JP6410237B2 - 拡散性因子および癌細胞 - Google Patents
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Description
1つの実施形態においては、本発明は修飾癌細胞集団を含む医薬組成物であって、修飾癌細胞が、癌細胞の維持または成長を促進する1つまたはそれ以上の拡散性因子の産生を減少または消失させるよう修飾された癌細胞であることを特徴とする医薬組成物を提供する。
(2.1.)
1つの実施形態においては、本発明は、癌細胞集団の成長速度を減衰させるかまたは癌細胞集団のサイズを縮小する方法であって、癌細胞集団が第1の細胞サブセットを含むことを特徴とし、第1の細胞サブセットが拡散性因子を第1の速度および第1の力価で産生することを特徴とし、拡散性因子が第1の細胞サブセットの維持または成長を促進することを特徴とし、方法が(a)第2の細胞サブセットが拡散性因子を第2の速度および第2の力価で産生することを特徴とし、拡散性因子が第2の細胞サブセットの維持または成長を促進することを特徴とし、第2の細胞サブセットにより産生される拡散性因子の全体的な効力が第1の細胞サブセットにより産生される拡散性因子の全体的な効力よりも低いことを特徴とする、第2の細胞サブセットを細胞集団に導入すること、(b)細胞集団中の第1の細胞サブセットの割合が低下し、これにより第1および第2の細胞サブセットによって産生される拡散性因子の複合効力が減少するよう、第1および第2の細胞サブセットを複製させることという段階を含み、それによって細胞集団の成長速度が減衰するかまたはそのサイズが縮小することを特徴とする方法を提供する。
他の実施形態においては、本発明は、癌細胞集団の成長速度を減衰させるかまたは癌細胞集団のサイズを縮小する方法であって、癌細胞集団が、第1の細胞サブセットが拡散性因子を第1の速度で産生することを特徴とする第1の細胞サブセット、および第2の細胞サブセットが第2の速度で拡散性因子を産生すること特徴とする第2の細胞サブセットを含むことを特徴とし、第2の速度が第1の速度よりも遅いことを特徴とし、拡散性因子が第1および第2の細胞サブセットの維持または成長を促進することを特徴とし、方法が(a)第2の細胞サブセットに第1の細胞サブセットに対する選択的優位性を付与すること、(b)細胞集団中の第1の細胞サブセットの割合が低下し、それにより第1および第2の細胞サブセットによる拡散性因子の複合産生速度が減速するよう、第1および第2の細胞サブセットを複製させることという段階を含み、それによって細胞集団の成長速度が減衰するかまたはそのサイズが縮小することを特徴とする方法を提供する。
本発明は、癌細胞集団の成長速度を減衰させるかまたは癌細胞集団のサイズを縮小する方法であって、癌細胞集団が、第1の細胞サブセットが拡散性因子を第1の速度および第1の力価で産生することを特徴とする第1の細胞サブセット、および第2の細胞サブセットが拡散性因子を第2の速度および第2の力価で産生することを特徴とする第2の細胞サブセットを含むことを特徴とし、第2の細胞サブセットにより産生される拡散性因子の全体的な効力が第1の細胞サブセットにより産生される拡散性因子の全体的な効力よりも低いことを特徴とし、拡散性因子が第1および第2の細胞サブセットの維持または成長を促進することを特徴とし、方法が(a)第2の細胞サブセットに第1の細胞サブセットに対する選択的優位性を付与すること、(b)細胞集団中の第1の細胞サブセットの割合が低下し、これにより第1および第2の細胞サブセットによって産生される拡散性因子の複合効力が減少するよう、第1および第2の細胞サブセットを複製させることという段階を含み、それによって細胞集団の成長速度が減衰するかまたはそのサイズが縮小することを特徴とする方法も提供する。
さらなる実施形態においては、本発明は、癌細胞集団の成長速度を減衰させるかまたは癌細胞集団のサイズを縮小する方法であって、癌細胞集団が:第1の細胞サブセットが拡散性因子を第1の速度で産生することを特徴とし、拡散性因子が第1の細胞サブセットの維持または成長を促進することを特徴とする第1の細胞サブセットを含み、方法が(a)第2の細胞サブセットが拡散性因子を第2の速度で産生することを特徴とし、第2の速度が第1の速度よりも遅いことを特徴とし、かつ拡散性因子が第2の細胞サブセットの維持または成長を促進することを特徴とする、第2の細胞サブセットを細胞集団に導入すること、(b)細胞集団中の第1の細胞サブセットの割合が低下し、これにより第1および第2の細胞サブセットによって産生される拡散性因子の複合産生速度が減速するよう、第1および第2の細胞サブセットを複製させることという段階を含み、それによって細胞集団の成長速度が減衰するかまたはそのサイズが縮小することを特徴とする方法を提供する。
またさらなる実施形態においては、本発明は、癌細胞集団の成長速度を減衰させるかまたは癌細胞集団のサイズを縮小する方法であって、癌細胞集団が:それぞれが同じ拡散性因子を産生する複数の細胞を含み、拡散性因子が複数の細胞の維持または成長を促進することを特徴とし、かつ複数の細胞中の相異なる細胞が拡散性因子を1つまたはそれ以上の相異なる速度で産生することを特徴とし、方法が(a)複数の細胞のうち拡散性因子の産生の速度が低いかまたはその速度を低下させる細胞に選択的優位性を付与すること、(b)複数の細胞のうち拡散性因子の産生速度が高いかまたはその速度が減速されていない細胞の割合が低下し、これにより複数の細胞による拡散性因子の全般的な産生速度が減速するよう、複数の細胞を複製させることという段階を含み、それによって細胞集団の成長速度が減衰するかまたは細胞集団のサイズが縮小することを特徴とする方法を提供する。
細胞が拡散性因子を産生する細胞集団を考察されたい。拡散性因子を産生する細胞種を+/+と呼びかつその拡散性因子を産生しないか、または+/+細胞種よりも低い量で産生する変異型細胞種を−/−と呼ぼう。本発明は、細胞集団において、−/−の細胞種が+/+の細胞種に対して選択的優位性を有し、かつそれにより度数を高めることになる条件を誘導することを目標とし;これは拡散性因子の産生の減少、およびその結果、細胞集団全体の増殖の減少に至るであろう。このプロセスが機能するメカニズムは以下に記載する通りである。
x’=x(1−x)[β(x)−c] (1)
ただしこの式では健全性の差π+/+(x)−π−/−(x)はβ(x)−cの形で表され、かつ
β(x)−c=0 (3)
●c>β*であれば、β(x)<c∀x、かつx=0がただ1つの安定平衡となる。
●c<Min[Δb0,Δbn−1]であれば、β(x)>c∀xであり、かつx=1がただ1つの安定平衡となる。
●Min[Δb0,Δbn−1]<c<Max[Δb0,Δbn−1]かつΔb0<Δbn−1であれば、x>x(U)についてβ(x)>cかつx<x(U)についてβ(x)<c;したがって唯一の内部不安定平衡x(U)により2つの安定平衡x=1およびx=0の吸引流域が分割される。
●Min[Δb0,Δbn−1]<c<Max[Δb0,Δbn−1]でありかつΔb0>Δbn−1であれば、x<x(S)についてβ(x)>cかつx>x(S)についてβ(x)<cであり;したがって、唯一の内部安定平衡x(S)により2つの不安定平衡x=1およびx=0の吸引領域が分割される。
●Max[Δb0,Δbn−1]<c<β*であればx(U)<x<x(S)についてβ(x)>cである一方、x<x(U)およびx>x(S)についてβ(x)<cである;したがって内部不安定平衡x(U)により2つの安定平衡x=0およびx=x(S)の吸引領域が分割される。
b’(x)−cn=0 (4)
から平衡を確認できる。
発明の好ましい実施形態は、細胞の生存または増殖を促進する成長因子または他の拡散性因子をコードする遺伝子をノックアウト(すなわち完全にまたは部分的に欠失させる)することによって修飾される癌細胞であって、前記修飾細胞における前記因子の産生速度、またはその力価または効力が減少する癌細胞を含む。好ましくは、そのような細胞は1つまたはそれ以上のそのような因子についてノックアウトされる。本発明の代替的な実施形態においては、癌細胞は前記因子をコードするかまたはその産生を促進する遺伝子中の1つまたは複数のヌクレオチドの挿入、欠失または置換によって遺伝子修飾されるので、前記修飾細胞において前記因子の産生速度、またはその力価または効力が減少する。
一部の好ましい実施形態においては、第2の細胞サブセットに優位性を付与することは、細胞集団に一定量の「非産生体」を直接添加することによって達成される。細胞を添加することは、標準的な技法で細胞を注射することによって行うことができる。5節で説明される様に、産生体の度数が内部不安定平衡を下回る場合、細胞群は+/+細胞が死滅に至る安定平衡まで進化する。安定内部平衡にある細胞集団は、臨界量の−/−細胞を導入することにより、この安定平衡の吸引領域に至ることができる。一旦これらの−/−細胞が導入されると、+/+細胞の度数は安定平衡x=0の吸引領域内となり、またそれにより自然にその平衡に進化する[図2]。
一部の実施形態においては、第2の細胞サブセットに優位性を付与することは、その遺伝子を欠失させた可溶性因子を添加し、それにより生存および増殖のために細胞によって産生されなければならない拡散性因子の量を制限された時間の間減少させることにより達成される。この後、増加前と同様のレベルに戻す。5節に示す様に、産生体の平衡度数は閾値(5節のhまたはk)の減少関数である。それを減少させることにより産生体の平衡度数が減少する。この方法の好ましい実施形態においては、細胞集団はこの新たな閾値h1の元で新たな安定平衡xS1に到達することができ、かつこのxS1は初期閾値h0の元での不安定平衡xU0よりも低い。その後、閾値は突如として初期値h0と同様のレベルに再び戻る。この閾値h0の元で、細胞集団はここでx=0安定平衡に進化するであろう。閾値を減少させる1つの方法は、追加的な外因性可溶性拡散性因子を添加することによる。反対に、現行の治療法は成長因子の量を減少させようと試みることに留意されたい。外因性拡散性因子を添加することにより、同じ生存および増殖レベルを達成する内因性因子を産生するのに必要な細胞の割合が減少する。5節に説明する様に、これはより低い産生体の度数と平衡に達するであろう。外因性拡散性因子は腫瘍の成長速度を高めるので、産生体の新たな安定度数xS1が初期の閾値レベルで産生体の不安定度数xU0よりも低くなったら速やかにこの手順を中断することが望ましい。これが起こった時点で外因性拡散性因子の提供を停止すべきであり、かつ全集団が安定平衡x=0に進化するであろう。
一部の実施形態においては、第2の細胞サブセットの優位性は、拡散性因子拡散範囲の拡張によって誘導される。5節に説明される様に、これは群サイズの増加と等価であり、産生体の消滅に至るか、産生体が非産生体と共存する場合には産生細胞の平衡度数の低下に至ることがある。拡散性因子の拡散範囲は多くの様態で拡大しうる。この例は以下のものを含む:
3a:細胞外マトリクス上の結合分子を破壊する
3b:拡散性因子上の結合ドメインを破壊する
3c:因子の半減期を延長する因子結合タンパク質を添加する
3d:弱い結合ドメインを有する因子結合タンパク質を添加する
3e:可溶性結合ドメインを添加してECM結合分子を飽和させる
3f:可溶性結合分子を添加して因子上の結合ドメインを飽和させる
3g:因子の長鎖アイソフォームの量を増加させる
本発明の一部の実施形態においては、拡散性因子の拡散範囲は、細胞集団の近隣または近傍の細胞外マトリクス(ECM)を修飾することによって拡張される。成長因子の立体的分布は、たとえばプロテオグリカン(好ましくはヘパリン、ヘパラン硫酸などのヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)であるが、またコンドロイチン硫酸A、デルマタン硫酸、ヒアルロン酸でもある)などのECM中の分子[Fowlkes et al. 1997, Baird et al 1998, Higashiyama 1991, Raines and Ross 1992]との相互作用によって、さらには成長因子を固定する膜貫通ドメイン[Massague 1990]によって媒介される。したがって、ECMおよび細胞膜上の結合部位を変化させることにより拡散性因子の拡散範囲を操作することができる。これらの結合部位を分解することにより、結合ドメイン(たとえばヘパリン結合ドメイン)を有する成長因子がECM内でより自由に拡散し、それによりその拡散範囲が増大することを可能とするであろう。これを達成するための1つの方法は、成長因子[Lee et al 2005]とECM[Hawinkels et al. 2008]の両者を回裂することができるマトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)などのプロテアーゼを用いることによる。
本発明の一部の実施形態においては、拡散性因子の拡散範囲は、拡散性因子またはその随伴結合タンパク質の結合ドメインを変化させることによって拡張される。たとえば単量体FGFは、二量体FGFよりも低い親和性でヘパリンと結合し、またこれにより拡散が増大する[Harada et al. 2009]。
本発明の一部の実施形態においては、拡散性因子の拡散範囲は因子結合タンパク質を添加することによって拡張される。大半の成長因子は、当該因子を分解から保護する(それによりその半減期を延長する[Cohen and Nissley 1976 Zapf et al. 1986]結合タンパク質を伴って発生する。したがって、これらの結合タンパク質の量を増加させれば因子の半減期を延長することが可能となり、これによってその拡散範囲が拡大するであろう。
一部の実施形態においては、拡散性因子の拡散範囲は、弱い結合部位を有する特定の因子結合タンパク質を添加することによって拡張される。ECM親和性の低い結合タンパク質を添加することでより長い拡散範囲がもたらされる。たとえばIGFは、一般に、ヘパリン結合モチーフを有することでEMCと結合するIGFBP(IGF結合タンパク質)と結合した状態で利用可能である。IGFBPはEMCとの親和性が異なる、相異なる形態で存在するので(IDFBP−4の親和性が最も低く、IGFBP−6がこれに続く一方、IGFBP−3および−5は高い親和性を有する)[Fowlkes et al. 1997]、低親和性IGFBP(たとえばIGFB−4または−6)の量を高めるとIGF−BP複合体のEMCへの平均親和性が減少し、またそれゆえIGFの平均拡散速度が増加する。
本発明の一部の実施形態においては、拡散性因子の拡散範囲は、EMCの結合分子と結合する可溶性結合ドメインを添加することによって拡張される。
本発明の一部の実施形態においては、拡散性因子の拡散範囲は、拡散因子の結合ドメインと結合する可溶性分子を添加することによって拡張される。可溶性結合分子は、たとえば、ヘパリンまたはヘパリン硫酸であってもよいが、コンドロイチン硫酸A、デルマタン硫酸、ヒアルロン酸またはEMC中でヘパリンと結合する合成ペプチドであってもよい[Parker et al. 1996]。可溶性受容体がECM中の受容体と競合することが、多くの成長因子(EGF[Ullrich et al. 1984, Weber et al. 1984]、NGF[Zupan et al. 1989]、TNF[Gray et al. 1990, Schall et al. 1990]、インターロイキン[Symons and Duff 1990, Marcon et al. 1988, Mosley et al. 1989, Novick et al. 1989, Goodwin et al. 1990]、IF−γ[Novick et al. 1989]、IGF−II[Bobek et al. 1991]、BGFG[Johnson et al. 1990]、CFS[Downing et al. 1989, Fukunaga et al., 1990]、bFGF[Flaumenhaft et al. 1990])について示されている。成長因子−グリコサミノグリカン複合体が、ECM内の不溶性グリコサミノグリカンと結合せずに可溶相に分配されるならば、その拡散範囲を拡大するであろう。換言すれば、成長因子(またはその関連結合タンパク質)の結合ドメインをECMとの結合に利用できなくすると、成長因子がECMと結合せずに可溶相に残ることを可能とする。したがって、グリコサミノグリカンと複合体化した成長因子はその(ヘパリン)−結合部位が不溶性(ECM)グリコサミノグリカン(たとえばECM中のヘパラン硫酸プロテオグリカン)との結合に利用できなくなるので、可溶性グリコサミノグリカンの量を増加させることによって成長因子の拡散範囲を増大させることができる。成長因子の特性がこれによって変化しなければ(bFGF−ヘパラン硫酸複合体の場合のように[Moscatelli 1987, Saksela et al. 1988])、これは単純にその拡散範囲を増大させるであろう。Flaumenhaftら(1990)は、bFGF−ヘパリン(またはより少ない程度でヘパラン硫酸)複合体が、そのいずれもがbFGFとの固定結合部位を有する寒天、フィブリンおよび細胞単層上で、bFGF単独よりも遠くに拡散することを確認した。ヘパリンとの親和性が低下すると拡散が増大することが示されている[Flaumenhaft & Rifkin 1992, Harada et al. 2009, Makarenkova et al. 2009]。
本発明の一部の実施形態においては、拡散性因子の平均拡散範囲は、その因子の長距離アイソフォームの度数を増加させることによって拡張される。オルタナティブスプライシングにより、一部の成長因子は、拡散範囲の異なる膜固定型および可溶型のいずれでも合成されることが可能である[Rathjen et al. 1990, Raines and Ross 1992]。たとえばVEGFのmRNA前駆体は、オルタナティブスプライシングを受けて相異なる複数のアイソフォームとなる(ヒトにおける主要なアイソフォームはVEGF165、VEGF189およびVEGF121である)。より長いアイソフォームは、ECMのHSPGとの結合を増加させるC末端モチーフを含む[Mitchell et al 2006, Houck et al 2002]。この増大したマトリクス親和性によりアイソフォームの拡散率を減少させることができる。たとえば、HSPG親和性を欠くアイソフォームVEGF120[Keyt et al. 1996]のみを発現するトランスジェニックマウスが緩やかなVEGFグラジエントを示す一方で[Ruhrberg et al. 2002, Gerhardt et al 2003]、主としてヘパリン結合性VEGF164を発現する野生種マウスはVEGF立体分布がより限局化され、またVEGF188は最大レベルのECM親和性を示すので最短の拡散範囲を示す[Grunstein et al. 2000, Park et al. 1993]。癌細胞のスプライシング部位は、拡散性因子の長距離アイソフォームのみかまたは主としてこれを生成するよう修飾することが可能であり;そしてそのような拡散性因子はより長い平均範囲を有する。たとえば、VEGFの拡散範囲を変化させる1つの代替的な方法は、(VEGFについて開発されている:Reich et al. 2003)siRNA干渉を用いることである。オルタナティブスプライシングによって相異なるVEGFアイソフォームが産生されるのであれば、短距離アイソフォームに特異的なiRNAを用いることで総VEGFの平均範囲を拡大することができるであろう。
インシリコ実験においては、個々の細胞は拡散性因子の産生体(+/+)または非産生体(−/−)でありうる。産生体は非産生が支払わないコストcを支払う(0<c<1)。細胞(産生体および類似した非産生体)は、サイズがnであるその群(群は以下に規定される)の全ての細胞によって産生される拡散性因子から利益を得る。産生体および非産生体の利得はそれぞれb(j+1)−cおよびb(j)であり、式中、全体の良好さの利益b(j)=1/[1+es(k−j)](標準的正規化を用いて正規化)は他のn−1個の細胞の中の産生細胞jのs字型関数であり;パラメータkは変曲点の位置を調節しかつパラメータsは変曲点sにおける勾配を調節する。
図4(十分に混合された集団)および5(立体的に構造化された集団)は、臨界的割合の−/−細胞が平衡にある細胞集団に導入された場合に何が起こったかを示す。初期の平衡において+/+の度数はxS0であった。追加的な−/−細胞を導入すると、+/+の度数は不安定平衡xU0未満まで低下した。この時点で、−/−細胞は+/+細胞に対して恒常的な選択的優位性を有するので、集団は安定平衡x=0に進化した[図2を参照]。この平衡では、拡散性因子は産生されず、細胞集団は成長を止めて崩壊した。
図6は、所与の利益(すなわち閾値)を達成するために必要な産生細胞の量を減少させかつ最終的に初期と同様のレベルに回復させた場合に何が起こったかを示す。当初、+/+の度数はxS0であった。本方法の第1段階では、追加的な拡散性因子を外因的に提供した。より多くの拡散性因子が利用可能であったので(これはより低い変曲点を有することと等しい)、これにより細胞集団の成長が促進された。外部拡散性因子が提供されると、同じレベルの利益を達成するために必要な産生体が少なくなるので、+/+の度数はxS1まで低下する。この時点で、方法の第2段階は(ほとんど)突発的な初期閾値の回復を指示し:すなわち外部拡散性因子の提供が中断される。この時点での細胞集団は、+/+度数(xS1)が現時点(初期)の不安定平衡(xS0)よりも低かったので、安定平衡x=0に進化した。この平衡では、拡散性因子は産生されず、細胞集団は成長を止めて崩壊した。
図7は、拡散性因子の拡散範囲を拡張した場合に何が起こったかを示す。拡散範囲の中程度の拡張は+/+の度数、拡散性因子の量および有効性および腫瘍の成長の中程度の減少をもたらす。この減少の理由は、+/+の平衡度数(および、その結果として、拡散性因子の量および有効性および腫瘍の成長)が、拡散性因子の効果から利益を受ける細胞の個数の減少関数であることである。拡散性因子の拡散範囲のより大きな拡張は+/+細胞の完全な消失をもたらし、またその結果として細胞集団が成長を止めて崩壊した。
Rip1Tag2トランスジェニックマウス(+/+)、またはインスリン様成長因子II(IGF−II、または簡略に「IGF」)の遺伝子のホモ接合性欠失を担持するRip1Tag2トランスジェニックマウス(−/−)のβ細胞腫瘍(インスリノーマ)から確立されたβTC株を、報告にしたがって[Lamm & Christofori 1998]標識し、成長させ、計数した。細胞株は、(特に言及しない限り)10%FBS、1%グルタミンおよび1%抗生物質を補充したDMEM培地における培養で維持した。調整培地は、使用時に、5%FBS、1%グルタミンおよび1%抗生物質を補充したDMEM培地でβ腫瘍細胞株+/+または−/−を48時間準集密培養して得た。24ウェルマルチウェルプレートに細胞を30,000個/ウェルで蒔き、各実験ポイントを3回ずつ繰り返した。処理後に、PBSに溶解した2.5%グルタルアルデヒドにより細胞を室温で30分間固定した。脱イオン水で2回洗浄した後、0.1%クリスタルバイオレット20%メタノール溶液を各ウェルに15分間添加した。その後溶液を除去し、各ウェルを水で洗浄し室温で乾燥させた。10%酢酸溶液50μLに色素を溶解し、96ウェルマルチウェルプレートに移し、プレートリーダーで595nm波長の光度を測定した。成長率は対数期に測定した。
私は、まず−/−細胞が+/+細胞よりもより緩徐に成長するか試験した。予想されたように、−/−細胞単独ではIGF−IIを含有する血清の非存在下で成長することができなかった一方で、+/+は追加的IGF−IIが全くなくとも成長したが;しかし−/−細胞は、IGF−II含有血清の存在下で、IGF−II量が高ければ、むしろ+/+細胞よりも速い速度で成長することができた[図8]。これは、IGF−IIを産生することが+/+にとってコストが高く、かつ−/−細胞は外因性IGF−IIを利用して成長することができることを立証する。さらに、−/−細胞は混合培養中で+/+細胞の存在下で成長することができたので、−/−細胞は+/+細胞が産生するIGF−IIを利用できることが示される。さらなる実験[図8]よりこれらの結果が確認され、また−/−細胞は+/+細胞由来の調整培地の存在下で+/+細胞よりも高い速度で成長することができることが示され、+/+によって産生されたIGF−IIが−/−細胞に選択的優位性を付与することが明らかとなった。さらに、理論上予測されたように、成長速度は中程度の+/+細胞度数でピークとなった[図9]。
図10は、相異なる+/+と−/−の混合物に何が起こったかを示す。+/+細胞は死滅した。
図11は、さらなるIGF−IIを外因的に提供した後突然初期レベルに修復したとき何が起こったかを示す。予想されたように、IGF−IIを添加することにより成長率の突発的上昇がもたらされ、これは最終的に低速化して一定値を保つ。外因性IGF−IIの提供を中断しかつIGF−IIが初期レベルに戻ると、成長率は突然低下し、+/+細胞が死滅してから短時間の後培養は成長を止めた。
Claims (5)
- 患者における癌を治療するための、修飾癌細胞の集団を含む医薬組成物であって、前記修飾癌細胞が癌細胞の細胞分裂、細胞の成長、または、アポトーシスに対する抵抗性を促進する1つまたはそれ以上の拡散性成長因子の産生を消失させるよう修飾されている前記癌細胞であって、前記の1つまたはそれ以上の拡散性成長因子の産生の前記消失が拡散性成長因子または拡散性成長因子に対するプロモーターをコードする遺伝子の修飾によってかまたは拡散性成長因子をコードする遺伝子をノックアウトすることによって達成されていて、前記癌細胞が前記患者にとって自己由来または同種異系であり、前記修飾癌細胞の集団は直接注射によって前記癌細胞の集団に挿入され、前記細胞が治療しようとする前記癌と同じ種類の癌に由来し、前記癌細胞が腫瘍であって、
更に、前記拡散性成長因子が:ケモカインCCL1、CCL2/MCP−1、CCL3/MIP−1α、CCL4/MIP−1β、CCL5/RANTES、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL28、CXCL1/KC、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8/IL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCL17、CX3CL1、XCL1、XCL2;TNF(腫瘍壊死因子):TNFA、リンホトキシン(TNFB/LTA、TNFC/LTB)、TNFSF4、TNFSF5/CD40LG、TNFSF6、TNFSF7、TNFSF8、TNFSF9、TNFSF10、TNFSF11、TNFSF13B、EDA;インターロイキン:IL1、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12、IL13、IL14、IL15、IL16、IL17、IL18、IL19、IL20、IL21、IL22、IL23、IL24、IL25、IL26、IL27、IL28、IL29、IL30、IL31、IL32、IL33、IL34、IL35、IL36、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17、IFNA21、IFNB1、IFNK、IFNW1、IFNG、IL1A/IL1F1、IL1B/IL1F2、1Ra/IL1F3、IL1F5、IL1F6、IL1F7、IL1F8、IL1F9、IL1F10、33/IL1F11、18/IL1G、IL17/IL25(IL17A)、CSF1(マクロファージコロニー刺激因子)、CSF2(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、GM−CSF、サルグラモスチン)、CSF3(顆粒球コロニー刺激因子、G−CSF、フィルグラスチム);内皮成長因子、VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、PGF;上皮成長因子、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)、トランスフォーミング成長因子−α(TGF−α)、アンフィレギュリン(AR)、エピレギュリン(EPR)、エピジェン、ベータセルリン(BTC)、ニューレグリン−1(NRG1)、ニューレグリン−2(NRG2)、ニューレグリン−3(NRG3)、ニューレグリン−4(NRG4);線維芽細胞成長因子:FGF1、FGF2、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF13、FGF14、FGF15、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF20、FGF21、FGF22、FGF23;神経成長因子、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、ニューロトロフィン4/5(NT−4/5);血小板由来成長因子:PDGFA、PDGFB、PDGFC、PDGFD;TGF(トランスフォーミング成長因子):TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、骨形成因子(BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8a、BMP8b、BMP10、BMP15)、増殖分化因子(GDF1、GDF2、GDF3、GDF5、GDF6、GDF7、ミオスタチン/GDF8、GDF9、GDF10、GDF11、GDF15)、EGF、HB−EGF;アディポカイン:ケメリン、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)、プラスミノーゲン活性化阻害因子−1(PAI−1)、レチノール結合タンパク質4(RBP4)、腫瘍壊死因子−α(TNFα)、ビスファチン、レプチン、アディポネクチン、アペリン;Wnt:Wnt1、Wnt2、Wnt2B、Wnt3、Wnt3A、Wnt4、Wnt5A、Wnt5B、Wnt6、Wnt7A、Wnt7B、Wnt8A、Wnt8B、Wnt9A、Wnt9B、Wnt10A、Wnt10B、Wnt11、Wnt16;ヘッジホグタンパク質:DHH、IHH、SHH;ソマトメジン:ソマトメジンA(インスリン様成長因子2)、ソマトメジンB、ソマトメジンC(インスリン様成長因子1);セマフォリン(SEMA3A、SEMA3B、SEMA3C、SEMA3D、SEMA3E、SEMA3F、SEMA3G、SEMA4A、SEMA4B、SEMA4C、SEMA4D、SEMA4F、SEMA4G、SEMA5A、SEMA5B、SEMA6A、SEMA6B、SEMA6C、SEMA6D、SEMA7A);インターフェロン:IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17;エンドセリン(EDN1 EDN2 EDN3);CCN細胞間シグナルタンパク質:CCN1(CYR61)、CCN2(CTGF、結合組織細胞成長因子)、CCN3(NOV、腎芽腫過剰発現タンパク質)、CCN4(WISP1、WNT1誘導性シグナル伝導経路タンパク質−1)、CCN5(WISP2、WNT1誘導性シグナル伝導経路タンパク質−2)、およびCCN6(WISP3、WNT1誘導性シグナル伝導経路タンパク質−3)からなる群から選択される、
ことを特徴とする前記医薬組成物。 - 請求項1に記載の医薬組成物であって、前記癌細胞が癌腫、肉腫、リンパ腫、胚細胞腫瘍または芽腫からなる群から選択される癌に由来することを特徴とする前記医薬組成物。
- 請求項1に記載の医薬組成物であって、前記癌細胞が:副腎皮質癌、エイズ関連癌、エイズ関連リンパ腫、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌、脳幹膠腫、乳癌、気管支腺腫、気管支カルチノイド、バーキットリンパ腫、骨髄癌、原発部位不明癌、カルチノイド腫瘍、原発不明癌腫、原発部位不明癌腫、中枢神経系リンパ腫、小脳星状細胞種、子宮頸癌、結腸癌、線維形成性小円形細胞性腫瘍、体癌、子宮内膜癌、脳室上衣腫、食道癌、ユーイングファミリー腫瘍(肉腫)、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、肝臓外胆管癌、眼癌、胆嚢癌、胃癌、胃カルチノイド、胃腸カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、脳幹膠腫、頭頸部癌、心臓癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、視床下部視覚伝導路膠腫、視床下部膠腫、眼内(癌)メラノーマ、眼内メラノーマ、島細胞癌、島細胞膵臓癌、カポシ肉腫、腎臓癌(腎細胞癌)、喉頭癌、口唇および口腔癌、脂肪肉腫、肝臓癌、リンパ腫、悪性線維性組織球腫、骨悪性線維性組織球腫、悪性神経膠腫、髄芽腫、メラノーマ、メルケル細胞癌腫、メルケル細胞皮膚癌、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮性頸部癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、鼻腔および副鼻腔癌、鼻咽腔癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、卵巣上皮癌(表面上皮間質腫瘍)、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体星細胞腫、松果体胚細胞腫、松果体胚細胞腫テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、下垂体腺腫、形質細胞新生物、形質細胞新生物、肺胸膜芽腫、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌(腎臓癌)、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、原発部位不明肉腫、セザリー症候群、皮膚癌(メラノーマ)、皮膚癌(非メラノーマ)、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、原発不明扁平上皮性頸部癌、胃癌、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、T細胞リンパ腫、皮膚、精巣癌、咽頭癌、胸腺腫、甲状腺癌、腎盂尿管移行上皮癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、視覚伝導路および視床下部膠腫、外陰癌、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症およびウィルムス腫瘍(腎臓癌)からなる群から選択される癌に由来することを特徴とする前記医薬組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の医薬組成物であって、前記癌細胞がヒト癌細胞であることを特徴とする前記医薬組成物。
- 請求項1に記載の医薬組成物であって、前記拡散性成長因子または前記拡散性成長因子に対する前記プロモーターをコードする前記遺伝子の前記修飾が前記遺伝子またはプロモーターにおける1つまたはそれ以上のヌクレオチドの挿入、欠失または置換を含むことを特徴とする前記医薬組成物。
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