JP6403260B2 - 前立腺癌の判定、治療選択方法、予防又は治療剤 - Google Patents
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前立腺癌の発生や増殖、治療抵抗性の獲得機序等については、アンドロゲンシグナルが活性化され、アンドロゲンレセプター(Androgen Receptor;AR(以下、単にARと示す場合がある))を介して標的遺伝子が過剰発現することにより癌が発生、進行し去勢抵抗性前立腺癌(Castration−resistant prostate cancer;CRPC)の増殖に働いている可能性が強く示唆されている。
このホルモン療法は、効果が極めてよいものの、数年以内に去勢抵抗性前立腺癌として再燃することが問題となっており、前立腺癌の治療において、この去勢抵抗性前立腺癌の制御が最も重要な課題となっている。
ARを発現している前立腺癌細胞が、アンドロゲン応答遺伝子の発現を亢進していることから、近年では、アンドロゲン応答遺伝子に対してアンチセンス核酸等を投与して、これらの遺伝子の発現を不安定化することにより、前立腺癌を治療する方法等が開発されている。しかし、アンチセンス核酸等は生体内で分解され易く、不安定であるため、前立腺癌の治療において十分な方法とはいえなかった。
G3BP2遺伝子は、特許文献1において、前立腺癌を含む、がん患者に対する免疫療法の治療効果を予測するために有用な遺伝子セットに含まれる遺伝子の一つとして挙げられている。また、特許文献2において、前立腺癌の指標または前立腺癌の指標ではないことを分類する方法において、発現レベルを測定する遺伝子の一つとして挙げられている。
しかし、これらの文献献では、G3BP2遺伝子はあくまでも網羅的に解析された遺伝子のうちの一つとして挙げているだけであり、G3BP2遺伝子と前立腺癌との関連についての十分な検討はなされていない。
即ち、本発明は、前立腺癌に対して有効な新たな治療法の提供を課題とする。また、去勢抵抗性前立腺癌の治療による効果を予測するために有用なマーカーを提供することも課題とする。
本発明者らは本発明において、前立腺癌の診断を目的として生検した検体にG3BP2遺伝子が高発現している場合、その後の治療経過において有意にドセタキセル治療に反応せず、前立腺癌の再燃(PSA再発)を起こすことを見出した。そこで、このG3BP2遺伝子の発現をマーカーとすることで、前立腺癌の治療による効果が事前に予測できることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、このG3BP2遺伝子が、前立腺癌の進行を促進させ、現在進行性前立腺癌(去勢抵抗性前立腺癌)の唯一の治療薬であるドセタキセルに抵抗性を持つ遺伝子である事を見出したことから、このG3BP2遺伝子の発現を抑制し得るsiRNA等の二本鎖核酸分子を作製し、これによって前立腺癌の進行が抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)G3BP2遺伝子の発現を抑制するための二本鎖核酸分子を有効成分として含む前立腺癌の予防又は治療剤。
(2)二本鎖核酸分子が次の(a)及び(b)を含む二本鎖核酸分子である上記(1)に記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
(a)配列番号2〜7のいずれかに示される標的配列に対応するヌクレオチド配列を含むセンス鎖
(b)前記(a)のセンス鎖に相補的なヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖
(3)二本鎖核酸分子の各鎖の3´末端が、2塩基〜6塩基突出した突出末端である上記(2)に記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
(4)二本鎖核酸分子の長さが、23塩基から29塩基の少なくともいずれかである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
(5)二本鎖核酸分子が二本鎖RNAである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
(6)二本鎖核酸分子がsiRNAである上記(5)に記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
(7)前立腺癌細胞の増殖を抑制するための上記(1)〜(6)のいずれかに記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
(8)被験動物由来の生物学的試料におけるG3BP2蛋白質もしくはその断片、又はこれらをコードする核酸を前立腺癌の判定マーカーとする、被験動物における前立腺癌のリスクを判定する方法。
(9)G3BP2蛋白質もしくはその断片、又はこれらをコードする核酸からなる前立腺癌の判定マーカー。
前立腺癌の予防又は治療が可能な剤であれば、有効成分の他にその他の成分や医薬として許容される担体等を含んでいても良い。
なお、参考として、ヒトの前記「G3BP2遺伝子」の塩基配列を配列表配列番号1に示す。
本発明の「二本鎖核酸分子」は、G3BP2遺伝子の発現を抑制することができる二本鎖核酸分子であれば、いずれのヌクレオチド配列を含むセンス鎖及びアンチセンス鎖からなる「二本鎖核酸分子」であっても良い。
本発明のこのような「二本鎖核酸分子」は、次の(a)及び(b)を含む二本鎖核酸分子であることが特に好ましい。
(a)配列番号2〜7のいずれかに示される標的配列に対応するヌクレオチド配列を含むセンス鎖
(b)前記(a)のセンス鎖に相補的なヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖
これらのセンス鎖及びアンチセンス鎖は、RNA鎖であってもよく、RNA−DNAキメラ鎖等であってもよい。これらのセンス鎖とアンチセンス鎖が互いにハイブリダイズすることで本発明の「二本鎖核酸分子」を形成することができる。
「二本鎖RNA」とは、センス鎖及びアンチセンス鎖のいずれもがRNA配列からなる二本鎖核酸分子のことをいう。また、「二本鎖RNA−DNAキメラ」とは、センス鎖及びアンチセンス鎖のいずれもがRNAとDNAとのキメラ配列で構成されてなる二本鎖核酸分子をいう。
「siRNA」とは、18〜29塩基長の小分子二本鎖RNAであり、標的遺伝子のmRNAに対して相補的な配列を有するアンチセンス鎖(ガイド鎖)が、標的遺伝子のmRNAを切断し、標的遺伝子の発現を抑制する機能を有する。
本発明における「siRNA」は、G3BP2遺伝子を標的遺伝子とし、この標的遺伝子の発現を抑制し得るものであれば、その末端構造に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、本発明の「siRNA」は、平滑末端を有するものであってもよく、突出末端(オーバーハング)を有するものであってもよい。
本発明の「siRNA」は、特に、センス鎖及びアンチセンス鎖の3’末端が2〜6塩基突出した構造を有することが好ましく、各鎖の3’末端が2塩基突出した構造を有することがより好ましい。
「shRNA」とは、18〜29塩基程度のdsRNA領域と3〜9塩基程度のloop領域を含む一本鎖RNAであり、生体内で発現されることにより、塩基対を形成してヘアピン状の二本鎖RNAとなる。その後、shRNAはDicer(RNase III酵素)により切断されてsiRNAとなり、標的遺伝子の発現抑制に機能することができる。
本発明における「shRNA」の末端構造も、本発明の「siRNA」と同様に目的に応じて適宜選択することができ、平滑末端を有するものであってもよく、突出末端(オーバーハング)を有するものであってもよい。
「キメラsiRNA」とは、siRNAのRNA配列の一部がDNAに変換された、18〜29塩基長の小分子二本鎖RNA−DNAキメラをいう。特に、siRNAのセンス鎖の3’側の8塩基、及び、アンチセンス鎖の5’側の6塩基がDNAに変換された、21〜23塩基長の小分子二本鎖RNA−DNAキメラであることが好ましい。
本発明における「キメラsiRNA」の末端構造も、本発明の「siRNA」と同様に目的に応じて適宜選択することができ、平滑末端を有するものであってもよく、突出末端(オーバーハング)を有するものであってもよい。
また、前記二本鎖核酸分子のセンス鎖の5’端、又は3’端に、ナノ粒子、コレステロール、細胞膜通過ペプチド等の修飾を施し、細胞への導入効率を高めることもできる。
このような修飾は、従来知られているいずれかの方法によって、適宜行うことができる。
また、本発明における「siRNA」は、合成受託会社に合成を依頼して作製されたものであっても良く、市販品の二本鎖siRNAであっても良い。さらに、siRNA発現ベクターを構築し、この発現ベクターを細胞内に導入することにより、細胞内の反応を利用して作製した「siRNA」であっても良い。
本発明の「二本鎖核酸分子」が「キメラsiRNA」である場合は、例えば、キメラ核酸分子であるセンス鎖とアンチセンス鎖とをそれぞれ化学的に合成し、これらをアニーリングすることによって作製することができる。
また、「(b)前記(a)のセンス鎖に相補的なヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖」としては、配列番号9,11、13、15、17又は19に示されるアンチセンス鎖を挙げることができる。
また、本発明の「二本鎖核酸分子」には、G3BP2遺伝子の発現を抑制することができる二本鎖核酸分子である、配列番号20又は22に示されるヌクレオチド配列を含むセンス鎖と、その相補的なヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖として、配列番号21又は23に示されるアンチセンス鎖を挙げることもできる。
本発明の「前立腺癌の予防又は治療剤」はこの有効成分のみからなる剤であってもよく、この有効成分以外にその他の成分を含むものであっても良い。
「その他の成分」としては、本発明の有効成分の効果を維持又は向上できる成分であれば、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、本発明の「二本鎖核酸分子」を所望の濃度に希釈するための生理食塩水、培養液等の希釈用剤や、対象とする細胞内に導入(トランスフェクト)するためのトランスフェクション試薬などが挙げられる。
これらのその他の成分の含有量も、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の「前立腺癌の予防又は治療剤」の医薬としての剤型は、特に制限はなく、所望の投与方法に応じて適宜選択することができる。このような剤型として、例えば、経口固形剤(錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等)、経口液剤(内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等)、注射剤(溶液、懸濁液、用事溶解用固形剤等)、軟膏剤、貼付剤、ゲル剤、クリーム剤、外用散剤、スプレー剤、又は吸入散剤などが挙げられる。
これらの剤には、目的に応じて、従来知られている賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤、緩衝剤、安定化剤、pH調節剤、等張化剤、基剤、湿潤剤、保存剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤等の添加剤を加えることができ、各剤型も従来知られている方法によって製造することができる。
また、この投与方法も、特に制限はなく、剤型、前立腺癌患者の状態等に応じて、本発明の剤を腫瘍部位等に直接投与する局所投与や、経口投与等により、全身投与することもできる。
この剤の投与量は、特に制限はなく、投与対象である患者の年齢、体重、所望の効果の程度等に応じて適宜選択することができる。例えば、成人を投与対象とする場合は、1日の投与あたり、有効成分(二本鎖核酸分子)の量が10〜15mgとなることが好ましい。
また、この剤の投与回数も、特に制限はなく、投与対象である患者の年齢、体重、所望の効果等に応じて、適宜選択することができる。
本発明の「前立腺癌の予防又は治療剤」は、前立腺癌の予防又は治療を対象として投与時期を適宜選択することができる。
上記のような生物学的試料に含まれるG3BP2蛋白質もしくはその断片、又はこれらをコードする核酸の量が多いほど、前立腺癌に罹患するリスクや、既に罹患しているリスクが高く、罹患している場合は将来、治療抵抗性前立腺癌になるリスクが高いと判定することができる。
この判定にあたり、「G3BP2蛋白質もしくはその断片、又はこれらをコードする核酸」を前立腺癌の「判定マーカー」として用いることができる。
この「判定マーカー」が「G3BP2蛋白質もしくはその断片」である場合は、G3BP2抗体等を用いて、定性的又は定量的に測定することができる。また、「判定マーカー」が「これらをコードする核酸」である場合は、この核酸に相補的な核酸を含むプローブや、この核酸をRT−PCR等で増幅可能なプライマーを用いて増幅することにより、定性的又は定量的に測定することができる。
この「被験動物における前立腺癌のリスクを判定する方法」によって得られた結果から、前立腺癌の治療方法を選択することも可能となる。
また、G3BP2遺伝子の発現によって得られたG3BP2遺伝子のmRNAを判定マーカーとして、定性的、定量的に調べることにより、将来の治療抵抗性前立腺癌になるリスクを予測することも可能である。
本発明の「被験動物における前立腺癌のリスクを判定する方法」において、被験動物となる動物は前立腺癌になり得る動物であればその種類は問わず、いずれの動物も対象とすることができる。また、判定マーカーを定性的、定量的に調べるために、従来知られているいずれの機器、方法等も用いることができる。
1−1.臨床検体を用いた免疫染色及び前立腺癌患者におけるG3BP2の発現と癌特異的生存率との関連性の評価
G3BP2の前立腺癌組織における発現を検証するため、101例の根治的前立腺全摘除術により得られた前立腺癌検体および、手術不能な進行性前立腺癌である37例の経直腸的前立腺生検術で得られた前立腺癌検体を用いて免疫染色を行った。また、これらの検体について、p53の発現も検証した。
進行性前立腺癌の37例の患者に関しては、全例で初期治療としてホルモン療法が施行されており、後に去勢抵抗性前立腺癌に進行し、ドセタキセル化学療法が施行されている。
0.3%H2O2で内因性ペルオキシダーゼ除去を行い、ウエスタンブロットで用いたG3BP2抗体(Abcam,Cambridge,MA,USA;1:100希釈)をオーバーナイトで反応させ、2次抗体(ビオチン化抗体)を1時間反応させ、3,30−ジアミノベンジジン209(DAB)溶液(1mM DAB、50mM トリス−HCl緩衝液pH7.6210、および0.006%H2O2)を用いて可視化した。
G3BP2の定量的評価として、染色強度を3段階に、1視野における発現の割合を4段階に分類し、それぞれ加算したものを用いた。p53の発現の検証には、p53抗体(SANTA CRUZ;1:100希釈)を反応させた。
また、経直腸的前立腺生検術で得られた進行性前立腺癌37例をおいて、G3BP2の発現とドセタキセル導入後のPSA再発率との関連を評価した。この評価はそれぞれ、カプランマイヤー法ならびにLog−Rank検定により行った。さらに、主な患者背景因子との関連性を評価した。
図1に前立腺全摘除術症例101例における、前立腺癌組織内におけるG3BP2の発現と癌特異的生存率との関連性を評価した結果を示した。G3BP2の発現の定量は発現強度と発現の割合をスコアリングしたものを用いた。図1に示されるように、101例のうち、G3BP2の強発現群(18例)(図1、High immunoreactivity of G3BP2)では、G3BP2の弱発現群(83例)(図1、Low immunoreactivity of G3BP2)と比べて前立腺全摘術後の癌特異的生存率が有意に低かった。
また、図3(A)にG3BP2の強発現群(図3(A)、High)および弱発現群(図3(A)、Low)における免疫染色の結果を示した。図1、3(A)に示されるように、G3BP2は前立腺癌組織においてGleason scoreの高い症例に高発現している傾向が認められた。
さらに、表1および表2に示されるように、前立腺全摘患者において、G3BP2の発現が、有意にGleason Scoreと相関し、多変量解析において、有意な予後因子となることが認められた。
従って、これらの結果から、前立腺癌の診断を目的として採取した前立腺癌組織におけるG3BP2を免疫染色やウエスタンブロット等によって定性的、定量的に調べることにより、将来の治療抵抗性前立腺癌になるリスクを予測できることが示唆された。
二本鎖核酸分子(siRNA)の作製
G3BP2遺伝子の発現を抑制するための二本鎖核酸分子(siRNA)を、次のようにして準備した。
G3BP2遺伝子に対するsiRNA(siG3BP2)#1〜#6は、それぞれのsiRNAの標的配列(表4、配列表配列番号2〜7)に対応するヌクレオチド配列(表5、センス鎖、配列番号8、10、12、14、16、18)と、その相補的なヌクレオチド配列(表5、アンチセンス鎖、配列番号9、11、13、15、17、19)を、3´末端が2塩基オーバーハングするような二本鎖RNAとして合成した(Sigma)。
二本鎖核酸分子によるG3BP2遺伝子発現に対する効果の検討
3−1.細胞培養
AR陽性のヒト前立腺癌細胞株LNCaP細胞(以下、単にLNCaP細胞と示す)を用いた。
LNCaP細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS,Sigma社)、100μg/mlストレプトマイシン、100U/mlペニシリン(Invitrogen社)を含むRPMI−1640培地(Sigma社)を細胞培養液として、空気中に5%の炭酸ガスを含む培養器内にて37℃で培養した。
上記3−1.にて培養したLNCaP細胞を6well plateに3×105個/wellになるように播いた。その後24時間以内に、実施例2にて作製した50μM siG3BP2 #1〜#6(6種類)又はネガティブコントロール(Life technologies)の20μM siRNAを、それぞれ10nMになるように調製して各ウェルに加え、トランスフェクションを行った。
トランスフェクション後72時間以内に、細胞からISOGEN(日本ジーン)によって全RNAを回収し、そのうちの500ngのRNAから、Primescript(登録商標) RT reagent kit(TaKaRa Bio)によってcDNAを合成した。
上記3−2.にて合成したcDNAを10倍希釈し、そのうちの2μlを定量的real−time PCRに使用した。内部コントロールにはGAPDH遺伝子を用いて補正を行い、発現レベルの解析を行った。
Step one(登録商標) real−time PCR(Applied biosystem)ならびにKAPA SYBR(登録商標) Fast PCR kit(NIPPON Genetics)を用いて、各SiRNAをトランスフェクションしたLNCaP細胞のG3BP2遺伝子及び内部コントロールであるGAPDH遺伝子の発現レベルを測定した。GAPDH遺伝子の測定にあたり用いたプライマーはGAPDH forward(5’−GGTGGTCTCCTCTGACTTCAACA−3’(配列番号25))およびGAPDH reverse(5’−GTGGTCGTTGAGGGCAATG−3’(配列番号26))であり、G3BP2遺伝子の測定にあたり用いたプライマーはG3BP2 forward(5’−TGTGGAACTTCGCATCAATACC−3’(配列番号27))およびG3BP2 reverse(5’−AAACGTACTTCCCCTCGAAACA−3’(配列番号28))であった。
GAPDH遺伝子に対する発現レベルをCycle数からΔΔCt法を用いて計算して補正を行い、G3BP2遺伝子の発現レベルを調べた。
図5に示したように、siG3BP2 #1〜#6をそれぞれトランスフェクションした細胞(図5、#1、#2、#3、#4、#5または#6)では、いずれもブランク(図5、Reagent)やネガティブコントロール(図5、siControl)と比べてmRNAレベルでG3BP2遺伝子の発現が抑制されており、siG3BP2 #1〜#6のいずれをトランスフェクションした場合でも高い効果が得られることが確認された。特に、siG3BP2 #1、#2、#3、#5、#6をトランスフェクションした場合において、高い抑制効果が得られた。
上記3−2.にて各SiRNAをトランスフェクションしたLNCaP細胞のG3BP2の発現レベルを測定した。トランスフェクション後72時間以内の各細胞からNP40 lysis buffer[50mM Tris−HCl(pH8.0),150mM NaCl,1% NP−40,and Protease inhibitor cocktail(Nacalai tesque, Kyoto, Japan)]を用いて全細胞抽出液を採取した。
該抽出液に含まれるタンパク質をBCA assayにて濃度調整し、各サンプル10μgを8% SDS−PAGE gelで泳動しImmobilon−P Transfer Membrane(Millipore Corp, Billerica, MA)にブロットした。
一次抗体としてanti−G3BP2(Abcam,1:1000)を用いて一晩反応させ、ペルオキシダーゼの結合した抗ラビットIgG抗体を1時間反応させた。また、内部コントロールとして、anti−β−actin(Sigma,1:1000)を用いて一晩反応させ、ペルオキシダーゼの結合した抗マウスIgG抗体を1時間反応させた。
抗原抗体複合体をImmunoCruz Western blotting detector system (Santa Cruz Biotechnology, Inc)を用いて反応させX線フィルムへ撮影した。
図6に示したように、siG3BP2 #1〜#6をそれぞれトランスフェクションした細胞(図6、#1、#2、#3、#4、#5または#6)では、いずれもネガティブコントロール(図6、siControl)と比べて蛋白レベルでG3BP2の発現が抑制されており、siG3BP2 #1〜#6のいずれをトランスフェクションした場合でも高い効果が得られることが確認された。
二本鎖核酸分子によるLNCaP細胞の増殖に対する効果の検討
4−1.MTS assay
実施例3の3−1.と同様に培養したLNCaP細胞を96well plateに3×103個/wellとなるよう播いた。その後24時間以内に、実施例2で作製した各siRNA又はネガティブコントロールのsiRNAを実施例3の2−2.と同様の濃度となるように調製してそれぞれ各ウェルに加え、トランスフェクションを行った。
その後、1日、4日、5日又は6日経過後にCell titer 96(登録商標)(Promega)を加えて2時間反応させた。その後、マイクロプレートリーダーにて吸光度490nmで生細胞数を測定し、細胞増殖能を調べた。
図7に示したように、ブランク(図7、Reagent)やネガティブコントロール(図7、siControl)と比べてsiG3BP2 #1〜#6をそれぞれトランスフェクションした細胞(図7、#1、#2、#3、#4、#5または#6)ではいずれも有意に細胞増殖が抑制されたが、siG3BP2#1、同#2をトランスフェクションした細胞において特に有意に細胞増殖が抑えられていた。
二本鎖核酸分子によるLNCaP細胞の遊走能に対する効果の検討
5−1.細胞遊走能の評価
実施例2で作製した各siRNAのうちsiG3BP2#1、同#2又はネガティブコントロールのsiRNA(Life technologies)を導入した細胞を培養し、Cell Cultuer Insertと、8.0μm pore size PET filter(Becton Dickinson製)を用いてCell migrationアッセイによって各細胞の遊走能を検討した。
即ち、培養皿にPBSで10μg/mlに希釈したフィブロネクチン(Sigma製)を30分間作用させ、下層フィルターを作成した後、下層チャンバーにフェノールレッド含有培地RPMI 1640培地を700μl加えた。
各siRNAを5μMとなるように添加したフェノールレッド含有培地で3日間培養したLNCaP細胞を5×104細胞ごとに分け、各細胞を300μlのフェノールレッド含有培地に懸濁したものをそれぞれ上層チャンバーに加えた。これを、37℃、5%CO2条件下で24時間培養した後、フィルターを剥がした。
下層フィルター上の細胞を30分間メタノールで固定した後、PBSで洗浄し、Gimsa‘s stain solution(Muto Pure Chemicals製)で30秒間インキュベートした。その後、細胞を200倍率の蛍光顕微鏡(Nikon eclipse TE 2000−U; Nikon, Tokyo, Japan)×400視野にてランダム5視野で撮影し、細胞数を数えることで、細胞遊走能を評価した。
図8に細胞遊走能の評価結果を示した。その結果、図8に示されるように、siG3BP2#1、同#2等の本発明のsiRNAを導入することにより、ネガティブコントロールのsiRNA(図8、siControl)を導入した場合と比べて顕著に細胞の遊走が抑制されることが認められた。
二本鎖核酸分子が細胞周期や細胞死に与える効果の検討
二本鎖核酸分子がLNCaP細胞の細胞周期や細胞死に与える効果を検討した。一方で、LNCaP細胞において、G3BP2安定過剰発現細胞株(Stable細胞)を作製し、G3BP2遺伝子の過剰発現によるLNCaP細胞の細胞周期や細胞死に与える効果を検討した。
pcDNA3.1−FLAG(Invitrogen)を用いて作製したG3BP2発現vectorをLNCaP細胞にトランスフェクションした。G418 500μg/mlで処理し、N末端にFlag付きのG3BP2安定過剰発現細胞株(2株)(Flag−G3BP2 #1,同#2)を作製した。比較として、pcDNA3.1−FLAG(Invitrogen)のみをトランスフェクションした細胞株(2株)(vector #1,同#2)も作製した。
10cm dishにLNCaP細胞を培養し、siRNA 10nMを48時間作用させた。また、上記6−1.にて作製したStable細胞にドセタキセル(Docetaxel:DTX)1nMを48時間作用させた。
次に、それぞれの細胞について、細胞周期を揃えるためにPBSでよく洗った後、phenol−red free RPMI 1640 mediumで24時間細胞培養を行った。その後、20% FCSになるように培養液を調整し24時間培養したのちにPBS、70%エタノールで洗い、0.5% RNaseを37℃で30分作用させた。
測定はCell Quest software(BD Biosciences)を用いたFACS Calibur flow cytometryにて30,000個の細胞にて行った。
図9にsiRNA 10nMを48時間作用させたLNCaP細胞(図9、siG3BP2 #1、siG3BP2 #2)におけるCell cycle analysisの結果を示した。その結果、本発明のsiG3BP2#1又は同#2等を導入し、G3BP2遺伝子の発現をノックダウンすることにより、前立腺癌細胞(LNCaP細胞)においてS期が有意に減少することが確認できた。図9のsiControlは、ネガティブコントロールのsiRNAを作用させたLNCaP細胞の結果を示したものである。
また、図10にStable細胞(図10、Flag−G3BP2 #1、#2)におけるCell cycle analysisの結果を示した。また、比較として、pcDNA3.1−FLAGのみをトランスフェクションした細胞株(図10、Vector #1、#2)の結果も示した。
その結果、図10に示されるように、G3BP2遺伝子を過剰発現させることにより、前立腺癌細胞(LNCaP細胞)において細胞周期のS期が有意に亢進されることが確認できた。
siRNA 10nMを48時間作用させたLNCaP細胞およびDTX 1nMを48時間作用させたStable細胞からISOGEN(日本ジーン)によってそれぞれの全RNAを回収し、そのうちの500ngのRNAから、Primescript(登録商標) RT reagent kit(TaKaRa Bio)によってcDNAを合成した。
上記3−3−1.に示したGAPDH遺伝子およびG3BP2遺伝子を増幅するためのプライマーを用いて、ABI step one(商標)(Life technologies, Carlsbad, CA, USA)により、各遺伝子の発現量を定量化した。
図11にsiRNA 10nMを48時間作用させたLNCaP細胞における定量的Real−time PCR法の結果を示した。その結果、図11に示されるように、本発明のsiG3BP2 #1又は同#2等を導入し、G3BP2遺伝子の発現をノックダウンした前立腺癌細胞(LNCaP細胞)(図11、siG3BP2 #1、siG3BP2 #2)において、p53により誘導されるapoptosisで転写活性化されるBAX及びNOXAの有意な転写活性化が確認できた。図11のsiControlは、ネガティブコントロールのsiRNAを作用させたLNCaP細胞の結果を示したものである。
また、図12にDTX 1nMを48時間作用させたStable細胞(図12、Flag−G3BP2 #1、#2)における定量的Real−time PCR法の結果を示した。また、比較として、pcDNA3.1−FLAGのみをトランスフェクションした細胞株(図12、Vector #1、#2)の結果も示した。
その結果、図12に示されるように、G3BP2遺伝子を過剰発現させることにより、前立腺癌細胞(LNCaP細胞)において、BAX及びNOXAの転写活性化が有意に抑制されていることが確認できた。
24well plateに3.0×104個になるようにLNCaP細胞を播き、siRNA 10nMを作用させた。また、同様にStable細胞を播き、DTX 1nMを作用させた。
作用後48時間経過後にIn Situ Cell Death Detection Kit, AP(Roche)を用いてアポトーシスを起こしている細胞を標識した。光学顕微鏡を用いて、ランダムに5視野を撮影し、細胞死として標識されている細胞数を数え定量化した。
図13にsiRNA 10nMを48時間作用させたLNCaP細胞におけるTUNEL assayの結果を示した。その結果、本発明のsiG3BP2 #1又は同#2等を導入し、G3BP2遺伝子の発現をノックダウンした前立腺癌細胞(LNCaP細胞)(図13、siG3BP2 #1、siG3BP2 #2)のapoptosisが起こることが確認できた。図13のsiControlは、ネガティブコントロールのsiRNAを作用させたLNCaP細胞の結果を示したものである。さらに、図13において、この細胞(図13、siControl Vehicle)およびStable細胞(図13、G3BP2 #1Vehicle)の写真を示した。
また、図14にDTX 1nMを48時間作用させたStable細胞(図14、Flag−G3BP2 #1、#2)におけるTUNEL assayの結果を示した。また、比較として、pcDNA3.1−FLAGのみをトランスフェクションした細胞株(図14、Vector #1、#2)の結果も示した。さらに、図14において、Stable細胞(図14、Flag−G3BP2 #1)およびpcDNA3.1−FLAGのみをトランスフェクションした細胞株(図14、Vector #1)の写真を示した。
これらの結果から、図14に示されるように、G3BP2遺伝子を過剰発現させることにより、前立腺癌細胞(LNCaP細胞)において、apoptosisの誘導が有意に抑制されており、anti−apoptosis作用を獲得していることが確認できた。
従って、これらの結果から、前立腺癌の発症、進行にG3BP2遺伝子の発現が深く関わっており、前立腺癌の予防、治療において、この遺伝子の発現を制御することが有用であることが示された。
二本鎖核酸分子による腫瘍増殖に対する効果の検討
7−1.ヌードマウスへの癌細胞皮下移植
オスの8週齢のBALB/cヌードマウス(日本クレア社)(二十匹)を用いた。
ヌードマウス一匹あたり、実施例3の2−1.と同様に培養したLNCaP細胞が1x107個になるようにPBS 100μlと混合し、さらに、これとマトリゲル(BD bioscience社)100μlを混合し、25G注射針を用いて各マウスへ皮下注射した。
上記7−1.の皮下注射後5〜8週経過し、各マウスにおける腫瘍体積が100mm3を超える大きさに達したところで二本鎖核酸分子の投与を行った。
二本鎖核酸分子は、実施例2で作製したうちのsiG3BP2 #1を用い、BannoNegaCon(株式会社RNAi)(5’−GUACCGCACGUCAUUCGUAUC−3’(配列番号24))をネガティブコントロールとした。
siRNA又はネガティブコントロール各5μgをRNAi MAX(Invitrogen)15μlとphenol red−free OPTI−MEMを混合し、各siRNA溶液を得た。このsiRNA溶液100μlを各マウスの腫瘍内へ局所注入により投与した。この投与は2回/週を4週間繰り返し、マウスの腫瘍径を週1回測定した。
マウスの腫瘍径は、長径(r1)、及び短径(r2,r3)を2か所計測し、r1×r2×r3/2の公式にて腫瘍の大きさを計測した。また、投与開始5週間後、アバチンにて麻酔をかけ、腫瘍の大きさが分かるように写真撮影をした。
その結果、図15に示すように、本発明のsiG3BP2 #1を投与した場合(図15、siG3BP2 #1)、ネガティブコントロール(図15、siControl)と比べて腫瘍が小さくなることが目視できた。実際、図16に示すように、本発明のsiG3BP2#1を投与する(図16、siG3BP2 #1)ことにより、ネガティブコントロール(図16、siControl)と比べてマウスにおける腫瘍の増殖が有意に抑制されることが確認できた。
さらに、LNCaP細胞の移植から8週間後、腫瘍は皮下より摘出した。腫瘍は重量を計測した後、一部はISOGENによりRNAを摘出し、一部はNP40 lysis bufferにより溶解しタンパク質を抽出した。タンパク質の抽出は、腫瘍を5〜10mm3の大きさに分け、500μl NP40 lysis bufferを加え、ホモジナイザーですりつぶした後、その溶液を15,000rpm,4℃,30分で遠心し、上清を回収することで行った。
抽出したタンパク質をSDS lysis bufferにより可溶化した後、8% SDS−PAGE gelで泳動しImmobilon(登録商標)−P Transfer Membrane(Millipore Corp.,Billerica,MA)にブロットした。
一次抗体としてG3BP2抗体(Abcam,Cambridge,MA,USA;1:1000希釈)を用いて一晩反応させ、ペルオキシダーゼの結合した抗ラビットIgG抗体を1時間反応させた。また、anti−β−actin(Sigma,1:1000)を用いて一晩反応させ、ペルオキシダーゼの結合した抗マウスIgG抗体を1時間反応させた。
抗原抗体複合体をImmunoCruz(登録商標) Western blotting detector system(Santa Cruz Biotechnology,Inc)を用いて反応させX線フィルムへ撮影した。
図17にウエスタンブロット法によるG3BP2蛋白量の解析結果を示した。図17のNo.1,No.2は、腫瘍を摘出した個体の違いを示すものである。その結果、図17に示されるように、siRNAを腫瘍内に投与する(図17、siG3BP2 #1)ことにより、ネガティブコントロール(図17、siControl)と比べてG3BP2の発現レベルが抑制されることが確認できた。
Claims (6)
- G3BP2遺伝子の発現を抑制するための次の(a)及び(b)を含む二本鎖核酸分子を有効成分として含む前立腺癌の予防又は治療剤。
(a)配列番号8、10、12、14、16又は18に示される、配列番号2〜7のいずれかに示される標的配列に対応するヌクレオチド配列を含むセンス鎖
(b)前記(a)のセンス鎖に相補的なヌクレオチド配列を含むアンチセンス鎖 - 二本鎖核酸分子の各鎖の3´末端が、2塩基〜6塩基突出した突出末端である請求項1に記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
- 二本鎖核酸分子の長さが、23塩基から29塩基の少なくともいずれかである請求項1又は2に記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
- 二本鎖核酸分子が二本鎖RNAである請求項1〜3のいずれかに記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
- 二本鎖核酸分子がsiRNAである請求項4に記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
- 前立腺癌細胞の増殖を抑制するための請求項1〜5のいずれかに記載の前立腺癌の予防又は治療剤。
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