JP6418583B2 - 散薬供給装置 - Google Patents

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Description

この発明は、散薬カセットから散薬を少しずつ送り出しながら送出量を計測することで必要量だけ供給する謂わば計量分割式の散薬供給装置に関し、詳しくは、散薬の分割供給量を重量計測と撮像計測との組み合わせにて測定する謂わば重量撮像計測併用方式にて計測する散薬供給装置に関し、更に詳しくは、散薬を分割供給の度に一時貯留する散薬供給装置に関する。
散薬供給装置の典型的な利用は散薬分包機への組込や付設であり、その散薬分包機は、処方総量以上の薬剤を一包分(一回服用分,一回施用分)ずつに分割して逐次供給する散薬供給装置と、分包紙(分包帯)を区画しながら各区画室に散薬を封入する包装装置とを具備していて、散薬供給装置から包装装置の投入ホッパへ粉状や顆粒状の散薬を一包分ずつ送り込んで分包するようになっている(例えば特許文献1〜3参照)。
また、そのような散薬供給装置の一般的な構成例として配分分割式が挙げられるが、配分分割式は、さらに、散薬配分域に分割マスを一直線状に配した比較的簡素で人手配分向きの直線配分式と、円環状の散薬配分域に配した部材を循環回転させる自動配分向きの回転配分式とに大別される。
後者の回転配分式の散薬供給装置は(例えば特許文献1,2参照)、散薬を定量で又は可変量で少しずつ逐次供給する散薬フィーダと、散薬フィーダから供給された散薬を回転しながら受けることにより散薬を均等に分布させて保持する回転式環状受部材と、回転式環状受部材から一包分ずつ分割して包装装置へ送り込む分割機構とを備えている。
回転式環状受部材としては、多数の分割マス体を環状に配列した散剤分割器や、環状の平坦な載置面を有するターンテーブル、R溝などと呼ばれる凹形弧状溝を環状にした環状受皿を有するターンテーブル(例えば特許文献1,2参照)などが用いられる。予め多数の分割マス体に区画されている散剤分割器を回転式環状受部材に用いた場合、散剤分割器に散薬を配分するのに随伴して分割がなされ、個々の分割マス体が底面を開くことで排出引き渡しがなされるので、分割精度を高め易い。これに対し、予め区画されていない環状載置面や環状受皿を回転式環状受部材に用いた場合(例えば特許文献1,2参照)、環状載置面や環状受皿の上に配分された散薬を切出装置にて環状載置面や環状受皿から任意の角度分ずつ切り出すことで分割がなされるので、分割数の変更が容易である。
散薬供給装置の他の構成例として、散薬カセットから散薬を定量で又は可変量で少しずつ送り出しながら送出量を計測することで必要量だけ供給する計量分割式が挙げられ、その計量方式には、スクリュー回転数などから送出量を算出する容積計測方式や、送出側か受取側で重量を測定する重量計測方式(例えば特許文献1,2参照)、落下中の散薬を撮った画像から送出量を算出する謂わば撮像計測方式がある(例えば特許文献3参照)。
容積計測方式や重量計測方式は、それだけで微量の散薬を精度良く測定しようとすると時間とコストが嵩むため、一包分ずつの散薬分割でなく、一患者分ずつの散薬分割に用いられてきたが(例えば特許文献1,2参照)、撮像計測方式や、それと重量計測方式との組合せ方式は、一包分ずつの微少な散薬の分割まで実用に適うものとなっている(例えば特許文献3参照)。
散薬供給装置に着脱される散薬カセットは、二種類に大別され、その一つは、散薬を収容する容器部に対して散薬逐次送出用の散薬排出部が固定的・一体的に組み付けられている散薬カセットであり(例えば特許文献1,2や特許文献3図1参照)、スクリューやドラムといった散薬逐次送出用の可動部材が散薬排出部や容器部に内装されている。
そして、このような散薬カセットを用いる散薬供給装置は、散薬カセットが装着されると、容器部を固定した状態で可動部材を軸回転させることによって散薬カセットから散薬を逐次排出させ、軸回転を止めることで散薬逐次排出を停止させるようになっている。
もう一つの散薬カセットは、そのような内装の可動部材を持たない簡素な散薬カセットである(例えば特許文献3図6(b)参照)。この散薬カセットは、散薬を収容する容器部が有底円筒状の容器であり、その筒状部の両端のうち底側の端面は閉じているが反対側の端面は開口しており、その開口を開閉する蓋が脱着されるようになっている。
そして、このような散薬カセットを用いる散薬供給装置は、散薬カセットが縦向きでなく横向きで装着されるようになっており、散薬カセットが装着されると、円筒状の散薬カセットを円筒軸方向横向き状態で保持しながら、蓋を少しだけ開けて容器部を軸回転させることにより、可動部材が内装されていなくても散薬を少しずつ落下排出させるとともにその際には開口の縁に沿って排出散薬を薄く広げて落下させるものとなっている。
さらに、排出錠剤を落下させているときの処理に関しては、錠剤落下部材や錠剤収集機構などの錠剤落下経路に対してその経路を開閉する部材を設けることで錠剤を分割供給の度に一時貯留するようになった薬剤分包機が知られている(例えば特許文献4参照)。
また、内装の可動部材を持たない簡素な散薬カセットを用いる散薬供給装置は(例えば特許文献3図6(b)参照)、撮像計測方式を採用するとともに、散薬カセットから排出される散薬がカセット口のところで恰も薄く且つ幅広く引き伸ばされたかのような展開状態になってから落下することに受入部材を適合させるために、断面V字形の長い樋状部材を受入部材に採用し、それを旋回させて散薬を包装紙に投入するようになっている。
特開平07−080043号公報 特開平11−114021号公報 特開2013−48899号公報 特開2001−087353号公報
上述したように、計量分割式の散薬供給装置には回転式環状受部材等が不要で小形化しやすいという利点があるところ、最近開発された横置き円筒カセット回転方式の散薬供給装置は(例えば特許文献3図6(b)参照)、計量分割式なのでその利点を引き継いでいるうえ、一包分ずつの微量な散薬であっても自動で可変量の分割と明確な計量が行えるとともにその繰り返しによって一処方分や一患者分ずつの散薬分割まで自動化できるものとなっている。
また、そのような横置き円筒カセット回転方式の散薬供給装置では、重量計測方式を採用するに際しては、落下した散薬を受け入れて一時貯留する下流側の受入部材を含んだ機械部分の重量を測定する方が上流側のカセット等の重量測定より微小重量測定に適しているので、下流側の受入部材等の重量を測定するようになっている。
さらに、撮像計測方式も採用したうえで、散薬カセットから排出される散薬がカセット口のところで恰も薄く且つ幅広く引き伸ばされたかのような展開状態になってから落下する散薬を撮って、その画像データから散薬の密度等を求め、それで得られた密度等に基づいて散薬カセットからの排出散薬量を算出することで、重量計測方式より早いタイミングで排出散薬量を得ることができるものとなっている。
そして、そのような上流寄りの撮像計測と下流側の重量計測とを組み合わせて一包分の散薬の排出と分割が行われるようにもなっている。
具体的には、撮像計測にて排出散薬量を推定して排出予定量(分割目標量)の散薬排出完了時期を素早く予測することで適切な時期に散薬排出を止めるとともに、そうして分割された貯留散薬(一時貯留散薬)を重量計測にて事後測定することで正確な排出散薬量(分割量)を把握・確認することもできるようになっている。
しかしながら、そのレベルの組み合わせ方では、散薬の分割量の精度が依然として撮像計測に大きく依存しているため、散薬分割精度を向上させるには撮像計測方式の測定精度を上げなければならない。
そこで、撮像計測そのものの測定精度が高い散薬供給装置を実現することが第1技術課題となる。
また、重量計測の結果を撮像計測に反映させて撮像計測の測定精度が高くなる散薬供給装置を実現することが第2技術課題(本願発明の課題)となる。
本発明の散薬供給装置は(解決手段1)、上述した第1技術課題を解決するために創案されたものであり、
散薬カセットから散薬を少しずつ落下排出させる散薬連続送出部と、その落下散薬を受け入れて一時貯留する貯留ホッパと、前記散薬カセットの口から排出されて落下している散薬を撮像装置で撮ってその画像から散薬送出量推定値を算出する撮像計測手段と、前記貯留ホッパを含んだ機械部分の重量を計測してその重量変化から散薬貯留量を算出する重量計測手段とを備えていて、前記撮像計測手段にて算出された散薬送出量推定値が分割目標量に達すると前記散薬連続送出部の散薬排出を止めるとともにそれ以後に前記貯留ホッパから貯留散薬を落下放出させることで散薬分割を行う散薬供給装置において、
前記撮像装置の撮影方向で散薬落下位置より先に位置する所に、前記撮像装置の感応する色の光を吸収して反射しない背景部材が、設けられていることを特徴とする。
また、本発明の散薬供給装置は(解決手段2)、上述した第1技術課題に加えて第2技術課題をも解決するために創案されたものであり、
上記解決手段1の散薬供給装置であって、
前記散薬連続送出部の散薬排出を止めてから前記貯留ホッパへの散薬落下時間の経過を待って前記重量計測手段による重量計測と散薬貯留量算出とを完遂するとともにそのときの計測に係る前記貯留ホッパの散薬貯留量と前記分割目標量との差からそのときの計測に係る散薬排出誤差量を算出する個別誤差量確認手段と、
前記散薬分割が繰り返されるとき,前記個別誤差量確認手段によって以後の散薬分割時に算出される散薬排出誤差量がゼロに近づくように,前記撮像計測手段によって以後の散薬分割時に算出される散薬送出量推定値を,前記個別誤差量確認手段によって既に算出された散薬排出誤差量に基づいて修正する個別誤差修正手段と
を具備したことを特徴とする。
ここで、前記個別誤差修正手段は、前記撮像計測手段に組み込んだ態様で設けられていても良く、前記撮像計測手段に付加した態様で設けられていても良い。
さらに、本発明の散薬供給装置は(解決手段3,本願の出願当初請求項1記載の発明)、上述した第2技術課題を解決するために創案されたものであり、
散薬カセットから散薬を少しずつ落下排出させる散薬連続送出部と、その落下散薬を受け入れて一時貯留する貯留ホッパと、前記散薬カセットの口から排出されて落下している散薬を撮像装置で撮ってその画像から散薬送出量推定値を算出する撮像計測手段と、前記貯留ホッパを含んだ機械部分の重量を計測してその重量変化から散薬貯留量を算出する重量計測手段とを備えていて、前記撮像計測手段にて算出された散薬送出量推定値が分割目標量に達すると前記散薬連続送出部の散薬排出を止めるとともにそれ以後に前記貯留ホッパから貯留散薬を落下放出させることで散薬分割を行う散薬供給装置において、
前記散薬連続送出部の散薬排出を止めてから前記貯留ホッパへの散薬落下時間の経過を待って前記重量計測手段による重量計測と散薬貯留量算出とを完遂するとともにそのときの計測に係る前記貯留ホッパの散薬貯留量と前記分割目標量との差からそのときの計測に係る散薬排出誤差量を算出する個別誤差量確認手段と、
前記散薬分割が繰り返されるとき,前記個別誤差量確認手段によって以後の散薬分割時に算出される散薬排出誤差量がゼロに近づくように,前記撮像計測手段によって以後の散薬分割時に算出される散薬送出量推定値を,前記個別誤差量確認手段によって既に算出された散薬排出誤差量に基づいて修正する個別誤差修正手段と
を具備したことを特徴とする。
ここでも、前記個別誤差修正手段は、前記撮像計測手段に組み込んだ態様で設けられていても良く、前記撮像計測手段に付加した態様で設けられていても良い。
また、本発明の散薬供給装置は(解決手段4,本願の出願当初請求項2記載の発明)、上述した第2技術課題をより高度に解決するために創案されたものであり、
上記解決手段2,3の散薬供給装置であって、
前記散薬分割が繰り返されるとき,前記個別誤差量確認手段によって既に算出された散薬排出誤差量に基づいて以前の散薬分割時の散薬排出誤差量の集計値に該当する又は相当する累積誤差量を集計にて又は推計にて算出する累積誤差量算出手段と、
前記散薬分割が繰り返されるとき,前記累積誤差量算出手段によって以後の散薬分割時に算出される累積誤差量がゼロに近づくように,前記累積誤差量算出手段によって既に算出された累積誤差量に基づいて前記分割目標量を修正する累積誤差修正手段と
を具備したことを特徴とする。
また、本発明の散薬供給装置は(解決手段5)、上述した第1技術課題を解決することに加えて上述の第2技術課題をも散薬供給量合計に関して解決するために創案されたものであり、
上記解決手段1の散薬供給装置であって、
前記散薬連続送出部の散薬排出を止めてから前記貯留ホッパへの散薬落下時間の経過を待って前記重量計測手段による重量計測と散薬貯留量算出とを完遂するとともにそのときの計測に係る前記貯留ホッパの散薬貯留量と前記分割目標量との差からそのときの計測に係る散薬排出誤差量を算出する個別誤差量確認手段と、
前記散薬分割が繰り返されるとき,前記個別誤差量確認手段によって既に算出された散薬排出誤差量に基づいて以前の散薬分割時の散薬排出誤差量の集計値に該当する又は相当する累積誤差量を集計にて又は推計にて算出する累積誤差量算出手段と、
前記散薬分割が繰り返されるとき,前記累積誤差量算出手段によって以後の散薬分割時に算出される累積誤差量がゼロに近づくように,前記累積誤差量算出手段によって既に算出された累積誤差量に基づいて前記分割目標量を修正する累積誤差修正手段と
を具備したことを特徴とする。
また、本発明の散薬供給装置は(解決手段6,本願の出願当初請求項3記載の発明)、上述した第2技術課題を散薬供給量合計に関して解決するために創案されたものであり、
散薬カセットから散薬を少しずつ落下排出させる散薬連続送出部と、その落下散薬を受け入れて一時貯留する貯留ホッパと、前記散薬カセットの口から排出されて落下している散薬を撮像装置で撮ってその画像から散薬送出量推定値を算出する撮像計測手段と、前記貯留ホッパを含んだ機械部分の重量を計測してその重量変化から散薬貯留量を算出する重量計測手段とを備えていて、前記撮像計測手段にて算出された散薬送出量推定値が分割目標量に達すると前記散薬連続送出部の散薬排出を止めるとともにそれ以後に前記貯留ホッパから貯留散薬を落下放出させることで散薬分割を行う散薬供給装置において、
前記散薬連続送出部の散薬排出を止めてから前記貯留ホッパへの散薬落下時間の経過を待って前記重量計測手段による重量計測と散薬貯留量算出とを完遂するとともにそのときの計測に係る前記貯留ホッパの散薬貯留量と前記分割目標量との差からそのときの計測に係る散薬排出誤差量を算出する個別誤差量確認手段と、
前記散薬分割が繰り返されるとき,前記個別誤差量確認手段によって既に算出された散薬排出誤差量に基づいて以前の散薬分割時の散薬排出誤差量の集計値に該当する又は相当する累積誤差量を集計にて又は推計にて算出する累積誤差量算出手段と、
前記散薬分割が繰り返されるとき,前記累積誤差量算出手段によって以後の散薬分割時に算出される累積誤差量がゼロに近づくように,前記累積誤差量算出手段によって既に算出された累積誤差量に基づいて前記分割目標量を修正する累積誤差修正手段と
を具備したことを特徴とする。
また、本発明の散薬供給装置は(解決手段7,本願の出願当初請求項4記載の発明)、上記解決手段2,3の散薬供給装置であって、前記個別誤差量確認手段と前記個別誤差修正手段とが常時でなく選択的に実行されるようになっていることを特徴とする。
また、本発明の散薬供給装置は(解決手段8,本願の出願当初請求項5記載の発明)、上記解決手段4,5,6の散薬供給装置であって、前記個別誤差量確認手段と前記累積誤差量算出手段と前記累積誤差修正手段とが常時でなく選択的に実行されるようになっていることを特徴とする。
このような本発明の散薬供給装置にあっては(解決手段1)、撮影対象の落下散薬の後方に所定の背景部材を設けたことにより、撮像装置で撮った画像に背景が映り込まなくなることから、落下散薬の撮影像が明瞭になるので、撮像計測の測定精度が向上する。
したがって、この発明によれば、撮像計測そのものの測定精度が高い散薬供給装置を実現することができ、その結果、上述の第1技術課題が解決される。
また、本発明の散薬供給装置にあっては(解決手段2,3,本願の出願当初請求項1記載の発明)、散薬分割を繰り返すに際し、先に行われた散薬分割のときに、個別誤差量確認手段が実行され、それによって、散薬連続送出部からの落下散薬が総て貯留ホッパに一時貯留されてから、その貯留散薬の重量計測と散薬貯留量算出とが完遂され、その散薬貯留量と分割目標量との差からそのときの計測に係る散薬排出誤差量が算出される。また、個別誤差修正手段も実行され、それによって、算出済みの散薬排出誤差量に基づき、その後に行われる散薬分割のときに撮像計測手段によって算出される散薬送出量推定値が、修正される。
しかも、その修正の内容が、その後に行われる散薬分割のときに個別誤差量確認手段によって算出される散薬排出誤差量がゼロに近づくように修正するというものなので、予測的な撮像計測が実測の重量計測で更正されることと等価になり、後に行われる散薬分割のときに撮像計測の測定精度が向上する。
したがって、この発明によれば、重量計測の結果を撮像計測に反映させて先行の散薬分割時時より後行の散薬分割時に撮像計測の測定精度が高くなる散薬供給装置を実現することがことができ、その結果、上述の第2技術課題が解決される。
さらに、本発明の散薬供給装置にあっては(解決手段4,5,6,本願の出願当初請求項2,3記載の発明)、散薬分割を繰り返すに際し、先に行われた散薬分割のときに、個別誤差量確認手段が実行され、それによって、散薬連続送出部からの落下散薬が総て貯留ホッパに一時貯留されてから、その貯留散薬の重量計測と散薬貯留量算出とが完遂され、その散薬貯留量と分割目標量との差からそのときの計測に係る散薬排出誤差量が算出される。また、累積誤差量算出手段も実行され、それによって、算出済みの散薬排出誤差量に基づき、既に行われた散薬分割で生じていた散薬排出誤差量が集計または推計されて、累積誤差量が算出される。
さらに、累積誤差修正手段までも実行され、それによって、算出済みの累積誤差量に基づいて分割目標量が修正される。
しかも、その修正の内容が、その後に行われる散薬分割のときに累積誤差量算出手段によって算出される累積誤差量がゼロに近づくように修正するというものなので、累積誤差量が無くなるように或いは少なくとも抑制されるように予測的な撮像計測が実測の重量計測で更正されることと等価になり、後に行われる散薬分割のときに、累積誤差抑制の観点から見た撮像計測の測定精度が向上する。
したがって、この発明によれば、重量計測の結果を撮像計測に反映させて撮像計測の測定精度が高まり累積誤差が抑制される散薬供給装置を実現することがことができ、その結果、上述の第2技術課題が散薬供給量合計に関して解決される。
また、本発明の散薬供給装置にあっては(解決手段7,8,本願の出願当初請求項4,5記載の発明)、貯留ホッパへの散薬落下時間の経過を待つため落下散薬の重量を正確に測定できるが測定時間が長くなる個別誤差量確認手段とその測定結果を用いる関連手段とについては、それらの手段が、繰り返される散薬分割の総てで実行されるのでなく、選択した一部の散薬分割のときに限定して実行されるようにしたことにより、一連の散薬分割供給に掛かる全時間が短縮される。
一方、繰り返される散薬分割の総てで実行される撮像計測については、個別誤差量確認手段や関連手段の実行時に更正がなされるので、常時更正には及ばないにしても、選択内容にもよるが、少数回の更正で大きく改善される傾向がある。
従って、この発明によれば、散薬分割精度と処理速度の調和が採れることとなる。
本発明の実施例1について、散薬供給装置の構造を示し、(a)が内部機構要部の右側面図、(b)が制御装置の機能ブロック図である。 (a)が散薬供給装置の外観斜視図、(b)が散薬カセットを保持した状態の内部機構等の右側面図である。 (a)が蓋を閉めた散薬カセットの斜視図、(b)が蓋を外した散薬カセットの斜視図、(c)が有底円筒状容器の底面図、(d)が有底円筒状容器の立面図である。 (a)が散薬カセットから散薬を少しずつ落下排出しているところの右側面図、(b)が貯留ホッパから貯留散薬を素早く落下放出しているところの右側面図である。
このような本発明の散薬供給装置について、その実施に好適な具体的形態を幾つか挙げる。既述したように、最近開発された横置き円筒カセット回転方式の散薬供給装置は、一包分ずつ自動で可変量の分割と明確な計量が行われるとともにその繰り返しによって一処方分や一患者分ずつの散薬分割まで自動化されるうえ回転式環状受部材等が不要で小形化しやすいという計量分割式の利点を引き継いでいるのに加え、着脱される散薬カセットにスクリュー等の可動部材を内装する必要がなくて散薬カセットの構造まで簡素になるので、カセット内を容易かつ迅速に清掃することができるうえ、多数の散薬カセットを散薬棚等に揃えておいてもコストが比較的低く抑えられるので多種類の散薬を取り扱うことができる。しかも、散薬カセットが可動部材を内装していなくても、散薬排出時に円筒状容器が軸回転するのに随伴して収容散薬が容器内周面から次々に崩落して混じり合う態様で全体的に無理なく撹拌されるので、散薬の塊を優しくほぐせるばかりか、予め混合しておいた予製剤なども混合比を変化させたり分離させたりせずに送り出すことができる。
[第1実施形態]
しかしながら、初期に開発された円筒カセット回転方式の散薬供給装置は(例えば特許文献3図6(b)参照)、装着された散薬カセットをほぼ水平な状態で保持するようになっていた。このため、散薬カセットに収容されている散薬が少なくなると、散薬の排出速度が下がって、散薬供給や散薬分包の能率が低下する、という不都合があった。
そこで、散薬カセットの収容散薬量が減っても散薬の排出速度がさほど下がらない円筒カセット回転方式の散薬供給装置を実現することが求められる。
第1実施形態の散薬供給装置は、このような要請にも応えるべく創案されたものであり、上述した解決手段の散薬供給装置であって、前記散薬連続送出部が、有底円筒状容器の口に蓋をした散薬カセットを着脱可能に保持するカセット保持機構と、前記カセット保持機構に保持されている散薬カセットを軸回転させる回転駆動機構と、前記散薬カセットの蓋に作用して前記散薬カセットの口を開け閉めするカセット開閉機構とを具備したものであり、
更に、前記貯留ホッパの上部開口が、前記散薬カセットの前記口より幅広になっており、前記カセット保持機構が、前記散薬カセットを底側より口側の低い傾斜状態で保持するようになっていることを特徴とする。
このような散薬供給装置にあっては、横置き円筒カセット回転方式を継承しつつも、散薬カセットが水平保持されるのでなく、口側が底側より低くなるよう傾けた状態で散薬カセットが保持されるようにしたことにより、傾きに応じた重力分力が収容散薬に対して口側への推進力として作用するため、散薬カセットに収容されている散薬が少なくなっても、その割には散薬の排出速度が下がらないので、傾きを適度に設定や調整しておけば散薬供給や散薬分包の能率を必要レベルに維持することができる。
従って、第1実施形態によれば、散薬カセットの収容散薬量が減っても散薬の排出速度がさほど下がらない円筒カセット回転方式の散薬供給装置を実現することができる。
[第2実施形態]
また、初期に開発された円筒カセット回転方式の散薬供給装置は(例えば特許文献3図6(b)参照)、ほぼ水平な散薬カセットの円筒後端部を回転輪に載せて回転輪外周面と散薬カセット外周面との接触摩擦にて回転駆動を行うようになっていた。このため、回転駆動状態が散薬カセットの円筒端部の外周面の状態や散薬カセットの収容散薬量の変化に影響され、それによっても散薬の排出速度が不所望に変化することがあった。
そこで、散薬カセットの回転速度が変動しにくい円筒カセット回転方式の散薬供給装置を実現することも求められる。
第2実施形態の散薬供給装置は、このような要請にも応えるべく創案されたものであり、上述した解決手段であって、前記散薬連続送出部が、有底円筒状容器の口に蓋をした散薬カセットを着脱可能に保持するカセット保持機構と、前記カセット保持機構に保持されている前記散薬カセットを軸回転させる回転駆動機構と、前記散薬カセットの蓋に作用して前記散薬カセットの口を開け閉めするカセット開閉機構とを具備したものであり、
更に、前記貯留ホッパの上部開口が、前記散薬カセットの前記口より幅広になっており、前記回転駆動機構が、前記散薬カセットの底面中央に形成されている穴に駆動軸の先端部を軸方向遊嵌状態かつ回転方向係止状態で嵌合させて前記散薬カセットを軸回転させるようになっていることを特徴とする。
又は上述した第1実施形態の散薬供給装置であって、前記回転駆動機構が、前記散薬カセットの底面中央に形成されている穴に駆動軸の先端部を軸方向遊嵌状態かつ回転方向係止状態で嵌合させて前記散薬カセットを軸回転させるようになっていることを特徴とする。
このような散薬供給装置にあっては、回転伝動が散薬カセット底面中央の穴と駆動軸の先端部との嵌合にてなされるようにしたことにより、散薬カセットと駆動軸とが回転方向には機械的係止状態になることから、散薬カセットが駆動軸に従って軸回転するので、散薬カセットの回転状態が安定する。また、散薬カセット側の回転伝動手段がカセット底面に在っても突出しない穴であるため、装置から外した散薬カセットを縦置きできるので、多数の散薬カセットを散薬棚等に並べておくのに好都合である。特に、底側が口側より高くなるよう傾けた状態で散薬カセットが保持されるようにした第1実施形態の副作用として、散薬カセットの底側である円筒後端部と回転輪との摩擦力が弱まって、これが上述した収容散薬量の変化等による散薬の排出速度の不所望な変化に拍車をかけることにもなりかねないが、そのような不都合が回避できて、散薬カセットの回転状態が安定する。
従って、第2実施形態によれば、散薬カセットの回転速度が変動しにくい円筒カセット回転方式の散薬供給装置を実現することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態の散薬供給装置は、上記第1,第2の実施形態の散薬供給装置であって、前記カセット開閉機構が、前記散薬カセットの蓋の最上部を前記散薬カセットの口に当接させつつ前記散薬カセットの蓋の下部を前記散薬カセットの口から離隔させることにより前記散薬カセットの口を開けるようになっていることを特徴とする。
このような第3実施形態の散薬供給装置にあっては、口側が底側より低くなるよう傾けた状態で散薬カセットが保持されるようにした第1実施形態の副作用や、散薬カセットの底面に後方から駆動軸の先端部を遊嵌とはいえ嵌入する第2実施形態2の副作用として、散薬カセットが前に位置ずれし易くなりかねないが、散薬カセットの蓋の最上部が散薬カセットの口に当接するようにもしたことにより、散薬カセットの前方に専用の複雑なカセット位置ずれ防止機構などを設けるまでもなく、元より散薬カセットの前方に設けられているカセット開閉機構によって、簡便かつ的確に、散薬カセットの前向き位置ずれが防止される。
しかも、散薬カセットの口を開けるときには、散薬カセットの蓋の最上部が散薬カセットの口に当接した状態のまま、散薬カセットの蓋の下部が散薬カセットの口から離れるようにしたことにより、更なる利点まで享受できることになった。すなわち、開時に蓋を口から全周一様に離すと、散薬カセットの口から排出される散薬が下方だけでなく左右の横方向へも向かうところ、散薬収容量が多くて満杯に近いほど、更に散薬カセットの傾斜が急で収容散薬が口側に集中するほど、横方向へ大きく広がる傾向が強いうえ、その量や範囲が不所望に変動しやすいが、上側を閉じたまま下側を開けるようにしたことにより、不所望な変動が抑制されて、散薬の落下排出状態が安定するので、撮像計測や重量計測が正確になるとともに、閉動作時の散薬分割状態が安定して分割精度も向上する。
[第4実施形態]
第4実施形態の散薬供給装置は、上記第3実施形態の散薬供給装置であって、前記カセット保持機構が、(保持している)前記散薬カセットの軸回転を許容しつつ前記散薬カセットを下から支える支承部材を具備しており、前記支承部材が、前記散薬カセットの外周面に形成されている(環状溝や鍔状張出などの)環状係合部に上端部を(遊挿や遊嵌などで)係合しうるものであって、係合時に前記散薬カセットの落下と前進を阻止するようになっていることを特徴とする。
このような第4実施形態の散薬供給装置にあっては、カセット保持機構において散薬カセットを下から軸回転可能に支える支承部材として、散薬カセットの外周面の環状係合部に上端部を係合しうるものを採用し、係合時には散薬カセットの落下だけでなく前進までも支承部材によって阻止されるようにしたことで、散薬カセットの前方に専用の複雑なカセット位置ずれ防止機構などを設けるまでもなく、簡便かつ的確に、散薬カセットの前向き位置ずれが防止される。そして、そのようなカセット保持機構による散薬カセット前向き位置ずれ防止機能と第3実施形態のカセット開閉機構による散薬カセット前向き位置ずれ防止機能とが同時に発揮されることによって、散薬カセットの前進力が両機構に分散されるので、散薬カセットの蓋が開時に散薬カセットの口に当接するのが蓋の最上部に限られる状態で使用されても、更に蓋が薄くても、蓋の不所望な変形や破損を回避することができる。
このような本発明の散薬供給装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。
図1〜図4に示した実施例1は、上述した解決手段1,解決手段2,解決手段3(出願当初の請求項1),解決手段4(出願当初の請求項2),解決手段5,解決手段6(出願当初の請求項3),解決手段7(出願当初の請求項4),解決手段8(出願当初の請求項5)を総て具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,ヒンジ等の連結具,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路の詳細などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
この実施例1では、散薬供給装置10の説明に先立って、それに使用される散薬カセット90を説明する。図3は、(a)が蓋95を閉めた散薬カセット90の斜視図、(b)が蓋95を外した散薬カセット90の斜視図、(c)が有底円筒状容器91の底面図、(d)が有底円筒状容器91の立面図である。
散薬カセット90は(図3(a),(b)参照)、例えばガラス製の円筒に対して縦置き時の下端部かつ横置き時の後端部のところに例えば金属製の底板が接着や嵌め込み等で固定的に装着された有底円筒状容器91を主体にしたものであり、その有底円筒状容器91の開口端である上端・前端には口金(92+93)がやはり接着や嵌め込み等で固定的に装着されている。口金(92+93)は、例えば金属製のリング状部材からなり、その先端部の内周側には、有底円筒状容器91の開口をテーパ状に拡径する口92(口唇部)が形成され、外周面には、一周に亘る環状溝93(環状係合部)が彫り込み形成され、その縁部が凸状に張り出していてやはり一周に亘る鍔状張出93aとなっている。
また、蓋95は、例えば金属製の薄い円板97に掛止部96,96を装着したものであり、円板97の縁を全周に亘って口92に密着させることで散薬カセット90の口を閉め、掛止部96,96の先端を環状溝93に入れて鍔状張出93aに引っ掛けることで閉状態を維持し、掛止部96,96を環状溝93から抜いて円板97を口92(口唇部)から引き離すことで散薬カセット90の口(開口)を開けるようになっている。
さらに、散薬カセット90の底面の中央には穴94が形成されている(図3(c),(d)参照)。図示した穴94は断面が六角形のものであるが、後述する駆動軸32を軸方向遊嵌状態で挿抜できて挿入時には回転方向係止状態で回転運動を伝達できるようになっていれば、十字状や内歯状など他の形状のものであっても良い。
本発明の散薬供給装置の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が散薬供給装置10の内部機構の要部の右側面図、(b)がコントローラ80(制御装置・演算装置)の機能ブロック図である。
また、図2は、(a)が散薬供給装置10の外観斜視図、(b)が散薬カセット90を保持している散薬供給装置10の内部機構(20〜40,50〜70,80)等の右側面図である。
散薬供給装置10は(図1(a),(b),図2参照)、装着された上述の散薬カセット90から散薬を少しずつ落下排出させる散薬連続送出部20〜40と、その落下散薬を計測しながら一時貯留することで分割する散薬貯留分割部50〜70と、それらの動作制御や演算を行うコントローラ80(制御装置・演算装置)とを具えたものである。また(図2参照)、それらを支持する適宜な部材も具備しており、図示の例では、底板11と前側支持部12と後側支持部13とを具備していて、底板11の上面には前側支持部12と後側支持部13とが搭載されており、カセット保持機構20と回転駆動機構30とを搭載した傾斜板21を、背の低い前側支持部12と背の高い後側支持部13とで支持することにより、散薬カセット90を傾斜角θの前下がり状態で支持しうるようになっている。
散薬連続送出部20〜40は(図1(a),図2参照)、上述した散薬カセット90を着脱可能に保持するためのカセット保持機構20と、散薬カセット90を軸回転させるための回転駆動機構30と、散薬カセット90の口を開け閉めするためのカセット開閉機構40とを具えたものであり、カセット保持機構20にて散薬カセット90を傾斜角θの前下がり状態で保持するとともに、保持した散薬カセット90の有底円筒状容器91を回転駆動機構30にて軸回転させることで、散薬カセット90から散薬を少しずつ落下排出させるようになっている。
散薬貯留分割部50〜70は、散薬カセット90の口から排出されて落下している散薬を撮るための撮像装置50(撮像計測手段)と、撮像装置50の撮影方向で散薬落下位置より先に位置する所に設けられた背景部材51と、散薬連続送出部20〜40から排出された落下散薬を受け入れて一時貯留する貯留ホッパ60と、貯留ホッパ60に装備されている開閉弁61に作用して貯留ホッパ60を開閉させるホッパ開閉駆動機構62と、貯留ホッパ60をホッパ拝持部材71にて支承するとともにその重量を測定するホッパ保持部70(重量計測手段)とを具備している。
以下、各部20〜80の構成を順に詳述する。
カセット保持機構20は(図2参照)、散薬カセット90を載せられるとそれを傾斜角θの前下がり姿勢で軸回転可能に保持するために、後側支持部13と前側支持部12とによって底板11の上方に傾斜角θの前下がり姿勢で保持されている傾斜板21と、傾斜板21の上面の前寄り部位に立設された前側支承部材22と、傾斜板21の上面の後寄り部位に立設された後側支承部材23とを具えている。前側支承部材22も、後側支承部材23も、滑らかな上端面を散薬カセット90の外周面に下から当接させることで、散薬カセット90の軸回転を許容しつつ散薬カセット90を下から支えるようになっている。そのうち前側支承部材22は、上端部の厚みが散薬カセット90の外周面の環状溝93(環状係合部)の幅より薄いので、上端部を環状溝93に遊挿(係合)しうるものとなっており、上端部を環状溝93に挿入(係合)した状態では上端面を溝底面に当てて、散薬カセット90の軸回転を妨げることなく散薬カセット90の落下を阻止することに加え、上端部側面を溝壁面に当てて散薬カセット90の前進を阻止するようになっている。
カセット保持機構20に装着された散薬カセット90が口92を少し下げた傾斜姿勢をとることから、散薬カセット90の口が開いていると、有底円筒状容器91の中の散薬が口から零れてしまうので、有底円筒状容器91の口92を蓋95で閉めた散薬カセット90を着脱することができるように、カセット保持機構20の前後に分かれて配置された回転駆動機構30とカセット開閉機構40と間に十分な空間が確保されるとともに、干渉のおそれのある部材たとえば後述する駆動軸32やアーム43が手動で簡便に移動させられるようになっている。さらに、傾斜角θが図示の例では5゜強に固定されているが、散薬の排出速度が安定する程度に散薬カセット90を前下がり姿勢で即ち底側より口側の低い横置き傾斜状態で保持するようになっていれば良いので、例えば3゜〜20゜の範囲で傾斜角θを可変調整しうるようになっていても良く、その傾斜角調整がコントローラ80の制御等にて散薬情報に応じて自動的に実行されるようになっていても良い。
回転駆動機構30は、カセット保持機構20に保持されている散薬カセット90をコントローラ80の制御に従って軸回転させるために、カセット保持機構20の後方に設けられたモータ31と、モータ31から前方のカセット保持機構20に向けて突き出た駆動軸32と、必須ではないがモータ31と駆動軸32とに介在する図示しない減速機構とを具えている。駆動軸32は、少なくとも先端部が散薬カセット90の穴94に対応していて本例では穴94より少しだけ細い六角柱状になっているため、先端部を軸方向相対移動によって穴94に遊嵌状態で挿入することができるうえ、そのようにして嵌合させると周方向については先端部の長径部と穴94の短径部とが干渉して回転方向係止状態になるので、モータ駆動にて散薬カセット90を軸回転させることができるものとなっている。
カセット開閉機構40は、散薬カセット90の蓋95に作用して散薬カセット90の口(開口)を開け閉めするために、カセット保持機構20の前方で前側支持部12の上に固定された揺動駆動部41と、その上部に装備された蓋保持具42と、その上部に装備されたアーム43とを具えている。揺動駆動部41は、モータや減速ギヤ等の駆動部材を具備していて、コントローラ80の制御に従って蓋保持具42を蓋着脱に必要なだけ前後方向に直線移動させるとともに蓋開閉に必要なだけ前後方向に揺動させるようになっている。蓋保持具42は、後進して蓋95に当接すると図示しない係止部等で蓋95を保持するとともに蓋95の掛止部96,96を押し開いて環状溝93から外すようになっている。散薬カセット90の口を閉めるときは逆のことを行うようになっている。なお、アーム43は、蓋保持具42の補助のため蓋保持具42にて揺動可能に支持されており、先端の爪部を手で摘まんで散薬カセット90の環状溝93に上から入れることができるようになっている。
そして、カセット開閉機構40は、口92を閉じた散薬カセット90が環状溝93の下側部分に前側支承部材22を挿入させた状態で後ろ側を後側支承部材23に載せられるとともに穴94に駆動軸32を差し込まれ、さらにアーム43の先端の爪部が散薬カセット90の環状溝93の上側部分に挿入されると、コントローラ80の制御に従って、掛止部96が散薬排出の邪魔にならない横位置に来るまで一時的に散薬カセット90が軸回転された後、蓋保持具42が後進して蓋95を保持し、それから蓋保持具42が単に又は僅かに前進しながら揺動することにより、蓋95の円板97の最上部を散薬カセット90の口92に当接させつつ散薬カセット90の蓋95の円板97の下部を散薬カセット90の口92から離隔させる態様で散薬カセット90の口(開口)を開け、散薬カセット90の口(開口)を閉めるときは逆のことを行うようになっている
撮像装置50は、例えば小型のCCDカメラにLED照明を付けたもので良く、前側支持部12の中で前寄り上側の所に後向きで設置されて、散薬カセット90の口92から落下している散薬を正面から幅広く撮るようになっている(撮像計測手段)。
また、この撮像装置50で撮った画像データを撮像装置50からコントローラ80へ送るとともに、コントローラ80が後述する撮像計測プログラム82を実行することで、散薬連続送出部20〜40にて散薬カセット90から排出された散薬送出量の推定値(散薬送出量推定値)が算出されるようになっている(撮像計測手段)。
背景部材51は、散薬画像の明瞭化のために、すなわち撮像装置50で撮った画像において散薬を鮮明な影像で写り込ませるために、背景の大部分をカバーしうる大きさの板材等からなり、少なくとも画像に背景として写り込む面は、撮像装置50の感応する色の光を吸収して反射しない状態になっている。例えば、撮像装置50が可視光に感応するのであれば背景部材51の背景面は黒色になっており、撮像装置50が赤外線に感応するのであれば背景部材51の背景面は赤外線を吸収するようになっている。なお、背景部材51でカバーしきれない背景部分、例えば傾斜板21や前側支承部材22の前面(図2では左方の面)にも背景部材51と同様の表面処理が施されている。
貯留ホッパ60は、例えば上下に開口を持った漏斗状部材からなり、ホッパ保持部70によって保持されて、撮影位置より下流側の散薬落下経路中に位置している。開閉弁61は、貯留ホッパ60の下端開口部かあるいは中空部・内腔部に組み込まれていて、例えば揺動することで貯留ホッパ60を開閉するようになっている。ホッパ開閉駆動機構62は、モータや減速ギヤ等を具備していて、コントローラ80の制御に従い必要時には、開閉弁61に作用して開閉動作を行わせるようになっている。そして、貯留ホッパ60は、コントローラ80の制御に従って開閉弁を閉じた状態で、散薬カセット90の口から落下した散薬を上の開口から受け入れて、一包分など一纏まりの分割量が集まるまで散薬を一時貯留するとともに、所定の分割量が集まったことを確認したコントローラ80の制御に従い、開閉弁61を開けて貯留散薬(一時貯留散薬)を下の開口から放出して落下させるようになっている。
ホッパ保持部70は、貯留ホッパ60の下部を上から貫通穴に落とし込んで捧げ持つ拝手状態で貯留ホッパ60を保持するホッパ拝持部材71と、このホッパ拝持部材71の下に設けられた図示しないロードセル等の重量測定器具とを具えていて、貯留ホッパ60を含んだ機械部分の重量を計測するようになっている。また、その計測データをホッパ保持部70からコントローラ80へ送るとともに、コントローラ80が後述する重量計測プログラム83を実行することで、ホッパ保持部70のロードセル等で計測した重量値の変化から散薬貯留量が算出されるようになっている(重量計測手段)。
コントローラ80(制御装置・演算装置)は、制御機能と演算機能を発揮できれば単体のコンピュータやシーケンサーでも良く分散型の電子制御回路でも良く専用品でも良く組み込み先の薬剤分包機のコントローラとの兼用品でも良い。ここでは、プログラマブルなコンピュータが採用されて、制御プログラム81(制御手段)と、撮像計測プログラム82(撮像計測手段)と、重量計測プログラム83(重量計測手段)と、個別誤差量確認プログラム84(個別誤差量確認手段)と、個別誤差修正プログラム85(個別誤差修正手段)と、累積誤差量算出プログラム86(累積誤差量算出手段)と、累積誤差修正プログラム87(累積誤差修正手段)と、選択プログラム88(選択手段)とが、予めインストールされているものとする。
コントローラ80は、図示しない指示入力プログラムを実行することにより、図示しない付属の操作表示ユニットや上位の調剤管理装置などから分包量や分包数などの調剤指示データを取得して分割目標量を決定するとともに、上記の各プログラム81〜88を実行することにより、上述した散薬連続送出部20〜40と散薬貯留分割部50〜70とが的確に協動するよう更に包装装置が連結されている場合はそれも含めて的確な分包動作がなされるよう、それらの動作を制御するようになっている。
以下、各プログラム81〜88を実行したコントローラ80の機能を説明する。
制御プログラム81は、回転駆動機構30のモータ31と、カセット開閉機構40の揺動駆動部41及び蓋保持具42と、散薬貯留分割部50〜70のホッパ開閉駆動機構62とを制御対象としており、それらの動作を調剤指示等に基づいて制御して、後述する使用態様等において説明する一連の動作が行われるように散薬連続送出部20〜40と散薬貯留分割部50〜70とを協動させることにより、散薬連続送出部20〜40による連続排出と散薬貯留分割部50〜70による分割とを交互に行わせて、散薬供給装置10に散薬分割(すなわち散薬の連続排出と分割)を必要なだけ繰り返させるようになっている。
その一例を詳述すると、制御プログラム81は、散薬連続送出部20〜40に散薬の連続排出を開始させ、その後、散薬送出量推定値が分割目標量に達すると、散薬連続送出部20〜40に散薬の連続排出を停止させるとともに、ホッパ開閉駆動機構62を制御して貯留ホッパ60を閉状態から開状態にさせることで貯留ホッパ60から貯留散薬を落下放出させるようになっている。なお、貯留散薬の落下放出のため貯留ホッパ60を開けるタイミングは、選択プログラム88によって個別誤差量確認プログラム84の実行が選択されていないときには散薬連続送出部20〜40による散薬の連続排出の停止と同時か直後であり、選択プログラム88によって個別誤差量確認プログラム84の実行が選択されているときには、散薬連続送出部20〜40による散薬の連続排出の停止から、それまでに排出された散薬が総て空中を落下し終えて貯留ホッパ60に収まるまでに要すると見込まれる散薬落下時間が経過した後、になっている。
撮像計測プログラム82は、撮像装置50で撮った画像から例えば画像内の白黒比を時々刻々散薬量に換算するといった演算を行って散薬送出量推定値を算出するようになっている。その際、各散薬分割時に、散薬の連続排出を始めたときから時々刻々の散薬量を積み上げていくことで散薬送出量推定値を決めるようになっていても良いが、未だ貯留ホッパ60に受け入れられる前で空中を落下していて散薬の量を画像から求めてそれに散薬貯留量(貯留途中の散薬の重量測定値)を足すことで散薬送出量推定値を決めるようにした方が測定精度の向上が期待できる。何れにしても、画像から得た散薬送出量推定値に対し後述の修正値を用いて修正を施し、他のプログラムから参照される最終的な散薬送出量推定値を決定するようになっている。
重量計測プログラム83は、ホッパ保持部70からそのロードセル等で計測した重量値を随時入力し、その重量値の変化から、即ち散薬の連続排出の開始後に時々刻々得られた重量値から散薬の連続排出の開始前または開始時の重量値を差し引くことで、散薬貯留量を算出するようになっている。散薬連続送出部20〜40による散薬の連続排出の開始時から散薬貯留分割部50〜70による散薬の分割の開始までの時間帯を含む時間に亘って散薬貯留量の算出を繰り返すようになっている。
個別誤差量確認プログラム84は、選択プログラム88によって選択された散薬分割時にだけ実行されるものであり、実行時には上述したように散薬の連続排出の停止後に散薬落下時間の経過を待って散薬カセットからの落下散薬が総て貯留ホッパ60に受け入れられてから重量計測が行われることで散薬貯留量が正確に算出されることに基づいて、そのときの散薬分割における最終的な散薬貯留量と分割目標量との差から散薬排出誤差量を算出するようになっている。この散薬排出誤差量は誤差の状態に応じてゼロの他にプラス側の値もマイナス側の値も取り得るものである。
個別誤差修正プログラム85は、個別誤差量確認プログラム84と同じく選択プログラム88によって選択された散薬分割のときだけ実行されるものであり、何時も散薬排出誤差量をそのまま又は正負を変える程度で修正値とするようになっていても良いが、複数回の実行により既に個別誤差量確認プログラム84によって複数個の散薬排出誤差量が算出されているときには、それらを記憶保持していて、線形の又は非線形の適宜な既知の近似式等を用いて予測値を算出し、それを修正値とする方がより好ましい。何れにしても、収れん回数に差はあるが、以後も散薬分割が繰り返されると、その度に、個別誤差修正プログラム85の算出した修正値で、散薬送出量推定値の算出する散薬送出量推定値が解消するよう修正されるので、以後の散薬分割時に算出される散薬排出誤差量がゼロに近づくようになっている。
累積誤差量算出プログラム86は、散薬分割が繰り返し行われるとともに、その際に個別誤差量確認プログラム84が連続して実行されたときには、その実行の度に個別誤差量確認プログラム84によって算出された散薬排出誤差量を足し合わせて集計することにより、以前の散薬分割時の散薬排出誤差量の集計値に該当する累積誤差量を算出する。また、散薬分割が繰り返し行われた際に個別誤差量確認プログラム84が間欠的に実行されたときには、適宜な補間式を用いて非実行時の散薬排出誤差量を推計してから、それらの散薬排出誤差量を足し合わせることにより、以前の散薬分割時の散薬排出誤差量の集計値に相当する累積誤差量を算出するようになっている。
この累積誤差量もゼロの他に正負の値を取り得る。なお、個別誤差量確認プログラム84非実行時の散薬排出誤差量の推計に累積誤差量算出プログラム86が用いうる補間式の例を挙げると、前後二回の個別誤差量確認プログラム84実行時の散薬排出誤差量に基づいて中間の非実行時の散薬排出誤差量を推計するには前後二回の実測値を直線で結ぶ一次式が使用でき、三回の実測値にはそれらを曲線で結ぶ二次式が使用でき、四回の実測値にはそれらを曲線で結ぶ三次式が使用できる。また、三回以上の実測値には、それより次数の低い多項式であって最小自乗法などで選択した近似式が使用できる。
累積誤差修正プログラム87は、累積誤差量算出プログラム86によって累積誤差量が算出される度に、その算出済みの累積誤差量に基づいて分割目標量を修正するのであるが、その際、未だ実行されずに残っている散薬分割の回数が一回しか無ければ算出済みの累積誤差量をそのまま用いて分割目標量を修正するのに対し、散薬分割の残回数が複数であれば、実分割量の変動を抑制しながら以後の散薬分割時に算出される累積誤差量をゼロに近づけるために、例えば、算出済みの累積誤差量を散薬分割の残回数で割った値を用いて分割目標量を修正するようになっている。
選択プログラム88は、上述した個別誤差量確認プログラム84と個別誤差修正プログラム85と累積誤差量算出プログラム86と累積誤差修正プログラム87との実行/不実行を切り替えるものであり、それらの誤差修正手段84〜87を実行するには上述のように貯留ホッパ60への散薬落下時間の経過待ちが必要で、誤差修正手段84〜87の実行を選択すると不実行を選択したときより散薬分割(散薬の連続排出と分割)に時間が掛かるため、総ての散薬分割時に誤差修正手段84〜87の実行を選択するのでなく、例えば、最初の散薬分割時と最後の数回の散薬分割時だけ実行を選択するとか、最初の数回の散薬分割時と後半1/3や1/4の散薬分割時だけ実行を選択するとか、中間では数回から数十回に一回の割で間欠的に実行を選択するとか、さらには散薬送出量推定値や累積誤差量の大小に応じて実行頻度を増減するとか、選択条件を設定できるようになっている。
しかも、累積誤差量算出プログラム86は、一連の散薬分割の途中で散薬カセット90の口の開度が変更されるときには、開度変更直前の散薬分割時および開度変更時の散薬分割時の双方で、誤差修正手段84〜87の実行を選択するようになっている。
開度変更直前の散薬分割時に誤差修正手段84〜87が実行されることにより、それ以前に実行された累積誤差量の推定精度について、低下を防止して高く維持することができるからである。また、開度変更時の散薬分割時に誤差修正手段84〜87が実行されることにより、それ以後に実行される散薬送出量推定値と累積誤差量の推定精度について、やはり低下を防止して高く維持することができるからである。
この実施例1の散薬供給装置10について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図4は、(a)が散薬カセット90から散薬99を少しずつ落下排出しているところの右側面図、(b)が貯留ホッパ60から貯留散薬99を残さず素早く落下放出しているところの右側面図である。
散薬供給装置10を作動させるに先立ち、手動で、調剤対象の散薬99を収容している散薬カセット90を、蓋95で口92を閉めた状態のまま、カセット保持機構20に保持させるが、その際、散薬カセット90を横にして後側部分を後側支承部材23に載せてから散薬カセット90を後方へ押して移動させることで、散薬カセット90の底面の穴94に回転駆動機構30の駆動軸32の先端部を嵌入させ、さらに散薬カセット90の前側を下げて散薬カセット90の環状溝93の下側部分にカセット保持機構20の前側支承部材22の上端を挿入させ、それから、予め逃げさせておいたアーム43を揺動させてその先端の爪部を散薬カセット90の環状溝93の上側部分に挿入させる。
そして、散薬カセット90の装着後は、分包量(散薬送出量,分割量)や分包数(送出回数,分割回数)といった調剤指示データを操作入力やダウンロード等にてコントローラ80に与えると、後は、制御プログラム81を実行するコントローラ80の制御により自動で、分割目標量に初期値として上記の分包量がセットされるとともに、開閉弁61が閉側に位置して貯留ホッパ60の下端側が閉じられて、貯留ホッパ60が散薬を重量測定しながら受け入れる態勢を調える(図2(b)参照)。
それから、開閉機構40によって蓋95が下側だけ前進させられて散薬カセット90の口が開き、回転駆動機構30によって散薬カセット90が軸回転させられるので、散薬カセット90の口から散薬99が少しずつ排出される(図4(a)参照)。
そのとき、散薬99は、(同図では左右方向の)厚みが薄い状態で、(同図では紙面に垂直な方向である)横に広がりながら、撮像装置50と背景部材51との間を落下して貯留ホッパ60に入り込む。そして、その落下中の散薬99が撮像装置50によって撮られるが、散薬99は照明によって明るくなっているのに対し、背景部材51等は照明光を反射しないので暗くなっているため、撮った画像において影像と背景との明暗・白黒が強調されて、散薬99の影像が明瞭で背景から容易かつ的確に抽出される。そして、その画像に基づき、撮像計測プログラム82を実行するコントローラ80の画像処理と計数処理とによって、落下中の散薬99の量の推定値である散薬送出量推定値が算出されるが、修正値が初期値“0”以外であれば、それを用いた散薬送出量推定値の修正も行われる。
更に落下した散薬99は貯留ホッパ60に入り込んでその中に一時貯留されるが、そこで貯留中の散薬99であるホッパー投入済み散薬99(貯留散薬・一時貯留散薬)は、貯留ホッパ60等と一緒にホッパ保持部70のロードセルにて重量測定される。そして、その重量変化に基づき、重量計測プログラム83を実行するコントローラ80によって、ホッパー投入済み散薬99の量である散薬貯留量が算出される。
この散薬貯留量は、撮像計測プログラム82によって散薬送出量推定値の算出の度に参照されるとともに、選択プログラム88によって誤差修正手段84〜87の実行が選択されている散薬分割のときには、個別誤差量確認プログラム84によっても参照される。
また、制御プログラム81の実行によって随時、散薬送出量推定値と分割目標量とが比較され、散薬送出量推定値が分割目標量に達すると、開閉機構40によって蓋95が下側を後退させられて散薬カセット90の口が閉まるとともに、貯留ホッパ60が開いて一包量(分割量)の散薬99が下流の包装装置等へ送り込まれる(図4(b)参照)。その際、散薬カセット90が閉まってから貯留ホッパ60が開くまでの時間は、選択プログラム88の選択が誤差修正手段84〜87の不実行になっている散薬分割のときには、瞬時であるが、選択プログラム88の選択が誤差修正手段84〜87の実行になっている散薬分割のときには、それまでに排出された散薬99が総て空中を落下し終えて貯留ホッパ60に収まるまでに要すると見込まれる既定の散薬落下時間より少し長くなる。
そのため、選択プログラム88の選択が誤差修正手段84〜87の実行になっている散薬分割のときには、散薬カセット90から一続きで排出された散薬99が、全量、ホッパ保持部70のロードセル等(重量計測手段)で重量計測されるので、正確な散薬貯留量が得られる。そして、そのときには、選択プログラム88の選択が誤差修正手段84〜87の不実行になっている散薬分割のときには行われない修正処理が行われる。すなわち、個別誤差量確認プログラム84と個別誤差修正プログラム85と累積誤差量算出プログラム86と累積誤差修正プログラム87とがコントローラ80によって実行される。
詳述すると、個別誤差量確認プログラム84の実行によって散薬貯留量と分割目標量との差から散薬排出誤差量が算出され、その散薬排出誤差量あるいはそれを含む算出済み散薬排出誤差量から個別誤差修正プログラム85の実行によって修正値が算出されるので、その後に撮像計測プログラム82の実行によって算出される散薬送出量推定値の正確度が向上する。また、その散薬排出誤差量を含む算出済み散薬排出誤差量から累積誤差量算出プログラム86の実行による集計にて又は推計にて累積誤差量が算出され、さらに、累積誤差修正プログラム87の実行によって、それまでの累積誤差が以後の散薬分割に分散されて消滅するように、累積誤差量に基づいて分割目標量が修正されるので、分包に実際に供される散薬の総量と分包指示された量(=分包量×分包数)との差が僅少になる。
このような動作が一包量(分割量)毎に繰り返されて、指定の分包数(送出回数)だけ行われると、所要の散薬供給動作が完了するので、散薬カセット90の口を閉めた状態で散薬供給装置10が動作停止する。
そこで、使用済みの散薬カセット90を散薬供給装置10から取り外すときには上述した装着時と逆順の作業を行うが、同じ散薬99を再び調剤するのであれば、カセット脱着作業を省いて調剤指示データの設定から行う。
こうして、横置き円筒カセット回転方式で散薬供給が行われるが、散薬供給装置10は幾つかの点で改良されているので、精度も能率も向上している。
すなわち、選択プログラム88によって誤差修正手段84〜87の実行が選択される散薬分割は、撮像計測の精度向上に特に有効な最初の一回か数回の散薬分割時と、累積誤差の解消に特に有効な最後から数分の一程度の範囲の散薬分割時と、その中間の数回から数十回おきの散薬分割時とに、限定されているので、散薬分割を高い精度で而も迅速に行うことができる。
また、散薬カセット90が口92側を低くして傾斜角θだけ傾いているので、収容散薬99が少なくなっても散薬の排出速度があまり下がらない。さらに、散薬カセット90と回転駆動機構30との回転伝動が穴94と駆動軸32との機械的係止にてなされるので、散薬カセット90の回転状態が安定する。また、蓋95の最上部を口92に当接させつつ蓋95の下部を口92から離隔させて散薬カセット90の口を開けるようにしたので、散薬カセット90の前向き位置ずれが簡便に防止されるとともに、散薬99の落下排出状態が安定する。また、環状溝93に前側支承部材22を入れて散薬カセット90を支承するようにもしたので、散薬カセット前向き位置ずれ防止機能を損なうことなく且つ蓋95の不所望な変形や破損を招くことなく、蓋95の円板97を薄くすることができる。
[その他]
上記実施例で述べたコントローラ80のプログラム構成は、一例にすぎず、それに限定される訳ではない。コントローラ80が所要の機能を発揮することができれば、モジュール分けやデータ構造などが異なっていても良い。
上記実施例では、散薬カセット90の外周面に形成されている環状溝93と鍔状張出93aとのうち環状溝93に前側支承部材22の上端部を挿入して溝底に当接させることで環状溝93を環状係合部として使用するようになっていたが、鍔状張出93aを環状係合部として使用することも可能である。例えば、前側支承部材22の上端部に凹部を彫り込み形成しておき、その凹部に散薬カセット90の鍔状張出93aを挿入して凹部の底面に当接させることで、鍔状張出93aを環状係合部として使用することができる。
上記実施例ではカセット保持機構20等が剥き出しになっていたが、カセット保持機構20及び他の機構30〜80が纏めて箱状の筐体に収められていても良く、その場合、筐体の上面部を透明な開閉蓋にすると使いやすい。
上記実施例では、カセット保持機構20等が傾斜板21の上に設置されているのに対し開閉機構40が前側支持部12の上に設置されていたが、開閉機構40が傾斜板21の上に設置されていても良い。傾斜板21が枠体になっていても良い。
上記実施例では、散薬カセット90をカセット保持機構20に保持させる際、駆動軸32と穴94との嵌合を先に行いその後に前側支承部材22の環状溝93への挿入を行ったが、先ず駆動軸32を後方へ退避させておき上記手順と逆順で行うようにしても良い。
本発明の散薬供給装置は、単独で使用しても良いが、散薬分包機に組み込まれることが多く、その際、配分分割用の機構を置換する形で包装装置の直上に設けて散薬を一包分ずつ包装装置へ送り込むようにしても良く、散薬フィーダを置換する形で回転配分式の散薬供給装置に組み込んでも良く、散薬フィーダに散薬を供給する形で回転配分式の散薬供給装置に付設しても良く、回転配分式の散薬供給装置と並設しても良く、それらを切り替えられるようにしても良い。
10…散薬供給装置(計量分割式)、
11…底板、12…前側支持部、13…後側支持部、
20〜40…散薬連続送出部、
20…カセット保持機構、21…傾斜板、θ…傾斜角、
22…前側支承部材、23…後側支承部材、
30…回転駆動機構、31…モータ、32…駆動軸、
40…カセット開閉機構、41…揺動駆動部、42…蓋保持具、43…アーム、
50〜70…散薬貯留分割部、
50…撮像装置(撮像計測手段)、51…背景部材、
60…貯留ホッパ、61…開閉弁、62…ホッパ開閉駆動機構、
70…ホッパ保持部(重量計測手段)、71…ホッパ拝持部材、
80…コントローラ(制御装置・演算装置)、
81…制御プログラム(制御手段)、
82…撮像計測プログラム(撮像計測手段)、
83…重量計測プログラム(重量計測手段)、
84…個別誤差量確認プログラム(個別誤差量確認手段)、
85…個別誤差修正プログラム(個別誤差修正手段)、
86…累積誤差量算出プログラム(累積誤差量算出手段)、
87…累積誤差修正プログラム(累積誤差修正手段)、
88…選択プログラム(選択手段)、
90…散薬カセット、91…有底円筒状容器、92…口、
93…環状溝(環状係合部)、93a…鍔状張出(環状係合部)、
94…穴、95…蓋、96…掛止部、97…円板、99…散薬

Claims (3)

  1. 散薬カセットから散薬を少しずつ落下排出させる散薬連続送出部と、その落下散薬を受け入れて一時貯留する貯留ホッパと、前記散薬カセットの口から排出されて落下している散薬を撮像装置で撮ってその画像から散薬送出量推定値を算出する撮像計測手段と、前記貯留ホッパを含んだ機械部分の重量を計測してその重量変化から散薬貯留量を算出する重量計測手段とを備えていて、前記撮像計測手段にて算出された散薬送出量推定値が調剤指示に基づく分割目標量に達すると前記散薬連続送出部の散薬排出を止めるとともにそれ以後に前記貯留ホッパから貯留散薬を落下放出させることで散薬分割を行う散薬供給装置において、
    前記散薬連続送出部の散薬排出を止めてから前記貯留ホッパへの散薬落下時間の経過を待って前記重量計測手段による重量計測と散薬貯留量算出とを完遂するとともにそのときの計測に係る前記貯留ホッパの散薬貯留量と前記分割目標量との差からそのときの計測に係る散薬排出誤差量を算出する個別誤差量確認手段と、
    前記散薬分割が繰り返されるとき,前記個別誤差量確認手段によって以後の散薬分割時に算出される散薬排出誤差量がゼロに近づくように,前記撮像計測手段によって以後の散薬分割時に算出される散薬送出量推定値を,前記個別誤差量確認手段によって既に算出された散薬排出誤差量に基づいて修正する個別誤差修正手段と
    を具備したことを特徴とする散薬供給装置。
  2. 前記散薬分割が繰り返されるとき,前記個別誤差量確認手段によって既に算出された散薬排出誤差量に基づいて以前の散薬分割時の散薬排出誤差量の集計値に該当する又は相当する累積誤差量を集計にて又は推計にて算出する累積誤差量算出手段と、
    前記散薬分割が繰り返されるとき,前記累積誤差量算出手段によって以後の散薬分割時に算出される累積誤差量がゼロに近づくように,前記累積誤差量算出手段によって既に算出された累積誤差量に基づいて前記分割目標量を修正する累積誤差修正手段と
    を具備したことを特徴とする請求項1記載の散薬供給装置。
  3. 散薬カセットから散薬を少しずつ落下排出させる散薬連続送出部と、その落下散薬を受け入れて一時貯留する貯留ホッパと、前記散薬カセットの口から排出されて落下している散薬を撮像装置で撮ってその画像から散薬送出量推定値を算出する撮像計測手段と、前記貯留ホッパを含んだ機械部分の重量を計測してその重量変化から散薬貯留量を算出する重量計測手段とを備えていて、前記撮像計測手段にて算出された散薬送出量推定値が調剤指示に基づく分割目標量に達すると前記散薬連続送出部の散薬排出を止めるとともにそれ以後に前記貯留ホッパから貯留散薬を落下放出させることで散薬分割を行う散薬供給装置において、
    前記散薬連続送出部の散薬排出を止めてから前記貯留ホッパへの散薬落下時間の経過を待って前記重量計測手段による重量計測と散薬貯留量算出とを完遂するとともにそのときの計測に係る前記貯留ホッパの散薬貯留量と前記分割目標量との差からそのときの計測に係る散薬排出誤差量を算出する個別誤差量確認手段と、
    前記散薬分割が繰り返されるとき,前記個別誤差量確認手段によって既に算出された散薬排出誤差量に基づいて以前の散薬分割時の散薬排出誤差量の集計値に該当する又は相当する累積誤差量を集計にて又は推計にて算出する累積誤差量算出手段と、
    前記散薬分割が繰り返されるとき,前記累積誤差量算出手段によって以後の散薬分割時に算出される累積誤差量がゼロに近づくように,前記累積誤差量算出手段によって既に算出された累積誤差量に基づいて前記分割目標量を修正する累積誤差修正手段とを具備したことを特徴とする散薬供給装置。
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