以下に添付図面を参照して、本発明に係るデミスタユニット及びEGRシステムの好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のデミスタユニットが適用されたEGRシステムを備えたディーゼルエンジンを表す概略図、図2は、第1実施形態のEGRシステムを表す概略構成図である。
第1実施形態にて、図1に示すように、舶用ディーゼルエンジン10は、エンジン本体11と、過給機12と、EGRシステム13を備えている。
図2に示すように、エンジン本体11は、図示しないが、プロペラ軸を介して推進用プロペラを駆動回転させる推進用の機関(主機関)である。このエンジン本体11は、ユニフロー掃排気式のディーゼルエンジンであって、2ストロークディーゼルエンジンであり、シリンダ内の吸排気の流れを下方から上方への一方向とし、排気の残留を無くすようにしたものである。エンジン本体11は、ピストンが上下移動する複数のシリンダ(燃焼室)21と、各シリンダ21に連通する掃気トランク22と、各シリンダ21に連通する排気マニホールド23とを備えている。そして、各シリンダ21と掃気トランク22との間に掃気ポート24が設けられ、各シリンダ21と排気マニホールド23との間に排気流路25が設けられている。そして、エンジン本体11は、掃気トランク22に給気ラインG1が連結され、排気ポート23に排気ラインG2が連結されている。
過給機12は、コンプレッサ31とタービン32とが回転軸33により一体に回転するように連結されて構成されている。この過給機12は、エンジン本体11の排気ラインG2から排出された排ガスによりタービン32が回転し、タービン32の回転が回転軸33により伝達されてコンプレッサ31が回転し、このコンプレッサ31が空気及び/または再循環ガスを圧縮して給気ラインG1からエンジン本体11に供給する。コンプレッサ31は外部(大気)から空気を吸入する吸入ラインG6に接続されている。
過給機12は、タービン32を回転した排ガスを排出する排気ラインG3が連結されており、この排気ラインG3は、図示しない煙突(ファンネル)に連結されている。また、排気ラインG3から給気ラインG1までの間にEGRシステム13が設けられている。
EGRシステム13は、排ガス再循環ラインG4、G5、G7と、スクラバ42と、デミスタユニット14と、EGRブロワ(送風機)47とを備えている。このEGRシステム13は、舶用ディーゼルエンジン10から排出された排ガスの一部を空気と混合した後、過給機により圧縮して燃焼用気体として舶用ディーゼルエンジン10に再循環させることで、燃焼によるNOxの生成を抑制するものである。なお、ここでは、タービン32の下流側から排ガスの一部を抽気したが、タービン32の上流側から排ガスの一部を抽気してもよい。
排ガス再循環ラインG4は、一端が排気ラインG3の中途部に接続されている。排ガス再循環ラインG4は、EGR入口バルブ(開閉弁)41Aが設けられており、他端がスクラバ42に接続されている。EGR入口バルブ41Aは、排ガス再循環ラインG4を開閉することで、排気ラインG3から排ガス再循環ラインG4に分流する排ガスをON/OFFする。なお、EGR入口バルブを流量調整弁とし、排ガス再循環ラインG4を通過する排ガスの流量を調整するようにしてもよい。
スクラバ42は、ベンチュリ式のスクラバであり、中空形状をなすスロート部43と、排ガスが導入されるベンチュリ部44と、元の流速に段階的に戻す拡大部45とを備えている。スクラバ42は、ベンチュリ部44に導入された排ガスに対して水を噴射する水噴射部46を備えている。スクラバ42は、SOxや煤塵などの微粒子(PM)といった有害物質が除去された排ガスおよび有害物質を含む排水を排出する排ガス再循環ラインG5が連結されている。なお、本実施形態では、スクラバとしてベンチュリ式を採用しているが、この構成に限定されるものではない。
排ガス再循環ラインG5は、デミスタユニット14とEGRブロワ47が設けられている。
デミスタユニット14は、水噴射により有害物質が除去された排ガスと排水を分離するものである。デミスタユニット14は、排水をスクラバ42の水噴射部46に循環する排水循環ラインW1が設けられている。そして、この排水循環ラインW1は、排水を一時的に貯留するホールドタンク49とポンプ50が設けられている。
EGRブロワ47は、スクラバ42内の排ガスを排ガス再循環ラインG5からデミスタユニット14に導くものである。
排ガス再循環ラインG7は、一端がEGRブロワ47に接続されるとともに、他端が混合器(図示略)を介してコンプレッサ31に接続されており、EGRブロワ47により排ガスがコンプレッサ31に送られる。排ガス再循環ラインG7は、EGR出口バルブ(開閉弁または流量調整弁)41Bが設けられている。吸入ラインG6からの空気と、排ガス再循環ラインG7からの排ガス(再循環ガス)は、混合器で混合されることで燃焼用気体が生成される。なお、この混合器は、サイレンサと別に設けられてもよいし、混合器を別途設けることなく、排ガスと空気を混合する機能を付加するようにサイレンサを構成してもよい。そして、過給機12は、コンプレッサ31が圧縮した燃焼用気体を給気ラインG1からエンジン本体11に供給可能であり、給気ラインG1にエアクーラ(冷却器)48が設けられている。このエアクーラ48は、コンプレッサ31により圧縮されて高温となった燃焼用気体と冷却水とを熱交換することで、燃焼用気体を冷却するものである。
上述したデミスタユニット14は、図3から図5に示すように、ケーシング51と、邪魔板52と、多孔板53と、デミスタ支持板54と、デミスタ本体55と、受止部材56とを備えている。
ケーシング51は、中空の矩形状をなし、内部空間を形成する容器として構成されている。即ち、ケーシング51は、天井部51a、左右側壁部51b、51c、底部51d、上流側壁部51e、下流側壁部51fにより箱型に形成されている。ケーシング51は、一端部(図3にて、右端部)の上側に排ガス及び排水が導入される入口部61が形成される一方、他端部(図3にて、左端部)側の上部に排ガス(流体)が排出される出口部62が形成されている。このケーシング51は、排ガス再循環ラインG5上に設けられている。
邪魔板52は、ケーシング51内にて、入口部61に対向して鉛直方向に沿って配置されることで、屈曲流路としての上流側流路63を形成している。邪魔板52は、排ガスや液滴が通過することができない平坦な板から形成され、上端部がケーシング51の天井部51aに密着して固定され、左右の側部がケーシング51の左右の側壁部51b,51cに密着して固定され、下端部の下方に上流側流路63が設けられている。
この場合、ケーシング51における入口部61から邪魔板52の平面部52aまでの距離が、入口部61の内径以下になるように設定されている。そのため、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、邪魔板に衝突した後、上流側流路63に流れる。即ち、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、邪魔板により、鉛直方向の下方に流れた後、水平方向に屈曲して流れることとなる。また、邪魔板52の下方の流路面積が、入口部61からケーシング51内に導入されたときの流路面積より大きく設定している。そのため、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスが、邪魔板52の下方を流れるときに、再加速されることがない。
多孔板53は、ケーシング51内にて、下部に水平をなして固定されている。多孔板53は、排ガスや液滴が通過することができるように、多数の貫通孔(図示略)が形成された平坦な板から形成されている。この多孔板53は、ケーシング51の底部51dから所定高さだけ上方の位置に水平をなして配置され、外周部がケーシング51の側壁部51b,51c及び前後壁部51e,51fに密着して固定されることで、多孔板53と底部51dとの間に貯留部64を形成している。そして、貯留部64は、下部に排水流路64aが設けられている。
デミスタ支持板54は、邪魔板52より出口部62で、多孔板53より所定高さだけ上方に水平をなして配置されている。デミスタ支持板54は、排ガスや液滴が通過することができない平坦な板から形成され、一端部がケーシング51の後壁部51fに密着して固定され、左右の側部がケーシング51の左右の側壁部51b,51cに密着して固定され、他端部が邪魔板52と所定距離だけ離間しており、ここに上流側流路63が設けられている。この場合、邪魔板52の下端は、デミスタ支持板54の下面より、鉛直方向で下方に位置している。
デミスタ本体55は、ケーシング51内にて、上流側流路63よりの排ガスの流動方向の下流側に配置されて排ガスからミストを除去するものである。デミスタ本体55は、図示しないが、内部に排ガスが通過できるような複数回屈曲した流路が設けられ、全体として鉛直方向に沿った板状体として構成されている。デミスタ本体55は、デミスタ支持板54における他端部上に設置されており、上端部がケーシング51の天井部51aに密着し、左右の側部がケーシング51の左右の側壁部51b,51cに密着している。
デミスタ本体55は、邪魔板52に対向して配置されており、デミスタ本体55より上流側が上流側流路63であり、デミスタ本体55より下流側が下流側流路65となっている。即ち、上流側流路63は、ケーシング51の前壁部51eと側壁部51b,51cと邪魔板52と多孔板53とデミスタ支持板54の下面に隔てられて構成され、下流側流路65は、ケーシング51の側壁部51b,51cと後壁部51fとデミスタ支持板54の上面に隔てられて構成されている。そのため、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、上流側流路63を通ってデミスタ本体55に到達し、デミスタ本体55を通過した後に下流側流路65を通って出口部62から排出される。
受止部材56は、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴を受け止めるものである。受止部材56は、邪魔板52における入口部61に対向する平面部52aに設けられている。受止部材56は、入口部61より鉛直方向の下方に位置するように、邪魔板52の平面部52aに設けられている。
受止部材56は、邪魔板52の平面部52aに左右方向に沿って設けられており、2個の受止部材本体66,67により構成されている。受止部材本体66は、邪魔板52の平面部52aにおける左右方向の中間位置から一方の側壁部51bに向かって延設され、受止部材本体67は、邪魔板52の平面部52aにおける左右方向の中間位置から他方の側壁部51cに向かって延設されている。各受止部材本体66,67は、ケーシング51の側壁部51b,51cに向かって下方に傾斜して設けられている。
受止部材56(受止部材本体66,67)は、図6に詳細に示すように、液滴の流れ方向に沿って設けられる底部68と側部69から構成されている。底部68は、一側部が邪魔板52の平面部52aに直交するように水平をなして密着して固定され、側部69は、下端部が底部68の他側部に直交するように鉛直をなして密着して固定されている。そのため、受止部材56(受止部材本体66,67)は、邪魔板52の平面部52aと底部68と側部69により、コ字状断面をなして邪魔板52における左右方向に沿う受止流路70が形成される。
そのため、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、邪魔板52に衝突することで液滴が生成され、この液滴は、邪魔板52の平面部52aを伝って下方に流れ落ちることから、受止部材56は、受止流路70にこの液滴を受け止めることができる。
図4及び図5に示すように、受止部材56の受止流路70が受け止めた液滴をケーシング51の貯留部64に流す排水流路71,72が設けられている。受止部材本体66,67は、入口部61における左右方向の中央位置から左右の側壁部51b,51cに向かって延設されており、先端部と左右の側壁部51b,51cとの間に隙間が設けられることで、ここに排水流路71,72が設けられる。そのため、受止部材56の受止流路70が受け止めた液滴は、受止流路70の傾斜方向の下方に流れるため、排水流路71,72から貯留部64に流すことができる。
また、図3に示すように、デミスタ本体55の下方に垂れ下がり板57が設けられている。垂れ下がり板57は、排ガスや液滴が通過することができない平坦な板から形成され、上端部がデミスタ支持板54の下面に密着して固定され、このデミスタ支持板54の下面から垂下するように配置されている。垂れ下がり板57は、平面部がデミスタ支持板54の端部と段差なく面一に沿うように配置されている。この場合、垂れ下がり板57の下端は、邪魔板52の下端と、鉛直方向で同位置、または、鉛直方向で上方に位置している。そのため、上流側流路53を流れる排ガスは、垂れ下がり板57によりデミスタ支持板54の下方の領域から上方へデミスタ本体55の上流面に向かうように案内される。
なお、上述の説明にて、受止部材56(受止部材本体66,67)は、邪魔板52の平面部52aと底部68と側部69によりコ字状断面をなす受止流路70を有するものとしたが、この構成に限定されるものではない。図7−1から図7−4は、受止流路の変形例を表す断面図である。
図7−1に示すように、受止部材81は、液滴の流れ方向に沿って設けられる底部82により構成されている。底部82は、一側部が邪魔板52の平面部52aに直交するように水平をなして密着して固定されている。そのため、受止部材81は、邪魔板52の平面部52aと底部82により、邪魔板52における左右方向に沿う受止流路83が形成される。また、図7−2に示すように、受止部材84は、液滴の流れ方向に沿って設けられる底部85により構成されている。底部85は、一側部が邪魔板52の平面部52aに固定され、他端部が水平から上方に向かって傾斜しており、平面部52aと底部85の上面とのなす角度が所定角度(鋭角)に設定されている。そのため、受止部材84は、邪魔板52の平面部52aと底部85により、邪魔板52における左右方向に沿う受止流路86が形成される。
図7−3に示すように、受止部材87は、液滴の流れ方向に沿って設けられる湾曲底部88により構成されている。湾曲底部88は、一側部が邪魔板52の平面部52aに直交するように密着して固定され、他側部が上方に向かって湾曲するように延出している。そのため、受止部材87は、邪魔板52の平面部52aと湾曲底部88により、邪魔板52における左右方向に沿う受止流路89が形成される。また、図7−4に示すように、受止部材90は、液滴の流れ方向に沿って設けられる凹部91により構成されている。凹部91は、邪魔板52が屈曲することで形成され、この凹部91により邪魔板52における左右方向に沿う受止流路92が形成される。この場合、凹部91より下方の平面部52bを凹部91より上方の平面部52aより右方側、つまり、入口部(図3参照)側に配置させることが望ましい。
また、上述の説明にて、受止部材56は、2個の受止部材本体66,67により構成され、各受止部材本体66,67がケーシング51の側壁部51b,51cに向かって下方に傾斜するものとしたが、この構成に限定されるものではない。図8及び図9は、第1実施形態のデミスタユニットの変形例を表す縦断面図である。
図8に示すように、受止部材101は、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴を受け止めるものである。受止部材101は、邪魔板52における入口部61に対向する平面部52aに設けられている。受止部材101は、入口部61より鉛直方向の下方に位置するように、邪魔板52の平面部52aに設けられている。受止部材101は、邪魔板52の平面部52aに左右方向に沿って設けられており、ケーシング51における一方の側壁部51bから他方の側壁部51cに向かって延設され、他方の側壁部51cに向かって下方に傾斜して設けられている。
また、受止部材101が受け止めた液滴をケーシング51の貯留部64に流す排水流路102が設けられている。受止部材101は、一端部がケーシング51の側壁部51bに密着するが、他端部と側壁部51cとの間に隙間が設けられており、ここに排水流路102が設けられる。
そのため、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、邪魔板52に衝突することで液滴が生成され、この液滴は、邪魔板52の平面部52aを伝って下方に流れ落ちることから、受止部材101は、この液滴を受け止めることができる。また、受止部材101が受け止めた液滴は、受止部材101の傾斜方向の下方に流れるため、排水流路102から貯留部64に流すことができる。
図9に示すように、受止部材111は、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴を受け止めるものである。受止部材111は、邪魔板52における入口部61に対向する平面部52aに設けられている。受止部材111は、入口部61より鉛直方向の下方に位置するように、邪魔板52の平面部52aに設けられている。受止部材111は、3個の受止部材本体112,113,114から構成され、邪魔板52の平面部52aに左右方向に沿って設けられている。各受止部材本体112,113,114は、邪魔板52の左右方向(水平方向)にずれると共に鉛直方向に所定間隔を空けて配置されており、一部が鉛直方向に重なっている。また、各受止部材本体112,113,114は、ケーシング51における一方の側壁部51bから他方の側壁部51cに向かって下方に傾斜して設けられている。
また、受止部材111が受け止めた液滴をケーシング51の貯留部64に流す排水流路115が設けられている。受止部材111は、受止部材本体112の一端部がケーシング51の側壁部51bに密着するが、受止部材本体114の他端部と側壁部51cとの間に隙間が設けられており、ここに排水流路115が設けられる。
そのため、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、邪魔板52に衝突することで液滴が生成され、この液滴は、邪魔板52の平面部52aを伝って下方に流れ落ちることから、受止部材111は、この液滴を受け止めることができる。即ち、邪魔板52の平面部52aを伝って流れ落ちる液滴は、各受止部材本体112,113,114が受け止めると共に順に流れていき、排水流路115から貯留部64に流すことができる。
以下、第1実施形態のEGRシステムの作用を説明する。エンジン本体11は、掃気トランク22からシリンダ21内に燃焼用空気が供給されると、ピストンによってこの燃焼用空気が圧縮され、この高温の空気に対して燃料が噴射することで自然着火し、燃焼する。そして、発生した燃焼ガスは、排ガスとして排気マニホールド23から排気ラインG2に排出される。エンジン本体11から排出された排ガスは、過給機12におけるタービン32を回転した後、排気ラインG3に排出され、EGR入口バルブ41Aが閉止しているときは、全量が排気ラインG3から外部に排出される。
一方、EGR入口バルブ41Aが開放しているとき、排ガスは、その一部が排気ラインG3から排ガス再循環ラインG4に流れる。排ガス再循環ラインG4に流れた排ガスは、スクラバ42により、含有するSOxや煤塵などの有害物質が除去される。即ち、スクラバ42は、排ガスがベンチュリ部44を高速で通過するとき、水噴射部46から水を噴射することで、この水により排ガスを冷却すると共に、SOxや煤塵などの微粒子(PM)を水と共に落下させて除去する。そして、SOxや煤塵などを含んだ水は、EGRガスと共にデミスタユニット14に流入する。
スクラバ42により有害物質が除去された排ガスは、ガス排出ラインG5に排出され、デミスタユニット14によりスクラバ洗浄水が分離された後、排ガス供給ラインG7により過給機12に送られる。そして、この排ガスは、吸入ラインG6から吸入された空気と混合されて燃焼用気体となり、過給機12のコンプレッサ31で圧縮された後、エアクーラ48で冷却され、給気ラインG1からエンジン本体11に供給される。
ここで、デミスタユニット14による処理について説明する。図3から図5に示すように、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、正面にある邪魔板52の平面部52aに衝突することで、邪魔板52の平面部52aに沿って広がり、含まれるミストが液滴となってこの邪魔板52の平面部52aに付着する。すると、邪魔板52の平面部52aに付着した液滴は、自重により平面部52aに沿って下方へ流れ落ち、受止部材56に受け止められる。受止部材56に受け止められた液滴は、受止流路70に溜められ、各受止部材本体66,67の傾斜によりケーシング51の各側面部51b,51cに向かって流れる。そして、ケーシング51の各側面部51b,51cに流れた液滴は、各排水流路71,72を通って貯留部64に排水され、排水流路64aにより外部に排出される。
一方、一部のミストが除去された排ガスは、邪魔板52の平面部52aとケーシング51の天井部51a、側壁部51b,51b、前壁部51eにより下向きの流れとなり、上流側流路63に流れ込む。上流側流路63に流れ込んだ排ガスは、多孔板53により水平な流れとなり、垂れ下がり板57により上向きと流れとなってデミスタ本体55に到達する。このとき、上流側流路63を流れる排ガスは、邪魔板52の下方を通過することになるが、邪魔板52に付着した液滴は、受止部材56に受け止められて排水流路71,72から貯留部64に排水されることから、この上流側流路63には落下しない。そのため、上流側流路63を流れる排ガスは、水との接触が抑制されるが、排ガスから除去したミストの排ガスへの再度の取込みが抑制される。また、排ガスは、屈曲した上流側流路63を流動することで、遠心力によりミストが除去される。更に、排ガスは、デミスタ本体55を通過するときに、残存するミストが凝集して液滴となり、貯留部64に落下する。その後、ミストが除去された排ガスは、下流側流路65を通って出口部62から排出される。
このように第1実施形態のデミスタユニットにあっては、中空形状をなして排ガスの入口部61と出口部62を有するケーシング51と、ケーシング51内で入口部61に対向して配置されることで屈曲した上流側流路63を形成する邪魔板52と、ケーシング51内で上流側流路63より排ガスの流動方向の下流側に配置されて排ガスからミストを除去するデミスタ本体55と、邪魔板52に排ガスが衝突することによって生じた液滴を受け止める受止部材56とを設けている。
従って、排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴は、自重により邪魔板52の平面部52aを流れ落ちて受止部材56に受け止められることから、上流側流路63を流れる排ガスが再び液滴をミストとして取り込むことはなく、排ガスから除去したミストの排ガスへの再度の取込みを抑制し、その結果、ミスト除去効率の向上を図ることができる。
第1実施形態のデミスタユニットでは、受止部材56に邪魔板52における左右方向に沿う受止流路70を設けている。従って、邪魔板52に付着した液滴は、自重により邪魔板52の平面部52aを流れ落ち、受止流路70に受け止められることとなり、受け止めた液滴を受止流路70により流して所定の個所に集めることができる。
第1実施形態のデミスタユニットでは、受止流路56として、液滴の流れ方向に沿って底部68と側部69を設けている。従って、多量の液滴を受止流路70から溢れさせることなく適正に受け止めることができる。
第1実施形態のデミスタユニットでは、受止流路70をケーシング51の側壁部51b,51cに向けて下方に傾斜させている。従って、受け止めた液滴が受止流路70の傾斜方向に沿ってケーシング51の側壁部51b,51cに適正に流して排出することができる。
第1実施形態のデミスタユニットでは、受止部材56を邪魔板52における入口部61に対向する平面部52aに設けている。従って、邪魔板52の平面部52aに衝突して生成された液滴を受止部材56により適正に受け止めることができる。
第1実施形態のデミスタユニットでは、受止流路70が受け止めた液滴をケーシング51の下部の貯留部64に流す排水流路71,72を設けている。従って、邪魔板52に付着した液滴は、自重により邪魔板52の平面部52aを流れ落ち、受止流路70に受け止められ、受止流路70が受け止めた液滴は、排水流路71,72により貯留部64に流れることとなり、液滴を適正に排水して上流側流路63を流れる排ガスとの接触を抑制することができる。
第1実施形態のデミスタユニットでは、排水流路71,72を受止流路70の端部とケーシング51の側壁部51b,51cとの間に設けている。従って、液滴をケーシング51の側壁部51b,51cに沿って排水することで、生成された液滴と上流側流路63を流れる排ガスとの接触を抑制することができると共に、構造を簡素化することができる。
また、第1実施形態のEGRシステムにあっては、エンジン本体11から排出された排ガスの一部を燃焼用気体の一部としてエンジン本体に再循環する排ガス再循環ラインG4と、排ガス再循環ラインG4を流れる排ガスに対して水を噴射することで有害物質を除去するスクラバ42と、スクラバ42から排出された排ガスが導入されるデミスタユニット14とを設けている。
従って、デミスタユニット14にて、排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴は、自重により邪魔板52の平面部52aを流れ落ちて受止部材56に受け止められることから、上流側流路63を流れる排ガスが再び液滴をミストとして取り込むことはなく、排ガスから除去したミストの排ガスへの再度の取込みを抑制し、その結果、ミスト除去効率の向上を図ることができる。
[第2実施形態]
図10は、第2実施形態のデミスタユニットの入口部を表す縦断面図、図11は、受止流路を表す断面図、図12は、第2実施形態のデミスタユニットの変形例を表す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態にて、図10に示すように、デミスタユニット120は、ケーシング51と、邪魔板52と、多孔板53と、デミスタ支持板54と、デミスタ本体55と、複数の受止部材121,122とを備えている。なお、ケーシング51と邪魔板52と多孔板53とデミスタ支持板54とデミスタ本体55は、第1実施形態と同様の構成であることから、説明は省略する。
受止流路121,122は、鉛直方向に並列に複数(本実施形態では、2個)設けられている。各受止部材121,122は、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴を受け止めるものである。受止部材121,122は、邪魔板52における入口部61に対向する平面部52aであって、入口部61より鉛直方向の下方に設けられている。
各受止部材121,122は、第1実施形態の受止部材56(図5参照)とほぼ同様の構成をなし、入口部61における左右方向の中央位置から各側壁部51b,51cに向かって延設されると共に下方に傾斜する受止部材本体123,124,125,126から構成されている。そして、受止部材121,122(受止部材本体123,124,125,126)は、図11に示すように、液滴の流れ方向に沿って設けられる底部と側部から構成され、邪魔板52における左右方向に沿う受止流路127,128が形成されている。また、下方側の受止部材122は、上方側の受止部材121より邪魔板52の平面部52aからの突出量が大きく設定されている。即ち、下方側の受止部材122は、上方側の受止部材121より、入口部61側に多く突出している。また、図10に示すように、受止部材121,122の受止流路127,128が受け止めた液滴をケーシング51の貯留部64に流す排水流路71,72が設けられている。
そのため、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、邪魔板52に衝突することで液滴が生成され、この液滴は、邪魔板52の平面部52aを伝って下方に流れ落ちる。このとき、受止部材121,122は、受止流路127,128にこの液滴を受け止めることができる。そして、受止部材121,122の受止流路127,128が受け止めた液滴は、受止流路127,128の傾斜方向の下方に流れるため、排水流路71,72から貯留部64に流すことができる。
なお、上述の説明にて、受止部材121,122は、2個の受止部材本体123,124,125,126により構成され、各受止部材本体123,124,125,126がケーシング51の側壁部51b,51cに向かって下方に傾斜するものとしたが、この構成に限定されるものではない。
図12に示すように、受止流路131,132は、鉛直方向に並列に複数(本実施形態では、2個)設けられている。各受止部材131,132は、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴を受け止めるものである。受止部材131,132は、邪魔板52における入口部61に対向する平面部52aであって、入口部61より鉛直方向の下方に設けられている。受止部材131,132は、邪魔板52の平面部52aに左右方向に沿って設けられており、ケーシング51における一方の側壁部51bから他方の側壁部51cに向かって延設され、他方の側壁部51cに向かって下方に傾斜して設けられている。また、受止部材131,132が受け止めた液滴をケーシング51の貯留部64に流す排水流路102が設けられている。
そのため、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、邪魔板52に衝突することで液滴が生成され、この液滴は、邪魔板52の平面部52aを伝って下方に流れ落ちる。このとき、受止部材131,132は、この液滴を受け止めることができる。そして、受止部材131,132が受け止めた液滴は、傾斜方向の下方に流れるため、排水流路102から貯留部64に流すことができる。
なお、本実施例にて、上方側の受止部材121,131と下方側の受止部材122,132における邪魔板52の平面部52aからの突出量は、同様としてもよく、また、下方側の受止部材122、132の突出量を、上方側の受止部材121,131の突出量より大きくしてもよい。また、受止部材の数は、2個に限らず、3個以上としてもよい。
このように第2実施形態のデミスタユニットにあっては、邪魔板52に排ガスが衝突することによって生じた液滴を受け止める受止部材121,122(131,132)を鉛直方向に並列に複数設けている。
従って、排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴は、自重により邪魔板52の平面部52aを流れ落ちて受止部材121,122(131,132)に受け止められることから、上流側流路63を流れる排ガスが再び液滴をミストとして取り込むことはなく、排ガスから除去したミストの排ガスへの再度の取込みを抑制し、その結果、ミスト除去効率の向上を図ることができる。また、受止部材121,122(131,132)を鉛直方向に並列して複数設けることで、排ガスが邪魔板52の平面部52aに衝突して生成された液滴を確実に受け止めることができる。
[第3実施形態]
図13は、第3実施形態のデミスタユニットの入口部を表す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態にて、図13に示すように、デミスタユニット140は、ケーシング51と、邪魔板52と、多孔板53と、デミスタ支持板54と、デミスタ本体55と、受止部材141とを備えている。なお、ケーシング51と邪魔板52と多孔板53とデミスタ支持板54とデミスタ本体55は、第1実施形態と同様の構成であることから、説明は省略する。
受止流路141は、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴を受け止めるものである。受止部材141は、邪魔板52における入口部61に対向する平面部52aであって、入口部61より鉛直方向の下方に設けられている。
各受止部材141は、V字形状をなすように傾斜した複数の受止部材本体142,143から構成されている。そして、各受止部材本体142,143の下部連結部に集水部144が設けられている。即ち、各受止部材本体142,143は、図示しない受止流路が設けられ、この受止流路は、集水部144の位置で開口している。また、受止部材141の集水部144の下方に、受け止めた液滴をケーシング51の貯留部64に流す排水流路としての配管部145が設けられている。
そのため、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、邪魔板52に衝突することで液滴が生成され、この液滴は、邪魔板52の平面部52aを伝って下方に流れ落ちる。このとき、受止部材141は、各受止部材本体142,143がこの液滴を受け止めることができる。そして、受止部材141の各受止部材本体142,143が受け止めた液滴は、傾斜方向の下方に流れて各集水部144に合付けられ、この各集水部144から各配管部145を通って貯留部64に流すことができる。
このように第3実施形態のデミスタユニットにあっては、邪魔板52に排ガスが衝突することによって生じた液滴を受け止める受止部材141を設けると共に、受止流路141が受け止めた液滴を集水部135からケーシング51の下部の貯留部64に流す排水流路としての配管部145を設けている。
従って、邪魔板52に付着した液滴は、自重により邪魔板52の平面部52aを流れ落ち、受止部材141に受け止められ、受止部材141が受け止めた液滴は、集水部144から配管部145を通して貯留部64に流れることとなり、液滴を適正に排水して上流側流路63を流れる排ガスとの接触を防止することができる。また、排水流路を受止部材141が受け止めた液滴を集水部144から貯留部64に連通する配管部145とすることで、生成された液滴を配管部145により貯留部64に流し、生成された液滴と上流側流路63を流れる排ガスとの接触を防止することができる。
[第4実施形態]
図14は、第4実施形態のデミスタユニットを表す縦断面図、図15は、デミスタユニットの入口部を表す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態にて、図14及び図15に示すように、デミスタユニット150は、ケーシング51と、邪魔板52と、多孔板53と、デミスタ支持板54と、デミスタ本体55と、受止部材151とを備えている。なお、ケーシング51と邪魔板52と多孔板53とデミスタ支持板54とデミスタ本体55は、第1実施形態と同様の構成であることから、説明は省略する。
受止流路151は、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴を受け止めるものである。受止部材151は、邪魔板52における鉛直方向の下部に設けられている。
各受止部材151は、液滴の流れ方向に沿って設けられる底部152と両側部153,154から構成されている。底部152は、邪魔板52の下方で平面部52aに直交するように水平をなして配置され、両側部153,154は、下端部が底部152の各側部に直交するように鉛直をなして密着して固定されている。そのため、受止部材151は、底部152と両側部153,154により、コ字状断面をなして邪魔板52における左右方向に沿う受止流路155が形成される。そして、受止部材151は、底部152がステイ156を介して邪魔板52の下端部に連結されることで、この受止部材151が邪魔板52の下方に配置されることとなる。また、受止部材151は、端部側に受け止めた液滴をケーシング51の貯留部64に流す排水流路157,158が設けられている。
そのため、入口部61からケーシング51内に導入された排ガスは、邪魔板52に衝突することで液滴が生成され、この液滴は、邪魔板52の平面部52aを伝って下方に流れ落ちる。このとき、受止部材151は、受止流路155が邪魔板52の下端部から流れ落ちる液滴を受け止めることができる。そして、受止部材151の受止流路155が受け止めた液滴は、排水流路157,158から貯留部64に流すことができる。
このように第4実施形態のデミスタユニットにあっては、邪魔板52に排ガスが衝突することによって生じた液滴を受け止める受止部材151を邪魔板52における鉛直方向の下部に設けている。
従って、排ガスが邪魔板52に衝突することで生成された液滴は、自重により邪魔板52の平面部52aを流れ落ち、受止部材151に受け止められることから、上流側流路63を流れる排ガスが再び液滴をミストとして取り込むことはなく、排ガスから除去したミストの排ガスへの再度の取込みを抑制し、その結果、ミスト除去効率の向上を図ることができる。また、受止部材151が邪魔板52の下部に設けられることで、液滴を効果的に受け止めることができる。
なお、この第4実施形態にて、受止部材151を邪魔板52の下方に配置したが、受止部材を邪魔板52における平面部52a側の下部に配置してもよい。
また、上述した実施形態にて、第1から第3実施形態では、受止部材を傾斜させ、第4実施形態では、受止部材を水平にしたが、本発明の受止部材は、水平と傾斜のいずれであってもよく、部分的に傾斜させてもよい。
また、上述した実施形態にて、ケーシング51の形状や入口部61及び出口部62の一は、各実施形態に限定されるものではなく、入口部61と邪魔板52が対向していればいずれの位置であってもよい。また、邪魔板52を鉛直方向に沿って配置したが、傾斜していてもよい。
また、上述した実施形態では、舶用ディーゼルエンジンとして、主機関を用いて説明したが、発電機として用いられるディーゼルエンジンにも適用することができる。