JP6407600B2 - 生分解性ポリエステル - Google Patents

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本発明は、生分解性と加工性および強度に優れたポリエステルに関する。
生分解性高分子の実用化においては強度と生分解性のバランスが重要である。既存の生分解性高分子として、そのバランスが最も取れているのがポリブチレン-co-アジペート(PBAT)である(特許文献1)。エンジニアリングプラスチックであるポリブチレンテレフタレートと、生分解性高分子であるポリブチレンアジペートの共重合体であるPBATは、それぞれの共重合体ユニットの特徴である高強度かつ優れた生分解性を有することから、Ecoflexという名称で市販されている。しかしながら、PBATは石油由来であり、バイオマス資源から製造されていない。
また、本発明者らは、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸とジオールとのポリエステルを開示している(非特許文献1)。
米国特許第8686080号明細書
Y. Tachibana M. Yamahata, and K. Kasuya, Green Chem, 2013, 15, 1318.
本発明は、生分解性と加工性(柔軟性)および強度に優れた生分解性ポリエステルを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸(以下、OBCAと称する)を共重合体ユニットとしてポリブチレンテレフタレート(PBT)に導入することで、新たな共重合ポリエステル(PBT-co-OB)を合成することに成功し、得られた共重合ポリエステルが、環境中での生分解性を有し、優れた強度と柔軟性を有することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]下記構成単位Aと構成単位Bを含む共重合ポリエステル。
[2]構成単位(A)と構成単位(B)の存在比が1:99〜90:10である、[1]の共重合ポリエステル。
[3]数平均分子量が5000〜100000である、[1]または[2]に記載の共重合ポリエステル。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の共重合ポリエステルを成形して得られる成形品。
[5]衛生用品、農園芸用資材、漁業用資材または土木建築用資材である、[4]に記載の成形品。
[6]テレフタル酸と、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸と、1,4-ブタンジオールとを共重合させる工程を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の共重合ポリエステルの製造方法。
PBTへのOBCAユニットの導入により、強度はPBTと比べて約半分になるが、柔軟性が500倍以上に増加する。PBTはエンジニアリングプラスチックであり、汎用プラスチック(特に農業用途)としてはPBTほどの強度は必要が無い。すなわち、無視できる程度の強度の低下を補って有り余る柔軟性の付与が可能である。また、PBT自体は生分解性を有しないが、OBCAとの共重合化によって生分解性が付与される。すなわち、本発明の共重合ポリエステルはPBATと比較すると強度はやや劣るものの、柔軟性は優れており、バイオマス由来材料から合成可能であるので、PBATを代替することが可能となる。
PBT-co-OB の1H NMR スペクトルとピーク帰属を示す図。 PBT-co-OB のTGA チャートを示す図。 PBT-co-OB のDSC チャートを示す図。
以下、本発明を実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は本明細書に明示的または黙示的に記載された実施形態に限定されるものではない。
本発明の共重合ポリエステルは、下記構成単位(繰り返し単位)Aと構成単位(繰り返し単位)Bを含む。
分子量は数平均分子量で、1000〜100万であることが好ましく、5000〜10万であることがより好ましい。
構成単位(A)と構成単位(B)の割合はモル比で1:99〜90:10であることが好ましく、10:90〜90:10であることがより好まし、15:85〜90:10であることがさらに好ましい。
本発明の共重合ポリエステルは、構成単位(A)と構成単位(B)が交互に並んだ共重合体であってもよいし、構成単位(A)と構成単位(B)がランダムに配列したランダム共重合体であってもよいし、構成単位(A)と構成単位(B)がブロック単位で存在するブロック共重合体であってもよいし、それらの部分が混在する共重合体であってもよい。
本発明の共重合ポリエステルは、構成単位(A)と構成単位(B)のみからなる共重合体であってもよいが、他のユニットをさらに含む共重合体でもよい。その場合、構成単位(A)と構成単位(B)の合計分子量が共重合体全体の分子量の50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
本発明の共重合ポリエステルは、テレフタル酸と7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを共重合(エステル重合)させることによって得ることができる。より具体的には、実施例に記載されたような、テレフタル酸やその誘導体(実施例はテレフタル酸ジメチル)と7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物と1,4−ブタンジオールを混合し、チタン酸イソプロポキシドをルイス酸触媒として用い、減圧下脱水縮合することで合成することができる。ただし、本発明の共重合ポリエステルの製造方法に使用される化合物は、共重合体において、それぞれテレフタル酸残基と7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸残基と1,4−ブタンジオール残基を生じさせる化合物であれば特に限定されない。さらに、本発明の共重合ポリエステルが他の構成単位を含む場合は、その材料となるモノマーを反応系に存在させればよい。
なお、本発明の共重合ポリエステルは上記の製造方法によって得られたものには限定されない。
また、エステル重合に用いられる触媒はチタン酸イソプロポキシドには限定されず、エステル重合に用いられる触媒であればいずれの触媒も使用可能である。
本発明の共重合ポリエステルは、成形加工することによりフィルム、シートなど用途に適した形状の器具、容器、不織布などの成形品にすることができる。
本発明の共重合ポリエステルには、目的に応じて各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、離型剤、無機添加剤、結晶核剤、耐電防止剤、顔料、アンチブロッキング剤などが挙げられる。
本発明の共重合ポリエステルへの、可塑剤、無機充填剤、分散剤、安定剤などの各種添加剤の添加方法は特に制限されないが、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサーなどを用いて混合した後、一軸または二軸スクリュー型押出機を用いて連続混練することにより行うことができる。
本発明の共重合ポリエステルからなるフィルムまたはシートを得る方法としては特に制限がなく、公知の成形方法によりフィルム状またはシート状に成形される。例えば、T−ダイ成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、熱プレス成型法などにより、フィルム状またはシート状に成形する方法が挙げられる。また、これらのフィルムやシートは少なくとも一方向に延伸されていてもよい。延伸法として特に制限はないが、ロール延伸法、テンター法、インフレーション法などが挙げられる。
本発明の共重合ポリエステルからなる、用途に適した形状の成形品を得る方法としては、特に制限がなく、公知の方法で製造可能であり、例えば金型に押出成形や射出成形などを行う方法などが挙げられる。
本発明の共重合ポリエステルの成形品の厚さは、その水崩壊性や生分解性を高めるために薄く成形することが好ましいが、強度や可とう性などを満足させるように自由に調整可能である。フィルムの好ましい厚みは、5〜300μmであり、10〜100μmがより好ましい。シートや容器状の成形品の厚みとしては0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.2〜2mmである。また、引張弾性率は、特にその値を限定するわけではないが、通常、1200MPa以下のものが好ましく、600MPa以下のものがさらに好ましい。引張強度は、特にその値を限定するわけではないが、10〜100MPaの範囲が好
ましく、15〜70MPaの範囲がより好ましく、20〜50MPaの範囲がさらに好ましい。
本発明の共重合ポリエステルの不織布を得る方法としては特に制限がなく、公知の方法、例えば、乾式法、スパンボンド法、メルトブロー法、湿式法などにより製造される。すなわち、本発明の共重合ポリエステル、または該共重合ポリエステルと添加剤とを含む組成物を紡糸した後、ウェブを形成し、該ウェブを公知の方法により結合することにより得られる。
本発明の共重合ポリエステルを含有してなる成形品は、その用途は特に限定されないが、例えば、衛生用品を構成する部材(部品)、農園芸資材、土木建築資材などとして使用することができる。すなわち、本発明の共重合ポリエステルを含有する素材を使用して衛生用品、農園芸資材、土木建築資材、漁業用資材などを製造することが可能である。
衛生用品、農園芸資材、土木建築資材などの製造法としては、本発明の共重合ポリエステルを含有してなる組成物を所望の形状に成形加工することによって製造できるし、さらにその成形品を公知のホットメルト接着あるいは熱接着などの方法により相互に接着、固定して製造することができる。
上記衛生用品としては、例えば、使い捨て紙おむつ、失禁用パッド、生理用ナプキン等が挙げられる。
上記農園芸資材としては、例えば、マルチフィルム、育苗ポット、園芸テープ、果実栽培袋、杭、薫蒸シート、ビニールハウス用フィルムなどが挙げられる。
上記土木建築資材としては、例えば、植生ネット、植生ポット、立体網状体、土木繊維、杭、断熱材などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
1.PBT-co-OB の合成
1−1.試薬
1,4-ブタンジオール(BD)は脱水剤として硫酸ナトリウムを用いて減圧蒸留後に用いた。テレフタル酸ジメチル(DMT)はメタノールから再結晶したものを用いた。
1−2. 7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸(OBCA)の合成
非特許文献1にしたがってOBCAを合成した。
1−3.PBT-co-OB の合成
試験管に表1に示した試薬量のDMT、OBCA、BD、チタン酸テトライソプロポキシドを加えた。窒素雰囲気下、160℃で3 時間撹拌した。再度チタン酸テトライソプロポキシドを加えた後、10Pa 以下に減圧し、180℃で7 時間撹拌した。生じた固体をクロロホルム (10 ml)に溶解し綿栓でろ過後、メタノール (150 ml)に注いで再沈殿を行った。生じた生成物を吸引ろ過し、減圧乾燥することでPBT/OBの組成比が異なるPBT-co-OB を得た。
2.PBT-co-OB の分析
2−1.核磁気共鳴スペクトル
1H NMRの測定には、ECA-300(日本電子株式会社製)を用いた。
2−2. 分子量測定
ゲル濾過クロマトグラフィーによる分子量測定はLC-2000GPC システム(日本分光株式会社)を用いた。カラムはCo-2065 Plus (日本分光株式会社)を用いた。溶媒としてクロロホルムを使用して、流速0.80 mL/min、温度40℃で測定した。検量線の作成には東ソー株式会社製TSK 標準ポリスチレンを使用した。試料 (5 mg)をクロロホルム (1 ml)に溶解し、測定溶液を調製した。調製した溶液を、孔径0.45 μm のフィルターでろ過後、マニュ
アルインジェクションにより測定した。
2−3.熱的性質測定
熱重量分析 (TGA)には、TGA-50(株式会社島津製作所)を使用した。容器としてアルミニウム製パンを用い、窒素雰囲気下、10.0 ℃/min の昇温速度で500℃まで加熱した。
示唆走査熱量測定 (DSC)には、DSC-6200 (セイコーインスツル株式会社)を用いた。容器としてアルミニウム製パンを用い、PBT-co-OB では窒素雰囲気下、10.0 ℃/min で室温から270℃まで昇温、1 分間保持後、10.0 ℃/min で-60℃まで降温、1 分間保持後、10.0
℃/min で270℃まで昇温して測定した。
2−4. 力学的物性測定
試料を25×25×0.1 mm のステンレス製金型の中央に置き、ポリイミドフィルム (東レ・デュポン株式会社、カプトン)で挟み、1 mm 厚のステンレス板で挟んだ。PBT-co-OBは220℃、PBT は250℃で15 MPa の圧力を加え、1 分間のプレス成型をした。急冷することでフィルムを得た。得られたフィルムを20 (高さ)×2.0 (幅)×0.1 (厚さ) mm に切断し、EZ-Test(島津製作所株式会社製)を用いて、室温下、引張速度10 mm/min、グリップ間距離5
mm (PBT83-co-OB17、PBT63-co-OB37)、10 mm (PBT, PBT36-co-OB64, PBT18-co-OB82, PBT11-co-OB89, PBT2-co-OB98)で引張測定をした。
2−5.生物化学的酸素要求量 (BOD)生分解度測定
500 ml 三角フラスコに、土壌 (1 g) を蒸留水 (500 ml) に懸濁させ一晩放置した。ろ液の上澄(100 μl)を植種源としてフラン瓶に加えた。微生物が生育するのに必要な無機塩として表2に示したA 液 (緩衝液) (2 ml)、B 液 (酸化マグネシウム液)、C 液 (酸化カルシウム液)、D 液 (塩化二鉄溶液)をそれぞれ200 μl ずつ加え、全量が200 ml になるように蒸留水でメスアップした。炭素源として各PBT-co-OBを加えた。コントロールとして、炭素源となる試料を加えていないフラン瓶を1 本用意した。二酸化炭素吸収剤として容器に4.0 %のNaOH 水溶液 (1.5 ml)を加え、フラン瓶上部に取り付けた。調整したフラン瓶をBOD TESTER に設置し、スターラーを回転させ、一時間後に消費酸素量の目盛をすべて同じ位置に調整した。25 ℃の暗室下で撹拌を続け、42 日間定期的に消費酸素量 (BOD)を測定した。
2−6.スクリーニング
PBT81-co-OB19 およびPBT3-co-OB97 (0.4 g)をクロロホルム (10 ml)に溶解した。1 %plysurf (2 ml)を蒸留水 (200 ml)に加え、クロロホルム溶液と混ぜ合わせた後、超音波処理することで乳化液を調製した。乳化液中のクロロホルムを室温で一晩撹拌することで除去した。表3に示す組成の試薬を加え、pH 7.0 に調整した。2 %寒天培地を乳化培地に加え、110 ℃で20 分間、オートクレープ滅菌処理をし、シャーレに流すことで固化させた。その後、各種微生物を乳化培地上に画線し、30 ℃で培養した。
3.結果
3−1.PBT-co-OB の重合
PBT-co-OB を合成した結果を表4に示す。各PBT-co-OB の数平均分子量で1〜3 万であった。
各PBT-co-OB のOBCA ユニットとTPA ユニットの組成比は1H NMR におけるHa プロトンとHg プロトンの積分値比によって求めた。
PBT-co-OBの1H NMR スペクトルとピーク帰属を図1に示す。Hg プロトンとして8.10 ppm に、Hb プロトンとして4.88 ppm に、Hh プロトンとして4.43 ppm に、He プロトンとして4.04-4.14 ppm に、Ha プロトンとして2.97 ppm に、Hj プロトンとして1.97 ppm に、Hc プロトンとして1.81 ppm に、Hd プロトンとして1.69ppm に、Hd プロトンとして1.52
ppm にそれぞれピークを観測した。
3−2.PBT-co-OB の熱的性質
PBT-co-OB のTGA チャートを図2に示し、2回目の昇温過程におけるDSC チャートを図3に示す。また、各パラメーターを表5に示す。TPA(テレフタル酸) ユニットの増加に従い重量減少温度は増加している。これはTPAユニットの熱安定性がPBT-co-OB に付加されたことを示している。
TPA ユニット83%以上である共重合体PBT83-co-OB17 は融点および結晶化に由来する吸熱と発熱ピークが観測された。
3−3.PBT-co-OB の成型加工
各 PBT-co-OB は熱プレス成形によって、透明性があり柔軟な自立性フィルムに成形加工することができた。成形加工したフィルムを用いて引張試験を行った。
3−4.PBT-co-OB の力学的性質
力学的性質を評価するために上記で熱プレス成型したPBT-co-OB のフィルムを20×2.0×0.1 mmの大きさに切断して試験片を作製し、万能試験機を用いて引張試験をおこなった。各サンプルの試験片を5 本以上作成し、5 回以上で測定した平均値を実測値とした。各サンプルの引張強度(Tensile strength)、破断伸び(Elongation at breakpoint)、弾性率(Young's modulus)を表6に示す。
引張強度はTPAユニットが少しでも含まれると強度は高められた。破断伸びはTPAユニット36%以下では減少を示すが、TPAユニット63%以上では増大した。特にPBT83-co-OB17 においては顕著に高い値を示した(この値はPBATの2倍以上に相当する。)。PBT100-co-OB0 はもろいフィルムができてしまい、引張試験に用いることは困難であった。
また、表6には示さないが、PBT-co-OBの力学的性質はいずれも非特許文献1に記載されたOB100よりも高いことがわかった。
BOD生分解度試験の結果、PBT含有量が高いPBT83-co-OB17およびPBT含有量が低いPBT18-co-OB82において、いずれも20日後に35%のBOD生分解度を示しており、25日後も生分解が進行していたことから、PBT-co-OBは生分解性プラスチックとして利用可能なことを示している。
3−5.クリアゾーン
微生物産生酵素によりPBT-co-OB が加水分解可能かを評価するために、クリアゾーン法を用いて、OB含有量が高いPBT3-co-OB97 およびPBT 含有量が高いPBT83-co-OB17 のスクリーニングを行った。結果を表7に示す。
PBT3-co-OB97 のクリアゾーンは10種の微生物により形成した。分解微生物はすべてBacillus 属であった。一方、PBT83-co-OB17 のクリアゾーンは2種の微生物により形成した。2 つともPBT3-co-OB97 に対してもクリアゾーンを形成しており、分解酵素としては、同じ種類が働いていると推定される。PBT3-co-OB97 分解菌のうち8 種の微生物はPBT83-co-OB17 を分解できなかったが、これは、基質特異性が原因であり、これら8種の微生物はTPA ユニットを認識しにくい、もしくは分解しにくいと考えられる。
いずれにしても、クリアゾーンの結果から、OB 含有量が高いPBT3-co-OB97 およびPBT 含有量が高いPBT83-co-OB17 ともに、環境中微生物産生酵素による加水分解により低分子化が可能であることを示している。
なお、本発明者らは1,4−ブタンジオールの代わりにポリエチレングリコールを使用したPET-co-OBについても合成して評価したが、PET-co-OBは脆い材料であり、成型性が悪かった。また、生分解性も不十分であった。
本発明の生分解性ポリエステルは衛生用品、農業用資材、土木建築用資材、漁業用資材などに使用可能である。

Claims (6)

  1. 下記構成単位Aと構成単位Bを含む共重合ポリエステル。
  2. 構成単位(A)と構成単位(B)の存在比が1:99〜90:10である、請求項1に記載の共重合ポリエステル。
  3. 数平均分子量が5000〜100000である、請求項1または2に記載の共重合ポリエステル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合ポリエステルを成形して得られる成形品。
  5. 衛生用品、農園芸用資材、漁業用資材または土木建築用資材である、請求項4に記載の成形品。
  6. テレフタル酸と、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸と、1,4-ブタンジオールとを共重合させる工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
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