JP6419871B2 - シリンダボア壁の保温具、内燃機関及び自動車 - Google Patents

シリンダボア壁の保温具、内燃機関及び自動車 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックのシリンダボア壁の溝状冷却水流路側の壁面に接触させて配置される保温具及びそれを備える内燃機関並びに該内燃機関を有する自動車に関する。
内燃機関では、ボア内のピストンの上死点で燃料の爆発が起こり、その爆発によりピストンが押し下げられるという構造上、シリンダボア壁の上側は温度が高くなり、下側は温度が低くなる。そのため、シリンダボア壁の上側と下側では、熱変形量に違いが生じ、上側は大きく膨張し、一方、下側の膨張が小さくなる。
その結果、ピストンのシリンダボア壁との摩擦抵抗が大きくなり、これが、燃費を下げる要因となっているので、シリンダボア壁の上側と下側とで熱変形量の違いを少なくすることが求められている。
そこで、従来より、シリンダボア壁の壁温を均一にするために、溝状冷却水流路内にスペーサーを設置し、溝状冷却水流路内の冷却水の水流を調節して、冷却水によるシリンダボア壁の上側の冷却効率と及び下側の冷却効率を制御することが試みられてきた。例えば、特許文献1には、内燃機関のシリンダブロックに形成された溝状冷却用熱媒体流路内に配置されることで溝状冷却用熱媒体流路内を複数の流路に区画する流路区画部材であって、前記溝状冷却用熱媒体流路の深さに満たない高さに形成され、前記溝状冷却用熱媒体流路内をボア側流路と反ボア側流路とに分割する壁部となる流路分割部材と、前記流路分割部材から前記溝状冷却用熱媒体流路の開口部方向に向けて形成され、かつ先端縁部が前記溝状冷却用熱媒体流路の一方の内面を越えた形に可撓性材料で形成されていることにより、前記溝状冷却用熱媒体流路内への挿入完了後は自身の撓み復元力により前記先端縁部が前記内面に対して前記溝状冷却用熱媒体流路の深さ方向の中間位置にて接触することで前記ボア側流路と前記反ボア側流路とを分離する可撓性リップ部材と、を備えたことを特徴とする内燃機関冷却用熱媒体流路区画部材が開示されている。
特開2008−31939号公報(特許請求の範囲)
ところが、特許文献1の内燃機関冷却用熱媒体流路区画部材によれば、ある程度のシリンダボア壁の壁温の均一化が図れるので、シリンダボア壁の上側と下側との熱変形量の違いを少なくすることができるものの、近年、更に、シリンダボア壁の上側と下側とで熱変形量の違いを少なくすることが求められている。
そのようなことから、近年は、シリンダブロックの溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温具で積極的に保温することにより、シリンダボア壁の壁温の均一化が図られている。そして、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を効果的に保温するためには、保温具の溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面への密着性が高いことが求められている。
また、シリンダボア壁を周方向に見たときに、周方向の全体について同様な保温が必要なわけではなく、保温が必要な部分と必要ない部分とが存在する。そのため、保温が必要な部分のみを保温できることが求められている。
また、近年、筒内に供給される空気と燃料の比である空燃比が従来のものに比べ大きい内燃機関が開発されており、このような内燃機関では、シリンダボア壁の上部の温度、特に、各シリンダボアのボア壁の境界及びその近傍の上部の温度が、従来のものに比べ高くなる。そのため、各シリンダボアのボア壁の境界及びその近傍の上部の冷却効率を高くすることも求められている。
従って、本発明の目的は、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面への密着性が高く、保温が必要な箇所を選択的に保温でき、且つ、各シリンダボアのボア壁の境界及びその近傍の上部の冷却効率が高い保温具を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により解決される。
すなわち、本発明(1)は、シリンダボアを有する内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置され、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁の周方向全部又は全シリンダボアのボア壁のうちの周方向の一部を保温するための保温具であり、
上から見たときに円弧形状を有し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための各ボア壁保温部と、該保温具の設置位置の該溝状冷却水流路の形状に沿う形状を有し、該各ボア壁保温部が固定される支持部と、を有し、
該各ボア壁保温部は、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を覆うためのゴム部材と、該ゴム部材の背面側に設けられ、該ゴム部材全体を背面側から該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けるための背面押し付け部材と、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、該背面押し付け部材が該ゴム部材を押し付けるように付勢する弾性部材と、を有し、
該各ボア壁保温部が固定される支持部各ボア部には、該弾性部材が該支持部の内側から背面側に抜けるための開口が形成されており、
支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
該支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁を有し、該溝状冷却水流路に冷却水が供給される位置の支持部の背面側に、上り傾斜で延び、該冷却水通過口に向かう冷却水の流れを作る傾斜壁を有し、
該各ボア壁保温部は、円弧方向の中央又は中央近傍のみが、該支持部に固定されていること、
を特徴とするシリンダボア壁の保温具を提供するものである。
また、本発明(2)は、シリンダボアを有する内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置され、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁の周方向全部又は全シリンダボアのボア壁のうちの周方向の一部を保温するための保温具であり、
上から見たときに円弧形状を有し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための各ボア壁保温部と、該保温具の設置位置の該溝状冷却水流路の形状に沿う形状を有し、該各ボア壁保温部が固定される支持部と、を有し、
該各ボア壁保温部は、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を覆うためのゴム部材と、該ゴム部材の背面側に設けられ、該ゴム部材全体を背面側から該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けるための背面押し付け部材と、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、該背面押し付け部材が該ゴム部材を押し付けるように付勢する弾性部材と、を有し、
該各ボア壁保温部が固定される支持部各ボア部には、該弾性部材が該支持部の内側から背面側に抜けるための開口が形成されており、
支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
該支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁と、該誘導壁に向かって上り傾斜で延びる呼び込み壁と、を有し、
該各ボア壁保温部は、円弧方向の中央又は中央近傍のみが、該支持部に固定されていること、
を特徴とするシリンダボア壁の保温具を提供するものである。
また、本発明(3)は、シリンダボアを有する内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置され、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁の周方向全部を保温するための保温具であり、
上から見たときに円弧形状を有し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための各ボア壁保温部と、該保温具の設置位置の該溝状冷却水流路の形状に沿う形状を有し、該各ボア壁保温部が固定される支持部と、を有し、
該各ボア壁保温部は、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を覆うためのゴム部材と、該ゴム部材の背面側に設けられ、該ゴム部材全体を背面側から該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けるための背面押し付け部材と、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、該背面押し付け部材が該ゴム部材を押し付けるように付勢する弾性部材と、を有し、
該各ボア壁保温部が固定される支持部各ボア部には、該弾性部材が該支持部の内側から背面側に抜けるための開口が形成されており、
冷却水の流れが強い方の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
該冷却水の流れが強い方の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁を有し、該溝状冷却水流路に冷却水が供給される位置の支持部の背面側に、上り傾斜で延び、該冷却水通過口に向かう冷却水の流れを作る傾斜壁を有し、
冷却水の流れが強い方とは反対側の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
該冷却水の流れが強い方とは反対側の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁と、該誘導壁に向かって上り傾斜で延びる呼び込み壁と、を有し、
該各ボア壁保温部は、円弧方向の中央又は中央近傍のみが、該支持部に固定されていること、
を特徴とするシリンダボア壁の保温具を提供するものである。
また、本発明(4)は、前記ゴム部材が、感熱膨張ゴム又は水膨潤ゴムであることを特徴とする(1)〜(3)いずれかのシリンダボア壁の保温具を提供するものである。
また、本発明(5)は、シリンダブロックの溝状冷却水流路の全部又は一部に、(1)〜(3)いずれかのシリンダボア壁の保温具が少なくとも1つ設置されていることを特徴とする内燃機関を提供するものである。
また、本発明(6)は、シリンダブロックの溝状冷却水流路の一方の片側半分に、(1)のシリンダボア壁の保温具が設置されており、且つ、シリンダブロックの溝状冷却水流路の他方の片側半分に、(2)のシリンダボア壁の保温具が設置されていることを特徴とする内燃機関を提供するものである。
また、本発明(7)は、請求項5又は6いずれか1項項記載の内燃機関を有することを特徴とする自動車を提供するものである。
本発明によれば、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面への密着性が高く、保温が必要な箇所を選択的に保温でき、且つ、各シリンダボアのボア壁の境界及びその近傍の上部の冷却効率が高い保温具を提供することができる。
本発明のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックの形態例を示す模式的な平面図である。 図1のx−x線断面図である。 図1に示すシリンダブロックの斜視図である。 本発明のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックの形態例を示す模式的な平面図である。 本発明のシリンダボア壁の保温具の形態例を示す模式的な斜視図である。 図5に示すシリンダボア壁の保温具36aを上側から見た平面図である。 図5に示すシリンダボア壁の保温具36aをゴム部材側から見た側面図である。 図5に示すシリンダボア壁の保温具36aを背面側から見た側面図である。 図5に示すシリンダボア壁の保温具36aの拡大図である。 図9の端面図である。 図5中の各ボア壁保温部35を作製する様子を示す図である。 支持部34aに固定される前の各ボア壁保温部35を示す斜視図である。 各ボア壁保温部35を支持部34aに固定する様子を示す図である。 金属バネ付設部材33を作製する様子を示す図である。 本発明のシリンダボア壁の保温具の形態例を示す模式的な斜視図である。 図15に示すシリンダボア壁の保温具136aを上側から見た平面図である。 図15に示すシリンダボア壁の保温具136aをゴム部材側から見た側面図である。 図15に示すシリンダボア壁の保温具136aを背面側から見た側面図である。 図1に示すシリンダブロック11に、シリンダボア壁の保温具36a及び136aを設置する様子を示す模式図である。 図1に示すシリンダブロック11に、シリンダボア壁の保温具36a及び136aが設置されている様子を示す模式図である。 図1に示すシリンダブロック11に、シリンダボア壁の保温具36a及び136aが設置されている様子を示す模式図である。 シリンダボア壁の保温具の各ボア壁保温部が、ボア壁に接触する様子を示す図である。 溝冷却水流路に供給された冷却水の流れ方を示す図である。 溝冷却水流路に供給された冷却水の流れ方を示す図である。 溝冷却水流路に供給された冷却水の流れ方を示す図である。 溝冷却水流路に供給された冷却水の流れ方を示す図である。 溝冷却水流路に供給された冷却水の流れ方を示す図である。 各ボア壁保温部の形態例を作製する様子を示す模式的な斜視図である。 図28に示す各ボア壁保温部の形態例を示す模式的な斜視図である。 各ボア壁保温部の形態例を示す模式図である。 本発明のシリンダボア壁の保温具の形態例を示す模式的な斜視図である。 本発明のシリンダボア壁の保温具の形態例を示す模式的な斜視図である。 本発明のシリンダボア壁の保温具の形態例を示す模式図である。 背面押し付け部材の形態例を示す模式図である。 ゴム部材として膨張ゴムを用いる場合における、ゴム部材の膨張及び各ボア壁保温具の変形の様子を示す図である。 本発明のシリンダボア壁の保温具の形態例を示す模式的な斜視図である。 図36に示すシリンダボア壁の保温具36bを上側から見た平面図である。 図36に示すウォータージャケットスペーサーの冷却水通過口が形成されている側を背面側から見た側面図である。 図36に示すウォータージャケットスペーサーの冷却水通過口が形成されていない側を背面側から見た側面図である。 図36に示すウォータージャケットスペーサーの冷却水流れ変更部材66の拡大図である。 溝冷却水流路に供給された冷却水の流れ方を示す図である。 溝冷却水流路に供給された冷却水の流れ方を示す図である。 溝冷却水流路に供給された冷却水の流れ方を示す図である。 溝冷却水流路に供給された冷却水の流れ方を示す図である。 誘導壁の形態例を示す模式図である。 冷却水流れ抑制壁の形態例を示す模式図である。 本発明のシリンダボア壁の保温具の形態例を示す模式的な斜視図である。 図47に示すシリンダボア壁の保温具36eを上側から見た平面図である。 図47に示すウォータージャケットスペーサーの傾斜壁が形成されている側を背面側から見た側面図である。 図47に示すウォータージャケットスペーサーの傾斜壁が形成されていない側を背面側から見た側面図である。
本発明のシリンダボア壁の保温具及び本発明の内燃機関について、図1〜図19を参照して説明する。図1〜図4は、本発明のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックの形態例を示すものであり、図1及び図4は、本発明のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックを示す模式的な平面図であり、図2は、図1のx−x線断面図であり、図3は、図1に示すシリンダブロックの斜視図である。図5は、本発明のシリンダボア壁の保温具の形態例を示す模式的な斜視図である。図6は、図5中の保温具36aを上から見た図である。なお、図6では、保温具36aに固定されている各ボア壁保温部35のうち、右端の保温部については、構成部材毎に分離して示した。図7は、図5中の保温具36aを横から見た図であり、ゴム部材31の接触面側から見た図である。図8は、図5中の保温具36aを横から見た図であり、背面側から見た図である。図9は、図5中の支持部34aに固定されている各ボア壁保温部35の1つ分を拡大した図であり、各ボア壁保温部35及び支持部34aを上から見た図である。図10は、図9のX−X線及びY−Y線の端面図である。図11は、図5中の各ボア壁保温部35を作製する様子を示す図である。図12は、支持部34aに固定される前の各ボア壁保温部35を示す斜視図である。図13は、各ボア壁保温部35を支持部34aに固定する様子を示す図である。図14は、金属バネ付設部材33を作製する様子を示す図である。図15は、本発明のシリンダボア壁の保温具の形態例を示す模式的な斜視図である。図16は、図15中の保温具136aを上から見た図である。なお、図16では、保温具136aに固定されている各ボア壁保温部35のうち、右から2番目の保温部については、構成部材毎に分離して示した。図17は、図15中の保温具136aを横から見た図であり、ゴム部材31の接触面側から見た図である。図18は、図15中の保温具136aを横から見た図であり、背面側から見た図である。図19は、図1に示すシリンダブロック11に、シリンダボア壁の保温具36a及びシリンダボア壁の保温具136aを設置する様子を示す模式図である。
図1〜図3に示すように、シリンダボア壁の保温具が設置される車両搭載用内燃機関のオープンデッキ型のシリンダブロック11には、ピストンが上下するためのボア12、及び冷却水を流すための溝状冷却水流路14が形成されている。そして、ボア12と溝状冷却水流路14とを区切る壁が、シリンダボア壁13である。また、シリンダブロック11には、溝状冷却水流路11へ冷却水を供給するための冷却水供給口15及び冷却水を溝状冷却水流路11から排出するための冷却水排出口16が形成されている。
このシリンダブロック11には、2つ以上のボア12が直列に並ぶように形成されている。そのため、ボア12には、1つのボアに隣り合っている端ボア12a1、12a2と、2つのボアに挟まれている中間ボア12b1、12b2とがある(なお、シリンダブロックのボアの数が2つの場合は、端ボアのみである。)。直列に並んだボアのうち、端ボア12a1、12a2は両端のボアであり、また、中間ボア12b1、12b2は、一端の端ボア12a1と他端の端ボア12a2の間にあるボアである。端ボア12a1と中間ボア12b1の間の壁、中間ボア12b1と中間ボア12b2の間の壁及び中間ボア12b2と端ボア12a2の間の壁(ボア間壁191)は、2つのボアに挟まれる部分なので、2つのシリンダボアから熱が伝わるため、他の壁に比べ壁温が高くなる。そのため、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17では、ボア間壁191の近傍が、温度が最も高くなるので、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17のうち、各シリンダボアのボア壁の境界192及びその近傍の温度が最も高くなる。
また、本発明では、溝状冷却水流路14の壁面のうち、シリンダボア13側の壁面を、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面17と記載し、溝状冷却水流路14の壁面のうち、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面17とは反対側の壁面を壁面18と記載する。
また、本発明において、片側半分とは、シリンダブロックをシリンダボアが並んでいる方向で垂直に二分割したときの片側の半分を指す。よって、本発明において、全シリンダボアのボア壁のうちの片側半分のボア壁とは、全シリンダボア壁をシリンダボアが並んでいる方向で垂直に二分割したときの片側の半分のボア壁を指す。例えば、図4では、シリンダボアが並んでいる方向がZ−Z方向であり、このZ−Z線で垂直に二分割したときの片側半分のボア壁のそれぞれが、全シリンダボアのボア壁のうちの片側半分のボア壁である。つまり、図4では、Z−Z線より20a側の片側半分のボア壁が、全シリンダボアのボア壁のうちの一方の片側半分のボア壁21aであり、Z−Z線より20b側の片側半分のボア壁が、全シリンダボアのボア壁のうちの他方の片側半分のボア壁21bである。また、全シリンダボア壁のうちの片側とは、片側半分のボア壁21a又は片側半分のボア壁21bのいずれかを指し、片側の一部とは、片側半分のボア壁21aの一部又は片側半分のボア壁21bの一部を指す。
また、本発明において、各シリンダボアのボア壁とは、1つ1つのシリンダボアに対応する各ボア壁部分を指し、図4では、両矢印22a1で示す範囲が、シリンダボア12a1のボア壁23a1であり、両矢印22b1で示す範囲が、シリンダボア12b1のボア壁23b1であり、両矢印22b2で示す範囲が、シリンダボア12b2のボア壁23b2であり、両矢印22a2で示す範囲が、シリンダボア12a2のボア壁23a2であり、両矢印22b3で示す範囲が、シリンダボア12b1のボア壁23b3であり、両矢印22b4で示す範囲が、シリンダボア12b2のボア壁23b4である。つまり、シリンダボア12a1のボア壁23a1、シリンダボア12b1のボア壁23b1、シリンダボア12b2のボア壁23b2、シリンダボア12a2のボア壁23a2、シリンダボア12b1のボア壁23b3及びシリンダボア12b2のボア壁23b4が、それぞれ、各シリンダボアのボア壁である。
図5に示すシリンダボア壁の保温具36aは、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具の形態例であり、図4中、一方の片側半分(20a側)のボア壁21aを保温するための保温具である。シリンダボア壁の保温具36aは、冷却水が供給される位置の支持部各ボア部に、傾斜壁に加え、冷却水当たり面及び冷却水流れ抑制壁が形成されている形態例である。なお、図4には、20a側の片側半分の溝状冷却水流路14を端まで流れた冷却水が、シリンダブロック11の横側に形成されている冷却水排出口16から排出される形態のシリンダブロックを記載したが、他には、例えば、20a側の片側半分の溝状冷却水流路14を一方の端から他方の端まで流れた冷却水が、シリンダブロックの横側から排出されるのではなく、シリンダヘッドに形成されている冷却水流路に流れ込む形態のシリンダブロックがある。
シリンダボア壁の保温具36aは、3つの各ボア壁保温部35と、各ボア壁保温部35が固定される支持部34aと、を有する。つまり、シリンダボア壁の保温具36aでは、支持部34aの3か所に、各ボア壁保温部35が固定されている。そして、シリンダボア壁の保温具36aでは、各ボア壁保温部35は、保温部35の折り曲げ部37が折り曲げられて、支持部34aの上下端部を、折り曲げ部37が挟み込むことにより、支持部34aに、各ボア壁保温部35が固定されている。
図5〜図8に示すように、シリンダボア壁の保温具36aは、図4に示すシリンダブロック11の片側半分の溝状冷却水流路14aに設置される保温具であり、シリンダボア12b1のボア壁23b1、シリンダボア12b2のボア壁23b2及びシリンダボア12a2のボア壁23a2を、保温するための保温具である。そのため、シリンダボア壁の保温具36aには、シリンダボア12b1のボア壁23b1、シリンダボア12b2のボア壁23b2及びシリンダボア12a2のボア壁23a2の3つの各シリンダボアのボア壁を保温するために各ボア壁保温部35が3つ設けられている。
シリンダボア壁の保温具36aでは、シリンダボア壁側に、ゴム部材31の接触面6が向き、ゴム部材31の接触面6が、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17に接触できるように、各ボア壁保温部35が固定されている。また、シリンダボア壁の保温部36aの背面側では、各ボア壁保温部35に付設されている金属板バネ39が、支持部34aの開口42を通って、ゴム部材31とは反対側に向けて張り出している。そして、金属板バネの39の張り出した先端27が、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17とは反対側の壁面18に接触する。
シリンダボア壁の保温具36aに固定されている各ボア壁保温部35は、図6、図9及び図10に示すように、ゴム部材31と、背面押し付け部材32と、金属板バネ付設部材33と、からなる。
ゴム部材31は、上から見たときに、円弧状に成形されており、ゴム部材31の接触面26側の形状は、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面に沿う形状である。ゴム部材31は、各シリンダボアのボア壁22に直接接触して、ボア壁22の保温箇所を覆い、各シリンダボアのボア壁22を保温するための部材である。また、背面押し付け部材32は、上から見たときに、円弧状に成形されており、ゴム部材31の全体をゴム部材31の背面側から押し付けることができるように、ゴム部材31の背面側(接触面6側とは反対側の面)に沿う形状である。また、金属板バネ付設部材33は、上から見たときに、円弧状に成形されており、背面押し付け部材32の背面側(ゴム部材31とは反対側の面)に沿う形状であり、弾性部材である金属板バネ39が付設されている。金属板バネ39は、縦長の長方形の金属板であり、長手方向の一端が金属板バネ付設部材33に繋がっている。金属板バネ39は、先端27が金属板バネ付設部材33から離れるように、金属板バネ付設部材33に繋がっている他端側28で、金属板バネ付設部材33から折り曲げられることにより、金属板バネ付設部材33に付設されている。そして、ゴム部材31及び背面押し付け部材32は、金属板バネ付設部材33の上側及び下側に形成されている折り曲げ部40が折り曲げられて、金属板バネ付設部材33と折り曲げ部40の間に挟み込まれることにより、金属板バネ付設部材33に固定されている。ゴム部材31では、背面押し付け部材32側とは反対側のゴム部材31の面が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面17に接する接触面6である。
各ボア壁保温部35は、各シリンダボアのボア壁を保温するための部材であり、シリンダボア壁の保温具36aが、シリンダブロック11の溝状冷却水流路14に設置されたときに、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17に、ゴム部材31が接触して、ゴム部材31で溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17を覆い、且つ、弾性部材である金属板バネ39の付勢力で、背面押し付け部材32が、ゴム部材31を背面側から溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17に向けて押し付けて、ゴム部材31を溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17に密着させることにより、各ボア壁保温部35が各シリンダボアのボア壁を保温する。
支持部34aは、上から見たときに、4つの円弧が連続する形状に成形されており、支持部34aの形状は、溝状冷却水流路14の片側半分に沿う形状である。なお、各シリンダボア側の支持部34aの各部分が、支持部各ボア部である。つまり、支持部34aを形成する4つの円弧形状のそれぞれが、支持部各ボア部である。よって、支持部34aは、支持部各ボア部361と、支持部各ボア部362aと、支持部各ボア部362bと、支持部各ボア部362cとで形成されており、円弧状の支持部各ボア部361、支持部各ボア部362a、支持部各ボア部362b及び支持部各ボア部362cが順に繋がった形状である。
支持部34aの支持部各ボア部のうち、各ボア部保温部35が固定される支持部各ボア部、すなわち、支持部各ボア部362a、支持部各ボア部362b及び支持部各ボア部362cには、各ボア壁保温部35に付設されている金属板バネ39が、支持部34aを通り抜けて、シリンダボア壁の保温具36aの背面側から、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17とは反対側の壁面18に向かって張り出すことができるように、開口42が形成されている。
支持部34aは、各ボア壁保温部35が固定される部材であり、各ボア壁保温部35の位置が溝状冷却水流路14内でずれないように、各ボア壁保温部35の位置を定める役割を果たす。支持部34aは、合成樹脂の成形体である。
そして、シリンダボア壁の保温具36aでは、各ボア壁保温部35は、上から見たときの円弧方向の中央又は中央近傍(各ボア壁保温部を上から見たときに、円弧状の各ボア壁保温部の中央又は中央近傍)のみが、支持部34aに固定されている。シリンダボア壁の保温具36aでは、3つの各ボア壁保温部35が、上から見たときの円弧方向の中央又は中央近傍のみで、支持部各ボア部362a、支持部各ボア部362b及び支持部各ボア部362cのそれぞれに、固定されている。図10のX−X端面図は、各ボア壁保温部35の中央で切った端面図であるが、X−X端面図では、金属板バネ付設部材33の上端及び下端のそれぞれが、折り曲げ部37によって、支持部34aに固定されていることが示されている。それに対して、図10のY−Y端面図は、各ボア壁保温部35の端の方の部分を切った端面図であるが、Y−Y端面図では、金属板バネ付設部材33は、支持部34aに固定されていないことが示されている。
支持部各ボア部には、傾斜壁30が形成されている支持部各ボア部361と、傾斜壁30が形成されていない支持部各ボア部362とがある。なお、冷却水53は、シリンダボア壁の保温具36aに対して、図6中の矢印で示す方向に供給される。
支持部各ボア部361は、冷却水が溝状冷却水流路内に供給される位置にある各ボア部である。図4に示すシリンダブロック11の場合だと、冷却水供給口15が形成されている位置は、シリンダボア12a1側且つ片側20a側の溝状冷却水流路なので、シリンダボア12a1側の支持部各ボア部361が、冷却水が溝状冷却水流路内に供給される位置にある支持部各ボア部である。
支持部各ボア部361には、背面側に、冷却水当たり面29と、冷却水流れ抑制壁24と、傾斜壁30とが形成されている。冷却水当たり面29は、シリンダブロックの外から供給される冷却水が最初に当たる面である。冷却水流れ抑制壁24は、冷却水当たり面29に当たった冷却水が、冷却水流れ方向とは反対方向52に流れず且つ傾斜壁30に向かって流れるようにする壁である。そのため、冷却水流れ抑制壁24は、冷却水当たり面29の冷却水が流れて行く側とは反対側部分を囲むように形成されている。つまり、冷却水当たり面29の冷却水が流れて行く側とは反対側部分の上側と横側と下側に、壁が形成されている。傾斜壁30は、冷却水当たり面29に当たった後、冷却水流れ方向51に流れ出した冷却水が、冷却水通過口25に向かって流れるように、冷却水の当たり面29から冷却水通過口25に向かう冷却水の流れを作る傾斜壁である。そのため、傾斜壁30は、冷却水当たり面29の近傍を始点として、冷却水の当たり面29の近傍から上り傾斜で延びている。
支持部各ボア部361の内側には、縦リブ5が形成されている。なお、本発明において、冷却水が溝状冷却水流路内に供給される位置にある支持部各ボア部の内側には、縦リブが形成されていても、形成されていなくてもよく、縦リブの形成は必要に応じて適宜選択される。また、本発明においては、冷却水が溝状冷却水流路内に供給される位置にある支持部各ボア部にも、各ボア壁保温部が固定されていてもよい。
支持部ボア間部54の上部には、冷却水通過口25が形成されている。冷却水通過口25は、支持部34aの背面側の冷却水が、支持部34aの内側に通り抜ける通過口である。そして、冷却水通過口25の近傍には、誘導壁26が形成されている。誘導壁26は、冷却水の当たり面29から冷却水通過口25に向かって流れてくる冷却水が、冷却水通過口25に流れ込むように、冷却水を誘導するための壁である。誘導壁26には、冷却水通過口25の上側に上側壁261と冷却水流れ方向側の横側に横側壁262とがあるので、冷却水通過口25の斜め下から流れてくる冷却水を、上側壁261と横側壁262とが堰き止めるため、冷却水は、冷却水通過口25に流れ込む。また、誘導壁26の横側壁262の下端には、横側壁262の下端に向かって上り傾斜の呼び込み壁263が繋がっている。呼び込み壁263は、冷却水通過口25より少し下を通過する冷却水を、冷却水通過口25に集める役割を果たす。なお、図5に示す形態例では、誘導壁26aの呼び込み壁は、傾斜壁30aと繋がっている。
支持部34aのうち、隣り合う支持部各ボア部が繋がる部位が、支持部各ボア部の境界48である。そして、支持部34aのうち、支持部各ボア部の境界48及びその近傍の部分は、溝状冷却水流路側の壁面のうち、ボア間壁191の横側に相当する壁面に対向する部分である。本発明では、支持部のうち、支持部各ボア部の境界及びその近傍の部分、すなわち、溝状冷却水流路側の壁面のうち、ボア間壁の横側に相当する壁面と対向する部分を、支持部ボア間部と呼ぶ。
シリンダボア壁の保温具36aの作製手順について説明する。図11に示すように、ゴム部材31に、その背面側から、背面押し付け部材32と、金属板バネ39が付設され且つ折り曲げ部40及び折り曲げ部37が形成されている金属板バネ付設部材33と、を順に合わせ、次いで、折り曲げ部40を折り曲げて、図12に示すように、折り曲げ部40で、背面押し付け部材32及びゴム部材31を挟み込ませることにより、金属板バネ付設部材33に、背面押し付け部材32及びゴム部材31を固定して、各ボア壁保温部35を作製する。そして、図13に示すように、各ボア壁保温部35を3つ作製し、支持部34aの固定箇所に、折り曲げ部37を折り曲げて、折り曲げ部37で、支持部34aを挟み込ませることにより、支持部34aに、各ボア壁保温部35を固定して、シリンダボア壁の保温具36aを作製する。
なお、金属板バネ付設部材33の作製手順であるが、図14に示すように、金属板43を用意し、図14(A)中の点線の位置で、金属板43を打ち抜くことにより、図14(B)のように、金属板バネ39、折り曲げ部40及び折り曲げ部37を形成させて、金属板の打ち抜き物45を作製する。次いで、金属板の打ち抜き物45全体を円弧状に成形し、且つ、金属板バネ39を背面側に曲げることにより、金属板バネ付設部材33を作製する。また、支持部34aであるが、合成樹脂を射出成形することにより、支持部34aを作製する。
図15に示すシリンダボア壁の保温具136aは、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具の形態例であり、図4中、一方の片側半分(20b側)のボア壁21bを保温するための保温具である。シリンダボア壁の保温具136aは、支持部各ボア部のいずれにも、傾斜壁が形成されていない形態である。
シリンダボア壁の保温具136aは、4つの各ボア壁保温部35と、各ボア壁保温部35が固定される支持部134aと、を有する。つまり、シリンダボア壁の保温具136aでは、支持部134aの4か所に、各ボア壁保温部35が固定されている。そして、シリンダボア壁の保温具136aでは、各ボア壁保温部35は、保温部35の折り曲げ部37が折り曲げられて、支持部34aの上下端部を、折り曲げ部37が挟み込むことにより、支持部134aに、各ボア壁保温部35が固定されている。
図15〜図18に示すように、シリンダボア壁の保温具136aは、図4に示すシリンダブロック11の片側半分の溝状冷却水流路14bに設置される保温具であり、シリンダボア12a2のボア壁23a2、シリンダボア12b2のボア壁23b4、シリンダボア12b1のボア壁23b3及びシリンダボア12a1のボア壁23a1を、保温するための保温具である。そのため、シリンダボア壁の保温具136aには、シリンダボア12a2のボア壁23a2、シリンダボア12b2のボア壁23b4、シリンダボア12b1のボア壁23b3及びシリンダボア12a1のボア壁23a1の4つの各シリンダボアのボア壁を保温するために各ボア壁保温部35が4つ設けられている。
シリンダボア壁の保温具136aでは、シリンダボア壁側に、ゴム部材31の接触面6が向き、ゴム部材31の接触面6が、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17に接触できるように、各ボア壁保温部35が固定されている。また、シリンダボア壁の保温部36aの背面側では、各ボア壁保温部35に付設されている金属板バネ39が、支持部34の開口42を通って、ゴム部材31とは反対側に向けて張り出している。そして、金属板バネ39の張り出した先端27が、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17とは反対側の壁面18に接触する。
シリンダボア壁の保温具136aに固定されている各ボア壁保温部35は、シリンダボア壁の保温具36aに固定されている各ボア壁保温部35と同様である。
支持部134aは、上から見たときに、4つの円弧が連続する形状に成形されており、支持部134aの形状は、溝状冷却水流路14の片側半分に沿う形状である。よって、支持部134aは、支持部各ボア部363aと、支持部各ボア部363baと、支持部各ボア部363cと、支持部各ボア部363dとで形成されており、円弧状の支持部各ボア部363a、支持部各ボア部363b、支持部各ボア部363c及び支持部各ボア部363dが順に繋がった形状である。
支持部134aの支持部各ボア部363のそれぞれに、各ボア部保温部35が固定される。支持部各ボア部363には、各ボア壁保温部35に付設されている金属板バネ39が、支持部34aを通り抜けて、シリンダボア壁の保温具36aの背面側から、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17とは反対側の壁面18に向かって張り出すことができるように、開口42が形成されている。
支持部134aは、各ボア壁保温部35が固定される部材であり、各ボア壁保温部35の位置が溝状冷却水流路14内でずれないように、各ボア壁保温部35の位置を定める役割を果たす。支持部134aは、合成樹脂の成形体である。
そして、シリンダボア壁の保温具136aでは、シリンダボア壁の保温具36aと同様に、各ボア壁保温部35は、上から見たときの円弧方向の中央又は中央近傍(各ボア壁保温部を上から見たときに、円弧状の各ボア壁保温部の中央又は中央近傍)のみが、支持部134aに固定されている。シリンダボア壁の保温具136aでは、4つの各ボア壁保温部35が、上から見たときの円弧方向の中央又は中央近傍のみで、支持部各ボア部363a、支持部各ボア部363ba、支持部各ボア部363c及び支持部各ボア部363dのそれぞれに、固定されている。
シリンダボア壁の保温具136aは、溝状冷却水流路内に流れ込んできた冷却水が、勢いよく流れる側の片側半分の溝状冷却水流路ではなく、片側半分の溝状冷却水流路を流れて、流れが緩やかになった冷却水が流れる側の片側半分(図4の形態例だと、片側半分14b)の溝状冷却水流路に設置される。そのため、支持部134aの支持部各ボア部363のいずれにも、傾斜壁30は形成されていない。
支持部134aの支持部ボア間部54の上部には、冷却水通過口25が形成されている。冷却水通過口25は、支持部134aの背面側の冷却水が、支持部134aの内側に通り抜ける通過口である。そして、冷却水通過口25の近傍には、誘導壁126が形成されている。誘導壁126は、支持部134aの背面側を流れ、冷却水通過口25に向かって流れてくる冷却水が、冷却水通過口25に流れ込むように、冷却水を誘導するための壁である。誘導壁126には、冷却水通過口25の上側に上側壁261と冷却水流れ方向側の横側に横側壁262とがあるので、冷却水通過口25の斜め下から流れてくる冷却水を、上側壁261と横側壁262とが堰き止めるため、冷却水は、冷却水通過口25に流れ込む。また、誘導壁126の横側壁262の下端には、横側壁262の下端に向かって上り傾斜の呼び込み壁263が繋がっている。呼び込み壁263は、冷却水通過口25より下を通過する冷却水を、冷却水通過口25に集める役割を果たす。
支持部134aのうち、隣り合う支持部各ボア部が繋がる部位が、支持部各ボア部の境界48である。そして、支持部134aのうち、支持部各ボア部の境界48及びその近傍の部分は、溝状冷却水流路側の壁面のうち、ボア間壁191の横側に相当する壁面に対向する部分である。本発明では、支持部のうち、支持部各ボア部の境界及びその近傍の部分、すなわち、溝状冷却水流路側の壁面のうち、ボア間壁の横側に相当する壁面と対向する部分を、支持部ボア間部と呼ぶ。
シリンダボア壁の保温具36a及びシリンダボア壁の保温具136aは、例えば、図1に示すシリンダブロック11の溝状冷却水流路14に設置される。図19に示すように、シリンダボア壁の保温具36a及びシリンダボア壁の保温具136aを、シリンダブロック11の溝状冷却水流路14に挿入して、図20及び図21に示すように、シリンダボア壁の保温具36a及びシリンダボア壁の保温具136aを、溝状冷却水流路14に設置する。このようにして、シリンダボア壁の保温具36aは、一方の片側半分の壁面17a側に設置され、シリンダボア壁の保温具136aは、他方の片側半分の壁面17bに設置される。
このとき、シリンダボア壁の保温具36aでは、各ボア壁保温部35のゴム部材31の接触面6から金属板バネ39の先端側27までの距離が、溝状冷却水流路14の幅よりも大きくなるように、金属板バネ39が付設されている。そのため、シリンダボア壁の保温具36aが、溝状冷却水流路14に設置されると、金属板バネ39が、各ボア壁保温部35の背面と壁面18との間に挟まれることにより、金属板バネ39の先端27には、金属板バネ付設部材33に向かう方向に力が加えられる。このことにより、金属板バネ39は、先端27が金属板バネ付設部材33側に近づくように変形するので、金属板バネ39には、元に戻ろうとする弾性力が生じる。そして、この弾性力により、金属板バネ付設部材33は、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面17に向かって押され、その結果、金属板バネ付設部材33により押された背面押し付け部材32により、ゴム部材31が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面17に押し付けられる。つまり、シリンダボア壁の保温具36aが、溝状冷却水流路14に設置されることにより、金属板バネ39が変形し、その変形が戻ろうとして生じる弾性力により、ゴム部材31を溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面17に押し付けるように、背面押し付け部材32が付勢される。このようにして、シリンダボア壁の保温具36aの各ボア壁保温部35のゴム部材31が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の全壁面17のうちの一方の片側半分の壁面17aの一部の各シリンダボアのボア壁面に接触する。
このとき、シリンダボア壁の保温具36aでは、各ボア壁保温部35は、各ボア壁保温具を上から見たときの円弧方向の中央又は中央近傍のみが、支持部34aに固定されているので、各ボア壁保温部35の金属板バネ付設部材33及び背面押し付け部材32が金属板バネ39で付勢されたときに、支持部34aとは独立して、金属板バネ付設部材33、背面押し付け部材32及びゴム部材31が変形することができる。図22を参照して説明する。シリンダボア壁の保温具の作製においては、各ボア壁保温部のゴム部材の接触面の曲率が、ゴム部材が接触する各シリンダボアのボア壁の壁面の曲率と合うように、ゴム部材は加工されるが、実際には、ゴム部材の接触面及び各シリンダボアのボア壁の壁面のいずれにも、設計値に対して加工誤差が生じてしまう。そして、ゴム部材の接触面又は各シリンダボアのボア壁の壁面の加工誤差により、ゴム部材の接触面の曲率が各シリンダボアのボア壁の壁面の曲率より小さくなってしまった場合に、図22(A)に示すように、保温部の全体が、支持部に固定されていたならば(例えば、保温部を上から見たときの円弧方向の中央近傍と両端近傍の合計3か所が支持部に固定されていたならば)、金属板バネで付勢されたときに、ゴム部材56の円弧方向の中央近傍は、各シリンダボアのボア壁23に接触することはできるが、端の方の部分は、ボア壁には接触できない。それに対して、ゴム部材の接触面の曲率が各シリンダボアのボア壁の壁面の曲率より小さくなってしまった場合に、図22(B)に示すように、各ボア壁保温部を上から見たときの円弧方向の各ボア壁保温部35の中央又は中央近傍のみが、支持部34aに固定されていると、金属板バネ39で付勢されたときに、各ボア壁保温部35の端の方の部分が、支持部34aから離れて、各シリンダボアのボア壁23に向かうように変形できるので、ゴム部材31の円弧方向の中央近傍だけでなく、端の方も各シリンダボアのボア23壁に接触することができる。このようなことから、シリンダボア壁の保温具36aでは、加工誤差により、ゴム部材31の接触面6と各シリンダボアのボア壁23の壁面の曲率に差があったとしても、ゴム部材31を確実に各シリンダボアのボア壁の壁面に接触させることができるので、ゴム部材31の各シリンダボアのボア壁23の壁面(溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17)への密着性が高くなる。
また、シリンダボア壁の保温具36a及びシリンダボア壁の保温具136aが図1に示すシリンダロック11の溝状冷却水流路14に設置されている状態で、溝状冷却水流路14に冷却水が供給されたときの冷却水の流れを図23〜図27を参照して説明する。図23は、シリンダブロック11の冷却水供給口15から冷却水53が供給され、冷却水排出口16より排出されているときの、溝状冷却水流路を流れる冷却水53の流れ方向を示す図であり、シリンダブロック11を上から見た図である。なお、図23では、説明の都合上、シリンダボア壁の保温具36aの冷却水流れ抑制壁24の輪郭のみを二点鎖線で示し、シリンダボア壁の保温具36aのその他の部分及びシリンダボア壁の保温具136aの記載を省略した。図23に示すように、冷却水供給口15の近傍にある冷却水流れ抑制壁24の存在により、冷却水供給口15から供給された冷却水53は、先ず、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aの冷却水供給口15側の端から反対側の端に向かって流れ、次いで、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aの冷却水供給口15とは反対側の端まで流れると、他方の片側半分の溝状冷却水流路14bに回り込み、他方の片側半分の溝状冷却水流路14bを、冷却水排出口16に向かって流れ、次いで、冷却水排出口16より排出される。
図24に示すように、冷却水供給口15から供給される冷却水53は、先ず、ウォータージャケットスペーサー36aの支持部各ボア部361の背面側の冷却水当たり面29に当たる。そして、冷却水当たり面29の冷却水流れ方向側とは反対側には、冷却水流れ抑制壁24が形成されており、冷却水当たり面29のうちの、冷却水流れ方向側とは反対側の半分程度の部分を囲むように、冷却水流れ抑制壁24が形成されているので、冷却水当たり面29に当たった冷却水53は、冷却水流れ方向とは反対方向52に流れずに、冷却水流れ方向51に、傾斜壁30に向かって流れ出す。次いで、図25に示すように、冷却水当たり面29の冷却水流れ方向の先には、冷却水当たり面29の近傍から上り傾斜で延びる傾斜壁30が形成されているので、傾斜壁30に向かって流れ出した冷却水53は、この傾斜壁30により流れが変えられて、支持部ボア間部54の上部に形成されている冷却水通過口25に向かって流れる。つまり、傾斜壁30により、支持部ボア間部54の上部に形成されている冷却水通過口25に向かって流れる冷却水の流れが作られる。図25に示す形態例のシリンダボア壁の保温具36aには、支持部ボア間部54の上部3箇所に、冷却水通過口25a、25b、25cが形成されており、傾斜壁30aと傾斜壁30bの2つが、冷却水通過口25aに向かう冷却水流れと、冷却水通過口25bに向かう冷却水流れと、冷却水通過口25cに向かう冷却水流れとを作る。次いで、図26に示すように、冷却水通過口25の近傍には、冷却水通過口25に向かって流れてきた冷却水53が冷却水通過口25に流れ込むように誘導する誘導壁26が形成されているので、冷却水通過口25に向かって流れてきた冷却水53は、誘導壁26よって、冷却水通過口25に流れ込み、支持部34aの外側から内側へと流れていく。冷却水通過口25は、支持部ボア間部54の上部に形成されているので、冷却水通過口25の先には、各シリンダボアのボア壁の境界192及びその近傍の上部がある。そして、冷却水当たり面29から冷却水通過口25に向かって流れてくる冷却水53は、温度が低く、また、各シリンダボアのボア壁の境界192及びその近傍の上部は、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面のうち、最も温度が高くなる部分である。そのため、シリンダボア壁の保温具36aによれば、冷却水当たり面29から冷却水通過口25に向かって流れてくる冷却水53、すなわち、温度が低い冷却水を、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面のうち、最も温度が高くなる部分に当てることができるので、冷却効率が高くなる。
溝状冷却水流路内に流れ込んできた冷却水が、勢いよく流れる側とは反対側の片側半分の溝状冷却水流路(図23では、片側半分の溝状冷却水流路14b)では、冷却水はゆっくりと流れている。通常、シリンダブロックには、各シリンダボアのボア壁の境界の上部からシリンダヘッドのボア間壁に抜けるドリルパスと呼ばれる冷却水の通過孔が設けられているので、支持部134aの背面側の溝状冷却水流路には、各シリンダボアのボア壁の境界の上部、つまり、ボア間部54の上部に形成されている冷却水通過口25f、25g、25hに向かって、緩やかな冷却水の流れが生じている。そして、図27に示すように、呼び込み壁263f、263g、263hにより、冷却水通過口25f、25g、25hの下側を流れる冷却水53は、冷却水通過口25f、25g、25hに向かってくる冷却水53と共に、冷却水通過口25f、25g、25hの方に集められ、誘導壁126a、126b、126cによって、冷却水通過口25f、25g、25hに流れ込む。そのため、シリンダボア壁の保温具136aによれば、背面側を流れる冷却水を集めて、ドリルパスの入り口に流れ込ませることができるので、冷却効率が高くなる。
また、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具の他の形態例について説明する。図36は、本発明のシリンダボア壁の保温具の他の形態例を示す模式的な斜視図である。図37は、図36中のシリンダボア壁の保温具36bを上から見た図である。図38は、図36中のシリンダボア壁の保温具36bを横から見た図であり、冷却水通過口が形成されている側から見た図である。図39は、図36中のシリンダボア壁の保温具36bを横から見た図であり、冷却水通過口が形成されていない側から見た図である。
図36に示すシリンダボア壁の保温具36bは、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具の他の形態例であり、図44中、溝状冷却水流路14の周方向の全部に設置されるシリンダボア壁の保温具である。シリンダボア壁の保温具36bは、冷却水が供給される位置のシリンダボア壁の保温具の支持部各ボア部に、傾斜壁は形成されているが、冷却水当たり面及び冷却水流れ抑制壁は形成されていない形態例である。
シリンダボア壁の保温具36bにおいて、シリンダボア壁側に、ゴム部材31の接触面6が向き、ゴム部材31の接触面6が、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17に接触できるように、各ボア壁保温部35が固定されている点、シリンダボア壁の保温部36bの背面側では、各ボア壁保温部35に付設されている金属板バネ39が、支持部34bの開口42を通って、ゴム部材31とは反対側に向けて張り出している点は、シリンダボア壁の保温具36aと同様である。
シリンダボア壁の保温具36bに固定されている各ボア壁保温部35は、シリンダボア壁の保温具36aに固定されている各ボア壁保温部35と同様である。
支持部34bは、上から見たときに、シリンダボア壁を一周囲む形状に成形されており、支持部34bの形状は、溝状冷却水流路14の全周に沿う形状である。つまり、支持部34bの形状は、上から見たときに、6つの円弧が繋がった形状である。よって、支持部34bでは、上から見た時に円弧状の、一端の端ボア側の各ボア部561と、中間ボア側の各ボア部562aと、中間ボア側の各ボア部562bと、他端の端ボア側の各ボア部562cと、中間ボア側の各ボア部562dと、中間ボア側の各ボア部562eと、が順に繋がっている。また、支持部34bは、合成樹脂の射出成形体である。つまり、支持部34bは合成樹脂で形成されている。
支持部34bの支持部各ボア部のうち、各ボア部保温部35が固定される支持部各ボア部、すなわち、支持部各ボア部562a、支持部各ボア部562b、支持部各ボア部562c、支持部各ボア部562d及び支持部各ボア部562eには、各ボア壁保温部35に付設されている金属板バネ39が、シリンダボア壁の保温具36aの背面側から、支持部34bを通り抜けて、溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面17とは反対側の壁面18に向かって張り出すことができるように、開口42が形成されている。
そして、シリンダボア壁の保温具36aと同様に、シリンダボア壁の保温具36bでは、各ボア壁保温部35は、上から見たときの円弧方向の中央又は中央近傍のみが、支持部34bに固定されている。
支持部各ボア部には、傾斜壁50が形成されている支持部各ボア部561と、傾斜壁50が形成されていない支持部各ボア部562とがある。なお、冷却水53は、シリンダボア壁の保温具36bに対して、図37中の矢印で示す方向に供給される。
支持部各ボア部561は、冷却水が溝状冷却水流路内に供給される位置にある各ボア部である。図44に示すシリンダブロック31の場合だと、冷却水供給口44が形成されている位置に、支持部各ボア部561がある。
支持部各ボア部561には、背面側に、傾斜壁50が形成されている。傾斜壁50は、冷却水供給口44から供給された冷却水が、冷却水通過口45に向かって流れるように、冷却水が流れ込んでくる位置近傍から冷却水通過口45に向かう冷却水の流れを作る傾斜壁である。そのため、傾斜壁50は、冷却水供給口から供給された冷却水の多くが、支持部と溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面との間に流れ込む位置近傍を始点として、上り傾斜で延びている。
支持部ボア間部54の上部には、冷却水通過口45が形成されている。冷却水通過口45は、支持部34bの背面側の冷却水が、支持部34bの内側に通り抜ける通過口である。そして、冷却水通過口45の近傍には、誘導壁46が形成されている。誘導壁46は、冷却水が流れ込んでくる位置から冷却水通過口45に向かって流れてくる冷却水が、冷却水通過口45に流れ込むように、冷却水を誘導するための壁である。誘導壁46には、冷却水通過口45の上側に上側壁と冷却水流れ方向側の横側に横側壁とがあるので、冷却水通過口45の斜め下から流れてくる冷却水を、上側壁と横側壁とが堰き止めるため、冷却水は、冷却水通過口45に流れ込む。また、誘導壁46の横側壁の下端には、横側壁の下端に向かって上り傾斜の呼び込み壁が繋がっている。呼び込み壁は、冷却水通過口45より少し下を通過する冷却水を、冷却水通過口25に集める役割を果たす。なお、図36に示す形態例では、誘導壁46aの呼び込み壁は、傾斜壁50aと繋がっている。
支持部各ボア部561の冷却水が供給される位置の内側には、縦リブ55が形成されている。また、支持部34bの各ボア部のうち、支持部各ボア部561には、冷却水流れ変更部材66が形成されている。冷却水流れ変更部材66は、溝状冷却水流路を流れてきた冷却水の流れを止め、冷却水の流れを上向きに変える部材である。なお、流れの向きを上向きに変えた冷却水は、シリンダブロックの上に設置されているシリンダヘッドの冷却水流路に流れ込む。
シリンダボア壁の保温具36bは、例えば、図44に示すシリンダブロック31の溝状冷却水流路14に設置される。
シリンダボア壁の保温具36bが図44に示すシリンダロック31の溝状冷却水流路14に設置されている状態で、溝状冷却水流路14に冷却水が供給されたときの冷却水の流れを図41〜図44を参照して説明する。図44は、シリンダブロック31の冷却水供給口44から冷却水53が供給され、シリンダブロック31の上に設置されているシリンダヘッドの冷却水流路に排出されているときの、溝状冷却水流路を流れる冷却水53の流れ方向を示す図であり、シリンダブロック31を上から見た図である。なお、図44では、説明の都合上、シリンダボア壁の保温具36bの冷却水流れ変更部材66の輪郭のみを二点鎖線で示し、シリンダボア壁の保温具36bのその他の部分の記載を省略した。図44に示すように、シリンダブロック31の構造は、冷却水供給口44から供給される冷却水が、溝状冷却水流路14内に設置されているシリンダボア壁の保温具の背面に強く当たらずに、シリンダボア壁の保温具の支持部と溝状冷却水流路のシリンダブロック側の壁面とは反対側の壁面との間を通って、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aに流れていく構造である。そして、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aの一端側に流れ込んだ冷却水は、先ず、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aの一端側から反対側の端に向かって流れ、次いで、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aの冷却水が流れ込む側の端とは反対側の端まで流れると、他方の片側半分の溝状冷却水流路14bに回り込み、他方の片側半分の溝状冷却水流路14bを、冷却水供給口44の方に向かって流れる。他方の片側半分の溝状冷却水流路14bにおける冷却水の流れ方向で、冷却水供給口44の手前には、冷却水流れ変更部材66があるので、冷却水は、冷却水流れ変更部材66の位置で流れを上向きに変え、シリンダヘッドの冷却水流路へと排出される。
図44に示すシリンダブロック31の冷却水供給口44から供給された冷却水53は、先ず、シリンダボア壁の保温具36bの支持部各ボア部561と溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面との間を通って、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aに流れ込む。次いで、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aの冷却水が流れ込む側には、支持部各ボア部561があり、図41に示すように、支持部各ボア部561の背面側には、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aの入り口近傍に位置する部分65を始点として、上り傾斜の傾斜壁50が形成されているので、冷却水53は、この傾斜壁50により流れが変えられて、支持部ボア間部54の上部に形成されている冷却水通過口45に向かって流れる。つまり、傾斜壁50により、支持部ボア間部54の上部に形成されている冷却水通過口45に向かって流れる冷却水の流れが作られる。図36に示す形態例のシリンダボア壁の保温具36bには、支持部ボア間部54の上部3箇所に、冷却水通過口45a、45b、45cが形成されており、傾斜壁50aと傾斜壁50bと傾斜壁50cの3つが、冷却水通過口45aに向かう冷却水流れと、冷却水通過口45bに向かう冷却水流れと、冷却水通過口45cに向かう冷却水流れとを作る。次いで、冷却水通過口45の近傍には、冷却水通過口45に向かって流れてきた冷却水53が冷却水通過口45に流れ込むように誘導する誘導壁46が形成されているので、冷却水通過口45に向かって流れてきた冷却水53は、誘導壁46よって、冷却水通過口45に流れ込み、支持部34bの外側から内側へと流れていく。冷却水通過口45は、支持部ボア間部54の上部に形成されているので、冷却水通過口45の先には、各シリンダボアのボア壁の境界192及びその近傍の上部がある。そして、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aの各ボア部561の背面側に流れ込んでくる冷却水53は、温度が低く、また、各シリンダボアのボア壁の境界192及びその近傍の上部は、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面のうち、最も温度が高くなる部分である。そのため、シリンダボア壁の保温具36bによれば、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aの支持部各ボア部561の背面側に流れ込んでくる冷却水53、すなわち、温度が低い冷却水を、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面のうち、最も温度が高くなる部分に当てることができるので、冷却効率が高くなる。
また、一方の片側半分の溝状冷却水流路14aの支持部各ボア部561、支持部各ボア部562a、支持部各ボア部562bの背面側の冷却水のうち、冷却水通過口45に流れ込まなかった冷却水は、支持部各ボア部562cの背面側を流れて、他方の片側半分の溝状冷却水流路14bに流れ、支持部各ボア部562dの背面側、支持部各ボア部562eの背面側と流れていき、冷却水流れ変更部材66が形成されている位置まで流れていく。図43に示すように、冷却水流れ変更部材66まで流れてきた冷却水53は、冷却水流れ変更壁661に当たり、流れ方向を上向きに変えて流れ、シリンダブロック31の上に設置されているシリンダヘッドの冷却水流路へと流れていく。なお、冷却水流れ変更部材66には、冷却水53を冷却水流れ変更壁661に向かって流れ込ませ且つ冷却水が冷却水流れ変更壁661と溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面との隙間を通り抜け難くするために、冷却水流れ変更壁661の横側且つ流れ方向の手前に張り出す囲い壁662が形成されている。
また、冷却水流れ変更部材66の冷却水流れ変更壁661は、冷却水供給口44から溝状冷却水流路14に供給された冷却水が、支持部各ボア部562eの方に向かって冷却水が流れるのを防ぐ役割も果たす。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具は、シリンダボアを有する内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置され、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁の周方向全部又は全シリンダボアのボア壁のうちの周方向の一部を保温するための保温具であり、
上から見たときに円弧形状を有し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための各ボア壁保温部と、該保温具の設置位置の該溝状冷却水流路の形状に沿う形状を有し、該各ボア壁保温部が固定される支持部と、を有し、
該各ボア壁保温部は、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を覆うためのゴム部材と、該ゴム部材の背面側に設けられ、該ゴム部材全体を背面側から該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けるための背面押し付け部材と、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、該背面押し付け部材が該ゴム部材を押し付けるように付勢する弾性部材と、を有し、
該各ボア壁保温部が固定される支持部各ボア部には、該弾性部材が該支持部の内側から背面側に抜けるための開口が形成されており、
支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
該支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁を有し、該溝状冷却水流路に冷却水が供給される位置の支持部の背面側に、上り傾斜で延び、該冷却水通過口に向かう冷却水の流れを作る傾斜壁を有し、
該各ボア壁保温部は、円弧方向の中央又は中央近傍のみが、該支持部に固定されていること、
を特徴とするシリンダボア壁の保温具である。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具は、内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置される。本発明のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックは、シリンダボアが直列に2つ以上並んで形成されているオープンデッキ型のシリンダブロックである。シリンダブロックが、シリンダボアが直列に2つ並んで形成されているオープンデッキ型のシリンダブロックの場合、シリンダブロックは、2つの端ボアからなるシリンダボアを有している。また、シリンダブロックが、シリンダボアが直列に3つ以上並んで形成されているオープンデッキ型のシリンダブロックの場合、シリンダブロックは、2つの端ボアと1つ以上の中間ボアとからなるシリンダボアを有している。なお、本発明では、直列に並んだシリンダボアのうち、両端のボアを端ボアと呼び、両側が他のシリンダボアで挟まれているボアを中間ボアと呼ぶ。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されるのは、溝状冷却水流路である。内燃機関の多くでは、シリンダボアの溝状冷却水流路の中下部に相当する位置が、ピストンの速さが速くなる位置なので、この溝状冷却水流路の中下部を保温することが好ましい。図2では、溝状冷却水流路14の最上部9と最下部8の中間近傍の位置10を、点線で示しているが、この中間近傍の位置10から下側の溝状冷却水流路14の部分を、溝状冷却水流路の中下部と呼ぶ。なお、溝状冷却水流路の中下部とは、溝状冷却水流路の最上部と最下部の丁度中間の位置から下の部分という意味ではなく、最上部と最下部の中間位置の近傍から下の部分という意味である。また、内燃機関の構造によっては、ピストンの速さが速くなる位置が、シリンダボアの溝状冷却水流路の下部に当たる位置である場合もあり、その場合は、溝状冷却水流路の下部を保温することが好ましい。よって、溝状冷却水流路の最下部からどの位置までを本発明のシリンダボア壁の保温具で保温するか、つまり、ゴム部材の上端の位置を溝状冷却水流路の上下方向のどの位置にするかは、適宜選択される。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具は、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための保温部と、保温部が固定される支持部と、を有する。そして、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具は、周方向に見たときに、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面の周方向全部又は溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面のうちの周方向の一部を保温するための保温具である。つまり、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具は、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁を周方向に全部又は全シリンダボアのボア壁を周方向に一部保温するための保温具である。本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具のとしては、例えば、図5に示す形態例及び図31に示す形態例のように、全シリンダボアのボア壁のうち片側の一部を保温するための保温具、図32に示す形態例のように、全シリンダボアのボア壁の一方の片側半分と他方の片側の一部を保温するための保温具が挙げられる。なお、本発明において、片側半分とは、シリンダボア壁又は溝状冷却水流路の周方向の片側半分との意味である。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具では、各ボア壁保温部は、各ボア壁保温部で保温しようとする各シリンダボアのボア壁毎に設置される。各ボア壁保温部の数及び設置範囲は、各ボア壁保温部で保温しようとする各シリンダボアのボア壁の数及び保温部位によって、適宜選択される。本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具では、1つの支持部各ボア部に1つの各ボア壁保温部が設置されていてもよいし、1つの支持部各ボア部に2つの各ボア壁保温部が設置されていてもよいし、1つの支持部各ボア部に3つ以上の各ボア壁保温部が設置されていてもよいし、あるいは、これらの組み合わせであってもよいし、あるいは、支持部各ボア部の一部に各ボア壁保温部が設置されていないものがあってもよい。例えば、図5に示すシリンダボア壁の保温具36aでは、中間ボアのボア壁側の支持部各ボア部及び冷却水が供給される位置とは反対側の端ボアのボア壁側の支持部各ボア部に対しては各ボア壁保温部が1つ設置されており、冷却水が供給される位置の端ボアのボア壁側の支持部各ボア部には各ボア壁保温部は設置されていない。また、図31に示すシリンダボア壁の保温具36cでは、中間ボアの一方のボア壁側の支持部各ボア部及び冷却水が供給される位置とは反対側の端ボアのボア壁側の支持部各ボア部に対しては各ボア壁保温部が1つ設置されており、冷却水が供給される位置の端ボアのボア壁側の支持部各ボア部及び中間ボアの他方のボア壁側の支持部各ボア部には各ボア壁保温部が設置されていない。また、図32に示すシリンダボア壁の保温具36dでは、冷却水が供給される位置の端ボアとは反対側の端ボアのボア壁側の支持部各ボア部に対しては各ボア壁保温部が2つ設置されており、中間ボアのボア壁側の支持部各ボア部及び冷却水が供給される位置の端ボアのボア壁側の支持部各ボア部に対しては各ボア壁保温部が1つ設置されている。また、図33(D)に示す形態例では、各シリンダボアのボア壁側の支持部各ボア部1つに対して2つの各ボア壁保温部が設置されている。また、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具では、接触面側から見たときに、1つの支持部各ボア部の略全体に各ボア壁保温具が設置されていてもよいし、1つの支持部各ボア部の一部分に各ボア壁保温具が設置されていてもよいし、あるいは、これらの組み合わせであってもよい。例えば、図33(A)に示す形態例では、接触面側から見たときに、支持部各ボア部362の略全体に各ボア壁保温部35が設置されている。また、図33(B)に示す形態例では、接触面側から見たときに、支持部各ボア部462bの略下側半分に各ボア壁保温部35fが設置されている。また、図33(C)に示す形態例では、接触面側から見たときに、支持部各ボア部462cの略上側半分に各ボア壁保温部35eが設置されている。また、図33(D)に示す形態例では、接触面側から見たときに、支持部各ボア部462dの左下略4分の1に各ボア壁保温部35d1が、右上略4分の1に各ボア壁保温部35d2が設置されている。図33(B)、(C)及び(D)に示す形態例では、図33(A)に示す形態例より更に細かく保温範囲を設定するができる。なお、支持部各ボア部とは、各シリンダボアのボア壁側の支持部の部分のことであり、上から見たときの支持部を形成する円弧形状の1つ分である。また、図33は、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具の形態例の模式図であり、支持部各ボア部の1つ分を示した図であり、左側が各形態例を背面側から見た図であり、右側が各形態例を接触面側から見た図である。
また、支持部は、各ボア壁保温部が固定されて支持される支持部材であり、各ボア壁保温部が固定されることにより、各ボア壁保温部の位置が溝状冷却水流路内でずれないように、各ボア壁保温部の位置を定める役割をするので、支持部は、上から見たときに、本発明のシリンダボア壁の保温具が設置される溝状冷却水流路に沿う形状を有する。例えば、支持部の形状としては、シリンダブロックの溝状冷却水流路の全部に対応する形状(すなわち、シリンダボア壁を一周囲む形状)、片側半分に対応する形状、片側の一部に対応する形状、一方の片側半分と、それに繋がる他方の片側の一部に対応する形状、一方の片側半分の一部と、それに繋がる他方の片側の一部に対応する形状等が挙げられる。
また、図5に示す形態例、図31に示す形態例及び図32に示す形態例では、冷却水が供給される位置の支持部各ボア部の内側には、各ボア壁保温部は固定されていないが、これらに限定されず、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具では、冷却水が供給される位置の支持部各ボア部の内側に、各ボア壁保温部は固定されていてもよいし、あるいは、冷却水が供給される位置の支持部各ボア部の内側に、各ボア壁保温部が固定されていなくてよい。また、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具に係る各ボア壁保温部には該当しない保温用のゴム部材等が設置されていてもよい。
各ボア壁保温部は、ゴム部材と、背面押し付け部材と、弾性部材と、を有する。
ゴム部材は、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に直接接して、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を覆い、シリンダボア壁を保温する部材であり、弾性部材の付勢力で、背面押し付け部材により、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に押し付けられる。そのため、このゴム部材は、上から見たときに、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に沿う形状、つまり、円弧状の形状に成形されている。また、ゴム部材を横から見たときの形状は、ゴム部材で覆わせようとする溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面の部分に合わせて、適宜選択される。
ゴム部材の材質としては、例えば、ソリッドゴム、膨張ゴム、発泡ゴム、軟性ゴム等のゴム、シリコーン系ゲル状素材等が挙げられる。シリンダボア壁の保温具を溝状冷却水流路内に設置するときに、ゴム部材がシリンダボア壁に強く接触して、ゴム部材が削られるのを防ぐことができる点で、シリンダボア壁の保温具の設置後に、溝状冷却水流路内でゴム部材部分を膨張させることができる感熱膨張ゴム又は水膨潤性ゴムが好ましい。
ソリッドゴムの組成としては、天然ゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
膨張ゴムとしては、感熱膨張ゴムが挙げられる。感熱膨張ゴムは、ベースフォーム材にベースフォーム材より融点が低い熱可塑性物質を含浸させ圧縮した複合体であり、常温では少なくともその表層部に存在する熱可塑性物質の硬化物により圧縮状態が保持され、且つ、加熱により熱可塑性物質の硬化物が軟化して圧縮状態が開放される材料である。感熱膨張ゴムとしては、例えば、特開2004−143262号公報に記載の感熱膨張ゴムが挙げられる。ゴム部材の材質が感熱膨張ゴムの場合は、本発明のシリンダボア壁の保温具が溝状冷却水流路に設置され、感熱膨張ゴムに熱が加えられることで、感熱膨張ゴムが膨張して、所定の形状に膨張変形する。
感熱膨張ゴムに係るベースフォーム材としては、ゴム、エラストマー、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の各種高分子材料が挙げられ、具体的には、天然ゴム、クロロプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエン三元共重合体、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等の各種合成ゴム、軟質ウレタン等の各種エラストマー、硬質ウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の各種熱硬化性樹脂が挙げられる。
感熱膨張ゴムに係る熱可塑性物質としては、ガラス転移点、融点又は軟化温度のいずれかが120℃未満であるものが好ましい。感熱膨張ゴムに係る熱可塑性物質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体、エチレン酢酸ビニルアクリル酸エステル共重合体、エチレン酢酸ビニル塩化ビニル共重合体、ナイロン、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、熱可塑性ポリイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、低融点ガラスフリット、でんぷん、はんだ、ワックス等の各種熱可塑性化合物が挙げられる。
また、膨張ゴムとしては、水膨潤性ゴムが挙げられる。水膨潤性ゴムは、ゴムに吸水性物質が添加された材料であり、水を吸収して膨潤し、膨張した形状を保持する保形性を有するゴム材である。水膨潤性ゴムとしては、例えば、ポリアクリル酸中和物の架橋物、デンプンアクリル酸グラフト共重合体架橋物、架橋カルボキシメチルセルロース塩、ポリビニルアルコール等の吸水性物質がゴムに添加されたゴム材が挙げられる。また、水膨潤性ゴムとしては、例えば、特開平9−208752号公報に記載されているケチミン化ポリアミド樹脂、グリシジルエーテル化物、吸水性樹脂及びゴムを含有する水膨潤性ゴムが挙げられる。ゴム部材の材質が水膨潤性ゴムの場合は、本発明のシリンダボア壁の保温具が溝状冷却水流路に設置され冷却水が流されて、水膨潤性ゴムが水を吸収することで、水膨潤性ゴムが膨張して所定の形状に膨張変形する。
発泡ゴムは、多孔質のゴムである。発泡ゴムとしては、連続気泡構造を有するスポンジ状の発泡ゴム、独立気泡構造を有する発泡ゴム、半独立発泡ゴム等があげられる。発泡ゴムの材質としては、具体的には、例えば、エチレンプロピレンジエン三元共重合体、シリコーンゴム、ニトリルブタジエン共重合体、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。発泡ゴムの発泡率は、特に制限されず、適宜選択され、発泡率を調節することにより、ゴム部材の含水率を調節することができる。なお、発泡ゴムの発泡率とは、((発泡前密度−発泡後密度)/発泡前密度)×100で表される発泡前後の密度割合を指す。
ゴム部材の材質が水膨潤性ゴム、発泡ゴムのように、含水することができる材料の場合、本発明のシリンダボア壁の保温具が、溝状冷却水流路内に設置され、溝状冷却水流路に冷却水が流されたときに、ゴム部材が含水する。溝状冷却水流路に冷却水が流されたときに、ゴム部材の含水率を、どのような範囲とするかは、内燃機関の運転条件等により、適宜選択される。なお、含水率とは、(冷却水重量/(充填剤重量+冷却水重量))×100で表される重量含水率を指す。
ゴム部材の材質として、膨張ゴムを用いる場合、図35に示すように、膨張前に比べ、膨張後のゴム部材31cの表面26cの位置が、折り曲げ部40cよりボア壁側に(溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面寄りに)、膨張するように設計することが好ましい。図35に示す形態例では、ゴム部材31cが溝状冷却水流路内で弾性部材39により付勢される前且つ膨張する前は(図35(A))、ゴム部材31cの接触面の曲率が、ゴム部材が接触する各シリンダボアのボア壁23の曲率より大きい。そのため、ゴム部材31cとボア壁23との間に隙間がある。そして、その状態から、ゴム部材31cが弾性部材により付勢され且つ膨張すると(図35(B))、ゴム部材31cの表面26cの位置が、折り曲げ部40cよりボア壁側になるように、ゴム部材31cが膨張すると共に、各ボア壁保温部35cの円弧方向の中央又は中央近傍の部分が、弾性部材39により背面側から押されることにより、各ボア壁保温部35の円弧方向の中央又は中央近傍以外の部分が、支持部34cとは独立して、各ボア壁保温部35の円弧方向の両端側の部分が、外に開くように変形する。また、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具では、このような、各ボア壁保温部のゴム部材の接触面の曲率が、ゴム部材が接触する各シリンダボアのボア壁の曲率より大きい場合に、各ボア壁保温部の円弧方向の中央又は中央近傍の部分が、弾性部材により背面側から押されて、各ボア壁保温部の円弧方向の中央又は中央近傍以外の部分が、支持部とは独立して、各ボア壁保温部の円弧方向の両端側の部分が、外に開くように変形することは、ゴム部材が膨張ゴムであっても、ゴム部材が膨張しないゴムであっても、起こる。なお、各ボア壁保温部のゴム部材が膨張ゴムの場合、各ボア壁保温部には、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具が溝状冷却水流路に設置された後、膨張ゴムが、冷却水に接触し又は加熱されることによって膨張して、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触するようになる形態もある。
ゴム部材の厚みは、特に制限されず、適宜選択される。
背面押し付け部材は、上から見たときに、円弧状に成形されており、ゴム部材の全体をゴム部材の背面側から押し付けることができるように、ゴム部材の背面側(接触面側とは反対側の面)に沿う形状であり、ゴム部材の背面側全体又はほぼ背面側全体を覆う形状である。背面押し付け部材の材質は、弾性部材により背面側から押されたときに、ゴム部材を溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けることができるよう変形できるものであればよく、適宜選択されるが、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属板が好ましい。背面押し付け部材の厚みは、弾性部材により背面側から押し付けられたときに、ゴム部材を溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けることができるよう変形できるものであればよく、適宜選択される。
弾性部材は、各ボア壁保温部の背面側に付設されている。この弾性部材は、本発明のシリンダボア壁の保温具が、溝状冷却水流路に設置されることにより、弾性変形し、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、背面押し付け部材がゴム部材を押し付けるように、弾性力により付勢するための部材である。
弾性部材は、各ボア壁保温部を上から見たときに、各ボア壁保温部の円弧方向に、2つ以上付設されている。弾性部材の付設箇所が1つの場合、保温具全体を押し付けるために、弾性部材を各ボア壁保温部の円弧方向の中央又は中央近傍に付設することになるが、これだと、各ボア壁保温部の中央又は中央近傍は、支持部に固定されているので、各ボア壁保温部を支持部と一緒に押し付けることになる。そのため、各ボア壁保温部が、支持部とは独立に、各ボア壁保温部の端の方の部分が支持部から離れて変形して、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、ゴム部材が押し付けられることはない。このようなことから、各ボア壁保温部の両方の端の方の部分が、支持部とは独立に、支持部から離れて変形して、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、ゴム部材を押し付けられるように、弾性部材は、少なくとも、各ボア壁保温部の一方の端側寄りに1か所、他方の端寄りに1か所の合計2か所に付設されている必要がある。そして、各ボア壁保温部の全体が押し付けられ、且つ、各ボア壁保温部の両方の端の方の部分が、支持部とは独立に押し付けされるように、弾性部材が、各ボア壁保温部の円弧方向の中央又は中央近傍に1か所、各ボア壁保温部の一方の端側寄りに1か所、他方の端寄りに1か所の合計3か所に付設されていることが好ましい。更に、各ボア壁保温部のゴム部材の溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面への密着性を高めるために、円弧方向の4か所以上に弾性部材が付設されていてもよい。
弾性部材の形態は、特に制限されず、例えば、板状の弾性部材、コイル状の弾性部材、重ね板バネ、トーションバネ、弾性ゴム等が挙げられる。弾性部材の材質は、特に制限されないが、耐LLC性が良く及び強度が高い点で、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム合金等が好ましい。弾性部材としては、金属板バネ、コイルバネ、重ね板バネ、トーションバネ等の金属弾性部材が好ましい。
弾性部材としては、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面に接する部分及びその近傍が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面に対して膨出する曲面状に成形されていることが、本発明のシリンダボア壁の保温具を溝状冷却水流路内に挿入するときに、弾性部材の壁面との接触部分により、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面が傷付けられるのを防ぐことができる点で好ましい。このような形態例としては、図30に示す形態例が挙げられる。図30中、各ボア壁保温具35aの背面側には、金属板バネ39aが付設されている金属板バネ付設部材33aが設けられている。図30(A)に示すように、金属板バネ39aの先端部27aは、折り返し部271が、各ボア壁保温部35a側に折り曲げられることにより形成されている。そして、図30(B)及び(C)に示すように、先端部27aは、接触する壁面(溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面)に対して膨出する曲面状に成形されている。つまり、図30に示す形態例では、弾性部材である金属板バネのうち、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面に接触する先端部分が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面に対して膨出する曲面状に成形されている。なお、図30(A)は各ボア壁保温部35aの端面図であり、各ボア壁保温部35aを円弧方向の中央で垂直に切った端面図であり、また、図30(B)は各ボア壁保温部35aが固定されている支持部各ボア部を背面側斜め上から見た図であり、また、図30(C)は図30(B)中の点線で囲った部分Aを上から見た図である。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具では、溝状冷却水流路に設置されたときに、弾性部材により、ゴム部材が適切な押し付け力で付勢されるように、溝状冷却水流路の形状等に合わせて、弾性部材の形態、形状、大きさ、設置位置、設置数等が、適宜選択される。
図5に示すシリンダボア壁の保温具36aでは、金属板バネ付設部材と弾性部材である金属板バネが一体成形され、金属板バネが形成されている金属板バネ付設部材に、ゴム部材及び背面押し付け部材が固定されることにより、弾性部材が各ボア壁保温部に付設されているが、各ボア壁保温部に弾性部材を付設する方法は、特に制限されない。他の方法としては、例えば、金属板バネ、金属コイルバネ、重ね板バネ又はトーションバネ等の金属製の弾性部材を金属板からなる背面押し付け部材に溶接し、弾性部材が溶接された背面押し付け部材に、ゴム部材を固定する方法等が挙げられる。図34に示す形態例では、金属板からなり且つ上下にゴム部材を固定するための折り曲げ部40d及び保温具を支持部に固定するための折り曲げ部37dが形成されている背面押し付け部材47に、縦長の矩形の金属板からなる金属板バネ39dが、溶接されている。
各ボア壁保温部の形態例としては、図28及び図29に示す形態例が挙げられる。図28に示すように、膨張ゴムであるゴム部材31gに、その背面側から背面押し付け部材32と、金属板バネ39が付設され且つ折り曲げ部40、折り曲げ部41及び折り曲げ部37が形成されている金属板バネ付設部材33gと、を順に合わせ、更に、ゴム部材31gの接触面側に、ロ字状の金属薄板からなるロ字状当て板30を合わせる。次いで、折り曲げ部40及び折り曲げ部41を折り曲げて、図29に示すように、折り曲げ部40及び折り曲げ部41で、背面押し付け部材32、ゴム部材31g及びロ字状当て板30を挟み込ませることにより、金属板バネ付設部材33gに、背面押し付け部材32、ゴム部材31g及びロ字状当て板30を固定して、各ボア壁保温部35cを作製する。つまり、各ボア壁保温部としては、膨張ゴムであるゴム部材と、背面押し付け部材と、弾性部材と、ゴム部材の接触面側に配置され、ロ字状の金属板からなるロ字状当て板と、を有する各ボア壁保温部が挙げられる。ロ字状当て板は、接触面側から見たときに、ロ字状であるので、ゴム部材の面の4辺側の端に接している。言い換えると、ロ字状当て板は、内側に矩形の開口を有している。そして、膨張ゴムであるゴム部材が膨張することにより、この開口の部分から、膨張ゴムが、当て板よりも外に飛び出し、飛び出した部分の表面がゴム部材の接触面となる。このようなロ字状当て板を有する各ボア壁保温部では、ゴム部材を固定するための折り曲げ部が、直接ゴム部材に接触せず、且つ、折り曲げ部に比べ非常に接触面積が大きいロ字状当て板がゴム部材に接触するので、ゴム部材との接触面積が小さい折り曲げ部が、ゴム部材に食い込むことにより、ゴム部材がちぎれ易くなることを防ぐことができる。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具では、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面の方に、ゴム部材の接触面が向き、ゴム部材の接触面が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触できるように、各ボア壁保温部が支持部に固定されている。また、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具の背面側では、各ボア壁保温部に付設されている弾性部材が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面に接触できるように、支持部の開口を通り抜けて、ゴム部材とは反対側に向けて張り出している。
支持部に固定される各ボア壁保温部の数は、各ボア壁保温部により保温しようとする各シリンダボアのボア壁の数、保温部位により、適宜選択される。
支持部は、溝状冷却水流路内での各ボア壁保温部の位置がずれないように、各ボア壁保温部が固定される部材であるので、本発明のシリンダボア壁の保温具の設置位置の溝状冷却水流路に沿った形状をしており、上から見たときに、全シリンダボアを一周囲む形状又は複数の円弧が連続する形状に成形されている。支持部は、合成樹脂製、金属製等が挙げられる。支持部は、合成樹脂製が好ましく、合成樹脂製の支持部は、通常、合成樹脂の射出成形により、冷却水流れ仕切り部材等の支持部に付設される部材と共に、一体成形されて作製される。支持部の材料は、耐熱性及び耐LLC性を有していれば、特に制限されず、シリンダボアのボア壁の保温具やウォータージャケットスペーサに用いられる合成樹脂、金属材等であればよい。
支持部には、支持部より溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面側にある各ボア壁保温部に付設されている弾性部材が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面に接することができるように、弾性部材が通り抜ける開口部が形成されている。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具は、支持部各ボア部の全てに各ボア壁保温部が設置されているものであっても、全支持部各ボア部のうちの一部に各ボア壁保温部が設置されているものであってもよい。全支持部各ボア部のうちの一部に各ボア壁保温部が設置されている本発明のシリンダボア壁の保温具の形態としては、例えば、支持部の形状が、全シリンダボアのボア壁を一周囲む形状であり、各ボア壁保温部が、全支持部各ボア部のうちの一部に設置されている保温具、例えば、図31に示すシリンダボア壁の保温具36cや、支持部の形状が、全シリンダボアのボア壁のうち片側半分に対応する形状であり、各ボア壁保温部が、全支持部各ボア部のうちの一部に設置されている保温具、例えば、図5に示すシリンダボア壁の保温具36aが挙げられる。また、全支持部各ボア部のうちの全部に各ボア壁保温部が設置されている本発明のシリンダボア壁の保温具の形態としては、例えば、支持部の形状が、全シリンダボアのボア壁を一周囲む形状であり、各ボア壁保温部が、全支持部各ボア部のうちの全部に設置されている保温具、例えば、図32に示すシリンダボア壁の保温具36cが挙げられる。
本発明のシリンダボア壁の保温具(本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具及び後述する本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具)では、各ボア壁保温部は、上から見たときの円弧方向の中央又は中央近傍のみ、支持部に固定されている。よって、本発明のシリンダボア壁の保温具では、各ボア壁保温部のうち、円弧方向の中央又は中央近傍以外の部分は、支持部には固定されていないので、弾性部材により背面側から押されたときに、各ボア壁保温部の円弧方向の中央又は中央近傍以外の部分は、支持部から離れて、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かうように変形することができる。あるいは、各ボア壁保温部の円弧方向の中央又は中央近傍の部分が、弾性部材により背面側から押されたときに、各ボア壁保温部の円弧方向の中央又は中央近傍以外の部分は、支持部とは独立して、各ボア壁保温部の円弧方向の両端側の部分が、外に開くように変形することができる。
このようなことから、本発明のシリンダボア壁の保温具(本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具及び後述する本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具)では、シリンダボア壁の保温具の作製又はシリンダブロックの作製において、加工誤差のために、各ボア壁保温部のゴム部材の接触面の曲率が、ゴム部材が接触する各シリンダボアのボア壁の曲率より小さくなっていても、各ボア壁保温部の円弧方向の中央又は中央近傍以外の部分が、弾性部材により背面側から押されることにより、支持部から離れて、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かうように変形して、ゴム部材が溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に密着することができるので、ゴム部材の溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面への密着性が高くなる。あるいは、加工誤差のために、各ボア壁保温部のゴム部材の接触面の曲率が、ゴム部材が接触する各シリンダボアのボア壁の曲率より大きくなっていても、各ボア壁保温部の円弧方向の両端側の部分が、外に開くように変形して、ゴム部材が溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に密着することができるので、ゴム部材の溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面への密着性が高くなる。
特に、本発明のシリンダボア壁の保温具(本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具及び後述する本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具)のゴム部材として、感熱膨張ゴムや水膨潤ゴムのような膨張ゴムを用いる場合、膨張前のゴム部材の接触面の加工を精度良く行っても、ゴム部材を膨張させたときの膨張量のムラにより、膨張後のゴム部材の接触面の形状が、密着する相手である溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面の表面形状とずれることがある。そのような場合にも、本発明のシリンダボア壁の保温具では、各ボア壁保温部の円弧方向の中央又は中央近傍以外の部分が、弾性部材により背面側から押されることにより、支持部から離れて、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かうように変形して、あるいは、各ボア壁保温部の円弧方向の両端側の部分が、外に開くように変形して、ゴム部材が溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に密着することができるので、ゴム部材の溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面への密着性が高くなる。
なお、図22では、本発明の効果の説明のため、保温部の両端側全体に、ゴム部材の両端側の接触面とボア壁との間に大きな隙間ができている図(図22(A))を用いたが、実際は、これほど大きな加工誤差が生じることはない。しかし、実際に、加工誤差により、小さな隙間が生じたり、部分的にゴム部材の接触面とボア壁が離れていたりすることはある。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具において、各ボア壁保温部が支持部に固定される範囲、具体的には、上から見たときの円弧方向の固定部分の長さ及び横から見たときの上下方向の固定部分の長さは、本発明の効果を奏する範囲で、適宜選択される。例えば、図5に示す形態例のように、上から見たときの各ボア壁保温部の円弧方向の中央近傍且つ横から見たときの各ボア壁保温部の上端側と下端側のみで、各ボア壁保温部を支持部に固定することができる。
支持部各ボア部には、背面側に傾斜壁が形成されている支持部各ボア部と、傾斜壁が形成されていない支持部各ボア部とがある。
背面側に傾斜壁が形成されている支持部各ボア部は、冷却水が溝状冷却水流路内に供給される位置にある支持部各ボア部である。そして、本発明のシリンダボア壁の保温具には、冷却水が供給される位置の支持部各ボア部に、傾斜壁に加え、冷却水当たり面及び冷却水流れ抑制壁が形成されている形態(以下、本発明の第一(A)の形態のシリンダボア壁の保温具とも記載する。)と、冷却水が供給される位置の支持部各ボア部に、傾斜壁は形成されているが、冷却水当たり面及び冷却水流れ抑制壁は形成されていない形態(以下、本発明の第一(B)の形態のシリンダボア壁の保温具とも記載する。)と、がある。
本発明の第一(A)の形態のシリンダボア壁の保温具は、冷却水供給口から溝状冷却水流路内に流れ込んできた冷却水が、支持部に当たる位置において、冷却水が溝状冷却水流路内に流れ込む方向に対する支持部の背面側の傾きが比較的大きくなるシリンダブロックに設置されるシリンダボア壁の保温具である。そして、本発明の第一(A)の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックでは、冷却水供給口から溝状冷却水流路内に流れ込んでくる冷却水は、支持部の背面側の冷却水当たり面に強く当たり、その後、冷却水流れ抑制壁の存在により、冷却水流れ抑制壁が形成されている方向とは反対側に流れる。
本発明の第一(A)の形態のシリンダボア壁の保温具では、背面側に傾斜壁が形成されている支持部各ボア部の、冷却水供給口から供給される冷却水が最初に当たる位置に、冷却水当たり面が形成されており、且つ、その冷却水当たり面の、冷却水が流れて行く側とは反対側の部分を囲むように、冷却水流れ抑制壁が形成されている。
本発明の第一(A)の形態のシリンダボア壁の保温具に係る冷却水当たり面は、シリンダブロックの外から供給される冷却水が最初に当たる面である。図1に示す形態例では、図1に示す位置に、冷却水供給口15があるが、内燃機関の種類により、冷却水供給口の位置は変わる。そのため、冷却水当たり面が形成される位置は、本発明のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックの冷却水供給口の形成位置合わせて、適宜選択される。
本発明の第一(A)の形態のシリンダボア壁の保温具に係る冷却水流れ抑制壁は、冷却水当たり面に当たった冷却水が、冷却水流れ方向とは反対方向に流れず且つ傾斜壁に向かって流れるようにする壁である。そのため、冷却水流れ抑制壁は、冷却水当たり面の、冷却水が流れて行く側とは反対側の部分を囲むように形成されている。つまり、冷却水当たり面の、冷却水が流れて行く側とは反対側部分の上側と横側と下側に、壁が形成されている。図5に示す形態例では、冷却水の当たり面の、冷却水が流れていく側とは反対側の横側の全てに、冷却水流れ抑制壁の横側部241が、冷却水の当たり面の下側の全てに冷却水流れ抑制壁の下側部242が、冷却水の当たり面の上側の半分程度に冷却水流れ抑制壁の上側部243が形成されているが、これに制限されず、冷却水当たり面の冷却水が流れていく側とは反対側の部分が、冷却水流れ抑制壁により囲まれる程度は、本発明の効果を奏する範囲で、適宜選択される。また、図5に示す形態例は、冷却水流れ抑制壁は、横から見たときに、各壁部分は全て直線状の形状であるが、これに制限されない。例えば、図46に示す形態例では、冷却水当たり面29bの、冷却水が流れていく側とは反対側に、横から見たときに略C字状の曲線状の冷却水流れ抑制壁24bが形成されている。
冷却水流れ抑制壁は、溝状冷却水流路内に供給された冷却水が、冷却水供給口に近傍にある冷却水排出口に、直ぐに流れ込んでしまうのを防止する部位でもある。
本発明の第一(A)の形態のシリンダボア壁の保温具において、傾斜壁は、冷却水当たり面に当たった後、冷却水流れ方向に流れ出した冷却水が、冷却水通過口に向かって流れるように、冷却水の当たり面から冷却水通過口に向かう冷却水の流れを作る壁である。傾斜壁は、冷却水当たり面の近傍を始点として、冷却水の当たり面の近傍から上り傾斜で延びている。傾斜壁の数は、支持部に形成される冷却水通過口の数に応じて、適宜選択される。傾斜壁の傾斜角度は、支持部に形成される冷却水通過口の位置により、適宜選択される。傾斜壁の終点は、本発明の効果を奏する範囲で、適宜選択される。図5に示す形態例では、傾斜壁30a、30bは、ボア間部の近傍まで延びており、傾斜壁30aは、誘導壁26aの下端と繋がっている。傾斜壁は、誘導壁に繋がっていても、繋がっていなくてもよい。なお、本発明において、上り傾斜とは、冷却水が流れる方向に進むに従って位置が高くなることを指す。
本発明の第一(B)の形態のシリンダボア壁の保温具は、冷却水供給口から供給された冷却水の一部が支持部に当たるシリンダブロックであり、冷却水供給口から供給された冷却水の一部が支持部に当たる位置において、冷却水が溝状冷却水流路内に流れ込む方向に対する支持部の背面側の傾きが比較的小さくなるシリンダブロックに設置されるシリンダボア壁の保温具である。そして、本発明の第一(B)の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックでは、冷却水供給口から供給された冷却水の一部が支持部の背面側に当たるものの、強く当たらず、且つ、冷却水供給口から供給された冷却水の多くが、支持部と溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面との間を通り抜けるように流れる。
本発明の第一(B)の形態のシリンダボア壁の保温具に係る傾斜壁は、冷却水供給口から流れ込んでくる冷却水が支持部に最初に当たる位置近傍を始点として、上り傾斜で延びている。図44に示す形態例では、図44に示す位置に、冷却水供給口44があるが、内燃機関の種類により、冷却水供給口の位置は変わる。そのため、傾斜壁の始点の位置は、本発明のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックの冷却水供給口の形成位置合わせて、適宜選択される。
そして、本発明の第一(B)の形態のシリンダボア壁の保温具において、傾斜壁は、冷却水供給口から流れ込んでくる冷却水が、冷却水通過口に向かって流れるように、支持部に冷却水が最初に当たる位置近傍から冷却水通過口に向かう冷却水の流れを作る壁である。傾斜壁は、冷却水供給口から流れ込んでくる冷却水が支持部に最初に当たる位置近傍を始点として、上り傾斜で延びている。傾斜壁の数は、支持部に形成される冷却水通過口の数に応じて、適宜選択される。傾斜壁の傾斜角度は、支持部に形成される冷却水通過口の位置により、適宜選択される。傾斜壁の終点は、本発明の効果を奏する範囲で、適宜選択される。図36に示す形態例では、傾斜壁50a、50b、50cは、ボア間部の近傍まで延びており、傾斜壁50aは、誘導壁46aの下端と繋がっている。傾斜壁は、誘導壁に繋がっていても、繋がっていなくてもよい。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具には、支持部ボア間部の上部に、冷却水通過口が形成されている。冷却水通過口は、支持部の背面側の冷却水が、支持部の内側に通り抜ける通過口である。そして、冷却水通過口の近傍には、誘導壁が形成されている。誘導壁は、冷却水の当たり面から冷却水通過口に向かって流れてくる冷却水が、冷却水通過口に流れ込むように、冷却水を誘導するための壁である。冷却水通過口には、斜め下から冷却水が向かってくるので、図45(A)に示す誘導壁26dように、冷却水通過口の冷却水流れ方向側の横側に誘導壁があれば、冷却水通過口に向かって流れてくる冷却水を、冷却水通過口の冷却水流れ方向側の横側にある誘導壁で、堰き止めることができるので、冷却水を、冷却水通過口25に流れ込ませることができる。よって、誘導壁は、少なくとも、冷却水流れ方向側の横側に壁を有していればよい。また、誘導壁としては、図45(B)に示す誘導壁26eように、冷却水通過口の上側に誘導壁上側部261eと冷却水流れ方向側の横側に誘導壁横側部262eとを有する形態例が挙げられる。冷却水は、冷却水通過口に向かって、斜め下から流れてくるので、冷却水通過口の流れ方向の横側にある誘導壁横側部に加え、冷却水通過口の上側に、誘導壁上側部があることにより、冷却水を、冷却水通過口に流れ込ませる効果が高まる。ここで、冷却水通過口の横側に加えて上側にも誘導壁を形成させることは、冷却水の圧力損失が大きくなることに繋がるため、本発明のシリンダボア壁の保温具において、誘導壁を、冷却水通過口の流れ方向側の横側のみに形成させるか、あるいは、誘導壁を、冷却水通過口の流れ方向側の横側及び上側に形成させるかは、適宜選択される。つまり、圧力損失を増大させないことに重きを置く場合には、冷却水通過口の流れ方向側の横側のみに誘導壁を形成させ、また、圧力損失の増大よりも冷却効率に重きを置く場合には、冷却水通過口の流れ方向側の横側及び上側に誘導壁を形成させる。また、冷却水当たり面から冷却水通過口に向かって流れてくる冷却水には、冷却水通過口より少し下方を流れるものもある。そこで、図45(C)に示すように、冷却水通過口の冷却水流れ方向側の横側の誘導壁横部262の壁の下端に向かって上り傾斜で延びる呼び込み壁263があると、冷却水通過口より少し下方を流れ通過する冷却水を、冷却水通過口25に集めることができる。よって、誘導壁が、冷却水通過口の冷却水流れ方向側の誘導壁横部の下端に向かって上り傾斜の呼び込み壁を有することが、冷却水通過口に流れ込む冷却水の量を多くすることができる点で、好ましい。なお、呼び込み壁の有無は、保温具の使用目的等に応じて、適宜選択される。呼び込み壁は、誘導壁の下端に繋がっていてもよいし、誘導壁の下端の近傍まで延びていれば、繋がっていなくてもよく、呼び込み壁が誘導壁の下端に繋がっていることが好ましい。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具が、シリンダロックの溝状冷却水流路に設置されている状態で、溝状冷却水流路に冷却水が供給されると、冷却水が溝状冷却水流路内に供給される位置にある支持部各ボア部の背面側に形成されている傾斜壁と、支持部各ボア間部の上部に形成されている冷却水通過口と、冷却水通過口の近傍に形成されている誘導壁により、溝状冷却水流路に供給された冷却水が、冷却水通過口に向かって流れ、冷却水通過口に流れ込み、更に、冷却水通過口を通り抜けて、各シリンダボアのボア壁の境界及びその近傍の上部に当たる。冷却水供給口から支持部の背面側を流れ、冷却水通過口に向かって流れてくる冷却水は、温度が低く、また、各シリンダボアのボア壁の境界及びその近傍の上部は、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面のうち、最も温度が高くなる部分であるので、本発明のシリンダボア壁の保温具によれば、冷却水供給口から冷却水通過口に向かって流れてくる温度が低い冷却水を、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面のうち、最も温度が高くなる部分に当てることができるので、冷却効率が高くなる。特に、ドリルパスと呼ばれるボア間壁内に形成される冷却水の通過孔が形成されている場合には、ドリルパスの開口が、各シリンダボアのボア壁の境界及びその近傍の上部にあるので、この場合には、温度の低い冷却水が、各シリンダボア壁のボア壁の境界及びその近傍の上部に当たることにより、この部分を冷却するばかりでなく、冷却水が効率よくドリルパス内に流れるため、ボア間壁を温度の低い冷却水で直接冷却することができる。そのため、冷却効率が高くなる。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具は、シリンダボアを有する内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置され、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁の周方向全部又は全シリンダボアのボア壁のうちの周方向の一部を保温するための保温具であり、
上から見たときに円弧形状を有し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための各ボア壁保温部と、該保温具の設置位置の該溝状冷却水流路の形状に沿う形状を有し、該各ボア壁保温部が固定される支持部と、を有し、
該各ボア壁保温部は、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を覆うためのゴム部材と、該ゴム部材の背面側に設けられ、該ゴム部材全体を背面側から該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けるための背面押し付け部材と、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、該背面押し付け部材が該ゴム部材を押し付けるように付勢する弾性部材と、を有し、
該各ボア壁保温部が固定される支持部各ボア部には、該弾性部材が該支持部の内側から背面側に抜けるための開口が形成されており、
支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
該支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁と、該誘導壁に向かって上り傾斜で延びる呼び込み壁と、を有し、
該各ボア壁保温部は、円弧方向の中央又は中央近傍のみが、該支持部に固定されていること、
を特徴とするシリンダボア壁の保温具である。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具は、内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置される。本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックは、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されるシリンダブロックと同様に、シリンダボアが直列に2つ以上並んで形成されているオープンデッキ型のシリンダブロックである。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具が設置される位置は、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具と同様に、シリンダボア壁の保温具が設置される内燃機関の構造が、シリンダボアの溝状冷却水流路の中下部に相当する位置が、ピストンの速さが速くなる位置である場合、溝状冷却水流路の中下部にシリンダボア壁の保温具を設置することが好ましく、また、シリンダボア壁の保温具が設置される内燃機関の構造が、ピストンの速さが速くなる位置が、シリンダボアの溝状冷却水流路の下部に当たる位置である場合、溝状冷却水流路の下部にシリンダボア壁の保温具を設置することが好ましい。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具は、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための保温部と、保温部が固定される支持部と、を有する。そして、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具は、周方向に見たときに、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面の全部又は溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面のうちの一部を保温するための保温具である。つまり、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具は、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁を周方向全部又は全シリンダボアのボア壁を周方向の一部保温するための保温具である。本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具のとしては、例えば、図15に示す形態例のように、全シリンダボアのボア壁のうち片側の一部を保温するための保温具や、全シリンダボアのボア壁のうちの全部を保温するための保温具や、全シリンダボアのボア壁の一方の片側半分と他方の片側の一部を保温するための保温具が挙げられる。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具では、各ボア壁保温部は、各ボア壁保温部で保温しようとする各シリンダボアのボア壁毎に設置される。各ボア壁保温部の数及び設置範囲は、各ボア壁保温部で保温しようとする各シリンダボアのボア壁の数及び保温部位によって、適宜選択される。本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具では、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具と同様に、1つの支持部各ボア部に1つの各ボア壁保温部が設置されていてもよいし、1つの支持部各ボア部に2つの各ボア壁保温部が設置されていてもよいし、1つの支持部各ボア部に3つ以上の各ボア壁保温部が設置されていてもよいし、あるいは、これらの組み合わせであってもよいし、あるいは、支持部各ボア部の一部に各ボア壁保温部が設置されていないものがあってもよい。また、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具では、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具と同様に、接触面側から見たときに、1つの支持部各ボア部の略全体に各ボア壁保温具が設置されていてもよいし、1つの支持部各ボア部の一部分に各ボア壁保温具が設置されていてもよいし、あるいは、これらの組み合わせであってもよい。
また、支持部は、各ボア壁保温部が固定されて支持される支持部材であり、各ボア壁保温部が固定されることにより、各ボア壁保温部の位置が溝状冷却水流路内でずれないように、各ボア壁保温部の位置を定める役割をするので、支持部は、上から見たときに、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具が設置される溝状冷却水流路に沿う形状を有する。例えば、支持部の形状としては、シリンダブロックの溝状冷却水流路の全部に対応する形状(すなわち、シリンダボア壁を一周囲む形状)、片側半分に対応する形状、片側の一部に対応する形状、一方の片側半分と、それに繋がる他方の片側の一部に対応する形状、一方の片側半分の一部と、それに繋がる他方の片側の一部に対応する形状等が挙げられる。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具に係る各ボア壁保温部は、ゴム部材と、背面押し付け部材と、弾性部材と、を有する。本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具に係る各ボア壁保温部、ゴム部材、背面押し付け部材、弾性部材は、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具に係る各ボア壁保温部、ゴム部材、背面押し付け部材、弾性部材と同様である。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具では、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面の方に、ゴム部材の接触面が向き、ゴム部材の接触面が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触できるように、各ボア壁保温部が支持部に固定されている。また、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具の背面側では、各ボア壁保温部に付設されている弾性部材が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面に接触できるように、支持部の開口を通り抜けて、ゴム部材とは反対側に向けて張り出している。
支持部に固定される各ボア壁保温部の数は、各ボア壁保温部により保温しようとする各シリンダボアのボア壁の数、保温部位により、適宜選択される。
支持部は、溝状冷却水流路内での各ボア壁保温部の位置がずれないように、各ボア壁保温部が固定される部材であるので、本発明のシリンダボア壁の保温具の設置位置の溝状冷却水流路に沿った形状をしており、上から見たときに、全シリンダボアを一周囲む形状又は複数の円弧が連続する形状に成形されている。支持部は、合成樹脂製、金属製等が挙げられる。支持部は、合成樹脂製が好ましく、合成樹脂製の支持部は、通常、合成樹脂の射出成形により、冷却水流れ仕切り部材等の支持部に付設される部材と共に、一体成形されて作製される。支持部の材料は、耐熱性及び耐LLC性を有していれば、特に制限されず、シリンダボアのボア壁の保温具やウォータージャケットスペーサに用いられる合成樹脂、金属材等であればよい。
支持部には、支持部より溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面側にある各ボア壁保温部に付設されている弾性部材が、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面に接することができるように、弾性部材が通り抜ける開口部が形成されている。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具は、支持部各ボア部の全てに各ボア壁保温部が設置されているものであっても、全支持部各ボア部のうちの一部に各ボア壁保温部が設置されているものであってもよい。全支持部各ボア部のうちの一部に各ボア壁保温部が設置されている本発明のシリンダボア壁の保温具の形態としては、例えば、支持部の形状が、全シリンダボアのボア壁を一周囲む形状であり、各ボア壁保温部が、全支持部各ボア部のうちの一部に設置されている保温具や、支持部の形状が、全シリンダボアのボア壁のうち片側半分に対応する形状であり、各ボア壁保温部が、全支持部各ボア部のうちの一部に設置されている保温具が挙げられる。また、全支持部各ボア部のうちの全部に各ボア壁保温部が設置されている本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具の形態としては、例えば、支持部の形状が、全シリンダボアのボア壁を一周囲む形状であり、各ボア壁保温部が、全支持部各ボア部のうちの全部に設置されている保温具が挙げられる。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具において、各ボア壁保温部が支持部に固定される範囲、具体的には、上から見たときの円弧方向の固定部分の長さ及び横から見たときの上下方向の固定部分の長さは、本発明の効果を奏する範囲で、適宜選択される。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具の支持部各ボア部のいずれにも、背面側に傾斜壁は形成されていない。
本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具には、支持部ボア間部の上部に、冷却水通過口が形成されている。冷却水通過口は、支持部の背面側の冷却水が、支持部の内側に通り抜ける通過口である。冷却水通過口の近傍には、冷却水通過口に向かって流れてくる冷却水が、冷却水通過口に流れ込むように、冷却水を誘導するための誘導壁が形成されている。本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具では、誘導壁は、冷却水通過口の上側に形成されている上部壁と、冷却水通過口の冷却水の流れ方向の横側に形成されている横側壁と、を有する。本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具は、溝状冷却水流路内に流れ込んできた冷却水が、勢いよく流れる側とは反対側の片側半分の溝状冷却水流路に設置される。そのため、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具の支持部の背面側では、冷却水はゆっくりと流れている。そして、シリンダブロックには、各シリンダボアのボア壁の境界の上部からシリンダヘッドのボア間壁に抜けるドリルパスと呼ばれる冷却水の通過孔が設けられている場合には、本発明の第二の形態のウシリンダボア壁の保温具の支持部の背面側の溝状冷却水流路には、各シリンダボアのボア壁の境界の上部、つまり、ボア間部の上部に形成されている冷却水通過口に向かって、緩やかな冷却水の流れが生じている。そして、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具では、誘導壁の横側壁に向かって上り傾斜で延びる呼び込み壁が形成されている。呼び込み壁により、冷却水通過口の下側を流れる冷却水は、冷却水通過口に向かってくる冷却水と共に、冷却水通過口の方に集められ、誘導壁によって、冷却水通過口に流れ込む。そのため、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具によれば、背面側を流れる冷却水を集めて、ドリルパスの入り口に流れ込ませることができるので、冷却効率が高くなる。呼び込み壁は、誘導壁の下端に繋がっていてもよいし、誘導壁の下端の近傍まで延びていれば、繋がっていなくてもよく、呼び込み壁が誘導壁の下端に繋がっていることが好ましい。
なお、図20及び図21に示す形態例では、シリンダブロックの溝状冷却水流路の一方の片側半分に本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具が設置され、且つ、他方の片側半分に本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されているが、これに限定されず、シリンダブロックの溝状冷却水流路に、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具のみが設置されていてもよいし、あるいは、溝状冷却水流路に、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具のみが設置されていてもよいし、あるいは、溝状冷却水流路の一方の片側半分に本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具が設置され、且つ、他方の片側半分に本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されていてもよいし、あるいは、溝状冷却水流路の一方の片側半分に本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具が設置され、且つ、他方の片側半分には本発明のシリンダボア壁の保温具以外のシリンダボア壁の保温具又はウォータージャケットスペーサーが設置されていてもよいし、あるいは、溝状冷却水流路の一方の片側半分に本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具が設置され、且つ、他方の片側半分には本発明のシリンダボア壁の保温具以外のシリンダボア壁の保温具又はウォータージャケットスペーサーが設置されていてもよいし、あるいは、後述する本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具及び本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具を組み合わせた形態のシリンダボア壁の保温具が設置されていてもよい。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具及び本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具としては、周方向に見たときに、支持部の形状が溝状冷却水流路の全周に沿う形状であり、且つ、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具と本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具との組み合わせのシリンダボア壁の保温具が挙げられる。図47〜図50に示す形態例のシリンダボア壁の保温具36eは、支持部の形状が溝状冷却水流路の全周に沿う形状であり、且つ、冷却水が溝状冷却水流路内に供給される位置にある各ボア部561に傾斜壁が形成されており、冷却水の流れが強い方の片側半分の溝状冷却水流路に設置されるボア間部の上部には、冷却水通過口45a、45b、45c及び誘導壁46a、46b、46cが形成されており、必要に応じて設けられる呼び込み壁463が形成されており、且つ、冷却水の流れが強い方とは反対側の片側半分の溝状冷却水流路に設置されるボア間部の上部には、冷却水通過口46d、46e、46f、冷却水通過口の上側の上側壁と冷却水通過口の流れ方向の横側の横側壁とを有する誘導壁、及び呼び込み壁が形成されている。また、冷却水の流れが強い方とは反対側の片側半分の溝状冷却水流路の冷却水供給口の手前には、冷却水流れ変更部材66が形成されている。
本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具及び本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具を組み合わせた形態としては、つまり、溝状冷却水流路の全周に沿う形状であり、一方の片側半分に本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具の特徴を有し、且つ、他方の片側半分に本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具の特徴を有するシリンダボア壁の保温具は、シリンダボアを有する内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置され、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁の周方向全部を保温するための保温具であり、
上から見たときに円弧形状を有し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための各ボア壁保温部と、該保温具の設置位置の該溝状冷却水流路の形状に沿う形状を有し、該各ボア壁保温部が固定される支持部と、を有し、
該各ボア壁保温部は、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を覆うためのゴム部材と、該ゴム部材の背面側に設けられ、該ゴム部材全体を背面側から該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けるための背面押し付け部材と、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、該背面押し付け部材が該ゴム部材を押し付けるように付勢する弾性部材と、を有し、
該各ボア壁保温部が固定される支持部各ボア部には、該弾性部材が該支持部の内側から背面側に抜けるための開口が形成されており、
冷却水の流れが強い方の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
該冷却水の流れが強い方の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁を有し、必要に応じて、更に、該誘導壁に向かって上り傾斜で延びる呼び込み壁を有し、該溝状冷却水流路に冷却水が供給される位置の支持部の背面側に、上り傾斜で延び、該冷却水通過口に向かう冷却水の流れを作る傾斜壁を有し、
冷却水の流れが強い方とは反対側の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
該冷却水の流れが強い方とは反対側の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁と、該誘導壁に向かって上り傾斜で延びる呼び込み壁と、を有し、
該各ボア壁保温部は、円弧方向の中央又は中央近傍のみが、該支持部に固定されていること、
を特徴とするシリンダボア壁の保温具である。支持部は、合成樹脂製、金属製等が挙げられる。支持部は、合成樹脂製が好ましく、合成樹脂製の支持部は、通常、合成樹脂の射出成形により、冷却水流れ仕切り部材等の支持部に付設される部材と共に、一体成形されて作製される。支持部の材料は、耐熱性及び耐LLC性を有していれば、特に制限されず、シリンダボアのボア壁の保温具やウォータージャケットスペーサに用いられる合成樹脂、金属材等であればよい。呼び込み壁は、誘導壁の下端に繋がっていてもよいし、誘導壁の下端の近傍まで延びていれば、繋がっていなくてもよく、呼び込み壁が誘導壁の下端に繋がっていることが好ましい。
本発明のシリンダボア壁の保温具(本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具及び本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具)は、支持部の背面側の上部に、冷却水の流れ方向に平行に延びる横リブを有することができる。本発明のシリンダボア壁の保温具が、背面側の上部に、冷却水の流れ方向に平行に延びる横リブを有することにより、溝状冷却水流路の上部を流れる冷却水が、中下部に下がってくるのを防ぐことができる。背面側の上部に形成される冷却水の流れ方向に平行に延びる横リブの上下方向の形成位置、冷却水の流れ方向の形成位置及び長さ等は、適宜選択される。
本発明のシリンダボア壁の保温具(本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具及び本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具)は、ウォータージャケットスペーサーの上方へのずれを防止するために支持部に形成されるシリンダヘッド当接部や、その他の部位や部材を有することもできる。また、本発明のシリンダボア壁の保温具は、その他の冷却水の流れを調節するための部材等を有することもできる。
本発明の内燃機関は、シリンダブロックの溝状冷却水流路の全部又は一部に、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具、本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具又は本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具と本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具とを組み合わせた形態のシリンダボア壁の保温具が、少なくとも1つ設置されていることを特徴とする内燃機関である。
本発明の内燃機関は、シリンダブロックの溝状冷却水流路の一方の片側半分に、第一の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されており、且つ、シリンダブロックの溝状冷却水流路の他方の片側半分に、第二の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されていることを特徴とする内燃機関。
本発明の内燃機関には、シリンダブロックの溝状冷却水流路の全部又は一部に、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具又は本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されており、本発明の第一の形態のシリンダボア壁の保温具又は本発明の第二の形態のシリンダボア壁の保温具が設置されていない溝状冷却水流路に、本発明のウォータージャケットスペーサー以外のウォータージャケットスペーサー又はシリンダボア壁の保温具が設置されていてもよい。
本発明の内燃機関は、本発明のシリンダボア壁の保温具が設置されていることを特徴とする内燃機関である。
本発明の自動車は、本発明の内燃機関を有することを特徴とする自動車である。
本発明によれば、シリンダブロックの溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面への保温具の密着性を高めることができるので、溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面の保温性が高くでき、且つ、温度の低い冷却水を、各シリンダボア壁のボア壁の境界及びその近傍の上部に当てることができるので、冷却効率が高くなる。そのため、内燃機関のシリンダボア壁の上側と下側との変形量の違いを少なくすることができるので、ピストンの摩擦を低くすることができるため、省燃費の内燃機関を提供できる。加えて、エンジンが従来に比べ高温になる空燃比が大きい内燃機関の冷却効率を高くすることができる。
5、55 縦リブ
6 接触面
8 最下部
9 最上部
10 中間近傍の位置
11 シリンダブロック
12 ボア
12a1、12a2 端ボア
12b1、12b2 中間ボア
13 シリンダボア壁
14 溝状冷却水流路
15、44 冷却水供給口
16 冷却水排出口
17 溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面
17a、17b 片側半分側の壁面
18 溝状冷却水流路14のシリンダボア側の壁面とは反対側の壁面
20a、20b 片側半分
21a、21b 片側半分のボア壁
23a1、23a2、23b1、23b2 各シリンダボアのボア壁
24、24b 冷却水流れ抑制壁
25、25a、25b、25c、25d、25e、45a、45b、45c 冷却水通過口
26、26a、26b、26c、26d、26e、46a、46b、46c 誘導壁
29、29b 冷却水当たり面
30、30a、30b、50a、50b、50c 傾斜壁
27、27a 先端
28 他端側
30 ロ字状当て板
31、31c、31g ゴム部材
32、47 背面側押し付け部材
33、33a、33g 金属板バネ付設部材
34a、34b、34c 支持部
35、35c、35d1、35d2、35e、35f 各ボア壁保温部
36a、36b、36c、36d シリンダボア壁の保温具
37、40、41、40d 折り曲げ部
39、39a 金属板バネ
42 開口
43 金属板
45 金属板の打ち抜き体
48 支持部各ボア部の境界
51 冷却水の流れ方向
52 冷却水の流れ方向とは反対方向
53 冷却水
54 支持部ボア間部
66 冷却水流れ変更部材
191 ボア間壁
192 溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面の各シリンダボアのボア壁の境界
241 冷却水流れ抑制壁の横側部
242 冷却水流れ抑制壁の下側部
243 冷却水流れ抑制壁の上側部
261、261e 誘導壁の上側部
262、262e 誘導壁の横側部
263 誘導壁の呼び込み壁
271 折り返し部
361、361b、561 傾斜壁が形成されている支持部各ボア部
362、362a、362b、362c、562、562a、562b、562c、562d、562e 傾斜壁が形成されていない支持部各ボア部
661 冷却水流れ変更壁
662 囲い壁

Claims (7)

  1. シリンダボアを有する内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置され、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁の周方向全部又は全シリンダボアのボア壁のうちの周方向の一部を保温するための保温具であり、
    上から見たときに円弧形状を有し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための各ボア壁保温部と、該保温具の設置位置の該溝状冷却水流路の形状に沿う形状を有し、該各ボア壁保温部が固定される支持部と、を有し、
    該各ボア壁保温部は、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を覆うためのゴム部材と、該ゴム部材の背面側に設けられ、該ゴム部材全体を背面側から該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けるための背面押し付け部材と、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、該背面押し付け部材が該ゴム部材を押し付けるように付勢する弾性部材と、を有し、
    該各ボア壁保温部が固定される支持部各ボア部には、該弾性部材が該支持部の内側から背面側に抜けるための開口が形成されており、
    支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
    該支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁を有し、該溝状冷却水流路に冷却水が供給される位置の支持部の背面側に、上り傾斜で延び、該冷却水通過口に向かう冷却水の流れを作る傾斜壁を有し、
    該各ボア壁保温部は、円弧方向の中央又は中央近傍のみが、該支持部に固定されていること、
    を特徴とするシリンダボア壁の保温具。
  2. シリンダボアを有する内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置され、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁の周方向全部又は全シリンダボアのボア壁のうちの周方向の一部を保温するための保温具であり、
    上から見たときに円弧形状を有し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための各ボア壁保温部と、該保温具の設置位置の該溝状冷却水流路の形状に沿う形状を有し、該各ボア壁保温部が固定される支持部と、を有し、
    該各ボア壁保温部は、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を覆うためのゴム部材と、該ゴム部材の背面側に設けられ、該ゴム部材全体を背面側から該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けるための背面押し付け部材と、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、該背面押し付け部材が該ゴム部材を押し付けるように付勢する弾性部材と、を有し、
    該各ボア壁保温部が固定される支持部各ボア部には、該弾性部材が該支持部の内側から背面側に抜けるための開口が形成されており、
    支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
    該支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁と、該誘導壁に向かって上り傾斜で延びる呼び込み壁と、を有し、
    該各ボア壁保温部は、円弧方向の中央又は中央近傍のみが、該支持部に固定されていること、
    を特徴とするシリンダボア壁の保温具。
  3. シリンダボアを有する内燃機関のシリンダブロックの溝状冷却水流路に設置され、周方向に見たときに、全シリンダボアのボア壁の周方向全部を保温するための保温具であり、
    上から見たときに円弧形状を有し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を保温するための各ボア壁保温部と、該保温具の設置位置の該溝状冷却水流路の形状に沿う形状を有し、該各ボア壁保温部が固定される支持部と、を有し、
    該各ボア壁保温部は、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触し、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面を覆うためのゴム部材と、該ゴム部材の背面側に設けられ、該ゴム部材全体を背面側から該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって押し付けるための背面押し付け部材と、該溝状冷却水流路のシリンダボア側の壁面に向かって、該背面押し付け部材が該ゴム部材を押し付けるように付勢する弾性部材と、を有し、
    該各ボア壁保温部が固定される支持部各ボア部には、該弾性部材が該支持部の内側から背面側に抜けるための開口が形成されており、
    冷却水の流れが強い方の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
    該冷却水の流れが強い方の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁を有し、該溝状冷却水流路に冷却水が供給される位置の支持部の背面側に、上り傾斜で延び、該冷却水通過口に向かう冷却水の流れを作る傾斜壁を有し、
    冷却水の流れが強い方とは反対側の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部ボア間部の上部の少なくとも一箇所に、該支持部の背面側の冷却水が内側に通り抜けるための冷却水通過口が形成されており、
    該冷却水の流れが強い方とは反対側の片側半分の溝状冷却水流路に設置される支持部は、該冷却水通過口近傍に、該冷却水通過口に冷却水が流れ込むように冷却水を誘導する誘導壁と、該誘導壁に向かって上り傾斜で延びる呼び込み壁と、を有し、
    該各ボア壁保温部は、円弧方向の中央又は中央近傍のみが、該支持部に固定されていること、
    を特徴とするシリンダボア壁の保温具。
  4. 前記ゴム部材が、感熱膨張ゴム又は水膨潤ゴムであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のシリンダボア壁の保温具。
  5. シリンダブロックの溝状冷却水流路の全部又は一部に、請求項1〜3いずれか1項記載のシリンダボア壁の保温具が少なくとも1つ設置されていることを特徴とする内燃機関。
  6. シリンダブロックの溝状冷却水流路の一方の片側半分に、請求項1記載のシリンダボア壁の保温具が設置されており、且つ、シリンダブロックの溝状冷却水流路の他方の片側半分に、請求項2記載のシリンダボア壁の保温具が設置されていることを特徴とする内燃機関。
  7. 請求項5又は6いずれか1項項記載の内燃機関を有することを特徴とする自動車。
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