JP6421129B2 - メタセシス、加水分解、次いで水素化によるアミノ酸の合成方法 - Google Patents

メタセシス、加水分解、次いで水素化によるアミノ酸の合成方法 Download PDF

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Description

本発明は、メタセシス工程を伴う、不飽和の脂肪酸エステルまたは脂肪族ニトリルからの高純度のアミノ酸の合成方法に関する。
不飽和脂肪酸、エステルまたはニトリルからアミノ酸を合成するための、メタセシス工程を伴う幾つかの経路が既に試験されている。しかしながら、試験された反応シーケンスはいずれも真に満足のいくものではない。
試験された第1の経路によれば、クロスメタセシス、続いて水素化により、多くの不純物を含むアミノエステルが生成する。さらに、アミノエステルは、9個より多くの炭素原子を含むものである場合、精製するのが非常に困難であることが示されており、特に、蒸留収率が大変不充分であり、産業上の利用を想定することができない。
試験された第2の経路によれば、アミノ酸を作製する目的で得たアミノエステルのクロスメタセシス、続いて水素化、次いで加水分解することは、加水分解条件下ではむしろ重合する傾向があるため、アミノエステルと同程度に反応性の生成物を加水分解することが非常に困難であるため、現実的には実施することが不可能であることが示されている。
試験されたまた別の経路によれば、酸、例えば、脂肪酸またはアクリル酸などを伴うクロスメタセシスでは、水素化の後であっても、この型のクロスメタセシスでは単純にアミノ酸がもたらされないような低い酸ニトリル収率(<60%)が得られることが認識された。
さらに、メタセシスおよび/または水素化の触媒は、目的のアミノ酸である第1級アミンの形成と並行して第2級アミンの偽形成を必然的に伴う傾向を有する。
直鎖内に9個の炭素を含むアミノエステルは、蒸留によって、例えば、特許FR1087798に記載のPechiney法により容易に精製可能であるが、これは、主鎖の炭素鎖に9個より多くの炭素原子が含まれた重量アミノエステルの場合にはあてはまらない。既存の方法、特に前述の方法では、9個より多い炭素を含む長鎖アミノエステルの精製の問題を解決することは可能でない。
最後に、アミノ酸またはアミノエステル中の不純物の存在は、見かけ上、0.5%から1%程度の少量であっても、特に:
N−アルキル化反応、
低重合度(DP)が得られ、これは例えば30を超えない
という理由で、これらのアミノ酸またはアミノエステルを重合モノマーとして直接使用することを非常に困難にするか、またはさらには不可能にする。
特に、第2級アミンなどの不純物の存在により、このようなDPの制限が誘発され、また:
重合生成物の汚染の問題、
モノマー中に存在する不純物(第2級アミン、また灰分:ニッケル、鉱物塩なども)
によって誘発される重合生成物の着色
または重合デバイスの汚損の問題
も誘導される。
仏国特許発明第1087798号明細書
従って、本発明の目的は、含まれる工程ができるだけ少なく、高いアミノ酸収率(>90%)を有し、精製が可能であり、従ってアミノ酸の重合が容易な単純な方法によって、不純物、特に第2級アミンの含有量が0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満である高純度のアミノ酸を合成することである。
本出願人は、ここに、かなり特殊な工程シーケンスでこの目的を達成することが可能な方法を見出した。
従って、本発明の主題の1つは、式:
R1−CH=CH−[(CH−CH=CH]−(CH−R2
[式中:
R1はHであるか、適切な場合はヒドロキシル官能基を含む1から11個の炭素原子のアルキル基であるか、または(CH2)m−R4であり、
mは0から11の範囲の整数であり、
nは2から13の範囲の整数であり、
pは整数であり、pは0、1または2であり、
qは0または1である整数であり、
R2はCOOR5またはCNであり、
R4はHまたはR2であり
R5は、1から11個の炭素原子のアルキル基または2個もしくは3個の炭素原子を含み、1個もしくは2個のヒドロキシル官能基を有する基であるか、またはジグリセリド残基もしくはトリグリセリド残基であり、ここで、前記グリセリド残基の各脂肪酸は飽和型または不飽和のいずれかである]
の不飽和脂肪族化合物Iからのアミノ酸の合成方法であって、
少なくとも以下の工程:
短鎖不飽和化合物IIとのクロスメタセシス、
少なくとも1種類の一価不飽和ニトリルエステル(以下、本明細書においてUNEと略記)が得られ、回収されるように、該化合物IまたはIIの一方はニトリル官能基を含むものであり、これらの化合物IIまたはIの他方はエステル官能基を含むものである、
該UNEの不飽和酸ニトリル(以下、本明細書においてUANと略記)への加水分解、
該UANの飽和型アミノ酸(以下、本明細書においてAAと略記)への水素化、
場合により該AAの精製(場合により行う工程)
を含むことを特徴とする方法である。
本発明の解釈上、クロスメタセシス(以下、本明細書においてcmと略記)は、エステル化合物とニトリル化合物間のメタセシス反応である。
油脂化学反応により一般的に誘導される不飽和脂肪酸エステルと、アクリロニトリルなどの短鎖不飽和ニトリル化合物間、
または、油脂化学反応により一般的に誘導される不飽和脂肪族ニトリル化合物と、アクリレート(この場合、好ましくはメチルアクリレート)などの短鎖不飽和エステル化合物間のいずれか。
本発明の方法は、再生可能な天然供給源から誘導される出発物質を利用する目的で開発した。従って、好ましくは、「化合物I」として、天然脂肪酸から誘導される不飽和脂肪酸エステルまたは不飽和脂肪族ニトリルが利用される。しかしながら、化合物Iは、化学合成によって得られる同様の不飽和化合物からも同等に選択され得る。
クロスメタセシスは、好ましくは、後述するようなルテニウムカルベン型のメタセシス触媒の存在下で行われる。
本発明の方法に使用され得る出発化合物Iとして、好ましくは天然起源の式I:
R1−CH=CH−[(CH−CH=CH]−(CH−R2
[式中:
R1はHであるか、適切な場合はヒドロキシル官能基を含む1から11個の炭素原子のアルキル基であるか、または(CH−R4であり
mは0から11の範囲の整数であり、
nは2から13の範囲の整数であり、
pは整数であり、pは0、1または2であり、
qは0または1である整数であり、
R2はCOOR5またはCNであり、
R4はHまたはR2であり
R5は、1から11個、好ましくは1から5個、好ましくは1から4個の炭素原子のアルキル基または2個もしくは3個の炭素原子を含み、1個もしくは2個のヒドロキシル官能基を有する基であるか、またはジグリセリド残基もしくはトリグリセリド残基であり、ここで、前記グリセリド残基の各脂肪酸は飽和型または不飽和のいずれかである]
の不飽和の脂肪酸エステルまたは脂肪族ニトリルが最も特別に意図される。
本発明の解釈上、用語「脂肪族」化合物は、8から57個(特に、トリグリセリドの場合)の炭素原子、好ましくは8から36個の炭素原子、好ましくは10から24個の炭素原子を含む、好ましくは10個または11個の炭素原子を含む化合物を意味する。
化合物Iは、少なくとも1つの不飽和、即ちC=C二重結合を含む。化合物Iの各C=C二重結合はシス配座であってもトランス配座であってもよい。不飽和はエステル基またはニトリル基に対してx位に存在し、この位置は慣用的には「デルタx」と称される。)。これにより、本発明の方法に従って得られる最終のω−アミノ酸の式を決定することが可能になる。
式IのR−CH=CH−[(CH−CH=CH]−(CH−Rの化合物は、好都合には、脂肪酸から誘導される脂肪酸エステル(モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドを含む。)または脂肪族ニトリルから選択され、これらは、植物起源または動物起源(例えば、天然藻類から誘導されるもの)である。
挙げられ得る脂肪酸の例としては、C10の酸,オブツシル酸;(cis−4−デセン酸)およびカプロレイン酸(9−デセン酸)、C12の酸,ラウロレイン酸(cis−5−ドデセン酸)およびリンデル酸(cis−4−ドデセン酸)、C14の酸,ミリストレイン酸(cis−9−テトラデセン酸)、フィセテル酸(cis−5−テトラデセン酸)およびツズ酸(cis−4−テトラデセン酸)、C16の酸,パルミトレイン酸(cis−9−ヘキサデセン酸)、C18の酸,オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)、エライジン酸(trans−9−オキソデセン酸)、ペトロセリン酸(cis−6−オクタデセン酸)、バクセン酸(cis−11−オクタデセン酸)およびリシノール酸(12−ヒドロキシ−cis−9−オクタデセン酸)、C20の酸,ガドレイン酸(cis−9−エイコセン酸)、ゴンド酸(cis−11−エイコセン酸)、cis−5−エイコセン酸およびレスクエロール酸(14−ヒドロキシ−cis−11−エイコセン酸)、C22の酸,セトレイン酸(cis−11−ドコセン酸)およびエルカ酸(cis−13−ドコセン酸)、ならびにまた、多価不飽和酸であるリノール酸およびリノレン酸が挙げられる。
このような種々の酸は、種々の脂肪性(oleagineous)植物、例えば、ヒマワリ、菜種、ヒマシ油植物、レスケレーラ属、オリーブ、ダイズ、ヤシの木、アボカド、シーバックソーン、コリアンダー、セロリ、ディル、ニンジン、フェンネル、リムナンテス・アルバ(Limnanthes alba)(メドウフォーム)、ベニバナ、カメリナまたはジャトロファ属から抽出される植物油から誘導されるものである。
また、該酸は、陸生動物界または海生動物界(この場合、魚、哺乳動物または藻類のいずれかの形態)からも誘導される。該酸は、一般的に、反芻動物、魚(タラなど)または海洋哺乳動物(クジラもしくはイルカなど)に由来する脂肪である。しかしながら、メタセシス反応を行うという技術的理由のため、多くの場合、脂肪酸から誘導されるこのエステルまたはニトリルを、エチレノリシス(ethylenolysis)、ブテノリシス(butenolysis)もしくはプロペノリシス(propenolysis)または熱分解(thermal cracking/pyrolysis)を含む事前反応に供し、CH=CH−(CH−R2、CH−CH=CH−(CH−R2またはCH−CH−CH=CH−(CH−R2などの式の脂肪酸エステルまたは脂肪族ニトリルをもたらすことにより修飾することが好ましい。
クロスメタセシスは、二重結合が鎖の末端に存在するω−不飽和脂肪族物質、および二重結合が内部に存在する脂肪族物質に対して同等に行われ得るが、ω−不飽和脂肪族物質が好ましく使用される。一価の不飽和およびω−不飽和の出発化合物Iが好ましくは使用され、化合物Iは、好ましくは、式CH=CH−(CH−R2の脂肪酸エステルまたは脂肪族ニトリルである。
本発明の方法の好都合な一実施形態によれば、式中のR2がCOOR5である化合物Iが使用される。好ましくは、この場合、化合物Iに対するクロスメタセシスは、短鎖不飽和ニトリル化合物II(8個未満の炭素を含む主鎖)を用いて行われる。
短鎖不飽和ニトリル化合物IIは、好都合には:アクリロニトリル、フマロニトリル、2−ブテンニトリル、1−ブテンニトリル、2−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリル、4−ペンテンニトリルおよび1−ペンテンニトリルならびにこの混合物から選択される。好ましくは、化合物IIはアクリロニトリルである。
不飽和ニトリルエステル(以下、本明細書においてUNEと略記)および長鎖ジエステル共生成物がかくして形成される。
好ましくは、不飽和化合物Iは、式CH=CH−(CH−COOR5の一価不飽和のω−不飽和脂肪酸エステルである。
R5は、1から11個、好ましくは1から5個の炭素原子、好ましくは1から2個の炭素原子を含むアルキル基である。
本発明の方法の好都合な一実施形態によれば、ω−不飽和脂肪酸エステル化合物I(このω−不飽和脂肪酸エステルがモノグリセリド、ジグリセリドまたはトリグリセリドの形態で存在している場合を含む。)は、不飽和の短鎖ニトリル化合物II(アクリロニトリルなど)とともに、メタセシス触媒の存在下で好ましくは該触媒を連続的に添加することにより使用される。アクリロニトリルを反応させるこの第1工程中、この反応によりエチレンが発生し、ニトリルエステルとジエステルの混合物が形成される。
本発明の方法の好都合な別の実施形態によれば、式中のR2がCNである化合物Iが使用される。
好ましくは、不飽和化合物Iは、式CH=CH−(CH−CNのω−不飽和脂肪族ニトリルである。
好ましくは、この場合、脂肪族ニトリル化合物Iに対するクロスメタセシスは、短鎖不飽和エステル化合物II(8個未満の炭素を含む主鎖)、好ましくはアクリレート(メチルアクリレートなど)を用いて行われる。この場合、アクリレートを反応させるこのクロスメタセシス工程中、この反応によりエチレンが発生し、ニトリルエステルとジニトリルの混合物が形成される。
短鎖不飽和エステル化合物IIは、好都合には、式:R6−HC=CH−(CH−COOR7(式中:
nは0または1であり;R6はCHまたはHであり;R7はMe(メチル)、Et(エチル)またはBu(ブチル)である。)
の化合物から選択される。好ましくは、化合物IIはメチルアクリレートである。
メタセシス反応は、少なくとも1種類のメタセシス触媒の存在下で行われる。このような触媒はよく知られており、全範囲の該触媒が存在する。例えば、Schrock et al(J.Am.Chem.Soc.108:2771,1986)またはBasset et al.(Angew.Chem.,Ed.Engl.31:628,1992)によって開発されたタングステン錯体が挙げられ得る。つい最近、均一系触媒反応で作用するルテニウム−ベンジリデン錯体であるグラブス触媒と称される触媒が登場した(Grubbs et al.,Angew.Chem.,Ed.Engl.34:2039,1995およびOrganic Letters 1:953,1999参照)。固定化触媒、即ち、活性成分が均一系触媒のもの、特に、不活性支持体上に定化されたルテニウム−カルベン錯体である触媒を作製するために他の研究も行われている。
本発明による方法では、好都合には、ルテニウム−カルベン型の少なくとも1種類のメタセシス触媒が使用される。前記ルテニウム−カルベン触媒は、好ましくは、一般式:
(X(XRu(カルベンC)(L(L(L
[式中:
a、b、c、dおよびeは整数であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、aとbは0、1または2であり;c、dおよびeは0、1、2、3または4であり;
およびXは、同一であっても異なっていてもよく、各々は、荷電または非荷電のモノキレート配位子またはポリキレート配位子を表し;一例として、ハライド、スルフェート、カーボネート、カルボキシレート、アルコキシド、フェノキシド、アミド、トシレート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、ビス(トリフリル)アミド、アルキル、テトラフェニルボレートおよび誘導体が挙げられ得;XまたはXは、LもしくはLまたはカルベンCに、ルテニウム上に二座配位子またはキレート配位子が形成されるように結合していてもよく;
、LおよびLは、同一であっても異なっていてもよく、電子供与性配位子、例えば、ホスフィン、ホスファイト、ホスホナイト、ホスフィナイト、アルシン、スチルベン、オレフィンもしくは芳香族化合物、カルボニル化合物、エーテル、アルコール、アミン、ピリジンもしくは誘導体、イミン、チオエーテル、または複素環式カルベンであり;L、LまたはLはカルベンCに、二座配位子もしくはキレート配位子または三座配位子が形成されるように結合していてもよい]
の荷電または非荷電の触媒から選択される。
カルベンCは一般式:CRで表され、式中、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよい基であり、例えば、水素であるか、または飽和型、不飽和、環式、芳香族、分枝型および/または線状型の任意の他の官能化もしくは非官能化炭化水素系の基である。一例として、ルテニウムアルキリデン、ベンジリデン、ベンジリデンエーテルまたはクミレン(cumylene)錯体、例えば、ビニリデンRu=C=CHRもしくはアレニリデンRu=C=C=CRもしくはインデニリデンが挙げられ得る。
官能基(ルテニウム錯体のイオン液体での保持が改善されることを可能にする。)を配位子X、X、L、Lのうちの少なくとも1つ、またはカルベンCにグラフトさせてもよい。この官能基は電荷を有するものであっても電荷を有しないものであってもよく、例えば、好ましくは、エステル、エーテル、チオール、酸、アルコール、アミン、含窒素複素環、スルホネート、カルボキシレート、第4級アンモニウム、グアニジニウム、第4級ホスホニウム、ピリジニウム、イミダゾリウム、モルホリニウムまたはスルホニウムであり得る。
メタセシス触媒は、この回収/再利用を容易にするために、場合により支持体上において不均一系にしてもよい。
本発明の方法のクロスメタセシス触媒は、好ましくは、例えばAldrichimica Acta,vol.40,no.2,2007,p.45−52に記載されたルテニウムカルベンである。
かかる触媒の例はグラブス触媒、ホベイダ−グラブス触媒、ピアーズ(Piers)−グラブス触媒、および同じ型の他のメタセシス触媒(「第1世代」、「第2世代」または「第3世代」触媒のいずれであれ)である。
グラブス触媒は、5つの配位子:
2つのアニオン性配位子、例えば、ハライド;
2つの電子供与性配位子、例えば、トリアルキルホスフィンまたは飽和型N−複素環式カルベン(NHC配位子と称される。);
アルキリデン基、例えば、置換または非置換のメチレン基=CR
で囲まれたルテニウム原子を基本とするものである。
このようなメタセシス触媒は、この電子供与性配位子Lの性質に応じて、2つのカテゴリーに分類され:
2つのホスフィン配位子(飽和型NHC配位子でない。)を含み、最初に開発されたものは第1世代型触媒であり;
飽和型NHC配位子(複素環式カルベン)を含むものは第2世代型触媒である。
「ホベイダ−グラブス」触媒と称される型の触媒は、
電子供与性配位子の中でも、
ベンジリデン−エーテルキレート配位子、およびホスフィン(第1世代)または飽和型NHC配位子(第2世代)のいずれか(通常、フェニルで置換されており、一般的にはメシチル(Mes)基または他にはイソプロピル(iPr)基で置換されている。)を含むものである。
「ピアーズ−グラブス」触媒と称される別の型の触媒は四配位子のカチオン錯体を形成しているものであり、これは、反応前の配位子の解離を必要としない。
他の型の触媒は「ユミコア」、「ザナン(Zanan)」および「グレラ(Grela)」触媒である。
一般的に、触媒の選択は考えている対象の反応に依存する。
好都合な一実施形態によれば、触媒はホスフィンを含まない。
好ましい触媒は以下の触媒である:
(1)「ホベイダ−グラブス2」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(2)「M51」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(3)「M71−SIPr」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(4)「M71−SIMes」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(5)「M72−SIPr」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(6)「M73−SIPr」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(7)「M74−SIPr」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(8)「ニトロ−グレラ−SIMes」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(9)「ニトロ−グレラ−SIPr」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(10)「Apeiron AS2034」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(11)「ザナン44−0082(Strem)」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(12)「M831−SIPr」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(13)「M832−SIPr」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(14)「M853−SIPr」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(15)「M863−SIPr」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒、
(16)「マテリアC711」と表示され、下記の式:
Figure 0006421129
を有する触媒。
メタセシス反応は、好ましくは、液状媒体中で以下の操作条件下で行われる。
温度は、一般的に20から160℃の範囲、好ましくは20から120℃の範囲である。
圧力は、一般的に1から30バールの範囲である。反応は、好ましくは1から10バールの範囲の低圧で、より好ましくは大気圧で、使用する試薬の沸点で可能な場合、行われる。具体的には、オレフィン、エチレンなどの穏やかな発生が常に意図される場合、低圧、好ましくは大気圧で作業することが好都合である。
反応は溶媒なしで行ってもよく、少なくとも1種類の溶媒、例えば、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、炭酸ジメチルまたは炭酸ジエチルなど、およびこの混合物の存在下で行ってもよい。
クロスメタセシス後、UNE(生成物)と、場合に応じてDEまたはDN(共生成物)が得られる。該方法の後続の諸工程は、クロスメタセシスから誘導される生成物のこの混合物に対して直接行ってもよいが、本発明の方法の加水分解および水素化の収率を最適化するためにUNEを単離することが好ましい。場合により、蒸留および/または当業者によく知られた任意の他の手段によって生成物をかくしてクロスメタセシス共生成物から容易に分離し、回収する。特に、液/液抽出(例えば、溶媒(あれば)を分離除去するため)、晶出(例えば、共生成物を分離除去するため)または吸着(例えば、触媒を分離除去するため)が利用され得る。
また、本発明の方法は、上記のクロスメタセシス工程後、不飽和ニトリルエステルUNEの不飽和酸ニトリル(以下、本明細書においてUANと称する。)への加水分解も含む。
加水分解は、UNEのニトリル官能基の加水分解なくエステル官能基を加水分解するための種々のよく知られた方法により行われ得る。加水分解は、特に、文献CEH−Natural Fatty Acids,by Michael P.Malveda,page 11に記載のようにして、例えば大気圧にて硫酸およびスルホン酸の存在下で、または圧力下にてバッチ式もしくは不連続様式で、触媒(酸化亜鉛または酸化マグネシウムなど)および水の存在下で行われ得る。酸性触媒を使用しても塩基性触媒を使用してもよい。また、加水分解は、A.Chauvell、G.Lefebvre and L.CastexによるProcedes de pretrochimie,volume 2の第314頁,III.1.3に記載のものと同様の方法によっても行われ得る。
本発明の方法に使用され得る加水分解方法の中でも、特に、以下の4つの方法:
水酸化ナトリウムの存在下での低温加水分解(15℃から60℃)(ケン化);
溶媒媒体中、酸性触媒下での中温加水分解(60℃から120℃、好ましくは60から100℃またはさらに良好には約80℃);
圧力下での高温加水分解(120℃から300℃、好ましくは、130℃から250℃);
一般的には低温だが、より広範には10℃から100℃、好ましくは10℃から40℃の範囲の温度での酵素的加水分解
が挙げられ得る。
該方法の後続の水素化工程は、加水分解により直接誘導された生成物に対して直接行ってもよいが、本発明の方法の水素化収率を最適化するために、特に、晶出、蒸留および/または当業者によく知られた任意の他の手段によってUANを単離することが好ましい。
また、本発明による方法は、加水分解工程後、UANのAAへの水素化も含む。
水素化は、少なくとも1種類の水素化触媒の存在下で種々のよく知られた方法により行われる。好適な触媒の例は、メンデレーエフの元素の周期表の第VIII族の元素、即ち、鉄、コバルト、ニッケルならびに貴金属、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金を単独または混合物として含むものである。これらの金属に、場合により金をドープしてもよい。第VIII族の元素は触媒中に金属またはこの酸化物の形態で存在させ得る。該元素をラネー型の触媒の形態で使用してもよい。金属形態または化合物の形態で存在する第VIII族の元素を、他の元素の1種類以上の化合物(大量または少量)との混合物として使用してもよい。
触媒は細粒の形態であっても顆粒の形態であってもよく、または支持体上に堆積させてもよい。
好適な支持体の例は:シリカ、軽石、二酸化チタン、カーボン、活性炭、炭化ケイ素またはアルミナである。好ましい触媒の例は、ホスフェートなどの他の化合物との混合物としての以下のもの:ニッケル触媒、ラネーニッケル、コバルト触媒、例えば、ラネーコバルトおよび酸化コバルト、ならびにまた白金触媒である。白金触媒は、活性炭に結合させた白金を含む触媒、Pt/C(よく知られた手法によって製造され、金属形態の白金を含有している。)であってもよい。また、アダムズ触媒を利用してもよく、これは、反応器内にPtOの形態で導入され、インサイチュで細粒の白金金属に還元される。
反応は、液相で、水素化対象の物質を溶媒と混合することにより行われ得る。貴金属から形成された水素化触媒、例えばPt/Cを使用する場合、溶媒に酢酸を単独でまたは別の液体(例えば、水)とともに含めることが賢明であり得る。
ラネーニッケルもしくはラネーコバルト、または支持体に結合させた第VIII族金属の酸化物から形成された触媒を使用する場合、挙げられ得る好適な溶媒の例としては、アルコール、特に低級アルコール、例えば、1分子あたり1から8個の炭素原子を含むものが挙げられる。低級アルコールの例はエタノールならびにプロパノール、例えば、n−プロパノールおよびイソプロパノールである。
アルコールは好ましくは水との混合物として使用され、アンモニアを添加することが特に賢明である。
アンモニアの添加によって第2級アミンなどの副生成物の割合が低減されることは観察されない。
最初に存在するUANの総量に対するアンモニアのモル比は、例えば約1から1000、好ましくは60から600、特に150から300であり得る。
溶液は、触媒と任意の適切な様式で接触させ、水素を該触媒および該溶液と接触させる。
細粒の触媒を使用する場合、これは該溶液中に分散され、該溶液を撹拌することにより分散状態に維持され得る。
水素化を行うための容易な手段の1つは、固形触媒のペレット床または顆粒床を使用することからなるものである。水素化対象の物質の溶液を触媒上に、水素流と同じ方向または向流で流すことにより通過させ得る。該床を溶液中に完全に浸漬させてもよく、該床をトリクルベッドの形態で使用してもよい。この場合、該床を気体の水素で囲み、水素化対象の物質の溶液が該床全体に浸潤され得る。
反応は、バッチ形態で連続する負荷によって行ってもよく、連続的に行ってもよい。
水素化のための至適温度および圧力は、使用される触媒に依存する。貴金属に基づく触媒、例えばPt/Cを使用する場合、水素化は、ある範囲の条件下で、例えば:15℃から100℃および1気圧から100気圧の圧力下で行われ得る。しかしながら、50から60℃の温度および60から80気圧の圧力では、より大きな選択性が得られる。ニッケルおよびコバルトの水素化触媒を使用する場合、10から200℃の温度および1から350気圧の圧力が好都合に使用され得る。反応の持続時間は明らかに反応条件に依存し、反応時間は20分未満から5時間超の範囲であり得る。
水素化反応中に生成される飽和型アミノ酸(本記載においてAAと略記)は任意の適切な様式で回収され得る。回収を助長するため、特に、該方法を圧力下で行う場合は、水素化反応器に内部フィルターを備え付けることが賢明であり(液面より下に配置し、生成物の回収の機能を果たす排出口の閉塞(あれば)(例えば、触媒によるもの)が抑制されるように配列する。)、このため、該フィルターは、このフィルター全体に水素を通すによって容易にクリーニングされ得る。
生成物は、好都合にはこのフィルターから回収され、このため触媒なしで捕集される。高温の反応混合物を使用する場合、生成物は、好ましくは、反応器内または反応器から出ていくパイプ内での生成物の分離を抑制するために反応温度で回収する。生成物は断続的に取り出しても連続的に取り出してもよいが、どちらの場合も、触媒に対して水素雰囲気を維持し、失活が回避されるようにすることが望ましい。飽和型アミノ酸AAは、反応器から回収した溶液を冷却すること、および/または溶媒をエバポレートすることにより回収され得る。
本発明の方法の好都合な一実施形態によれば、水素化は、炭化ケイ素支持体上に担持されたルテニウム、ロジウム、パラジウムおよび白金から選択される少なくとも1種類の金属触媒の存在下で行われる。水素化温度は10から300℃の範囲、好ましくは20から200℃でありこの圧力は1バールから300バールの範囲である。低級アルコールと水および反応系内に存在するアンモニアの混合物が溶媒として好都合に使用される。このような水素化条件により、第2級アミンの並行生成を低減させること、またはさらに解消することが可能になる。
従って、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウムもしくは白金またはこれらの金属(場合により金をドープする。)のうちの2種類以上の混合物を炭化ケイ素支持体上に負荷された水素化触媒が利用される。炭化ケイ素支持体上に負荷される上記の種々の金属の量は好都合には0.1%から10重量%、好ましくは0.2%から1重量%である。炭化ケイ素支持体の純度は70%から100%の範囲である。支持体には、30%までの不純物、例えば:シリカ、アルミナ、カーボン、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどが含まれていてもよい。本発明の方法における炭化ケイ素支持体の純度は好ましくは非常に高く、好ましくは:鉄が存在しないことおよび表面シリカ(の層)が存在しないことを特徴とし、両者はSiCの主な2つの不純物である。炭化ケイ素支持体には、好ましくは、20%から60%の範囲の多孔度を有し、孔径が1から200μmの範囲である材料が利用され、該支持体は、触媒の作製前に、特に、FeおよびSiO2不純物を除去するために鉱酸および塩基性水溶液で清浄にすることが好ましい。
触媒は、支持体上に金属を仕込むための既知の方法によって調製され得る。例えば、触媒は、三塩化ルテニウム、三塩化ロジウム、二塩化パラジウム、塩化白金酸またはこの2種類以上の混合物を水に溶解させて水溶液を形成し、炭化ケイ素支持体との接触状態で放置して上記の種々の金属化合物を支持体上に仕込んだ後、触媒を加熱手段および水素流中での還元によって活性化させることにより調製され得る。さらに、上記の種々の金属化合物の支持体への含浸を含むこの調製方法では、加熱および水素流中での還元は、好ましくは数回反復される。他の調製方法は:
種々の金属の硝酸塩または酢酸塩を水または有機溶媒(ベンゼン、クロロホルムもしくはアルコールなど)または水と有機溶媒の混合物に溶解させ、支持体に含浸させ、次いで、該支持体に含浸させた種々の金属成分を熱処理するか、またはアルカリで処理して酸化物または水酸化物に変換させる方法、および/または
加熱と還元を、ホルムアルデヒド、ギ酸またはメタノールを含む還元ガス流中で行い、このとき、ギ酸またはホルムアルデヒドの溶液に塩基を添加する方法
を含む。
アミノ酸を形成するための水素化反応条件は、好ましくは、10から200℃、好ましくは70から130℃の範囲の温度、および1バールから350バール、好ましくは5から150バールの範囲の圧力である。
本発明の長鎖UAN(9個より多くのCを含む。)の水素化の際、溶媒を使用することが好ましい。低級アルコールと水の混合物が溶媒として使用され得る。低級アルコールは、好ましくはn−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールおよびイソブタノールから選択される。低級アルコールと水の混合物のそれぞれの割合は、好都合には容量基準で5:1から1:5の範囲である。
使用される水素の供給源は純粋な水素であっても不活性ガス(例えば、窒素)で希釈した水素であってもよく、使用される水素の量は好ましくは1molのUANに対して2から200molの範囲である。これは、アンモニアを反応系内に存在させる場合、第2級アミンの生成が解消されるという利点を有する。使用されるアンモニアの量は好ましくは1molのUANに対して1から100molの範囲である。
水素化反応はバッチ式で行っても連続様式で行ってもよいが、好ましくは連続的に行われる。連続様式では、好都合には、触媒がUAN材料および水素の流れと反対または平行流れによって供給される反応器が利用され、好ましくは、触媒は固定床である。
上記のようにして調製される水素化触媒は、連続反応において長期間にわたって高レベルの活性を保持し、AAが98%以上の高い収率で得られる。さらに、触媒の機械的強度が高いため、反応を連続的に数時間という長時間行った後であっても、触媒の崩壊または分解は実質的にみとめられない(活性炭に担持させたほとんどの触媒とは対照的)。
好都合な一実施形態によれば、水素化は、貴金属触媒の存在下、および多座配位子を有し、反応系に添加した金属イオンを結合させることによりキレートを形成している化学物質の存在下で行われる。貴金属触媒とともに添加される上記の化学物質は、重金属(主に、鉄およびニッケルなど)とともに水溶性のキレートを形成し、ポリアミノカルボン酸、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシカルボン酸、例えば、クエン酸、および縮合ホスフェートなどから選択され得る。添加されるこの化学物質の量は、水素化反応器内に供給される液状フィラー(触媒を含む。)100重量部に対して0.001から0.1重量部、好ましくは0.002から0.01重量部の範囲であり、また、上記の化学物質は水溶液の形態で添加してもよく、固体(液体としての供給物に添加)の形態で添加してもよい。この具体的な水素化の実施形態により、触媒が、反応を長期間継続した場合の反応時に高い活性を保持することが可能になり、水素化反応生成物中に含有される重金属および灰分の量がかくして相当低減され、反応生成物の認識可能な着色はみとめられない。
本発明の方法に従ってかくして得られる飽和型アミノ酸AAは、これが所望される場合は、好ましくは適切な溶媒からの再結晶によって精製され得る。
この場合、本発明の方法はまた、水素化工程後に、不純物、特に第2級アミン不純物がAAの重量に対して閾値未満の<0.5重量%、好ましくは<0.2重量%まで除去されるようにAAを精製する工程も含む。
任意の適切な精製手段がこの工程で使用され得る。特に、晶出による精製方法が挙げられ得る。該方法に従って得られるAAは、炭素数が9より大きく、任意の適切な溶媒から特に容易に再結晶可能である。かかる方法は、例えば、BP Chemicals社の特許FR1574471に記載されている。
好都合には、本発明の方法では、UANの水素化生成物を低級脂肪族アルコールとアンモニアを含む水溶液から再結晶させる方法による精製が使用される。この方法は、特に、特許JP48−6445Bに記載されている。
好都合には、AAの精製は晶出によって行われ、好ましくは少なくとも2回の連続する晶出工程:
(A)0から30℃の範囲の温度に維持した第1晶出デバイス内で、低級脂肪族アルコールを含む水溶液およびアンモニアを含む水溶液中への水素化生成物(得られたAA)の溶解後、粗製AAの結晶を単離する工程、ならびに
(B)30から60℃の範囲の温度に維持した第2晶出デバイス内で、工程Aで得られた粗製AAの結晶の低級脂肪族アルコールとアンモニアを含む水溶液中への再溶解後、純粋なAAの結晶を単離する工程
を含む。
本発明の方法の各工程を、以下の具体的な用語で説明する。
工程(A):
水素化生成物(AA)には副生成物として:特に、第2級アミンおよび未反応のUAN試薬が含まれている場合があり得る。このため、このような不純物を除去する目的で、AAを、低級脂肪族アルコールとアンモニアを含む水溶液に溶解させ、次いで0から30℃の範囲の温度の第1晶出槽内に導入し、次いで、主にAAを含む粗製AAの結晶と、第2級アミンおよびUANを含む母液を分離する。該水溶液に使用される低級脂肪族アルコールとして、例えば、C1−4直鎖または分枝鎖のアルコール、例えば、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはイソブタノールが利用され得る。水に対する低級脂肪族アルコールの容量比は好ましくは1:10から10:1、好ましくは1:3から3:1の範囲である。低級アルコールと水の混合物に対するアンモニアの比は広い範囲内で種々(例えば、1重量%から飽和まで)であり得る。また、低級脂肪族アルコールとアンモニアを含む水溶液に対するAA含有生成物の濃度は好ましくは1から10重量%の範囲、特に好ましくは2から8重量%の範囲である。
第1晶出槽の温度を0から30℃(これは以下の第2晶出槽より低い温度である。)に維持しながら、溶液を、主にAAを含む粗製結晶と、第2級アミンおよびUANを含む母液に分離する。
粗製AAの結晶を以下の工程(B)に移す。
さらに、新たなUANを母液に添加し、次いでこれを溶解させて水素化し、次いで前述の第1晶出デバイス(槽)に再循環させる。
工程(B):
工程Aで単離した上記の粗製AAの結晶にはまだ非常に少量の不純物が含まれている場合があり得る。従って、粗製AAの結晶を低級脂肪族アルコールとアンモニアを含む水溶液に溶解させ、次いで第2晶出レザーバ内に導入し、次いで30から60℃の温度で、一方は純粋なAAの結晶、および他方は、第2級アミンとUANを含む母液に分離する。
低級脂肪族アルコールとアンモニアを含む水溶液として、工程Aで使用したものと同様の水溶液が使用され得る。また、工程(A)の場合と同じAA対水溶液比を利用してもよい。低級脂肪族アルコールとアンモニアを含む水溶液として、新たに調製した溶液を利用してもよく、第2晶出槽で単離した母液を再循環させて再利用してもよい。
第2晶出槽は第1晶出槽よりも高い温度、即ち30から60℃の温度に維持し、このため、第1晶出で得られる粗製結晶中に存在する残留不純物が母液中に移行する。このため、第2晶出レザーバ内での分離後に得られる純粋なAAの結晶は高純度のものであり、高温での晶出の使用により、結晶の成長およびサイズを増大させることが可能になり、これによって分離が助長される。工程B後に得られた母液を、それぞれ第1晶出デバイスおよび/または第2晶出デバイスにAAの溶媒として再分配してもよい。
上記の本発明の方法の工程シーケンスによりAA精製工程を助長させることが可能になり、特に:
蒸留による最初のメタセシス試薬の除去、
共生成物の除去、
メタセシス触媒の除去、
第2級アミンの除去、
N−メチル化反応をもたらすメタノール供給源の加水分解、従って除去、および
得られる最終生成物が着色しないこと
が助長される。
さらに、本発明の方法によって作製されるアミノ酸は既存の重合単位に直接使用可能であるが、例えば、メタノールの可燃性と関連する専用ラインとなるアミノエステルを使用することが必要である。
本発明の方法による精製により、いっそう純粋なAAを水素化生成物から晶出および単離することが可能になる。
具体的には、晶出による標準的な精製によって得られる最終生成物中の不純物(例えば、重金属)の含有量がかなり低減され(0.3から0.5ppmから0.1ppm以下になる。)、灰分(鉱物残渣)の含有量がかなり低減される(3から6ppmから1から1.5ppmになる。)。
好都合には、本発明の方法はまた、水素化工程後または精製工程後に得られたアミノ酸を用いた重合による特にポリアミドのポリマー合成工程も含む。30よりもずっと高い重合度がこの方法により得られる。また、本発明の方法により作製されるアミノ酸、および同様にこのモノマーから製造されるポリマーも無色の生成物であるという利点を有する。
また、本発明の主題は、上記の方法により合成されるアミノ酸を用いた重合によって得られるポリマーである。
本発明の方法に従ってかくして得られるポリマーは高い溶融粘度を有するものであり、認められ得る着色はない。
[比較例1]
メタセシス−水素化経路
特許US2011/0113679の実施例1に従って調製し、アルミナ上で精製した15gのメチル9−デセノエート(81mmol)、2.15gのアクリロニトリル(40.5mmol)およびモレキュラーシーブスで予備脱水した150gのトルエンを、窒素をパージした250ml容ガラス反応器内に導入する。混合物を110℃まで加熱し、2.58gのアクリロニトリル(48.6mmol)および5mlのトルエンに溶解させた2mgのM71−SiPr触媒(2.4×10−3mmol,Umicore社により供給)を、シリンジ駆動装置に搭載されたシリンジによって2時間にわたって導入する。
反応混合物をGCによって分析する。メチル9−デセノエートの変換は85%である。C11不飽和ニトリルエステルに対する選択性は80%である。
メタセシス反応混合物を300ml容オートクレーブ内に移す。メタノールで洗浄した1.5gのラネーニッケルをこのオートクレーブ内に入れる。オートクレーブに窒素をパージし、次いで1gのアンモニア(59mmol)を導入し、系を40バールの水素圧まで加圧する。混合物を90℃まで加熱し、4時間反応させる。
反応混合物をGCによって分析する。C11不飽和ニトリルエステルの変換は100%である。
反応混合物を濾過し、トルエンを真空下でエバポレートして除去し、次いで残渣を蒸留する。7.1gのC11アミノエステルがかくして得られる(沸点=3ミリバールで126から130℃)。蒸留収率は60%である。
この比較例は、収率が蒸留中に、アミノエステルの重合の開始によって不利になることを示す。
[比較例2]
メタセシス−水素化−加水分解経路
比較例1で得られたメタセシス反応混合物を真空下でエバポレートしてトルエンを除去し、次いで真空蒸留し、C11ニトリルエステル(沸点=0.8ミリバールで122℃)を回収する。
10gのC11不飽和ニトリルエステル(47.8mmol)、100gのトルエンおよびメタノールで洗浄した1gのラネーニッケルを300ml容オートクレーブ内に入れる。オートクレーブに窒素をパージし、次いで1gのアンモニア(59mmol)を導入し、系を40バールの水素圧まで加圧する。混合物を90℃まで加熱し、4時間反応させる。
反応混合物をGCによって分析する。C11不飽和ニトリルエステルの変換は100%である。
水素化反応混合物を濾過し、真空下でエバポレートしてトルエンを除去し、次いで、100gの水を入れた反応器内に移す。混合物を24時間還流する。次いで反応混合物を真空濃縮し、50℃にて活性炭で濾過し、次いで冷却する。2.9gの11−アミノウンデカン酸が白色結晶の形態で得られる(収率=30%)。
この比較例は、アミノエステルに対する加水分解反応が非効率的であることを示す。
[比較例3]
加水分解−メタセシス−水素化経路
メチル9−デセノエートを9−デセン酸に変換させる。30gのメチル9−デセノエート(0.16mol)および160mlの1M水酸化ナトリウム(0.16mol)を500ml容反応器内に入れる。混合物を50℃で1時間加熱する。これを室温まで放冷し、次いで160mlの1M塩酸(0.16mol)を添加する。得られた混合物を300mlのジクロロメタンで2回抽出する。ジクロロメタンをエバポレートして除去すると、26.3gの9−デセン酸が回収される。
アルミナ上で精製した15gの9−デセン酸(88mmol)、2.33gのアクリロニトリル(44mmol)およびモレキュラーシーブスで予備脱水した150gのトルエンを、窒素をパージした250ml容ガラス反応器内に導入する。混合物を110℃まで加熱し、2.8gのアクリロニトリル(52.8mmol)および5mlのトルエンに溶解させた2.2mgのM71−SiPr触媒(2.4×10−3mmol)を、シリンジ駆動装置に搭載されたシリンジによって2時間にわたって導入する。
反応混合物をGCによって分析する。9−デセン酸の変換は30%である。
この試験は、メタセシス反応がメチル9−デセノエートよりも9−デセン酸に対してはるかに効率が低いことを示す。
[実施例4]
メチル9−デセノエート−アクリロニトリルのメタセシス
アルミナ上で精製した15gのメチル9−デセノエート(81mmol)、2.15gのアクリロニトリル(40.5mmol)およびモレキュラーシーブスで予備脱水した150gのトルエンを、窒素をパージした250ml容ガラス反応器内に導入する。混合物を110℃まで加熱し、2.58gのアクリロニトリル(48.6mmol)および5mlのトルエンに溶解させた2mgのM71−SiPr触媒(2.4×10−3mmol,Umicore社により供給)を、シリンジ駆動装置に搭載されたシリンジによって2時間にわたって導入する。
反応混合物をGCによって分析する。メチル9−デセノエートの変換は85%である。C11不飽和ニトリルエステルに対する選択性は80%である。
真空下でエバポレートしてトルエンを除去し、次いで残渣を真空蒸留する。11.2gのC11不飽和ニトリルエステルが得られる(53.5mmol,沸点=0.8ミリバールで122℃)。
[実施例5]
ニトリルエステルの加水分解
10gのC11不飽和ニトリルエステル(47.8mmol)および100gの50/50の酢酸/水の混合物を、窒素をパージした250ml容ガラス反応器内に導入する。混合物を4時間還流する。
反応混合物をGCによって分析する。ニトリルエステルの変換は95%である。C11不飽和酸ニトリルに対する選択性は100%である。酢酸、メタノールおよび水のエバポレーションによって生成物を回収する。
[実施例6]
酸ニトリルの水素化
水素化工程に使用するルテニウム担持炭化ケイ素触媒を特許JP51−127022の実施例1に従って調製する。
5gのC11不飽和酸ニトリル(25.6mmol)、n−プロパノールと20%アンモニア水の100g(50/50溶液)、および3gのRu/SiC触媒を300ml容オートクレーブ内に導入する。オートクレーブを閉じ、窒素をパージし、次いで40バールの水素圧まで加圧する。混合物を110℃まで加熱し、2時間反応させる。系を除圧し、触媒を70℃で濾別する。溶媒を真空下でエバポレートして除去すると、11−アミノウンデカン酸が白色結晶の形態で析出する。変換は95%より大きく、選択性は95%より大きい。第2級アミンの含有量は0.5%未満である。

Claims (17)

  1. 式:
    R1−CH=CH−[(CH−CH=CH]−(CH−R2
    [式中:
    R1はHであるか、適切な場合はヒドロキシル官能基を含む1から11個の炭素原子のアルキル基であるか、または(CH−R4であり
    mは0から11の範囲の整数であり、
    nは2から13の範囲の整数であり、
    pは整数であり、pは0、1または2であり、
    qは0または1である整数であり、
    R2はCOOR5またはCNであり、
    R4はHまたはR2であり
    R5は、1から11個の炭素原子のアルキル基または2個もしくは3個の炭素原子を含み、1個もしくは2個のヒドロキシル官能基を有する基であるか、またはジグリセリド残基もしくはトリグリセリド残基であり、ここで、前記グリセリド残基の各脂肪酸は飽和型または不飽和のいずれかである]
    の不飽和脂肪族化合物Iからのアミノ酸の合成方法であって、
    少なくとも以下の工程:
    短鎖不飽和化合物IIとのクロスメタセシス、
    少なくとも1種類の一価不飽和ニトリルエステルUNEが得られ、回収されるように、該化合物IまたはIIの一方はニトリル官能基を含むものであり、これらの化合物IIまたはIの他方はエステル官能基を含むものである、
    該UNEの不飽和酸ニトリルUANへの加水分解
    該UANの飽和型AAへの水素化
    場合により該AAの精製
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 化合物Iが、オブツシル酸;(cis−4−デセン酸)およびカプロレイン酸(9−デセン酸)、C12の酸,ラウロレイン酸(cis−5−ドデセン酸)およびリンデル酸(cis−4−ドデセン酸)、C14の酸,ミリストレイン酸(cis−9−テトラデセン酸)、フィセテル酸(cis−5−テトラデセン酸)およびツズ酸(cis−4−テトラデセン酸)、C16の酸,パルミトレイン酸(cis−9−ヘキサデセン酸)、C18の酸,オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)、エライジン酸(trans−9−オキソデセン酸)、ペトロセリン酸(cis−6−オクタデセン酸)、バクセン酸(cis−11−オクタデセン酸)およびリシノール酸(12−ヒドロキシ−cis−9−オクタデセン酸)、C20の酸,ガドレイン酸(cis−9−エイコセン酸)、ゴンド酸(cis−11−エイコセン酸)、cis−5−エイコセン酸およびレスクエロール酸(14−ヒドロキシ−cis−11−エイコセン酸)、C22の酸,セトレイン酸(cis−11−ドコセン酸)およびエルカ酸(cis−13−ドコセン酸)、ならびにまた、多価不飽和酸であるリノール酸およびリノレン酸から選択される脂肪酸から誘導される脂肪酸のエステルまたはニトリルから選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 化合物Iが:
    CH2=CH−(CH2)−R2、
    CH3−CH=CH−(CH2)−R2、または
    CH3−CH2−CH=CH−(CH2)−R2、
    から選択される
    請求項1または2に記載の方法。
  4. R2がCOOR5であり、不飽和の短鎖ニトリル化合物IIがアクリロニトリル、フマロニトリル、2−ブテンニトリル、1−ブテンニトリル、2−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリル、4−ペンテンニトリルおよび1−ペンテンニトリル、ならびにこの混合物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. R2がCNであり、不飽和の短鎖エステル化合物IIが、式:
    R6−HC=CH−(CH2)n−COOR7
    (式中、nは0または1であり;R6はCH3またはHであり;R7はMe、EtまたはBuである。)
    の化合物から選択される、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  6. クロスメタセシス工程で、一般式:
    (X(XRu(カルベンC)(L(L(L
    [式中:
    a、b、c、dおよびeは整数であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、aとbは0、1または2であり;c、dおよびeは0、1、2、3または4であり;
    およびXは、同一であっても異なっていてもよく、各々は、荷電または非荷電のモノキレート配位子またはポリキレート配位子を表し;X またはXは、LもしくはLまたはカルベンCに、ルテニウム上に二座配位子またはキレート配位子が形成されるように結合していてもよく;
    、LおよびLは、同一であっても異なっていてもよく、電子供与性配位子であり;L、LまたはLはカルベンCに、二座配位子もしくはキレート配位子または三座配位子が形成されるように結合していてもよい]
    の荷電または非荷電の触媒から選択される少なくとも1種類のルテニウム−カルベン触媒が使用される、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 式:
    Figure 0006421129
    の触媒の使用を特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. メタセシス工程が、液状媒体中で,20から160℃の範囲の温度および1から30バールの範囲の圧力にて行われることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. メタセシスが、溶媒の存在下で行われることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 加水分解工程が、以下の方法:
    水酸化ナトリウムの存在下でのケン化による低温加水分解;
    溶媒媒体中、酸性触媒下での中温加水分解;
    圧力下での高温加水分解;
    酵素的加水分解、
    ならびにこの混合
    のうちの少なくとも1つを含むものである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 水素化工程が、炭化ケイ素支持体上に担持されたルテニウム、ロジウム、パラジウムおよび白金から選択される少なくとも1種類の金属触媒の存在下で行われる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 水素化温度が10から300℃の範囲であり、この圧力が1バールから300バールの範囲である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 水素化工程が、低級アルコールと水の混合物を含む溶媒の存在下で行われる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 水素化が、貴金属触媒および多座配位子を有する化学物質の存在下で行われ、前記化学物質が、ポリアミノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、および縮合ホスフェートから選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 精製が、低級脂肪族アルコールとアンモニアを含む水溶液中での水素化により誘導される生成物の少なくとも1回の再結晶工程を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 精製が、少なくとも2回の連続する晶出工程:
    (A)0から30℃の範囲の温度に維持した第1晶出デバイス内で、低級脂肪族アルコールを含む水溶液およびアンモニアを含む水溶液中への水素化生成物の溶解後、粗製AAの結晶を単離する工程、ならびに
    (B)30から60℃の範囲の温度に維持した第2晶出デバイス内で、工程Aで得られた粗製AAの結晶の低級脂肪族アルコールとアンモニアを含む水溶液中への再溶解後、純粋なAAの結晶を単離する工程
    を含むものである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. また、該アミノ酸を用いた重合によるポリアミド合成の工程も含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
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