば、シート材85の一方の縁部を押さえ部材86を構成する第3の押さえ部25と摺動材5との間に狭着するようにしたので、摺動材5の露出領域からのシート材85の浮き上がり、ひいては摺動阻害物質の付着による摺動阻害が確実に防止される。
また、本実施形態に係る摩擦ダンパー81によれば、摺動材取付けナット32を収容可能な空間が内側に形成され、ナット開口30の開口周縁に当接される当接部35が一端に、摺動材取付けボルト31が挿通されるボルト孔36が他端にそれぞれ形成されてなるスリーブ状狭着部材33を備えるとともに、ナット開口30の開口周縁に当接部35を当接させかつボルト孔36に摺動材取付けボルト31を挿通させた状態で該摺動材取付けボルトの先端に狭着部材取付けナット34を螺着することにより、摺動材5との間にシート材85を狭着できるように構成したので、摺動材取付けボルト31を、摺動材5を取り付けるためのボルトとしてだけでなく、シート材85の他方の縁部を取り付けるためのボルトとして兼用することができる。
本実施形態では、本発明に係る摩擦ダンパーをラーメン高架橋の下部構造に適用した場合を例として説明したが、例えば橋桁と橋台あるいは橋脚との間など、屋外構造物に広く適用することが可能であるとともに、煤煙その他の空気浮遊物質が発生する建物内であって、その空気浮遊物質が摺動面に付着する懸念があるのであれば、屋外に限定されるものでもない。
また、本実施形態では、摺動材取付けボルト31をシート材85の取付けにも用いるため、シート材85にナット開口30を設けるとともに、該ナット開口の開口縁部に当接される当接部が形成されたスリーブ状狭着部材33を介してシート材85の他方の縁部を摺動材5との間に狭着するようにしたが、シート材を、摺動材取付けボルト31とは別に摺動板3から突設した別のボルトを用いて摺動板3に取り付けるようにしてもよいし、その場合にはナット開口30及びスリーブ状狭着部材33を省略することが可能である。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、図10に示すように、第3の押さえ部25に代えて、シート材85の両側方縁部に当接される各側方部位がそれらの間に拡がる中央部位よりも長くなるように構成してなる第3の押さえ部25cを用いた押さえ部材86cとしたならば、比較的浮き上がりやすいシート材85の側方縁部を確実に押さえ込むことが可能となる。
また、本実施形態では、本発明を2面タイプの摩擦ダンパーに適用した例として説明したが、第1実施形態の図7で説明したように、4面タイプの摩擦ダンパーに適用することはもちろん可能であり、その場合にはさらに図11及び図12に示すように、シート材85に代えて、環状のシート材115を用いることができる。
すなわち、これらの図に示した摩擦ダンパー101は、上述した実施形態と同様、図示しない柱梁接合部から延びる一方の部位としてのブレース材2aと、該柱梁接合部の対角に位置する別の柱梁接合部から延びる他方の部位としてのブレース材2bとの間に介装してあるが、本変形例ではフランジではなくウェブに適用してあり、ブレース材2aのウェブに該ウェブが挟み込まれるように基端側が連結された一対の摺動板72,72と、基端側がブレース材2bのウェブに連結され先端側に摺動板72の表面に取り付けられた摺動材5の摺動面上を摺動する摩擦材6がそれぞれ設けられた一対の摩擦板4,4とを備えるとともに、摺動板72の裏側に取り付けられた摺動材5の摺動面上を摺動する摩擦材6をブレース材2bのウェブにそれぞれ設け、台座11が嵌め込まれた高力ボルト10を、ウェブの一方の側から摩擦板4のボルト孔7と摺動板72のスリット9及びその両側に取り付けられた摺動材5,5のスリット8,8に挿通した後、ウェブの各面にそれぞれ取り付けられた摩擦材6の中央近傍を貫通するボルト孔73に挿通し、ウェブの他方の側で、摺動板72のスリット9及びその両側に取り付けられた摺動材5,5のスリット8,8と摩擦板4のボルト孔7に順次挿通し、該高力ボルトの先端に皿バネ12及び台座13を嵌め込んだ上、その上からナット14を螺合して締め付けることにより、一対の摺動板72,72と一対の摩擦板4,4との相対移動が拘束されることなく、各摩擦材6がそれぞれに対応する各摺動材5の摺動面に押圧されるようになっている。
ここで、上記変形例においては、シート材85に代えて、一対の摺動板72,72に一体に巻き付けられる環状のシート材115を用いてあり、かかる構成によれば、シート材115と摺動材5との間に隙間が生じるおそれがなくなり、摺動阻害物質の付着による摺動阻害をより確実に防止することができる。
なお、シート材115もシート85と同様、一方の縁部が、押さえ部材86cを構成する第3の押さえ部25cと摺動材5との間に狭着されるとともに、他方の縁部が、摺動板72のうち、摺動材5の端部近傍にスリーブ状狭着部材33を用いて取り付けることで、摺動材5のうち、摩擦板4が定位置にあるときに露出する領域を覆うことができるようになっており、詳細な構成やその作用効果については上述した実施形態とほぼ同様であるので、ここではその説明を省略する。
1,71,81,101
摩擦ダンパー
2a ブレース材(一方の部位)
2b ブレース材(他方の部位)
3,72 摺動板
4 摩擦板
5 摺動材
6 摩擦材
15,15b,85,115
シート材
16,16b,16c,86,86c
押さえ部材
21 摩擦板の端部表面
22 摩擦板の端面
23 第1の押さえ部
24,24b 第2の押さえ部
25,25c 第3の押さえ部
30 ナット開口
31 摺動材取付けボルト
32 摺動材取付けナット
33 スリーブ状狭着部材
35 当接部
36 ボルト孔

Claims (9)

  1. 相対変位を生じる2つの部位のうち、一方の部位に連結され又は該一方の部位に形成される摺動板と、他方の部位に連結される摩擦板とを備えるとともに、前記摺動板と前記摩擦板とが相対移動することによって、前記摩擦板に設けられた摩擦材が前記摺動板に取り付けられた摺動材の摺動面上を摺動するようになっているとともに、前記相対移動が拘束されないように前記摩擦材が前記摺動材に押圧されるようになっている摩擦ダンパーにおいて、
    前記摩擦板の端部に一方の縁部を、前記摺動板のうち、前記摺動材の端部近傍に他方の縁部をそれぞれ取り付けることで、前記摺動材のうち、前記摩擦板が定位置にあるときに露出する領域を覆うことが可能なシート材を備えてなり、該シート材は、前記摺動板に対する前記摩擦板の動きに追従して変形し、該摩擦板の動きによって破断し、又は該摩擦板の動きによって前記一方の縁部若しくは前記他方の縁部がそれらの取付け箇所から離脱するようになっていることを特徴とする摩擦ダンパー。
  2. 前記摩擦板の端部表面に位置決めされる第1の押さえ部と該摩擦板の端面に位置決めされるように該第1の押さえ部からそれにほぼ直交する方向に延設された第2の押さえ部とを有する断面ほぼL字状の押さえ部材を備えるとともに、該押さえ部材を、前記シート材の一方の縁部が前記第1の押さえ部と前記摩擦板の端部表面との間に挟み込まれた状態で該第1の押さえ部が前記摩擦板の端部表面に連結自在となるように構成した請求項1記載の摩擦ダンパー。
  3. 前記第2の押さえ部をその長さが前記摩擦板の板厚とほぼ等しくなるように形成するとともに、該第2の押さえ部から直交方向に延びる第3の押さえ部を設けることで前記押さえ部材を断面ほぼクランク状に構成した請求項2記載の摩擦ダンパー。
  4. 前記摺動板から突出し前記摺動材に挿通された摺動材取付けボルトに摺動材取付けナットが螺着された状態で該摺動材取付けナットが進入可能なナット開口を前記シート材の他方の縁部に形成するとともに、前記摺動材取付けナットを収容可能な空間が内側に形成され前記ナット開口の開口周縁に当接される当接部が一端に、前記摺動材取付けボルトが挿通されるボルト孔が他端にそれぞれ形成されたスリーブ状狭着部材を備え、該スリーブ状狭着部材を、前記ナット開口の開口周縁に前記当接部を当接させかつ前記ボルト孔に前記摺動材取付けボルトを挿通させた状態で該摺動材取付けボルトの先端に狭着部材取付けナットを螺着することにより、前記摺動材との間に前記シート材を狭着できるように構成した請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の摩擦ダンパー。
  5. 前記シート材が伸張する方向に沿った前記摩擦板の動きに対し、前記シート材が前記ナット開口近傍で破断するように該シート材を構成した請求項4記載の摩擦ダンパー。
  6. 相対変位を生じる2つの部位のうち、一方の部位に連結され又は該一方の部位に形成される摺動板と、他方の部位に連結される摩擦板とを備えるとともに、前記摺動板と前記摩擦板とが相対移動することによって、前記摩擦板に設けられた摩擦材が前記摺動板に取り付けられた摺動材の摺動面上を摺動するようになっているとともに、前記相対移動が拘束されないように前記摩擦材が前記摺動材に押圧されるようになっている摩擦ダンパーにおいて、
    前記摺動板のうち、前記摩擦板の端面近傍に一方の縁部が、前記摺動材の端部近傍に他方の縁部がそれぞれ延びるように構成することで、前記摺動材のうち、前記摩擦板が定位置にあるときに露出する領域を覆うことが可能なシート材と、前記摩擦板の端部表面に位置決めされる第1の押さえ部と該摩擦板の端面に位置決めされるように該第1の押さえ部からそれにほぼ直交する方向に延設され前記摩擦板の板厚と長さがほぼ等しくなるように形成された第2の押さえ部と該第2の押さえ部から直交方向に延びる第3の押さえ部とで構成された断面ほぼクランク状の押さえ部材とを備え、前記シート材は、その他方の縁部を前記摺動材の端部近傍に取り付けることができるようになっているとともに、該シート材の一方の縁部を、前記第1の押さえ部を前記摩擦板の端部表面に連結することで前記第3の押さえ部と前記摺動材との間に狭着できるようになっており、前記シート材は、前記摩擦板の動きによって前記一方の縁部がその取付け箇所から離脱するようになっていることを特徴とする摩擦ダンパー。
  7. 相対変位を生じる2つの部位のうち、一方の部位に連結される形でかつ該一方の部位を挟んで対称となるように配置された一対の摺動板と、他方の部位に連結され該各摺動板に取り付けられた摺動材の摺動面上を摺動する摩擦材がそれぞれ設けられた一対の摩擦板とを備え、前記他方の部位の両面に摩擦材をそれぞれ設けるとともに該摩擦材が摺動する摺動面を有する摺動材を前記各摺動板の反対面にそれぞれ取り付け、前記一対の摺動板と前記一対の摩擦板との相対移動が拘束されないように前記各摩擦材がそれぞれに対応する前記各摺動材の摺動面に押圧されるようになっている摩擦ダンパーにおいて、
    前記一対の摺動板に一体に巻き付けられかつ該各摺動板のうち、前記各摩擦板の端面近傍に一方の縁部が、前記各摺動材の端部近傍に他方の縁部がそれぞれ延びるように構成することで、前記各摺動材のうち、前記各摩擦板が定位置にあるときに露出する領域をそれぞれ覆うことが可能な環状のシート材と、前記各摩擦板の端部表面に位置決めされる第1の押さえ部と該摩擦板の端面に位置決めされるように該第1の押さえ部からそれにほぼ直交する方向に延設され該摩擦板の板厚と長さがほぼ等しくなるように形成された第2の押さえ部と該第2の押さえ部から直交方向に延びる第3の押さえ部とで構成された断面ほぼクランク状の一対の押さえ部材とを備え、前記シート材の他方の縁部を前記各摺動材の端部近傍にそれぞれ取り付けるとともに、前記各第1の押さえ部を前記各摩擦板の端部表面にそれぞれ連結することにより、前記シート材の一方の縁部を前記各第3の押さえ部と前記各摺動材との間に狭着してなり、前記シート材は、前記各摩擦板の動きによって前記一方の縁部がその取付け箇所から離脱するようになっていることを特徴とする摩擦ダンパー。
  8. 前記摺動板から突出し前記摺動材に挿通された摺動材取付けボルトに摺動材取付けナットが螺着された状態で該摺動材取付けナットが進入可能なナット開口を前記シート材の他方の縁部に形成するとともに、前記摺動材取付けナットを収容可能な空間が内側に形成され前記ナット開口の開口周縁に当接される当接部が一端に、前記摺動材取付けボルトが挿通されるボルト孔が他端にそれぞれ形成されたスリーブ状狭着部材を備え、該スリーブ状狭着部材を、前記ナット開口の開口周縁に前記当接部を当接させかつ前記ボルト孔に前記摺動材取付けボルトを挿通させた状態で該摺動材取付けボルトの先端に狭着部材取付けナットを螺着することにより、前記摺動材との間に前記シート材を狭着できるように構成した請求項6又は請求項7記載の摩擦ダンパー。
  9. 前記第3の押さえ部を、前記シート材の両側方縁部に当接される各側方部位がそれらの間に拡がる中央部位よりも長くなるように構成した請求項3乃至請求項8のいずれか一記載の摩擦ダンパー。
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