JP6413343B2 - 固体粒子沈降分離方法、および、固体粒子沈降分離装置 - Google Patents

固体粒子沈降分離方法、および、固体粒子沈降分離装置 Download PDF

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Description

本発明は、固体粒子が懸濁された懸濁液から固体粒子を沈降分離する固体粒子沈降分離方法、および、固体粒子沈降分離装置に関する。
固体粒子が懸濁された懸濁液から固体粒子を沈降分離する技術が、上下水処理施設等の様々な分野で利用されている。このような沈降分離処理においては、固体粒子を凝集させるための凝集剤を懸濁液に添加することが一般的に行われている(例えば、特許文献1)。
また、近年、放射性セシウム等の放射性物質に汚染された土壌や、放射性物質に汚染された廃棄物を焼却して得られた焼却灰等の固形物を減容化する技術の開発が進められている。例えば、汚染された固形物を水で洗浄して放射性物質を水へ溶解させ、洗浄された固形物と、放射性物質が含まれる水溶液とを固液分離により分離し、当該水溶液にプルシアンブルー等のフェロシアン化金属を添加することで水溶液中の放射性物質をフェロシアン化金属に吸着させる技術が開発されている。このように放射性物質を吸着したフェロシアン化金属を水溶液から沈降分離する際にも、凝集剤を添加して放射性物質を吸着したフェロシアン化金属を凝集させている(例えば、特許文献2)。
特開2003−117562号公報 特開2013−101098号公報
しかし、上記凝集剤を添加する技術では、凝集剤に多大なコストを要してしまう。また、放射性物質の減容化を目的とした場合、沈降分離された沈降物に凝集剤が残存して、放射性物質を吸着したフェロシアン化金属のみと比較して沈降物の体積が大きくなってしまい十分な減容化ができない。
ここで、凝集剤を添加しなければ、凝集剤に要するコストを削減でき、また、減容化を進めることが可能となるが、沈降速度を向上させることができず、沈降分離処理に長時間を要してしまうといった課題がある。
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、沈降分離する際に、凝集剤の添加を抑制することができ、また、沈降分離処理に要する時間を短縮することが可能な固体粒子沈降分離方法および固体粒子沈降分離装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の固体粒子沈降分離方法は、固体粒子が懸濁された液体であり、液体中の固体粒子間のみかけの反発力が0以下である第1懸濁液に、第1懸濁液中のマイクロバブルおよびナノバブルのうちいずれか一方または両方の存在量が、固体粒子の密度と、単位体積の第1懸濁液あたりの固体粒子の体積と、予め定められた係数とを積算した値である気泡導入上限値未満となるように気体を導入することで、固体粒子を凝集させて沈降を促進させる工程を含むことを特徴とする。
また、沈降を促進させる工程を遂行する前に、固体粒子が懸濁された液体である第2懸濁液中の固体粒子間のみかけの反発力を0以下に調整して、第1懸濁液を生成する工程をさらに含むとしてもよい。
また、第1懸濁液を生成する工程は、固体粒子の凝集を促進する凝集剤を第2懸濁液に導入する工程であるとしてもよい。
また、第1懸濁液を生成する工程は、酸性化合物または塩基性化合物を第2懸濁液に導入して第2懸濁液のpHを固体粒子の等電点にする工程であるとしてもよい。
また、沈降を促進させる工程は、第1懸濁液に気体を導入して、大気圧を上回る正圧状態とした後、気体が導入された第1懸濁液を大気圧とする工程であるとしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の固体粒子沈降分離装置は、固体粒子が懸濁された液体であり、液体中の固体粒子間のみかけの反発力が0以下である第1懸濁液を収容する、密閉された収容槽と、第1懸濁液を収容槽に供給する懸濁液供給部と、収容槽に気体を導入する気体導入部と、第1懸濁液中のマイクロバブルおよびナノバブルのうちいずれか一方または両方の存在量が、固体粒子の密度と、単位体積の第1懸濁液あたりの固体粒子の体積と、予め定められた係数とを積算した値である気泡導入上限値未満となるように、気体導入部を制御する中央制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、沈降分離する際に、凝集剤の添加を抑制することができ、また、沈降分離処理に要する時間を短縮することが可能となる。
第1の実施形態にかかる固体粒子沈降分離装置を説明するための図である。 第1の実施形態にかかる固体粒子沈降分離方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 懸濁液中の固体粒子の沈降速度と、気泡の存在量との関係を説明するための図である。 第2の実施形態にかかる固体粒子沈降分離装置を説明するための図である。 第2の実施形態にかかる固体粒子沈降分離方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態:固体粒子沈降分離装置100)
図1は、第1の実施形態にかかる固体粒子沈降分離装置100を説明するための図である。図1に示すように、固体粒子沈降分離装置100は、収容槽110と、懸濁液供給部120と、気体導入部130と、中央制御部140とを含んで構成される。なお、図1中、信号の流れを破線の矢印で示す。
収容槽110は、密閉された容器であり、固体粒子が懸濁された液体である懸濁液が収容される。ここで、収容槽110に収容される懸濁液は、液体中の固体粒子間のみかけの反発力が0以下(凝集条件下)の第1懸濁液である。液体中の固体粒子間のみかけの反発力が0以下である第1懸濁液は、例えば、固体粒子の表面電荷が0である懸濁液や、DLVO(Derjaguin-Landau-Verwey-Overbeek)理論における全ポテンシャルエネルギーの極大値が0以下である懸濁液や、液体のpHが固体粒子の等電点である懸濁液と同義である。
また、収容槽110の上面には、収容槽110内の気体(例えば、空気、窒素)を抜き出すためのガス抜き配管112が設けられており、ガス抜き配管112にはバルブ112aが設けられている。さらに、収容槽110の底面には、収容槽110内の液体(例えば、固体粒子が濃縮された第1懸濁液、第1懸濁液から固体粒子が取り除かれた上澄液)を外部に排出するための液抜き配管114が設けられており、液抜き配管114にはバルブ114aが設けられている。
懸濁液供給部120は、第1懸濁液の供給源である第1懸濁液供給源と収容槽110とを接続する配管122と、配管122に設けられたバルブ124と、配管122におけるバルブ124よりも第1懸濁液供給源側に設けられたポンプ126とを含んで構成される。そして、後述する中央制御部140による制御指令に応じて、バルブ124が開弁されるとともに、ポンプ126が駆動されることで、第1懸濁液供給源から収容槽110へ第1懸濁液が供給されることとなる。
気体導入部130は、気体の供給源である気体供給源と収容槽110とを接続する配管132と、配管132に設けられたバルブ134と、配管132におけるバルブ134よりも気体供給源側に設けられたポンプ136とを含んで構成される。そして、中央制御部140による制御指令に応じて、バルブ134が開弁されるとともに、ポンプ136が駆動されることで、気体供給源から収容槽110へ気体が導入されることとなる。
本実施形態において気体導入部130は、第1懸濁液中の気泡の存在量が、気泡導入上限値未満となるように気体(気泡)を導入する。ここで、気泡導入上限値は、固体粒子の密度と、第1懸濁液中の固体粒子の体積と、予め定められた係数とを積算した値である。気泡導入上限値の設定、および、気体導入部130による気体導入処理の具体的な流れについては、後に詳述する。
中央制御部140は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して固体粒子沈降分離装置100全体を管理および制御する。本実施形態において、中央制御部140は、バルブ112a、114a、懸濁液供給部120(バルブ124、ポンプ126)、気体導入部130(バルブ134、ポンプ136)を制御する。中央制御部140によるバルブ112a、114a、124、134の開閉制御、および、ポンプ126、136の駆動制御については、後に詳述する。
続いて、固体粒子沈降分離装置100を用いた固体粒子沈降分離方法について説明する。
図2は、第1の実施形態にかかる固体粒子沈降分離方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。図2に示すように、固体粒子沈降分離方法は、第1懸濁液収容工程S150と、気体導入工程S152と、沈降分離工程S154とを含む。以下、第1懸濁液収容工程S150、気体導入工程S152、沈降分離工程S154について詳述する。
(第1懸濁液収容工程S150)
まず、中央制御部140は、バルブ112aを開弁するとともに、バルブ114aを閉弁する。そして、中央制御部140は、バルブ124を開弁するとともに、ポンプ126を駆動して、第1懸濁液供給源から収容槽110へ第1懸濁液を供給する。なお、第1懸濁液が供給されると、収容槽110内の気体はガス抜き配管112を通じて外部に押し出されることとなる。収容槽110への第1懸濁液の供給が完了すると、中央制御部140は、バルブ124およびバルブ112aを閉弁するとともにポンプ126の駆動を停止する。
(気体導入工程S152)
続いて、中央制御部140は、バルブ134を開弁するとともに、ポンプ136を駆動して気体を収容槽110に導入し、第1懸濁液(収容槽110内)を加圧状態(大気圧を上回る正圧状態)として気体を第1懸濁液に溶解させる。その後、中央制御部140は、バルブ134を閉弁するとともに、ポンプ136の駆動を停止し、さらに、バルブ112aを開弁して、第1懸濁液を大気圧とし、第1懸濁液中に気泡(微細気泡)を分散させる(加圧溶解方式)。
気体導入工程S152において、気体導入部130(ポンプ136)は、第1懸濁液を加圧状態から大気圧としたときに、第1懸濁液中の気泡の存在量が気泡導入上限値未満となるように気体を導入する。これにより、固体粒子の沈降速度を向上させることができる。気泡導入上限値未満の気泡の存在による、固体粒子の沈降速度の向上については、後に詳述する。
(沈降分離工程S154)
気体導入工程S152において、気体導入部130が第1懸濁液に気体を導入した後、固体粒子の沈降に要する期間、第1懸濁液を放置する。その後、固体粒子が沈降したら、中央制御部140は、バルブ114aを開弁して、固体粒子が濃縮された第1懸濁液を排出し、固体粒子を処理するための固体粒子処理装置(不図示)に送出する。そして、固体粒子が濃縮された第1懸濁液の排出が終了したら、一旦バルブ114aを閉弁し、液抜き配管114の接続先を、第1懸濁液から固体粒子が取り除かれた上澄を処理する上澄処理装置(不図示)に切り換える。その後、バルブ114aを開弁し、上澄を排出して、上澄処理装置に送出し、沈降分離工程S154の処理を終了する。
続いて、気泡の存在による、固体粒子の沈降速度の向上について説明する。本願発明者は、懸濁液に気体を導入して、懸濁液中の気泡の存在量を気泡導入上限値未満とすると、固体粒子の沈降速度が向上することを見出した。
図3は、懸濁液中の固体粒子の沈降速度と、気泡の存在量との関係を説明するための図である。図3中、縦軸に沈降速度(%)を示し、横軸に気泡の存在量(μl/g)を示す。なお、ここでは、気泡を存在させない場合(存在量が0μl/g)の沈降速度を基準沈降速度(100%)とし、基準沈降速度の2倍の沈降速度を200%、基準沈降速度の3倍の沈降速度を300%、基準沈降速度の4倍の沈降速度を400%として説明する。
また、ここでは、一例として、密度が1.8(g/cm)である固体粒子を使用し、固体粒子の体積が0.001112cm/mlである懸濁液を用いた場合の、固体粒子の沈降速度と、気泡の存在量との関係について検討した。
かかる懸濁液では、図3に示すように、気泡の存在量を増加させていくと、徐々に沈降速度が上昇し、気泡の存在量が約0.0750μl/gでは沈降速度が約200%に、約0.181μl/gでは約300%に上昇することを見出した。そして、気泡の存在量を約0.441μl/gとすると沈降速度が最大(約400%)となり、さらに気泡の存在量を増加させると、沈降速度が徐々に低下し、約0.701μl/gでは約300%に、約0.807μl/gでは約200%に、約0.890μl/gでは約100%まで低下することを確認した。
つまり、密度が1.8(g/cm)である固体粒子であって、固体粒子の体積が0.001112cm/mlである懸濁液において、気泡の存在量が、0.890μl/g以上になると、固体粒子が浮上することが分かった。固体粒子が沈降する場合、気泡の密度が0g/mlと仮定すると、懸濁液中の固体粒子の密度、懸濁液中の固体粒子の体積、および、気泡の存在量の関係は、下記数式(1)で表すことができる。
気泡の存在量(ml/g)=懸濁液中の固体粒子の密度(g/ml)×懸濁液中の固体粒子の体積(ml)×A …数式(1)
ここで、Aは、予め定められた係数であり、目的とする沈降速度に応じて決定される。具体的に説明すると、沈降速度を100%に設定する場合、係数Aは、0または0.445となり、沈降速度を200%に設定する場合、係数Aは、0.0375、または、0.403となり、沈降速度を300%に設定する場合、係数Aは、0.0903、または、0.350となり、沈降速度を400%に設定する場合、係数Aは、0.220となる。なお、上記数式(1)において、懸濁液中の固体粒子の密度(g/ml)は、懸濁液を構成する液体の密度よりも大きいものとする。
以上の結果から、気体導入部130(ポンプ136)が、第1懸濁液中の気体の存在量が、以下に示す気泡導入上限値未満となるように、すなわち、0.890μl/g未満となるように、気体を導入することで、固体粒子を凝集させて沈降速度を向上させる、すなわち、沈降を促進させることが可能となる。なお、気体導入部130(ポンプ136)が、第1懸濁液中の気体の存在量を、好ましくは0.0750μl/gから0.807μl/gの間の予め定められた存在量となるように、より好ましくは0.181μl/gから0.701μl/gの間の予め定められた存在量となるように、さらに好ましくは0.441μl/gとなるように気体を導入することで、固体粒子の沈降をさらに促進させることが可能となる。
換言すれば、係数Aを0.445未満となるように、好ましくは、0.0375から0.403の間の予め定められた値となるように、より好ましくは、0.0903から0.350の間の予め定められた値となるように、さらに好ましくは0.220となるように設定して、上記数式(1)を用いて気泡導入上限値(気泡の存在量)を算出し、当該算出された気泡導入上限値となるように、気体を導入することで、固体粒子を凝集させて沈降速度を向上させる、すなわち、沈降を促進させることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態にかかる固体粒子沈降分離装置100およびこれを用いた固体粒子沈降分離方法によれば、懸濁液に気体を導入して、気泡を存在させるといった簡易な構成で、固体粒子の沈降を促進することができる。これにより、気泡を存在させない場合と比較して、凝集剤の量を維持したまま、固体粒子の沈降(沈降分離処理)に要する時間を短縮することが可能となる。また、気泡を存在させない場合と比較して、沈降分離処理に要する時間を維持したまま、凝集剤の量を削減することが可能となる。
(第2の実施形態:固体粒子沈降分離装置200)
上述した第1の実施形態において、固体粒子沈降分離装置100の収容槽110には、液体中の固体粒子間のみかけの反発力が0以下の第1懸濁液が供給される構成を例に挙げて説明した。しかし、収容槽110において第1懸濁液を調整するとしてもよい。本実施形態では、収容槽110において第1懸濁液を調整する固体粒子沈降分離装置200について説明する。
図4は、第2の実施形態にかかる固体粒子沈降分離装置200を説明するための図である。図4に示すように、固体粒子沈降分離装置200は、収容槽110と、攪拌装置210と、懸濁液導入部220と、調整物質導入部230と、気体導入部130と、中央制御部250とを含んで構成される。なお、図4中、信号の流れを破線の矢印で示す。
また、上述した第1の実施形態の構成要素と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、ここでは、攪拌装置210、懸濁液導入部220、調整物質導入部230、中央制御部250について詳述する。
攪拌装置210は、収容槽110に収容された懸濁液(第2懸濁液と調整物質との混合液)を攪拌する。
懸濁液導入部220は、第2懸濁液の供給源である第2懸濁液供給源と収容槽110を接続する配管222と、配管222に設けられたバルブ224と、配管222におけるバルブ224よりも第2懸濁液供給源側に設けられたポンプ226とを含んで構成される。そして、後述する中央制御部250による制御指令に応じて、バルブ224が開弁されるとともに、ポンプ226が駆動されることで、第2懸濁液供給源から収容槽110へ第2懸濁液が導入されることとなる。
ここで、第2懸濁液は、上記第1懸濁液とは異なり、液体中の固体粒子間のみかけの反発力が0以下ではない懸濁液である。
調整物質導入部230は、調整物質(例えば、液体)の供給源である調整物質供給源と収容槽110とを接続する配管232と、配管232に設けられたバルブ234と、配管232におけるバルブ234よりも調整物質供給源側に設けられたポンプ236とを含んで構成される。中央制御部250による制御指令に応じて、バルブ234が開弁されるとともに、ポンプ236が駆動されることで、調整物質供給源から収容槽110へ調整物質が導入されることとなる。ここで、調整物質は、固体粒子の凝集を促進する凝集剤、もしくは、酸性化合物または塩基性化合物である。
なお、中央制御部250は、調整物質導入部230を制御して、予め定められた量の調整物質を収容槽110に導入する。ここで、調整物質導入部230によって導入される調整物質の量は、第2懸濁液体中の固体粒子間のみかけの反発力を0以下とすることができる量であり、事前に凝集試験を実施することで決定される。
中央制御部250は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して固体粒子沈降分離装置200全体を管理および制御する。本実施形態において、中央制御部250は、攪拌装置210、バルブ112a、114a、懸濁液導入部220(バルブ224、ポンプ226)、調整物質導入部230(バルブ234、ポンプ236)、気体導入部130(バルブ134、ポンプ136)を制御する。中央制御部250による攪拌装置210の駆動制御、バルブ112a、114a、134、224、234の開閉制御、および、ポンプ136、226、236の駆動制御については、後に詳述する。
続いて、固体粒子沈降分離装置200を用いた固体粒子沈降分離方法について説明する。
図5は、第2の実施形態にかかる固体粒子沈降分離方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。図5に示すように、固体粒子沈降分離方法は、第2懸濁液導入工程S250と、調整物質導入工程S252と、攪拌工程S254と、気体導入工程S152と、沈降分離工程S154とを含む。上述した第1の実施形態の処理と実質的に等しい処理については、同一の符号を付して説明を省略し、ここでは、第2懸濁液導入工程S250、調整物質導入工程S252、攪拌工程S254について詳述する。
(第2懸濁液導入工程S250)
まず、中央制御部250は、バルブ112aを開弁するとともに、バルブ114aを閉弁する。そして、中央制御部250は、バルブ224を開弁するとともに、ポンプ226を駆動して、第2懸濁液供給源から収容槽110へ第2懸濁液を導入する。なお、第2懸濁液が供給されると、収容槽110内の気体はガス抜き配管112を通じて外部に押し出されることとなる。収容槽110への第2懸濁液の導入が完了すると、中央制御部250は、バルブ224を閉弁するとともにポンプ226の駆動を停止する。
(調整物質導入工程S252)
続いて、中央制御部250は、バルブ234を開弁するとともに、ポンプ236を駆動して、調整物質供給源から収容槽110へ、予め定められた量の調整物質を導入する。
(攪拌工程S254)
中央制御部250は、攪拌装置210を駆動して、第2懸濁液と調整物質とを混合する。
以上説明したように、本実施形態にかかる固体粒子沈降分離装置200およびこれを用いた固体粒子沈降分離方法によれば、固体粒子間のみかけの反発力が0以下ではない第2懸濁液であっても、調整物質を用いて第1懸濁液とすることができる。
また、本実施形態においても、第1懸濁液に気体を導入して、気泡を存在させるといった簡易な構成で、固体粒子の沈降を促進することができる。これにより、気体を存在させない場合と比較して、凝集剤の量を維持したまま、沈降分離処理に要する時間を短縮することが可能となる。また、気泡を存在させない場合と比較して、沈降分離処理に要する時間を維持したまま、凝集剤の量を削減することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態の気体導入工程S152において、気体導入部130が第1懸濁液中に気泡を存在させる構成として、気体を収容槽110に導入し、収容槽110内(第1懸濁液)を、大気圧を上回る正圧状態とした後、第1懸濁液を大気圧とする構成について説明した。しかし、気体導入部130は、第1懸濁液中に気泡を存在させることができれば、気泡導入手段に限定はない。例えば、別の容器において、気体で正圧状態とした液体を製造し、当該液体を大気開放して液体中に微細気泡(例えば、マイクロバブル、ナノバブル)を存在させた状態で収容槽110に導入してもよい。また、例えば、気液混合を遂行するノズルを通して、収容槽110に懸濁液を供給することで、ノズルを通過させる際に、懸濁液に微細気泡を存在させるとしてもよい。
また、上記実施形態の沈降分離工程S154において、気体導入部130が第1懸濁液に気体を導入した後、固体粒子の沈降に要する期間、第1懸濁液を放置することで、固体粒子を沈降分離する構成について説明した。しかし、沈降分離する手段に限定はなく、例えば、遠心分離を行って固体粒子を沈降分離してもよい。
また、上記第2の実施形態において、調整物質が液体である場合について説明したが、調整物質は固体、または、気体、もしくは、固体、液体、気体の群から選択される複数の混合物であってもよい。
また、上記実施形態において、密度が1.8(g/cm)である固体粒子を例に挙げて説明した。しかし、他の密度の固体粒子であっても、上記数式(1)から沈降に要する気泡の存在量(ml/g)を導出することができる。
なお、本明細書の固体粒子沈降分離方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的な処理を含んでもよい。
本発明は、固体粒子が懸濁された懸濁液から固体粒子を沈降分離する固体粒子沈降分離方法、および、固体粒子沈降分離装置に利用することができる。
S152 気体導入工程
S250 第2懸濁液導入工程
S252 調整物質導入工程
S254 攪拌工程
100、200 固体粒子沈降分離装置
110 収容槽
130 気体導入部
220 懸濁液導入部
230 調整物質導入部

Claims (6)

  1. 固体粒子が懸濁された液体であり、該液体中の該固体粒子間のみかけの反発力が0以下である第1懸濁液に、該第1懸濁液中のマイクロバブルおよびナノバブルのうちいずれか一方または両方の存在量が、該固体粒子の密度と、単位体積の該第1懸濁液あたりの固体粒子の体積と、予め定められた係数とを積算した値である気泡導入上限値未満となるように気体を導入することで、該固体粒子を凝集させて沈降を促進させる工程を含むことを特徴とする固体粒子沈降分離方法。
  2. 前記沈降を促進させる工程を遂行する前に、固体粒子が懸濁された液体である第2懸濁液中の該固体粒子間のみかけの反発力を0以下に調整して、前記第1懸濁液を生成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の固体粒子沈降分離方法。
  3. 前記第1懸濁液を生成する工程は、前記固体粒子の凝集を促進する凝集剤を前記第2懸濁液に導入する工程であることを特徴とする請求項2に記載の固体粒子沈降分離方法。
  4. 前記第1懸濁液を生成する工程は、酸性化合物または塩基性化合物を前記第2懸濁液に導入して該第2懸濁液のpHを前記固体粒子の等電点にする工程であることを特徴とする請求項2に記載の固体粒子沈降分離方法。
  5. 前記沈降を促進させる工程は、前記第1懸濁液に前記気体を導入して、大気圧を上回る正圧状態とした後、該気体が導入された該第1懸濁液を大気圧とする工程であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の固体粒子沈降分離方法。
  6. 固体粒子が懸濁された液体であり、該液体中の該固体粒子間のみかけの反発力が0以下である第1懸濁液を収容する、密閉された収容槽と、
    前記第1懸濁液を前記収容槽に供給する懸濁液供給部と、
    前記収容槽に気体を導入する気体導入部と、
    前記第1懸濁液中のマイクロバブルおよびナノバブルのうちいずれか一方または両方の存在量が、前記固体粒子の密度と、単位体積の該第1懸濁液あたりの固体粒子の体積と、予め定められた係数とを積算した値である気泡導入上限値未満となるように、前記気体導入部を制御する中央制御部と、
    を備えたことを特徴とする固体粒子沈降分離装置。
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