JP6406877B2 - 分散型電源の制御装置及び分散型電源の制御方法 - Google Patents

分散型電源の制御装置及び分散型電源の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、系統電源と連系するインバータを備えた分散型電源の制御装置及び分散型電源の制御方法に関する。
太陽電池や燃料電池等の分散型電源は、系統電力に連系させて使用するために、周波数や電圧を電力系統に適合するように交流電力に変換するインバータを備えている。
電気事業法第26条等には、このような分散型電源を低圧配電系統に連系する場合に、低圧需要家設備の受電点の電圧を標準電圧100Vに対して101±6V、標準電圧200Vに対して202±20V以内の適正値に維持するように規定されている。
しかし、低圧配電系統に複数の分散電源が連系され、各分散電源から系統電源側に有効電力が流れる逆潮流が生じると、各低圧需要家設備の受電点の電圧が上昇し、上述の適正値を逸脱する虞がある。
非特許文献1には、そのような虞がある場合に、分散型電源に進相無効電力制御機能または有効電力抑制機能を組込んで自動的に電圧を調整する旨が規定されている。但し、単相2線式2kVA以下、単相3線式6kVA以下または三相3線式15kVA以下の小出力逆変換装置については、当該進相無効電力制御機能または出力制御機能を省略できるとされている。
そして特許文献1には、逆潮流を発生させる複数の分散電源が接続された低圧配電系統において、規定の電圧の上限値を超えないようにしながら個々の分散電源の発電能力を有効活用することによって、同一バンク内の複数の分散電源全体での有効電力の総出力を増大することが可能な配電系統を提供することを目的として、受電点から柱上変圧器の2次側端子に至る配電経路のインピーダンスを算出し、算出したインピーダンスに応じて各分散電源に備えたインバータから出力される有効電力または無効電力の大きさを調整する構成が開示されている。
また特許文献2には、力率の悪化を抑えて高変換効率を維持しつつ電力系統の電圧変動を抑制できる太陽光発電システムにおけるパワーコンディショナの制御方法として、電力系統の系統連系点電圧と電力系統への接続点の検出電圧との電圧差を求め、この電圧差と接続点の検出電圧及び電力系統に流れ込む電流を基に電力系統の電力系統連系点から接続点までの線路定数を求めるとともに、パワーコンディショナの有効電力と無効電力を求め、このパワーコンディショナの有効電力と無効電力及び線路定数から電圧降下値を求め、この電圧降下値がなくなるようにパワーコンディショナの無効電力を制御する構成が開示されている。
特開2010−213542号公報 特開2011−55678号公報
電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン(平成25年5月31日、資源エネルギー庁)
しかし、上述した特許文献1,2に開示された構成を採用するためには、何れも配線経路のインピーダンスを算出するために電力系統の系統連系点電圧等を計測する複数のセンサ回路等を備える必要があり、そのために設備コストの上昇や施工工程の煩雑化を来すといった問題があった。
ところで、近年、系統連系時に系統電圧を適切に維持するために、分散型電源から出力される電力を指定力率に制御するように電気事業者から要求されることが多くなっている。
この場合、以下の数式で指定力率cosθが算出される。
e=31/2×I×(−Rcosθ+Xsinθ)
Rcosθ<Xsinθ(電圧降下)を満たすこと
但し、Rは線路インピーダンス抵抗成分、Xは線路インピーダンスリアクタンス成分を示し、電力配電線の線路インピーダンスは各電気事業者によって定められている。
例えば、線路インピーダンスが、R=6.959,X=j16.463である場合には、θ=25degのときに、Rcosθ(=6.2631)<Xsinθ(=6.91446)を満たして電圧降下となり、電圧上昇が回避されることになる。このとき、cosθ=0.90、つまり指定力率は0.9(=90%)になる。
この値に従って、分散型電源から出力可能な電力に拘わらずインバータから出力される電力の力率を常に一定に制御すると、系統電圧の上昇を抑制することが可能になるが、インバータから出力される電力が定格値よりも低く、それほど系統電圧の上昇に影響を与えることがないような場合にも一律に指定力率値に制御すると、分散型電源の発電量を有効に利用できなくなるという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、設備コストの上昇を抑制しながらも系統電圧の上昇を適切に抑制でき、しかも分散型電源の発電量を有効に利用可能な分散型電源の制御装置及び分散型電源の制御方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による分散型電源の制御装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、系統電源と連系するインバータを備えた分散型電源の制御装置であって、少なくとも前記分散型電源の定格値近傍の出力時に力率1より小さな所定の指定力率となるように前記インバータを制御するとともに、定格値近傍未満の出力時に出力の低下に伴って力率を変化させる出力追従力率制御を実行する力率制御部を備え、前記力率制御部は、前記インバータから出力される皮相電力を基準に力率を制御するとともに、前記定格値近傍未満の出力時に出力の低下に伴って前記指定力率と出力零時の力率1とを結ぶ漸近線に沿って力率が1に漸近するようにステップ的または連続的に力率を変化させるように前記出力追従力率制御を実行する点にある。
力率制御部により出力追従力率制御が実行されると、系統電圧の上昇を招く可能性の高い定格値近傍の出力時には、所定の指定力率値となるように前記インバータが制御される結果、安定的に系統電圧の上昇が抑制されるようになり、系統電圧の上昇を招く可能性が低くなる定格値近傍未満の出力時には、出力値の低下に伴って力率を指定力率値から変化させることによって、分散型電源の発電量を有効に利用することができるようになる。しかも、コストの上昇を招くような線路インピーダンス測定用のセンサ回路等を設ける必要も無い。
例えば、分散型電源が太陽光発電装置である場合には、日射量が十分ではなく従って出力が大きくない定格値近傍未満の出力時には、制御力率値を1に漸近させることによって無効電力成分を減少させて、インバータ回路の損失及び出力抑制比率を抑えることができるようになる。尚、出力抑制比率とは、分散型電源の制御装置に組み込まれ、損失による発熱量増大を防止するために出力上限を抑制する制御ブロックによって設定される出力抑制比率のことである。無効電力が増えると回路上での熱損失が増えるため、装置の温度上昇を抑えるためにインバータ出力の上限を抑制することが有効となるためである。
出力が定格値未満のときに、出力値の低下に伴って力率が1に漸近するように変化させると、系統電圧の上昇を効果的に抑制しながら分散型電源の発電量を有効に利用することができるようになる。例えば、出力値の低下に伴って力率が1に漸近するようにステップ的に変化させてもよいし、連続的に変化させてもよい。
皮相電力(S=(P+Q1/2,但しPは有効電力、Qは無効電力)を基準として力率が制御されるので、注入している無効電力の大きさに関わらず、電圧センサ及び電流センサの検出値から基準とする皮相電力値を算出でき、また、有効電力Pを基準に力率が制御される場合よりも無効電力Qを含めた大きめの値に基づいて力率が低めに設定されるようになり、特に定格出力の近傍で実際の力率が指定力率を上回るようなことが効果的に回避されるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記力率制御部は、前記分散型電源の出力に拘わらず力率を所定の指定力率となるように前記インバータを制御する一定力率制御を実行可能に構成され、前記出力追従力率制御と前記一定力率制御の何れを実行するかを選択可能に構成されている点にある。
分散型電源の出力の如何に拘わらず常時指定力率で制御する必要がある場合、系統電圧の上昇を招く可能性の高い定格値近傍の出力時に指定力率で制御すれば十分な場合等、出力追従力率制御と一定力率制御の何れかを選択可能に構成されていることにより、電気事業者が分散型電源に求める系統電圧の上昇抑制策に柔軟に対応できるようになる。
本発明による分散型電源の制御方法の第一の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、系統電源と連系するインバータを備えた分散型電源の制御方法であって、前記インバータから出力される皮相電力を基準に力率を制御するように構成され、少なくとも前記分散型電源の定格値近傍の出力時に力率1より小さな所定の指定力率となるように前記インバータを制御するとともに、前記定格値近傍未満の出力時に出力の低下に伴って前記指定力率と出力零時の力率1とを結ぶ漸近線に沿って力率が1に漸近するようにステップ的または連続的に力率を変化させるように出力追従力率制御を実行する点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、設備コストの上昇を抑制しながらも系統電圧の上昇を適切に抑制でき、しかも分散型電源の発電量を有効に利用可能な分散型電源の制御装置及び分散型電源の制御方法を提供することができるようになった。
分散型電源の一例である太陽電池発電装置のブロック構成図 本発明による分散型電源の制御装置の機能ブロック構成図 (a),(b),(c)はそれぞれ出力追従力率制御の動作説明図 出力追従力率制御及び一定力率制御を実行した結果の説明図 出力追従力率制御及び一定力率制御を実行した結果の説明図 (a)は太陽電池模擬電源が運転される日射量スケジュールの説明図、(b)は出力追従力率制御及び一定力率制御を実行したシミュレーション結果の特性図
以下、本発明による分散型電源の制御装置及び分散型電源の制御方法を図面に基づいて説明する。
図1には、分散型電源の一例である太陽電池発電装置1が示されている。太陽電池発電装置1は、複数の太陽電池パネルSPと、太陽電池パネルSPが接続されたパワーコンディショナPCを備えて構成され、連系リレーRy及び交流側フィルタ90を介して系統電源100に接続されている。尚、本発明による分散型電源は、パワーコンディショナPCに接続される発電装置が太陽電池パネルSPに限定されるものではなく、燃料電池等の他の発電装置が接続される場合にも適用可能である。
パワーコンディショナPCは、互いに並列接続された複数のDC/DCコンバータ2と、各DC/DCコンバータ2から出力された直流電力を交流電力に変換するインバータ3と、インバータ3をPWM制御するインバータ制御部4と、インバータ3の出力から高調波を除去するLCフィルタ5と、インバータ制御部4等の作動条件等を設定する操作部6等を備えている。インバータ制御部4及び各DC/DCコンバータ2に組み込まれたコンバータ制御部(図示せず)は、それぞれマイクロコンピュータ及びメモリや入出力素子を含む周辺回路を備えて構成されている。
各ストリングを構成する太陽電池パネルSPはそれぞれDC/DCコンバータ2に接続され、太陽電池パネルSPで発電された直流電圧がDC/DCコンバータ2で所定の直流リンク電圧Vdcに昇圧され、さらに系統電源100と連系するようにインバータ3によって所定の周波数及び電圧値の交流電力に変換される。
各DC/DCコンバータ2に備えたコンバータ制御部によって最大電力点追従制御(Maximum power point tracking;略して「MPPT制御」ともいう。)が行なわれ、太陽電池SPから出力される電圧と電流の積である直流電力が最大になる出力電圧で電流が取り出される。尚、各DC/DCコンバータ2は逆流防止用のダイオードを介して互いに並列接続されている。
インバータ制御部4には、電流センサとしての電流トランスCT等によって検出されたインバータ3の出力電流が入力されるとともに、連系リレーRyよりも系統e側に配置された系統電圧センサとしてのトランスVT等によって検出された系統電圧が入力されている。
図2には、インバータ制御部4の機能ブロック構成が示されている。同図に示すように、インバータ制御部4は、電流指令値生成部41、力率指令値生成部42、皮相電力算出部43、基準正弦波生成部44、位相シフト部45、乗算器46、出力電流制御部47、PWM制御部48の各機構ブロックを備えている。
電流指令値生成部41にはDC/DCコンバータ2からインバータ3に入力される直流リンク電圧Vdcを検出する電圧センサ(図示せず)の値が入力されている。電流指令値生成部41では、検出された直流リンク電圧Vdcに基づいてインバータ3から出力可能な電流指令値Ibが算出され、その値が乗算器46に出力される。
系統電圧センサ(VT)で検出された系統電圧が基準正弦波生成部44に入力され、基準正弦波生成部44によって系統電圧センサ(VT)で検出された系統電圧の周波数及び位相と一致する基準正弦波が生成される。
系統電圧センサ(VT)及び電流センサ(CT)で検出されたインバータ3の出力交流電圧V及び電流Iが皮相電力算出部43に入力され、皮相電力算出部43によってこれら入力値に基づいて皮相電力V・Iが算出され、算出された皮相電力V・Iが力率指令値生成部42に入力される。
力率指令値生成部42では、皮相電力算出部43から入力された皮相電力V・Iを基準として目標となる力率指令値が生成され、生成された力率指令値が位相シフト部45に入力される。
位相シフト部45では、基準正弦波の位相が力率指令値に対応した位相θだけ進相するように位相シフトされて乗算器46に入力される。
電流指令値生成部41で生成された電流指令値Ibと位相シフト部45で系統電圧から位相θだけ進相された正弦波が乗算されて目標電流が生成され、その目標電流が出力電流制御部47に入力される。
出力電流制御部47では、外乱となる電圧センサ(VT)で検出した系統電圧が相殺され、そして、目標電流と電流センサ(CT)で検出されたインバータ3の出力電流とが比較され、インバータ3の出力電流が目標電流に収束するようにPID制御演算が実行され、その結果を電圧変換したPWM制御値が生成される。
PWM制御部48では、出力電流制御部47で生成されたPWM制御値に基づいてインバータ3を構成する三相のブリッジ回路を構成する六つのスイッチング素子がPWM制御されて、インバータ3から所定の進相電流が出力される。
尚、インバータ制御部4に組み込まれた出力電流制御部47の力率に対するフィードバック制御構成は、上述したPID制御を採用する構成に限るものではなく、適宜公知の他のフィードバック制御構成を採用することも可能である。
さらに詳述する。力率指令値生成部42は、皮相電力算出部43から入力された皮相電力V・Iを基準にしてインバータ3から定格値近傍の出力が可能であるか否かを判断するように構成されている。
本実施形態では、インバータ3の出力つまり有効電力が定格値から定格値の例えば95%迄の範囲を「定格値近傍の出力」として設定し、有効電力に代えて皮相電力V・Iが上述の定格値から定格値の95%迄の範囲である場合に、所定の指定力率値を目標となる力率指令値として生成し、皮相電力V・Iが定格値の95%未満となる場合に、皮相電力V・Iの低下に伴って力率が1に漸近するように力率指令値を設定するように構成されている。力率指令値生成部42で生成された力率指令値は位相シフト部45に入力され、位相シフト部45で所定の進相位相に調整される。
ここで、「所定の指定力率値」とは、予め電気事業者等から指定された力率値であり、例えば、以下の電圧降下式を満たすように力率値が設定される。
e=31/2×I×(−Rcosθ+Xsinθ)
Rcosθ<Xsinθ
但し、Rは線路インピーダンス抵抗成分、Xは線路インピーダンスリアクタンス成分であり、電力配電線の線路インピーダンスは各電気事業者によって定められた値である。
例えば、線路インピーダンスが、R=6.959,X=j16.463である場合には、θ=25degのときに、Rcosθ(=6.2631)<Xsinθ(=6.91446)を満たして電圧降下となるので、cosθ=0.90、つまり「指定力率値」は0.9となる。
当該「指定力率値」、または「指定力率値」を算定するための数式及び線路インピーダンスは、操作部6を介して設定入力され、インバータ制御部4に備えたメモリに記憶されるように構成されている。
力率指令値生成部42は、皮相電力V・Iを基準にしてインバータ3の出力が「定格値近傍」未満になると、皮相電力V・Iの低下に伴って力率が1に漸近するようにステップ的または連続的に力率を変化させる。
つまり、インバータ制御部4は、少なくとも分散型電源の定格値近傍の出力時に所定の指定力率となるようにインバータ3を制御するとともに、定格値近傍未満の出力時に出力の低下に伴って力率を変化させる出力追従力率制御を実行する力率制御部として機能する。そして、インバータ制御部4は、定格値近傍未満の出力時に出力の低下に伴って力率が1に漸近するようにステップ的または連続的に力率を変化させる。さらに、インバータ制御部4は、インバータ3から出力される皮相電力を基準に力率を制御するように構成されている。
図3(a),(b),(c)には、インバータ制御部4によって設定される力率制御特性が例示されている。縦軸は皮相電力を基準とする出力、横軸は力率である。図3(a)には、「指定力率値」が0.9である場合に、定格出力時に力率が0.9となり、出力の低下に伴って力率が1に近づく漸近線に沿って連続的に変化するように力率指令値を設定する例が示されている。
図3(b)には、「指定力率値」が0.9である場合に、定格値から定格値の例えば95%迄の範囲の「定格値近傍の出力」時に力率が0.9となり、「定格値近傍の出力」より出力が低下すると、その低下に伴って力率が1に近づく漸近線に沿って連続的に変化するように力率指令値を設定する例が示されている。
図3(c)には、「指定力率値」が0.9である場合に、定格出力時に力率が0.9となり、出力の低下に伴って力率が1に近づく漸近線に沿ってステップ的に変化するように力率指令値を設定する例が示されている。
何れの例も「指定力率値」が0.9である場合を示しているが、「指定力率値」は0.9に限るものでないことは言うまでもない。また、インバータ3の出力が「定格値近傍未満」になると、その時点の力率と力率1.0を結ぶ直線の傾きに沿うように順次力率指令値を設定するように構成してもよい。
上述した出力追従力率制御が実行されると、系統電圧の上昇を招く可能性の高い定格値近傍の出力時に、所定の指定力率値となるようにインバータ3が制御される結果、安定的に系統電圧の上昇が抑制されるようになり、系統電圧の上昇を招く可能性が低くなる定格値近傍未満の出力時には、出力値の低下に伴って力率を指定力率値から変化させることによって、分散型電源の発電量を有効に利用することができるようになる。しかも、コストの上昇を招くような線路インピーダンス測定用のセンサ回路等を設ける必要も無い。
例えば、分散型電源が太陽光発電装置である場合には、日射量が十分ではなく従って出力が大きくない定格値近傍未満の出力時には、制御力率値を1に漸近させることによって無効電力成分を減少させて、インバータ回路の損失及び出力抑制比率を抑えることができるようになる。尚、出力抑制比率とは、分散型電源の制御装置に組み込まれ、損失による発熱量増大を防止するために出力上限を抑制する制御ブロックによって設定される出力抑制比率のことである。
さらに、皮相電力を基準として力率を制御するように構成されているので、有効電力Pを基準に力率を制御する場合よりも無効電力Qを含めた大きめの値に基づいて力率が低めに設定されるようになり、特に定格出力の近傍で実際の力率が指定力率を上回るようなことが効果的に回避されるようになる。尚、有効電力Pを基準に力率指令値を設定するように構成してもよいことはいうまでもない。
本実施形態では、力率指令値生成部42が、分散型電源である太陽電池発電装置1の出力に拘わらず力率を「所定の指定力率」となるようにインバータ3を制御する一定力率制御を実行可能に構成されている。先に説明した図3(a)から(c)の二点鎖線で示す特性が一定力率制御による特性である。
そして、操作部6に備えたタッチパネルの操作スイッチを操作することにより、操作の結果が力率指令値生成部42に入力され、上述した出力追従力率制御と一定力率制御の何れを実行するかを選択可能に構成されている。
一定力率制御として、出力の変動に伴って力率が指定力率に維持されるように位相角θを調整する制御態様のみならず、定格出力時に力率が指定力率になる位相角θを算定し、その後出力の変動時にも算定した位相角θに維持されるように電流を進相制御する制御態様を採用してもよい。図3(a)から(c)の二点鎖線で示す特性は後者を採用した場合の特性である。
分散型電源の出力の如何に拘わらず常時指定力率で制御する必要がある場合、或いは系統電圧の上昇を招く可能性の高い定格値近傍の出力時に指定力率で制御すれば十分な場合等、出力追従力率制御と一定力率制御の何れかを選択可能に構成すれば、電気事業者が分散型電源に求める系統電圧の上昇抑制策に柔軟に対応できるようになる。
尚、本発明によるインバータ制御部4は、出力追従力率制御と一定力率制御の何れを実行するかを選択可能に構成されていることが必須ではなく、少なくとも出力追従力率制御が実行可能に構成されていればよい。
本発明による分散型電源の制御方法は、系統電源と連系するインバータを備えた分散型電源の制御方法であって、少なくとも分散型電源の定格値近傍の出力時に所定の指定力率となるようにインバータを制御するとともに、定格値近傍未満の出力時に出力の低下に伴って力率を変化させる出力追従力率制御を実行するように構成されていればよい。
以上説明したように、インバータ制御部4を含めたパワーコンディショナPCが系統電源eと連系するインバータ3を備えた分散型電源の制御装置となる。
図4及び図5には、定格10kWのパワーコンディショナに5台の太陽電池模擬電源から直流電力を入力するとともに、インバータの出力を系統模擬電源と連系させ、出力追従力率制御及び一定力率制御を実行した結果が示されている。尚、系統模擬電源には、抵抗でなる模擬負荷が並列接続されている。図4は指定力率値が0.9の場合、図5は指定力率値が0.8の場合の結果である。
出力追随型力率制御では、インバータから出力される皮相電力値を基準として、定格10kWで指定力率値0.9に制御し、定格未満では出力=0に向けてリニアに力率を1に戻すように制御している。また、一定力率制御では、インバータから出力される皮相電力値を基準として、定格10kWでの力率が指定力率値0.9になるような進相角θを算出し、全ての出力域で進相角θに維持されるように進相制御している。
定格10kW程度のパワーコンディショナの場合、地域や日照状態にも依存するが、出力は2kWから8kW程度の範囲である場合が多く、さほど系統電圧の上昇に影響を与えることがないため、出力追随型力率制御を実行した方が、有効に発電電力を利用できる。
図6(a)に示すような日射6時間の日射量スケジュールで太陽電池模擬電源を運転し、同様に、指定力率値0.85となるように、出力追随型力率制御及び一定力率制御を行なった結果、図6(b)に示すような結果が得られた。本シミュレーションでは、力率0.85で定格出力の85.5%に出力抑制制御を行なっている。
図6(b)から明らかなように、出力追随型力率制御を行なった場合には、一定力率制御を行なった場合と比較して、1日当たりの発電電力量が0.1%上昇することが確認された。単純に365日(1年)継続すると、36円/kWhとして、92000円に相当する電力量の差が現れ、出力追随型力率制御の優位なことが確認された。
上述の実施形態では、インバータ3が三相3線式の交流電力に変換するブリッジ回路で構成される場合を例に説明したが、インバータ3は単相2線式の交流電力に変換するブリッジ回路で構成されている場合にも本発明が適用可能であることは言うまでもない。また、分散型電源が小出力であっても本発明が適用可能であることも言うまでもない。
尚、上述した各実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
1:分散型電源(太陽電池発電装置)
2:DC/DCコンバータ
3:インバータ
4:力率制御部(インバータ制御部)
5:LCフィルタ
6:操作部
41:電流指令値生成部
42:力率指令値生成部
43:皮相電力算出部
44:基準正弦波生成部
45:位相シフト部
46:乗算器
47:出力電流制御部
48:PWM制御部
PC:パワーコンディショナ
Ry:連系リレーRy
SP:太陽電池パネル

Claims (3)

  1. 系統電源と連系するインバータを備えた分散型電源の制御装置であって、
    少なくとも前記分散型電源の定格値近傍の出力時に力率1より小さな所定の指定力率となるように前記インバータを制御するとともに、定格値近傍未満の出力時に出力の低下に伴って力率を変化させる出力追従力率制御を実行する力率制御部を備え、
    前記力率制御部は、前記インバータから出力される皮相電力を基準に力率を制御するとともに、前記定格値近傍未満の出力時に出力の低下に伴って前記指定力率と出力零時の力率1とを結ぶ漸近線に沿って力率が1に漸近するようにステップ的または連続的に力率を変化させるように前記出力追従力率制御を実行する分散型電源の制御装置。
  2. 前記力率制御部は、前記分散型電源の出力値に拘わらず力率を所定の指定力率となるように前記インバータを制御する一定力率制御を実行可能に構成され、前記出力追従力率制御と前記一定力率制御の何れを実行するかを選択可能に構成されている請求項1記載の分散型電源の制御装置。
  3. 系統電源と連系するインバータを備えた分散型電源の制御方法であって、
    前記インバータから出力される皮相電力を基準に力率を制御するように構成され、
    少なくとも前記分散型電源の定格値近傍の出力時に力率1より小さな所定の指定力率となるように前記インバータを制御するとともに、前記定格値近傍未満の出力時に出力の低下に伴って前記指定力率と出力零時の力率1とを結ぶ漸近線に沿って力率が1に漸近するようにステップ的または連続的に力率を変化させるように出力追従力率制御を実行する分散型電源の制御方法。
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