JP6402883B2 - 音叉型水晶振動子の周波数測定装置及び周波数測定方法 - Google Patents

音叉型水晶振動子の周波数測定装置及び周波数測定方法 Download PDF

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Description

この発明は、音叉型水晶振動子の共振周波数を測定する周波数測定装置及び周波数測定方法に関する。
水晶振動子等の圧電素子の共振周波数を所望の周波数に調整するためには、共振周波数を測定しながら、微調整を行う必要がある。例えば、圧電素子の質量により共振周波数が異なるという性質を利用して、水晶板に形成した電極をイオンビームによりエッチングし、目的の周波数となるように調整する方法がある。この方法により周波数を調整する場合、電極に励振用信号を印加して共振周波数を測定する工程と、電極をイオンエッチングする工程と、を共振周波数が目的の周波数となるまで繰り返す。
圧電素子に励振用信号を印加する際には立ち上がりの遅延が発生する。このため、圧電素子の励振を開始してから圧電素子の励振状態が安定して、共振周波数の測定が可能な状態に達するまで待つ必要がある。
圧電素子の生産ラインにおいては、例えば、1台のネットワークアナライザを使用して、キャリアに搭載された複数の圧電素子を順次測定する場合がある。この場合、圧電素子を測定するごとに遅延が発生し、さらに、エッチングの度に、共振周波数の測定を行うため、キャリアに搭載された全ての圧電素子を測定するには時間がかかる。従って、生産効率が低下するといった問題があった。
このような問題に対処するため、特許文献1には、発振法において、水晶振動子の発振の立ち上がりの遅延を抑える技術が記載されている。特許文献1に記載の水晶振動子の製造装置は、スタート信号が入力されるまでは、励振用発振器と水晶振動子とを接続しておき、スタート信号が入力されると、水晶振動子との接続を励振用発振器から検査用発振器に切り替える。このような構成により、水晶振動子の発振の立ち上がりを早めることができる。
あるいは、伝送法において、複数の測定対象を同時に測定して、測定の時間を短縮する技術もある。例えば、特許文献2には、複数のデバイスを同時に測定するため、4ポートネットワークアナライザを使用して、同時に2個の2ポートデバイスを測定することが記載されている。
特開2008−102019号公報 特開2003−075488号公報
特許文献1に開示されている製造装置は、検査用発振器に加え、励振用発振器、切替用制御部を備える必要があり、装置の構成が複雑なものとなる。また、部品が追加されることで、装置の製造コストがかさむことになる。更に、励振用発振器と検査用発振器との切り替え時に発振が不安定となるため、検査用発振器に切り替え後、発振が安定するまで待ち時間が必要となる。
また、特許文献2に開示されている測定方法においては、通常のネットワークアナライザに比べ、高額なマルチポートネットワークアナライザの使用が前提となっており、装置にかかる費用がかさむ。例えば、4つの2ポートデバイスを測定するためには、4ポートネットワークアナライザを2台準備する必要があり、測定対象の圧電素子が増えると、測定にかかる費用が増えることになる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複数の音叉型水晶振動子の周波数を測定にかかる時間を簡単な構成で短縮することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明の共振周波数測定装置は、
複数の音叉型水晶振動子の共振周波数を測定する周波数測定装置であって、
目標となる共振周波数を含む所定の範囲の周波数から設定した周波数の励振用信号を複数の音叉型水晶振動子に並行して供給する励振用信号供給部と、
前記複数の音叉型水晶振動子からの測定信号の出力のオン/オフを切り替えるスイッチとして機能し、設定された周波数の前記励振用信号により並行して励振されている前記複数の音叉型水晶振動子のうちから、測定対象の音叉型水晶振動子を順次切り換えて選択する選択部と、
前記選択部が選択した音叉型水晶振動子から出力される測定信号を受信する受信部と、
前記受信部から出力される周波数別の特性から各音叉型水晶振動子の共振周波数を求める演算部と、
を備え、
前記励振用信号供給部は、
励振用信号を供給する供給部と、
入力インピーダンス変換機能を備えた回路と信号の分配回路とから構成され、前記供給部から供給された励振用信号を分岐し、分岐した信号を前記複数の音叉型水晶振動子にそれぞれ供給する信号分岐部と、
を有し、
前記選択部は、
前記複数の音叉型水晶振動子にそれぞれ接続されたインピーダンス変換素子を含むボルテージフォロワ回路を有し、
前記励振用信号供給部は、前記選択部が測定対象の音叉型水晶振動子を順次選択することにより、音叉型水晶振動子全てについて前記受信部から前記演算部への前記測定信号の出力が完了すると、前記所定の範囲内において前記励振用信号の周波数を更新し、更新した周波数の前記励振用信号を前記複数の音叉型水晶振動子に並行して供給し、
前記演算部は、複数の周波数の励振用信号について測定された特性から、各音叉型水晶振動子の共振周波数を求める。
例えば、前記選択部は、前記励振用信号供給部が励振用信号の周波数を変更した後、各音叉型水晶振動子の動作が安定するために要する期間が経過した後、1つ目の測定対象の音叉型水晶振動子を選択し、以後は、前記受信部の前記測定信号の出力に要する時間が経過する毎に測定対象の音叉型水晶振動子を切り換えて選択する。
例えば、前記選択部は、前記励振用信号供給部が励振用信号の周波数を変更した後、各音叉型水晶振動子の動作が安定するために要する期間が経過した後、1つ目の測定対象の音叉型水晶振動子の特性を測定し、以後は、1つの音叉型水晶振動子の特性の測定が終了する毎に測定対象の音叉型水晶振動子を切り換えて選択する。
例えば、前記励振用信号供給部は、前記複数の音叉型水晶振動子の一端に所定周波数の励振用信号を印加し、前記選択部は、前記音叉型水晶振動子の他端に接続され、音叉型水晶振動子を通過した信号を前記受信部に出力する
例えば、前記特性は、高周波信号の位相差及び振幅比であり、前記受信部は、前記選択部が選択した音叉型水晶振動子を通過した高周波信号を受信し、前記音叉型水晶振動子を通過した信号と基準の励振用信号とを比較して前記特性を前記演算部に出力し、前記演算部は前記特性から、各音叉型水晶振動子のインピーダンスを求め、共振周波数を求める。
上記目的を達成するため、この発明の周波数測定方法は、
励振用信号を供給する供給回路と入力インピーダンス変換回路と信号分配回路とにより、分岐した励振用信号を複数の音叉型水晶振動子にそれぞれ供給して、目標となる共振周波数を含む所定の範囲の周波数から設定した周波数で前記複数の音叉型水晶振動子を並行して励振し、
前記複数の音叉型水晶振動子にそれぞれ接続されたインピーダンス変換素子を有するボルテージフォロワ回路により、前記複数の音叉型水晶振動子からの測定信号の出力のオン/オフを切り替えて、設定された周波数で並行して励振されている前記複数の音叉型水晶振動子のうちから測定対象の音叉型水晶振動子を順次選択し、
選択した音叉型水晶振動子から出力される測定信号を受信し、
受信した測定信号から前記複数の音叉型水晶振動子の特性を順次測定し、
測定対象の音叉型水晶振動子を順次選択することにより、設定された周波数について測定対象となる全ての音叉型水晶子の特性の測定が完了すると、前記所定の範囲内において励振用の周波数を更新し、更新した周波数で前記複数の音叉型水晶振動子を並行して励振し、
複数の励振周波数について、測定された特性に基づいて、各音叉型水晶振動子の共振周波数を求める。
本発明によれば、複数の音叉型水晶振動子を並列に励振し、順次測定を行うので、簡単な構成で、音叉型水晶振動子の周波数の測定にかかる時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態に係る周波数測定装置の全体構成図であり、(a)は周波数測定装置を正面から見た概略構成図であり、(b)は周波数測定装置のエッチング室を側面から見た概略構成図である。 水晶振動子の構成を示す図であり、(a)は、水晶振動子を側面から見た図であり、(b)は、水晶振動子を上から見た図である。 コンタクト部の外観を示す平面図である。 回路構成の一例を示す図である。 回路構成を説明するための図である。 水晶振動子インピーダンスの周波数特性を示す図である。 周波数調整処理のフローを示す図である。 複数の水晶振動子を順次測定する方法を説明するための図である。 水晶振動子の応答特性を示す図である。 リレースイッチを用いて複数の水晶振動子を順次測定する方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数測定装置の全体構成図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る周波数測定装置及び周波数測定方法を説明する。
本実施の形態の周波数測定装置は、複数の水晶振動子に同時に信号を入力し、測定対象を順次切り換えて、複数の水晶振動子の共振周波数を順次測定する機能を有する。
図1(a)に周波数測定装置10を正面から見た場合の内部の構成を示す。本実施の形態の周波数測定装置10は、仕込取出室11、エッチング室12の2室ロードロック構成となっている。また、図1(b)に、周波数測定装置10のエッチング室12を側面から見た場合の構成を示す。
仕込取出室11に、複数の水晶振動子21を搭載したキャリア22がセットされる。仕込取出室11をエッチング室12と同一の圧力まで減圧した後、仕切弁23を開き、キャリア22に搭載された水晶振動子21をエッチング室12に搬送する。複数の水晶振動子21はキャリア22に行列配置され、図示しない搬送機構がキャリア22を行方向に搬送する。図1(a)及び(b)に示すx軸方向を行方向、y軸方向を列方向とする。
以下の説明では、例として、キャリア22に搭載される水晶振動子21は、M×N個とする。
被処理体である水晶振動子21は、図2に示すように、水晶片211と、水晶片211の対向する主面に形成され、水晶片211にひずみを与えるための電極212,213と、を備える。電極212には、接続パッド212Pが接続されている。電極213には、水晶片211の側面に形成されたリード電極213L等を介して、接続パッド212Pと同一主面に形成された接続パッド213Pが接続されている。電極212,213のサイズや厚さにより、水晶片211の共振周波数は変化する。
なお、本実施形態においては、エッチングにより水晶振動子21の質量を減らすことで共振周波数を高く調整するため、エッチング前の水晶振動子21は、その共振周波数が目標値より若干低めとなるように形成されている。
図1(a)、(b)に示すエッチング室12には、イオンガン31が設けられる。イオンガン31は、キャリア22に搭載された任意の1列の水晶振動子21全てをイオンビーム照射範囲に含める開口を有する。キャリア22が図1(a)に示すx軸方向に搬送され、周波数調整対象である水晶振動子21がイオンガン31に対面すると、イオンガン31は調整対象である対面する列の水晶振動子21すべてを同時にイオンビームエッチングする。イオンガン31は、任意の列のエッチングが完了すると、駆動機構により列方向(図1(a)、(b)に示すy軸方向)に移動して、列単位にエッチングを行う。
エッチング室12には、イオンガン31のイオンビームの照射のオン・オフを切り替えるシャッタ32が設けられている。シャッタ32は、キャリア22にセット可能な1列の水晶振動子21の個数と同数設けられる。シャッタ32はそれぞれ、制御部200の制御に従って、イオンガン31から照射されたイオンの通過をオン・オフする。従って、個々の水晶振動子21のエッチングが独立して制御される。
あるいは、イオンビームの照射のオン・オフ制御は次のような構成であってもよい。
例えば、1列の水晶振動子21ごとにシャッタ32を設ける。つまり、1つのシャッタ32は、1列の水晶振動子21すべてのエッチングを同時に制御する。キャリア22に搭載される水晶振動子21すべてがイオンガン31の照射範囲に含まれる場合、列単位でイオンビームの照射のオン・オフを切り替えることができる。例えば、任意の1列にエッチングを同時に行ってもよいし、複数列にエッチングを同時に行ってもよい。
イオンガン31、及びシャッタ32は、制御部200によって制御され、水晶振動子21の共振周波数が目的値と一致するように電極213をエッチングして、その厚みを調整する。なお、本実施形態においては、片面の電極213のみエッチングするが、両面の電極212,213をエッチングしてもよい。
エッチング室12での水晶振動子21の共振周波数の調整工程が終わると、仕込取出室11をエッチング室12と同一の圧力まで減圧し、仕切弁23を開き、水晶振動子21をキャリア22毎に、仕込取出室11へ搬送する。その後、仕切弁23を閉じて仕込取出室11を大気圧とした後、水晶振動子21を搭載したキャリア22が取り出される。
共振周波数の調整工程において水晶振動子21の共振周波数を測定するため、エッチング室12には、水晶振動子21の電極212,213(接続パッド212P,213P)に、ネットワークアナライザ60を接続するためのコンタクト機構33が設けられている。
次に、図3を参照しなから、コンタクト機構33の構成について説明する。
コンタクト機構33は、キャリア22にセット可能な1列の水晶振動子21の個数と同数のプローブピン331A、331Bの対を備える。例えば、キャリア22にセット可能な1列の水晶振動子21の個数がN個である場合、コンタクト機構33はN対のプローブピン331Aと331Bを備える。
あるいは、コンタクト機構33は次のような構成であってもよい。例えば、コンタクト機構33がN/2個の水晶振動子21に接続可能なプローブピンを備えていて、測定を2回に分けて実施してもよい。あるいは、イオンガン31が複数列の水晶振動子21を同時に周波数調整可能である場合は、複数列の水晶振動子21全てにプローブピンが同時に接続可能な構成としてもよい。
コンタクト機構33は、制御部200の制御に従って、プローブピン331A、331Bを、水晶振動子の接続パッド212P,213Pに接続する。
コンタクト機構33は、樹脂等の絶縁材料からなるブロック332、配線用の基板333、プローブピン331A、331B、図示しない駆動機構に接続するアーム337、を含む。
ブロック332の上面には基板333が取り付けられている。また、ブロック332には、上面から底面へ貫通する穴335が設けられている。プローブピン331A、331Bは、基板333に設けられたスルーホール334に挿通され、ブロック底部から穴335にケーブル34A、34Bが挿通され、プローブピン331Aとケーブル34Aの一端、プローブピン331Bとケーブル34Bの一端、がそれぞれ基板333上でハンダ接続されている。ケーブル34A、34Bは、水晶振動子21の励振を外部へ伝搬するための信号線である。
コンタクト機構33は、図示しない駆動機構に接続するアーム337によってブロック332を前進若しくは後退させる。ブロック332には図示しないばねが内挿されており、プローブピン331がばねの弾性力で伸縮することにより、前進状態で、プローブピン331を水晶振動子21の接続パッド212P,213Pに加圧しながら接触させる。一方、コンタクト機構33は、後退して、プローブピン331Aと331Bを、接続パッド212Pと213Pから離接する。
上述した構成により、コンタクト機構33は、同時にキャリア22にセットされている任意の1列に含まれるすべての水晶振動子21の電極212,213に同時に接続可能である。
ケーブル34Aの他端は、パワースプリッタ40に接続されている。ケーブル34Bの他端は、34Bが接続する電極を有する水晶振動子21に対応するIC回路50に接続されている。
図1(a)、(b)に示すように、周波数測定装置10は、水晶振動子21を励振し、そのインピーダンスを測定するためのネットワークアナライザ60を備える。
ネットワークアナライザ60は、プロセッサ、メモリ等を有した、回路網の通過電力の周波数特性を測定する測定器である。ネットワークアナライザ60は、接続する水晶振動子から測定信号を入力し、基準信号と比較して位相差及び振幅比を出力する受信部と、周波数別の位相差及び振幅比から水晶振動子の周波数特性を演算する演算部を備える。
本実施形態において、ネットワークアナライザ60が受信部と演算部を備えるが、制御部が演算部の役割を果たしてもよい。
ネットワークアナライザ60は、予め、プローブピン331Aと331Bに既知のインピーダンス素子を接続した状態で(水晶振動子21を配置しない状態)で、パワースプリッタ40、パワースプリッタ40がその出力段に備えるインピーダンス変換回路41、IC回路50等から構成される周辺回路の入力信号と出力信号の振幅比及び位相差を測定し、周辺回路の周波数特性を求めて、記憶しておく。ネットワークアナライザ60は、水晶振動子21の周波数特性を測定する際には、パワースプリッタ40を介して、各水晶振動子21に、周波数をスキャンしながら、励振用信号を印加し、各水晶振動子21を流れる電流を示す信号(出力)をIC回路50(スイッチ)を介して求める。ネットワークアナライザ60は、求めた入力−出力特性と、予め求めておいた周辺回路のみの入力−出力特性と、の差から、水晶振動子21の周波数−インピーダンス特性を求め、その共振周波数を求める。
パワースプリッタ40は、ネットワークアナライザ60から供給される励振用信号を、信号の同一性を維持したまま分配して、分配した信号(励振用信号)をケーブル34Aとプローブピン331Aを介して、水晶振動子21の一方の電極212に供給する。これにより、複数の水晶振動子21が一斉に励振される。
各IC回路50は、オン・オフスイッチとして機能するものであり、ケーブル34Bを介して水晶振動子21の他方の電極213に接続される。IC回路50はオンすると、対応する水晶振動子21を流れる電流を示す信号をネットワークアナライザ60に供給する。
IC回路50は、測定対象の水晶振動子21を順次切り換えて選択する選択部としての役割を果たす。
制御部200は、プロセッサ、メモリ等を含み、所定の制御ルーチンに従って、検出した水晶振動子21の共振周波数に基づいて、周波数測定装置10の各部を制御し、各水晶振動子21の共振周波数が目的周波数に一致するように、周波数の調整の処理を行う。
図4に、インピーダンス変換回路41、水晶振動子21、IC回路50の回路構成の一例を示す。
この一群の回路の入力端は、ネットワークアナライザ60から供給される励振用信号を分配するパワースプリッタ40に接続されている。出力端は、ネットワークアナライザ60の入力端子に接続されている。
インピーダンス変換回路41は抵抗R1、R2、R3から構成される。
抵抗R1、R2は、パワースプリッタ40から供給された信号のインピーダンスを変換する抵抗素子である。それぞれの抵抗値が抵抗R1>抵抗R2となるよう設定されている。抵抗R3は、放電抵抗であり、水晶振動子21にイオンガン31によりイオンビームが照射されることにより、電極213に蓄積される帯電を防止するためのものである。なお、抵抗R2は、インピーダンスマッチングの観点から、例えば、51kΩ程度、抵抗R1は100KΩ程度、抵抗R3は1M〜10MΩ程度に設定される。
抵抗R1とR3の接続ノードが、プローブピン331Aを介して、水晶振動子21の電極212に接続される。
IC回路50は、オペアンプ(演算増幅器)Opと、コンデンサC1,C2,抵抗R4〜R6を備える。
オペアンプOpは、ボルテージフォロワとして動作し、入力された電圧を1倍に増幅して出力する。オペアンプOpの電源V+、V−は、制御部200により制御される。
オペアンプOpの入力段に配置された抵抗R4は、電流調整用抵抗であり、その一端は、プローブピン331Bを介して水晶振動子21の他方の電極213に接続される。抵抗R5は、その一端が抵抗R4の他端とオペアンプOpの非反転入力端(+)に接続され、他端が接地されている。抵抗R5は、水晶振動子21を含む回路を流れる励振電流を電圧信号へ変換するためのものである。抵抗R4とR5の接続ノードの電圧がオペアンプOpの非反転入力端に印加される。オペアンプOpの出力端に接続された抵抗R6は、電流制限抵抗であり、IC回路50の後続の回路に過電流が流れ込むのを防止すると共にインピーダンスマッチングを取るためのものである。
コンデンサC1、C2は、バイパスコンデンサであり、オペアンプOpの動作電源V+、V−をそれぞれグランドと接続し、コンデンサC1、C2は、ノイズ成分が後続の回路へ伝わることを抑止する役割を果たす。
電源電圧V+、V−が印加された場合に、オペアンプOpは、非反転入力端に入力された電圧を1倍に増幅して出力する。一方、オペアンプOpに電源が供給されていない場合、オペアンプOpは動作しない。従って、オペアンプOpの動作時のみ、図4に示す回路の励振電流に関する情報がネットワークアナライザ60へ供給される。
このような構成を備えることにより、IC回路50は、制御部200の制御に従って、図4に示す回路の短絡状態と開放状態とを切り替えるスイッチとして機能する。
オペアンプOpへの電源供給の有無に因らず、水晶振動子21を流れる励振電流値は一定であるため、オペアンプOpを用いることで、水晶振動子21の励振が不安定となることを抑止することができる。
次に、上述した構成を備える周波数測定装置10が、キャリア22にセットされた複数の水晶振動子21の共振周波数を測定する方法を説明する。
図5に、キャリア22にセットされた複数の水晶振動子21、パワースプリッタ40、IC回路50のうちの任意の1個の水晶振動子21を測定する場合の回路の模式図を示す。
ここで、In、Outは、ネットワークアナライザ60に接続されている。
上述したように、コンタクト機構33により、キャリア22にセットされた1列すべての水晶振動子21の電極212,213に、対応するプローブピン331A、331Bが接続される。従って、ネットワークアナライザ60から供給される信号(励振用信号)がパワースプリッタ40を介して、キャリア22にセットされた1列すべての水晶振動子21の電極212に信号の同一性を維持したまま供給される。
制御部200は、測定対象の水晶振動子21に対応するIC回路50のオペアンプOpのみに動作電圧V+、V−を供給してオンすることにより、励振用信号をネットワークアナライザ60に出力させる。また、その他のIC回路50をオフさせる。制御部200は、オンさせるIC回路50を順次切り換えることにより、測定している水晶振動子21を切り換える。
こうして、ネットワークアナライザ60は、キャリア22にセットされた複数の水晶振動子21に共通の励振用信号を印加し、各水晶振動子21を通過した信号を順番に測定することができる。
次に、水晶振動子21の共振周波数を測定、該共振周波数を調整する方法を説明する。
図6に、水晶振動子21のインピーダンス−周波数特性の一例を示す。ここで、横軸は、水晶振動子21の電極212と213との間に印加される励振用信号の周波数を示し、縦軸は、水晶振動子21のインピーダンスを示す。ここで、実線が示すインピーダンス周波数は、実際に測定した水晶振動子21(水晶振動子A)の特性を示し、2点破線が示すインピーダンス周波数特性は、目標となる共振周波数を持つ水晶振動子(以下、水晶振動子Bとする)の特性を示す。
共振周波数とは、インピーダンスが最小値となる周波数であり、図6に示す例では、水晶振動子Aの共振周波数はf0[Hz]であり、水晶振動子Bの共振周波数は、fT[Hz]である。f0とfTの差はΔεである。
本実施形態では、水晶振動子21は、その共振周波数f0が目標値fTよりやや下回るように製造されている。周波数の測定のため、水晶振動子21に印加される励振用信号の周波数として、共振周波数fT[Hz]を含む所定の範囲の周波数が設定される。
具体的には、ネットワークアナライザ60は、まず、周波数fが印加範囲の下限値fL[Hz]の励振用信号をパワースプリッタ40とインピーダンス変換回路41、プローブピン331Aを介して水晶振動子21の電極212に印加し、オンしているオペアンプOPを介して、水晶振動子21を通過した信号を測定する。ネットワークアナライザ60は、基準信号と水晶振動子21を通過した信号を比較して振幅比と位相差を求め、演算により水晶振動子21のインピーダンスZを求める。続いて、ネットワークアナライザ60は、励振用信号の周波数fを、微小量Δfだけ増加し、周波数fL+Δfの励振用信号を水晶振動子21に印加し、水晶振動子21のインピーダンスZを求める。ネットワークアナライザ60は、励振用信号の周波数fが印加範囲の上限値fHに達するまで、周波数fを微小量Δfだけ増加して、インピーダンスZの測定を繰り返す。
ネットワークアナライザ60は、得られた周波数f−インピーダンスZ特性から、その共振周波数f0を求め、求めた共振周波数f0と目標共振周波数fTとの偏差Δεを求める。
制御部200は、得られた偏差Δεに基づいて、各イオンガン31及びシャッタ32を制御し、水晶振動子21の電極213をエッチングする。
一定量のエッチングが施されると、制御部200は、ネットワークアナライザ60を制御し、その共振周波数を測定する。そして、共振周波数f0の測定とエッチングとを交互に繰り返し、Δεが所定の値以下となった場合に、その水晶振動子21の共振周波数が目標値となったと判断し、周波数調整を完了する。キャリア22に搭載された水晶振動子21全ての共振周波数f0の偏差Δεが基準値以下となると、そのキャリアについての調整作業は終了する。
次に、図7を参照しながら、上記構成の周波数測定装置10が水晶振動子21の調整を行う一連の動作を説明する。
まず、調整対象の水晶振動子21は、キャリア22にセットされ、仕込取出室11にセットされ、エッチング室12内に投入される。
ここで、キャリア22にセットされる1列の水晶振動子21の個数は6個とする。従って、コンタクト機構33は、6組のプローブピン331Aと331Bを備えているものとする。
キャリア22が所定の位置で停止し、調整対象となる1列の水晶振動子21は、イオンガン31に対向する位置にセットされる。
制御部200の制御に従って、コンタクト機構33は前進して、各プローブピン331A、331Bを対応する水晶振動子21の接続パッド212P、213Pに接触させる(ステップS101)。
制御部200は、ネットワークアナライザ60が供給する励振用信号の周波数fとして、周波数印加範囲の下限値fL[Hz]をセットする(ステップS102)。
次に、制御部200は、ネットワークアナライザ60に周波数fの励振用信号の出力を開始させる(ステップS103)。パワースプリッタ40は、励振用信号を同一性を維持したまま分配し、プローブピン331Aを介して6個の水晶振動子21の電極212に並行して印加する。
次に、制御部200は、周波数fの励振用信号が印加されたことにより、各水晶振動子21の動作が安定するまでの一定の時間trだけ待機する(ステップS104)。一定時間trは、予め実験などにより求めておく。
また、制御部200は、測定対象の水晶振動子21の番号を示すポインタPに0をセットする(ステップS105)。
次に、制御部200は、ポインタPを更新する(ステップS106)。更新は基本的には、+1することにより行う。ただし、後述する調整完了フラグFがセットされている場合には、その値をスキップし、調整完了フラグFがセットされていない次の値とする。詳細は後述するとし、ここでは、+1して、P=1に設定する。
続いて、Pが最大値(この例では、6)より大きいか否かを判別する(ステップS107)。
Pが最大値を超えていないと判別された場合(ステップS107;No)、制御部200は、ポインタPが指示するP番目のIC回路50のオペアンプOpに動作電源+V、−Vを印加する(ステップS108)。すなわち、現在の測定対象の水晶振動子21に接続されているIC回路50が構成するスイッチをオンする。これにより、P番目の水晶振動子21を通過した励振用信号がネットワークアナライザ60に供給される。
ネットワークアナライザ60は、特定した測定対象であるP番目の水晶振動子21を通過した信号と基準信号とを比較して振幅比と位相差を求め、演算によりP番目の水晶振動子21のインピーダンスZを算出し、周波数fと対応付けてメモリに記憶する(ステップS109)。
インピーダンスZの記憶終了後、制御部200は、P番目のIC回路50のオペアンプOpへの動作電源の供給を停止する(ステップS110)。即ち、P番目の水晶振動子21とネットワークアナライザ60との間のスイッチを開く。その後、処理は、ステップS106にリターンし、ポインタPを更新する。
こうした動作を繰り返し、第1〜第6の水晶振動子21のインピーダンスZを測定すると、P>6と判別され(ステップS107;Yes)、処理はステップS111に進む。
ステップS111において、ネットワークアナライザ60は、励振用信号の周波数fを微小値Δfだけ増加する(ステップS111)。
次に、制御部200は、周波数fが印加範囲の上限値fHより大きいか否かを判別する(ステップS112)。
f≦fHの場合(ステップS112;No)、処理はステップS103にリターンし、
更新したfについて、上述と同様の処理を実行する。
こうして、周波数fをスキャンしながら、各水晶振動子21のインピーダンスZが収集される。
f>fHの場合(ステップS112;Yes)、1回の周波数スキャンが終了したことになるので、ネットワークアナライザ60は、記憶している周波数f−インピーダンスZの対応情報から、図6に示す各水晶振動子21の共振周波数f0と、共振周波数f0と目標値fTとの偏差Δεと、を求める(ステップS113)。なお、詳細は後述するが、この処理は調整完了フラグFがセットされていない水晶振動子21についてのみ実行すればよい。
続いて、全ての水晶振動子21の偏差Δεが基準値以下であるか否かを判別する(ステップS114)。
全ての水晶振動子21の偏差Δεが基準値以下であれば(ステップS114;Yes)、キャリア22に搭載された水晶振動子21の共振周波数の調整が終了したので、今回の処理を終了する。
少なくとも1つの水晶振動子21の偏差Δεが基準値より大きければ(ステップS114;No)、その水晶振動子21の共振周波数を調整するため、ステップS115に進む。
ステップS115において、制御部200は、Δε≦基準値となった水晶振動子21に調整完了フラグFをセットする。
続いて、制御部200は、イオンガン31を制御し、調整完了フラグFがセットされていない、水晶振動子21の電極213をエッチングする(ステップS116)。制御部200は各偏差Δεとイオンガン31のエッチングレートから必要なエッチング時間をそれぞれ求め、各水晶振動子21−1〜21−6がそれぞれ必要なエッチング時間のみイオンガン31に露出するように、シャッタ32を個別制御すればよい。
エッチング終了後、処理はステップS102にリターンし、再度、共振周波数を測定する処理を実行する。ただし、以後の処理においては、ステップS106の処理でポインタPを更新する際、P番目の水晶振動子21に調整完了フラグFがセットされている場合には、その値をスキップする。例えば、ステップS115で、1番目と2番目の水晶振動子21のみがΔε<基準値であると判別され、これらの水晶振動子21に調整完了フラグFがセットされたとする。
ステップS116では、1番目と2番目を除いた水晶振動子21、即ち、3番目から6番目の水晶振動子21について、エッチング処理が行われる。
また、ステップS105でP=0にセットされた後、ステップS106で、ポインタPを更新する際、1,2をスキップして、P=3がセットされる。こうして、ステップS116でエッチング処理を行った水晶振動子21のみ、その共振周波数f0と偏差Δεが求められる。
こうして、共振周波数f0の測定とエッチングを繰り返して、調整対象となる列の全ての水晶振動子21の偏差Δεが基準値以下となったところで(ステップS114;Yes)、共振周波数調整処理を終了し、キャリア22を行方向に1列分移動させ、同様に次列の共振周波数調整処理を行う。キャリア22の搬送と列単位での共振周波数調整処理とを順次繰り返し、キャリア22にセットされた全水晶振動子21の処理を完了させる。
図7に示す処理は、全水晶振動子が基準値以下となるまで共振周波数測定とエッチング処理を繰り返すが、繰り返しは省略してもよい。例えば、図7に示すステップS116終了後、処理をステップS102にリターンせずに完了させてもよい。この場合、キャリア22に搭載された1列分の水晶振動子の共振周波数を測定し、偏差Δεからそれぞれのエッチング時間を算出してエッチング処理を行った後は、キャリア22を搬送して次列の共振周波数測定に進む。あるいは、共振周波数測定とエッチング処理の繰り返し回数を固定としてもよい。図7に示すステップS116終了後、処理をステップS102にリターンする前に繰り返し回数を判断し、所定回数に達している場合はステップS102にリターンせずに完了させてもよい。
共振周波数測定、エッチング処理、及びキャリア搬送のフローは図7に限られるものでなく適宜選択すればよい。図7はロードロック構成の装置を示すが、インライン構成の装置であってもよい。
図8に、上述の測定方法における時間の流れを示す。ここで、横軸は時間を示す。21−1〜21−6は、キャリア22にセットされる6つの水晶振動子21である。
まず、時間t0で、ネットワークアナライザ60から水晶振動子21−1〜21−6に周波数fL[Hz]の励振用信号が並列的に印加される(ステップS102〜103)。水晶振動子21−1〜21−6の励振状態が安定するまでの時間tr待ったのち(ステップS104)、第1のIC回路50をオンして、ネットワークアナライザ60で水晶振動子21−1のインピーダンスZを測定する(ステップS108〜110)。測定に要する時間をΔtで表す。
その後、第2、第3...のIC回路50を順次動作させ(ステップS106)、水晶振動子21−2〜21−6のインピーダンスZを測定する。
水晶振動子21−1〜21−6のインピーダンスZの測定が終了すると、周波数fをΔfだけ更新して(ステップS111)、同様の処理を繰り返す。
このように、ネットワークアナライザ60は、パワースプリッタ40を介して1つのキャリア22にセットされている調整対象となる1列全ての水晶振動子21に、周波数fの励振用信号を供給する。従って、キャリア22にセットされている調整対象となる1列全ての水晶振動子21は周波数fの励振用信号で励振されていることになり、水晶振動子21−2〜21−6については、励振の応答を待たずにインピーダンスZの測定を行うことができる。
つまり、キャリア22にセットされている6個の水晶振動子21のうち、最初の測定対象となる水晶振動子21−1を除く5個の水晶振動子21−2〜21−6の励振のタイムラグが、測定時間に影響しない。
入力信号の周波数をΔfだけ高く変更した場合も、同様に、水晶振動子21−2〜21−6については、励振用信号の立ち上がりを待たずに共振周波数の測定を行うことができる。
また、音叉型水晶振動子は動作が安定するまでの時間trが長いため、本発明は音叉型水晶振動子を測定する場合に特に効果が大きい。
IC回路50に変わる切り換え用選択部として、ソレノイドに制御電流を流し、ソレノイドが発生する磁力によって電極接点を動かすタイプのリレースイッチを用いてもよい。リレースイッチを用いた場合、スイッチのオン・オフ切り替え時に水晶振動子21を流れる励振電流値が変動するため、切り換え後に微小な安定待ち時間Δtrが必要となる。
図10にリレースイッチを用いた場合の測定方法における時間の流れを示す。図10では周波数fをΔfだけ更新して繰り返す処理を省略している。trに比較してΔtrは十分小さいため、従来の測定方法に比較すれば測定時間は十分短くなる。
あるいは、リレースイッチに限らず、励振状態である複数の水晶振動子の中から測定用の素子を選択するスイッチを用いて選択素子の周波数特性を測定してもよい。この場合でも、立ち上がり時間を短縮して測定時間を短縮することができる。
上述の実施形態に示したように、選択部であるIC回路50にオペアンプのようなインピーダンス変換素子を採用した場合、リレースイッチを使用した場合に比べ、微小な安定待ち時間Δtrも省略することができるため、図8に示すように測定時間を大幅に短縮する効果を奏する。
図9に、水晶振動子21に励振用信号が入力されたときの応答特性の一例を示す。ここで横軸は時間を示しており、縦軸はインピーダンスの測定値を示す。図9に示すように、励振用信号を印加してから、インピーダンスの測定値が安定する迄に要する時間は約100ミリ秒である。この場合、1台のネットワークアナライザ60が6個の水晶振動子21の共振周波数を順次測定する場合、励振用信号を印加してからインピーダンスの測定値が安定する迄の時間は600ミリ秒程度となる。この時間が周波数fを更新するたびにかかることになる。
一方、上述した周波数測定装置10においては、最初の1個の水晶振動子21の安定待ち時間を設ければよく、励振用信号を印加してから、インピーダンスの測定値が安定する迄の時間は100ミリ秒程度となる。ネットワークアナライザ60によるインピーダンスの測定に要する時間自体は、100ミリ秒と比べて十分に小さいので、測定時間は、大幅(約1/6)に短縮される。このように、共振周波数の計測時間を短縮することができる。
また、特許文献2の構成では、励振用の発振器と測定用の発振器との接続を切り換えながら測定を行う必要があるが、本実施の形態では、そのような複雑な処理を行う必要はなく、各水晶振動子21を流れる電流を表す信号を、順番に選択して、ネットワークアナライザ60に供給するのみですむ。また、励振用の共振器と測定用の共振器との接続切り換えに伴い不安定となった信号が安定するまで待つ必要がない。
(第2の実施形態)
次に、図11を参照し、第2の実施形態を説明する。図1に示す周波数調整装置10と同様の機構は同一符号を付し説明を省略する。本実施形態の周波数調整装置100は、仕込室14、エッチング室12、取出室13の3室インライン構成となっている。仕込室14とエッチング室12を同一の圧力まで減圧した後、仕切弁23を開き、キャリア22をエッチング室12に搬送する。エッチング室12での水晶振動子21の共振周波数の調整工程が終わると、取出室13をエッチング室12と同一の圧力まで減圧し、仕切弁37を開き、水晶振動子21をキャリア22毎に、取出室13へ搬送する。その後、仕切弁37を閉じて取出室13を大気圧とした後、水晶振動子21を搭載したキャリア22が取り出される。本実施形態においては図11に示すようにエッチング室12に、3台のイオンガン31(31H,31M,31L)が設けられている。3台のイオンガン31(31H,31M,31L)は、上流(左側)より、H(高レート用)、M(中レート用)、L(低レート用)と配置されている。3台のイオンガン31の照射エネルギーの量は、イオンガン31H>イオンガン31M>イオンガン31Lに設定されている。
イオンガン31(31H,31M,31L)には、それぞれにシャッタ32(32H,32M,32L)が設けられている。シャッタ32H,32M,32Lは、それぞれ、イオンガン31H,31M,31Lから照射されたイオンビームの通過をオン・オフする。
共振周波数の調整工程において水晶振動子21の共振周波数を測定するため、エッチング室12には、水晶振動子21の電極212,213(接続パッド212P,213P)に、ネットワークアナライザ60を接続するためのコンタクト機構33(33H、33M、33L)が設けられている。コンタクト機構33は、キャリア22に搭載される全ての水晶振動子21に接続される。従って、調整対象となっているか否かにかかわらず、キャリア22にセットされている全ての水晶振動子21は周波数fの励振用信号で励振されていることになり、安定時間を置かずにインピーダンスZの測定を行うことができる。
周波数測定装置100は、レートの異なる3台のイオンガン31H、31M、31Lを有しており、イオンガン31Hでの周波数調整により全ての水晶振動子21のΔεが所定の基準値以下になると、キャリア22はイオンガン31Mに対向する位置へ搬送され、イオンガン31Mによる周波数調整が行われる。そして、イオンガン31Mでの周波数調整によるΔεが所定の値以下になると、キャリア22はイオンガン31Lに対向する位置へ搬送され、イオンガン31Lによる周波数調整が行われる。
このようにして、正確に周波数を調整することができる。
なお、入力信号の周波数の上げ幅は、決められた固定間隔で変化させてもよいし、Δε等に基づいて、変則的に変化させてもよい。周波数変更範囲fL〜fHを、イオンガン31毎に異ならせてもよい。
また、この周波数測定装置100においては、エッチングの進行と共にエッチングレートがハイ、ミドル、ローと調整されているので、高速に且つ正確に周波数調整を行うことができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
例えば、測定の対象は、水晶振動子に限定されず、複数の個の測定対象を印加周波数をスキャンしながら測定する場合に広く適用可能である。例えば、水晶振動子以外の任意の発振素子、圧電素子の共振周波数やインピーダンスを求める装置に適用可能である。
また、上記第2の実施の形態では、ハイレート、ミドルレート、ローレートのイオンガンをそれぞれ配置する例を示したが、1つのイオンガンを用いてレートを変化させてもかまわない。
また、共振周波数の測定と測定値に基づいたエッチングとを行う装置を例に説明したが、別個の装置でもよい。
上記実施の形態で示した数値、特性は、例示であり、限定されるものではない。例えば、1つのキャリアの1列の水晶振動子の搭載個数は6個に限定されず、それ以下でも以上でもよい。
上記実施の形態では、各水晶振動子21のインピーダンスZを求め、求めたインピーダンスZの周波数fに対する変化から水晶振動子21の共振周波数f0を求めたが、インピーダンスZを明示的に求める必要はない。
例えば、水晶振動子21に印加した電圧、水晶振動子21を流れる電流、水晶振動子21を流れる電圧と電流の位相差、等、インピーダンスZの変化に対応する変化を示す他の、水晶振動子21の特性(指標・パラメータ)を測定し、その値の変化から共振周波数f0を求めても良い。例えば、水晶振動子21を流れる電流が最大値になる周波数、位相差が0に成る周波数などを、共振周波数として特定してもよい。
上記実施の形態では、複数の水晶振動子21に並列に励振用の周波数信号を印加するために、パワースプリッタ40とインピーダンス変換回路41を使用した。これにより、安定して互いに同一の励振用信号が供給できる。ただし、これに限定されない。例えば、ネットワークアナライザ60が十分な駆動能力を有する場合には、単純なワイヤ結線された分岐回路で、励振用信号を分岐して水晶振動子21に印加するようにしてもよい。
上記実施の形態ではインピーダンスが最小値となる共振周波数を求めたが、負荷時共振周波数を求めてもよい。負荷時共振周波数は、負荷容量分のインピーダンスを考慮し、演算部にて目標周波数fをオフセットすればよい。インピーダンスを監視し、任意のインピーダンスとなった時点で調整が終了するように制御してもよい。調整終了目標は自由に設定、制御すればよく、いずれの場合も本発明の効果が得られる。
上記実施の形態では、周波数測定と周波数調整を同位置にて行うが、測定と調整をそれぞれ別位置にて実施してもよい。例えば、キャリア22の搬送路上流側に周波数測定用プローブを配置し、搬送路下流側に周波数調整用イオンガンを配置してもよい。例えば、キャリア22(M×N)上のn列(nはn<Nを満たす任意の自然数)に対面する位置にM対のプローブを配置し、n+k列(kはk≦N-nを満たす任意の自然数)に対面する位置にM個の水晶振動子を照射範囲に含むイオンガンを配置すれば、キャリア22上で列をずらして周波数測定とイオンビーム照射を同時に行うこともできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
10 周波数測定装置
11 仕込取出室
12 エッチング室
13 取出室
14 仕込室
21 水晶振動子
22 キャリア
23 仕切弁
31 (31H、31M、31L)イオンガン
32 (32H、32M、32L)シャッタ
33 (33H、33M、33L)コンタクト機構
34A、34B ケーブル
37 仕切弁
40 パワースプリッタ
41 インピーダンス変換回路
50 IC回路
60 ネットワークアナライザ
100 周波数測定装置
200 制御部
211 水晶片
212、213 電極
212P、213P 接続パッド
213L リード電極
331 プローブピン
331A、331B プローブピン
332 ブロック
333 基板
334 スルーホール
335 穴
337 アーム

Claims (6)

  1. 複数の音叉型水晶振動子の共振周波数を測定する周波数測定装置であって、
    目標となる共振周波数を含む所定の範囲の周波数から設定した周波数の励振用信号を複数の音叉型水晶振動子に並行して供給する励振用信号供給部と、
    前記複数の音叉型水晶振動子からの測定信号の出力のオン/オフを切り替えるスイッチとして機能し、設定された周波数の前記励振用信号により並行して励振されている前記複数の音叉型水晶振動子のうちから、測定対象の音叉型水晶振動子を順次切り換えて選択する選択部と、
    前記選択部が選択した音叉型水晶振動子から出力される測定信号を受信する受信部と、
    前記受信部から出力される周波数別の特性から各音叉型水晶振動子の共振周波数を求める演算部と、
    を備え、
    前記励振用信号供給部は、
    励振用信号を供給する供給部と、
    入力インピーダンス変換機能を備えた回路と信号の分配回路とから構成され、前記供給部から供給された励振用信号を分岐し、分岐した信号を前記複数の音叉型水晶振動子にそれぞれ供給する信号分岐部と、
    を有し、
    前記選択部は、
    前記複数の音叉型水晶振動子にそれぞれ接続されたインピーダンス変換素子を含むボルテージフォロワ回路を有し、
    前記励振用信号供給部は、前記選択部が測定対象の音叉型水晶振動子を順次選択することにより、音叉型水晶振動子全てについて前記受信部から前記演算部への前記測定信号の出力が完了すると、前記所定の範囲内において前記励振用信号の周波数を更新し、更新した周波数の前記励振用信号を前記複数の音叉型水晶振動子に並行して供給し、
    前記演算部は、複数の周波数の励振用信号について測定された特性から、各音叉型水晶振動子の共振周波数を求める、
    ことを特徴とする周波数測定装置。
  2. 前記選択部は、前記励振用信号供給部が励振用信号の周波数を変更した後、各音叉型水晶振動子の動作が安定するために要する期間が経過した後、1つ目の測定対象の音叉型水晶振動子を選択し、以後は、前記受信部の前記測定信号の出力に要する時間が経過する毎に測定対象の音叉型水晶振動子を切り換えて選択する、
    ことを特徴とする請求項に記載の周波数測定装置。
  3. 前記選択部は、前記励振用信号供給部が励振用信号の周波数を変更した後、各音叉型水晶振動子の動作が安定するために要する期間が経過した後、1つ目の測定対象の音叉型水晶振動子の特性を測定し、以後は、1つの音叉型水晶振動子の特性の測定が終了する毎に測定対象の音叉型水晶振動子を切り換えて選択する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の周波数測定装置。
  4. 前記励振用信号供給部は、前記複数の音叉型水晶振動子の一端に所定周波数の励振用信号を印加し、
    前記選択部は、前記音叉型水晶振動子の他端に接続され、音叉型水晶振動子を通過した信号を前記受信部に出力する、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の周波数測定装置。
  5. 前記特性は、高周波信号の位相差及び振幅比であり、
    前記受信部は、前記選択部が選択した音叉型水晶振動子を通過した高周波信号を受信し、前記音叉型水晶振動子を通過した信号と基準の励振用信号とを比較して前記特性を前記演算部に出力し、前記演算部は前記特性から、各音叉型水晶振動子のインピーダンスを求め、共振周波数を求める、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の周波数測定装置。
  6. 励振用信号を供給する供給回路と入力インピーダンス変換回路と信号分配回路とにより、分岐した励振用信号を複数の音叉型水晶振動子にそれぞれ供給して、目標となる共振周波数を含む所定の範囲の周波数から設定した周波数で前記複数の音叉型水晶振動子を並行して励振し、
    前記複数の音叉型水晶振動子にそれぞれ接続されたインピーダンス変換素子を有するボルテージフォロワ回路により、前記複数の音叉型水晶振動子からの測定信号の出力のオン/オフを切り替えて、設定された周波数で並行して励振されている前記複数の音叉型水晶振動子のうちから測定対象の音叉型水晶振動子を順次選択し、
    選択した音叉型水晶振動子から出力される測定信号を受信し、
    受信した測定信号から前記複数の音叉型水晶振動子の特性を順次測定し、
    測定対象の音叉型水晶振動子を順次選択することにより、設定された周波数について測定対象となる全ての音叉型水晶子の特性の測定が完了すると、前記所定の範囲内において励振用の周波数を更新し、更新した周波数で前記複数の音叉型水晶振動子を並行して励振し、
    複数の励振周波数について、測定された特性に基づいて、各音叉型水晶振動子の共振周波数を求める、
    ことを特徴とする周波数測定方法。
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