JP6411632B2 - 対水船速計および対水船速計の計測値補正方法 - Google Patents

対水船速計および対水船速計の計測値補正方法 Download PDF

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Description

本発明は、船舶の速度を計測する技術に関し、特に、対水船速を計測する対水船速計および対水船速計の計測値補正方法に適用して有効な技術に関するものである。
対水船速(以下では単に「船速」と記載する場合がある)を計測する船速計として、音響式(ドップラー式)のものが知られている。ドップラー式の対水船速計では、どんなに正確であっても、計測環境の影響を受け得る。例えば、水深の浅いところで計測した場合は、船体による境界層の影響を受ける。一方、水深の深いところで計測した場合は、船体の周辺と海水の流れ(海流や潮流など)や他の条件(水圧や海水密度、塩分濃度など)が異なる場合があり、その影響を受ける可能性がある。したがって、経験的に浅すぎず深すぎない船底から3〜20メートル程度の水深で流速を計測するのが一般的である。
この水深は、通常は境界層の外側ではあるものの、船体によって乱される影響は少なからず残っている。そこで、一般的には、対象の船舶の海上試運転の際に、対水船速計により対水船速を実際に計測するとともに、GPS(Global Positioning System)等を利用した対地船速計により対地船速も計測し、これらの相対差に基づいて補正係数を設定して運用している。すなわち、海水の流れは深さ方向に一様であり、かつ時間によって変化しない、等の仮定のもと、対水船速計により直接計測された流速に対して上記の補正係数を適用して補正することで、海水の流れ等の条件や船体などによる影響を含む誤差を可能な限りキャンセルすることができる。
なお、境界層の厚みは様々な環境要因によって変化し得るが、この場合でも境界層の外側での対水船速を適切に求める技術として、例えば、特開2013−167560号公報(特許文献1)には、多層型の対水船速計が記載されている。この多層型対水船速計は、海底へ向けて発射した音波に対して、異なる水深の反射物によって反射された複数の反射波を検出し、音波と各反射波との周波数差に基づいて、各水深での流速を計算する。そして、水深方向での流速の変化率が所定の閾値以下となって収束した水深における流速を対水船速として出力する。
特開2013−167560号公報
上述したように、通常は、ドップラー式の対水船速計を用いる際には、計測された流速に補正係数を適用することで精度を向上させている。そして、この補正係数は、海上試運転等の際に最初に一度決定してしまえば、同じ船型の船舶に対して横展開して等しく適用することができるものである。
一方で、この補正係数は、対象の船舶について一度設定されると、その航行条件の変化に関わらず常に同じ値が用いられていた。しかし、シミュレーション技術の進展等により、例えば、船舶のドラフト(喫水)状態や船速などの航行条件によって流速分布が異なる、すなわち補正係数が異なることが明らかになった。
そこで本発明の目的は、船舶の航行条件に応じて、計測された流速から対水船速を求めるための適切な補正係数を得ることを可能とする対水船速計および対水船速計の計測値補正方法を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態による対水船速計は、船舶の対水船速を計測する対水船速計であって、前記船舶の航行条件に応じて異なる補正係数の情報を保持し、前記船舶が浮いている流体中において所定の水深における第1の流速を計測し、前記第1の流速を計測した時点での前記船舶の航行条件に対応する前記補正係数を取得し、取得した前記補正係数に基づいて前記第1の流速を補正して前記対水船速を計算するものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、船舶の航行条件に応じて、計測された流速から対水船速を求めるための適切な補正係数を得ることが可能となる。これにより、対水船速の計測精度を向上させることができる。
本発明の一実施の形態である対水船速計の構成例について概要を示した図である。 本発明の一実施の形態における航行条件と補正係数の関係の例を示した図である。 本発明の一実施の形態における対水船速の計測処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。
[全体構成]
図1は、本発明の一実施の形態である対水船速計の構成例について概要を示した図である。本実施の形態の対水船速計は、上述したような一般的なドップラー式の対水船速計と基本的には同様の構成を有する。すなわち、船底から20メートル程度の水深で流速を計測し、これに対して、予め設定された補正係数を適用して対水船速として出力する。一方、本実施の形態では、補正係数は一つではなく、航行条件に応じて可変である。したがって、航行条件に対応する補正係数を取得して適用することで、対水船速の計測精度をより向上させる。
本実施の形態では、ドップラー式の対水船速計を例として記載するが、同様の手法を他の方式の対水船速計や潮流計等に適用することも理論的には可能である。なお、「水深」とは正しくは海面等の船体1が浮かぶ水面や流体表面からの深さを示すが、以下の説明では、船体1の底面からの深さを便宜上「水深」と記載する場合がある。
本実施の形態の対水船速計は、例えば、船体1に設置されたセンサ2および船速計処理部3から構成される。センサ2は、例えば、船体1の船底部もしくはその近傍に設置され、海底方向に向けて所定の周波数でパルス状の音波を発信し、その反射波を受信するとともに、発信から受信までの時間差および受信した反射波の周波数などの情報を出力するトランスデューサ等によって構成される。
なお、図1の例ではセンサ2が1つ設置され、所定の海底方向に音波を発信し、測定された当該方向の流速成分に基づいて船体1の船首から船尾方向の流速を得る構成を示しているが、このような構成に限られない。例えば、船首から船尾方向以外の他の任意の方向の流速を計算する構成としてもよい。また、それぞれ異なる方向に音波を発信する複数のセンサ2を有する構成とし、各センサ2の音波発信方向の流速成分(もしくはこれらの合成)として任意の方向の流速を得る構成としてもよい。
船速計処理部3は、センサ2の動作を制御するとともに、センサ2からの出力結果を取得して対水船速Vの計算等の処理を行う機能を有する。船速計処理部3は、後述する各機能を実現するよう設計された集積回路や記憶装置、入出力装置等からなる専用のハードウェアとして実装してもよいし、PC(Personal Computer)等の汎用の情報処理装置およびその上で稼働するソフトウェアとして実装することも可能である。
船速計処理部3は、例えば、制御部31、計測部32、船速計算部33、補正係数取得部34、航行条件判定部35、インタフェース部36などの各部、および計測データ37、補正係数データ38、および船速データ39などの各データストアを有する。制御部31は、船速計処理部3の各部の動作を、予め設定された内容に基づいて自動で、もしくは後述するインタフェース部36を介したユーザからの指示等に基づいて手動で制御する機能を有する。計測部32は、センサ2により計測を行い、その結果を取得する機能を有する。具体的には、上述したように、センサ2から発信した送信波と受信した反射波の時間差および反射波の周波数のデータを取得する。取得したデータは、例えば、計測データ37として時系列に記録しておく。
船速計算部33は、計測データ37の内容から(真の)対水船速Vを計算し、計算結果を船速データ39として記録する機能を有する。すなわち、計測データ37の内容に基づいて対象の水深H(例えば、船底から20メートル程度)での流速Uを計算し、これに対して、後述する補正係数取得部34により取得された補正係数αを適用して、対水船速V=U/αを計算する。なお、本実施の形態の対水船速計を、特許文献1に示されるような多層型の対水船速計を用いて構成することも可能である。この場合、船速計算部33は、複数の水深Hについて流速Uをそれぞれ計算し、流速Uの変化率が所定の閾値以下となって収束した水深における流速Uを、対水船速Vを計算する際の基礎とする。
補正係数取得部34は、後述する航行条件判定部35により出力された航行条件のパラメータ値に基づいて、補正係数データ38の内容から当該航行条件に対応する補正係数αを取得する。本実施の形態では、航行条件のパラメータは、後述するように、例えば、船体1の喫水D、船速(流速U)、船型(船体1の形状)、流速を測定する水深Hである。ここで、船型については、対水船速計が実際に設置された船体1の形状は基本的に不変である。したがって、設置時に一度船型の情報を設定すると、その後はその内容を永続的に用いることができる。
航行条件判定部35は、船舶の航行条件を判定して、これをパラメータ値として出力する。上述した本実施の形態の航行条件のパラメータの中で可変のものは、喫水D、流速U、および水深Hである。ここで、流速Uは、船速計算部33で計算されるものであるため、航行条件判定部35での取得の対象とする必要はない。水深Hについては、本実施の形態の対水船速計を一般的なドップラー式の対水船速計を用いて構成する場合は不変の値(例えば、船底から20メートルなど)となる。また、例えば、特許文献1に示されるような多層型の対水船速計を用いて構成する場合も、対象とする水深Hは船速計算部33で決定される。したがって、水深Hについて航行条件判定部35の取得対象とする必要はない。
喫水Dについては、例えば、航行条件判定部35が備える図示しないセンサ等により計測して取得してもよいし、インタフェース部36からバラスト水の量の入力を受け付けて、これに基づいて計算してもよい。インタフェース部36から喫水Dの値の入力を直接受け付けてもよい。なお、航行条件の各パラメータと補正係数αとの関係については後述する。
インタフェース部36は、船速計処理部3に対する入出力のインタフェースを提供する機能を有する。例えば、船速計算部33によって計算された船速データ39の内容を図示しないディスプレイ等に表示して出力する。また、船速データ39や計測データ37などの蓄積データや、補正係数データ38などの設定データについて、図示しない外部記録媒体やネットワークを介して入出力を行う。また、図示しないボタンやダイヤル等からなる操作パネルやリモコン、タッチパネル等を介してユーザからの操作指示やデータの入力を受け付ける。
なお、船速計処理部3の実装に際しては、上記の各部やその機能の全てが船体1上に物理的に一体として実装される構成に限られない。例えば、船体1上において複数の装置等に分けて構成され、これらが連携する構成としてもよい。また、例えば、船速計算部33や補正係数取得部34における対水船速Vの計算処理や、補正係数αの取得と適用などの一部の処理を、船体1上ではなく陸上や他の船舶等の他の場所で行うような構成としてもよい。またこのとき、計測データ37を他の場所に持ち出すことにより非同期で処理を行ってもよいし、無線通信を利用して同期的に処理を行ってもよい。
[補正係数]
上述したように、従来技術では、補正係数は、対象の船舶について一度設定されると、その航行条件に関わらず常に同じ値が用いられていた。しかしながら、数値流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)解析などのシミュレーション技術の進展により、船舶の航行条件によって補正係数αが異なることが明らかになってきた。補正係数に影響を与えるパラメータとなる航行条件には、例えば、図1の例における喫水D、船速(流速Uもしくは対水船速V)、船型(船体1の形状)、流速を測定する水深Hなどがある。
図2は、航行条件と補正係数の関係の例を示した図である。ここでは、航行条件のパラメータの1つである船体1の形状として、ばら積み貨物船(例えば、JBC(Japan Bulk Carrier))と、コンテナ船(例えば、KCS(Kriso Container Ship))を例としている。そして、各船型についてそれぞれドラフト(喫水)状態として、バラスト(Ballast、空荷)状態と、積載(Laden)状態の2種類における船速(図2の例では真の対水船速V)毎の補正係数α=U/Vの変化の状態をグラフで示している。なお、流速Uは船体1の船底から20メートルの水深Hで計測したものとしている。
図示するように、船型および喫水状態が同じ船舶でも、船速(対水船速V)が変わることで、0.1〜0.3%程度、αの値が変化することが分かる。また、同じ船型でも、喫水状態がバラスト状態と積載状態とで0.3〜0.6%程度、αの値が変化することが分かる。また、船型によってαの値が異なる(グラフが異なる)ことが明らかであり、ばら積み貨物船(JBC)では、バラスト状態から積載状態になることでαが大きくなるのに対し、コンテナ船(KCS)では、逆にαが小さくなるなど、船型によって特性が大きく異なることも分かる。
本実施の形態では、このような補正係数αの特性(補正係数モデル)を予め求めておき、各船舶に設置された船速計処理部3に補正係数データ38として予め記録しておく。補正係数モデル、すなわち補正係数データ38のフォーマットは特に限定されない。例えば、航行条件の各パラメータ値の範囲毎の組み合わせと補正係数αの値とを対応付けたテーブルとして保持するようにしてもよい。また、図2に示したような各グラフを関数近似して、補正係数αを得るための関数を定義してもよい。
本実施の形態では、上述したように、航行条件のパラメータとして、喫水D、流速U、船型、水深Hを用いるものとしているが、これらに限られない。補正係数αに影響を与えるパラメータ(例えば、水圧などの水深Hの代替となり得るものや、水深Hにおける海水温度、海水密度、塩分濃度なども考えられる)であれば、適宜補正係数モデルに取り入れることができる。また、これらのパラメータの全てを用いることも必須ではなく、1つ以上のパラメータを適宜組み合わせて補正係数モデルに取り入れてもよい。
また、図2の例では、例えば、喫水Dについて、バラスト状態か積載状態かで区別しているのみであるが、具体的な数値(もしくは数値範囲)毎に補正係数モデルを生成してもよい。これらのパラメータの値は、航行条件判定部35が備える図示しないセンサ等が検出・計測してもよいし、インタフェース部36を介してユーザが入力・設定してもよい。
図2の例に示したようなものも含む補正係数モデルの生成に際しては、例えば、CFDなどのシミュレーションの手法を用いることができる。一方で、シミュレーションでは流体の完全なモデル化ができないことから、その精度には限界がある。また、縮尺を小さくした模型による水槽試験でも、実際の船体1とのレイノルズ数の相違などから、やはり正確な補正係数モデルを取得することが困難な場合がある。
これに対し、実際の船体1における海上試運転等の際、さらには実海域での実際の航行の際に対水船速計を用いて実測した値を用いることで、CFDや水槽試験によるものよりもより精度の高い補正係数モデルを得ることができる。このとき、一般的な対水船速計を用いて計測する場合には、航行条件のパラメータの1つである水深Hについて、これを複数変化させて流速Uを実測するのは困難であり、可能であったとしても手間がかかる。また、補正係数αを決定する上で、実測時点での真の対水船速Vを知る必要があるが、一般的な対水船速計でこれを得ることは困難である。
そこで、本実施の形態では、特許文献1に示されるような多層型の対水船速計を用いるものとする。これにより、浅いところから深いところまで複数の水深Hでの流速Uの計測を効率的に行うことができる。また、流速Uの変化が十分収束した水深H(例えば、船底から50〜60メートル程度)における流速Uを真の対水船速Vとして取り扱うことで、この対水船速Vと、各水深Hでの流速Uとの比である補正係数αを容易にかつ精度よく得ることができる。
水深Hが深くなるほど、船体1周辺とは異なる海水の流れ等の影響により、流速Uのバラツキが大きくなる可能性がある。このバラツキの影響を軽減し、流速Uの変化が十分収束する水深Hおよび真の対水船速Vを精度よく取得するためには、多層型の対水船速計を用いて海上試運転や実際の航行時などに船速データ39(船型が同じ他の船舶のものを含んでいてもよい)を複数蓄積するとともに、統計的な解析をすることが有効である。この統計的な解析は、流速Uを計測した際の航行条件毎に実施する。したがって、これを可能とするため、船速データ39には、流速Uや対水船速Vの値に加えて、流速Uを計測した際の航行条件のパラメータの内容も記録しておく。
[処理の流れ]
図3は、本実施の形態における対水船速の計測処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。上述したように、事前に実測もしくはシミュレーション等により補正係数モデルが取得されており、補正係数データ38として船速計処理部3に設定・登録されているものとする。また、船速計処理部3は、一般的な対水船速計と同様に、1つの水深Hのみで流速Uを計測するものとするが、特許文献1に示されたような多層型の対水船速計を用いて複数の水深Hで流速Uを計測するものであってもよい。
まず、所定の水深Hでの流速Uの計測を行う(S01)。具体的には、船速計処理部3の計測部32においてセンサ2から発信した送信波と受信した反射波の時間差および反射波の周波数のデータを取得して計測データ37として記録する。さらに、船速計算部33において計測データ37に基づいて流速Uを計算する。所定の水深Hは、例えば、20メートル程度であり、センサ2の性能等に応じて適宜設定される。多層型の対水船速計を用いている場合は、複数の水深Hでのそれぞれの流速Uの計測および計算を行う。なお、船体運動等による外乱の影響を低減するため、計測データ37については、例えば10秒〜数十秒程度の間の移動平均を用いるのが望ましい。
次に、航行条件判定部35により、その時点での航行条件のパラメータの値(例えば、喫水Dに係るデータ)を取得する(S02)。ここで取得したパラメータの値は、ステップS01で流速Uを計測した時点での値とみなすことができる。そして、取得した1つ以上のパラメータ(可変/不変のものいずれも含む)の内容に基づいて、補正係数取得部34により、補正係数データ38の内容から対応する補正係数αを取得する(S03)。上述したように、例えば、各パラメータの値と補正係数αの対応を保持するテーブルに基づいて取得してもよいし、補正係数モデルとして定義された近似関数にパラメータを適用することで補正係数αを取得してもよい。対応する補正係数αが取得できない場合は、補正を行わない(α=1)としてもよいし、パラメータの内容が最も近い補正係数αや、デフォルト値を出力するようにしてもよい。
その後、船速計算部33において、ステップS01で計算した流速Uに対して、ステップS03で取得した補正係数αを適用することで、流速Uを補正し(S04)、得られた値を対水船速Vとして出力する(S05)。出力に際しては、船速データ39に記録するとともに、予め設定された方法もしくはユーザから指定された方法その他所定の方法により、インタフェース部36を介して出力する。
その後は、インタフェース部36を介したユーザからの指示や、所定の条件(例えば、船の停止等)に起因する制御部31からの指示等に基づいて、船速の取得処理の終了が要求されるまで、ステップS01以降の処理を繰り返して対水船速Vの計測処理を継続する。終了要求がされている場合には対水船速の計測処理を終了する。なお、対水船速Vの計測処理を継続する場合において、ステップS02で取得する航行条件のパラメータは、航行中不変のもの(例えば、船型や、場合によっては喫水Dなど)の値は再度の取得を省略するようにしてもよい。
以上に説明したように、本発明の一実施の形態である対水船速計によれば、船舶の航行条件のパラメータ(例えば、船体1の喫水D、船速(流速U)、船型(船体1の形状)、流速を測定する水深Hなど)に応じて、計測された流速Uから対水船速Vを求めるための適切な補正係数αを得ることが可能である。これにより、対水船速Vの計測の精度を大きく向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本発明は、対水船速を計測する対水船速計および対水船速計の計測値補正方法に利用可能である。
1…船体、2…センサ、3…船速計処理部、
31…制御部、32…計測部、33…船速計算部、34…補正係数取得部、35…航行条件判定部、36…インタフェース部、37…計測データ、38…補正係数データ、39…船速データ

Claims (5)

  1. 船舶の対水船速を計測する対水船速計であって、
    前記船舶の航行条件に応じて異なる補正係数の情報を保持し、
    前記船舶が浮いている流体中において所定の水深における第1の流速を計測し、
    前記第1の流速を計測した時点での前記船舶の航行条件に対応する前記補正係数を取得し、取得した前記補正係数に基づいて前記第1の流速を補正して、前記航行条件による影響を含む測定誤差をキャンセルすることにより前記対水船速を計算する、対水船速計。
  2. 請求項1に記載の対水船速計において、
    前記航行条件には、前記船舶の喫水状態、計測した前記第1の流速、前記船舶の船体の形状、前記第1の流速を計測した水深、前記水深における水圧、前記水深における海水密度、前記水深における塩分濃度のいずれか1つ以上を含む、対水船速計。
  3. 船舶の対水船速を計測する対水船速計の計測値補正方法であって、
    前記船舶の航行条件に応じて異なる補正係数の情報を保持しておく第1の工程と、
    前記船舶が浮いている流体中において所定の水深における第1の流速を計測する第2の工程と、
    前記第1の流速を計測した時点での前記船舶の航行条件の情報を取得する第3の工程と、
    取得した前記船舶の航行条件の情報に対応する前記補正係数を取得する第4の工程と、
    取得した前記補正係数に基づいて前記第1の流速を補正して、前記航行条件による影響を含む測定誤差をキャンセルすることにより前記対水船速を計算する第5の工程と、を有する、対水船速計の計測値補正方法。
  4. 請求項3に記載の対水船速計の計測値補正方法において、
    前記航行条件には、前記船舶の喫水状態、計測した前記第1の流速、前記船舶の船体の形状、前記第1の流速を計測した水深、前記水深における水圧、前記水深における海水密度、前記水深における塩分濃度のいずれか1つ以上を含む、対水船速計の計測値補正方法。
  5. 請求項3に記載の対水船速計の計測値補正方法において、
    さらに、前記船舶もしくは前記船舶と船型が同じ他の船舶が浮いている流体中において、複数の水深における第2の流速をそれぞれ計測する第6の工程と、
    計測された前記各第2の流速のそれぞれと、前記各第2の流速の水深方向の変化率が所定の閾値より小さくなった水深での前記第2の流速と、に基づいて、前記第1の工程で保持しておく前記補正係数を決定する、第7の工程と、を有する、対水船速計の計測値補正方法。
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