樹脂組成物は、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミンまたは水添トリマートリアミンのいずれかの量、あるいは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの2種以上の合計の量と、ロジンの量の比率が、ロジンを基準として0.35以上1.00以下である。
本実施の形態のはんだ付け用フラックスは、この樹脂組成物を溶剤で希釈したものであり、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミンまたは水添トリマートリアミンのいずれか、あるいは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの2種以上とロジンと溶剤とを含む。
はんだ付け用フラックスは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミンまたは水添トリマートリアミンのいずれかの量、あるいは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの2種以上の合計の量と、ロジンの量の比率が、ロジンを基準として0.35以上1.00以下である。
本実施の形態のダイマージアミンの原料となるダイマー酸は、オレイン酸とリノール酸の反応物で、炭素数が36の2量体である。また、本実施の形態のトリマートリアミンの原料となるトリマー酸は、オレイン酸とリノール酸の反応物で、炭素数が54の3量体である。オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物である本実施の形態のダイマージアミン及びオレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸を変性させた反応物である本実施の形態のトリマートリアミンは、はんだ付けで想定される温度域での難揮発性を有し、はんだ付け時に活性剤として機能する。また、残渣中でロジンに柔軟性を持たせてロジンのひび割れを抑制する。
ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンは、活性剤として機能することで、量が減少する。このため、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンを添加する量が少ないと、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンが残渣中に残る量が少なくなる。これにより、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンのロジンに対する比率が低くなり、残渣中でロジンのひび割れを抑制する効果が得られない。
そこで、はんだ付け用フラックスは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミンまたは水添トリマートリアミンのいずれか、あるいは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの2種以上を、合計で3.5wt%以上10.0wt%以下含む。
本実施の形態のはんだ付け用フラックスは、ロジンを5.0wt%以上10.0wt%以下、溶剤を70.0wt%以上91.5wt%以下含む。また、本実施の形態のはんだ付け用フラックスは、活性剤としてさらに有機酸を0wt%以上5.0wt%以下、有機ハロゲン化合物を0wt%以上1.0wt%以下、アミンハロゲン化水素酸塩を0wt%以上1.0wt%以下含む。本実施の形態のはんだ付け用フラックスは、活性剤としてさらに他のアミンを0wt%以上1.0wt%以下含む。
ロジンとしては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン等の原料ロジン、並びに該原料ロジンから得られる誘導体が挙げられる。該誘導体としては、例えば、精製ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、酸変性ロジン、フェノール変性ロジン及びα,β不飽和カルボン酸変性物(アクリル化ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン等)、並びに該重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びに該α,β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本実施の形態のはんだ付け用フラックスは、ロジンに加えてさらに他の樹脂を含んでも良く、他の樹脂としては、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、及び変性キシレン樹脂から選択される少なくとも一種以上の樹脂をさらに含むことができる。変性テルペン樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂等を使用することができる。変性テルペンフェノール樹脂としては、水添テルペンフェノール樹脂等を使用することができる。変性スチレン樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等を使用することができる。変性キシレン樹脂としては、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン樹脂、ポリオール変性キシレン樹脂、ポリオキシエチレン付加キシレン樹脂等を使用することができる。なお、ロジンの全量を100とした場合、他の樹脂の量は40wt%以下であることが好ましく、より好ましくは20wt%以下である。
有機酸としては、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、エイコサン二酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、サリチル酸、ジグリコール酸、ジピコリン酸、ジブチルアニリンジグリコール酸、スベリン酸、セバシン酸、チオグリコール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ドデカン二酸、パラヒドロキシフェニル酢酸、ピコリン酸、フェニルコハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、ラウリン酸、安息香酸、酒石酸、イソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル)、グリシン、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、4−tert−ブチル安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2−キノリンカルボン酸、3−ヒドロキシ安息香酸、リンゴ酸、p−アニス酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
また、有機酸としては、ダイマー酸、トリマー酸、ダイマー酸に水素を添加した水添物である水添ダイマー酸、トリマー酸に水素を添加した水添物である水添トリマー酸が挙げられる。
例えば、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とメタクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とメタクリル酸の反応物であるトリマー酸、オレイン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸の反応物であるトリマー酸、リノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノレン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とオレイン酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とオレイン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とオレイン酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とオレイン酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、オレイン酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、上述した各ダイマー酸の水添物である水添ダイマー酸、上述した各トリマー酸の水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。
他のアミンとしては、モノエタノールアミン、ジフェニルグアニジン、エチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−ウンデシルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−エチル−4′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、エポキシ−イミダゾールアダクト、2−メチルベンゾイミダゾール、2−オクチルベンゾイミダゾール、2−ペンチルベンゾイミダゾール、2−(1−エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2−ノニルベンゾイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール]、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−tert−オクチル−6′−tert−ブチル−4′−メチル−2,2′−メチレンビスフェノール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2′−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1−(1′,2′−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−(2,3−ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−[(2−エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6−ビス[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]−4−メチルフェノール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−フェニルテトラゾール等が挙げられる。
有機ハロゲン化合物としては、有機ブロモ化合物であるtrans−2,3−ジブロモ−1,4−ブテンジオール、トリアリルイソシアヌレート6臭化物、1−ブロモ−2−ブタノール、1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、trans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、cis−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、テトラブロモフタル酸、ブロモコハク酸等が挙げられる。また、有機クロロ化合物であるクロロアルカン、塩素化脂肪酸エステル、ヘット酸、ヘット酸無水物等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩は、アミンとハロゲン化水素を反応させた化合物であり、アニリン塩化水素、アニリン臭化水素等が挙げられる。アミンハロゲン化水素酸塩のアミンとしては、上述したアミンを用いることができ、エチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられ、ハロゲン化水素としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素の水素化物(塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素)が挙げられる。また、アミンハロゲン化水素酸塩に代えて、あるいはアミンハロゲン化水素酸塩と合わせてホウフッ化物を含んでも良く、ホウフッ化物としてホウフッ化水素酸等が挙げられる。
溶剤としては、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。アルコール系溶剤としてはエタノール、工業用エタノール(エタノールにメタノール及び/またはイソプロピルアルコールを添加した混合溶剤)、イソプロピルアルコール、1,2−ブタンジオール、イソボルニルシクロヘキサノール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,2′−オキシビス(メチレン)ビス(2−エチル−1,3−プロパンジオール)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、ビス[2,2,2−トリス(ヒドロキシメチル)エチル]エーテル、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エリトリトール、トレイトール、グアヤコールグリセロールエーテル、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール等が挙げられる。グリコールエーテル系溶剤としては、ヘキシルジグリコール、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。溶剤は、好ましくはアルコール系溶剤であるエタノール、工業用エタノール(エタノールにメタノール及び/またはイソプロピルアルコールを添加した混合溶剤)、イソプロピルアルコールである。
以下の表1、表2に示す組成で実施例と比較例の樹脂組成物を調合し、表1に示す実施例の樹脂組成物を溶剤で希釈して表3に示す組成で実施例のはんだ付け用フラックスを調合し、表2に示す比較例の樹脂組成物を溶剤で希釈して表4に示す組成で比較例のはんだ付け用フラックスを調合して、各実施例及び各比較例のはんだ付け用フラックスで析出の有無、残渣のひび割れの有無について検証した。なお、表1、表2における組成率は、樹脂組成物の全量を100とした場合のwt(重量)%であり、表3、表4における組成率は、フラックスの全量を100とした場合のwt(重量)%である。
<析出の評価>
(1)検証方法
実施例、比較例に記載のはんだ付け用フラックスを、Cu板に塗布する。Cu板のサイズは、30×30×0.3mmである。はんだ付け用フラックスの量は、0.05mlである。Cu板に塗布されたはんだ付け用フラックスにおける析出の有無を目視により確認した。
(2)判定基準
〇:析出が確認されなかった
×:析出が確認された
<はんだ付け後の残渣のひび割れの評価>
(1)検証方法
実施例、比較例に記載のはんだ付け用フラックスを、Cu板に塗布する。Cu板のサイズは、30×30×0.3mmである。はんだ付け用フラックスの量は、0.05mlである。Cu板に塗布されたはんだ付け用フラックスにはんだ試料を載せ、試験片とする。はんだ試料は、Sn−3Ag−0.5Cuと表記される組成であり、Agを3.0wt%、Cuを0.5wt%含み、残部がSnである。このはんだを環状としたはんだリング0.3gを用いた。試験片をホットプレートに載せ、250℃まで加熱し、はんだ溶融後、20秒間保持し、その後、室温まで冷却する。そして、残渣のひび割れの有無を実体顕微鏡で倍率を40倍として確認した。
(2)判定基準
〇:ひび割れが確認されなかった
×:ひび割れが確認された
実施例1aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを25wt%、ロジンを50wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例1bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸としてアジピン酸を含み、残部が溶剤である。実施例1bのはんだ付け用フラックスでは、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例2aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸を変性させた反応物であるトリマートリアミンを25wt%、ロジンを50wt%含み、ロジンに対するトリマートリアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例2bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸を変性させた反応物であるトリマートリアミンを5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するトリマートリアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸としてアジピン酸を含み、残部が溶剤である。実施例2bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例3aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを12.5wt%、オレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸を変性させた反応物であるトリマートリアミンを12.5wt%、ロジンを50wt%含み、ロジンに対するダイマージアミン及びトリマートリアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例3bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを2.5wt%、オレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸を変性させた反応物であるトリマートリアミンを2.5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミン及びトリマートリアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例3bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例4aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを18.9wt%、ロジンを54.1wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.35であり、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例4bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを3.5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.35であり、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例4bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例5aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを31.8wt%、ロジンを45.5wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.7であり、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例5bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを7wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.7であり、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例5bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例6aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを40wt%、ロジンを40wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が1.0であり、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例6bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを10wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が1.0であり、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例6bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例7aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを29.4wt%、ロジンを58.8wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸に代えてアミンハロゲン化水素酸塩と有機ハロゲン化合物を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例7bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸に代えてアミンハロゲン化水素酸塩と有機ハロゲン化合物を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例7bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例8aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを23.8wt%、ロジンを47.6wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに他のアミンとしてモノエタノールアミンを含み、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例8bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに他のアミンとしてモノエタノールアミンを本発明で規定された範囲内で含み、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例8bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例9aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを23.8wt%、ロジンを47.6wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに他のアミンとして2−フェニルイミダゾールを含み、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例9bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに他のアミンとして2−フェニルイミダゾールを本発明で規定された範囲内で含み、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例9bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例10aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを24.9wt%、ロジンを49.8wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに他のアミンとしてジフェニルグアニジンを含み、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例10bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに他のアミンとしてジフェニルグアニジンを本発明で規定された範囲内で含み、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例10bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例11aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを25wt%、ロジンを50wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸としてグルタル酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例11bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸としてグルタル酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例11bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例12aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを25wt%、ロジンを50wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸としてダイマー酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例12bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらに有機酸としてダイマー酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例12bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例13aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを23.8wt%、ロジンを47.6wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらにハロゲンとしてアミンハロゲン化水素酸塩を含み、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例13bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらにハロゲンとしてアミンハロゲン化水素酸塩を本発明で規定された範囲内で含み、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例13bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
実施例14aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを23.8wt%、ロジンを47.6wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらにハロゲンとして有機ハロゲン化合物を含み、さらに有機酸としてアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、実施例14bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを5wt%、ロジンを10wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.5であり、さらにハロゲンとして有機ハロゲン化合物を本発明で規定された範囲内で含み、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。実施例14bのはんだ付け用フラックスでも、析出の抑制に対して十分な効果が得られた。また、はんだ付け後の残渣のひび割れの抑制に対しても十分な効果が得られた。
なお、ロジンとの比率が本発明で規定された範囲内であれば、水添ダイマージアミンと水添トリマートリアミンの何れか、または、水添ダイマージアミンと水添トリマートリアミンの両方を含む場合でも同様の効果が得られた。また、各実施例では、溶剤としてイソプロピルアルコールを使用したが、工業用エタノール(エタノールにメタノール及び/またはイソプロピルアルコールを添加した混合溶剤)を使用しても同様の効果が得られた。
これに対し、比較例1aに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてエチレンジアミンを含み、さらにロジンと有機酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例1bに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてエチレンジアミンを本発明で規定された範囲を超えて含み、さらにロジンと有機酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。比較例1bのはんだ付け用フラックスでは、フラックスの析出が見られ、析出の抑制に対して十分な効果が得られなかった。また、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例2aに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとして1,3−プロパンジアミンを含み、さらにロジンと有機酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例2bに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとして1,3−プロパンジアミンを本発明で規定された範囲を超えて含み、さらにロジンと有機酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。比較例2bのはんだ付け用フラックスでも、フラックスの析出が見られ、析出の抑制に対して十分な効果が得られなかった。また、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例3aに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてヘキサメチレンジアミンを含み、さらにロジンと有機酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例3bに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてヘキサメチレンジアミンを本発明で規定された範囲を超えて含み、さらにロジンと有機酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。比較例3bのはんだ付け用フラックスでも、フラックスの析出が見られ、析出の抑制に対して十分な効果が得られなかった。また、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例4aに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてドデカメチレンジアミンを含み、さらにロジンと有機酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例4bに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてドデカメチレンジアミンを本発明で規定された範囲を超えて含み、さらにロジンと有機酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。比較例4bのはんだ付け用フラックスでも、フラックスの析出が見られ、析出の抑制に対して十分な効果が得られなかった。また、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例5aに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてオレイルアミンを含み、さらにロジンと有機酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例5bに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてオレイルアミンを本発明で規定された範囲を超えて含み、さらにロジンと有機酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。比較例5bのはんだ付け用フラックスでは、フラックスの析出は見られなかったが、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例6aに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてステアリルアミンを含み、さらにロジンと有機酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例6bに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてステアリルアミンを本発明で規定された範囲を超えて含み、さらにロジンと有機酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。比較例6bのはんだ付け用フラックスでは、フラックスの析出が見られ、析出の抑制に対して十分な効果が得られなかった。また、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例7aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを含む場合でも、ダイマージアミンを0.7wt%、ロジンを66.2wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.01である樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例7bに示すように、ダイマージアミンを0.1wt%、ロジンを10wt%含み、ダイマージアミンの量が本発明で規定された範囲を下回り、ダイマージアミンのロジンに対するダイマージアミンの比率が0.01で、本発明で規定された範囲を下回り、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。比較例7bのはんだ付け用フラックスでは、フラックスの析出は見られなかったが、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例8aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを3.2wt%、ロジンを64.5wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.05である樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例8bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを0.5wt%、ロジンを10wt%含み、ダイマージアミンの量が本発明で規定された範囲を下回り、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.05で、本発明で規定された範囲を下回りあり、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。比較例8bのはんだ付け用フラックスでも、フラックスの析出は見られなかったが、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例9aに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを6.3wt%、ロジンを62.5wt%含み、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.1である樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例9bに示すように、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸を変性させた反応物であるダイマージアミンを1wt%、ロジンを10wt%含み、ダイマージアミンの量が本発明で規定された範囲を下回り、ロジンに対するダイマージアミンの比率が0.1で、本発明で規定された範囲を下回り、さらに有機酸としてアジピン酸を本発明で規定された範囲内で含み、残部が溶剤である。比較例9bのはんだ付け用フラックスでも、フラックスの析出は見られなかったが、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例10aに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてヘキサメチレンジアミンを含み、さらにロジンを含み、さらに有機酸としてグルタル酸とアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例10bに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてヘキサメチレンジアミンを本発明で規定された範囲内で含み、さらにロジンを本発明で規定された範囲内で含み、さらに有機酸としてグルタル酸とアジピン酸を本発明で規定された範囲を超えて含み、残部が溶剤である。比較例10bのはんだ付け用フラックスでは、フラックスの析出は見られなかったが、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例11a、比較例12aに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてヘキサメチレンジアミンを含み、さらにロジンを含み、さらに有機酸としてグルタル酸とアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例11b、12bに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてヘキサメチレンジアミンを本発明で規定された範囲内で含み、さらにロジンを本発明で規定された範囲内で含み、さらに有機酸としてグルタル酸とアジピン酸を本発明で規定された範囲を超えて含み、残部が溶剤である。比較例11b、12bのはんだ付け用フラックスでは、他のアミンの量が本発明で規定された範囲内で増やしていくことで、フラックスの析出が見られ、析出の抑制に対して十分な効果が得られなかった。また、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
比較例13a〜比較例15aに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてヘキサメチレンジアミンを含み、さらにロジンを含み、さらに有機酸としてグルタル酸とアジピン酸を含む樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスは、比較例13b〜比較例15bに示すように、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの何れも含まず、他のアミンとしてヘキサメチレンジアミンを本発明で規定された範囲を超えて含み、さらにロジンを本発明で規定された範囲内で含み、さらに有機酸としてグルタル酸とアジピン酸を本発明で規定された範囲を超えて含み、残部が溶剤である。比較例13b〜比較例15bはんだ付け用フラックスでも、フラックスの析出が見られ、析出の抑制に対して十分な効果が得られなかった。また、はんだ付け後の残渣のひび割れが見られ、残渣のひび割れの抑制に対して十分な効果が得られなかった。
以上のことから、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミンまたは水添トリマートリアミンのいずれか、あるいは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの2種以上とロジンと溶剤とを含み、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミンまたは水添トリマートリアミンのいずれかの量、あるいは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの2種以上の合計の量と、ロジンの量の比率が、ロジンを基準として0.35以上1.00以下であるはんだ付け用フラックスでは、析出が抑制され、また、はんだ付け後の残渣のひび割れが抑制された。
以上の効果は、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミンまたは水添トリマートリアミンのいずれか、あるいは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの2種以上とロジンとを含み、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミンまたは水添トリマートリアミンのいずれかの量、あるいは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの2種以上の合計の量と、ロジンの量の比率が、ロジンを基準として0.35以上1.00以下である樹脂組成物を溶剤で希釈したはんだ付け用フラックスで得られた。
これにより、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミンまたは水添トリマートリアミンのいずれかの量、あるいは、ダイマージアミン、トリマートリアミン、水添ダイマージアミン及び水添トリマートリアミンの2種以上の合計の量と、ロジンの量の比率に、発明の効果が起因することが判った。