JP6414234B2 - 電気的測定用容器、並びに電気的測定用装置および電気的測定方法 - Google Patents

電気的測定用容器、並びに電気的測定用装置および電気的測定方法 Download PDF

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Description

本技術は、液体状の生体試料の電気的特性測定のための電気的測定用容器に関する。より詳しくは、液体状の生体試料の電気特性を高精度に測定するための構造を備え、かつ、工業的生産が容易な電気的測定用容器、並びに該電気的測定用容器を用いた電気的測定用装置および電気的測定方法に関する。
液体状の生体試料の電気的特性を測定し、その測定結果から試料の物性を判定したり、試料に含まれる細胞等の種類を判別したりすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。測定される電気的特性としては、複素誘電率やその周波数分散(誘電スペクトル)が挙げられる。複素誘電率やその周波数分散は、一般に、溶液に対して電圧を印加するための電極を備えた溶液保持器等を用いて電極間の複素キャパシタンスないし複素インピーダンスを測定することで算出される。
また、例えば、特許文献2には、血液の誘電率から血液凝固に関する情報を取得する技術が開示されており、「一対の電極と、上記一対の電極に対して交番電圧を所定の時間間隔で印加する印加手段と、上記一対の電極間に配される血液の誘電率を測定する測定手段と、血液に働いている抗凝固剤作用が解かれた以後から上記時間間隔で測定される血液の誘電率を用いて、血液凝固系の働きの程度を解析する解析手段と、を有する血液凝固系解析装置」が記載されている。
液体状の生体試料の電気的特性を測定する際に、生体試料を収容されるための容器としては、例えば、特許文献3に、絶縁性材料を筒状体に形成してなり、両端の開口から内空にそれぞれ挿入される電極の表面と、内空表面と、で構成される領域に液体試料を保持可能であり、前記領域には、対向する2つの電極の間に位置して、内空が狭窄された狭窄部が設けられた液体試料の電気的特性測定のためのサンプルカートリッジが開示されている。
ところで、液体状の生体試料の電気的特性を測定するためには、測定用電極を液体状の生体試料に接触させる必要がある。従来は、測定用電極が接着固定された容器に、液体状の生体試料を収容した状態で測定が行われていた。しかし、この方法では、例えば、生体試料として血液の電気特性を測定する場合、用いる接着剤の種類によっては、血液の凝固活性が促進されてしまい、目的の測定に影響を及ぼす場合があるといった問題があった。
また、仮に低凝固性の接着剤を用いた場合であっても、容器を製造するための製造工程が増えることから、生産性に劣るという問題もあった。
一方、接着剤を用いない方法としては、例えば、生体試料を収容するための容器に、外部から電極を挿入した状態で、電気特性を測定する方法が行われている。しかし、この方法では、電極の液体試料中への挿入量の違いにより、測定誤差が生じるという問題があった。
また、外部装置の構成が増えることから、装置の大型化や製造工程の煩雑化の問題や、装置の高価格化等の問題が生じていた。
特開2009−042141号公報 特開2010−181400号公報 特開2012−052906号公報
前述のように、電極が予め接着固定された容器を用いて液体試料の電気的測定を行うと、接着剤による生体物質への影響や低生産性が問題となっていた。一方、外部電極を用いた測定では、測定誤差の問題や装置の大型化、製造工程の煩雑化、装置の高価格化が問題となっていた。
そこで、本技術では、液体状の生体試料の電気特性を高精度に測定するための構造を備え、かつ、工業的生産が容易な電気的測定用容器を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、前記課題を解決するために、液体状の生体試料を電気的に測定する際に用いる容器の構造について鋭意研究を行った結果、粘着剤を用いないことに着目し、容器の成形方法を工夫することで、本技術を完成するに至った。
即ち、本技術では、まず、沈降性成分を含有する血液試料を収容するための側壁を有する生体試料保持部と、
該生体試料保持部に固定された電気伝導部と、
を少なくとも備え、
前記電気伝導部の一部が前記生体試料保持部に埋入された状態で、前記生体試料保持部と前記電気伝導部が一体成形され、
前記電気伝導部は、測定時に前記血液試料と接触する電極部と、外部回路と電気的に接続するための接続部と、を少なくとも備え、
前記電極部は、前記生体試料保持部において、前記側壁と平行する方向に配置された血液試料の電気的測定用容器を提供する。
本技術に係る電気的測定用容器は、電気伝導部の一部を生体試料保持部に埋入した状態で、電気伝導部と生体試料保持部を一体成形するため、粘着剤を用いずに、電気伝導部を生体試料保持部に固定することができる。
前記生体試料保持部は、樹脂で形成することができる。
前記電気伝導部における前記電極部は、測定の目的に応じて自由に配置することができるが、例えば、前記電極部を一対以上備えることも可能である。この場合、前記一対の電極部は、略平行に配置することができる。
また、前記電極部を、前記電気的測定用容器の内壁の一部を構成するように配置することもできる。この場合、前記内壁において、前記生体試料保持部と前記電極部との接続部を平滑に構成することができる。
更に、前記電極部を、測定時に底部となる部分から所定距離上側に位置するように配置することも可能である。また、前記電極部を、測定時に頂部となる部分から所定距離下側に位置するように配置することも可能である。
本技術に係る電気的測定用容器において、前記電気伝導部の少なくとも一部は、前記一体成型時に前記電気伝導部を前記生体試料保持部の所定箇所に配置させるための保持部として機能させることができる。
本技術に係る電気的測定用容器を、沈降性成分を含有する生体試料の電気的測定に用いる場合、前記電極部を、測定時に底部となる部分からの沈降性成分の累積堆積分率が体積分率以上となる位置より上側に位置するように配置することができる。
また、本技術に係る電気的測定用容器を、沈降性成分を含有する血液試料の電気的測定に用いる場合、測定に最低限必要な時間を経た時における血清層の下限よりも、電極部の上限が下方に位置するように配置することができる。
本技術に係る電気的測定用容器において、前記電気伝導部の前記生体試料保持部に埋入された部分には、曲折部を備えることができる。
本技術に係る電気的測定用容器には、蓋部を備えることもできる。
前記生体試料保持部は、円筒体、断面が多角の多角筒体、円錐体、断面が多角の多角錐体、或いはこれらを1種または2種以上組み合わせた形態に設計することができる。
本技術に係る電気的測定用容器に用いる前記樹脂の種類は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、およびポリサルホンから選ばれる一種以上の樹脂を用いることができる。
また、本技術に係る電気的測定用容器において、前記電気伝導部に用いる電気伝導性を有する材料は特に限定されないが、例えば、チタンを含む電気伝導性素材を用いることができる。
本技術に係る電気的測定用容器は、あらゆる電気的測定に用いることができるが、例えば、前記生体試料の誘電率や前記生体試料のインピーダンスを測定するために用いることができる。
より具体的な一例を挙げると、血液成分を含む生体試料を用いる場合、血沈状況や血液凝固状況を測定するために、本技術に係る電気的測定用容器を用いることができる。
本技術に係る電気的測定用容器は、電気的測定装置の一部として好適に用いることができる。
具体的には、沈降性成分を含有する血液試料を収容するための側壁を有する生体試料保持部と、
測定時において少なくとも一部が前記生体試料と接触する電気伝導部と、
該電気伝導部に電圧を印加する印加部と、
前記生体試料の電気的特性を測定する測定部と、
を少なくとも備え、
前記電気伝導部の一部が前記生体試料保持部に埋入された状態で、前記生体試料保持部と前記電気伝導部が一体成形され、
前記電気伝導部は、測定時に前記血液試料と接触する電極部と、外部回路と電気的に接続するための接続部と、を少なくとも備え、
前記電極部は、前記生体試料保持部において、前記側壁と平行する方向に配置された血液試料の電気的測定装置を提供する。

また、本技術に係る電気的測定用容器は、血液試料の電気的測定方法に好適に用いることができる。
本技術に係る電気的測定用容器は、接着剤を用いずに電気伝導部を生体試料保持部に固定されている。そのため、接着剤の影響を受けることなく、液体状の生体試料の電気特性を高精度に測定することができる。また、本技術に係る電気的測定用容器は、製造が容易であるため、安価かつ大量に生産することが可能である。
本技術に係る電気的測定用容器1の第1実施形態を模式的に示す断面模式図である。 Aは本技術に係る電気的測定用容器1の第2実施形態を模式的に示す断面模式図であり、Bは、AのL−L’矢視断面図である。 本技術に係る電気的測定用容器1の第3実施形態を模式的に示す断面模式図である。 Aは本技術に係る電気的測定用容器1の第4実施形態を模式的に示す断面模式図であり、Bは、AのL−L’矢視断面図である。 沈降性成分を含有する生体試料Sを用いる場合に、経時的な沈降性成分の沈降の様子と、電極部3の位置との関係を模式的に示す断面模式図である。 図5に対応した電極部3の位置と、誘電率を測定した場合の測定値との関係の一例を示す図面代用グラフである。 本技術に係る電気的測定用容器1の第5実施形態を模式的に示す断面模式図である。 本技術に係る電気的測定用容器1の第6実施形態を模式的に示す断面模式図である。 本技術に係る電気的測定装置10の第1実施形態を模式的に示す模式図である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、説明は以下の順序で行う。
1.電気的測定用容器1
(1)生体試料保持部2
(2)電気伝導部3
(a)電極部31
<第1実施形態>
<第2実施形態>
<第3実施形態>
<第4実施形態>
(b)接続部32
(c)保持部33
<第5実施形態>
(d)曲折部34
<第6実施形態>
(3)生体試料S
(4)その他
2.電気的測定装置10
(1)印加部4
(2)測定部5
(3)解析部6
3.電気的測定方法
1.電気的測定用容器1
図1は、本技術に係る電気的測定用容器1の第1実施形態を模式的に示す断面模式図である。本技術に係る電気的測定用容器1は、液体状の生体試料の電気的特性を測定する際に、該生体試料を保持するために用いる容器である。本技術に係る電気的測定用容器1は、大別して、生体試料保持部2と、電気的測定用容器伝導部3と、を少なくとも備える。以下、各部について詳細に説明する。なお、各図面において、説明上、生体試料Sを図示しているが、生体試料Sは、本技術に係る電気的測定用容器1には包含されない。
(1)生体試料保持部2
生体試料保持部2は、測定対象の液体状生体試料が保持される部位である。本技術に係る電気的測定用容器1では、この生体試料保持部2が樹脂からなること特徴とする。
本技術に係る電気的測定用容器1において、生体試料保持部2に用いる樹脂の種類は特に限定されず、液体状の生体試料の保持に適用可能な樹脂を、1種または2種以上自由に選択して用いることができる。例えば、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリル、ポリサルホン、ポリテトラフルオロエチレンなどの疎水性かつ絶縁性のポリマーやコポリマー、ブレンドポリマーなどが挙げられる。本技術では、この中でも特に、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、およびポリサルホンから選ばれる一種以上の樹脂で生体試料保持部2を形成することが好ましい。これらの樹脂は、血液に対して低凝固活性であるという性質を有するため、例えば、血液を含有する生体試料の測定にも好適に用いることができる。
本技術に係る電気的測定用容器1において、生体試料保持部2の具体的な形態も特に限定されず、液体状の生体試料Sを保持可能であれば、円筒体、断面が多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角筒体、円錐体、断面が多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角錐体、或いはこれらを1種または2種以上組み合わせた形態など、生体試料Sの種類や測定方法、用いる測定装置などに応じて自由に設計することができる。
液体状の生体試料Sは、生体試料保持部2に保持された状態で、各種電気的特性の測定が行われる。そのため、生体試料保持部2は、生体試料Sを保持した状態で密封可能な構成であることが好ましい。ただし、液体状の生体試料Sの各種電気的特性を測定するのに要する時間停滞可能であって、測定に影響がなければ、気密な構成でなくてもよいものとする。
生体試料保持部2への液体状生体試料Sの具体的な導入および密閉方法は特に限定されず、生体試料保持部2の形態に応じて自由な方法で導入することができる。例えば、図示しないが、生体試料保持部2に蓋部を設け、ピペットなどを用いて生体試料Sを導入した後に蓋部を閉じて密閉する方法や、生体試料保持部の外表面から注射針を穿入し、液体状の生体試料Sを注入した後、注射針の貫通部分を、グリスなどで塞ぐことで、密閉する方法などが挙げられる。
(2)電気伝導部3
本技術に係る電気的測定用容器1において、電気伝導部3は、予め、生体試料保持部2に固定されていることを特徴とする。特に、本技術では、電気伝導部3の一部が生体試料保持部2に埋入された状態で、生体試料保持部2と電気伝導部3とが一体成形されていることが特徴である。即ち、生体試料保持部2と電気伝導部3との固定には、接着剤などの固定材料は用いない。
接着剤を用いて固定する場合、用いる接着剤の種類によっては、生体試料Sの性質に影響を及ぼす場合がある。例えば、生体試料Sとして血液の電気特性を測定する場合、用いる接着剤の種類によっては、血液の凝固活性が促進されてしまい、目的の測定に影響を及ぼす場合がある。しかし、本技術に係る電気的測定用容器1は、生体試料保持部2と電気伝導部3との固定に接着剤を用いないため、接着剤による生体試料Sへの影響を排除することができる。その結果、生体試料Sの電気特性を高精度に測定することが可能となる。
また、仮に生体試料Sへの影響が少ない接着剤を用いた場合であっても、容器を製造する際に接着剤による接着工程が増えることから、生産性に劣るという問題もあった。しかし、本技術に係る電気的測定用容器1の製造工程では、生体試料保持部2と電気伝導部3とが一体成形するため、生体試料保持部2の成形工程に加えて接着工程を別に設ける必要がない。その結果、電気的測定用容器1の製造が容易となり、安価かつ大量に電気的測定用容器1を生産することが可能となる。
一方、接着剤を用いない方法としては、例えば、生体試料を収容するための容器に、外部から電極を挿入した状態で、電気的特性を測定する方法がある。この方法では、電極の液体試料中への挿入量の違いにより、測定誤差が生じるという問題があった。しかし、本技術に係る電気的測定用容器1では、生体試料保持部2に予め電気伝導体3が固定されている。そのため、後述するように、この電気伝導体3を電極として用いることで、電極の液体試料中への挿入量の違いによる測定誤差をなくすことができる。その結果、生体試料Sの電気特性を高精度に測定することが可能である。
また、生体試料保持部2に予め電気伝導体3が固定されていることで、装置側に電極と容器との相対的位置決め機構などを設置する必要がなく、装置の構成を簡易化することができる。その結果、装置の小型化や製造工程の簡易化、装置の低価格化などの実現にも貢献することができる。
更に、電気的測定用容器1の部品点数を減らすことができるため、使用者の利便性を向上させることも可能である。
生体試料保持部2と電気伝導部3とを一体成形するための具体的な方法は特に限定されず、電気伝導部3の一部が生体試料保持部2に埋入された状態で、生体試料保持部2と電気伝導部3とを接着剤を用いずに固定することができれば、自由な方法を用いることができる。例えば、生体試料保持部2を形成する樹脂が溶融状態から固化する際に、電気伝導部3を所定位置に配置することで、生体試料保持部2と電気伝導部3とを一体成形することができる。より具体的な方法としては、例えば、金型内に電気伝導部3を挿入し、その周りに樹脂を注入して電気伝導部3と樹脂とを一体化する、所謂、インサート成形により、生体試料保持部2と電気伝導部3とを一体成形することも可能である。
このように、本技術に係る電気的測定用容器1は、生体試料保持部2の成形を行う際に、同時に電気伝導部3を固定するため、製造工程の簡易化を図ることができる。その結果、安価かつ大量に電気的測定用容器1を生産することが可能となる。
電気伝導部3は、電気伝導性の材料からなる。本技術に係る電気的測定用容器1において、電気伝導部3に用いる電気伝導性材料の種類は特に限定されず、液体状の生体試料Sの電気的測定に適用可能な材料を、1種または2種以上自由に選択して用いることができる。例えば、チタン、アルミニウム、ステンレス、白金、金、銅、黒鉛などが挙げられる。本技術では、この中でも特に、チタンを含む電気伝導性素材で電気伝導部3を形成することが好ましい。チタンは、血液に対して低凝固活性であるという性質を有するため、例えば、血液を含有する生体試料の測定にも好適に用いることができる。
電気伝導部3は、電極部31と、接続部32と、を備えることができる。また、必要に応じて、保持部33と、曲折部34と、を更に備えることもできる。以下、各部について、詳細に説明する。
(a)電極部31
電極部31は、測定時に生体試料Sと接触し、生体試料Sに必要な電圧を印加するために用いられる。本技術に係る電気的測定用容器1において、電極部31の数は、目的の電気的測定の方法などに応じて、自由に設計することができる。例えば、生体試料Sの誘電率やインピーダンスを測定する場合には、一対以上の電極部31を設けることができる。
また、電極部31の配置や形態なども特に限定されず、生体試料Sに必要な電圧を印加することができれば、目的の電気的測定の方法などに応じて、自由に設計することができる。以下、電極部31の配置の例について、詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1に示す第1実施形態は、一対の電極部31を、生体試料保持部2の内壁に沿うように配置した例である。より具体的には、電気伝導部3の一部が生体試料保持部2の側壁に埋入された状態で、生体試料保持部2の内部に電極部31を、生体試料保持部2の外部に後述する接続部32を、配置した例である。電極部31は、生体試料保持部2の側壁の中央付近に配置されている。
<第2実施形態>
図2Aは、本技術に係る電気的測定用容器1の第2実施形態を模式的に示す断面模式図であり、図2Bは、図2AのL−L’矢視断面図である。第2実施形態は、一対の電気伝導部3を、生体試料保持部2の底壁部から突き出た状態で配置した例である。より具体的には、電気伝導部3の一部が生体試料保持部2の底壁部に埋入された状態で、生体試料保持部2の内部に電極部31を、生体試料保持部2の外部に後述する接続部32を、配置した例である。
本実施形態において、電極部31の形態は特に限定されず、生体試料保持部2の形状や目的の電気的測定方法に応じて自由に設計することができる。本発明では特に、測定効率を向上させるためにも、平面的に液体試料に接することが好ましい。具体的な形態としては、図2Bに示すように、電極部31の液体試料と接触する部分を幅広に形成することで、液体試料に対し平面的に接することが可能である。
<第3実施形態>
図3は、本技術に係る電気的測定用容器1の第3実施形態を模式的に示す断面模式図である。第3実施形態は、一対の電極部31を、電気的測定用容器1の内壁の一部を構成するように、配置した例である。より具体的には、各電極部31の一部が生体試料保持部2の側壁に埋入された状態で、電気的測定用容器1の内壁の一部として電極部31を、生体試料保持部2の外部に後述する接続部32を、配置した例である。
このように、電極部31が電気的測定用容器1の内壁の一部を構成するように配置する場合、図3の第3実施形態に示すように、生体試料保持部2と電極部31との接続部が平滑になるように一体成形することが好ましい。液体状の生体試料Sの場合、容器内に段差などがあると、気泡などがその部分に留まってしまい、測定値に影響を及ぼす場合がある。しかし、生体試料保持部2と電極部31との境界に段差などが生じないように設計することで、気泡などの留まりを防止し、その結果、生体試料Sの電気特性をより高精度に測定することが可能となる。
なお、一対以上の電極部31を備える場合、生体試料Sの電気的特性を測定する上では、各電極部31を平行に配置することが好ましい。ただし、例えば、インサート成形などを行う場合の離型性などを考慮して、数度の傾きを持たせた状態で、各電極部31を配置することも可能である。
<第4実施形態>
図4Aは、本技術に係る電気的測定用容器1の第4実施形態を模式的に示す断面模式図であり、図4Bは、図4AのL−L’矢視断面図である。第4実施形態は、一対の電気伝導部3を、生体試料保持部2の上壁部から突き出た状態で配置した例である。より具体的には、電気伝導部3の一部が生体試料保持部2の上壁部に埋入された状態で、生体試料保持部2の内部に電極部31を、生体試料保持部2の外部に後述する接続部32を、配置した例である。生体試料保持部2の上壁部から電気伝導部3を突き出すことで、例えば、前述した第2実施例のように底壁部から電気伝導部3を突き出す実施形態に比べて、試料の液漏れをより確実に防止することができる。
本実施形態において、電極部31の形態は特に限定されず、生体試料保持部2の形状や目的の電気的測定方法に応じて自由に設計することができる。例えば、前述した第2実施形態と同様に、電極部31の液体試料と接触する部分を幅広に形成することで(図4B参照)、液体試料に対し平面的に接するように設計すれば、測定効率を向上させることが可能である。
第1、第3、第4実施形態に係る電気的測定用容器1は、電極部3を測定時に底部となる部分から所定距離上側に位置するように配置することも特徴とする。例えば、後述するように、生体試料Sとして沈降性成分を含有する生体試料を用いる場合、電極部3が測定時に底部となる部分から所定距離上側に位置することで、経時的な沈降性成分の沈降による影響を抑えることができる。その結果、生体試料Sの電気特性をより高精度に測定することが可能となる。
沈降性成分を含有する生体試料Sを用いる場合の電極部3の好適な位置決めについて、図5および図6を参照しながら説明する。図5は、沈降性成分を含有する生体試料Sを用いる場合に、経時的な沈降性成分の沈降の様子と、電極部3の位置との関係を模式的に示す断面模式図である。図6は、図5に対応した電極部3の位置と、誘電率を測定した場合の測定値との関係の一例を示す図面代用グラフである。
例えば、図5Bに示すように、電極部3を、測定時に底部となる部分から所定距離上側に位置するように配置した場合、図6Bに示すように、測定から一定の間は、一定の誘電率を示す。これは、図5Bに示すように、経時的に沈降性成分の沈降が進行した場合でも、一定時間までは、一対の電極部3で挟まれた領域の沈降性成分の濃度にほとんど変化がないからである。
一方、図5Aに示すように、電極部3を高い位置に配置した場合、図6Aに示すように、測定開始からすぐに、誘電率が上昇する。これは、図5Aに示すように、沈降性成分の沈降の進行により、測定開始からすぐに、一対の電極部3で挟まれた領域の沈降性成分の濃度が低下していくためである。
また、図5Cに示すように、電極部3を低い位置に配置した場合、図6Cに示すように、測定開始からすぐに、誘電率が下降する。これは、図5Cに示すように、沈降性成分の沈降の進行により、測定開始からすぐに、一対の電極部3で挟まれた領域の沈降性成分の濃度が上昇していくためである。
このように、図5Bに示すように、電極部3を、測定時に底部となる部分から所定距離上側に位置するように配置することで、生体試料S中で沈降性成分の沈降が進行した場合であっても、途中までは、測定値に影響を与えることなく正確な測定が可能である(図6B参照)。より具体的な位置としては、電極部3を、測定時に底部となる部分からの沈降性成分の累積堆積分率が体積分率以上となる位置より上側に位置するように配置することが好ましい。このような位置に配置することで、より長い時間、正確な測定が可能となる。
なお、図6の図面代用グラフの誘電率の相対変化は、あくまでも一例を示すものであり、測定対象の生体試料Sの種類などによっても、その変化はそれぞれ異なる。
沈降性成分を含有する生体試料Sの一例として、全血を測定対象とする場合について説明する。健常成人の場合、全血は、体積割合40%程度の赤血球を含む。赤血球は、静置条件下で沈降し、最終的には容器下部に沈殿する。一方、上層部には主に血清が集合する。沈降プロセスが進行中は、大まかに、下方から赤血球沈殿層、全血層、血清層の3層が存在することになる。
全血を測定対象とする場合、全血の測定をできる限り長時間行えるように、電極部3を配置することが望ましい。具体的には、電極部3から発せられ対象試料を貫く電気力線の大部分が、容器中に順次生じる赤血球沈殿層と血清層とを避け、継続して全血層を通過するように配置するのが望ましい。これを満たすより具体的な配置としては、下方からの累積体積分率が赤血球体積分率以上となる位置より電極部3の下限が上方に位置するように、電極部3を配置することが好ましい。また、測定に最低限必要な時間を経た時における血清層の下限よりも、電極部3の上限が下方に位置するように、電極部3を配置することが好ましい。
(b)接続部32
接続部32は、外部回路と電気的に接続する部位である。接続部32の具体的な形態は特に限定されず、外部回路と電気的に接続することが可能であれば、自由な形態に設計することができる。
(c)保持部33
<第5実施形態>
図7は、本技術に係る電気的測定用容器1の第5実施形態を模式的に示す断面模式図である。第5実施形態は、一対の電極部31の容器外側部分に、樹脂を備えない構成である。このような構成にすることで、例えば、生体試料保持部2の成形時に、電気伝導部3を、例えば、マグネットMなどを用いて位置決め固定することで、電気伝導部3(特に電極部31)を電気的測定用容器1の所望の位置に位置決めすることができる(図7B参照)。
なお、容器外部からの固定手段としては、図7Bに示すマグネットMに限らず、容器外部から電気伝導部3を固定することができる手段であれば、あらゆる手段を用いることができる。
このように、電気伝導部3の少なくとも一部を、一体成形時に電気伝導部3を生体試料保持部2の所定箇所に配置させるための保持部33として機能させることで、電気伝導部3が所望の位置に位置決めされた電気的測定用容器1を容易に製造することが可能である。
また、生体試料保持部2の成形時に、電気伝導部3が保持されることで、一体成形時に電気伝導部3が変形することも防止可能である。
なお、図7に示す第5実施形態では、電極部31が同時に保持部33としても機能する構成であるが、本技術ではこれに限定されない。例えば、接続部32が同時に保持部33を機能するように設計することも自由である。
(d)曲折部34
<第6実施形態>
図8は、本技術に係る電気的測定用容器1の第6実施形態を模式的に示す断面模式図である。第6実施形態は、電気伝導部3の生体試料保持部2に埋入された部分に、曲折部34を備えることを特徴とする。
本技術に係る電気的測定用容器1は、生体試料保持部2と電気伝導部3とが接着剤などを用いずに一体成形されたことを特徴とするため、生体試料保持部2と電気伝導部3との境界から、液体状の生体試料Sが漏れ出すことは非常に稀である。しかし、樹脂と電気伝導性素材とのひずみの違いなどによって、温度などの保管条件や測定条件によっては、生体試料保持部2と電気伝導部3との境界から、液体状の生体試料Sが漏れ出す可能性は否定できない。そこで、図8に示す第6実施形態のように、電気伝導部3の生体試料保持部2に埋入された部分に、曲折部34を備えることで、例えば、曲折部34を備えない第5実施形態(図7参照)などに比べ、生体試料保持部2と電気伝導部3との境界からの生体試料Sの漏れ出しを、防止することが可能である。
また、電気伝導部3の生体試料保持部2に埋入された部分に、曲折部34を備えることで、生体試料保持部2と電気伝導部3との固定がより強固になるため、より頑丈な電気的測定用容器1とすることができる。
(3)生体試料S
本技術で測定対象とすることが可能な生体試料Sは、液体状であれば特に限定されず、自由に選択することができる。例えば、沈降性成分を含有する生体試料Sなどが挙げられる。より具体的には、全血、血漿、またはこれらの希釈液および/または薬剤添加物などの血液成分を含有する生体試料Sなどを挙げることができる。
(4)その他
本技術に係る電気的測定用容器1には、予め、所定の薬剤を入れておくことも可能である。例えば、血液成分を含有する生体試料Sを測定対象とする場合などは、抗凝固剤、凝固開始剤などを予め電気的測定用容器1の生体試料保持部2に入れておくことができる。
本技術に係る電気的測定用容器1は、前述の通り、安価かつ大量に生産することが可能である。この特徴を利用して、例えば、本技術に係る電気的測定用容器1を使い捨てのカートリッジとすることも可能である。本技術に係る電気的測定用容器1を使い捨てのカートリッジとすることで、容器の洗浄などの手間を省くことができ、測定の効率化を図ることができる。また、容器内に残った別の生体試料Sによる測定誤差などの発生を防止でき、生体試料Sの電気特性をより高精度に測定することが可能となる。
2.電気的測定装置10
図9は、本技術に係る電気的測定装置10の第1実施形態を模式的に示す模式図である。本実施形態では、前述した第6実施形態に係る電気的測定用容器1を用いている。本技術に係る電気的測定装置10は、大別して、前述した電気的測定用容器1と、印加部4と、測定部5と、を少なくとも備える。また、必要に応じて、解析部6を更に備えることもできる。以下、各部について詳細に説明する。なお、電気的測定用容器1は、前述と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
(1)印加部4
印加部4は、本技術に係る電気的測定用容器1の電気伝導部3に電圧を印加する。印加部4は、測定を開始すべき命令を受けた時点または電気的測定装置10の電源が投入された時点を開始時点として、電気的測定用容器1の電気伝導部3に電圧を印加する。より具体的には、印加部4は、設定される測定間隔ごとに、電気伝導部3に対して、所定の周波数の交流電圧を印加する。なお、印加部4が印加する電圧は、測定する電気特性に応じて直流電圧とすることも可能である。
(2)測定部5
測定部5では、本技術に係る電気的測定用容器1に保持された液体状の生体試料Sの電気的特性を測定する。具体的には、測定を開始すべき命令を受けた時点または電気的測定装置10の電源が投入された時点を開始時点として、複素誘電率(以下、単に「誘電率」とも称する)やその周波数分散などの電気特性を測定する。より具体的には、例えば、誘電率が測定される場合、測定部5は、電気的測定用容器1の電極部31間における電流またはインピーダンスを所定周期で測定し、当該測定値から誘電率を導出する。この誘電率の導出には、電流またはインピーダンスと誘電率との関係を示す既知の関数や関係式を用いることができる。
(3)解析部6
解析部6では、測定部5から導出された生体試料Sの電気的特性データを受けて、生体試料Sの物性の判定などを行う。本技術に係る電気的測定装置10において、解析部6は必須ではなく、例えば、前記測定部5で測定された電気的特性データから、外部のコンピュータなどを用いて解析を行うことも可能である。
具体的には、解析部6には、測定部5から導出された生体試料Sの電気的特性データが測定間隔ごとに与えられ、解析部6は、測定部5から与えられる電気的特性データを受けて、液体試料の物性判定等を開始する。解析部6は、液体試料の物性判定などの結果および/または誘電率データを通知する。この通知は、例えば、グラフ化してモニタに表示あるいは所定の媒体に印刷することにより行うことができる。
3.電気的測定方法
本技術に係る電気的測定用容器1は、液体状の生体試料Sの電気的特性の測定に好適に用いることができる。本技術に係る電気的測定方法で測定可能な電気的特性は特に限定されず、測定対象となる生体試料Sの種類や、解析すべき物性などに応じて、自由に測定することができる。例えば、誘電率やインピーダンスなどを測定することができる。
本技術に係る電気的測定方法を用いれば、例えば、測定対象を血液とした場合、誘電率やインピーダンスの測定値から、血液凝固状況や血沈状況を解析することができる。より具体的には、例えば、解析期間内に受け取った複数の誘電率および/またはインピーダンスの測定値からそれぞれの特徴を示すパラメータを抽出し、このパラメータと、血液凝固能の亢進や血沈プロセス進行の基準を定める基準値との比較に基づき、血液凝固状況や血沈状況を解析することができる。
なお、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
(1)液体状の生体試料を収容するための樹脂からなる生体試料保持部と、
該生体試料保持部に固定された電気伝導部と、を少なくとも備え、
前記電気伝導部の一部が前記生体試料保持部に埋入された状態で、前記生体試料保持部と前記電気伝導部が一体成形された液体状の生体試料の電気的測定用容器。
(2)前記電気伝導部は、前記生体試料保持部にインサート成型されることにより一体化された(1)記載の電気的測定用容器。
(3)前記電気伝導部は、
測定時に前記生体試料と接触する電極部と、
外部回路と電気的に接続するための接続部と、
を少なくとも備える(1)または(2)に記載の電気的測定用容器。
(4)前記電極部が一対以上備えられた(3)記載の電気的測定用容器。
(5)前記電極部は、前記電気的測定用容器の内壁の一部を構成する(3)または(4)に記載の電気的測定用容器。
(6)前記内壁において、前記生体試料保持部と前記電極部との接続部が平滑である(5)記載の電気的測定用容器。
(7)前記電極部は、測定時に底部となる部分から所定距離上側に位置する(3)から(6)のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
(8)前記電気伝導部の少なくとも一部は、前記一体成型時に前記電気伝導部を前記生体試料保持部の所定箇所に配置させるための保持部として機能する(1)から(7)のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
(9)前記生体試料は、沈降性成分を含有する(1)から(8)のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
(10)前記生体試料は、血液成分を含有する(1)から(9)のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
(11)前記生体試料は、沈降性成分を含有し、
前記電極部は、測定時に底部となる部分からの前記沈降性成分の累積堆積分率が累積堆積分率が前記沈降性成分の体積分率以上となる位置より上側に位置する(9)記載の電気的測定用容器。
(12)前記電気伝導部の前記生体保持部に埋入された部分に、曲折部を備える(1)から(11)のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
(13)前記樹脂は、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、およびポリサルホンから選ばれる一種以上の樹脂である(1)から(12)のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
(14)前記電気伝導部は、チタンを含む電気伝導性素材からなる(1)から(13)のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
(15)前記生体試料の誘電率を測定するために用いられる(1)から(14)のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
(16)前記生体試料のインピーダンスを測定するために用いられる(1)から(15)のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
(17)血沈状況を測定するために用いられる(10)記載の電気的測定用容器。
(18)血液凝固状況を測定するために用いられる(10)または(17)に記載の電気的測定用容器。
(19)液体状の生体試料を収容するための樹脂からなる生体試料保持部と、
測定時において少なくとも一部が前記生体試料と接触する電気伝導部と、
該電気伝導部に電圧を印加する印加部と、
前記生体試料を電気的に測定する測定部と、
を少なくとも備え、
前記電気伝導部の一部が前記生体試料保持部に埋入された状態で、前記生体試料保持部と前記電気伝導部が一体成形された液体状の生体試料の電気的測定装置。
(20)液体状の生体試料を収容するための樹脂からなる生体試料保持部と、
該生体試料保持部に固定された電気伝導部と、を少なくとも備え、
前記電気伝導部の一部が前記生体試料保持部に埋入された状態で、前記生体試料保持部と前記電気伝導部が一体成形された液体状の生体試料の電気的測定用容器を用いて、前記生体試料を電気的に測定する液体状の生体試料の電気的測定方法。
本技術に係る電気的測定用容器1は、生体試料保持部2と電気伝導部3との固定に接着剤を用いないため、接着剤による生体試料Sへの影響を排除することができる。その結果、生体試料Sの電気特性を高精度に測定することが可能である。
また、本技術に係る電気的測定用容器1の製造工程では、生体試料保持部2と電気伝導部3とが一体成形するため、生体試料保持部2の成形工程に加えて接着工程を別に設ける必要がない。その結果、電気的測定用容器1の製造が容易となり、安価かつ大量に電気的測定用容器1を生産することが可能となる。
更に、本技術に係る電気的測定用容器1では、生体試料保持部2に予め電気伝導体3が固定されている。そのため、この電気伝導体3を電極として用いることで、電極の液体試料中への挿入量の違いによる測定誤差をなくすことができる。その結果、生体試料Sの電気特性を高精度に測定することが可能である。
加えて、生体試料保持部2に予め電気伝導体3が固定されていることで、装置の構成を簡易化することができ、装置の小型化や製造工程の簡易化、装置の低価格化などの実現にも貢献することができる。
1:電気的測定用容器
2:生体試料保持部
3:電気伝導部
31:電極部
32:接続部
33:保持部
34:曲折部
S:生体試料
10:電気的測定装置
4:印加部
5:測定部
6:解析部
M:マグネット

Claims (19)

  1. 沈降性成分を含有する血液試料を収容するための側壁を有する生体試料保持部と、
    該生体試料保持部に固定された電気伝導部と、
    を少なくとも備え、
    前記電気伝導部の一部が前記生体試料保持部に埋入された状態で、前記生体試料保持部と前記電気伝導部が一体成形され、
    前記電気伝導部は、測定時に前記血液試料と接触する電極部と、外部回路と電気的に接続するための接続部と、を少なくとも備え、
    前記電極部は、前記生体試料保持部において、前記側壁と平行する方向に配置され、
    前記電極部は、前記生体試料保持部の側壁の一部を構成し、
    前記電極部は、測定時に底部となる部分から所定距離上側、かつ、測定時に前記血液試料の液面となる部分から所定距離下側に位置する、血液試料の電気的測定用容器。
  2. 前記生体試料保持部は、樹脂からなる請求項1記載の電気的測定用容器。
  3. 前記樹脂は、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、およびポリサルホンから選ばれる一種以上の樹脂である請求項2に記載の電気的測定用容器。
  4. 前記電極部が一対以上備えられた請求項1から3のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  5. 前記一対の電極部は、略平行に配置された請求項4記載の電気的測定用容器。
  6. 前記側壁において、前記生体試料保持部と前記電極部との接続部が平滑である請求項1から5のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  7. 前記電気伝導部の少なくとも一部は、前記一体成形時に前記電気伝導部を前記生体試料保持部の所定箇所に配置させるための保持部として機能する請求項1から6のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  8. 前記電極部は、測定時に底部となる部分からの前記沈降性成分の累積堆積分率が体積分率以上となる位置より上側に位置する請求項1から7のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  9. 測定に最低限必要な時間を経た時における血清層の下限よりも、電極部の上限が下方に位置する請求項1から8のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  10. 前記電気伝導部の前記生体試料保持部に埋入された部分に、曲折部を備える請求項1から9のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  11. 蓋部を有する請求項1から10のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  12. 前記生体試料保持部は、円筒体、断面が多角の多角筒体、円錐体、断面が多角の多角錐体、或いはこれらを1種または2種以上組み合わせた形態である請求項1から11のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  13. 前記電気伝導部は、チタンを含む電気伝導性素材からなる請求項1から12のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  14. 前記血液試料の誘電率を測定するために用いられる請求項1から13のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  15. 前記血液試料のインピーダンスを測定するために用いられる請求項1から14のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  16. 血沈状況を測定するために用いられる請求項1から15のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  17. 血液凝固状況を測定するために用いられる請求項1から16のいずれか一項に記載の電気的測定用容器。
  18. 沈降性成分を含有する血液試料を収容するための側壁を有する生体試料保持部と、
    測定時において少なくとも一部が前記血液試料と接触する電気伝導部と、
    該電気伝導部に電圧を印加する印加部と、
    前記血液試料の電気的特性を測定する測定部と、
    を少なくとも備え、
    前記電気伝導部の一部が前記生体試料保持部に埋入された状態で、前記生体試料保持部と前記電気伝導部が一体成形され、
    前記電気伝導部は、測定時に前記血液試料と接触する電極部と、外部回路と電気的に接続するための接続部と、を少なくとも備え、
    前記電極部は、前記生体試料保持部において、前記側壁と平行する方向に配置され、
    前記電極部は、前記生体試料保持部の側壁の一部を構成し、
    前記電極部は、測定時に底部となる部分から所定距離上側、かつ、測定時に前記血液試料の液面となる部分から所定距離下側に位置する、血液試料の電気的測定装置。
  19. 沈降性成分を含有する血液試料を収容するための側壁を有する生体試料保持部と、
    該生体試料保持部に固定された電気伝導部と、を少なくとも備え、
    前記電気伝導部の一部が前記生体試料保持部に埋入された状態で、前記生体試料保持部と前記電気伝導部が一体成形され、
    前記電気伝導部は、測定時に前記血液試料と接触する電極部と、外部回路と電気的に接続するための接続部と、を少なくとも備え、
    前記電極部は、前記生体試料保持部において、前記側壁と平行する方向に配置され、
    前記電極部は、前記生体試料保持部の側壁の一部を構成し、
    前記電極部は、測定時に底部となる部分から所定距離上側、かつ、測定時に前記血液試料の液面となる部分から所定距離下側に位置する血液試料の電気的測定用容器を用いて、前記血液試料の電気的特性を測定する液体状の血液試料の電気的測定方法。
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