以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれを識別するための図柄番号が付されていればよい。一例として、「−」の記号を示す特別図柄には図柄番号として「0」が付されている他、複数種類の点灯パターンに対する図柄番号として「1」〜「9」が付されていればよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、第1保留表示部5HRと、第2保留表示部5HLと、アクティブ表示部AHAとが配置されている。第1保留表示部5HRは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。第2保留表示部5HLは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、第1始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。また、第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、第2始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。
第1保留表示部5HRでは、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第2保留表示部5HLでは、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
第1保留表示部5HRは、例えば左詰めで第1保留表示が行われるように構成されていればよい。第1保留表示部5HRには、第1特図保留記憶数の上限値である「4」にあわせた4つの表示部位が設けられ、左端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第1始動条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第1保留表示部5HRに他の第1保留表示がなければ、第1保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位にて、増加分の第1特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第1保留表示を追加する。第1保留表示部5HRに他の第1保留表示があれば、新たな第1保留表示を、他の第1保留表示が行われている表示部位の右隣にて非表示となっている表示部位(保留番号「2」〜「4」のいずれかに対応)に追加する。第1保留表示部5HRに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第1保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位における第1保留表示を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向(左側)に移動(シフト)させる。
第2保留表示部5HLは、例えば右詰めで第2保留表示が行われるように構成されていればよい。第2保留記憶部5HLには、第2特図保留記憶数の上限値である「4」にあわせた4つの表示部位が設けられ、右端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第2始動条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第2保留表示部5HLに他の第2保留表示がなければ、第2保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位にて、増加分の第2特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第2保留表示を追加する。第2保留表示部5HLに他の第2保留表示があれば、新たな第2保留表示を、他の第2保留表示が行われている表示部位の左隣にて非表示となっている表示部位(保留番号「2」〜「4」のいずれかに対応)に追加する。第2保留表示部5HLに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第2保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位における第2保留表示を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向(右側)に移動(シフト)させる。
アクティブ表示部AHAは、実行中の可変表示に対応して、保留表示と同一の演出画像または異なる演出画像を表示する。アクティブ表示部AHAにおける表示は、アクティブ表示(可変表示に対応する対応表示)と称する。アクティブ表示部AHAでは、例えば第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第1保留表示部5HRにて消去(消化)された第1保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。また、アクティブ表示部AHAでは、例えば第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第2保留記憶部5HLにて消去(消化)された第2保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。なお、第1保留表示や第2保留表示とアクティブ表示とでは、色彩や模様が共通するものであればよく、例えばアクティブ表示は第1保留表示や第2保留表示よりも大きく表示されるものであってもよい。
図1に示された画像表示装置5の表示領域には、第1保留表示部5HRと第2保留表示部5HLとの間にアクティブ表示部AHAが配置されている。これに対し、アクティブ表示部AHAは、第1保留表示部5HRと第2保留表示部5HLとの間に配置されるものに限定されず、画像表示装置5の表示領域における任意の位置に配置されていればよい。また、第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLの配置も任意に変更可能であり、例えば第1保留表示部5HRと第2保留表示部5HLとを入れ替えて配置したものでもよい。
第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLとともに、あるいは第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作(動作)を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作(動作)を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、飾り図柄の可変表示における停止図柄決定用の乱数値や、予告演出決定用の乱数値といった、各種の演出決定用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。詳しくは、このRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば、演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。この演出制御フラグ設定部には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「大当り」となる場合には、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定の開放上限時間(例えば29.5秒間または0.1秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「2」または「15」など)に達するまで繰返し実行される。
可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれていればよい。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29.5秒間など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒間など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
このような短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。したがって、大当り種別が「突確」となったことに基づく大当り遊技状態(第2特定遊技状態)は、大当り種別が「非確変」または「確変」となったことに基づく大当り遊技状態(第1特定遊技状態)よりも、遊技者にとって不利な遊技状態となる。こうして、大当り種別が「非確変」または「確変」となったことに基づいて、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態となった場合には、大入賞口を遊技球が通過しやすい第1変化態様で、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。一方、大当り種別が「突確」となったことに基づいて、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態となった場合には、大入賞口を遊技球が通過しにくい第2変化態様で、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。
なお、上記した特別可変入賞球装置7の第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)は、後述の音量状況表示処理(S162)の説明で触れる「第1状態」、「第2状態」とは異なる。後述の「第1状態」は、例えば、スーパーリーチ演出中以外の遊技状態、または、客待ち状態などであってエラー表示中でない状態などであり、後述の「第2状態」は、例えば、パチンコ遊技機ではスーパーリーチ演出中の遊技状態などである。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数(例えば200回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
画像表示装置5において、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の飾り図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の飾り図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出を、リーチ演出という。リーチ演出として、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させることや、背景画像の表示態様を変化させること、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させることといった、飾り図柄の変動態様を変化させることとは異なる演出動作が実行されてもよい。画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、リーチ演出に含まれていてもよい。リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、画像表示装置5の画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(リーチパターンともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(信頼度、あるいは大当り信頼度ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマルのリーチ演出(ノーマルリーチ)とスーパーのリーチ演出(スーパーリーチ)が予め設定されている。そして、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。なお、スーパーリーチとなるリーチ演出には、他のスーパーリーチに比べて大当り期待度が高くなる特定のリーチ演出を実行するスーパーリーチを含む複数種類のリーチ演出があってもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には擬似連変動(以下「擬似連」とも言う)の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されるまでに一旦仮停止させた後、再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回)まで行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数であればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。「擬似連」の可変表示演出において初回変動を含む複数回の変動表示に伴って、再変動演出となる画像表示などの所定演出が実行されてもよい。なお、再変動演出は、画像表示装置5の画面上にて画像表示を行うことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出のさらなる一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた演出用模型(可動部材)が動作するように制御されてもよい。このとき、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、演出用模型(可動部材)の動作態様が変化するように制御されてもよいし、複数の演出用模型(可動部材)のうちで動作するものが変化するように制御されてもよい。
「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。また、再変動演出として、例えば擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されるときなどに、特殊な効果音となる音声をスピーカ8L、8Rから出力するように制御されてもよい。こうした再変動演出の一部または全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部または全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部または全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される可能性(大当り期待度)といった、所定の遊技価値が付与される可能性や遊技者にとって有利な遊技状態に制御される可能性が高まるようにしてもよい。
例えば「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。そして、擬似連変動(再変動)の繰返し実行回数(擬似連回数)が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)によって演出の発生割合が変化するように制御されてもよい。例えば擬似連変動が2回行われることにより「リーチ確定」となり、擬似連変動が3回行われることにより「スーパーリーチ確定」となるようにしてもよい。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、単一または複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み演出ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告可能な予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、例えば始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告、当該変動予告、あるいは可変表示中予告演出ともいう)と称される。
なお、先読み予告演出の一例として、第1保留表示部5HRにおける第1保留表示の表示部位や第2保留表示部5HLにおける第2保留表示の表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「保留表示変化」の先読み予告演出が実行されてもよい。より具体的には、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば白色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色のいずれかなど)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、第1保留表示や第2保留表示における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。あるいは、第1保留表示や第2保留表示として所定のメッセージ(例えば「秘」など)を示す表示態様とすることにより、表示色が特定色に変化する可能性が通常よりも高いことを報知(示唆)できるようにしてもよい。こうした表示態様が特定態様に変化する可能性が高いことを示唆する保留表示は、示唆保留表示ともいう。「保留表示変化」の先読み予告演出は、保留表示変化演出ともいう。
また、単独予告演出の一例として、アクティブ表示部AHAにおける演出画像の表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、開始条件が成立した可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「アクティブ表示変化」の予告演出が実行されてもよい。より具体的には、アクティブ表示部AHAにおける表示色を、通常時における所定色(例えば白色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色のいずれかなど)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。「アクティブ表示変化」の予告演出は、アクティブ表示変化演出ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。非リーチ組合せやリーチ組合せを構成する飾り図柄は、ハズレ図柄となる特別図柄とともに、非特定表示結果に含まれればよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR5とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が通過(進入)しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。普通図柄プロセス処理では、時短制御に伴う高開放制御として、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御の一部または全部が行われる。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
図4は、始動入賞判定処理として、図3のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。こうして、第1始動条件が成立したときには第1特図保留記憶数が1増加するように更新され、第2始動条件が成立したときには第2特図保留記憶数が1増加するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
ステップS210の処理では、例えば始動口バッファ値が「1」であるときに、保留データが第1特図保留記憶部にセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときに、保留データが第2特図保留記憶部にセットされる。第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)について保留記憶として記憶する。第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)について保留記憶として記憶する。
第1特図保留記憶部は、例えば第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が複数種別のいずれとなるか、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部は、例えば第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が複数種別のいずれとなるか、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、予め用意された始動口入賞指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS211)。続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、予め用意された保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS213)。さらに、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図5は、入賞時乱数値判定処理として、図4のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図8)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする変動パターンに決定される乱数値MR3であるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となるか否かや、飾り図柄の可変表示中にリーチ状態となるか否かを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み演出となる予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図5に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグがオンであるときには遊技状態が確変状態であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には、さらに確変状態や時短状態において時短制御に伴う高開放制御が行われている高ベース中であるか否かを判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて高ベース中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて高ベース中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、図4に示されたステップS209の処理で抽出した乱数値を用いて、各種の可変表示内容を判定する(ステップS405)。この実施の形態において、始動入賞時に判定する可変表示内容には、「大当り」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」がある。
CPU101は、可変表示内容が「大当り」であるか否かを判定するために、大当り判定範囲を設定する。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特定表示結果決定テーブルから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り判定範囲として設定されればよい。この大当り判定範囲は、ステップS209の処理で抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であれば、可変表示内容が「大当り」と判定される。
乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲外であることに対応して、可変表示内容が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲を設定する。ハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲は、特図保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチあるいはノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定することができる乱数値(変動パターン決定用の乱数値MR3)の範囲として、予め定められていればよい。
特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、変動パターン決定用の乱数値MR3と、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された変動パターン決定テーブルとを用いて、予め用意された複数の変動パターンのうちから、今回の可変表示で使用される変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数の変動パターンのいずれかに割り当てられている。CPU103は、乱数値MR3と合致する決定値が割り当てられた変動パターンを、今回の可変表示で使用される変動パターンに決定する。例えば可変表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に用いられる変動パターン決定テーブルでは、複数の変動パターンに対する決定値の割当てが、図11(B1)や図11(B2)に示すように、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて異なっている。ただし、一部の決定値は、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数にかかわらず同一(あるいは同一種)の変動パターンに割り当てられている。こうした変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータにおいて、スーパーリーチを伴う変動パターンに割り当てられた決定値のうちで、特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、スーパーリーチ確定範囲として予め定められていればよい。また、変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータにおいて、ノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値のうちで、特図保留記憶数にかかわらずリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、リーチ確定範囲として予め定められていればよい。
図6は、可変表示結果が「ハズレ」となるハズレ時における変動パターンの判定例を示している。パチンコ遊技機1における遊技状態が時短制御のない通常状態である通常時には、図11(B1)に示すような決定値が変動パターンに割り当てられた変動パターン決定テーブルが用いられる。この場合、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、第1特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。これに対し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「271」〜「300」の範囲内であれば、第1特図保留記憶数に応じてスーパーリーチを伴うか否かは不確定であるものの、少なくとも第1特図保留記憶数にかかわらずノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定されることが確定する。
また、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短制御を伴う確変状態や時短状態である時短中には、図11(B2)に示すような決定値が変動パターンに割り当てられた変動パターン決定テーブルが用いられる。この場合、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、第2特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。これに対し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「289」〜「300」の範囲内であれば、第2特図保留記憶数にかかわらずノーマルリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。
始動入賞が発生したときの特図保留記憶数(第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数)は、実際に可変表示が開始されるときの特図保留記憶数と一致するとはかぎらず、始動入賞が発生した後に可変表示の実行や新たな始動入賞の発生により変化することがある。そのため、始動入賞時の判定結果と可変表示開始時における変動パターンの決定とで、特図保留記憶数の相違により選択されるテーブルデータが一致しない場合があり、始動入賞時に前もって特定の変動パターンに決定されるか否かを判定して予測することは一般に難しい。一方、この実施の形態における変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンあるいはノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値は、特図保留記憶数にかかわらず共通の決定値を含んでいる。したがって、パチンコ遊技機1における始動入賞時あるいは可変表示開始時における特図保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かや、ノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かを、判定することができる。
時短制御が行われていない通常時において、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であると判定し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「271」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」であると判定する。時短制御が行われている時短中において、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であると判定し、変動パターン決定用の乱数知MR3が「289」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」であると判定する。
図5に示すステップS404にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(ステップS404;No)、ステップS405の処理における入賞時判定を制限するための設定を行う(ステップS406)。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく可変表示内容の判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
その後、ステップS405の処理による判定結果やステップS406の処理による設定に応じた始動入賞時の通知内容を設定する(ステップS407)。こうした通知内容に応じて、予め用意された入賞時判定結果コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS408)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図7(A)は、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第2始動口入賞指定コマンド)、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)、入賞時判定結果コマンドの設定例を示している。この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hとが、予め用意されている。なお、添字Hは16進数であることを示している。また、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータ(例えば00H〜04Hのいずれか)が設定される。さらに、入賞時判定結果コマンドとなるコマンドC4XXHが、予め用意されている。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したときには、図4に示すステップS202の処理で第1特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第1始動条件が成立する。第1始動条件は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第1始動条件が成立したときには、図4に示すステップS203の処理で始動口バッファ値を「1」に設定してからステップS211の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドが送信される。また、図5に示すステップS408の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して入賞時判定結果コマンドが送信される。さらに、始動口バッファ値が「1」であるときに図4に示すステップS213の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドが送信される。
普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したときには、図4に示すステップS205の処理で第2特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第2始動条件が成立する。第2始動条件は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第2始動条件が成立したときには、図4に示すステップS206の処理で始動口バッファ値を「2」に設定してからステップS211の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドが送信される。また、図5に示すステップS408の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して入賞時判定結果コマンドが送信される。さらに、始動口バッファ値が「2」であるときに図4に示すステップS213の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドが送信される。
演出制御基板12の側では、第1始動口入賞指定コマンドを受信することで第1始動条件の成立を検知でき、第2始動口入賞指定コマンドを受信することで第2始動条件の成立を検知できる。このように、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。入賞時判定結果コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時や、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、乱数回路104等から抽出した遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)を、演出制御基板12の側に対して通知する。第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する。この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図7(B)は、入賞時判定結果コマンドによる通知内容を例示している。図7(B)に示す入賞時判定結果コマンドのうち、コマンドC402H、コマンドC203H、コマンドC404Hは、特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内ではない場合に送信されることがあり、可変表示結果が「ハズレ」に決定されて大当り遊技状態には制御されないとの入賞時判定結果を通知する。一方、コマンドC401Hは、特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内である場合に送信され、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「大当り」)を通知する。コマンドC402Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のスーパーリーチ確定範囲内である場合に送信され、ハズレ時にスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」)を通知する。コマンドC403Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のリーチ確定範囲内である場合に送信され、ハズレ時にリーチ演出を伴う変動パターンに決定されるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」)を通知する。コマンドC404Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のスーパーリーチ確定範囲内でもリーチ確定範囲内でもない場合に送信され、リーチ演出を伴う変動パターンに決定されない可能性があるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「ハズレ時一般」)を通知する。このように、入賞時判定結果コマンドは、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや特定の変動パターンに決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。
図3に示すステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数(例えば大当り種別に応じた「2」または「15」など)に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図8は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
ステップS239の処理において、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変状態であり確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。確変状態は、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」、「突確」のいずれかであった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされることで開始される。確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図9は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
ステップS262の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。また、ステップS263の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図10は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」である場合とリーチ状態になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」である場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(非リーチハズレ変動パターンともいう)と称され、可変表示内容が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(リーチハズレ変動パターンともいう)と称される。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図11は、大当り変動パターンやハズレ変動パターンの決定例を示している。図9に示すステップS262の処理では、例えば図11(A)に示すような割合で、大当り時の変動パターンが決定される。図11(A)に示す例では、大当り時の変動パターンとして、変動パターンPA3−1、変動パターンPB3−1〜PB3−3が、図11(A)に示す割合で使用パターンに決定される。図9に示すステップS263の処理では、時短制御が行われていない通常時であるときに、例えば図11(B1)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。また、図9に示すステップS263の処理では、時短制御が行われている時短中であるときに、例えば図11(B2)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。ステップS263の処理では、ハズレ時の変動パターンを決定することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かが決定される。なお、変動パターンの決定とは別個の処理により、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にリーチ状態とするか否かが決定されてもよい。
図11(A)に示す例では、変動パターンPB3−1〜PB3−3といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPA3−1といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。一方、図11(B1)や図11(B2)に示す例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPB2−1〜PB2−3といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図11(B1)に示す決定例では、第1特図保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。具体的な一例として、「159」〜「180」の範囲の決定値は、第1特図保留記憶数が0であれば変動パターンPA1−1に割り当てられ、第1特図保留記憶数が1であれば変動パターンPA1−2に割り当てられ、第1特図保留記憶数が2以上であれば変動パターンPA1−3に割り当てられている。このような設定により、第1特図保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、第1特図保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、第1特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われない通常時には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくく、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そのため、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、第2特図保留記憶数にかかわらず、第1特図保留記憶数が所定値(例えば「0」)である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときの第2特図保留記憶数にかかわらず、その時点における第1特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることに対応して、第2特図保留記憶数にかかわらず図11(B1)とは決定値の割当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、図11(B1)に示す「第1特図保留記憶数」を「第2特図保留記憶数」に読み替えて、第2特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
図11(B2)に示す決定例では、第2特図保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。このような設定により、第2特図保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、第2特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われている時短中には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすく、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が高い。第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合には、時短中であれば第2特図を用いた特図ゲームが繰り返し実行される可能性が高く、第1特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そして、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立するときには、第2特図保留記憶数が0になっている。そのため、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、第1特図保留記憶数にかかわらず、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「0」)である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第1特図保留記憶数にかかわらず図11(B2)とは決定値の割当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、図11(B2)に示す「第2特図保留記憶数」を「第1特図保留記憶数」に読み替えて、第1特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
ステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図10に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。したがって、ステップS262、S263の処理にて変動パターンを決定することにより、特図変動時間が決定される。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図12に一例を示す演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行し(ステップS51)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS52)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS52;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する(ステップS54)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。コマンド解析処理では、例えば、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、いずれの演出制御コマンドを受信したかを判定する。
コマンド解析処理に続いて、エラー報知処理(ステップS55)を実行する。エラー報知処理では、例えば、演出制御用CPU120の制御の下で、異常の発生を報知するエラー画像を画像表示装置5に表示させたり、異常の発生を報知するための音声をスピーカ8L、8Rから出力させたりする。
エラー報知処理に続いて、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS56)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS57)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出用乱数更新処理の実行後はステップS52の処理に戻る。
図13は、コマンド解析処理として、図12のステップS54にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;NO)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;YES)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマンドが大当り開始指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、大当り開始指定コマンドであるときには(ステップ502;YES)、連チャン回数カウント値Kを1加算するように更新してから(ステップS503)、ステップS501の処理に戻る。連チャン回数カウント値Kは、RAM122の所定領域に設けられた連チャン回数カウンタの格納値であり、連チャン回数を示すものであればよい。ここで、連チャンとは、確変状態又は時短状態であるときに可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態の終了後にも確変状態又は時短状態に制御されることが所定回実行されることをいう。また、連チャン回数とは、確変状態又は時短状態であるときに可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態の終了後にも確変状態又は時短状態に制御されることが連続して発生した回数をいう。
ステップS502にて受信コマンドが大当り開始指定コマンドではない場合には(ステップS502;NO)、その受信コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、大入賞口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;YES)、賞球数カウント値を15加算するように更新する(ステップS505)。賞球数カウント値は、RAM122の所定領域に設けられた賞球数カウンタの格納値であり、賞球数を示すものであればよい。ここで、賞球数とは、大当り中における大入賞口への入賞に対して払い出された遊技球の個数をいう。
ステップS505の処理を実行した後には、累積賞球数カウント値を15加算するように更新してから(ステップS506)、ステップS501の処理に戻る。累積賞球数カウント値は、RAM122の所定領域に設けられた累積賞球数カウンタの格納値であり、累積賞球数を示すものであればよい。ここで、累積賞球数とは、連チャン中の大当り中における大入賞口への入賞に対して払い出された遊技球の個数をいう。なお、賞球数、累積賞球数ともに、第1、第2始動入賞口や一般入賞口への入賞に対する払出個数を含めて、大当り中に賞球として払い出された遊技球の個数としてもよい。また、大当り中でなければ(演出プロセスフラグの値が3〜5のいずれでもなければ)、賞球数カウント値及び累積賞球数カウント値を加算しなくともよい。
ステップS504にて受信コマンドが大入賞口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;NO)、その受信コマンドは大当り終了指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。そして、大当り終了指定コマンドであるときには(ステップS507;YES)、賞球数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化して(ステップS508)、ステップS501の処理に戻る。
このように、この実施の形態では、大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出毎に15個の遊技球が賞球として払い出されることに対応して、賞球数カウント値が15加算されると共に、現在の大当り遊技状態が終了することに対応して、そのカウント値が「0」に初期化されることにより、大当り遊技状態に制御される度に、その大当り中における大入賞口への入賞に対して払い出された遊技球の個数がカウントされる。
ステップS507にて受信コマンドが大当り終了指定コマンドではない場合には(ステップS507;NO)、その受信コマンドは遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS509)。そして、遊技状態指定コマンドであるときには(ステップS509;YES)、受信した遊技状態指定コマンドに基づいて時短制御が終了するか否かを判定する(ステップS510)。そして、時短制御が終了するときには(ステップS510;YES)、累積賞球数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS511)。
このように、この実施の形態では、連チャン中において、大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出毎に15個の遊技球が賞球として払い出されることに対応して、累積賞球数カウント値が15加算されると共に、連チャンが終了することに対応して、そのカウント値が「0」に初期化されることにより、連チャン中の大当り中における大入賞口への入賞に対して払い出された遊技球の個数がカウントされる。
ステップS511の処理を実行した後には、連チャン回数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化して(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
このように、この実施の形態では、大当り遊技状態に制御される度に、連チャン回数カウント値Kが1加算されると共に、時短制御が終了することに対応して、そのカウント値Kが「0」に初期化されることにより、連チャン回数がカウントされる。
ステップS509にて受信コマンドが遊技状態指定コマンドではない場合には(ステップS507;NO)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
なお、以上では、時短制御が終了すると、直ちに連チャン回数カウンタをクリアする(ステップS512)例を示したが、連チャン終了後(低確率低ベース状態に戻った後)の特定期間内(例えば、20回転以内)に再び大当りとなると、連チャン回数を引き継げるような構成としてもよい。
なお、コマンド解析処理では、例えば、(i)第1始動口入賞指定コマンドとともに入賞時判定結果コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)などに設けられた第1始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させたり、(ii)第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)などに設けられた第2始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させたりする制御も行われる。
第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第1始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号は、第1特図保留記憶数に対応している。
第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第2始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号は、第2特図保留記憶数に対応している。
図14は、エラー報知処理として、図12のステップS55にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。このエラー報知処理において、演出制御用CPU120は、まず、エラー報知の報知期間であるか否かを、例えば、報知制御パターンに基づいて判定する(ステップS141)。
ステップS141にてエラー報知の報知期間でない場合には(ステップS141;NO)、磁気異常報知指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS142)。このとき、磁気異常報知指定コマンドの受信がない場合には(ステップS142;NO)、エラー報知処理を終了する。
ステップS142にて磁気異常報知指定コマンドの受信があった場合(ステップS142;YES)、最上位のレイヤーでエラー報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS143)、エラー報知処理を終了する。また、ステップS141にてエラー報知の報知期間である場合にも(ステップS141;YES)、最上位のレイヤーでエラー報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS143)、エラー報知処理を終了する。例えば、ステップS143の処理では、エラー報知を実行するために予め用意された報知制御パターン等から読み出した報知制御実行データに応じて、所定の報知態様によるエラー報知を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して伝送させればよい。これにより、例えば図34(A)に示すようなエラー報知画像を、最上位のレイヤーに表示させるといった、エラー報知が実行される。
図34(A)に示すエラー報知画像は、磁石を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような行為を検出したことに対応して、「エラー発生!係員をお呼びください。」というメッセージを報知する文字画像MM1や、エラーが発生したことを報知するピクトグラムを示すピクトグラム画像AR1を、含んでいる。ピクトグラム画像AR1は、エラー報知に対応して予め定められた表示態様で表示されればよい。なお、エラー報知画像の表示時間(エラー報知の報知期間)は、例えば、30秒であってもよい。エラーの種類に応じて、エラー報知画像の表示時間を異ならせてもよい。
本実施の形態では、エラー報知画像と、所定の確変制御条件が成立したことを報知する第3報知としての確変確定報知演出用の確変確定報知演出画像と、特定期間としての大当り中に賞球として払い出された賞球数を報知する第1報知としての賞球数報知演出用の賞球数報知演出画像と、連チャン回数を報知する第4報知としての連チャン回数報知用の連チャン回数報知画像や大当り中に再生されている楽曲名を報知する第5報知としての大当り中楽曲名報知用の大当り中楽曲名報知画像といったその他の演出用の画像とがそれぞれ異なるレイヤーに配置される。具体的には、図35(A)に示すように、エラー報知画像と確変確定報知演出画像と賞球数報知演出画像とその他の演出用の画像には、各画像データにおいて、画像を重畳して描画する際に用いるZ値が設定されるようになっており、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122には、エラー報知画像と確変確定報知演出画像と賞球数報知演出画像とその他の演出用の画像の画像データのZ値を設定するZ値設定テーブルが記憶されている。このZ値設定テーブルは、各画像データの項目に対応付けて、画像を描画するときに用いるZ値が登録されている。
図35(B)に示すように、小さいZ値を有する画像が手前側、大きいZ値を有する画像が奥側に描画される。つまり、Z値が大きい値である画像上に、Z値が小さい値である画像が重なるように描画され、Z値が小さい値である画像が優先的に表示される。つまりZ値が小さい値である画像が遊技者にとって手前側にあるように視認できる。
また、本実施の形態では、図35(A)に示すように、エラー報知画像のZ値が「0」に設定され、確変確定報知演出画像のZ値が「1」に設定され、賞球数報知演出画像のZ値が「2」に設定され、連チャン回数報知画像や大当り中楽曲名報知画像といったその他の演出用の画像のZ値が「3」に設定されて登録されている。つまり、後述するアタッカー開放時演出処理を実行するときに、演出制御用CPU120は、連チャン回数報知画像や大当り中楽曲名報知画像よりも賞球数報知演出画像を優先的に表示し、賞球数報知演出画像よりも確変確定報知演出画像を優先的に表示し、確変確定報知演出画像よりもエラー報知画像を優先的に表示する制御を行う。
なお、Z値に「2」が設定されているのは、賞球数報知演出画像のみならず、特別期間としての連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数を報知する第2報知としての累積賞球数報知演出用の累積賞球数報知演出画像もZ値に「2」が設定されている。更に、エラー報知画像や確変確定報知演出画像や賞球数報知演出画像や累積賞球数報知演出画像や連チャン回数報知画像や大当り中楽曲名報知画像のみならず、背景となる背景画像等にもZ値が設定されており、これら背景画像等には、連チャン回数報知画像や大当り中楽曲名報知画像よりも大きなZ値が設定されている。
また、確変確定報知演出画像の優先度を細分化してもよい。例えば、初当りである場合(即ち、初当りに対して確変確定報知演出画像を表示する場合)と、連チャンである場合(即ち、2連チャン目以降に対して確変確定報知演出画像を表示する場合)とで確変確定報知演出画像のZ値を異ならせてもよい。また、何連チャン目であるかに応じて、確変確定報知演出画像のZ値を異ならせてもよい。なお、初当りか、連チャンか(更には何連チャン目か)で、確変確定報知演出画像の表示態様(デザイン、文言等)を異ならせてもよい。
また、賞球数報知演出画像の優先度を細分化してもよい。例えば、賞球数が「2000個」である場合と、賞球数が「2400個」である場合とで賞球数報知演出画像のZ値を異ならせてもよい。なお、賞球数が「2000個」か「2400個」かで、賞球数報知演出画像の表示態様(色、文言、デザイン等)を異ならせてもよい。
また、累積賞球数報知演出画像の優先度を細分化してもよい。例えば、累積賞球数が「5000個」である場合と、賞球数が「10000個」である場合とで累積賞球数報知演出画像のZ値を異ならせてもよい。なお、賞球数が「5000個」か「10000個」かで、累積賞球数報知演出画像の表示態様(色、文言、デザイン等)を異ならせてもよい。
また、連チャン回数報知画像の優先度を細分化してもよい。例えば、何連チャン目の連チャン回数報知画像であるかに応じて、連チャン回数報知画像のZ値を異ならせてもよい。なお、何連チャン目かに応じて、連チャン回数報知画像の表示態様(色、文言、デザイン等)を異ならせてもよい。
また、大当り中楽曲名報知画像の優先度を細分化してもよい。例えば、楽曲(当該楽曲の種類、当該楽曲の本日の再生回数等)に応じて、大当り中楽曲名報知画像のZ値を異ならせてもよい。なお、楽曲に応じて、大当り中楽曲名報知画像の表示態様(色、文言、デザイン等)を異ならせてもよい。
図15は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、音量状況表示処理(ステップS162)、大当り中楽曲決定処理(ステップS163)を実行した後、演出プロセスフラグの値に応じてステップS170〜ステップS175のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
可変表示開始待ち処理(ステップS170):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理(ステップS171)に対応した値である“1”に更新する。
可変表示開始設定処理(ステップS171):飾り図柄(演出図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(ステップS172)に対応した値である“2”に更新する。
可変表示中演出処理(ステップS172):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理(ステップS173)に対応した値である“3”に更新する。
特図当り待ち処理(ステップS173):変動時間の終了後、画像表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出プロセスフラグの値をアタッカー開放時演出処理(ステップS174)に対応した値である“4”に更新する。
アタッカー開放時演出処理(ステップS174):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、画像表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理(ステップS175)に対応した値である“5”に更新する。
エンディング演出処理(ステップS175):画像表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS170)に対応した値である“0”に更新する。
なお、演出制御プロセス処理において、ステップS170〜S175の実行前に保留表示設定処理を実行してもよい。この保留表示設定処理は、例えば、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動入賞時に、第1保留表示部5HRでの第1保留表示や第2保留表示部5HLでの第2保留表示を更新するための処理や、例えばRAM121の所定領域に設けられた保留表示データ記憶部の記憶データなどを用いて、「保留表示変化」の先読み予告演出を実行するための決定処理、設定処理などを含む。
この実施の形態のパチンコ遊技機1は、次に説明するように、遊技者の動作に応じて(例えば、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作に基づいて)、遊技に関する演出調整の一例としての音量調整が可能である。つまり、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作に従って、スピーカ8L、8Rからの音量が変更可能に構成されている。
図15に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、音量状況表示処理を実行する(ステップS162)。音量状況表示処理は、音量調整の調整状況を表示するための処理を含んでいる。詳しくは、音量状況表示処理は、スーパーリーチ演出中以外の遊技状態、または、客待ち状態などであってエラー表示中でない状態(第1状態)では、遊技者によるスティックコントローラ31Aなどの操作の有無に関わらず、音量調整の調整状況を示す音量状況表示画像VL(図24(A)、図25(A)など参照)を画像表示装置5の表示画面に視認可能に表示するための処理を含んでいる。
図16は、音量状況表示処理として、図15のステップS162にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す音量状況表示処理において、演出制御用CPU120は、まず、スーパーリーチ演出中であるか否かを判定する(ステップS601)。ステップS601の処理では、例えば、当該変動がスーパーリーチ変動パターンであってリーチ演出期間であるか否かを確認すればよい。
ステップS601にてスーパーリーチ演出中でない場合には(ステップS601;No)、スーパーリーチ時操作フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS602)。スーパーリーチ時操作フラグは、スーパーリーチ演出中に遊技者がスティックコントローラ31Aを操作した場合にオン状態となるフラグである。このスーパーリーチ時操作フラグのオン状態あるいはオフ状態を示すデータは、例えば、RAM122の演出制御フラグ設定部に記憶される。
ステップS602にてスーパーリーチ時操作フラグがオン状態にセットされていない場合には(ステップS602;No)、画像表示装置5に音量状況表示を表示する表示制御を実行する(ステップS603)。これにより、音量状況表示として、図24に示すように、現在の音量出力レベルを示す音量状況表示画像VLが画像表示装置5に表示される。例えば、音量状況表示画像VLは、図24、図25に示すように、横並びに5つ配列された矩形状の画像表示区画を有し、その画像表示区画内において、現在の音量に相当する分(図24(A)では3つ分)だけ左端から点灯させた態様の画像表示となっている。
詳しくは、音量が所定の最低レベル(音量出力が通常よりも抑えられた低音レベルであって消音レベルではない)の場合には、5つの画像表示区画が全て消灯した態様の画像表示となる。なお、最低レベルを消音レベルとしてもよい。また、最低レベルよりも一つ大きい第1レベルの場合には、最左端の画像表示区画が点灯した態様の画像表示となる。第1レベルよりも一つ大きい第2レベルの場合には、左端から2つ分の画像表示区画が点灯した態様の画像表示となる。第2レベルよりも一つ大きい第3レベル(つまり通常レベル)の場合には、左端から3つ分の画像表示区画が点灯した態様の画像表示となる。第3レベルよりも一つ大きい第4レベルの場合には、左端から4つ分の画像表示区画が点灯した態様の画像表示となる。また、最大レベル(第5レベル)の場合には、5つの画像表示区画が全て点灯した態様の画像表示となる。このように遊技者は、音量状況表示画像VLを見ることで、現在の音量出力レベルが把握できる。なおこの実施の形態では、音量状況表示画像VLをメーター式の表示態様としているが、これに限らず、数字や数値などによる数式の表示態様としたり、色彩式の表示態様(例えば、青→緑→黄→赤色の順に変化し、赤色になるほど大きいことを示すような表示)としたりするなど、各種の表示態様を用いてもよい。
ステップS602にてスーパーリーチ時操作フラグがセット(オン状態)されていた場合には(ステップS602;Yes)、画像表示装置5に音量状況表示(音量状況表示画像VLの表示)を継続させる表示制御を実行し(ステップS604)、スーパーリーチ時操作フラグをオフ状態にリセットする(ステップS605)。このステップS604、S605は、後述する図27(C)に示すように、スーパーリーチ演出の終了直前に音量変更操作があった場合の音量状況表示を継続するための処理である。これにより、スーパーリーチ演出の終了直前に音量変更操作を行うことで表示させた音量状況表示画像VLをスーパーリーチ演出の終了後も継続して表示させることができ、スーパーリーチ演出の終了タイミングで一度消去されることを防止できる。
ステップS603の処理を実行した後や、ステップS605の処理を実行した後には、音量変更操作の有無を判定する(ステップS606)。音量変更操作有りの場合には(ステップS606;Yes)、変更後の音量状況表示(変更後の音量状況表示画像VLの表示)および変更後の音量設定を実行する(ステップS607)。具体的には、遊技者がスティックコントローラ31Aを操作したことをコントローラセンサユニット35Aが検出した場合には(ステップS606;Yes)、画像表示装置5に変更後の音量状況表示画像VLを表示する表示制御を実行するとともに、変更後の音量設定値をRAM122に記憶させ、スピーカ8L、8Rから変更後の音量出力されるように音声制御基板13を制御するといった変更後の音量設定を実行する(ステップS607)。
例えば、スティックコントローラ31Aは左右方向に操作可能であり、遊技者がスティックコントローラ31Aを右方向に1回操作すると、画像表示区画の点灯した態様が1つ増えた変更後の音量状況表示画像VLが画像表示装置5に表示されるとともに、スピーカ8L、8Rからの音量出力が1レベル上がる。それとは逆に、遊技者がスティックコントローラ31Aを左方向に1回操作すると、画像表示区画の点灯した態様が1つ減った変更後の音量状況表示画像VLが画像表示装置5に表示されるとともに、スピーカ8L、8Rからの音量出力が1レベル下がる。
ステップS607の処理を実行した後には、スーパーリーチ以外時操作フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS608)。スーパーリーチ以外時操作フラグは、スーパーリーチ演出中以外のときに遊技者がスティックコントローラ31Aを操作した場合にオン状態となるフラグである。このスーパーリーチ以外時操作フラグのオン状態あるいはオフ状態を示すデータは、例えば、RAM122の演出制御フラグ設定部に記憶される。
一方、音量変更操作無しの場合には(ステップS606;No)、スーパーリーチ以外時操作フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS609)。
ステップS608の処理を実行した後や、ステップS609にてスーパーリーチ以外時操作フラグがオン状態にセットされている場合(ステップS609;Yes)には、操作後所定期間(例えば3秒)が経過したか否かを判定する(ステップS610)。操作後所定期間が経過した場合には(ステップS610;Yes)、スーパーリーチ以外時操作フラグをオフ状態にリセットする(ステップS611)。なお、操作後所定期間(例えば3秒)は、最初の操作後から所定期間(3秒)が経過するまでとしてもよいし、所定期間内に複数回操作があった場合には最後の操作から所定期間(3秒)が経過するまでとしてもよい。また、この実施の形態では、操作後所定期間としているが、音量状況表示画像VLの表示開始から所定期間(例えば3秒)が経過するまでとしてもよい。
ステップS601に戻って、スーパーリーチ演出中の場合には(ステップS601;Yes)、スーパーリーチ以外時操作フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS612)。スーパーリーチ以外時操作フラグがオフ状態である場合には(ステップS612;No)、スーパーリーチ時操作フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS613)。スーパーリーチ時操作フラグがオフ状態である場合には(ステップS613;No)、音量状況表示を消去する処理を実行する(ステップS614)。このステップS613、S614は、後述する図26(A)に示すように、原則としてスーパーリーチ演出中に音量状況表示をさせないための処理である。詳しくは、スーパーリーチ演出(特定演出)を実行する第2状態、つまりスーパーリーチ演出中の遊技状態では、遊技者による要求が無い限り、後述する図24(C)〜(H)に示すように画像表示装置5に音量状況表示画像VLを表示しないようにしている(音量状況表示画像VLを消去している)。これにより、遊技者に特に見せたい遊技演出(大事な予告などを含む演出)の一例であるスーパーリーチ演出の実行中では、音量状況表示画像VLを表示しないようにでき、スーパーリーチ演出の演出効果の低下を抑制できる。
ステップS609にてスーパーリーチ以外時操作フラグがオフ状態である場合(ステップS609;No)、ステップS610にて操作後所定期間が経過していない場合(ステップS610;No)、ステップS611の処理を実行した後、ステップS612にてスーパーリーチ以外時操作フラグがオン状態にセットされている場合(ステップS612;Yes)、ステップS613にてスーパーリーチ時操作フラグがオン状態にセットされている場合(ステップS613;Yes)、ステップS614の処理を実行した後には、音量状況表示処理を終了する。
なお、図16に示す音量状況表示処理(ステップS162)によれば、客待ち状態においても音量状況表示画像VLを表示することができる。
図15に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、音量状況表示処理(ステップS162)に続いて、大当り中楽曲決定処理(ステップS163)を実行する。
図17は、大当り中楽曲決定処理の一例を示すフローチャートである。ここで、大当り中楽曲とは、大当り遊技状態中に再生可能な楽曲であり、この実施の形態では、複数種類の楽曲が用意されている。用意された複数種類の楽曲については後述する。
大当り中楽曲決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り中であるか否かを判定する(ステップS621)。例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される大当り開始指定コマンドを受信しており、且つ、大当り終了指定コマンドを受信していない場合に、大当り中と判定する。なお、演出プロセスフラグの値が3〜5のいずれかであれば、大当り中と判定してもよい。大当り中である場合(ステップS621;Yes)、演出制御用CPU120は、大当りが突確であるか否かを判定する(ステップS622)。例えば、演出制御用CPU12は、主基板11から伝送される大入賞口指定コマンドに基づき、大当りが突確に対応するものであるか否かを判定する。
大当り中でない場合(ステップS621;No)や突確である場合(ステップS622;Yes)は大当り中楽曲決定処理を終了する。一方で、大当り中であり(ステップS621;Yes)、且つ、突確でない(ステップS622;No)場合には、演出制御用CPU120は、楽曲決定済フラグがオン状態であるか(大当り中楽曲が決定済であるか)否かを判定する(ステップS623)。ここで、楽曲決定済フラグは、大当り中楽曲が決定済であるか否かを示し、後述のステップS633でオン状態にセットされ、ステップS636でオフ状態にクリアされる。この楽曲決定済フラグのオンあるいはオフ状態を示すデータは、例えば、RAM122の演出制御フラグ設定部に記憶される。
楽曲決定済フラグがオフ(大当り中楽曲が決定済でない)の場合(ステップS623;No)、演出制御用CPU120は、前述したようにRAM122に設けられた連チャン回数カウンタを参照し、初当り(連チャン回数カウント値K=1)であるか否かを判定する(ステップS624)。
ステップS624にて、初当り(K=1)である場合(ステップS624;Yes)、演出制御用CPU120は、今回の大当りが楽曲系リーチを伴うものであるか否かを判定する(ステップS625)。ここで、楽曲系リーチとは、リーチ演出中に、当該リーチの種別に応じた楽曲が再生されるリーチである。この実施形態では、一例として図18(A)に示すように、スーパーリーチA〜Cが楽曲系リーチに設定されている。楽曲系リーチでは、スーパーリーチ演出中に図18(B)に示すように、リーチ種別に応じた楽曲が所定態様で再生される。楽曲系リーチにおける楽曲再生態様については、後に図24を参照して説明する演出例の説明において併せて述べる。
ステップS625にて、楽曲系リーチ大当りである場合(ステップS625;Yes)、演出制御用CPU120は、リーチ種別に応じた大当り楽曲を決定する(ステップS626)。この実施の形態では、例えば図18(A)に示すように、リーチ種別がスーパーリーチAであれば大当り中楽曲を「楽曲A」に決定し、スーパーリーチBであれば大当り中楽曲を「楽曲B」に決定し、スーパーリーチCであれば大当り楽曲を「楽曲C」に決定する。
ステップS624にて初当り(K=1)でない場合や(ステップS624;No)、初当りではあるが(ステップS624;Yes)、楽曲系リーチ大当りでない場合(ステップS625;No)は、演出制御用CPU120は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「1」となる第1ラウンドの実行中であるか否かを判定する(ステップS627)。例えば、第1ラウンドであるか否かは、大入賞口開放中指定コマンド格納領域にいずれのラウンド数を示すコマンドが格納されているかを確認することにより判定できる。
第1ラウンドの実行中である場合(ステップS627;Yes)、演出制御用CPU120は、選択中の楽曲の特定部を出力する(ステップS628)。具体的には、演出制御用CPU120は、音声制御基板13に、選択中の楽曲の特定部(この実施の形態では、いわゆる「サビ」部分)を出力させる旨の指令を音声制御基板13に対して伝送し、スピーカ8L、8Rから選択中の楽曲の特定部を出力させる。つまり、ステップS628の処理では、選択中の大当り楽曲のサビ部分だけが再生されることになる。
ここで、図18(C)に示すように、この実施の形態においては、第1ラウンドの実行中に選択可能な楽曲が複数種類用意されている。また、図18(C)に示すように、連チャン回数の増加に応じて、第1ラウンドの実行中に選択可能な楽曲の数が増加するように設定されている。具体的には、この実施の形態は、1≦K≦5(K:前記の連チャン回数カウント値)では3つの楽曲(楽曲A〜C)から選択可能で、6≦K≦10では4つの楽曲(楽曲A〜D)から選択可能で、11≦K≦15では5つの楽曲(楽曲A〜E)から選択可能で、16≦Kでは6つの楽曲(楽曲A〜F)から選択可能に構成されている。
なお、例えば、K=2のときは、初当り時(K=1)から選択可能な曲が1曲増加し、K=3のときは、初当り時(K=1)から選択可能な曲に2曲増加する、といったように、選択可能な曲が連チャン回数分だけ順次増加していく構成としてもよい。また、規定の連チャン回数に応じてではなく、大当りする度に新たな楽曲が選択可能になるか否かや、いずれの種類の楽曲が選択可能になるか否かを抽選して決定してもよい。また、図18(A)に示したスーパーリーチA〜Cの他に、例えば、確変中にのみ実行されるスーパーリーチDを設け、当該スーパーリーチDを伴った大当りになると、当該スーパーリーチDに対応する楽曲Dが選択可能になるといった構成としてもよい。
また、楽曲の選択は、例えば、図19(B)に示すように、画像表示装置5に表示される、現在選択可能な楽曲を示す画像(図19(B)は、1≦K≦5に応じた楽曲A〜Cの表示例)にカーソルCUを合わせること等によってなされる。楽曲の選択操作は、例えば、遊技者がスティックコントローラ31Aを上下方向に傾倒操作することによってなされる。この場合、当該操作に応じて楽曲名を示す画像が移動し、カーソルCUに合わせられている(指示されている)楽曲の画像に対応した楽曲が、現在選択中の楽曲となる(図19(B)は、「楽曲A」が選択中の例)。つまり、ステップS628では、カーソルCUの指示対象が他の楽曲に移ったときは、移った先の楽曲(現在カーソルCUに指示されている曲)のサビ部分が再生される。
なお、図18(C)に示すように、連チャン回数の増加に応じて楽曲が追加された場合には、カーソルCUの初期位置を追加された楽曲を指示している位置とすることが好ましい。こうすれば、新たに追加された楽曲を好適に遊技者に報知できる。ただし、直前の所定回(例えば直前の2回)の大当りで、同じ楽曲が選択されたときは、カーソルCUの初期位置を当該同じ楽曲を指示している位置とすることが好ましい。こうすれば、遊技者の好みに合った楽曲を提示することができ、ユーザフレンドリである。
なお、楽曲名を示す画像に対し、選択操作に応じてカーソルCUが移動する態様としてもよい。また、現在選択中の楽曲を示す方法は、カーソルCUによる指示に限られず、選択中の楽曲を示す画像を他の楽曲を示す画像よりも視認し易くしたり(例えば、選択中の楽曲を示す画像を囲む枠画像を重畳表示する、選択中の楽曲を示す画像を光輝させるなど)、選択中の楽曲以外の楽曲を示す画像を視認困難あるいは視認不可としたりしてもよい。また、楽曲の選択時には、音量のレベルを大きくして、楽曲の特定部を出力してもよい。例えば、現在の音量レベルが通常レベル(前記の第3レベル)であった場合は、楽曲の選択時には、第4レベルや、第5レベル(最大レベル)で特定部を出力したり、現在の音量レベルが最低レベルや第1レベルであった場合は、楽曲の選択時には、通常レベルで特定部を出力したりする、といった構成としてもよい。
また、「特定部」とは、選択中の楽曲の一部であって該楽曲の先頭とは異なる部分である。この実施の形態では、いわゆる「サビ」が楽曲の特定部の一例である。ここで、この実施の形態では、前記の大当り中楽曲としての楽曲A〜Fの各楽曲データがROM121などに予め記憶されている。そして、一の楽曲を示す楽曲データは、サビの音声を示すサビ用データ(特定部データの一例)を含む、複数の音声データ(例えばWAV、MP3など)から構成されている。具体的には、図19(A)に「楽曲A」について例示しているように、楽曲Aの全体を示すデータが、イントロ用データ、Aメロ用データ、Bメロ用データ、サビ用データ、アウトロ用データといったように分割された態様で(各々別個の音声データとして)ROM121に記憶されている。他の大当り楽曲としての楽曲B〜Fの各々についても同様である。このような構成によれば、1曲分のデータに加えて特定部データを記憶する構成に比べて、データ容量の負担を軽減することができる。なお、楽曲系リーチのリーチ演出中や予告演出中などの所定演出中において、一の楽曲の一部のデータ(例えばBメロ用データなど)を単独で用いることで、当該所定演出中に楽曲の一部のみ出力するようにしてもよい。こうすれば、この実施の形態のように、一の楽曲を示すデータを分割したデータで記憶する構成の利点をより活かすことができる。
なお、特定部データの一例としてのサビ用データについては、各楽曲について、例えば、馴染みがある、インパクトがある、キャッチーであると想定される部分を予め「サビ」として選定し、当該サビ部分の音声データをサビ用データとして予め用意すればよい。また、例えば、楽曲Aは「サビ」が有名であるが、楽曲Cは「Aメロ」のほうが有名であるといった場合もある。この場合は、楽曲Cについては、特定部をAメロ(特定部データをAメロ用データ)とし、ステップS628で楽曲Cが選択中の場合は、Aメロ部分を再生すればよい。また、大当り中楽曲の中に、いわゆる頭サビの楽曲(曲の先頭がサビから始まる楽曲)が含まれていてもよい。そして、特定部は楽曲の先頭(特徴的なイントロや、頭サビ)であってもよい。つまり、楽曲によって特定部として使用するデータを異ならせてもよい。また、大当り中楽曲の中に頭サビの楽曲が含まれている場合は、当該頭サビの楽曲については、楽曲選択時と楽曲決定後とで楽曲データとして使用するデータを共通としてもよい。例えば、楽曲選択時において、サビ用データと、サビに続くパート(例えばAメロ)用データを用いて、サビと当該サビに続くパートと繋げて再生し、楽曲決定後にも、同様のデータを用いて、サビと当該サビに続くパートと繋げて再生してもよい。
図17に戻って、演出制御用CPU120は、ステップS628の処理に続いて、楽曲決定操作があったか否かを判定する(ステップS629)。例えば、楽曲決定操作はプッシュボタン31Bになされた押下操作であり、演出制御用CPU120は、プッシュセンサ35Bがプッシュボタン31Bの操作を検出した場合に、楽曲決定操作があったと判定すればよい。楽曲決定操作がない場合は(ステップS629;No)、演出制御用CPU120は、大入賞口の閉鎖タイミングであるか否かを判定する(ステップS630)。例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から第1ラウンド目の大入賞口閉鎖指定コマンドを受信した場合に、大入賞口の閉鎖タイミングであると判定すればよい。そして、楽曲決定操作があった場合(ステップS629;Yes)、または大入賞口閉鎖タイミングである場合(ステップS630;No)に、選択中の楽曲が決定される(ステップS631)。つまり、この実施の形態では、第1ラウンド実行中において、大入賞口が閉鎖されるまでに楽曲決定操作がなされた場合か、楽曲決定操作がなされずに大入賞口が閉鎖された場合に、選択中の楽曲が大当り中楽曲に決定される。
このように、この実施の形態では、楽曲選択時においては選択中の楽曲の特定部を再生し、また、楽曲選択時において楽曲の決定方法が複数ある。このため、楽曲選択時の演出効果を向上させることができる。
ステップS626やステップS631の処理に続いて、演出制御用CPU120は、ステップS626又はS631で決定した楽曲情報をRAM122に記憶させ(ステップS632)、楽曲決定済フラグをオン状態にセットする(ステップS633)。なお、楽曲決定済フラグのオン・オフを示すデータは、例えば、RAM122の演出制御フラグ設定部に記憶される。
ステップS623に戻って、演出制御用CPU120が楽曲決定済フラグがオン状態と判定した場合(ステップS623;Yes)、ステップS626又はS631で決定した大当り中楽曲を再生する(ステップS634)。続いて、演出制御用CPU120は、大当り終了タイミングであるか否かを判定し(ステップS635)、大当り終了タイミングであれば(ステップS635;Yes)、ステップS634で再生を開始した楽曲の再生を終了させ、楽曲決定済フラグをオフ状態にクリアする(ステップS636)。
ステップS636、S633の処理の実行後や、ステップS621、S627、S630、S635でNo判定である場合や、ステップS622でYes判定である場合は、大当り中楽曲決定処理を終了する。
なお、図18(A)に示すように、楽曲系リーチ以外のリーチにおいては、第1ラウンドの実行中に遊技者による選択操作により大当り中楽曲が選択可能(前記のステップS628)に構成されている。この実施形態では、楽曲系リーチ以外のリーチとして、図10に示す「リーチ:ノーマル(大当り)」(変動パターンPA3−1)が用意されているが、楽曲系リーチ以外のスーパーリーチとして、「スーパーリーチD」、「スーパーリーチE」といったリーチ種別をさらに用意し、大当りが、スーパーリーチDやスーパーリーチEの演出を伴うものであった場合に、第1ラウンドの実行中に遊技者による選択操作により大当り中楽曲が選択可能としてもよい。また、上記の例では、第1ラウンド中に大当り中楽曲が選択可能な例を示したが、他のラウンド中に楽曲が選択可能であってもよいし、複数のラウンドにまたがって楽曲が選択可能であってもよい。大当り中のどの期間で楽曲を選択可能とするかは任意である。
ここで、図19を参照して、大当り楽曲選択時と、大当り楽曲決定後の楽曲再生態様について説明する。
図19(B)に示すように、楽曲選択時においては、選択中の楽曲の特定部(一例として「サビ」)がスピーカ8L、8Rから出力される(ステップS628に相当)。特定部は、選択中の楽曲が決定されるまで続けて再生される。そして、特定部の長さが、選択中の楽曲が決定されるまでの期間(第1ラウンドの実行開始からステップS631の処理の実行までの期間に相当。楽曲決定操作がなされるまでの期間、または、第1ラウンドの実行期間(例えば29.5秒))よりも短い場合は、選択中の楽曲が決定されるまで、特定部を繰り返し再生する。なお、特定部の長さが、選択中の楽曲が決定されるまでの期間よりも短い場合は、特定部の再生に続けて、選択中の楽曲における当該特定部に続くパート(図19(A)の例では、「アウトロ用データ」が示すアウトロ)を再生してもよい。
また、この実施形態においては、楽曲選択時に、選択中の楽曲に対応する画像(以下、楽曲対応画像)を、図19(B)に示す表示エリアVA1に表示する。楽曲対応画像は、例えば、選択中の楽曲のPV(Promotion Video)、MV(Music Video)などの動画であり、楽曲選択時には、例えば、当該動画の特定部に対応する部分を表示エリアVA1において再生する。なお、楽曲対応画像としての動画は、楽曲の特定部に対応する部分から再生されなくともよい。例えば、楽曲選択時においては、楽曲は先頭以外の特定部から再生されるものの、動画については先頭から再生するようにしてもよい。また、楽曲対応画像は、動画でなく、アーティスト写真などを示す静止画であってもよい。また、楽曲対応画像のデータについても、楽曲の音声データと同様に、楽曲のパート毎に分割された態様(各々別個の画像データとして)でROM121などに記憶されていてもよい。
図19(C)に示すように、楽曲決定後においては、決定された楽曲の楽曲データを構成する複数に分割された音声データ(例えば、イントロ用データ、Aメロ用データ、Bメロ用データ、サビ用データ、アウトロ用データ)を繋げて(つまり、一の楽曲を構成する各パートが時系列で間欠なく再生されるように)、一の楽曲をスピーカ8L、8Rから再生する。決定済みの大当り楽曲の再生態様(ステップS634における楽曲の再生態様に相当)は、例えば、下記の(イ)〜(ハ)の通りである。
(イ)1ラウンド実行中における楽曲決定後は、選択時に再生されていた特定部の続きから楽曲を再生する、または、楽曲の先頭から再生する。
(ロ)2ラウンド目以降は、楽曲の先頭から再生する(例えば、第2ラウンド目の大入賞口開放指定コマンドを受信したことに応じて楽曲を先頭から再生する)。
(ハ)K=1(ステップS624;Yes)、且つ、楽曲系リーチ大当り(ステップS625;Yes)の場合は、リーチ種別に対応した楽曲を、スーパーリーチ演出中に再生していたパートの続きから再生する(例えば、図18(B)に示すように、スーパーリーチ演出中にリーチ種別に対応した楽曲の「イントロ」、「Aメロ」、「Bメロ」を再生し、大当りになると「サビ」を再生する)。
なお、楽曲決定後に楽曲の先頭(イントロ)から再生し、未だ大当りが終了していない状態で、当該楽曲の最後(アウトロ)まで当該楽曲が一巡した後は、当該楽曲のイントロに戻って二巡目を再生してもよいし、イントロではなくサビ(特定部)から再生するようにしてもよい。
また、楽曲決定後においては、楽曲対応画像を、例えば、前記の表示エリアVA1よりも大きい、図19(C)に示す表示エリアVA2に表示する。なお、図19(C)に示す例は、楽曲決定後においては、画像表示装置5の画像表示エリア全体に渡って、表示エリアVA2が構成される例である。楽曲決定後においては、例えば、楽曲の再生部分と対応する部分が順次再生される動画を表示エリアVA2に表示すればよい。なお、楽曲決定後に表示エリアVA2に表示される楽曲対応画像もアーティスト写真などの静止画であってもよい。また、楽曲選択時と楽曲決定後における楽曲対応画像は、表示態様が異なっているものであればよい。つまり、楽曲対応画像が表示される表示エリアVA1と表示エリアVA2との位置や大きさを異ならせる以外の方法で表示態様を異ならせてもよい。例えば、表示エリアVA1と表示エリアVA2との位置や大きさは同じであるが、楽曲決定後の楽曲対応画像には、楽曲選択時には無いエフェクト(例えば、フェードイン・フェードアウトエフェクトや、光輝するライティングエフェクトなど)が施されているようにしてもよい。
なお、楽曲の選択操作や決定操作がなされる操作手段は、上記したスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに限られない。操作手段は、例えば縦横方向に操作が可能な十字ボタンや、例えば回動操作が可能なダイアルキーであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよい。また、遊技者による動作に応じて操作内容を検出できる構成であればよく、例えば赤外線センサや超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による指示入力行為に限定されない任意の動作を検出できるセンサを用いてもよい。
図20は、可変表示開始設定処理として、図15のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS321)。ステップS321の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」があればよい。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5において大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
なお、ステップS321の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを遊技者が認識可能に報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS321の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS321の処理における最終停止図柄などの決定に続いて、保留表示設定処理で決定された保留表示変化演出などの実行設定を行う、変化演出設定処理(図21)が実行される(ステップS322)。変化演出設定処理では、保留表示データ記憶部の記憶内容などに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われる。
図21に示す変化演出設定処理では、まず、保留表示データ記憶部における記憶内容を更新する(ステップS551)。すなわち、保留表示データ記憶部にて保留番号「1」に対応する記憶領域の記憶データを消去するとともに、保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)の記憶データを、1エントリずつ上位にシフトする。このときには、保留表示データ記憶部にて保留番号「1」に対応する記憶領域から消去される記憶データを読み出して、RAM122の所定領域に設けられた保留表示データバッファに格納してもよい。続いて、保留表示変化演出の実行タイミングである保留表示変化タイミングになるか否かを判定する(ステップS552)。ステップS552の処理では、ステップS551の処理により記憶内容を更新した保留表示データ記憶部に記憶されている1または複数の変化演出タイミングパターンについて、それぞれの変化演出タイミングパターンと関連付けられた保留番号に合致する保留表示変化タイミングの指定を含んでいるか否かを判定する。
ステップS552にて保留表示変化タイミングになると判定された場合には(ステップS552;Yes)、保留表示変化演出の実行設定を行う(ステップS553)。例えばステップS553の処理では、保留表示データ記憶部における保留表示変化パターンの記憶内容や現状の保留表示における表示態様を特定して、表示態様を変化させるか否かの設定や、変化させる場合における変化後の表示態様の設定、保留表示変化共通演出を実行するための設定などが行われるようにすればよい。なお、ステップS553の処理で、アクティブ表示変化演出のうちで、保留表示変化パターンの決定結果に基づきアクティブ表示の表示色を変化させる表示色変化演出の実行設定を行ってもよい。表示色変化演出の実行設定としては、例えば、保留表示データバッファの格納データ(ステップS551の処理にて保留表示データ記憶部から消去した記憶データ)に示された保留表示変化パターンを特定して、アクティブ表示変化演出を実行した後に表示させる表示態様の設定などが行われる。
図20に戻って、ステップS322の変化演出設定処理に続いて、リーチ演出の実行設定を行う、後述のリーチ演出設定処理が実行される(ステップS323)。リーチ演出設定処理では、リーチ演出(例えばスーパーリーチにおけるリーチ演出やノーマルリーチにおけるリーチ演出など)の実行設定が行われる。
詳しくは、リーチ演出設定処理では、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに基づいて、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」であるか否かを判定する。「非リーチ」である場合には、そのままリーチ演出設定処理を終了する。これに対し、「非リーチ」以外である場合には、変動パターンに応じたリーチ演出の設定を行ってから、リーチ演出設定処理を終了する。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS324)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS322の変化演出設定処理による保留表示変化演出などに対応して、複数用意された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。なお、表示変化演出制御パターンにおいては、後述の可変表示中設定処理(図22)での判定対象である保留表示変化演出期間なども設定される。なお、特図変動時演出制御パターン、表示変化演出制御パターン、リーチ演出制御パターンとして、別個の演出制御パターンをセットするものに限定されず、各演出の実行設定の組合せに対応した1の演出制御パターンをセットするものであってもよい。
ステップS324の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS325)。そして、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS326)。このときには、例えばステップS324の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS326の処理を実行した後には、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、第1保留表示部5HRにおける第1保留表示や第2保留表示部5HLにおける第2保留表示といった、保留表示などを更新するための設定を行う(ステップS327)。例えば、第1特図を用いた特図ゲームが実行(開始)される場合には、第1保留表示部5HRにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。一方、第2特図を用いた特図ゲームが実行(開始)される場合には、第2保留表示部5HLにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(右端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ右方向に移動(シフト)させる。また、ステップS327の処理では、アクティブ表示部AHAにおけるアクティブ表示を更新するための設定を行ってもよい。この場合例えば、第1保留表示部5HRにて保留番号「1」に対応した第1保留表示が消去(消化)されたときには、その消去(消化)された第1保留表示と同様のアクティブ表示をアクティブ表示部AHAにて開始させる。一方、第2保留表示部5HLにて保留番号「1」に対応した第2保留表示が消去(消化)されたときには、その消去(消化)された第2保留表示と同様のアクティブ表示をアクティブ表示部AHAにて開始させる。
ステップS327の処理により保留表示などを更新した後には、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS328)、可変表示開始設定処理を終了する。
図22は、可変表示中演出処理として、図15のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示中演出処理では、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS341)。一例として、ステップS341の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS341にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS341;No)、保留表示変化演出を実行するための保留表示変化演出期間であるか否かを判定する(ステップS342)。保留表示変化演出期間は、例えば図20に示すステップS324の処理にて決定された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)において、予め定められていればよい。保留表示変化演出期間である場合には(ステップS342;Yes)、保留表示変化演出を実行するための制御が行われる(ステップS343)。ステップS343の処理では、表示変化演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて保留表示変化演出を実行できればよい。
ステップS342にて保留表示変化演出期間ではないと判定されたときや(ステップS342;No)、ステップS343の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS346の処理を実行する。なお、保留表示変化演出期間ではない場合(ステップS342;No)や、ステップS343の実行後に、例えば、前述のステップS342、S343の処理と同様にして、アクティブ表示変化演出期間であるかの判定処理や、アクティブ表示変化演出を実行するための制御が実行されてもよい。
ステップS346では、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS346にてリーチ演出期間であると判定されたときには(ステップS346;Yes)、スーパーリーチであるか否かを判定する(ステップS346A)。スーパーリーチであると判定されたときには(ステップS346A;Yes)、第1保留表示部5HRおよび第2保留表示部5HLに表示されている保留表示を消去する保留表示消去処理を実行する(ステップS347)。例えば、図24(A)、(B)に示すように、スーパーリーチ演出の開始前までは、画像表示装置5の画面下部箇所に第2保留表示部5HLの保留表示が表示されているが、この保留表示消去処理の実行により、図24(C)に示すように、スーパーリーチ演出が開始すると(つまり、スーパーリーチ演出の開始タイミングになると)、第2保留表示部5HLの保留表示が消去され(第1保留表示部5HRの保留表示が表示されていれば、その保留表示も消去される)、保留表示が非表示となる。このようにスーパーリーチ演出中は保留表示を非表示とするので、画像表示装置5の画面下部の所定領域部分(つまり、第1保留表示部5HRおよび第2保留表示部5HLの表示領域部分)についてもスーパーリーチ演出による画像表示を行うことができる。また、遊技者は、保留表示を気にすることなくスーパーリーチ演出に注視することができ、かかる演出を楽しむことができる。よって、リーチ演出効果を十分に発揮することができる。
保留表示の非表示は、スーパーリーチ演出が終了すると、後述する保留表示復帰制御(ステップS349B)により終了する。つまり、保留表示が復帰される。なお、この実施の形態では、スーパーリーチ演出中において保留表示を非表示としているが、ノーマルリーチ演出中なども非表示としてもよい。
ステップS347の処理を実行した後には、スーパーリーチ演出中であっても遊技者による要求があった場合に、音量状況表示画像VLを一時的に表示する一時表示処理を実行する(ステップS347)。つまり、スーパーリーチ演出中において遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作があった場合には、音量状況表示画像VL(図25(D)参照)が画像表示装置5の表示画面に所定期間(例えば3秒)表示される。
図23は、一時表示処理として、図22のステップS348にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す一時表示処理では、演出制御用CPU120は、まず、スーパーリーチ以外時操作フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS701)。スーパーリーチ以外時操作フラグがオン状態にセットされている場合(ステップS701;Yes)には、操作後所定期間(例えば3秒)が経過したか否かを判定する(ステップS702)。操作後所定期間が経過していない場合には(ステップS702;No)、音量変更操作の有無を判定する(ステップS703)。
音量変更操作有りの場合には(ステップS703;Yes)、変更後の音量状況表示(変更後の音量状況表示画像VLの表示)および変更後の音量設定を実行する(ステップS704)。このステップS704では、遊技者がスティックコントローラ31Aを操作(例えば、左方向または右方向に操作)したことをコントローラセンサユニット35Aが検出したときには、画像表示装置5に変更後の音量状況表示画像VLを表示する表示制御を実行するとともに、変更後の音量設定値をRAM122に記憶させ、スピーカ8L、8Rから変更後の音量出力されるように音声制御基板13を制御するといった変更後の音量設定を実行する(ステップS704)。
一方、操作後所定期間が経過した場合には(ステップS702;Yes)、画像表示装置5に表示されている音量状況表示画像VLを消去する音量状況表示消去の処理を実行し(ステップS705)、スーパーリーチ以外時操作フラグをオフ状態にリセットする(ステップS706)。
ステップS701にてスーパーリーチ以外時操作フラグがオフの場合(ステップS701;No)や、ステップS703にて音量変更操作無しの場合(ステップS703;No)や、ステップS704の処理を実行した後や、ステップS706の処理を実行した後には、スーパーリーチ時操作フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS707)。
ステップS707にてスーパーリーチ時操作フラグがオフ状態の場合には(ステップS707;No)、音量変更の操作開始受付の有無を判定する(ステップS708)。ステップS708にて操作開始受付ありの場合(ステップS708;Yes)、つまり、遊技者がスティックコントローラ31Aを操作したことをコントローラセンサユニット35Aが検出した場合には、画像表示装置5に現在の音量状況表示画像VLを表示する表示制御を実行する(ステップS709)。図25(D)に示すように、スーパーリーチ演出中において、スティックコントローラ31Aの操作に応じて現在の音量状況表示画像VLを画像表示装置5に表示する。ステップS709の処理を実行した後には、スーパーリーチ時操作フラグをオン状態にセットする(ステップS710)。
ステップS707にてスーパーリーチ時操作フラグがオンの場合(ステップS707;Yes)や、ステップS710の処理を実行した後には、操作後所定期間(例えば3秒)が経過したか否かを判定する(ステップS711)。操作後所定期間が経過していない場合には(ステップS711;No)、音量変更操作の有無を判定する(ステップS712)。音量変更操作有りの場合には(ステップS712;Yes)、変更後の音量状況表示画像VLの表示および変更後の音量設定を実行する(ステップS713)。具体的には、遊技者がスティックコントローラ31Aを左右方向に操作したことをコントローラセンサユニット35Aが検出した場合には(ステップS712;Yes)、スティックコントローラ31Aの左右方向への操作回数に応じた変更後の音量状況表示画像VLを画像表示装置5に表示する表示制御を実行するとともに、その操作回数に応じた変更後の音量設定値をRAM122に記憶させ、スピーカ8L、8Rから変更後の音量出力されるように音声制御基板13を制御するといった変更後の音量設定を実行する(ステップS607)。
例えば図25(E)に示すように、遊技者がスティックコントローラ31Aを右方向に1回操作すると、画像表示区画の点灯した態様が1つ増えた変更後の音量状況表示画像VL(第4レベルの音量状況表示画像VL)が画像表示装置5に表示されるとともに、スピーカ8L、8Rからの音量出力が1レベル上がる。なお前記とは逆に、遊技者がスティックコントローラ31Aを左方向に1回操作すると、画像表示区画の点灯した態様が1つ減った変更後の音量状況表示画像VLが画像表示装置5に表示されるとともに、スピーカ8L、8Rからの音量出力が1レベル下がる。
操作後所定期間が経過した場合には(ステップS711;Yes)、音量状況表示を消去する処理を実行する(ステップS714)。例えば図25(F)に示すように、操作後所定期間が経過すると、音量状況表示画像VLの表示が消去される。つまり、音量状況表示が非表示となる。このようにスーパーリーチ演出中において、遊技者の操作があると音量状況表示画像VLが一時的に表示され、操作後所定期間が経過した時点で未だスーパーリーチ演出中である場合には音量状況表示画像VLが消去されるようになっている。
ステップS714の処理を実行した後には、スーパーリーチ時操作フラグをオフ状態にリセットする(ステップS715)。そして、ステップS708にて操作開始受付なしの場合(ステップS708;No)や、ステップS712にて音量変更操作なしの場合(ステップS712;No)や、ステップS713の処理を実行した後や、ステップS715の処理を実行した後には、一時表示処理を終了する。
図22に戻って、ステップS346Aにてスーパーリーチでないと判定されたときや(ステップS346A;No)、ステップS348の処理を実行した後には、その他のリーチ演出を実行するための制御が行われる(ステップS349)。
ステップS346にてリーチ演出期間ではないと判定されたときや(ステップS346;No)、ステップS349の処理を実行した後には、保留表示復帰タイミング(例えばスーパーリーチ演出の終了タイミング)であるか否かを判定する(ステップS349A)。ステップS349Aにて保留表示復帰タイミングであると判定した場合(ステップS349A;Yes)、演出制御用CPU120は、保留表示を復帰させる保留表示復帰制御を実行する(ステップS349B)。例えば保留表示復帰タイミング(例えばスーパーリーチ演出の終了タイミング)になると、図25(I)に示すように保留表示が復帰される。
ステップS349Aにて保留表示復帰タイミングではないと判定されたときや(ステップS349A;No)、ステップS349Bの処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含め、その他の可変表示中における演出を実行するための制御が行われ(ステップS350)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS341にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS341;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS351)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS351;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS351にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS351;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS352)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS353)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS354)、可変表示中演出処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。
パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の画面上では、特別図柄の可変表示に同期して、飾り図柄の可変表示が行われる。
遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づいて第1始動条件が成立したときには、図4に示すステップS203、S207の処理が実行されることにより、第1特図保留記憶数が1加算される。遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づいて第2始動条件が成立したときには、図4に示すステップS206、S207の処理が実行されることにより、第2特図保留記憶数が1加算される。このときには、ステップS209の処理により特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。そして、ステップS212にて図5に示すような入賞時乱数値判定処理を実行することにより、可変表示結果が「大当り」になるか否かなどの可変表示内容を判定して、入賞時判定結果を示す入賞時判定結果コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
開始条件の成立に基づいて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図3に示すステップS111にて図9に示すような変動パターン設定処理を実行することにより、複数の変動パターンのいずれかを決定して、決定された変動パターンを特定可能に示す変動パターン指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図20に示すステップS321では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて最終停止図柄などが決定され、続いてステップS322の変化演出設定処理として、図21に示すような処理が実行される。変化演出設定処理では、ステップS552にて保留表示変化タイミングであると判定されたときに、ステップS553にて保留表示変化演出の実行設定が行われる。
(演出例)
ここで、図24、図25を参照してスーパーリーチ演出における演出例を説明する。
図24は、スーパーリーチ変動表示において音量変更操作なしの場合の演出例を示している。飾り図柄の可変表示(変動表示)を開始するときには、図20に示すステップS323のリーチ演出設定処理が実行される。リーチ演出設定処理では、例えば、スーパーリーチ(楽曲系リーチとしてのスーパーリーチA〜Cのいずれか)におけるリーチ演出が実行されると判定されたとする。この実行例では、図24(A)に示すように飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(リーチ成立)となった時点から説明する。また、図16に示す音量状況表示処理により、図24(A)に示すように音量状況表示画像VLが画像表示装置5に表示される。
図24(B)を経て、図24(C)に示すようなスーパーリーチにおけるリーチ演出が実行される。図24(C)に示すような演出画像(例えば「スーパーリーチ」の文字による画像)を画像表示装置5の画面上に表示することなどにより、スーパーリーチの報知が行われる。遊技者はスーパーリーチ演出が実行されることを把握できる。また、図24(C)に示すように、飾り図柄の可変表示が画像表示装置5の画面の左上箇所に縮小表示される。この飾り図柄の可変表示の縮小表示は、例えばステップS350の処理にて実行可能である。また、図16に示す音量状況表示消去処理(ステップS614)により、図24(C)に示すように、音量状況表示画像VLが画像表示装置5の画面上から消去される。また、図22に示す保留表示消去処理(ステップS347)により、図24(C)に示すように、保留表示が消去される。
続いて、図24(D)〜(H)に示すようなバトル演出を含むスーパーリーチ演出が実行される。図24(H)に示すようにバトル演出結果(ここでは例えばバトル敗北結果)が表示されることによりスーパーリーチ演出が終了し、例えば図24(I)に示すようなリーチ組合せの最終停止図柄が導出表示される。
また、図24(I)に示すように、図16に示す音量状況表示処理(ステップS162)により、音量状況表示画像VLが表示され、図22に示す保留表示制御処理(ステップS349B)により、保留表示が復帰される。図24(I)に示すように、飾り図柄の最終停止図柄が停止表示されることで、可変表示が終了する。
また、図24(I)に示すように、音量状況表示画像VLは、変動停止時の飾り図柄に被らない位置に表示されるので、飾り図柄の最終停止図柄、つまり、遊技結果の視認を阻害しないようにしつつ、音量調整を実行できる。
ここで、図24に示したスーパーリーチ変動表示において音量変更操作なしの場合についての音量状況表示の実行タイミングなどについて、図26(A)を用いて説明する。図26(A)は、スーパーリーチ変動表示において音量変更操作なしの場合についての音量状況表示の実行タイミングの一例を示す図である。
図26(A)に示すように、スーパーリーチ変動表示において、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作が一切無かったため、コントローラセンサユニット35Aの検出信号はローレベルのままである。そして、音量状況表示は、スーパーリーチ演出中を除いて画像表示装置5に表示されている。
また、スーパーリーチの演出中には、図18(A)に示したように、リーチ種別に応じた楽曲が再生される。例えば、図24(C)のようにスーパーリーチの報知が実行されると、例えば、図18(B)に示すようにリーチ種別に応じた楽曲が先頭から、イントロ、Aメロ、Bメロといったように順次再生される。そして、例えば、図24(E)に示す演出と図24(F)に示す演出との間に、所定期間(例えば数秒)だけ特殊効果音による演出を実行する。
特殊効果音による演出としては、例えば、エコー効果を施した音、リピート音、ノイズ音、フェードイン・フェードアウトを施した音などの所謂SE(Sound Effect)による演出を実行すればよい。また、当該所定期間だけ無音にしてもよい。また、特殊効果音の出力に併せて、スーパーリーチによる演出中に再生される動画にも、当該所定期間だけエフェクトを施した態様とするのが好ましい。例えば、動画が急に止まったような(静止画になるような)態様としたり、画面をブラックアウトさせたり、ノイズ表示(例えばアナログテレビの砂嵐表示のような態様など)としたり、などすればよい。
そして、例えば、特殊効果音による演出の実行中に、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bからの所定操作がなされたことに応じて、あるいは、予め定められた期間が経過したことに応じて、図24(H)に示すバトル演出結果が表示され、この表示と併せてハズレを報知するためのハズレ用効果音がスピーカ8L、8Rから出力される。なお、大当りの場合は、図18(B)に示すように、スーパーリーチの演出中に再生されていた楽曲のパートの続きとして、サビがスピーカ8L、8Rから出力される。このように、バトル演出結果(勝ち負けの当否を報知する演出の結果)が表示される前に、音声と動画に特殊効果を施すことで、遊技者の期待感を煽ることができる。
なお、このような特殊効果を伴うリーチ演出を実行するための制御は、前記のステップS349で実行可能である。また、特殊効果を実行する期間は、例えば、楽曲系リーチの変動パターン毎に予め定められていればよい。また、楽曲系リーチの演出中において楽曲は、先頭(イントロ)から再生されなくともよく、Aメロ、Bメロなどから再生が開始されてもよい。また、楽曲系リーチの演出後に大当りとなった場合、第1ラウンド実行中に楽曲系リーチのリーチ演出中に再生された部分の続きから再生してもよい。例えば、(i)リーチ演出中にAメロを再生し、第1ラウンド実行中に当該Aメロの続きのBメロから再生してもよいし、(ii)リーチ演出中にAメロの途中まで再生し、第1ラウンド実行中に当該Aメロの続きから楽曲を再生する、などしてもよい。
次に、スーパーリーチ変動表示において音量変更操作ありの場合について図25を用いて説明する。図25は、スーパーリーチ変動表示において音量変更操作ありの場合の演出例を示している。なお、図25(A)〜(C)までは、前述した図24(A)〜(C)と同様であるため説明を省略する。また、スーパーリーチ演出中における楽曲再生態様についても前述と同様である。
図25(D)に示すように、スーパーリーチ演出中において、スティックコントローラ31Aの操作があると、音量状況表示画像VLが表示される。そして、遊技者がスティックコントローラ31Aを右方向に1回操作した場合には、図25(E)に示すように、画像表示区画の点灯した態様が1つ増えた変更後の音量状況表示画像VL(第4レベルの音量状況表示画像VL)が画像表示装置5に表示されるとともに、スピーカ8L、8Rからの音量出力が1レベル上がる(第4レベルの音量出力となる)。そして、操作後所定期間(例えば3秒)が経過すると、図25(F)に示すように、音量状況表示画像VLが消去される。
図25(D)を経て、図25(H)に示すようにバトル演出結果(ここでは例えばバトル敗北結果)が表示されることによりスーパーリーチ演出が終了し、例えば図25(I)に示すようなリーチ組合せの最終停止図柄が導出表示される。また、図25(I)に示すように、スーパーリーチ演出が終了したため、変更後の音量状況表示画像VLが表示されるとともに、保留表示が復帰される。
また、図25(D)、(E)に示すように、スーパーリーチ演出中の遊技状態(第2状態)における音量状況表示画像VLは、図25(I)に示すようにスーパーリーチ演出中以外の遊技状態(第1状態)のときの音量状況表示画像VLの表示態様と同じに表示されるので、第2状態における音量状況表示画像VLの表示を分かり易くすることができる。なお、前述のように第1状態と第2状態とで同じでなくてもよい。例えば、第2状態における音量状況表示画像VLは、[1]第1状態における音量状況表示画像VLとは異なる表示を第1状態の場合と同じ表示箇所に表示してもよいし、[2]第1状態における音量状況表示画像VLとは同じ表示を第1状態の場合と異なる表示箇所に表示してもよいし、[3]第1状態における音量状況表示画像VLとは異なる表示を第1状態の場合と異なる表示箇所に表示してもよい。
ここで、図25に示したスーパーリーチ変動表示において音量変更操作ありの場合についての音量状況表示の実行タイミングなどについて、図26(B)を用いて説明する。図26(B)は、スーパーリーチ変動表示において音量変更操作ありの場合についての音量状況表示の実行タイミングの一例を示す図である。
図26(B)に示すように、スーパーリーチ演出中に、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作があり、かかる操作がコントローラセンサユニット35Aにて検出されている。つまり、コントローラセンサユニット35Aでは、遊技者による操作に応じた検出信号(パルス信号)を検出し、演出制御基板12に出力する。そして、音量状況表示は、スーパーリーチ演出中において遊技者による操作後所定期間(例えば3秒)にわたって音量状況表示画像VLが画像表示装置5に表示されている。
次に、スーパーリーチ演出の開始直前に音量変更操作があった場合についての音量状況表示の実行タイミングなどについて、図27(A)を用いて説明する。図27(A)は、スーパーリーチ演出の開始直前に音量変更操作があった場合についての音量状況表示の実行タイミングの一例を示す図である。
図27(A)に示すように、スーパーリーチ演出の開始直前(例えば、開始3秒前から開始までの期間内)に、遊技者がスティックコントローラ31Aを操作することがある。この場合も、かかる操作がコントローラセンサユニット35Aにて検出され、音量状況表示画像VLの表示が開始される。そして、操作後所定期間(例えば3秒)内、つまり、音量状況表示画像VLの表示開始から所定期間(例えば3秒)内に、スーパーリーチ演出が開始するので、何らかの対策を講じなければスーパーリーチ演出の開始タイミングで音量状況表示画像VLが途中で消去されることになる。この実施の形態では、前述の図23に示す一時表示処理内のステップS701〜ステップS706により、スーパーリーチ演出の開始直前に表示された音量状況表示画像VLが延長して表示されるようになっている(図27(A)に示す延長表示分を参照)。これにより、スーパーリーチ演出の開始直前に音量状況表示画像VLの表示を開始した場合であっても、音量状況表示画像VLが延長表示され、スーパーリーチ演出の開始タイミングで音量状況表示画像VLが途中で消去されることを防止できる。図27(A)に示す例では、操作後所定期間(3秒)は音量状況表示画像VLが表示されるように確保されている。これに対して、図27(B)に示すように、スーパーリーチ演出の開始タイミングから所定期間(例えば3秒)は音量状況表示画像VLが表示されるようにしてもよい。
次に、スーパーリーチ演出の終了直前に音量変更操作があった場合についての音量状況表示の実行タイミングなどについて、図27(C)を用いて説明する。図27(C)は、スーパーリーチ演出の終了直前に音量変更操作があった場合についての音量状況表示の実行タイミングの一例を示す図である。
図27(C)に示すように、スーパーリーチ演出の終了直前(例えば、終了3秒前から終了までの期間内)に、遊技者がスティックコントローラ31Aを操作することがある。この場合も、かかる操作がコントローラセンサユニット35Aにて検出され、音量状況表示画像VLの表示が開始される。そして、操作後所定期間(例えば3秒)内、つまり、音量状況表示画像VLの表示開始から所定期間(例えば3秒)内に、スーパーリーチ演出が終了するので、何らかの対策を講じなければ、かかる所定期間の経過時に音量状況表示画像VLを一旦消去した後再び表示させることになる。この実施の形態では、前述の図16に示す音量状況表示処理内のステップS601、ステップS602、ステップS604、ステップS605により、スーパーリーチ演出の終了直前に表示された音量状況表示画像VLをスーパーリーチ演出の終了後もそのまま継続して表示されるようになっている(図27(C)に示す「表示継続」を参照)。これにより、スーパーリーチ演出の終了直前に音量状況表示画像VLの表示を開始した場合であっても、音量状況表示画像VLの表示が継続され、操作後所定期間の経過時に音量状況表示画像VLを一旦消去して再び表示させるという無駄な処理を省くことができる。
(アタッカー開放時演出処理について)
ここからは、図15に示すアタッカー開放時演出処理(ステップS174)について説明する。
図28は、アタッカー開放時演出処理の一例を示すフローチャートである。アタッカー開放時演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS181)。このとき、大当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS181;NO)、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「1」〜「4」となる第1ラウンド〜第4ラウンドの実行中であるか否かを判定する(ステップS182)。
ステップS182にて第1ラウンド〜第4ラウンドの実行中であると判定された場合には(ステップS182;YES)、大当り中昇格演出となる演出動作の制御を行う(ステップS183)。このように、この実施の形態では、大当り遊技状態における第1ラウンド〜第4ラウンドの実行中にて、確変状態に制御するか否かの報知演出となる第6報知としての大当り中昇格演出が実行される。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が非確変大当り組み合わせであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて非確変図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うこと等により、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
ステップS182にて第1ラウンド〜第4ラウンドの実行中ではないと判定された場合や(ステップS182;NO)、ステップS183の処理を実行した後には、所定の確変制御条件が成立したことを報知するための確変確定報知演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS184)。なお、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、確変制御条件が成立したか否かを判定すればよい。また、例えば、遊技盤の特定領域に遊技球が通過したことに応じて、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する構成としてもよい。この場合、当該特定領域に特定領域スイッチを設け、演出制御用CPU120は、特定領域スイッチが遊技球の通過を検出すると、確変制御条件が成立したと判定すればよい。
(確変確定報知演出動作制御処理)
図29は、確変確定報知演出動作制御処理として、図28のステップS184にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この確変確定報知演出動作制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、確変確定報知演出期間であるか否かを、例えば、演出制御パターンに基づいて判定する(ステップS801)。
ステップS801にて確変確定報知演出期間でない場合には(ステップS801;NO)、確変確定通知コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS802)。このとき、確変確定通知コマンドの受信がない場合には(ステップS802;NO)、確変確定報知演出動作制御処理を終了する。
ステップS802にて確変確定通知コマンドの受信があった場合や(ステップS802;YES)、ステップS801にて確変確定報知演出期間である場合には(ステップS801;YES)、エラー報知の実行中であるか否かを判定する(ステップS803)。このとき、エラー報知の実行中ではない場合には(ステップS803;NO)、最上位のレイヤーで確変確定報知演出を実行するための動作制御を行った後(ステップS804)、確変確定報知演出動作制御処理を終了する。例えば、ステップS804の処理では、確変確定報知演出を実行するために予め用意された演出制御パターン等から読み出した演出制御実行データに応じて、所定の演出態様による確変確定報知演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して伝送させればよい。これにより、例えば図34(B)に示すような確変確定報知演出画像を、最上位のレイヤーに表示させるといった、確変確定報知演出が実行される。
なお、後述の演出動作制御にかかるステップS805(図29)、ステップS818〜S820(図30)、ステップS900〜S902(図31)、ステップS465〜S468(図32)、ステップS475〜S479(図33)も、ステップS804と同様に、予め用意された演出制御パターン等から読み出した演出制御実行データに応じて、所定の演出態様による演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14等に対して伝送させればよい。
図34(B)に示す確変確定報知演出画像は、所定の確変制御条件が成立したことに対応して、「確変!」というメッセージを報知する文字画像MM2を含んでいる。なお、確変確定報知演出画像の表示時間(確変確定報知演出の実行期間)は、例えば、20秒であってもよい。
ステップS803にてエラー報知の実行中である場合には(ステップS803;YES)、エラー報知が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで確変確定報知演出を実行するための動作制御を行った後(ステップS805)、確変確定報知演出動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、エラー報知画像のZ値が「0」に設定され、確変確定報知演出画像のZ値が「1」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、確変確定報知演出画像をエラー報知画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、確変確定報知演出よりもエラー報知を優先的に実行する制御を行う。
図28のステップS184にて、このような確変確定報知演出動作制御処理を実行した後には、大当り中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS185)。
(賞球数報知演出動作制御処理)
図30は、賞球数報知演出動作制御処理として、図28のステップS185にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この賞球数報知演出動作制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、賞球数報知演出期間であるか否かを、例えば、演出制御パターンに基づいて判定する(ステップS811)。
ステップS811にて賞球数報知演出期間でない場合には(ステップS811;NO)、大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2000個」に到達したことを報知する賞球数報知演出を実行済みか否かを判定する(ステップS812)。ステップS812の処理では、例えば大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2000個」に到達したことを報知したときにオン状態にセットされる2000個到達フラグを設けておき、その2000個到達フラグがオン状態であるか否かに基づいて判定すればよい。
なお、ステップS812と同様に、後述のステップS814(図30)、ステップS393、S395(図31)の各処理においても、例えば、賞球として払い出された賞球数が「所定個」に到達したことを報知したときにオン状態にセットされる到達フラグを設けておき、この到達フラグがオン状態であるか否かに基づいて判定すればよい。
ステップS812にて大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2000個」に到達したことを報知する賞球数報知演出を実行済みではない場合には(ステップS812;NO)、RAM122の所定領域に記憶されている賞球数カウント値を読み出し、その読出値が「2000」以上であるか否かを判定する(ステップS813)。このとき、賞球数カウント値が「2000」以上ではない場合には(ステップS813;NO)、賞球数報知演出動作制御処理を終了する。
ステップS812にて大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2000個」に到達したことを報知する賞球数報知演出を実行済みである場合には(ステップS812;YES)、大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2400個」に到達したことを報知する賞球数報知演出を実行済みか否かを判定する(ステップS814)。
ステップS814にて大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2400個」に到達したことを報知する賞球数報知演出を実行済みである場合には(ステップS814;YES)、賞球数報知演出動作制御処理を終了する。
ステップS814にて大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2400個」に到達したことを報知する賞球数報知演出を実行済みではない場合には(ステップS814;NO)、RAM122の所定領域に記憶されている賞球数カウント値を読み出し、その読出値が「2400」以上であるか否かを判定する(ステップS815)。このとき、賞球数カウント値が「2400」以上ではない場合には(ステップS815;NO)、賞球数報知演出動作制御処理を終了する。
ステップS813にて賞球数カウント値が「2000」以上である場合や(ステップS813;YES)、ステップS815にて賞球数カウント値が「2400」以上である場合や(ステップS815;YES)、ステップS811にて賞球数報知演出期間である場合には(ステップS811;YES)、確変確定報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS816)。
ステップS816にて確変確定報知演出の実行中ではない場合には(ステップS816;NO)、エラー報知の実行中であるか否かを判定する(ステップS817)。このとき、エラー報知の実行中ではない場合には(ステップS817;NO)、最上位のレイヤーで賞球数報知演出を実行するための動作制御を行った後(ステップS818)、賞球数報知演出動作制御処理を終了する。これにより、例えば図34(C)に示すような賞球数報知演出画像を、最上位のレイヤーに表示させるといった、賞球数報知演出が実行される。
図34(C)に示す賞球数報知演出画像は、大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2000個」に到達したことに対応して、「2000GET」というメッセージを報知する文字画像MM3や、その「2000GET」というメッセージを台詞として発している態様のキャラクタ画像CA1を、含んでいる。なお、賞球数報知演出画像の表示時間(累積賞球数報知演出の実行期間)は、例えば、10秒であってもよい。
ステップS817にてエラー報知の実行中である場合には(ステップS817;YES)、エラー報知が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで賞球数報知演出を実行するための動作制御を行った後(ステップS819)、賞球数報知演出動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、エラー報知画像のZ値が「0」に設定され、賞球数報知演出画像のZ値が「2」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、賞球数報知演出画像をエラー報知画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、賞球数報知演出よりもエラー報知を優先的に実行する制御を行う。
ステップS816にて確変確定報知演出の実行中である場合には(ステップS816;YES)、確変確定報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで賞球数報知演出を実行するための動作制御を行った後(ステップS820)、賞球数報知演出動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、確変確定報知演出画像のZ値が「1」に設定され、賞球数報知演出画像のZ値が「2」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、賞球数報知演出画像を確変確定報知演出画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、賞球数報知演出よりも確変確定報知演出を優先的に実行する制御を行う。
なお、図30では、ステップS820の処理を行った場合には賞球数報知演出動作制御処理を終了しているが、ステップS820の処理に続いてステップS817の処理を実行してもよい。即ち、賞球数報知演出動作制御処理(ステップS185)の1回の実行において、纏めて複数のレイヤーにおける動作制御を行うようにしてもよい。他の同様の動作制御処理(例えば、図31の累積賞球数報知演出動作制御処理(ステップS186)等)においても同様である。
図28のステップS185にて、このような賞球数報知演出動作制御処理を実行した後には、連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数を報知する累積賞球数報知演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS186)。
(累積賞球数報知演出動作制御処理)
図31は、累積賞球数報知演出動作制御処理として、図28のステップS186にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この累積賞球数報知演出動作制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り中昇格演出が終了したか否かを判定する(ステップS391)。ステップS391の処理では、例えば大当り中昇格演出の実行中にオン状態となる大当り中昇格演出フラグを設けておき、その大当り中昇格演出フラグがオン状態であるか否かに基づいて判定すればよい。
ステップS391にて大当り中昇格演出が終了していなければ(ステップS391;NO)、累積賞球数報知演出動作制御処理を終了する。このように、この実施の形態では、大当り中昇格演出が終了するまでは、累積賞球数報知演出は実行されない。これは、この実施の形態では第1ラウンド〜第4ラウンドにて実行される大当り中昇格演出が、遊技状態が確変状態となる昇格があるか否かという、遊技者が注視すべき重要な演出であるところ、その大当り中昇格演出が終了するまでの間に、連チャンが継続することを前提として演出効果が向上する累積賞球数報知演出が実行されることにより、連チャンが継続するか否かを報知することにもなる大当り中昇格演出への注目度を低下させないようにするためである。
ステップS391にて大当り中昇格演出が終了している場合には(ステップS391;YES)、累積賞球数報知演出期間であるか否かを、例えば、演出制御パターンに基づいて判定する(ステップS392)。
ステップS392にて累積賞球数報知演出期間でない場合には(ステップS392;NO)、連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数が「5000個」に到達したことを報知する累積賞球数報知演出を実行済みか否かを判定する(ステップS393)。
ステップS393にて連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数が「5000個」に到達したことを報知する累積賞球数報知演出を実行済みではない場合には(ステップS393;NO)、RAM122の所定領域に記憶されている累積賞球数カウント値を読み出し、その読出値が「5000」以上であるか否かを判定する(ステップS394)。このとき、累積賞球数カウント値が「5000」以上ではない場合には(ステップS394;NO)、累積賞球数報知演出動作制御処理を終了する。
ステップS393にて連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数が「5000個」に到達したことを報知する累積賞球数報知演出を実行済みである場合には(ステップS393;YES)、連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数が「10000個」に到達したことを報知する累積賞球数報知演出を実行済みか否かを判定する(ステップS395)。
ステップS395にて連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数が「10000個」に到達したことを報知する累積賞球数報知演出を実行済みである場合には(ステップS395;YES)、累積賞球数報知演出動作制御処理を終了する。
ステップS395にて連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数が「10000個」に到達したことを報知する累積賞球数報知演出を実行済みではない場合には(ステップS395;NO)、RAM122の所定領域に記憶されている累積賞球数カウント値を読み出し、その読出値が「10000」以上であるか否かを判定する(ステップS396)。このとき、累積賞球数カウント値が「10000」以上ではない場合には(ステップS396;NO)、累積賞球数報知演出動作制御処理を終了する。
ステップS394にて累積賞球数カウント値が「5000」以上である場合や(ステップS394;YES)、ステップS396にて累積賞球数カウント値が「10000」以上である場合や(ステップS396;YES)、ステップS392にて累積賞球数報知演出期間である場合には(ステップS392;YES)、賞球数報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS397)。
ステップS397にて賞球数報知演出の実行中である場合には(ステップS397;YES)、累積賞球数報知演出動作制御処理を終了する。このように、この実施の形態では、賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されない。これは、賞球数報知演出と累積賞球数報知演出とが互いに類似する演出であり、同時に実行されることにより、いずれの演出への注目度も低下させてしまう虞があるからである。そこで、この実施の形態では、累積賞球数報知演出よりも賞球数報知演出を優先的に実行するようにしている。なお、賞球数報知演出よりも累積賞球数報知演出を優先的に実行することで、いずれの演出への注目度の低下を防止してもよい。
ステップS397にて賞球数報知演出の実行中ではない場合には(ステップS397;NO)、確変確定報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS398)。このとき、確変確定報知演出の実行中ではない場合には(ステップS398;NO)、エラー報知の実行中であるか否かを判定する(ステップS399)。
ステップS399にてエラー報知の実行中ではない場合には(ステップS399;NO)、最上位のレイヤーで累積賞球数報知演出を実行するための動作制御を行った後(ステップS900)、累積賞球数報知演出動作制御処理を終了する。これにより、例えば図34(D)に示すような累積賞球数報知演出画像を、最上位のレイヤーに表示させるといった、累積賞球数報知演出が実行される。
図34(D)に示す累積賞球数報知演出画像は、連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数が「5000個」に到達したことに対応して、「5000OVER!」というメッセージを報知する文字画像MM4や、その「5000OVER!」というメッセージを台詞として発している態様のキャラクタ画像CA2を、含んでいる。なお、累積賞球数報知演出画像の表示時間(累積賞球数報知演出の実行期間)は、例えば、10秒であってもよい。
ステップS399にてエラー報知の実行中である場合には(ステップS399;YES)、エラー報知が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで累積賞球数報知演出を実行するための動作制御を行った後(ステップS901)、累積賞球数報知演出動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、エラー報知画像のZ値が「0」に設定され、累積賞球数報知演出画像のZ値が「2」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、累積賞球数報知演出画像をエラー報知画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、累積賞球数報知演出よりもエラー報知を優先的に実行する制御を行う。
ステップS398にて確変確定報知演出の実行中である場合には(ステップS398;YES)、確変確定報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで累積賞球数報知演出を実行するための動作制御を行った後(ステップS902)、累積賞球数報知演出動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、確変確定報知演出画像のZ値が「1」に設定され、累積賞球数報知演出画像のZ値が「2」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、累積賞球数報知演出画像を確変確定報知演出画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、累積賞球数報知演出よりも確変確定報知演出を優先的に実行する制御を行う。
図28のステップS186にて、このような累積賞球数報知演出動作制御処理を実行した後には、連チャン回数を報知する連チャン回数報知を実行するための動作制御を行う(ステップS187)。
(連チャン回数報知動作制御処理)
図32は、連チャン回数報知動作制御処理として、図28のステップS187にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この連チャン回数報知動作制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、累積賞球数報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS461)。このとき、累積賞球数報知演出の実行中ではない場合には(ステップS461;NO)、賞球数報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS462)。
ステップS462にて賞球数報知演出の実行中ではない場合には(ステップS462;NO)、確変確定報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS463)。このとき、確変確定報知演出の実行中ではない場合には(ステップS463;NO)、エラー報知の実行中であるか否かを判定する(ステップS464)。
ステップS464にてエラー報知の実行中ではない場合には(ステップS464;NO)、最上位のレイヤーで連チャン回数報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS465)、連チャン回数報知動作制御処理を終了する。これにより、例えば図34(E)に示すような連チャン回数報知画像を、最上位のレイヤーに表示させるといった、連チャン回数報知が実行される。
図34(E)に示す連チャン回数報知は、連チャン回数に対応して、「大当り×N(Nは連チャン回数)」というメッセージを報知する文字画像MM5を、含んでいる。なお、連チャン回数の報知(表示)時間は、例えば、5秒であってもよい。
ステップS464にてエラー報知の実行中である場合には(ステップS464;YES)、エラー報知が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで連チャン回数報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS466)、連チャン回数報知動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、エラー報知画像のZ値が「0」に設定され、連チャン回数報知画像のZ値が「3」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、連チャン回数報知画像をエラー報知画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、連チャン回数報知よりもエラー報知を優先的に実行する制御を行う。
ステップS463にて確変確定報知演出の実行中である場合には(ステップS463;YES)、確変確定報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで連チャン回数報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS467)、連チャン回数報知動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、確変確定報知演出画像のZ値が「1」に設定され、連チャン回数報知画像のZ値が「3」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、連チャン回数報知画像を確変確定報知演出画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、連チャン回数報知よりも確変確定報知演出を優先的に実行する制御を行う。
ステップS462にて賞球数報知演出の実行中である場合には(ステップS462;YES)、賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで連チャン回数報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS468)、連チャン回数報知動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、賞球数報知演出画像のZ値が「2」に設定され、連チャン回数報知画像のZ値が「3」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、連チャン回数報知画像を賞球数報知演出画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、連チャン回数報知よりも賞球数報知演出を優先的に実行する制御を行う。
ステップS461にて累積賞球数報知演出の実行中である場合には(ステップS461;YES)、累積賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで連チャン回数報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS469)、連チャン回数報知動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、累積賞球数報知演出画像のZ値が「2」に設定され、連チャン回数報知画像のZ値が「3」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、連チャン回数報知画像を累積賞球数報知演出画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、連チャン回数報知よりも累積賞球数報知演出を優先的に実行する制御を行う。
図28のステップS187にて、このような連チャン回数報知動作制御処理を実行した後には、大当り中に再生されている楽曲名を報知する大当り中楽曲名報知動作制御処理を実行する(ステップS188)。
(大当り中楽曲名報知動作制御処理)
図33は、大当り中楽曲名報知動作制御処理として、図28のステップS188にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この大当り中楽曲名報知動作制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、累積賞球数報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS471)。このとき、累積賞球数報知演出の実行中ではない場合には(ステップS471;NO)、賞球数報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS472)。
ステップS472にて賞球数報知演出の実行中ではない場合には(ステップS472;NO)、確変確定報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS473)。このとき、確変確定報知演出の実行中ではない場合には(ステップS473;NO)、エラー報知の実行中であるか否かを判定する(ステップS474)。
ステップS474にてエラー報知の実行中ではない場合には(ステップS474;NO)、最上位のレイヤーで大当り中楽曲名報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS475)、大当り中楽曲名報知動作制御処理を終了する。これにより、例えば図34(F)に示すような大当り中楽曲名報知画像を、最上位のレイヤーに表示させるといった、大当り中楽曲名報知が実行される。
図34(F)に示す大当り中楽曲名報知は、大当り中に再生されている楽曲名に対応して、「MUSIC:xxxxxxx(xxxxxxxは楽曲名)」というメッセージを報知する文字画像MM6を、含んでいる。なお、楽曲名の報知(表示)時間(大当り中楽曲名報知の実行時間)は、例えば、30秒であってもよい。
ステップS474にてエラー報知の実行中である場合には(ステップS474;YES)、エラー報知が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで大当り中楽曲名報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS476)、大当り中楽曲名報知動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、エラー報知画像のZ値が「0」に設定され、大当り中楽曲名報知画像のZ値が「3」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、大当り中楽曲名報知画像をエラー報知画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、大当り中楽曲名報知よりもエラー報知を優先的に実行する制御を行う。
ステップS473にて確変確定報知演出の実行中である場合には(ステップS473;YES)、確変確定報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで大当り中楽曲名報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS477)、大当り中楽曲名報知動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、確変確定報知演出画像のZ値が「1」に設定され、大当り中楽曲名報知画像のZ値が「3」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、大当り中楽曲名報知画像を確変確定報知演出画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、大当り中楽曲名報知よりも確変確定報知演出を優先的に実行する制御を行う。
ステップS472にて賞球数報知演出の実行中である場合には(ステップS472;YES)、賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで大当り中楽曲名報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS478)、大当り中楽曲名報知動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、賞球数報知演出画像のZ値が「2」に設定され、大当り中楽曲名報知画像のZ値が「3」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、大当り中楽曲名報知画像を賞球数報知演出画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、大当り中楽曲名報知よりも賞球数報知演出を優先的に実行する制御を行う。
ステップS471にて累積賞球数報知演出の実行中である場合には(ステップS471;YES)、累積賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで大当り中楽曲名報知を実行するための動作制御を行った後(ステップS479)、大当り中楽曲名報知動作制御処理を終了する。本実施の形態では、上述したように、累積賞球数報知演出画像のZ値が「2」に設定され、大当り中楽曲名報知画像のZ値が「3」に設定されて登録されている。これにより、演出制御用CPU120は、大当り中楽曲名報知画像を累積賞球数報知演出画像が表示されているレイヤーよりも下位のレイヤーに表示させるといった、大当り中楽曲名報知よりも累積賞球数報知演出を優先的に実行する制御を行う。
図28に示すステップS181にて大当り終了指定コマンドの受信があった場合には(ステップS181;YES)、大当り終了報知演出時間を設定する(ステップS189)。ステップS189の処理では、例えば主基板11から伝送された大当り終了指定コマンドにより特定される大当り終了時演出待ち時間に対応して、複数種類の大当り終了報知演出時間のうちいずれかを選択して設定すればよい。より具体的には、大当り終了指定コマンドにより指定された大当り終了時演出待ち時間と同一の時間を、大当り終了報知演出時間として設定すればよい。
ステップS189の処理に続いて、大当り終了報知演出制御パターンを設定する(ステップS190)。ステップS190の処理では、例えば主基板11から伝送された大当り終了指定コマンドにより特定される確変状態となるか否かの制御内容や、ステップS189の処理にて設定した大当り終了報知演出時間等に対応して、予め用意された複数種類の大当り終了報知演出制御パターンのうちから、使用パターンとなるものを選択して設定すればよい。
ステップS190の処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値を“5”に更新してから(ステップS191)、アタッカー開放時演出処理を終了する。演出プロセスフラグの値が“5”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図15に示すエンディング演出処理(ステップS175)が実行される。
図36は、賞球数報知演出、累積賞球数報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間が重なった場合に、画像表示装置5の表示領域に報知画像を表示させる動作例を示している。例えば、大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2000個」に到達したときには、連チャン回数報知や大当り中楽曲名報知、累積賞球数報知演出の実行期間であるか否かにかかわらず、図30の賞球数報知演出動作制御処理におけるステップS818の処理にて、図36(A)に示すように、最上位のレイヤーで賞球数報知演出を実行するための動作制御が行われる。
一方、連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数が「5000個」に到達したときには、図31の累積賞球数報知演出動作制御処理におけるステップS397以降の処理が実行される。この例の場合には、賞球数報知演出を実行するための動作制御が行われることから、図31に示すステップS397にて、賞球数報知演出の実行中であることを理由として、図36(A)に示すように、累積賞球数報知演出は実行されない。
また、この例の場合には、賞球数報知演出を実行するための動作制御が行われることから、図32の連チャン回数報知動作制御処理におけるステップS468の処理にて、図36(A)に示すように、賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで連チャン回数報知を実行するための動作制御が行われる。
更に、この例の場合には、賞球数報知演出を実行するための動作制御が行われることから、図33の大当り中楽曲名報知動作制御処理におけるステップS478の処理にて、図36(A)に示すように、賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで大当り中楽曲名報知を実行するための動作制御が行われる。
このように、賞球数報知演出、累積賞球数報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間が重なった場合には、図36(B)に示すように、最上位のレイヤーで賞球数報知演出が実行されると共に、それよりも下位のレイヤーで連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知が実行される一方で、累積賞球数報知演出は実行されない。
図37は、確変確定報知演出、賞球数報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間が重なった場合に、画像表示装置5の表示領域に報知画像を表示させる動作例を示している。例えば、所定の確変制御条件が成立したときには、賞球数報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間であるか否かにかかわらず、図29の確変確定報知演出動作制御処理におけるステップS804の処理にて、図37(A)に示すように、最上位のレイヤーで確変確定報知演出を実行するための動作制御が行われる。
一方、大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2000個」に到達したときには、図30の賞球数報知演出動作制御処理におけるステップS816以降の処理が実行される。この例の場合には、確変確定報知演出を実行するための動作制御が行われることから、ステップS820の処理にて、図37(A)に示すように、確変確定報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで賞球数報知演出を実行するための動作制御が行われる。
また、この例の場合には、賞球数報知演出を実行するための動作制御が行われることから、図32の連チャン回数報知動作制御処理におけるステップS468の処理にて、図37(A)に示すように、賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで連チャン回数報知を実行するための動作制御が行われる。
更に、この例の場合には、賞球数報知演出を実行するための動作制御が行われることから、図33の大当り中楽曲名報知動作制御処理におけるステップS478の処理にて、図37(A)に示すように、賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで大当り中楽曲名報知を実行するための動作制御が行われる。
このように、確変確定報知演出、賞球数報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間が重なった場合には、図37(B)に示すように、最上位のレイヤーで確変確定報知演出が実行されると共に、それよりも下位のレイヤーで賞球数報知演出が実行され、それよりも更に下位のレイヤーで連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知が実行される。
図38は、エラー報知、賞球数報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間が重なった場合に、画像表示装置5の表示領域に報知画像を表示させる動作例を示している。例えば、磁石を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような行為を検出したときには、賞球数報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間であるか否かにかかわらず、図14のステップS143の処理にて、図38(A)に示すように、最上位のレイヤーでエラー報知を実行するための動作制御が行われる。
一方、大当り中に賞球として払い出された賞球数が「2000個」に到達したときには、図30の賞球数報知演出動作制御処理におけるステップS816以降の処理が実行される。この例の場合には、エラー報知を実行するための動作制御が行われることから、ステップS819の処理にて、図38(A)に示すように、エラー報知が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで賞球数報知演出を実行するための動作制御が行われる。
また、この例の場合には、賞球数報知演出を実行するための動作制御が行われることから、図32の連チャン回数報知動作制御処理におけるステップS468の処理にて、図38(A)に示すように、賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで連チャン回数報知を実行するための動作制御が行われる。
更に、この例の場合には、賞球数報知演出を実行するための動作制御が行われることから、図33の大当り中楽曲名報知動作制御処理におけるステップS478の処理にて、図38(A)に示すように、賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで大当り中楽曲名報知を実行するための動作制御が行われる。
このように、エラー報知、賞球数報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間が重なった場合には、図38(B)に示すように、最上位のレイヤーでエラー報知が実行されると共に、それよりも下位のレイヤーで賞球数報知演出が実行され、それよりも更に下位のレイヤーで連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知が実行される。
図39は、エラー報知、確変確定報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間が重なった場合に、画像表示装置5の表示領域に報知画像を表示させる動作例を示している。例えば、磁石を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような行為を検出したときには、確変確定報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間であるか否かにかかわらず、図14のステップS143の処理にて、図39(A)に示すように、最上位のレイヤーでエラー報知を実行するための動作制御が行われる。
一方、所定の確変制御条件が成立したときには、図29の確変確定報知演出動作制御処理におけるステップS803以降の処理が実行される。この例の場合には、エラー報知を実行するための動作制御が行われることから、ステップS805の処理にて、図39(A)に示すように、エラー報知が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで確変確定報知演出を実行するための動作制御が行われる。
また、この例の場合には、確変確定報知演出を実行するための動作制御が行われることから、図32の連チャン回数報知動作制御処理におけるステップS467の処理にて、図39(A)に示すように、確変確定報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで連チャン回数報知を実行するための動作制御が行われる。
更に、この例の場合には、確変確定報知演出を実行するための動作制御が行われることから、図33の大当り中楽曲名報知動作制御処理におけるステップS477の処理にて、図39(A)に示すように、確変確定報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで大当り中楽曲名報知を実行するための動作制御が行われる。
このように、エラー報知、確変確定報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知の実行期間が重なった場合には、図39(B)に示すように、最上位のレイヤーでエラー報知が実行されると共に、それよりも下位のレイヤーで確変確定報知演出が実行され、それよりも更に下位のレイヤーで連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知が実行される。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
一例として、上記実施の形態では、例えば磁石を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような行為について、主基板11から送信された磁気異常報知指定コマンドに対応したエラー報知等が行われるものとして説明した。これに対して、異常としては、上述した電波異常の他、振動異常、電波異常、前面ドアの開放異常、払出機構の異常、大入賞口の不正入賞異常、下皿が満タンになっている異常等があり、異常検出用センサ群等を用いて検出されるものであってもよい。そして、これらの異常についても、上記実施の形態におけるエラー報知と同様に、他の報知に対して、それぞれ優先度合いが設定されていればよい。その場合、異常の種類毎に重大度などを勘案して優先順位を設定すればよい。
また、上記実施の形態では、賞球数報知演出を、特定期間としての大当り中に賞球として払い出された賞球数を報知するものとして説明した。これに対して、特定期間は、例えば1ラウンド中や1分間等、大当り中以外の期間であってもよい。こうした構成により、例えば大入賞口を遊技球が通過することにより払い出される賞球数の違い等に応じて、好適なタイミングで賞球数報知演出を実行することができる。
また、上記実施の形態では、累積賞球報知演出を、特別期間としての連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数を報知するものとして説明した。これに対して、特別期間は、例えば1日間や、1週間等、連チャン中以外の期間であってもよい。こうした構成により、例えば大入賞口を遊技球が通過することにより払い出される賞球数の違いや、連チャン率の違い等に応じて、好適なタイミングで累積賞球数報知演出を実行することができる。
また、上記実施の形態では、状態に関する報知の例として確変確定報知を説明したが、これに限られない。例えば、遊技者に対し特定領域に遊技球を通過させる旨の報知(例えば、右打ちの報知等)、遊技球が所定領域を通過したことにより大当りが確定する態様において、遊技者に対し特定領域に遊技球を通過させる旨の報知、遊技球が上記所定領域を通過した旨の報知、確変昇格演出による報知、ラウンド数昇格演出による報知、ST回数又は時短回数に関する昇格(当初報知回数よりも増加する旨)の報知、保留内連チャンに関する報知(保留内連チャンの確定報知、保留内連チャンの期待度の報知)、ST回数又は時短回数の残数に関する報知などであってもよい。
また、上記実施の形態では、各報知画像に対してZ値が設定されることにより、優先順位が決定されるものとして説明した。これに対して、各報知の優先順位は、例えば確変確定報知演出よりもエラー報知を優先的に実行し、賞球数報知演出よりもエラー報知を優先的に実行する一方で、エラー報知と確変確定報知演出と賞球数報知演出とが同時に実行されるときには、エラー報知よりも確変確定報知演出を優先的に実行するといった、同時に実行される報知の組み合わせに応じて、各報知の優先順位が変化するようにしてもよい。こうした構成により、同時に実行される報知の組み合わせに応じて好適に報知を実行することができる。
また、上記実施の形態では、例えば最終ラウンドの最終カウント目の入賞によって、累積賞球数が「5000個」や「10000個」に到達した場合には、累積賞球数報知演出はエンディング演出中に実行されることになる。しかしながら、エンディング演出の終了後に確変制御が行われるときは、当該エンディング演出中に累積賞球数報知演出を実行せずに、次回の大当りが発生したときのファンファーレ演出中に累積賞球数報知演出を実行するようにしてもよい(即ち、次回大当りの発生後であって大入賞口を開放状態とする前に累積賞球数報知演出を行うようにしてもよい)。また、上記に代えて、次回大当りの1ラウンド目の開始時に(大入賞口への入賞がなくても)、累積賞球数報知演出を行うようにしてもよいし、次回大当りの1ラウンド目において最初の入賞があったときに、累積賞球数報知演出を行うようにしてもよい。こうした構成により、エンディング演出の時間が短くても、累積賞球数報知演出を好適に実行することができる。
なお、エンディング演出の終了後に確変制御が行われないとき(例えば、高開放制御のみが行われるとき)も同様に、当該エンディング演出中に累積賞球数報知演出を実行せずに、次回の大当りが発生したときのファンファーレ演出中に累積賞球数報知演出を実行するようにしてもよいし、次回大当りの1ラウンド目の開始時や、次回大当りの1ラウンド目において最初の入賞があったときに、累積賞球数報知演出を行うようにしてもよい。なお、次回大当りが発生せずに、確変制御が終了した場合(例えば、ST回数が終了した場合)や、高開放制御が終了した場合には、確変制御や高開放制御が終了したときに、累積賞球数報知演出を実行するようにしてもよい。なお、エンディング演出の終了後に確変制御が行われないとき(例えば、確変制御も高開放制御も行われないとき)には、エンディング演出の終了後の最初の可変表示が行われるときに(保留がないときにはエンディング演出の終了したときに)、累積賞球数報知演出を実行するようにしてもよい。
また、上記実施の形態において、最終ラウンドにおいて所謂オーバー入賞が発生した場合には、エンディング演出中にオーバー入賞に係る報知演出を実行してもよいし、エンディング演出の終了後の最初の可変表示が行われるときに(保留がないときにはエンディング演出の終了したときに)、オーバー入賞に係る報知演出を実行してもよい。
また、上記実施の形態において、連チャン中における大当り遊技状態及び時短状態にて獲得したトータル賞球数を報知するトータル賞球数報知演出を、大当り中に実行するようにしてもよい。そして、このような実施の形態においても、トータル賞球数報知演出について、他の報知に対する優先度合いが設定されていればよい。こうした構成により、トータル賞球数報知演出と他の報知とが同時に実行される場合にも、各報知を好適に実行することができる。
また、上記実施の形態では、大当り中昇格演出が実行されるか否かにかかわらず、図31の累積賞球数報知演出動作制御処理におけるステップS391の処理にて、大当り中昇格演出が終了したか否かを判定しているが、このような処理を実行する前に、大当り中昇格演出が実行されるか否かを判定し、大当り中昇格演出が実行される場合には、ステップS391の処理を実行する一方で、大当り中昇格演出が実行されない場合には、ステップS391の処理を実行せずに、ステップS392以降の処理を実行するようにしてもよい。こうした構成により、大当り中昇格演出が実行されない場合にも、累積賞球数報知演出を実行することができる。
また、上記実施の形態では、連チャン中における大当り中に賞球として払い出された累積賞球数が「5000個」、「10000個」に到達したときに累積賞球数報知演出が実行されるものとして説明した。これに対して、累積賞球数報知演出は、例えば「5000個」、「10000個」、「20000個」、「30000個」、・・・といった、「10000個」よりも多数の賞球数を獲得したときにも実行されるようにしてもよい。こうした構成により、累積賞球数報知演出に対する注目を継続させることができる。
また、上記実施の形態では、賞球数報知演出の実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されないものとして説明した。これに対し、賞球数報知演出が実行される場合であっても、例えば賞球数報知演出が実行される前後の期間にて累積賞球数報知演出を実行するといった、賞球数報知演出と累積賞球数報知演出の実行期間が重ならないようにしてもよい。こうした構成により、賞球数報知演出と累積賞球数報知演出のいずれの演出についても好適に実行することができる。
上記実施の形態では、図24に示すように、音量調整の調整状況を示す音量状況表示画像VLを表示しているが、音量状況表示画像VLに加えて、画像表示装置5の表示画面などについての輝度調整の調整状況を示す輝度状況表示画像を表示するようにしてもよい。また、音量状況表示画像VLに替えて輝度状況表示画像のみを表示するものであってもよい。例えば、図16に示す音量状況表示処理(ステップS162)および図23に示す一時表示処理(ステップS348)を、音量状況表示画像VLや、輝度状況表示画像を表示可能とする処理に変更すればよい。また、音量状況表示画像VLに替えて、例えば保留変化予告の実行頻度であるモード状況を示すモード状況表示画像を表示するようにしてもよい。また、音量状況表示画像VLと輝度状況表示画像の少なくとも一方とともに、モード状況表示画像を表示するようにしてもよい。
上記の実施の形態では、図24(C)に示すように、音量状況表示画像VLが消去されて視認不可能としているが、音量状況表示画像VLを視認困難な態様で表示するようにしてもよい。例えば、音量状況表示画像VLを、半透明の表示態様で表示したり、非常に小さく縮小された表示態様(微小表示態様)で表示したり、などしてもよい。また、音量調整が常時可能である旨を報知するようにしてもよい。例えば、音量調整が常時可能である旨を、変動表示演出中のテロップ表示で報知するようにしてもよい。また、音量調整が常時可能である旨を、変動表示演出中の説明演出表示で報知するようにしてもよい。なお、テロップ表示や説明演出表示の実行は変動表示中に限らず、客待ち状態(いわゆる、客待ち中)や、大当り遊技状態などにおいて可能であってもよい。
上記の実施の形態では、スーパーリーチ演出中は、遊技者による要求が無い限り、図24(C)〜(H)に示すように画像表示装置5に音量状況表示画像VLを表示しないようにしているが、大当り遊技状態において、遊技者による要求が無い限り、音量状況表示画像VLを表示しないようにしてもよい。この場合、図16に示す音量状況表示処理や、図23に示す一時表示処理を、大当り中に実行可能に変形すればよい。例えば、音量状況表示処理におけるスーパーリーチ演出中か否かの判定処理に代え、大当り演出中か否かの判定処理を実行したり、各操作フラグなどを大当り時に則した操作フラグに変形したり等により、大当り中に音量状況表示処理が実行可能である。これは一時表示処理についても同様である。また、一時表示処理は、図28に示したアタッカー開放時演出処理に含まれる処理として変形すればよい。例えば、一時表示処理を、ステップS184〜S188のいずれかの間、もしくは、直前・直後に実行される処理として変形すればよい。なお、エンディング演出表示を行う場合には、エンディング演出期間についても、音量状況表示画像VLを画像表示装置5に表示するようにしてもよい。このような変形例によれば、特定演出(例えば、大当り中のラウンド演出、大当り中の祝福演出など)の演出効果の低下を抑制しつつ、遊技者の要望に応じて音量状況表示画像VLを表示(演出調整の調整状況を表示)することができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、大当り中の楽曲選択による検出制御を、調整状況の検出制御よりも優先するようにしてもよい。つまり、楽曲選択中では、演出調整(例えば音量調整、輝度調整、モード切替などの状況表示)が不可能としてもよい。特に、同一の操作手段(例えば、十字ボタンなど)により、楽曲選択のための操作と、演出調整のための操作とが行われる場合に有効となる。
なお、以上の説明ではパチンコ遊技機1について説明しているが、スロットマシンに適用してもよい。例えば、前述のパチンコ遊技機1では、第1状態は、例えば、スーパーリーチ演出中以外の遊技状態、または、客待ち状態などであってエラー表示中でない状態とし、特定演出(例えば、スーパーリーチ演出など)を実行する第2状態(例えば、スーパーリーチ演出中の遊技状態など)としているが、これに限定されない。例えばスロットマシンでは、第1状態は、複数ゲーム間に亘って行われる連続演出中以外の遊技状態、または、客待ち状態などであってエラー表示中でない状態などとし、特定演出(例えば、連続演出など)を実行する第2状態(例えば、連続演出中の遊技状態など)としてもよい。
また、特定演出としては、パチンコ遊技機1では大当り中の祝福演出(キャラクタ紹介)、昇格演出、V入賞報知などであってもよく、スロットマシンではAT報知(アシストタイム報知)、ART報知(アシストリプレイタイム報知)、大当りの1G連報知(1ゲーム連報知)、大当りの継続報知などなどであってもよい。
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
また、特別図柄や飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されない。例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、複数のLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、複数のLEDのうちで特定(単一)のLEDのみが点灯と消灯とを繰り返し、他のLEDは消灯された状態を維持する。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、点灯と消灯とを繰り返したLEDが所定の発光色で発光(点灯)した状態を維持すること、あるいは消灯した状態を維持することで、特別図柄を停止表示する。このとき、他のLEDは消灯された状態を維持する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、複数のLEDのうちで一部または全部のLEDが点灯する所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、特定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定特別図柄や確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(停止表示)されるものであってもよい。また、例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、7セグメントLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、「−」を示す記号の表示(点灯)と非表示(消灯)とを繰り返し、他の数字や記号は表示されないようにしてもよい。そして、特別図柄の可変表示結果としては、「−」を示す記号が停止表示されることはなく、「1」〜「9」を示す数字や、その他の記号などを含む所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、可変表示結果としては停止表示されない図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、可変表示時間や飾り図柄の可変表示態様などを示す変動パターンを演出制御基板12の側に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12の側に通知してもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連変動の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が2つのコマンドの組合せから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信してもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信してもよい。なお、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また上記実施の形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには発光体ユニットや遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
上記実施の形態では、図8に示す特別図柄通常処理にて決定される大当り種別に「確変」が含まれており、大当り種別の決定結果が「確変」であることに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーにおいて大入賞口(第2大入賞口)に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチによって検出されたことに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御してもよい。確変アタッカーの大入賞口(第2大入賞口)は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数(例えば「15」)であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化可能であり、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化不能であるとしてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(1−1)以上に説明した遊技機(パチンコ遊技機1)は、演出制御用CPU120が音声制御基板13などと協働して実現される楽曲再生手段を備える。また、遊技機は、特定期間(例えば大当り遊技状態における期間など)において再生される楽曲を複数種類の楽曲(例えば、図18(C)に示す楽曲A〜Fなど)のうちから選択可能に構成されている。そして、楽曲再生手段は、特定期間において楽曲を再生可能であり(例えば、図17のステップS634を実行する演出制御用CPU120など)、楽曲選択時においては選択中の楽曲の一部であって該楽曲の先頭とは異なる特定部を再生する(例えば、演出制御用CPU120が図17のステップS628を実行することなど)。このような構成によれば、楽曲選択時の演出効果を向上させることができる。
なお、大当り遊技状態の大当り期間としては、アタッカー開放を繰り返す期間、つまり、ラウンド遊技期間としているが、これに限定されない。例えば大当り期間としては、大当り遊技状態の開始時に実行されるファンファーレ演出の期間と、アタッカー開放を繰り返す期間(ラウンド遊技期間)と、大当り遊技状態の終了時に実行されるエンディング演出の期間とを含めた期間としてもよい。ファンファーレ演出とは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。エンディング演出とは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。
また、特定期間は、大当り遊技状態における期間に限られず、どのように期間を定めるかは任意である。例えば、特定期間は、スーパーリーチの演出期間であってもよい。この場合、図17に示す楽曲の決定処理を、スーパーリーチ期間、または当該期間以前に楽曲を決定する処理に変形し、決定された楽曲を当該変形した処理内や、ステップS349のリーチ演出制御の処理などにおいて再生すればよい。また、特定期間は、確変状態、時短状態などであってもよい。
また、特定部は、前述のように楽曲の「サビ」に限られない。楽曲によっては、「サビ」以外の部分(Aメロなど)を特定部としてもよい。また、特定部は楽曲の先頭部であってもよい。つまり、楽曲によって特定部として使用するデータを異ならせてもよい。
(1−2)また、以上に説明した遊技機では、楽曲選択時において楽曲の決定方法が複数ある(例えば、所定の楽曲決定操作がなされると、あるいは、第1ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖されると、図17のステップS631で選択中の楽曲が決定されることなど)。このような構成によっても、楽曲選択時の演出効果を向上させることができる。
なお、楽曲決定操作が複数種類あることによって、楽曲の決定方法が複数あってもよい。例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31B、赤外線センサなどの非接触センサを用いて遊技者による動作に応じて操作内容を検出できる構成が複数あってもよい。また、第1ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖されると選択中の楽曲が決定される例に限らず、第1ラウンド以外の任意のラウンドにおいて大入賞口が閉鎖されたことに応じて楽曲が決定されたり、初当りの終了に応じて楽曲が決定されたり等する構成であってもよい。また、楽曲の決定方法は一つであってもよい。
(1−3)また、以上に説明した遊技機では、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態における第1ラウンドの実行中など)において楽曲の選択が可能である。このような構成によっても、楽曲選択時の演出効果を向上させることができる。
なお、有利状態は、第1ラウンド以外のラウンド実行中であってもよい。また、有利状態は、大当り遊技状態に限られない。例えば、確変状態などの特別遊技状態を有利状態としてもよいし、複数の大当り遊技状態のうちで実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となる大当り遊技状態を有利状態としてもよい。あるいは、複数の時短状態のうちで実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となる時短状態を有利状態としてもよいし、複数の確変状態のうち大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となる確変状態を有利状態としてもよい。その他、遊技者にとって有利な任意の遊技状態を有利状態としたものであればよい。また、有利状態以外で楽曲の選択が可能であってもよい。
(2)また、以上に説明した遊技機は、楽曲選択時において、特定期間に再生される楽曲に対応する画像であって、特定部に対応した画像を表示する表示手段(例えば、図19(B)に示す表示エリアVA1に楽曲対応画像を表示する画像表示装置5など)を備える。このような構成によれば、楽曲選択時の演出効果を向上させることができる。
なお、特定部に対応した画像(楽曲対応画像)は、前述のように動画であっても静止画であってもよい。また、楽曲選択時に楽曲対応画像は表示されなくともよい。
(3)また、以上に説明した遊技機は、一の楽曲を、特定部の音声を示す特定部データを含む複数に分割された音声データとして記憶する記憶手段(例えば、図19(A)に示すように、サビ用データを含む複数の音声データを記憶するROM121など)を備え、
楽曲再生手段は、楽曲選択時においては特定部データに基づいて一の楽曲の特定部を再生し(例えば、演出制御用CPU120が図17のステップS628を実行することなど)、特定期間においては複数に分割された音声データを繋げて一の楽曲を再生する(例えば、演出制御用CPU120が図17のステップS634を実行することなど)。このような構成によれば、データ容量の負担を軽減することができる。
なお、前述のように、楽曲対応画像のデータについても楽曲の音声データと同様に、楽曲のパート毎に分割された態様(各々別個の画像データとして)でROM121などに記憶されていてもよい。こうすれば、データ容量の負担をより軽減することができる。また、一の楽曲を示す音声データ、当該楽曲に対応した画像データともに、複数に分割された態様で記憶されていなくともよい。
(4)また、以上に説明した遊技機(パチンコ遊技機1)によれば、図27(A)に示すように、スーパーリーチ演出中以外の遊技状態(第1状態)では、遊技者のスティックコントローラ31Aの操作の有無(遊技者の動作)に関わらず、音量状況表示画像VL(音量調整状況)を画像表示装置5に視認可能に表示するので、スーパーリーチ演出中以外の遊技状態では音量状況表示画像VLを常時視認できる。また、スーパーリーチ演出(特定演出)を実行するスーパーリーチ演出中の遊技状態(第2状態)では、音量状況表示画像VLを視認不可能とし、遊技者のスティックコントローラ31Aの操作があった場合には、遊技者のスティックコントローラ31Aの操作に基づいて音量状況表示画像VLを操作後所定期間が経過するまで(所定条件が成立するまで)表示する。つまり、スーパーリーチ演出中の遊技状態では、音量状況表示画像VLの表示を必要最小限に留めることができる。これにより、スーパーリーチ演出(特定演出)の演出効果の低下を抑制しつつ、遊技者の要望に応じて音量状況表示画像VLを表示することができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、特定演出は、遊技者にとって有利な有利状態となることを示唆する演出(例えばスーパーリーチ演出)である。このため、スーパーリーチ演出についての演出効果の低下を抑制しつつ、遊技者の要望に応じて音量状況表示画像VLを表示することができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、音量状況表示画像VLは、図28(I)、図29(I)に示すように、変動停止時の飾り図柄に被らない位置に表示されるので、飾り図柄の最終停止図柄、つまり、遊技結果の視認を阻害しないようにしつつ、音量調整を実行できる。
また、スーパーリーチ演出中の遊技状態(第2状態)では、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作検出から所定期間(あるいは、音量状況表示画像VLの表示開始から所定期間)だけ音量状況表示画像VLを表示するので、音量状況表示画像VLの表示を必要最小限に留めることができる。これにより、スーパーリーチ演出(特定演出)の演出効果の低下を抑制しつつ、遊技者の要望に応じて音量状況表示画像VLを表示することができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
なお、以上の説明では、第1状態は、スーパーリーチ演出中以外の遊技状態としているが、スーパーリーチ演出の実行前(開始前)までの期間またはスーパーリーチ演出の実行後(終了後)の期間のいずれかの状態としてもよい。また、第1状態は、1回の変動におけるスーパーリーチ演出の実行前(開始前)までの期間または1回の変動におけるスーパーリーチ演出の実行後(終了後)の期間の少なくとも一方の状態としてもよく、第2状態は1回の変動におけるスーパーリーチ演出を実行する期間の状態としてもよい。また、第2状態は、大当り遊技状態などの有利状態となり易い特別状態としてもよい。この特別状態は、確変状態または時短状態などである。また、特別状態は、普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞(あるいは通過または進入であってもよい)しない又はしにくい第1態様から入賞容易な第2態様に高頻度で変化させる状態であってもよい。
また、スーパーリーチ演出中以外の遊技状態(第1状態)からスーパーリーチ演出中の遊技状態(第2状態)に移行する前に遊技者のスティックコントローラ31Aの操作(遊技者の動作)に応じて音量調整(演出調整)の音量状況表示画像VLの表示が開始され、第1状態から第2状態に移行するときに所定条件が不成立の場合、つまりスーパーリーチ演出中になったが操作後所定期間(3秒)が経過していない場合には、遊技者の動作の検出または移行の時から所定期間経過するまで音量状況表示画像VLの表示を延長する(図31(A)、(B)に示す「延長表示分」を参照)ので、音量状況表示画像VLの表示をスーパーリーチ演出中になった後も所定期間延長表示することができる。つまり、スーパーリーチ演出の開始直前に開始された音量調整のための音量状況表示画像VLが該スーパーリーチ演出の開始タイミングで途中終了することを防止でき、音量状況表示画像VLの表示が途中で消去されるという違和感の招来を防止できる。また、スーパーリーチ演出が開始された直後に遊技者がスティックコントローラ31Aの操作を再度行う必要がなく、ユーザフレンドリな遊技機を提供することができる。
また上記とは逆に、スーパーリーチ演出中の遊技状態(第2状態)からスーパーリーチ演出中以外の遊技状態(第1状態)に移行する前に遊技者のスティックコントローラ31Aの操作(遊技者の動作)に応じて音量調整(演出調整)の音量状況表示画像VLの表示が開始され、第2状態から第1状態に移行するときに所定条件が不成立の場合、つまりスーパーリーチ演出が終了してスーパーリーチ演出中以外の遊技状態になったが操作後所定期間(3秒)が経過していない場合には、第1状態への移行後も音量状況表示画像VLの表示を継続するので、所定期間経過時に音量状況表示画像VLの表示を消去する処理を不要にできる。言い換えれば、第1状態では音量状況表示画像VLの表示を常時行うので、音量状況表示画像VLを所定期間経過時に一度消去してから再度表示を開始させるという無駄な処理を省くことができる。また、所定期間経過時のタイミングにて音量状況表示画像VLの表示が一瞬消えるという違和感の招来も防止できる。
(5)以上に説明した遊技機は、報知演出を実行する報知演出実行手段(例えば賞球数報知演出、獲得枚数報知演出、累積賞球数報知演出、累積獲得枚数報知演出、確変確定報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知、右打ち報知、エラー報知、大当り中昇格演出を実行する演出制御用CPU120等)を備える。そして、報知演出実行手段は、報知演出として、特定期間において獲得した価値の大きさを報知する第1報知演出(例えば大当り中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出等)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2報知演出(例えば連チャン中における大当り中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出等)とを実行可能であり、第1報知演出と第2報知演出とは優先順位が異なる(例えば図31の累積賞球数報知演出動作制御処理におけるステップS397の処理にて、賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されないこと等)。このような構成によれば、複数の報知演出を好適に実行することができる。
なお、報知演出実行手段は、報知演出として、特別遊技状態(例えば、確変状態など)となることを報知する第3報知を実行可能であり、第1報知よりも第3報知の優先度合いが高い(例えば図30に示す賞球数報知演出動作制御処理におけるステップS216にて確変確定報知演出の実行中である場合には、ステップS220にて確変確定報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで賞球数報知演出を実行するための動作制御を行うこと等)。
また、報知演出実行手段は、報知演出として、特別期間において有利状態に制御された回数を報知する第4報知(例えば連チャン回数を報知する連チャン回数報知等)を実行可能であり、第4報知よりも第1報知の優先度合いが高い(例えば図32における連チャン回数報知動作制御処理におけるステップS462にて賞球数報知演出の実行中である場合には、ステップS468にて賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで連チャン回数報知を実行するための動作制御を行うこと等)。
また、報知演出実行手段は、報知演出として、特定期間において実行される他の演出に関する情報を報知する第5報知(例えば大当り中に再生されている楽曲名を報知する大当り中楽曲名報知等)を実行可能であり、第5報知よりも第1報知の優先度合いが高い(例えば図33における大当り中楽曲名報知動作制御処理におけるステップS472にて賞球数報知演出の実行中である場合には、ステップS478にて賞球数報知演出が実行されているレイヤーよりも下位のレイヤーで大当り中楽曲名報知を実行するための動作制御を行うこと等)これらのいずれかの構成によれば、適切な報知を実行することができる。
また、報知演出実行手段は、報知演出として、特定期間において特別価値が付与されるか否かを報知する第6報知(例えば確変状態に制御するか否かの報知演出となる大当り中昇格演出等)を実行可能であり、第6報知を実行するまでは第2報知の実行を制限してもよい(例えば図31に示す累積賞球数報知演出動作制御処理におけるステップS391にて大当り中昇格演出が終了していなければ、累積賞球数報知演出は実行されないこと等)。このような構成においては、演出状況に合わせた報知を実行することができる。
また、有利状態に制御されてから通常状態に制御されるまでの期間(例えば連チャン中等)に各種報知の少なくともいずれかが実行可能であってもよい。このような構成においては、有利状態に制御されてから通常状態に制御されるまでの期間における演出効果を向上させることができる。
なお、第1報知〜第6報知の各々に割り当てるレイヤーは任意である。報知毎に異なる位のレイヤーが割り当てられていてもよいし、各種報知のうちで、共通するレイヤーが割り当てられる複数の報知があってもよい。
また、選択中の楽曲名の報知や、音量状況表示に関する報知についても、任意のレイヤーを割り当ててもよい(例えば、図35(A)に示す1〜3のいずれかのZ値を、選択中の楽曲名の報知や、音量状況表示に関する報知に割り当てるなど)。また、例えば、図19(B)に示す楽曲選択時の画像データ(楽曲名を示す画像や、PVなどの楽曲対応画像のデータ)の表示レイヤーについては、Z値として3や、2と3の間や、1と2の間としてもよい。また、図19(B)に示す楽曲選択時の画像と、図19(C)に示す楽曲決定後の画像とのレイヤーを変更してもよい(各々に割り当てるZ値を変更してもよい)。つまり、楽曲の決定前後で、楽曲に関する画像表示の優先順位が異なるようにしてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、本発明は、上記の(1−1)〜(1−3)、(2)〜(5)において説明した遊技機の各構成の全てを備えていなくともよく、目的を達成することができれば、構成要素の削除や追加は任意である。