JP6407786B2 - 溶接補助装置および溶接補助方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、溶接ビードの終始端部の欠陥の発生を防止する溶接補助技術に関する。
2枚の金属板を溶接する場合、複数の溶接方法を組み合わせた溶接がなされることがある。
複数の溶接方法を組み合わせた方法として、例えば、レーザまたは電子ビームによるキーホール溶接の後に残層部に肉盛りをする組合わせ溶接がある。付き合わせた厚板材に両側から組合わせ溶接を施す場合、レーザ溶接の溶け込み深さなどを考慮してU字型の開先部が設けられることが多い。
ところで、開先部に肉盛りされて形成されたビードは、溶接進行方向の始端部および終端部に欠陥が発生しやすい。
よって、この始端部および終端部の少なくとも一方に(以下、(以下、「終始端部」という))にタブ板と呼ばれる経路延長器具を取り付けて、ビードを延長することがある。この延長されたビードが溶接後にタブ板ごと切断されて、終始端部の欠陥の発生が防止される。
タブ板の表面形状は、厚板材の開先形状をできるだけ厳密に模して成形されるため、加工費および加工時間がかかる。また、タブ板は溶接変形に耐えるうる板厚にされるため、材料費がかかるとともに溶接後の切断労力もかかる。
そこで、アーク溶接のみで溶接される場合においては、タブ板の内部に流水経路を形成して、タブ板を冷却することでタブ板切除の労力を低減する装置が提案されている。
実公平5−22392号公報
しかしながら、上述した従来のアーク溶接用のタブ板は、キーホール溶接によってその一部が溶着してしまうため、組合せ溶接に適用することができないという課題があった。
また、生産コストの高いこのタブ板を一度の溶接により全て廃棄する他の従来技術では、一度の終始端部の欠陥防止処理にかかる総コストが高額となっていた。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、組合わせ溶接にも適用が可能であるとともに溶接線の終始端部の欠陥防止処理にかかる総コストを低減させた溶接補助装置および溶接補助方法を提供することを目的とする。
本実施形態にかかる溶接補助装置は、溶接接合される2枚の母材が有する開先部の底部を延長するように母材の溶接線の始端部および終端部の少なくとも一方に接合される底部延長板と、底部延長板を挟み込んで固定されるとともに開先部の開先側面の形状を模した疑似側面を有して開先部の開先側面を延長する2つの側面延長部材と、側面延長部材に経路の一部が内設される通水管と、を備えるものである。
本実施形態にかかる溶接補助方法は、溶接接合される2枚の母材が有する開先部の底部を延長するように母材の溶接線の始端部および終端部の少なくとも一方に底部延長板を接合するステップと、開先部の開先側面の形状を模した疑似側面を有する2つの側面延長部材で底部延長板の溶接線に平行な側面を挟み込むステップと、2つの側面延長部材を底部延長板に押し当てる向きに固定治具で挟み込んで固定するステップと、側面延長部材に形成された通水経路に通水するステップと、底部延長板を含めて開先部を溶接するステップと、側面延長部材を取り外すステップと、開先部から突出したビードを底部延長板ごと切断するステップと、を含むものである。
本発明により、組合わせ溶接にも適用が可能であるとともに溶接線の終始端部の欠陥防止処理にかかる総コストを低減させた溶接補助装置および溶接補助方法が提供される。
第1実施形態にかかる溶接補助装置によって好適に溶接が補助される2つの金属板の溶接箇所の斜視図。 第1実施形態にかかる溶接補助装置によって好適に補助されて溶接された2つの金属板の溶接箇所の斜視図。 第1実施形態にかかる溶接補助装置の斜視図。 第2実施形態にかかる溶接補助装置の斜視図。 第2実施形態にかかる溶接補助装置のルート壁部材の斜視図。 第2実施形態にかかる溶接補助装置の固定台の斜視図。 第2実施形態にかかる溶接補助装置のルート壁部材の位置調整の説明図。 第2実施形態にかかる溶接補助装置のルート壁部材の変形例の斜視図。 第2実施形態にかかる溶接補助装置の固定台の変形例の斜視図。 第2実施形態にかかる溶接補助装置の変形例にかかるルート壁部材の位置調整の説明図。 第3実施形態にかかる溶接補助装置の斜視図。 第3実施形態にかかる溶接補助装置の下段壁部の斜視図。 第3実施形態にかかる溶接補助装置の上段壁部の斜視図。 第3実施形態にかかる溶接補助装置の上段壁部および下段壁部を係合させたときの正面図。 第1実施形態にかかる溶接補助方法のフローチャート。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態にかかる溶接補助装置10(図3)によって好適に溶接が補助される2つの金属板11(母材11)の溶接箇所の斜視図である。
上述したように、2枚の金属板11を溶接する場合、例えばキーホール溶接およびアーク溶接を用いた溶接など、2種類の溶接が組み合わされることがある。
このような溶接(以下、「組合せ溶接」という)を実施する場合、図1に示されるように、溶材19の溶け込み深さなどが考慮されて、母材11の表裏の関係にある2面にU字型の開先部18が設けられることが多い。
例えば、板厚120mmの厚板材の表裏両面に35mm深さのU字型の開先部18が設けられる。このとき、ルート面13の長さは50mm(120mm−35×2mm)である。
図2は、第1実施形態にかかる溶接補助装置10によって好適に補助されて溶接された2つの金属板11の溶接箇所の斜視図である。
金属板11が厚板材であって、この厚板材の表裏両面から組合わせ溶接を施す場合、まず、レーザ等を母材11に照射して母材11を融解して溶接するキーホール溶接を施す。キーホール溶接によって2枚の母材11のルート面13が溶接される。
キーホール溶接によって、厚さ方向Aのルート面13に沿って開先底部17にビード16a(16)が形成される。
その後、開先底部17が溶接された開先部18を溶融した溶材19で肉盛りして充填する。キーホールビード16aを溶接線14として、この溶接線14の始端部22a(22)から終端部22b(22)へ複数回肉盛りして開先部18を充填する。
このようにして形成されたビード16は、溶接線14の終始端部22に欠陥が発生しやすい。
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態にかかる溶接補助装置10の斜視図である。
第1実施形態にかかる溶接補助装置10は、図3に示されるように、溶接接合される2枚の母材11が有する開先底部17を延長するように母材11の溶接線14の終始端部22に接合される底部延長板24と、底部延長板24を挟み込んで固定されるとともに開先部18の開先側面26の形状を模した疑似側面27を有して開先部18の開先側面26を延長する2つの側面延長部材28と、側面延長部材28に経路の一部が内設される通水管29と、を備える。
さらに溶接補助装置10は、2つの側面延長部材28を底部延長板24に押し当てる向きに挟み込んで固定をする固定治具31を備える。
溶接線14の終始端部22に接合される底部延長板24は、例えば図3に示されるように、開先底部17の銅または銅合金などの直方体である。
この底部延長板24の一側面は、開先底部17の高さに揃えられて、延長底部24aを形成する。延長底部24aの横幅は開先底部17の幅に、奥行きはビード16を延長する長さに調整されている。
また、延長底部24aの縦幅は、母材11の表裏に設けられた開先部18のルート面13の長さに調整されている。
底部延長板24は、開先部18に肉盛りされた溶材19に溶融した底部延長板24が混入しても溶接品質を低下させない観点から母材11と同材質であることが望ましい。この底部延長板24は、例えば母材11に接合されて固定される。
底部延長板24のうちルート面13に平行な2側面には、この2側面を挟み込むように2つの側面延長部材28が設けられる。
これら2つの側面延長部材28は、例えば図3に示されるような固定治具31によって挟み込まれて、底部延長板24に押し当てられて底部延長板24に固定される。この側面延長部材28には、開先部18の開先側面26の形状を模した疑似側面27が設けられる。
側面延長部材28が固定される位置は、疑似側面27が延長底部24aに連続的に接続される位置である。この疑似側面27によって、開先部18の開先側面26は溶接線14の方向A(厚さ方向A)に延長される。
側面延長部材28の内部には通水管29が通されて、外部から供給される水などの冷却液で側面延長部材28が冷却される。通水管29のうち側面延長部材28の外部に露出した部分は、着脱可能になっていてもよい。
側面延長部材28は、例えば上述した銅または銅合金に代表されるように、母材11と比較して熱伝導率が高い金属で組成される。側面延長部材28に熱伝導率が高い金属を用いることで、溶接により加熱された溶材19との接触部を即時に冷却して側面延長部材28と溶材19とが結合することを防止する。
また、側面延長部材28の母材11との接触面には、側面延長部材28と母材11とを密着させるシール材32が設けられる。このシール材32によって、側面延長部材28と母材11との接続部の間隙から入り込む空気がこの接続部における溶融金属に混入してビード16の品質を劣化させることを防止する。
また、シール材32によるシール性を発揮させるため、例えば、図3に示されるように、底部延長板24に固定される第1支持部材33と、この第1支持部材33に支持されて側面延長部材28を母材11へ押し付ける第1押しねじ34と、を備えているのが望ましい。
次に、第1実施形態にかかる溶接補助方法を図15のフローチャートを用いて説明する(適宜図1および図2を参照)。
まず、母材11の溶接線14の終始端部22に底部延長板24を接合する(S11)。底部延長板24の上面である延長底部24aは、開先底部17の高さに揃えられる。
この延長底部24aの形状は必要に応じて開先底部17の形状に合わせて湾曲していてもよい。そして、側面延長部材28で底部延長板24の溶接線14に平行な側面を挟み込む(S12)。
次に、2つの側面延長部材28を底部延長板24に押し当てる向きに固定治具31で挟み込んで固定する(S13)。側面延長部材28の位置は、開先側面26に疑似側面27が滑らかに接続されるとともに、この疑似側面27が延長底部24aにも滑らかに接続される位置に決定される。
また、第1押しねじ34によって側面延長部材28は、母材11に押し付けられ、母材11との接触面における密着性が高められる。
そして、側面延長部材28の内部に通水管29によって形成された通水経路に通水する(S14)。通水に用いられる液体は、水が好適であるが、あれば他の液体でもよい。
次に、底部延長板24を含めて開先部18を溶接する(S15)。
まず、キーホール溶接によって母材11を溶融させて開先底部17を溶接する。このとき、終始端部22に設けられた延長底部24aをも母材11と同様に溶融してキーホールビード16aを形成させる。次に、例えば肉盛溶接を繰り返す多層盛り溶接によって、開先部18に溶材19を充填する。
この場合も、延長底部24aおよび疑似側面27で形成された開先部18に連続する延長経路にも、開先部18と同様に溶材19を充填する。溶接が終了したら、側面延長部材28を取り外す(S16)。
側面延長部材28への通水によって側面延長部材28への溶材19の結合は防止されているので、固定治具31を取外すことで側面延長部材28は容易に底部延長板24から取り外される。
そして、開先部18から突出したビード16を底部延長板24ごと切断して動作を終了する(S17)。
以上のように、第1実施形態にかかる溶接補助装置10および溶接補助方法によれば、底部延長板24以外の溶接補助装置10を溶接後に取り外して繰り返し使用することができる。よって、溶接線14の終始端部22の欠陥防止処理をした溶接後の廃棄量を大幅に削減することができる。
また、溶接後に側面延長部材28も含めて切断した場合と比較して終始端部22の切断処理にかかる労力も低減される。
さらに、単純形状の底部延長板24のみを量産して使い捨てればよいので、従来と比較して製造コストも抑制される。
すなわち、溶接線14の終始端部22の欠陥防止処理にかかる総コストを低減させることができる。この溶接補助方法は、溶接後に突出したビード16とともに、底部延長板24も切断して廃棄するので、組合わせ溶接にも適用が可能である。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態にかかる溶接補助装置10の斜視図である。
なお、図4以降では、簡単のため、図3で示した第1押しねじ34、第1支持部材33および固定治具31の表示を省略している。
第2実施形態にかかる溶接補助装置10は、側面延長部材28が、図4に示されるように、疑似側面27を有するルート壁部材36と、底部延長板24に直接接合される固定台37と、に分離可能である。ルート壁部材36および固定棒38の両方に通水管29が設けられる。
ここで、図5は、第2実施形態にかかる溶接補助装置10のルート壁部材36の斜視図である。
図5は、ルート壁部材36を疑似側面27の反対側の背面から見た図である。
なお、図5以降の各図では、簡単のため、図3などで示したシール材32は省略している。例えば、ルート壁部材36および固定台37は、それぞれの接触面に互いに嵌め合されるように成形された凹凸部39を備える。
このそれぞれの凹凸部39には、嵌め合わせたときに位置が重複して厚さ方向Aに貫通する孔穴41が設けられている。この孔穴41に固定棒38を貫通させてルート壁部材36を固定台37にピン留めする。
また、この孔穴41は、例えば接触面に沿った長穴41aである。この場合、ルート壁部材36は、固定台37に嵌め合された後も、この孔穴41の範囲内で接触面に沿ってスライドさせることができる。
よって、固定台37を底部延長板24に固定した後も、ルート壁部材36の位置を調節して開先側面26(図4)の形状に合わせて調整することができる。
固定棒38が、蝶ねじ44でルート壁部材36に固定されることで、ルート壁部材36が調整された位置に固定される。
また、図6は、第2実施形態にかかる溶接補助装置10の固定台37の斜視図である。
図6は、固定台37を図5のルート壁部材36と同一の視角から見た図である。
また、図7は、第2実施形態にかかる溶接補助装置10のルート壁部材36の位置調整の説明図である。
固定台37は、ルート壁部材36の疑似側面27と反対側の背面からルート壁部材36を開先の開先幅d(図4)を狭める向きに押し込む第2押しねじ46と、第2押しねじ46を支持する第2ねじ孔47が設けられて固定台37に固定される第2支持部材49と、を備える。
図7に示されるように第2押しねじ46でルート壁部材36を押し込むことで、直接手でルート壁部材36の位置を調整するよりも、より容易に正確に調整することができる。
また、図8は、第2実施形態にかかる溶接補助装置10のルート壁部材36の変形例の斜視図である。さらに、図9は、第2実施形態にかかる溶接補助装置10の固定台37の変形例の斜視図である。
図8および図9に示されるように、凹凸部39に設けられる孔穴41は、接触面に沿って複数設けられていてもよい。
ここで、図10は、第2実施形態にかかる溶接補助装置10の変形例にかかるルート壁部材36の位置調整の説明図である。
例えば、ルート壁部材36の孔穴41の個数は、固定台37の孔穴41の個数よりも多く設けられ、孔穴41のうちの1つは図6と同様に固定棒38で貫通される長穴41a(41)である。ルート壁部材36の位置が調整された場合に、長穴41aに並置された他の孔穴41に第2固定棒38a(38)を貫通させて位置を固定する。
このように、第2実施形態にかかる溶接補助方法によれば、第1実施形態の効果に加え、固定台37に対するルート壁部材36の位置を調整ことができる。
なお、第1実施形態でも説明したように、特にルート壁部材36は、溶材19への空気の混入を防止する観点から母材11に密着しているのが望ましい。
そこで、固定台37に第1支持部材33を固定して、第1押しねじ34でルート壁部材36を押し込んでシール材32によるシール性を高めてもよい。当然、第1支持部材33が固定される部材は、第1実施形態と同様に底部延長板24であってもよい。
なお、側面延長部材28が、固定台37とルート壁部材36とに分離可能であることおよびルート壁部材36の固定台37に対する位置を調整すること以外は、第2実施形態は第1実施形態と同じ構造および動作手順となるので、重複する説明を省略する。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
以上のように、第2実施形態にかかる溶接補助装置10によれば、第1実施形態の効果に加え、固定台37に対するルート壁部材36の位置を調整ことができる。
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態にかかる溶接補助装置10の斜視図である。
第3実施形態にかかる溶接補助装置10は、図11に示されるように、第2実施形態で示したルート壁部材36が、さらに固定台37に直接接触する下段壁部51と、下段壁部51に可動に係合される上段壁部52と、に分解可能である。
上段壁部52および下段壁部51の内部には、それぞれ通水管29が設けられる。また、上段壁部52は、下段壁部51との接触面に沿って開先の開先幅dを狭める向きに可動に嵌め合わされる。
多くの場合、溶接が進行すると、溶接開始時と比較して母材11の相対位置が微小に変化する溶接変形が発生する。よって、溶接が進行すると開先側面26が変形して、疑似側面27の形状から乖離することがある。
形状が乖離すると、ビード16の形状が母材11とルート壁部材36との接触部で不連続に変化して、ビード16の質を低下させる。そこで、下段壁部51が溶材19で充填される位置まで達した時点で溶接を中断して、上段壁部52を調整するのが望ましい。
また、図12は、第3実施形態にかかる溶接補助装置10の下段壁部51の斜視図である。図12は、図5や図6などと同様の視角で、疑似側面27の背面から下段壁部51を見た図である。
また、図13は、第3実施形態にかかる溶接補助装置10の上段壁部52の斜視図である。なお、図13は、図12とは異なり、下段壁部51との接触面の形状がわかるように、疑似側面27の側から見た図である。
さらに、図14は、上段壁部52および下段壁部51を係合させたときの正面図。
上段壁部52および下段壁部51も、図12および図13に示されるように、第2実施形態で説明したルート壁部材36および固定台37のように嵌め合い部56で互いに係合される。
また、下段壁部51は、上段壁部52の疑似側面27と反対側の背面から上段壁部52を開先幅dを狭める向きに押し込む第3押しねじ53と、第3押しねじ53を支持する第3ねじ孔54が設けられた下段壁部51に固定される第3支持部材58と、を備えているのが好ましい。
第2押しねじ46と同様に、第3押しねじ53を押し込むことで、下段壁部51に対する上段壁部52の位置を調整することができる。
このように、第3実施形態にかかる溶接補助装置10によれば、第1実施形態の効果に加え、上段壁部52の位置を調整することができるので、溶接変形による開先部18の形状変形に合わせて疑似側面27の形状を調整することができる。
以上述べた少なくとも一つの実施形態の溶接補助装置10によれば、溶接線14の終始端部22の欠陥防止処理にかかる総コストを低減させた、組合わせ溶接にも適用が可能な溶接補助装置10および溶接補助方法を提供することを目的とする。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…溶接補助装置、11…金属板(母材)、13…ルート面、14…溶接線、16(16a)…ビード(キーホールビード)、17…開先底部、18…開先部、19…溶材、22(22a,22b)…終始端部(始端部,終端部)、24(24a)…底部延長板(延長底部)、26…開先側面、27…疑似側面、28…側面延長部材、29…通水管、31…固定治具、32…シール材、33…第1支持部材、34…第1押しねじ、36…ルート壁部材、37…固定台、38(38a)…固定棒(第2固定棒)、39…凹凸部、41(41a)…孔穴(長穴)、44…蝶ねじ、46…第2押しねじ、47…第2ねじ孔、49…第2支持部材、51…下段壁部、52…上段壁部、53…第3押しねじ、54…第3ねじ孔、56…嵌め合い部、58…第3支持部材、A…厚さ方向、d…開先幅。

Claims (14)

  1. 溶接接合される2枚の母材が有する開先部の底部を延長するように前記母材の溶接線の始端部および終端部の少なくとも一方に接合される底部延長板と、
    前記底部延長板を挟み込んで固定されるとともに前記開先部の開先側面の形状を模した疑似側面を有して前記開先部の開先側面を延長する2つの側面延長部材と、
    前記側面延長部材に経路の一部が内設される通水管と、を備えることを特徴とする溶接補助装置。
  2. 前記2つの前記側面延長部材を前記底部延長板に押し当てる向きに挟み込んで前記固定をする固定治具を備える請求項1に記載の溶接補助装置。
  3. 前記側面延長部材は、前記疑似側面が前記底部延長板が形成する前記底部に連続的に接続される位置で固定される請求項1または請求項2に記載の溶接補助装置。
  4. 前記側面延長部材は、前記疑似側面を有するルート壁部材と、前記底部延長板に直接接合される固定台と、に分離可能である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の溶接補助装置。
  5. 前記ルート壁部材と前記固定台とのそれぞれの接触面に互いに嵌め合されるように成形された凹凸部と、
    互いに嵌め合わされた前記凹凸部を貫通して前記ルート壁部材を前記固定台にピン留めする固定棒と、
    前記凹凸部に設けられて前記固定棒を貫通させる孔穴と、を備える請求項4に記載の溶接補助装置。
  6. 前記孔穴は、前記接触面に沿って複数設けられている請求項5に記載の溶接補助装置。
  7. 前記孔穴は、前記接触面に沿った長径を有する非真円な円形である請求項5または請求項6に記載の溶接補助装置。
  8. 前記ルート壁部材の前記疑似側面と反対側の背面から前記ルート壁部材を前記開先部の開先幅を狭める向きに押し込む第2押しねじと、
    前記第2押しねじを支持する第ねじ孔が設けられて前記固定台に固定される第2支持部材と、を備える請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の溶接補助装置。
  9. 前記側面延長部材の前記母材との接触面に設けられて前記側面延長部材と前記母材とを密着させるシール材を備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の溶接補助装置。
  10. 前記ルート壁部材は、
    前記固定台に直接接触する下段壁部と、
    前記下段壁部に可動に係合される上段壁部と、を備え、
    前記上段壁部は、前記下段壁部との接触面に沿って前記開先部の開先幅を狭める向きに可動に嵌め合わされる請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の溶接補助装置。
  11. 前記上段壁部の前記疑似側面と反対側の背面から前記上段壁部を前記向きに押し込む第3押しねじと、
    前記第3押しねじを支持する第ねじ孔が設けられた前記下段壁部に固定される第3支持部材と、を備える請求項10に記載の溶接補助装置。
  12. 前記側面延長部材は、前記母材と比較して熱伝導率が高い金属で組成される請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の溶接補助装置。
  13. 前記金属は、銅を主成分とする請求項12に記載の溶接補助装置。
  14. 溶接接合される2枚の母材が有する開先部の底部を延長するように前記母材の溶接線の始端部および終端部の少なくとも一方に底部延長板を接合するステップと、
    前記開先部の開先側面の形状を模した疑似側面を有する2つの側面延長部材で前記底部延長板の前記溶接線に平行な側面を挟み込むステップと、
    前記2つの前記側面延長部材を前記底部延長板に押し当てる向きに固定治具で挟み込んで固定するステップと、
    前記側面延長部材に形成された通水経路に通水するステップと、
    前記底部延長板を含めて前記開先部を溶接するステップと、
    前記側面延長部材を取り外すステップと、
    前記開先部から突出したビードを前記底部延長板ごと切断するステップと、を含むことを特徴とする溶接補助方法。
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