JP6408587B2 - ガスシリンダーの利用可能供給量をモニタリングするための方法及び装置 - Google Patents

ガスシリンダーの利用可能供給量をモニタリングするための方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガスシリンダー及びバルブ組立体からのガスの予測残り使用時間を決定する方法に関する。より詳細には、本発明は、ガスシリンダー内のガスに浸漬させる圧電振動子を用いる、ガスシリンダーからのガスの予測残り使用時間を決定する方法に関する。
圧縮ガスシリンダーは、高圧、すなわち、大気圧よりも著しく高い圧力のガスを収容するように設計された圧力容器である。圧縮ガスシリンダーは、低コストの一般的な工業市場から、医療市場、そして高純度の腐食性、毒性、又は発火性特殊ガスを用いるエレクトロニクス製造などのより高コストの用途まで、広範囲に及ぶ市場で用いられている。一般的に、高圧ガス容器は、スチール、アルミニウム、又はコンポジットを含み、圧縮、液化、又は溶解ガスを、ほとんどのガスに対して最大充填圧力450bargまで(ここで、bargは、大気圧を超える圧力(バール単位)の尺度である)、水素及びヘリウムなどのガスに対しては900bargまで保存することができる。
本発明は、特に、永久ガスに適用可能である。永久ガスとは、圧力単独によっては液化することのできないガスであり、例えば、450bargまでの圧力でシリンダーとして供給され得る。例としては、アルゴン及び窒素である。しかし、これは、限定的に解釈されるべきではなく、ガスの用語は、永久ガス及び液化ガスの蒸気の両方を例とするより広範囲のガスを包含すると見なされてよい。液化ガスの蒸気は、圧縮ガスシリンダー中の液体上に存在する。シリンダー中に充填するために圧縮されるに際に圧力下で液化するガスは、永久ガスではなく、圧力下での液化ガス又は液化ガスの蒸気としての記述がより正確である。例として、亜酸化窒素は、液体の形態でシリンダーとして供給され、平衡蒸気圧は15℃で44bargである。そのような蒸気は、それらが周囲条件付近の圧力又は温度によって液化可能であることから、永久ガス又は真のガス(true gases)ではない。
多くの場合、残されたガスの量を決定するために、任意のシリンダー又は圧力容器の内容量をモニタリングすることが必要である。これは、特に、医療用途などの状況で不可欠である。
シリンダー内のガス圧力の知見から、シリンダーの内容量の変動が、気体の法則に従って算出されることは知られている。圧力測定は、公知の技術であり、圧力を測定するように機能する様々なデバイスが存在する。最も従来からあるタイプは、歪ゲージ素子を備えた弾性ダイアフラムを用いている。しかし、現時点で作られている最も低コストの圧力センサーの1つではあるが、このようなセンサーは、比較的サイズが大きい傾向にあり、その機械的構造は、フォトリソグラフィ法による大量生産によって生産可能ではあるが、依然として作製が比較的複雑であり、高コストである。これらはまた、ある程度の脆弱性も有しており、使用可能となる前に、較正及び温度補償が必要である。
欧州特許出願公開第2458344号明細書に公知の装置が示されており、それは、ガスシリンダーの質量内容量を測定するように構成された圧電水晶振動子を用いてガスシリンダーの真の内容量を測定することに関する。一般的に、質量内容量の経時での変化の単純な測定を用いて、ガスシリンダーが特定の流速を提供し続けることのできる時間を示すことができる。
しかし、一般的に、そのような近似は、ほとんどの用途において精度が充分ではない。例として、MIG/MAG及びTIG溶接用途のためのシールドガス流について考察されたい。同様の状況は、食品MAP、飲料ディスペンサーシステム、及び医療用途などの高圧ガスシリンダーによって供給されるその他のガス用途にも等しく充分に当てはまり得る。
非常に高い圧力で保存されるガスは、理想ガスの法則に従わず、実際には、内容量を決定するためには、ガスの圧縮率及び周囲温度の影響が考慮される必要がある。従って、圧力及び流速からの使用時間の基本的な計算は、ユーザーに正確で信頼性のある答えを与えるものではない。
さらに、ガスが混合された場合、成分が添加、混合される間に、その混合物の分子量が変わるため、その圧縮率及び温度変動に対する応答が変化する。
加えて、高圧ガスシリンダーの使用には、用途での使用圧力に近い圧力まで、例えば溶接の場合は大気圧よりも少し高い圧力まで、圧力を低下させるために、レギュレーターが必要である。レギュレーターを使用する場合、シリンダーを用いる度にユーザーがガスのサージに遭遇することが確定してしまう。
図1は、MIG/MAG溶接のための従来の装置を示す。ガスシリンダー組立体10は、200から300バールを例とする高圧のガスを保存するように構成されている。ガスシリンダー組立体10は、ガスシリンダー12が平面上で支持なしに自立可能であるように構成された平面基部を有する略円筒形状容器を含むガスシリンダー12を有する。
ガスシリンダー12は、スチール、アルミニウム、及び/又はコンポジット材料から形成され、高圧ガスの保存に起因する著しい内圧に耐えるように適合され、構成される。
一次レギュレーター14は、ガスシリンダー12の下流側に位置し、一次レギュレーター14は、一次レギュレーター14の下流側地点において一定圧力が維持されるように、フィードバック機構を用いたコントロールバルブを含む。安全リリーフバルブ16が、圧力レギュレーター14の下流側に配置される。レギュレーター14は、それと接続されたMIG/MAG溶接設備18に、一定圧力でガスを供給する。
流速は、一般的に、ガス流を制限することにより、典型的にはバルブ又はオリフィスを通して制御される。ガス流は、固定されたオリフィスサイズの前後で上流側圧力を制御することによって精密に計量することができ、ここで下流側圧力は、上流側圧力よりも著しく低い。
例えば、図1に示されるものなどの溶接用途の設備について考察されたい。そのような装置の場合、溶接トーチに繋がっている溶接機のホース及び配管全体の圧力は、シリンダー中の上流側圧力よりも著しく低い。従って、そのような場合、圧力源の近くに位置するオリフィスは、原理的狭窄部(principle restriction)として機能することができ、流速は、オリフィスのすぐ上流側の圧力によって決定される。
しかし、例えば溶接アーク制御に関連するソレノイドオン/オフバルブによって、ガス流がホース及び配管の端部で停止される場合、オリフィス下流側のシステムの圧力は、上流側圧力と等しくなるまで上昇することになる。流動(動的)状態と静止状態との間のこのシステム圧力の上昇は、望ましくない影響を引き起こす可能性がある。
上記の問題が使用時に組み合わさると、「サージ」挙動が誘発される。サージは、最終クロージャーバルブが開かれた場合を例とする、ガスが静止状態から流動状態へと変化する際に発生する現象である。
バルブを開いた後、最初のガス流の開始と定常状態達成との間に移行時間が存在する。この時間の間、使用設備の圧力は、保存中の静圧(上流側圧力に等しい)から、大気圧に近い非常に低いレベルまで低下する。この圧力勾配に起因して、流速がより高くなり、このことは、短いが有意な長さの時間にわたって、必要であり得るよりも多いガスの使用に繋がる。
さらに、作業運転サイクル(operational duty cycle)(すなわち、ガス供給が閉じられている時間に対するガスが流れている時間)も、サージ体積に影響を与え得る。例えばタック溶接用途で必要とされるような急速なオン/オフサイクルは、オフ時間の割合が「オン」時間の割合に類似していることが必要とされ得るものであり、このことは、著しいサージの問題に繋がる。
図2は、この現象を示すグラフである。この図から、流速は、運転サイクル中にガス流が停止されるまで、定常な一定流状態に留まることがないことが分かる(バルブが常に開である場合など)。図から分かるように、サージは、短い間の必要量よりも多い体積のガスの放出を引き起こし得る。サージ現象は、それが内容量とガス流との単純な計算には考慮に入れられていないことから、単純な外挿による残り使用時間メーター(simple extrapolation time to run meter)を、非常に過剰な読み取り値としてしまう可能性がある。
サージは、簡単な残り使用時間の計算を非常に不正確とし得る非線形ガス流挙動の単なる1つの例である。しかし、数多くのその他の課題が、ガス流を使い切るまでの時間の不正確な測定を引き起こし得る。医療分野での使用などの多くの用途において、そのような誤差は、まったく許容されず、潜在的に有害であり得る。
まとめると、シリンダーの使用に残された時間を予測する単純な計算は、重大な用途には用いることができない。また、シリンダーが用いられてきた時間から、品質検査のための使用率(流速)を確認することもできない。
従って、公知の測定装置は、ガスシリンダーの内容量が使われるまでの、又は限界的な低レベルに到達するまでの残された時間を正確に測定することができないという技術的問題を抱えている。
本発明の実施形態によると、ガスセンサーを含むセンサー組立体を使用してガスシリンダー及びバルブ組立体からのガスの予測残り使用時間を決定する方法が提供され、その方法は、a)ガスセンサーを使用して時間tにおけるガスシリンダー中のガスの質量を決定すること、b)時間tにおけるガスシリンダーからのガスの平均流速を決定すること、及びc)時間tにおけるガスシリンダー中のガスの量が所定のレベルに到達するまでに残された時間を決定することを含み、この残された時間は、時間tにおけるガスシリンダー中のガスの質量、時間tにおけるガスシリンダーからのガスの平均流速、及び時間tにおいてガスシリンダー中に残されているガスの割合に応じて選択される所定の倍率から決定される。
本発明の第一の態様によると、ガスシリンダー並びにバルブ及びレギュレーター組立体を含むガスシリンダー組立体からのガスの予測残り使用時間を決定する方法が提供され、その方法は、ガスセンサーを含むセンサー組立体を使用し、a)ガスセンサーを使用して時間tにおけるガスシリンダー中のガスの質量を決定する工程、b)時間tにおけるガスシリンダーからのガスの平均測定流速を決定する工程、及びc)時間tにおけるガスシリンダー中のガスの量が所定のレベルに到達するまでに残された時間を決定する工程を含み、この残された時間は、時間tにおけるガスシリンダー中のガスの質量、時間tにおいて決定されたガスシリンダーからのガスの平均測定流速、及び時間tにおいてガスシリンダー中に残されているガスの割合に応じて選択される所定の倍率から決定される。
そのような方法を提供することにより、平均流速が、先の測定値に基づいて決定され、これが、ガスシリンダー中に残されたガスの量に応じた倍率と組み合わされる。本発明の発明者らは、ガスシリンダーからのガス流放出の挙動が、ガスシリンダー中に残されたガスの割合、すなわち、ガスシリンダーの充填レベルに依存することを見出した。従って、残されたガスの割合(最大充填レベルのパーセントとして表され得る)は、ガスシリンダーの残り使用時間を計算する際の因子として用いられる。そのような方法により、ガスシリンダー中のガスの量が所定のレベル(例:空、10%、又はその他のいずれかの適切な値)に到達するまでの使用可能な時間をより正確に決定することができる。
実施形態では、ガスセンサーは、ガスシリンダー内のガス中に浸漬される圧電振動子を含み、センサー組立体は、圧電振動子を駆動するための駆動回路を含み、工程a)は、d)駆動回路によって、圧電振動子がある共振周波数で共振するように圧電振動子を駆動すること、及びe)時間tにおける圧電振動子の共振周波数を測定すること、及びf)共振周波数から時間tにおけるガスシリンダー内のガスの質量を決定することを含む。
実施形態では、工程b)は、g)n>1である場合は、ガス流速のn個の先の測定値から、又はh)ガス流速の先の測定値がn個よりも少ない場合は、所定の開始流速からガスの平均流速を決定することを含む。
実施形態では、ガス流速の先の測定値の各々は、第一の時間における圧電振動子の共振周波数と、それよりも早い第二の時間における圧電振動子の共振周波数との間の差から算出される。
実施形態では、この方法は、工程a)の前に、i)ガスシリンダーが満タンである場合のガスシリンダー中のガスの質量を決定することをさらに含み、工程c)は、j)満タンの場合のガスシリンダー中のガスの質量と時間tにおけるガスシリンダー中のガスの質量とから、時間tにおけるガスシリンダー中に残されたガスの割合を決定することをさらに含む。
実施形態では、所定の倍率は、ルックアップテーブルから選択される。
実施形態では、ガスシリンダー中に所定量のガスが残されるまでに残された時間は、一定ベース流速(constant base flow rate)に依存する第一の関数と、平均ガス流速に基づく第二の関数に基づいて算出される。
実施形態では、一定ベース流速は、所定の固定値を含む。実施形態では、一定ベース流速は、ルックアップテーブルに保存された複数の一定ベース流速から選択される。実施形態では、一定ベース流速は、ユーザーによって選択される。実施形態では、ガスシリンダー中に所定量のガスが残されるまでに残された時間は、一定ベース流速及び平均測定ガス流速を含む関数に基づいて算出される。
実施形態では、この計算における一定ベース流速成分の平均測定ガス流速成分に対する相対的重みづけは、所定の倍率に依存する。
実施形態では、この方法は、k)実際の流速の測定値に基づいて一定ベース流速を更新する工程をさらに含む。
実施形態では、工程k)での更新は、流速の回の測定毎に行われる。実施形態では、lは、5から15の範囲内である。
実施形態では、計算における第一の関数及び第二の関数の相対的比率は、所定の倍率に依存する。
実施形態では、ガスシリンダー中のガスの量の所定のレベルは、実質的にゼロである。実施形態では、ガスシリンダー中のガスの量の所定のレベルは、ガスシリンダーが満タン状態である場合のガスシリンダー中のガスの量のおよそ10パーセントである。
本発明の態様によると、プロセッサー、及び使用時にガスシリンダーからのガスと接触するように配置されたガスセンサーを含むセンサー組立体が提供され、センサー組立体は、ガスセンサーを用いて、時間tにおけるガスシリンダー中のガスの質量を決定し、時間tにおけるガスシリンダーからのガスの平均流速を決定し、及び時間tにおけるガスシリンダー中のガスの量が所定のレベルに到達するまでに残された時間を決定するように構成され、プロセッサーは、時間tにおけるガスシリンダー中のガスの質量、時間tにおけるガスシリンダーからのガスの平均流速、及び時間tにおけるガスシリンダー中に残されたガスの割合に応じて選択される所定の倍率から残された時間を決定するように動作可能である。
1つの実施形態では、ガスセンサーは、圧電振動子を含み、センサー組立体は、圧電振動子を共振周波数で駆動するための駆動回路を含む。
本発明の第二の態様によると、プロセッサー及びガスセンサーを含むセンサー組立体が提供され、センサー組立体は、第一の態様の工程を実施するように構成される。
1つの実施形態では、ガスセンサーは、ガスシリンダー内のガス中に浸漬される圧電振動子を含み、及びセンサー組立体はさらに、圧電振動子を共振周波数で駆動するための駆動回路を含む。
本発明の第二の態様によると、プロセッサー、ガスシリンダー内のガス中に浸漬される圧電振動子、及び圧電振動子を共振周波数で駆動するための駆動回路を含むセンサー組立体が提供され、プロセッサーは、第一の態様の工程を実施するように構成される。
実施形態では、センサー組立体はさらに、ガスシリンダー及びバルブ組立体上に位置するように配置されるディスプレイを含む。
実施形態では、センサー組立体はさらに、外部電子デバイスと通信するための無線通信手段を含む。
本発明の態様によると、第二の態様のセンサー組立体を含むガスシリンダー及びバルブ装置が提供される。
本発明の第三の態様によると、バルブ及びレギュレーター装置組立体を含み、第二の態様のセンサー組立体を含むガスシリンダー組立体が提供される。
本発明の第四の態様によると、プログラム可能な処理装置によって実行可能であり、第一の態様の工程を行うための1つ以上のソフトウェア部分を含むコンピュータープログラム製品が提供される。
本発明の第五の態様によると、第四の態様に従うコンピュータープログラム製品が保存されているコンピューター使用可能記憶媒体が提供される。
本発明の実施形態について、ここで、添付の図面を参照して詳細に記載する。
MIG/MAG溶接システムに取り付けられたガスシリンダー組立体の概略図である。 図1に類似のシステムにおけるサージの問題を示すグラフである。 本発明の実施形態に従うガスシリンダー組立体の上側部分、及びセンサー組立体、及びデータモジュールを示す概略図である。 図3のデータモジュールの概略図である。 図3のセンサー組立体と共に用いられる駆動回路の概略図である。 いくつかの異なるガスに対する、密度(kg/m3)の関数としての石英水晶周波数(kHz)をY軸とするグラフを示す。 アルゴン、酸素、及びアルゴン:二酸化炭素混合物に対する、X軸の圧力(barg)の関数としてのガス質量(kg)をY軸とするグラフを示す。 図6で示されるものと同じ3種類のガス(アルゴン、酸素、及びアルゴン:二酸化炭素混合物)に対する、X軸の密度(kg/m3)の関数としてのガス質量(kg)をY軸とするグラフを示す。 100bargの圧力での50リットルガスシリンダーからの12L/分の流速に対する、X軸の時間(分)の関数としての周波数(kHz)をY軸とするグラフを示す。 100bargの圧力での50リットルシリンダーに対する、X軸の時間(分)の関数としての算出流速(1分間あたりのリットル)をY軸とするグラフを示す。 典型的なガスシリンダーに対する、X軸のガスシリンダー質量(kg)の関数としての周波数(kHz)をY軸とするグラフを示す。 図11aは、15リットル/分の初期流速を用いた場合の単位を分とする時間の関数としての1分間あたりのリットルでの流速を示すデータ例のグラフを示す。図11bは、図11aに示す流速例に基づく単位を分とする時間の関数としてのシリンダー内容量のグラフを示し、直線予測、実際の測定値、及び本発明に従う方法を用いた予測測定値である。図11cは、図11aに示す流速例に基づく単位を分とする時間の関数としてのガスシリンダーからの予測使用残り時間(分)のグラフを示し、直線予測、瞬時流速測定値(instantaneous flow rate measurement)、及び本発明に従う方法を用いた予測測定値である。 図12aは、18リットル/分の初期流速を用いた場合の単位を分とする時間の関数としての1分間あたりのリットルでの流速を示すデータ例のグラフを示す。図12bは、図12aに示す流速例に基づく単位を分とする時間の関数としてのシリンダー内容量のグラフを示し、直線予測、実際の測定値、及び本発明に従う方法を用いた予測測定値である。図12cは、図12aに示す流速例に基づく単位を分とする時間の関数としてのガスシリンダーからの予測使用残り時間(分)のグラフを示し、直線予測、瞬時流速測定値、及び本発明に従う方法を用いた予測測定値である。 記載の実施形態に従う方法を示すフローチャートである。
本発明は、ガスシリンダーからの使用残り時間を予測する方法、及びそのためのセンサー装置を提供する。本発明での使用に適するガスシリンダー装置についてここで記載する。
ガスシリンダー組立体10は、図1の例に関連して述べるように、ガスシリンダー12を含む。ガスシリンダー12は、スチール、アルミニウム、及び/又はコンポジット材料から形成された本体102を有し、およそ900bargまでの内圧に耐えるように適合され、構成される。開口部104は、底部とは反対側のガスシリンダー本体102の近位側の端部に位置し、バルブ及びレギュレーター組立体14を受けるように適合されたねじ山(図示せず)を含む。
ガスシリンダー本体102並びにバルブ及びレギュレーター組立体14は、内部体積Vを有する圧力容器(本実施形態では、ガスシリンダー12の形態)を定める。内部体積Vは固定である。これは、その内部体積V(同時に、その中に収容されているガスの体積)が、使用時に、保存時に、又は温度、圧力、若しくは湿度などの環境条件に依存して大きい度合いで変動することがないと想定することができるようなガスシリンダー12の構造であることを意味する。ガスシリンダー12の内部体積Vは、ガスシリンダー本体102並びにバルブ及びレギュレーター組立体14内の全体積を含むことを意図している。言い換えると、内部体積Vは、ガスが圧力下で保持されているガスシリンダー組立体10内の全内部体積である。
ガスシリンダー組立体10内には、適切ないかなる流体が収容されてもよい。しかし、本実施形態は、これらに限定はされないが、ダスト及び/又は水分などの不純物を含まない精製永久ガスに関する。そのようなガスの網羅的ではない例としては、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、メタン、三フッ化窒素、一酸化炭素、クリプトン、又はネオンであってよい。
バルブ及びレギュレーター組立体14は、一体化圧力レギュレーター(integrated pressure regulator)及びガスシリンダーの充填を可能とする充填ポートを含む筐体106を含む。適切なレギュレーターの網羅的ではない例としては、シングル又はダブルダイアフラムレギュレーターであってよい。しかし、当業者であれば、本発明で用いることが可能である異なる種類を容易に認識するであろう。
バルブ及びレギュレーター組立体14は、ガスシリンダー12の内部からシリンダーのフル圧力(例:100バール)のガスを受けるが、実質的に一定の固定された低圧力(例:5バール)のガスを出口部へ供給するように動作可能である。これは、バルブシートに向かって及びそれから遠ざかって移動するように動作可能であるポペットバルブがダイアフラムに接続されているフィードバック機構によって達成される。バルブの下流側のガス圧力は、スプリングの偏らせる力(biasing force)に対抗してダイアフラムに作用するように動作可能である。
スプリングの偏らせる力をユーザーが調節可能であるように、握ることのできるハンドル108が提供され、それによって、ダイアフラムの位置を移動させ、その結果として、ポペットバルブとバルブシートとの間の平衡間隔を調節する。このことにより、出口部からの高圧ガス流が通過することのできる開口部の寸法の調節が可能となり、従って、放出圧力を設定することができる。
筐体108に貫通孔部110が形成される。この貫通孔部110は、コンポーネント(ワイヤなど)をガスシリンダー12の外部からガスシリンダー12の内部へ送り込むことを可能とするフィードスルー112によって閉じられている。フィードスルー112は、ガスシリンダー12の完全性を維持する高圧シールとして機能する。
ガード体114が備えられる。ガード体114は、バルブ及びレギュレーター組立体14に接続されたクラムシェル構造を含む。ガード体114は、使用時にバルブ及びレギュレーター組立体14を囲むように配置される。ガード体114は、実質的に楕円形状であり、円形状の断面を有する。ガード体114の構造中に、1つ以上のアクセスポートが備えられてよい。これらのアクセスポートは、ディスプレイ(後述)などの物品を含んでよく、又は出口部、充填ポート、若しくは握ることのできるハンドル106へのアクセスを提供して、ガスの分配モード若しくは圧力の操作及び選択が可能とされてもよい。
ガード体114は、バルブ及びレギュレーター組立体14を囲むように配置され、バルブ及びレギュレーター組立体14並びに関連するコンポーネントの構造上及び環境上の両方の保護を提供する。言い換えると、ガード体114は、バルブ及びレギュレーター組立体14のための筐体又はカバーを形成する。従って、ガード体114は、バルブ及びレギュレーター組立体14のための格納容器(enclosure)及び囲い(surround)を一緒に形成する。
さらに、ガード体114は、シリンダー組立体10の美的外観を向上させ、後述されるようにガスシリンダー組立体の操作に必要とされる電子ディスプレイ、又は追加の電子機器若しくはコンポーネントを例とするさらなる物品のその中への収容を可能とする。
ガード体114は、適切ないかなる材料から作られてもよい。しかしながら、製造の容易さ及び設計自由度の範囲のために、射出成型されたプラスチック材料が、好ましい材料の選択である。限定されない網羅的ではない例のABS又はポリカーカーボネートなどのプラスチック材料が用いられてよい。
ガスシリンダー組立体10は、センサー組立体200を備えている。センサー組立体200は、ガスシリンダー12の内部体積V内のガスの密度を測定するように構成される。センサー組立体200は、図3及び4により詳細に示されており、一部分は、駆動回路204及び電池206と接続された石英水晶振動子202の形態のガスセンサーを含む。
センサー組立体200は、図3に示されるように、バルブ及びレギュレーター組立体14に取り付けられた供給管116の遠位端部に位置する。供給管116は、バルブ及びレギュレーター組立体14を介してガスシリンダー12の内部へ/内部からガスを供給するように構成され、バルブ及びレギュレーター組立体14からガスシリンダー本体102の内部へ伸びている。
従って、センサー組立体200は、設置の利便性のためにバルブ及びレギュレーター組立体14に物理的に接続されていてよいが、使用時は、ガスセンサー素子は、ガスシリンダー本体102の内部に位置している。このことにより、最適な測定条件が得られ、センサー組立体200によって取得される測定値に対する対流及び/又は熱による干渉の影響が低減される。
この装置では、石英水晶振動子202が、ガスシリンダー12の内部体積V内の等方圧(isostatic pressure)下に常にあり、従って、圧力勾配を受けない。言い換えると、ガスシリンダー12の内部体積Vと外部環境との間の圧力差に由来するいかなる機械的ストレスも、フィードスルー112を通して排出される(expressed)。
さらに、センサー組立体200のパーツ全体が、ガスシリンダー本体102内に位置することにより、ガスシリンダー12を構成する際のさらなる柔軟性が得られる。特に、比較的脆弱な電子コンポーネント全体が、ガスシリンダー12の強固な金属又はコンポジット壁内に位置することにより、環境又は事故による損傷からの多大な保護が得られる。このことは、ガスシリンダー12が、例えば他のガスシリンダー12、重機械、又は粗い表面に隣接して配置される保管領域又は倉庫において特に重要である。
さらに、センサー組立体200の電子コンポーネントが、ガスシリンダー12の内部体積V内に位置することにより、そうでなければシリンダー12の外部面での使用に適さない可能性のあるより大きいコンポーネントを備えることが可能となる。例えば、センサー組立体200の動作寿命を延ばす目的で、より大きい電池を備えることができる。
加えて、センサー組立体200が内部に位置することにより、塩分、水分、及びその他の汚染物などの環境条件からこれらの電子コンポーネントが保護される。このことにより、例えば、塩分及び水分による損傷を非常に受けやすい高インピーダンス回路を、センサー組立体200の一部として用いることが可能となる。
しかし、上記実施形態の変化形において、センサー組立体の一部が、ガスシリンダー12の内部体積V内に位置してよく、一部が、その外部に位置していてよい。例えば、駆動回路204が、ガスシリンダー12内に位置してよく、一方電池206が、ガスシリンダー12の外側に位置してよい。この配置によって、センサー組立体のより脆弱なコンポーネントを、損傷及び汚染から保護することが可能となり、一方電池206には、メンテナンス及び交換のために容易にアクセス可能である。
センサー組立体200はさらに、データモジュール250を含み、これと接続されている。データモジュール250は、図3、及び概略的に図4aに示される。データモジュール250は、ガード体114の内部に位置する。データモジュール250は、フィードスルー112を通って延びるように配置された電気接続252によってセンサー組立体200と接続されている。しかし、その他の接続が用いられてもよく、例えば、NFC(近距離無線通信)を介する無線通信、ブルートゥースなどのプロトコル、又はその他の無線による方法である。
データモジュール250は、ディスプレイスクリーン254を含み、本実施形態では、ガード体114に一体化されている。ディスプレイ254は、例えば、電力消費を最小限に抑え、ディスプレイの視認性を最大化するために、E‐インクディスプレイを含んでよい。別の選択肢として、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイが用いられてもよい。
プロセッサー258(図4aに示す)、メモリ260、及びその他の電子コンポーネントを含むデータモジュールの電子コンポーネントを収容するように使用可能である筐体256も備えられる。プロセッサー258は、石英水晶振動子202及び駆動回路204からの入力を受けてよい。プロセッサー258は、特定用途向け回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの適切な装置を含んでよい。プロセッサー258は、記載されるように、シリンダー12のユーザーにとって有用であるパラメーターの計算、表示、及び通信を行うようにプログラムされる。図4aに示されるように、プロセッサー258は、圧電振動子202から、データ入力(例:スイッチ又はキーを介してユーザーから)から、及び永久(例:フラッシュメモリ)若しくは一次(例:RAM)メモリ記憶装置にルックアップテーブル又はその他のデータを保存していてよいメモリ260からの入力を受けるように動作可能である。
データモジュール250は、記載されるように、センサー組立体200の圧電振動子202によって測定される種々のパラメーターをログ記録してよい。データモジュール250はまた、後述されるように、データモジュール250へ/から追加のデバイスへのデータの遠隔伝送を可能とするために、無線送信機及び受信機(図示せず)を含んでもよい。
センサー組立体200の圧電振動子202及び駆動回路204について、ここで、図4bを参照してより詳細に記載する。石英水晶振動子202は、石英カット品の小さく薄いセクションを含む。石英は、圧電挙動を示し、すなわち、水晶全体にわたって電圧を印加することで、水晶に形状の変化が引き起こされ、機械的な力が発生する。逆に、水晶に機械的な力が加えられると、電荷が発生する。
石英水晶振動子202の2つの平行な面は、水晶の塊全体にわたって電気接続を与える目的で、金属化される。その金属接点によって電圧が水晶全体に印加されると、水晶は形状を変化させる。交流電圧を水晶に印加することにより、水晶に振動を引き起こすことができる。
石英水晶の物理的サイズ及び厚さが、石英水晶の特性、又は共振周波数を決定する。実際、水晶202の特性、又は共振周波数は、2つの金属化面間の物理的厚さに逆比例する。石英水晶振動子は、本技術分野にて公知であり、従って、石英水晶振動子202の構造については、ここでさらに記載しない。
石英水晶の共振振動周波数は、水晶が配置される環境に依存して変動する。真空下では、水晶は、特定の周波数を有する。しかし、この周波数は、異なる環境中では変化する。例えば、流体中では、水晶の振動は、周囲にある流体の分子によって減衰されることになり、このことが、共振周波数、及び任意の振幅での水晶の振動に必要とされるエネルギーに影響を与える。
本実施形態の石英水晶振動子202は、音叉の形状をしており、32.768kHzの共振周波数で振動するように構成された長さがおよそ5mmである1対のタイン部(tines)202aを含む。音叉形状のタイン部202aは、通常、その基本モードで振動し、その場合、それらは、共振周波数で同期して、互いに向かう方向に、及び互いから離れる方向に動く。
そのような水晶は、一般的に、比較的低コストで入手可能である。真空下で用いられる大部分の石英水晶振動子とは対照的に、本実施形態では、石英水晶振動子202は、ガスシリンダー12の内部体積V中にて、圧力下のガスに暴露される。
石英水晶振動子202を駆動するための駆動回路204の例を、図4bに示す。駆動回路204は、いくつかの特定の基準を満たす必要がある。第一に、本発明の石英水晶振動子202は、様々なガス圧に暴露される可能性があり、可能性として、その圧力は、大気圧(ガスシリンダー12が空である場合)から、ガスシリンダーが水素などの加圧ガスを収容する場合の約900bargまで変動し得る。従って、水晶振動子202は、広範囲に及ぶ圧力下で作動(及びある非使用期間後に再作動)することが要求される。
ガスシリンダー12中の圧力が上昇するに従って、石英水晶振動子202の振動は、次第に減衰され、駆動回路204の増幅器によってより高いゲインが提供されることが必要となる。しかし、提供される増幅が高過ぎると、駆動回路204、石英水晶振動子202からの応答を区別することが難しくなり得る。この場合、駆動回路204は、単に、関連しない周波数にて、又は石英水晶振動子202の非基本モードの周波数にて振動し得る。さらなる制限として、駆動回路204は、光起電力セルなどの補助電力有り又は無しで、長期間にわたって小型低電力電池で運転する目的で、低電力である必要がある。
石英水晶振動子202を駆動するために、駆動回路204は、本質的に、石英水晶振動子202からの電圧シグナルを取り、それを増幅し、そのシグナルを逆に石英水晶振動子202へ供給する。石英水晶振動子202の基本共振周波数は、本質的に、石英の膨張及び収縮率の関数である。これは、一般的には、水晶のカット及びサイズによって決定される。
しかし、外部因子も共振周波数に影響を及ぼす。発生された出力周波数のエネルギーが、回路のロスと合致する場合、振動を維持することができる。駆動回路204は、この振動周波数を検出し、維持するように構成される。次に、周波数がプロセッサー258によって測定され、これを用いて、ユーザーが求めるガスの適切な特性を算出し、必要である場合は、適切な表示手段へ出力することができる(以降で述べるように)。
石英水晶振動子202と共に用いられる場合、プロセッサー258は、駆動回路204からのシグナルの周波数f又は周期を測定するように構成されてよい。これは、例えば、一定時間にわたって振動をカウントすることによって達成されてよく、アルゴリズム又はルックアップテーブルを用いて、その周波数が密度値に変換されてよい。この値がプロセッサー258に送られ、それは、供給された入力値に基づいて、ガスの質量及びガスシリンダー12中のガスに対する追加のパラメーターを決定するための計算を行うように構成されている。
センサー組立体200の理論及び作動について、ここで、図5から10を参照して記載する。
石英水晶振動子202は、それが配置されている流体の密度に依存する共振周波数を有する。振動する音叉型水晶振動子をガスに暴露することにより、水晶の共振周波数の偏移及び減衰が引き起こされる(真空中の水晶の共振周波数と比較した場合)。これにはいくつかの理由がある。水晶の振動に対するガスの減衰効果が存在する一方で、音叉型水晶振動子202の振動するタイン部にガスが付着して、振動子の質量を増加させる。このことは、片側固定弾性棒(one-sided, fixed elastic beam)の運動に従って、石英水晶振動子の共振周波数の低下を引き起こす:
式中、
は、共振角周波数の相対変化であり、ρは、ガス密度であり、tは、水晶振動子の厚さであり、ρqは、水晶振動子の密度であり、wは、音叉形状の幅である。c1及びc2は、形状に依存する定数(geometrically dependent constants)であり、∂は、ガスの表面層の厚さであり、以下によって定められ、
式中、ηは、温度に依存するガスの粘度である。
式1)の2つの部分は、a)石英水晶振動子202のタイン部上のガスの付加質量及びb)振動中にタイン部の最外表面層上に生ずるせん断力に関する。従って、式は、周波数に関して書き換え、次のように単純化することができる:
式中、
であり、Cは、オフセット定数(offset constant)であり、f0は、真空中における水晶の自然共振周波数である。
本発明者らは、以下の近似:
によって、適切に良好な近似を得ることができることを見出した。
従って、良好な近似として、周波数の変化は、石英水晶振動子が暴露されるガスの密度の変化に比例する。図6は、いくつかの異なるガス/ガス混合物において、石英水晶振動子202の共振周波数が、密度の関数として直線的に変化することを示している。
石英水晶振動子202は、商業的に供給されるガスのための密度センサーとしての使用に特に適している。上述のように、周波数の変化は、密度の変化におよそ等しいが、実際には、より完全に近い関係を提供することは、比較的容易である。従って、物理的測定装置において、以下の式(式3)に基づく)が用いられる:
式5)において、ρtは、密度であり、ftは、振動の周波数であり、いずれも時間tで測定されたものであり、a、b、及びcは、機能的に再プログラム可能な(functionally reprogrammable)定数である。
既に記載したように、ガスシリンダー12内のガスの内部体積Vは、固定である。従って、ガスシリンダー12のガスの内部体積V内のガスの密度ρがセンサー組立体200による測定から得られると、シリンダー中のガスの質量Mは、以下の式から得ることができる。
従って、ガスの密度ρを直接測定することにより、ガスシリンダー12中に残されたガスの質量を算出することができる。実際には、シリンダーの体積が既知である実際のシステムでは、残されたガスの質量は、共振周波数と既知の係数との掛け算から、簡単な方法で算出することができる。
この方法でのガス質量の測定は、公知の装置に対していくつかの利点を有している。例えば、本発明の実施形態に従って測定された質量は、温度に対する補正が元々成されている。
さらに、本発明の実施形態に従って測定されたガスの質量は、圧縮率Zに対する補正も元々成されている。例えば圧力からガスの内容量を得るためにブルドンゲージを用いる従来の装置では、ガスの圧縮率に対する補正が必要である。これは、理想気体で期待されるように圧縮率Zがガス圧力に対して比例しない高圧において特に重要である。
圧縮率に対する自動的な補償を、図6及び7を参照して説明する。図6は、アルゴン、酸素、及びアルゴン:二酸化炭素混合物に対する、圧力(barg)の関数としてのガス質量(kg)をY軸とするグラフを示す。図6に示されるように、種々のガスの質量は、圧力の上昇と共に変化する。さらに、250bargを超える高圧では、質量と圧力との間の関係は、もはや直線ではなくなっている。
図7は、図6で示されるものと同じ3種類のガス(アルゴン、酸素、及びアルゴン:二酸化炭素混合物)に対する、密度(kg/m3)の関数としてのガス質量(kg)をY軸とするグラフを示す。図6とは対照的に、密度の関数としてのガスの質量は、ガス/ガス混合物の各々に対して同一であることが分かる。従って、石英水晶振動子202は、高い分解能及び密度との高い直線性の両方を兼ね備えることができる。
上記で概説したように、本発明の装置により、非常に高い精度まで、ppmの分解能での質量測定が可能となる。高密度及び高圧力での石英密度センサー202の直線応答性と合わせると(図6及び7に示されるように)、この高い精度により、H2及びHeなどの非常に軽いガスの正確な測定が可能となる。
また、ガスシリンダーの残された内容量をパーセントとして知ることも有用である。これは、以下の式に従って行うことができる:
式中、ρは、測定された密度であり、ρfは、シリンダー満タン時の密度である。実際には、ρfは直接測定されてよい。別の選択肢として、ガスが既知であり、条件(例:15℃で300barg)も既知である場合、ρfの値は、一定の値を取ると仮定することができ、これは、例えば、プロセッサー258中のルックアップテーブルに保存されてよい。
ガスシリンダー12内の静圧の測定に加えて、センサー組立体200は、ガスシリンダー12への、又はガスシリンダー12からの質量流速を測定することもできる。
大気圧でのガス密度は、1g/リットルのオーダーでしかなく、通常のガスの使用率は、1分間あたり僅かに数リットルである場合が多い。本発明者らは、石英水晶振動子202が、示される密度の変化によってガスシリンダー12から出るガスの質量流量測定を可能とするのに充分に安定であり、正確であることを見出した。質量流速
は、式8)から算出され、
式中、Vは、体積であり、Δρは、時間間隔Δtの間に示される密度の変化である。この場合、センサー組立体200の作動には、駆動回路204が石英水晶振動子202のいくつかの振動サイクルにわたっての積分を行うことが必要である。
図8及び9は、質量流量検出の実験データを示す。図8は、約100バールの圧力での50リットルシリンダーからの示される毎分12リットルの流速に対する、X軸の時間(分)の関数としての周波数(kHz)をY軸とするグラフを示す。図9は、約100バールの圧力での50リットルシリンダーに対する、X軸の時間(分)の関数としての算出流速(1分間あたりのリットル)をY軸とするグラフを示す。
これらの図は、ガスシリンダー12からのガスの質量流速を、時間に対する密度の変化の測定から決定することができることを示している。従って、質量流速は、石英水晶振動子202及び駆動回路204を用いることで、充分な精度及び時間分解能で算出することができる。
図10は、さらなる実験データを示し、X軸の全シリンダー質量(kg)の関数としての周波数(kHz)をY軸とするグラフを示す。図から分かるように、このグラフは、高い精度で、およそ直線である。従って、図11は、ガスシリンダー12内のガスの質量を、石英水晶振動子202を用いて正確に測定することができることを示している。
重要なことには、センサー組立体200から得られるデータを、使用残り時間、すなわち、シリンダー12中のガスを使い切るまでの時間に関するデータを提示するために用いることができる。これは、病院間の患者移送時に用いられる病院用酸素シリンダーなどの用途において特に重大である。
公知の装置は、使用残り時間を、ある設定された流速に基づいて算出するものである。しかし、そのような使用残り時間は、一般的に、上記で示した理由により不正確である。そのような手法は、流速の変動、ガスサージ、及びその他の現象を考慮に入れることができない。それは、過少に表示する場合も、又は未知の量によって過大に表示する場合もある。
さらに、そのような時間(Trun)の測定を行うための公知の方法では、流速(上記で考察)、シリンダー12の質量内容量、及び現在時間(Tc)の知見から、以下の式を介して計算を行うことができる。
これは、瞬時流速から、すなわち現時点で測定される流速の外挿から算出された使用残り時間として知られる。この手法では、流速の変化に従って調節可能であるより正確な測定が行われる。しかし、そのような手法は、流速の現時点の状況しか考慮に入れることができないため、不正確である可能性が高い。上記で考察したように、式9)の使用は、一般的に、ガスシリンダー中に残されたガスの量を過大に評価してしまい、それは、サージ挙動を含み得る過去の使用パターンを考慮に入れることができないからである。医療用途を例とするいくつかの用途では、この過大な表示は、重大な問題であり得る。
本発明は、ガスシリンダーの使用残り時間を、中でも、実際の消費率から推定することができる方法に関する。さらに、残された時間、使用した時間、平均流速、及び保存された流速を、この方法を確認するための品質チェックとして用いることができる。
本発明の方法は、以下の式10)に基づいている:
式中、Mは、キログラム(kg)で測定されるガスシリンダー12中に残されたガスの質量であり、FAVGは、以下に示されるようにして決定される平均流速(kg/分)である。
平均流速FAVGは、以下の式11)に基づいて決定される:
式中、Dは、ベース流速であり、Eは、可変倍率(以降で述べる)であり、Fiは、流速の測定値であり、ここで、第二の関数は、n個の流速測定値の合計であり、iは、0からnの範囲である。
従って、式11)は、2つの関数を含む。一方は、ベース流速の関数であり、他方は、平均測定流速の関数である。倍率Eは、予め決定されており、Eの変動に従って、式11)を成す第一及び第二の関数の比率も変動する。
本発明者らは、ガスシリンダーからのガス流の挙動が、ガスシリンダーの内容量に依存することを初めて見出した。従って、倍率Eは、ガスシリンダーが満タンか、空か、部分的に満タンかに依存するガスシリンダーの異なるレジーム(regimes)間の移行を可能とするために導入される。パラメーターEは、以下の表1に示すルックアップテーブルから選択される。
従って、表1に示されるように、ガスシリンダーの内容量が減少するに従って、Eの値も同時に低下する。これにより、ガスシリンダー12が空になるに従って、式11)の第一の関数の重みが、第二の関数に対して低下する。
この結果、ガスシリンダーの高い充填レベルでは、流速は、10分の2が平均流速によって修正されたおよそベース流速Dである。これは、所望されるいずれの値に設定されてもよく、例えば15リットル/分である。kg/分では、これは、およそ0.03のD値に相当する。
低いシリンダー充填レベルでは、FAVGは、流速の先のn回の測定値の平均が主体となる。
本発明者らは、この式が、ガスシリンダー挙動の良好なモデルとなることを見出した。その理由は、高いシリンダー充填レベルでは、ベース流速をより容易に達成可能であるからである。低い充填レベルでは、送り出しの誤差が大きくなるため、流速の測定値が主体となる必要がある。言い換えると、シリンダーが満タンの場合、およそ固定された流速を用いることが典型的であるが、シリンダーが空に近付くに従って、流量をより正確に予測することが必要であることを本発明者らは見出した。
多くの用途において、Dは、定数であると仮定されてよい。例えば、バルブ及びレギュレーター組立体14が最終用途に対して固定された流速を送り出すように構成される場合(例えば、15リットル/分)、Dの値は、プロセッサー258のメモリ中に固定されて、定数として用いられてよい。
別の選択肢として、レギュレーター及び/又はユーザーが異なる流速を選択するように作業可能である場合、Dは、開始流速に応じて選択されてよい。流速は、シリンダー12の使用開始時にユーザーによって入力又は選択されてよい。別の選択肢として、Dの値は、ルックアップテーブルに保存された複数のD値から選択されてもよい。
さらなる別の選択肢として、Dの値は、測定された流速を用いてクロスチェックされ、必要に応じて修正されてよい。式11)の第二の関数の一部として算出される平均流速が、各測定値によって常に(又は実質的に常に)更新されるように構成される一方で、Dの値は、開始値と実際値とが相違しているかどうかを判定するために、定期的にチェックされてよい。例えば、流速は、10回の測定毎にチェックされ、保存されたDの値と比較されてよく、Dは、必要に応じて更新される。別の選択肢として、5から15回の測定毎に更新されてもよい。
式11)の第二の関数が、残り使用時間をより正確に予測するために、流速の局所的な変動を考慮に入れるように演算可能であることに留意することは重要である。しかし、Dは、設定された流速に基づいたより包括的なパラメーターであるため、その更新は、必要であるとしても、より低い頻度である。
図11及び12は、この手法による効果の2つの理論的例を示す。図11は、15リットル/分の初期流速の場合の理論データを示す。図11a)は、時間の関数としての流速を示す。流速が定期的な間隔で変動していることに留意されたい。図11b)は、時間の関数としてのガスシリンダーのガス内容量を示す。ライン1は、15リットル/分の初期流速に基づく直線回帰である。ライン2は、式9)に従う瞬時流速測定のプロットである。ライン3は、式10)及び11)に示される本発明に従う方法のプロットである。
図11c)は、図11b)の場合と同じ3つのプロットを示すが、各手法における使用残り時間の予測を示している。示されるように、流量が変動する場合、直線プロットは不正確である。瞬時流速測定値(ライン2)は、高いシリンダー圧力及び低い流速において、非常に過剰な読み取りとなっている。本発明の方法(ライン3)は、より正確である。
図12a)からc)は、類似のデータであるが、初期流速を18リットル/分とした場合のデータを示す。
ここで、本発明の実施形態に従う方法を、図13を参照して記載する。
[工程300:測定開始]
工程300では、ガスシリンダー12における測定プロセスが開始される。時間T0であるこの段階では、ガスシリンダーは満タンであり、すなわち、100%充填状態である。
別の選択肢として、測定は、例えば、ガスシリンダー12の外側にあるボタンをユーザーが押すことによって起動されてよい。さらなる別の選択肢として、測定は、リモート接続によって開始されてもよく、例えば、無線ネットワークを通してシグナルが送信され、データモジュール250によって無線受信される。
さらなる別の選択肢として、又は追加として、データモジュール250及びセンサー組立体200は、リモートで、又はタイマーで開始するように構成されてもよい。方法は、工程302へ進む。
[工程302:石英水晶振動子の駆動]
開始されると、駆動回路204を用いて石英水晶振動子202が駆動される。開始の過程で、駆動回路204は、水晶202全体にランダムノイズAC電圧を印加する。そのランダム電圧の少なくとも一部は、水晶202に振動を引き起こすのに適する周波数である。水晶202は、次に、そのシグナルと同期して振動を開始する。
次に、圧電効果により、石英水晶振動子202の運動が、石英水晶振動子202の共振周波数バンドの電圧を発生させる。次に、駆動回路204は、石英水晶振動子202によって発生されたシグナルを、石英水晶振動子202の周波数バンドで発生されたシグナルが駆動回路204の出力の主体となるように増幅する。石英水晶の狭い共振バンドにより、不要な周波数がすべて選別除去され、次に、駆動回路204は、基本共振周波数fで石英水晶振動子202を駆動する。石英水晶振動子202が特定の共振周波数で安定化すると、方法は、工程304へ進む。
[工程304:石英水晶振動子の共振周波数測定]
共振周波数fは、ガスシリンダーの内部体積V内の条件に依存する。本実施形態では、共振周波数の変化Δfは、ガスシリンダー12内のガスの密度の変化に対してその大きさが比例し、密度の増加と共に減少する。
測定を行うために、石英水晶振動子202の周波数は、およそ1秒間にわたって測定される。これにより、読み取りを安定化させ、正確な測定値を決定するために充分な振動をカウントすることが可能となる。周波数の測定は、プロセッサー258で行われる。プロセッサー258は、測定が開始された時間T0のログ記録も行ってよい。
周波数が測定されると、方法は、工程306へ進む。
[工程306:ガスシリンダー中のガスの質量の決定]
石英水晶振動子202の周波数の満足の行く測定が工程304で行われると、次に、プロセッサー258は、ガスシリンダー12中のガスの質量を算出する。
これは、工程304で決定された密度及びガスシリンダー12の既知の内部体積Vからガスの質量を直接算出可能である場合に行われる。これは、時間T0で測定されたガスシリンダーの100%充填レベルとしてログ記録される。
別の選択肢として、ガスが既知であり、既知条件(例:摂氏15℃で300barg)まで充填される場合、工程302及び304を行う必要はなく、T0での値は、単にルックアップテーブル中に保存されていてよい。
いずれの方法の場合でも、質量は、後で取り出せるように、センサー組立体200のプロセッサー258に付随する内部メモリに単に記録されてよい。なおさらなる別の選択肢として、時間T0でのガスの質量は、前記プロセッサー258のローカルメモリに保存されてよい。方法は続いて、工程308へ進む。
[工程308:振動子の駆動]
5分間を例とするある時間の経過後、工程304に示されるように、再度駆動回路204を用いて石英水晶振動子202が駆動される。上述のように、石英水晶の狭い共振バンドにより、不要な周波数がすべて選別除去され、次に、駆動回路204は、基本共振周波数fで石英水晶振動子202を駆動する。石英水晶振動子202が特定の共振周波数で安定化すると、方法は、工程310へ進む。
[工程310:石英水晶振動子の共振周波数測定]
共振周波数fは、ガスシリンダーの内部体積V内の条件に依存する。本実施形態では、共振周波数の変化Δfは、ガスシリンダー12内のガスの密度の変化に対してその大きさが比例し、密度の増加と共に減少する。
測定を行うために、石英水晶振動子202の周波数は、およそ1秒間にわたって測定される。これにより、読み取りを安定化させ、正確な測定値を決定するために充分な振動をカウントすることが可能となる。周波数の測定は、プロセッサー258で行われる。プロセッサー258は、測定が行われる時間Tm(ここで、m>0)のログ記録も行ってよい。周波数が測定されると、方法は、工程312に進む。
[工程312:ガスシリンダー中のガスの質量の決定]
石英水晶振動子202の周波数の満足の行く測定が工程310で行われると、次に、プロセッサー258は、時間Tmにおけるガスシリンダー12中のガスの質量を算出する。
質量は、後で取り出せるように、センサー組立体200のプロセッサー258に付随する内部メモリに単に記録されてよい。なおさらなる別の選択肢として、時間Tmでのガスの質量は、前記プロセッサー258のローカルメモリに保存されてよい。方法は続いて、工程314へ進む。
[工程314:流速の計算]
工程314において、流速が算出される。これは、時間Tmで測定された共振周波数と時間Tm-1で測定された共振周波数との間の差から行われてよい。この差を、次に、TmからTm-1までの時間で除する。上述のように、時間の関数としての周波数変化は、ガスの質量、すなわち流速の変化に比例する。
[工程316:平均流速の計算]
次に、式11)に基づき、先のn回の流速測定について、工程314で行われた流速測定値を用いて平均流速が算出されてよく、ここで、n>1、好ましくは、n=10である。
m<nの場合、平均流速は、初期ベース流速Dから、又は別の指定された流速から決定されてよい。次に、方法は、工程318へ進む。
[工程318:使用残り時間の計算]
次に、使用残り時間が、工程316で測定された平均流速に基づいて算出され、工程312で測定されたガスの質量も、工程312及び工程306で測定されたガスの質量から決定された倍率Eと共に用いられる。
使用残り時間の値は、ガスシリンダーの特定の充填レベルまでの使用残り時間、すなわち、所定の量のガスが残されるまでの時間として決定されてよい。1つの実施形態では、これは、ガスシリンダー12が完全に空となるまでの時間であってよい。別の選択肢として、使用残り時間は、シリンダーがその全容量の10%に低下するまでの時間を算出してもよい。さらなる別の選択肢として、使用残り時間の終点に、所望されるいかなる所定のレベルが用いられてもよい。
[工程320:結果の通信]
使用残り時間は、いくつかの方法で表示させることができる。例えば、ガスシリンダー12又はバルブ及びレギュレーター組立体14に取り付けられたディスプレイ254に、使用残り時間が表示されてよい。別の選択肢では、使用残り時間は、ベースステーション、スマートフォン、若しくはガスシリンダー及びデータモジュール250の無線通信範囲内に位置するその他のデバイスへ、リモート通信されてもよい。使用残り時間が短い場合、例えば、僅かに数分間しか残されていない場合、又はガスシリンダーの内容量が低い場合、ガスシリンダー12上に警告灯が表示されてよく、例えば、警告灯は、ディスプレイ258の一部を形成するか、又はガード114上に位置する。次に、方法は、工程322へ進む。
[工程322:遅延]
次に、方法は、工程308に戻ってさらなる測定サイクルm+1のさらなる測定のためのシーケンスを繰り返す前に、所定の時間(例:5分間)の待機を行う。
センサー組立体200を常時作動状態に保持しておく必要はない。逆に、非使用時にセンサー組立体200のスイッチを切ることによって電力消費を低減することは有益である。これにより、電池206の寿命が長くなる。
駆動回路204の構成により、ガスシリンダー12中のガス圧力に関係なく、石英水晶振動子202の再作動が可能である。従って、センサー組立体200は、電池の電力を節約するために、必要である限り、シャットダウンされてよい。
別の選択肢として、流速が遅い場合、又は例えば漏出によるガスシリンダー12内のロス分を測定することが所望される場合、TmとTm+1との間の時間間隔は、分、時間、又は日のオーダーを例とする非常に長い間隔であってよい。
経過時間が終了すると、次に、方法は、工程308へ戻る。
上記実施形態の変更は、当業者に明らかである。ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの厳密な構成は異なっていてもよく、それでも、本発明の範囲内に含まれる。当業者であれば、用いられてよい別の選択肢としての構成を、容易に認識するであろう。
例えば、上述の実施形態では、基本周波数32.768kHzを有する石英水晶振動子を用いた。しかし、別の選択肢としての周波数で作動する水晶が用いられてもよい。例えば、60kHz及び100kHzで作動する石英水晶振動子が、上述の実施形態で用いられてよい。
さらに、上記実施形態を、石英水晶振動子の使用に関連して記載したが、当業者であれば、やはり用いることが可能である別の選択肢としての圧電材料を容易に認識するであろう。例えば、非網羅的なリストとしては、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ホウ酸リチウム、ベルリナイト、ガリウムヒ素、四ホウ酸リチウム、リン酸アルミニウム、酸化ビスマスゲルマニウム、多結晶チタン酸ジルコニウムセラミック、高アルミナセラミック、シリコン‐酸化亜鉛コンポジット、又は酒石酸二カリウムを含む水晶振動子が挙げられ得る。
加えて、ガスの質量及び流速を測定するためのその他のセンサー並びに方法が用いられてよく、又は組み合わされてもよい。例えば、従来の流量計が、質量測定のための石英密度センサーと合わせて用いられてよい。
さらなる別の選択肢として、圧電振動子以外のガスセンサーが用いられてもよい。圧力センサー、ソリッドステート、又はブルドンゲージが用いられてよい。別の選択肢として、シリンダー内容量の質量は、秤量によって得られてもよく、これが、従来の流量計と合わせて用いられて、ガスが消費されるに従って、後の段階での質量が決定されてよい。
本発明の実施形態を、例示した例に特に関連して記載した。具体例を図面で示し、本明細書にて詳細に記載したが、図面及び詳細な記載は、開示した特定の形態に本発明を限定することを意図するものではないことは理解されるべきである。本発明の範囲内にて、記載の例に変更及び改変を施してよいことは理解されるであろう。

Claims (20)

  1. ガスシリンダー並びにバルブ及びレギュレーター組立体を含むガスシリンダー組立体からのガスの予測残り使用時間を決定する方法であって、前記方法は、ガスセンサーを含むセンサー組立体を使用し、
    a)前記ガスセンサーを使用して時間tにおける前記ガスシリンダー中のガスの質量を決定する工程、
    b)時間tにおける前記ガスシリンダーからのガスの平均測定流速を決定する工程、及び
    c)時間tにおける前記ガスシリンダー中のガスの量が所定のレベルに到達するまでに残された時間を決定する工程であって、前記残された時間は、時間tにおける前記ガスシリンダー中のガスの質量、時間tにおいて決定された前記ガスシリンダーからのガスの平均測定流速、及び時間tにおいて前記ガスシリンダー中に残されているガスの割合に応じて選択される所定の倍率から決定される工程
    を含む、方法。
  2. 前記ガスセンサーが、前記ガスシリンダー内のガス中に浸漬される圧電振動子を含み、前記センサー組立体が、前記圧電振動子を駆動するための駆動回路を含み、工程a)が、
    d)前記駆動回路によって、前記圧電振動子がある共振周波数で共振するように前記圧電振動子を駆動すること、
    e)時間tにおける前記圧電振動子の前記共振周波数を測定すること、及び
    f)前記共振周波数から時間tにおける前記ガスシリンダー内のガスの質量を決定すること
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程b)が、
    g)n>1である場合は、ガスの流速のn個の先の測定値から、又は
    h)ガスの流速の先の測定値がn個よりも少ない場合は、所定の開始流速から
    ガスの前記平均測定流速を決定することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. ガスの測定流速の前記先の測定値の各々が、第一の時間における前記圧電振動子の前記共振周波数と、それよりも早い第二の時間における前記圧電振動子の前記共振周波数との間の差から算出される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記方法が、工程a)の前に、
    i)前記ガスシリンダーが満タンである場合の前記ガスシリンダー中のガスの質量を決定すること
    をさらに含み、工程c)が、
    j)満タンの場合の前記ガスシリンダー中のガスの質量と時間tにおける前記ガスシリンダー中のガスの質量とから、時間tにおける前記ガスシリンダー中に残されたガスの割合を決定すること
    をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記所定の倍率がルックアップテーブルから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ガスシリンダー中に所定量のガスが残されるまでに残された時間が、一定ベース流速及びガスの前記平均測定流速を含む関数に基づいて算出される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記算出における前記一定ベース流速成分の前記平均測定流速成分に対する相対的重みづけが前記所定の倍率に依存する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記一定ベース流速が所定の固定値を含む、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記一定ベース流速がユーザーによって選択される、請求項7又は8に記載の方法。
  11. 前記一定ベース流速が、ルックアップテーブルに保存された複数の一定ベース流速から選択される、請求項7又は8に記載の方法。
  12. k)実際の流速の測定値に基づいて前記一定ベース流速を更新する工程
    をさらに含む、請求項7又は8に記載の方法。
  13. 前記ガスシリンダー中のガスの量の前記所定のレベルが実質的にゼロである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. プロセッサー及びガスセンサーを含み、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法を行うように構成された、センサー組立体。
  15. 前記ガスセンサーが、前記ガスシリンダー内のガス中に浸漬される圧電振動子を含み、前記センサー組立体が、前記圧電振動子を共振周波数で駆動するための駆動回路をさらに含む、請求項14に記載のセンサー組立体。
  16. 前記ガスシリンダー並びにバルブ及びレギュレーター組立体上に位置するように配置されたディスプレイをさらに含む、請求項14又は15に記載のセンサー組立体。
  17. 電子デバイスとの通信を行うための無線通信手段をさらに含む、請求項14〜16のいずれか1項に記載のセンサー組立体。
  18. バルブ及びレギュレーター組立体、並びに請求項14〜17のいずれか1項に記載のセンサー組立体を含む、ガスシリンダー組立体。
  19. プログラム可能な処理装置によって実行可能であり、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法を行うための1つ以上のソフトウェア部分を含む、コンピュータープログラム製品。
  20. 請求項19に記載のコンピュータープログラム製品が保存されている、コンピューター使用可能記憶媒体。
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