JP6425840B1 - 焼酎粕の処理方法、および焼酎粕の処理装置 - Google Patents

焼酎粕の処理方法、および焼酎粕の処理装置 Download PDF

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【課題】大規模な処理設備や動力源を必要とせず低コストで処理することができる焼酎粕の処理方法、および焼酎粕の処理装置を提供することを目的とする。【解決手段】焼酎粕100重量部に対して、調整液を略80〜100重量部を混合して第1の混合液B1を生成する。第1の混合液B1は、固液分離機5により濾過液Fと固形物Sに分離される。濾過液Fに乳酸菌を混合して第2の混合液B2を生成し、所定の時間だけ乳酸発酵を行う。乳酸発酵により得られた上澄液Wは、以後の工程における調整液として使用される。一方、乳酸発酵により得られた沈殿液Dは、家畜用飼料として使用される。【選択図】図1

Description

本発明は、焼酎粕の処理方法、および焼酎粕の処理装置に関する。詳しくは、大規模な処理設備や動力源を必要とせず低コストで処理することができる焼酎粕の処理方法、および焼酎粕の処理装置に係るものである。
近年、焼酎の生産量が飛躍的に増大し、それに伴って莫大な焼酎粕が排出されるようになっている。焼酎粕の処理については、従来は海洋投棄することにより安易に解決されていたが、環境への配慮などにより法的規制が厳しくなり、現在では焼酎粕の全量を陸上処理することを目標に焼酎業界での努力がなされている。
このような焼酎粕の陸上処理としては、焼却処理することも考えられるが、焼酎粕は多くの水分(約90重量%以上)と少量の固形分から構成されているため、全量を焼却処理するには焼却設備や燃料コストが高くなり好ましい手法とはえない。
一方、焼酎粕の水分中には、アミノ酸、有機酸、糖分、ビタミン、発酵代謝物等が含まれ、固形分には、麹菌や酵母菌等の菌体の他、多量のたんぱく質、でん粉、繊維分等が含まれている。このような焼酎粕に含まれる機能性成分に着目して、近年では焼酎粕の処理方法として、焼酎粕に含まれる機能性成分を採取し、家畜飼料等に有効利用する試みが行われている。
例えば、特許文献1には、焼酎粕を液体分と固体分とに分離し、液体分の懸濁物質を100(g/L)以下に調整後、液体分と固体分とをそれぞれ別々にディスク型乾燥機を用いて乾燥させ、その後、液体分乾燥物および固体分乾燥物を混合する飼料の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、焼酎蒸留残渣液を固液分離し、その分離液を濃縮して水分含有率65%〜80%の濃縮液を抽出し、この濃縮液と乾草や穀類等の混合原料とを所定の割合で混合する、ウエットタイプ飼料の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、焼酎粕等の発酵残渣を破砕工程で破砕処理し、次いで間隙による圧力差を利用する固液分離装置(精密濾過膜など)を用いた固液分離工程で固体分と液体分とに分離し、次いで濃縮工程で液体分を濃縮して水分含有率が70%以下で、固形分含有率が30%以上の発酵残渣濃縮液を生成し、次いでサイレージ工程で発酵残渣濃縮液をサイレージ原料に添加して乳酸発酵を行う、飼料の製造方法が示されている。
特開平8−56584号公報 特開2000−125777公報 特開2010−110742公報
ところで、焼酎粕は前記した通り栄養成分が豊富であることから腐敗しやすく、かつBOD(生物的酸素要求量)やSS(懸濁物質)が高い。そのため、前記特許文献1乃至3に開示されている通り、焼酎粕を処理し、処理した被処理物を飼料に転用する場合には、一般的には前処理工程として焼酎粕を固液分離設備で固液分離され、そのうちの固形分を乾燥設備に送って乾燥処理される。一方、分離液は濃縮設備に送って濃縮処理され、さらに固形分と分離液に固液分離した後に固形分を乾燥設備に送って乾燥処理され、分離液は分離液中のエタノール成分を回収した後に排水処理される。
また、濃縮設備により濃縮処理された濃縮液は、固形分濃度が高められる結果、粘度が強く、流動性が悪い性質を有している。このような流動性の悪い濃縮液は、その輸送を困難にするばかりか、特許文献3に開示のように濃縮液を乳酸発酵させる際にも、添加する乳酸菌が均一に行きわたらないという欠点を有している。そのため、粘度の強い濃縮液を効率的に乳酸発酵させるには、濃縮液の全体に乳酸菌が均一に行きわたるように撹拌装置で常時撹拌させる必要があった。
さらに、焼酎粕は早期に腐敗してしまうため、蒸留後の早い段階で処理を行う必要があるが、蒸留直後の焼酎粕は一般的に液温が高いものとなっている(略80℃前後)。そのため、特許文献3に記載のように濃縮液を乳酸発酵させる際には、高温となっている焼酎粕の液温を乳酸発酵に適した液温(略40℃前後)まで下げる必要があるが、前記した通り焼酎粕の処理は短時間で行う必要があることから、通常は冷却設備等を用いて焼酎粕を急速冷却してその液温を下げるという作業工程を要していた。
このように、従来の焼酎粕の処理方法においては、その処理設備として少なくとも乾燥設備や濃縮設備、または冷却設備といった大規模な処理施設が必要であり、かつこれらを駆動するための駆動源も複数必要とし、焼酎処理装置全体として設備の大型化、さらには設備の駆動に伴うランニングコストの上昇が懸念されていた。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、大規模な処理設備や動力源を必要とせず、かつ焼酎粕に含まれる機能成分を破壊することなく低コストで処理することができる焼酎粕の処理方法、および焼酎粕の処理装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の焼酎粕の処理方法は、所定量の焼酎粕に対して所定量の調整液を混合して第1の混合液を生成する工程と、前記第1の混合液を固液分離して、濾過液と固形物に分離する工程と、前記濾過液に1種、または2種以上の乳酸菌を添加して第2の混合液を生成する工程と、前記第2の混合液を嫌気性雰囲気下で発酵させ、沈殿液と上澄液に分離する工程とを備える。
ここで、所定量の焼酎粕に対して所定量の調整液を混合して第1の混合液を生成する工程を備えることにより、高粘度の焼酎粕を調整液により低粘度させることができるとともに、蒸留により高温となっている焼酎粕の温度を下げることができる。従って、その後の焼酎粕の処理工程において冷却コストの削減を行うことができる。
また、第1の混合液を固液分離して、濾過液と固形物に分離する工程を備えることにより、第1の混合液に含まれる懸濁物質を分離することができる。なお、第1の混合液から分離された懸濁物質は、スクリュープレス等の脱水機により脱水して、家畜飼料として使用することができる。
また、濾過液に1種、または2種以上の乳酸菌を添加して第2の混合液を生成する工程を備えることにより、濾過液を後述する乳酸発酵させることができる。
また、第2の混合液を嫌気性雰囲気下で発酵させ、沈殿液と上澄液に分離する工程を備えることにより、第2の混合液を乳酸菌の発酵が促進される嫌気性雰囲気下で発酵させることで、第2の混合液に含まれる有機物の腐敗や悪臭を抑制し、長期保存が可能な飼料としての微粒の懸濁物質を含む沈殿液と、懸濁物質を含まない上澄液に分離することができる。但し、上澄液に一定量の微粒の懸濁物質が含まれていてもよい。
また、第1の混合液を生成する工程が、焼酎粕100重量部に対して調整液を略80〜100重量部だけ混合する工程を有する場合には、焼酎粕の粘度、および温度が乳酸発酵に適した状態となり、その後の焼酎粕の処理工程を効率的に進めることができる。
なお、調整液が焼酎粕100重量部に対して80重量部よりも少ない場合は、第1の混合液の粘度が強いとともに、乳酸発酵に適した液温まで下がらず、その後の処理工程である第1の混合液の固液分離や乳酸菌による発酵が良好に進行しない。
また、調整液が焼酎粕100重量部に対して100重量部よりも多い場合は、調整液を多量に使うことから、貯留槽を大型化する必要があるため、設備コストが増大することが懸念される。
また、第1の混合液を生成する工程が、沈殿液と上澄液に分離する工程により得られた上澄液を調整液として使用する工程を有する場合には、上澄液を調整液として使用することができるため、調整液を余分に準備する必要がない。さらに乳酸発酵した上澄液を調整液として使用することができるため、乳酸発酵に際して、乳酸菌の添加量を減量、または省略することができる。従って、処理コストを低減することができる。なお、この場合、上澄液に任意の量の沈殿液を混入させてもよい。
また、第2の混合液を生成する工程が、糖類を混合する工程を有する場合には、乳酸菌がこの糖類を資化することで乳酸菌数を順調に増やし、乳酸発酵を促進できる。
また、第2の混合液を嫌気性雰囲気下で発酵させ、沈殿液と上澄液に分離する工程が、第2の混合液を所定の時間間隔で撹拌する工程を有する場合には、第2の混合液中に乳酸菌を均一に分布させることができるため、第2の混合液の全体を均一に発酵させることができる。さらに、第2の混合液は調整液により粘度が低下しているため、この撹拌作業は常時行う必要がなく、所定の時間間隔で行えばよいため、処理コストを低減することができる。
前記の目的を達成するために、本発明の焼酎粕の処理装置は、焼酎粕と調整液が混合された第1の混合液が貯留される第1の貯留槽と、前記第1の混合液を濾過液と固形物に分離可能な固液分離装置と、前記濾過液と乳酸菌が混合された第2の混合液が貯留される第2の貯留槽と、前記第2の混合液の発酵後の上澄液が貯留される第3の貯留槽と、前記第2の混合液の発酵後の沈殿液が貯留される第4の貯留槽とを備える。
ここで、焼酎粕と調整液が混合された第1の混合液が貯留される第1の貯留槽を備えることにより、高粘度の焼酎粕が調整液と混合され、低粘度化した第1の混合液を貯留することができる。
また、第1の混合液を濾過液と固形物に分離可能な固液分離装置を備えることにより、第1の混合液に含まれる懸濁物質を分離することができる。なお、第1の混合液から分離された懸濁物質は、スクリュープレス等の脱水機により脱水して、家畜飼料として使用することができる。
また、濾過液と乳酸菌が混合された第2の混合液が貯留される第2の貯留槽を備えることにより、固液分離装置により分離された第1の混合液の濾過液と乳酸菌が混合された第2の混合液を貯留するとともに、第2の貯留槽内において濾過液を乳酸菌により発酵させることができる。
また、第2の混合液の発酵後の上澄液が貯留される第3の貯留槽を備えることにより、例えば第2の貯留槽に貯留される第2の混合液について、乳酸発酵完了後に分離された上澄液を貯留することができる。
また、第2の混合液の沈殿液が貯留される第4の貯留槽を備えることにより、例えば第2の貯留槽に貯留される第2の混合液について、乳酸発酵完了後に分離された沈殿液を貯留することができる。
また、第3の貯留槽に貯留される上澄液を第1の貯留槽に供給する供給装置を有する場合には、上澄液を焼酎粕の調整液として使用することができるため、調整液を別途準備する必要がないため、処理コストを低減することができる。
また、第2の貯留槽には、濾過液を撹拌する撹拌装置を有する場合には、例えば第2の貯留槽に貯留されている濾過液を乳酸菌等により発酵させる際に、乳酸菌を濾過液内に均一に分布させることができるため、濾過液の全体を均一に発酵させることができる。
本発明に係る焼酎粕の製造方法、および焼酎粕の処理装置は、大規模な処理設備や動力源を必要とせず低コストで処理することができるのものとなっている。
本発明の実施形態に係る焼酎粕の処理装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る焼酎粕の処理方法を示すフロー図である。
以下、焼酎粕の処理方法、および焼酎粕の処理装置に関する本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
まず、本発明の実施形態に係る焼酎粕の処理装置Aについて図1に基づいて説明する。焼酎粕の処理装置Aは、主に第1の貯留槽1、第2の貯留槽2、第3の貯留槽3、第4の貯留槽4、および固液分離機5から構成され、各貯留槽間は被処理溶液が移送可能なように配管により接続された構成となっている。
第1の貯留槽1は、焼酎粕、および調整液が所定の割合で混合された第1の混合液B1が貯留される貯留槽である。焼酎粕、および調整液の第1の貯留槽1への移送は、例えば焼酎粕や調整液のそれぞれを一時的に保管する焼酎粕タンク6、調整液タンク7から焼酎粕と調整液が所定の割合となるようにポンプPで吸い上げて移送される。
固液分離機5は、第1の貯留槽1から移送された第1の混合液B1を、濾過液Fと比較的大きな懸濁物質からなる固形物Sに分離するための装置である。この固液分離機5は、例えば任意の角度方向に振動が可能な振動機に篩が取り付けられた自動篩機が使用される。
固液分離機5により分離された濾過液Fは、固液分離機5と一体的に備えられている濾過液タンク8に一時的に貯留される。
ここで、必ずしも、固液分離機5として自動篩機が使用される必要はない。自動篩機に代えて、スクリュープレス、ベルトスクリーン、遠心濃縮脱水機、真空脱水機等の公知の固液分離機から適宜選択することができる。但し、本発明の実施形態においては、焼酎粕が調整液により低粘度化されているため、より簡便な装置である篩機によっても充分に固液分離を行うことができる。
第2の貯留槽2は、濾過液タンク8からポンプPで吸い上げられて濾過液Fを貯留するための貯留槽である。第2の貯留槽2に貯留された濾過液Fは、後述する通り第2の貯留槽2内で乳酸菌が添加されて発酵処理が行われるが、その際、濾過液Fと乳酸菌が均一に混合されるように撹拌する必要がある。そのため、第2の貯留槽2には、モーターM等の公知の駆動手段により駆動される攪拌機9が備えられている。
ここで、必ずしも、濾過液Fの第2の貯留槽2への移送は、濾過液タンク8を介して移送する必要はない。例えば、前記した固液分離機5を第2の貯留槽2の上方に取り付け、固液分離機5と第2の貯留槽2を一体的に構成することで、固液分離機5から分離された濾過液Fを直接的に第2の貯留槽2に滴下して貯留するように構成してもよい。このように構成することで、濾過液タンク8が不要となり、焼酎粕の処理装置Aの全体をコンパクト化することができる。
また、必ずしも、第2の貯留槽2には攪拌機9が備えられている必要はない。本発明の実施形態においては、焼酎粕は前記の通り調整液により焼酎粕の粘度が低下している。従って、発酵過程において常時、濾過液Fを撹拌する必要がないため、別途準備した攪拌機を用いて、作業者が所定時間間隔で手動により撹拌するようにしてもよい。
第3の貯留槽3は、第2の貯留槽2内で乳酸菌による発酵工程を経て生成された上澄液Wを貯留するための貯留槽である。
第4の貯留槽4は、第2の貯留槽2内で乳酸菌による発酵工程を経て生成された懸濁物質を含有する沈殿液Dを一時的に貯留するための貯留槽である。
次に、以上の焼酎粕の処理装置Aを用いて行われる焼酎粕の処理方法について、図2のフロー図に基づいて説明する。
<S1:焼酎粕と調整液を混合する工程>
蒸留施設等から排出された焼酎粕は、例えばタンクローリー等の運搬手段により処理施設内に搬入され、焼酎粕タンク6に一時的に貯留される。焼酎粕タンク6、および調整液タンク7のそれぞれに貯留されている焼酎粕、および調整液は、ポンプPにより吸い上げられ、第1の貯留槽1に移送される。このとき、焼酎粕100重量部に対して調整液が略80〜100重量部となるように調整される。なお、調整液としては、主に水道水など塩分濃度の低い淡水や、第4の貯留槽4に貯留されている上澄液Wを使用することができる。
ここで、必ずしも、焼酎粕と調整液の混合割合として、焼酎粕100重量部に対して調整液が略80〜100重量部の割合である必要はない。但し、焼酎粕100重量部に対して調整液が略80重量部よりも少ない場合には、焼酎粕の粘度が強く、その後の処理工程である固液分離や、乳酸菌による発酵が良好に進行しない虞がある。
また、焼酎粕100重量部に対して調整液が100重量部よりも多い場合は、焼酎粕の粘度がより一層弱められるが、第1の混合液B1の液温が下がり過ぎるため、乳酸発酵に適した液温とはならず乳酸発酵が良好に進行しない虞がある。さらに、調整液を多量に必要とするとともに、第1の混合液B1の体積が使用する調整液の分だけ増えることから、第1の混合液B1を貯留するための貯留槽を大型化し、処理コストが増大する。従って、処理コストと処理時間を考慮すると、第1の混合液B1は焼酎粕100重量部に対して調整液が略80〜100重量部であることが好ましい。
<S2:第1の混合液を固液分離する工程>
工程S1において生成された第1の混合液B1は、第1の貯留槽1から固液分離機5に移送される。固液分離機5に移送された第1の混合液B1は、微粒の懸濁物質を含有する濾過液Fと、比較的大きな懸濁物質からなる固形物Sに分離される。
固液分離機5により分離された濾過液Fは濾過液タンク8に滴下され一時的に保存され、ポンプPにより第2の貯留槽2に移送される。一方、固液分離機5に残った固形物は未分解の炭水化物を主成分としており、脱水処理されて家畜用の飼料として使用される。
<S3:濾過液に乳酸菌を添加する工程>
工程S2において分離され、第2の貯留槽2に貯留されている濾過液Fの100重量部に対して略0.1重量部の1種または2種以上の乳酸菌、および必要に応じて略0.02重量部の酵母菌を添加し、第2の混合液B2を生成する。なお、このとき、焼酎粕100重量部に対して略0.15重量部の糖類も同時に添加される。
ここで、必ずしも、糖類を添加する必要はない。但し、糖類を添加することにより、この糖類を乳酸菌が資化して乳酸菌数を順調に増やし乳酸発酵を促進できる。従って、発酵促進という観点では、糖類は添加されていることが好ましい。
<S4:発酵工程>
以上のように、濾過液Fに乳酸菌、および糖類が添加された第2の混合液B2は第2の貯留槽2内にて発酵が開始される。発酵条件は、公知の乳酸発酵の発酵条件に従い、略25〜30℃の温度条件における嫌気性雰囲気のもとで、一定期間(略7〜10日間)発酵する。このとき、第2の貯留槽2に備えられている攪拌機9により、所定時間(例えば略12〜24時間)毎に第2の混合液B2の全体をゆっくりと数十秒間撹拌することで、濾過液Fと乳酸菌、および糖類の混合が均一となり乳酸発酵が促進される。
ここで、必ずしも、第2の混合液B2の攪拌機9による撹拌間隔として、略12〜24時間である必要はない。例えば、攪拌機9を常時駆動して、第2の混合液B2を撹拌するようにしてもよい。但し、本発明の実施形態においては、工程S1において高粘度の焼酎粕が調整液によりある程度に低粘度化されている。そのため、乳酸菌が濾過液F中に適度に分布しやすい状況であり、常時撹拌する必要はない。なお、撹拌を行う時間間隔は、添加する乳酸菌や糖類の種類、量等の発酵条件に応じて適宜変更することができる。
発酵が進むと第2の混合液B2のpH、および乳酸菌数等の指標データに変化が生じる。本発明の実施形態においては、主にpHの値に基づき発酵完了の判断を行い、具体的には一般的な指標としてのpHが略4以下となることを発酵完了の目安とした。
ここで、必ずしも、発酵完了の指標データとしてpHのみを使用する必要はない。例えば、乳酸菌数、Brix(糖度)、La(乳酸酸度)の少なくとも1種、または2種以上の時系列データの変化を確認しながら発酵完了の指標としてもよい。
また、必ずしも、発酵完了の目安としては、pHとして略4以下とする必要はない。必要に応じて、指標とするpHを変更するようにしてもよい。
<S5:上澄液を抽出する工程>
工程S4において第2の混合液B2の発酵が完了すると、第2の混合液B2は微粒の懸濁物質を含有する沈殿液Dと上澄液Wに分離される。得られた上澄液Wは、第3の貯留槽3に移送されて一時的に貯留される。そして、この上澄液Wの一部は第1の貯留槽1まで移送されて、以後の処理工程における調整液として使用される。この場合、上澄液Wに任意の量の沈殿液Dを混入させてもよい。
ここで、必ずしも、第3の貯留槽3に貯留されている上澄液Wを第1の貯留槽1に移送する必要はない。但し、上澄液Wを第1の貯留槽1に移送して調整液として使用することにより、以後の処理工程においては調整液、および乳酸発酵に際して使用する乳酸菌の使用量を軽減、または別途準備する必要がない。従って、処理コスト低減という観点では、上澄液Wを第1の貯留槽1に移送することが好ましい。この場合、上澄液Wに任意の量の沈殿液Dを混入させてもよい。
また、必要に応じて上澄液Wの一部を一定の間隔において第2の貯留槽2、および第3の貯留槽3の気液界面に散布して、第2の貯留槽2、第3の貯留槽3、および第4の貯留槽4の気液界面のカビなどの腐食の発生を防止する洗浄液として使用することが好ましい。
さらに、必要に応じて上澄液Wの一部を固液分離機5、焼酎粕タンク6、調整液タンク7、濾過液タンク8、および比較的大きな懸濁物質からなる固形物Sに散布してカビの発生や残留物の腐敗を防止する洗浄液として使用するようにしてもよい。
<S6:沈殿液を抽出する工程>
一方、沈殿液Dは、第4の貯留槽4に移送されて一時的に貯留される。この第4の貯留槽4に貯留されている沈殿液Dは、必要に応じて乾燥機により乾燥され、またはそのまま容器等に小分けして家畜や養魚の飼料、または農作物の肥料として使用される。
以上のように、本発明を適用した焼酎粕の処理方法、および焼酎粕の処理装置は、大規模な処理設備や動力源を必要とせず低コストで処理することができるものとなっている。
A 焼酎粕の処理装置
1 第1の貯留槽
2 第2の貯留槽
3 第3の貯留槽
4 第4の貯留槽
5 固液分離機
6 焼酎粕タンク
7 調整液タンク
8 濾過液タンク
9 攪拌機
B1 第1の混合液
B2 第2の混合液
D 沈殿液
F 濾過液
S 固形物
P ポンプ
M モーター
W 上澄液

Claims (7)

  1. 焼酎粕100重量部に対して80〜100重量部の淡水からなる調整液を混合して第1の混合液を生成する工程と、
    前記第1の混合液を固液分離して、濾過液と固形物に分離する工程と、
    前記濾過液に1種、または2種以上の乳酸菌を添加して第2の混合液を生成する工程と、
    前記第2の混合液を嫌気性雰囲気下で発酵させ、沈殿液と上澄液に分離する工程と、を備える
    焼酎粕の処理方法。
  2. 前記第1の混合液を生成する工程は、
    前記沈殿液と上澄液に分離する工程により得られた前記上澄液を前記調整液として使用する工程を有する
    請求項1に記載の焼酎粕の処理方法。
  3. 前記第2の混合液を生成する工程は、
    糖類を混合する工程を有する
    請求項1または請求項2に記載の焼酎粕の処理方法。
  4. 前記第2の混合液を嫌気性雰囲気下で発酵させ、沈殿液と上澄液に分離する工程は、
    前記第2の混合液を所定の時間間隔で撹拌する工程を有する
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の焼酎粕の処理方法。
  5. 淡水からなる調整液と焼酎粕が混合された第1の混合液が貯留される第1の貯留槽と、
    前記第1の混合液を濾過液と固形物に分離可能な固液分離装置と、
    前記濾過液と乳酸菌が混合された第2の混合液が貯留される第2の貯留槽と、
    前記第2の混合液の発酵後の上澄液が貯留される第3の貯留槽と、
    前記第2の混合液の発酵後の沈殿液が貯留される第4の貯留槽と、を備える
    焼酎粕の処理装置。
  6. 前記第3の貯留槽に貯留される前記上澄液を前記調整液として前記第1の貯留槽に供給する供給装置を有する
    請求項5に記載の焼酎粕の処理装置。
  7. 前記第2の貯留槽には、前記濾過液を撹拌する撹拌装置を有する
    請求項5または請求項6に記載の焼酎粕の処理装置。
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