JP6403078B1 - スナゴケ活着させた植生シートとその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スナゴケの仮根が成長すると同時に、植生シート上の起毛に仮根が絡みつくことによって、安定な活着が起こり、且つ従来の培土類、糊類及び網類を使用する必要が無く、非常に安価で、成長も促進される植生シートとその製法を提供する。【解決手段】シート本体を容器内に敷設するシート敷設工程と、種苔を1m2あたり150〜180g、前記シート本体の表面上に播種する播種工程と、前記種苔が播種された前記シート本体を遮光シートで覆う被覆工程と、前記種苔を繁茂させてスナゴケ層を形成する苔育生工程とを含み、かつ、前記シート敷設工程で敷設される前記シート本体は、起毛を有するポリエステル製又はポリプロピレン製の不織布で作られており、スナゴケの仮根と前記シートの起毛が絡むことを特徴とする。【選択図】図5
Description
本発明は、スナゴケ(Rhacomitrium Canescens、以下、単に「スナゴケ」と呼ぶ。)を用いた緑化事業において課題とされる植生の安定的確保と供用後の維持管理及び海外輸出に係る問題を解決するための植生シートとその製法に関するものである。
従来のスナゴケを用いた緑化事業においては、植生の安定的確保が課題であり、季節変動の激しい山野からの採取や、広大な圃場での長期栽培(通常2〜3年程度)に頼らざる得ないため、製品の安定的供給及び低価格化、天然資源の枯渇といった諸問題によって市場拡大が困難であった。
また、スナゴケは、緑化供用後も専門的な知識のもとに維持管理(特に潅水管理)される必要がある植生であり、十分な知識のない一般消費者によって美観の悪化が頻発するため、市場拡大に課題を残していた。
更に、従来のスナゴケ栽培は、山野から採取されたスナゴケを、砂やそれに類する土壌、植物性繊維などを基盤に栽培するもので、栽培後のスナゴケを海外輸出することが事実上不可能であり、かつ、栽培後のスナゴケを直接土壌に貼り付ける造園・盆栽用途以外の活用ができないため、小規模なエクステリアやインテリア分野といった、新たな市場開拓が困難であった。
また、スナゴケは、緑化供用後も専門的な知識のもとに維持管理(特に潅水管理)される必要がある植生であり、十分な知識のない一般消費者によって美観の悪化が頻発するため、市場拡大に課題を残していた。
更に、従来のスナゴケ栽培は、山野から採取されたスナゴケを、砂やそれに類する土壌、植物性繊維などを基盤に栽培するもので、栽培後のスナゴケを海外輸出することが事実上不可能であり、かつ、栽培後のスナゴケを直接土壌に貼り付ける造園・盆栽用途以外の活用ができないため、小規模なエクステリアやインテリア分野といった、新たな市場開拓が困難であった。
植生となるスナゴケを、天然資源保護の観点から、比較的短期間で、かつ、安定的に確保するための圃場栽培を行うため、及び、海外輸出に係る諸問題(特に土壌付着)を解決できる植生基盤の開発が課題である。
また、供用後の植生維持について専門的知識を有さない一般消費者にも可能とするような商品の提供方法の開発が課題である。
また、供用後の植生維持について専門的知識を有さない一般消費者にも可能とするような商品の提供方法の開発が課題である。
この発明は、スナゴケの安定的確保、天然資源枯渇、海外輸出、供用後の維持管理の問題を解決し、専門的知識を有さないものでも活用可能となる植生シートの開発によって、市場拡大及びスナゴケの普及を促す販売促進ツールの開発を目的とする。
この発明は、スナゴケの仮根が成長すると同時に植生シートの起毛に絡みつくことによって、安定な活着が起こり、且つ従来の培土類を使用する必要が無く、海外への輸出が可能であある。そのうえ、供用後の植生維持について専門的知識を有さない一般消費者にも可能とするような商品を提供できる。因って、天然資源枯渇、海外輸出、供用後の維持管理の問題を解決し、専門的知識を有さないものが各々でインテリア・エクステリアなどに活用可能となる植生シートの開発によって、市場拡大及びスナゴケの普及を促す販売促進ツールの開発を目的とする。
請求項1に記載の発明は、スナゴケを植生とし、1m2当たり乾燥重量150〜180gのスナゴケ種苔を均一に敷設した一定形状のニードルパンチカーペットからなる植生シートによる圃場栽培を行うことで、比較的短期間(1年〜1.5年程度)で特別な施設を必要とせず安定的にスナゴケを確保することが可能となり、また、海外輸出時の障害となる土壌付着の問題、安定的確保による天然資材の枯渇問題を解決しており、スナゴケの普及を促進することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスナゴケ植生シート上の起毛とスナゴケの仮根を絡ませて生育させて、スナゴケを安定的に固着させることを特徴とする。このことにより、供用後の維持管理(特に潅水管理)に専門的知識を必要としなくなり、専門的知識を有さない一般顧客に対して広くスナゴケを用いた一坪箱庭などのエクステリア商品の普及を促進することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスナゴケ植生シート上の起毛とスナゴケの仮根を絡ませて生育させて、スナゴケを安定的に固着させることを特徴とする。このことにより、供用後の維持管理(特に潅水管理)に専門的知識を必要としなくなり、専門的知識を有さない一般顧客に対して広くスナゴケを用いた一坪箱庭などのエクステリア商品の普及を促進することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
この発明に用いるスナゴケは、ギボウシゴケ科シモフリゴケ属に属する蘚類であり、乾燥に強く、無潅水状態で仮死状態になり、3か月程度は雨がなくても生存できる。
また、直射日光に強く、乾燥状態ではほぼ60℃ほどの熱に耐えることができるため、屋上・庭園など、広い範囲で活用することが可能な植物である。
更に、小型の常緑植物であるため、枯葉などが存在せず、年間を通じて緑色が楽しめることや、植生の生育に土壌を必要としないことから、ごみや土壌の流出がないため、インテリアとしても活用することができる。
植生シートは、スナゴケを植生シートに敷設して活着させたもので、スナゴケの敷設量は1m2当たり乾燥重量(吸水率10%程度で)150〜180gが適切である。ただし、特に美観を優先する場合や新たな栽培用の種苔を獲得する場合は、最大値である1m2あたり180gが適切である。
敷設においては、栽培に用いる植生シートを一定形状の型枠に沿って切断し、それを型枠に入れ、その上から長さ1〜2cmの種苔をふるいなどによって均一に敷設する。このとき、植生シートの上で均一になるように、指で苔の位置を調整しても良い。
スナゴケを栽培・活着させる植生シートは、厚み2.0〜3.0mm、乾燥時密度30mg/cm2、吸水時密度200〜250mg/cm2のポリエステルまたはポリプロピレン製で、表面が樹脂等でコーティングされていないものが、スナゴケの仮根との親和性や、吸水量・保水量・透水性・耐久性の面から望ましく、植生シートの色は、栽培中に避けられない一部の藻類の繁茂を美観上目立たなくするため、また、スナゴケの吸水時における緑色を際立たせる効果から、黒色が望ましい。
栽培に用いる植生シートは、保水性が低く、薄層のものを使用することで、飛来する雑草の繁茂を抑制することができ、同時に加湿によるスナゴケの腐敗を抑制することができるため、かつ、エクステリア施工やインテリア商品への加工(主としてシートの切断加工)を容易とするため、耐久性の許すかぎり薄層であることが望ましい。
スナゴケは、光合成を担う茎葉体部分と培土定着を担う原糸体部分に大別されて構成されており、この原糸体が培土定着の為に発達したものを仮根と呼んでいる。
仮根は、播種後の種苔茎葉体より下方に自然発生し、培土粒子の表面に伸長して培土粒子を掴むことによって培土に定着する。仮根1本の定着力は脆弱なものであるが、播種から約1年〜1.5年の期間を経て、周辺の苔茎葉体から伸長した仮根同士のネットワーク形成により、支持体としての機能を発揮している。
本発明では、培土として起毛を有する植生シートを採用しているが、その利点は、スナゴケの仮根とほぼ同等の起毛を有するため、発生した仮根が速やかに植生シートの起毛に絡みあい、疑似的な仮根ネットワークが形成されて培土定着が早期(3ヶ月以内)に行えること、また、一体型の植生シートであるため、大雨等による培土自体の移動が発生せず歩留まり向上に寄与すること、更に、仮根発生前の栽培初期においても、起毛が種苔茎葉体の突起部に引っかかることで種苔の回転・移動が抑制されて仮根発達に遅延を生じないことである。
更に、本発明によって製造されたスナゴケ植生シートは、それ単体でスナゴケの健全な生育と固定に必要な条件を満たしており、加工が容易であるため、購入者が、希望する定植や美観の発揮に専門的知識や養生における期間を必要としない利点がある。
スナゴケの栽培においては、スナゴケを敷設した植生シートを入れた型枠を露天圃場に並べて実施する。
このとき、型枠の飛散、植生シートの飛散、スナゴケの飛散及び偏りを防止するために、編み込み間隔5mm〜10mmの飛散防止ネットで型枠ごと被覆し、飛散防止ネットを杭で固定しても良い。
また、栽培初期の1〜3か月は、スナゴケの仮根の伸長による植生シート上の起毛への活着を促すため、遮光率30〜50%で被覆を行っても良い。
圃場における潅水管理は、加湿による腐敗や高温時の水やけ現象を予防するために、原則として雨水に任せることが望ましいが、温度管理が適切に行える状態であれば、潅水を実施しても良い。
圃場栽培における栽培では、一部の一般的な液体肥料を使用することができる。ただし、スナゴケの肥料応答性は非常に低いため、十分に希釈した液体肥料を潅水に合わせて複数回噴霧投与するのが望ましい。2年栽培における肥料投与の実績では、1m2あたり150gの敷設量において、肥料投与しなかったものが収穫量442gに対し、肥料投与によって収穫量540gとなり、1.3倍程度の質量増加効果が認められる。
除草管理について、薄層の植生シートでの栽培であるため、植生シート上での雑草繁茂はほとんど見られない。圃場に雑草が繁茂した場合、一部の一般的な除草剤により雑草のみを選択的に除去することが可能である。
スナゴケを栽培する方法として、屋上緑化ユニットなどで使用される立体型のネットによる栽培(比較例1)、造園的に使用される三国砂栽培(バーク等を基材として使用したものを含む。比較例2)が考えられ、それらの栽培方法と本発明における植生シートを用いたシート栽培(実施例)を、苔が2cm程度に成長するまでの期間で測定した結果を比較したのが、表1である。
栽培期間について、苔が2cmに達するために要する期間は、立体ネット栽培においては3〜4年の歳月を要し、三国砂栽培やシート栽培では1〜1.5年に大きく短縮される。一方で、三国砂栽培では、苔が定着しないために偏りが生じ、美観性に劣るだけでなく、敷設や収穫作業時における作業負荷や種苔回収時における砂の大量混入など、収穫量の微増の割りに合わない作業性の悪さが目立つ。
また、ネット栽培、三国砂栽培ともに、顧客の要望に合わせた切断加工やインテリア向けの狭小面積加工が事実上不可能であり、使用用途が限定的である。三国砂栽培については、土壌が付着しているため、海外輸出に係る規制対象となるため、海外市場への展開も不可能である。文献1特許公報(特願2003−39918)苔シートは、ロックウールマットにのりを用いて、苔をマットに固着するものであり、また文献2登録実用新案公報(実願2016−4542)は苔とシートを固着するためにネットをミシン糸で縫い付けて固着したものであり、いずれも明らかに複雑な工程による製法をとらざるを得ないことや、それによる生産コストの高騰が予想される。
以上のことから、本件発明の植生シートを用いたシート栽培に、新規性及び生産優位性・市場優位性があることがわかる。
この発明に用いるスナゴケは、ギボウシゴケ科シモフリゴケ属に属する蘚類であり、乾燥に強く、無潅水状態で仮死状態になり、3か月程度は雨がなくても生存できる。
また、直射日光に強く、乾燥状態ではほぼ60℃ほどの熱に耐えることができるため、屋上・庭園など、広い範囲で活用することが可能な植物である。
更に、小型の常緑植物であるため、枯葉などが存在せず、年間を通じて緑色が楽しめることや、植生の生育に土壌を必要としないことから、ごみや土壌の流出がないため、インテリアとしても活用することができる。
植生シートは、スナゴケを植生シートに敷設して活着させたもので、スナゴケの敷設量は1m2当たり乾燥重量(吸水率10%程度で)150〜180gが適切である。ただし、特に美観を優先する場合や新たな栽培用の種苔を獲得する場合は、最大値である1m2あたり180gが適切である。
敷設においては、栽培に用いる植生シートを一定形状の型枠に沿って切断し、それを型枠に入れ、その上から長さ1〜2cmの種苔をふるいなどによって均一に敷設する。このとき、植生シートの上で均一になるように、指で苔の位置を調整しても良い。
スナゴケを栽培・活着させる植生シートは、厚み2.0〜3.0mm、乾燥時密度30mg/cm2、吸水時密度200〜250mg/cm2のポリエステルまたはポリプロピレン製で、表面が樹脂等でコーティングされていないものが、スナゴケの仮根との親和性や、吸水量・保水量・透水性・耐久性の面から望ましく、植生シートの色は、栽培中に避けられない一部の藻類の繁茂を美観上目立たなくするため、また、スナゴケの吸水時における緑色を際立たせる効果から、黒色が望ましい。
栽培に用いる植生シートは、保水性が低く、薄層のものを使用することで、飛来する雑草の繁茂を抑制することができ、同時に加湿によるスナゴケの腐敗を抑制することができるため、かつ、エクステリア施工やインテリア商品への加工(主としてシートの切断加工)を容易とするため、耐久性の許すかぎり薄層であることが望ましい。
スナゴケは、光合成を担う茎葉体部分と培土定着を担う原糸体部分に大別されて構成されており、この原糸体が培土定着の為に発達したものを仮根と呼んでいる。
仮根は、播種後の種苔茎葉体より下方に自然発生し、培土粒子の表面に伸長して培土粒子を掴むことによって培土に定着する。仮根1本の定着力は脆弱なものであるが、播種から約1年〜1.5年の期間を経て、周辺の苔茎葉体から伸長した仮根同士のネットワーク形成により、支持体としての機能を発揮している。
本発明では、培土として起毛を有する植生シートを採用しているが、その利点は、スナゴケの仮根とほぼ同等の起毛を有するため、発生した仮根が速やかに植生シートの起毛に絡みあい、疑似的な仮根ネットワークが形成されて培土定着が早期(3ヶ月以内)に行えること、また、一体型の植生シートであるため、大雨等による培土自体の移動が発生せず歩留まり向上に寄与すること、更に、仮根発生前の栽培初期においても、起毛が種苔茎葉体の突起部に引っかかることで種苔の回転・移動が抑制されて仮根発達に遅延を生じないことである。
更に、本発明によって製造されたスナゴケ植生シートは、それ単体でスナゴケの健全な生育と固定に必要な条件を満たしており、加工が容易であるため、購入者が、希望する定植や美観の発揮に専門的知識や養生における期間を必要としない利点がある。
スナゴケの栽培においては、スナゴケを敷設した植生シートを入れた型枠を露天圃場に並べて実施する。
このとき、型枠の飛散、植生シートの飛散、スナゴケの飛散及び偏りを防止するために、編み込み間隔5mm〜10mmの飛散防止ネットで型枠ごと被覆し、飛散防止ネットを杭で固定しても良い。
また、栽培初期の1〜3か月は、スナゴケの仮根の伸長による植生シート上の起毛への活着を促すため、遮光率30〜50%で被覆を行っても良い。
圃場における潅水管理は、加湿による腐敗や高温時の水やけ現象を予防するために、原則として雨水に任せることが望ましいが、温度管理が適切に行える状態であれば、潅水を実施しても良い。
圃場栽培における栽培では、一部の一般的な液体肥料を使用することができる。ただし、スナゴケの肥料応答性は非常に低いため、十分に希釈した液体肥料を潅水に合わせて複数回噴霧投与するのが望ましい。2年栽培における肥料投与の実績では、1m2あたり150gの敷設量において、肥料投与しなかったものが収穫量442gに対し、肥料投与によって収穫量540gとなり、1.3倍程度の質量増加効果が認められる。
除草管理について、薄層の植生シートでの栽培であるため、植生シート上での雑草繁茂はほとんど見られない。圃場に雑草が繁茂した場合、一部の一般的な除草剤により雑草のみを選択的に除去することが可能である。
スナゴケを栽培する方法として、屋上緑化ユニットなどで使用される立体型のネットによる栽培(比較例1)、造園的に使用される三国砂栽培(バーク等を基材として使用したものを含む。比較例2)が考えられ、それらの栽培方法と本発明における植生シートを用いたシート栽培(実施例)を、苔が2cm程度に成長するまでの期間で測定した結果を比較したのが、表1である。
また、ネット栽培、三国砂栽培ともに、顧客の要望に合わせた切断加工やインテリア向けの狭小面積加工が事実上不可能であり、使用用途が限定的である。三国砂栽培については、土壌が付着しているため、海外輸出に係る規制対象となるため、海外市場への展開も不可能である。文献1特許公報(特願2003−39918)苔シートは、ロックウールマットにのりを用いて、苔をマットに固着するものであり、また文献2登録実用新案公報(実願2016−4542)は苔とシートを固着するためにネットをミシン糸で縫い付けて固着したものであり、いずれも明らかに複雑な工程による製法をとらざるを得ないことや、それによる生産コストの高騰が予想される。
以上のことから、本件発明の植生シートを用いたシート栽培に、新規性及び生産優位性・市場優位性があることがわかる。
本件発明は、スナゴケを用いたインテリア・エクステリアを作成する際に使用されるものであり、パッケージには、スナゴケの特徴や用途といった商品説明を記載する。
また、パッケージに穴を設けており、防水処理を施しているため、商品の購入前に乾燥状態にあるスナゴケに霧吹きで潅水することによる形態及び色彩変化を観賞することができる。
この植生シートは、購入者が各々でスナゴケを用いたインテリア(苔玉・苔を使った箱庭・苔を使った盆栽・コケリウムなど)を作成するためのものであり、また、複数枚購入した場合は、各々で苔庭を施工するために用いられる。
従来の苔生産業者による苔シート(苔マット)は、基盤として砂やバークなどを使用しており、インテリア・エクステリアへの使用時に改めて苔を定着させる必要があるため、専門的知識を有さない一般顧客では希望する通りの定着が困難であり、それがスナゴケ普及の妨げとなっているが、本件発明による植生シートは、既に苔が活着済みであることと、切断しやすいニードルパンチカーペットを基盤とした植生シートを用いるため、任意の加工が容易であることに新規性がある。
また、栽培初期から一貫して土壌を使用していないため、海外への輸出規制が緩和され、「和」の象徴たる苔を海外市場に展開しやすいことも新規性の一つとなる。
この発明は、専門的知識を有さない一般顧客でも維持管理を容易とし、かつ、使用用途を従来の緑化や造園以外の市場に展開することによって、スナゴケの認知度を向上させ、スナゴケそのものの需要を喚起し、安定的確保による天然資源の保護と低価格化による普及を促進し、かつ、「和」の象徴たる苔を海外展開させることによる市場拡大をもって、自然との共生を美徳とする日本文化の拡散に寄与する。
また、パッケージに穴を設けており、防水処理を施しているため、商品の購入前に乾燥状態にあるスナゴケに霧吹きで潅水することによる形態及び色彩変化を観賞することができる。
この植生シートは、購入者が各々でスナゴケを用いたインテリア(苔玉・苔を使った箱庭・苔を使った盆栽・コケリウムなど)を作成するためのものであり、また、複数枚購入した場合は、各々で苔庭を施工するために用いられる。
従来の苔生産業者による苔シート(苔マット)は、基盤として砂やバークなどを使用しており、インテリア・エクステリアへの使用時に改めて苔を定着させる必要があるため、専門的知識を有さない一般顧客では希望する通りの定着が困難であり、それがスナゴケ普及の妨げとなっているが、本件発明による植生シートは、既に苔が活着済みであることと、切断しやすいニードルパンチカーペットを基盤とした植生シートを用いるため、任意の加工が容易であることに新規性がある。
また、栽培初期から一貫して土壌を使用していないため、海外への輸出規制が緩和され、「和」の象徴たる苔を海外市場に展開しやすいことも新規性の一つとなる。
この発明は、専門的知識を有さない一般顧客でも維持管理を容易とし、かつ、使用用途を従来の緑化や造園以外の市場に展開することによって、スナゴケの認知度を向上させ、スナゴケそのものの需要を喚起し、安定的確保による天然資源の保護と低価格化による普及を促進し、かつ、「和」の象徴たる苔を海外展開させることによる市場拡大をもって、自然との共生を美徳とする日本文化の拡散に寄与する。
Claims (5)
- スナゴケを、スナゴケの仮根とほぼ同等の長さと太さの起毛を有する不織布に均一に敷設したことを特徴とした植生シート。
- シート層と、請求項1に記載の植生シート層の上に設けられたスナゴケ層とを備えた植生シートであって、スナゴケ層は、ほぐして乾燥させた長さ1cm〜2cmなるスナゴケ成苗(以下、単に「種苔」と呼ぶ)が請求項1に記載の植生シート上に1m2当たり150〜180gの密度で敷設されて構成されており、かつ、請求項1に記載の植生シートは、スナゴケの仮根とほぼ同等の長さと太さの起毛を有するポリエステル製又はポリプロピレン製の不織布で作られた植生シート。
- 請求項1に記載の植生シートとスナゴケの仮根とほぼ同等の長さと太さの起毛とスナゴケの仮根が絡み合うことによって、成長したスナゴケがシート層に固着させることを特徴とする植生シート。
- スナゴケを用いた植生シートの製造方法であって、シート本体を容器内に敷設するシート敷設工程と、種苔を1m 2 当たり150〜180g、請求項1に記載の植生シート本体の表面上に播種する播種工程と、種苔が播種された請求項2に記載の植生シート本体を遮光シートで覆う被覆工程と、種苔を繁茂させてスナゴケ層を形成する苔育生工程とを含み、かつ、請求項1に記載の植生シート敷設工程で敷設される植生シート本体は、スナゴケの仮根とほぼ同等の長さと太さの起毛を有するポリエステル製又はポリプロピレン製の不織布で作られており、スナゴケの仮根と請求項1に記載の植生シートの起毛が絡むことを特徴とする植生シートの製造方法。
- 請求項4記載の植生シートの製造方法において、スナゴケを遮光率30〜50%に遮光した状態で生育したことを特徴とする請求項1記載の植生シートの製造方法
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- 2017-05-29 JP JP2017118122A patent/JP6403078B1/ja not_active Expired - Fee Related
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