JP6425397B2 - Nlrr1細胞外ドメインタンパク質を検出する方法 - Google Patents

Nlrr1細胞外ドメインタンパク質を検出する方法 Download PDF

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本発明は、NLRR1細胞外ドメインタンパク質を検出することを含む疾患の診断方法、及びNLRR1細胞外ドメインタンパク質を検出する手段を含むキットに関する。本発明はさらにNLRR1細胞外ドメインタンパク質の免疫学的測定試薬及び免疫学的測定方法、並びに神経芽腫を含む癌の診断試薬、診断方法、予後判定方法に関する。
NLRR1(neuronal leucine-rich repeat protein 1)は神経芽腫において高発現される1型膜貫通タンパク質であり、LRRN1(Leucine-rich repeat neuronal protein 1)とも呼ばれる。NLRR1は神経芽腫cDNAライブラリーから、予後良好な神経芽腫と予後不良な神経芽腫とで発現が異なるものとして本発明者らにより同定された(非特許文献1)。NLRR1のアミノ酸配列を配列番号1に示す。N末端側が細胞外ドメインでありロイシンリッチなリピート配列が見られる(LRR)。次にIgG様ドメインがあり、フィブロネクチンIII型ドメインが続く。次いで細胞内ドメインには酸化の可能性のある複数のチロシン残基がある。また、C末端側にはクラスリンアダプター相互作用ドメイン、そしてPDZ結合モチーフが見られる。
NLRR1はMYCNの標的遺伝子であることを本発明者らは以前に報告した(非特許文献2)。また本発明者らは以前に、NLRR1が神経芽腫においてEGF媒介MYCN誘導を促進し、in vivoにおける腫瘍増殖を促進することを報告した(非特許文献3)。また同文献において、NLRR1が、IGF-1により媒介される細胞外シグナル調節キナーゼの活性化を通して細胞増殖を正に調節することを報告した。
神経芽腫は、小児癌の一種であり、日本国の年間発症者数は150人程度と推測されている。神経芽腫の早期例の予後は一般に良好だが、進行例の予後は不良である。予後が不良の神経芽腫を本明細書において難治性神経芽腫と呼ぶことがある。本発明者らは、予後不良の難治性神経芽腫でNLRR1の発現が有意に高いことを以前に報告した(非特許文献4)。
Hamano S, et al., Int J Oncol. 2004; 24(6):pp. 1457-66 Hossain et. al., Oncogene (2008) 27, pp. 6075-6082 Hossain et. al., Cancer Res. 2012, 72(17), pp. 4587-96 Hamano et. al., Int. J. Oncol. (2004) 24(6), pp. 1457-66
癌を含む各種疾患の診断方法が必要とされている。また神経芽腫の診断方法及び神経芽腫の予後の判定方法が必要とされている。
本発明者らは、難治性神経芽腫において発現量が増大しているNLRR1タンパク質に着目し、鋭意研究を重ねた結果、以下の知見により本発明を完成させた。本発明者らはまず(i)正常組織においてNLRR1が切断され、血中にNLRR1の細胞外ドメインタンパク質が分泌されることを見出した。これは新規な知見である。また本発明者らは、(ii)健常者における血中でのNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルが年齢によって異なることを見出した。成人ではNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルは低い。また1歳未満の幼児ではNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルは低く、逆に1歳〜5歳児ではNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルは高いという驚くべき知見を見出した。さらに本発明者らは、(iii)神経芽腫患者においてもNLRR1が切断されNLRR1細胞外ドメインタンパク質が分泌されることを見出した。さらに、(iv)1歳未満の神経芽腫患者について検討した結果、ステージ1の神経芽腫患者はNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルは低く、ステージ2、3、4の神経芽腫患者はNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが増大していた。よって(v)NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより種々の疾患を診断又は判定することができる。例えば1歳未満の神経芽腫患者についてはNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルは、神経芽腫の診断マーカーとなる。また1歳以上5歳未満の被検体、及び5歳以上の被検体についても、健常者における正常なNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルとの比較により神経芽腫診断が可能となる。すなわち本発明は以下の態様を含む。
[1] 疾患診断のための検査方法であって、以下のステップ、
(i)被験体由来の血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルを測定するステップ、及び
(ii)測定された血漿中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを標準と比較するステップ、
を含み、測定された血漿中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが標準よりも高い場合には、前記被験体が疾患に罹患していると決定する前記方法。
[2] 疾患が、神経芽腫、皮膚癌、肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、小腸癌、甲状腺癌、腺癌、扁平上皮癌、前立腺癌、骨肉腫、副甲状腺癌、内分泌系癌、下垂体腺腫、大腸癌、結腸直腸癌、腎細胞癌、膀胱癌、尿道癌、尿管癌、精巣癌、副腎の癌、リンパ腫、肝臓癌、膵癌、胆嚢癌、胆管癌、咽頭癌、頭部癌、頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮筋腫、乳頭癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、脳腫瘍、中枢神経系腫瘍、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、多形性膠芽腫、星状細胞腫、神経鞘腫、上衣細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、軟組織肉腫及び神経疾患からなる群より選択される、[1]に記載の方法。
[3] 疾患が神経芽腫、皮膚癌、肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、小腸癌、甲状腺癌、腺癌、扁平上皮癌、前立腺癌又は骨肉腫である、[2]に記載の方法。
[4] 疾患が神経芽腫である、[3]に記載の方法。
[5] 被検体が1歳未満である、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 被検体が1歳以上5歳未満である、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[7] 被検体が5歳以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[8] 被験体の神経芽腫のステージを決定するための検査方法であって、以下のステップ、
(i)神経芽腫を有する被験体由来の血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルを測定するステップ、及び
(ii)測定された血漿中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを標準と比較するステップ、
を含み、測定された血漿中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが、標準よりも低い場合には神経芽腫がステージ1であると決定し、標準よりも高い場合には神経芽腫がステージ2〜4であると決定する、前記方法。
[9] 血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルを、抗NLRR1細胞外ドメイン抗体又はその抗原結合断片を用いて測定する、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 抗NLRR1細胞外ドメイン抗体がモノクローナル抗体及び/又はポリクローナル抗体若しくはそれらの抗原結合断片である、[9]に記載の方法。
[11] 抗NLRR1細胞外ドメイン抗体又はその抗原結合断片を含む、疾患診断用キット。
[12] 抗NLRR1細胞外ドメイン抗体がモノクローナル抗体及び/又はポリクローナル抗体である、[11]に記載のキット。
[13] 疾患が、神経芽腫、皮膚癌、肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、小腸癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、腺癌、扁平上皮癌、内分泌系癌、下垂体腺腫、大腸癌、結腸直腸癌、腎細胞癌、前立腺癌、膀胱癌、尿道癌、尿管癌、精巣癌、副腎の癌、リンパ腫、肝臓癌、膵癌、胆嚢癌、胆管癌、咽頭癌、頭部癌、頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮筋腫、乳頭癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、脳腫瘍、中枢神経系腫瘍、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、多形性膠芽腫、星状細胞腫、神経鞘腫、上衣細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、軟組織肉腫、骨肉腫及び神経疾患からなる群より選択される、[11]又は[12]に記載のキット。
[14] さらにNLRR1細胞外ドメインタンパク質を標準物質又は陽性対照として含む、[11]〜[13]のいずれかに記載のキット。
[15] 抗NLRR1細胞外ドメイン抗体を含む疾患診断用キットの製造における、NLRR1細胞外ドメインタンパク質の使用。
[16] 疾患が神経芽腫である、[15]に記載の使用。
[17] NLRR1細胞外ドメインタンパク質を含む神経芽腫診断用マーカー。
本発明の方法を用いて血中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより、種々の疾患を診断することができ、またその予後を判定することができる。特に、あらゆる年齢の被検体の血中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することによりあらゆる癌や神経疾患等の有無を診断することができる。例えば0歳以上1歳未満の乳幼児の血中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより神経芽腫を診断でき、また、そのステージを決定することができる。さらに1〜5歳の幼児、5〜20歳の被検体、20歳以上の成人の血中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより神経芽腫を診断でき、また、そのステージを決定することができる。
抗NLRR1抗体を用い、サンプル中のNLRR1細胞外ドメインを検出したELISA結果を示す。Aはヒツジ抗ヒトNLRR1ポリクローナル抗体を用いた場合であり、Bは抗NLRR1モノクローナル抗体(#208, #240)を用いた場合である。 抗原(NLRR1細胞外ドメイン)量と吸収の標準曲線を示す。 免疫沈降法を用い正常血漿に含まれるNLRR1細胞外ドメインを検出した結果を示す。 年齢別に見た健常個体の血中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを示す。測定はサンドウィッチELISA法により行った。 神経芽腫患者由来の血漿に含まれるNLRR1細胞外ドメインを免疫沈降法により検出した結果を示す。 各ステージの、1才未満の神経芽腫患者の血漿中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルをサンドウィッチELISA法により測定した結果を示す。
1.発明の概要
本発明は、血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルを測定する方法を提供する。これにより各種疾患を診断でき、また予後を判定することができる。
2.用語の定義
本願明細書においてNLRR1タンパク質の細胞外ドメイン、NLRR1細胞外ドメインタンパク質、NLRR1細胞外ドメイン、細胞外NLRR1タンパク質、NLRR1細胞外ドメインペプチド、細胞外NLRR1ペプチドは同義に用いるものとする。本願明細書においてこれをexN1と記号で表すことがある。NLRR1タンパク質の全長アミノ酸配列は配列番号1に示すとおりである。ある実施形態においてNLRR1細胞外ドメインタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸1位〜632位であり得る。しかしながら、本発明において用いるNLRR1細胞外ドメインタンパク質はこれに限れらず、1又は数個のアミノ酸配列がN末端及び/又はC末端からさらに欠失しているものであってもよい。本明細書で核酸又はアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加若しくは修飾に関連して用いる「1又は数個」とは、通常1〜9個、1〜8個、1〜7個、1〜6個、1〜5個、例えば1〜4個、例えば1〜3個、例えば1〜2個をいう。本願明細書において「NLRR1細胞外ドメインタンパク質」という場合、これには前記のような欠失変異体も包含されるものとする。
本明細書において、「診断」とはある被験体が癌等の疾患に罹患しているか否かを判断することをいう。本願明細書において神経芽腫のステージについて用いる「決定」とは、ある神経芽腫がどのステージにあるかを決定することをいう。
本明細書において「健常者(健常な被験体)」とは、疾患に罹患していない、例えば神経芽腫を有しない被験者又は被験体をいう。
本明細書において「抗体」という用語は、免疫グロブリン様ドメインを有する分子を指すよう、最も広い意味で用いられ、例としては、モノクローナル、組換え、ポリクローナル、キメラ、ヒト化、二重特異性及びヘテロ接合抗体;単一可変ドメイン、ドメイン抗体、抗原結合断片、免疫学的に有効な断片、一本鎖Fv、ダイアボディ等が挙げられる。本発明の抗体は、ヒト抗体、マウス抗体、ラット抗体、ウサギ抗体、ヒツジ抗体等であり得るが、これに限定されない。本発明の抗体はモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体とすることができる。ある実施形態においてモノクローナル抗体とポリクローナル抗体とを組み合わせて使用することができる。本明細書においてモノクローナル抗体のことをmAbと標記することがある。
本明細書において「特異的に結合する」という用語は、抗NLRR1細胞外ドメイン抗体について用いる場合、抗NLRR1細胞外ドメイン抗体がNLRR1細胞外ドメインタンパク質と結合し、他の無関係なタンパク質とは全く結合しないか又はほとんど結合しないことを意味する。
本明細書において抗体の「抗原結合断片」とは、抗原(例えばNLRR1)に対して特異的に結合する抗体の1つ又は複数の断片を指す。例としては、Fab、F(ab')2、Fv、dAb、scFv等が挙げられる。本発明の抗体又はその抗原結合断片を、本発明の抗体等ということがある。
3.診断について
本発明は、NLRR1タンパク質に関連する疾患の診断方法を提供する。この方法には、NLRR1細胞外ドメインタンパク質を検出する手段を用いる。被検体由来のサンプル血漿中から検出されたNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルは、適当な標準と比較することができる。これにより該被検体が疾患に罹患しているか決定することができる。検出はNLRR1細胞外ドメイン検出手段とサンプルとを接触させることにより行う。検出方法としては、抗原抗体反応を利用したあらゆる方法、例えば免疫沈降法、ELISA法、サンドイッチELISA法などが挙げられる。
本発明におけるサンプル(試料)としては、ヒトの血液、血清、血漿、尿、精液、髄液、唾液、汗、涙、腹水若しくは羊水などの体液;便;血管若しくは肝臓などの臓器;組織;細胞;又は便、臓器、組織若しくは細胞などの抽出液等、NLRR1又はその細胞外ドメインが含まれる可能性のあるあらゆる生体サンプルが挙げられる。ある実施形態においてサンプルは血漿サンプルである。サンプルは生検法により採取された細胞又は組織とすることができる。ヒト被験体の年齢に制限はなく、0歳〜120歳、0歳〜100歳、0〜80歳等どのような年齢であってもよく、新生児、出生後7日未満の早期新生児、出生後28日未満の新生児、出生後1月未満、2月未満、3月未満、4月未満、5月未満、6月未満、7月未満、8月未満、9月未満、10月未満、11月未満又は1歳未満の乳幼児(乳児ともいう)、1歳〜5歳の幼児(小児ともいう)、5歳以上の被検体、20歳以上の成人が含まれる。本願明細書において1歳未満というとき、これは0歳以上〜1歳未満をいうものとする。標準と比較してNLRR1細胞外ドメインタンパク質の増大が認められれば、これに基づき該サンプルがNLRR1タンパク質に関連する疾患を有する被験体由来であるか否かを決定することができる。
本発明において診断される疾患にはNLRR1タンパク質の発現増大又は血中に分泌されるNLRR1細胞外ドメインタンパク質の増大に関連するあらゆる疾患が含まれる。このような疾患としては、癌、例えば神経芽腫、皮膚癌、肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、小腸癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、腺癌、扁平上皮癌、内分泌系癌、下垂体腺腫、大腸癌、結腸直腸癌、腎細胞癌、前立腺癌、膀胱癌、尿道癌、尿管癌、精巣癌、副腎の癌、リンパ腫、肝臓癌、膵癌、胆嚢癌、胆管癌、咽頭癌、頭部癌、頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮筋腫、乳頭癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、脳腫瘍、中枢神経系腫瘍、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、多形性膠芽腫、星状細胞腫、神経鞘腫、上衣細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、軟組織肉腫、骨肉腫及び神経疾患並びにこれらの組合せが挙げられるがこれらに限られない。
NLRR1タンパク質の発現が増大した癌としては、例えば神経芽腫、皮膚癌、肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、小腸癌、甲状腺癌、腺癌、扁平上皮癌、前立腺癌、及び骨肉腫が挙げられるがこれらに限られない。当業者であれば、抗NLRR1モノクローナル抗体を用いるなどの手段により、ある癌細胞においてNLRR1タンパク質の発現が増大しているか、慣用の技術を用いて決定することができる。また、当業者であれば、抗NLRR1細胞外ドメインタンパク質モノクローナル抗体を用いるなどの手段により、ある癌細胞においてNLRR1細胞外ドメインタンパク質の発現が増大しているか、慣用の技術を用いて決定することができる。
一実施形態において、標準は、健常者の血漿中に存在するNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルに対応する。標準は、慣用の実験と統計的分析によって確立することができる。当業者であればNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルの標準的なレベル、例えば健常者の血漿中の標準的なNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを周知の方法を用いて決定することができる。例えば図4を参照のこと。標準はまた、被検体の年齢に応じて異なるものを用いることができる。
3.1 神経芽腫について
本発明者らは、1歳未満の健常者ではNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが低いことを見出した(図4)。また本発明者らは1歳未満の神経芽腫患者に関し、ステージ2、3、4の患者由来の血漿サンプルにおいて、NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが有意に増大していることを見出した(図6)。本願明細書において「有意に」とは、統計学的有意性があることをいう(例えばp<0.05)。逆にステージ1の患者ではNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルは低いままであった。これらのことから、1歳未満の乳幼児の血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが標準よりも有意に高い場合は、当該乳幼児が神経芽腫を有すると診断し得る。さらに当該神経芽腫のステージを決定することができる。特に断らない限り本願明細書においてNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが標準よりも高い、とは標準よりも有意に高いことを意味するものとする。また、1歳未満の神経芽腫患者の血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより、神経芽腫のステージを決定することができる。これに基づいて当該被験者の予後を「判定」することもできる。ステージ1であれば予後は良好、ステージ2〜4であれば予後は不良と判定しうる。本発明の方法により、医師の判断を介することなく、神経芽腫のステージをin vitroの工程のみで決定することができる。
神経芽腫のステージを決定することができることから、本発明に係る方法は、神経芽腫の予後判定、又は予後判定の補助に用いることもできる。NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが標準よりも高い場合は予後が不良であると判定される。本明細書において神経芽腫の「予後が不良である」とは、神経芽腫の腫瘍に進行が認められ、公知の診断マーカーなどから悪性度が高いと判断される状態をいう。
3.2 カットオフ値
本発明の検査方法では、用いる条件に応じて適当なカットオフ値を設定しても良い。カットオフ値とは、その値未満の検体を陰性とし、その値以上の検体を陽性とする任意に設定された閾値をいう。カットオフ値を高く設定すると一般に特異度は上がるが感度は下がる。逆にカットオフ値を低く設定すると感度を高めることができるが特異度は下がる。感度が高いとは、陽性と判定されるべきもの(真陽性)を正しく陽性と判定する可能性が高いことをいう。特異度が高いとは、ある検査において陰性の検体を正しく陰性と判定する確率が高いことをいう。
3.3 被検体の年齢について
本発明者らは(ii)健常者における血中でのNLRR1細胞外ドメインのレベルが年齢によって異なることを見出した。成人ではNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルは低い。また1歳未満の幼児ではNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルは低く、逆に1歳〜5歳児ではNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルは高い。さらに(iv)1歳未満の神経芽腫患者については、ステージ1の神経芽腫患者はNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルは低く、ステージ2、3、4の神経芽腫患者はNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが増大していた。
このとき、ステージ2、3、4の1歳未満の神経芽腫患者はNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルがステージ1患者や健常者と比較して顕著に増大していた(図6)。このこと、及び成人ではNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが低いという知見を合わせると、成人についてもNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより神経芽腫、例えばステージ2、3、4の神経芽腫の有無を診断することができると考えられる。一例として図4を見ると健常者で血漿exN1が200μg/mLを超える検体はなかった。そうすると、図6のようにカットオフ値を200μg/mLと設定すればあらゆる年齢の健常者とステージ2、3、4の神経芽腫患者は十分に区別可能であることがわかる。なお、この値は本願明細書の実施例での条件下でのものであり、当業者であればカットオフ値は適宜設定できる、と理解されよう。すなわち本発明の診断方法及び検査方法は1歳未満の被検体に限られず、あらゆる年齢の被検体に適用可能である。その際、被験者の年齢に応じて異なるカットオフ値を用いることができる。例えば、健常な成人では1〜5歳児に比べて血中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが低いため、これに対応した標準を用いるか、1〜5歳児に比べて低めに設定したカットオフ値を用いることができる。5歳以上〜20歳未満の健常者についても、同様に血中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを決定し、適当な標準レベルを設定することができる。
3.4 他の疾患について
本発明者らは以前に、抗NLRR1モノクローナル抗体を用いることにより、神経芽腫、皮膚癌、肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、小腸癌、甲状腺癌、腺癌、扁平上皮癌、前立腺癌、及び骨肉腫においてNLRR1タンパク質の発現が増大していることを確認した。この以前の知見、及び本願明細書中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質に関する新たな知見(i)〜(v)に鑑みれば、これらの癌細胞ではNLRR1タンパク質の発現が増大していることから、それに応じ血中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルも増大していると合理的に考えられる。したがって、被検体由来の血漿サンプル中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルを測定することにより、当該被検体がこれらの癌を有するか否か診断又は決定することができる。
4.NLRR1細胞外ドメイン検出手段
本発明のNLRR1細胞外ドメイン検出には、NLRR1細胞外ドメインを特異的に検出できる限り、どのような検出手段を用いてもよい。ある実施形態において、NLRR1細胞外ドメインタンパク質を検出するためには、抗NLRR1細胞外ドメイン抗体又はその抗原結合断片を用いることができる。該抗体はモノクローナル抗体であってもよく、ポリクローナル抗体であってもよく、場合によってはサンドイッチELISA法などのように、これらを組み合わせて用いることもできる。検出はNLRR1細胞外ドメイン検出手段(例えば抗体)とサンプルとを接触させることにより行う。次いで抗体を用いる場合、抗原抗体反応により生じた複合体を慣用の手法、例えばイムノアッセイ法により検出する。サンプルは適当に希釈、濃縮又は緩衝化したものであってもよい。サンプルを電気泳動等により分離し、その後抗体等を用いて検出を行ってもよい。または先に抗体を作用させ、その後、場合により分離手段を用いてもよく、その後検出を例えば2次抗体を用いて行うこともできる。検出に際し検体の測定レベルを、陰性対照、陽性対照又は標準物質の測定レベルと比較することができる。予め標準曲線を作成しておき、これと比較してもよい。
4.1 検出方法
抗原抗体反応などの生体特異的親和性に基づく解析法は当業者に良く知られており、例えばNLRR1細胞外ドメインタンパク質に対する抗体を用いたイムノアッセイが挙げられるがこれに限定されない。解析法は定性的であっても定量的であってもよい。具体的にはイムノアッセイとしては、ウエスタンブロットアッセイ、ラジオイムノアッセイ、ELISA法、サンドイッチイムノアッセイ法、免疫沈降法、沈降反応、ゲル内拡散沈降反応、免疫拡散法、凝集測定、補体結合分析検定、免疫放射定量法、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイなどの、競合及び非競合アッセイ系を含むイムノアッセイが挙げられる。イムノアッセイにおいては、サンプル血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質に結合する抗体の存在を検出する及び/又はその量を定量する。具体的には、アッセイサンプルにおいて、検出すべきNLRR1細胞外ドメインタンパク質と当該タンパク質の抗体との免疫複合体が形成されうる条件下で、NLRR1細胞外ドメインタンパク質を含む可能性のある試験サンプルを当該抗体に接触させる。具体的なイムノアッセイプロトコルは、当業者であれば容易に選択することができる。例えばMolecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版(Sambrookら,1989)Cold Spring Harbor Press、同第3版(2001年)、同第4版(2012年)を参照のこと。
こうした検出系に用いるために本発明の抗NLRR1細胞外ドメインタンパク質モノクローナル抗体又はその抗原結合断片を融合タンパク質とすることもできる。融合タンパク質は、本発明に係る抗体又はその抗原結合断片、及び融合パートナータンパク質又はドメインを含み、場合により両者は適当なリンカーにより連結されていてもよい。当業者であれば、公知の遺伝子工学的手法を用いてこうした融合タンパク質を作製しうる。融合パートナータンパク質又はドメインの例としては、蛍光タンパク質、GFP、RFP、ペルオキシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、β-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ及びグルコースオキシダーゼが挙げられるがこれらに限られない。抗体をビーズに結合させることもできる。標識された抗体の検出は公知のアッセイ法、例えば上記のイムノアッセイ法、例えばELISA法、サンドイッチELISA法、RIA、フローサイトメトリー、組織免疫組織化学、ウェスタンブロット、免疫沈降アッセイ等により行うことができる。
ある実施形態においては、まずNLRR1細胞外ドメインタンパク質をキャプチャー抗体(例えばポリクローナル抗体)で補足し免疫沈降を行う。次にこれにマウス抗NLRR1細胞外ドメインタンパク質モノクローナル抗体を作用させる。次にこれに抗マウス免疫グロブリン−セイヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲートを添加しウェスタンブロッティングを行う。
4.2 抗NLRR1細胞外ドメインモノクローナル抗体の調製方法
本発明の抗NLRR1細胞外ドメインモノクローナル抗体を得る方法としては、抗原を、場合により適当なアジュバントと併用して、動物を免疫し、得られたリンパ細胞とミエローマ細胞とを融合させ、ハイブリドーマを作製する方法が挙げられる。別の方法としては、ファージディスプレイライブラリーを用いることもできる。
4.3 抗原の調製
本発明において、免疫抗原は、公知の方法により作製することができる。
抗原はNLRR1タンパク質であってもよく、又はNLRR1細胞外ドメインタンパク質であってもよい。抗原としてNLRR1タンパク質を用いる場合、まず抗NLRR1タンパク質抗体を取得し、次いで対照物質を用いるなどしてこれがNLRR1細胞外ドメインタンパク質を認識するものであるか決定することができる。
例えばヒトNLRR1タンパク質、NLRR1細胞外ドメイン又はその断片の調製法及び精製法については、C末端にヒスチジンタグやmycタグを付加した融合NLRR1タンパク質、NLRR1細胞外ドメイン又はその断片に対して、ヒスチジンタグ抗体やmycタグ抗体、又は亜鉛-付加固体支持体又はコバルト-付加固体支持体を用いて分離することができる。まず精製したNLRR1タンパク質、NLRR1細胞外ドメイン又はその断片を用意する。次いでこれを、適当なアジュバントと混合する。アジュバントの種類としては、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。
本発明において、免疫原であるNLRR1タンパク質、NLRR1細胞外ドメイン又はその断片は、ヒト由来、哺乳動物由来、遺伝子組み換え技術により産生された物又は人工合成されたものでありうる。免疫原は好ましくはNLRR1タンパクの細胞外ドメイン又はその断片である。ある実施形態において免疫原として用いるNLRR1タンパクの細胞外ドメインは配列番号1に示されるアミノ酸配列の第1−632位でありうる。ある実施形態において、本発明の免疫原はNLRR1タンパクの細胞外ドメインである配列番号1に示されるアミノ酸配列の第1−632位のアミノ酸からなるポリペプチドであってもよく、さらにはN末端及び/又はC末端から1又は数個のアミノ酸残基を欠失させたその断片であってもよい。すなわち免疫原のアミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列からみて、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加若しくは修飾を施したアミノ酸配列でありうる。本明細書で核酸又はアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加若しくは修飾に関連して用いる「1又は数個」とは、通常1〜9個、1〜8個、1〜7個、1〜6個、1〜5個、1〜4個、1〜3個、又は1〜2個であり得る。
免疫する動物は、哺乳動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、ヒツジなどが挙げられる。抗原の動物1匹あたりの投与量は、動物の体重にもよるが、例えば100〜1000μgである。アジュバント無し又はアジュバントを伴う抗原での免疫は、主として抗原を静脈内、皮下、腹腔内、筋中等に注射することにより行う。免疫は単回でも複数回でもよい。複数回の場合、免疫の間隔は特に限定されず、数日から数週間間隔、好ましくは2〜3週間間隔で、1〜10回、好ましくは2〜5回免疫を行う。抗体価は吸光度等により評価することができる。
採取した血液は遠心分離する。得られた血清を段階希釈し、酵素免疫測定法(ELISA)や放射性免疫測定法等で抗体価を測定し、抗原に対する抗体価の高い免疫動物にさらに免疫を施す。上記は例示であり、抗原の免疫と抗体価の測定法はこれに限定されない。
4.4 抗体産生細胞の調製
抗体産生細胞は、免疫した動物の脾臓細胞又はリンパ節等から調製し、細胞集団の中から抗体産生細胞のみを分離するのが好ましい。
4.5 細胞融合
上記の抗体産生細胞とミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを融合させ、抗体を産生しながら増殖し得るハイブリドーマ細胞を作製するために細胞を融合させる。抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞としては、マウスなどの動物の一般に入手可能な細胞株を使用できる。使用する細胞株としては、HAT選択培地(ヒポキサンチン、チミジン、アミノプテリンを含む培地)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる性質を有するものが好ましい。ミエローマ細胞としては、例えばP3U1、P3-X63-Ag8(ATCC TIB9)、P3-X63-Ag8-U1(JCRB 9085)、P3-NS1-1-Ag4-1(JCRB 0009)、P3-X63-Ag8・653(JCRB 0028)及びSP2/O-Ag-14(JCRB 0029)等が挙げられる。
細胞融合は、一例として、DMEMやRPMI1640培地などで、1×106〜1×107個/mLの脾臓細胞及びリンパ節細胞と1×105〜1×106個/mLのミエローマ細胞を混合し、場合により細胞融合促進剤存在下で融合を行う。細胞融合促進剤としては、例えば平均分子量200〜20000 Daのポリエチレングリコールを使用できる。また、電気刺激を利用したエレクトロポレーションを用いることもできる。融合後、例えば10〜20%FCS含有RPMI1640培地などで作製したHAT培地で希釈後、96ウェル培養プレートの各ウェルに0. 5〜3×103個の細胞を播種し、CO2インキュベーターで培養する。
4.6 ハイブリドーマの樹立
細胞融合後に、目的ハイブリドーマを選別する。細胞融合後に例えばHAT培地で選択された陽性コロニーについて、96ウェル培養プレートの各ウェルの培養上清を採取して、抗原に対する抗体価の有無を確認する。確認は、ELISAやウェスタンブロット等の免疫測定法等により行うことができる。抗体陽性ウェルを確認できたらクローニングのために細胞を移す。その際、アミノプテリンを含まない培地を用いると、非融合細胞を除くことができる。
選択された陽性ウェルの細胞は、単一の細胞にするためにクローニングする。クローニングは、例えば細胞懸濁液を適当な培地で希釈後、96ウェルプレートの各ウェルに0.1〜2個入るように細胞を播種する。その後、各ウェルの培養上清を確認し、抗体価を確認する。選択された細胞を適当に増殖させハイブリドーマを樹立する。この操作は複数回反復してもよい。
4.7 モノクローナル抗体の調製
樹立したハイブリドーマから以下の方法で抗NLRR1細胞外ドメインモノクローナル抗体を精製する。すなわち、血清の濃度を抑えた培地で培養した培養上清から抗体を調製する方法、市販の無血清培地で培養した培養上清から抗体を調製する方法、動物の腹腔内にハイブリドーマを注入して、腹水を採取し、その腹水から抗体を調製する方法等がある。培養上清は、細胞を適当に調製し、1〜2週間培養したものから採取する。腹水の場合は、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマ細胞を投与し、ハイブリドーマを増殖させ、その後腹水を採取する。
培養方法としては、培養フラスコを用いる方法、スピナーフラスコを用いる方法、シェーカーフラスコを用いる方法、バイオリアクターを使用する方法等がある。抗体の精製方法としては、特に限定するものではないが、プロテインAセファロースカラムクロマトグラフィーを用いる方法、プロテインGアフィニティカラムで精製する方法、NLRR1アフィニティカラムを用いる方法、硫安とゲルろ過を用いる方法、イオン交換クロマトグラフィーを用いる方法、及びこれらの組合せが挙げられる。
本発明に係るモノクローナル抗体の親和性定数(KD)はELISA、RIA、フローサイトメトリー、又はBIACORE(商標)のような表面プラズモン共鳴によって測定することができる。これにより他の抗体との競合性を評価することができ、また、抗体と他のタンパク質との交差反応性を分析することもできる。
ある実施形態において、NLRR1細胞外ドメイン検出に用いる抗NLRR1細胞外ドメインモノクローナル抗体は、NLRR1モノクローナル抗体#208又は#240であり得る。別の実施形態においてNLRR1細胞外ドメイン検出に用いる抗NLRR1細胞外ドメインモノクローナル抗体又はその抗原結合性ドメインは、前記モノクローナル抗体#208又は#240と、NLRR1細胞外ドメインへの結合について競合するモノクローナル抗体又はその抗原結合性ドメインであり得る。当業者であれば慣用の手法により、このような競合抗体を取得することができる。
また抗NLRR1細胞外ドメインタンパク質モノクローナル抗体としては、市販されている抗NLRR1モノクローナル抗体を利用しうる。例えばAbnova社のCat No.H00057633-M05、Cat No.H00057633-M11、Cat No.H00057633-M09または、Cat No.H00057633-M12等の抗NLRR1モノクローナル抗体を利用しうる。こうした市販の抗体がNLRR1細胞外ドメインタンパク質と特異的に結合するか試験することにより、本発明の検出法に用いることができるか否か容易に確認することができる。試験方法としては例えば本発明の抗NLRR1細胞外ドメインタンパク質モノクローナル抗体#208又は#240を陽性対照抗体とし、ある抗NLRR1モノクローナル抗体が血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質と結合するかウェスタンブロット法等のイムノアッセイ法を用いて確認する方法が挙げられる。
4.8 抗NLRR1細胞外ドメインポリクローナル抗体の調製方法
本発明に用いる抗体はポリクローナル抗体であってもよい。この場合、抗原を、場合により適当なアジュバントと併用して、動物を免疫する。次いで動物より、例えば動物の血液より目的の抗体を慣用法により取得する。免疫する動物としては、哺乳動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、ヒツジなどが挙げられる。抗原の動物1匹あたりの投与量は、動物の体重にもよるが、例えば100〜1000μgである。アジュバント無し又はアジュバントを伴う抗原での免疫は、主として抗原を静脈内、皮下、腹腔内、筋中等に注射することにより行う。免疫は単回でも複数回でもよい。抗体価は吸光度等により評価することができる。ポリクローナル抗体として商業的に入手可能なものを用いてもよい。
5.キット
ある実施形態において、本発明はNLRR1細胞外ドメインを検出する手段を含むキットを提供する。このキットは上記の種々の疾患の診断に用いることができる。NLRR1細胞外ドメインを検出する手段としては、例えばNLRR1細胞外ドメイン抗体又はその抗原結合断片が挙げられる。抗体はポリクローナルでもモノクローナルでもよく、又はその組合せであり得る。例えばある実施形態において、本発明のキットがサンドイッチELISA法用である場合、適当な抗NLRR1細胞外ドメインポリクローナル抗体と抗NLRR1細胞外ドメインモノクローナル抗体を用いることができる。
ある実施形態において本発明は、疾患診断のためのキットの製造における、抗NLRR1細胞外ドメイン抗体の使用を提供する。別の実施形態において本発明は、疾患診断のためのキットの製造における、NLRR1細胞外ドメインタンパク質の使用を提供する。キットに含まれるNLRR1細胞外ドメインタンパク質は、標準物質又は陽性対照として使用することができる。例えば検査目的がNLRR1細胞外ドメインタンパク質の有無を見るものであればNLRR1細胞外ドメインタンパク質を陽性対照としてキットに含めることができる。例えば検査目的としてNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルを見るのであれば、標準曲線を作成するための標準物質としてNLRR1細胞外ドメインタンパク質をキットに含めることができる。
本発明に係るキットは、適当に緩衝剤、防腐剤、タンパク質安定化剤、発色剤、固定化剤等の他の成分、試薬や使用説明書を含みうる。本発明に係るキットは、試験ストリップ、検査試薬パッケージ等、任意の形態であり得る。
6.本発明の有利な効果
以上をまとめると、本発明の方法又はキットを用いて血中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより、種々の疾患を診断することができ、またその予後を判定することができる。さらに、あらゆる年齢の被検体について、血中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより癌や神経疾患等の疾患の有無を診断できる。例えば1歳未満の乳幼児の血中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより神経芽腫の有無を診断でき、また、そのステージを決定することができる。さらに1〜5歳の幼児、5〜20歳の被検体、20歳以上の成人の血中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより神経芽腫の有無を診断することができ、そのステージを決定することができる。これにより患者の予後を判定することもできる。
本発明の診断方法及びキットは他の従来の手法と適宜組み合わせることができる。
以下の実施例は、例示のみを意図したものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
材料や試薬は特に断らない限り、市販されているか、又は当技術分野で慣用の手法、公知文献の手順に従って入手又は調製したものである。
[実施例1]
細胞外NLRR1タンパク質(exN1)を分泌タンパク質として発現するベクターの構築
細胞外NLRR1タンパク質をコードする塩基配列をpSecTag2Bベクターに組み入れた。該ベクターの塩基配列を配列番号2に示す。このベクターは、マルチ・クローニング・サイトの上流にCMVプロモーターをもち、タンパク質分泌のためのIgκ-鎖リーダー配列をもち、C末側にmycタグおよびHisタグタンパク質を付加できるベクターである。コードされる細胞外NLRR1タンパク質の分子量は約70kDaである。このベクターを以下の方法に用いた。
抗NLRR1抗体を用いた液中のNLRR1細胞外ドメインを検出するELISA系の構築
(抗原固相化検出)
HEK293細胞に上記の細胞外NLRR1タンパク質(exN1)を分泌タンパク質として発現するベクターを導入し、培養上清中に分泌されたexN1を精製し、96 wellプレートに固相化した。exN1精製は、MBL社のHis tagged Protein PURIFICATION Kitを用いて抗体結合アガロースによりHEK293細胞の培養上清に含まれるHis tag融合細胞外NLRR1タンパク質を中性条件下で、スピンカラム内のビーズに結合させ、洗浄後溶出液で回収することにより行った。PBSで洗浄後、ブロッキング試薬(MBL社)を室温で1時間反応させ、0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3 μg/mLに希釈したヒツジ抗ヒトNLRR1ポリクローナル抗体(R&D社)、又は0.03、0.1、0.3、1、3、10,30 μg/mLに希釈した抗NLRR1モノクローナル抗体(#208, #240)を室温で1時間反応させた後、HPRが標識された抗ヒツジ又は抗マウスIgG抗体を1%BSAを含有したPBSに200倍に希釈した二次抗体試薬を室温で1時間反応させた。TMB/H2O2試薬(MBL社)で発色反応を行った後、マイクロプレートリーダーを用いて、検出を行った。
その結果、図1のとおり、それぞれのモノクローナル抗体が濃度依存的にexN1を検出することが分かった。二次抗体としてHRP標識された抗マウスIgG抗体を用いたところ、図1Bのとおり、抗NLRR1モノクローナル抗体#208及び#240のいずれを用いた場合にも、exN1の濃度依存的な吸光度の増加が認められた。
(抗体固相化検出)
次に、ヒツジ抗ヒトNLRR1ポリクローナル抗体(R&D社)を固相化バッファー(MBL社)に200倍に希釈し、96 wellプレートにアプライし、4℃で12時間反応させ、各ウェルに固相化した。各ウェルをブロッキングバッファー(MBL社)を室温で1時間反応させた後、希釈バッファー(MBL社)で1、10、30、100、300、1000 ng/mLに希釈した精製exN1を室温で1時間反応させた。精製exN1は上記と同様の手法で取得したものである。洗浄後、希釈バッファー(MBL社)でそれぞれを5 μg/mLに希釈した抗NLRR1モノクローナル抗体(#208, #240)を室温で1時間反応させた後、洗浄し、HPRが標識された抗マウスIgG抗体を1%BSAを含有したPBSに200倍に希釈した二次抗体試薬を室温で1時間反応させた。検出は、TMB/H2O2試薬(MBL社)で発色反応を行った後、マイクロプレートリーダーを用いて行った。抗原の量に応じた吸収の標準曲線を図2に示す。
[実施例2]
ELISA及び免疫沈降法による正常血漿に含まれるNLRR1細胞外ドメインの検出
健康な小児及び成人の血漿サンプル5μLに対して、ヒツジ抗ヒトNLRR1ポリクローナル抗体を用いた免疫沈降法を行い、血漿に含まれるexN1タンパク質を検出した。
具体的な手順としては、500μLのIPバッファー中の5μLの血漿サンプルについて、まずプロテインGビーズで予備洗浄を行い、次いで500μLのバッファー及びサンプルに1μLのヒツジ抗ヒトNLRR1ポリクローナル抗体(R&D社)を添加して免疫沈降を行った。その後、NLRR1モノクローナル抗体#208及び#240を用い、さらに抗マウス免疫グロブリン−セイヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲート(IgG-HRP)を添加してウェスタンブロッティングを行った。
その結果、図3に示すように、exN1タンパク質が血漿中に存在することが示され、小児において高い発現が認められた。
次に健康な小児(5才以下、20例)及び成人(20才以上、20例)の血漿サンプル5μLに含まれるexN1タンパク質をサンドウィッチELISA法により測定した。
具体的な手順としてはキャプチャー抗体としてヒツジ抗ヒトNLRR1ポリクローナル抗体(R&D社)を使用し、次に抗原(exN1標準又は神経芽腫患者血漿サンプル)を添加し、次いでNLRR1モノクローナル抗体(#208及び#240)を添加し、その後、抗マウスIgG-HRPを用いて検出を行った。
その結果、図4に示すように血漿中のexN1濃度は1才未満の小児において低く、その後5才までは高い傾向があり、成人後は低い値を示すことが分かった。
[実施例3]
免疫沈降法による神経芽腫患者血漿に含まれるNLRR1細胞外ドメイン検出の一例
神経芽腫患者由来の血漿サンプル(7例)5μL又は細胞外NLRR1タンパク質(exN1)を発現するベクターを導入したHEK293細胞の培養液100μLに対して、ヒツジ抗ヒトNLRR1ポリクローナル抗体を用いた免疫沈降法を行い、血漿に含まれるexN1タンパク質を検出した。具体的な手順としては、サンプルについてプロテインGビーズで予備洗浄を行い、次いで500μLのバッファー中の10μLの血漿サンプルについて、ヒツジ抗ヒトNLRR1ポリクローナル抗体1μLを添加して免疫沈降を行った。その後、ヒツジ抗NLRR1ポリクローナル抗体及び抗ヒツジマウスIgG-HRPを用いてウェスタンブロッティングを行った。
その結果、図5に示すようにexN1タンパク質が神経芽腫患者由来の血漿中に存在することが示された。
なお、ウェスタンブロット法の結果では、人工的に作製して細胞に発現させて精製した組換えNLRR1細胞外ドメインタンパク質(アミノ酸1−632位)の分子サイズと、神経芽腫患者血漿中に存在するexN1タンパク質の分子サイズが同等であったことから、神経芽腫患者血漿中に存在するexN1タンパク質は膜貫通ドメインに近い場所(アミノ酸632位付近)で切断されると考えられる。また特定の理論に拘束されることを望むものではないが、NLRR1タンパク質のN末端側のシグナルペプチド配列はタンパク質合成過程において細胞内で切断され、細胞膜上に該タンパク質が出てきたときにはすでに失われていると予測される。
また、NLRR1は糖鎖修飾を強く受けることがこれまでに知られている。したがって神経芽腫患者血漿中に存在するexN1タンパク質も糖鎖修飾を受けていると考えられ、ウェスタンブロット法から推測される分子サイズは約100 kDである(図5)。
[実施例4]
1才未満の神経芽腫における血漿中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベル
1才未満の神経芽腫患者(29例)又は健康な小児(6例)由来の血漿サンプル5μLに含まれるexN1タンパク質をサンドウィッチELISA法により測定した。サンドウィッチELISA法の手順は上記と同様である。図2の標準曲線を利用し吸収から血漿中の抗原量を定量した。その結果、図6に示すとおりステージ2、3、4の神経芽腫患者由来の血漿において高いexN1濃度を示す臨床検体が認められ、その平均値では健康な小児及びステージ1の神経芽腫に比べ有意に高かった。
なおステージ2、3、4の神経芽腫をスクリーニングする検査法として、カットオフ=200とした場合、感度は46%であり、特異度は100%である。
このように1歳未満の幼児の血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより神経芽腫のスクリーニングを行うことができる。
血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを測定することにより疾患、例えば癌や神経芽腫の診断、検査、又はスクリーニングを行うことができる。また、疾患が神経芽腫である場合にはさらに神経芽腫のステージを特定することができ、これを神経芽腫の予後判定に役立てることができる。
配列番号1 NLRR1のアミノ酸配列
配列番号2 NLRR1細胞外ドメイン発現ベクターの塩基配列

Claims (7)

  1. 神経芽腫診断のための検査方法であって、以下のステップ、
    (i)被験体由来の血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルを測定するステップ、及び
    (ii)測定された血漿中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを標準と比較するステップ、
    を含み、測定された血漿中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが標準よりも高い場合には、前記被験体が神経芽腫に罹患していると決定する前記方法。
  2. 被検体が1歳未満である、請求項に記載の方法。
  3. 被検体が1歳以上〜5歳未満である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 被検体が5歳以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 被験体の神経芽腫のステージを決定するための検査方法であって、以下のステップ、
    (i)神経芽腫を有する被験体由来の血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルを測定するステップ、及び
    (ii)測定された血漿中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルを標準と比較するステップ、
    を含み、測定された血漿中NLRR1細胞外ドメインタンパク質レベルが、標準よりも低い場合には神経芽腫がステージ1であると決定し、標準よりも高い場合には神経芽腫がステージ2〜4であると決定する、前記方法。
  6. 血漿中のNLRR1細胞外ドメインタンパク質のレベルを、抗NLRR1細胞外ドメイン抗体又はその抗原結合断片を用いて測定する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 抗NLRR1細胞外ドメイン抗体がモノクローナル抗体若しくはそれらの抗原結合断片である、請求項に記載の方法。
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