JP6409409B2 - ガラス物品の製造方法、及び離型粉付着装置 - Google Patents
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Description
この場合には、ガラス板の表面に過剰に堆積した離型粉等が自重によりガラス板の表面から脱落する、又は空気流により吹き払われやすくなる。その結果、更に好適に、離型粉に起因するピット等の発生を抑制することができる。
また、前記吹付部は、前記処理室内の空気を吸引する吸引口を備え、前記吸引口は、前記設置部に設置された前記ガラス板の下端よりも下側の位置に設けられ、前記吹出口からの前記離型粉を含む空気流の吹き付けと、前記吸引口からの前記処理室内の空気の吸引とを同時に行うように構成されていることが好ましい。
まず、本実施形態の離型粉付着装置10について説明する。
本実施形態のガラス物品の製造方法は、ロール成形等の公知の手法により成形されたガラス板の表面に離型粉を付着させる付着工程と、離型粉を付着させた複数のガラス板を重ねる重ね工程と、重ねられたガラス板を焼成する加熱工程とを有している。
付着工程は、続く加熱工程の焼成時におけるガラス板同士の接着を抑制するための離型粉を、ガラス板の表面に付着させる工程である。離型粉としては、へき開性及び裂開性の少なくとも一方の性質を有する粉状の物質が好ましく用いられる。離型粉の具体例としては、タルク、アルミナ等が挙げられる。また、離型粉の粒子径は、1〜50μmの範囲であることが好ましく、5〜15μmの範囲であることがより好ましい。
重ね工程は、付着工程において離型粉が付着された複数のガラス板を重ねる工程である。具体的には、熱処理用セッタの上に、離型粉が付着された面を下側に向けてガラス板を載置し、そのガラス板の上に、同じく離型粉が付着された面を下側に向けてガラス板を順次、積み重ねる。
加熱工程は、重ね工程において重ねられた複数のガラス板を同時に焼成して結晶化させる工程であり、この焼成によりガラス板は耐熱性の結晶化ガラスとなる。ガラス板の焼成は、公知の加熱装置(例えば、ローラーハースキルン)を用いて行われる。焼成により得られた耐熱性の結晶化ガラスは、冷却処理を施された後、一枚ずつに分離されてガラス物品として利用される。なお、耐熱性の結晶化ガラスを分離する際には、重ねられたガラス板間に離型粉が介在されていることによって、ガラス同士を容易に分離することができる。
図1及び図2に示すように、付着工程において、設置台13に設置されたガラス板Gの表面に対して、離型粉を含む空気流を斜め方向から吹き付けることによって、ガラス板Gの表面に離型粉を付着させている。
(1)ガラス物品の製造方法は、ガラス板の表面に離型粉を付着させる付着工程と、離型粉を付着させた複数のガラス板を重ねる重ね工程と、重ねられたガラス板を加熱する加熱工程とを有する。付着工程において、ガラス板の表面に対して、離型粉を含む空気流を斜め方向から吹き付けている。
上記のとおり、本実施形態においては、斜め方向からガラス板Gの表面に衝突した空気流が、ガラス板Gの表面に沿って流れることにより、ガラス板Gの表面から浮いた離型粉等のピット発生の原因となりやすい離型粉がガラス板Gの表面から吹き払われる。ここで、ガラス板を斜めに立てた状態とすることにより、ガラス板Gの表面から浮いた離型粉等が自重によりガラス板Gの表面から脱落する、又は空気流により吹き払われやすくなる。その結果、更に好適に、離型粉に起因するピット等の発生を抑制することができる。
(5)吹付部は、離型粉を含む空気流を吹き出す吹出口14を備え、吹出口14は、設置台13に設置されたガラス板Gの上端よりも上側の位置であって、設置台13に設置されたガラス板Gの直上の領域の外側の位置に設けられている。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
(イ)前記付着工程において、前記離型粉を含む空気流は、吹き付け方向の異なる第1空気流及び第2空気流を含み、前記第1空気流の吹き付け方向と前記第2空気流の吹き付け方向とは、互いに交差する方向、且つ交差する位置よりも手前でガラス板の表面に衝突する方向である前記ガラス物品の製造方法。
Claims (5)
- ガラス板の表面に離型粉を付着させる付着工程と、前記離型粉を付着させた複数の前記ガラス板を重ねる重ね工程と、重ねられた前記ガラス板を加熱する加熱工程とを有するガラス物品の製造方法であって、
前記付着工程において、
前記ガラス板の表面に対して、前記離型粉を含む空気流を斜め方向から吹き付けることを特徴とするガラス物品の製造方法。 - 前記付着工程において、
前記ガラス板を垂直又は斜めに立てた状態として、前記ガラス板の上方から前記離型粉を含む空気流を吹き付けることを特徴とする請求項1に記載のガラス物品の製造方法。 - ガラス板の表面に離型粉を付着させるための離型粉付着装置であって、
内部に密閉空間を形成する処理室と、
前記処理室に設けられ、前記ガラス板が設置される設置部と、
前記設置部に設置された前記ガラス板の表面に対して、前記離型粉を含む空気流を斜め方向から吹き付ける吹付部とを備えることを特徴とする離型粉付着装置。 - 前記吹付部は、前記離型粉を含む空気流を吹き出す吹出口を備え、
前記吹出口は、前記設置部に設置された前記ガラス板の上端よりも上側の位置であって、前記設置部に設置された前記ガラス板の直上の領域の外側の位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の離型粉付着装置。 - 前記吹付部は、前記処理室内の空気を吸引する吸引口を備え、
前記吸引口は、前記設置部に設置された前記ガラス板の下端よりも下側の位置に設けられ、
前記吹出口からの前記離型粉を含む空気流の吹き付けと、前記吸引口からの前記処理室内の空気の吸引とを同時に行うように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の離型粉付着装置。
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