JP6421523B2 - 軟包装容器の漏れ検出装置 - Google Patents

軟包装容器の漏れ検出装置 Download PDF

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本発明は、パウチ等の軟包装容器における漏れ(穴開き)を検出する漏れ検出装置に関し、さらには、圧力調整されたチャンバー内部に収容された軟包装容器の被検査領域の変位を光学式変位センサで計測することにより、軟包装容器の漏れを検出する漏れ検出装置に関する。
日常生活において、主要な消費商品である調味料や洗剤等の内容物は、プラスチックボトルに充填して販売されているが、省資源や環境保護の面から、消費後のプラスチックボトルに、詰め替え用として廃棄しやすい軟包装容器に充填、密封されている内容物を詰め替え、プラスチックボトルを繰り返して使用することが多くなっている。
そして、繰り返し使用するプラスチックボトルに詰め替える際に、内容物を注ぎやすくするために、詰め替え用の軟包装容器として、パウチに立体的な注出口(ノズル)成形を施した注出口付パウチ(注出機能付き包装袋)が広く使用されている。(特許文献1)
一方、柔軟性を有する包装体や変形可能な蓋を有する容器をチャンバー内部に収容し、チャンバー内部の圧力を減圧させた際の柔軟性を有する包装体膨れ変化量もしくはチャンバー内を加圧した後の蓋の変位を測定することにより、包装体や容器の密閉度を検出することができる検査装置が知られている。(特許文献2、3)
また、フィルム製包装体の蓋付き栓を一対の小型チャンバーで気密に囲繞するとともに、栓における船形台座を挟持体により挟圧した状態でチャンバー内を減圧した後、挟持体による挟圧を緩めたときのチャンバー内の圧力変化を検出することにより、フィルム製包装体に設けた蓋付き栓とフィルムとの間の空気の漏洩を検出する検出装置は知られている。(特許文献4)
特開2000−177756 特開昭60−202341 特開2000−88694 特開2005−207806
特許文献1に示されているパウチ等の軟包装容器では、注出口部等の所定領域を立体的に成形することにより、その形成段階や軟包装容器の搬送段階において立体成形部、および、その近傍にピンポール等の穴やクラック等のひび割れ(以下、これらを総じて穴開きと称する。)が発生する可能性がある。このため、内容物を充填、密封した軟包装容器の内容物漏洩の原因となる所定領域の穴開きを有効に検出する必要がある。
また、特許文献2、3に記載されている検査装置は、被検査対象である包装体や容器の全体をチャンバー内に収容して密閉度を検査するため、被検査対象の全体的な密閉度を検査することはできるが、軟包装容器の立体的な注出口部などの穴開きが発生する可能性がある所定領域を集中して検査をするものではなかった。そのため、チャンバーが大型化してしまい、チャンバー内部の減圧等に時間がかかるなどの課題があった。
また、内容物充填密封前のパウチ等の軟包装容器など、曲がりやたわみ等の変形し易い被検査対象の変位の計測には対応できず、正確に変位を計測することができなかった。
一方、特許文献4に記載されている検査装置は、圧力センサや挟持体をチャンバー内に配置させる必要があることから、装置構成が複雑にならざるを得ないという課題があった。
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、立体成形部分等を有する特定領域の漏れを正確かつ迅速に検出する軟包装容器の漏れ検出装置を提供することを目的とするものである。
本発明の軟包装容器の漏れ検出装置は、前記課題を解決するために、一対のチャンバー容器により形成され、内部に軟包装容器の被検査領域を片持ち状に収容するように軟包装容器における前記被検査領域の外側を挟み込むチャンバーと、チャンバー内部の空間の空気を吸引する真空発生手段と、一対のチャンバー容器外方にそれぞれ設けられ、チャンバー内部に収容された前記被検査領域の表裏の変位を計測する光学式変位センサと、前記光学式変位センサにより計測された前記被検査領域の表裏の変位から前記被検査領域の漏れを判定する漏れ判定手段とを備え、前記一対のチャンバー容器は、前記光学式変位センサに対向する面に前記光学式変位センサの光線を透過する透明窓が設けられているものである。
軟包装容器の被検査領域の変位を計測する光学式変位センサがチャンバーを形成する一対のチャンバー容器の外方にそれぞれ設けられているので、被検査領域の膨張による変位を正確に計測することができ、被検査領域の漏れの有無を正確かつ迅速に検出することができる。
(a)は、本発明の実施形態に係る漏れ検出装置の概略説明図、(b)は、漏れ検出の対象となる軟包装容器の概略説明図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る漏れ検出装置のチャンバーの平面図、(b)は、同側面図である。 本発明の実施形態に係る漏れ検出装置による漏れ検出工程を説明する図であって、被検査領域を検出位置に配置する状態を説明する図である。 本発明の実施形態に係る漏れ検出装置による漏れ検出工程を説明する図であって、チャンバー内部に収容した被検査領域の変位を計測する状態を説明する図である。 本発明の実施形態に係る漏れ検出装置による漏れ検出工程を説明する図であって、被検査領域の変位を計測後、チャンバー内部の真空を大気圧に解放する状態を説明する図である。 本発明の実施形態に係る漏れ検出装置の真空発生手段に係る真空電磁弁及び真空破壊手段に係る真空破壊電磁弁の駆動状態、軟包装容器被検査領域の変化量、及び、チャンバー内部の圧力の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る漏れ検出装置の光学式変位センサによる計測状態を説明する図であり、(a)は、通常時における軟包装容器の計測状態、(b)は、軟包装容器に曲がりが生じた場合の計測状態を説明する図である。 本発明の実施形態に係る漏れ検出装置の判定手段による判定方法を説明する図である。
−漏れ検出装置の構成−
(全体の構成)
本発明の実施形態に係る漏れ検出装置を図面を参照して説明する。
本発明の漏れ検出装置Aは、図1(a)に示すように、内部に被検査領域を収容するチャンバー1を構成する一対のチャンバー容器11,12と、チャンバー1内部の空気を吸引する真空発生手段21と、チャンバー容器11,12それぞれの外方に配置され、チャンバー1内部に収容された被検査領域の変位を計測する一対の光学式変位センサ3a,3bと、光学式変位センサ3a,3bにより計測された被検査領域の変位から漏れを判定する漏れ判定手段(図示しない。)とにより構成されている。
本発明の漏れ検出装置により漏れを検出する、軟包装容器の被検査領域の一例を、図1(b)に示す注出口付パウチ5を用いて説明する。注出口付パウチ5は、プラスチックフィルムをヒートシールしてなり、注出口部51を有するパウチ5(包装袋)として形成されている。注出口部51の近傍には図示しないノッチ等の切り込みが設けられ、切り込みから注出口部先端を引きちぎることにより注出口部を開口し、そこから詰め替え容器、例えば液体洗剤等の内容物を注ぎ込んで詰め替えることができる。そして、注出口部51には膨らみのある立体成形部52が形成され、内容物の注ぎ込み時に注出口部が閉塞することがないよう流路を確保し、また注出口部51の折れ曲がり等を防止して安定した内容物の注出を行うことができる。そして、この立体成形部52を含む注出口部51周辺が本実施形態における被検査領域Bとなる。
(チャンバー)
チャンバー1を形成するチャンバー容器11、12は、たとえばステンレスやアルミ合金等の金属材料から形成された部材の内部を、パウチ5の被検査領域Bの外周に対応した形状(例えば被検査領域Bの外周に沿う形状)にくり抜いてなる壁部材11a,12a同士が離反する側の面(図1の壁部材11aの上側、および、壁部材12aの下側)に、光学式変位センサの光線が透過できるアクリル等の合成樹脂やガラス等からなる透明板11b,12bを固定することにより底部に透明窓を有する箱状に形成されている。そして、壁部材11a,12a同士が対向する側の面(図1の壁部材11aの下側、および、壁部材12aの上側)が当接部11c,12cとして構成される。そして、チャンバー1を形成した際に密閉性を高めるため、また、パウチ5を挟み込む際にパウチ5の傷つきを防止するために、当接部11c,12cの少なくとも一方(本実施形態においては当接部11c)にウレタンゴム等の弾性材11dが設けられている。なお、チャンバー1の密閉性が保てる場合には、弾性材11dは必ずしも必要ではない。
チャンバー容器11,12の壁部材11a,12aの当接部11c,12cの内縁は被検査領域Bの外周に対応した形状をしているので、チャンバー1内部に無駄な空間が少なく、後述するチャンバー1内部の圧力の調節が迅速にできる。また、図2のようにチャンバー容器11,12の当接部11c,12cを直接当接、または、パウチの被検査領域Bの外周ごと挟持して密閉して被検査領域Bをチャンバー1内部に収容することにより、パウチ5の立体成形部52およびその周辺箇所の検査を行いたい領域を特定して検査を行うことができる。
そして、一対のチャンバー容器11,12は、図示しないアクチュエータの動力により、当接部11c,12c同士が当接、または、パウチの被検査領域Bの外周ごと挟持して密閉する密閉状態、及び、当接部11c,12c同士が離間する開放状態に移動可能に構成されており、チャンバー容器11,12の当接部11c,12cを密閉状態にすることにより、内部に密閉空間を備えるチャンバー1が構成される。
なお、漏れ検出装置Aに対するパウチ5の被検査領域Bの配置動作等に支障がなければ、チャンバー容器11,12の一方を固定し、他方のみを移動可能に構成することにより密閉状態と開放状態とを切り替えてもよい。
(真空発生手段)
真空発生手段21は、チャンバー1内部の空気を吸引し、チャンバー1内部を真空にする真空発生装置21aと、真空発生装置21aに接続されてチャンバー1内部の負圧状態を調節する真空圧力調整装置21bと、真空圧力調整装置21bに接続されて真空発生装置21aとチャンバー1内部との間の開放、及び閉鎖を切り替える真空電磁弁21cとからなる。
(真空破壊手段)
真空破壊手段22は、大気圧(ゲージ圧0kPa、絶対圧101.3kPa)より高い正圧の圧縮空気を発生させて送り込む圧縮空気発生装置22aと、圧縮空気発生装置22aに接続されて送り込まれる圧縮空気の圧力を調整する真空破壊圧力調整装置22bと、真空破壊圧力調整装置22bに接続されて真空破壊圧力調整装置22bとチャンバー1内部との間の開放及び閉鎖を切り替える真空破壊電磁弁22cとからなる。
そして、図2に示すように、真空電磁弁21cの出力管21dと真空破壊電磁弁22cの出力管22dは合流して連通管23に接続され、連通管23はチャンバー1内部へ、パウチ5の被検査領域B外の開口23aに配管され連通している。したがって、真空発生手段21によるチャンバー1内部の空気の吸引、及び、真空破壊手段22によるチャンバー1内部への空気の圧送に伴う空気流による被検査領域Bの曲がりや振動を防止できるため、被検査領域Bの変位の計測を安定した状態で行うことができる。
(光学式変位センサ)
光学式変位センサ3a,3bは、それぞれ一対のチャンバー容器11,12の外方に配置されており、投光部より照射したレーザ等の光線をチャンバー容器11,12それぞれの透明窓を介して被検査領域B内の計測箇所に投光し、計測箇所より反射する反射光を受光することにより、被検査領域B内の計測箇所の変位を計測する。
−漏れ検出装置による変位の計測方法−
図3乃至6を参照して、本発明の漏れ検出装置Aによる被検査領域Bの変位の計測方法について説明する。
図3に示すように、例えば、製造ラインにより製造されたパウチ5は、図示しない搬送手段により矢印アに示す方向に搬送され、その注出口部51を含む被検査領域Bが、離間状態に移動された上下一対のチャンバー容器11,12の間に位置決めされる。
パウチ5の被検査領域Bがチャンバー容器11,12の間の所定の位置に位置決めされると、図示しないアクチュエータにより、上下一対のチャンバー容器11,12を矢印イ、ウに示す方向に移動させ、チャンバー容器11,12の当接部11c、12cが被検査領域Bを挟み込んで密閉状態となることにより、チャンバー1内部にパウチ5の被検査領域Bを密封空間に収容する。
図4に示すように、チャンバー1内部にパウチ5の被検査領域Bが収容されると、光学式変位センサ3a,3bにより初期状態における被検査領域Bの所定箇所、例えば、立体成形部52中心の変位(初期値)を計測する。そして、光学式変位センサ3a,3bがそれぞれ計測した値a0,b0を図示しない判定手段に送信し、判定手段の記憶手段に初期値として記憶する(図6のt0)。
ここで、図6も併せて説明すると、実線はチャンバー内を減圧後の大気解放を、自然大気圧(外気)により行う場合(ケース1)である。破線はケース1における大気解放を自然大気圧に換えて圧縮空気を送り込む真空破壊により行う場合(ケース2)を示し、時間tだけ大気圧開放時間を短縮することができる。また、一点鎖線はケース2と同様に、真空破壊により大気解放を行うが、短縮した大気解放の時間tの分を検査時間に充てるため、真空破壊電磁弁22cのONを時間tだけ遅らせた場合(ケース3)である。
なお、真空電磁弁21cのONの時間とチャンバー1内部の空気が吸引し始めて内圧が下がり始める時間、チャンバー1の内圧が下がり始める時間と被検査領域Bが膨張し始める時間、真空電磁弁OFFの時間とチャンバー1内部が解放し始めて内圧が上がり始める時間、チャンバー1の内圧が上がり始める時間と被検査領域Bが収縮し始める時間等には若干の時間差(応答時間)があるが、装置の動作をわかりやすく説明するために各応答時間を無視している。
そして、初期値a0,b0が計測された後に、真空発生手段21の真空電磁弁21cを開放して、真空発生装置21aによりチャンバー1内部の空気を吸引を開始する(t1)。チャンバー1内部の空気を吸引し、チャンバー1内部の圧力を減圧するとパウチ5の被検査領域Bがパウチ内部に存在する空気とチャンバー1内部との圧力差により膨張される。次いで、真空圧力調整装置21bによりチャンバー1内部の圧力を真空(所定の負圧。例えばゲージ圧−80kPa)まで減圧させ、パウチ5の被検査領域Bをさらに膨張させる(t2)。そして、真空電磁弁21cを所定時間開放してチャンバー1内部の圧力を漏れ検出に必要な所定時間真空に維持する。
このように、チャンバー1内部が真空状態を維持している時間を含むように設定された所定時間(ケース1,2におけるta〜tb、すなわち検査区間A、および、ケース3におけるta〜tb’、すなわち検査区間A’)において、被検査領域Bの変位を所定時間計測する。所定時間計測した値は随時判定手段に送信し、判定手段の記憶手段に光学式変位センサ3aの計測値a1,a2・・・、および、光学式変位センサ3bの計測値b1,b2・・・として記憶する。
なお、計測箇所の初期状態の厚み等が予め判明している場合には、初期値a0,b0の計測は必要ないが、初期値を計測しておくことにより、被検査領域Bの初期状態のたわみ等による誤差を把握して適宜補正することができ、被検査領域Bの膨張前後の正確な膨張(被検査領域の変形量)を求めることができる。
そして、計測値a1,a2・・・,b1,b2・・・が計測され、後述の漏れ判定が終了すると、図5に示すように、真空発生手段21の真空電磁弁21cを閉鎖するとともに、真空破壊電磁弁22cを開放し、チャンバー1内部の大気解放を行う。ここで、前述したケース2,3の場合には、真空破壊電磁弁22cの開放により、圧縮空気発生装置22a、および、真空破壊圧力調整装置22bにより圧力調整された圧縮空気を、チャンバー1内部に送り込む(図6中、ケース1,2におけるt3、ケース3におけるt3’)。
次いで、チャンバー1内部の圧力が大気圧付近に昇圧・解放され、パウチ5の被検査領域Bが初期状態の形状に復元される(図6中、ケース1,3におけるt4、ケース2におけるt4’)。
なお、ケース2,3においては、真空破壊手段22によってチャンバー1内部に強制的に圧縮空気が送り込まれることにより、チャンバー1内部の圧力は迅速に大気圧付近に昇圧・解放される。そして、チャンバー1内部が大気圧に解放されたチャンバー容器11,12を矢印エ、オに示す方向に移動させてチャンバー1を開放し、パウチ5は図示しない搬送手段により検査装置外へ移動させて、一連の漏れ検出工程が終了する。
図6から判るように、チャンバー1内部の大気圧への昇圧・解放を、圧縮空気発生装置22aと、真空破壊圧力調整装置22bが存在せず、真空破壊電磁弁22cを開放して自然大気圧により行う場合の大気圧への昇圧・解放時間(図6の、ケース1におけるt3〜t4)に比べて、真空破壊手段22によりチャンバー1内部に強制的に圧縮空気を送り込むことにより行う場合の大気圧への昇圧・解放時間(図6の、ケース2におけるt3〜t4’、ケース3におけるt3’〜t4)は、時間tだけ短縮される。
そして、短縮した時間tを、変位を計測する時間に充て計測することにより(図6中、ケース3におけるta〜tb’)一連の検出工程時間全体に要する時間が、自然大気圧を利用した大気解放の場合と同じであっても、後述の漏れ判例方法によって、より正確に漏れを検出することができる(図6中、一点鎖線のケース3)。また、大気解放時間を短縮した時間tをそのまま削減することにより、一連の検出工程時間全体の短縮ができる(図6中、破線のケース2。)。
次に、図7を参照して、チャンバー1内部における注出口部51に立体成形部52を有するパウチ5の変位の計測方法をさらに説明する。
初期状態においては、図7(a)の破線で示すように、パウチ5の被検査領域Bは、立体成形部52に空気が残留し、他は、プラスチックフィルムが密着された状態でチャンバー1内部に収容されている。その状態で、光学式変位センサ3a,3bで初期状態における被検査領域Bの計測箇所の変位を計測することにより、被検査領域B(初期状態)の変位として、それぞれ初期値a0,b0が得られる。
次いで、密閉状態のチャンバー1内部が真空発生手段21により真空状態に調整されると、パウチ5が良品である場合には、パウチ5の被検査領域Bの立体成形部52等に残留している空気によりパウチ5内の圧力がチャンバー1内部の圧力に対して相対的に高くなる。その結果、パウチ5の被検査領域Bが図7(a)の実線で示すように膨張する。そして、光学式変位センサ3a,3bで被検査領域Bの所定箇所の変位を計測することにより、膨張時の位置として計測値ai,bi(iは1からnの整数。なお、nは計測時間中に変位を計測する回数)が得られる。
なお、変位の計測は、チャンバー1内部が減圧された状態において所定時間(図6中、ケース1,2の場合は検査区間A、ケース3の場合は検査区間A’)に亘って計測され、複数の計測値a1,a2,・・・,ai,・・・an、b1,b2,・・・,bi,・・・,bnを得ることが好ましい。
そして、計測値ai,biと初期値a0,b0とを用いて、被検査領域Bの膨張(被検査領域の変化量)として算出することができる。
ところで、本発明のように、被検査対象が柔軟性を備えるパウチ5の場合には、変位の計測過程において常に安定した形状を維持しているとは限らず、例えば、図7(b)の実線に示すように、チャンバー1内部の空気の吸引やパウチ5の自重等により被検査領域Bにたわみが生じてしまう場合がある。本発明の漏れ検出装置Aは、このような状態であっても、被検査領域Bの変化量を正確に算出することができる。
すなわち、本発明の漏れ検出装置Aは、チャンバー1の外方に備えた一対の光学式変位センサ3a,3bにより、被検査領域Bの変位を計測するため、図7(b)のように、一方の光学式変位センサ3aには、パウチ5のたわみにより初期値a0と計測値aiとがほぼ等しくなり、一方の光学式変位センサ3aのみから被検査領域Bの変化量が算出されない場合であっても、他方の光学式変位センサ3bに被検査領域Bのたわみによる変形を加算した計測値biが測定され、初期値a0,b0と計測値ai,biとから、パウチ5のたわみを考慮した被検査領域Bの変化量を正確に算出することができる。
なお、初期値a0,b0と計測値ai,biとから被検査領域Bの変化量を算出する方法としては、計測値ai,biと初期値a0,b0から、例えばai−a0+bi−b0により求めた変化量を算出するなど、適宜設定すればよい。
また、被検査領域Bの変化量を、一対の光学式変位センサ3a,3bの計測値ai,biを合わせた値として算出することにより、検出感度を高くすることができる。
−漏れ判定方法−
図8を参照して、漏れ判定手段による漏れ判定方法について説明する。
被検査領域Bに穴開きがない場合、すなわち、パウチ5が良品である場合には、パウチ5の被検査領域Bの立体成形部52等に残留している空気により、被検査領域B内の圧力が、空気を吸引され真空状態となるチャンバー1内部の圧力に対して相対的に高いため、被検査領域Bが膨張する(図8a良品)。
これに対して、被検査領域Bに比較的大きな穴開きが存在する場合には、真空発生手段21によりチャンバー1内部の空気が吸引されても、被検査領域Bの立体成形部52等に残留している空気は、被検査領域Bの穴開き箇所を通ってチャンバー1内部に放出・拡散され、チャンバー1内部の空気と共に吸引されるために被検査領域B内の圧力は相対的に高くならず、膨張しない。仮に、空気の吸引初期において、その急激に生じた圧力差により膨張したとしても、被検査領域B内の空気はすぐに穴開き箇所を通って真空発生手段21により吸引されるため、その膨張状態を維持することはできず、パウチ5の弾性により初期状態に復元してしまう(図8a穴開き大)。
したがって、チャンバー1内部が真空状態となっている時間を含むよう適宜設定した検査区間Aにおける被検査領域Bの変化量を算出し、算出した変位量と予め定めた閾値1とを比較し、変位量の方が大きい場合(ai−a0+Bi−B0>閾値1)、パウチ5に大きな穴開きが存在しない良品である(漏れなし)と判別することができる。
しかしながら、例えば、被検査領域Bに極小さな穴開きが存在する場合などは、チャンバー1内部の減圧により被検査領域Bが一旦膨張した後に、膨張した被検査領域B内から極小さな穴開き箇所を通って空気が徐々にチャンバー1内に放出,拡散されるため、被検査領域Bの変化量が検査区間内では閾値1以下とはならずに、良品であると判断されてしまう可能性がある(図8a穴開き小)。
そのため、本発明では、被検査領域Bの穴開き検出方法として、検査区間での変化量と閾値1とを比較する判別方法(図8a)に加えて、検査区間での2点の変化量の変化を求めて漏れの有無を検出する判別方法をさらに採用している(図8b)。
この方法は、チャンバー1内部が真空状態初期の時期t2を含むように設定された時間の検査区間Bにおける最大変化量(第1の変化量aiB−a0+biB−b0)と、検査区間Bから所定時間経過後(例えば、真空破壊電磁弁22cのトリガータイミングt3、または、t3’)の検査Cにおける変化量(第2の変化量aiC−a0+biC−b0)とを比較する。そして、第1の変化量と第2の変化量との差が所定値(閾値2)以上である場合(aiB−aiC+biB−biC≧閾値2)には、検査区間内において被検査領域Bが一旦膨張した後に、膨張した被検査領域Bから極小さな穴開き箇所を通って空気が徐々に漏れて収縮したと判断して、パウチ5に穴開きが存在する(漏れあり)と判定することができる(図8b穴開き小)。
この判定方法を採用することにより、パウチ5に対して、極小さな穴開きの有無を的確に判定することが可能となる。但し、検査区間での離れた2点の変化量の変化を求めて穴開きの有無を検出する判別方法のみでは、被検査領域Bに極めて大きな穴開きが存在する場合、チャンバー1内部の負圧状態において、ほとんど膨張せず(図8b穴開き特大)、第1の変化量と第2の変化量との差が検出されないために、穴開きの存在を検出することができない。
このため、本発明の漏れ検出装置Aの漏れ判定手段においては、図8aに示した、検査区間の全ての変化量と閾値1とを比較する判定方法と、図8bに示した、検査区間の2点変化量の差と閾値2を比較する判別方法とを併用することが多様な穴開きを検出する上で好ましい。
なお、検査区間で閾値と比較する判定方法において、該検査区間で計測・算出される複数の変化量のすべてが閾値以上であることを条件としてもよく、また、該複数の変化量の平均値が閾値以上であることを条件としてもよい。
また、光学式変位センサ読み取りのノイズの影響を緩和するため、i番目の変位について、例えばi−1番目、i番目、i+1番目の変位とを合わせて移動平均をとった値から計算した変化量で判定してもよい。
また、前述した実施形態では、初期値a0,b0を計測し、計測値ai,biから被検査領域Bの変化量を求め、その変化量について閾値と比較し漏れ判定を行ったが、初期値a0,b0の代わりに予め設定した閾値と計測値ai,biとから判定してもよい。例えば、計測値aiとbiの和、ai+biについて、設定した閾値1’との大小を比較して判定を行えばよく、本実施形態の変位測定結果をもとに、検査区間Aについて、ai+bi>閾値1’を満たし、必要に応じて更に、初期の検査区間B内の任意の時間のaiB+biBの最大値と検査CでのaiC+biCとの差が、aiB+biB−(aiC+biC)(=aiB−aiC+biB−biC)<閾値2も満たす場合に、穴開きは存在しない(漏れなし)とする判定条件に設定してもよい。
また、検査区間で2点の差を比較する判別方法において、検査区間Bにおける変位量は、検査区間Bにおいて算出できる複数の変位量の平均値としてもよい。
さらに、漏れ判定手段について、他にも被検査領域の変化量または計測値ai,biがそれぞれ所定の閾値の範囲に入っている場合に漏れがないとする判定条件に設定してもよい。
さらにまた、一対の光学式変位センサでパウチ5の表裏1箇所ずつについて計測したが、適宜複数箇所について計測し、個々の値について判定、または、平均をとって判定してもよい。
本実施形態の装置は、パウチ等の軟包装容器の製造ラインに組込まれるインライン装置として構成しても、また、独立するオフライン装置として構成してもよい。
また、被検査対象は注出口部に立体成形部を備えた注出口付パウチに限らず、例えば単純な矩形状パウチの中央に立体形成部を形成したものなど、軟包装容器の形態や立体成形部の形成位置、形状は特に問わない。
A 漏れ検出装置
B 被検査領域
1 チャンバー
11 チャンバー容器
11a 壁部材
11b 透明板
11c 当接部
11d 弾性材
12 チャンバー容器
12a 壁部材
12b 透明板
12c 当接部
2 圧力調節手段
21 真空発生手段
21a 真空発生装置
21b 真空圧力調整装置
21c 真空電磁弁
21d 出力管
22 真空破壊手段
22a 圧縮空気発生装置
22b 真空破壊圧力調整装置
22c 真空破壊電磁弁
22d 出力管
23 連通管
23a 開口
3a 光学式変位センサ
3b 光学式変位センサ
5 注出口付パウチ(軟包装容器)
51 注出口部
52 立体成形部

Claims (8)

  1. 一対のチャンバー容器により形成され、内部に軟包装容器の被検査領域を片持ち状に収容するように軟包装容器における前記被検査領域の外側を挟み込むチャンバーと、
    チャンバー内部の空間の空気を吸引する真空発生手段と、
    一対のチャンバー容器外方にそれぞれ設けられ、チャンバー内部に収容された前記被検査領域の表裏の変位を計測する光学式変位センサと、
    前記光学式変位センサにより計測された前記被検査領域の表裏の変位から前記被検査領域の漏れを判定する漏れ判定手段とを備え、
    前記一対のチャンバー容器は、前記光学式変位センサに対向する面に前記光学式変位センサの光線を透過する透明窓が設けられている
    ことを特徴とする軟包装容器の漏れ検出装置。
  2. 前記チャンバーは、一対のチャンバー容器に設けられた当接部同士を当接することにより形成され、
    前記当接部の内縁は、前記被検査領域の外周に対応した形状をなし、
    前記当接部を押圧させることにより前記被検査領域の外側における軟包装容器の一部を密閉して前記被検査領域をチャンバー内部に収容する
    ことを特徴とする請求項1に記載の軟包装容器の漏れ検出装置。
  3. 前記チャンバー内部の空間に圧縮空気を送り込む真空破壊手段を備え、
    前記真空破壊手段は、前記光学式変位センサによる前記被検査領域の変位を計測した後、圧縮空気を送り込むことを特徴とする請求項1又は2に記載の軟包装容器の漏れ検出装置。
  4. 前記真空破壊手段は、前記チャンバー内部に連通する連通口が前記チャンバー内部に収容された前記被検査領域外に設けてある
    ことを特徴とする請求項3に記載の軟包装容器の漏れ検出装置。
  5. 前記真空発生手段は、前記チャンバー内部に連通する連通口が前記チャンバー内部に収容された前記被検査領域外に設けてある
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の軟包装容器の漏れ検出装置。
  6. 前記光学式変位センサは、力調節手段によりチャンバー内部の圧力を調節する前に前記被検査領域の変位を計測し、被検査領域の変位量を算出する際の基準とする
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の軟包装容器の漏れ検出装置。
  7. 前記漏れ判定手段は、前記光学式変位センサにより計測した測定値により求めた変位量が所定値以上である場合に漏れなしと判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の軟包装容器の漏れ検出装置。
  8. 前記漏れ判定手段は、前記光学式変位センサにより計測した測定値により求めた変位量が所定値以上であって、かつ、該変位量が所定時間内に所定値以上変化しない場合に漏れなしと判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の軟包装容器の漏れ検出装置。
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